説明

スラッジ採取用の長尺管およびスラッジ採取方法

【課題】PCB等の有害物を含む産業廃棄物の処理施設において、処理済のスラッジの安全性を確認するためのサンプリング検査に際して、検査対象のスラッジが大量であっても、検査用の試料の採取を容易とすること。
【解決手段】有害物を含む産業廃棄物を処理して出来たスラッジ層内に挿し込んでサンプリング検査用の試料としてスラッジを採取するための長尺管であって、一端はスラッジ内に挿入容易な形状であり、他端はトルク伝達が可能な形状であり、前記両端部以外は管長さ方向に直線状の切欠きが形成されることにより横方向切断面はC型であることを特徴とする長尺管とする。前記長尺管をスラッジタンク内で少なくとも1回転させ、引抜時にも回転させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は有害物質を含む産業廃棄物を処理して出来たスラッジ層に挿し込んでサンプリング検査用の試料としてスラッジを採取するための長尺管とスラッジ採取方法に関し、特に横断面がC型の長尺管をスラッジ層内に深く挿し込み、回転させた後回転させつつ引き抜いて資料を採取する長尺管とスラッジ採取方法に関する。
【背景技術】
【0002】
環境に大きな悪影響を及ぼす有害物質を含む産業廃棄物、特にPCBを含む産業廃棄物は、一般廃棄物として処理される前に専用の処理施設にて無害化される。ところで、無害化された産業廃棄物を埋立て等のため専用の処理施設外へ搬出する際には、有害物質の含有量は国が定めた基準値以下になっていることを確認することが義務付けられている。そして、この確認のために、搬出対象の廃棄物全体から適宜試料を採取して分析する検査、いわゆるサンプリング検査がなされる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このサンプリング検査用の試料の採取については、当然全体から均等に採取する必要がある。このため、JIS K0060”産業廃棄物のサンプリング方法”は、容器等に保管されているスラッジからの試料の採取は、数層に分けても良いが、容器内の深さ方向全長にわたらねばならない旨定めている。
【0004】
廃棄物が油分や廃水のごとき液体であれば、単に搬出用の容器や水槽の適当な位置にパイプを挿し込みポンプで吸引すれば充分であり、またそのようになされている。
また、油と固形物の混合物やそれらの含水物からなる一定範囲の粘性を有する物質(粘土から溶け気味のチョコレート程度の粘性を有する物質)(以下、これらを「スラッジ」と記す)であっても、少量あるいは層の厚さが薄い場合には、スコップ等により容易に均等な採取をなし得る。
【0005】
しかしながら、スラッジ層が厚いあるいは容器が深い場合には、以下のような困難がある。
即ち、たとえ多量にある厚いスラッジ層であっても、スラッジの粘性が低くければ、その内部にパイプを挿し込んでポンプで吸引する等の機械的手段により採取そのものは一応可能である。しかし、どうしてもパイプやポンプ内部に前に採取した試料が残るため、複数の層あるいは深さの位置にある試料を区別して採取するためには、一々洗浄せねばならない等手間がかかる。特に,PCBのごとき有害物である場合、洗浄に使用した水等の物質そのものが2次的な産業廃棄物となりかねない。
また、多量にあればサンプリング数が増すため、労力が必要であり、採取したサンプルの識別等にも手間がかかる。
【0006】
次に、スラッジの粘性が高く、量も多いときには、ポンプによる吸引は困難であり、またそれ以前に、厚いあるいは深いスラッジ層内へのパイプの挿し込みそのものが困難となることもある。
【0007】
また、労力を要する作業は、作業員を確保する面からも好ましくない。特に、無害化処理済とはいえ、元来が有害物を含んでいたスラッジであるだけに、そのサンプリング検査のための試料採集とはいえ、人手をかけるのは本来的に好ましくない。
【0008】
以上のほか、近年の自然環境保護への強い世論の下、無害化のために処理すべき廃棄物の量は増えこそすれ減少することはない。この結果、試料の採取には迅速性が要求されるが、この面からも現状の技術は不充分である。
【0009】
このため、有害物を含む産業廃棄物の処理施設において、処理済のスラッジの安全性を確認するためのサンプリング検査に際して、試料の採取が容易となる技術の開発が望まれていた。
