説明

スラッジ処理の方法

【課題】この方法は浄化槽中で完全にスラッジの分解を可能にし、多額の投資や高コスト輸送などの従来のスラッジ処理で存在する問題を解決、スラッジのゼロ排出の問題も達成する。
【解決手段】 膜モジュール、曝気システム、スラッジポンプ、および排出ポンプや通性浄化槽を備えた分通性分解を含むスラッジ処理システムの提供による通性生物適応膜バイオリアクターのスラッジ処理の方法は、スラッジポンプを通して通性浄化槽中にスラッジをポンプで送り、同時に空気を曝気、分解を促す、曝気システムで膜モジュールを洗浄し、排出ポンプでスラッジを送り、膜モジュールによって濾過されてスラッジと水は分離され、排出ポンプを通して水を排出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスラッジ処理方法、通性膜バイオリアクターのスラッジ処理の特定方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
現在、スラッジを処理するためスラッジ処理場の50%以上は好気的活性汚泥法を採用しいている。しかしながら、その過程はコンポーネントを複雑にし、重大な害を環境に加える多量の過剰スラッジを作り出す。過剰スラッジ処理の従来法は過剰スラッジは下水処理場でまず脱水、次に埋立て地か、焼却か、堆肥などのためパッケージされ、輸送される。
【0003】
しかしながら、従来の方法は以下相当する損失がある。(1)過剰スラッジ脱水、脱水過剰スラッジを輸送のためスラッジ処理システムの総投資は大きい。(2)焼却方法に必要な関連技術と設備は複雑で、高いエネルギー消費、コスト高、大気汚染を引き起こす。(3)スラッジの埋立て工法はさらにスラッジの高度な土質力学の特性、広い地域スペースと高い運搬費を必要とし、この方法は埋立て地の悪臭のため容易に地下水汚染と大気汚染の原因になる。(4) そして、堆肥方法は容易に重金属汚染を引き起こす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の説明の諸問題から、過剰スラッジ産出を大きく減少させる通性膜バイオリアクターのスラッジ処理方法の提供は本発明の1つの目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの実施例に従って上記の目的を達成するため、過剰スラッジ産出を大量に減少させる通性膜バイオリアクターのスラッジ処理方法、以下のステップを包めた方法を提供する。
a)通性浄化槽、膜モジュール、曝気システム、スラッジポンプおよび排出ポンプを包めたスラッジ処理システムを提供する。
b)通性浄化槽にスラッジポンプで送り、浄化を促す。
c)曝気システムによって同時に膜モジュールを空気に曝気、洗浄する。
d)スラッジを排出ポンプで送り膜モジュールで濾過し、したがってスラッジと水は分離される。
e)排出ポンプを通して水を排出する。
【0006】
この実施例機種において、通性浄化槽はスラッジが通性であるか嫌気性の浄化の反応条件を提供し、通性浄化槽のほとんどの範囲が通性であるか嫌気性の状態で溶存酸素の平均濃度が1.0mg/Lより小さい値に維持される。通性微生物は通性浄化槽の中で支配的である。
【0007】
上記のスラッジ浄化は微生物の固有呼吸のため過剰スラッジの分解について言及する。結果として生じる有機化合物は通性浄化槽の中の通性または嫌気性微生物の存在が水、二酸化炭素および無機塩類に完全に分解される。水と無機塩類は排出され、二酸化炭素は大気の一部になる。
【0008】
この実施例機種では、通性浄化槽は鉄筋コンクリートか鉄鋼で作られている。
【0009】
この実施例機種では、スラッジはスラッジポンプによって二次沈殿槽から通性浄化槽の中にポンプで送られる。スラッジポンプの開始と終了は通性浄化槽中のボール・フロート・レベル指示器によって制御される。
【0010】
この実施例機種では、膜モジュールは精密ろ過膜モジュールで、その量は毎日の扱われたスラッジ量に基づいて、その産出水は毎日の扱われた有機的な過剰スラッジの量に等しい。
【0011】
