説明

スリッパ

【課題】手を使わずに容易に履くことができ、しかも履いている状態で踵を保持する機能を有して歩行中等に脱げにくいという安全なスリッパを提供する。
【解決手段】このスリッパは、底板部10と、底板部10の前方に設けられ、足の甲近傍を保持する甲保持部20と、底板部10の後方に設けられ、足の踵近傍を保持する踵保持部30とを有する。踵保持部30は、外力が作用していない自然状態で使用形態に形状維持されるように一体に形成された板状弾性体31を備えている。板状弾性体31は、底板部10の両側から後ろ上方に延在する一対の側帯部33、34と、両側帯部33、34を上方にて接続して連結する踵当て部35とからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスリッパに関し、特に、病院内で入院患者が使用するのに適したスリッパに関する。
【背景技術】
【0002】
病院内で入院患者が使用する履物として、スリッパが多く使われている。スリッパは履いたり脱いだりするのが容易であるという利点がある。しかし、スリッパにはかかとを保持する機能がないため、歩行中等に脱げやすいという問題点があった。
【0003】
病院内で靴を使用すれば、靴は踵を保持する機能があるため、歩行中に脱げにくく安全面でも有利となる。しかし、靴の場合、履いたり脱いだりするのに患者は手を靴の位置まで持ってこなければならない。このため、靴を履いたり脱いだりする際に、患者にかがみ込む姿勢が要求され、この姿勢が患者にとって負担となる場合もある。したがって、病院内では靴は余り使用されてこなかった。
【0004】
他方、サンダル本体と、このサンダル本体に両端が結合されて踵を保持しうるストラップベルトとを有するサンダルも知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなサンダルであっても、着脱時に手をストラップベルトの位置まで持ってこなければならないのは同じである。
【特許文献1】特開2006−149691号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、手を使わずに容易に履くことができ、しかも履いている状態で踵を保持する機能を有して歩行中等に脱げにくいという安全なスリッパを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明では、底板部と、該底板部のうちの前方側に設けられ、足の甲近傍を保持する甲保持部と、該底板部うちの後方側に設けられ、足の踵近傍を保持する踵保持部とを有するスリッパであって、前記踵保持部は、外力が作用していない自然状態で使用形態に形状維持されるように一体に形成された板状弾性体を備え、該板状弾性体は、前記底板部の両側から後ろ上方に延在する一対の側帯部と、両該側帯部を上方にて接続して連結する踵当て部とからなることを特徴とするスリッパが提供される。
【0007】
ここに、前記「甲保持部」は、足の甲近傍、すなわち足の甲部分及び/又は爪先部分を保持するものであり、前記「踵保持部」は、足の踵近傍、すなわち足の踵部分及び/又はアキレス腱部分を保持するものである。
【0008】
また、前記「使用形態」とは、両前記側帯部が前記底板部の両側から後ろ上方に延在するとともに、両該側帯部が上方にて前記踵当て部により接続されて連結された形態を意味する。
【0009】
上記のように構成したスリッパを人が履く際には、甲保持部と底板部との間に足の甲近傍を差し込み、踵を底板部に向けて落とす。すると、使用形態に形状維持された踵保持部における踵当て部の部分に、踵の後端付近が当接し、踵保持部が弾性変形する。このとき、左右の側帯部は底板部から後ろ上方に延在しているから、踵の下降に伴って、側帯部等が弾性変形しつつ踵当て部が後ろ下方に移動する。その結果、踵は、踵当て部に邪魔されることなく踵当て部をすり抜け、底板部に到着する。踵からの押圧力のなくなった踵保持部はその弾性復元力により元の姿勢に戻る。その結果、踵保持部における踵当て部の部分が足の踵近傍(踵からアキレス腱や足首にかけての部分)に当接し、踵保持部が踵近傍を保持する。このため、歩行中等にスリッパが脱げてしまう不都合を回避することができる。
【0010】
本発明のスリッパにおいて、前記踵当て部は、上下方向において凸状に湾曲する凸曲面を前面に有していることが好ましい。
【0011】
