説明

スリーブ体の周囲表面を被覆するための装置

放射線硬化性被覆配合物(24)でスリーブ体(13)の周囲表面を被覆するための被覆装置であって、前記被覆装置は、被覆軸(10)と共軸の垂直位置に前記スリーブ体(13)を支持するための垂直支持柱体(1)と、前記垂直支持柱体(1)に沿ってスライド可能なキャリジ(5,29)、及び前記キャリジ(5,29)上で装着可能でかつそれと移動可能である環状被覆カラー(21)を含む被覆ステージ(11)とを含み、前記環状被覆カラー(21)は、前記被覆配合物(24)を含有するためのものであり、かつ前記垂直支持柱体(1)に沿って前記キャリジ(5,29)のスライド可能な運動時に前記スリーブ体(13)の前記周囲表面上に前記被覆配合物(24)の層を被覆するためのものであり、前記環状被覆カラー(21)は前記被覆軸(10)と共軸に位置され、被覆装置は、前記周囲表面上に前記被覆配合物(24)の層を少なくとも部分的に硬化するために放射線を与えるための、前記環状被覆ステージ(11)と移動可能である照射ステージ(12,52)をさらに含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被覆配合物の単一又は多数の均一層でスリーブ体を被覆するための装置及び方法に関する。特に、本発明は、照射ステージが被覆ステージと移動可能である被覆装置及び被覆方法に関する。照射ステージは、被覆ステージによって適用される被覆層を少なくとも部分的に硬化する。
【背景技術】
【0002】
フレキソ印刷は今日、印刷のための最も重要な方法の一つである。それは多量の印刷のために一般に使用される方法である。フレキソ印刷は、紙、板紙原料、段ボール、フィルム、ホイル及びラミネートのような様々な支持体上に印刷するために使用される。ホイル包装及びレジ袋は顕著な例である。粗い表面及び延伸フィルムはフレキソ印刷によってのみ経済的に印刷されることができ、それは実際、フレキソ印刷を包装材料の印刷のために極めて適切なものにする。それは、レリーフに印刷像を担持するゴム版印刷版又は可撓性の感光性ポリマー版を使用する。フレキソ印刷のためのインク送出システムは「アニロックス(anilox)」彫刻転写ロールによって達成される。
【0003】
類似のフレキソ印刷版は、支持体上に感光性層を含む印刷版プリカーサから作られる。感光性層はエチレン不飽和モノマー又はオリゴマー、光開始剤及び弾性結合剤を含む。支持体はPET又は薄い金属版のようなポリマーホイルであることが好ましい。紫外及び/又は可視放射線に対する露光による感光性層の像に従った架橋はネガ作用印刷版プリカーサを与え、それは好適な現像液での現像(水性、溶剤又は熱現像)の後にフレキソ印刷のために使用されることができる印刷レリーフを残す。
【0004】
紫外及び/又は可視放射線での印刷版プリカーサの感光性層の像形成は一般的には、透明及び不透明の領域を有するマスクを通して実施される。架橋はマスクの透明領域の下の感光性層の領域で行なわれるが、マスクの不透明領域の下の感光性層の領域で起こらない。マスクは通常、所望の印刷像の写真ネガである。上記工程に従って作るフレキソ印刷版は、マスクの製造が時間を消費すること、及び環境温度又は湿度を変化させたときのこれらのマスクの寸法安定性が高品質印刷及び色の整合性に対して不満があるという欠点を持つ。さらに、フレキソ印刷版の製造における別個のマスクの使用は追加の消耗品及び薬品を意味し、それは製造工程の経済性及び環境的側面に対して負の影響を持ち、マスクを作るために必要とされる追加の時間よりずっと大きな関心事である。実際、ほとんどの場合において、版露光及び版現像はマスク製造より多く時間を消費することが判明している。
【0005】
別個のフィルムマスクの製造を除去する、印刷版プリカーサのレーザ記録を使用する直接デジタル像形成は、印刷産業においてますます重要になりつつある。フレキソ印刷版は、例えば薄い不透明IR感受性層をフレキソ印刷版の光重合可能な層に与えることによってレーザ感受性にされる。かかる版はときどき「デジタルフレキソ版」と称される。かかるIR除去層の厚さは通常、数μmにすぎない。IR除去層はIRレーザを使用して像に従って彫られる。即ち、レーザビームが入射する部分が切除(即ち、除去)される。実際の印刷レリーフは通常の方法で製造される:架橋誘発光に対して像に従って不透明である、製造されたマスクを通して化学光(UV、可視)で露光が実施され、レリーフ層は選択的に架橋される。現像は有機溶剤、水又は熱で実施されることができ、異なる現像工程を使用して一回ずつ又は一回の現像工程を使用して同時に、レリーフ形成層の未露光部分からの感光性材料及びIR除去層の残留物を除去する。この方法は前述の方法の場合のように現像工程をなお要求し、従ってフレキソ印刷版を製造するための効率の改良が制限される。
【0006】
フレキソ印刷版の製造のための直接レーザ彫刻技術では、印刷のために好適なレリーフはこの目的のために好適な層に直接彫刻される。レーザ放射線の作用によって、層成分又はそれらの分解物は熱いガス、蒸気、煙、小滴又は小粒子の形で除去され、非印刷くぼみが生成される。レーザによるゴムの印刷シリンダの彫刻は1960年の後期以来知られている。しかしながら、この技術は改良されたレーザシステムの進歩で近年においてのみ幅広い商業的関心を獲得した。レーザシステムの改良は、レーザビームの合焦能力の向上、より高い出力、多数のレーザビーム又はレーザ源の組み合わせ及びコンピュータ制御ビーム案内を含む。実際の彫刻システムは効果的なガス及び破片屑の収集システムを含む。直接レーザ彫刻はフレキソ印刷版の従来の製造方法に対して幾つかの利点を持つ。写真ネガマスクの作成又は印刷版の現像及び乾燥のような多数の時間を消費する方法工程を不要にすることができる。さらに、個々のレリーフ要素の側壁形状はレーザ彫刻技術において個々に設計されることができる。
【0007】
光重合印刷要素は一般的に、「平坦な」シート形態で使用されるが、ゴム又はポリマースリーブとして連続円筒形態で印刷要素を使用することに対して特別な用途と利点がある。連続的な印刷形態は改良された整合精度及び印刷時の低い経時的変化を与える。さらに、かかる連続印刷形態はレーザ露光装置上への装着のために良く適しており、そこではそれはドラムを置換することができるか又はレーザによる露光のためにドラム上に装着されることができる。連続印刷形態は壁紙、装飾物、ギフト包装紙及び包装の如き連続的なデザインのフレキソ印刷において用途を持つ。スリーブは、プラスチック又は金属シリンダ上に弾性層を被覆、鋳型鋳造し、又はプラスチック又は金属シリンダのまわりにゴムリボンを巻き、続いて加硫、研磨工程によって作られる。好ましい形態は継目のない形態である。代替例として、まず弾性層を平坦な支持体上に適用し、次いでそれをキャリア上に曲げて結合する(BASFからのNyloflex(登録商標)Infinity Technology参照)。
【0008】
2004年にドイツで開催された印刷メディアフェアーDRUPAにおいて、旭化成はデジタル彫刻のためのエンドレス感光性重合体スリーブの製造のためのAdlessデジタル彫刻技術の原型を示した。それは、液体感光性重合体材料が短時間でスリーブ/シリンダ上に連続的に被覆されることを可能にする。技術の作用原理は旭化成の公開された特許出願JP 2003−241397に開示されている。Adlessシステムは、スリーブ芯上に感光性重合体被覆を適用するための水平方向の被覆ステージに基づく。スリーブ芯の周囲表面と被覆ステージの間の間隙はスリーブ芯を回転している間に徐々に増加され、適用された感光性重合体被覆層の厚さを増大する。被覆後、被覆された材料は光重合又は光架橋を通して硬化される。硬化された感光性重合体層を研磨する後硬化工程は、フレキソ印刷スリーブとして好適なスリーブを作るために感光性重合体層に均一性などの必要な表面特性を与えることが要求される。後硬化工程は、被覆工程を停止するときに被覆ステージがスリーブから引っ込められる位置の重合体膨張部の存在及び被覆工程の感光性重合体の不均一性のために要求される。研磨の必要性はAdlessシステムの欠点である。被覆システムの水平方向の位置を見ると、大きな床面積が要求され、それもまた欠点である。
【0009】
キャノンの特許出願公開JP 55−106567は、硬化ペイントをドラム上に均一に被覆し、低い硬化エネルギーを与えることによってペイントをドラム上に固定し、さらに高い硬化エネルギーを与えることによって固定されたペイントをドラム上に硬化するための垂直方向の被覆方法及び装置を開示する。低い及び高い硬化エネルギーを与えるための被覆容器及び装置は固定して装着されている。被覆されるべきドラムは、最初にドラムを被覆容器中に垂直方向に浸漬し、続いてドラムを容器から外に持ち上げてドラムを環状低硬化エネルギー装置を過ぎて移動し、次いで垂直方向の高硬化エネルギー装置の前にドラムを位置させるための上昇及び下降機構に取り付けられる。開示された被覆装置は、サイズ(長さ及び直径)の制限されたドラムの被覆のために好適である。なぜならば、(1)ドラムの長さは装置の高さの半分より小さくかつ垂直方向の高硬化エネルギー装置の高さより小さく制限され、(2)ドラムの直径は被覆容器の寸法及び環状低硬化エネルギー装置の直径によって制限されるからである。
【0010】
Stork Brabant B.V.に譲渡されたUS 4130084は、垂直方向に配置された薄壁の穿孔スリーブと共軸に配置されかつ被覆液を含有する環状受け器を有する垂直リングコータを開示する。被覆液の層は、垂直方向に配置されたスリーブに沿った環状受け器の垂直移動時のスリーブの周囲上に適用される。被覆液の層はスリーブの中央部分中に装着フランジを介して与えられた熱エネルギーによって乾燥される。