この実施例機種では、曝気システムはスラッジが膜に堆積し、汚染防止のため膜モジュールを洗浄しながら、主に空気と水を供給する。
【0012】
この実施例機種では、曝気システムは送風機曝気システムである。
【0013】
この実施例機種では、曝気システムはジェット曝気システムである。
【0014】
この実施例機種では、送風機曝気システムは送風機、通風管、通気パイプ、通気ブランチ・パイプ、および有孔散気管を包む。有孔散気管は膜モジュールの下に配置される。送風機は通性浄化槽外に配置され、通風ダクト、通気パイプおよび通気ブランチ・パイプを介して有孔散気管に接続されて、膜モジュールに空気対水の比10−30:1を供給する。
【0015】
この実施例機種では、ジェット曝気システムはジェット通風装置、エア・インレット、水口、アウトレット、通気パイプ、通気ブランチ・パイプおよび有孔散気管を包む。ジェット通風装置は膜モジュールの間または膜モジュールの側面に配置される。エア・インレットは通性浄化槽の液体表面上に配置される。水口は通性浄化槽の液体表面の下に配置される。アウトレットは通気パイプと通気ブランチ・パイプを介して有孔散気管に接続される。
【0016】
ジェット曝気システムが作動すると、ジェット通風装置の流量高速化のため負圧が形成され、空気は通気パイプでエア・インレットに吸引され、通気パイプ中に液体と固体の微生物の混合物を形成する。混合物は膜モジュールに留まり有孔散気管で洗浄され、送られ、その結果膜モジュールの汚染は回避される。
【0017】
この実施例機種では、有孔散気管は等距離に膜モジュールの下に配置され、通気パイプ、通気ブランチ・パイプあるいは通風管を通って送風機かジェット通風装置に接続される。
【0018】
この実施例機種では、通気ブランチ・パイプの両端は閉じられ、両側は有孔散気管に接続される。多数の通気穴が有孔散気管に配置される。通気穴と縦軸間の角度は±44°−46°、通気穴の直径は4-10mm、2つの通気穴間の距離は100−300mmである。
【0019】
この実施例機種では、有孔散気管は膜モジュールの下部から100−500mm下に配置され、耐食性チューブからできている。
【発明の効果】
【0020】
本発明の利点は以下にまとめる。この方法は浄化槽中で完全にスラッジの分解を可能にし、多額の投資や高コスト輸送などの従来のスラッジ処理で存在する問題を解決、スラッジのゼロ排出の問題も達成する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の1つの実施例に従ったスラッジ処理方法のフローチャートである。
【図2】本発明の1つの実施例に従った送風機曝気システムの概略図である。
【図3】本発明の1つの実施例に従ったジェット曝気システムの概略図である。
【図4】本発明の1つの実施例に従った曝気システムの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明を以下の添付図面を参照して説明する。
本発明をさらに説明をすると、通性膜バイオリアクターでスラッジ処理方法を詳しく記述した実施例が以下に説明される。しかし、以下の実施例は本発明を制限するものではないことに留意すべきである。
【実施例1】
【0023】
図1、2、3、および4に示すように、本発明実施形態は、通性浄化槽9、膜モジュール4、曝気システム、スラッジポンプ8、および排出ポンプ12から構成される通性膜バイオリアクターがスラッジ処理システムの条件を構成するスラッジ処理方法である。スラッジポンプ8はスラッジインレットパイプ7を介して二次沈殿タンク1に接続され、スラッジアウトレットパイプ2を介して通性浄化槽9に接続される。スラッジは通性浄化槽9の中にポンプで送られ、そこで分解される。排出ポンプ12によってポンプで送られて、スラッジは膜モジュール4で濾過され、その結果、スラッジと水は分離され、水は排出される。スラッジポンプ8の開始と終了は通性浄化槽9の中のボール・フロート・レベル指示器13によって制御される。通性浄化槽9の液体表面3が設定値より低いとき、スラッジポンプ8はスラッジをポンプで送りスラッジを通性浄化槽9の中に流入開始させる。通気パイプ5はジェット通風装置15か送風機18に接続される。スラッジ、水および空気を含む空気か混合物は有孔散気管11の多数の通気穴で通性浄化槽9の中にスプレーされる。
