説明

スローイングディスク

【構成】 スローイングディスク(2)は、楕円形の連続した軟質フレーム(4)を含み、その軟質フレームは、飛行中に形状を変える。軟質フレームは、それの厚みを貫通する中央開口(6)を規定する。軟質フレームは、飛行中に変化する高さを持ったかつフレームの下側面に3次元空洞を規定するアーチ形状を有し、飛行中に、スローイングディスクに対して揚力を与える。
【効果】 持ちやすく投げやすい、新規なスローイングディスクが得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、娯楽用途のためのスローイングディスク(throwing disc)に関する。
【背景技術】
【0002】
スローイングディスクは、2人またはそれ以上の人々の間でのスローイング/キャッチング(throwing and catching)遊びのために使用される。2つのポピュラーでよく知られているスローイングディスクは、一般に商標「フリスビー(Frisbee)」および商標「エアロビー(Aerobie)」と呼ばれている。フリスビー(商標。以下同じ。)のスローイングディスクは円形ディスクであり、その設計的な特徴は単一平面に存在し、すなわち、それは中心軸周りに回転する2次元形状を呈する。フリスビーのような円形フライング(flying)ディスクについての数多くの形状変更(すなわち、前縁、エーロフォイル(翼形)、縁(リム)、材料、サイズおよび重量)が周知でかつ特許されている。「スローイングリング(throwing ring)」というものもあり、スローイングリングは、フリスビーのような中実の(solid)または全面(full-surface)円形スローイングディスクに対して性質上は類似している。なぜなら、スローイングリングもまた円形でありかつ中心軸周りに回転する2次元平面プロファイルを有して設計されているからである。
【0003】
エアロビー(商標。以下同じ。)のフライングリングが特許文献1に開示されていて、それの変形が特許文献2に開示されている。特許文献1の図2Cおよび特許文献2の図8Cには、楕円形形状のスローイングリングが図解されている。特許文献2における楕円形形状はブーメランまたは自己回帰装置の特徴を有する。特許文献1に記述されているスローイングリングは直線距離で200m飛行することができると言われている。
【特許文献1】アメリカ特許第4,560,358号
【特許文献2】アメリカ特許公開公報US2004005837 A1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エアロビーのスローイングリングは、エーロフォイル(airfoil:翼または翼形)の設計や、重量および表面積に関して成功しているようであるが、それはまだ、数千年の昔のギリシャ人やローマ人およびシーク教徒から始まっている古代チャクラム(Chakram)のデザインから改善された回転体プロファイルである。これらの楕円形設計変形は、楕円形のスローイングリングに必要な非常に異なる空力幾何学を解決し、最適化した飛行特性を持たせるために必要な研究に基づいたものとは思われず、特に、ジャイロ変成(gyroscopic and metamorphic)原理における工学が欠落している。
【0005】
この発明の目的は、概略長円または楕円形状の軟質フレームを有する、娯楽目的のためのスローイングディスクを提供することである。
【0006】
この発明の他の目的は、重量における非常な減少を達成しかつ飛行のクオリティを最大化する、楕円形状のスローイングリングを提供することである。
【0007】
この発明のさらなる目的は、周知のかつポピュラーなフリスビーやエアロビーのスローイングディスクより薄くかつ/もしくは平坦なプロファイルを有する、非円形のスローイングディスクを提供することである。
【0008】
この発明のなおもさらなる目的は、従来のスローイングディスクより持ち易く、かつ改善された正確性を有して投げることができる、スローイングディスクを提供することである。
【0009】
この発明のなおも他の目的は、周知でポピュラーなスローイングディスクより、スローイング/キャッチングスポーツのためによい空力特性を有する、楕円形状のスローイングディスクを提供することである。
【0010】
