説明

スマートなセキュア・コンテナ

【課題】ハイリスク・コンテナの危険を検出し最小限にすることができるシステムを提供する。
【解決手段】スマート・コンテナは、荷物を積み降ろしするための開口部を有するコンテナ・ハウジングを備えている。開口部は封鎖および開封することができる。コンテナ・ハウジング内には、想定される脅威(セキュリティ上の問題)を示すことが可能な偏差を検出する少なくとも1つの検出器が配置されている。コンテナ・ハウジング内には通信リンク20も配置されている。通信リンクは想定される脅威情報を中央荷物データ収集位置に送信することができる。例えば、輸送手段(例えば船)上のコンテナは、そのコンテナに関する情報を、船に積まれた中央データ収集装置に送る。その後、中央データ収集装置は、その情報を、船から離れて、例えばC4ISRグリッドに、送信することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般にコンテナに関し、より詳細にはスマートなセキュア・コンテナに関する。
(関連出願の相互参照)
本願は、2002年9月4日に出願した米国仮出願第60/408,107号の利益を主張する。この出願の内容全体は本願に援用する。
(連歩政府支援の研究/開発に関する記述)
なし。
【背景技術】
【0002】
国際的な荷物輸送(空輸、海輸または陸輸)における要素(例えばコンテナ、容器、人)は、すべて潜在的な脅威を有している。そのような脅威の例としては、コンテナが計画ルートから逸れて、多量破壊兵器(WMD)を含む荷物が元の内容の一部と交換されること;WMDを含む荷物コンテナがコンテナ内に封鎖されること;およびコンテナの中で1または複数のテロリストが運搬されること;が含まれるが、これらに限定されるわけではない。脅威の危険を最小限にすることが非常に望ましい。また、脅威に曝される可能性の高い要素を意図した目標エリア/環境の外に維持することにより、潜在的な脅威を最小限にすることも望ましい。
【0003】
2002年2月に、関税局長官であるロバート シー ボナー(Robert C.Bonner)は以下のことを述べた。「コンテナ・セキュリティ・イニシアチブは4つのコア・エレメントから成る。それらは、(1)ハイリスクのコンテナを識別するためのセキュリティ基準を確立すること;(2)コンテナが米国の港に到着する前に予め遮ること;(3)ハイリスクのコンテナを予め遮断するための技術を使用すること;(4)スマートなセキュア・コンテナを開発し使用すること;である。」
スマートなセキュア・コンテナの開発および使用は、物理的セキュリティの阻止および確認が実際の脅威に対して起こるように、最も高い割合を占める脅威でない荷物輸送要素を除去する技術を使用するべきである。阻止は、意図した目標からできるだけ最も離れた場所で起こるべきである。上述の脅威に加えて、さらなる問題に、輸送手段(例えば船)の上に非スマート・コンテナの荷物を積むこと;WMD荷物を備えた非スマート・アンテナが目的地に向かう途中の船に積まれること;ならびに1または複数のスマート・コンテナが途中で故障または損傷すること;がある。
【0004】
現在のコンテナは電子シールおよび全地球測位システム(GPS)位置記録を備えている。電子シールは、不正開封検出機能を提供するだけでなく、コンテナに関するデータ(例えば積荷目録)を担持するためにも使用することができる。GPS記録機能は目的地点での、計画輸送ルートからの偏差を検出することを可能にする。スタンドアロンの電子シールとGPS記録だけを使用したそのようなシステムは、ハイリスク・コンテナ(例えば輸送中にシールが破られたコンテナや、疑わしいルート偏差が生じたコンテナ)に対しては充分なセキュリティを提供しない。そのようなシステムはまだ途中にある(例えば海洋上にあるか、または飛行中の)ハイリスク・コンテナを識別することができない。さらに、そのようなシステムは、電子シールを活用する個人を暗黙に信頼している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、ハイリスク・コンテナの危険を検出し最小限にすることができるシステムが必要とされている。そのように危険を最小限にすることには、コンテナを意図した目標エリ
