セラミック製造
【課題】大きな強度を具えたセラミックの義肢内植組織または義肢内植組織部材を含む製造物品を提供する。
【解決手段】後方安定型膝内植組織のための大腿骨部材、回転膝の大腿骨部材フレーム、膝用の十字靭帯温存の大腿骨部材、膝用の単房の大腿骨関節丘部材などの一体な膝用のMG−TTZのセラミックの義肢内植組織または義肢内植組織部材を含む製造物品に関し、その形状を特徴とする。
【解決手段】後方安定型膝内植組織のための大腿骨部材、回転膝の大腿骨部材フレーム、膝用の十字靭帯温存の大腿骨部材、膝用の単房の大腿骨関節丘部材などの一体な膝用のMG−TTZのセラミックの義肢内植組織または義肢内植組織部材を含む製造物品に関し、その形状を特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はセラミック体の製造およびセラミック体そのものに関するものである。
【0002】
優先権請求の範囲の相互参照。この発明はアメリカ特許出願第60/452,704号(2003年3月7日出願)、および第60/463,922号(2003年4月18日出願)の優先権を主張するものである。アメリカに関しては、PCTおよび/またはアメリカ法第35条119(e)項、363および365を主張するものである。上記出願の完全な明細書はここで引用するものである。
【特許文献1】アメリカ特許出願第60/452,704号
【特許文献2】アメリカ特許出願第60/463,922号
【0003】
特定の分野においては、セラミック体は身体内植組織、特に負荷耐久関節内植組織を囲包するものである。主たるまたは修正形態において例えば内植組織は大腿骨膝部材であり、膝内植組織のためのセラミック後方安定型大腿骨部材であり、他の例としては、自然負荷伝達を有した対応する脛骨部材に関する大腿骨部材を抑制する回転装置を有したセラミックを含む人工膝内植組織部材である。追加的なセラミック製造も提供できる。
【背景技術】
【0004】
より強くより普遍的なセラミック物品の探求は現在も進行している非常に重要な関心事である。しかし精密で複雑な形状に適合する充分に強く完成されたセラミック体を提供するには難しい点も有る。この点に鑑みて、高度に望ましい多くのセラミック物品は利用できないままである。
【0005】
例えば、アルミナ大腿骨膝部材は日本から知られているが、最も基本的な大腿骨内植組織デザインに向けられたものであり、燃焼ブロックを機械加工して製造されるが故に、問題は非常に費用が掛かることである。
【0006】
進歩したセラミック大腿骨膝部材を提供しようとした試みは明らかに失敗した。大きな強度を必要とするより複雑なセラミック内植組織は当業界には不足している。そのような内植組織の一例としては、膝内植組織のための後方安定型大腿骨部材がある。実際当業者はそのようなものを製造できることについて懐疑的である。アメリカ特許第5,549,684号を参照されたい。
【特許文献3】アメリカ特許第5,549,684号
【0007】
そのような困難性は克服するのが望ましい。さらにそうするための効率がよくコストに合った方法を提供するのが望ましい。
【0008】
注目すべき内植組織提供として、アメリカ特許第5,766,257号は自然の負荷伝達を有した人工的な関節を開示している。一実施例においては関節は膝である。セラミック物質が採用できることを開示してはいるが、関節は金属構造であるのが望ましい。
【特許文献4】アメリカ特許第5,766,257号
【0009】
例えばその大腿骨部材フレームは鋳物または鍛造コバルト・クロム合金であり、その脛骨部材フレームはチタン合金と超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)のCo−Cr合金回転装置とベアリングである。2002年のZimmer社、NexGen(登録アメリカ特許およびTm.Off.)システム回転ヒンジ膝デザイン理論を参照されたい。
【0010】
他のモジュール化をそのような膝内植組織に提供できる。アメリカ特許第6,629,999号を参照されたい。
【特許文献5】アメリカ特許第6,629,999号
【0011】
後方安定型大腿骨部材および他の上記した特許の膝内植組織を含む身体の内植組織中へのセラミックの採用は利点があるだろう。例えば、Co−Cr合金中に見られる微量のニッケルにアレルギーを呈する患者もいる。しかもセラミックは硬い関節面を与えるものである。
