説明

スライド堆積室

【課題】 細胞堆積室と、前記室を用いて顕微鏡用スライドの上で生体試料を堆積させる方法。
【解決手段】 前記室は前記スライド上の試料受取部に取り外し可能に密着され、前記スライド表面から前記試料を吸引する密封可能開口部を有する。前記室は、ピペットによって前記スライドの全表面が吸引可能となるように構成され、逆にすると前記室は完全に排液される。前記室は、室を再利用可能にするために、使い捨てのライナと適合することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顕微鏡スライド上に生体物質を堆積することに関する。より具体的には、本発明は堆積室を用いて顕微鏡スライド上に多様な物質を堆積する装置および方法に関する。前記室は使い捨てであっても使い捨てでなくてもよく、換言すれば、本発明の実施例で開示されるとおり再利用可能である。
【背景技術】
【0002】
実験室で実施される診断プロセスは通常、患者から生体物質の検体を採取することから始まる。前記検体は、血液、唾液、尿、上皮細胞塗沫、精液などを含むがこれに限らない。免疫細胞化学,免疫蛍光またはFISH法(蛍光インサイチューハイブリダイゼーション)染色およびその後に続く顕微鏡分析を目的として、顕微鏡スライド上に固定された細胞または細胞核という形態で検体を懸濁液から堆積させる方法が存在する。前記堆積方法は、用途によって異なる。
【0003】
例えば、顕微鏡分析用にスライド上の血液試料を堆積する時に、塗抹法が用いられる。塗抹法では、抗凝固剤が含まれる数マイクロリットルの血液をスライドの片端に置き、もう一枚の清潔なスライドを用いて1回で前記血液を塗抹する。適切に行われれば、前記スライド表面の大半を覆う比較的均一な単層の血液細胞が形成される。その後スライドは周囲条件で乾燥する。乾燥プロセスは第一に細胞が前記ガラススライドに付着する。血液塗抹の作成は極めて使用者に依存したプロセスである。塗抹は全血スライドを作成する際に使用される場合がある。このプロセスの自動化への試みは概して成功していない。
【0004】
その他のアプローチには「滴下」方法がある。FISH分析用に羊水、血液および骨髄穿刺などの異なる源の細胞から固定核を調製する一般的な方法である。これらの細胞は前記試料からの初代細胞または培養細胞である。前記試料はカルノア固定液(3:1のメタノール:酢酸)などの有機溶剤で懸濁される。
【0005】
固定核の懸濁液は、所定の高さ(通常15〜20cm)からガラススライドに一滴滴下される。スライドへの滴下への影響の結果、懸濁液は同心円状に広がりスライドの横幅を覆うが、これは懸濁液が滴下された高さによる。溶剤はその後蒸発され、ガラスが清潔で適切に処理されていれば、細胞核がスライドに付着する。しかし、堆積のパターンおよび位置は予測できず、堆積する試料の量は、部分的にしか制御できない。スライド上の細胞の分布および結果生じた密度は一般的に予測できない。細胞核の定量化および組織的スキャニングを望まないのであれば、この方法が多くの場合最も適切である。
【0006】
堆積パターンをより良く管理し、試料堆積プロセスの自動化を図るために、遠心力を利用して前記細胞または細胞核を前記スライドに配置する方法が開発されている。スライドに細胞をのせる調整可能な力を利用した遠心分離は、それを使用しない場合にはスライド表面に付着しないその他試料の付着を助長する。Shandon Corporationによって製造されたCytospinと呼ばれる遠心分離器は、遠心分離専用の顕微鏡スライド上にある試料を堆積する目的で使用され、図1で図示される。
【0007】
図1で図示されるとおり、Cytospin10は、スライド30を有し、ホルダー/ブラケット40に取り付け可能な室20を備える。前記室は、前記スライドがやや傾き、懸濁液がピペット60(図2a)に支えられ開口部またはポート50を通して提供される位置に設置される。懸濁液体70は、懸濁細胞75を含む。懸濁細胞は、公知のストークスの式の変数によって予測可能な沈降速度ですぐに沈殿を開始する。従って、細胞75を有する初期のペレットは、図2aで図示されるとおり、前記Cytospinの室の下部に形成され、その大きさは前記室を積載してから遠心分離を開始するまでの時間に比例する。Cytospinアセンブリ全体10(室20、スライド30、ホルダー40)が次に遠心分離器内(図示されず)に設置される。遠心分離を加速後、遠心力80の作用下において、液体70は、図2bで示されるとおり、垂直位置に徐々に上昇していく。遠心分離中、前記懸濁液はスライド30に対し圧縮され、図2cで図示されるとおり、細胞は前記スライドに圧縮される。遠心分離が終了すると、残渣の細胞75はスライド30に付着して残り、残りの上澄懸濁液70は、図2dで図示されるとおり、室20の元の場所へ流れ戻る。
【0008】