アから逸らすことができるように、ハイリスク・コンテナを十分に早く検出することが含まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
輸送手段で荷物を輸送するために構成されたスマート・コンテナと、輸送手段でスマート・コンテナを輸送する方法とが開示される。スマート・コンテナは、荷物を積み降ろしするための開口部を有するコンテナ・ハウジングを備えている。開口部は封鎖および開封することが可能である。コンテナ・ハウジング内には、想定される脅威(セキュリティ上の問題)を示すことが可能な偏差を検出する少なくとも1つの検出器が配置されている。コンテナ・ハウジング内には通信リンクも配置されている。通信リンクは想定される脅威情報を中央荷物データ収集位置へ送信することができる。例えば、輸送手段(例えば船)上のコンテナは、そのコンテナについての情報を、船に積まれた中央データ収集装置へ送る。その後、中央データ収集装置は、その情報を、船から離れて(例えばC4ISRグリッドに)送信し得る。
【0007】
コンテナはさらに記録装置を備え得る。記録装置はコンテナに関する情報を格納する。
コンテナはさらに、全地球測位システム(GPS)を備え、全地球測位システム(GPS)と通信し得る。記録装置は全地球測位システムから位置情報を受け取り、それを格納し得る。そのような位置情報は周期的間隔で格納され得る。周期的間隔は、全地球測位システムによって決定される輸送手段の位置に基づいて変化し得る。例えば、そのような記録は、特定のハイリスクな地理的エリアでより頻繁に起こり得る。また、輸送手段が目的地に接近したときにも、そのような報告はより頻繁に起こり得る。報告頻度が増加する時の別の例は、潜在的な脅威が確認された時である。
【0008】
通信リンクは少なくとも1つの他のスマート・コンテナを介して中央荷物データ収集位置へ情報を送信し得る。したがって、コンテナは、情報が様々なコンテナを通って送られ、連鎖内の最終コンテナが中央荷物データ収集位置へ情報を送信するように、連鎖式に構成される。
【0009】
コンテナ・ハウジングは、少なくとも1つの荷物内容検出器を有すると共に、通信リンクが従来のハウジング内に配置されるように改良された、従来のコンテナ・ハウジングであってもよい。従来のコンテナ・ハウジングは、従来のコンテナ・ハウジング内に配置された全地球測位システム位置記録装置;およびコンテナの開口部を封鎖および開封するように構成された商用電子シール;を有し得る。
【0010】
商用電子シールは無線周波数識別タグおよび/または不正開封防止部材を含み得る。
検出器は、荷物内容検出器、コンテナ・セキュリティ検出器、ルート偏差検出器、またはそれらの組み合わせであってよい。
【0011】
荷物内容検出器は、コンテナ体積変化検出器、WMD検出器、動き検出器、またはそれらの組み合わせであってよい。
体積変化検出器は、荷物の既知の体積からの偏差を検出するように構成される。これは、荷物のプロファイリングおよび/または反響測定値を使用して行われ得る。WMD検出器は、コンテナに格納された放射性同位元素を含む物質を検出するように構成される。そのような放射性同位元素は、核/放射能兵器、生物兵器および/または化学/爆発兵器を示し得る。
【0012】
動き検出器はスマート・コンテナ内の荷物の動きを検出するように構成される。
コンテナ・セキュリティ検出器は、破損検出器、ドア開放/閉鎖検出器、またはその組み合わせであり得る。
【0013】
破損検出器は、コンテナおよび/またはコンテナシェル開口部の切断をはじめとする、無許可のコンテナ・エントリを検出するように構成される。
ドア開放/閉鎖検出器は、コンテナ開口部を介したコンテナ・エントリを検出するように構成される。
【0014】
ルート偏差検出器は、計画ルートからの重要な偏差があったか否か判定するために、輸送手段の現在位置を計画ルートと比較する。現在位置の情報は、全地球測位システムから得られ得る。
【0015】