【0012】
しかし特に上記したような複雑な膝内植組織部材については、セラミック採用の基本思想のより実務的な応用が必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
発明の一般的な要旨。この発明はセラミック体を製造する方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明の方法にあってはセラミックの初期未燃焼体を用意し、該未燃焼体を機械加工して機械加工未燃焼セラミック体を製造する。機械加工未燃焼セラミック体は燃焼および/または更なる処理に掛けられてより完成されたセラミック体を提供する。
【0015】
またこの発明は機械加工未燃焼セラミックでありより完成されたセラミック体であって、上記した方法および/またはある種の特定なセラミックにより製造されるものである。ひとつの可能性として、セラミック体は後方安定型膝内植組織のための大腿骨部材である。
【0016】
他の実施例の部材フレームを有した膝人工器官を含んだ人工回転装置のための部材体を形成する方法にあっては、回転装置が揺動可能な垂下雄タイプ部材を有しており、膝人工器官が回転装置に加えて関節丘膝表面を備えた大腿骨部材を有しており、かつ半月板の関節表面を具えた脛骨部材を有している。
【0017】
該半月板の関節表面は大腿骨部材の関節丘関節表面と会合する。さらに回転装置容器も具えてあり、該容器は雌タイプ部材を有していて、大腿骨部材は回転装置の雄雌協働により脛骨部材と会合可能である。膝人工器官は解剖学的屈曲と伸張とに加えて回転中における関節丘と半月板の関節表面相互の解剖学的滑り接触により一般に自然負荷伝達能力を有している。
【0018】
該方法においては、セラミックの初期未燃焼体を用意し、該未燃焼体を機械加工して膝人工器官のための機械加工未燃焼セラミック部材体を得る。上記したように、機械加工未燃焼部材体は燃焼および/またはさらなる処理に掛けられて、膝人工器官のためのより完成セラミック部材体を得る。
【0019】
この発明はさらに機械加工未燃焼部材体に関するものであり、上記の方法により得られるおよび/またはある種の特殊なセラミックから形成されるより完成セラミック部材体に関するものである。
【発明の効果】
【0020】
この発明はセラミック体を提供するのに有用である。この発明により、セラミック製造技術が独特で高効率の方法により発展される。特に精密で複雑な形状に適合する強くて完成したセラミック体が得られる。例えば、従来当業界で知られていなかった大きな強度を具えたセラミック後方安定型大腿骨膝部材が得られるのである。
【0021】
複雑および簡単な他のセラミック身体内植組織または内植組織部材が得られる。これには他のタイプの大腿骨膝内植組織部材、単一・複数部材からなる単房関節整列装置、足首関節の関節丘を含む部材、大腿骨頭、上腕肩半球などが含まれる。
【0022】
これにより上記したような膝などの複雑な内植組織にセラミックを採用する基本思想のより実務的な応用が提供されるのである。特に膝を含む回転装置中の強くて完成した精密で複雑な形状に適合する部材が利用可能となる。大腿骨および/または脛骨部材のためのジルコニアセラミックからなる膝人工器官を含む人工回転装置のための部材体が有利に提供されるのである。ギアや流量制御部材などの他のタイプのセラミック体も利用可能になる。ジルコニアセラミック体も有利に提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下添付の図面によりさらに詳しくこの発明を説明する。
【0024】
この発明の実施においては一般に、セラミックの初期の未燃焼体を用意して、該未燃焼体を機械加工することによりセラミック体を形成する。該機械加工セラミック体は燃焼および/またはさらなる処理に掛けてより完成したセラミック体を得る。
【0025】
ある実施例では、膝関節内植組織の1以上の部材の1以上の部分はセラミックから形成されている。好ましくは少なくとも関節丘関節表面を具えた少なくとも基本の大腿骨部材はセラミックから形成されている。一般にセラミック関節丘関節表面は超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)からなる対応する脛骨トレイライナー(tray liner)と関節結合している。大腿骨および脛骨部材の他の部分はセラミックから形成されているかセラミックを含んでいる。
