説明

スルホキシド化触媒ならびにスルホキシド化触媒を使用する方法およびシステム

硫黄化合物の酸化に適した触媒、ならびにこれらの触媒を使用して原油および原油蒸留物からの硫黄の除去を達成するシステムおよび方法が開示される。触媒は、硫黄化合物を選択的に配位してその酸化に影響するように作用するチタニル部分に配置される。チタニルは、ポリマー内もしくはポリマーの表面上、または無機担体の表面上もしくは細孔内に結合され得る。得られる酸化された硫黄化合物は、開示されたシステムおよび方法において、記載のように配列された従来の分離技術により、最初の原油または原油蒸留物ストリームから容易に分離される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2008年3月26日出願の同時係属米国仮出願第61/039,619号、名称「SULFOXIDATION CATALYSTS AND METHODS」(この開示は、参照することにより本開示と矛盾しない範囲で本明細書に組み入れられる)の一部継続出願であり、その優先権を主張する。
【0002】
本開示は、概して、触媒化合物、触媒プロセス、および触媒化合物を合成するための方法に関する。具体的には、本開示は、スルホキシド化反応、スルホキシド化のための触媒、スルホキシド化触媒の合成方法、ならびに触媒スルホキシド化反応のシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、ガソリンおよびディーゼル燃料等の炭化水素ストリーム中の硫黄濃度を低減する必要性が、世界的に認識されている。硫黄は自動車触媒コンバータ等の硫黄に敏感な構成要素の性能に対し悪影響を与えるため、そのような炭化水素ストリーム中の硫黄の低減は、空気品質を大幅に改善し得る。自動車エンジン排気中の硫黄酸化物の存在は、触媒コンバータ内の貴金属触媒を阻害し、最終的には汚染する可能性があり、これらの硫黄酸化物の排出は、環境に対し悪影響を与え得る。非効率的なまたは汚染された触媒コンバータからの排出物は、ある濃度の未燃焼非メタン炭化水素、窒素酸化物、一酸化炭素等のその他多くの望ましくない材料を含有する。そのような排出物は、日光により光変換され、スモッグとしても知られる地表オゾンを生成し得る。
【0004】
熱処理されたガソリン、例えば熱分解ガソリン、ビスブレーカーガソリン、コーカーガソリンおよび触媒分解ガソリン等(以降、総称して「分解ガソリン」と呼ばれる)は、部分的に、オレフィン、芳香族化合物、硫黄、および硫黄含有化合物を含有する。自動車用ガソリン、レース用ガソリン、航空機用ガソリン、船舶用ガソリン等のほとんどのガソリンが、少なくとも部分的に分解ガソリンのブレンドを含有することを考慮すると、分解ガソリン中の硫黄の低減が、本質的に、自動車用ガソリン、レース用ガソリン、航空機用ガソリン、船舶用ガソリン等を含むほとんどのガソリン中の硫黄濃度の低減を促進する。
【0005】
より低硫黄のガソリンが自動車排出物を低減し、空気の質を改善することが、次第に一般に認識されてきている。したがって、米国環境保護局の規則は、現在まで、必要な低減レベル、より低硫黄のガソリンが必要な地理上の区域、および実施の時間枠に焦点を置いてきた。
【0006】
自動車による空気汚染の影響に対する懸念が続くに従い、自動車用燃料中の硫黄濃度を低減するためのさらなる取り組みが必要であろうことは明らかである。2008年では、米国環境保護局標準は、米国内で販売されているガソリンのすべてのブレンドが30ppmの硫黄濃度を満たすことを事実上要求するであろう。
【0007】
低硫黄含量自動車用燃料を生成可能とする必要性に加えて、オクタン価(リサーチ法オクタン価およびモーター法オクタン価の両方)を維持するためにそのような燃料のオレフィン含量に対する影響が最小限となるシステムおよびプロセスの実施もまた必要である。オレフィンの飽和がオクタン価に大きく影響するため、そのようなシステムおよびプロセスが望ましい。オレフィン含量に対するそのような悪影響は、一般に、分解ガソリンからの除去が最も困難な硫黄含有化合物の一部であるチオフェン化合物(例えば、チオフェン、ベンゾチオフェン、アルキルチオフェン、アルキルベンゾチオフェン、アルキルジベンゾチオフェン等)を除去するために、例えば水素化脱硫中に通常使用される過酷な条件に起因する。さらに、分解ガソリンの芳香族化合物含量が飽和により失われるような条件のシステムおよびプロセスを避ける必要がある。したがって、脱硫を達成しながらオクタン価を維持するシステムおよびプロセスが必要である。
【0008】
しかしながら、現行のプロセスは、オレフィン含量に対して、チオフェン化合物(例えば、チオフェン、ベンゾチオフェン、アルキルチオフェン、アルキルベンゾチオフェン、アルキルジベンゾチオフェン等)を除去するために、例えば水素化脱硫中に通常使用される過酷な条件に概して起因し得る悪影響を与える可能性がある。水素化脱硫によるディーゼル燃料からの硫黄の除去においては、典型的にはセタン価が改善されるが、水素化脱硫および芳香族化合物水素化反応の両方により水素が消費されるため、水素消費に膨大なコストがかかる。
【0009】
分解ガソリンからの硫黄の除去の必要性に加えて、石油産業は、ディーゼル燃料中の硫黄含量を低減する必要もある。一般に、ガソリンに比べ、ディーゼル燃料から硫黄を除去する方がずっと困難である。さらに、水素化脱硫に必要とされる高圧および高温は、指定された低硫黄濃度を達成するために高額な資本設備基盤および高い運転コストを必要とする。
【0010】
したがって、分解ガソリンおよびディーゼル燃料の処理のためのより経済的なプロセスを提供するために、水素を大量に消費することのない脱硫システムおよびプロセスが必要である。
【0011】
いくつかの従来技術の触媒は、硫酸等の強い酸を含み、これは反応混合物から分離するのが困難で、所望の反応成分の変換が不完全であることが示されている。遷移金属触媒は、物理的および化学的特性が実質的に異なることから、典型的には反応混合物からの分離がより容易である。固体不均一系触媒は液体および気体反応混合物からの分離が特に容易である。
【0012】
原油の供給が日増しに、よりサワー(硫黄に富む)となっている事実と相まって、分解ガソリンおよびディーゼル燃料中の硫黄濃度の低減のための良好で経済的に実現可能なプロセスの提供に成功していない結果、高レベルの硫黄除去を達成しながらオクタン濃度に対する影響が最小限である、そのような炭化水素ストリームの脱硫のためのより良い触媒系およびプロセスが必要であることが明らかである。
【0013】
したがって、硫黄含有炭化水素ストリーム、例えば、原油および原油蒸留物の処理のための経済的で効率的な触媒脱硫プロセスが必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国仮出願第61/039,619号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0015】
本開示の第1の態様は、少なくとも1種の硫黄化合物を含む炭化水素ストリームを提供するステップと、酸化剤を提供するステップと、一般式M(OR)で表される金属化合物を含む触媒を提供するステップと、触媒の存在下で炭化水素ストリームを酸化剤と接触させ、少なくとも1種の硫黄化合物の酸化をもたらすステップとを含む、スルホキシド化方法に関する。
【0016】
本開示の第2の態様は、Q−R−Q’(式中、QおよびQ’は、それぞれ独立して、イソシアネート、無水物、ハロゲン化スルホニル、ハロゲン化ベンジル、カルボン酸ハロゲン化物、ホスホリル酸ハロゲン化物、塩化シリル、または触媒の−OHペンダント基と反応し得る任意の化学官能基を含み、Rは、連結基を含む)とビス(ポリオール)オキソチタニウム(IV)触媒との反応により調製されるポリマー触媒組成物に関する。
【0017】
本開示の第3の態様は、層間移動剤/溶媒と、層間移動剤/溶媒中に溶解した一般式M(OR)で表される金属錯体を含む触媒と、層間移動剤/溶媒中に溶解した酸化剤とを含む、触媒スルホキシド化試薬に関する。
【0018】
本開示の第4の態様は、混合点/反応器/射出点の少なくとも第1の組合せを提供する行為と、硫黄に富む炭化水素流体ストリームを提供する行為と、硫黄に富む炭化水素流体ストリームを混合点/反応器/射出点の少なくとも第1の組合せに送達する行為と、酸化剤を提供する行為と、酸化剤を混合点/反応器/射出点の少なくとも第1の組合せに送達する行為と、混合点/反応器/射出点の少なくとも第1の組合せにおいて酸化剤を炭化水素流体ストリームと混合し、混合物を生成する行為と、極性プロトン性流体ストリームを提供する行為と、触媒を提供する行為と、触媒の存在下で混合物を極性プロトン性流体ストリームと合わせて反応混合物を形成する行為であって、少なくとも第1の混合点/反応器/射出点内で硫黄に富む有機流体のスルホキシド化をもたらす行為と、分離器/乾燥器の少なくとも第1の組合せを提供する行為と、混合点/反応器/射出点の少なくとも第1の組合せから分離器/乾燥器の少なくとも第1の組合せに混合物ストリームを移す行為と、硫黄に富む炭化水素ストリームおよび湿潤極性プロトン性流体ストリームから、少なくとも第1の実質的に硫黄を含まない炭化水素生成物ストリームを分離する行為と、分離器/乾燥器の第1の組合せ内で湿潤極性プロトン性流体ストリームを乾燥させる行為と、乾燥した極性プロトン性流体ストリームを少なくとも第1の混合点/反応器/射出点に戻す行為と、少なくとも第2の反応器を提供する行為と、硫黄に富む炭化水素ストリームを第2の反応器に移す行為と、第2の反応器内で硫黄に富む炭化水素ストリームを加熱する行為であって、少なくとも第2の実質的に硫黄を含まない有機ストリームおよび硫黄富化コークスストリームをもたらす行為と、混合点/分離器の少なくとも第1の組合せを提供する行為と、混合点/分離器の少なくとも第1の組合せにおいて2つの実質的に硫黄を含まないストリームを合わせる行為と、得られた組合せを、実質的に硫黄を含まないオレフィンに富む炭化水素生成物ストリームに分離する行為とを含む、スルホキシド化方法に関する。
【0019】
本開示の特徴は、添付の特許請求の範囲に記載される。しかしながら、本開示自体は、付随する図面と併せて読むと、以下の例示的実施形態の詳細な説明を参照することにより最も良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本開示の実施形態によるスルホキシド化方法の一実施形態のプロセスフロー図である。
【図2】石油生成物に見られる有機硫黄化合物の典型的な分子構造を示したチャートである。
【図3】従来技術の酸化機構の図式的描写である。
【図4】本開示によるルイス酸触媒スルホキシド化機構の図式的描写である。
【図5】本開示の触媒のヒドロキシル基に生じ得るいくつかの代表的な化学反応の図式的描写である。
【図6A1】本開示に従いチタン触媒を表面に結合させるように相互作用する3つの異なる市販の反応性連結官能基を有する、改質ポリスチレンビーズの表面上の本開示の触媒の一般的な図式的描写である。
【図6A2】本開示に従いチタン触媒を表面に結合させるように相互作用する3つの異なる市販の反応性連結官能基を有する、改質ポリスチレンビーズの表面上の本開示の触媒の一般的な図式的描写である。
【図6A3】本開示に従いチタン触媒を表面に結合させるように相互作用する3つの異なる市販の反応性連結官能基を有する、改質ポリスチレンビーズの表面上の本開示の触媒の一般的な図式的描写である。
【図6B】一般的形態として6A1〜3に記載されるような表面結合チタン触媒の構造の一般化された図式的描写であり、連結基は、ポリスチレンが接続した化学部分を生成するように触媒のヒドロキシ部分と化学反応を生じる任意の連結基であってもよい。
【図6C】本開示の表面結合触媒のさらにより一般的な図式的描写であり、表面は、また6A1〜3に記載のものと同様にヒドロキシ部分と反応し得る化学反応性連結基を有する他の任意の表面であってもよい。
【図6D】本開示の表面結合触媒のさらにより一般化された図式的描写であり、本開示の触媒のヒドロキシ部分は、任意の化学的様式で表面に接続されていてもよい。
【図7】本開示の代表的ポリマー触媒の一般化された構造の図式的描写であり、連結基として定義された基は、それにより交互の鎖構造が形成されるように本開示の触媒のヒドロキシ官能基と反応し得る任意の化学部分であってもよい。
【図8】本開示によるポリスチレン球の表面上に反応したチタン化学種を示す、ポリスチレンイソシアネート官能化触媒の写真である。
【図9】図7に従うポリマー担体内に統合された触媒の可能な一変形例の写真である。
【図10】従来のスルホキシド化試薬によるオレフィンと過酸との無差別反応機構の図式的描写である。
【図11】本開示の実施形態によるスルホキシド化方法の代替の実施形態のプロセスフロー図である。
【図12】本開示に従い行った化学反応速度論的実験の図式的説明である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示は、多くの具体的な詳細を含むが、本明細書に記載される技術の範囲から逸脱せずに様々な変更および修正を行うことができることを理解されたい。技術の範囲は、構成成分の数、構成成分の濃度、その材料、その形状、その相対的配置、使用される温度、構成物の組合せの順番等に制限されるものとして解釈されることはないものとし、単に例として開示される。本明細書において示される描写およびスキームは例示を目的とし、構成成分の数、接続性、反応ステップ、その材料、その形状、その相対的配置、その反応ステップの順番等を制限するものとして解釈されることはないものとし、単に理解の補助として開示される。本明細書に記載の実施例は、炭化水素ストリームからの硫黄の除去に関連し、原油、ディーゼル燃料、および分解ガソリン(例えば、熱分解ガソリン、ビスブレーカーガソリン、コーカーガソリンおよび触媒分解ガソリン等の熱処理されたガソリン)の流体ストリームの酸化脱硫における使用に好適な触媒に関連する。さらに、本明細書に記載の実施例は、金属触媒を使用した、分解ガソリンおよびディーゼル燃料の流体ストリームからの硫黄化合物の除去のための方法に関する。
【0022】
全般的に、本明細書において使用される場合、「置換(された)」は、それが含有する水素原子への1個または複数の結合が非水素原子または非炭素原子への結合により置き換えられている、以下に定義されるようなアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロシクリルアルキル基(例えばアルキル基)を指す。置換された基はまた、炭素(複数可)または水素(複数可)原子への1個または複数の結合が、二重結合または三重結合を含むヘテロ原子への1個または複数の結合により置き換えられている基を含む。したがって、別段の指定がない限り、置換された基は、1個または複数の置換基で置換される。いくつかの実施形態において、置換された基は、1個、2個、3個、4個、5個、または6個の置換基で置換されている。置換基の例には、ハロゲン(すなわちF、Cl、Br、およびI);ヒドロキシル;アルコキシ、アルケノキシ、ヘテロシクリルオキシ、およびヘテロシクリルアルコキシ基;カルボニル(オキソ);カルボキシル;エステル;エーテル;ウレタン;アルコキシアミン;チオール;スルフィド;スルホキシド;スルホン;スルホニル;スルホンアミド;アミン;N−オキシド;イソシアネート;シアネート;チオシアネート;ニトロ基;ニトリル(すなわちCN)等が含まれる。