この発明のなおも他の目的は、ポピュラーなフリスビーやエアロビーのスローイングディスクより軽くかつ飛行のための重量パラメータを克服するために必要な回転力を付与するのに使うリストスナップが小さくてよい、楕円形状のスローイングディスクを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明の1つの形式に従って構成されたスローイングディスクは非円形の、連続した、軟質フレームを含み、その軟質フレームは飛行中に形状を変える。軟質フレームはその厚みを貫通する中央開口を規定する。軟質フレームは上側面、上側面に対向する下側面、外周縁および外周縁の径方向内側の内周縁を有する。軟質フレームはアーチ形状であり、そのアーチ形状は、飛行中にそれの軸における高さが変化する。アーチ形状の軟質フレームは、そのフレームの下側面に3次元空洞を規定し、飛行中にスローイングディスクに揚力を与える。好ましくは、軟質フレームは形状において楕円形である。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、新規なスローイングディスクが得られる。
【0013】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1ないし図9をまず参照して、この発明の1つの形態において構成されたスローイングディスク2は飛行中に形状を変える、非円形の、連続的な、軟質フレーム4を含む。この軟質フレーム4はそれの厚みを貫通する中央開口6を規定する。軟質フレーム4は上側面8、上側面に対向する下側面10、外周縁12およびその外周縁12の径方向内側にある内周縁14を有する。軟質フレームは飛行中に変化する高さを持ったアーチ形状を有する。そのアーチ形状の軟質フレーム4は、その下側面において3次元空洞16を規定し、それによって飛行中にスローイングディスク2に揚力を付与する。
【0015】
発明の好ましい形態において、スローイングディスクの軟質フレーム4は形状において概略長円形であり、長軸18とその長軸18に直交する短軸20とを含む。好ましくは、軟質フレーム4は長軸18および短軸20周りに対称である。さらにより好ましくは、軟質フレーム4は形状において楕円形である。軟質フレーム4によって規定される中央開口6は好ましくは、形状において概略長円形であり、より好ましくは楕円形である。
【0016】
この発明のスローイングディスク2の数多くの特定的な構造的な特徴によって、ディスク2は従来のスローイングディスクを超えた改善された空力能力を備えることができる。第1に、長軸18で計測した外周縁12と内周縁14との間における軟質フレーム4の幅は好ましくは、短軸20で計測した外周縁12と内周縁14との間のフレーム4の幅より大きい。第2に、長軸18で計測した上側面8と下側面10との間のフレーム4の平均厚みは好ましくは、短軸20で計測した上側面8および下側面10の間のフレーム4の平均厚みより大きい。第3に、フレーム4の増分的なアーチ形状の範囲上において長軸18で計測したフレーム4の増分重量(incremental weight)は好ましくは、フレーム4の同じ増分的なアーチ形状の範囲において<短軸20で計測したフレーム4の増分重量より大きい。
【0017】
好ましくは、軟質フレーム4は、外リング22とその外リング22と結合しかつ外リング22の径方向内側にある内リング24とを含む。さらに好ましくは、内リング24は第1材料から形成され、外リング22は第2材料から形成され、第2材料は好ましくは第1材料より柔軟である。この発明のスローイングディスク2の他の好ましい形態において、外リング22は成形ゴム材料からもしくは熱可塑性プラスチックのエラストマ材料から形成され、内リング24はポリカーボネイトから形成される。軟質フレーム4は射出成形プラスチックから形成されてもよい。
【0018】
軟質フレーム4の外周縁12はさらに、図9に示すように、下側面10から上側面8へ向かって内方に傾斜され、飛行中に軟質フレーム4の上側面8上に空気流を分流させる。
【0019】
スローイングディスク2は、最適の空力安定性および能力を呈する好ましい寸法を有して構成される。この好ましいスローイングディスク2は次のような特性を有する。外周縁12の径方向において対向する側の間で長軸18に沿って計測した軟質フレーム4の幅は、約13.25インチ(2.54×13.25≒33.66cm)であり、外周縁12の径方向において対向する側の間で短軸20に沿って計測した軟質フレーム4の幅は約10.25インチ(2.54×10.25≒26.04cm)である。非飛行中の軟質フレーム4のアーチ形状の高さは約0.41インチ(2.54×0.41≒1.04cm)であり、軟質フレーム4の下側面10には約53.3インチ(2.54×53.3≒135.38cm)の半径を有する、長軸18に沿う外周縁12の径方向において対向する側の間に曲面ないし湾曲を形成する。外周縁12の近くで計測した軟質フレーム4の厚みは好ましくは、短軸20の近傍におけるフレームの部分に沿った0.090インチ(2.54×0.09≒0.23cm)から長軸18の近傍におけるフレームの部分に沿った約0.135インチ(2.54×0.135≒0.34cm)まで変化する。さらに、フレーム4の厚みは、長軸18の近傍の部分上において内周縁14から外周縁12へ向かって増加する。スローイングディスク2の重量は、約78.8±3グラムである。
