説明

ズレ防止機能を有するカーペット用不織布バッキング及びその製造方法

【課題】不織布バッキングの一連の製造過程の中でズレ防止機能を持たせることができ、従来、不織布バッキングにズレ防止機能を持たせるために要していた手間と時間を削減し、もって該不織布バッキングの低コスト化を実現することができ、さらに長期に使用してもズレ防止機能が損なわれ難い不織布バッキング及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】カーペット用不織布バッキング12であって、当該不織布バッキング12中に分割型極太複合繊維が含まれており、前記不織布バッキング12の裏面側に前記分割型極太複合繊維の分割された繊維21aが突出していることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車や列車、航空機などの乗り物の床面に敷設されるカーペットやマット、建物の室内や廊下の床面に敷設されるカーペットやマット、コンピュータのオペレーション用チェアマット、部屋の出入口に敷設される床面用マット、エレベータ内やエレベータホールの開閉扉前に敷設される床面用マット、玄関マットなどに適用されるカーペットに好適なズレ防止機能を有する不織布バッキング及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カーペットの裏側に設けられるズレ防止機能を有する不織布バッキングとしては、例えば図5〜図7に示すように、不織布バッキング1の裏面側に、表面と裏面とを有する縦編み横糸挿入編物の前記表面と裏面とを接続するループ状縦糸をカットした編物2が一体化されていて、前記縦糸のカット端3が係止部として繊維質バッキング1の裏面側に突出するようにしたものがある(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−102611号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、図5〜図7に示すカーペット用不織布バッキングにあっては、当該不織布バッキング1にズレ防止機能を持たせるに、縦編み横糸挿入編物のループ状縦糸をカットして編物2を作製し、この編物2を不織布バッキング1の裏面側に接着などの手法によって接合一体化する必要があり、その分、多くの手間と時間がかかり、さらにはコスト高を招いていた。
【0004】
また、このカーペット用不織布バッキング1にあっては、接着などの手法によって編物2を接合一体化しているため、該カーペットのクリーニングなど、長期に使用するにつれて、編物2が不織布バッキング1から剥がれ落ちてズレ防止機能が損なわれる恐れもあった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、不織布バッキングの一連の製造過程の中でズレ防止機能を持たせることができ、従来、不織布バッキングにズレ防止機能を持たせるために要していた手間と時間を削減し、もって該不織布バッキングの低コスト化を実現することができ、さらに長期に使用してもズレ防止機能が損なわれ難い不織布バッキング及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、カーペット用不織布バッキングであって、当該不織布バッキング中に分割型極太複合繊維が含まれており、前記不織布バッキングの裏面側に前記分割型極太複合繊維の分割された繊維が突出していることを特徴とするズレ防止機能を有するカーペット用不織布バッキングをその要旨とした。
【0007】
請求項2記載の発明は、分割型極太複合繊維が融点の異なる少なくとも2種のポリマー成分からなることを特徴とする請求項1記載のズレ防止機能を有するカーペット用不織布バッキングをその要旨とした。
【0008】
請求項3記載の発明は、不織布バッキングの裏面側に分割型極太複合繊維が高密度に含まれていることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のズレ防止機能を有するカーペット用不織布バッキングをその要旨とした。
【0009】
請求項4記載の発明は、不織布バッキングの構成繊維の繊度が1〜20デシテックスであるのに対し、分割型極太複合繊維の分割された繊維の繊度が50〜300デシテックスであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のズレ防止機能を有するカーペット用不織布バッキングをその要旨とした。
【0010】
請求項5記載の発明は、不織布バッキングの構成繊維中に分割型極太複合繊維と共に、前記分割型極太複合繊維よりも細く、前記不織布バッキングの構成繊維よりも太い繊維が含まれていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のズレ防止機能を有するカーペット用不織布バッキングをその要旨とした。