【0011】
スリーブのタイプ及びサイズに対して高いフレキシビリティを与え、さらに直接レーザ彫刻可能なスリーブのアクセス時間及び製造コストを減らす、研磨の必要性のない直接レーザ彫刻のためのフレキソ印刷スリーブを製造するために好適な、制限された床面積条件を持つ被覆装置に対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0012】
本発明の目的は、広い範囲のスリーブのタイプ及びサイズをサポートし、かつ直接レーザ彫刻可能な材料の単一又は多数の「均一」層を被覆することができる被覆装置を提供することである。用語「均一」は層の表面特性、均一性(evenness)、平滑性、均質性(homogeneity)、被覆配合などに関する。さらに、本発明の目的は、被覆装置に制限された床面積の条件を与えることである。
【0013】
上述の目的は、請求項1に記載の特徴を有する被覆装置及び請求項22に特定された被覆方法を提供することによって実現される。この配置を用いると、大きなサイズのスリーブは許容可能なサイズの装置で被覆されることができ、被覆された層の均一性は、被覆層厚さ、表面均一性、表面均質性及び表面トポロジーを保持するように、被覆直後の層の部分的硬化を通して与えられる。
【0014】
本発明のさらなる有利な実施形態は従属請求項に述べられている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、従来技術から知られた垂直リングコータを示す。
【図2】図2は、環状照射ステージを含む本発明の好ましい実施形態を示す。
【図3】図3は、環状照射ステージの一実施形態の横断面図を示す。
【図4】図4は、環状照射ステージの別の実施形態の横断面図を示す。
【図5】図5は、回転照射ステージを含む本発明の一実施形態を示す。
【図6】図6は、被覆された層を照射するための回転レーザビームを含む本発明の一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
定義&産業上の利用可能性
本発明は、被覆層厚さを数マイクロメートルから数ミリメートルまで変動可能である、スリーブ体上に感光性材料の一つ以上の均一層を被覆するための被覆装置及び方法に関する。本発明に対する一つの用途はスリーブ芯上へのUV硬化性材料の被覆であるので、以下の説明はしばしばスリーブ、UV硬化性被覆配合物、UV−LEDなどに言及して本発明を説明するだろう。しかしながら、本発明はUV光又はUV光硬化技術に制限されないことが理解されるべきである。本発明は、例えば熱重合を通して固化する配合物の被覆のために使用されることができ、その一例はCreo ILのWO 2005/084959に与えられる。一般に、本発明は、いかなる硬化性配合物でも使用されることができ、例えば保護又は機能性表面被覆を必要とするゼログラフィ光電導性ドラム又は他の円筒形物体の上に被覆するための電子線硬化性配合物、赤外又は熱硬化性被覆配合物、可視光硬化性配合物又はマイクロ波硬化性配合物で使用されることができる。なお、放射線は広義に解釈され、輻射線を含む概念である。
【0017】
本発明は、スリーブ芯を垂直位置に位置させ、かつ垂直方向にスリーブ芯に沿って滑らかに移動可能なツールを有するために好適な装置に付け足してもよい。かかる装置の例は、Max Daetwyler Corporation(スイス)、Stork Prints Group(オランダ)等から商業的に入手可能な又は従来技術に記載された垂直リングコータである。それゆえ、本発明の記載はこのタイプの装置の基本的原理を詳述しないだろう。要約すると、図1に示された垂直リングコータは垂直支持柱体1を含んでもよく、それはスリーブ芯8を垂直位置に支持し、被覆キャリジ5を垂直方向にスリーブ芯8に沿って上下するための機構4を含み、電力ケーブルなどの多数のユーティリティを統合するための空間囲いを与える。被覆キャリジ5は、スリーブ芯8上に被覆するための被覆配合物を充填された被覆カラー6を支持する。スリーブ芯8は両端のフランジ又は装着ヘッド9によって垂直位置に装着される。フランジ又は装着ヘッド9自体は垂直支持柱体1上に支持される。フランジ又は装着ヘッド9は、スリーブ芯の周囲表面の滑らかな範囲を与え、それによってスリーブ芯8の被覆を縁まで可能にし、そしてフランジ又は装着ヘッド9の一つで環状被覆カラー6のための封止されたホーム位置を与えるように造形されてもよい。スリーブ芯8は被覆カラー6の上方向又は下方向の移動時に被覆されてもよい。
【0018】
被覆カラー6が被覆工程時に下方へ移動するとき、被覆層は、被覆カラー6に含まれる被覆配合物の表面とスリーブ芯8の周囲表面の間のメニスカスから作られる。一般に、このタイプの浸漬被覆技術で適用される被覆層の厚さは以下の式によって決定される:

式中、dは被覆された層の厚さ(μm)であり、ηは被覆配合物の粘度(mPa.s)であり、νは被覆速度(m.min−1)であり、fは比重(kg/リットル)である。
【0019】
本発明のさらなる記載では、被覆された層の深い硬化、表面硬化、部分硬化、及び完全硬化のような用語はしばしば使用される。この開示では、「深い硬化」は被覆された層の硬化材料の大部分/本体/主要部(bulk/body/mass)の硬化に関するが、「表面硬化」は被覆された層の表面の硬化に関する。被覆された層の深い硬化はまた、表面がある程度硬化される点で被覆された層の表面に影響するが、被覆された層の表面の硬化に焦点が当てられず、被覆された層の大部分に焦点が当てられる。表面硬化では、被覆された層の表面を硬化して被覆された層上に表皮層を与えることに極めて多く焦点が当てられる。用語「部分硬化」及び「完全硬化」は、硬化の程度、即ち変換された官能基の百分率割合に関し、例えば硬化性配合物の分野の熟練者に良く知られた方法であるRT−FTIR(リアルタイムフーリエ変換赤外−赤分光)によって決定されてもよい。部分硬化は、被覆配合物中の官能基の少なくとも5%、好ましくは10%が変換される硬化の程度として規定される。完全硬化は、放射線の露光(時間及び/又は線量)の増大で変換された官能基の百分率割合の増加が無視できる硬化の程度として規定される。完全硬化は、RT−FTIRグラフの水平漸近線によって規定される最大変換百分率割合(硬化エネルギー又は硬化時間に対する変換の百分率割合)から10%以内、好ましくは5%以内の変換百分率割合に相当する。
【0020】
環状照射ステージ
本発明の好ましい実施形態は図2を参照して詳細に記載される。図2の被覆カラー21は、被覆カラー21に含まれる被覆配合物24が被覆カラー21から漏れるのを防ぐために、被覆カラー21の底部とスリーブ芯13の間のスライド可能なシールを与える環状スキージー22を含む。被覆カラー21は上部を開放していてもよい。被覆カラー21に含まれる被覆配合物24の表面25はスリーブ13の周囲表面で環状メニスカス26を形成する。被覆カラー21は、垂直支持柱体(例えば図1の柱体)に組み込まれる上昇及び下降機構(例えば図1の上昇機構4)に接続される被覆キャリジ(例えば図1の被覆キャリジ5)によって支持されてもよい。これらの特徴は図2において省略されている。上昇及び下降機構は被覆ステージ11全体、即ち被覆カラーを有する被覆キャリジの集成体を垂直軸に沿って上下に移動することができる。スリーブ13が装着されるとき、上昇及び下降機構は、スリーブ13の周囲表面に沿って環状被覆ステージ11を移動させて被覆カラー21の上部に被覆メニスカス26を与え、下部に封止接触を与えることができる。被覆軸10は被覆カラー21の中心を通る垂直軸に関し、被覆装置上に装着されるときにスリーブ13の軸と一致する。被覆カラー21は被覆軸10を中心として上下に移動する。
【0021】
環状被覆ステージ11の上には、環状照射ステージ12が装着される。照射ステージ12の目的は、被覆配合物が流れ落ちるのを防止するように、環状被覆カラー21によってまさに適用される被覆層を被覆軸10の垂直方向の下方への移動時に十分に固化することである。被覆層の流れ落ちはスリーブ13に沿った上方位置での層厚さを減少し、下方位置での層厚さを増加し、層の地勢的な均一性、従って適用される被覆の品質を低下する。それゆえ、スリーブ13上への適用直後に被覆された層を「留める(pin)」ことが有利である。用語「留める」は被覆された層の完全固化を必ずしも意味しない:被覆配合物のスリーブ13からの流れ落ちを防止するための層の部分硬化は被覆材料の均一層を与えるには十分である。
【0022】
