説明

セプタム栓を有する容器およびセプタム栓を有する栓キャップ

【解決手段】セプタム栓を有する液体用容器(1)であって、該セプタム栓が、少なくとも1つの貫通口(3)を有する栓キャップ(2)を有しており、前記貫通口(3)が、弾性の栓材料(4)で満たされ、かつ、閉じられていることを特徴とする容器(1)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セプタム栓を有する液体用容器に関する。
さらに本発明は、容器のためのセプタム栓として使用される栓キャップに関する。
【背景技術】
【0002】
上位概念となる種類の容器ならびにセプタム栓は、実に様々な実施例で実践にて公知である。
セプタム栓は、たいてい熱可塑性エラストマーでできており、試薬の無菌の注射ならびに無菌状態も損なわれず、相応の容器の内容物の損傷もない試料採取を可能にする。
セプタム栓は、通常、ゴムのような材料から成り、そして、注射針で突き刺すことが可能であり、そのことによって容器内への入口が実現可能であり、この場合、この入口を介して液体を容器から取り出すことも容器に入れることも可能である。
セプタム栓は、例えば、実験室適用ならびにインビトロ診断、または、非経口的適用に使用される。
【0003】
セプタム栓を用いてとりわけ試料採取の操作、または、媒体の投入が簡略化されるべきであり、汚染のリスクが削減されるべきである。
本来のセプタム栓は、無菌に維持されなければならない。
従って通常セプタム栓は、除去可能なキャップで覆われており、このキャップは、貫通口を有するか、または、セプタム栓の操作時に除去されなければならない。
【0004】
実践で公知のセプタム栓は、とりわけ、付加的な栓キャップを伴った本来のセプタム栓が必要であることから費用がかかり、従って操作に手間がかかる。
その上、このセプタム栓は、重大なコスト要因ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って本発明の課題は、最も簡単な構造で簡単な操作が可能である、セプタム栓を有する液体用容器ならびにセプタム栓としての栓キャップを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば前述の課題は、並列の特許クレーム1および18の特徴によって解決される。
それによれば上位概念となるセプタム栓を有する液体用容器が、前記セプタム栓が少なくとも1つの貫通口を有する栓キャップであることおよび前記貫通口が弾性の栓材料で満たされ、かつ、閉じられていることによって特徴づけられている。
【0007】
本発明によれば、要するに栓キャップが貫通口を有し、この貫通口が弾性の栓材料で満たされ、かつ、従って閉じられていることによって、本来のセプタム栓を通常の栓キャップと組み合わせることが可能である。
従って弾性の栓材料は、セプタムとして使用され、この場合、これは栓キャップの一体型の構成要素である。
これは一体の工作物であるため、その製造ならびに操作が従来技術に比して簡略化されている。
【0008】
セプタム栓は、プラスチック、または、金属でできていると有利である。
また、セプタム栓は、容器の内容の確認に使用することができる。
そのためにセプタム栓は、設定可能な色、または、色コードを有するとさらに有利である。
セプタム栓、または、栓キャップのその他のコーディング/文字入れが可能である。
【0009】
セプタム栓がねじ栓として実施されている場合は、とりわけ簡単な操作という枠内で有利である。
しかしながら、同様にセプタム栓を押し込み栓、または、クリンプキャップ、もしくは、王冠栓として形成することも可能である。
セプタム栓の他の変形形態は、つまり一体化した貫通口に栓材料を備えるのにセプタム栓が適当である場合には常に、可能である。
【0010】
貫通口を閉じる栓材料は、軟質のプラスチック、または、ゴムでよい。
重要であるのはいずれにせよ、材料が注射針で突き通すか、または、突き刺すのに適当であることである。
【0011】
栓キャップに2個以上の貫通口、例えば、3個の貫通口が形成されているとさらに有利である。
全ての貫通口はいずれも栓材料で満たされており、その際、貫通口およびこれに応じて栓材料も形、および/または、大きさが異なっていてよい。
従って栓キャップに、例えば、操作規則、または、物質の取り出し、もしくは、投入に関する、さらなるコーディングが割り当てられてよい。
従って栓材料の形、大きさ、あるいは、色によってプロセスの流れ、または、操作ステップを設定することが可能である。
【0012】
既に前述のとおり、栓材料それ自体が識別可能である場合が有利である。
このことは栓材料がセプタム栓、または、蓋とは異なる色を有する場合には常に保証されている。
複数の貫通口に対して事前措置をとる場合には、栓材料は、貫通口ごとに異なる色を有してもよく、そのことによってはより幅広い色コーディングを設定することもできる。
