スリーブ・インサート型パッケージ用のインサート
改良されたインサートカード(100,200,300,500,700,1100,1700,1900,2000,2300)が提供される。さまざまな実施形態は、改良されたヒンジ(120,1975)と、ロッキングタブ(215,315,515)と、リブ(235,535,536,735,736,2035a,2035b)と、中央バー(1755)を備えた分離可能なベースパネル(1710)と、グリップ(1140,1340)と、抗折り曲げ当接部(1545,1550)と、折り重ねパネル(2070,2370a,2370b)とを具備してなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスリーブ・インサート(sleeve-and-insert)型パッケージングに関する。さらに詳しく言うと、本発明は、一体式ブリスターカードあるいは収容トレイとして使用するのに好適なスリーブ・インサート型パッケージ用の新規なインサートに関する。
【0002】
本願は、2006年5月26日付け提出の米国仮出願第60/803,301号(この引用によってその全体が本明細書に組み込まれる)の優先権の利益を主張する。
【背景技術】
【0003】
スリーブ・インサート型パッケージは、平面状部材の一つ以上の表面上に保持された物品にアクセスするために、そこから当該パッケージを部分的にあるいは完全に取り出すことができるエンクロージャ内に実質的に平面状の部材が収容されたパッケージである。平面状の部材は、それに限定されるわけではないが、「インサート」、「カード」、「インサートカード」、「スライドカード」、および「スライド要素」といった、いくつかの代替的名称で呼ばれる。こうした用語は、本明細書中では、互換的に使用する。
【0004】
スリーブ・インサート型パッケージは、インサートに対してある様式で恒久的にあるいは一時的に配列される物品の販売および配給を含む、さまざまな目的にとって有用である。スリーブ・インサート型パッケージは、特に、いわゆる「単位用量(unit-dose)パッケージングシステム」として有用である。単位用量パッケージングシステムにおいては、ピルなどの薬物は、通常はブリスター内で個別に(すなわち単位用量ずつ)平面状部材に対して取り出し可能に保持される。他の形態では、注射器、パッチ、吸入器、パウチなどによって保持された単位薬剤はトレイに載せられる。単位用量パッケージングシステムは、薬物を個別に、すなわち単位用量だけ供出するための手段として有用である。そうしたシステムは、子供がパッケージを開封するのを阻止し、その一方で同時に、老化によって手先の器用さが低下した高齢者が開封したり、閉じたり、普通に使用したりするのを容易なものとする付加的特性を有する場合には、さらに一層有用である。これら二つの特性はそれぞれ、通常、「チャイルドプルーフ(child-resistant)」および「シニアフレンドリー(senior-friendly)」と呼ばれる。
【0005】
スリーブ/シェルから内部スライドカードの、望ましくない部分的あるいは完全な取り出しを防止あるいは阻止することは、子供によるいたずらを阻止し、かつ、高齢者による使用を容易なものとするのを助ける上で重要である。さらに、スライド要素によって保持された物品に対する一般的なアクセスを防止あるいは阻止することは、チャイルドプルーフ性にとって重要である。したがって、内部カードによって保持された物品への望ましくないアクセスを防止すなわち阻止する、さらなる新規な機能を備えた単位用量パッケージを提供することが有用であることは明らかである。
【0006】
コストを低減し、そして製造の容易性を高めることが望ましいので、効率よく操作でき、耐久性を有すると共に丈夫で、そして製造が簡単で、これによってコストおよび製造の非効率性が低減される、チャイルドプルーフを有しかつシニアフレンドリーな単位用量パッケージを提供することが有益であることは同様に明らかである。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、スリーブ・インサート型パッケージ全体と同様に、個々のインサートカードの製造容易性を改善し、製造コストを低減し、使用の容易性を改善し、そしてチャイルドプルーフ機能を改善する特徴を付与することによって、従来技術の欠点を解消する。こうした機構は、一体的に形成されたスライドカード、このスライドカードと一体のブリスター、分離可能なスライドカードと一体のブリスター、スライドカードに対して連結された分離可能なロッキングパネル、改良されたロッキング要素、ロッキング要素の耐久性を改善する機構、スライドカードの強度および耐久性を改善するリブ、スリーブの強度を改善するリブ、および、たとえば子供がスリーブおよび/またはスライドカードを咬んで孔を開けようとすることによるブリスターに対する意図しないアクセスを阻止するリブを備える。
【0008】
本発明の一態様によれば、変形を阻止するための少なくとも一つの補強要素を備えた改良されたロッキングパネルが、ベースパネルから折り曲げ可能に延在する。他の実施形態では、少なくとも二つのロッキングパネルが、ベースパネルから折り曲げ可能に延在する。本発明のさらなる態様によれば、二つの隣接するロッキングパネルは、切断ラインあるいはスロットあるいは分離のための同様の手段によって、互いに分離させられている。本発明のさらなる態様によれば、ベースパネルは、このベースパネルの変形を抑止するために、少なくとも一つの補強要素を有する。本発明のさらに付加的な態様によれば、ベースパネルは一つ以上のリブの配列を有する。
【0009】
本発明の他の態様に基づけば、ベースパネルは、スライドカードへのアクセス性およびスリーブからのスライドカードの引き出しやすさを改善するよう構成された突出グリップを備える。本発明のさらなる態様に基づけば、ロッキング部材またはベースパネルは、スリーブとカードとの間のロック機能を改善するための抗折り曲げ(fold-resisting)当接部を備える。本発明のさらに他の態様に基づけば、少なくとも一つの折り重ね(fold-over)パネルは、ベースパネルに対して折り曲げ可能に連結され、そしてベースパネルおよび折り重ねパネルの一方または両方は少なくとも一つのリブを有する。本発明のさらなる態様によれば、折り重ねパネルはベースパネルに対して折り曲げ可能に連結される。これに関し、ベースパネルおよび折り重ねパネルは、相補的な、折り畳まれたパネルを重ね合わせるための、すなわち噛み合わせるための協働リブを有する。
【0010】
少なくとも一つの係合縁部を備える、少なくとも一つの折り曲げ可能に連結されたロッキングパネルを備えた、一体的に形成されたベースパネルを具備してなるインサートカードがまた、本明細書において開示される。これに関し、ブリスターに収容される物品を受け入れるよう構成されたブリスター開口を画定するために少なくとも一つのブリスターが、ベースパネルに一体的に形成される。代表的インサートカードの他の特徴部としては、ブリスター開口上のシールと、ベースパネルから延在する少なくとも一つのリブとが挙げられる。ある実施形態では、リブはベースパネルの周縁近傍に配置されるが、リブはインサートカード上のどこにでも配置できる。
【0011】
あるインサートカードの付加的特徴部としては、ベースパネルとロッキングパネルとの間の面接触関係を阻止する当接部が挙げられるが、ここでこの当接部の周縁の少なくとも一部は湾曲している。さらに、ベースパネルは、インサートカードがスリーブからリリースされた後に容易なアクセスを可能とするための延在把持部を備えることができる。他の実施形態では、ブリスターは使用を容易にするために分離可能である。これら実施形態のあるものにおいては、ブリスターは、このブリスターが取り出された後でさえ、インサートカードがスリーブ内で完全に機能することを可能とする中央バーを形成するように分離可能である。さらに他の実施形態では、ロッキングパネルはベースパネルから分離可能である。
【0012】
一つ以上の折り曲げ可能に連結された折り重ねカードを備えたインサートカードがさらに本明細書において説明開示される。こうした実施形態では、折り重ねカードは、折り畳まれたパネルを重ね合わせ、折り畳まれたパネルをロックし、あるいは折り畳まれたパネルを離間状態で維持するために、ベースパネルの一つ以上の類似の特徴部と連係するか、噛み合うか、あるいはその他の方法で協働する、リブ、ブリスター、当接部、ポストおよびその組み合わせなどのような特徴部を備えることができる。
【0013】
本明細書において説明され、開示され、そして特許請求される上記インサートカードに加えて、当該インサートカードを含むパッケージングシステムが説明され、開示され、そして特許請求される。代表的システムは(本出願人によって提出された先行出願において開示されるように)本明細書において説明され、開示され、あるいは特許請求されるインサートカードを収容するよう構成されたリリース可能にロック可能なスリーブを備える。さらに、本明細書において説明され、開示され、そして特許請求されるインサートカードを使用する方法が説明される。付加的実施形態としては、ブリスターによってではなく、クリップ、タイ、受けインサート、タブ、ロッキングポスト、テープ、面ファスナー(hook and loop fastener)、リブ、スプリング、その組み合わせなどを含む、その他の固定手段によって、物品がベースパネルに対して保持されるインサートカードが挙げられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
