説明

スロットル開度センサアセンブリ

ハウジング16と、ハウジング16内に回転式に取り付けられた本体22とを有するスロットル開度センサ10。位置合わせクリップ28が、本体22と調和して回転するように本体22に装着される。この位置合わせクリップ28はさらに、所定の角度位置でスロットルシャフト15の端部38を受け、本体22をスロットルシャフト15に位置合わせするように適合される。ハウジング16にはセンサ52も取り付けられ、そのセンサ52は、ハウジング16に関する本体22の回転位置を表す出力信号を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、自動車で用いられるタイプのスロットル開度センサに関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本願は、本願に引用して援用する、2007年4月9日出願の米国仮特許出願第60/910,726号の優先権を主張するものである。
【0003】
最新の自動車はスロットル開度センサアセンブリを含み、そのスロットル開度センサアセンブリは、スロットルプレートの回転位置を検出し、その位置を表す出力信号を生成する。その電気信号は、入力信号として、自動車の内燃機関の全体的な動作を制御するエンジン管理装置に電気的に接続される。エンジン管理装置は、典型的にはマイクロプロセッサをベースとした構成である。
【0004】
典型的には、以前より知られているスロットル開度センサアセンブリは回転式本体を含み、その回転式本体は、本体とスロットルプレートシャフトが互いに同調して回転するように、スロットルプレートシャフトに装着される。場合によっては、センサアセンブリ中の回転式本体は、断面形状が非円形、典型的には正方形である空洞を含み、その断面形状はスロットルプレートシャフトと同じ非円形である。したがって、シャフトの端部が本体空洞内に配置されると、スロットルシャフトに関する本体の回転角度が固定される。同様に、スロットルシャフトと本体はその後互いに同調して回転する。
【0005】
しかし、こうした以前より知られているスロットル開度センサアセンブリの、まず挙げられる欠点は、スロットル開度センサをスロットル主本体に装着するときにスロットルプレートシャフトを回転式本体の空洞と適切に位置合わせするのに少し時間がかかることである。さらに、スロットルプレートシャフトと本体空洞が互いに正確に位置合わせされるまでは、スロットルシャフトの端部を空洞内へと滑り込ませることができない。
【0006】
スロットルプレートシャフトを本体空洞と正確に位置合わせする必要があると、センサを含むスロットルアセンブリ全体の組付け時間が長くなる。したがって、このように時間が長くかかると、自動車の製造コスト全体が増大する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、以前より知られているスロットル開度センサアセンブリの、上記で言及した欠点を克服するスロットル開度センサアセンブリを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
簡潔に言うと、本発明は、円筒形の空洞の一端部がプレートで閉じられたハウジングを備える。その際、円筒形の本体がハウジング空洞内に回転式に取り付けられる。
【0009】
位置合わせクリップが、本体の軸と位置合わせされ本体と同調して回転するように、本体に装着される。この位置合わせクリップはさらに、スロットルプレートシャフトと本体が互いに関する所定の回転位置まで自動的に位置合わせされるようにスロットルプレートシャフトの端部を受けるように寸法設定される。
【0010】
円筒形の本体の軸と位置合わせした状態で、センサがハウジングに取り付けられる。このセンサは、ハウジングに関する本体の回転位置を表す出力信号を生成する。したがって、センサからの出力は、スロットルプレートシャフトの角度位置を表す。
【0011】
好ましくは、位置合わせクリップは、対向する2つの側方部分を有するばね金属のクリップから構成され、それら対向する2つの側方部分はそれらの間に狭いスロットを形成する。この狭いスロットは、スロットルプレートシャフトの平坦な端部を受けるように寸法設定される。さらに、位置合わせクリップは、スロットルプレートシャフト挿入の際にある程度曲げることができるので、組付けプロセス中の本体とのスロットルプレートシャフトの位置合わせ不良に耐える。これは、その結果としてスロットルおよびスロットルセンサアセンブリ全体の組付けプロセスを容易かつ迅速にする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の好ましい実施形態を示す分解底面斜視図である。
【図2】本発明の好ましい実施形態の底面図である。
【図3】本発明の好ましい実施形態の部分側面断面図である。
【図4】本発明の一構成要素を示す斜視図である。
【図5】本発明の好ましい実施形態の上面斜視図である。
【図6A】本発明の動作を示す軸方向概略図である。
【図6B】本発明の動作を示す軸方向概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付の図面と共に読むときに以下の詳細な説明を参照する際に本発明がより良く理解されるであろう。添付の図面では同様の参照文字はいくつかの図にわたって同様の部品を指す。
【0014】