【0011】
請求項6記載の発明は、不織布バッキングの構成繊維の繊度が1〜20デシテックスであるのに対し、分割型極太複合繊維の分割された繊維の繊度が500〜1000デシテックスであり、前記分割型極太複合繊維の分割された繊維よりも細く、前記不織布バッキングの構成繊維よりも太い繊維の繊度が50〜300デシテックスであることを特徴とする請求項5に記載のズレ防止機能を有するカーペット用不織布バッキングをその要旨とした。
【0012】
請求項7記載の発明は、カーペット用不織布バッキングの製造方法であって、当該不織布バッキングを構成する繊維ウェブを形成し、次いで、前記不織布バッキングの構成繊維ウェブ上に融点の異なる少なくとも2種のポリマー成分からなる分割型極太複合繊維からなる複合繊維ウェブを形成し、次いで、絡合処理を施すことにより、前記不織布バッキングの構成繊維ウェブ及び複合繊維ウェブのそれぞれの繊維相互、並びに不織布バッキングの構成繊維ウェブと複合繊維ウェブの繊維相互を結合し、この後、前記不織布バッキングを前記分割型極太複合繊維の高い融点のポリマー成分よりも低く、低い融点のポリマー成分と同じか若しくは高い温度で加熱することで、前記分割型極太複合繊維を分割させたことを特徴とするズレ防止機能を有するカーペット用不織布バッキングの製造方法をその要旨とした。
【0013】
請求項8記載の発明は、不織布バッキングの構成繊維の繊度が1〜20デシテックスであるのに対し、分割型極太複合繊維の分割された繊維の繊度が50〜300デシテックスであることを特徴とする請求項7に記載のズレ防止機能を有するカーペット用不織布バッキングの製造方法をその要旨とした。
【0014】
請求項9記載の発明は、不織布バッキングの構成繊維ウェブを形成した後、分割型極太複合繊維からなる複合繊維ウェブを形成する前に、前記分割型極太複合繊維よりも細く、前記不織布バッキングの構成繊維よりも太い繊維のウェブを形成することを特徴とする請求項7記載のズレ防止機能を有するカーペット用不織布バッキングの製造方法をその要旨とした。
【0015】
請求項10記載の発明は、不織布バッキングの構成繊維の繊度が1〜20デシテックスであるのに対し、分割型極太複合繊維の分割された繊維の繊度が500〜1000デシテックスであり、前記分割型極太複合繊維の分割された繊維よりも細く、前記不織布バッキングの構成繊維よりも太い繊維の繊度が50〜300デシテックスであることを特徴とする請求項9に記載のズレ防止機能を有するカーペット用不織布バッキングの製造方法をその要旨とした。
【発明の効果】
【0016】
本発明のカーペット用不織布バッキングにあっては、当該不織布バッキング中に含まれる分割型極太複合繊維の分割された繊維が前記不織布バッキングの裏面側に突出し、カーペットが敷設される床面に食い込むことで、カーペットのズレが防止されるようになっていることから、構造が簡単であり、しかも優れたズレ防止機能を有すると共に、従来のカーペット用不織布バッキングのように長期にわたる使用でズレ防止機能が損なわれる恐れも少ないという効果を奏する。
【0017】
また、本発明のカーペット用不織布バッキングの製造方法にあっては、当該不織布バッキングを構成繊維ウェブを形成し、次いで、融点の異なる少なくとも2種のポリマー成分からなる複合繊維ウェブを形成し、次いで、絡合処理を施し、この後、分割型極太複合繊維の高い融点のポリマー成分よりも低く、低い融点のポリマー成分と同じか若しくは高い温度で加熱することで、前記分割型極太複合繊維を分割させ、該カーペット用不織布バッキングを製造することができるため、不織布バッキングの一連の製造過程で不織布バッキングにズレ防止機能を付与することができる。このため、従来の不織布バッキングのように、ズレ防止機能を持たせるために要していた手間と時間を削減し、もって該不織布バッキングの低コスト化を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明のカーペット用不織布バッキング及びその製造方法を図面に示した位置実施の形態に従ってさらに詳しく説明する。尚、本発明のカーペット用不織布バッキングの製造方法については、本発明のカーペット用不織布バッキングを説明する過程で共に説明することとする。
【0019】
図1は、表面繊維基材13の裏側に不織布バッキング12を設けたカーペット11を示すものである。表面繊維基材13としては、特に限定されないが、図1に示す表面繊維基材13は、不織布、紙、布、フェルトあるいはこれらの複合物からなる繊維シート13aにパイル糸13bを所定のボリュームで略U字状となるように打ち込んだものである。尚、表面繊維基材13は、パイル糸13bを打ち込まない繊維シート13aのみからなるものであっても良い。
【0020】