求められるように本発明の具体的な実施形態について説明する。以下で説明する実施形態は、さまざまなおよび代替形態で、ならびにその組み合わせとして具現化できる本発明の代表例に過ぎないことを理解されたい。本明細書で用いているように、「代表的」との用語は、説明、実例、モデルあるいはパターンとして役立つ実施形態を包括的に言及するために用いている。図面は、必ずしも一定の率で拡縮されておらず、しかも特定の構成要素の細部を示すために、ある特徴部は誇張されるか、あるいは最小化されている。他の例では、本発明が理解し難くなるのを避けるために、公知の構成要素、システム、材料あるいは方法については説明していない。したがって、本明細書において説明された特定の構造的および機能的細部は、限定としてではなく、単に、請求項の記載の基礎として、および本発明をさまざまな形で利用するための当業者に対する教示の典型的な基礎として解釈すべきである。
【0015】
限定あるいは制限ではなく開示説明のために、本発明の図示する実施形態は、タブレット、ピルなどの形態の薬物のような製薬関連品を例に挙げる。だが本発明は、図示する実施形態と関連付けられた製薬関連品に限定されるものではなく、小さいか、傷付きやすいか、敏感であるか、あるいは持ち運び可能である、いかなる物品に対しても応用できる。したがって本発明は、リリース可能にロック可能な容器内に保持しかつ貯蔵すること、そして規制された様式で供出することをユーザーが欲するであろう、小さくかつ持ち運び可能な物品の全てと共に使用可能である。さらに本発明は、図示する実施形態と関連付けられたブリスターパックに限定されるものではなく、あらゆる物品が保持され、貯蔵され、取り付けられ、固定され、あるいはそれ以外の方法で物品と関連付けられる、いかなるトレイ、カード、ラック、パック、パウチなどにも応用できる。
【0016】
ここで図1を参照すると、スライドカード100の代表的実施形態が示されている。スライドカード100は、主として、(本出願人によって提出された先行出願あるいは特許の一つ以上に開示されているように)リリースできるようにロック可能なスリーブと共に使用されるものであり、ベースパネル110とロッキングパネル115とを備える。ロッキングパネル115は係合縁部118を備える。ベースパネル110は、ヒンジ120によって、ロッキングパネル115に連結されている。ベースパネル110は、物品を収容するための成形された空隙すなわちブリスター125を有する。代表的実施形態では、ブリスター125はベースパネル110と一体に形成されており、そしてシール(たとえばフォイルあるいは紙製基体)が、各ブリスター125内の物品を密封するために、ベースパネル110に対して取り付けられる。物品は、こうして、公知の手法で取り出されるまで、ブリスター125内の適所で保持される。
【0017】
スライドカード100は、紙あるいはプラスチックを含む、いかなる素材からでも構成でき、熱成形あるいはダイプレスを含む製造プロセスによって形成できる。ヒンジ120は、折り曲げライン、切り込みライン、切断ライン、穿孔ラインあるいはその組み合わせなどを形成することによって、あらゆる形態で形成可能である。ロッキングパネル115は、スリーブのロッキング要素と係合でき、そしてこれによってスリーブからのスライドカード100の不要な取り出しを阻止できるように、ヒンジ120を中心として回動可能である。図1に示す実施形態では、スライドカード100は、薬剤を保持するために使用される熱成形プラスチック・ブリスターカードである。
【0018】
図2〜図4に示す代表的実施形態において、スライドカード200,300,500はそれぞれ並列ロッキングパネル215,315,515を備える。スライドカード200のロッキングパネル215はそれぞれヒンジ220によって形成されており、そして切断ライン230によって互いに切り離されている。同様に、ロッキングパネル315はヒンジ320によって形成されており、そして切欠き330によって互いに切り離されている。切欠きはまたスロットと呼ばれる。図示するロッキングパネル515は三角形状であり、そしてそれぞれのヒンジ520に沿ってベースパネル510に対して連結されている。代替実施形態においては、その他の形状およびさらなる数のロッキングパネルを設けることができる。
【0019】
各スライドカード200,300,500のロッキングパネル215,315,515のそれぞれは、互いに独立したものである。このため、ロッキングパネルのそれぞれは、関連するスリーブの各ロッキング要素と独立的に係合する。したがって、スリーブからスライドカードをリリースするために、一つ以上のリリース機構を、そのそれぞれのロッキング要素からロッキングパネルをリリースするために使用することが考えられる。たとえば、ロッキングパネルのそれぞれを実質的に同時にリリースする単一のリリース機構を使用できる。これに代えて、ロッキングパネルのそれぞれが、それ自身のリリース機構を有していてもよい。スリーブからスライドカードをリリースするために実質的に同時に作動させる必要があるリリース機構の数が増加するにつれて、スリーブからスライドカードをリリースするのが、ますます困難になる。したがって、スライドカードをリリースするのに必要なリリース機構の数を増やすことで、パッケージのチャイルドプルーフ性が改善される。
【0020】
本明細書に開示されたスライドカードは、少なくとも一つのリブ235,335,535を有することができる。本明細書に開示されるように、リブは、ベースパネルあるいはロッキングパネルあるいはその両方の表面である平面から延在する突出部材である。リブは、いずれかの方向に、すなわちパネルの表面に対して上方または下方に、あるいはその両方に延在できる。リブまたはリブの一部は、これに限定されるわけではないが、ベースパネルの一部にバリアを提供すること(たとえば、ベースパネル上に載置された物品の周りにバリアを形成すること)、直角に加えられる力の作用(たとえば、押し潰しあるいは噛み付き)に抗するためのバリアを提供すること、ベースパネルまたはロッキング部材の把持を容易にするための把持構造体として機能すること、そしてベースパネルまたはロッキングパネルの、あるいはその両方の変形に抗する構造的補強材として機能すること、といった、さまざまな目的のために機能し得る。
【0021】
スライドカードのある実施形態は、少なくとも一つのリブを備える。本明細書に開示されるリブの他の利点は、スライドカードの剛性向上である。リブは、スライドカードに熱成形あるいは加圧成形することが可能であり、あるいはスライドカードに対して別体的に取り付けられてもよい。図2および図3を参照すると、U形リブ235,335は、それぞれベースパネル210,310の周縁を取り囲むように延在している。
【0022】
ここで図4を参照すると、縁部に沿って、かつ、ベースパネル510の実質的中心に沿って長手方向に延在するT形リブ535の形態の代替実施形態が示されている。スライドカード500はさらに、それぞれのロッキングパネル515と実質的に整列し、かつ、リブ535の長手方向部分からオフセットした長尺なリブ536を備える。図5を参照すると、L形リブ735がベースパネル710の周縁の一部を取り囲むように延在している。スライドカード700はさらに、ベースパネル710の一部に剛性を付与するために長手方向リブ736を備えるが、これはリブ735からオフセットしている。代替実施形態(図示せず)は、それぞれベースパネルおよびロッキングパネルの領域の剛性を増大させる一連のあるいはあるパターンのリブを備えるスライドカードを提供する。
【0023】
リブは、本明細書で説明した位置、形状、配列あるいはパターンに限定されるものではないことに留意されたい。むしろ、リブの位置、形状、配列あるいはパターンは、ブリスターおよびその他の特徴部の配置に対応し、かつ、他の有益な特性を付与するべく、スライドカードの剛性を高めるために決定される。熱成形されるスライドカードに関して、ある程度の剛性は、成形後にスライドカードがカールしたり、ねじれたりするのを阻止あるいは抑止するために有用である。リブは、本明細書において説明したような、所望のブリスターレイアウトあるいは形態に適合するよう配置できる。したがってリブの位置は、スライドカードの他の要素と干渉したり、あるいはそれを妨害したりすることなく、剛性あるいは他の特性をもたらすよう調整可能である。
【0024】
リブは、有益な機能を提供するために、効果を十分配慮して配置できる。具体的には、リブは、たとえば、このリブが、ブリスター内の物品にアクセスするためにカードを咬み込むのを阻止するよう、チャイルドプルーフ特性を提供するように配置できる。各リブの位置は、スライドカードがスリーブすなわち外部カートンと組み合わせて使用される場合に、さらなる機能上の利益をもたらし得る。たとえば、リブをスライドカードの端部(これはスリーブの開口端部に対応する)に配置することによって、スリーブの開口端部に、端部クロージャが付与される。これによって、スライドカードがスリーブ内に収容された際に、リブによって、スライドカードおよびそれに包含された物品が、ダスト、害虫および意図しないアクセスから保護されるようになる。本明細書に示す実施形態では、スリーブの開口端部に対応するスライドカードの端部は、ロッキングパネルと逆側の端部である。
【0025】