【0024】
有孔散気管11は等距離に膜モジュール4直下に配置され、片端は通気ブランチ・パイプ10に接続し、もう一方の端は閉じている。通気ブランチ・パイプ10は通気パイプ5に接続され、それの両端は閉じられている。通気パイプ5は直接通風管17に通じた送風機18、または、ジェット通風装置15に接続される。多数の通気穴のある有孔散気管11の両側で配置され、通気穴と縦軸の間の角度は±45°である。通気穴の直径は4−10mmである。有孔散気管11は膜モジュール4の下部の300mm下に配置され、2つの通気穴間の距離は200mmである。
【0025】
曝気システムは送風曝気システムかジェット曝気システムである。
【0026】
図2に示す通り、送風機曝気システムは送風機18、通風管17および通気パイプ5を包む。送風機18は通風管17を介して通気パイプ5に接続している。
【0027】
図3に示す通り、ジェット曝気システムはジェット通風装置15と関連するパイプを包む。ジェット通風装置15の水口14は通性浄化槽9の液体表面3の下に配置される。エア・インレット16は通性浄化槽9の液体表面3の上に配置される。ジェット通風装置15のアウトレットは通気パイプ5を介して通気ブランチ・パイプ10に接続する。
【0028】
この実施例では、以下のステップa)〜d)に従ってスラッジは処理される。
a)スラッジインレットパイプ7、スラッジポンプ8およびスラッジアウトレットパイプ2を通って二次沈殿タンク1から通性浄化槽9の中にスラッジをポンプで送り、分解し、
b)曝気システムによって同時に膜モジュール4を曝気洗浄し、
c)排出ポンプ12でスラッジを送り、膜モジュール4によりスラッジと水が分離されるよう濾過し、
d)排出ポンプ12を通して水を排出する。
【0029】
この実施例では、膜モジュール4の通気は送風機18によって実行される。送風機18は通風管17、通気パイプ5および通気ブランチ・パイプ10を介して穴の開いた散気管11に接続される。スラッジ、水および空気を包む混合物または空気は、有孔散気管11の多数の通気穴を通って通性浄化槽9の中にスプレーされ、膜モジュール4を洗い流す。
【実施例2】
【0030】
図3に示されるように、スラッジ処理方法はジェット曝気システムである。ジェット通風装置15で送風機18を代用するのを除いて、方法は基本的に実施例と同様である。通気パイプ5は直接ジェット通風装置15に接続される。
【0031】
本発明の特定の実施例は以上の通り提示、説明したが、より広範な面における変更と修正は本発明から逸脱することなくされることは当業者に明確である。したがって、特許請求の範囲の目的は、本発明の本当の趣旨と範囲の中に含まれるような、そのようなすべての変更と修正を含む。
【符号の説明】
【0032】
1…二次沈殿タンク 2…スラッジのアウトレットパイプ 3…液体表面
4…膜モジュール 5…通気パイプ 6…ウォーター・アウトレット・パイプ
7…スラッジのインレットパイプ 8…スラッジポンプ 9…通性浄化槽
10…通気ブランチ・パイプ 11…有孔散気管 12…排出ポンプ
13.…ボール・フロート・レベル指示器 14…水口 15…ジェット通風装置
16…エア・インレット 17…通風管 18… 送風機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下a)〜e)を含むスラッジ処理方法
a)通性浄化槽、膜モジュール、曝気システム、スラッジポンプおよび排出ポンプを含めたスラッジ処理システムを提供し、
b)前述のスラッジポンプを通って前述の通性浄化槽にスラッジをポンプで送り、分解し、
c)同時に前述の曝気システムで前述の膜モジュールを浄化のために空気にさらし、洗浄し、
d)前述の排出ポンプで前述のスラッジをポンプで送り、スラッジと水を分離するために前述の膜モジュールで濾過し、