まず図1〜図3を参照すると、スロットル主本体12(図3)に取り付けられる、本発明によるスロットル開度センサアセンブリ10の好ましい実施形態が示されている。スロットル開度センサ10は、出力端子17(図5)でスロットルプレートの位置を表す電気出力信号を生成する。
【0015】
スロットル開度センサアセンブリ10は、好ましくはプラスチック材料から作られたハウジング16を含む。円筒形の空洞18(図1)が、スロットル主本体12から外側に延びるスロットルプレートシャフト15(図3)の軸と空洞18の軸が整列されるように、ハウジング16内に形成される。さらに、円筒形の空洞18の内側端部は、好ましくはハウジング16と一体型の構成である、プレート20によって閉じられる。
【0016】
空洞18の直径と同じかまたはそれより少し小さい直径の円筒形の本体22が、空洞18内に回転式に配置される。したがって、本体22はスロットルシャフト15と同軸である。
【0017】
非円形であり、好ましくは方形である凹所24が、本体22のうちスロットルシャフト15に面した軸方向の端部に形成される。次に、断面形状が凹所24の形状に相補的である位置合わせクリップ28が、本体22と同調して回転するように、凹所24内に配置される。
【0018】
図1〜図4に最良に示すように、位置合わせクリップ28は、2つの側方部分30および32を含む弾性材料、好ましくはばね鋼から構成され、それら側方部分30と32が一緒に、それらの間に細長いスロット34を形成する。位置合わせクリップ28を本体22に固定するために、任意の従来の手段を用いることができる。
【0019】
位置合わせクリップ28は、位置合わせクリップ28の側方部分30と32との間に形成されたスロット34でスロットルシャフト15の平坦な端部38を受けるように寸法設定される。したがって、スロット34を通してスロットルシャフト15の平坦な部分38を挿入する際には、位置合わせクリップの側方部分30および32は、スロットルシャフトの平坦な部分38を収容するように外側に曲がり、位置合わせクリップ28、したがって本体22をスロットルシャフト15と自動的に位置合わせする。さらに、センサをスロットル主本体12に組み付ける間に、シャフト15と位置合わせクリップ28の位置合わせ不良があっても、スロットルシャフト15との位置合わせクリップ28の上記の自動の位置合わせが起きる。例えば、図6Aに最良に示すように、シャフト15は、クリップ28に関して少し位置合わせ不良になっている。しかし、図6Bに示すようにシャフト15がクリップに挿入されると、クリップ28は自動的にシャフト15とクリップ28を互いに位置合わせする。代わりに、どんな位置合わせ不良でも、単に、位置合わせクリップ28の側方部分30および32を曲げ、位置合わせクリップ側方部分30および32の外側縁部31および32がシャフトの一部分38にぴったり当接するまで、装着した円筒形の本体22と共に自動的に位置合わせクリップ28を回転させるだけである。
【0020】
したがって、スロットル開度センサアセンブリ10をスロットルアセンブリ12に連結する際に、位置合わせクリップ28がスロットルプレートシャフト15を本体22と自動的に位置合わせすることを理解することができる。
【0021】
再度図3を参照すると、センサアセンブリ10からスロットルプレートシャフト15の位置を表す出力信号を生成するためには、本体22のうちスロットルプレートシャフト15から離れる方に向く方の軸方向端部42にロータ40を取り付ける。ロータ40を本体22に固定するために、ねじなど、任意の従来の手段を用いることができる。
【0022】
ロータ40は、プレート20の内面にぴったり当接する。ロータ40とプレート20との間にこのようなぴったりした当接を維持するためには、好ましくは、リテーナ46と本体22の端部26との間で波形ばね44が圧縮される。リテーナ46は、波形ばね44が本体22を軸方向にプレート20に向けて押しやるようにハウジング16に固定される。
【0023】
図5に最良に示すように、ハウジング16は、ハウジング中に形成された空洞18を囲むコンパートメント50を含む。このコンパートメント50は、好ましくは、プラスチックのハウジング16との一体型の構成である。
【0024】
誘導センサ52が、そのセンサ52の一部分54がプレート20と位置合わせされ、したがって本体22に取り付けられたロータ40と位置合わせされるように、コンパートメント内に配置される。スロットルプレートシャフト15の回転によって引き起こされる本体22の回転中に、ロータ40とセンサ52との間の磁気の協働により電気出力信号が生成され、その電気出力信号はスロットルプレートシャフト15の回転位置を示して変化しその位置を表す。端子17からのこうした出力信号は、典型的にはエンジン管理装置に電気的に接続される。
【0025】
センサ52を汚染から保護するためには、好ましくは、カバー60が、コンパートメント50上に配置され、シール62によって封止してコンパートメント50に連結される。そうすると、センサ52は汚染および外部要素から完全に隔離される。
【0026】
同様に、好ましくは、ハウジング16とスロットルアセンブリ12との間にシール64(図1)が配置される。したがって、このシール64は、汚染および他のデブリから回転式本体22およびその関連の構成要素を保護する。
【0027】
