説明

スライサー

【課題】厚さを変更しても、入れる力に変更を加えることなく、しかも常に安定したスライスが行えるスライサー100を提供すること。
【解決手段】第2滑り板20の両側面に案内突起21を一体的に設け、支持枠30の内側に、第2滑り板20側の各案内突起21が係合される案内溝31を形成するとともに、この案内溝31の一部に上下に傾斜する傾斜部を設けたこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、野菜やハム等の被スライス材を薄くスライスするためのスライサーに関し、特にスライス厚さを自由に変更できるようにしたスライサーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
野菜やハム等は、これをスライサーによってスライスすることが行われるが、その場合には、スライスされたものの厚さが好みに応じたものに自由に変更できると、食感を料理に合わせたものとすることができて、料理をする人の腕の見せ所が増大する。
【0003】
そこで、一台のスライサーでも、スライス厚さが自由に変更できるようにしたものが、例えば特許文献1において提案されている。
【特許文献1】特開2005−102724号公報、要約、代表図
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この特許文献1に示された「調理用スライサー」は、「第2支持板を回動させる操作部の構造を簡素化して製作コストを低くし且つ細部まで清掃できるようにし、さらに、第2支持板を大きく上方に回動させて念入りな清掃が可能であるようにする」ことを目的としてなされたもので、図14及び図15示すような構造のものとしてある。
【0005】
すなわち、この特許文献1の「調理用スライサー」は、図14及び図15に示すように、「第2支持板を前後方向に対し略直交する方向に設けられた回動軸部によって回動可能に支持し、前記刃と前記第2支持板との上下方向の間隙が可変となる調理用スライサーであって、上面視において前記刃と前記第2支持板との間に前後方向の間隙が設けられるとともに、前記第2支持板に当接する棒状のカムがその回動によって前記刃と前記第2支持板との上下方向の間隙を変化させるように設ける」といった構成を有したものである。
【0006】
しかしながら、発明者等の検討によると、この特許文献1におけるスライサーのように、「第2支持板」の刃から遠い部分を枢着して刃に近い部分を上下動するようにして、「刃と第2支持板との上下方向の間隙を変化させる」ようにすると、被スライス材Wの平行スライスがうまく行かないことが判明した。つまり、スライスされたものを見てみると、一番最初にスライスされた部分の厚さが、後端でスライスされた部分の厚さより薄くなっており、場合によっては、各スライス片がスライスの後端部分で繋がった状態になることが解ったのである。
【0007】
このような不安定なスライスがなされる原因は、どうやら被スライス材Wが「第2支持板」上を「刃」に向けて移動されるとき、この「第2支持板」が傾斜していることによって被スライス材Wの後端部分(最後に刃に掛けられる部分)が後方部分より大きく食い込むことにあるようである。勿論、「第2支持板」の傾斜はそれほど大きなものではないが、「刃」の取り付け方向が水平で全く変化しないものであることから、特に厚いスライスを行う場合に顕著に現れる現象となっているのである。そして、この特許文献1のように、傾斜によってスライス厚さを変更する技術であると、特に厚いスライスを行う際に、「食い込み」に抗するために力が大きく要ることにもなるのである。
【0008】
そこで、本発明者等は、スライス厚さを変更しても、常に安定したスライスが行えるようにするにはどうしたらよいか、について種々検討を重ねてきた結果、本発明を完成したのである。
【0009】
すなわち、本発明の目的とするところは、厚さを変更しても、入れる力に変更を加えることなく、しかも常に安定したスライスが行えるスライサー100を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以上の課題を解決するために、まず、請求項1に係る発明の採った手段は、後述する最良形態の説明中で使用する符号を付して説明すると、
「支持枠30に対して固定したスライス刃40と、このスライス刃40の後方及び手前側に配置した第1滑り板10及び第2滑り板20とを備えて、この第2滑り板20上をスライス刃40に向けて被スライス材Wを前後動させることにより、この被スライス材Wのスライスを行うようにしたスライサー100であって、
第2滑り板20の両側面に案内突起21を一体的に設け、支持枠30の内側に、第2滑り板20側の各案内突起21が係合される案内溝31を形成するとともに、この案内溝31の一部に上下に傾斜する傾斜部31aを設けて、