【0013】
基本的には、栓材料が1個または複数の貫通口のみを満たしている、つまり同一平面をなして栓キャップの材料のところで終わっていることが可能である。
【0014】
特に有利な形態の場合には栓材料は1個または複数の貫通口および蓋をそれらの端面で内側から満たし、それにより一体化された蓋シールを蓋の内側で形成する。
このような形態には、さらなる封止措置が必要ないという大きな利点がある。
【0015】
無菌のセプタムを提供するために栓キャップは、その全体を保護被覆、例えば、フィルムで覆われていてよく、この保護被覆によって蓋の表面およびセプタムとなる栓材料が無菌で提供されることが保証される。
フィルムは、前記操作時にはぎ取られ、即ち除去され、それによりセプタムは、自由に到達可能である。
セプタム栓が、1個または複数の貫通口および栓材料を汚染予防のために覆い、そして、栓キャップから取り外し可能、または、はじきとばし可能(wegflipbar)であるその栓キャップのための完全に特別なカバーを有することも可能である。
このようなカバーは、栓キャップ自体と同じ材料でできていてよく、この場合、カバーの除去のために穴あきの縁部、または、例えば、細長い片(Stegen)の形をした、ある種の予定破断箇所(Sollbruchstelle)が用意されていてよい。
【0016】
このカバーは、一方ではセプタム栓の無菌での提供に、そして、他方では新鮮シール(Frischesiegel)の形成に使用され、その結果、容器またはセプタム栓が既に利用されたかどうかを常に識別可能である。
【0017】
製造技術上の観点からは、栓キャップおよびカバーが一体に製造されている場合に有利である。
このために弾性の栓材料および場合によってはカバーを伴ったセプタム栓は、射出成形法で、オーバーモールド成形法で製造されていることが好ましい。
このように栓キャップは、一体に1個のツールで複数の工程段階で製造されていてもよい。
【0018】
さらに、容器のためのセプタム栓として使用することができる特別な栓キャップの特許の保護が請求されている。
このような栓キャップは、前述の実施例に相応する特徴を含み、実に様々な容器を閉じるために使用することができる。
【0019】
ところで本発明の理論を有利に形成し、かつ、発展させる種々の可能性が存在する。
これについては一方で特許請求項1に続く特許請求項が、もう一方で図面に基づく本発明の有利な実施例についての以下の説明が参照されうる。
図面に基づく本発明の有利な実施例の説明に関連して一般的に前記理論の有利な形態および発展も説明される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図面では唯一の図が、概略図で本発明による容器に同様に本発明による栓キャップが備えられた実施例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0021】
表示によるとこの唯一の図では容器1が、特別な栓で、つまりいわゆるセプタム栓で閉じられている。
セプタム栓は、弾性の栓材料4で満たされ、かつ、閉じられている、例えば、3つの貫通口3を有する栓キャップ2である。
【0022】
前記唯一の図では、貫通口3がその形状寸法で種々に実施されていることがさらにわかり、その結果、このことによりコーディングが設定されうる。
【0023】
栓材料4は、例えば、注射器の注射針先端で突き通すことができ、それにより容器1の内部への入口が実現可能である。
このことによって液体を容器1から取り出すこともできるし、容器1内に投入することもできる。
【0024】
図に示されていない注射針または注射針先端が、栓材料4から、および貫通口3から引き抜かれると、貫通口3は栓材料4の弾性に基づいて元通りにひとりでに閉じ、その結果、容器1は再度閉じた状態で存在する。
専ら概略的に示されたカバー5は、未使用の状態で新鮮さの保護となり、セプタム栓の無菌での提供を保証する。
使用後にはカバー5が再び栓キャップ2に挟着(aufgeklipst)されてよいことが考えられ、そのことによって、つまり、セプタム栓がカバーされ、そして、保護される。
【0025】
前記唯一の図からはわからないさらなる特徴に関しては、繰り返しを避けるために明細書の一般的な部分を参照されたい。
【0026】
最後に上記で論じた実施例が特許の保護が請求された教示を例として詳論することに専ら使用されているが、しかしながら、この教示が該実施例に限定されないことを述べておく。
【符号の説明】
【0027】
1 ・・・容器
2 ・・・栓キャップ
3 ・・・貫通口
4 ・・・弾性の栓材料
5 ・・・カバー(栓キャップの)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セプタム栓を有する液体用容器(1)であって、前記セプタム栓が、少なくとも1つの貫通口(3)を有する栓キャップ(2)を有しており、