【0020】
この発明のスローイングディスク2の独特の性能的な特徴はディスク形状、材料特性および飛行中における物理学および/または動力学によって規定される。スローイングディスク2は長軸18および短軸20周りに対称的に曲成される。ディスク2は、フォワードスピニングモーション(forward spinning motion:前進回転動作)を伴って投擲されたとき、重量中心(center of mass)の軸周りに回転し、材料特性および軟質フレーム4全体に亘っての断面変形に結びつく遠心力によって変形する。この効果は、長軸18の近傍にある軟質フレーム4の部分に配置されている、より大きい質量の端部(more massive ends)の各々の結合した持ち上げおよび/または曲げ(combined lifting and/or bending) である。ディスク2は前進モーメントによって空中でスピンするので、ディスクは可変速度および可変揚力特性を有するダイナミックなエーロフォイル(翼)となる。
【0021】
軟質フレーム4の外リング部分22のエラストマの設計は、スローイングディスク2の全外周縁12をカバーして、キャッチングの際の快適性を高めるとともに、製造中の用具の複雑性を解消する。好ましくは、軟質フレーム4の外周縁12は、ディスク2の上側面8上に空気流を分流させるための特別な形状にされていて、さらにより快適なキャッチングのために尖鋭な外周縁を除去している。さらに好ましくは、軟質フレーム4の外周縁12の立ち上がり部分26は軟質フレーム4の下側面10から外方に延びて付加的なグリッピング(つかみ)表面となる。
【0022】
フレーム4のための軟質材料は好ましくは射出成形プラスチックである。スローイングディスク2は好ましくは、その高い耐久性の理由で選択されたエンジニアリング(engineered)ポリカーボネイトからなる内リング24を含む。軟質フレーム4の外リング22は好ましくは、特別に組成された熱可塑性プラスチックのエラストマまたはTPE(熱可塑性エラストマ)からなり、相溶性化学組成物およびたとえば「重ね成形(over-molding)」または「2回成形(two-shot molding)」による加熱成形によって、内リング24に接着される。軟質フレーム4のTPE外リング部分の主目的の1つは、スローイングディスク2がプレイヤによってキャッチされあるいは方向を変えるときにおける衝撃力を弱めることである。外リング22の軟度(softness)またはTPEデュロメータ(durometer)は製造中に変更されてもよい。さらに、外リング22の軟度または弾性係数は、当業者においてよく知られているように、異なるプラスチック材料で調整され得る。
【0023】
スローイングディスク2は人間に適合するサイズの範囲に拡大/縮小される。もし拡大/縮小されると、ディスク2の重量がまた、好ましくは、材料の弾性係数やスピン率(spin rate)を考慮して、ディスク2のサイズに比例して大きく/小さくされる。
【0024】
この発明のスローイングディスクの正規のプロトタイプを材料的にかつ寸法的にテストし観察することによって、ディスク2は平均で7.5±1.5Hzまたは450RPMで回転することがわかった。この速さにおいて、ディスク2の各端部は、質量中心および/または回転中心からディスク2を変形させるために作用する、ほぼ16.44Nまたは3.7ポンド(454×3.7≒1679.8グラム)の力を示す。実験室において、ディスク2がアーチの中性点で固定されかつ質量中心周りに50RPMないし400RPMの速度で回転されたとき、ディスク2が毎50RPM周期で調和した変形、すなわち、ディスク2を扁平にすることおよびエーロフォイル16の高さを減じることを示したことが記録されている。飛行途中においてディスク速度が増大することが観察されていて、それは、ディスク2がよりコンパクトな形状に変形することによる抗力(drag)の減少に一義的によるものと考えられる。
【0025】