【0023】
また、置換シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリール基等の置換された環基は、水素原子への結合が炭素原子への結合で置き換えられた環および縮合環系を含む。したがって、置換シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリール基はまた、以下で定義されるような置換または非置換アルキルまたはアルケニル基で置換され得る。
【0024】
アルキル基は、1個から約20個の炭素原子、またはいくつかの実施形態では1個から8個、1個から6個、もしくは1個から4個の炭素原子を有する、直鎖および分岐アルキル基を含む。アルキル基は、さらに、以下で定義されるようなシクロアルキル基を含む。直鎖アルキル基の例には、1個から8個の炭素原子を有するもの、例えばメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、およびn−オクチル基等が含まれる。分岐アルキル基の例には、イソプロピル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、イソペンチル、および2,2−ジメチルプロピル基が含まれるが、これらに限定されない。代表的な置換アルキル基は、上に列挙されたもの等の置換基で1回または複数回置換されていてもよい。
【0025】
アルケニル基は、上に定義されたような直鎖および分岐鎖およびシクロアルキル基を含むが、ただし2個の炭素原子間に少なくとも1個の二重結合が存在する。したがって、アルケニル基は、いくつかの実施形態においては2個から約12個の炭素原子を有し、他の実施形態においては2個から10個の炭素原子を有し、他の実施形態においては2個から8個の炭素原子を有する。例には、特に、ビニル、アリル、−CH=CH(CH)、−CH=C(CH、−C(CH)=CH、−C(CH)=CH(CH)、−C(CHCH)=CH、シクロヘキセニル、シクロペンテニル、シクロヘキサジエニル、ブタジエニル、ペンタジエニル、およびヘキサジエニルが含まれるが、これらに限定されない。代表的な置換アルケニル基は、一置換または2回以上置換されていてもよく、例えば、上に列挙されたもの等の置換基で一置換、二置換または三置換されていてもよいが、これらに限定されない。
【0026】
シクロアルキル基は、環状アルキル基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチル基等であるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態においては、シクロアルキル基は3個から8個の環員を有し、他の実施形態においては、環炭素原子の数は、3個から5個、3個から6個、または3個から7個の範囲である。シクロアルキル基はさらに、単環式、二環式および多環式環系を含む。置換シクロアルキル基は、上に定義されたような非水素および非炭素基で1回または複数回置換されていてもよい。しかしながら、置換シクロアルキル基はまた、上に定義されたような直鎖または分岐鎖アルキル基で置換された環も含む。代表的な置換シクロアルキル基は、一置換または2回以上置換されていてもよく、例えば、上に列挙されたもの等の置換基で置換されていてもよい2,2−、2,3−、2,4−、2,5−または2,6−二置換シクロヘキシル基等であるが、これらに限定されない。
【0027】
シクロアルキルアルキル基は、アルキル基の水素または炭素結合が上に定義されたようなシクロアルキル基への結合で置き換えられた、上で定義されたようなアルキル基である。いくつかの実施形態において、シクロアルキルアルキル基は、4個から20個の炭素原子、4個から16個の炭素原子、および典型的には4個から10個の炭素原子を有する。置換シクロアルキルアルキル基は、基のアルキル部分、シクロアルキル部分またはアルキル部分とシクロアルキル部分の両方で置換されていてもよい。代表的な置換シクロアルキルアルキル基は、一置換または2回以上置換されていてもよく、例えば、上に列挙されたもの等の置換基で一置換、二置換または三置換されていてもよいが、これらに限定されない。
【0028】
アリール基は、ヘテロ原子を含有しない環状芳香族炭化水素である。アリール基は、単環式、二環式および多環式環系を含む。したがって、アリール基は、フェニル、アズレニル、ヘプタレニル、ビフェニレニル、インダセニル、フルオレニル、フェナントレニル、トリフェニレニル、ピレニル、ナフタセニル、クリセニル、ビフェニル、アントラセニル、インデニル、インダニル、ペンタレニル、およびナフチル基を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、アリール基は6個から14個の炭素を、また他の実施形態において、6個から12個、またはさらに6個から10個の炭素原子を基の環部分に含有する。
【0029】
「アリール基」という語句は、縮合芳香族−脂肪族環系(例えばインダニル、テトラヒドロナフチル等)等の縮合環を含有する基を含むが、環員の1つに結合したアルキルまたはハロ基等の他の基を有するアリール基は含まない。むしろ、トリル等の基は置換アリール基と呼ばれる。代表的な置換アリール基は、一置換または2回以上置換されていてもよい。例えば、一置換アリール基は、上に列挙されたもの等の置換基で置換されていてもよい、2−、3−、4−、5−、または6−置換フェニルまたはナフチル基を含むが、これらに限定されない。
【0030】
アラルキル基は、アルキル基の水素または炭素結合が上に定義されたようなアリール基への結合で置き換えられた、上で定義されたようなアルキル基である。いくつかの実施形態において、アラルキル基は、7個から20個の炭素原子、7個から14個の炭素原子、または7個から10個の炭素原子を含有する。置換アラルキル基は、基のアルキル部分、アリール部分またはアルキル部分とアリール部分の両方で置換されていてもよい。代表的なアラルキル基には、ベンジルおよびフェネチル基、ならびに4−エチル−インダニル等の縮合(シクロアルキルアリール)アルキル基が含まれるが、これらに限定されない。代表的な置換アラルキル基は、上に列挙されたもの等の置換基で1回または複数回置換されていてもよい。
【0031】
ヘテロシクリル基は、3個以上の環員を含有し、そのうちの1個または複数が、これらに限定されないが、N、O、およびS等のヘテロ原子である芳香環(ヘテロアリールとも呼ばれる)および非芳香環化合物を含む。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリル基は3個から20個の環員を含み、他のそのような基は、3個から6個、3個から10個、3個から12個、または3個から15個の環員を有する。ヘテロシクリル基は、不飽和、部分飽和および飽和環系、例えばイミダゾリル、イミダゾリニルおよびイミダゾリジニル基等を包含する。しかしながら、「ヘテロシクリル基」という語句は、環員の1つに結合したアルキル、オキソまたはハロ基等の他の基を有するヘテロシクリル基を含まない。むしろ、これらは「置換ヘテロシクリル基」と呼ばれる。ヘテロシクリル基は、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロフラニル、ジオキソリル、フラニル、チオフェニル、ピロリル、ピロリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、ピラゾリル、ピラゾリニル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアゾリニル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、オキサチアン、ジオキシル、ジチアニル、ピラニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、ジヒドロピリジル、ジヒドロジチイニル、ジヒドロジチオニル、ホモピペラジニル、キヌクリジル、インドリル、インドリニル、イソインドリル、アザインドリル(ピロロピリジル)、インダゾリル、インドリジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンズチアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾオキサジニル、ベンゾジチイニル、ベンゾオキサチイニル、ベンゾチアジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、ピラゾロピリジル、イミダゾピリジル(アザベンズイミダゾリル)、トリアゾロピリジル、イソオキサゾロピリジル、プリニル、キサンチニル、アデニニル、グアニニル、キノリニル、イソキノリニル、キノリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プテリジニル、チアナフタレニル、ジヒドロベンゾチアジニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロインドリル、ジヒドロベンゾジオキシニル、テトラヒドロインドリル、テトラヒドロインダゾリル、テトラヒドロベンズイミダゾリル、テトラヒドロベンゾトリアゾリル、テトラヒドロピロロピリジル、テトラヒドロピラゾロピリジル、テトラヒドロイミダゾピリジル、テトラヒドロトリアゾロピリジル、およびテトラヒドロキノリニル基を含むが、これらに限定されない。代表的な置換ヘテロシクリル基は、一置換または2回以上置換されていてもよく、例えば、上に列挙されたもの等の様々な置換基で2−、3−、4−、5−もしくは6−置換された、または二置換されたピリジルまたはモルホリニル基等であるが、これらに限定されず、またさらに縮合環置換基を含むがこれに限定されず、例えば、ジベンゾチオフェンおよびベンゾ−ナフトチオフェンは、上に列挙されたベンゾチオフェニル基の縮合環の変形例であり、またそれらのさらなる代表的な置換ヘテロシクリル基は、一置換または2回以上置換されていてもよく、例えば、上に列挙されたもの等の様々な置換基で2−、3−、4−、5−もしくは6−置換された、または二置換されたピリジルまたはモルホリニル基等であるが、これらに限定されない。
【0032】
ヘテロシクリルアルキル基は、アルキル基の水素または炭素結合が上に定義されたようなヘテロシクリル基への結合で置き換えられた、上で定義されたようなアルキル基である。置換ヘテロシクリルアルキル基は、基のアルキル部分、ヘテロシクリル部分またはアルキル部分とヘテロシクリル部分の両方において置換されていてもよい。代表的なヘテロシクリルアルキル基には、4−エチル−モルホリニル、4−プロピルモルホリニル、フラン−2−イルメチル、フラン−3−イルメチル、ピリジン−3−イルメチル、テトラヒドロフラン−2−イルエチル、およびインドール−2−イルプロピルが含まれるが、これらに限定されない。代表的な置換ヘテロシクリルアルキル基は、上に列挙されたもの等の置換基で1回または複数回置換されていてもよい。
【0033】
アルコキシ基は、水素原子への結合が上に定義されたような置換または非置換アルキル基の炭素原子への結合で置き換えられたヒドロキシル基(−OH)である。直鎖アルコキシ基の例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ等が含まれるが、これらに限定されない。分岐アルコキシ基の例には、イソプロポキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、イソペントキシ、イソヘキソキシ等が含まれるが、これらに限定されない。シクロアルコキシ基の例には、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ等が含まれるが、これらに限定されない。代表的な置換アルコキシ基は、上に列挙されたもの等の置換基で1回または複数回置換されていてもよい。
【0034】
本明細書に記載の実施形態は、炭化水素ストリームからの硫黄の除去に関する。本明細書に記載の実施形態は、原油、ディーゼル燃料、および分解ガソリン(例えば、熱分解ガソリン、ビスブレーカーガソリン、コーカーガソリンおよび触媒分解ガソリン等の熱処理されたガソリン)およびそれらから得られる蒸留物の炭化水素流体ストリームの酸化脱硫における使用に好適な触媒に関する。本明細書に記載の実施形態は、上記触媒を使用した、分解ガソリンおよびディーゼル燃料の流体ストリームからの硫黄化合物の除去のためのシステムおよび方法に関する。本明細書に記載の実施形態はまた、本開示に記載の触媒処理炭化水素流体ストリームから得られる燃料生成物および潤滑剤に関する。
【0035】
本明細書に記載の触媒組成物は、金属錯体を含んでもよい。いくつかの実施形態において、金属錯体は、式M(OR)で表すことでき、式中、Mは、金属錯体、例えばチタン、またはこれに限定されないが、レニウム、タングステンもしくはその他の遷移金属を含む任意の金属等の単体、または本明細書に記載のような硫黄種の化学変換をもたらす組合せである。Rは、少なくとも3個の炭素原子を有する炭素基であり、それぞれの存在において、Rは、個々に、少なくとも1個のOH基を含有する置換アルキル基、少なくとも1個のOH基を含有する置換シクロアルキル基、少なくとも1個のOH基を含有する置換シクロアルキルアルキル基、少なくとも1個のOH基を含有する置換ヘテロシクリル基、または少なくとも1個のOH基を含有するヘテロシクリルアルキルであってもよい。下付き文字mおよびnは、それぞれ独立して、約1から約8の間の整数であってもよい。Rは、F、Cl、Br、およびI等のハロゲンで置換されていてもよい。いくつかの実施形態において、金属アルコキシドは、ビス(グリセロール)オキソチタニウム(IV))を含み、式中、MはTiであり、mは1であり、nは2であり、Rはグリセロール基である。金属アルコキシドの他の例には、ビス(エチレングリコール)オキソチタニウム(IV)、ビス(エリスリトール)オキソチタニウム(IV)、およびビス(ソルビトール)オキソチタニウム(IV)が含まれる。本明細書に記載の触媒は、本明細書に記載の触媒反応において、単一で、または組み合わせて使用することができ、金属Mは、本明細書に記載のような硫黄種の化学変換をもたらす任意の金属である。
【0036】
ここで、触媒組成物は、金属錯体含有ポリマーをさらに含んでもよい。いくつかの実施形態において、金属錯体含有ポリマーは、図式的に図6〜9で表すことができる。
