説明

スライド式入力操作装置

【課題】部品点数が少なく簡単な構成で、多数の操作ができるスライド式入力操作装置を提供する。
【解決手段】第1の平面を有する第1の部品と、第2の平面を有する第2の部品とを、相対的にスライド移動することができるように組み合わせる。第1の平面には、スライド移動方向に沿って互いに離間する、第1および第2の入力電極と出力電極とが形成される。第2の平面には、第2の部品の第1の部品に対する相対的なスライド移動方向の移動に応じて、第1および第2の入力電極と出力電極とを橋渡ししない第1の状態、橋渡しする第2の状態、入力電極と出力電極とを橋渡しする第3の状態、の3状態を採るように橋渡し電極が形成される。第1および第2の入力電極には、互いに異なる入力信号を供給し、出力電極から得られる信号を監視して、スライド移動方向の操作および2段階の操作を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば携帯電話端末のような携帯端末などに使用して好適な、省スペースでの多数の操作入力を可能にするスライド式入力操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話端末などの小型の電子機器には、多数の操作ボタンを設けるスペースが少ないことから、ユーザの操作入力を受け付けるために、一つのボタンで複数通りの入力操作を行なうことができる操作スイッチが用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1(特開2000−236380号公報)には、十字型のマルチファンクションが示されており、上下左右の4方向に配置された押ボタン機能と、中央の決定ボタン機能を、一つのボタンにより、実現できるように構成されている。
【0004】
また、特許文献2(特開2003−59374号公報)には、円形、多角形等の任意形状のスライド式入力操作装置が提案されており、このスライド式入力操作装置を利用して、省スペースで多数の操作ができるようにすることが記載されている。
【0005】
上記の特許文献は、次の通りである。
【特許文献1】特開2000−236380号公報
【特許文献2】特開2003−59374号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に示されるマルチファンクションボタンでは、スライド移動操作ではなく単なる押下操作であるので、一つの方向についての操作で、2段階の操作をすることはできなかった。例えば、上方向のボタン操作による行送り操作を例にとると、従来は、上方向のボタン押下操作毎に、1行ずつ送るようにすると共に、上方向のボタンの長押し操作により高速スクロールを行なうような使用態様であり、低速のスクロールと高速のスクロールの2段階のスクロール操作を行おうとしても、それはできず、比較的面倒な操作が必要であった。
【0007】
また、上記特許文献2で提案されているスライド式入力操作装置においても、上述のような2段階操作入力は、考慮されていないと共に、特許文献2では、ベースと、スライダーと、それらの間に介在される摺動コマと、可動接点ばね片とを組み合わせた構造であり、部品点数が多く、構成が複雑であるという問題もあった。
【0008】
この発明は、以上の点にかんがみ、部品点数が少なく簡単な構成で、例えば上下左右の方向のそれぞれにおいて、2段階操作入力を可能にすることができるスライド式入力操作装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明によるスライド式入力操作装置は、
第1の平面を有する第1の部品と、第2の平面を有する第2の部品とを、前記第1の平面と第2の平面とを対面させた状態で、前記第1の部品と前記第2の部品とを、前記第1の面または第2の面に平行な方向に、相対的にスライド移動することができるように組み合わせてなるスライド式入力操作装置であって、
前記第1の部品の前記第1の平面には、少なくとも一のスライド移動方向に沿って互いに離間する、少なくとも第1および第2の入力電極と、出力電極とが、形成され、
前記第2の部品の前記第2の平面には、前記第2の部品の前記第1の部品に対する相対的な前記一のスライド移動方向の移動に応じて、前記第1および第2の入力電極と前記出力電極とを橋渡ししない第1の状態、前記第1の入力電極と前記出力電極とを橋渡しする第2の状態、前記第2の入力電極と前記出力電極とを橋渡しする第3の状態、の3状態を採るように橋渡し電極が形成され、
前記第1の入力電極と、前記第2の入力電極には、互いに異なる入力信号を供給し、前記出力電極から得られる信号を監視して、前記第1の状態、前記第2の状態、前記第3の状態のいずれの状態であるかを判別することにより、前記一のスライド移動方向の操作および2段階の操作を検出する
ことを特徴とする。
【0010】
上述の構成のこの発明によるスライド式入力操作装置は、第1の部品と第2の部品との一のスライド移動方向において、第1の部品と第2の部品との電気的接続状態が第1の状態であると判別したときには、当該方向へのスライド移動は未だなされていないと認識する。
【0011】
次に、第1の部品と第2の部品との電気的接続状態が第2の状態であるとは判別したときには、例えば第1の段階のスライド移動がなされた状態であると判別する。また、第1の部品と第2の部品との電気的接続状態が第3の状態であるとは判別したときには、例えば第2の段階のスライド移動がなされた状態であると判別する。
【0012】
したがって、この発明のスライド式入力操作装置からの操作出力として、前記の判別出力を受けた装置は、当該第1段階のスライドの状態および第2段階のスライドの状態のそれぞれに対して割り付けられた所定の処理を行なうことができる。例えば、第1段階のスライド移動状態では、低速のスクロール送りを行い、第2段階のスライド移動状態では、高速のスクロール送りを行うようにすることができる。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、第1の部品と第2の部品により構成することができ、非常に簡単に構成できる。そして、第1の部品の、第2の部品に対するスライド移動の第1段階および第2段階を識別することができるので、一つ方向のスライド移動で、2段階の操作入力が可能になるという効果を奏する。
【0014】
そして、この発明によれば、スライド移動を複数方向とすることも容易であるので、多数個の操作入力を、簡単な構成の一つの入力操作装置により実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、この発明によるスライド式操作入力装置の実施形態を、図を参照しながら説明する。
【0016】
[第1の実施形態]
図1〜図16は、この発明によるスライド式操作入力装置の第1の実施形態を説明するための図である。この第1の実施形態は、上下左右の4方向にスライド移動可能であると共に、当該上下左右のスライド移動のそれぞれにおいて、2段階にスライド移動操作入力が可能である場合である。
【0017】
図1は、この実施形態のスライド式操作入力装置10の全体の平面図(スライド移動操作の操作面側から見た図)である。また、図3は、図1のA−A線断面図であり、図2は、図3のB−B線断面図である。
【0018】
この実施形態のスライド式入力操作装置は、基本的には、第2の部品の例としてのスライド部1と、このスライド部1の後述するスライド移動に対するベース部(基部)を構成する第1の部品の例としてのスライドベース部2と、基台部3とから構成されている。基台部3は、スライド部1およびスライドベース部2が一体となって押下(決定キーとしての操作)されたときの押下のベース部(基部)を構成する。
【0019】
これらスライド部1、スライドベース部2および基台部3は、絶縁性の材料、この例では、いずれも樹脂により構成されている。
【0020】