輸送手段を介してコンテナ内の荷物(上述したような荷物)を目的地点へ輸送する方法は、(a)コンテナのセキュリティをモニタする少なくとも1つのコンテナ・セキュリティ検出器を備えたコンテナ内に、荷物を積み込むこと;(b)コンテナを電子的に封鎖すること;(c)輸送手段にコンテナを積み込むこと;(d)輸送手段によって荷物を輸送すること;および(e)少なくとも1つのコンテナ・セキュリティ検出器を使用して、輸送の間に連続的にコンテナ・セキュリティをモニタすること;を含む。
【0016】
方法はさらに、(f)コンテナ・セキュリティのモニタの間に収集されたデータに基づいて、コンテナ・セキュリティ・リスクを評価すること;(g)コンテナ・セキュリティ・リスクが高い場合に、是正措置をとること;(h)コンテナ・セキュリティ・リスクが高くない場合に、(i)目的地点まで進み;および(ii)スマート・コンテナを電子的に開封すること;からなり得る。
コンテナ・セキュリティ・リスクが高い場合にとられる是正措置は、目的地点へ進まないことであり得る。
【0017】
本発明の以上のおよび他の特徴は、図面を参照すれば、より明白になるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】スマートなセキュア・コンテナとして一部が具現化された、無人の/付き添いのない自律センサの階層ネットワークの例。
【図2】通信とセキュア・データのインフラストラクチャの典型的なサブシステムの例。
【図3】既存のコンテナを改良することにより作成されたスマートなセキュア・コンテナの例。
【図4】船に積まれるスマート・コンテナに対する操作の典型的なシステムの例。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ここで図面を参照する。図面は、発明の好ましい実施形態を例証することを目的とするにすぎず、発明を制限することを目的とするわけではない。
図1は、スマートなセキュア・コンテナ12として一部が具現化された、無人/付き添いのない自律センサの階層ネットワーク10の例である。集合的に、ネットワーク10は、母国を保護する距離で脅威を阻止するのに適した時系列で、危険分析/応答サイクルを促進する。
【0020】
システム10は、輸送媒体の(例えば船の)内容を質問し、出荷情報を確認する。出荷情報を積荷目録に対して自動確認にすると、検査の必要性が減り、コストが削減される。システムは、マスタ荷物リスト、船の移動履歴およびインテリジェンス/法執行データベースへのリンクに対するアクセスを有する中央ステーションを備えている。これは、システム10が法執行機関に提供され得るデータを密かに収集することを可能にする。
【0021】
図1に示したように、コマンド(Command )、コントロール(Control )、通信(Communications)、コンピュータ(Computers )、インテリジェンス(Intelligence)、監視(Surveillance)、および偵察(Reconnaissance)の(C4ISR)グリッド16は、1または複数の船14を備えている。各船14は1または複数のスマート・コンテナ12を備えている。集合的に、センサ・ネットワーク10は、母国を保護する距離で脅威を阻止するのに適した時系列で、危険分析/決定/応答サイクルを促進する。
【0022】
例示の実施形態では、スマート・コンテナ12は、図3に示したような既存のコンテナ50を改良されることにより作成される。好ましくは、改良された既存のコンテナ50は、GPS位置記録装置52と商用電子シール54を備えている。例示の実施形態では、商用電子シールは、無線周波数識別(RFID)タグ、電子シールの不正開封検出、および積荷目録の記録を含む。積荷目録の記録は、コンテナ内容の記述(例えばコンテナに収容された物質の種類、内容物の重量、および/または内容物の体積)を含む。また、積荷目録の記録は、目的地およびコンテナの計画ルートも含み得る。
【0023】