【0037】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の触媒は、酸化剤(酸化性薬剤)の存在下で、有機流体(例えば炭化水素)溶液または少なくとも1種の硫黄化合物を含有するストリームと接触させて、触媒に硫黄化合物の酸化を触媒させ、炭化水素流体に対する溶解度よりも高い触媒溶液に対する溶解度を有する酸化された硫黄化合物を得ることができる。好適な有機流体の例には、ガソリン(上述の分解ガソリンを含む)、ディーゼル燃料、ジェットオイル、重油、重質サワー原油、製油生成物に特有の他の誘導生成物および中間体、ならびにこれらの組合せが含まれるが、これらに限定されない。硫黄化合物の例には、アルキル−チオ、芳香族−チオール、芳香族−硫化物、芳香族−スルホキシド、アルキル−チオフェン、芳香族−チオフェン、その他の耐熱性硫黄含有化合物、およびこれらの組合せが含まれるが、これらに限定されない。
【0038】
本明細書に記載の触媒は、二相性反応プロセスにおいて使用することができ、硫黄化合物は、少なくとも部分的に有機流体から水相に抽出され、その結果本質的に硫黄を含まない、または硫黄濃度が低減された炭化水素流体が残される。好適な層間移動剤/溶媒の例には、酢酸、ギ酸、プロパン酸、オクテン酸、ブテン酸、長鎖脂肪酸、アルキル置換芳香族酸等の極性プロトン性液体、およびこれらの組合せが含まれる。好適な酸化剤の例には、O、H、NaOCl、O、空気、過マンガン酸塩化合物、亜酸化窒素、触媒と容易に反応して本開示に従いスルホキシド化反応を生じさせるその他の好適な酸化剤が含まれるが、これらに限定されない。酸化剤は、固体、液体または気体、およびこれらの組合せの形態で送達され得る。
【0039】
本明細書に記載の反応は、約20℃から約90℃、例えば約20℃から約50℃の温度範囲内で行うことができる。より高い反応温度は、硫黄化合物と酸化剤との間反応の速度を加速し得る。90℃より高い温度を使用した反応スキームは、過酸化物等のいくつかの酸化剤の非生産的な分解により阻害され得る。
【0040】
触媒の濃度は、硫黄元素に対して約100.00重量%から0.00004重量%、例えば硫黄元素の重量に対して約100.00重量%から約0.0004重量%の範囲となり得る。触媒は均一な形態で存在してもよく(例えば、アルコール中に溶解し、次いで極性プロトン性相に添加される等)、または不均一な形態で存在してもよい(例えば層間移動剤/溶媒に対する触媒の溶解度が低い場合の固体等)。本明細書に記載のような固体触媒は、効率的な触媒活性を提供する任意の好適な形態を含み得る。例えば、触媒は、錯体、クラスタ錯体、異性体混合物、ナノ寸法材料、金属錯体含有ポリマー、またはこれらの組合せを含んでもよい。ナノ寸法材料は、触媒のナノ粒子を含んでもよく、ナノ粒子は制御加水分解により生成され得る。ナノ粒子は、形成後に焼結されてもよい。このようにして生成されたナノ粒子は、有機溶液、懸濁液および複合材等の成分として使用し得る。
【0041】
いくつかの実施形態において、硫黄化合物を含有する炭化水素流体は、酸化剤の存在下で、触媒を含有する移動剤/溶媒と接触させてもよい。触媒は、硫黄化合物の酸化を触媒し、その結果、移動剤/溶媒に可溶な化合物に変換することができ、次いで酸化された硫黄化合物は炭化水素流体から抽出および除去し得る。流体は、連続プロセスまたはバッチプロセスにおいて触媒溶液と接触させることができる。例えば、炭化水素ストリーム(硫黄化合物を含有する)を、固定床反応器内の場所で、または流動床反応器内の場所で、硫黄化合物の変換(酸化)を生じさせるのに十分な滞留時間だけ触媒溶液と接触させ、次いで本質的に硫黄を含まない炭化水素ストリームを今は硫黄を含有する触媒ストリームから分離することができる。次いで2つの別個の相を分離することができ、必要に応じて材料(例えば触媒および溶媒)をリサイクルすることができる。
【0042】
図1は、上述したもの等のスルホキシド化プロセスの一実施形態のプロセスフロー図である。源Aは、混合点1でプロセス内に入力される硫黄に富む有機流体ストリームを含んでもよく、有機流体は上述したもの等の流体であってもよい。源Qは、射出点10でシステム内に導入される酸化剤を含んでもよく、酸化剤は上述した酸化剤を含んでもよく、酸化剤は混合点1で有機流体ストリームと混合される。酸化剤が電気分解により生成される実施形態では、源Qは電気入力を含んでもよい。
【0043】
混合点1からの混合物を、反応器2において触媒と合わせ、二相性油−反応混合物を形成し、反応器2内で硫黄に富む有機流体のスルホキシド化をもたらすことができる。触媒は上述したものであってもよい。触媒は、固体または液体として反応器2に入れることができ、また混合点11から反応器2に移すことができる。いくつかの実施形態において、混合点1および11で行われる混合は反応器2で行われてもよく、反応器2は、静的混合器または固定床反応器、触媒が固体で試薬混合物が液体である場合は連続撹拌反応器、および触媒二相性反応を行う他の既知の方法であってもよい。
【0044】
二相性油−反応ストリームBは、反応器2から分離器3に移すことができ、そこで硫黄に富む極性抽出物Eを低硫黄(または本質的に硫黄を含まない)ラフィネートCから分離することができる。硫黄に富む抽出物E(酸化された硫黄化合物および触媒溶液を含む)は、分離器3から蒸留塔4に移すことができ、そこで軽質蒸留物F(実質的に純粋な抽出剤、例えば溶媒)を蒸留により重質蒸留物Gから分離することができ、重質蒸留物は、酸化された硫黄化合物(有機スルホン等)および触媒を含み得る。いくつかの実施形態において、分離器3および蒸留塔4を組み合わせて単一の蒸留塔とすることができる。軽質蒸留物Fは、混合点11または分離器3に戻すことができる。分離器3に再循環された軽質蒸留物Fは、分離器3内で硫黄化合物をさらに抽出し、本質的に硫黄を含まないラフィネートCをもたらすことができる。いくつかの実施形態において、硫黄に富む抽出物Eは、二相性油−反応ストリームBの約15重量%となり得、低硫黄(または本質的に硫黄を含まない)ラフィネートCは、二相性油−反応ストリームBの約85重量%となり得る。
【0045】
重質蒸留物Gは抽出器5に移すことができ、そこでプロセスHにより蒸留塔6を使用して触媒を抽出することができ、またプロセスIにより溶媒を抽出器5に戻すことができる。触媒濃縮物Kは、混合点11に戻すことができる。残りの硫黄に富む塩含有重質物Jは、抽出器5から抽出器7に移すことができ、そこで水洗出力Nを通して塩を除去し反応器10に戻すことができる。酸化剤がNaOClである場合、抽出器7でのプロセスは塩抽出を含み得る。他の酸化剤が使用される場合は、抽出器7は溶媒洗浄を含み得る。水は、入力Lを通して抽出器7に導入することができる。
【0046】
硫黄に富む重質ストリームM(例えば硫黄に富む有機物)は、抽出器7から反応器8に移すことができる。反応器8は、高温反応器を含むことができ、固体床触媒等の触媒を利用することができる。反応器8において、硫黄に富む重質物は、触媒によりSOおよび有機化合物に分けることができ、SOは、SO出力Pにおいて気体として反応器8から除去することができる。反応器8において生成された回収後の有機化合物O(例えば油等)は、反応器8から混合点9に移すことができ、そこで有機化合物Oは実質的に低硫黄のラフィネートCと混合され、低硫黄炭化水素生成物ストリーム出力Dに移すことができる。
【0047】
実施例
ビス(グリセロール)オキソチタニウム(IV)の調製の可能な一実施形態
オキシ塩化チタン(2キログラム(kg)、Millenium Chemicals社製)を、脱イオン水(2kg)で希釈し、次いでグリセリン(2kg)を含有する20リットル(l)の丸底フラスコに加えた。淡黄色となるまで混合物を撹拌した。次いで、20lの丸底フラスコを、ロータリーエバポレーターで真空下(−25インチHg)で50℃に加熱し、過剰の水および塩酸を除去した。それ以上液体濃縮物が認められなくなったら、フラスコに再び水(0.65l)を投入し、ロータリーエバポレーターで過剰の水および塩酸をさらに除去した。これをさらに2回繰り返した。最後の蒸発の後、粘稠性の淡黄色液体を秤量し(2.64kg)、メトキシプロパノール(0.85kg)で希釈して粘性を低下させた。次いでこれをトリエチルアミン(3.3kg、エタノール中33%重量/重量)で中和した。次いで、合わせた中和溶液を数時間冷却し、トリエチルアミン塩酸塩の棒状の針を生成した。結晶トリエチルアミン塩酸塩を真空濾過により除去した。濾液を徐々にアセトン(70L)に添加し、生成物を白色固体として沈殿させた。次いでアセトンをデカンテーションし、オフホワイトの固体残渣が得られた。次いでオフホワイトの固体残渣をヘキサン(20L)で激しく洗浄すると、白色微粉末が得られた。粉末を濾過により回収した(Tiを基準とした収率>63%)。%Ti計算値:16.98。分析値:16.7;mp DSC(dec)273℃;ESI−MS(ポジティブモード)245amu;H−NMR(DMSO−d6)4.25(br s,4 H)、3.45(m,2H)、3.38(m,4H)、3.31(m,4H)。
【0048】
ポリマーチタニル錯体の調製の可能な一実施形態
撹拌棒を含む120〜250mLのガラス瓶にジメチルスルホキシド(DMSO)を加えた。DMSOにモノマーを添加し、続いてビス(グリセロール)オキソチタニウム(IV)をモノマーに対して1:1のモル比で添加した。70℃に設定した水浴中で撹拌しながらスラリーを1〜4時間加熱すると、その時間後に混合物は透明溶液に変化した。室温に冷却した後、混合物をビーカーに移し、5倍のアセトンを使用して生成物を沈殿させた。約10〜20分後、沈殿物を真空濾過により回収し、真空炉内で一晩乾燥させた。収率は約90+%である。
【0049】
一般法A:
ジベンゾチオフェン(DBT)をテトラリンに溶解することによりモデル油を調製し、約15000パーツパーミリオン(ppm)の硫黄含量の溶液を得た(テトラリン8.33グラムにDBT約0.76グラムが溶解)。ガラス製バッチ反応器内で酢酸をモデル油と合わせ、チタニルスルホキシド化触媒ビス(グリセロール)オキソチタニウム(IV)のメタノール中40重量%溶液の一定分量を添加し、次いで酸化剤の一定分量を添加することにより、酸化脱硫実験を行った。加熱循環浴を使用して反応器(J−KEM社製)の温度を制御し(±0.1K)、典型的には323K(50℃)に設定した。油相の一定量を様々な時間間隔で取り出し、DBTの変換の程度に関してクロマトグラフィー技術により測定した。反応物は毎分約200回転(rpm)の混合棒速度で撹拌した。
【0050】
一般法B:
ジベンゾチオフェン(DBT)をテトラリンに溶解することによりモデル油を調製し、約15000ppmの硫黄含量の溶液を得た(テトラリン8.33グラムにDBT約0.76グラムが溶解)。ガラス製バッチ反応器内で酢酸および固体触媒をモデル油と合わせ、次いで酸化剤の一定分量を添加することにより、酸化脱硫実験を行った。加熱循環浴を使用して反応器(J−KEM社製)の温度を制御し(±0.1K)、典型的には323K(50℃)に設定した。油相の一定量を様々な時間間隔で取り出し、変換の程度に関してクロマトグラフィー技術により測定した。反応物は毎分約200回転(rpm)の混合棒速度で撹拌した。
【0051】
一般法C:
ジベンゾチオフェン(DBT)をテトラリンに溶解することによりモデル油を調製し、15000ppmの硫黄含量の溶液を得た。ガラスライニング圧力反応器内で酢酸と触媒のメタノール中40重量%溶液の一定分量を合わせ、次いで酸化剤の一定分量をモデル油に添加することにより、酸化脱硫実験を行った。循環浴中で反応物を加熱して温度を制御し(±0.1K、J−KEM社製)、典型的には323K(50℃)に設定した。空気で加圧したときに反応時間を開始した。反応を様々な時間間隔で停止させ、変換の程度に関してクロマトグラフィー技術により分析した。反応物は毎分約200回転(rpm)の混合棒速度で撹拌した。
【0052】
一般法D:
ガラス製バッチ反応器内で氷酢酸および一定量のチタン触媒溶液(メタノール中40wt%)および過酸化水素をディーゼルと合わせることにより、未加工ディーゼル(21100ppm硫黄)の酸化脱硫を行った。加熱循環浴を使用して反応器(J−KEM社製)の温度を制御した(323K、±0.1K)。反応物は毎分約400回転(rpm)の混合棒速度で30〜60分間撹拌した。1000mLの分液漏斗を使用してディーゼル相を酸相から取り出した。次いでディーゼルを新鮮な氷酢酸で3回抽出した。ディーゼル中の残留酢酸を、ロータリーエバポレーターで除去した。ディーゼルの硫黄含量は、XOS Sindie 7039 XR X線蛍光分光計を使用して、ODSプロセスの各ステップに対し監視した。
【0053】
一般法E:
ベンゾチオフェン(BT)、ジベンゾチオフェン(DBT)、4−メチルジベンゾチオフェン(MDBT)、および4,6−ジメチルジベンゾチオフェン(DMDBT)をテトラリン(約500ppmS)に溶解することによりモデル油を調製した。ガラス製バッチ反応器内で酢酸をモデル油と合わせ、触媒のMeOH中40%溶液を添加し、次いで酸化剤(H)の一定分量を添加することにより、酸化脱硫実験を行った。加熱循環浴を使用して反応器の温度を制御した。油相の一定量を様々な時間間隔で取り出し、4種の硫黄成分の変換の程度に関してクロマトグラフィー技術により測定した。反応物は毎分約400〜450回転(rpm)の混合棒速度で撹拌した。
【0054】
一般法F:
ジベンゾチオフェン(DBT)をテトラリン(1〜2%S)に溶解することにより、モデル油を調製した。ガラス製バッチ反応器内で酢酸(油相の5倍)をモデル油と合わせ、様々な量の触媒を添加し、次いで酸化剤(H)の一定分量(2〜5.5モル当量)を添加することにより、酸化脱硫実験を行った。加熱循環浴を使用して反応器の温度を制御した。油相の一定量をいくつかの実験の様々な時間間隔で取り出し、硫黄成分の変換の程度に関してクロマトグラフィー技術により測定した。反応物は毎分約400〜450回転(rpm)の混合棒速度で撹拌した。
【0055】
一般法G:
DBT(72.4mg、0.39mmol)、ベンゾチオフェン(BT)(54.1mg、0.4mmol)、4−メチルジベンゾチオフェン(4−MDBT)(81.0mg、0.41mmol)、および4,6−ジメチルジベンゾチオフェン(DMDBT)(78.5mg、0.37mmol)をデカリンに溶解することによりモデル油を調製した。ガラス製バッチ反応器内で酢酸(12g)をモデル油と合わせ、ビス(グリセロール)オキソチタニウム(IV)のメタノール中40重量%溶液100μlを添加し、次いで50%H溶液2.8グラムを添加することにより(26:1のO:S比)、酸化実験を行った。加熱循環浴を使用して反応器(J−KEM社製)の温度を制御し(±0.1K)、典型的には323K(50℃)に設定した。実験は30分間行い、一定量を5分、15分および30分間隔で引き出した(完全相分離を生じさせ、その時点で試料を取り出し時間を記録した)。タングストリン酸(TPA)(Yazu)の結果と比較してプロットしたデータを図12に示す。
【0056】
実施例1〜18:
一般法Aに従い、触媒体積(Vol.)、酸化剤レベル(酸化剤、H濃度)、酸強度(酸、25%酢酸対氷酢酸)、および温度(T)を変えながら反応を行い、1時間後に変換率(%収率)を分析した。触媒は、ビス(グリセロール)オキソチタニウム(IV)のメタノール溶液であった。酸の体積は、約8.35から約8.37gの間であった。酸化剤の量は約2.80gであった。得られた結果を以下の表1に示す。
【0057】
【表1】