このように踵当て部の前面が凸曲面とされたスリッパを人が履く際、踵が踵当て部の凸曲面に当接する。このとき、踵から踵当て部への押圧力は、凸曲面を介して、踵当て部を後ろ下方に移動させる方向に働く。このため、踵当て部は、踵の下降に伴って、容易かつ速やかに後ろ下方に移動する。したがって、スリッパの履き易さが向上する。また、スリッパを履いた状態においては、踵当て部の凸曲面が踵近傍に当接するので、角部や平坦面が踵近傍に当接することと比べて、履き心地や踵保持力が向上する。
【0012】
本発明のスリッパにおいて、前記踵保持部は、両前記側帯部の外側部分に面ファスナーを有していることが好ましい。
【0013】
このように両側帯部の外側部分に面ファスナーを有するスリッパを人が脱ぐ際、まず、右足に履いたスリッパの左の側帯部側に設けられた面ファスナーと、左足に履いたスリッパの右の側帯部側に設けられた面ファスナーとを密着させて係合状態とする。その係合状態で、右足又は左足の踵をスリッパの踵保持部から抜くように上昇させれば、手を使うことなく容易に片方のスリッパを脱ぐことができる。
【0014】
本発明のスリッパにおいて、前記板状弾性体は、軟質プラスチックよりなることが好ましい。この軟質プラスチックの好ましい例として、例えば、軟質ポリエチレンを挙げることができる。
【0015】
このように踵保持部を構成する板状弾性体が軟質プラスチックにより一体成形されたスリッパによれば、踵保持部の耐久強度を維持しつつ、踵保持部が繰り返し荷重を受けて頻繁に変形することによって形崩れすることを抑えることができる。このため、スリッパの耐久性が向上し、長期に渡って良好な踵保持機能を維持し続けるスリッパの提供が可能となる。
【発明の効果】
【0016】
以上のとおり、本発明のスリッパによれば、手を使わずに容易に履くことができ、しかも履いている状態で踵を保持する機能を有するので歩行中等に脱げにくく、安全面でも有利となる。特に、両側帯部に面ファスナーを設けた場合には、手を使わずにスリッパを容易に脱ぐことも可能となる。
【0017】
よって、本発明のスリッパは、特に、病院内で入院患者が使用するのに適したものである、スリッパの着脱時における患者の負担を軽減し、かつ、スリッパを履いた患者の安全性を高めるものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について具体的に説明する。
【0019】
(実施形態1)
本実施形態のスリッパは左右一対をなしている。左右のスリッパは、対称形状をなすこと以外、基本的には同一の構成を有している。このため、左右一対のスリッパのうち左のスリッパのみについて、以下に説明し、右のスリッパについての説明を省略する。
【0020】
本実施形態のスリッパは、底板部10と、底板部10のうちの前方側に設けられ、足の甲近傍を保持する甲保持部20と、底板部10のうちの後方側に設けられ、足の踵近傍を保持する踵保持部30とを有している。
【0021】
本実施形態のスリッパは、成形、打ち抜きや切断等により所定形状に形成した各構成部材を、縫製や接着剤等の手段により一体的に結合して、製造することができる。
【0022】
ここに、図1は、スリッパに外力が作用していない自然状態におけるスリッパの斜視図であり、図2は、自然状態におけるスリッパの側面図であり、図3は、自然状態におけるスリッパの後部を中心線に沿って縦断した部分縦断面図であり、図4は、左足に履く左のスリッパのうち底板部10のみを後方(踵側)から見た背面図である。
【0023】
底板部10は、足を乗せることができるように略足型形状をなしており、型崩れを生じることなく平坦性を保つことができるように、所定の強度や剛性を有している。この底板部10は、3種の材質よりなる3層構造をなし、ポリエステル等の合成樹脂よりなり、布状のメッシュ素材よりなる化粧布層11と、可撓性及び衝撃吸収性(クッション性)のあるポリウレタン等の合成樹脂よりなる緩衝材層12と、可撓性、強度、剛性及び耐摩耗性があり、床面との摩擦係数が大きいポリ塩化ビニル等の合成樹脂よりなる裏層13とから構成されている。これら化粧布層11、緩衝材層12及び裏層13は、接着剤により一体的に接合されている。
【0024】
なお、底板部10の踵部分においては、厚さを増すことにより衝撃吸収性(クッション性)を高めるために、緩衝材層12が2層構造となっている。また、裏層13の表面には滑り止め加工がなされている。
【0025】