【0026】
他の実施例では、種々の物品が製造され、それらはセラミックを含んでいる。
【0027】
セラミックは適宜なタイプでよい。「A」〜「Z」からのセラミックと言われるものは、アルミナからジルコニアおよびこれらの混合物である。代表的なセラミックはAl、Si、Sc、Y、La、ランタニド系列要素、Ac、アクチニド系列要素、Ti、Zr、Hf、V、Nbおよび/またはTaなどのホウ酸化物、炭化物、窒化物、酸化物、ケイ酸塩などである。
【0028】
セラミックは強化できる。例えばアルミナは公知のように強化アルミナである。セラミックはジルコニアセラミックであるのが望ましい。セラミックは安定化でき、いかなる安定化剤でもいかなる適量で存在できる。例えば、ジルコニアセラミックは一般に部分的に安定化ジルコニア(PSZ)であり、これは安定化ジルコニアセラミックであり、例えば約3〜3.5重量%酸化マグネシウム、または4〜5重量%の酸化イットリウムを含む。またジルコニアセラミックはスパンまたは四辺形および/または立体相から選ばれる相で存在する。PSZセラミックには、酸化マグネシウム安定化変換強化ジルコニア(Mg−TTZ)があり、これはほぼ3〜3.5重量%の酸化マグネシウムで安定化されたジルコニアセラミックであり、四辺形相で存在する。または酸化イットリウム四辺形ジルコニア多結晶(Y−TZP)があり、ほぼ3モル%の酸化イットリウムで安定化されたジルコニアセラミックであり、四辺形相で存在する。図1を参照。
【0029】
完成セラミックは他の物質を含有することもできる。例えば、ジルコニアセラミックは一般に少量の(例えば約2重量%の)ハフニア(hafnia)セラミック物質を含んでおり、これはHfが自然界でZrと一緒に発見されかつZrから除くことが難しいという事情による。しかしこれはしばしば有害ではない。
【0030】
好ましくはセラミックはMg−TTZであり、その優れた硬さと、熱および/または水による単斜晶系相への反転に対する優れた耐久性の理由を含む。例えばアルミナY−TZPおよびMg−TTZは次のように形成できる。燃焼後の強度:Y−TZP>Mg−TTZ>アルミナ。オートクレーブ後の強度:MgーTTZ>アルミナ>Y−TZP。
【0031】
これらのセラミックに任意の強度の数値を付与すると次のようになる。燃焼後:Y−TZP(150);Mg−TTZ(125);アルミナ(100):オートクレーブ後:Mg−TTZ(125);アルミナ(95);Y−TZP(50)。
【0032】
Mg−TTZは熱湯のガラス器内(in vitro)作用によっては単斜晶系相には反転せず、水によっては劣化したり攻撃はされないのである。生体内使用でアルミナおよびY−TZP内移植大腿骨股関節ボールについては損耗に関して下記が観察されている。1〜4年での回収ではY−TZPはアルミナより良い。5〜8年回収ではY−TZPとアルミナはほぼ同じ。9〜10年回収ではアルミナがY−TZPより良い。
【0033】
したがって生体内では、例えば大腿骨股関節ボールとして内移植されてきたことが知られているMg−TTZはアルミナよりより良い短および/または長期間にわたる長持ちを呈し、かつY−TZPより長期間にわたる長持ちを呈することが観察される。
【0034】
セラミック体はまずミクロ粉体および/またはナノ粉体から形成するのが望ましい。例えばジルコニアセラミックは約0.5ミクロン(μm)〜10μm断面を有した単斜晶系ジルコニア粉体から形成され、またミクロ粉体としては約1ナノメーター(nm)〜500nm断面であり、ナノ粉体としてはミクロ粉体またはナノ粉体が約2〜5重量%の酸化マグネシウムを安定剤として含んでいる。ジルコニア粉体はミクロ粉体としては約1〜2μm断面を、ナノ粉体としては約15nm〜450nm断面を有するのが望ましく、かつ約3.1〜3.4重量%の酸化マグネシウムを含むのが望ましい。
【0035】