遠心分離分析を実施中の検体に固定剤などの処理液を適用するために遠心分離を用いる装置および方法は、米国特許第5,942,129号にW.J.Hayesによって開示されている。顕微鏡スライドとの係合のため取り付けられているフランジを有する遠心分離試料室が提供されているため、検体試料は検査のために前記スライドへ遠心分離される。前記試料室は上部が空洞で、下部は検体を保持する部分になっており、液体通路で連結している。検体保持部は、遠心分離前に検体を保持するよう下部方向へ延びる下側脚部を備える。上部空洞に連通する上側空洞肢部は、前記室が遠心分離前に停止している間、前記処理液を保持する。遠心分離の作用により前記室が傾き、上側肢部および下側脚部も傾くため、遠心力によって処理液は前記上部空洞に流れそこへ留まる。同時に遠心力によって、検体は前記下部空洞および排液ポートを通して前記下側脚部より顕微鏡スライドへ流れ出る。遠心分離の作用が解除されると、重力により前記室は前記停止位置へ戻り、それにより前記処理液は重力によって前記通路を通り前記上部空洞から前記下側脚部へ落ちる。遠心分離が再び作用すると、前記室が傾き下側脚部も傾き、そして遠心力によって前記処理液は前記下側脚部から前記排液ポートを通して流れ、前記顕微鏡スライド上にある前記検体への遠心分離適用に使用される。
【0009】
遠心力によって固体をスライドガラスへ載せるその他のデバイスについては、米国特許第4,853,188号にM.Toyaによって開示されている。このデバイスは遠心分離器内で回転する。この特許によれば、遠心分離器は、合成樹脂を形成する鋳型によって製造されているため、使い捨て可能である。前記デバイスの一部をなす基板は弾力性があるため、前記基板が保持されているホルダー上に設置されているカラーと容易に係合できる。
【0010】
別のアプローチとして、米国特許第6,567,214号でA.E.Lorinczは、生体液および組織試料にある細胞の染色および観察をする現地収集を目的とした顕微鏡スライドを開示している。前記特許によれば、前記スライドによって、感染病原体の存在確認のため、生体液または組織試料を数分ほどで医療現場においてスクリーニングすることが可能となり、その後、前記スライドが培養および/または最終的な同定のため中央実験所に送ることができる。
【0011】
追加および別の詳細、特徴および/または技術背景の教示に適切な箇所において、本明細書に引用された開示内容は参照することによりその全体が組み込まれる。顕微鏡スライド上の検体を堆積させる既存の方法には問題があることが理解される。塗抹は通例的に臨床血液学の細胞化学的染色および特異細胞計数に使用されるが、自動化することが難しい。最も一般的な滴下法に関しては、スライド上の細胞分布および結果としての前記密度が予測不能である。上述の前記Cytospin技術については、堆積スライド30上の堆積の周りの初期堆積および上澄液体の動き(図2a〜2dの70)は、均質層の形成を妨げ、望ましくない。さらに、上澄液体70の前記動きは、前記スライドの前記表面から軽く付着している前記細胞を流し去ることもある。
【0012】
前記Cytospinの前記不規則堆積の問題を避けるために、前記Cytobucket技術もまた用いられる。Cytobucketは通常スライド上の固定細胞または細胞核を堆積するために限り研究環境において使用される(例、米国特許5,985,595号Kriderら参照)。一般使用の遠心分離に特定して適合するよう作られた遠心分離キャリアおよび再利用可能な室から成る。ユーザーの選択する通常のスライドがアセンブリを補完し、前記室の下部を形成する。前記キャリアはスイングアウト式ローターに適合する。前記試料は前記アセンブリ(室−スライド−ホルダー)に水平位置に設置され、前記細胞懸濁液は前記スライド上の前記堆積部位に直接適用される。開始からの細胞堆積パターンは、遠心分離開始前の基準ゼロ重力の時の適用された懸濁液の分布を反映することもある。初期懸濁分布が適切な混合によりランダムとなっていれば、ランダムな細胞分布が前記スライド上で現れる。アセンブリが加速されると、キャリアは徐々に遠心力により垂直方向に動く。横方向の加速が速くない限り、細胞は一般的にもとの場所に付着したままである。さらに、キャリア液のメニスカスが大きくない限り、メニスカスは遠心分離が減速する際に、前記細胞を動かしたり取り除くことはない。従って、Cytobucket技術は、本発明の実施例においてさらに開示されるとおり、前記問題を是正すれば、自動化スキャニングのために細胞の最適な堆積を実現することができる可能性がある。
【特許文献1】なし
【非特許文献1】なし
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、専用顕微鏡スライド上に試料を堆積するデバイスに関する。前記デバイスは前記スライドへの密着および取り外しが可能な堆積室を備え、使い捨てでも、再利用できてもよい。前記デバイスは体外臨床検査環境での使用が可能で、遠心分離に適している。
【0014】
一実施例は、顕微鏡スライド上へ生体試料(細胞、細胞小器官、細胞外分子、細胞内容物、混合物など)を堆積するデバイスまたは装置に関する。前記顕微鏡スライドは、生体試料の受取部を有する。前記室は、上部、中部および下部を有する。前記下部は、前記顕微鏡スライドの受取部を覆うよう構成された設置領域を備える。前記中部は4つの平面を有する切頭多面体を備える。前記上部は、円筒形の開口部(ポート)を有し、生体試料が前記スライド表面全域へ流れ、また全域から生体試料が吸引されるよう構成されている。本発明は、前記ポートを閉口および密着するクロージャまたはストッパ材を含むがこれに限らない手段と、前記室の下部を前記スライドへ密着させる粘着物質または固定材を含むがこれに限らない別の手段を提供する。
【0015】
一実施例では、粘着剤を使用して、前記室は取り外し可能に顕微鏡スライドに密着している。前記室は、前記室が前記スライドから取り外し可能に密着するように、前記顕微鏡スライド表面の受取部に押し当てられたスリーブ状のフランジに適合する。