ユーザによって与えられるディスクの前進速度の予測不能な性質のために、可変揚力特性および風速、前進速度および距離は投擲毎に決定される。この発明の最適形状のディスクにおける平均投擲距離は約150フィート(30.5×150≒4575cm=45.75m)ないし約250フィート(30.5×250≒7625cm=76.25m)の間であると記録されている。付加的な範囲はディスク2のダイナミックな性質によるものである。ディスク2が抵抗状態を減じ、速度を増加するように変形するので、揚力特性に影響を与え、速度の二乗で揚力を変化させる。
【0026】
この発明のスローイングディスク2は一義的には、2人またはそれ以上の人々の間におけるスローイング/キャッチングの遊びのために設計される。スローイングディスク2は重量における大きな減少および飛行の強化されたクオリティによって、円形の中実なフリスビースタイルのスローイングディスクに対して改善している。
【0027】
この発明の楕円形のスローイングディスク2の構造は、根本的な形状変更によって、従来のスローイングディスクから外れている。楕円形のもしくは長円形の形状を規定するためにほとんど無数の変更および可能性(すなわち直線、スプライン、円弧またはこれらの任意の組み合わせ)のために、この発明の楕円形のスローイングディスク2の特定的な構造は、断面厚さ、長短軸18,20に沿う曲面(湾曲)および外内周縁12,14の形状のようなパラメータを調節しかつ精密にチューニングすることによって最適化される。ジャイロ変成原理がこの発明の設計において考慮され、スローイングディスク2の飛行特性を最適化する。
【0028】
先に説明したように、この発明のスローイングディスク2は、各図面に示すように、成形によって曲成されたアーチ形状を有する。スローイングディスク2のより薄い厚みの中心から長軸18の近傍にある軟質フレームのより厚い部分への厚みの変化によってディスク2に対して柔軟性が加えられる。
【0029】
すなわち、ディスク2が図6および図7に示すように断面で図解されるとき、外周縁12の径方向に対向する側の間の直線およびディスク2の下側面10に形成されているアーチに外接する曲線の頂点によって規定されるアーチ形状を呈することがわかる。このアーチがスローイングディスク2に対して、エーロフォイル揚力原理に基づいて飛行中における安定性を付与する。ディスク2が投げ手の手を離れると、ディスクはその質量中心周りに速度がそれに付与される方向に自由にスピンする。このアーチは、ディスク2のスピンしている下側面10によって規定される3次元空洞となる。ベルヌイ効果に従って、この空洞16の直下を通過する空気速度は、ディスク2の上側面8上を通過する空気速度より遅くなり、結果的に下側面で高圧となり上側面で低圧となるので、飛行中にディスク2に揚力を与える。
【0030】
この発明のスローイングディスク2の他の重要な局面は、柔軟な成形材料および短軸20の近傍にある軟質フレーム4の部分に沿う長軸18の近傍にある厚みのある部分へテーパになっている材料の薄いバンド(帯)を用いることによって、飛行中に形状を変化させる能力である。ディスク2がスピンするとき、遠心力が、ディスク2をより扁平な形状へ引っ張ることによって、ディスク2の下側面10によって規定されるアーチの高さを減じる。飛行の途中に向かって、より扁平にされたディスク2は、ディスク2上を空気がより速く通過するので風の抵抗を減じ、ディスク2を加速し、飛行距離を伸ばす。より速い速度とより小さい容量のエーロフォイル16によって、より安定した飛行が達成される。飛行の終点に向かって、回転力および風圧が初期速度および遠心力に打ち勝つので、ディスク2は元の形状に復帰し、エーロフォイル16の容量を大きくし、低速飛行において浮動効果(floating effect)によって安定化させる。さらに、ディスク2の長軸18の近傍における軟質フレーム4の径方向において対向する、重み付けられた、すなわち、より重い部分が、製造プロセスまたは成形によって、過度の使用あるいは他の微細なディスクの欠陥によって引き起こされる微小な不規則性をよりよく補正する。遠心力が、従来の均一な軸回転ディスクまたはリングより大きな力で、回転中心からの引っ張り上げを生ぜさせるからである。
【0031】