セラミックの初期未燃焼体は適宜な処理方法により準備される。初期未燃焼体の形成には加圧成形が望ましく、実質的には冷間等方圧加工技術(CIP)による。粉化されたセラミック材料は高圧プレスの空所内に供給され、圧力下で初期未燃焼体が形成される。必要または望ましければバインダーも使用される。ミクロ粉体またはより大きいサイズの場合には、一般にはバインダーはセラミック粉と一緒に使用される。ナノ粉体の初期未燃焼体については、バインダーが必要でないこともある。
【0036】
セラミックの初期未燃焼体は適宜な密度を持つようにされる。一般に該密度はセラミックの理論的密度の少なくとも約20%である。該密度は理論的密度の少なくとも約30%が望ましく、より望ましくは少なくとも約50%である。小さい粉体を使用すればより高い理論的密度が得られ他ではだめであると考える向きもあるだろうが、材料による(しかしナノ粉体はより大きな粉体よりはよく焼結できる)。高理論的密度は高圧などにより得られる。
【0037】
初期未燃焼体はいかなる適宜な形状でも形成され得る。便利な形状としては筒状、四面体、三角錐プリズム、矩形または立体ブロック、正五角形プリズムなどがある。セラミックの初期未燃焼体は矩形または立方体ブロックであるのが望ましい。
【0038】
機械加工のためにある種の初期未燃焼体は未加工のままでプレスされるが、他には素焼きを得るには加熱を必要とし、これが初期未燃焼体の形態であると考えられる。ジルコニアナノ粉体などのセラミック粉体は未加工のプレスされた状態で機械加工される。Mg−TTZへの変換のためのミクロ粉体などのセラミック粉体は素焼きにされる。
【0039】
素焼きを形成するのに必要とされる加熱は穏やかなものと考えられる。例えば、ジルコニアミクロ粉体は約100〜1000または1100℃またはそれ以上の温度で約1〜10時間で素焼きにされる。
【0040】
この発明の実施に際しては、初期未燃焼体が機械加工される。該未燃焼は手動、レース、ドリル、切断など適宜な方法で行われるが、多軸精密切断または工作機械、例えばコンピューター数値制御(CNC)マシンで行なうのが望ましい。
【0041】
一般に機械加工中の温度は周辺温度でよい。機械加工未燃焼セラミック体はいかなる形状でもよいが、完成セラミック体の形状に類似した前駆形状であるのが望ましい。この点この発明は、機械加工セラミック体が複雑な形状を帯びることが可能であるので、完成セラミックがそれから形成されるのなら、完成体の基本形状への変形はわずかなものであるという顕著な利点を有している。
【0042】
特に修正大腿骨膝内植組織部材を含む膝のための大腿骨部材のような非対称で複雑な形状が容易に得られるのである。外科内植組織の分野における他の複雑な形状としては、膝関節内植組織脛骨部材、1個以上の部材からなる単房膝関節整列装置、足首関節内植組織部材、脊椎部材、顎関節内植組織などがある。
【0043】
勿論機械加工未燃焼体としては他のものも製造可能であり、そのような外科的内植組織としては臀部大腿骨頭、肩上腕骨半球体などがある。また前駆体中に形成されるいかなるトラニオン受容孔も含むことが可能であり、機械加工未燃焼体は非切断ボールまたは平坦切断ボール(非切断半球体)、つまりC−インフィニテイ(infinity)ポイントグループよりは対称性が少ない。臀部大腿骨およびトラニオンを受容するテーパーで切頭の円錐台形(frustoconical)の孔を具えた肩上腕骨ヘッド、またはC−インフィニテイより非対称性の形状が含まれる。
【0044】
その他の例としては、大腿骨部材および/またはその回転装置および/または挿入可能なスパイク、脛骨部材トレイおよび/または挿入可能なスパイクなどが容易に得られる。
【0045】
完成セラミック体の前駆体としての機械加工未燃焼セラミック体は完成セラミック体よりも適宜大きくてもよい。一般的には機械加工未燃焼セラミック体の密度および完成セラミック体の密度に応じて、機械加工未燃焼セラミック体は1.5〜80%、多くの場合約10〜30%ほど対応する完成セラミック体より大きくてもよい。
【0046】
特にジルコニアセラミックとMg−TTZについては、ミクロ粉体から形成された機械加工未燃焼体に対するさらに完成されたセラミックのサイズ減少は、約15〜25%(約16〜23%を含む)である。換言すると、機械加工未燃焼体の調整サイズに基づいて18%サイズが減少した完成セラミックは、完成セラミック体の調整サイズに対して約122%サイズが増加した機械加工未燃焼体に等しいと考えられる。つまり関係(I)が得られるのである。