ある実施形態では、スライドカード100は、本出願人によってなされた先行出願において開示されたとおり、キャッチフラップを含むスリーブ内に収められるよう構成される。キャッチフラップはスリーブの開口端部に配置されており、スライドカードがスリーブから引き出されるとき、スライドカードの折り込まれたロッキングパネル115,215,315,515はキャッチフラップと係合し、これによってスライドカードがスリーブから完全に取り出されるのが阻止されるようになっている。そこからブリスターが突出するスライドカードの面が、キャッチフラップが折り曲げ可能に連結されるスリーブの壁に隣接するように、スライドカードがスリーブ内に挿入される場合、ブリスターは、故意にではなく、スライドカードの取り出しを妨げるであろう。さらに詳しく言うと、キャッチフラップはブリスターの一つ以上と係合し、スライドカードをスリーブから取り出すのを妨げるであろう。この場合、リブ235,335,535,735は、スライドカードがスリーブから取り出されるとき、ブリスターがキャッチフラップと係合するのを阻止するために、ブリッジとして、あるいはレールとして機能するように、スライドカードの長さにわたって延在している。ここでさらに(ただし必須ではないが)、リブのレール部はブリスターの高さ以上の高さを有し、これによってキャッチフラップはレールに沿ってスライドでき、そしてブリスターと係合し得ないようになっている。レールの、そしてブリスターの高さは、ベースパネル210,310,510,710に関して関係付けられる。
【0026】
図6および図7に示すように、スライドカード1100,1300のある実施形態はそれぞれ、ベースパネル1100,1310の端部に配置された突出グリップ1140,1340を備える。突出グリップ1140,1340は、リブ1135,1335と同様にして形成できる。突出グリップ1140,1340のサイズおよび形状は、人間工学的な効率を考えた設計的決定事項であり、突出グリップ1140,1340は意図されたユーザーによるアクセスを容易なものとする。たとえば、スライドカード1100,1300はユーザーの親指と他の指とで捕らえることができるが、ここで、ユーザーの親指は凸面に接触し、そしてユーザーの他の指は逆側の凹面に接触する。図6および図7に示す実施形態では、突出グリップ1140,1340はリブ1135,1335と一体である。だが代替実施形態では、突出グリップ1140,1340はリブ1135,1335から分離あるいはオフセットされてもよく、あるいはリブ1135,1335は省略することもできる。
【0027】
図8および図9を参照すると、システムのスリーブあるいはシェル(図示せず)のロッキング機構の一部を形成する開口あるいはパネルと係合するスライドカード1500のロッキングパネル1515の機能は、ベースパネル1510に対して実質的に平行な状態でなくなるようにロッキングパネル1515を付勢することによって高められる。抗折り曲げ特性は、この目的のために役立つ。ヒンジ1520は、ロッキングパネル1515を付勢するための抗折り曲げ機構として機能する。ヒンジ1520における付勢の程度は、ヒンジ1520の厚みを変えること、あるいはさもなければヒンジ1520を形成するラインが曲げを可能とするために弱められる程度を変えることを含む、付加的製造技術によって制御可能である。
【0028】
スライドカード1500のベースおよびロッキングパネル1510,1515はさらに抗折り曲げ当接部1545,1550を備えるが、これらは、ロッキングパネル1515とベースパネル1510とが実質的に平行な状態となるのを、あるいは互いに面接触状態となるのを阻止する。ロッキングパネル1515あるいはベースパネル1510の一つの抗折り曲げ当接部は、抗折り曲げ機構あるいは要素として機能するのに十分なものであるが、一つ以上の抗折り曲げ当接部をパネル1510,1515の一方または両方において使用可能である。それぞれのベースパネル1510およびロッキングパネル1515において対向する抗折り曲げ当接部1545,1550を使用することで、所望の折り曲げ抵抗を依然として実現しながら、各抗折り曲げ当接部1545,1550の高さを最小化できるという利益が得られる。各当接部は、さまざまな形態をとることができるが、形押し当接部は、好適な基体、特に、プラスチック、紙、あるいはその組み合わせ、あるいはその他の好適な素材からなる基体に容易に形成できる。
【0029】
図示する抗折り曲げ当接部1545,1550はヒンジ1520の近傍に存在する。さらに詳しく言うと、抗折り曲げ当接部1545はベースパネル1510上に配置され、かつ、抗折り曲げ当接部1550はロッキングパネル1515上に配置されており、これによって、ロッキングパネル1515がヒンジ1520に沿って折り曲げられたとき、抗折り曲げ当接部1545,1550は互いに当接して、ヒンジ1520に対してサポートを提供するか、あるいはさもなければ、ロッキングパネル1515の適切なロッキング角度を維持する。代表的実施形態では、抗折り曲げ当接部1545は、バブル(bubble)に似た形状を有し、あるいはさもなければ、実質的に半円形断面を有する。抗折り曲げ当接部1550は実質的に矩形断面を有する。代替実施形態においては、抗折り曲げ当接部は、ロッキングパネルおよびヒンジの支持を容易なものとする、いかなるサイズおよび形状を備えていてもよいことに留意されたい。
【0030】
図8に示す抗折り曲げ当接部1550は、係合縁部1518に隣接した湾曲縁部Eを備える。抗折り曲げ当接部1550の縁部Eは、ロッキングパネル1515が係合縁部1525に沿って座屈するのに抗するよう湾曲している。さらに、抗折り曲げ当接部1550は、抗折り曲げ当接部1545上での撓みに抗するために、ロッキングパネル1515の剛性を増大させる。言い換えれば、ロッキングパネル1515は、抗折り曲げ当接部1550のサポートが終了する縁部Eにおいて折れる傾向がある。湾曲縁部Eの曲率はまた、直線に沿ってロッキングパネル1515が折れる傾向に抗し、したがって望ましくない倒れが生じる可能性に抗する。ここで図9を参照すると、スライドカード1500を側方から見た状態が示されている。ロッキングパネル1515は、ベースパネル1510に対して、ロッキング状態を形成するのを助けるためにそれがスリーブすなわちシェルの一つ以上のロッキング要素と係合できるポジションまで、ヒンジ1520を中心として、ある程度回動した状態で示されている。
【0031】
ここで、図10を参照すると、スライドカード1700は、境界の縦方向および横方向ラインによって画定された中央バー1755を備える。境界の横方向ライン1762は、切り離し(tear-away)ユニット1765を形成するために、境界の縦方向ライン1760から延在している。各切り離しユニット1765は、ベースパネル1710の一部から形成されており、かつ、ブリスター1725を有している。ユニット1765がベースパネル1710から切り離されたとき、中央バー1755によって、スリーブ内のスライドカード1700に引き続きアクセスし、そしてそれを使用することが可能となる。代表的実施形態では、中央バー1755はベースパネル1710の中央に配置される。だが、代替実施形態では、バーは、いかなる好適な位置にでも配置できる。たとえば、バーは、スライドカード1700の縦方向縁部に隣接して配置できる。
【0032】
図11〜図13を参照すると、折り重ねパネルを備えるスライドカードの実施形態が示されている。図11を先ず参照すると、スライドカード1900は折り重ねパネル1970を備えている。折り重ねパネル1970は、ヒンジパネル1975によって、ベースパネル1910に対して連結されている。さらに詳しく言うと、ヒンジパネル1975は、折り曲げラインFに沿って、パネル1910,1970に対して折り曲げ可能に連結されている。この実施形態では、ヒンジパネル1975は開口Pを有する。開口Pは、ヒンジパネル1975における応力を低減する。ヒンジを一つ以上の開口によって形成すると共に折り曲げラインFを省略することも考えられる。開口Pは、ベースパネルと折り重ねパネルとの間のスライドカードの一部分における応力を低減するのを促進する、いかなる好適なサイズおよび形状であってもよい。さらに、開口Pを省略し、かつ、ヒンジパネルを画定するためにスライドカードを横切って折り曲げラインを延在させることも考えられる。代替実施形態では、成形ヒンジあるいは軽度な折り目を、ヒンジとして使用することも考えられる。
【0033】
図12および図12aを参照すると、スライドカード2000は、ヒンジパネル2075によってベースパネル2010に連結された折り重ねパネル2070を備える。さらに詳しく言うと、ヒンジパネルは、折り曲げラインFに沿って、パネル2010,2070に対して連結されている。ベースパネル2010および折り重ねパネル2070はそれぞれ、U形リブ2035a,2035bを備える。U形リブ2035a,2035bは、互いに対応しており、これによって、折り重ねパネル2070がベースパネル2010と実質的に平行となるように折り込まれたとき、ベースパネル2010上のリブ2035aは、折り重ねパネル2070上のリブ2035bと整列し、かつ、それと当接状態となる。さらに詳しく言うと、リブ2035a,2035bは形状に関して実質的に類似しており、しかもヒンジパネル2075を中心として実質的に対称的に配置される。図12aに示すように、リブ2035a,2035bは、上述した折り畳み配置状態でスライドカード2000が維持されるように係合するよう構成できる。リブ2035a,2035bの構造は図12aに示すものに限定されるわけではなく、折り畳み配置状態の維持を容易なものとする、いかなる相応の断面を有していてもよい。たとえば、断面は凸部および凹部の組み合わせであってもよく、あるいは断面のそれぞれは共通の斜面によって形成されてもよい。さらに他の実施形態では、リブの一方のセットは、他のセットを受けるために、より幅広でかつより長尺である。こうした形態では、リブは重ね合わせられ、かつ、折り込まれたパネルは、より薄い断面を呈する。