この発明のディスク2は、先に説明したように、楕円形にもしくは他の非円形に類似して成形されていて、それは好ましくは、長軸18のみならず短軸20周りに対称的である。さらに、連続する軟質フレーム4によって規定される内部の中央開口6も好ましくは、楕円形に類似するように形成され、それはまたスローイングディスクの長軸18および短軸20のそれぞれの周りに対称的に形成される。図2に示すスローイングディスク2の平面図からわかるように、軟質フレーム4は内周縁14から外周縁12へ向かって大きくなる変化する幅を有する材料の連続するバンド(帯)である。さらに、長軸18の近傍における軟質フレーム4の幅は、短軸20の近傍の部分の幅より大きい。ディスク2の長軸18の近傍における幅広の軟質フレーム4は投擲前にディスク2を保持しかつ安定させるために十分なグリップを提供する。ディスク外周の大部分に沿う重ね成形したゴムは、ディスク2のキャッチングをより安全でかつ平易にする。スローイングディスク2の特別な形状はまた、ディスク2の外周縁12の中央開口6を通しての手でつかむのにちょうどよい。
【0032】
先に述べたように、この発明のスローイングディスク2は、基本となる空力的な揚力原理を保有しながら重量、表面積、アーチ高さおよび他のパラメータについて微細な調整によって拡大/縮小することができる。材料の厚みおよび成形するアーチ形状を変更することによって、初期投擲速度および「浮動」特性が調整され得る。最適なスローイングおよびキャッチングにおける快適性のために、硬質であまり柔軟でない材料および半硬質でより柔軟な材料が軟質フレーム4の外リング22および内リング24のために使用される。外リング22および内リング24は、同時成形(co-molding)または重ね成形による成形プロセスにおいて、互いに機械的に接着される。特別な材料および射出成形プロセス(すなわち、グラスファイバ、ガスアシストおよびデュロメータタイプ)が、表面積の重量に対する比率に妥協することなく、軟質フレーム4における部分的な固さをさらに改善するために、使用されることが予測される。
【0033】
この発明のスローイングディスク2の特定的な形状および構造はいくつかの利点を提供する。投げ手にとっては、ディスク2を飛行にもたらすためにより小さい手首の動きでよく、そのことは、潜在的に、より長時間のプレイの間手首にかかる負担を小さくする。投擲においてあまり努力が要らないということはまた、スポーツに対するビギナーについてのより短い学習曲線を意味する。この発明のディスク2を投げるために、一方の手におけるディスク2の適当なトップ位置での姿勢で、典型的には、投げ手は、下側面10上の1つまたはそれ以上の指と、上側面8の親指ならびにその親指の根元とでディスクを保持する。バックハンドスローの場合、投げ手の腕および手首は投げ手の胴体へ向かってわずかに巻き付けられる。胸の近くで保持されたディスクがいまや肘と手首が直線上の腕位置にまで伸ばされたとき放たれる。手首および/または肘の伸展ないし伸長の速度がディスク2に移転し、腕の全伸展(伸長)のポイントでディスク2が放されるとき、その速度を与える。基本的な腕の解放を伴って振り付けされた(choreographed)とき、投げ手の追加的な体の動きは、すべての他のスローイングディスクやリングと同じように、この発明のディスク2が進む距離において助けになる。
【0034】
この発明のスローイングディスク2の力学を習得する間、リリースポイントに対して指先(回転の点)周りにディスク2が振られるので、最小の力で<大きくなった慣性が発生されることが発見された。ディスクの長軸18の近くの軟質フレーム4の「重みが付けられた」部分およびディスク2の楕円形形状のゆえに、「モーメントアーム(moment arm)」は従来のフリスビーディスクで得られるものより大きい。この発明の楕円形のスローイングディスク2はリリースポイントにおいて、投げ手の腕の付加的な関節で繋がったセグメントとして作動し、腕の自然な伸展が追加された制御を有して、一層流れるようなスローイング動作を与える。また、楕円形のディスクの複数のグリップ位置によって、投げ手は、投げ手の好みによって、投擲力学(throwing mechanics)を精緻にチューニングすることができる。
【0035】
この発明の楕円形のスローイングディスク2は、いくつかの局面において、従来のフリスビーおよびエアロビースローイングディスクに対する改良である。より薄いかつ/またはより扁平なプロファイルを有しているので、この発明の楕円形のスローイングディスク2は持ちやすく、そして改善された正確さを有して、かつスローイング/キャッチングスポーツにふさわしいより良い空力特性を有して、投げやすい。さらに、この発明のスローイングディスク2のサイズや形状に対する調整もしくは調節は、ユーザに種々のスポーツ活動のための多くのディスクのタイプを提供する。ユーザに対して、この発明の楕円形ディスク2は、標準的なフリスビースローイングディスクよりよく性能を発揮する。そのスローイングディスク2が軽く、そして飛行のためのディスクの重量パラメータに打ち勝つために必要な回転力を付与するのにより小さなリストスナップが必要なだけであるからである。中間範囲の投擲距離に対する最適近弾(optimum short) におけるこの発明の観察された制御された飛行特性は、約50フィート(30.5×50≒1525cm=15.25m)から約150フィートであるので、この発明のスローイングディスク2はまた従来のエアロビーディスクに対する改良でもある。