【0047】
【数1】
【0048】
例えば、機械加工未燃焼体から20%サイズ減少された完成セラミック体は、完成セラミック体より1.25倍大きな(125%)機械加工未燃焼体から形成される。
【0049】
より完成されたセラミック体が得られるのが望ましい。これを達成するには、少なくとも1回の加熱ステップを必要とする。機械加工未燃焼体の燃焼によってより完成したセラミック体が得られる。この燃焼は適宜な温度、例えば約1000〜3000℃の範囲、で適宜な時間行われる。セラミック体内の燃焼温度に至る温度傾斜が望ましく、約1.5〜20℃/分である。
【0050】
燃焼片の焼鈍は燃焼の直後に適宜な温度、例えば約700〜1800℃の範囲、で適宜な時間行なう。
【0051】
さらなるセラミック処理としては熱間等方圧加工法(HIP)があり、ある種のセラミックには望ましく適切である。そのような処理の実施については当業者公知である。勿論いかなるセラミックについても細部は異なる。
【0052】
例えば、Mg−TTZのより完成したセラミック体は大きな機械加工未燃焼体をオーブン中において約1600〜1900℃の範囲(好ましくは1700〜1800℃)で約1〜4時間(約2〜3時間)燃焼することにより形成される。傾斜温度は、室温から燃焼温度に適宜な速度(約1〜2℃/分)で増加して、燃焼温度に至る。
【0053】
そのような燃焼の後、加熱状態を保ったままで燃焼温度から徐々に冷却することにより焼鈍を行なうのが望ましい。つまり200〜500℃から例えば燃焼温度より350℃下までセラミック体の温度を徐々に低減する。ついで1〜3時間(例えば2時間)セラミック体を焼鈍温度に保つ。焼鈍温度からの約室温までの冷却は適宜な速度で行われ、例えば前記傾斜速度と等しくてよいが逆になる。
【0054】
これにより完成したMg−TTZセラミック体が得られ、該セラミック体は一般に理論的またはそれに近い密度を有している。かくして燃焼・焼鈍されたMg−TTZセラミック体に関し、それ以上のHIPなどの加熱処理は不要である。
【0055】
Y−TZPのより完成したセラミック体は、それに対応した大きな機械加工未燃焼体を、ミクロ粉体から形成された部材については約1300〜1500℃で、またはナノ粉体から形成された部材については約1100〜1300℃で、オーブン中で燃焼することにより得ることができる。
【0056】
温度傾斜、焼鈍および冷却工程は一般にMg−TTZセラミックについてのものと同様である。しかし熱処理温度までの冷却は約7〜10℃/分にすると有利である。最後にアルゴンまたは窒素、例えばアルゴン下でのHIP処理は約1000〜3000ポンド/(インチ)2(psi)の圧力(約70.36958〜211.10874kg/cm2)、1000〜2000℃の温度で、約4〜24時間のサイクル時間、最終冷却は室温である。完成セラミック体は無機および有機物質がなくて、理論的密度またはそれに近づく。
【0057】
適宜な窯の備品を使うこともあり、部材の重要でない部分に配置される。例えば大腿骨膝関節内植組織部材は、燃焼中に窯の中で窯の備品に右側を上にして配置されて窯の備品がその関節連結される関節丘表面に接触するよりは、上下逆さに配置して、窯の備品が骨内植組織の接合部分を形成する人工器官の部分に接触するようにすることができる。
【0058】
完成セラミック部分および部材は密な材料である。一般に、完成セラミックは理論的密度の少なくとも約90%であるか、または少なくとも約95、96、97、98、99%である。完成セラミックの密度は理論的密度またはそれに近いことが望ましい。
【0059】
より完成したセラミック膝体は必要に応じてさらに処理されることがあるが、特に燃焼セラミックブロックを機械加工することから最終的な形状を得るために別に必要とされるものに比べると、一般にさして重要なものではない。研摩および/または若干の研削がより完成したセラミック体に施される一般的な機械的仕上げである。
【0060】
タンタル蒸着または水酸化リン灰石コーティングが骨接合部分表面に行われて骨の内部成長を生じさせる。人間または動物主体への内植組織を意図された種々の完成セラミック体が周知の方法で清浄化されかつ消毒される。
【0061】
以上の作業を図2、20によりまとめる。
【0062】
ステップ1:単斜晶系粉体10をゴムボール中空型18に添加する。