また、図1に示す表面繊維基材13には、パイル糸13bの抜け止めのためにプレコート層14が設けられている。またさらに表面繊維基材13のプレコート層14の裏側には接着層15が設けられている。図1に示す接着層15は、例えば前述のポリアミド系ホットメルト樹脂、ポリスチレン系ホットメルト樹脂、ポリエチレン系ホットメルト樹脂、EVA系ホットメルト樹脂などのホットメルト樹脂からなり、その形態は蜘蛛の巣状となっており、表面繊維基材13と不織布バッキング12とを部分接着できるようになっている。この接着層15を介して不織布バッキング12が接着されている。
【0021】
不織布バッキング12には、例えばポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン系繊維、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系繊維、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系繊維、ポリアクリロニトリルなどのアクリル系繊維、或いはポリビニルアルコール系繊維から選ばれる1種若しくは2種以上を構成繊維とする不織布を用いることができる。
【0022】
この不織布バッキング12を構成する構成繊維20中には分割型極太複合繊維21が含まれている。分割型極太複合繊維21は、分割されることで極太の分割繊維或いはその分割繊維束が得られる。この分割型極太複合繊維21は、極太の分割繊維或いはその分割繊維束に分割できるように、融点の異なる二種類以上のポリマー成分の組み合わせからなる。異なる二種類以上の組み合わせを構成するポリマー成分の融点の差は15℃以上、好ましくは20℃以上であり、このようなポリマーの組み合わせとしては、例えばポリエステル/ポリオレフィン、高融点ポリエステル/低融点ポリエステル、ポリアミド/ポリオレフィン、高融点ポリアミド/低融点ポリアミド、ポリプロピレン/ポリエチレン、高融点ポリエチレン/低融点ポリエチレン等が挙げることができる。
【0023】
この分割型極太複合繊維21は、高い融点のポリマー成分(以下、「高融点成分」という)よりも低く、低い融点のポリマー成分(以下、「低融点成分」という)と同じか若しくは高い温度で加熱することにより、低融点成分が溶融し、高融点成分が分割された繊維として残存するようになっている。
【0024】
この分割型極太複合繊維21の断面形状としては、例えば図2に示すように、高融点成分21aと低融点成分21bとを交互に層状に積層したものや、図3に示すように、高融点成分21aと低融点成分21bとを交互に放射状に並べて菊花状の繊維断面としたものなどを使用できる。
【0025】
また、不織布バッキング12の構成繊維20には、繊度が1〜20デシテックスのものが望ましく、これに対し分割型極太複合繊維21の分割された繊維21aには、繊度が50〜300デシテックスのものが望ましい。
【0026】
図1に示すカーペット用不織布バッキング12は、例えば図4に示す方法によって製造することができる。図4に示す方法では、まず図1及び図4に示すように、図4中矢印方向に移動するメッシュ30上に第1ホッパー31から当該不織布バッキング12を構成する構成繊維20を投入して繊維ウェブ31を形成する。次いで、前記不織布バッキング12の構成繊維ウェブ31上に第2ホッパー33から融点の異なる少なくとも2種のポリマー成分からなる分割型極太複合繊維21からなる複合繊維ウェブ34を形成する。
【0027】
次いで、ニードリング又は水流によって絡合処理35を施すことにより、前記不織布バッキング12の構成繊維ウェブ32及び複合繊維ウェブ34のそれぞれの繊維20、21相互、並びに不織布バッキング12の構成繊維ウェブ32と複合繊維ウェブ34の繊維20と繊維21の相互を結合する。この絡合処理により、不織布バッキング12の一方面側、すなわち複合繊維ウェブ34側には、分割型極太複合繊維21が高密度に存在することになる。
【0028】
この後、絡合処理35によって繊維相互が結合した不織布バッキング12をヒーター36によって、前記分割型極太複合繊維21の高融点成分の融点よりも低く、低融点成分の融点と同じか若しくは高い温度で加熱することで、例えば図2又は図3に示す前記分割型極太複合繊維21の低融点成分21bを溶融させて分割させ、残存する高融点成分からなる繊維21aが放射状に分割し、図1に示すように該不織布バッキング12の裏面側に分割型極太複合繊維21の分割された繊維21aが突出することになる。
【0029】
また、加熱によって溶融した低融点成分21bは、分割型極太複合繊維21の分割された繊維21aが絡み合った不織布バッキング12の構成繊維20間を結合すると共に分割型極太複合繊維21の分割された繊維21a相互を結合し、不織布バッキング12の裏面側に突出する分割型極太複合繊維21の分割された繊維21aの根本が固められ、不織布バッキング12の裏面側の形態の安定化を図ることができるようになっている。
【0030】