ここに、底板部10の緩衝材層12の厚さは、図4に示されるように、内側から外側(左足に履く左のスリッパを後方(踵側)から見た図4の背面図における右側から左側であり、右足に履く右のスリッパを後方(踵側)から見れば左側から右側。以下、同様)に向けて徐々に厚くなっている。すなわち、底板部10の上面(足の裏が接触する面)10aは、内側から外側に向けて底板部10の厚さが徐々に厚くなるような、傾斜面となっている。この傾斜面とされた底板部10の上面10aは、スリッパを履いた人の姿勢を安定に保持して、その人が倒れることを抑える機能を果たす。
【0026】
また、底板部10の内側(左足に履く左のスリッパを後方(踵側)から見た図4の背面図における右側であり、右足に履くスリッパを後方(踵側)から見れば左側。以下、同様)における内側面10cは、底板部10の下面(裏面)10bに対して略垂直に延びた垂直面となっているが、底板部10の外側(左足に履く左のスリッパを後方(踵側)から見た図4の背面図における左側であり、右足に履く右のスリッパを後方(踵側)から見れば右側。以下、同様)における外側面10dは、底板部10の下面(裏面)10bに対して内側に傾斜して延びた傾斜面となっている。すなわち、底板部10の下面(裏面)10bは底板部10の上面10aよりも外側に延びており、底板部10の下面(裏面)10bにおける幅は、底板部10の上面10aにおける幅よりも大きくなっている。これにより、底板部10は、断面略三角形状の補強部(図4に斜線で示す部分)10eを外側に有している。この底板部10の補強部10eは、スリッパを履いた人の体重により底板部10の外側が圧縮されることを抑える機能、すなわち傾斜面とされた底板部10の上面10aの傾斜角度を維持する形状維持機能を果たす。
【0027】
甲保持部20は、ポリエステル等の合成樹脂よりなり、足の甲にフィットしながら甲近傍を保持することができるような布状のメッシュ素材で形成されている。そして、この甲保持部20は、第1布状帯片21と、第2布状帯片22とからなる。
【0028】
第1布状帯片21の基端は、底板部10の化粧布層11の左側縁部に一体的に縫い付けられるとともに、底板部10の緩衝材層12に接着されている。そして、この第1布状帯片21の裏面の先端部分には、略矩形状の第1面ファスナー23が縫い付けられている。同様に、第2布状帯片22の基端は、底板部10の化粧布層11の右側縁部に一体的に縫い付けられるとともに、底板部10の緩衝材層12に接着されている。そして、この第2布状帯片22の表面の先端部分には、第1面ファスナー23と着脱自在な略矩形状の第2面ファスナー24が縫い付けられている。
【0029】
甲保持部20は、第1布状帯片21の第1面ファスナー23と第2布状帯片22の第2面ファスナー24とが密着、係合した状態で、足の甲近傍を包み込む形状に保持され、スリッパの後方側に足入れ口25が形成されるとともに、スリッパの前方側に足出し口26が形成される。甲保持部20を構成する第1布状帯片21及び第2布状帯片22は、足の甲にフィットする布状のもので、第1面ファスナー23と第2面ファスナー24とが密着、係合されることで、足の甲近傍を包み込む形状に安定に保持されるとともに、足入れ口25及び足出し口26が安定した開口状態に保持される程度に、型崩れの生じない材質及び構造とされている。
【0030】
甲保持部20は、足の甲周りのサイズに応じて、第1布状帯片21の第1面ファスナー23と第2布状帯片22の第2面ファスナー24との係合位置を変更することで、足入れ口25及び足出し口26等の大きさを調整することができ、足の甲近傍に容易かつ確実にジャストフィットさせてホールド性を高めることができるようになっている。
【0031】
踵保持部30は、外力が作用していない自然状態で、図1及び図2に示される使用形態に形状維持されるように一体に形成された板状弾性体31と、この板状弾性体31を被覆する、ポリエステル等の合成樹脂製の布状のメッシュ素材よりなる化粧布32とから構成されている(図3参照)。
【0032】
踵保持部30を構成する板状弾性体31は、軟質プラスチックとしての軟質ポリエチレンよりなり、底板部10の両側縁から後ろ上方に延在する一対の側帯部33、34と、両側帯部33及び34を上方にて接続して連結する踵当て部35とからなる。
【0033】