既製のコンテナ50は、多量破壊兵器(WMD)の脅威を検出するセンサ60、破損を検出するセンサ66、内容物の正味の変更を検出するセンサ62、計画ルートからの偏差を検出するセンサ70である1組のセンサと、ローカライズ通信手段74とから成る内蔵式のパッケージにより改良される。スマート・コンテナ12は、互いに情報を交換するだけでなく、輸送手段(例えば船)14の上のセンサとも情報を交換し、また、(船14を介して)グローバルC4ISRグリッド16とも間接的に情報を交換する。スマート・コンテナ12の各々は、核・生物・化学(Nuclear, Biological and chemical, NBC)センサ60を備えている。コンテナ12はまた、体積変化を検出するセンサ62、重量の変化、動きを検出するセンサ64、破損を検出するセンサ66、およびルート偏差を検出するセンサ70を備えている。コンテナはまた、他のコンテナ12や、コンテナ12が配置された輸送手段(例えば船)14と通信するためのコンテナ通信リンク74も備えている。
【0024】
現在のコンテナ50は、GPS位置記録装置52と商用電子シール54を備えている。現在の電子シールは、無線周波数識別(RFID)、不正開封検出、および積荷目録の記録という機能を提供する。現在の電子シールは南京錠と同様に機能する。既存のコンテナ50は様々な検出器を備えるように改良することが可能である。動きおよび/または光検出器を、シールの回避によりコンテナを通過する任意の試みに警戒するために使用することができる。コンテナは、ドア開放/閉鎖検出器68および破損検出器66を備えるようにも改良することができる。さらに、体積変化検出器62および/または重量変化検出器をコンテナに加えてもよい。核・生物・化学(NBC)検出器60をコンテナに加えてもよい。様々な検出器に加えて、コンテナはGPSに基づくルート確認70を含んでもよい。ルート確認は、現在位置の情報を計画ルート情報と比較する。計画ルート情報は、例えば積荷目録の記録に、格納され得る。
【0025】
体積変化検出器62は、荷物のプロファイリングおよび/または反響測定値を含み得る。荷物のプロファイリングは動きの検出と同様である。コンテナ12の天井にセンサが取り付けられる。検出器は、荷物の上部にプロファイルをマッピングし、荷物の上部のマッピングされたプロファイルからの変化を検出できる。荷物のプロファイリングはまた、歪センサにより、コンテナのフレーム内の質量の変化を検出することもできる。水平面のプロファイルを測定するために多数のセンサを使用してもよい。反響測定は、コンテナ体積内の反響を特徴付けるために、建築音響学からの方法を適応させる。体積および/または重量の変化を検出するために、周期的測定がなされ、比較される。
【0026】
破損検出66は、コンテナ・シェルの切断および/または開口部の検出を含んでいる。
切断の検出は、受動振動によって達成される。コンテナ・シェルには加速度計が取り付けられる。データが低出力の監視システムに送信される。振動の出来事はシステムを起こし、振動を評価させる。構造物の変化を検出するために、コンテナ・フレームには歪センサが取り付けられ得る。コンテナ・シェルの開口部は、例えば超音波を介して、能動振動により検出される。振動機/加速度計は、シェルを通るコンテナ・シェルの試験伝送パス(現在の非破壊試験手順と同様)または異なる共振パスに取り付けられる。コンテナ・シェルに新しい開口部があると、伝送パスは変化する。
【0027】
WMDは、「汚い爆弾」を初めとする核・生物・化学兵器を含むが、これに限定されるわけではない。WMD検出器60は、核/放射線検出器、生物検出器、化学爆発検出器またはそれらの任意の組み合わせを含んでよい。核検出器は好ましくは最も一般的な核分裂性物質(プルトニウム239とウラン235)を検出する。核放射性物質の他の現在および将来の検出器が使用されてもよい。化学/爆発検出器は、イオン移動性および表面弾性波センサを含み得る。ガスクロマトグラフ/質量分析計も使用されてよい。
【0028】
様々な出来事が記録され得る。そのような記録は日時スタンプを含むべきである。そのような記録可能な出来事の例としては、GPS位置記録、封鎖/開封出来事、コンテナの体積サイン、および不正開封検出の出来事が含まれる。コンテナの封鎖または開封時と、輸送中に周期的にとの場合には常に、GPS位置の記録が起こる。封鎖/開封の記録は、コンテナの各回の封鎖または開封のバイオメトリック認証を含む。コンテナの封鎖または開封時と、輸送中に周期的にとの場合には常に、コンテナの体積サインが記録される。