【0034】
図13を参照すると、スライドカード2300は、ヒンジパネル2375a,2375bによってそれぞれ、ベースパネル210に対して連結された複数の折り重ねパネル2370a,2370bを備える。さらに詳しく言うと、ヒンジパネル2375a,2375bは、ベースパネル2310に対して、そしてそれぞれの折り重ねパネル2370a,2370bに対して、折り曲げラインFに沿って連結されている。代表的実施形態では、ヒンジパネル2375bはヒンジパネル2375aよりも幅広であり、これによって、上述したように、折り重ねパネル2370aはベースパネル2310上に折り込むことができ、そして折り重ねパネル2370bは、続いて、折り重ねパネル2370aの上に折り込むことができる。こうして、折り重ねパネル2370aのリブ2335aはベースパネル2010のリブ2335cと接触状態となり、かつ、折り重ねパネル2370bのリブ2335bは折り重ねパネル2370aの外面と接触状態となる。
【0035】
本発明の代替実施形態は、剥離可能な裏当て(図示せず)を有するスライドカードを備える。剥離可能な裏当ては、物品の取り出しを容易なものとし、しかもフォイルあるいはフォイルおよびティッシュあるいはクラフト紙の組み合わせを含んでいてもよい。破断可能なライン、たとえば穿孔ライン、切断ラインあるいは切り込みラインが、ブリスター内の物品を露出させるために剥離可能なタブを形成するために、剥離可能な裏当てに付与される。この実施形態では、剥離開始領域はスライドカードの縁部すなわち周縁に沿って配置される。さらにチャイルドプルーフ性に優れた剥離裏当てが望まれる代替実施形態においては、剥離開始領域はスライドカードの中央付近に配置される。有利なことを言えば、スライドカードは、タブが剥ぎ取られる前あるいは後に、スライドカードを把持するために係合可能な固定体部材を備える。図10に示すように、剥離可能な裏当てを代替実施形態に組み込むことができることに留意されたい。この場合、中央バー1755は、事実上、固定体部材であり、そして切り離しユニット1765が切り離されたとき、小さな屈曲した切断ラインは剥離可能な裏当ての剥離開始位置を画定する。
【0036】
本発明の全ての可能な実施形態を図示説明することを法は求めておらず、しかもそれは経済的に困難である。したがって上記実施形態は、本発明の原理の明確な理解のために述べた具現化の単なる例証的説明である。本発明の範囲から逸脱することなく、上記実施形態を、さまざまに変形させたり、変更したり、組み合わせたりすることが可能である。全てのそうした変形例、変更例および組み合わせは、本開示および本発明の範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に基づく、スライドカードの代表的実施形態の斜視図である。
【図2】本発明に基づく、スライドカードの代表的実施形態の平面図である。
【図3】本発明に基づく、スライドカードの代表的実施形態の平面図である。
【図4】本発明に基づく、スライドカードの代表的実施形態の平面図である。
【図5】本発明に基づく、スライドカードの代表的実施形態の平面図である。
【図6】本発明に基づく、スライドカードの代表的実施形態の平面図である。
【図7】本発明に基づく、スライドカードの代表的実施形態の平面図である。
【図8】本発明に基づく、スライドカードの代表的実施形態の平面図である。
【図9】図8の代表的スライドカードの側面図である。
【図10】本発明に基づく、スライドカードの代表的実施形態の平面図である。
【図11】本発明に基づく、スライドカードの代表的実施形態の平面図である。
【図12】本発明に基づく、スライドカードの代表的実施形態の平面図である。
【図12a】図12の、代表的な折り畳まれたカードのリブの側断面図である。
【図13】本発明に基づく、スライドカードの代表的実施形態の平面図である。
【符号の説明】
【0038】
100,200,300,500,700 スライドカード
110,210,310,510,710 ベースパネル
115,215,315,515 ロッキングパネル
118 係合縁部
120,220,320,520 ヒンジ
125 ブリスター
230 切断ライン
235,335,535,536,735,736 リブ
330 切欠き
【技術分野】
【0001】
本発明はスリーブ・インサート(sleeve-and-insert)型パッケージングに関する。さらに詳しく言うと、本発明は、一体式ブリスターカードあるいは収容トレイとして使用するのに好適なスリーブ・インサート型パッケージ用の新規なインサートに関する。
【0002】
本願は、2006年5月26日付け提出の米国仮出願第60/803,301号(この引用によってその全体が本明細書に組み込まれる)の優先権の利益を主張する。
【背景技術】
【0003】
スリーブ・インサート型パッケージは、平面状部材の一つ以上の表面上に保持された物品にアクセスするために、そこから当該パッケージを部分的にあるいは完全に取り出すことができるエンクロージャ内に実質的に平面状の部材が収容されたパッケージである。平面状の部材は、それに限定されるわけではないが、「インサート」、「カード」、「インサートカード」、「スライドカード」、および「スライド要素」といった、いくつかの代替的名称で呼ばれる。こうした用語は、本明細書中では、互換的に使用する。
【0004】
スリーブ・インサート型パッケージは、インサートに対してある様式で恒久的にあるいは一時的に配列される物品の販売および配給を含む、さまざまな目的にとって有用である。スリーブ・インサート型パッケージは、特に、いわゆる「単位用量(unit-dose)パッケージングシステム」として有用である。単位用量パッケージングシステムにおいては、ピルなどの薬物は、通常はブリスター内で個別に(すなわち単位用量ずつ)平面状部材に対して取り出し可能に保持される。他の形態では、注射器、パッチ、吸入器、パウチなどによって保持された単位薬剤はトレイに載せられる。単位用量パッケージングシステムは、薬物を個別に、すなわち単位用量だけ供出するための手段として有用である。そうしたシステムは、子供がパッケージを開封するのを阻止し、その一方で同時に、老化によって手先の器用さが低下した高齢者が開封したり、閉じたり、普通に使用したりするのを容易なものとする付加的特性を有する場合には、さらに一層有用である。これら二つの特性はそれぞれ、通常、「チャイルドプルーフ(child-resistant)」および「シニアフレンドリー(senior-friendly)」と呼ばれる。
【0005】
スリーブ/シェルから内部スライドカードの、望ましくない部分的あるいは完全な取り出しを防止あるいは阻止することは、子供によるいたずらを阻止し、かつ、高齢者による使用を容易なものとするのを助ける上で重要である。さらに、スライド要素によって保持された物品に対する一般的なアクセスを防止あるいは阻止することは、チャイルドプルーフ性にとって重要である。したがって、内部カードによって保持された物品への望ましくないアクセスを防止すなわち阻止する、さらなる新規な機能を備えた単位用量パッケージを提供することが有用であることは明らかである。
【0006】
コストを低減し、そして製造の容易性を高めることが望ましいので、効率よく操作でき、耐久性を有すると共に丈夫で、そして製造が簡単で、これによってコストおよび製造の非効率性が低減される、チャイルドプルーフを有しかつシニアフレンドリーな単位用量パッケージを提供することが有益であることは同様に明らかである。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、スリーブ・インサート型パッケージ全体と同様に、個々のインサートカードの製造容易性を改善し、製造コストを低減し、使用の容易性を改善し、そしてチャイルドプルーフ機能を改善する特徴を付与することによって、従来技術の欠点を解消する。こうした機構は、一体的に形成されたスライドカード、このスライドカードと一体のブリスター、分離可能なスライドカードと一体のブリスター、スライドカードに対して連結された分離可能なロッキングパネル、改良されたロッキング要素、ロッキング要素の耐久性を改善する機構、スライドカードの強度および耐久性を改善するリブ、スリーブの強度を改善するリブ、および、たとえば子供がスリーブおよび/またはスライドカードを咬んで孔を開けようとすることによるブリスターに対する意図しないアクセスを阻止するリブを備える。
【0008】
本発明の一態様によれば、変形を阻止するための少なくとも一つの補強要素を備えた改良されたロッキングパネルが、ベースパネルから折り曲げ可能に延在する。他の実施形態では、少なくとも二つのロッキングパネルが、ベースパネルから折り曲げ可能に延在する。本発明のさらなる態様によれば、二つの隣接するロッキングパネルは、切断ラインあるいはスロットあるいは分離のための同様の手段によって、互いに分離させられている。本発明のさらなる態様によれば、ベースパネルは、このベースパネルの変形を抑止するために、少なくとも一つの補強要素を有する。本発明のさらに付加的な態様によれば、ベースパネルは一つ以上のリブの配列を有する。
【0009】