ステップ2:充填された型18をCIPプレス19内に配置する。
ステップ3:プレス19を励動して例えば未燃焼ブロック520のような初期未燃焼体を得る。
ステップ4:未燃焼ブロック520を必要なら素焼きに掛けて、素焼きの未燃焼ブロック521を得る。
ステップ5:未燃焼ブロック521(またはもし素焼きが行われないならば520)を例えばCNC機により機械加工して、機械加工未燃焼セラミック体530を得る。
【0063】
ステップ6:機械加工未燃焼セラミック体530を窯39中の適した窯の備品38上に配置する。
ステップ7:窯39を加熱して前駆セラミック体530を燃焼してより完成したセラミック体540を得る。
【0064】
ステップ8:より完成したセラミック体540をさらに処理する。例えば関節または支持表面の研磨、および/または超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)ブッシュ、ライナーまたは所望のものなどの挿入物の挿入のための準備、および/または例えば人工器官としての内移植用ならば無菌化により、最終的な完成セラミック体550を得る。
【0065】
完成セラミックは強く強靭な材料である。完成セラミック体は、円滑で関節連結しているセラミック表面を有した外科内植組織を含むのが望ましい。
【0066】
完成セラミックは光透過性である。この発明のある種のセラミック膝内植組織部材は、そのような内植組織を通って、残留骨および交換する内植組織と接触する外科セメントに至る、例えば青い光のような照明の使用により、外科セメントのより迅速な硬化を与えることができる。かくして治療・手術時間が低減でき、内植組織の接合部分に対して、より安定な骨が得られる。
【0067】
完成セラミック膝内植組織部材は金属からなる対応部分および部材と同じサイズにできる。必要なら若干大きいものとしてもよい。
【0068】
以上および特に図2〜8に鑑みて、機械加工未燃焼セラミック体530およびより完成したセラミック体540および最終完成セラミック体550は後方安定型膝について大腿骨部材100として実施できる。最終完成物品として後方安定型膝のための一体のセラミックである大腿骨部材100はフレーム101を有しており、該フレームは側壁102、上部103T、凹部104Rを具えた末端関節丘フランジ104、後部フランジ105、前部フランジ106を有している。
【0069】
内側を向いた骨内部成長向上および/またはセメント粘着表面109(多孔粗面などのような)は基端側で奥方向を向いており、バンプ109Bを有している。ポリメチル・メタクリレートまたは他の外科セメントを有利に使用することもできる。隆起部109Rがフレーム101とフランジ104、105、106を画定・強化している。前後方向面内、特に後部で定常な曲率半径を有する一般に凸状の大腿骨関節丘表面110は下側中間関節丘111、下側側方関節丘112、後部中間関節丘113、後部側方関節丘114を有しており、かつ前部中間関節丘115、前部側方関節丘116を有しているものと考えられる。
【0070】
前部フランジ106の表面側に滑車状表面117が得られ、その上に天然または人工の膝蓋骨すなわち膝頭が一般に載る。一般に、関節丘および滑車状表面110〜117は平滑であり、例えばダイアモンド砂または塵により高度に研摩されている。関節丘内窪み118が形成される。追加の安定化が後部ストッパー135により得られる。該ストッパーは当業界周知のように脛骨トレイライナー(図示せず)から起立している対応する部材に接触する。
【0071】
図9〜15に関して、図9は最終完成セラミック体550を示しており、該セラミック体は膝内植組織のためのモジュール大腿骨部材100Mとして実現されており、側壁102を具えた一体のセラミックフレーム101、孔103THを具えた頂部103T、末端関節丘フランジ(図示せず)、後部フランジ105および前部フランジ106を有している。
【0072】
一般に凸形状の大腿骨関節丘表面110は前後方向面内、特に後部で定常な曲率半径であり、下部中間関節丘111、下部側方関節丘(図示せず)、後部中間関節丘113、後部側方関節丘(図示せず)を有しており、かつ前部中間関節丘115および前部側方関節丘(図示せず)を有していると考えられる。
【0073】