【0029】
船(または他の輸送手段)14は、船の構造物(例えば船楼、船体など)内に備えられたWMD脅威を検出することができる船レベルのセンサと、コンテナ通信リンクおよびグローバルC4通信リンクとにより改良される。船システムはコンテナからグローバルC4グリッドへの情報の運搬を容易にするだけでなく、コンテナ内に含まれていない脅威のリスクも管理する。船(または他の輸送手段)は、核・生物・化学兵器の検出のための船レベルのセンサを備えている。船はまた、C4ISRグリッドと通信するための通信リンクと、船上のスマート・コンテナと通信するための通信リンクとを備えている。
【0030】
図2に示されるように、C4ISRグリッド16は、船14およびスマートなセキュア・コンテナ12からの情報を、連邦/州/地方データベースと融合し、危険分析/決定/応答サイクルを実施する。C4ISRグリッドはグローバルC4通信リンクを含んでいる。C4ISRグリッドは連邦/州/地方データベースの融合を行うことができる。C4ISRグリッドは法執行、税関、およびインテリジェンス(Intel)機能を実行する。C4ISRグリッドはまた、分析/決定/応答サイクルも実行する。これらの機能を行なうために、C4ISRグリッドは通信とセキュア・データのインフラストラクチャ20を実装している。インフラストラクチャ20は法執行データベース22、税関データベース24、インテリジェンス共同体データベース26およびスマートバイオメトリック認証データ記憶装置28を備えている。通信とセキュア・データのインフラストラクチャ20は、スマート・コンテナ12だけでなく、船ベースのセンサ・ネットワーク(上述)40および港ベースのセンサ・ネットワーク38も含んでいる。通信とセキュア・データのインフラストラクチャ20はまた、輸送手段下の検査システム44、ライセンスプレート読取装置42、船および港のスマートカード型質問機34、携帯型の質問機32およびバイオメトリック読取装置30を含み得る。
【0031】
図4は、船14に積まれるスマート・コンテナ12に対する操作の例証的なシステムを例示する。テロ対応税関貿易協力(C−TPAT)のメンバーの船積み人の位置で、荷物はスマートなセキュア・コンテナに積み込まれる。続いて、船積み人によって認可された個人は、コンテナを電子的に封鎖するために(80)、携帯型の質問機を利用する。携帯
型の質問機に不可欠なスマートカード記憶媒体を備えたバイオメトリックサイン読取装置30が、許可された個人の身元を確認するために利用される。封鎖の行動の一部として、出来事は、認可用のバイオメトリックサインおよび積荷目録と共に、コンテナメモリに記録される。
【0032】
その後、港湾クレーンが、コンテナ船の上にコンテナを載せる(82)。スマートな/安全なコンテナ技術を利用しないコンテナは船に載せられないか、その存在が文書化されることを保証するために、港湾クレーンは質問機を利用する。港湾クレーンの質問機は、持ち上げプロセスの間にコンテナ(例えばRFIDタグ)に質問する。船積みは更新され、ルート、重量および重心(CG)がロードされる。例示の実施形態では、スマートなセキュア・コンテナ12を支持して非遵守の既存のコンテナ50を外に撤去している移動期間中に、非遵守のコンテナ12の存在が、港湾クレーン質問機と船質問機の間の通信を介して船のメモリに記録される。スマートなセキュア・コンテナ12がいたるところに配置されている時に、非遵守または機能しないコンテナ50は拒否され、船14にその後載せられることはない。
【0033】
大海での輸送(84)中に、スマート・コンテナ12は、互いに、および船質問機と通信し、総計のリスク評価を周期的に生成する。リスク評価は、コンテナおよび船センサからも、計画ルートからの潜在的な偏差からも、生成される。任意のコンテナが空およびGPS衛星資源への視線(line-of-sight )を有しないとすれば、船の位置情報は、コンテナ間の通信リンクの蓄積転送のアドホック・ネットワークを介して、コンテナに関連付けられる。