好ましい実施形態では、照射ステージ12は360°全て丸くてもよく、集中又はコリメート光学素子と組み合わせたUV LEDを使用してもよい。UV LEDは、UVアークランプと比較して、それらのコンパクト性、許容可能な波長及びビーム安定性、良好な線量均一性及び出力エネルギー量の大きな線形制御範囲のような幾つかの利点を持つ。UV LEDの欠点はそれらの比較的低いパワー出力である。しかしながら、UV LEDは、比較的小さく、それらの組み合わせたパワーが様々なタイプの被覆配合物、様々な厚さの被覆層、様々なスリーブ直径、従ってUV LEDからスリーブの周囲表面までの様々な距離などに対して要求されるUV硬化線量の範囲をカバーするのに十分であるような方法で一まとめにされることができる。環状照射ステージの第一実施形態の横断面図が図3に示される。照射ステージは、配列されたLED31、リフレクタ33付のフレネルレンズ32及びコリメート鏡34に分解される。光学素子の役割は二つの部分を有する:第一にリフレクタ33付のフレネルレンズ32は配列したLED31からの光をコリメート鏡34の焦点に集中し、第二にコリメート鏡34は配列したLED31からの光を、スリーブ上の被覆層に照射するための平行な水平ビームにコリメートする。この光学素子構成を被覆軸のまわりに360°回転させると、図2の下方部分の矢印で示されたように、水平方向に実質的にコリメートされかつ被覆軸10上に実質的に合焦された、環状の放射線源、即ち環状LED配列からの放射線を与える。環状照射ステージの第二実施形態の横断面図は、図4に示され、コリメータベース40の放物線状反射キャビティ44の焦点に位置されたLED41を示す。LED41から熱を除去するためのヒートシンク45はコリメータベース40に一体化されている。小さなサイズのLED41は、コリメートされた出力ビームに実質的な間隙を作らずに放物線状の反射キャビティ44の焦点に位置されることを可能にする。この光学構成を被覆軸のまわりに360°回転すると、上で説明したような環状放射線を与えるための環状放射線源及び環状コリメート光学素子を生じる。
【0023】
コリメートされたビームに含まれる放射線エネルギーは、様々なスリーブ芯の直径又は距離の変化、並びに被覆配合物の化学物質の変化に対して適応するように放射線強度を調整することによって容易に調節されることができる。
【0024】
その結果は、大きなビーム均一性、高いビーム安定性、広い範囲のビーム強度調整(LEDはそれらの最大出力パワーの数%まで弱くすることができ又は時間調節されることができる)、及び校正の容易さを通してUV硬化工程の正確な制御を有する放射線ビームである。その利点は、(i)スリーブ芯又はスリーブ芯直径を変化するときに必要とされる余計な機械的調整がなく、従って経時的なスリーブ変化が少ない、(ii)適応可能な照射パワー、従ってパワー損失がない、そして(iii)均一なビーム特性、従って被覆ステージで既に与えられた優れた被覆特性のための正確かつ均一な硬化(即ち、後処理なし)である。
【0025】
照射ステージ12のUV LED配列41及び関連するコリメート光学素子44の環状形状は被覆された層の均一な環状照射を可能にする。さらに、そのコンパクト性及び軽い重量は環状照射ステージ12が環状被覆ステージ11上に装着されることを可能にする。操作において、環状照射ステージ12はそのとき環状被覆ステージ11とともに移動し、スリーブ芯13の上下に集成体を移動するための一つの駆動機構だけが要求される。
【0026】
ある用途は、被覆ステージ11から異なる高さで異なる放射線パワーなどを与えるため、異なる波長の放射線を与えるためにカスケードに装着された多数の照射ステージ12の使用を必要とするかもしれない。多数の照射ステージは一つの集成体として互いの上に装着されてもよく、集成体自体は被覆ステージ11上に装着されてもよい。ステージを機械的に一緒に連結することは必須でない。しかしながら、ステージがスリーブ芯を同期した方法で上下に移動可能であることが好ましい。
【0027】
被覆ステージ11の移動及びこの移動時の被覆カラー21における被覆配合物24の表面25の乱れにもかかわらず、実験は、上記のような被覆装置で適用された被覆層が極めて良好な均質性及び表面均一性を有することを驚くべきことに示す。
【0028】
回転照射ステージ
しかしながら、もし照射ステージが全てが丸い環状でなく、一つ以上の別個の円形照射セクター、一つ以上の直線状照射セグメント又は単独の照射ユニットを含むなら、本発明は、被覆層の全てのまわりに均一な照射を達成するために照射ステージがスリーブのまわりで回転することを要求する。これは図5に示されている。四つの単独の照射ユニット50は被覆軸10のまわりに均等に配置されて示されている。各照射ユニット50は、コリメートされた平行なUV光のビームを生成するためにUV LED51及びコリメート放物線状光学素子54を含んでもよい。単独の照射ユニット50の一実施形態の詳細な記述は許可された特許US 6880954に見出されてもよい。単独の照射ユニット50は照射ステージ52の装着ベース59上に装着されてもよい。スリーブ芯13の周囲上に被覆層の全てのまわりの均一照射を与えるために、装着ベース59は、被覆が実行されながら(即ち、被覆ステージ11が被覆軸10と同軸で垂直に移動しながら)、被覆軸のまわりに回転する。それゆえ、装着ベース59は例えば環状ガイド58によって被覆ステージ11上で回転可能に装着され、被覆ステージ11上に装着されたモータ56及びギヤトランスミッション57によって駆動される。ギヤトランスミッション57は装着ベース59上に装着されたクラウンギヤと協働するギヤホイールを含んでもよいが、ベベルギヤのような他のトランスミッションシステムも同様に使用されてもよい。照射ステージ52の装着ベース59はさらに、装着ベース59上の多数の単独の照射ユニット50を出力させるために多数の回転電気接続手段55、例えばスリップリングを含む。
【0029】
機械的かつ電気的駆動手段、及び照射ステージ52と被覆ステージ11の間の相互接続(例えばモータ56、環状ガイド58、ギヤトランスミッション57及び電気スリップ接続55)は好ましくは被覆ステージ11の被覆キャリジ29に関係する(又はその上に装着される)。この構成は、被覆ステージ11及び回転可能な照射ステージ52の機械的かつ電気的構成を変えることなく、被覆されるスリーブ芯の異なる外部直径に対して適応するための環状被覆カラー21の交換可能性をもたらす。図5の回転可能な照射ステージ52の図示された実施形態は単独の照射ユニット50を使用する。上で示したように、回転可能な照射ステージは、配列したLED、及び集中及びコリメート鏡に基づいた照射セグメントのような他の照射ユニットを含んでもよく、又はそれらはアークランプシステムを含んでもよいが、これらは一般に、装着、接続及び回転するには複雑かつ重すぎる。照射ステージの回転は異なる照射ユニットから放射線の360°の統合を与え、異なる照射ユニット間及び各照射ユニット内の放射線強度変化を滑らかにする。被覆軸のまわりの照射ユニットの均等な分布は好ましい構成であるが、照射ステージの回転がとにかく360°の統合を与えるのでそれは要求されない。それゆえ、回転可能な照射ステージはまた、単独の照射ユニットだけを使用して実現されてもよい。
【0030】
代替例のさらなる実施形態の詳細
代替的な照射ステージ
上記の実施形態では、照射源、例えば個々のLED又は環状LED配列は対応するコリメート光学素子、例えば放物線状リフレクタ及び環状コリメート光学素子に連結され、一つの集成体として考えられた。代替実施形態では、光学素子は、被覆されたスリーブの周囲表面を直接照射するLED放射線源で省略されてもよい。照射源の回転は放射線エネルギーの追加の一体化(統合)及び平均化を与えうる。別の代替実施形態では、非回転環状コリメート光学素子は回転放射線源と組み合わされてもよい。この構成では、放射線源はスリーブ芯の周囲表面と環状コリメート光学素子の間で軌道する。
【0031】
放射線ロック
式1から我々は被覆配合物の粘度が適用された層の厚さを制御するのに重要なパラメータであることを知る。それゆえ、被覆配合物の粘度を直接的又は間接的に変化しうるいかなる源からも被覆カラー中の被覆配合物を保護することが好ましい。放射線硬化システムでは、放射線への暴露は被覆配合物の粘度を変化する。即ち、被覆配合物を固定、固化又は硬化するために放射線に暴露すると被覆配合物の粘度は増大する。それゆえ、本発明による被覆装置は、放射線源から来る直接及び間接の、例えば散乱した放射線が被覆カラーに含まれる被覆配合物を照射するのを遮断するために、照射ステージと被覆ステージの間に位置されかつそれとともに移動可能な放射線ロックを含むことが好ましい。放射線ロックは、環状に造形されることが好ましく、例えば被覆カラーのリザーバにカバーを与えることよって実現されてもよい。より進んだ放射線ロックは光学素子に使用されるような調整可能な虹彩絞りであり、絞り開口は被覆されるスリーブの直径よりわずかに大きく調整される。環状放射線ロックは被覆ステージに、照射ステージに機械的に一体化されてもよく、又は両ステージ間で別個のユニットとしてもよい。被覆カラーに含まれる被覆配合物の粘度に影響する別の工程パラメータは被覆配合物の温度でありうる。好ましい実施形態では、被覆カラーに含まれる被覆配合物又は被覆カラー自体はそれゆえサーモスタット制御されてもよい。
【0032】
不活性化環境
フリーラジカルUV硬化性配合物を使用する用途では、硬化は、ある場合には、硬化領域における酸素の存在によって遅らされるか又はさらには開始されなくてもよいことが知られている。この場合において、不活性雰囲気を使用して硬化能力を高めることができる。UV硬化に関連して、用語「不活性」は単に、UV硬化領域内の被覆層の表面の阻害酸素の量の除去(理想的な状況)又は最小化(より現実的な状況)を意味する。本発明による垂直被覆装置では、硬化領域は被覆層の表面と照射ステージの間の空間を指す。不活性化環境は、(i)窒素、アルゴン又は二酸化炭素のようなガスを硬化領域中の雰囲気に、特に被覆層の表面又はその近くの雰囲気に加え、(ii)移動しない被覆層と移動する照射ステージの間の相対的な動きから生じる引きずり効果(drag effect)の結果として、硬化領域中の空気の侵入を最小にすることによって作られてもよい。
【0033】