前記貫通口(3)が、弾性の栓材料(4)で満たされ、かつ、閉じられていることを特徴とする容器(1)。
【請求項2】
前記セプタム栓が、プラスチックまたは金属で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の容器(1)。
【請求項3】
前記セプタム栓が、容器(1)の内容の確認のために、設定可能な色、または、色コードを有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の容器(1)。
【請求項4】
前記セプタム栓が、ねじ栓であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の容器(1)。
【請求項5】
前記セプタム栓が、押し込み栓であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の容器(1)。
【請求項6】
前記セプタム栓が、クリンプキャップまたは王冠栓であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の容器(1)。
【請求項7】
前記栓材料(4)が、軟質のプラスチックまたはゴムとして満たされていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の容器(1)。
【請求項8】
前記栓キャップ(2)に2個以上の前記貫通口(3)が形成されており、それぞれ前記栓材料(4)で閉じられていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載の容器(1)。
【請求項9】
前記貫通口(3)の形、および/または、大きさが異なっていることを特徴とする請求項8に記載の容器(1)。
【請求項10】
前記栓材料(4)が、前記セプタム栓とは異なる色を有していることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の容器(1)。
【請求項11】
前記栓材料(4)が、前記貫通口(3)ごとに異なる色を有していることを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれか一つに記載の容器(1)。
【請求項12】
前記栓材料(4)が、1個または複数の前記貫通口(3)のみを満たしていることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか一つに記載の容器(1)。
【請求項13】
前記栓材料(4)が、1個または複数の前記貫通口(3)および蓋をそれらの端面で満たし、それにより蓋シールを形成していることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか一つに記載の容器(1)。
【請求項14】
前記セプタム栓が、1個または複数の前記貫通口(3)を汚染予防のために覆い、そして、前記栓キャップ(2)から取り外し可能である該栓キャップ(2)のためのカバー(5)を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか一つに記載の容器(1)。
【請求項15】
前記カバー(5)が、付加的に新鮮シールの機能を有していることを特徴とする請求項14に記載の容器(1)。
【請求項16】
前記栓キャップおよびカバー(5)が、一体に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれか一つに記載の容器(1)。
【請求項17】
前記栓材料(4)および場合によってはカバー(5)を伴った前記セプタム栓が射出成形法、好ましくはオーバーモールド成形法で製造されていることを特徴とする請求項1乃至請求項16のいずれか一つに記載の容器(1)。
【請求項18】
請求項1乃至請求項17のいずれか一つに記載の特徴部を特徴とする容器(1)のためのセプタム栓としての栓キャップ(2)。

【図1】
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【公表番号】特表2012−517946(P2012−517946A)
【公表日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−550416(P2011−550416)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【国際出願番号】PCT/DE2009/001745
【国際公開番号】WO2010/094248
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(509177441)ヘイファ ゲエムベーハー (3)
【Fターム(参考)】