スライド部1は、図2および図3に示すように、円柱状の中心柱部材11を、その中心部に備える。中心柱部材11は、この例では、中心線を共通にした大径円柱部12と、小径円柱部13とを備える。そして、大径円柱部12の上には、スライド操作の操作面部材14が取り付けられている。この例では、図1に示すように、操作面部材14は、円板状部材とされ、大径円柱部12の中心線は、操作面部材14を構成する円板状部材の中心位置を通るように構成されている。操作面部材14の大径円柱部12との結合側とは反対側の面14aは、使用者が指でスライド操作するためのスライド操作面となる。
【0021】
この例では、このスライド操作面14aには、図1に示すように、上下左右のスライド方向を示す矢印と、全体を押下することで決定操作キーとなることを示す□印とが、例えば印刷されて表示されている。
【0022】
そして、図3に示すように、スライド部1の大径円柱部12の、操作面部材14側とは反対側の面12a(面12aは、操作面部材14のスライド操作面14aとほぼ平行)には、この例では、図4に示すように、上、下、左、右の位置に対応して、後述するように導電金属からなる橋渡し電極15a、15b、15c、15dが形成されている。橋渡し電極15a、15b、15c、15dのそれぞれは、この例では、図4に示すように、大径円柱部12の面12aにおいて、大径円柱部12の中心から半径方向に沿った方向を長手方向とするように放射状に形成されている。
【0023】
そして、橋渡し電極15a、15b、15c、15dのそれぞれは、図4において黒く塗り潰して示すように、他の導電金属部分よりさらに面12aから直交する方向に突出する突出部分16,17を、その長手方向(後述するスライド移動方向)の両端部に備える。スライド部1の橋渡し電極15a、15b、15c、15dのそれぞれは、当該両端部の突出部分16,17のみにおいて、スライドベース部2の後述する電極と接触して、電気的接続を行なうように構成されている(後述する図6参照)。この例では、橋渡し電極15a、15b、15c、15dのそれぞれのスライド部1の中心側である一端側に突出部分16が設けられ、橋渡し電極15a、15b、15c、15dのそれぞれのスライド部1の外周側である他端側には突出部分17が設けられている。
【0024】
以上のような構成のスライド部1は、中心柱部材11の中心線方向に、スライドベース部2と組み合わされるが、その組み合わせ状態において、スライド部1が、スライドベース部2に対して、スライド操作面14aに沿う方向(面14aに平行な方向)にスライド移動可能とされる。
【0025】
スライド部1と組合されるスライドベース部2は、全体として円板状の形状を備え、図2および図3に示すように、その中心部に、スライド部1の中心柱部材11の小径円柱部13を収納する凹部21が形成されている。この凹部21は、図2および図3に示すように、円柱状形状の凹部であり、その径は、スライド部1の中心柱部材11の小径円柱部13の外径よりも大きい値であって、スライド部1のスライド移動距離を考慮した十分な大きさとされている。
【0026】
そして、図2および図3に示すように、スライド部1の中心柱部材11の小径円柱部13の側周面と、スライドベース部2の凹部21の内周壁面との間には、複数個、図2の例では6個のばね22が、スライドベース部2に対するスライド部1のスライド移動に抗する偏倚力をスライド部1に与える偏倚手段として設けられている。このばね22により、スライド部1は、操作者が当該スライド部1を操作しないときには、スライドベース部2に対して、スライド部1の中心柱部材11の小径円柱部13の中心線位置が、常に、円柱状凹部21の中心位置(ホームポジション)となるように偏倚されている。
【0027】
なお、6個のばね22の一端は、それぞれ、スライド部1の中心柱部材11の小径円柱部13の側周面に設けられている突起に係止され、また、他端は、それぞれ凹部21の内周壁面に設けられている突起に係止されている。
【0028】
以上により、スライド部1がスライドベース部2に、スライド移動可能に結合される状態になると共に、スライド部1がスライド移動操作されない状態では、ホームポジションにあるように構成される。
【0029】
また、スライドベース2には、スライド部1の大径部12を収納して、スライド部1をスライド移動させるための段差凹部23が設けられている。そして、スライドベース部2の段差凹部23の、スライド部1の大径部12の面12aと対面する面23aには、この例では、図3および図5に示すように、互いに独立の環状電極24と環状電極25とが形成されると共に、スライド部1の大径部12の面12a上の橋渡し電極15a、15b、15c、15dに対応する上下左右の位置において、電極26a,26b,26c,26dが形成される。
【0030】
ここで、面12a上の橋渡し電極15a、15b、15c、15dと、面23a上の環状電極24、環状電極25および電極26a,26b,26c,26dは、例えば、導電金属が、面12aおよび面23a上に、導電パターンとして印刷あるいは被着形成されることにより設けられる。
【0031】
そして、この実施形態では、スライドベース部2の段差凹部23の面23aに形成されている電極24,25および電極26a,26b,26c,26dのそれぞれに対しては、面23a側からスライドベース部2の中心線方向の、スライド部1との結合側とは他側の面23cにまで至る貫通孔に導電部材が充填されて構成されたリード部27,28および29a,29b,29c,29dが接続されて設けられている。
【0032】
これにより、スライドベース部2の中心線方向の、スライド部1との結合側とは他側の面23cから、電極24,25および電極26a,26b,26c,26dのそれぞれに対して電気的に接続されるリード線(図示は省略)を導出することができるように構成されている。
【0033】
なお、後述するように、電極24、電極25は、所定の第1信号S1、第2信号S2が入力される入力電極とされ、電極26a,26b,26c,26dのそれぞれは、スライド部1のスライド移動に応じて、橋渡し電極15a,15b,15c,15dを通じて、上記入力信号S1,S2を出力する出力電極とされるものである。
【0034】
基台部3は、この実施形態では、四辺形の板状体30に、円板状スライドベース部2の直径よりも若干長い内径(直径)の円柱状の凹部31を備えたものであり、この凹部31の中央部に、図3に示すように、スライドベース部2の中心部に設けられた突部2Cが嵌合される凹部32が形成されている。
【0035】
そして、この実施形態では、基台部3の凹部32の底部には、スライドベース部2およびスライド部1を、中心柱部材11の中心線方向にユーザが押下したときに、オンとなる自動復帰式押下スイッチ34が設けられている。この実施形態では、スライドベース部2およびスライド部1の押下に対して、常に、スライドベース部2およびスライド部1が元の位置に復帰するようにための偏倚手段としてのばね33が、基台部3の凹部32内に設けられ、基台部3に対して、スライドベース部2を、図3において上方向側に偏倚するように設けられている。
【0036】
この押下スイッチ34のオン・オフ出力は、種々の用途に用いることができる。例えば、ユーザが、スライド部1を所定の方向にスライド移動させ、所定角度移動させた状態で、スライド部1およびスライドベース部2を押下して、押下スイッチ34をオンさせたとき、そのオン操作は、決定キー(エンターキー)の操作とすることができる。
【0037】
また、各スライド移動方向のそれぞれについての選択項目を複数個、割り当てておき、スライド部1およびスライドベース部2を押下して、押下スイッチ34をオンさせるごとに、スライド移動により選択する選択項目を切り換えることができるようにすることもできる。
【0038】
次に、この実施形態では、スライド部1の大径部12は、スライドベース部2の段差凹部23の段差壁23bに突き当たるまで、スライド移動が可能となる。そして、スライド部1の各スライド方向のスライド移動状態に応じて当該スライド部1の橋渡し電極15a,15b,15c,15dが移動することによって、2個の入力電極24,25と、各スライド方向の出力電極26a,26b,26c,26dとの間の接続状態は、上下左右の各方向において、それぞれ3つの状態を採ることが可能である。