前部フランジ106の表面側には滑車状表面が設けられ、その上には天然または人工の膝頭が載っている。関節丘内窪み118が設けられている。
【0074】
追加のモジュール安定化が金属またはセラミック(または他の適宜な材料)の残留大腿骨挿入ステム37により与えられる。該ステムはネジ39および/またはワッシャー37Wにより固定されている。これに代えてまたは加えて、金属またはセラミック(または他の適宜な材料)の後方安定型ストッパーロッド135Pがフレーム101中の後方安定型ストッパーロッド収容孔135H中に挿入される。これによりロッド135Pは窪み118を横断する。図3〜8参照。
【0075】
図10、11に最終完成セラミック体550を示す。該セラミック体は一体の単房膝スペーサー装置100Uとして実施されている。該装置はセラミックフレーム体101、関節表面110、前部尖頭140A、後部尖頭140Pを有している。アメリカ特許第6,206,927号参照。
【特許文献6】アメリカ特許第6,206,927号参照。
【0076】
図12〜14に最終完成セラミック体550を示す。該セラミック体は2つの部材からなる単房関節整列装置100UUとして実施されており、該装置は下側セラミックフレーム体101L、上側セラミックフレーム体101U、下側関節表面110L、中間滑動表面110S、上側関節表面110U、第1の下側ローブ141L、内植組織されたときには前部に配置される第1の上側ローブ141U、第2の下側ローブ142L、内植組織されたときに前部に配置される第2の上側ローブ142U、係合脚柱143P、係合脚柱収容溝143Tを有している。アメリカ特許出願第10/717,104号参照。
【特許文献7】アメリカ特許出願第10/717,104号参照。
【0077】
図15に関節表面110TMを具えたセラミックの顎関節内植組織100TM/550を示す。内植組織100TMは切除した顎の上に取り付けるカップ状である。
【0078】
図16〜19に工業部材として実施された最終完成セラミック体540/550を示す。例として図16にセラミックのジャーナルベアリング100Jを、図17に制御ケース100FHと配管100FPと弁100FVと制御ケースとを具えたセラミックの流量制御装置100Fを、図18にギア群100Gを、図19にプーリー100Pを示す。
【0079】
図20〜49にギングリモス(ginglymous)関節内植組織のための最終完成セラミック体550のさらなる実施例を示す。
【0080】
図20〜33に天然負荷伝達を具えた回転膝関節1000のための部分または部材を示す。これは大腿骨部材100と脛骨部材200とを有している。
【0081】
図34〜37に、図21〜29のような膝内植組織の大腿骨部材100のための仮の大腿骨部材および/または穴あけ用治具を示す。
【0082】
図38〜49にモジュール膝関節内植組織を示す。該内植組織は関節または内植組織が第1の構造で内植組織されているタイプのモジュール方式であり、関節または内植組織は内移植されたままで、それは第2の構造に変換できる。
【0083】
これらに鑑みて、以下が注目される。
【0084】
大腿骨部材100は大腿骨部材フレーム101を有しており、該フレームは一体のセラミック構造である。フレーム101は側壁102と前壁103とを有している。前壁103は上部分103U、下部分103Lおよび/または孔103Hを有している。孔103Hはタップされてネジ36を受ける。またフレーム101は頂部103Tを有することもできる。頂部103Tは孔103THと支持フランジ103Fとを有している。頂部103Tは内部に挿入可能な髄内大腿骨スパイク37を収容できる。スパイク37はボックス状モジュール30の一部であって、該モジュールは側壁32、上部分34Uと下部分34Lとを有する前壁34、及び頂部33を含み、これらはそれぞれ壁102、103、103U、103Lおよび頂部103Tと密接に合わせられている。孔34Hは孔103Hと一致し、ネジ36は孔34H、103Hを通過している。Cr−Co合金からなるスパイク37はネジ付きのネジ収容孔38を有しており、スパイク37は金属ワッシャー37Wと収容ネジ39とにより孔103THを通って頂部103Tに固定されている。ネジ39は孔103THを通ってボックス状モジュール回転装置350を頂部103Tに固定している。
【0085】