窒素、アルゴン又は二酸化炭素のような不活性ガスを硬化領域の雰囲気に加えることは、照射ステージと一緒に移動するか又はそれと一体化され、かつ被覆装置の垂直支持柱体に収容される不活性ガスの源にフレキシブル管で接続された環状マニホールドの使用によって実現されてもよい。被覆スリーブの周囲表面に対して小さいクリアランスを有する、硬化領域の両端、即ち照射ステージの上方端及び下方端の環状クリアランスシールを使用して不活性化ガスが硬化領域から流出することを防止してもよい。これらのシールは、様々なスリーブ直径に対する小さいクリアランスに適合させるために調整可能な内部直径を持つことが好ましい。虹彩絞りはこの目的のために好適なシールでありうる。硬化領域内の不活性ガスの制御された流れは二つのマニホールド、即ち入口及び出口マニホールドで実現されてもよい。
【0034】
硬化領域の空気の侵入は、被覆ステージが被覆工程時に下方に移動するときに硬化領域の下方端で起こりやすい。即ち、空気は被覆ステージと照射ステージの間から入りやすい。この空気の取り入れの妨げは、硬化領域の下方入口、即ち照射ステージと被覆ステージの間に位置された環状のブローナイフによって達成されてもよい。被覆ステージと照射ステージの間でそれとともに移動する環状のブローナイフは、不活性ガスを吹き出して空気の取り入れをブロックするために、被覆装置の垂直支持柱体に収容される不活性ガスの源にフレキシブル管で接続されてもよい。
【0035】
上の「閉鎖された」不活性化環境はフリーラジカルUV硬化システムにおける酸素阻止に関して記載されている。被覆配合物、及び被覆配合物が硬化される方法に依存して、不活性化環境の他の実施形態を考えてもよい。
【0036】
硬化領域において局所的な不活性化環境を作るために移動可能な照射ステージに及びそのまわりに一連の補助的ツールを与えて一体化する代わりに、被覆装置全体を覆って周囲環境から閉鎖してもよく、この場合において硬化領域において不活性化環境を作る仕事はずっと簡単である。即ち、不活性化環境は閉鎖されたキャップ内で作られる。あるいは、被覆装置全体をエンドユーザによって与えられる不活性化環境又はルームに設置してもよい。
【0037】
完全硬化照射
前述のように、照射ステージからの放射線は、スリーブからの被覆配合物の垂れ下がりを防止するように被覆層を少なくとも部分的に硬化し、かくして被覆層の厚さを固定することを目的とする。被覆直後に適用された初期硬化線量は被覆層を完全に硬化するには不十分なエネルギーを与えることが多い。被覆層の完全な硬化は、実在するスリーブ処理装置を使用してオフラインで与えられてもよく、又は日本特許出願JP 54−014630に開示されたような追加の放射線システムを使用してインラインで与えられてもよい。
【0038】
JP 54−014630に開示された照射システムに対する代替策は、サンチューブ日光浴室(sun tube solarium)の二つの半分体のように垂直な完全硬化照射トンネルの二つのシェルを含むロボットアームである。照射トンネルは被覆装置の実在する垂直支持柱体によって装着及び支持されてもよく、又はその一つの装着柱体を持ってもよい。垂直照射トンネルのための専用装着柱体は、例えば被覆軸に対して被覆装置の垂直支持柱体とは反対に位置させて、被覆工程の操作を妨げるのをできるだけ少なくしてもよい。完全硬化照射トンネルの二つのシェルは、閉じられるとき、全長さ(高さ)に沿ってスリーブを実質的に完全に包囲し、スリーブ上の被覆層を完全に硬化する全周の照射を与えるように設計されることが好ましい。完全硬化は一般的に、被覆ステージ及び照射ステージがフランジ又は装着ヘッドの一つに位置され、垂直照射トンネルに完全にアクセス可能な被覆スリーブの表面を残すときに実施される。
【0039】
スリーブ上で被覆層を完全に硬化した後、垂直完全硬化照射トンネルは、垂直被覆装置からの除去又は被覆配合物の次の層の適用(さらに参照)のいずれかのためにスリーブを離すために開放されてもよい。垂直トンネルの開閉はオペレータによって実施されてもよく又は二つの協働するロボットアームが制御されるような方法で垂直支持柱体においてアクチュエータ(例えば制御可能なばねヒンジ)によって自動化されてもよい。垂直照射トンネルは、被覆配合物の適用された層に部分的に硬化するために被覆ステージとともに移動する照射ステージに使用されるタイプとは異なる放射線源を備えてもよい。部分硬化の目標はスリーブからの被覆材料の垂れ下がりを防止することであるので、照射ステージは被覆層を深く硬化するために放射線源を含むことが好ましい。UV硬化性配合物の場合において、これは約320nm〜400nmの波長を照射するUV放射線源であることが好ましい。完全硬化は配合物中の官能基のほぼ最大変換百分率割合までスリーブ上に被覆された配合物をさらに硬化することを目的としているので、垂直照射トンネルは被覆層の深い硬化及び所望により表面硬化のための放射線源を含むことが好ましい。UV硬化性配合物の場合において、これはUVA放射線源(深い硬化に対して)及び所望により280nm以下の波長を照射するUVC源であることが好ましい。もしUVアークランプがUV−LEDの代わりに使用されるなら、単一のランプが、おそらくUVC(約280nm以下)、UVB(約280nm〜320nm)、UVA(約320nm〜400nm)及びUV可視光(約400nm以上)を含む波長範囲で照射してもよい。各々が異なる又は重なる狭い照射スペクトルを持つ多数の照射源は、被覆層を完全硬化するためにUV放射線の幅広いスペクトルを与えるために垂直照射トンネルにおいて組み合わされてもよい。
【0040】
被覆層の完全硬化はまた、実在する照射ステージに放射線照射能力を加えることによってインラインで実現されてもよい。追加の能力は、利用可能な放射線出力(例えば、追加のUV LED配列)を増大すること、異なるタイプの放射線を加えること(例えば、実在する深い硬化UVA放射線に表面硬化UVC波長放射線を加えること)、被覆メニスカスからの垂直距離の関数として変動可能な照射強度を与えるための特別に適応されたコリメート光学素子(例えば、被覆層の短いが強くて深い硬化を実現するために被覆メニスカスの近くに高い照射強度、及び被覆層のさらに深い表面硬化を実現するために被覆メニスカスからさらに遠い垂直に広がる低い照射強度を与えるためのコリメート光学素子)を使用すること、又は実在する照射ステージを素直に複製することによって実現されてもよい。
【0041】
前述のように、照射ステージを被覆ステージと機械的に連結することは必須ではないが、被覆層の部分硬化と被覆配合物の層の被覆の間の一定の時間遅延を維持するように同期した方法で両ステージを移動させることが好ましい。本発明のさらなる実施形態では、被覆配合物の層が適用され、部分的に硬化された後、被覆ステージから照射ステージを物理的に及び/又は制御に従って分離し、照射ステージが要求される回数だけ独立ユニットとして被覆されたスリーブの上下に移動し、被覆配合物の適用された層をさらに硬化(おそらく完全に硬化)することが好ましい。被覆配合物の次の層が適用される前に、照射ステージは再び、被覆ステージに物理的に又は制御に従って接続されてもよい。独立して移動する照射ステージの構成において、照射ステージが被覆ステージから独立してスリーブの上下に照射ステージを移動するための独立したキャリジに接続されなければならないことに注意されたい。被覆ステージは次いで照射ステージのキャリジ上に留められ、照射ステージに従属するユニットとして移動するか(前の実施形態で記載されたように逆にする代わりに)、又は被覆ステージはその独立したキャリジを保持し、照射ステージと同期した方法で移動してもよい。
【0042】
前又は後処理
上記のような垂直トンネルはまた、スリーブ又は被覆層の特別な表面処理を適用するように設計されてもよい。垂直トンネルは例えばコロナ装置を組み込んでスリーブ体の表面上への被覆配合物の接着性を高めるか、又はそれは280nm以下の放射線波長を有するUV照射源を組み込んで被覆層の最終的な表面の粘着性を低下してもよい。
【0043】
LED技術
被覆された層に照射するためのLED技術を使用する利点は放射線強度であり、それゆえ被覆層によって受け取られる放射線エネルギーの量は容易に調整可能である。一つの例では、放射線強度は被覆層の厚さ又は対応する工程の変数(上記式1参照)、例えば適用された被覆配合物の粘度又は被覆スピードの関数として調整されてもよい。別の例では、放射線強度は被覆配合物又は被覆配合物中の成分、例えば被覆配合物に含まれる光開始剤又は増感剤の量の関数として調整されてもよい。さらに別の例では、放射線強度は放射線源と被覆スリーブの周囲表面の間の光学的距離の関数として調整されてもよい。例えば、図2では、被覆層の単位面積あたりの受けとられる放射線エネルギーはスリーブ直径の増加とともに減少する。この変化は、計算され、被覆層の単位面積あたりの放射線エネルギーを一定に保つように放射線強度又はLEDの出力を調整することによって補償されてもよい。
【0044】
例えばアークランプ源のような代替放射線技術と比較すると、LED技術は小さい占有面積及び良好なビーム及び波長安定性の利点を提供する。LED技術のさらなる利点はそれらの狭い帯域幅及び個別のスペクトル出力、及び異なるスペクトル出力UV LEDの組み合わせの可能な選択である。単一の波長のUV出力又はスペクトル出力の組み合わせの選択はUV硬化工程及び被覆化学物質のさらなる調節を可能にする。スペクトル出力の組み合わせは、多数列のLED(各列は異なるスペクトル出力を有するLEDを含む)を提供し、一つ以上のスイッチ列のON又はOFFを切換えて求めるスペクトル組み合わせを実現することによって達成されることができる。さらに、これらのUV LEDにIR放射線がほとんど完全に存在しないことは、水を充填したリザーバのようなIR吸収フィルターに対する必要性を除去し、局所的な不均一の対象加熱を減らすことにプラスになる。