【0034】
船が200マイル(約322km)の母国境界を横断する際に、入港への電子阻止および潜在的な通関手続が起こる(86)。リスク評価、積荷目録および船積記録は、衛星通信を介して母国ベースの融合センタか、コンテナ間の通信リンクを介して阻止輸送手段(空気または海)かのいずれかに伝達される。船/コンテナ・ネットワークによって提供される情報は、分析/決定/応答サイクルを提供するために利用される。低いリスク評価が生成された(例えば船がハイリスクの港に向かわなかった、コンテナが封鎖されたままだった、WMDセンサが脅威などを検出しなかった、など)と仮定すると、船14は、入港するための通関手続を与えられる。代わりに、脅威が確認された場合、船14は、母国から保護されるに十分な範囲にあり、物理的阻止を適用可能な時系列内にあることを確認される。
【0035】
入港では、コンテナは荷物を降ろし(88)、港湾クレーン質問機によって、積荷目録が更新され、積荷目録が読み取られ、リスク評価が再確認される。
コンテナの目的地で、携帯型の質問機はコンテナを電子的に開封し(90)、船積の記録を更新するために利用される。端から端までの保護の連鎖の連続性により、セキュリティ保証が確立されると共に、保険事業補償が補強される。
【0036】
本明細書で説明したスマート・コンテナ12は、NBCの検出器を使用してWMDを検出および確認するために使用することができる。そのような1つの検出器の例は、カドミウム・亜鉛・テルルガンマ線検出器である。しかしながら、NBC検出器の代わりに、またはNBC検出器に加えて、他のWMD検出器が使用されてもよいことは認識されるだろう。そのような検出器は、既存の検出器であってもよいし、または今後作成される検出器であってもよい。
【0037】
スマート・コンテナ12は端から端までの保護の連鎖を確立し確認するために使用することができる。コンテナ12は不可欠なドアセキュア・センサおよび不可欠な音響体積変化センサを備えている。GPS装置は計画ルートからの偏差を決定するために使用するこ
とができる。コンテナ12はスタンドアロンの質問をすることもできるし、積み重ねられている時に(すなわち他のコンテナとおよび船14と通信している時)に質問をすることもできる。コンテナ間の通信およびコンテナ/船の通信は、無線無線周波数(RF)リンクによって達成される。好ましくは、格納データは暗号化される。
【0038】
コンテナ12は、世界に跨る環境に耐えるように構築されるべきである。コンテナは荷物へ/からの損傷を最小限にするべきである。さらに、外部装置は、例えばアンテナ、光起電力等の外部装置をコンテナのスチールひだの内側に配置することにより、コンテナおよび取扱設備へ/からの損傷を最小限にするべきである。
【0039】
コンテナ12はまた、経済上の取引に最小の影響を及ぼすべきである。これを達成する1つの方法は、既存のコンテナを改良することによるものである。経済上の影響を最小限にする他の要因には、コンテナ・システムに関する安全上の問題点を低減する設計および製法や、平均故障間隔(MTBF)が年の大きさで収まるような設計および構成が含まれる。
【0040】
上述の性能は、スマート・コンテナ12、固定質問機34、携帯型の質問機32およびマルチホップRFネットワークに実装される。コンテナの完全性を維持するために、スマート・コンテナ12は以下に記述するような様々な特徴を含む。コンテナは、不正開封検出、ドア開放/封鎖検出、正味の内容の不正開封検出および動き検出(例えば超音波による動き検出器)のためのコンテナ・サブシステムを含む。コンテナはまた、コンテナの切断、溶接、または開口部を検出する加速度計も含む。コンテナはまた、体積変化検出に作用する音響学的反響サインおよび荷物高さプロファイリング超音波も含む。コンテナ12はまた、ルート確認ならびに格納された計画ルートを有するGPSも含む。
【0041】
コンテナは、またコンテナ・バッテリ72を初めとするコンテナ電源も備えている。リチウム電池のような様々な電池が使用され得る。コンテナはまた、光起電力電池を初めとする再充電可能な電源72も有する。