【0010】
また、試料の採取に極力人手を煩わせず、清掃等の補助的な作業が少なくてすむ技術の開発が望まれていた。
また、労力を要せず、迅速になしうる技術の開発が望まれていた。
特に、PCBを含む産業廃棄物を処理する施設において、かかる要望が多かった。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、以上の課題を解決することを目的としてなされたものであり、断面がC型の長尺管をスラッジ内に刺し込んで回転させ、検査用の試料を得るものである。また、この長尺管の形状、材質、回転方法等に工夫を凝らしたものである。以下に、各請求項の内容と効果等について説明する。
【0012】
請求項1に記載の発明は、有害物質を含む産業廃棄物を処理して出来たスラッジ層内に挿し込んでサンプリング検査用の試料としてスラッジを採取するための長尺管であって、一端はスラッジ内に挿入容易な形状であり、他端はトルク伝達が可能な形状であり、前記両端部以外は管長さ方向に直線状の切欠きが形成されることにより横方向切断面はC型であることを特徴とする長尺管である。
【0013】
これにより、長尺管をスラッジ内に挿入するだけで、全深さ方向から長尺管内へ試料を採取することが可能になる。
また、C型の切欠きが長尺管の全長に形成されているため、採取したスラッジの管外部への取出しも場所によらず容易になる。
また、同じく管の清掃も容易になる。
【0014】
また、一端は先端を斜めに切断して尖らす等してスラッジ内に挿入容易な形状とされており、しかも直線状の管であるため、なおさらスラッジ内への挿入も容易になる。
また、他端はトルク伝達が可能であり、しかも直線状の管であるため、なおさらスラッジ内で回転させて、C型管内のスラッジを外部のスラッジと分離しておくことが容易になる。
【0015】
なお、ここに挿し込むとは、自重や重しの作用で沈下することをも含む。
また、トルク伝達が可能な形状とは、人が手で回転させることができるように、ハンドルがついていることをも含む。
また、「長尺」とは、一般的には切欠き形成部の長さが1m以上を指す。
【0016】
さらに、スラッジの粘着力や加わるトルク等他の条件にもよるが、管の長さが1.5m程度であるならば、管の直径は15〜50mm程度、内径は12〜44mm程度が好ましい。
また「管」とは、細長い板を折り曲げて形成された管状物をも含む。またこのため、「切欠き」とは、細長い板の両端の長辺が、板が折り曲げられたことにより形成する細長い隙間をも含み、必ずしもカッタ等で切断除去することで生じたものに限定されない。
また同じく、中実棒の内部を削り出してパイプ状にしたものも含む。
【0017】
請求項2に記載の発明は、前記の長尺管であって、前記長尺管は、管内面の横断面が、円、楕円、角に丸みを有する四角形のいずれかであり、かつ前記横方向断面のC型が、前記円、楕円、角に丸みを有する四角形の一部が削られて形成されていることを特徴とする長尺管である。
【0018】
かかる横断面形状であると、内部に採り入れたスラッジを内部に保持し易く、また製造が容易になる。
なおここに、「一部が削られて」とは、図形としての円等の周囲の一部が無いという意味である。このため、細長い板を屈曲させて製造したときには、板の両端の長辺間に生じる隙間を含む。
【0019】
請求項3に記載の発明は、前記の長尺管であって、前記C型の2箇所の先端部は、各々前記長尺管の外周側が削られることによりエッジ状とされていることを特徴とする長尺管である。
【0020】
エッジ状であるため、スラッジ内で長尺管を回転させ易くなる。
ここに「エッジ」とは、先細という意味であり、必ずしもナイフのごとく鋭利あるいは尖っている形状に限定されない。
【0021】
請求項4に記載の発明は、前記の長尺管であって、前記C型の2つのエッジの先端が管の中心と形成する2等辺三角形の頂角は、20〜180度であることを特徴とする長尺管である。
【0022】
ここに、頂角は、好ましくは40〜150度であり、より好ましくは60〜120度である。
これにより、長尺管内へ採り入れられたスラッジと長尺管の内壁面との充分な接触面積の確保がなされる。
【0023】