【0036】
この発明のスローイングディスク2は、長軸18の径方向において対向する2つの端部において自然に重みが付けられた曲がった横長のディスクの機械的な現象を利用する。この発明のスローイングディスク2における質量の減少および重ね成形されたTPE材料によって、安価に大量生産され得る、軽量でかつより快適なディスクを得ることができる。性能強化した特徴を有して設計されるスローイングディスクの固有の安定性および能力は、多年に亘ってスローイングディスクの市場性を大きく改善する。
【0037】
この発明のスローイングディスク2の他の変形が図10に図解されている。ここで、1つまたはそれ以上の開口28が軟質フレーム4の厚みを貫通して形成されていることがわかる。開口28は好ましくは、ディスク2の長軸18の近傍において互いに径方向に6ew対向して設けられる。ディスク2はさらに、その開口28によって受容され得るかつ係留保持される装着(snap-in)モジュール30を含む。各装着モジュール30は、ディスク2の性能やプレイ特性を変化させるおもり32をその内部に含む。付加されたおもりを有する装着モジュール30は、回転速度、投擲距離およびあるいは正確性に影響を及ぼすことができる。
【0038】
他のオプションは、このディスク2を、究極のディスクゴルフスポーツのために、バッテリ動作する電子ゴールポストとともに使用できるようにするために、装着モジュール30内に無線ID(RFID)タグ34を含ませることである。その代わりに、装着モジュール30はフラッシュする発光ダイオード36のような露出した発光素子を含むようにしてもよく、あるいは夜間プレイのために燐光材料から形成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1はこの発明の1つの形態に従って構成されたスローイングディスクの斜視図である。
【図2】図2は図1に示すこの発明のスローイングディスクの平面図である。
【図3】図3は図1および図2に示すこの発明のスローイングディスクの底面図である。
【図4】図4は図1ないし図3に示すこの発明のスローイングディスクの側面図である。
【図5】図5は図1ないし図4に示すこの発明のスローイングディスクの正面図である。
【図6】図6は図1ないし図5に示すこの発明のスローイングディスクの図2における線6−6に沿った断面図である。
【図7】図7は図1ないし図6に示すこの発明のスローイングディスクの図2における線7−7に沿った断面図である。
【図8】図8は図1ないし図7に示すこの発明のスローイングディスクの一部の拡大断面図である。
【図9】図9は図1ないし図7に示す実施例に対する変形を図解していて、この発明のスローイングディスクの一部の拡大断面図である。
【図10】図10はこの発明の他の形態に従って構成されたスローイングディスクの分解上面斜視図である。
【符号の説明】
【0040】
2 …スローイングディスク
4 …軟質フレーム
6 …中央開口
8 …上側面
10 …下側面
12 …外周縁
14 …内周縁
16 …3次元空洞
18 …長軸
20 …短軸
22 …外リング
24 …内リング
26 …立ち上がり部分
28 …開口
30 …装着モジュール
32 …おもり
34 …RFID
36 …発光ダイオード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スローイングディスクであって、
飛行中に形状を変化させる、非円形の、連続した、軟質フレームを備え、
軟質フレームはそれの厚みを貫通する中央開口を規定し、
軟質フレームは上側面、上側面に対向する下側面、外周縁および外周縁の径方向内側にある内周縁を有し、
軟質フレームは飛行中に変化する高さを持ったアーチ形状を有し、
そのようなアーチ形状を有する軟質フレームは、それの下側面において3次元空洞を規定し、飛行中にスローイングディスクに揚力を与える、スローイングディスク。
【請求項2】
軟質フレームは形状において概略長円形であり、長軸とその長軸に対して直交する短軸とを含み、軟質フレームは長軸および短軸についてそれぞれ対称的である、請求項1記載のスローイングディスク。
【請求項3】