【0039】
すなわち、図6は、スライド部1のスライド方向を上方向とした場合における、入力電極24,25と、当該上方向についての出力電極26bおよび橋渡し電極15bとの接続状態を示す図である。
【0040】
この図6に示すように、橋渡し電極15bの長手方向(上方向のスライド移動方向)の長さは、橋渡し電極15bの他端の突出部分17が、出力電極26bの入力電極25側の端部に接続されている状態においては、橋渡し電極15bの一端16が、入力電極24,25を跨いで、これら入力電極24,25と接続しない状態となる長さとされている。
【0041】
そして、出力電極26bの長手方向(上方向のスライド移動方向)の長さは、橋渡し電極15bの一端の突出部分16が、入力電極25に接続されているときに、橋渡し電極15bの他端の突出部分17が、未だ、当該出力電極26bに接続されている状態を維持するような長さとされている。
【0042】
他の橋渡し電極15a,15c,15dと、出力電極26a,26c,26dとの関係についても、それぞれの電極15a,15c,15dおよび26a,26c,26dの長手方向が、それぞれ対応する左方向、右方向、下方向のスライド移動方向となる点が異なるのみで、橋渡し電極15bと出力電極26bとの関係と、全く同様に構成されるものである。
【0043】
そして、図6(A)は、スライド部1が操作者によりスライド移動されていないホームポジションにあるときの接続状態を示し、このときには、この例では、橋渡し電極15bは、入力電極24または入力電極25と、出力電極26bとの間を接続する状態とはなっておらず、出力電極26bからは、信号出力は得られない。
【0044】
次に、図6(B)は、スライド部1が操作者により上方向に、少しスライド移動された状態のときの接続状態を示しており、このときには、橋渡し電極15bは、一端側の突出部分16が入力電極24に接続されると共に、他端側の突出部分17が出力電極26bに接続される状態を保持する。したがって、出力電極26bからは、入力電極24に供給される第1信号S1が出力される状態となる。この図6(B)の状態は、上方向のスライド移動において、入力電極24のスライド移動方向(ここでは上方向)の長さ分だけ続くことになる。この図6(B)の状態となるスライド移動状態を、以下、第1の段階のスライド移動状態と呼ぶ。
【0045】
次に、図6(C)は、スライド部1が操作者により上方向に、さらにスライド移動された状態のときの接続状態を示しており、このときには、橋渡し電極15bは、一端側の突出部分16が入力電極25に接続されると共に、他端側の突出部分17が出力電極26bに接続される状態を保持する。したがって、出力電極26bからは、入力電極25に供給される第2信号S2が出力される状態となる。この図6(C)の状態は、この例では、上方向のスライド移動において、スライド部1の大径部12の端縁が段差壁23bに突き当たるまで続くように、入力電極25のスライド移動方向(ここでは上方向)の長さ、および出力電極26bの長さが選定されている。この図6(C)の状態となるスライド移動状態を、以下、第2の段階のスライド移動状態と呼ぶ。
【0046】
図6(A)、(B)、(C)は、上方向にスライド部1をスライド移動させたときにおける、スライド部1の橋渡し電極15bと、スライドベース部2の入力電極24,25および出力電極26bとの関係のみを図示したものであるが、スライド部1と、スライドベース部2との関係をも含めた状態の対応図を、図7、図8および図9に示す。なお、図7〜図9においては、説明のために、スライドベース部2の入力電極24,25および出力電極26a,26b,26c,26dは、スライド部1に隠れる部分も実線で示している。
【0047】
すなわち、図7は、図6(A)に示した非スライド移動状態(ホームポジション)のときの、スライド部1の橋渡し電極15a,15b,15c,15dと、スライドベース部2の入力電極24,25および出力電極26a,26b,26c,26dとの位置関係を示している。この図7に示すように、この非スライド移動状態(ホームポジション)においては、橋渡し電極15a,15b,15c,15dは、すべて、入力電極24または入力電極25と、出力電極26a,26b,26c,26dとを接続する状態とはなっていない。したがって、このときには、いずれの出力電極26a,26b,26c,26dからも信号出力は、得られない。
【0048】
次に、図8は、図6(B)に示した上方向への第1段階のスライド移動状態のときの、スライド部1の橋渡し電極15a,15b,15c,15dと、スライドベース部2の入力電極24,25および出力電極26a,26b,26c,26dとの位置関係を示している。この図8に示すように、上方向への第1段階のスライド移動状態においては、橋渡し電極15bの突出部分16が入力電極24に接続されると共に、橋渡し電極15bの突出部分17が出力電極26bに接続されている他は、他の橋渡し電極15a,15c,15dは、すべて、入力電極24または入力電極25と、出力電極26a,26c,26dとを接続する状態とはならないように、各電極が構成されている。
【0049】
したがって、この上方向の第1段階のスライド移動状態のときには、出力電極15bのみから入力電極24に供給される第1信号S1が得られることになる。
【0050】
次に、図9は、図6(C)に示した上方向への第2段階のスライド移動状態のときの、スライド部1の橋渡し電極15a,15b,15c,15dと、スライドベース部2の入力電極24,25および出力電極26a,26b,26c,26dとの位置関係を示している。この図9に示すように、上方向への第2段階のスライド移動状態においては、橋渡し電極15bの突出部分16が入力電極25に接続されると共に、橋渡し電極15bの突出部分17が出力電極26bに接続されている他は、他の橋渡し電極15a,15c,15dは、すべて、入力電極24または入力電極25と、出力電極26a,26c,26dとを接続する状態とはならないように、各電極が構成されている。
【0051】
したがって、この上方向の第2段階のスライド移動状態のときには、出力電極15bのみから入力電極25に供給される第2信号S2が得られることになる。
【0052】
以上は、上方向のスライド移動におけるスライド部1の橋渡し電極15a,15b,15c,15dと、スライドベース部2の入力電極24,25および出力電極26a,26b,26c,26dとの位置関係を示したが、下方向、左方向、右方向についても、橋渡し電極と、出力電極とが、それぞれの方向のものに代わるだけで、全く同様の関係となるものであるので、その詳細な説明は省略する。
【0053】
次に、以上説明したような構造を備えるスライド式入力操作装置10を用いたスライド移動操作について、上述した上下左右のそれぞれのスライド移動方向の検出、および第1段階のスライド移動状態並びに第2段階のスライド移動状態の検出をするためのスライド操作検出システムの構成図を図10に示す。
【0054】
すなわち、このシステムにおいては、スライド式入力操作装置10の他に、第1信号発生部41と、第2信号発生部42と、入力操作判定部43とを設ける。そして、第1信号発生部41の出力端子41aが、スライド式入力操作装置10の入力電極24に接続されて、第1信号発生部41からの第1信号S1が入力電極24に供給される。また、第2信号発生部42の出力端子42aが、スライド式入力操作装置10の入力電極25に接続されて、第2信号発生部42からの第1信号S2が入力電極25に供給される。
【0055】
この例においては、第1信号S1は、図11(A)に示すように、定電圧信号とされ、また、第2信号は、図11(B)に示すように、所定周波数のクロック信号とされる。第1信号および第2信号は、この図11に示すような信号に限られるものではなく、入力操作判断部43で両信号S1,S2を区別して認識することができるような2つの信号であれば、どのような信号の組み合わせであっても良い。
【0056】