【0058】
実施例19:
10分間隔で40分間、分析用に一定量を取り出しながら、実施例16(上記)を繰り返した。得られた結果を以下の表2に示す。
【0059】
【表2】

【0060】
実施例20:
回転速度を約200rpmから約400rpmへと2倍にして、実施例19(上記)を繰り返した。本明細書に記載の反応において、反応物の混合速度は、反応物質の最大限の混合を提供するように最適化され得る。5分、15分および25分で分析用に一定量を取り出し、効果を測定した。得られた結果を以下の表3に示す。
【0061】
【表3】

【0062】
実施例21:
テトラリンに対する酢酸の質量比を2倍にして、実施例20(上記)を繰り返した。5分、10分および12分で分析用に一定量を取り出し、効果を測定した。得られた結果を以下の表4に示す。
【0063】
【表4】

【0064】
実施例22:
過酸化水素の濃度をDBTに対して3モル当量まで下げて、実施例20(上記)を繰り返した。5分、15分および25分で分析用に一定量を取り出し、効果を測定した。得られた結果を以下の表5に示す。
【0065】
【表5】

【0066】
実施例23:
一般法Cに従い、周囲圧力下で酸化剤として空気を使用して実施例20(上記)を繰り返した。87時間後、反応は0.6%変換を達成した。
【0067】
実施例24:
一般法Cに従い、150psiで酸化剤として空気を使用して実施例23(上記)を繰り返した。1時間後、反応は0.6%変換を達成した。
【0068】
実施例25〜41:
一般法Bに従い、触媒体積(wt)、酸化剤レベル(酸化剤、H濃度)、酸強度(酸、25%酢酸対氷酢酸)、および温度(T)を変えながら反応を行い、1時間後に変換率(%収率)を分析した。温度RTは、室温約20℃を表す。触媒は、固体ビス(グリセロール)オキソチタニウム(IV)であった。酸の体積は、約8.34gから約8.38gの間であった。酸化剤の量は約2.80gであった。得られた結果を以下の表6に示す。
【0069】
【表6】