【0042】
スマート・コンテナ12はまた、マルチホップRFネットワーク74とのコンテナ間リンクおよびコンテナ/質問機リンクを含む。例示の実施形態では、マルチホップRFネットワーク74は、アドホック・ネットワーク・プロトコールを使用する。マルチホップRFネットワーク74はまた、対称なRFリンクを含む。コンテナ12は船14上の中央記録位置と直接通信してもよいし、コンテナ12は別のコンテナ12へ情報を送ってもよい。最終コンテナ12が船14上の中央記録位置へ情報を送るまで、コンテナ12は情報を送り続ける。適切な範囲を有している現在利用可能または将来利用可能な任意のタイプの無線技術が、通信リンクを実装するために使用され得る。コンテナ12は、コンテナとコンテナ内に格納された荷物の状態を示すメッセージを送る。例えば、周期的なステータス・メッセージが送信され得る。そのようなメッセージはコンテナの識別情報と時間を含む。メッセージは、以前のメッセージからの任意の変化のような、追加情報を含んでもよい。そのような変化は、体積変化、重量変化、新しい位置情報、破損情報、物質の変化など(例えばコンテナ内容の組成の変化)を含み得る。メッセージは、周期的間隔、例えば5秒ごとに送信され得る。時間間隔は、輸送手段の位置に基づいて変わり得る。例えば、メッセージは、特定地理的位置で、および/または輸送手段が目的地に近づいた時には、より頻繁に送られてもよい。
【0043】
固定質問機34は、固定のインフラストラクチャ・リンク・イーサネット(登録商標)接続性を含む。固定質問機34は、任意選択の無線インフラストラクチャ(WLAN)を含み得る。固定質問機はまた、任意選択のグローバル・リンクSATCOMを含み得る。任意選択のオーバーヘッド・リンク・レーダ応答タグも実装され得る。固定質問機は、マ
ルチホップRFネットワークのコンテナ・ステータスを質問する。
【0044】
携帯型質問機32は、オペレータのスマートカード読取装置の識別を得るために使用される。携帯型質問機32は、ローカル・インフラストラクチャ接続性(WLAN)を有している。携帯型質問機32は、通信リンクのマルチホップRFネットワークを封鎖/開封するために使用される。携帯型質問機32はまた、オペレータのバイオメトリックサイン読取り装置30の物理的確認も提供する。
【0045】
本発明のさらなる改変および改良も、当業者には明らかであろう。したがって、ここで説明し例示した部分の特定の組み合わせは、本発明の特定の実施形態を表わすことを意図するにすぎず、発明の精神および範囲内にある代替デバイスの限定としての役割を果たすことは意図していない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸送手段を介してコンテナ内の荷物を目的地点に輸送する方法であって、
(a)コンテナのセキュリティをモニタする少なくとも1つのコンテナ・セキュリティ検出器を備えたコンテナ内に、荷物を積み込むこと;
(b)コンテナを電子的に封鎖すること;
(c)輸送手段にコンテナを積み込むこと;
(d)輸送手段によって荷物を輸送すること;
(e)前記少なくとも1つのコンテナ・セキュリティ検出器を使用して、輸送の間に連続的にコンテナ・セキュリティをモニタすること;
(f)コンテナ・セキュリティのモニタの間に収集されたデータに基づいて、コンテナ・セキュリティ・リスクを評価すること;
(g)コンテナ・セキュリティ・リスクが高い場合に、是正措置をとること;
(h)コンテナ・セキュリティ・リスクが高くない場合に、
(i)目的地点まで進み;および
(ii)スマート・コンテナを電子的に開封すること;
から成る方法。
【請求項2】