【0045】
LED技術のさらなる利点は、そのコンパクト性、低重量、及び高出力LEDへの継続した技術的傾向である。
【0046】
レーザ硬化
本発明による被覆装置の代替実施形態は、図6に示され、回転単一照射ユニットとしてレーザビーム64を有する回転照射ステージを含んでもよい。レーザビーム64は、スリーブ芯13の上に、おそらく被覆装置の垂直支持柱体上に装着された固定レーザ源60から与えられてもよい(図1参照)。その目的のため、スリーブは被覆装置の装着ヘッド又は下部フランジによって片端で装着される。レーザ源60は被覆軸10に沿って開始するレーザビーム64を作るために被覆軸10と共軸に装着されてもよい。回転光学路は、レーザ源60で出発する固定レーザビームを、スリーブ13の周囲表面上にレーザビームを向けるために使用される回転鏡63に案内するために与えられる。図6に示された実施形態では、回転光学路は、出発レーザビーム64を被覆軸10に垂直な方向に偏向し、レーザビームを被覆軸10のまわりに回転するための回転中央鏡61によって作られる。回転中央鏡61と協働する第一回転鏡62は、被覆軸と平行であるがスリーブの外側の回転レーザビーム64を偏向する。最後に、回転照射ステージ52の一部である第二回転鏡63は第一回転鏡62と協働し、回転レーザビーム64を被覆軸10の方へ偏向し、それによってレーザビーム64を回転している態様でスリーブ13の周囲表面上の被覆層上に投射する。多数の協働する鏡61−62−63の同期は回転照射ステージ52の装着ベース59に取り付けられた機械的骨格65−66によってそれらの角度位置を固定することによって実現されてもよい。それゆえ、骨格65−66は照射ステージ52とともに回転する。それゆえ、レーザビーム64の回転は照射ステージ52の回転によって完全に制御され、それと同期される。
【0047】
好ましい実施形態では、図6に示すように、垂直案内システム67は、回転骨格要素66を保持するように設置されてもよく、被覆ステージ11及び照射ステージ52の垂直位置及び被覆操作時のこれらのステージの移動から独立した固定された垂直位置で中央鏡61及び第一回転鏡62をその上に装着してもよい。主な利点は被覆装置のための高さを減らすことである。これは二つの方法で実現されることができる。もし回転骨格要素66の垂直位置、即ち高さが例えばリンクを介して被覆装置の垂直支持柱体に機械的に固定されるなら、垂直案内手段67は被覆/照射ステージと骨格要素66の間の相対的移動を可能にするための簡単な軸受を含んでもよい。あるいは、もし回転骨格要素66の垂直位置、即ち高さが機械的に固定されないなら、垂直案内システム67は、被覆/照射ステージの垂直位置から独立した固定された垂直位置で骨格要素66を保持するように被覆/照射ステージと骨格要素66の間の相対的移動を制御するための能動的な直線運動システム(図示せず)を含むことが好ましい。
【0048】
別の実施形態では、回転骨格要素66は被覆/照射ステージから完全に独立して装着されてもよい。回転骨格要素65及び垂直案内システム67はそのとき省略されてもよく、骨格要素66の回転はそのとき、スリーブ13の周囲表面上にレーザビーム64を案内する連続的な回転光学路を保つために骨格要素66及び照射ステージの回転と同期される。被覆装置はそのとき、二つの同期した独立回転物を含んでもよい。
【0049】
被覆キャリジを上昇及び下降するための機構と回転骨格要素65の衝突を避けるために、周囲の垂直支持柱体に一体化された、図1に示された上昇及び下降機構は、回転骨格要素65の空間許容範囲内で完全に操作する直線運動システムによって置換されることが好ましい。例えば、この空間許容範囲内で操作する伸縮自在の上昇システムを使用してもよい。
【0050】
本発明の上で開示された実施形態はレーザシステムに関して記載されている。しかしながら、本発明のコンセプトは、それに限定されず、一般に、被覆ステージの垂直運動と同期してスリーブの周囲表面のまわりに固定された放射線源からの放射線ビームを案内するために回転光学路に連結された固定された装着放射線源の使用を含む。スリーブの周囲表面上の被覆層を少なくとも部分的に硬化するために十分な出力を有する、必要なタイプの放射線を与えるいかなる放射線源も使用することができる。
【0051】
異なるスリーブサイズ
スリーブの周囲表面上への被覆層の適切な硬化(少なくとも部分的)又は「フリーズ(freezing)」が達成されるように照射源からスリーブの周囲表面までの光学距離の関数として放射線出力を調整してもよいことを前の説明において述べた。これは異なるスリーブ直径と照射ステージの適合性を改良する。三つの代替構成が与えられる:(1)照射ステージ構成は異なるスリーブ直径の範囲内で最大スリーブ直径に適応させるように設計及び固定され、照射ユニットの放射線出力は使用されるスリーブ直径の関数として調整される、(2)照射ステージ構成は照射ユニットの半径方向位置を使用されるスリーブの直径に調整するように調整可能でありかつそのように設計される、及び(3)照射ステージは異なるスリーブ直径のスリーブの周囲表面上の単位面積あたりに受けとられる放射線エネルギーを一定に保つために被覆軸のまわりの照射ユニットの回転速度を調整可能でありかつそのように設計される。
【0052】
被覆ステージに関して、被覆メニスカス及び環状シールはスリーブ直径を変更するときに重要な問題である。スリーブの周囲表面のまわりの環状シールは被覆カラーからの被覆配合物の漏れ及び垂れ下がりを防止する。スリーブ直径を変更するとき、被覆カラー全体(環状シールを含む)を新しいスリーブ直径のために好適な別の被覆カラーによって置換してもよく、又は環状シールだけを新しいスリーブ直径と適合するように置換もしくは調整してもよい。もし環状シールが、開口を一定範囲内で調整可能である虹彩絞りとして実現されるなら、スリーブ直径が調整可能な開口の範囲内にあるという条件で、スリーブ直径変更時に置換する部品は要求されない。もし環状シールが被覆カラーに取りはずし可能に取り付けられるなら、異なる固定された内部直径を有するシールを使用してもよい。
【0053】
好ましくは、被覆ステージ及び照射ステージは、両モジュールが縦に並んで予め組み立てられ、異なる範囲のスリーブ直径で操作するために容易に置換されうる一つの集成体として処理されるように、同じ範囲のスリーブ直径をサポートするように設計される。
【0054】
駆動システム&工程制御
上記の実施形態では、照射ステージ又は多数の照射ステージは、被覆ステージの上に装着され、単一の「被覆集成体」として被覆ステージとともに移動する。機械的な観点から、これは一つの上昇及び下降機構だけが垂直被覆装置を操作するために要求されるが、電気的な観点から、「被覆集成体」への全ての電気的接続が静止垂直支持柱体と移動する「被覆集成体」の間の単一のケーブルキャリアを通して与えられてもよい。
【0055】
エネルギー量制御システムは、適用された層の有効硬化速度を測定し、閉ループシステムにおいて適用されるエネルギー量、回転速度(もし適用可能なら)及び/又は被覆スピードを調整して所望の被覆層厚さ及び均一性を得るために、「被覆集成体」に加えられてもよい。例えばFTIRのような赤外分光光度計を使用してUV又はEB硬化の程度、即ち被覆層の硬化速度を測定してもよい。
【0056】
しかしながら、もし照射ステージの目的が被覆層を部分的に硬化してスリーブからの被覆配合物の垂れ下がりを防止することだけであるなら、照射線量はあまり重要ではなく、閉ループシステム内の照射線量の監視は要求されないかもしれない。開ループ制御と組み合わせた照射ステージの校正で十分でありうる。
【0057】
操作
準備
本発明による被覆装置は、スリーブ芯を存在させずに被覆操作のために設定及び準備されてもよい。それに対して、被覆装置上にスリーブを装着するためのフランジ又は装着ヘッドの一つを使用して被覆集成体(即ち、被覆ステージ及び照射ステージ)にホーム位置を与えてもよい。このホーム位置を与えるフランジ又は装着ヘッドは、フランジ又は装着ヘッドとともに使用されることを意図されるスリーブ芯の直径と同様又はそれよりわずかに小さい外部直径を有する。被覆集成体がそのホーム位置にあるとき、被覆カラーの環状シールは、被覆装置にスリーブ芯を装着する前であっても、スリーブ芯直径と適合するために調整されることができ、被覆カラーは漏れなしで被覆配合物を充填されることができる。そのとき被覆ステージは被覆操作の準備が整う。
【0058】
もしフランジ又は装着ヘッドが、被覆されるスリーブ芯の直径とは実質的に異なる外部直径で使用されるなら、被覆集成体の準備は被覆装置上に装着されたスリーブ芯の存在なしで実施されることはできない。そのとき被覆集成体のためのホーム位置はスリーブ自体によって与えられるべきである。しかしながら、これは、スリーブ芯の各変化で被覆カラーの追加の注意及び構成を要求するので、好ましい状況ではない。
【0059】
浸漬被覆