そして、スライド式入力操作装置10の出力電極26a,26b,26c,26dのそれぞれは、入力操作判断部43の4個の入力端子43a,43b,43c,43dに接続される。
【0057】
入力操作判断部43は、4個の入力端子43a,43b,43c,43dのそれぞれへの入力信号の有無を判別し、入力信号が有ると判別した入力端子が4個の入力端子43a,43b,43c,43dのどれであるかにより、操作者によるスライド式入力操作装置10におけるスライド移動方向を判断する。
【0058】
また、入力操作判断部43は、入力信号が有ると判別して、スライド移動方向を判断したときには、その入力信号が第1信号S1か第2信号S2のいずれであるかを判別し、その判別結果により、第1段階のスライド移動状態か、第2段階のスライド移動状態かを判断する。
【0059】
そして、入力操作判断部43は、以上の判断結果に基づいて、スライド移動の方向を示す情報と、第1段階のスライド移動状態または第2段階のスライド移動状態のいずれであるかを示す情報とを含む出力情報DETを出力する。
【0060】
この実施形態においては、図12に示すように、入力操作判断部43は、出力電極26bに接続されている入力電極43bに、入力信号が供給されたと判別したときには、スライド移動方向は上方向であると判断し、出力電極26cに接続されている入力電極43cに、入力信号が供給されたと判別したときには、スライド移動方向は右方向であると判断し、出力電極26dに接続されている入力電極43dに、入力信号が供給されたと判別したときには、スライド移動方向は下方向であると判断し、出力電極26aに接続されている入力電極43aに、入力信号が供給されたと判別したときには、スライド移動方向は左方向であると判断する。
【0061】
そして、それぞれ入力信号が供給されたと判別したときには、当該入力信号が第1信号S1であると判別したときには、第1段階のスライド移動であると判断し、第2信号S2であると判別したときには、第2段階のスライド移動であると判断する。
【0062】
すなわち、操作者が、スライド部1を上方向に第1段階のスライド移動操作をしたときには、スライド部1の橋渡し電極15a,15b,15c,15dとスライドベース部2の入力電極24,25および出力電極26a,26b,26c,26dとの位置関係は、図8に示したようになるので、スライド式入力操作装置10は、等価的に、図13(A)に示すようなスイッチ切換状態になり、入力電極24と出力電極26bとが橋渡し電極15bを通じて接続される状態となる。よって、入力操作判断部43では、入力端子43bに第1信号S1が入力されたと判別して、上方向の第1段階のスライド移動操作がなされたと判断される。
【0063】
また、操作者が、スライド部1を上方向に第2段階のスライド移動操作をしたときには、スライド部1の橋渡し電極15a,15b,15c,15dとスライドベース部2の入力電極24,25および出力電極26a,26b,26c,26dとの位置関係は、図9に示したようになるので、スライド式入力操作装置10は、等価的に、図13(B)に示すようなスイッチ切換状態となり、入力電極25と出力電極26bとが橋渡し電極15bを通じて接続される状態となる。よって、入力操作判断部43では、入力端子43bに第2信号S2が入力されたと判別して、上方向の第2段階のスライド移動操作がなされたと判断される。
【0064】
同様にして、操作者が、スライド部1を下方向に第1段階のスライド移動操作をしたときには、スライド式入力操作装置10は、等価的に、図14(A)に示すようなスイッチ切換状態となり、入力電極24と出力電極26dとが橋渡し電極15dを通じて接続される状態となる。よって、入力操作判断部43では、入力端子43dに第1信号S1が入力されたと判別して、下方向の第1段階のスライド移動操作がなされたと判断される。
【0065】
また、操作者が、スライド部1を下方向に第2段階のスライド移動操作をしたときには、スライド式入力操作装置10は、等価的に、図14(B)に示すようなスイッチ切換状態となり、入力電極25と出力電極26dとが橋渡し電極15dを通じて接続される状態となる。よって、入力操作判断部43では、入力端子43dに第2信号S2が入力されたと判別して、下方向の第2段階のスライド移動操作がなされたと判断される。
【0066】
また、操作者が、スライド部1を左方向に第1段階のスライド移動操作をしたときには、スライド式入力操作装置10は、等価的に、図15(A)に示すようなスイッチ切換状態となり、入力電極24と出力電極26aとが橋渡し電極15aを通じて接続される状態となる。よって、入力操作判断部43では、入力端子43aに第1信号S1が入力されたと判別して、左方向の第1段階のスライド移動操作がなされたと判断される。
【0067】
また、操作者が、スライド部1を左方向に第2段階のスライド移動操作をしたときには、スライド式入力操作装置10は、等価的に、図15(B)に示すようなスイッチ切換状態となり、入力電極25と出力電極26aとが橋渡し電極15aを通じて接続される状態となる。よって、入力操作判断部43では、入力端子43aに第2信号S2が入力されたと判別して、左方向の第2段階のスライド移動操作がなされたと判断される。
【0068】
また、操作者が、スライド部1を右方向に第1段階のスライド移動操作をしたときには、スライド式入力操作装置10は、等価的に、図16(A)に示すようなスイッチ切換状態となり、入力電極24と出力電極26cとが橋渡し電極15cを通じて接続される状態となる。よって、入力操作判断部43では、入力端子43cに第1信号S1が入力されたと判別して、右方向の第1段階のスライド移動操作がなされたと判断される。
【0069】
また、操作者が、スライド部1を右方向に第2段階のスライド移動操作をしたときには、スライド式入力操作装置10は、等価的に、図16(B)に示すようなスイッチ切換状態となり、入力電極25と出力電極26cとが橋渡し電極15cを通じて接続される状態となる。よって、入力操作判断部43では、入力端子43cに第2信号S2が入力されたと判別して、右方向の第2段階のスライド移動操作がなされたと判断される。
【0070】
なお、上述した第1信号発生部41、第2信号発生部42および入力操作判断部43は、マイクロコンピュータで構成することが可能である。すなわち、マイクロコンピュータから、互いに異なる第1信号S1および第2信号S2をスライド式入力操作装置10の入力電極24,25に供給し、スライド式入力操作装置10の出力電極26a,26b,26c,26dからの信号をマイクロコンピュータが受けて、上述の入力操作判断部43の判断処理をソフトウエアにより実行し、判定したスライド移動方向および第1段階または第2段階のそれぞれに割り当てられて制御を実行するように構成することができる。
【0071】
マイクロコンピュータは、例えば、上方向のスライド移動操作を判定したときには、第1段階のスライド移動操作を、画面の低速のスクロール操作指示、また、第2段階のスライド移動操作を、画面の高速のスクロール操作指示と、それぞれ判断して、対応する画面のスクロール制御を行うようにする。
【0072】
なお、入力操作判断部43の出力情報DETをマイクロコンピュータが受けて、同様のスクロール制御を行なうように構成することも勿論できる。
【0073】
[第2の実施形態]
この第2の実施形態は、第1の実施形態とは、スライド部1の橋渡し電極と、スライドベース部2の入力電極および出力電極の構造および配置が異なるのみで、その他の構成は、全く同様である。そこで、この第2の実施形態の説明においては、電極以外で第1の実施形態で対応する部分には、同一番号を付すことにする。
【0074】
図17に、この第2の実施形態のスライド式入力操作装置50を構成するスライドベース部2の、段差凹部23の面23a上に形成される入力電極および出力電極の配置構成例を示す。
【0075】
すなわち、この第2の実施形態においては、入力電極は、2個の入力電極51と52とから構成されるが、出力電極は、3個の出力電極53a、53b、53cとから構成される。つまり、第2の実施形態では、出力電極の数が、第1の実施形態よりも1個少ない構成とされる。