【0070】
実施例42:
実施例22の条件に従い、酸化剤としてHの代わりに6モル当量のNaOClを使用すると、DBTの定量的な酸化が認められる。
【0071】
酸化剤使用選択性の可能な一実施形態
式1に従い、各相の過酸化水素含量を硫酸セリウムを用いた滴定により決定した。滴定終点に達した後、過剰のヨウ化カリウムを溶液に添加した。式2に従い、酸性媒体中で形成されたヨウ化水素酸が過酢酸と反応し、ヨウ素を放出する。次いで、式3に示されるように、チオ硫酸ナトリウムの標準溶液を使用して放出されたヨウ素を滴定した。この滴定の終点を使用して、各相の過酢酸含量を計算した。
(1)

(2)

【0072】
(3)

【0073】
滴定は、新鮮な市販の標準試薬を使用して手作業で行った。手順は、望ましくない分解を防ぐために迅速に低温(0℃)で行った。
【0074】
酸化
酸化実験では、開いたガラス製バッチ反応器内で3当量の氷酢酸と合わせた直留ディーゼル(1.7446%S)を使用した。これに、ビス(グリセロール)オキソチタニウム(IV))のメタノール中約40重量%溶液の一定分量を添加し、続いて酸化剤(50%H、Aldrich社製)(5モル当量:S)の一定分量を添加した。加熱循環浴を使用して反応器(J−KEM社製)の温度を制御し(約±0.1K)、典型的には約323K(50℃)に設定した。オーバーヘッドスターラーを用いて約1000rpmで約1時間反応物を撹拌した。Ti触媒を用いない対照反応を同様に行い、同じ期間にわたる触媒の非存在下での過酸化水素の自己熱分解を定量した。
【0075】
滴定
5N氷冷硫酸約2ml、氷(砕いた角氷)約25g、およびフェロイン指示薬溶液約3滴を含有するエルレンマイヤーフラスコに、正確に秤量した量の試料相を加えた。
【0076】
約0.1N硫酸セリウム(IV)で、色の外観がサーモン色からライトブルー(終点)に変化するまで試料を滴定した。終点において、使用された硫酸セリウム(IV)の体積(Vol 1)を記録した。
【0077】
次いで、20%ヨウ化カリウム溶液約10mlを滴定後の試料に添加し、脱イオン水で約300mlまで希釈した(茶色)。次いでこれを、約0.1Nチオ硫酸ナトリウムで、茶色が薄くなるまで滴定した。数滴のデンプン溶液を添加し、溶液が紫色からサーモン/ピンク色となるまで滴定を続けた。使用されたチオ硫酸ナトリウムの最終体積を終点として記録した。
【0078】
試料中の過酸化水素の含量(重量%)は、以下のように計算した。
%H=mL硫酸Ce(IV)×170.07/試料重量(mg)
【0079】
試料中の過酢酸の含量(重量%)は、以下のように計算した。
%PAA=mLチオ硫酸塩×380.17/試料重量(mg)
【0080】
反応混合物の各相(酢酸相およびディーゼル相)に対して上記手順を3回繰り返し、平均的結果としてデータを報告した。
【0081】
結果
ビス(グリセロール)オキソチタニウム(IV)触媒により示されるスルホキシド化への独特の選択性を十分に実証するために、酸化実験を意図的に表1に示される比率で行った。
【0082】
【表7】

【0083】
Ti触媒実験を、Ti触媒なしで行った対照実験と比較した。GC−SCD(条件挿入)による分析は、Ti触媒実験のディーゼル相においては硫黄保持種は実質的に存在しないことを示しており、一方Tiがない対照は極微量のS化合物が除去されたことを示し、除去された少量は抽出による可能性が高かった。
【0084】
各相における過酸化物および過酸の濃度はまた、バッチ系において達成される平衡分布に関する情報を提供している。
【0085】
【表8】

【0086】
表8の結果は、接触時間が酸化剤選択性に関連するパラメータであり得ることを明確に示している。油相ありまたはなしで同量の酸化剤損失が生じるため(3列目および4列目)、過酸化物損失はおそらく酸素発生を介して生じた可能性がある。接触時間を最短化すると、選択性に有益であると思われる(8列目および9列目)。興味深いことに、直留ディーゼルは、Ti触媒なしで実質的な酸化剤の損失を示し(2列目)、Ti触媒なしのデカリン系(5列目)とは対照的である。直留ディーゼルは酸素発生反応を触媒し得る金属を含有し、これが上述の観察を説明し得る。さらに、ディーゼル中の図2による硫黄種(メルカプタン等)の直接酸化は、触媒なしでの酸化剤使用の別の潜在的経路を示している。明らかに、過酸化物損失は、接触時間の短縮、酸化剤濃度の低下、および硫黄:Ti比率の増加(速度を上げるため)により最小限化され得る。変換およびこれらの条件下での最大限の選択性を完全とするための最適な実験時間は、モデル系に基づき、20分以内であると思われる。
【0087】
ビス(グリセロール)オキソチタニウム(IV)触媒により示されるスルホキシド化への独特の選択性を十分に実証するために、酸化実験を表9に示される比率で行った。
【0088】
【表9】

【0089】
高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)によりジベンゾチオフェン(DBT)変換を分析し、滴定により酸化剤選択性を測定した。結果を以下の表10に列挙する。
【0090】
【表10】

【0091】
上記モデル系における酸化剤選択性は、99%を超えた。
【0092】
結論
要約すると、モデルディーゼル中の硫黄化合物のビス(グリセロール)オキソチタニウム(IV)触媒酸化は、スルホン形成に対する非常に高い酸化剤選択性(99+%)を有すると思われる。直留ディーゼルにおける過酸化物損失は、接触時間に敏感であると思われる。上記に示したように、酸化選択性は、少なくも99.0%を超えた。
【0093】
基材選択性
実施例43
従来技術の触媒のオレフィンに対する無差別的な効果の可能な一実施形態は、図10に示す機構により図式的に示される。本開示の触媒を使用してオレフィン基材に対する選択性を試験するために、外部、内部、ならびに外部および内部混合オレフィン基材を用いた実験を行った。
【0094】
オレフィン(スチレン、trans−スチルベンおよびリモネン)をd8−トルエン(6グラム)中に10重量%まで独立して溶解することにより、モデル油を調製した。ガラス製バッチ反応器内で酢酸(18g)をモデル油と合わせ、ビス(グリセロール)オキソチタニウム(IV)のメタノール中40重量%溶液100μlを添加し、次いで50%H溶液5モル当量(オレフィン基準)を添加することにより、酸化実験を行った。加熱循環浴を使用して反応器(J−KEM社製)の温度を制御し(±0.1K)、典型的には323K(50℃)に設定した。実験は1時間行い、変換に関して15分および1時間で一定量を引き出した。15分後では、Hおよび13C核磁気共鳴分光(NMR)分析により、いずれのオレフィンでも酸化は認められなかった。約1時間後では、スチレンでは酸化は観察されず、trans−スチルベンではその期間に部分的なエポキシ化(13%)のみが認められた。
【0095】
カルバゾール(10%)をd8−トルエン(6グラム)に溶解することによりモデル油を調製した。ガラス製バッチ反応器内で酢酸(18g)をモデル油と合わせ、ビス(グリセロール)オキソチタニウム(IV)のメタノール中40重量%溶液100μLを添加し、次いで50%H溶液5モル当量(窒素基準)を添加することにより、酸化実験を行った。加熱循環浴を使用して反応器(J−KEM社製)の温度を制御し(±0.1K)、典型的には323K(50℃)に設定した。実験は1時間行い、変換に関して15分および1時間で一定量を引き出した。15分後、H−NMRによるN−H伸縮の消失により明らかなように、カルバゾールの完全酸化が認められた。触媒は、芳香族アミンを酸化したと思われる。
【0096】
実験44
以下の表に示す量に従いDBTをクメンで置き換えた一般法Aの変形例を使用して、第3級ベンジル炭化水素に対する本開示の触媒プロセスの効果の試験を行った。クロマトグラフィー技術により反応物を試験し、標準に対するすべての入力の結果と比較した。クメン酸化生成物は観察されなかった。具体的には、ベンジル炭化水素を含有する油ストリームにおいて、本開示の触媒は、油ストリーム中の生成物含量に悪影響を与えないと思われる。本開示の触媒は、極めて硫黄特異的であると思われる。特に、酸化剤が炭化水素に有害に攻撃するのであれば、最終的に蒸留される燃料の品質は低下するだろう。実験43および44は、本開示の触媒プロセスが、オレフィンもベンジル炭化水素も著しく酸化しないことを示し、そのような結果は、本開示に関連して新規であり独特であると考えられる。
【0097】
【表11】

【0098】
製油所供給物実験の可能な実施形態
直留ディーゼル(約2.12%S)、複合ガス−オイル(2.90%S)、真空ガス−オイル(3.25%S)、および原油(6.05%)等の製油所供給物の様々な源に対し実験を行った。供給物に従って酢酸、触媒、および酸化剤を添加した。反応は、水浴(45〜55℃)中で加熱したガラス容器内で様々な時間行った。反応中および反応後に油層の一定量を取り出し、XOS Sindie 7039 XRF X線蛍光分光計を使用して硫黄含量を分析した。いくつかの実験は、分離フラスコおよびBUCHIロータリーエバポレーターを使用した層の完全分離を含んだ。
【0099】
【表12】