被覆集成体を準備し、被覆装置上にスリーブを装着した後、上昇及び下降機構は、使用されるフランジ又は装着ヘッドのタイプに依存して、スリーブ芯の端の近くの又はそれをちょうど過ぎた被覆メニスカスを有する出発位置に被覆集成体を移動する。被覆工程は、好ましくはスリーブ芯の上方端で開始し、上昇及び下降機構が被覆集成体を下方に移動しながらスリーブ芯の下方端に下方に向かって続く。この構成では、被覆工程は浸漬タイプの被覆工程に等しい。被覆集成体が下方に移動するとき、照射ステージは、そのすぐ後に従い、被覆層だけを照射して被覆層を少なくとも部分的に硬化し、それは適用された被覆配合物の垂れ下がりを防止する。もし回転照射ステージが使用されるなら、照射ステージは固定された距離で被覆メニスカスに従うだけでなく、さらにスリーブ芯のまわりで回転して被覆層の均一な360°照射を発生する。スリーブ芯の下方端では、上昇及び下降機構は、使用されるフランジ又は装着ヘッドのタイプに依存して、スリーブ芯の下方端の近くの又はそれをちょうど過ぎた被覆メニスカスで被覆集成体を停止する。もしフランジ又は装着ヘッドがスリーブ芯の端から端までの被覆を可能にするなら、被覆集成体は、そのずっと下方に移動され、照射ステージが被覆層をスリーブ芯の下方端まで照射することを可能にするだろう。
【0060】
被覆層の厚さは、下方に移動する被覆集成体の速度、被覆配合物の粘度、又は適用される連続被覆操作の数(以下参照)によって制御されてもよい。被覆工程後、照射ステージは、被覆ステージから物理的に又は制御に従って分離され(もし被覆装置の構成がそうすることを可能にするなら)、被覆ステージから独立して被覆スリーブの上下に移動されて被覆層をさらに硬化してもよい。被覆層の厚さ、好ましい硬化のレベル、及び照射ステージから利用可能な硬化エネルギーのタイプ/量に依存して、スリーブの上下の一つ以上のサイクルが要求されうる。
【0061】
あるいは、被覆及び照射ステージが下方のフランジ又は装着ヘッドに到達した後、被覆及び照射ステージが下方のフランジ又は装着ヘッドで静止したままである間に垂直照射トンネルを使用して被覆層をさらに硬化してもよい。被覆工程後、被覆集成体は下方又は上方のフランジ又は装着ヘッドに対してその位置を離れ、被覆スリーブは被覆カラーに対して特別な注意をせずに除去されることができる。
【0062】
スキージー被覆
あるいは、被覆層は、被覆集成体が上方に移動する間に適用されてもよく、その場合において被覆機構は上記のように被覆集成体の下方への移動時に浸漬タイプの被覆の代わりにスキージータイプの被覆機構である。被覆集成体の上方への移動時の被覆層の適用は、被覆ステージの下に位置されかつ被覆ステージとともに移動してスキージー被覆層を少なくとも部分的に硬化する照射ステージを要求するかもしれない。被覆カラーの上方への移動と関連したスキージータイプの被覆層は、被覆カラーの下方への移動と関連した浸漬タイプの被覆層より実質的に薄いかもしれない。不幸にも、スキージータイプの被覆層の厚さを予測するために発明者に知られている式1と類似した式はない。それゆえ、代替策の各々は特定の用途において利点を持ちうる。
【0063】
多数回の通過被覆
被覆装置はまた、適用された層の各々の「中間(intermediate)」硬化で多数回の通過モードで操作されてもよい。中間硬化の目的は、被覆ステージが移動されるときに被覆カラーの環状スキージーとのスライド接触時又は次の被覆工程時にこの層の変形を避けるために被覆層を十分に硬化することである。中間硬化は被覆層の完全硬化を生み出さないことが好ましい。特に、それは(変形を避けるために)被覆層の本体に十分な硬化を生み出すことが好ましいが、(被覆配合物の中間硬化層上への被覆配合物の次の層の良好な接着特性を維持するために)被覆層の表面を完全に硬化しないことが好ましい。中間硬化工程は、上記のように、照射ステージの追加の上/下の移動(被覆ステージからの分離)によって又は追加の垂直照射トンネルによって与えられてもよい。
【0064】
多数回の通過操作モードは、被覆集成体を下方に移動しながら第一浸漬被覆層を適用し、被覆ステージの上に位置されかつそれとともに移動する上方の照射ステージを用いて第一浸漬被覆層を少なくとも部分的に硬化し;所望により中間硬化工程を与えて被覆層をさらに硬化し、次いでちょうど前に被覆された層とスライド接触して被覆集成体を再び上方に移動し;次いで被覆集成体を下方に移動しながら第二浸漬被覆層を適用し、被覆ステージとともに移動する上方の照射ステージを用いて第二浸漬被覆層を少なくとも部分的に硬化し、所望により中間硬化工程などを与える工程を含むことができる。被覆カラーの環状スキージーは、被覆カラーとスリーブの間のスライド接触で、被覆カラーからの被覆配合物の漏れを防止するように設計されているので、被覆集成体の上方への移動時にスキージータイプの被覆によって適用される層の厚さは一般的には、被覆集成体の下方への移動時に浸漬被覆によって適用される層の厚さにより有意に小さい。上の多数回の通過被覆方法の記載では、それゆえスキージータイプの被覆層は無視される。なぜならば、それは被覆された多数の層の厚さにわずかな寄与を持つにすぎないからである。実際、被覆集成体の下方への移動時の主要な(浸漬)被覆行動、及びその上方への移動時のわずかな(スキージー)被覆行動のみが存在する。被覆は本来、方向が決められていない。それゆえ、わずかな(スキージー)被覆層の中間硬化は必要でないかもしれない。なぜならば、それは続く被覆行動から有意に厚い続く主要な(浸漬)被覆層と併合するからである。浸漬被覆層と併合されたスキージー被覆層はもちろん、被覆集成体が下方に移動されるときに上方の照射ステージを使用して照射される。従って、本発明による多数回の通過被覆装置は、両被覆方向で被覆層を少なくとも部分的に硬化するために上方及び下方の照射ステージを含む必要はない:主要な被覆方向と連結された単一の照射ステージが役立ちうる。
【0065】
記載されたような被覆装置の多数回通過操作はスリーブ芯上への被覆配合物の均一な厚い層を適用するために使用されてもよい。それは、例えば被覆配合物の物理化学的パラメータ(例えば粘度)、又は被覆装置の限定(例えば被覆速度)が式1から予測されるような被覆層の厚さを用途のために機能的に要求されるものより下の値に制限する場合において使用されてもよい。特にフレキソ印刷スリーブ又は印刷マスターに対しては、レリーフ形成層は数ミリメートルの厚さを要求するかもしれず、それは単一の通過被覆工程で達成することは難しい。被覆装置の多数回の通過操作はまた、異なる被覆配合物の多数の層を適用するために使用されてもよい。被覆配合物は異なる物理化学的特性(例えば粘度)を持ってもよく、又は対応する被覆層は異なる物理化学的又は機械的特性(例えば圧縮性、硬度、耐磨耗性、湿潤性など)を持ってもよい。例えばフレキソ印刷スリーブの製造に対しては、(例えば段ボール印刷材料の不整を吸収するために好適な)圧縮可能なベース及び(長い印刷時間のために好適でかつ増大した耐久性の)硬い表面又は上部層を持つことが望ましい。もし望むなら、完全な物理化学的厚さプロファイルが被覆された多層のために作られてもよい。もし多数の通過操作が異なる被覆配合物の多数の層を適用するために使用されるなら、被覆カラーは排水処理されて異なる被覆配合物を補給されることが必要である。これらの行動は、被覆ステージがフランジ又は装着ヘッドの一つに位置されるときに実施されてもよい。フランジ又は装着ヘッドは被覆カラーのためのシールホーム位置又は点検位置を与える。これらの位置はまた、(例えば被覆多層の全厚さが増加するように大きい内部直径に変更することによって)スキージー内部直径を変更することを可能にし、一方スリーブは被覆装置に装着されたままであるか又はもし必要なら完全な被覆カラーを置換する。被覆カラーのホーム又は点検位置は上部又は下部のフランジ又は装着ヘッドのいずれか一つであることができる。
【0066】
後処理
被覆装置の単一通過及び多数回通過操作は被覆スリーブの後処理、例えばUVC光を用いた上部層の粘着性低下処理又は適用された被覆の後ベーキングで終わってもよい。これらの工程は、例えば適切な照射源を有する上記の垂直照射トンネルを使用してオンラインで、又は他の装置を使用してオフラインで与えられてもよい。
【0067】
被覆材料の多数層を適用し、単一の装置でスリーブの前及び後処理を与える能力は、仕上げられていないスリーブの取り扱いを有意に減らし、それゆえ被覆スリーブの品質を改良する。
【0068】
フレキシビリティ
フランジ又は装着ヘッドは、端から端までの被覆工程から又はフランジもしくは装着ヘッド(即ち、ホーム位置)での被覆カラーの補給及び排水からの被覆配合物の残留物を除去するために規則的なクリーニングを要求するかもしれない。フランジ又は装着ヘッド上の被覆反発層はこのクリーニングを容易にしうる。
【0069】
もし異なるサイズのスリーブが被覆されるだけであるなら、異なるフランジ又は装着ヘッドが設置されてもよく、被覆カラーの環状シールは新しいスリーブ直径と適合するために変更もしくは調整されてもよい。調整可能な環状シールの一例は、絞り開口が写真で知られているように互いに対して葉の位置の調整を通して調整可能である重なり合うシール葉を含む調整可能な虹彩絞りである。虹彩絞りの葉の数が多いほど、スリーブの周囲表面のまわりの虹彩絞りのシール特性が良好になる。調整可能な環状シールの別の実施形態は、管の内部直径が管を膨張又は収縮することによって調整されることができる膨張可能な管である。
【0070】
両実施形態はまた、被覆層の厚さが多数回の通過操作において被覆材料の追加の層で段階的に増大するにつれて環状スリーブの内部直径の段階的増加を可能にする。即ち、環状スリーブの内部直径は、各被覆工程後(被覆ステージが下方のフランジ又は装着ヘッドにあるとき)、及び被覆材料のちょうど被覆されてすぐ硬化された層とスライド接触して再び上方に被覆集成体を移動する前に調整されてもよい。