【0076】
そして、この第2の実施形態においては、入力電極51は、図17に示すように、段差凹部23の面23a上において単一の電極で構成される。しかし、入力電極52は、図17に示すように、段差凹部23の面23a上において4つの電極521,522,523,524に分割されて形成されている。
【0077】
面23a上の入力電極51、また、入力電極52を構成する4つの電極521,522,523,524および3個の出力電極53a、53b、53cは、例えば、導電金属が、面23a上に、導電パターンとして印刷あるいは被着形成されることにより設けられる。
【0078】
そして、図示は、省略するが、この第2の実施形態でも、第1の実施形態における図3に示したのと同様に、入力電極51、入力電極52を構成する4個の電極521,522,523,524および3個の出力電極53a、53b、53cのそれぞれに対しては、面23a側からスライドベース部2の中心線方向の、スライド部1との結合側とは他側の面23cにまで至る貫通孔に導電部材が充填されて構成されたリード部がそれぞれ接続されて設けられている。
【0079】
そして、入力電極52を構成する4個の電極521,522,523,524のそれぞれに接続されているリード部は、この例では、面23cにおいて、例えば導電パターンにより互いに接続されて一つの共通リード部とされている。
【0080】
これにより、スライドベース部2の中心線方向の、スライド部1との結合側とは他側の面23cから、入力電極51,52および出力電極53a,53b,53cのそれぞれに対して電気的に接続されるリード線(図示は省略)を導出することができるように構成されている。
【0081】
一方、スライド部1の大径部12の面12a上には、この第2の実施形態では、図18に示すような「上」の字形状の1個の橋渡し電極60が、例えば、導電金属が、導電パターンとして印刷あるいは被着形成されることにより設けられる。この例では、図18に示すように、橋渡し電極60は、「上」の字形状の下の横線が、スライド部1の中心を通るように形成される。したがって、「上」の字形状の橋渡し電極60は、図18においてスライド部1の面12aの上半分に全体が納まるように形成されている。
【0082】
そして、この例では、橋渡し電極60が大径部12の面12a上に形成された後に、大径部12に対して小径部13が結合される構成とされている。
【0083】
そして、橋渡し電極60において、図19において黒く塗りつぶして示す部分61,62,63,64,65,66のそれぞれは、前述の第1の実施形態において図6を用いて説明したのと同様に、他の導電金属部分よりさらに面12aに直交する方向に突出する突出部分とされている。
【0084】
突出部分61と62とは、「上」の字形状の下の横線の両端に形成されている。また、突出部分63は、「上」の字形状の上の横線の先端に形成されている。また、突出部分64は、「上」の字形状の上の横線と、中央の縦線との交差部に形成されている。また、突出部分65と66とは、突出部分64を挟んで、「上」の字形状の中央の縦線の先端と中間部とに形成されている。
【0085】
図19は、スライドベース部2の上にスライド部1を結合し、スライド部1がホームポジション位置にあるときのスライドベース部2の面23a上の各電極51,52(電極521〜524からなる)および53a,53b,53cと、スライド部1の橋渡し電極60の各突出部分61〜66との位置関係を示している。なお、図19では、分かりやすくするために、スライドベース2の面23a上の各電極51,52(電極521〜524)および53a,53b,53cはすべて実線で示している。
【0086】
この図19から分かるように、スライド部1がホームポジションにあるときには、スライドベース部2の面23a上の入力電極51と、スライド部1の橋渡し電極60の突出部分61とが接続されるような位置関係となるように、入力電極51がスライドベース部2の面23a上に形成されている。
【0087】
スライドベース部2の入力電極522は、スライドベース部2の中心を通る線上において、入力電極51よりも外側の位置であって、ホームポジションでは、スライド部1の橋渡し電極60のいずれの突出部分とも接続しないが、スライド部1が左方向に第2段階のスライド移動をしたと判断されるような距離だけ移動したときに、突出部分61と接続するような位置に形成されている。
【0088】
また、スライドベース部2の入力電極521および523は、入力電極51の上および下の位置であって、ホームポジションでは、スライド部1の橋渡し電極60のいずれの突出部分とも接続しないが、スライド部1が上方向または下方向に第2段階のスライド移動をしたと判断されるような距離だけ移動したときに、突出部分61と接続するような位置に形成されている。
【0089】
また、スライドベース部2の入力電極524は、ホームポジションでは、スライド部1の橋渡し電極60のいずれの突出部分とも接続しないが、スライド部1が右方向に第2段階のスライド移動をしたと判断されるような距離だけ移動したときに、スライド部1の「上」の字形状の上の横線と縦の線との交差部の突出部分64が、これに接続するような位置に形成されている。
【0090】
また、スライドベース部2の出力電極53aは、ホームポジションでは、スライド部1の橋渡し電極60のいずれの突出部分とも接続しないが、スライド部1が上方向に第1段階および第2段階のスライド移動をしたと判断されるような距離だけ移動したときに、スライド部1の「上」の字形状の上の横線の先端の突出部分63が、これに接続し続けるような位置および大きさに形成されている。
【0091】
また、スライドベース部2の出力電極53bは、ホームポジションでは、スライド部1の橋渡し電極60のいずれの突出部分とも接続しないが、スライド部1が下方向に第1段階および第2段階のスライド移動をしたと判断されるような距離だけ移動したときに、スライド部1の「上」の字形状の上の横線の先端の突出部分63が、これに接続し続けるような位置および大きさに形成されている。
【0092】
また、スライドベース部2の出力電極53aおよび53bは、スライド部1が左方向に第1段階および第2段階のスライド移動をしたと判断されるような距離だけ移動したときに、スライド部1の「上」の字形状の中央の縦線の2個の突出部分65および66が、これらに接続し続けるような位置および大きさに形成されている。
【0093】
また、スライドベース部の出力電極53cは、ホームポジションでは、スライド部1の橋渡し電極60のいずれの突出部分とも接続しないが、スライド部1が右方向に第1段階および第2段階のスライド移動をしたと判断されるような距離だけ移動したときに、スライド部1の「上」の字形状の下の横線の他方の先端の突出部分62が、これに接続し続けるような位置および大きさに形成されている。
【0094】
以上のように、スライド部1の橋渡し電極60およびスライドベース部2の入力電極51,52(電極521,522,523,524)および出力電極53a,53b,53cが形成された第2の実施形態のスライド式入力操作装置50を用いたスライド操作検出システムの構成図を図20に示す。
【0095】
この図20は、図10に示した第1の実施形態のスライド式入力操作装置10を用いたスライド操作検出システムの構成図と全く同様に、第1信号発生部41と、第2信号発生部42とを設けると共に、この例では、入力操作判定部44とを設ける。
【0096】
そして、第1信号発生部41の出力端子41aが、スライド式入力操作装置50の入力電極51に接続されて、第1信号発生部41からの第1信号S1が入力電極51に供給される。また、第2信号発生部42の出力端子42aが、スライド式入力操作装置50の入力電極52に接続されて、第2信号発生部42からの第1信号S2が入力電極52に供給される。
【0097】
そして、この第2の実施形態においても、第1信号S1は、図11(A)に示すように、定電圧信号とされ、また、第2信号は、図11(B)に示すように、所定周波数のクロック信号とされる。第1信号および第2信号は、第2の実施形態においても、この図11に示すような信号に限られるものではなく、入力操作判断部43で両信号S1,S2を区別して認識することができるような2つの信号であれば、どのような信号の組み合わせであっても良い。