【0100】
広範な実験を通して、本明細書に記載のビス(グリセロール)オキソチタニウム(IV)組成物を含有する固体チタニルスルホキシド化触媒は、担体表面(有機ポリマーまたは無機酸化物)に結合した、またはポリマー骨格内に結合した場合、有機流体ストリームからの硫黄化合物の酸化に効果的であることが確認された。得られる酸化された硫黄化合物は、一般に知られた分離技術を使用して実質的に除去することができる。好適な酸化剤は、H、NaOCl、O、空気、これらの混合物、および固体チタニルスルホキシド化触媒と容易に反応して所望のスルホキシド化に影響する他の好適な酸化剤を含み得るが、これらに限定されない。好適な層間移動剤/溶媒は、酢酸、ギ酸、プロパン酸等の極性プロトン性液体を含み得るが、これらに限定されない。好適な有機流体ストリームは、ガソリン、ディーゼル、ジェットオイル、重油、重質サワー原油、ならびに製油生成物に特有の他の誘導生成物および中間体を含み得るが、これらに限定されない。好適な硫黄化合物基材は、アルキル−または芳香族−チオール、−硫化物、−スルホキシド、アルキル−または芳香族−チオフェン、およびその他の耐熱性硫黄含有化合物を含み得るが、これらに限定されない。
【0101】
実験において使用された固体チタニルスルホキシド化触媒は、上述の触媒の不均一変形例であった。使用された温度は比較的穏やかであった(周囲温度から90℃、典型的には50℃未満)。固体チタニルスルホキシド化触媒濃度は、通常、0.004未満であった。
【0102】
図2に示されている典型的な分子構造を有する石油生成物には、多くの有機硫黄化合物がある。アルキル置換基を有するチオフェン(環硫黄)化合物は、多くの場合、上記親化合物よりも極めて高い温度で沸騰する。各炭素原子またはメチル基R、R’は、20°Fから40°F(12℃から22℃)だけ沸点を増加させる。硫黄の酸化は、沸点を実質的に、時には数百℃だけ増加させる傾向があり、熱的手法による分離を容易化する。さらに、スルホキシド化は、生成物の極性を実質的に変化させ、抽出による分離を容易化する。したがって、スルホキシド化は、硫黄含有炭化水素ストリームから望ましくない硫黄化合物を除去するいくつかの代替手段を提供する。
【0103】
従来の酸化機構の可能な一実施形態
従来のODS理論は、スルホキシド化が生じてまずスルホキシドを形成し、続いてスルホキシドが、酸触媒の存在下で酸と酸化剤(すなわち過酸化水素)との相互作用によりその場で生成された過酸の形態の活性酸素との反応を介してスルホンになることを説明している(図3)。反応条件は比較的穏やかである(周囲圧力、95°Fから212°F)。典型的には、反応混合物は2つの相からなるが、50℃を超える温度では単一相となり得る。スルホンの実質的抽出は、軽質相(重質層より低い密度を有すると理解される)から重質相へと生じ、炭化水素相中の正味硫黄濃度を低下させる。
【0104】
図3に示されるように、反応は過酸試薬による硫黄結合の求核攻撃を含み、これによってヒドロキシ硫黄中間体が生成され、この中間体が転位を起こして従来の有機酸副生成物およびスルホキシド中間体を生成する。スルホキシド中間体はさらに、別の過酸試薬により同じ化学反応、求核攻撃を受け、カルボン酸副生成物および最終生成物スルホンを生成する。反応が第1段階で停止し、過酸試薬による第2の化学的攻撃を受けない場合、反応は、図3の下方に示されるように、硫黄−酸化物中間体段階で停止し得る。
【0105】
図3に示されるように、上記反応は、当初は有効な化学反応機構であると考えられた。しかしながら、ジベンゾチオフェンの4位および6位で置換基を変化させた詳細な化学反応速度論研究が行われた結果、重要な発見がなされた。図4のより詳細な図に示されるように、化学構造上の置換パターンは、反応機構には酸化機構におけるチタン中心が関与することを示唆している。
【0106】
反応速度論的実験は、様々な硫黄化合物が異なる速度で触媒と反応することを示しているようであった。ここで図4に示す反応機構、および図12に示す一般法Gを用いて得られた反応速度プロットを参照すると、チタン種50、例えばビス(グリセロール)オキソチタニウム(IV)、および本明細書に記載のポリマーバージョン等は、硫黄化合物52等と反応して中間状態56を形成すると考えられる。この反応中、チタン種50に結合した酸素原子が、中間的平衡状態56における一連の転位反応段階を経て硫黄種52に移動する。硫黄化合物52の化学構造は、それがどれ程急速に触媒組成物50と相互作用するかに大きく影響する。
【0107】
上述したように、図4は、スルホキシドの形成および最終的にはスルホン生成物64の形成をもたらす反応機構を示す。触媒の1つの特徴は、硫黄化合物52がチタン中心に接近したときに、硫黄化合物がチタン酸素二重結合部分と反応して硫黄酸化物中間体を形成する前に、硫黄化合物がチタン中心上の供与的配位を求めて競合することである。触媒の1つの特徴は、チタン酸化状態を安定化する配位子からの潜在的配位ヒドロキシル部分を含み、そのため硫黄が潜在的配位ヒドロキシルに対し競合することである。現在、触媒の選択性は、チタンに対するそのヒドロキシルの配位環境の強さにより決定付けられると考えられている。
【0108】
理論に束縛されることを望まないが、現在、本開示の最も有利な結果は、図4に示す反応機構に従い達成されると考えられている。
【0109】
現在、有機硫黄酸化は2つの反応段階で生じると考えられている。第1段階では、硫黄化合物は触媒および酸化剤と非可逆的に反応してスルホキシドを形成し得る。スルホキシドは、さらに、触媒および酸化剤と反応してスルホンを形成し得る。スルホキシドの形成速度は、同じ分子のスルホンの形成速度より遅いと思われる。
【0110】
本開示の触媒を使用した図12の反応速度データは、反応性がDBT>BT>MDBT>DMDBTの順番に従うことを示している。この相対的傾向は、従来技術の触媒を用いるとスルホン形成がDMDBT>MDBT>NBT>DBT>BTの傾向に従うことが観察される、PetroStarおよびQianにより説明されるものとは大幅に異なる。確かに、反応の程度およびスルホキシド化選択性は、図4に図式的に説明されるように、触媒が反応機構において独特の役割を担うことを示していると思われる。
【0111】
要約すると、図4は、図2に定義されるような硫黄種52および類似の硫黄化合物を石油生成物から除去するのに有用となり得る、チタン種触媒50の一代表例、例えば本開示において上述したようなビス(グリセロール)オキソチタニウム(IV)または誘導体固体チタン触媒等を示している。チタン種触媒50は、硫黄化合物と反応して中間状態56を形成する。この反応中、チタン種触媒50に結合した酸素原子が、中間的平衡状態56における一連の転位反応段階を経て硫黄種52に移動し、酸化剤は、57で平衡状態に入り、58で新たな状態を形成するように示されている。反応は、59における状態を経て、チタン種触媒50および硫黄種52および副生成物種の間の結合が壊れてスルホキシド成分60がチタン種触媒50への結合から解放または排除されるまで継続し、チタン種触媒50が再生される。
【0112】
排除されたスルホキシド成分60は、次いで同じ厳密な反応プロセスサイクル62を経てリサイクルすることができ、最終的にはスルホキシド成分60に結合した2個の酸素原子を有し、第2の形成された2個の酸素原子を有するスルホキシド成分が64に示されている。具体的には、図4の左側に示されるように、スルホキシド成分60はチタン種触媒50の存在下で反応することができ、平衡遷移状態82を生成し得る。その平衡遷移状態82は、さらに別の当量の酸化剤57と反応することができ、中間遷移状態86を形成し得る。中間遷移状態86はさらに転位して、チタン種触媒50の形態でチタン種触媒50を再生し、副生成物スルホン64および酸化剤副生成物88を生成し得る。
【0113】
チタン種触媒50の酸素原子は、上述の機構を通して、連続サイクルにおいて酸化剤により連続的に再生され得る。この時点で、反応サイクルにおいて上記化学反応を生じさせるチタン種触媒に酸素を移動させることができる任意の材料が、酸化剤として機能し得ると考えられる。
【0114】
不均一系触媒の可能な実施形態
Ti中心へのキレート化に関与しないヒドロキシル官能基を有するチタニル触媒は、遊離有機ヒドロキシル基に特有の反応を生じることができる(図5)。
【0115】
この能力の有効な力により、ビス(グリセロール)オキソチタニウム(IV)組成物触媒は従来のチタネート触媒および本明細書に示されるような組成物から明確に区別される。触媒を表面に結合させる能力(図6A〜D)、または二官能性モノマーとの反応によりポリマーおよびコポリマーの骨格内にそれを埋め込む能力(図7および9)から生じ得る、新規な独特の組成物および有効な化学反応の数により、ビス(グリセロール)オキソチタニウム(IV)触媒は、チタン化学における画期的な発展となる。
【0116】
図5は、触媒の可溶形態を触媒のポリマー結合不溶形態に変換し得る各種の反応化学を示す。基本的に、反応は、チタニル部分を含有する新規な独特の組成物の複数の実現様式を示す。
【0117】
図6A1〜3は、表面結合チタン触媒のいくつかの可能な実施形態を示す。図示されるように、PSの丸は、商業的に購入可能な実質的にポリスチレンの球を表す。触媒のヒドロキシル部分に化学結合して表面結合触媒生成物を生成し得る、イソシアネート、酸塩化物、塩化ベンジルおよび他の反応性官能基を有するポリスチレン球を購入することができる。
【0118】
図6はまた、本開示によるいくつかの表面結合触媒活性種を示す。図示される1つの表面結合種は、触媒のヒドロキシル基と反応し得るイソシアネート(6A1)官能性ポリスチレン種であり、ポリスチレンビーズを有する表面結合触媒活性アミド錯体をもたらし得る。図6A2は、表面結合触媒活性エステル錯体をもたらし得る、酸ハロゲン化物官能性ポリスチレンビーズの反応を示す。図6A3は、ヒドロキシル基と反応し得るハロゲン化ベンジル表面結合種を示し、ポリスチレンビーズの表面上にエーテル結合触媒を生成し得る。
【0119】
図6B〜Cは、触媒と結合表面との間の連結基の使用を示し、図6Dは表面に直接結合されている触媒を示す。
【0120】
代表的な連結基は図5に示され、イソシアネート、酸ハロゲン化物、ハロゲン化スルホニル、ハロゲン化ベンジルおよび無水物、ならびにこれらに混合物を含み得るが、これらに限定されない。
【0121】
図7は、本開示のポリマー触媒の一般化された構造を示す。触媒のポリマーバージョンは連結基を含有する。連結基は、一般式Q−R−Q’(式中、QおよびQ’は、それぞれ独立して、触媒上のヒドロキシル基と反応する化学反応基である)の二官能性化学物質から得ることができる。QおよびQ’は、例えば、イソシアネート、無水物、ハロゲン化スルホニル、ハロゲン化ベンジル、カルボン酸ハロゲン化物、ホスホリル酸ハロゲン化物、塩化シリル、または触媒の−OHペンダント基と反応し得る任意の化学官能基を含み得る。連結基のさらなる成分はRで示され、Rは、典型的には1個から約22個の炭素原子、好ましくは1個から約12個の炭素原子、より好ましくは1個から約7個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、アルキル基(直鎖、分岐、飽和、不飽和、環状、および置換アルキル基を含み、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リン等のヘテロ原子がアルキル基内に存在し得る)、典型的には約6個から約30個の炭素原子、好ましくは約6個から約15個の炭素原子、より好ましくは約6個から約12個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、アリール基(置換アリール基を含む)、典型的には約7個から約30個の炭素原子、好ましくは約7個から約15個の炭素原子、より好ましくは約7個から約12個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、ベンジル等のアリールアルキル基(置換アリールアルキル基を含む)、典型的には約7個から約30個の炭素原子、好ましくは約7個から約15個の炭素原子、より好ましくは約7個から約12個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、アルキルアリール基(置換アルキルアリール基を含む)、典型的には1個から約22個の炭素原子、好ましくは1個から約12個の炭素原子、より好ましくは1個から約7個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、アルコキシ基(置換アルコキシ基を含み、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リン等のヘテロ原子がアルコキシ基内に存在し得る)、典型的には約3個から約60個の反復アルキレンオキシ単位、好ましくは約3個から約30個の反復アルキレンオキシ単位、より好ましくは約3個から約20個の反復アルキレンオキシ単位を有するが、反復アルキレンオキシ単位の数はこれらの範囲外であってもよい、ポリエチレンオキシ基、ポリプロピレンオキシ基、ポリブチレンオキシ基等のポリアルキレンオキシ基(置換ポリアルキレンオキシ基を含む)を含み得る。連結基と触媒とを反応させた結果、AB型コポリマーとして説明され得る不均一系触媒が生成される。本開示によれば、2種以上の連結基が使用された場合、生成されるポリマー触媒はより一般的にコポリマーとして説明され得る。