第2滑り板20側の各案内突起21を支持枠30の案内溝31内に係合されることにより、第2滑り板20を支持枠30に平行移動可能に組み付けて、この第2滑り板20上の被スライス材Wの下面全体がスライス刃40に対して常に平行移動し得るようにしたことを特徴とするスライサー100」
である。
【0011】
すなわち、本発明に係るスライサー100では、その第2滑り板20が支持枠30に対して平行移動可能に組み付けてあり、この第2滑り板20上の被スライス材Wの下面全体がスライス刃40に対して常に平行移動し得るようにしたものである。換言すれば、このスライサー100の第2滑り板20は、特許文献1のように1点で枢着して全体が傾斜しながら揺動するようにしたものではなく、支持枠30やスライス刃40に対して完全に平行移動するようにしたものである。
【0012】
第2滑り板20が支持枠30やスライス刃40に対して完全な平行移動するのであれば、この第2滑り板20のスライス刃40に対する位置を変更してスライス厚さの変更を行っても、当該第2滑り板20はスライス刃40に対して常に平行になっている。つまり、第2滑り板20上に当接されてスライス刃40に向けて移動される被スライス材Wの下面は、スライス刃40と常に平行になっているため、被スライス材Wへの押圧力は第2滑り板20の先端のスライス刃40との間に食い込むような力には変換されないのである。
【0013】
この第2滑り板20の支持枠30やスライス刃40に対する平行移動は、図1〜図9に示すように、第2滑り板20の両側面に案内突起21を一体的に設けるとともに、支持枠30の内側に各案内突起21が係合される案内溝31を形成して、この案内溝31に各案内突起21を係合させておくことにより行うのである。
【0014】
そして、この案内溝31の一部に、図9に示すように、上下に傾斜する傾斜部31aを設けておいて、第2滑り板20側の案内突起21がこの傾斜部31a上を移動することにより、第2滑り板20全体が僅かに上下動するのである。勿論、各案内溝31の上側には、図2及び図9に示すように、案内突起21を通すことのできる挿入穴31bが形成してあって、第2滑り板20を支持枠30に対して組み付ける際に、後述する最良形態の場合には、第2滑り板20側の4個の案内突起21が、支持枠30側の上面に開口している4個の挿入穴31b内に同時に嵌め込まれるのである。
【0015】
換言すれば、このスライサー100を構成している第2滑り板20の左右側端面には、最低2本の案内突起21が一体的に形成してあって、これら各案内突起21の全ては、支持枠30の側部内面に形成した各案内溝31内に、その上端に開口している挿入穴31bから同時にそのまま挿入され、第2滑り板20自体を動かすことにより、この挿入穴31b内に形成してある傾斜部31a上を前後でかつ上下に動き得るようにしてある。このことは、第2滑り板20が支持枠30に対して取り外し可能になっていることを意味し、図1に示すような「スライス」だけを行う第2滑り板20に代えて、図12に示すような、細切りを行えるようにした縦刃60を有する第2滑り板20も使用できるようになっていることを意味している。
【0016】
このスライサー100において、被スライス材Wのスライス厚さを変更したい場合には、第2滑り板20を前後動させるのである。この第2滑り板20の前後動は、後述する請求項2及び最良形態にて例示するように、調整つまみ50を図2中の矢印にて示すように、左右に動かすことによりなされるが、第2滑り板20の側面に取り付けた操作棒を支持枠30の側面から突出させて、その先端を操作することにより行うようにしてもよい。第2滑り板20が前後動させられれば、上述したように、各案内突起21が案内溝31の傾斜部31aによって上下動するから、第2滑り板20はスライス刃40に対して平行移動してその上面のスライス刃40に対する高さ及び距離が調整され、スライス厚さの調整がなされるのである。この間の変化は、図2及び図3に例示してある。
【0017】
以上の結果、このスライサー100によれば、そのスライス厚さを変更しても、被スライス材Wはスライス刃40に向けて常に平行に送られることになるから、スライス刃40に加わる力は、被スライス材Wのスライス厚さの変化に拘わらずほぼ一定となるのであり、常に安定したスライスが行えるのである。しかも、厚さを厚くした場合であっても、各スライス片は完全に切られる(スライスされる)のであり、スライス片が繋がった状態になることもないのである。
【0018】
従って、この請求項1のスライサー100は、スライス厚さを変更しても、入れる力に変更を加えることなく、しかも常に安定したスライスが行えるものとなっているのである。
【0019】
上記課題を解決するために、請求項2に係る発明の採った手段は、上記請求項1に記載のスライサー100について、
「支持枠30の手前側部分につまみ取付穴34を形成し、このつまみ取付穴34につまみ50と一体的なピン51aを通し、このピン51aの裏面側に傾斜穴52を介して連結板51を取り付け、この連結板51の取付頭部51bを第2滑り板20の裏面に取り付けて、