【0016】
一実施例では、前記室は前記室を覆うシェルを通して前記顕微鏡スライドに押し当てられる。前記室および前記顕微鏡スライドを覆う前記シェルは、遠心分離バケットにはめ込まれる。別の実施例では、前記細胞堆積室の上に設置された圧縮プレートは、遠心分離バケットのバネ付きレバーハンドルによって作動する。
【0017】
より具体的には、一実施例は、顕微鏡スライド上の受取部を覆うように構成された設置領域を有する室であって、前記室は上部、中部および下部を有し、前記上部は、前記室の開口部を確定し、前記顕微鏡スライドの表面に生体試料が堆積するように構成されている、室と、前記開口部を閉口および密封するクロージャ構造とを備える装置に関する。一つの特徴はさらに、前記室が前記顕微鏡スライドから取り付けおよび取り外しが可能になるように粘着物質で処理された受取部に関連している。他の特徴はさらに、前記室の内壁に適合するように構成されたライナと、前記室の前記開口部へ取り外し可能に取り付けられた前記ライナの頸部と、前記室の下部の端へ取り外し可能に取り付けられた前記ライナのフランジ部と、前記室の前記外壁に適合し覆うシェルと、前記フランジを前記受取部へ密着するために前記シェルを押すことで、前記顕微鏡スライドの前記受取部へ前記室を固定する手段とを備える。
【0018】
別の実施例は、細胞堆積室に生体物質を堆積する方法を提供する。この方法は、生体試料を堆積する受取部を備える顕微鏡スライドと、前記受取部を覆うよう構成された設置領域を有する細胞堆積室とを提供する。顕微鏡スライドは疎水性物質で化学的下地処理がされている。
【0019】
一つの特徴において、一実施例は、生体試料の受取部を備える顕微鏡スライドと、前記受取部を覆うように構成された設置領域を有する室であって、開口部を有する前記室、また、前記顕微鏡スライドを化学的下地処理し、前記室の開口部を覆う頸部と、前記室の下部端を覆うフランジとを有するライナに前記室を適合し、前記受取部に前記室を設置し、前記顕微鏡スライドに前記室を密着させ、前記堆積室の前記開口部を通して前記顕微鏡スライド上に前記生体物質を適用し、前記室の上端にあるポートを閉口および密封し、前記生体試料の体外臨床検査を実施し、前記ポートを開き、前記ポートを通して前記生体試料を吸引する方法とを提供する。
【0020】
別の実施例では、方法はさらに、上澄液の吸引後、前記室の上端にあるポートを閉口および密封するステップと、前記室に圧縮プレートを設置するステップと、前記顕微鏡スライドの前記受取部へ前記室を固定する前記圧縮プレートを押すためにハンドルを作動させるステップを含む。
【課題を解決するための手段】
【0021】
図を参照すると、図3aは、全体的な参照番号100を付した顕微鏡スライドを示す。図3aで図示されるとおり長方形であるが、用途によって異なる形態でもよい。プラスチックまたはガラスから製造される。前記スライドは、当業者には周知である従来の長さ、幅および厚みである。図4aおよび4bは、それぞれ、図3aおよび3bの前記スライドに密封取り付けが可能な本発明の細胞堆積室をそれぞれ示す。本発明の実施例でさらに開示されるとおり、前記室は粘着剤または機械的手段のみで取り付けられる。さらに、用途によって、検体は前記室を前記スライドに取り付ける前または後に、前記スライドへ適用される。
【0022】
一般使用において、水性液体または非水性液体、液体試薬、生体液および/または生体組織を含む試料検体は、前記スライドの一部分に適用される。顕微鏡およびその他の技術を用いて試料検体の分析を実施する前に、肉眼によるグロス分析を含む、光、電子、または蛍光顕微鏡による視覚化を促進するための処理に先立ち、スライドまたはプレートの試料は乾燥されるか、固定剤に入れられるか、新鮮な状態を保っていてもよい。試料は自然な状態で分析されてもよいし、視覚化を助けるために1つ以上の液体染料での処理が必要となることもある。さらなる分子生物学的技術による処理には、例えば、単クローン性および多クローン性抗体、分子プローブによるin situハイブリット形成法、および/または液体検査薬がある。一般的分析またはスライドの取り扱い中、試料または液体試薬がスライドからこぼれたり、流れたり、スライドの他の部分へ移動したり、および/またはスライドが別の固体へ触れた場合に“しみ出る”場合があり、その結果、液体試料または試薬全てまたはその一部を失うことがある。不注意でこぼしたり、異なる試料または液体試薬の望ましくない混合または汚濁は避けることが好ましい。以下に記載される本発明の実施例は、液体または液体試料の移動を抑制する境界によって画定される封じ込め部だけでなく、前記スライドの移動中、または前記スライドの上に前記試料を載せ細胞を堆積させる遠心分離中に試料がこぼれるのを防ぐために、封じ込め境界の上に取り付けられた室を提供し、例えば、以下の実施例に開示されるように、本発明の前記室は用途により使い捨てであっても使い捨てでなくてもよい。
【0023】