次に、図5に示す不織布バッキングについて説明する。図5に示すカーペット41は、表面繊維基材43の裏側に不織布バッキング42を設けたものであり、不織布バッキング42の構成繊維50中に分割型極太複合繊維51と共に、前記分割型極太複合繊維51よりも細く、前記不織布バッキング42の構成繊維50よりも太い繊維52が含まれていることを特徴とするものである。
【0031】
尚、図5に示すカーペット41における表面繊維基材43、プレコート層44、接着層45、不織布バッキング42の構成繊維50、分割型極太複合繊維51については、図1に示すものと同じであるため、ここでの説明は割愛する。
【0032】
図5に示すカーペット41における不織布バッキング42の場合、不織布バッキング42の構成繊維50中には、構成繊維50及び分割型極太複合繊維51のほかに、前記分割型極太複合繊維51よりも細く、前記不織布バッキング42の構成繊維50よりも太い繊維52が含まれている。
【0033】
不織布バッキング42の構成繊維50の繊度としては1〜20デシテックスが望ましく、これに対し、分割型極太複合繊維51の分割された繊維51aの繊度は500〜1000デシテックスが望ましく、前記分割型極太複合繊維51の分割された繊維51aよりも細く、前記不織布バッキング42の構成繊維50よりも太い繊維52の繊度としては50〜300デシテックスが望ましい。
【0034】
図5に示すカーペット用不織布バッキング41は、例えば図6に示す方法によって製造することができる。図6に示す方法では、まず図5及び図6に示すように、図6中矢印方向に移動するメッシュ60上に第1ホッパー61から当該不織布バッキング42を構成する構成繊維50を投入して繊維ウェブ61を形成する。次いで、前記不織布バッキング42の構成繊維ウェブ61上に第2ホッパー63から分割型極太複合繊維51の分割された繊維51aよりも細く、前記不織布バッキング42の構成繊維50よりも太い繊維52を投入して繊維ウェブ64を形成する。次いで、繊維ウェブ64上に融点の異なる少なくとも2種のポリマー成分からなる分割型極太複合繊維51を投入して分割型極太複合繊維51からなる複合繊維ウェブ65を形成する。
【0035】
次いで、ニードリング又は水流によって絡合処理66を施すことにより、前記不織布バッキング42の構成繊維ウェブ61、繊維ウェブ64、及び複合繊維ウェブ65のそれぞれの繊維50、52、51相互、並びに不織布バッキング42の構成繊維ウェブ61、繊維ウェブ64、及び複合繊維ウェブ65の繊維50と繊維52、繊維51の相互を結合する。この絡合処理により、不織布バッキング42の一方面側、すなわち複合繊維ウェブ65側には、分割型極太複合繊維51が高密度に存在することになる。
【0036】
また、この形態の場合、繊度が互いに近い繊維50、繊維52、繊維51の3種類の繊維を用いているために、各繊維50、52、51の相互が絡み易く、シート形態がより安定なものとなり、分割型極太複合繊維51の分割された繊維51aの抜けをより確実に防止することができる。
【0037】
この後、絡合処理66によって繊維相互が結合した不織布バッキング42をヒーター67によって、前記分割型極太複合繊維51の高融点成分の融点よりも低く、低融点成分の融点と同じか若しくは高い温度で加熱することで、分割型極太複合繊維51の低融点成分を溶融させて分割させ、残存する高融点成分からなる繊維51aが放射状に分割し、図5に示すように該不織布バッキング42の裏面側に分割型極太複合繊維51の分割された繊維51aが突出することになる。
【0038】
また、加熱によって溶融した低融点成分は、分割型極太複合繊維51の分割された繊維51aが絡み合った不織布バッキング42の構成繊維50及び繊維52間を結合すると共に分割型極太複合繊維51の分割された繊維51a相互を結合し、不織布バッキング42の裏面側に突出する分割型極太複合繊維51の分割された繊維51aの根本が固められ、不織布バッキング42の裏面側の形態の安定化を図ることができるようになっている。
【0039】
尚、本発明のカーペット用不織布バッキングは、例えば繊度又は繊維長の異なる複数の分割型極太複合繊維を用いて、カーペットの適用される用途や使用状態に応じたズレ防止効果を調整するなど、特許請求の範囲に記載された範囲で自由に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明のカーペット用不織布バッキングを示す要部拡大断面図である。
【図2】本発明のカーペット用不織布バッキングに含まれる分割型極太複合繊維の繊維断面を示す模式図である。
【図3】本発明のカーペット用不織布バッキングに含まれる分割型極太複合繊維の別形態の繊維断面を示す模式図である。
【図4】図1に示すカーペット用不織布バッキングの製造工程を示す模式図である。
【図5】本発明のカーペット用不織布バッキングを示す要部拡大断面図である。
【図6】図5に示すカーペット用不織布バッキングの製造工程を示す模式図である。
【図7】従来のカーペット用不織布バッキングを用いたカーペットを示す要部拡大断面図である。