つまみ50を操作することにより第2滑り板20を前後動させるとともに、つまみ50の停止位置での第2滑り板20の支持枠30に対する固定を行うようにしたこと」
である。
【0020】
すなわち、この請求項2のスライサー100では、被スライス材Wのスライス厚さを変更したい場合には、第2滑り板20を前後動させるのであるが、それを具体的に行うのが、支持枠30の手前側上面に設けたつまみ50なのである。この調整つまみ50は、図2中の矢印にて示すように、「左右」に動かされたときに、これに連結板51を介して連結されている第2滑り板20の「前後動」を可能にするものである。つまり、このスライサー100では、つまみ50を操作することにより第2滑り板20が前後動されるとともに、つまみ50の停止位置での第2滑り板20の支持枠30に対する固定が行われるようにしてある。
【0021】
以上のつまみ50の操作により、第2滑り板20が支持枠30に対して前後動されるようにするために、この請求項2に係るスライサー100では、図4に示すように、まず、支持枠30の手前側部分に、軸心が被スライス材Wのスライス方向に対して直交するつまみ取付穴34が形成してある。このつまみ取付穴34には、図6〜図8に示すように、つまみ50と一体的なピン51aが通されるのであり、このピン51aは、図8に示すように、支持枠30の裏面側に配置される連結板51に組み付けられるものである。
【0022】
この連結板51には、図6〜図8に示すように、軸心が被スライス材Wのスライス方向に対して傾斜する傾斜穴52が形成してあり、この傾斜穴52内に上記ピン51aが移動可能に係合させてある。また、連結板51は、その前方に一体化した取付頭部51bを第2滑り板20の裏面に取り付けられ、調整つまみ50が連結板51を介して第2滑り板20に連結されるのである。
【0023】
以上のことにより、軸心が被スライス材Wのスライス方向に対して直交するつまみ取付穴34内にて調整つまみ50が動かされれば、これと一体的なピン51aが傾斜穴52内を動くことになるが、この傾斜穴52は軸心が被スライス材Wのスライス方向に対して傾斜するものであるから、結果的に連結板51が前後動されることになるのである。つまり、調整つまみ50を左右動させれば、これに応じて、第2滑り板20が前後動するのである。
【0024】
従って、この請求項2に係るスライサー100は、上記請求項1に係るそれと同様な機能を発揮する他、調整つまみ50の左右動によって第2滑り板20を前後動させることができ、スライス厚さの調整が当該スライサー100の表面側で簡単に行えるものとなっているのである。
【発明の効果】
【0025】
以上の通り、本発明においては、
「支持枠30に対して固定したスライス刃40と、このスライス刃40の後方及び手前側に配置した第1滑り板10及び第2滑り板20とを備えて、この第2滑り板20上をスライス刃40に向けて被スライス材Wを前後動させることにより、この被スライス材Wのスライスを行うようにしたスライサー100であって、
第2滑り板20の両側面に案内突起21を一体的に設け、支持枠30の内側に、第2滑り板20側の各案内突起21が係合される案内溝31を形成するとともに、この案内溝31の一部に上下に傾斜する傾斜部31aを設けて、
第2滑り板20側の各案内突起21を支持枠30の案内溝31内に係合されることにより、第2滑り板20を支持枠30に平行移動可能に組み付けて、この第2滑り板20上の被スライス材Wの下面全体がスライス刃40に対して常に平行移動し得るようにしたこと」
にその構成上の特徴があり、これにより、厚さを変更しても、入れる力に変更を加えることなく、しかも常に安定したスライスが行えるスライサー100を提供することができるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
次に、以上のように構成した各請求項に係る発明を、図面に示した最良の形態であるスライサー100について説明する。
【0027】
図1〜図12には、本発明に係るスライサー100が示してあるが、図1には、このスライサー100の平面図が、また図6には底面図が示してある。このスライサー100では、支持枠30の後方(図1では図示下上)に第1滑り板10が、また中程にスライス刃40が一体化してあり、支持枠30の図示下部に対して第2滑り板20が平行移動可能に組み付けてある。
【0028】
なお、本実施例において、各第1滑り板10及び第2滑り板20の表面には、図1及び図6に示したように、多数の突条が形成してあり、これらの突条上には、被スライス材Wの下面が当接されるものである。つまり、これらの突条は、被スライス材Wを第1滑り板10及び第2滑り板20上を滑らせるときの抵抗を減らすためのものである。
【0029】