図3aで図示される実施例において、スライド100は、図3aのスライドの側面図で見られるとおり、上部表面110および下部表面120を有する。上部表面110の一部に取り付けられる液体封じ込め境界130は正方形であるが、長方形、円形、三角形、台形などでもよい。例えば、図3bは、長方形液体境界1307‘を備えた同じスライド100を示す。試料検体を受け入れる封じ込め部位の形態は図示された形態に限らないことが当業者に理解される。前述の形態は、例えば円形または多角形である。対応する室は、前記封じ込め境界に一致する設置領域を備える。前期室は前記スライド上の検体試料を堆積するために、または前記スライドにすでに配置された検体に作用するその他薬剤を適用するために使用される。
【0024】
図3aまたは図3bに図示された封じ込め境界130または1307‘はそれぞれ、スライド100の上部表面110の受取部および封じ込め部140または140’を囲む。前記封じ込め境界130(130‘)は封じ込め部140(140’)の辺りに液体境界を形成する。液体または液体試料(図示されず)が分析のためにスライド100の封じ込め部140(140‘)に適用されると、封じ込め境界130(130’)は封じ込め部140(140‘)からの液体または液体試料の拡大、漏れまたは移動を防ぎ、従って、試料はスライド100上の分離および閉じ込められた場所に維持される。ここで使用される、液体または液体試料という用語は、スライド上で局在化することが望ましい液体物質または液体生体試料(例、血液、尿、血漿、または能脊髄液)を指す。
【0025】
図3aおよび図3bで図示される実施例の一つの特徴において、スライド100はさらに、描くかラベルを貼るための明瞭なマーキング部位150を有する。マーキング部位が形成されているスライドのこの部分は、「つやが消されている」、つまり、エッチングされていたり、すりへらされているか、または代替として、不透明エポキシ樹脂で構成されていたり、またはコーティングが塗られている。マーキング表面部を形成するその他の手段は当業者には明瞭である。
【0026】
封じ込め境界130を形成する試料は、揮発性溶剤で溶解した液体撥水混合物を含む組成物である。例えば、前記組成物とは、アルカリポリキロシサンおよび当業者には周知の方法で溶剤と混合された無機酸である。その他のポリキロシサン、シリコーンおよびシリコーン液は永久的にまたは少なくとも実質上永久的にガラス表面に結合し、本発明に従う機能を使用することができる。
【0027】
さらに、前記封じ込め境界材は静止中および遠心分離などの動作中ともに最適な細胞堆積特性を引き出す厚みtと幅wを有する。縁の厚みは約0.01から約0.2ミリメーター(mm)、幅は約1から約2.5mmが好ましい。懸濁液が封じ込め部に適用された時、いくつかの用途では、スライドに置かれた細胞が最大の密度を有することが望ましいことが当業者には理解される。この結果を得るために、懸濁液は細胞の単一層に可能な限り近い厚みが必要である。それは、懸濁液が過量であると細胞の集塊が生じ、スライド上で垂直方向に堆積する際に互いの妨げとなるからである。一実施例の一つの特徴は、スライド上の懸濁液中にある試料の規則的な振動により、スライド上で堆積する際に集塊を形成することなく、細胞が互いを通り抜けることができるようにさせることである。同時に、封じ込め部の懸濁液は規定量であるために、封じ込め境界の厚みによって提供されたダムの高さを超えて流れ出ない。懸濁液の量は封じ込め部の面積および封じ込め境界の厚みによると理解される。
【0028】
本発明の顕微鏡スライドは静止中の細胞のin situ分析に使用され、この細胞は追加振動または遠心分離といったさらなる重力(人工重力)が負荷されることなくスライド上に堆積され得るが、より高い細胞の密度が要求される場合、遠心分離器にスライドを載せることを可能にすることも望まれる。この目的で、また、スライドの取り扱い中のこぼれを防ぐカバーを適用する一般使用目的で、一実施例の一つの特徴は、室がスライドに密封可能に取り付けまた取り外しできるようになっている。図4aおよび図4bには、2つの異なる室が示されている。図4aで図示される室は正方形の設置領域を有し、図4bで図示される室は長方形設置領域を有し、図3aおよび図3bで図示される2種のスライド上の封じ込め部にそれぞれ対応する。しかし、室の設置領域は設計された封じ込め部の形態によって多様であることを理解する。
【0029】
図4aで図示された正方形の室160を、図4bで図示された長方形の室160‘は、それぞれ上部(170、170‘)、中部(180、180’)および下部(190、190‘)を有する。上部は円筒形の開口部(ポート)を有する。中部は4つの平面で構成される切頭多面体を有する。下部はそれぞれ対応するスライドに室を密着させる粘着剤を有する。室は、検体がスライドの封じ込め部へ適用される前または後に、粘着剤、または機械的手段のみでそれぞれ対応するスライドに取り付けられる。初期テストおよび分析が終了すると、室内の上澄液は取り除かれる。一実施例の一つの特徴は、室の下にある封じ込め部全域がパスツールピペットまたは類似の吸引装置によって吸引されるよう構成された一つの開口部をそれぞれの室に提供することである。さらに、本発明は、キャップまたはプラグを含むストッパなど開口部を閉口する機構を設けているため、スライドおよび室を構成する装置が反転した際に漏れを防止する。
【0030】
