説明

スロットゲーム機のリール装置

【課題】メカニカルリールのリールテープをシンボル単位で分割し、リールの骨組み(枠)にスライドして差し込む構造にすることによりシンボルのみを容易に変更可能であり、汎用性を持ったリールシンボルの並びを作ることができるスロットゲーム機のリール装置を提供する。
【解決手段】リールの分割枠11のシンボルシート案内溝14a,14bにリール装着用シンボルシート12の上下縁を挿通し、嵌合用突起19a〜19eをリール円周枠13のシンボルシート嵌合孔16a〜16eに嵌合することにより、リール装着用シンボルシート12単体でリールに取り付けることができる。リール装着用シンボルシート12の変更も簡単に取り外すことができるので容易である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットゲーム機のメカニカルリールの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のスロットマシンのリール構造は、リールテープを変える場合、特許文献1に示すようにリールテープを剥がしてから新しいテープを貼る必要がある。また、貼り位置がずれないように貼らなければならない。
【特許文献1】特開2002−65940号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、リールテープ取り替えにおいて、リールテープの貼り位置がずれてしまった場合や、リールテープは粘着剤で固定しているため貼りミスによる張り替えを何度もした場合、粘着力を失いリールテープの端が剥がれてくることがある。
また、リールテープには数十個のシンボルが描かれているため、1つのシンボルを変更する場合でもリールテープ全部を変えなければならない。
【0004】
本発明の目的は、メカニカルリールのリールテープをシンボル単位で分割し、リールの骨組み(枠)にスライドして差し込む構造にすることによりシンボルのみを容易に変更可能であり、汎用性を持ったリールシンボルの並びを作ることができるスロットゲーム機のリール装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために本発明の請求項1はスロットゲーム機のリール装置において、一端に嵌合用突起を持つリール装着用シンボルシートであって、表面にシンボルを表示し裏面に該シンボルを識別するためのコードが記載されたリール装着用シンボルシートを用意し、円形に構成されるリール枠の外周面を複数のリール分割枠で分割し、該リール分割枠にシンボルシート案内溝を、リール枠のリール円周枠にシンボルシート嵌合孔をそれぞれ設け、前記リール装着用シンボルシートの側縁を前記シンボルシート案内溝に挿通し、前記嵌合用突起を前記シンボルシート嵌合孔に嵌合することにより、リールの各シンボル固定位置にリール装着用シンボルシートを取り付けることを特徴とする。
本発明の請求項2は請求項1記載の発明において前記リール枠の内側に各リール装着用シンボルシートのコードを読み込む読込装置を設け、該読込装置で読み込んだコードを認識し、リール枠に装着されたリール装着用シンボルシートを識別する手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
上記構成によれば、リール装着用シンボルシートを挿入する構造であるためスロットリールの汎用性を高めることができる。また、容易に変更することができる。溝による取り付けのため、リールの貼り付けのときのズレが発生することはない。
リール装着用シンボルシートにRFIDやQRコードを設けることにより、プログラムと同期することが可能である。
販売先の店舗用に、オリジナルのシンボルを定義することも容易になり、シンボルの数も調整することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳しく説明する。
図1は、本発明によるリール装置を用いたスロットゲーム機の外観を示す図である。
スロットゲーム機1の中央にメカニカルスロットが配置されている。メカニカルスロットは第1リール2,第2リール3および第3リール4の3つのリール部を有している。
操作パネル7のコイン投入口にコインを投入し、操作スイッチ8を操作することによりリールの回転を開始し、その回転を停止させることができる。予め決められている絵柄が横方向または斜め方向に揃えば、絵柄に相当するコインの払い出しが行われる。
【0008】
図2は、リール機構の構造を説明するための正面図,平面図および側面図である。
(a)はリール機構の平面図、(b)は正面図,(c)は側面図である。
それぞれのリール2,3および4の背後にリール装着用シンボルシートの裏面に印刷されているQRコードを読み取るためのCCDカメラ装置6が配置されている。正面で停止したリール装着用シンボルシートの裏面のQRコードを撮像し、ゲーム機制御部5に送る。コード認識部5aが撮像したQRコードを認識することにより、そのリール装着用シンボルシートが何の絵柄であるかをスロットゲーム機は知ることができる。この情報は正面に揃った絵柄の判断やゲームプログラムと同期するために使用される。