第2滑り板20は、これが支持枠30に対して前後でかつ上下に平行移動できるようにするために、図1〜図3に示したように、左右両端面に少なくとも2個の案内突起21がそれぞれ一体成形してある。これら各案内突起21は、支持枠30側の各案内溝31に対して挿入穴31bから挿入されるものである。
【0030】
また、この第2滑り板20の裏面手前側端部には、図8にも示したように、左右の案内突起23が一体成形してあり、これらの案内突起23内には、後述する連結板51側の取付頭部51bが挿入される。また、これらの案内突起23の前方側には、図8に示したように、ストッパ22が形成してあり、このストッパ22と上述した各案内突起23とによって連結板51の取付頭部51bが挿入され、固定されるようにしてある。つまり、これらのストッパ22と各案内突起23とによって第2滑り板20の連結板51に対する連結が杆単位行えるようにしてある。
【0031】
図1〜図4に示した第2滑り板20は、単に被スライス材Wのスライスを行うものであるが、その他に被スライス材Wの「細切り」を行う場合には、図12に示したような第2滑り板20を採用するとよい。この図12に示した第2滑り板20は、第2滑り板20の後方部分に多数の縦刃60を埋め込んだものであり、被スライス材Wを第2滑り板20と第1滑り板10との間を移動させることにより、各縦刃60による縦切りとスライス刃40によるスライスとにより、被スライス材Wの「細切り」が行えるようにしたものである。なお、この縦刃60を有する第2滑り板20は、そうではない第2滑り板20とセットにして販売される。
【0032】
支持枠30は、例えば合成樹脂を材料として、スライス刃40をインサートしながら一体成形するか、あるいはスライス刃40を後付けすべく形成されるものであり、当該スライサー100の全体外形を形作ることになるものである。本最良形態の場合、この支持枠30の左右両側に、図10及び図11に示したように、押え具取付レール35が一体的に形成してあり、これらの押え具取付レール35に、図13に示した押え具70が取り付け及び取り外し自在に組み付けられるようにしてある。この押え具70は、図13の(2)に示したように、二枚の押え板71を折り畳み可能に組み付けたもので、これらの押え板71によって、図13の(2)中の仮想線にて示したように、被スライス材Wを挟み込めるようにしているものである。
【0033】
なお、押え具70は、図13に示したように、被スライス材Wを第2滑り板20または第1滑り板10上に対して移動させる場合に、この被スライス材Wを第2滑り板20等の上面に押さえ付けるために使用されるものであり、図13の(2)に示したように、被スライス材Wを包み込めるように二つ折りできるようにしたものである。
【0034】
さて、支持枠30の、第2滑り板20側の各案内突起21に対応する部分には、図1〜図5、及び図9に示したように、案内溝31が形成してあった。各案内溝31は、図9に示したように、支持枠30の内面側に形成したもつまみ取付穴34のであり、図示上方に開口する挿入穴31bから第2滑り板20側の各案内突起21を受入れ、内部に形成してある傾斜部31aによって各案内突起21の上下動と前後動とを誘導し、結果として第2滑り板20の上下動と前後動とを誘導するものである。
【0035】
なお、本最良形態では、この支持枠30に対するスライス刃40の取付を、図2にも示したように、刃固定板32によって行うようにしている。ずなわち、この支持枠30の側部の一部に、刃固定板32の形状にあった穴が形成してあり、この穴内にスライス刃40の端部を挿入してから刃固定板32を挿入して、この刃固定板32を固定ネジ31bによって支持枠30側に固定することによりスライス刃40の支持枠30に対する固定を行うようにしている。また、この支持枠30を構成している左右の側板は、図4及び図5に示したように、これらの間に一体成形した支持梁33によって行うようにしてある。
【0036】
そして、この支持枠30の手前側部分には、図4及び図5に示したように、つまみ取付穴34が形成してある。このつまみ取付穴34は、軸心が横方向になるようにしたものであり、後述する調整つまみ50を、例えば図4の左右方向に案内するものである。
【0037】
調整つまみ50は、図2中の矢印にて示したように、「左右」に動かされたときに、これに連結板51を介して連結されている第2滑り板20の「前後動」を行うものである。つまり、このスライサー100では、つまみ50を操作することにより第2滑り板20が前後動されるとともに、つまみ50の停止位置での第2滑り板20の支持枠30に対する固定を行うようにしてある。
【0038】
また、このスライサー100では、図4に示したように、支持枠30の手前側部分に、軸心が被スライス材Wのスライス方向に対して直交するつまみ取付穴34が形成してあった。このつまみ取付穴34には、図6〜図8に示したように、つまみ50と一体的なピン51aが通されるのであり、このピン51aは、図8に示したように、支持枠30の裏面側に配置される連結板51に組み付けてある。