図4aおよび4bで図示される細胞堆積装置の図解において、つや消しされたマーキング部位150を有する標準(76×25.5×1mm)ガラススライド100が使用される。この種の標準ガラスに対応し、図4aの正方形の室の寸法は、例えば、側面aでは約20から約23mmである。ストッパ(図示されず)の上端までの室の高さbは、例えば、約15から20mmである。図4bで示される実施例において対応する寸法c、dおよびeはそれぞれ、例えば、約24から約25mm、約55から58mm、および約18から20mmである。しかし、上述の代替例は本発明をこれらの実施例に限定する目的ではないことを理解する。逆に、本発明は追加請求項として定義される本発明の精神および範囲内に含まれる代替例、変更および同等のものを含むことを目的とする。
【0031】
本発明の細胞堆積装置の3次元描写が図5aおよび5bに図示されている。正方形室200および長方形室300は標準ガラススライドに適用可能である。装置は専用標準ガラススライド100上の水性懸濁液から羊水またはその他細胞を堆積するために使用される。装置は、単回使用の使い捨てで、体外臨床検査で用いられる。上述のとおり、それぞれの室は密封可能で受取部/封じ込め部に取り付け/取り外しされる。一実施例の一つの特徴において、室をそれぞれのスライドへ密着させる時に、生体適合性のあるアクリル性粘着剤が使用される。粘着剤は室内の水性媒体の最大液体量を含む660gのスイングバケット遠心分離に耐えられる強度を有する。同時に、粘着剤は、遠心分離後に手や、二又くさび型取り外し用ツールを用いて、室をスライドから取り外すことができる。疎水性であり、室の設置領域に対応する形態を有する化学処理を施した下地は、境界(250、350)でスライドに取り付けられ、粘着剤の機能を助け、試薬の使用量を最小限に留めるために試薬ダムを形成する。下地材の厚みは、室が取り外された後のスライドにカバースリップ(図示されず)が取り付けられた際に、カバースリップとスライド表面の隙間が0.2mmを超えないように適用される。さらに、図5aおよび5bで図示されるそれぞれの室の上部に位置する開口部では、スライド表面の全域はパスツールピペットまたは類似の吸引装置により吸引され、外周直径は約2から2.5mmが望ましい。室300内の吸引装置400は、遠心分離後に開口される前の状態で図6に図示されている。図7は遠心分離器へ動かすために、キャリア500に積載した複数の室300を示す。
【0032】
使用される際、図3aおよび3bで図示されているようなスライド100は特別なコーティングをされていることも、されていないこともあり、疎水性の下地を含む封じ込め境界(130、130‘)を備える適切な封じ込め部(140、140’)を有するよう構成されている。次に、受取封じ込め境界と同様の形態をしている設置領域を備える堆積室はスライド表面まで下がり、生体適合性のあるアクリル性粘着剤で縁に密着する。特別な機能を有する細胞または細胞内の細胞小器官顕微鏡構造を含む試料、例えば、ミトコンドリアおよび細胞核懸濁液、は室の上部(図4aおよび4bに図示される170、170‘)にある開口部をピペットで移すことで室へ適用される。スライド表面上の堆積した細胞がスライド上の懸濁液の初期堆積中(および、軽くたたくか振動中)に適切であれば、室内の上澄液は図6で図示されるとおりピペット400により吸引される。次いで、室の上部に位置する円筒形の開口部はキャップやプラグなどのストッパで閉口し、アセンブリ装置は必要であれば、スライド上の検体のさらなる分析のためにどこにでも持ち運びが可能である。例えば、組み立てられた装置は標準遠心分離器の遠心分離に準備が整っている。分析のときには、室は手または道具を用いて取り外すことが可能で、顕微鏡の下でなどのさらなる分析のためスライド上の細胞を露出させることができる。
【0033】
前述のとおり、細胞堆積室は、遠心力の作用下で垂直位置に到達するまで、遠心分離筐体内で外方向に向かって旋回される。当業者には明白なように、垂直になったスライド上の封じ込め部に対し垂直方向に作用する遠心力により、懸濁液の細胞は封じ込め部内で比較的均一に広がりスライド表面上に堆積する。遠心分離の規定時間後、遠心分離器から装置が取り外される。その後、室上の開口部のストッパが取り外され、ピペットによりスライド表面から上澄液が吸引される。本発明の細胞堆積室により、ピペットは室の角にすべて行き届くため、封じ込め境界内の全域が吸引されることが当業者に理解される。本発明の実施例が、最大細胞密度2400細胞/mmを提供すると同時に、顕微鏡下で細胞が明確に見えることもまた理解される。封じ込め部が明確に画定され、懸濁液の量が使用される特別な検体と同一となるように正確に調整されているためであり、従って単一層の堆積が達成され、密度や細胞の鮮明さが改善される。
【0034】
一特徴において、図4aから図7で図示される取り外し可能な室は、室の内壁が試料検体の適用により汚れ、洗浄が難しいために、廃棄不要ではない、つまり再利用が不可能となっている。他の特徴において、本発明は、追加の取り外し可能構造、または露出されたされた室の内壁に取り付けられるライナを提供し、このライナはライナおよび室からスライドを分離する度に処理することができる。
【0035】