【0122】
図8は、図6に記載のポリスチレン結合触媒の具体的な実施形態の写真であり、また一般化された例において、図6B〜Dに記載の表面結合型および細孔結合型の例を表している。
【0123】
図9は、本開示のポリマー触媒の別の一般化された構造を示す。図9は、本開示の具体的なポリマー触媒の写真であり、本開示による、二官能性連結基部分と統合して高度に架橋された固体ポリマー触媒を生成した特定のポリマー触媒を示している。
【0124】
以下の実施例は、本開示のビス(グリセロール)オキソチタニウム(IV)の不均一変形例の性能属性を評価する広範な実験の結果である。現在までの我々の広範な実験の結果、本開示の触媒組成物を統合したスルホキシド化触媒プロセスは、コスト効率が良く、安全で、信頼性があり、極めて効率的な、輸送燃料中の硫黄濃度を低減する方法を表していると考えられる。
【0125】
不均一系触媒調製の可能な実施形態
以下に定義される一般法Hに従い、実験を行った。いくつかの場合において、一実験からの触媒を洗浄し、濾過し、さらなる実験に再利用した。
【0126】
一般法H
成分を十分に混合する速度で回転する磁気撹拌棒を含む100mlガラス瓶内で、ピロメリト酸二無水物(PMDA、2.18g、0.01モル)をアセトニトリル(または、PMDAおよび/もしくは触媒の溶解度に依存して、任意選択でDMSO)20mlに懸濁させた。80℃で激しく混合しながら、ビス(グリセロール)オキソチタニウム(IV)(2.58g、0.0105モル)を添加した。反応は4時間続いた。反応混合物を室温まで冷却した後、撹拌をさらに1時間継続した。内容物を非常にゆっくりとアセトン150ml中に注ぎ、白色沈殿物を形成させた。回収した固体を真空炉内で一晩(22℃)乾燥させた。収率は90%を超えた。
【0127】
実施例45
一般法Hにおける手順に従い、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA、3.22g、0.01モル)をビス(グリセロール)オキソチタニウム(IV)(2.58g、0.0105モル)と反応させた。収率は90%を超えた。
【0128】
実施例46
上記一般法Hにおける手順に従い、4,4’−ビスフェノールA二無水物(BPADA、5.20g、0.01モル)をビス(グリセロール)オキソチタニウム(IV)(2.58g、0.0105モル)と反応させた。90%を超える収率が得られた。
【0129】
実施例47
一般法Hにおける手順に従い、5−(2,5’−ジオキソテトラヒドロール)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物(B−4400、2.64g、0.01モル)をビス(グリセロール)オキソチタニウム(IV)(2.58g、0.0105モル)と反応させた。90%を超える収率が得られた。
【0130】
実施例48
一般法Hの方法に従い、エチレングリコールビス(無水トリメリト酸)(TMEG−200、4.10、0.01モル)をビス(グリセロール)オキソチタニウム(IV)(2.58g、0.0105モル)と反応させた。90%を超える収率が得られた。
【0131】
図7は、上述の反応の一般的生成物を示し、図9は、上記実施例46において調製された触媒を表す。上述の実施例は、さらに架橋が可能なテレケリック無水物を使用する。得られた固体触媒ポリマー材料は、本開示のシステムおよび方法によるスルホキシド化触媒にさらに使用した。
【0132】
図11は、上述のような触媒を使用した硫黄に富む炭化水素流体のスルホキシド化のためのシステムおよびプロセスの別の実施形態のプロセスフロー図である。源Aは、混合点1でシステム内に入力される硫黄に富む炭化水素流体ストリームを含んでもよく、炭化水素流体ストリームは段落50において上述したもの等の流体であってもよい。源Qは、射出点10でシステム内に導入される酸化剤を含んでもよく、酸化剤は段落53において上述した酸化剤を含んでもよく、酸化剤は混合点1で炭化水素流体ストリームと混合されて混合物を形成する。源Qは、酸化剤が電気分解により生成されるように電気入力を含んでもよく、または源Qは、源Qを介して酸化剤を送達する酸化剤生成プラントを含んでもよい。
【0133】
混合点1からの混合物は、反応器2において極性プロトン性流体ストリームFおよび触媒と組み合わされて反応混合物を形成し、反応器2内で硫黄に富む有機流体のスルホキシド化をもたらすことができる。触媒は段落48で上述したものであってもよい。反応器2は、固定床反応器、固定床反応器を備える静的混合器、連続撹拌反応器、または反応混合物と触媒反応を行うことができる他の任意の既知の反応器であってもよい。
【0134】
二相性生成物混合物ストリームBは反応器2における反応から生じることができ、反応器2から分離器12に移すことができるが、ここで本質的に硫黄を含まない炭化水素生成物ストリームCを硫黄に富む炭化水素ストリームRおよび分離器12での分離から生じる湿潤極性プロトン性流体ストリームFから分離することができる。湿潤極性プロトン性流体ストリームFは、乾燥器13内で乾燥(水ストリームWを生成する)されてから反応器2にリサイクルされる。
【0135】
硫黄に富む炭化水素ストリームRは反応器15内で加熱され、本質的に硫黄を含まない有機ストリームOおよび硫黄富化コークスストリームSを生成する。本質的に硫黄を含まない炭化水素ストリームCおよびOは、混合点9で組み合わされ、得られた組合せは、実質的に硫黄を含まないオレフィンに富む炭化水素生成物ストリームDに分離される。
【0136】
本開示によるスルホキシド化システムおよび方法のいくつかの実施形態において、混合点/反応器/射出点は、混合点/反応器/射出点の少なくとも第1の組合せに送達される硫黄に富む炭化水素流体ストリームを提供する単一の構成要素として組み合わされてもよい。酸化剤は、混合点/反応器/射出点の少なくとも第1の組合せに送達される酸化剤として提供されてもよく、酸化剤は、混合点/反応器/射出点の少なくとも第1の組合せにおいて炭化水素流体ストリームと混合され、混合物を生成し得る。極性プロトン性流体ストリームおよび触媒が提供され、混合物は触媒の存在下で極性プロトン性流体ストリームと合わされて反応混合物を形成することができ、この組合せは少なくとも第1の混合点/反応器/射出点内で硫黄に富む有機流体のスルホキシド化をもたらす。混合点/反応器/射出点の少なくとも第1の組合せからの混合物ストリームは、分離器/乾燥器の第1の組合せに送達され、そこで混合物ストリームを、硫黄に富む炭化水素ストリームおよび湿潤極性プロトン性流体ストリームからの少なくとも第1の実質的に硫黄を含まない炭化水素生成物ストリームから分離することができる。分離器/乾燥器の第1の組合せにおける湿潤極性プロトン性流体ストリームは乾燥させることができ、乾燥された極性プロトン性流体ストリームは、少なくとも第1の混合点/反応器/射出点に戻され得る。硫黄に富む炭化水素ストリームは、第2の反応器に移すことができ、硫黄に富む炭化水素ストリームは第2の反応器内で加熱することができ、この加熱により少なくとも第2の実質的に硫黄を含まない有機ストリームおよび硫黄富化コークスストリームが得られる。2つの実質的に硫黄を含まないストリームは、混合点/分離器の第1の組合せに移すことができ、そこで、得られた組合せを実質的に硫黄を含まないオレフィンに富む炭化水素生成物ストリームに分離することができる。
【0137】
いくつかの実施形態において、混合点/反応器/射出点の第1の組合せは、混合点、反応器、および射出点の別個の構成要素を備えてもよい。
【0138】
他の実施形態において、混合点/反応器/射出点の第1の組合せは、混合点、および反応器/射出点の組合せの別個の構成要素を備えてもよい。
【0139】
さらに他の実施形態において、混合点/反応器/射出点の第1の組合せは、反応器、および混合点/射出点の組合せの別個の構成要素を備えてもよい。
【0140】
いくつかの実施形態において、混合点/反応器/射出点の第1の組合せは、射出点、および混合点/反応器の組合せの別個の構成要素を備えてもよい。
【0141】
他の実施形態において、混合点/反応器/射出点の第1の組合せは、射出点、混合点、および反応器のそれぞれの別個の構成要素を備えてもよい。
【0142】
さらに他の実施形態において、分離器/乾燥器の第1の組合せは、分離器および乾燥器のそれぞれの別個の構成要素を備えてもよい。
【0143】
いくつかの実施形態において、混合点/分離器の第1の組合せは、混合点および分離器のそれぞれの別個の構成要素を備えてもよい。
【0144】
上記を考慮して、ガソリンおよびディーゼル燃料等の炭化水素ストリーム中の硫黄濃度を低減する世界的に認識された必要性が、本開示の触媒を使用して対処され得たことが明らかであろう。さらに、上記から、オクタン価(リサーチ法オクタン価およびモーター法オクタン価の両方)を維持するためにそのような燃料のオレフィン含量に対する影響が最小限となるシステムおよびプロセスの必要性が、本開示の触媒を使用して対処され得たこともまた明らかであろう。
【0145】
さらに、本開示のシステムおよび方法に関する現在までの実験データは、分解ガソリンの芳香族化合物含量の飽和による損失を回避する必要性が対処され得たことを示している。脱硫を達成しながらオクタン価を維持するシステムおよびプロセスの必要性もまた、本開示の教示を使用して達成された。
【0146】
本開示の教示によれば、開発の時点で本開示の発明者らに知られたシステムおよびプロセスと比較して、分解ガソリンおよびディーゼル燃料の処理のためのより経済的なプロセスを提供するために水素を大量に消費することなく機能する脱硫システムおよびプロセスの必要性もまた、本開示の教示により達成された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の硫黄化合物を含む炭化水素ストリームを提供するステップと、
酸化剤を提供するステップと、
一般式M(OR)で表される金属化合物を含む触媒を提供するステップと、
触媒の存在下で炭化水素ストリームを酸化剤と接触させて、少なくとも1種の硫黄化合物の酸化をもたらすステップと
を含むスルホキシド化方法。
【請求項2】
層間移動剤/溶媒を提供するステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
層間移動剤/溶媒が、酢酸、ギ酸、プロパン酸、オクテン酸、ブテン酸、長鎖脂肪酸、アルキル置換芳香族酸、その他の極性プロトン性液体、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
触媒が、
ビス(ポリオール)オキソチタニウム(IV)
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ポリオールが、
エチレングリコール、グリセロール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、ペンタエリスリトール、糖、炭水化物等
をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
摂氏20度から摂氏90度の間で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
触媒の濃度が、硫黄元素に対して100.00重量%から0.00004重量%の間である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
触媒が、ポリマー内に組み込まれている、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
触媒が、担体表面に結合している、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
担体表面が、有機ポリマー、無機酸化物、またはこれらの混合物を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
Q−R−Q’(式中、QおよびQ’は、それぞれ独立して、イソシアネート、無水物、ハロゲン化スルホニル、ハロゲン化ベンジル、カルボン酸ハロゲン化物、ホスホリル酸ハロゲン化物、塩化シリル、または触媒の−OHペンダント基と反応し得る任意の化学官能基を含み、Rは、連結基を含む)とビス(ポリオール)オキソチタニウム(IV)触媒との反応により調製されるポリマー触媒組成物。
【請求項12】
R連結基が、