【0098】
そして、スライド式入力操作装置50の出力電極53a,53b,53cのそれぞれは、入力操作判断部44の3個の入力端子44a,44b,44cに接続される。
【0099】
入力操作判断部44は、3個の入力端子44a,44b,44cのそれぞれへの入力信号の有無を判別し、入力信号が有ると判別した入力端子が3個の入力端子44a,44b,44cのどれであるかにより、操作者によるスライド式入力操作装置50におけるスライド移動方向を判断する。
【0100】
また、入力操作判断部44は、入力信号が有ると判別して、スライド移動方向を判断したときには、その入力信号が第1信号S1か第2信号S2のいずれであるかを判別し、その判別結果により、第1段階のスライド移動状態か、第2段階のスライド移動状態かを判断する。
【0101】
そして、入力操作判断部44は、以上の判断結果に基づいて、スライド移動の方向を示す情報と、第1段階のスライド移動状態または第2段階のスライド移動状態のいずれであるかを示す情報とを含む出力情報DETを出力する。
【0102】
そして、例えばマイクロコンピュータや制御部が、この出力情報DETを受けて、当該スライド移動方向および第1段階または第2段階のそれぞれに割り当てられて制御を実行するようにする。
【0103】
次に、スライド部1を上、下、左、右の各方向に、それぞれ第1段階のスライド移動および第2段階のスライド移動をさせたときの、スライド部1の橋渡し電極60と、スライドベース部2の入力電極51,52および出力電極53a,53b,53cとの関係をも含めた状態の対応図を、図21〜図28に示す。なお、この図21〜図28においても、説明のために、スライドベース部2の入力電極51,52および出力電極53a,53b,53c,53dは、スライド部1に隠れる部分も実線で示している。
【0104】
図21は、上方向への第1段階のスライド移動状態のときの、スライド部1の橋渡し電極60と、スライドベース部2の入力電極51,52および出力電極53a,53b,53cとの位置関係を示している。この図21に示すように、上方向への第1段階のスライド移動状態においては、橋渡し電極60の突出部分61が入力電極51に接続されると共に、橋渡し電極60の突出部分63が出力電極53aに接続される。
【0105】
したがって、この上方向の第1段階のスライド移動状態のときには、出力電極53aのみから入力電極51に供給される第1信号S1が得られることになる。
【0106】
すなわち、操作者が、スライド部1を上方向に第1段階のスライド移動操作をしたときには、スライド部1の橋渡し電極60とスライドベース部2の入力電極51,52および出力電極53a,53b,53cとの位置関係は、図21に示したようになるので、スライド式入力操作装置50は、等価的に、図29(A)に示すようなスイッチ切換状態になり、入力電極51と出力電極53aとが橋渡し電極60を通じて接続される状態となる。よって、入力操作判断部44では、入力端子44aに第1信号S1が入力されたと判別して、上方向の第1段階のスライド移動操作がなされたと判断される。
【0107】
次に、図22は、上方向への第2段階のスライド移動状態のときの、スライド部1の橋渡し電極60と、スライドベース部2の入力電極51,52および出力電極53a,53b,53cとの位置関係を示している。この図22に示すように、上方向への第2段階のスライド移動状態においては、橋渡し電極60の突出部分61が入力電極52の電極521に接続されると共に、橋渡し電極60の突出部分63が出力電極53aに接続される。
【0108】
したがって、この上方向の第2段階のスライド移動状態のときには、出力電極53aのみから入力電極52に供給される第2信号S2が得られることになる。
【0109】
すなわち、操作者が、スライド部1を上方向に第2段階のスライド移動操作をしたときには、スライド部1の橋渡し電極60とスライドベース部2の入力電極51,52および出力電極53a,53b,53cとの位置関係は、図22に示したようになるので、スライド式入力操作装置50は、等価的に、図29(B)に示すようなスイッチ切換状態となり、入力電極52と出力電極53aとが橋渡し電極60を通じて接続される状態となる。よって、入力操作判断部44では、入力端子44bに第2信号S2が入力されたと判別して、上方向の第2段階のスライド移動操作がなされたと判断される。
【0110】
図23は、下方向への第1段階のスライド移動状態のときの、スライド部1の橋渡し電極60と、スライドベース部2の入力電極51,52および出力電極53a,53b,53cとの位置関係を示している。この図23に示すように、下方向への第1段階のスライド移動状態においては、橋渡し電極60の突出部分61が入力電極51に接続されると共に、橋渡し電極60の突出部分63が出力電極53bに接続される。
【0111】
したがって、この下方向の第1段階のスライド移動状態のときには、出力電極53bのみから入力電極51に供給される第1信号S1が得られることになる。
【0112】
すなわち、操作者が、スライド部1を下方向に第1段階のスライド移動操作をしたときには、スライド部1の橋渡し電極60とスライドベース部2の入力電極51,52および出力電極53a,53b,53cとの位置関係は、図23に示したようになるので、スライド式入力操作装置50は、等価的に、図30(A)に示すようなスイッチ切換状態になり、入力電極51と出力電極53aとが橋渡し電極60を通じて接続される状態となる。よって、入力操作判断部44では、入力端子44bに第1信号S1が入力されたと判別して、上方向の第1段階のスライド移動操作がなされたと判断される。
【0113】
次に、図24は、下方向への第2段階のスライド移動状態のときの、スライド部1の橋渡し電極60と、スライドベース部2の入力電極51,52および出力電極53a,53b,53cとの位置関係を示している。この図24に示すように、下方向への第2段階のスライド移動状態においては、橋渡し電極60の突出部分61が入力電極52の電極523に接続されると共に、橋渡し電極60の突出部分63が出力電極53bに接続される。
【0114】
したがって、この下方向の第2段階のスライド移動状態のときには、出力電極53bのみから入力電極52に供給される第2信号S2が得られることになる。
【0115】
すなわち、操作者が、スライド部1を下方向に第2段階のスライド移動操作をしたときには、スライド部1の橋渡し電極60とスライドベース部2の入力電極51,52および出力電極53a,53b,53cとの位置関係は、図24に示したようになるので、スライド式入力操作装置50は、等価的に、図30(B)に示すようなスイッチ切換状態となり、入力電極52と出力電極53bとが橋渡し電極60を通じて接続される状態となる。よって、入力操作判断部44では、入力端子44bに第2信号S2が入力されたと判別して、上方向の第2段階のスライド移動操作がなされたと判断される。
【0116】
図25は、右方向への第1段階のスライド移動状態のときの、スライド部1の橋渡し電極60と、スライドベース部2の入力電極51,52および出力電極53a,53b,53cとの位置関係を示している。この図25に示すように、右方向への第1段階のスライド移動状態においては、橋渡し電極60の突出部分61が入力電極51に接続されると共に、橋渡し電極60の突出部分62が出力電極53cに接続される。
【0117】
したがって、この右方向の第1段階のスライド移動状態のときには、出力電極53cのみから入力電極51に供給される第1信号S1が得られることになる。
【0118】