図8aおよび8bで示される実施例において、かかるライナ600が与えられる。図8aで示されるように、前記ライナは室300の輪郭内に適合するように作られ、前記室の前記頚部325で留まるカラー650を持つ。さらに、ライナ600は、カラー650およびフランジ675が前記室上のそれらと対になるものにかみ合うとき、前記ライナが前記室の前記内壁にぴったりと合うように、室300の前記下エッジ375で留まるフランジエッジ675を持つ。前記ライナは、ポリプロピレンまたはポリスチレンから成るエラストマーまたはプラスチックのような、使い捨ての物質から作ることができる。フランジ675はスライド100上に下げられるとき、前記スライドに対して圧力密閉を提供するために、スライド100上で縁350(図5bも参照)と結合する。圧力は、室300を等角的に覆うシェル700によって提供され、そこで前記シェルが、スライド100に対して前記室ライナ・サブアセンブリを密閉可能に保つために必要な力を提供するために、図7で示されるキャリア500により任意の数の方法を用いてかみ合わされることができる。例えば、シェル700の前記側面で空洞から部分的にはみ出ているバネ荷重玉軸受け725は、キャリア500の側壁で移動止め550にはめ込むように作られることができ、従って前記キャリアの前記スライド上の前記室ライナ・サブアセンブリを保持する。前記シェルは、前記アセンブリに安定性を提供し、また前記スライド上の保持力を提供するに十分硬い、金属またはプラスチックで作られることができる。
【0036】
図9は、バネ押しハンドル875とキャリア800におけるスライド100上の細胞堆積室300から成るアセンブリの別の実施例を示す。キャリア800は、図9で表されるように、室300とそれに付随するスライド100を受けるように構成されている。室300は、介在するガスケット315と共に、スライド100と一致させるために下げられる。ガスケット315は、前記室および前記スライドの間に緩衝作用を提供し、同時に前記室および前記スライドの間に密閉可能だが取り外し可能な接合部を維持するゴム状の物質から成る。前記密閉のための前記圧力は、キャリア800に前記アセンブリをはめ込むバネ押しハンドル875によって、前記ガスケット315の前記周囲に圧縮される反り850を持つ圧縮プレート825によりもたらされる。図8aおよび8bで示される両方の実施例は、上述のとおり任意の数の方法を用いて後にふたをかぶせることができる開口部325を通して、アセンブリの後前記スライドに細胞堆積を提供できるように構成されることを留意すべきである。図8aおよび8bにおいて、開口部325へのアクセスは、シェル700の別の開口部750を通して提供され、それはストッパ775によってその後ふたをすることができる。
【0037】
当業者には当然のことながら、上記実施例において明らかにされたように、再使用可能な室を持つ利点に加えて、前記スライドへの前記室の取り付けにおいて粘着剤を持たないさらなる利点もある。粘着剤がないため、前記細胞堆積室は前記粘着剤を用いたユニットに適合しないかもしれない様々な溶剤において、検体の試料を適合させることができる。特定範囲内のユーザー指定のスライドもまた、前記スライドが室を受けるための粘着剤の境界を持つ必要がないことから、適合することができる。前記堆積表面は、粘着剤の縁が一つもないことから、粘着剤の境界からのいかなる障害もなく変更することができる。
【0038】
さらに、スライドに固体の組織試料(例:微粒子、細胞混合物、細胞外生成物、細胞内構成物質、非同次個体群)がすでに堆積した状態で、前記試料は、別の容器に移す必要なく、本発明の前記室において分散および分割されることが可能である。これは、図8bの前記シェル700の技術または図9のハンドル装置875を用いて前記スライドに前記堆積室300を組み立て、前記室内において組織の処理を実行することにより達成される。前記処理は、例えば、前記室において分離試薬(例:コラゲナーゼのようなプロテアーゼ溶液)を追加することにより達成される。前記分離混合物を培養し、前記分離試薬を最後に中和させた後、その結果生じた懸濁は、次に遠心分離により前記スライドに直接堆積することができる。前記上澄はそこで取り除かれ、室は分解される。
【0039】
本発明の使い捨ての細胞堆積室は、細胞に基づいた試験のための基盤として使用されることができる。これらは、少なくとも次の種類の試験を含む。
【0040】
1.前記スライド室は、細胞を取り囲む前記液状媒質から分析物を得る能力を持つ細胞を採取するために使用される。前記分析は、溶液により分析される生細胞または固定細胞を培養することにより行われる。前記細胞は前記培養の後、前記スライドに付着するか、遠心分離により堆積する。前記細胞は、そこで、免疫染色、もしくは分析物の存在を蛍光性にする他の手段に続き、蛍光顕微鏡検査法、または他の手段により、前期分析物の含有物に関して分析される。
【0041】
2.スライド室は、前記周囲の媒質に存在する分析物と相互に作用することができる細胞を採取するために使用される。前記相互作用は、細胞内での反応を生成する。前記細胞は免疫蛍光顕微鏡検査法などの顕微鏡の技術を使用して、前記スライド上で、または前記反応に対して前記スライドに堆積した後、分析されることができる。
【0042】
3.細胞堆積室は、例えば前記スライドが、細胞の表面に存在する生化学的構造に応じて、細胞の特定の種類に特に結合する試薬によりコーティングされるなど、選別において使用されることができる。この試薬は、抗体またはレクチンであることが可能である。この場合、前記細胞懸濁は、試薬でコーティングされたスライドを含む前記質に追加される。前記室が攪拌されている間、前記細胞懸濁は、前記室内に置かれてよく、そうすることにより、特定の相互作用によって前記スライドに付着しない細胞が、非特異的にスライドに付着することを防止する。一定時間後、非付着の細胞を含む前記上澄は取り除かれる。前記室アセンブリはそこで(必要であれば)遠心分離され分解される。