典型的には1個から約22個の炭素原子、好ましくは1個から約12個の炭素原子、より好ましくは1個から約7個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、アルキル基(直鎖、分岐、飽和、不飽和、環状、および置換アルキル基を含み、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リン等のヘテロ原子がアルキル基内に存在し得る)、典型的には約6個から約30個の炭素原子、好ましくは約6個から約15個の炭素原子、より好ましくは約6個から約12個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、アリール基(置換アリール基を含む)、典型的には約7個から約30個の炭素原子、好ましくは約7個から約15個の炭素原子、より好ましくは約7個から約12個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、ベンジルその他のアリールアルキル基(置換アリールアルキル基を含む)、典型的には約7個から約30個の炭素原子、好ましくは約7個から約15個の炭素原子、より好ましくは約7個から約12個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、アルキルアリール基(置換アルキルアリール基を含む)、典型的には1個から約22個の炭素原子、好ましくは1個から約12個の炭素原子、より好ましくは1個から約7個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、ケイ素またはリン、典型的には約3個から約60個の反復アルキレンオキシ単位、好ましくは約3個から約30個の反復アルキレンオキシ単位、より好ましくは約3個から約20個の反復アルキレンオキシ単位を有するが、反復アルキレンオキシ単位の数はこれらの範囲外であってもよい、ポリエチレンオキシ基、ポリプロピレンオキシ基、ポリブチレンオキシ基等のポリアルキレンオキシ基(置換ポリアルキレンオキシ基を含む)
からなる群から選択される、請求項11に記載のポリマー触媒組成物。
【請求項13】
無機酸化物が、
シリケート、アルミネート、チタネートの単体および/またはこれらの混合物
からなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
有機ポリマーが、
イソシアネート、無水物、ハロゲン化スルホニル、ハロゲン化ベンジル、カルボン酸ハロゲン化物、ホスホリル酸ハロゲン化物、塩化シリル、または触媒の−OHペンダント基と反応し得る任意の化学官能基を含む反応性化学反応基を含有するポリスチレン−コ−ジビニルベンゼン
からなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
触媒が、ポリマー、錯体、クラスタ錯体、異性体混合物、ナノ寸法材料、およびこれらの混合物からなる群から選択される形態の固体である、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1種の硫黄化合物を含む炭化水素ストリームが、ガソリン、ディーゼル燃料、ジェットオイル、重油、重質サワー原油、その他の製油生成物および中間体、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
酸化剤が、過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウム、酸素、三酸素、空気、過マンガン酸塩化合物、亜酸化窒素、ならびにこれらの混合物およびこれらの異なる形態からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
層間移動剤/溶媒と、
層間移動剤/溶媒中に溶解した一般式M(OR)で表される金属錯体を含む触媒と、
層間移動剤/溶媒中に溶解した酸化剤と
を含む、触媒スルホキシド化試薬。
【請求項19】
触媒が、
ビス(ポリオール)オキソチタニウム(IV)
を含む、請求項18に記載の試薬。
【請求項20】
触媒が、ビス(グリセロール)オキソチタニウム(IV)、ビス(エチレングリコール)オキソチタニウム(IV)、ビス(エリスリトール)オキソチタニウム(IV)、ビス(ソルビトール)オキソチタニウム(IV)、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項19に記載の試薬。
【請求項21】
少なくとも1種の硫黄化合物を含む炭化水素ストリームを反応系に導入するステップであって、少なくとも1種の硫黄化合物を含む炭化水素ストリームは少なくとも1種の硫黄化合物を含む、ステップと、
混合物が形成されるように層間移動剤/溶媒を反応系に導入するステップと、
触媒を反応系に導入するステップであって、触媒は一般式M(OR)で表される金属錯体を含む、ステップと、
触媒が酸化剤と少なくとも1種の硫黄化合物との間の酸化反応を触媒するように、酸化剤を反応系に導入するステップと、
反応系から少なくとも1種の酸化された硫黄化合物を分離するステップであって、少なくとも1種の酸化された硫黄化合物は層間移動剤/溶媒中に溶解している、ステップと
を含むスルホキシド化方法。
【請求項22】
触媒が、ビス(グリセロール)オキソチタニウム(IV)を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
触媒が、ビス(グリセロール)オキソチタニウム(IV)、ビス(エチレングリコール)オキソチタニウム(IV)、ビス(エリスリトール)オキソチタニウム(IV)、ビス(ソルビトール)オキソチタニウム(IV)、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
触媒が、担体表面に結合している、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
担体表面が、有機ポリマー、無機酸化物、またはこれらの混合物を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
混合点/反応器/射出点の少なくとも第1の組合せを提供する行為と、
硫黄に富む炭化水素流体ストリームを提供する行為と、
硫黄に富む炭化水素流体ストリームを混合点/反応器/射出点の少なくとも第1の組合せに運ぶ行為と、
酸化剤を提供する行為と、
酸化剤を混合点/反応器/射出点の少なくとも第1の組合せに運ぶ行為と、
混合点/反応器/射出点の少なくとも第1の組合せにおいて酸化剤を炭化水素流体ストリームと混合し、混合物を生成する行為と、
極性プロトン性流体ストリームを提供する行為と、
触媒を提供する行為と、
触媒の存在下で混合物を極性プロトン性流体ストリームと合わせて反応混合物を形成する行為であって、少なくとも第1の混合点/反応器/射出点内で硫黄に富む有機流体のスルホキシド化をもたらす行為と、
分離器/乾燥器の少なくとも第1の組合せを提供する行為と、
混合点/反応器/射出点の少なくとも第1の組合せから分離器/乾燥器の少なくとも第1の組合せに混合物ストリームを移す行為と、
硫黄に富む炭化水素ストリームおよび湿潤極性プロトン性流体ストリームから、少なくとも第1の実質的に硫黄を含まない炭化水素生成物ストリームを分離する行為と、
分離器/乾燥器の第1の組合せ内で湿潤極性プロトン性流体ストリームを乾燥させる行為と、
乾燥した極性プロトン性流体ストリームを少なくとも第1の混合点/反応器/射出点に戻す行為と、
少なくとも第2の反応器を提供する行為と、
硫黄に富む炭化水素ストリームを第2の反応器に移す行為と、
第2の反応器内で硫黄に富む炭化水素ストリームを加熱する行為であって、少なくとも第2の実質的に硫黄を含まない有機ストリームおよび硫黄富化コークスストリームをもたらす行為と、
混合点/分離器の少なくとも第1の組合せを提供する行為と、
混合点/分離器の少なくとも第1の組合せにおいて2つの実質的に硫黄を含まないストリームを合わせる行為と、
得られた組合せを、実質的に硫黄を含まないオレフィンに富む炭化水素生成物ストリームに分離する行為とを含む、スルホキシド化方法。
【請求項27】
混合点/反応器/射出点の少なくとも第1の組合せが、混合点、反応器、および射出点の別個の構成要素を備える、請求項26に記載のスルホキシド化方法。
【請求項28】
混合点/反応器/射出点の少なくとも第1の組合せが、混合点、および反応器/射出点の組合せの別個の構成要素を備える、請求項26に記載のスルホキシド化方法。
【請求項29】
混合点/反応器/射出点の少なくとも第1の組合せが、反応器、および混合点/射出点の組合せの別個の構成要素を備える、請求項26に記載のスルホキシド化方法。
【請求項30】
混合点/反応器/射出点の少なくとも第1の組合せが、射出点、および混合点/反応器の組合せの別個の構成要素を備える、請求項26に記載のスルホキシド化方法。
【請求項31】
混合点/反応器/射出点の少なくとも第1の組合せが、射出点、混合点、および反応器のそれぞれの別個の構成要素を備える、請求項26に記載のスルホキシド化方法。
【請求項32】
混合点/反応器/射出点の少なくとも第1の組合せが、射出点、混合点、および反応器のそれぞれの別個の構成要素を備える、請求項26に記載のスルホキシド化方法。
【請求項33】
分離器/乾燥器の少なくとも第1の組合せが、分離器および乾燥器のそれぞれの別個の構成要素を備える、請求項26に記載のスルホキシド化方法。
【請求項34】
混合点/分離器の少なくとも第1の組合せが、混合点および分離器のそれぞれの別個の構成要素を備える、請求項26に記載のスルホキシド化方法。
【請求項35】
少なくとも第1の混合点を提供する行為と、
硫黄に富む炭化水素流体ストリームを提供する行為と、
硫黄に富む炭化水素流体ストリームを第1の混合点に運ぶ行為と、
射出点を提供する行為と、
酸化剤を提供する行為と、
酸化剤を射出点に運ぶ行為と、
第1の混合点において酸化剤を炭化水素流体ストリームと混合し、混合物を生成する行為と、
少なくとも1つの反応器を提供する行為と、
極性プロトン性流体ストリームを提供する行為と、
触媒を提供する行為と、
触媒の存在下で混合物を極性プロトン性流体ストリームと合わせて二相性反応混合物を形成する行為であって、反応器内で硫黄に富む有機流体のスルホキシド化をもたらす行為と、
少なくとも第1の分離器を提供する行為と、
少なくとも1つの反応器(2)から分離器に二相性混合物ストリームを移す行為と、
硫黄に富む炭化水素ストリームおよび湿潤極性プロトン性流体ストリームから、本質的に硫黄を含まない炭化水素生成物ストリームを分離する行為と、
少なくとも第2の反応器を提供する行為と、
硫黄に富む炭化水素ストリームを第2の反応器に移す行為と、
第2の反応器内で硫黄に富む炭化水素ストリームを加熱する行為であって、本質的に硫黄を含まない有機ストリームおよび硫黄富化コークスストリームをもたらす行為と、
少なくとも第2の混合点を提供する行為と、
混合点において2つの本質的に硫黄を含まないストリームを合わせる行為と、
少なくとも第2の分離器を提供する行為と、
2つの本質的に硫黄を含まないストリームを合わせた後、得られた組合せを混合点から少なくとも第2の分離器に移す行為と、
得られた組合せを各種炭化水素蒸留物ストリームに分離する行為と
を含む、スルホキシド化方法。
【請求項36】
提供される酸化剤が、電気分解により生成される、請求項35に記載のスルホキシド化方法。
【請求項37】
酸化剤が、酸化剤生成プラントにより生成される、請求項35に記載のスルホキシド化方法。
【請求項38】
少なくとも第1の反応器が、固定床反応器を含む、請求項35に記載のスルホキシド化方法。
【請求項39】
少なくとも第1の反応器が、固定床反応器を備える静的混合器を含む、請求項35に記載のスルホキシド化方法。
【請求項40】
少なくとも第1の反応器が、連続撹拌反応器を含む、請求項35に記載のスルホキシド化方法。
【請求項41】
少なくとも第1の反応器が、2つ以上の相を含有する反応混合物との触媒反応を行うことができる構造を含む、請求項35に記載のスルホキシド化方法。
【請求項42】
乾燥器を提供する行為と、
湿潤極性プロトン性流体ストリームを乾燥器に移送する行為と、
湿潤極性プロトン性流体ストリームを乾燥させる行為と
をさらに含む、請求項35に記載のスルホキシド化方法。
【請求項43】
乾燥させる行為が、それにより生成される水のストリームをもたらす、請求項42に記載のスルホキシド化方法。
【請求項44】
乾燥させる行為の後、残りが少なくとも1つの反応器に移送される、請求項42に記載のスルホキシド化方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公表番号】特表2011−515557(P2011−515557A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−501781(P2011−501781)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【国際出願番号】PCT/US2008/082095
【国際公開番号】WO2009/120238
【国際公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(510144443)オーテラ インコーポレイテッド. (2)
【Fターム(参考)】