すなわち、操作者が、スライド部1を右方向に第1段階のスライド移動操作をしたときには、スライド部1の橋渡し電極60とスライドベース部2の入力電極51,52および出力電極53a,53b,53cとの位置関係は、図25に示したようになるので、スライド式入力操作装置50は、等価的に、図31(A)に示すようなスイッチ切換状態になり、入力電極51と出力電極53cとが橋渡し電極60を通じて接続される状態となる。よって、入力操作判断部44では、入力端子44cに第1信号S1が入力されたと判別して、上方向の第1段階のスライド移動操作がなされたと判断される。
【0119】
次に、図26は、右方向への第2段階のスライド移動状態のときの、スライド部1の橋渡し電極60と、スライドベース部2の入力電極51,52および出力電極53a,53b,53cとの位置関係を示している。この図27に示すように、右方向への第2段階のスライド移動状態においては、橋渡し電極60の突出部分64が入力電極52の電極524に接続されると共に、橋渡し電極60の突出部分62が出力電極53cに接続される。
【0120】
したがって、この右方向の第2段階のスライド移動状態のときには、出力電極53cのみから入力電極52に供給される第2信号S2が得られることになる。
【0121】
すなわち、操作者が、スライド部1を右方向に第2段階のスライド移動操作をしたときには、スライド部1の橋渡し電極60とスライドベース部2の入力電極51,52および出力電極53a,53b,53cとの位置関係は、図26に示したようになるので、スライド式入力操作装置50は、等価的に、図31(B)に示すようなスイッチ切換状態となり、入力電極52と出力電極53cとが橋渡し電極60を通じて接続される状態となる。よって、入力操作判断部44では、入力端子44cに第2信号S2が入力されたと判別して、右方向の第2段階のスライド移動操作がなされたと判断される。
【0122】
図27は、左方向への第1段階のスライド移動状態のときの、スライド部1の橋渡し電極60と、スライドベース部2の入力電極51,52および出力電極53a,53b,53cとの位置関係を示している。この図27に示すように、左方向への第1段階のスライド移動状態においては、橋渡し電極60の突出部分61が入力電極51に接続されると共に、橋渡し電極60の突出部分65および66が出力電極53aおよび53bにそれぞれ接続される。
【0123】
したがって、この左方向の第1段階のスライド移動状態のときには、出力電極53aおよび出力電極53bから入力電極51に供給される第1信号S1が、共に得られることになる。
【0124】
すなわち、操作者が、スライド部1を左方向に第1段階のスライド移動操作をしたときには、スライド部1の橋渡し電極60とスライドベース部2の入力電極51,52および出力電極53a,53b,53cとの位置関係は、図27に示したようになるので、スライド式入力操作装置50は、等価的に、図32(A)に示すようなスイッチ切換状態になり、入力電極51と出力電極53aおよび53bとが橋渡し電極60を通じて接続される状態となる。よって、入力操作判断部44では、入力端子44aおよび44bに第1信号S1が入力されたと判別して、左方向の第1段階のスライド移動操作がなされたと判断される。
【0125】
次に、図28は、左方向への第2段階のスライド移動状態のときの、スライド部1の橋渡し電極60と、スライドベース部2の入力電極51,52および出力電極53a,53b,53cとの位置関係を示している。この図28に示すように、左方向への第2段階のスライド移動状態においては、橋渡し電極60の突出部分61が入力電極52の電極522に接続されると共に、橋渡し電極60の突出部分65および66が出力電極53aおよび53bに接続される。
【0126】
したがって、この左方向の第2段階のスライド移動状態のときには、出力電極53aおよび53bから入力電極52に供給される第2信号S2が、共に得られることになる。
【0127】
すなわち、操作者が、スライド部1を左方向に第2段階のスライド移動操作をしたときには、スライド部1の橋渡し電極60とスライドベース部2の入力電極51,52および出力電極53a,53b,53cとの位置関係は、図28に示したようになるので、スライド式入力操作装置50は、等価的に、図32(B)に示すようなスイッチ切換状態となり、入力電極52と出力電極53aおよび53bとが橋渡し電極60を通じて接続される状態となる。よって、入力操作判断部44では、入力端子44aおよび44bに第2信号S2が入力されたと判別して、左方向の第2段階のスライド移動操作がなされたと判断される。
【0128】
入力操作判断部44における、入力端子44a,44b,44cへの入力信号の有無と、スライド移動方向との関係を、図33に示す。図33において、「0」は、入力端子への入力信号がない状態を示し、「1」は、入力端子への入力信号がある状態をそれぞれ示している。図33で、移動方向において、「Non」とされているのは、スライド移動の方向とは判断しないことを示している。
【0129】
なお、入力操作判断部44は、図33に基づいて、スライド移動方向が判断されたときには、そのときの入力信号を判別し、入力信号が第1信号S1であると判別したときには、第1段階のスライド移動であると判断し、第2信号S2であると判別したときには、第2段階のスライド移動であると判断する。
【0130】
なお、この第2の実施形態においても、第1の実施形態の場合と同様に、上述した第1信号発生部41、第2信号発生部42および入力操作判断部44は、マイクロコンピュータで構成することが可能である。
【0131】
なお、上述したように、上述の第1および第2の実施形態においては、スライド部1およびスライドベース部2の全体を押下することで、押下スイッチ34をオン・オフすることができるので、この押下スイッチ34のオン・オフ出力を決定操作出力としたり、操作の方向に応じた項目の選択操作出力としたりなど、種々の操作指示の用途に使用することができる。
【0132】
[その他の変形例]
上述の実施形態のスライド1およびスライドベース部2の電極配置は、一例であって、これに限定されるわけではないことは言うまでもない。
【0133】
また、スライド部1の操作面14の形状は、上述の実施形態では、円形としたが、スライド移動方向を多角形の角方向と、各辺の中点方向になるような多角形形状とするようにしても良い。また、多角形の角方向のみ、あるいは、辺の中点方向のみがスライド移動方向に対応するような多角形形状であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0134】
この発明によるスライド式入力操作装置は、種々の電子機器の操作入力手段として用いることができるが、特に、例えば携帯電話端末用やPDA(Personal Digital Assistants)などの携帯情報端末の操作入力手段として用いると好適である。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】この発明によるスライド式入力操作装置の第1の実施形態の一例の全体の概要を説明するための図である。
【図2】図3のB−B線断面図である。
【図3】図1のA−A線断面図である。
【図4】スライド式入力操作装置の第1の実施形態におけるスライド部1の電極の例を示す図である。
【図5】スライド式入力操作装置の第1の実施形態におけるスライドベース部2の電極の例を示す図である。
【図6】スライド式入力操作装置の第1の実施形態におけるスライド部1の橋渡し電極と、スライドベース部の電極との電気的接続状態を説明するための図である。
【図7】スライド式入力操作装置の第1の実施形態において、スライド部1がホームポジションにあるときの、スライド部およびスライドベース部の電極の位置関係を説明するための図である。
【図8】この発明によるスライド式入力操作装置の第1の実施形態における上方向の第1段階のスライド移動状態における電極接続関係を説明するための図である。
【図9】この発明によるスライド式入力操作装置の第1の実施形態における上方向の第2段階のスライド移動状態における電極接続関係を説明するための図である。
【図10】この発明によるスライド式入力操作装置の第1の実施形態を用いたスライド移動検出システムのシステム構成例のブロック図である。