次に、特に図1を参照すると、多くの最新のスロットルが、電気的に制御されている。したがって、1つ以上の電気端子68がセンサハウジング16に取り付けられる。これらの端子68は、ハウジング16の外部に電気的にアクセス可能であり、電気的にスロットルプレートシャフト15を作動させるのに用いられるサーボモータまたは他の機構に電気的な接続点を設ける。
【0028】
上記のことから、位置合わせの初期不良があっても回転式のセンサ要素または本体とスロットルプレートシャフトとの迅速かつ自動の位置合わせを容易にする、単純であるが、非常に効果的なスロットル開度センサアセンブリを本発明が提供することを理解することができる。したがって、スロットルアセンブリへのスロットル開度センサアセンブリの組付け時間の短縮により、自走車両の組立てに関する相当なコスト削減がもたらされる。
【0029】
本発明を説明してきたが、添付の請求項の範囲によって定義された本発明の精神から逸脱することなしに本発明に属する本発明の多くの変形が当業者には明らかになるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングに回転式に取り付けられた本体と、
前記本体と同調して回転するように前記本体に装着された、スロットを間に形成する2つの側方部分を有する、位置合わせクリップであって、位置合わせクリップが、スロットルプレートシャフトの平坦な端部を受け前記本体を前記スロットルプレートシャフトに位置合わせするように寸法設定され、その結果位置合わせクリップと前記スロットルプレートシャフトが互いに同調して回転する、位置合わせクリップと、
前記ハウジングに取り付けられたセンサであって、前記ハウジングに関する前記本体の回転位置を表す出力信号を生成するセンサと、
を備えることを特徴とするスロットル開度センサアセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載のスロットル開度センサアセンブリであって、前記センサが誘導センサを備えることを特徴とするスロットル開度センサアセンブリ。
【請求項3】
請求項1に記載のスロットル開度センサアセンブリであって、前記ハウジングが、前記本体と位置合わせされるが前記本体から分離しているコンパートメントを含み、前記センサが、前記コンパートメント内に配置されることを特徴とするスロットル開度センサアセンブリ。
【請求項4】
請求項3に記載のスロットル開度センサアセンブリであって、前記コンパートメントを覆いかつ閉じるカバーを備えることを特徴とするスロットル開度センサアセンブリ。
【請求項5】
請求項1に記載のスロットル開度センサアセンブリであって、前記位置合わせクリップがばね鋼から作られることを特徴とするスロットル開度センサアセンブリ。
【請求項6】
請求項1に記載のスロットル開度センサアセンブリであって、前記位置合わせクリップが一体型の構成であることを特徴とするスロットル開度センサアセンブリ。
【請求項7】
請求項1に記載のスロットル開度センサアセンブリであって、前記位置合わせクリップの断面形状が非円形であり、前記本体が、前記位置合わせクリップの前記断面形状に相補的な形状の凹所を含み、前記位置合わせクリップが前記凹所内に配置されることを特徴とするスロットル開度センサアセンブリ。
【請求項8】
請求項1に記載のスロットル開度センサアセンブリであって、前記本体を前記センサに向けて軸方向に押しやるばねを備えることを特徴とするスロットル開度センサアセンブリ。
【請求項9】
請求項1に記載のスロットル開度センサアセンブリであって、前記本体の端部に装着したロータを備えることを特徴とするスロットル開度センサアセンブリ。
【請求項10】
請求項1に記載のスロットル開度センサアセンブリであって、前記本体の形状が円筒形であり、前記ハウジングが、形状および寸法が前記本体に相補的な円筒形の空洞を含み、プレートが、前記空洞の一端部を覆いかつ閉じるように延び、前記本体が、前記本体の軸方向の一端部が前記プレートの一側部に隣接して配置されるように、前記空洞内に回転式に配置されることを特徴とするスロットル開度センサアセンブリ。
【請求項11】
請求項10に記載のスロットル開度センサアセンブリであって、前記センサが、前記プレートのもう一方の側部に取り付けられることを特徴とするスロットル開度センサアセンブリ。
【請求項12】
請求項11に記載のスロットル開度センサアセンブリであって、前記プレートと前記ハウジングが一体型の構成であることを特徴とするスロットル開度センサアセンブリ。
【請求項13】
請求項11に記載のスロットル開度センサアセンブリであって、前記プレートと前記ハウジングが、プラスチックの一体型の構成であることを特徴とするスロットル開度センサアセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【公表番号】特表2010−523892(P2010−523892A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−502602(P2010−502602)
【出願日】平成20年4月9日(2008.4.9)
【国際出願番号】PCT/IB2008/000864
【国際公開番号】WO2008/122880
【国際公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(508000593)ケイエスアール テクノロジーズ カンパニー (12)
【Fターム(参考)】