【図8】従来のカーペット用不織布バッキングの製造過程を示す要部拡大断面図である。
【図9】従来のカーペット用不織布バッキングを示す要部拡大断面図である。
【符号の説明】
【0041】
12、42・・・不織布バッキング
13、43・・・表面繊維基材
14、44・・・プレコート層
15、45・・・接着層
20、50・・・構成繊維
21、51・・・分割型極太複合繊維
21a、51a・・・分割された繊維

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーペット用不織布バッキングであって、
当該不織布バッキング中に分割型極太複合繊維が含まれており、前記不織布バッキングの裏面側に前記分割型極太複合繊維の分割された繊維が突出していることを特徴とするズレ防止機能を有するカーペット用不織布バッキング。
【請求項2】
分割型極太複合繊維が融点の異なる少なくとも2種のポリマー成分からなることを特徴とする請求項1記載のズレ防止機能を有するカーペット用不織布バッキング。
【請求項3】
不織布バッキングの裏面側に分割型極太複合繊維が高密度に含まれていることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のズレ防止機能を有するカーペット用不織布バッキング。
【請求項4】
不織布バッキングの構成繊維の繊度が1〜20デシテックスであるのに対し、分割型極太複合繊維の分割された繊維の繊度が50〜300デシテックスであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のズレ防止機能を有するカーペット用不織布バッキング。
【請求項5】
不織布バッキングの構成繊維中に分割型極太複合繊維と共に、前記分割型極太複合繊維よりも細く、前記不織布バッキングの構成繊維よりも太い繊維が含まれていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のズレ防止機能を有するカーペット用不織布バッキング。
【請求項6】
不織布バッキングの構成繊維の繊度が1〜20デシテックスであるのに対し、分割型極太複合繊維の分割された繊維の繊度が500〜1000デシテックスであり、前記分割型極太複合繊維の分割された繊維よりも細く、前記不織布バッキングの構成繊維よりも太い繊維の繊度が50〜300デシテックスであることを特徴とする請求項5に記載のズレ防止機能を有するカーペット用不織布バッキング。
【請求項7】
カーペット用不織布バッキングの製造方法であって、
当該不織布バッキングを構成する繊維ウェブを形成し、次いで、前記不織布バッキングの構成繊維ウェブ上に融点の異なる少なくとも2種のポリマー成分からなる分割型極太複合繊維からなる複合繊維ウェブを形成し、次いで、絡合処理を施すことにより、前記不織布バッキングの構成繊維ウェブ及び複合繊維ウェブのそれぞれの繊維相互、並びに不織布バッキングの構成繊維ウェブと複合繊維ウェブの繊維相互を結合し、この後、前記不織布バッキングを前記分割型極太複合繊維の高い融点のポリマー成分よりも低く、低い融点のポリマー成分と同じか若しくは高い温度で加熱することで、前記分割型極太複合繊維を分割させたことを特徴とするズレ防止機能を有するカーペット用不織布バッキングの製造方法。
【請求項8】
不織布バッキングの構成繊維の繊度が1〜20デシテックスであるのに対し、分割型極太複合繊維の分割された繊維の繊度が50〜300デシテックスであることを特徴とする請求項7に記載のズレ防止機能を有するカーペット用不織布バッキングの製造方法。
【請求項9】
不織布バッキングの構成繊維ウェブを形成した後、分割型極太複合繊維からなる複合繊維ウェブを形成する前に、前記分割型極太複合繊維よりも細く、前記不織布バッキングの構成繊維よりも太い繊維のウェブを形成することを特徴とする請求項7記載のズレ防止機能を有するカーペット用不織布バッキングの製造方法。
【請求項10】
不織布バッキングの構成繊維の繊度が1〜20デシテックスであるのに対し、分割型極太複合繊維の分割された繊維の繊度が500〜1000デシテックスであり、前記分割型極太複合繊維の分割された繊維よりも細く、前記不織布バッキングの構成繊維よりも太い繊維の繊度が50〜300デシテックスであることを特徴とする請求項9に記載のズレ防止機能を有するカーペット用不織布バッキングの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−112358(P2009−112358A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−285640(P2007−285640)
【出願日】平成19年11月2日(2007.11.2)
【出願人】(000149664)株式会社大和 (35)
【出願人】(592083993)株式会社八千代 (34)
【出願人】(592084004)株式会社祥永 (34)
【Fターム(参考)】