【0043】
4.堆積室は、環境試料からのスライドの準備に使用されることができる。分析物は、例えば土粒子または汚染粒子などの細胞以外の粒子状物質から成り得る。
【0044】
5.細胞堆積室は、粒子試料を分析するために、法医学的試料の準備に使用されることができる。
【0045】
前記開示された装置および方法のこれらの数々の詳細は、本発明の理解を提供するためにここに示されているが、これらの詳細が本発明を実践するために用いられる必要がないことは、当業者には明らかである。同時に、同様の構成部品が、列挙するにはあまりに多いが、例えば臨床用定期診断において使用される既知のサイトスピン装置のような、他の同様の装置において使用されてもよい。図8aおよび8bの前記シェル700は、本発明の前記細胞堆積室を前記サイトバケットに適合させるために適応されることができる。
【0046】
本発明は特定の実施例を参照にして特に示され説明されてきたが、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、形態および詳細における様々な変更が行われる可能性があることが当業者には理解される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】Cytospin装置の斜視図で、従来技術に従って、遠心分離中スライド上の検体を堆積させる際に使用される室、スライドおよびホルダーブラケットを構成するアセンブリを示す。
【図2a】図1に示されたCytospinの側面図で、従来技術に従い、試料検体の前記Cytospinの前記室への適用を示す。
【図2b】従来技術に従い、図2aに示されたCytospinの遠心分離中の側面図である。
【図2c】図2bに示されたCytospinの遠心分離中の側面図であり、従来技術に従い、前記上済液検体からの前記細胞の分離を示す。
【図2d】図2cに示されたCytospinの側面図であり、従来技術に従い、遠心分離において前記細胞の前記スライドへの堆積を示す。
【図3a】本発明に従い、体外臨床検査のための試料検体を設置する正方形受取部および封じ込め部を備える顕微鏡スライドの上面図および側面図である。
【図3b】本発明に従い、体外臨床検査のための試料検体を設置する長方形受取部および封じ込め部を備える顕微鏡スライドの上面図および側面図である。
【図4a】本発明の一実施例の一つの特徴の上面図および側面図で、本発明に従い、本発明の顕微鏡スライドに取り付けられた正方形設置領域を備える細胞堆積室を示す。
【図4b】本発明の一実施例における他の特徴の上面図および側面図で、本発明に従い、本発明の顕微鏡スライドに取り付けられた長方形設置領域を備える細胞堆積室を示す。
【図5a】図4aで示された前記細胞堆積室の斜視図であり、本発明に従い、前記顕微鏡スライドに取り付けられた正方形設置領域を備える前記室のアセンブリを示す。
【図5b】図4bで示された前記細胞堆積室の斜視図であり、本発明に従い、前記顕微鏡スライドに取り付けられた長方形設置領域を備える前記室のアセンブリを示す。
【図6】本発明に従い、前記室の上澄液がピペットによって吸引される際の本発明の前記細胞堆積室および顕微鏡スライドのアセンブリを示した図である。
【図7】本発明に従い、移動および/または遠心分離のためにキャリアに載せられた本発明の複数の細胞堆積室アセンブリを示す。
【図8a】本発明のスリーブ状の使い捨てライナの実施例を示し、前記室を覆うシェルを使用し、前記スライド表面に前記室を押し当てることによって前記ライナのフランジが顕微鏡スライドに設置されている、前記細胞堆積室と共に使用される。
【図8b】本発明のスリーブ状の使い捨てライナの実施例を示し、前記室を覆うシェルを使用し、前記スライド表面に前記室を押し当てることによって前記ライナのフランジが顕微鏡スライドに設置されている、前記細胞堆積室と共に使用される。
【図9】ばねが搭載されたレバーまたはハンドルによって前記室を前記スライドに押し当てる圧縮プレートを使用して、本発明の前記細胞堆積室が顕微鏡スライドに取り付けられる別の実施例の図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空部を画定し、顕微鏡スライド上の受取部を覆うように構成された設置領域を有する室であって、前記室は上部、中部および下部から構成され、前記上部は、前記室の開口部を確定し、前記顕微鏡スライドの表面に生体試料が堆積するように構成されていている室と、前記開口部を閉口および密封する手段と、前記顕微鏡スライド上の前記受取部に前記室を取り付ける手段とを備える装置。
【請求項2】
前記室は、多角形の設置領域を備える開いた下部を有する請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記設置領域が円形である請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記室の前記上部が円筒形である請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記開口部を閉口および密封する前記手段がキャップである請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記開口部を閉口および密封する前記手段がプラグである請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記室の前記中部が、前記スライド表面全域から前記生体試料が吸引されるように切頭多面体を構成する請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記多面体が4つの平面を備える請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記顕微鏡スライドと前記室の取り付けおよび取り外しを可能とする粘着物質で処理された受取部をさらに含む請求項1に記載の装置。