e)前述の排出ポンプを通して前述の水を排出する。
【請求項2】
請求項1の方法において、前記スラッジポンプの開始と終了は通性浄化槽中のボール・フロート・レベル指示器によって制御される。
【請求項3】
請求項1の方法において、溶存酸素の平均濃度が1.0mg/Lより小さく、前述の通性浄化槽のほとんどの領域が通性か嫌気性の状態で維持される。
【請求項4】
請求項1の方法において、通性微生物が前述の通性浄化槽の中では支配的である。
【請求項5】
請求項1の方法において、前述の通性浄化槽は鉄筋コンクリートか鉄鋼で作られている。
【請求項6】
請求項1の方法において、前述の膜モジュールが精密ろ過膜モジュールで、その量は毎日処理したスラッジ量に基づき、その産出水は毎日処理した有機性過剰スラッジの量に等しい。
【請求項7】
請求項1の方法において、曝気システムは送風機システムで、前述の膜モジュールの洗浄に空気と水を供給する。
【請求項8】
請求項1の方法において、曝気システムは送風機システムで、前述の膜モジュールの洗浄に空気と水を供給する。
【請求項9】
請求項7の方式において、前述の送風機曝気システムは送風機、通風管、通気パイプ、通気ブランチ・パイプおよび有孔散気管、前述の膜モジュールの下に配置された前述の有孔散気管、前述の通性浄化槽の外に配置された前述の送風機、前述の通風管を通して前述の有孔散気管に接続、そして前述の膜モジュールに空気と水による洗浄では空気と水の比率は10−30:1である。
【請求項10】
請求項7の方式では、前述の有孔散気管は前述の膜モジュールの下に等間隔に配置、前述の通気ブランチ・パイプ、前述の通気パイプおよび前述の通風管を通って前述の送風機に接続する。
【請求項11】
請求項7の方式で、前述の有孔散気管の片端は前述の通気ブランチ・パイプに接続、もう一方の端は閉じている。多数の通気穴は前述の有孔散気管の両側で配置されて、前述の通気穴と縦軸の間の角度は±44°−46°、前述の通気穴の直径は4−10mm、2つの通気穴の間の距離は100−300mmである。
【請求項12】
請求項8の方法において、前述のジェット曝気システムはジェット通風装置、エア・インレット、水インレット、アウトレット、通気パイプ、通気ブランチ・パイプおよび有孔散気管を包む、
前述のジェット通風装置は前述の膜モジュールの間、または前述の膜モジュールの側面に配置、
前述のエア・インレットは前述の通性浄化槽の液体表面上に配置、
前述の水インレットは前述の通性浄化槽の液体表面下に配置、
そして、前述のアウトレットは前述の通気パイプと前述の通気ブランチ・パイプを通って前述の有孔散気管に接続する。
【請求項13】
請求項12の方法において、前述のジェット曝気システムが作動すると、高速流量のため負圧は発生、空気は前述のエア・インレットに吸引され、液体や固体の状態で微生物混合物を前述のエア・インレット中に形成、前述の混合物は前述の有孔散気管に送られて、前述の膜モジュールで洗浄され、その結果、前述の膜モジュールの汚染は回避される。
【請求項14】
請求項12の方法において、前述の有孔散気管は膜モジュールの下に等間隔に配置され、前述の通気ブランチ・パイプを通って前述のジェット通風装置に接続する。
【請求項15】
請求項12の方法において、前述の有孔散気管の片端は前述の通気ブランチ・パイプに接続し、もう一方の端は閉じ、多数の通気穴は前述の有孔散気管の両側で配置されて、前述の通気穴と縦軸の間の角度は±44°−46°、前述の通気穴の直径は4−10mm、2つの通気穴の間の距離は100−300mmである。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−264436(P2010−264436A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−218261(P2009−218261)
【出願日】平成21年9月22日(2009.9.22)
【出願人】(509263700)深▲セン▼市金▲達▼莱▲環▼保股▲フン▼有限公司 (3)
【Fターム(参考)】