本発明の他の態様に基づけば、ベースパネルは、スライドカードへのアクセス性およびスリーブからのスライドカードの引き出しやすさを改善するよう構成された突出グリップを備える。本発明のさらなる態様に基づけば、ロッキング部材またはベースパネルは、スリーブとカードとの間のロック機能を改善するための抗折り曲げ(fold-resisting)当接部を備える。本発明のさらに他の態様に基づけば、少なくとも一つの折り重ね(fold-over)パネルは、ベースパネルに対して折り曲げ可能に連結され、そしてベースパネルおよび折り重ねパネルの一方または両方は少なくとも一つのリブを有する。本発明のさらなる態様によれば、折り重ねパネルはベースパネルに対して折り曲げ可能に連結される。これに関し、ベースパネルおよび折り重ねパネルは、相補的な、折り畳まれたパネルを重ね合わせるための、すなわち噛み合わせるための協働リブを有する。
【0010】
少なくとも一つの係合縁部を備える、少なくとも一つの折り曲げ可能に連結されたロッキングパネルを備えた、一体的に形成されたベースパネルを具備してなるインサートカードがまた、本明細書において開示される。これに関し、ブリスターに収容される物品を受け入れるよう構成されたブリスター開口を画定するために少なくとも一つのブリスターが、ベースパネルに一体的に形成される。代表的インサートカードの他の特徴部としては、ブリスター開口上のシールと、ベースパネルから延在する少なくとも一つのリブとが挙げられる。ある実施形態では、リブはベースパネルの周縁近傍に配置されるが、リブはインサートカード上のどこにでも配置できる。
【0011】
あるインサートカードの付加的特徴部としては、ベースパネルとロッキングパネルとの間の面接触関係を阻止する当接部が挙げられるが、ここでこの当接部の周縁の少なくとも一部は湾曲している。さらに、ベースパネルは、インサートカードがスリーブからリリースされた後に容易なアクセスを可能とするための延在把持部を備えることができる。他の実施形態では、ブリスターは使用を容易にするために分離可能である。これら実施形態のあるものにおいては、ブリスターは、このブリスターが取り出された後でさえ、インサートカードがスリーブ内で完全に機能することを可能とする中央バーを形成するように分離可能である。さらに他の実施形態では、ロッキングパネルはベースパネルから分離可能である。
【0012】
一つ以上の折り曲げ可能に連結された折り重ねカードを備えたインサートカードがさらに本明細書において説明開示される。こうした実施形態では、折り重ねカードは、折り畳まれたパネルを重ね合わせ、折り畳まれたパネルをロックし、あるいは折り畳まれたパネルを離間状態で維持するために、ベースパネルの一つ以上の類似の特徴部と連係するか、噛み合うか、あるいはその他の方法で協働する、リブ、ブリスター、当接部、ポストおよびその組み合わせなどのような特徴部を備えることができる。
【0013】
本明細書において説明され、開示され、そして特許請求される上記インサートカードに加えて、当該インサートカードを含むパッケージングシステムが説明され、開示され、そして特許請求される。代表的システムは(本出願人によって提出された先行出願において開示されるように)本明細書において説明され、開示され、あるいは特許請求されるインサートカードを収容するよう構成されたリリース可能にロック可能なスリーブを備える。さらに、本明細書において説明され、開示され、そして特許請求されるインサートカードを使用する方法が説明される。付加的実施形態としては、ブリスターによってではなく、クリップ、タイ、受けインサート、タブ、ロッキングポスト、テープ、面ファスナー(hook and loop fastener)、リブ、スプリング、その組み合わせなどを含む、その他の固定手段によって、物品がベースパネルに対して保持されるインサートカードが挙げられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
求められるように本発明の具体的な実施形態について説明する。以下で説明する実施形態は、さまざまなおよび代替形態で、ならびにその組み合わせとして具現化できる本発明の代表例に過ぎないことを理解されたい。本明細書で用いているように、「代表的」との用語は、説明、実例、モデルあるいはパターンとして役立つ実施形態を包括的に言及するために用いている。図面は、必ずしも一定の率で拡縮されておらず、しかも特定の構成要素の細部を示すために、ある特徴部は誇張されるか、あるいは最小化されている。他の例では、本発明が理解し難くなるのを避けるために、公知の構成要素、システム、材料あるいは方法については説明していない。したがって、本明細書において説明された特定の構造的および機能的細部は、限定としてではなく、単に、請求項の記載の基礎として、および本発明をさまざまな形で利用するための当業者に対する教示の典型的な基礎として解釈すべきである。
【0015】
限定あるいは制限ではなく開示説明のために、本発明の図示する実施形態は、タブレット、ピルなどの形態の薬物のような製薬関連品を例に挙げる。だが本発明は、図示する実施形態と関連付けられた製薬関連品に限定されるものではなく、小さいか、傷付きやすいか、敏感であるか、あるいは持ち運び可能である、いかなる物品に対しても応用できる。したがって本発明は、リリース可能にロック可能な容器内に保持しかつ貯蔵すること、そして規制された様式で供出することをユーザーが欲するであろう、小さくかつ持ち運び可能な物品の全てと共に使用可能である。さらに本発明は、図示する実施形態と関連付けられたブリスターパックに限定されるものではなく、あらゆる物品が保持され、貯蔵され、取り付けられ、固定され、あるいはそれ以外の方法で物品と関連付けられる、いかなるトレイ、カード、ラック、パック、パウチなどにも応用できる。
【0016】
ここで図1を参照すると、スライドカード100の代表的実施形態が示されている。スライドカード100は、主として、(本出願人によって提出された先行出願あるいは特許の一つ以上に開示されているように)リリースできるようにロック可能なスリーブと共に使用されるものであり、ベースパネル110とロッキングパネル115とを備える。ロッキングパネル115は係合縁部118を備える。ベースパネル110は、ヒンジ120によって、ロッキングパネル115に連結されている。ベースパネル110は、物品を収容するための成形された空隙すなわちブリスター125を有する。代表的実施形態では、ブリスター125はベースパネル110と一体に形成されており、そしてシール(たとえばフォイルあるいは紙製基体)が、各ブリスター125内の物品を密封するために、ベースパネル110に対して取り付けられる。物品は、こうして、公知の手法で取り出されるまで、ブリスター125内の適所で保持される。
【0017】
スライドカード100は、紙あるいはプラスチックを含む、いかなる素材からでも構成でき、熱成形あるいはダイプレスを含む製造プロセスによって形成できる。ヒンジ120は、折り曲げライン、切り込みライン、切断ライン、穿孔ラインあるいはその組み合わせなどを形成することによって、あらゆる形態で形成可能である。ロッキングパネル115は、スリーブのロッキング要素と係合でき、そしてこれによってスリーブからのスライドカード100の不要な取り出しを阻止できるように、ヒンジ120を中心として回動可能である。図1に示す実施形態では、スライドカード100は、薬剤を保持するために使用される熱成形プラスチック・ブリスターカードである。
【0018】
図2〜図4に示す代表的実施形態において、スライドカード200,300,500はそれぞれ並列ロッキングパネル215,315,515を備える。スライドカード200のロッキングパネル215はそれぞれヒンジ220によって形成されており、そして切断ライン230によって互いに切り離されている。同様に、ロッキングパネル315はヒンジ320によって形成されており、そして切欠き330によって互いに切り離されている。切欠きはまたスロットと呼ばれる。図示するロッキングパネル515は三角形状であり、そしてそれぞれのヒンジ520に沿ってベースパネル510に対して連結されている。代替実施形態においては、その他の形状およびさらなる数のロッキングパネルを設けることができる。
【0019】
各スライドカード200,300,500のロッキングパネル215,315,515のそれぞれは、互いに独立したものである。このため、ロッキングパネルのそれぞれは、関連するスリーブの各ロッキング要素と独立的に係合する。したがって、スリーブからスライドカードをリリースするために、一つ以上のリリース機構を、そのそれぞれのロッキング要素からロッキングパネルをリリースするために使用することが考えられる。たとえば、ロッキングパネルのそれぞれを実質的に同時にリリースする単一のリリース機構を使用できる。これに代えて、ロッキングパネルのそれぞれが、それ自身のリリース機構を有していてもよい。スリーブからスライドカードをリリースするために実質的に同時に作動させる必要があるリリース機構の数が増加するにつれて、スリーブからスライドカードをリリースするのが、ますます困難になる。したがって、スライドカードをリリースするのに必要なリリース機構の数を増やすことで、パッケージのチャイルドプルーフ性が改善される。
【0020】