【0039】
この連結板51には、図6〜図8に示したように、軸心が被スライス材Wのスライス方向に対して傾斜する傾斜穴52が形成してあり、この傾斜穴52内に上記ピン51aが移動可能に係合させてある。また、連結板51は、その前方に一体化した取付頭部51bを第2滑り板20の裏面に取り付けられ、調整つまみ50が連結板51を介して第2滑り板20に連結する。
【0040】
以上のことにより、軸心が被スライス材Wのスライス方向に対して直交するつまみ取付穴34内にて調整つまみ50が動かされれば、これと一体的なピン51aが傾斜穴52内を動くことになるが、この傾斜穴52は軸心が被スライス材Wのスライス方向に対して傾斜するものであるから、結果的に連結板51が前後動されることになるのである。つまり、調整つまみ50を左右動させれば、これに応じて、第2滑り板20が前後動するのである。
【産業上の利用可能性】
【0041】
以上のように構成した本発明に係るスライサー100によれば、家庭の主婦等が料理を行う場合に、ハムや野菜のスライスや細切りを綺麗に仕上げることができるといったスライサー100本来の効果だけでなく、料亭や旅館での料理についても同様な効果を発揮することができるのであるから、料亭や旅館での集客数をもっと増大すると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係るスライサーの平面図である。
【図2】図1に示したスライサーの要部拡大平面図である。
【図3】図2に示した調整つまみを動かしたときの状態を示す要部拡大平面図である。
【図4】同スライサーから調整つまみと第2滑り板とを外したときの平面図である。
【図5】同スライサーから調整つまみと第2滑り板とを外したときの底面図である。
【図6】同スライサーの底面図である。
【図7】図6に示したスライサーの要部拡大底面図である。
【図8】図7に示した部分の斜視図である。
【図9】図1の1−1線に沿ってみた支持枠の側断面図である。
【図10】スライサーの側面図である。
【図11】スライサーの拡大正面図である。
【図12】縦刃を有する第2滑り板を採用したスライサーの平面図である。
【図13】支持枠に組み付けられることのある押え具を示すもので、(1)は平面図、(2)はその押え板を折り曲げたときの側面図である。
【図14】従来の技術を示す平面図(a)と底面図(b)である。
【図15】図14に示した従来技術において、スライス幅が最大時を示す側面図(a)と、スライス幅が最小時を示す側面図(b)である。
【符号の説明】
【0043】
100 スライサー
10 第1滑り板
20 第2滑り板
21 案内突起
22 ストッパ
23 案内突起
30 支持枠
31 案内溝
31a 傾斜部
31b 挿入穴
32 刃固定板
32a 固定ネジ
33 支持梁
34 つまみ取付穴
35 押え具取付レール
40 スライス刃
50 調整つまみ
51 連結板
51a ピン
51b 取付頭部
52 傾斜穴
60 縦刃
70 押え具
71 押え板
W 被スライス材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持枠に対して固定したスライス刃と、このスライス刃の後方及び手前側に配置した第1滑り板及び第2滑り板とを備えて、この第2滑り板上を前記スライス刃に向けて被スライス材を前後動させることにより、この被スライス材のスライスを行うようにしたスライサーであって、
前記第2滑り板の両側面に案内突起を一体的に設け、前記支持枠の内側に、前記第2滑り板側の各案内突起が係合される案内溝を形成するとともに、この案内溝の一部に上下に傾斜する傾斜部を設けて、
前記第2滑り板側の各案内突起を前記支持枠の案内溝内に係合されることにより、前記第2滑り板を前記支持枠に平行移動可能に組み付けて、この第2滑り板上の前記被スライス材の下面全体が前記スライス刃に対して常に平行移動し得るようにしたことを特徴とするスライサー。
【請求項2】
前記支持枠の手前側部分につまみ取付穴を形成し、このつまみ取付穴につまみと一体的なピンを通し、このピンの裏面側に傾斜穴を介して連結板を取り付け、この連結板の取付頭部を前記第2滑り板の裏面に取り付けて、
前記つまみを操作することにより前記第2滑り板を前後動させるとともに、前記つまみの停止位置での前記第2滑り板の支持枠に対する固定を行うようにしたことを特徴とする請求項1に記載のスライサー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−296605(P2007−296605A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−126119(P2006−126119)
【出願日】平成18年4月28日(2006.4.28)
【出願人】(000200426)川嶋工業株式会社 (9)
【Fターム(参考)】