請求項5に記載の発明は、下端はスラッジ内に挿入容易な形状であり、上端は人に保持されるかトルク源に接続され、前記上下の両端部以外は管長さ方向に直線状の切欠きが形成されることにより横方向切断面はC型であるスラッジ採取用の長尺管をスラッジ層内に上方より挿し込んでスラッジ全層から試料を採取する方法であって、前記長尺管を上方よりスラッジ層内へ挿し込む挿し込みステップと、前記挿し込んだ長尺管をスラッジ内で少なくも1回転させる回転ステップと、前記回転ステップ終了後の長尺管を回転させつつスラッジ層から鉛直上方へ引き抜く引抜きステップとを有していることを特徴とするスラッジ採集方法である。
【0024】
この方法により、特に複雑な操作や配慮をすることなしに、スラッジ全層から試料を採取することが可能となる。
なお、「スラッジ全層」とは、均等に試料を採取するという目的に反しない限り、最下層の2〜5cm程度が採集対象外となっていても良い。
【0025】
請求項6に記載の発明は、前記のスラッジ採取方法であって、前記回転採取ステップおよび引抜きステップにおける長尺管の回転速度は、1〜20rpmであることを特徴とするスラッジ採取方法である。
【0026】
この範囲の回転数であれば、スラッジの長尺管内部への掻き込み、回転作業の迅速性、操作者による回転の確認が容易、確実となる。
なお、作業者による実際に回転した回転数の確認の容易性等の面から、5〜15rpm程度が好ましい。
【0027】
請求項7に記載の発明は、前記のスラッジ採取方法であって、前記挿し込みステップにおける挿し込み速度と前記引抜きステップにおける引抜き速度は、共に0.1〜10m/minであることを特徴とするスラッジ採集方法である。
【0028】
この範囲の挿し込み速度、引抜速度であれば、作業者の操作、確認が容易であり、作業も迅速となる。
なお、スラッジの性状にもよるが、挿しこみ速度と引く抜き速度は、同じとは限らない。
また、作業者による確認の面と作業の迅速性の面からは、引抜速度は1m/min以上であるのが好ましい。
【発明の効果】
【0029】
上記構成により、本発明によれば、有害物を含む産業廃棄物の処理施設において、処理済のスラッジの安全性を確認するためのサンプリング検査に使用する試料の採取が容易となる。
【0030】
また、労力や人手を要さず試料を採取することができる。
また、迅速に試料の採取をなしえる。
また、清掃等の補助的な作業や2次的な廃棄物の発生も少なくなる。
また、特別な設備も不必要になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明をその最良の実施の形態に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等な範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
【0032】
(長尺管)
図1に、試料を採取(採集)するため、スラッジ層内部に深く挿し込む長尺管の要部の形状を示す。この長尺管100は、外径が40mm程度のSUS304製の中実棒の内部を削り出し加工により取去って管状(パイプ)に加工したものである。
ここで材質をSUS304としたのは、耐食性を考慮したものである。
【0033】
図上上部の110は、モータ側の軸と結合されるための握り部である。111は、トルク伝達のため前記握り部110の2箇所の180度相対抗する外周部を、B−B断面図に示すように削って、形成された長方形に近い平面である。
【0034】
図上下部の130は、先端部である。この先端部130は、前記長尺の管状物の先端を斜めに切断したものであり、このため先端が尖っている。そして、これにより、長尺の管全体をスラッジ層内部へ無理なく挿入できる。
【0035】
120は、スラッジ採取部であり、先端部と握り部を除く長尺管全体を占める。129は、このスラッジ採取部120の管長さ方向に形成された直線状の切欠きである。121は、この部分の管長さ方向に直行する切断面、即ち横断面である。前記切欠き129のため、その形状は、A−A断面図に示すように、いわゆるC型をしている。さらに、このA−A断面図において、C型を形成する開口の端部あるいは2つの先端123、124は、長尺管の中心Oに対して90度を占める。
【0036】
さらに、このC型の2つの先端123、124は、管壁の外周側122が削られてエッジを形成している。
なお、この長尺管は、横断面がC型の部分の長さが1.5mであり、このためスラッジ層深さの1.3mに対して充分な長さがある。