側帯部33は、底板部10から略垂直に上方に延在する垂直部33aと、この垂直部33aの上端からなだらかに連続して一体に形成された、後方に向かって斜め上方に傾斜する傾斜部33bとを有している。同様に、側帯部34は、底板部10から略垂直に上方に延在する垂直部34aと、この垂直部34aの上端からなだらかに連続して一体に形成された、後方に向かって斜め上方に傾斜する傾斜部34bとを有している。なお、傾斜部33b及び34b同士が踵当て部35により一体に連結されている。
【0034】
踵当て部35は、上下方向において凸状に湾曲する凸曲面35aを前面に有している。
【0035】
また、踵保持部30は、両側帯部33、34の外側部分に略円形状の一対の面ファスナー36、37を有している。面ファスナー36、37は、化粧布32に縫い付けられている。
【0036】
さらに、本実施形態においては、踵保持部30を構成する板状弾性体31が、両側帯部33及び34の基端から略直角に一体に折り曲げられた折り曲げ基部(図示せず)を有している。なお、板状弾性体31は、この折り曲げ基部の部分においても、一体の化粧布32により被覆されている。そして、本実施形態における踵保持部30は、この折り曲げ基部の部分が底板部10の化粧布層11及び緩衝材層12間に挟持されるとともに両者に接着されることにより、底板部10に一体的に結合されている。
【0037】
上記構成を有する本実施形態のスリッパを人が履く際には、図1及び図2に示される使用形態にあるスリッパの甲保持部20と底板部10との間に足の甲近傍を差し込み、踵を底板部10に向けて落とす。すると、使用形態に形状維持された踵保持部30における踵当て部35の部分に、踵の後端付近が当接し、踵保持部35が弾性変形する。このとき、左右の側帯部33、34は底板部10から後ろ上方に延在しているから、踵の下降に伴って、側帯部33、34等が弾性変形しつつ踵当て部35が後ろ下方に移動する。その結果、踵は、踵当て部35に邪魔されることなく踵当て部35をすり抜け、底板部10に到着する。踵からの押圧力のなくなった踵保持部30はその弾性復元力により元の姿勢に戻る。その結果、踵当て部35の部分が足の踵近傍(踵からアキレス腱や足首にかけての部分)に当接し、踵保持部30が踵近傍を保持する。このため、歩行中等にスリッパが脱げてしまう不都合を回避することができる。
【0038】
また、本実施形態のスリッパでは、踵当て部35の前面が凸曲面35aとされているので、このスリッパを人が履く際、踵が踵当て部35の凸曲面35aの部分に当接する。このとき、踵から踵当て部35への押圧力は、凸曲面35aを介して、踵当て部35を後ろ下方に移動させる方向に働く。このため、踵当て部35は、踵の下降に伴って、容易かつ速やかに後ろ下方に移動する。したがって、スリッパの履き易さが向上する。また、スリッパを履いた状態においては、踵当て部35の凸曲面35aの部分が踵近傍に当接するので、角部や平坦面が踵近傍に当接することと比べて、履き心地や踵保持力が向上する。
【0039】
さらに、本実施形態のスリッパでは、踵保持部35が両側帯部33、34の外側部分に面ファスナー36、37を有している。このため、両足にこのスリッパを履いた人がスリッパを脱ぐ際、まず、右足に履いたスリッパの左の側帯部33側に設けられた面ファスナー36と、左足に履いたスリッパの右の側帯部34に設けられた面ファスナー37とを密着させて係合状態とする。その係合状態で、右足又は左足の踵をスリッパの踵保持部30から抜くように上昇させれば、手を使うことなく容易に片方のスリッパを脱ぐことができる。なお、スリッパを履く際は、前記面ファスナー36、37同士の係合を解除して、左右のスリッパを確実に離した状態にしておく。
【0040】
加えて、本実施形態のスリッパでは、踵保持部30を構成する板状弾性体31が軟質プラスチックとしての軟質ポリエチレンよりなるので、踵保持部30の耐久強度を維持しつつ、踵保持部30が繰り返し荷重を受けて頻繁に変形することによって形崩れすることを抑えることができる。このため、スリッパの耐久性が向上し、長期に渡って良好な踵保持機能を維持し続けるスリッパの提供が可能となる。
【0041】
以上のとおり、本実施形態のスリッパによれば、手を使わずに容易に履いたり脱いだりすることができ、しかも履いている状態で踵を保持する機能を有するので歩行中等に脱げにくく、安全面でも有利となる。
【0042】
よって、本実施形態のスリッパは、特に、病院内で入院患者が使用するのに適したものである、スリッパの着脱時における患者の負担を軽減し、かつ、スリッパを履いた患者の安全性を高めるものとなる。