本明細書に開示されたスライドカードは、少なくとも一つのリブ235,335,535を有することができる。本明細書に開示されるように、リブは、ベースパネルあるいはロッキングパネルあるいはその両方の表面である平面から延在する突出部材である。リブは、いずれかの方向に、すなわちパネルの表面に対して上方または下方に、あるいはその両方に延在できる。リブまたはリブの一部は、これに限定されるわけではないが、ベースパネルの一部にバリアを提供すること(たとえば、ベースパネル上に載置された物品の周りにバリアを形成すること)、直角に加えられる力の作用(たとえば、押し潰しあるいは噛み付き)に抗するためのバリアを提供すること、ベースパネルまたはロッキング部材の把持を容易にするための把持構造体として機能すること、そしてベースパネルまたはロッキングパネルの、あるいはその両方の変形に抗する構造的補強材として機能すること、といった、さまざまな目的のために機能し得る。
【0021】
スライドカードのある実施形態は、少なくとも一つのリブを備える。本明細書に開示されるリブの他の利点は、スライドカードの剛性向上である。リブは、スライドカードに熱成形あるいは加圧成形することが可能であり、あるいはスライドカードに対して別体的に取り付けられてもよい。図2および図3を参照すると、U形リブ235,335は、それぞれベースパネル210,310の周縁を取り囲むように延在している。
【0022】
ここで図4を参照すると、縁部に沿って、かつ、ベースパネル510の実質的中心に沿って長手方向に延在するT形リブ535の形態の代替実施形態が示されている。スライドカード500はさらに、それぞれのロッキングパネル515と実質的に整列し、かつ、リブ535の長手方向部分からオフセットした長尺なリブ536を備える。図5を参照すると、L形リブ735がベースパネル710の周縁の一部を取り囲むように延在している。スライドカード700はさらに、ベースパネル710の一部に剛性を付与するために長手方向リブ736を備えるが、これはリブ735からオフセットしている。代替実施形態(図示せず)は、それぞれベースパネルおよびロッキングパネルの領域の剛性を増大させる一連のあるいはあるパターンのリブを備えるスライドカードを提供する。
【0023】
リブは、本明細書で説明した位置、形状、配列あるいはパターンに限定されるものではないことに留意されたい。むしろ、リブの位置、形状、配列あるいはパターンは、ブリスターおよびその他の特徴部の配置に対応し、かつ、他の有益な特性を付与するべく、スライドカードの剛性を高めるために決定される。熱成形されるスライドカードに関して、ある程度の剛性は、成形後にスライドカードがカールしたり、ねじれたりするのを阻止あるいは抑止するために有用である。リブは、本明細書において説明したような、所望のブリスターレイアウトあるいは形態に適合するよう配置できる。したがってリブの位置は、スライドカードの他の要素と干渉したり、あるいはそれを妨害したりすることなく、剛性あるいは他の特性をもたらすよう調整可能である。
【0024】
リブは、有益な機能を提供するために、効果を十分配慮して配置できる。具体的には、リブは、たとえば、このリブが、ブリスター内の物品にアクセスするためにカードを咬み込むのを阻止するよう、チャイルドプルーフ特性を提供するように配置できる。各リブの位置は、スライドカードがスリーブすなわち外部カートンと組み合わせて使用される場合に、さらなる機能上の利益をもたらし得る。たとえば、リブをスライドカードの端部(これはスリーブの開口端部に対応する)に配置することによって、スリーブの開口端部に、端部クロージャが付与される。これによって、スライドカードがスリーブ内に収容された際に、リブによって、スライドカードおよびそれに包含された物品が、ダスト、害虫および意図しないアクセスから保護されるようになる。本明細書に示す実施形態では、スリーブの開口端部に対応するスライドカードの端部は、ロッキングパネルと逆側の端部である。
【0025】
ある実施形態では、スライドカード100は、本出願人によってなされた先行出願において開示されたとおり、キャッチフラップを含むスリーブ内に収められるよう構成される。キャッチフラップはスリーブの開口端部に配置されており、スライドカードがスリーブから引き出されるとき、スライドカードの折り込まれたロッキングパネル115,215,315,515はキャッチフラップと係合し、これによってスライドカードがスリーブから完全に取り出されるのが阻止されるようになっている。そこからブリスターが突出するスライドカードの面が、キャッチフラップが折り曲げ可能に連結されるスリーブの壁に隣接するように、スライドカードがスリーブ内に挿入される場合、ブリスターは、故意にではなく、スライドカードの取り出しを妨げるであろう。さらに詳しく言うと、キャッチフラップはブリスターの一つ以上と係合し、スライドカードをスリーブから取り出すのを妨げるであろう。この場合、リブ235,335,535,735は、スライドカードがスリーブから取り出されるとき、ブリスターがキャッチフラップと係合するのを阻止するために、ブリッジとして、あるいはレールとして機能するように、スライドカードの長さにわたって延在している。ここでさらに(ただし必須ではないが)、リブのレール部はブリスターの高さ以上の高さを有し、これによってキャッチフラップはレールに沿ってスライドでき、そしてブリスターと係合し得ないようになっている。レールの、そしてブリスターの高さは、ベースパネル210,310,510,710に関して関係付けられる。
【0026】
図6および図7に示すように、スライドカード1100,1300のある実施形態はそれぞれ、ベースパネル1100,1310の端部に配置された突出グリップ1140,1340を備える。突出グリップ1140,1340は、リブ1135,1335と同様にして形成できる。突出グリップ1140,1340のサイズおよび形状は、人間工学的な効率を考えた設計的決定事項であり、突出グリップ1140,1340は意図されたユーザーによるアクセスを容易なものとする。たとえば、スライドカード1100,1300はユーザーの親指と他の指とで捕らえることができるが、ここで、ユーザーの親指は凸面に接触し、そしてユーザーの他の指は逆側の凹面に接触する。図6および図7に示す実施形態では、突出グリップ1140,1340はリブ1135,1335と一体である。だが代替実施形態では、突出グリップ1140,1340はリブ1135,1335から分離あるいはオフセットされてもよく、あるいはリブ1135,1335は省略することもできる。
【0027】
図8および図9を参照すると、システムのスリーブあるいはシェル(図示せず)のロッキング機構の一部を形成する開口あるいはパネルと係合するスライドカード1500のロッキングパネル1515の機能は、ベースパネル1510に対して実質的に平行な状態でなくなるようにロッキングパネル1515を付勢することによって高められる。抗折り曲げ特性は、この目的のために役立つ。ヒンジ1520は、ロッキングパネル1515を付勢するための抗折り曲げ機構として機能する。ヒンジ1520における付勢の程度は、ヒンジ1520の厚みを変えること、あるいはさもなければヒンジ1520を形成するラインが曲げを可能とするために弱められる程度を変えることを含む、付加的製造技術によって制御可能である。
【0028】
スライドカード1500のベースおよびロッキングパネル1510,1515はさらに抗折り曲げ当接部1545,1550を備えるが、これらは、ロッキングパネル1515とベースパネル1510とが実質的に平行な状態となるのを、あるいは互いに面接触状態となるのを阻止する。ロッキングパネル1515あるいはベースパネル1510の一つの抗折り曲げ当接部は、抗折り曲げ機構あるいは要素として機能するのに十分なものであるが、一つ以上の抗折り曲げ当接部をパネル1510,1515の一方または両方において使用可能である。それぞれのベースパネル1510およびロッキングパネル1515において対向する抗折り曲げ当接部1545,1550を使用することで、所望の折り曲げ抵抗を依然として実現しながら、各抗折り曲げ当接部1545,1550の高さを最小化できるという利益が得られる。各当接部は、さまざまな形態をとることができるが、形押し当接部は、好適な基体、特に、プラスチック、紙、あるいはその組み合わせ、あるいはその他の好適な素材からなる基体に容易に形成できる。
【0029】
図示する抗折り曲げ当接部1545,1550はヒンジ1520の近傍に存在する。さらに詳しく言うと、抗折り曲げ当接部1545はベースパネル1510上に配置され、かつ、抗折り曲げ当接部1550はロッキングパネル1515上に配置されており、これによって、ロッキングパネル1515がヒンジ1520に沿って折り曲げられたとき、抗折り曲げ当接部1545,1550は互いに当接して、ヒンジ1520に対してサポートを提供するか、あるいはさもなければ、ロッキングパネル1515の適切なロッキング角度を維持する。代表的実施形態では、抗折り曲げ当接部1545は、バブル(bubble)に似た形状を有し、あるいはさもなければ、実質的に半円形断面を有する。抗折り曲げ当接部1550は実質的に矩形断面を有する。代替実施形態においては、抗折り曲げ当接部は、ロッキングパネルおよびヒンジの支持を容易なものとする、いかなるサイズおよび形状を備えていてもよいことに留意されたい。
【0030】