【0071】
調整可能な環状シールはまた、被覆集成体の上方への移動時に被覆カラーとスリーブの間のスライド接触がない操作のモードを可能にする。このモードの操作が使用されるためには、被覆カラーは、被覆ステージが上方のフランジ又は装着ヘッドで位置されるとき、環状スキージーの内部直径を調整してスリーブの外部直径を適合した後、被覆配合物を満たされる。第一の下方の被覆操作の後、被覆ステージが下方のフランジ又は装着ヘッドにあるとき、被覆カラーは排水され、環状シールの内部直径は被覆ステージの上方への移動時に環状シールと被覆材料のちょうど被覆されてすぐ硬化された層の間の十分な遊びを作るように増大される。いったん被覆ステージが再び上方のフランジ又は装着ヘッドにあると、環状スリーブの内部直径は既に部分的に被覆されたスリーブの増大した外部直径に適合するために減少され、被覆カラーは同じ又は異なる被覆配合物を補給される。前の工程は完全な被覆プロファイルが適用されるまで繰り返される。
【0072】
オンデマンド製造及びスリーブのタグ付け
本発明による被覆装置によって提供されるフレキシビリティは、スリーブサイズ、被覆層厚さ、機能層構成、後処理などのパラメータに関する限り、フレキソ印刷スリーブブランクの個人的な設計を可能にする。フレキソ印刷スリーブブランクはそのためにオンデマンドで製造されることができる。オンデマンド製造では、各被覆スリーブの仕様及び/又は製造パラメータが追跡可能であることが極めて重要である。この条件を実施する一つの方法は各スリーブにタグ付けすることによる。印刷ブランク及び印刷マスター上のタグの特別な実施形態はDu Pont de NemoursのEP−A−1679549及びAgfa CorporationのEP 0962824に開示されている。前者の文献は印刷ブランクに組み込まれたフォトルミネセントタグを開示するが、後者の文献は像領域の外側の印刷マスター上に書かれた又は彫刻されたスラグ線を使用する。もし書き換え可能なタグ、例えばRFIDタグが使用されるなら、タグは被覆前にスリーブ芯上に取り付けられてもよい。次いで被覆は、タグが被覆層に入れられるようにタグの上に適用されてもよい。次いでタグは被覆後に(再び)書かれる。あるいは、2D/3Dバーコード又はラベルは、レーザマーキングを通して被覆層中に書かれてもよい。但し、このマーキングは像領域の外側であることが条件である。
【0073】
タグに含まれるデータは印刷ブランク(彫刻された被覆スリーブではない)並びに印刷マスター(彫刻されたスリーブ)に関するアイテムを含んでもよい。印刷ブランクデータは製造者ID、クライアント、層厚さ、スリーブ直径、ショアー硬度(識別可能な層に対して適用可能なら)、被覆溶液ID、製造日、スリーブ芯のタイプなどであることができる。印刷マスターデータはジョブID、ジョブ完了のタイムスタンプ、彫刻手段ID、オペレータID、例えばクライアントのロゴのような使用者規定グラフィックスを含むことができる。もしタグが書き換え可能であるなら、データは、スリーブ芯から印刷マスターまでの製造工程が行われるときに加えられてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線硬化性被覆配合物(24)でスリーブ体(13)の周囲表面を被覆するための被覆装置であって、前記被覆装置が、被覆軸(10)と共軸の垂直位置に前記スリーブ体(13)を支持するための垂直支持柱体(1)と、前記垂直支持柱体(1)に沿ってスライド可能なキャリジ(5,29)、及び前記キャリジ(5,29)上で装着可能でかつそれと移動可能である環状被覆カラー(21)を含む被覆ステージ(11)とを含み、前記環状被覆カラー(21)が、前記被覆配合物(24)を含有するためのものであり、かつ前記垂直支持柱体(1)に沿って前記キャリジ(5,29)のスライド可能な運動時に前記スリーブ体(13)の前記周囲表面上に前記被覆配合物(24)の層を被覆するためのものであり、前記環状被覆カラー(21)が前記被覆軸(10)と共軸に位置されているものにおいて、被覆装置が、前記周囲表面上に前記被覆配合物(24)の層を少なくとも部分的に硬化するために放射線を与えるための、前記環状被覆ステージ(11)と移動可能である照射ステージ(12,52)をさらに含むことを特徴とする被覆装置。
【請求項2】
前記照射ステージ(12)が、前記スリーブ体(13)の前記周囲表面上への前記被覆配合物(24)の層を照射するための環状放射線源(41)を含む請求項1に記載の被覆装置。
【請求項3】
前記照射ステージ(12)が、前記スリーブ体(13)の前記周囲表面上への前記被覆配合物(24)の層を照射するために前記環状放射線源(41)からの放射線を統合しかつコリメートして出力ビームにするための環状コリメート光学素子(44)をさらに含む請求項2に記載の被覆装置。
【請求項4】
前記環状放射線源(41)の放射線強度が、前記被覆配合物、前記被覆配合物(24)の層の厚さ、前記スリーブ体(13)のサイズ、前記スリーブ体(13)と前記環状放射線源(41)の間の距離又はそれらの組み合わせからなる群から選択された操作パラメータに依存して調整可能である請求項2又は3に記載の被覆装置。
【請求項5】
前記環状放射線源(41)が、環状配列で配置された複数のUV LEDを含む請求項2〜4のいずれかに記載の被覆装置。
【請求項6】
前記照射ステージ(52)が、前記スリーブ体(13)のまわりに配置された少なくとも一つの放射線源(51)、及び前記スリーブ体(13)のまわりに前記少なくとも一つの放射線源(51)を回転させるための回転手段(56,57,58)を含み、前記スリーブ体(13)の前記周囲表面上への前記被覆配合物(24)の層を照射する請求項1に記載の被覆装置。
【請求項7】
前記照射ステージ(52)が、前記少なくとも一つの放射線源(51)からの放射線を統合しかつコリメートして出力ビームにするための少なくとも一つのコリメート光学素子(54)を含む請求項6に記載の被覆装置。
【請求項8】
前記少なくとも一つのコリメート光学素子(54)が、前記スリーブ体のまわりに前記少なくとも一つの放射線源(51)とともに回転するために配置されている請求項7に記載の被覆装置。
【請求項9】
前記少なくとも一つの放射線源(51)の放射線強度、前記回転手段(56,57,58)の回転速度、又は前記少なくとも一つの放射線源(51)の半径方向の位置が、前記被覆配合物、前記被覆配合物(24)の層の厚さ、前記スリーブ体(13)のサイズ、前記スリーブ体(13)と前記少なくとも一つの放射線源(51)の間の距離又はそれらの組み合わせからなる群から選択された操作パラメータに依存して調整可能である請求項6〜8のいずれかに記載の被覆装置。
【請求項10】
前記少なくとも一つの放射線源(51)がUV LEDを含む請求項6〜9のいずれかに記載の被覆装置。
【請求項11】
前記照射ステージ(52)が、前記被覆軸(10)に平行に与えられたレーザビーム(64)を前記スリーブ体(13)の前記周囲表面上に向けるための照射光学素子(63)と、前記被覆軸(10)のまわりに前記レーザビーム(64)及び前記照射光学素子(63)を回転するための回転手段(56,57,58)とを含み、それによって前記スリーブ体(13)の前記周囲表面のまわりの全ての前記被覆配合物(24)の層を照射する請求項1に記載の被覆装置。
【請求項12】
前記被覆軸(10)に沿ってレーザビーム(64)を与えるための前記被覆軸(10)と共軸に装着されたレーザ源(60)、及び前記レーザビーム(64)を前記被覆軸(10)から離れて前記照射光学素子(63)の方へ方向変換するための方向変換光学素子(61,62)をさらに含み、前記方向変換光学素子(61,62)が前記照射光学素子(63)と同時に回転するために配置される請求項11に記載の被覆装置。
【請求項13】
前記レーザビーム(64)の強度又は前記回転手段(56,57,58)の回転速度が、前記被覆配合物、前記被覆配合物(24)の層の厚さ、前記スリーブ体(13)のサイズ、前記スリーブ体(13)と前記照射光学素子(63)の間の距離又はそれらの組み合わせからなる群から選択された操作パラメータに依存して調整可能である請求項11又は12に記載の被覆装置。
【請求項14】
前記レーザ源(60)がUV光を発生するために好適である請求項12又は13に記載の被覆装置。
【請求項15】
前記環状被覆カラー(21)が、異なるサイズのスリーブ体(13)を支持するために部分的に又は全体的に交換可能である請求項1〜14のいずれかに記載の被覆装置。
【請求項16】
前記環状被覆カラー(21)が、前記環状被覆カラー(21)に前記被覆配合物(24)を保持するための環状シール(22)を有し、前記環状シール(22)が前記スリーブ体(13)の外部直径と協働するための内部直径を有し、前記環状シール(22)の前記内部直径が、異なる外部直径を有するスリーブ体(13)と協働するために調整可能である請求項1〜15のいずれかに記載の被覆装置。
【請求項17】
前記環状シール(22)が、調整可能な開口を有する虹彩絞りシールであるか、又は前記環状シール(22)が膨張可能な管である請求項16に記載の被覆装置。
【請求項18】
前記被覆カラー(21)に含まれる前記被覆配合物(24)から前記放射線を遮断するために、前記照射ステージ(12)と前記環状被覆ステージ(11)の間に位置されかつそれらと移動可能である環状放射線ロックをさらに含む請求項1〜17のいずれかに記載の被覆装置。
【請求項19】