軟質フレームは形状において楕円形である、請求項2記載のスローイングディスク。
【請求項4】
長軸で計測した外周縁と内周縁との間の軟質フレームの幅は、短軸で計測した外周縁と内周縁との間の軟質フレームの幅より大きい、請求項2記載のスローイングディスク。
【請求項5】
長軸で計測した上側面と下側面との間の軟質フレームの平均厚みは、短軸で計測した上側面と下側面との間の軟質フレームの平均厚みより大きい、請求項2記載のスローイングディスク。
【請求項6】
長軸で計測した軟質フレームの増分重量は、短軸で計測した軟質フレームの増分重量より大きい、請求項2記載のスローイングディスク。
【請求項7】
軟質フレームによって規定される中央開口は形状において長円形である、請求項2記載のスローイングディスク。
【請求項8】
中央開口は形状において楕円形である、請求項7記載のスローイングディスク。
【請求項9】
外周縁の径方向に対向する側の間で長軸に沿って計測した軟質フレームの幅は約13.25インチ(33.66cm)であり、外周縁の径方向において対向する側の間で短軸に沿って計測した軟質フレームの幅は約10.25インチ(26.04cm)である、請求項2記載のスローイングディスク。
【請求項10】
非飛行中の軟質フレームのアーチ形状の高さは約0.41インチ(1.04cm)であり、軟質フレームの下側面には、約53.3インチ(135.38cm)の半径を有する、長軸に沿って外周縁の径方向において対向する側の間に湾曲を形成する、請求項2記載のスローイングディスク。
【請求項11】
軟質フレームは外リングおよび外リングに結合されかつ外リングの径方向内側にある内リングを含む、請求項1記載のスローイングディスク。
【請求項12】
外リングは成形ゴム材料から形成される、請求項11記載のスローイングディスク。
【請求項13】
外リングは熱可塑性プラスチックのエラストマ材料から形成された、請求項11記載のスローイングディスク。
【請求項14】
内リングはポリカーボネイトから形成される、請求項11記載のスローイングディスク。
【請求項15】
内リングは第1材料から形成され、外リングは第2材料から形成され、その第2材料は第1材料より柔軟である、請求項11記載のスローイングディスク。
【請求項16】
軟質フレームはそれの厚みを貫通して形成された少なくとも第1および第2の開口を含み、第1および第2の開口は長軸の近傍において互いに径方向に対向して設けられ、スローイングディスクはさらに、少なくとも第1および第2の開口によって受容される装着モジュールを備える、請求項2記載のスローイングディスク。
【請求項17】
装着モジュールはおもりを含む、請求項16記載のスローイングディスク。
【請求項18】
装着モジュールは無線識別(RFID)タグを含む、請求項16記載のスローイングディスク。
【請求項19】
装着モジュールは少なくとも1つの発光素子と燐光材料とを含む、請求項16記載のスローイングディスク。
【請求項20】
軟質フレームの外周縁は下側面から上側面に向かって内方に傾斜して、飛行中に、軟質フレームの上側面上に空気流を分流させる、請求項1記載のスローイングディスク。
【請求項21】
軟質フレームは射出成形プラスチックから形成される、請求項1記載のスローイングディスク。
【請求項22】
軟質フレームの少なくとも一部は、内周縁から外周縁に向かって大きくなる厚みを有する、請求項1記載のスローイングディスク。
【請求項23】
軟質フレームの一部は、長軸の近傍において内周縁から外周縁に向かって大きくなる厚みを有する、請求項22記載のスローイングディスク。
【請求項24】
短軸の近傍で計測した上側面と下側面との間の軟質フレームの厚みは約0.09インチ(0.23cm)であり、長軸の近傍で計測した上側面と下側面との間の軟質フレームの厚みは約0.135インチ(0.34cm)である、請求項2記載のスローイングディスク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2009−509586(P2009−509586A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−532480(P2008−532480)
【出願日】平成18年9月22日(2006.9.22)
【国際出願番号】PCT/US2006/037286
【国際公開番号】WO2007/038449
【国際公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願人】(508087022)
【出願人】(508087033)
【Fターム(参考)】