図8に示す抗折り曲げ当接部1550は、係合縁部1518に隣接した湾曲縁部Eを備える。抗折り曲げ当接部1550の縁部Eは、ロッキングパネル1515が係合縁部1525に沿って座屈するのに抗するよう湾曲している。さらに、抗折り曲げ当接部1550は、抗折り曲げ当接部1545上での撓みに抗するために、ロッキングパネル1515の剛性を増大させる。言い換えれば、ロッキングパネル1515は、抗折り曲げ当接部1550のサポートが終了する縁部Eにおいて折れる傾向がある。湾曲縁部Eの曲率はまた、直線に沿ってロッキングパネル1515が折れる傾向に抗し、したがって望ましくない倒れが生じる可能性に抗する。ここで図9を参照すると、スライドカード1500を側方から見た状態が示されている。ロッキングパネル1515は、ベースパネル1510に対して、ロッキング状態を形成するのを助けるためにそれがスリーブすなわちシェルの一つ以上のロッキング要素と係合できるポジションまで、ヒンジ1520を中心として、ある程度回動した状態で示されている。
【0031】
ここで、図10を参照すると、スライドカード1700は、境界の縦方向および横方向ラインによって画定された中央バー1755を備える。境界の横方向ライン1762は、切り離し(tear-away)ユニット1765を形成するために、境界の縦方向ライン1760から延在している。各切り離しユニット1765は、ベースパネル1710の一部から形成されており、かつ、ブリスター1725を有している。ユニット1765がベースパネル1710から切り離されたとき、中央バー1755によって、スリーブ内のスライドカード1700に引き続きアクセスし、そしてそれを使用することが可能となる。代表的実施形態では、中央バー1755はベースパネル1710の中央に配置される。だが、代替実施形態では、バーは、いかなる好適な位置にでも配置できる。たとえば、バーは、スライドカード1700の縦方向縁部に隣接して配置できる。
【0032】
図11〜図13を参照すると、折り重ねパネルを備えるスライドカードの実施形態が示されている。図11を先ず参照すると、スライドカード1900は折り重ねパネル1970を備えている。折り重ねパネル1970は、ヒンジパネル1975によって、ベースパネル1910に対して連結されている。さらに詳しく言うと、ヒンジパネル1975は、折り曲げラインFに沿って、パネル1910,1970に対して折り曲げ可能に連結されている。この実施形態では、ヒンジパネル1975は開口Pを有する。開口Pは、ヒンジパネル1975における応力を低減する。ヒンジを一つ以上の開口によって形成すると共に折り曲げラインFを省略することも考えられる。開口Pは、ベースパネルと折り重ねパネルとの間のスライドカードの一部分における応力を低減するのを促進する、いかなる好適なサイズおよび形状であってもよい。さらに、開口Pを省略し、かつ、ヒンジパネルを画定するためにスライドカードを横切って折り曲げラインを延在させることも考えられる。代替実施形態では、成形ヒンジあるいは軽度な折り目を、ヒンジとして使用することも考えられる。
【0033】
図12および図12aを参照すると、スライドカード2000は、ヒンジパネル2075によってベースパネル2010に連結された折り重ねパネル2070を備える。さらに詳しく言うと、ヒンジパネルは、折り曲げラインFに沿って、パネル2010,2070に対して連結されている。ベースパネル2010および折り重ねパネル2070はそれぞれ、U形リブ2035a,2035bを備える。U形リブ2035a,2035bは、互いに対応しており、これによって、折り重ねパネル2070がベースパネル2010と実質的に平行となるように折り込まれたとき、ベースパネル2010上のリブ2035aは、折り重ねパネル2070上のリブ2035bと整列し、かつ、それと当接状態となる。さらに詳しく言うと、リブ2035a,2035bは形状に関して実質的に類似しており、しかもヒンジパネル2075を中心として実質的に対称的に配置される。図12aに示すように、リブ2035a,2035bは、上述した折り畳み配置状態でスライドカード2000が維持されるように係合するよう構成できる。リブ2035a,2035bの構造は図12aに示すものに限定されるわけではなく、折り畳み配置状態の維持を容易なものとする、いかなる相応の断面を有していてもよい。たとえば、断面は凸部および凹部の組み合わせであってもよく、あるいは断面のそれぞれは共通の斜面によって形成されてもよい。さらに他の実施形態では、リブの一方のセットは、他のセットを受けるために、より幅広でかつより長尺である。こうした形態では、リブは重ね合わせられ、かつ、折り込まれたパネルは、より薄い断面を呈する。
【0034】
図13を参照すると、スライドカード2300は、ヒンジパネル2375a,2375bによってそれぞれ、ベースパネル210に対して連結された複数の折り重ねパネル2370a,2370bを備える。さらに詳しく言うと、ヒンジパネル2375a,2375bは、ベースパネル2310に対して、そしてそれぞれの折り重ねパネル2370a,2370bに対して、折り曲げラインFに沿って連結されている。代表的実施形態では、ヒンジパネル2375bはヒンジパネル2375aよりも幅広であり、これによって、上述したように、折り重ねパネル2370aはベースパネル2310上に折り込むことができ、そして折り重ねパネル2370bは、続いて、折り重ねパネル2370aの上に折り込むことができる。こうして、折り重ねパネル2370aのリブ2335aはベースパネル2010のリブ2335cと接触状態となり、かつ、折り重ねパネル2370bのリブ2335bは折り重ねパネル2370aの外面と接触状態となる。
【0035】
本発明の代替実施形態は、剥離可能な裏当て(図示せず)を有するスライドカードを備える。剥離可能な裏当ては、物品の取り出しを容易なものとし、しかもフォイルあるいはフォイルおよびティッシュあるいはクラフト紙の組み合わせを含んでいてもよい。破断可能なライン、たとえば穿孔ライン、切断ラインあるいは切り込みラインが、ブリスター内の物品を露出させるために剥離可能なタブを形成するために、剥離可能な裏当てに付与される。この実施形態では、剥離開始領域はスライドカードの縁部すなわち周縁に沿って配置される。さらにチャイルドプルーフ性に優れた剥離裏当てが望まれる代替実施形態においては、剥離開始領域はスライドカードの中央付近に配置される。有利なことを言えば、スライドカードは、タブが剥ぎ取られる前あるいは後に、スライドカードを把持するために係合可能な固定体部材を備える。図10に示すように、剥離可能な裏当てを代替実施形態に組み込むことができることに留意されたい。この場合、中央バー1755は、事実上、固定体部材であり、そして切り離しユニット1765が切り離されたとき、小さな屈曲した切断ラインは剥離可能な裏当ての剥離開始位置を画定する。
【0036】
本発明の全ての可能な実施形態を図示説明することを法は求めておらず、しかもそれは経済的に困難である。したがって上記実施形態は、本発明の原理の明確な理解のために述べた具現化の単なる例証的説明である。本発明の範囲から逸脱することなく、上記実施形態を、さまざまに変形させたり、変更したり、組み合わせたりすることが可能である。全てのそうした変形例、変更例および組み合わせは、本開示および本発明の範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に基づく、スライドカードの代表的実施形態の斜視図である。
【図2】本発明に基づく、スライドカードの代表的実施形態の平面図である。
【図3】本発明に基づく、スライドカードの代表的実施形態の平面図である。
【図4】本発明に基づく、スライドカードの代表的実施形態の平面図である。
【図5】本発明に基づく、スライドカードの代表的実施形態の平面図である。
【図6】本発明に基づく、スライドカードの代表的実施形態の平面図である。
【図7】本発明に基づく、スライドカードの代表的実施形態の平面図である。
【図8】本発明に基づく、スライドカードの代表的実施形態の平面図である。
【図9】図8の代表的スライドカードの側面図である。
【図10】本発明に基づく、スライドカードの代表的実施形態の平面図である。
【図11】本発明に基づく、スライドカードの代表的実施形態の平面図である。
【図12】本発明に基づく、スライドカードの代表的実施形態の平面図である。
【図12a】図12の、代表的な折り畳まれたカードのリブの側断面図である。
【図13】本発明に基づく、スライドカードの代表的実施形態の平面図である。
【符号の説明】
【0038】
100,200,300,500,700 スライドカード
110,210,310,510,710 ベースパネル
115,215,315,515 ロッキングパネル
118 係合縁部
120,220,320,520 ヒンジ
125 ブリスター
230 切断ライン
235,335,535,536,735,736 リブ
330 切欠き
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インサートカードであって、
対向する端部によって離間させられた対向する縁部によって画定された一体的に形成されたベースパネル(110)と、
前記縁部および端部の一つの少なくとも一部に沿って、前記ベースパネルに対して、折り曲げ可能に連結(220)された、少なくとも一つの係合縁部(118)を備える少なくとも一つのロッキングパネル(115)と、
前記ベースパネルにブリスター開口の周縁を画定するために、前記ベースパネルに一体的に形成された少なくとも一つのブリスター(125)であって、前記ブリスター開口を経て物品を受け入れるよう構成された少なくとも一つのブリスター(125)と、
を具備してなることを特徴とするインサートカード。
【請求項2】
少なくとも一つの前記ブリスター開口上のシールをさらに具備してなることを特徴とする請求項1に記載のインサートカード。
【請求項3】
前記ベースパネルから延在する少なくとも一つのリブ(235,535,536,735,736,1335,1545)をさらに具備してなることを特徴とする請求項1に記載のインサートカード。