前記照射ステージ(12)の硬化領域において不活性雰囲気を作るために、前記キャリジ(29)に取り付けられかつそれと移動可能である不活性ガスアプリケータをさらに含む請求項1〜18のいずれかに記載の被覆装置。
【請求項20】
前記照射ステージ(12,52)が、前記照射ステージ(12,52)を個々に前記垂直支持柱体(1)に沿って移動させ、それによってさらに前記被覆配合物(24)の層を硬化するために、前記垂直支持柱体(1)に沿ってスライド可能な個別のキャリジをさらに含む請求項1〜19のいずれかに記載の被覆装置。
【請求項21】
前記スリーブ体を包囲しかつ前記被覆配合物(24)の層の周囲表面全体に一度に照射を与えるための垂直照射トンネルをさらに含む請求項1〜20のいずれかに記載の被覆装置。
【請求項22】
放射線硬化性被覆配合物(24)でスリーブ体(13)の周囲表面を被覆する方法であって、
− 被覆軸(10)と共軸の垂直位置でスリーブ体(13)を支持し;
− 環状被覆カラー(21)を与え、放射線硬化性被覆配合物(24)を前記環状被覆カラー(21)に供給し、前記被覆軸(10)と共軸の垂直方向に前記スリーブ体(13)に沿って前記環状被覆カラー(21)を移動し、それによって前記スリーブ体(13)の前記周囲表面上に前記被覆配合物(24)の層を被覆する
工程を含む方法において、
照射ステージ(12)を与え、前記環状被覆カラー(21)と同時に前記スリーブ体(13)に沿って垂直方向に前記照射ステージ(12)を移動し、一方、前記被覆配合物(24)の前記被覆層に照射して前記周囲表面上に前記被覆配合物(24)の層を少なくとも部分的に硬化する工程をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項23】
前記被覆配合物(24)の層に照射する工程が、環状放射線源(41)から環状放射線を与え、前記環状放射線で前記被覆配合物(24)の層を照射することを含む請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記被覆配合物(24)の層に照射する前に、前記環状放射線源(41)からの前記環状放射線を統合しかつコリメートすることをさらに含む請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記被覆配合物、前記被覆配合物(24)の層の厚さ、前記スリーブ体(13)のサイズ、前記スリーブ体(13)と前記環状放射線源(41)の間の距離又はそれらの組み合わせを含む群から選択された操作パラメータに依存して前記環状放射線の放射線強度を調整する工程をさらに含む請求項23又は24に記載の方法。
【請求項26】
前記環状放射線源(41)が、環状配列で配置された複数のUV LEDを含む請求項23〜25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
前記被覆配合物(24)の層に照射する工程が、前記スリーブ体(13)のまわりに少なくとも一つの放射線源(51)を配置し、前記スリーブ体(13)のまわりに前記少なくとも一つの放射線源(51)を回転し、前記スリーブ体(13)の前記周囲表面上に前記被覆配合物(24)の層を照射するために前記回転時に前記少なくとも一つの放射線源(51)から放射線を与えることを含む請求項22に記載の方法。
【請求項28】
前記被覆配合物(24)の層に照射する工程が、前記被覆配合物の層に照射する前に前記少なくとも一つの放射線源(51)からの前記放射線を統合しかつコリメートすることをさらに含むことをさらに含む請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記被覆配合物、前記被覆配合物(24)の層の厚さ、前記スリーブ体(13)のサイズ、前記スリーブ体(13)と前記少なくとも一つの放射線源(51)の間の距離又はそれらの組み合わせからなる群から選択された操作パラメータに依存して前記放射線の放射線強度又は前記回転の回転速度を調整する工程をさらに含む請求項27又は28に記載の方法。
【請求項30】
前記少なくとも一つの放射線源(51)がUV LEDを含む請求項27〜29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
前記被覆配合物(24)の層に照射する工程が、前記被覆軸(10)に直交しかつ前記スリーブ体(13)の前記周囲表面の外部のレーザビーム(64)を与え、前記スリーブ体(13)の前記周囲表面のまわりの全ての前記被覆配合物(24)の層に照射するために前記被覆軸(10)のまわりに前記レーザビーム(64)を回転することを含む請求項22に記載の方法。
【請求項32】
前記レーザビーム(64)が、被覆軸(10)に沿って始める最初のレーザビーム(64)を与え、前記スリーブ体(13)の外部でかつそのまわりで前記最初のレーザビーム(64)を方向転換して回転し、前記スリーブ体(13)の前記周囲表面上の前記被覆配合物(24)の層に照射する方法工程によって与えられる請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記被覆配合物、前記被覆配合物(24)の層の厚さ、前記スリーブ体(13)のサイズ又はそれらの組み合わせからなる群から選択された操作パラメータに依存して前記レーザビーム(64)の強度又は前記回転の速度を調整する工程をさらに含む請求項31〜32のいずれかに記載の方法。
【請求項34】
前記レーザビーム(64)がUV光を含む請求項31〜33のいずれかに記載の方法。
【請求項35】
環状被覆カラー(21)を与える工程が、前記環状被覆カラー(21)に前記被覆配合物(24)を保持するための環状シール(22)の内部直径を調整し、異なる外部直径を有するスリーブ体(13)と協働するために環状被覆カラー(21)を適応することを含む請求項22〜34のいずれかに記載の方法。
【請求項36】
前記環状シール(22)の前記内部直径を調整することが、虹彩絞りの開口を調整すること又は管の膨張の程度を調整することを含む請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記照射ステージ(12)と前記環状被覆カラー(21)の間に環状放射線ロックを位置させ、前記環状被覆カラー(21)と同時に前記環状放射線ロックを移動し、それによって前記環状被覆カラー(21)に含まれる前記被覆配合物(24)からの前記照射ステージ(12)からの前記照射を遮断する工程をさらに含む請求項22〜36のいずれかに記載の方法。
【請求項38】
前記照射ステージ(12)の硬化領域に不活性ガスを適用する工程をさらに含む請求項22〜37のいずれかに記載の方法。
【請求項39】
被覆配合物(24)がUV硬化性配合物である請求項22〜38のいずれかに記載の方法。
【請求項40】
前記環状被覆カラー(21)及び前記照射ステージ(12)を前記環状被覆カラー(21)と同時に前記スリーブ体(13)に沿って垂直方向に移動し、一方、前記被覆カラー(21)によって被覆される前記被覆配合物(24)の層に照射する工程を複数回繰り返し、前記スリーブ体(13)の前記周囲表面上に複数の前記被覆配合物(24)の層を適用することをさらに含む請求項22〜39のいずれかに記載の方法。
【請求項41】
前記複数の前記層の少なくとも二つが、異なる被覆配合物で被覆される請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記環状被覆カラー(21)及び前記照射ステージ(12)を前記環状被覆カラー(21)と同時に前記スリーブ体(13)に沿って垂直方向に移動し、一方、前記被覆カラー(21)によって被覆される前記被覆配合物(24)の層に照射する二つの連続工程の間に前記被覆配合物(24)の層にさらに照射する工程をさらに含む請求項40又は41に記載の方法。
【請求項43】
前記被覆配合物(24)の層にさらに照射する工程が、前記垂直支持柱体(1)に沿って前記照射ステージ(12,52)を個別に移動し、一方、前記被覆配合物(24)の層をさらに硬化することを含む請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記被覆配合物(24)の層をさらに硬化する工程が、垂直照射トンネルによって前記被覆配合物(24)の前記被覆層の周囲表面全体を包囲し、前記被覆層の前記周囲表面全体に照射することを含む請求項42に記載の方法。
【請求項45】
前記スリーブ体(13)を前記垂直位置から除去する前に、前記スリーブ体(13)の前記周囲表面上に前記被覆層又は複数の前記被覆層を完全硬化する工程をさらに含む請求項22〜44のいずれかに記載の方法。
【請求項46】
請求項22〜45のいずれかに記載の方法によって製造されたスリーブであって、スリーブが、スリーブ特定製造情報を含むタグを含む、スリーブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−503567(P2010−503567A)
【公表日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−528702(P2009−528702)
【出願日】平成19年9月18日(2007.9.18)
【国際出願番号】PCT/EP2007/059807
【国際公開番号】WO2008/034810
【国際公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(507381008)アグファ・グラフィクス・エヌヴィ (14)
【Fターム(参考)】