また、先端部130までC型の溝129が形成されている。
【0037】
(スラッジの採取)
次に、前記長尺管を使用して深さ方向全長にわたって試料を採取する方法について説明する。
図2にこの様子を示す。図2の(1)は、長尺管のスラッジ層内への挿し込み直前の様子を示し、図2の(2)はスラッジ層内部へ挿しこんでいる様子を示す図である。図2において、200はスラッジタンクである。201は、その内部にあるスラッジであり、PCBを含む産業廃棄物を処理したものである。300は、長尺管を回転させるモータである。301は、モータの吊り下げ高さが可変の保持機構である。
【0038】
先ず、長尺管のスラッジ層内部への挿し込みについては、図2の(1)に示す状態から、先端部が容器の底面に接触する若しくはそれに近い深さまで、長尺管を回転させずにスラッジ層内へ挿し込む。なおこの際の挿入速度は、スラッジの性状や深さその他管径にもよるが、0.1〜10m/min程度が好ましい。即ち、早過ぎると、挿入に熟練や労力を必要とし、また必要な高さ分のスラッジの採取が困難となる。逆に、遅すぎると時間がかかる。
一般的には、1m/min程度が好ましい。
挿し込みが終了した時点で、スラッジはC型管内へ採り入れられる。
ここで、長尺管を回転させないのは、スラッジを確実にC型管の内部に採集するためである。即ち、C型管を回転させれば、回転方向にも力が作用するため、管内壁面に密着しているスラッジが剥離しかねないため、これを防止するためである。
【0039】
ついで、図2の(2)に示すように、長尺管を1回以上、望ましくは4回以上回転させる。この回転の際、C型の先端がエッジであるため、必要なトルクも少なくてすむ。
なお、このエッジの形成に際して管の外周側を削った理由は、切削加工が容易であることと共に、管内に掻き入れられたスラッジが管の回転時にC型の開口部で外部のスラッジと接触しないようにするためでもある。この様子を、図3に示す。図3は、内部にスラッジを採り込んだまま回転している状態の長尺管100の横断面を示すものである。図3において、202は管内部に採り込まれたスラッジである。このスラッジ202と長尺管外部のスラッジ201間には、長尺管の回転、図3ではC型断面の回転により、長尺管の肉厚分の隙間128が形成されている。
回転速度については、1〜20rpmが好ましい。なお、回転駆動源は、本実施の形態では、労力を必要としないことと作業性の面からモータとしている。
【0040】
最後に、全層にわたって内部にスラッジを採り入れた長尺管を、回転させながら鉛直上方に引き抜く。なお、この引き上げた状態は、図2の(1)と同じになる。
スラッジは充分な粘性を有しており、また管の横断面の切欠きは、管中心に対して90度程度しかない。このため、長尺管内に採り込まれたスラッジは、管内部での位置を保持したままである。これにより、全てのスラッジ層あるいはスラッジの深さ方向全てにわたっての試料が、長尺管の長さ方向に沿って採取される。
【0041】
なお、引き抜く際には、長尺管を1〜20rpm回転させつつ行うのが好ましい。
また引き抜き速度は、挿入時と同じ理由で、0.1〜10m/min程度、一般的には1m/min程度が好ましい。
【0042】
(再使用)
管内部のスラッジは、検査のため取出される。その後、他の場所や他の容器内のスラッジの採取に使用されるため洗浄され、しかる後乾燥される。この場合においても、長尺管には、ほぼその全長にわたって開口が形成されているため、これら一連の作業も非常に容易になる。
また、長尺管の材質はSUS304であるため、洗浄水で腐食しないだけでなく、スラッジを吸着したりスラッジが固着したりすることもない。
【0043】
(他の実施の形態)
本発明の他のいくつかの実施の形態の要部を、図4に示す。
図4の(1)は、長尺管の内部のスペースの横断面が楕円の場合である。本図4の(2)は、同じく頂点部分が丸みを有するほぼ四角形の場合である。これらの場合には、楕円や四角形は円に比べて面積に対する周囲長さの比率が大きいため長尺管内壁面とスラッジの接触面積が相対的に増加する。このため、スラッジの粘度が多少低いとき等に好ましい。
【0044】
以上、本発明をその好ましい実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は前記形態に限定されない。即ち、例えば以下のような形態である。