【請求項4】
少なくとも一つのリブの少なくとも一部が前記ベースパネルの周縁近傍に配置されていることを特徴とする請求項3に記載のインサートカード。
【請求項5】
前記ベースパネルおよび前記少なくとも一つのロッキングパネルの少なくとも一つは、前記パネル間の面接触関係を阻止するよう構成されたリブおよび当接部(1545,1550)の少なくとも一つを備えることを特徴とする請求項1に記載のインサートカード。
【請求項6】
前記当接部の周縁の少なくとも一部は湾曲セクション(E)を備えることを特徴とする請求項5に記載のインサートカード。
【請求項7】
前記ベースパネルはさらに、延在グリップ部(1140,1340)を備えることを特徴とする請求項1に記載のインサートカード。
【請求項8】
前記ロッキングパネルは、前記ベースパネルから分離可能となっていることを特徴とする請求項3に記載のインサートカード。
【請求項9】
前記ブリスターは、中央バー(1755)を形成するために分離可能となっていることを特徴とする請求項2に記載のインサートカード。
【請求項10】
前記ロッキングパネルは前記ベースパネルから分離可能となっていることを特徴とする請求項9に記載のインサートカード。
【請求項11】
少なくとも一つの折り曲げ可能に連結された折り重ねカード(1970,2070,2370)をさらに具備してなることを特徴とする請求項3に記載のインサートカード。
【請求項12】
前記折り重ねカードから延在する少なくとも一つのリブ(2035)をさらに具備してなることを特徴とする請求項11に記載のインサートカード。
【請求項13】
パッケージングシステムであって、
インサートカードを収容するよう構成された、リリース可能にロック可能なスリーブと、
前記インサートカードと、を具備してなり、
前記インサートカードは、
対向する端部によって離間させられた対向する縁部によって画定された一体的に形成されたベースパネル(110)と、
前記縁部および端部の一方の少なくとも一部に沿って、前記ベースパネルに対して、折り曲げ可能に連結(220)された少なくとも一つの係合縁部(118)を備える、少なくとも一つのロッキングパネル(115)と、
前記ベースパネルにブリスター開口の周縁を画定するために、前記ベースパネルに一体的に形成された少なくとも一つのブリスター(125)であって、前記ブリスター開口を経て物品を受け入れるよう構成された少なくとも一つのブリスター(125)と、
を具備してなることを特徴とするパッケージングシステム。
【請求項14】
少なくとも一つの前記ブリスター開口上のシールをさらに具備してなることを特徴とする請求項1に記載のインサートカード。
【請求項15】
前記ベースパネルから延在する少なくとも一つのリブ(235,535,536,735,736,1335,1545)をさらに具備してなることを特徴とする請求項1に記載のインサートカード。
【請求項16】
前記ブリスターは、中央バー(1755)を形成するために分離可能となっていることを特徴とする請求項2に記載のインサートカード。
【請求項17】
少なくとも一つの折り曲げ可能に連結された折り重ねカード(1970,2070,2370)をさらに具備してなることを特徴とする請求項3に記載のインサートカード。
【請求項18】
前記折り重ねカードから延在する少なくとも一つのリブ(2035)をさらに具備してなることを特徴とする請求項11に記載のインサートカード。
【請求項1】
インサートカードであって、
対向する端部によって離間させられた対向する縁部によって画定された一体的に形成されたベースパネル(110)と、
前記縁部および端部の一つの少なくとも一部に沿って、前記ベースパネルに対して、折り曲げ可能に連結(220)された、少なくとも一つの係合縁部(118)を備える少なくとも一つのロッキングパネル(115)と、
前記ベースパネルにブリスター開口の周縁を画定するために、前記ベースパネルに一体的に形成された少なくとも一つのブリスター(125)であって、前記ブリスター開口を経て物品を受け入れるよう構成された少なくとも一つのブリスター(125)と、
を具備してなることを特徴とするインサートカード。
【請求項2】
少なくとも一つの前記ブリスター開口上のシールをさらに具備してなることを特徴とする請求項1に記載のインサートカード。
【請求項3】
前記ベースパネルから延在する少なくとも一つのリブ(235,535,536,735,736,1335,1545)をさらに具備してなることを特徴とする請求項1に記載のインサートカード。
【請求項4】
少なくとも一つのリブの少なくとも一部が前記ベースパネルの周縁近傍に配置されていることを特徴とする請求項3に記載のインサートカード。
【請求項5】
前記ベースパネルおよび前記少なくとも一つのロッキングパネルの少なくとも一つは、前記パネル間の面接触関係を阻止するよう構成されたリブおよび当接部(1545,1550)の少なくとも一つを備えることを特徴とする請求項1に記載のインサートカード。
【請求項6】
前記当接部の周縁の少なくとも一部は湾曲セクション(E)を備えることを特徴とする請求項5に記載のインサートカード。
【請求項7】
前記ベースパネルはさらに、延在グリップ部(1140,1340)を備えることを特徴とする請求項1に記載のインサートカード。
【請求項8】
前記ロッキングパネルは、前記ベースパネルから分離可能となっていることを特徴とする請求項3に記載のインサートカード。
【請求項9】
前記ブリスターは、中央バー(1755)を形成するために分離可能となっていることを特徴とする請求項2に記載のインサートカード。
【請求項10】
前記ロッキングパネルは前記ベースパネルから分離可能となっていることを特徴とする請求項9に記載のインサートカード。
【請求項11】
少なくとも一つの折り曲げ可能に連結された折り重ねカード(1970,2070,2370)をさらに具備してなることを特徴とする請求項3に記載のインサートカード。
【請求項12】
前記折り重ねカードから延在する少なくとも一つのリブ(2035)をさらに具備してなることを特徴とする請求項11に記載のインサートカード。
【請求項13】
パッケージングシステムであって、
インサートカードを収容するよう構成された、リリース可能にロック可能なスリーブと、
前記インサートカードと、を具備してなり、
前記インサートカードは、
対向する端部によって離間させられた対向する縁部によって画定された一体的に形成されたベースパネル(110)と、
前記縁部および端部の一方の少なくとも一部に沿って、前記ベースパネルに対して、折り曲げ可能に連結(220)された少なくとも一つの係合縁部(118)を備える、少なくとも一つのロッキングパネル(115)と、
前記ベースパネルにブリスター開口の周縁を画定するために、前記ベースパネルに一体的に形成された少なくとも一つのブリスター(125)であって、前記ブリスター開口を経て物品を受け入れるよう構成された少なくとも一つのブリスター(125)と、
を具備してなることを特徴とするパッケージングシステム。
【請求項14】
少なくとも一つの前記ブリスター開口上のシールをさらに具備してなることを特徴とする請求項1に記載のインサートカード。
【請求項15】
前記ベースパネルから延在する少なくとも一つのリブ(235,535,536,735,736,1335,1545)をさらに具備してなることを特徴とする請求項1に記載のインサートカード。
【請求項16】
前記ブリスターは、中央バー(1755)を形成するために分離可能となっていることを特徴とする請求項2に記載のインサートカード。
【請求項17】
少なくとも一つの折り曲げ可能に連結された折り重ねカード(1970,2070,2370)をさらに具備してなることを特徴とする請求項3に記載のインサートカード。
【請求項18】
前記折り重ねカードから延在する少なくとも一つのリブ(2035)をさらに具備してなることを特徴とする請求項11に記載のインサートカード。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図12a】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図12a】
【図13】
【公表番号】特表2009−538785(P2009−538785A)
【公表日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−512325(P2009−512325)
【出願日】平成19年5月25日(2007.5.25)
【国際出願番号】PCT/US2007/069786
【国際公開番号】WO2007/140328
【国際公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(504376810)ミードウエストベコ・コーポレーション (55)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月25日(2007.5.25)
【国際出願番号】PCT/US2007/069786
【国際公開番号】WO2007/140328
【国際公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(504376810)ミードウエストベコ・コーポレーション (55)
【Fターム(参考)】
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