【0009】
図3はリール機構の差し込み部分の詳細を説明するための図、図4はリール装着用シンボルシートの一例を示す図である。
リールの隣接する分割枠11,11に枠に沿って案内溝14a,14bと15a,15bがそれぞれ形成されている。またリール円周枠13の側面に5個のシンボルシート嵌合孔16a〜16eが穿設されている。
リール装着用シンボルシート12は一端に5個の嵌合用突起19a〜19eを有し、表側にシンボルとしてスイカの絵18が形成されている。裏面には図5に示すようにQRコード20が印刷されている。
【0010】
リール装着用シンボルシート12をリールの右側位置からシンボルシート案内溝14a,15bに挿通し、矢印21の方向に押すと、リール装着用シンボルシート12の上下縁はシンボルシート案内溝14a,15b中をスライドし、嵌合用突起19a〜19eがリール円周枠13のシンボルシート嵌合孔16a〜16eに嵌合することにより、リール装着用シンボルシート12をリールに取り付けることができる。このような構造であるため、一旦取り付けたリール装着用シンボルシートを外し、別のリール装着用シンボルシートを取り付けることも容易である。
【0011】
図6はリール装着用シンボルシートを差し込む状態を説明するための図である。
リール分割枠11に形成されたシンボルシート案内溝にリール装着用シンボルシート12a,12b,12cをそれぞれスライドして取り付けることができる。全てのリール分割枠11の間に異なる(同じでもよい)シンボルのリール装着用シンボルシートが取り付けられる。
【0012】
以上の実施の形態は、リール装着用シンボルシートの裏面にQRコードを印刷した例を説明したが、リール装着用シンボルシートにRFIDを搭載し、これと通信を行うためのRFIDリーダライタをリール内側のゲーム機筐体に設ける構成にしても良い。各リール装着用シンボルシート毎に識別しプログラムと同期をとることができる。
【産業上の利用可能性】
【0013】
メカニカルリールの構造の業務用スロットゲーム機である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明によるリール装置を用いたスロットゲーム機の外観を示す図である。
【図2】リール機構の構造を説明するための正面図,平面図および側面図である。
【図3】リール機構の差し込み部分の詳細を説明するための図である。
【図4】リール装着用シンボルシートの一例を示す図である。
【図5】リール装着用シンボルシートの裏面を示す図である。
【図6】リール装着用シンボルシートを差し込む状態を説明するための図である。
【符号の説明】
【0015】
1 スロットゲーム機
2 第1リール
3 第2リール
4 第3リール
5 ゲーム機制御部
6 CCDカメラ装置
7 操作パネル
8 操作スイッチ
11 リール分割枠
12 リール装着用シンボルシート
13 リール円周枠
14,15 シンボルシート案内溝
16 シンボルシート嵌合孔
18 スイカの絵
19 嵌合用突起
20 QRコード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スロットゲーム機のリール装置において、
一端に嵌合用突起を持つリール装着用シンボルシートであって、表面にシンボルを表示し裏面に該シンボルを識別するためのコードが記載されたリール装着用シンボルシートを用意し、
円形に構成されるリール枠の外周面を複数のリール分割枠で分割し、
該リール分割枠にシンボルシート案内溝を、リール枠のリール円周枠にシンボルシート嵌合孔をそれぞれ設け、
前記リール装着用シンボルシートの側縁を前記シンボルシート案内溝に挿通し、前記嵌合用突起を前記シンボルシート嵌合孔に嵌合することにより、リールの各シンボル固定位置にリール装着用シンボルシートを取り付けることを特徴とするスロットゲーム機のリール装置。
【請求項2】
前記リール枠の内側に各リール装着用シンボルシートのコードを読み込む読込装置を設け、
該読込装置で読み込んだコードを認識し、リール枠に装着されたリール装着用シンボルシートを識別する手段を有することを特徴とする請求項1記載のスロットゲーム機のリール装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−297112(P2009−297112A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−152386(P2008−152386)
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(306019111)株式会社タイトー (475)
【Fターム(参考)】