【図11】この発明によるスライド式入力操作装置の実施形態における2個の入力電極に入力する信号の例を説明するための図である。
【図12】この発明によるスライド式入力操作装置の第1の実施形態における出力電極の信号出力状態と、スライド移動方向との関係を説明するための図である。
【図13】この発明によるスライド式入力操作装置の第1の実施形態において、上方向のスライド移動方向をしたときの等価回路を示す図である。
【図14】この発明によるスライド式入力操作装置の第1の実施形態において、下方向のスライド移動方向をしたときの等価回路を示す図である。
【図15】この発明によるスライド式入力操作装置の第1の実施形態において、左方向のスライド移動方向をしたときの等価回路を示す図である。
【図16】この発明によるスライド式入力操作装置の第1の実施形態において、右方向のスライド移動方向をしたときの等価回路を示す図である。
【図17】スライド式入力操作装置の第2の実施形態におけるスライドベース部2の電極の例を示す図である。
【図18】スライド式入力操作装置の第2の実施形態におけるスライド部1の電極の例を示す図である。
【図19】スライド式入力操作装置の第2の実施形態において、スライド部1がホームポジションにあるときの、スライド部およびスライドベース部の電極の位置関係を説明するための図である。
【図20】この発明によるスライド式入力操作装置の第2の実施形態を用いたスライド移動検出システムのシステム構成例のブロック図である。
【図21】この発明によるスライド式入力操作装置の第2の実施形態における上方向の第1段階のスライド移動状態における電極接続関係を説明するための図である。
【図22】この発明によるスライド式入力操作装置の第2の実施形態における上方向の第2段階のスライド移動状態における電極接続関係を説明するための図である。
【図23】この発明によるスライド式入力操作装置の第2の実施形態における下方向の第1段階のスライド移動状態における電極接続関係を説明するための図である。
【図24】この発明によるスライド式入力操作装置の第2の実施形態における下方向の第2段階のスライド移動状態における電極接続関係を説明するための図である。
【図25】この発明によるスライド式入力操作装置の第2の実施形態における右方向の第1段階のスライド移動状態における電極接続関係を説明するための図である。
【図26】この発明によるスライド式入力操作装置の第2の実施形態における右方向の第2段階のスライド移動状態における電極接続関係を説明するための図である。
【図27】この発明によるスライド式入力操作装置の第2の実施形態における左方向の第1段階のスライド移動状態における電極接続関係を説明するための図である。
【図28】この発明によるスライド式入力操作装置の第2の実施形態における左方向の第2段階のスライド移動状態における電極接続関係を説明するための図である。
【図29】この発明によるスライド式入力操作装置の第2の実施形態において、上方向のスライド移動方向をしたときの等価回路を示す図である。
【図30】この発明によるスライド式入力操作装置の第2の実施形態において、下方向のスライド移動方向をしたときの等価回路を示す図である。
【図31】この発明によるスライド式入力操作装置の第2の実施形態において、右方向のスライド移動方向をしたときの等価回路を示す図である。
【図32】この発明によるスライド式入力操作装置の第2の実施形態において、左方向のスライド移動方向をしたときの等価回路を示す図である。
【図33】この発明によるスライド式入力操作装置の第2の実施形態における出力電極の信号出力状態と、スライド移動方向との関係を説明するための図である。
【符号の説明】
【0136】
1…スライド部、2…スライドベース部、3…基台部、11…中心柱部材、12a,12b,12c,12d,12e,12f,12g,12h,12i,12j…棒状突部、13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j…電極、22…ばね、23a,23b,23c,23d,23e,23f,23g,23h,23i,23j…スライド補助溝、24a,24b,24c,24d,24e,24f,24g,24h,24i,24j…段高部、25a,25b,25c,25d,25e,25f,25g,25h,25i…電極、26,27…係止用凹穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の平面を有する第1の部品と、第2の平面を有する第2の部品とを、前記第1の平面と第2の平面とを対面させた状態で、前記第1の面または第2の面に平行な方向に、相対的にスライド移動することができるように組み合わせてなるスライド式入力操作装置であって、
前記第1の部品の前記第1の平面には、少なくとも一のスライド移動方向に沿って互いに離間する、少なくとも第1および第2の入力電極と、出力電極とが、形成され、
前記第2の部品の前記第2の平面には、前記第2の部品の前記第1の部品に対する相対的な前記一のスライド移動方向の移動に応じて、前記第1および第2の入力電極と前記出力電極とを橋渡ししない第1の状態、前記第1の入力電極と前記出力電極とを橋渡しする第2の状態、前記第2の入力電極と前記出力電極とを橋渡しする第3の状態、の3状態を採るように橋渡し電極が形成され、
前記第1の入力電極と、前記第2の入力電極には、互いに異なる入力信号を供給し、前記出力電極から得られる信号を監視して、前記第1の状態、前記第2の状態、前記第3の状態のいずれの状態であるかを判別することにより、前記一のスライド移動方向の操作および2段階の操作を検出する
ことを特徴とするスライド式入力操作装置。
【請求項2】
請求項1に記載のスライド式入力操作装置において、
前記第1の部品の前記第1の平面には、互いに異なる複数のスライド移動方向のそれぞれに対しては、それぞれ異なる出力電極が形成されていると共に、
前記第2の部品の前記第2の平面には、前記異なる複数のスライド移動方向のそれぞれに対して異なる前記橋渡し電極が形成されており、
前記互いに異なる複数のスライド移動方向のそれぞれについては、対応する前記出力電極からの信号をそれぞれ監視して、前記第1の状態、前記第2の状態、前記第3の状態のいずれの状態であるかを判別して、前記異なる複数のスライド移動方向のそれぞれの操作および2段階の操作を検出する
ことを特徴とするスライド式入力操作装置。
【請求項3】
請求項1に記載のスライド式入力操作装置において、
前記第1の部品の前記第1の平面には、互いに異なる複数のスライド移動方向の数よりも少ない数の異なる複数個の出力電極が形成されていると共に、
前記互いに異なる複数のスライド移動方向のそれぞれについては、対応する1個の前記出力電極から、あるいは複数個の前記出力電極の信号をそれぞれ監視して、前記第1の状態、前記第2の状態、前記第3の状態のいずれの状態であるかを判別して、前記異なる複数のスライド移動方向のそれぞれの操作および2段階の操作を検出する
ことを特徴とするスライド式入力操作装置。
【請求項4】
請求項3に記載のスライド式入力操作装置において、
前記第2の部品の前記橋渡し電極は、所定の形状の一つの電極で構成される
ことを特徴とするスライド式入力操作装置。
【請求項5】
請求項1に記載のスライド式入力操作装置において、
前記第1の部品と前記第2の部品との相対的なスライド移動に抗して、前記第1の部品に対する前記第2の部品の相対的な位置を所定の位置に常に偏倚させる偏倚手段を備える
ことを特徴とするスライド式入力操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2008−177105(P2008−177105A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−11030(P2007−11030)
【出願日】平成19年1月22日(2007.1.22)
【出願人】(501431073)ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ株式会社 (810)
【Fターム(参考)】