【請求項10】
粘着剤は生体適合性のあるアクリル材である請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記受取部は、粘着機能を促進するために疎水性の下地処理がなされている請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記受取部は、試薬ダムを形成するために疎水性の下地処理がなされている請求項9に記載の装置。
【請求項13】
前記室の内壁に適合するように構成され、前記室の前記開口部へ取り外し可能に取り付けられた頸部と、前記室の前記下部の端へ取り外し可能に取り付けられたフランジ部とを備えるライナと、前記室の外壁に適合し覆うシェルとをさらに含む請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記ライナは、使い捨てポリエチレンで構成される請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記シェルは、ポリエチレンで構成される請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記フランジを前記受取部へ密着するために前記シェルを押すことで、前記顕微鏡スライドの前記受取部へ前記室を固定する手段をさらに含む請求項13に記載の装置。
【請求項17】
前記室を固定する手段は、前記室の上に配置される圧縮プレートに係合するハンドルを有する請求項16に記載の装置。
【請求項18】
細胞堆積室に生体物質を堆積させる方法であって、前記室の下部に設置領域を有し、前記室の上部に開口部を画定する細胞堆積室を提供するステップと、生体試料用の受取部を有する顕微鏡スライドを提供するステップであって、ここで前記受取部は前記細胞堆積室の設置領域と適合するよう構成される、ステップと、前記顕微鏡スライドに化学的な下地処理を行うステップと、前記室をライナに適合させるステップであって、ここで前記ライナは前記室の前記開口部を覆う頸部と、前記室の前記下部端を覆うフランジ部とを備えるステップと、前記受取部の上に前記室の前記設置領域を設置し、前記顕微鏡スライドの上に前記室を固定するステップと、前記堆積室の前記開口部を通じて前記顕微鏡スライドの上に生体物質を導入するステップと、前記開口部を閉口および密封するステップとを含む細胞堆積室に生体物質を堆積させる方法。
【請求項19】
前記生体試料は懸濁液中の細胞を含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記生体試料は懸濁液中の細胞小器官を含む請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記生体試料の体外臨床検査を実施するステップと、前記ポートを開口するステップと、前記ポートを通して前記生体試料の上澄液を吸引するステップとをさらに含む請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記上澄液を吸引後、前記室の上部の前記ポートを閉口および密封するステップと、前記室の上に圧縮プレートを設置するステップと、前記顕微鏡スライドの前記受取部の上に前記室を密着させるために前記圧縮プレートを押し当てるハンドルを作動させるステップとをさらに含む請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ハンドルが細胞遠心分離バケットで前記スライドに前記室を密着させる、請求項22に記載の方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図3a】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9】
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【図3b】
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【公表番号】特表2009−500675(P2009−500675A)
【公表日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−520296(P2008−520296)
【出願日】平成18年6月28日(2006.6.28)
【国際出願番号】PCT/US2006/025484
【国際公開番号】WO2007/008446
【国際公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願人】(504133615)イコニシス インコーポレーテッド (12)
【Fターム(参考)】