前記コンテナ・セキュリティ・リスクを評価することが、コンテナの内容に体積変化があったか否かを判定することから成る、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記コンテナ・セキュリティ・リスクを評価することが、コンテナの破損があったか否かを判定することから成る、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記コンテナ・セキュリティ・リスクを評価することが、コンテナが放射性同位元素を有する物質を含むか否かを判定することから成る、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記コンテナ・セキュリティ・リスクを評価することが、ルート偏差があったか否かを判定することから成る、請求項に記載の方法。
【請求項6】
出荷中のコンテナ内の敵対的な脅威を阻止する通信・データ情報ネットワークであって、
情報を送受信するための無線通信リンクを有する少なくとも1つのスマートなセキュア・コンテナ;
前記少なくとも1つのスマート・コンテナを輸送するための、無線通信リンクを有する少なくとも1つの輸送手段を有する、通信・データ情報ネットワーク・グリッド;ならびに
前記グリッドおよび前記少なくとも1つのスマート・コンテナと通信し、前記少なくとも1つのスマート・コンテナの内容を質問し、セキュリティ情報を確認するように構成された中央ステーション;
を備えた出荷中のコンテナ内の敵対的な脅威を阻止するネットワーク。
【請求項7】
前記中央ステーションが、マスタ荷物リストと、少なくとも1つの輸送手段からの移動履歴へのアクセスを有する、請求項に記載の出荷中のコンテナ内の敵対的な脅威を阻止するネットワーク。
【請求項8】
前記中央ステーションが、中央ステーションが法執行機関に提供され得るデータを密かに収集することを可能にするインテリジェンス/法執行データベースと通信するように適合されている、請求項に記載の出荷中のコンテナ内の敵対的な脅威を阻止するネットワーク。
【請求項9】
前記少なくとも1つの輸送手段が、グローバルC4通信リンクを有する、請求項に記載の出荷中のコンテナ内の敵対的な脅威を阻止するネットワーク。
【請求項10】
前記通信・データ情報ネットワーク・グリッドが、グリッドと、インテリジェンス共同体データベース、カスタムデータベース、連邦/州/地方法執行データベース、輸送手段下の検査システム、ライセンスプレート読取装置、輸送手段ベースのセンサネットワーク、港ベースのセンサネットワーク、前記少なくとも1つのスマートコンテナ、輸送手段および港のスマートコンテナ質問機、携帯型質問機、バイオメトリック読取装置、およびスマートカードバイオメトリックデータストレージとの間の通信を確立するためのネットワーク・インフラストラクチャを提供する、請求項に記載の出荷中のコンテナ内の敵対的な脅威を阻止するネットワーク。
【請求項11】
前記少なくとも1つのスマートコンテナを電子的に封鎖および開封し、コンテナの内容に関する荷積み記録を更新し、スマートカード読取装置の識別情報を取得し、オペレータのバイオメトリックサイン読取装置の物理的確認を提供するための、携帯型質問機をさらに備える、請求項に記載の出荷中のコンテナ内の敵対的な脅威を阻止するネットワーク。
【請求項12】
ネットワークがアドホック・ネットワークプロトコルを使用するマルチホップRFネットワークである、請求項に記載の出荷中のコンテナ内の敵対的な脅威を阻止するネットワーク。
【請求項13】
前記少なくとも1つのスマートコンテナは別のスマートコンテナと直接通信し、該別のスマートコンテナに情報を送るように適合されると共に、少なくとも1つの輸送手段上の中央記録位置に直接通信し、該中央記録位置に情報を送るように適合されている、請求項に記載の出荷中のコンテナ内の敵対的な脅威を阻止するネットワーク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−89967(P2010−89967A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−258117(P2009−258117)
【出願日】平成21年11月11日(2009.11.11)
【分割の表示】特願2004−534318(P2004−534318)の分割
【原出願日】平成15年8月22日(2003.8.22)
【出願人】(397017191)ノースロップ グラマン コーポレーション (30)
【Fターム(参考)】