長尺管のスラッジ内での回転は、空気モータや手動にしている。
長尺管の材質は、耐磨耗性や重量等を考慮して、SUS316やアルミとしている。
C型を形成するための開口が、管中心に対して占める角度は、20度、180度等他の値としている。
サンプリング検査の対象となるスラッジは、容器でなくプール状の置き場に貯められている。
スラッジは、PCB以外の有害物質を含む廃棄物が処理されたものである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の長尺管の最良の実施の形態を示す図である。
【図2】本発明の長尺管をスラッジ層内部に挿し込み、スラッジを採取する様子を示す図である。
【図3】本発明の長尺管内に採り入れられたスラッジと外部にあるスラッジとの接触が、長尺管の回転により防止される原理を示す図である。
【図4】本発明のその他の実施の形態の要部を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
100 長尺管
110 長尺管の握り部
120 長尺管のスラッジ採取部
121 長尺管のC型断面
123 C型断面の先端
124 C型断面の先端
129 スラッジ採取部の切欠き
130 長尺管の先端部
200 スラッジタンク
201 スラッジ
202 長尺管内部のスラッジ
300 モータ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
有害物質を含む産業廃棄物を処理して出来たスラッジ層内に挿し込んでサンプリング検査用の試料としてスラッジを採取するための長尺管であって、一端はスラッジ内に挿入容易な形状であり、他端はトルク伝達が可能な形状であり、前記両端部以外は管長さ方向に直線状の切欠きが形成されることにより横方向切断面はC型であることを特徴とする長尺管。
【請求項2】
前記長尺管は、管内面の横断面が、円、楕円、角に丸みを有する四角形のいずれかであり、かつ前記横方向断面のC型が、前記円、楕円、角に丸みを有する四角形の一部が削られて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の長尺管。
【請求項3】
前記C型の2箇所の先端部は、各々前記長尺管の外周側が削られることによりエッジ状とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の長尺管。
【請求項4】
前記C型の2つのエッジの先端が管の中心と形成する2等辺三角形の頂角は、20〜180度であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の長尺管。
【請求項5】
下端はスラッジ内に挿入容易な形状であり、上端は人に保持されるかトルク源に接続され、前記上下の両端部以外は管長さ方向に直線状の切欠きが形成されることにより横方向切断面はC型であるスラッジ採取用の長尺管をスラッジ層内に上方より挿し込んでスラッジ全層から試料を採取する方法であって、前記長尺管を上方よりスラッジ層内へ挿し込む挿し込みステップと、前記挿し込んだ長尺管をスラッジ内で少なくも1回転させる回転ステップと、前記回転ステップ終了後の長尺管を回転させつつスラッジ層から鉛直上方へ引き抜く引抜きステップとを有していることを特徴とするスラッジ採取方法。
【請求項6】
前記回転採取ステップおよび引抜きステップにおける長尺管の回転速度は、1〜20rpmであることを特徴とする請求項5に記載のスラッジ採取方法。
【請求項7】
前記挿し込みステップにおける挿し込み速度と前記引抜きステップにおける引抜き速度は、共に0.1〜10m/minであることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のスラッジ採取方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−133096(P2006−133096A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−323107(P2004−323107)
【出願日】平成16年11月8日(2004.11.8)
【出願人】(000165697)原子燃料工業株式会社 (278)
【Fターム(参考)】