【0043】
(実施形態2)
図5及び図6に示される本実施形態のスリッパは、前記実施形態1において、踵保持部35の両側帯部33、34の外側部分に設けられる面ファスナー36、37を省略したものである。すなわち、本実施形態のスリッパでは、踵保持部35が両側帯部33、34の外側部分に面ファスナーが設けられていない。
【0044】
このため、このスリッパを履く際、左右一対のスリッパは、前記面ファスナー36、37により係合していることがなく、確実に離れた状態となっている。なお、このスリッパを履いた人がスリッパを脱ぐ際は、例えば、踵保持部30等を手指等で押さえながら、踵をスリッパの踵保持部30から抜くように上昇させたり、あるいは手指等で甲保持部20の第1面ファスナー23及び第2面ファスナー24の係合を解除したりすることで、スリッパを脱ぐことができる。
【0045】
その他の構成及び作用効果は、前記実施形態1と同様である。
【0046】
(その他の実施形態)
ここに、本発明のスリッパを構成する底板部10及び甲保持部20の形状、材質及び構造は特に限定されず、デザインや機能等の要請に応じて種々のものを採用することができる。
【0047】
例えば、前述の実施形態では、第1布帯21と第2布帯22とを脱着自在に結合させる手段として、面ファスナーを採用したが、これの代わりにボタンやフック等を採用することも可能である。また、甲保持部20を、足の甲(及び爪先)を包み込む湾曲形状に一体に形成された布帯や成形体により構成してもよい。
【0048】
また、前述の実施形態では、対称形状をなす左右一対のスリッパについて説明したが、左右一対のスリッパが同一形状をなしていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】実施形態1のスリッパを示し、スリッパに外力が作用していない自然状態におけるスリッパの斜視図である。
【図2】実施形態1のスリッパを示し、スリッパに外力が作用していない自然状態におけるスリッパの側面図である。
【図3】実施形態1のスリッパを示し、スリッパに外力が作用していない自然状態におけるスリッパの後部を中心線に沿って縦断した部分縦断面図である。
【図4】実施形態1のスリッパを示し、スリッパに外力が作用していない自然状態におけるスリッパのうち底板部のみを後方から見た背面図である。
【図5】実施形態2のスリッパを示し、スリッパに外力が作用していない自然状態におけるスリッパの斜視図である。
【図6】実施形態2のスリッパを示し、スリッパに外力が作用していない自然状態におけるスリッパの側面図である。
【符号の説明】
【0050】
10…底板部 20…甲保持部
30…踵保持部 31…板状弾性体
33、34…側帯部 35…踵当て部
35a…凸曲面 36、37…面ファスナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底板部と、該底板部のうちの前方側に設けられ、足の甲近傍を保持する甲保持部と、該底板部うちの後方側に設けられ、足の踵近傍を保持する踵保持部とを有するスリッパであって、
前記踵保持部は、外力が作用していない自然状態で使用形態に形状維持されるように一体に形成された板状弾性体を備え、該板状弾性体は、前記底板部の両側から後ろ上方に延在する一対の側帯部と、両該側帯部を上方にて接続して連結する踵当て部とからなることを特徴とするスリッパ。
【請求項2】
前記踵当て部は、上下方向において凸状に湾曲する凸曲面を前面に有している請求項1に記載のスリッパ。
【請求項3】
前記踵保持部は、両前記側帯部の外側部分に一対の面ファスナーを有している請求項1又は2に記載のスリッパ。
【請求項4】
前記板状弾性体は、軟質プラスチックよりなる請求項1乃至3のいずれか一つに記載のスリッパ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−77768(P2009−77768A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−247361(P2007−247361)
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(594162652)株式会社松本義肢製作所 (10)
【Fターム(参考)】