フレーム101は末端関節丘フランジ104、後部フランジ105、前部フランジ106、残留大腿骨挿入ステム107および一体の回転装置150のための壁孔108を有している。残留大腿骨挿入ステムは、ステム容器107Rに別個に加えることのできるステム107Aであり、ステム107Aは取り付けネジ107Sにより固定される。一緒に使われる大腿骨量減少の増大部材104A、105Aおよび別個に使われる104AS、105ASはセラミックまたはチタンまたはカーボンファイバーなどの材料から形成され、タンタル蒸着によりコーティングされる。
【0086】
多孔または粗面である内向き骨内部成長向上表面109は基端および奥方向に向かい、該表面109は当業界周知のタンタル蒸着技術によるコーティングでセラミックフレーム101にも与えられる。凸状形状であり前後方向面内、特に後部で定常曲率半径である大腿骨関節丘表面110は下部中間関節丘111、下部側方関節丘112、後部中間関節丘113、後部側方関節丘114を有しており、かつ前部中間関節丘115、前部側方関節丘116を有していると考えられる。
【0087】
前述と同様に、前部フランジ106の表面側には滑車状表面117が設けられており、該表面上には天然または人工の膝頭が載っている。関節丘間の窪み118またはモジュール回転装置350および/またはモジュールスパイク30/37の挿入のための下部挿入可能モジュールケース301が形成されている。
【0088】
一般に関節表面である関節丘および滑車状表面110〜117は平滑で高度に研摩されている。関節丘裏打ち大腿骨スパイク127も設けられている。回転装置150、350も設けられている。
【0089】
実質的にはセラミックであるが好ましくはCo−Cr合金などの金属である回転装置150は、UHMWPEボックス挿入物150Bに包含され、回転体孔152、モールス(Morse)テーパー収容カップからなるテーパーピン容器153、打ち抜きピン孔154を具えた回転体151を有している。軸栓155Pにより固定された軸155は孔152を貫通してUHMWPEのラジアルブッシュ156を貫通している。該ブッシュは軸孔157、壁孔108にきっちりと一致する挿入肩部158、及び部材間肩部159を有している。
【0090】
回転装置150は高研磨テーパーピン160を有しており、該ピンは筒状軸161、人工器官1000の外科内移植中に詮索具により容器153からピン160を引き出す抜出し溝162、引出し制約打ち抜きピン固定溝163、カップ153中にピン160を固定するモールステーパーからなるテーパー固定端164を有している。
【0091】
ピン160が取り付けられると、ピン160は、引出し制約および/または回転制約打ち抜きピン165の孔154および溝163内への挿入・嵌合により固定される。モジュールテーパーピン160を固定する代りとして、好ましくは公知のモールステーパー(Morse taper)164と併用して、ネジ166があってもよい。
【0092】
回転装置350は完全にモジュールであって、モジュールケース301中に下方で挿入可能であり、好ましくは例えば約1.5〜2.0度テーパー2Xの公知のブラウン・シャープテーパー(Browne & Sharpe taper)を備えたその壁102を有するような物、または追加可能な部材30の実施例としてスパイク37を具えたボックス状モジュールにより提供されるような同様のケースに適応され、Co−Cr合金から形成されるのが有益であり、かつ揺動可能な垂下雄タイプ部分を側壁32を具えたケース31中に有している。公知の固定用ブラウン・シャープテーパー(Brown & Sharp taper)32Xは約1.6〜2.1度であり、選択的な上壁33は上孔33THと前壁34を有している。
【0093】
側壁52中の孔52はヒンジピン(軸)55を収容する。枢動ブロック(回転体)51は孔52の方向に沿って延在する孔52A、平滑な壁を具えモールステーパーで傾斜しおよび/またはネジ56を具えたテーパーピンカップ53、打ち抜きピン孔54を有している。テーパーピン61はカップ53中に挿入され、穿孔ピン65および/またはネジ66により固定される。回転装置350は、1つの結合部材である部材51、61を有することにより、一体の垂下雄タイプ部分を有して形成されている。
【0094】
アメリカ合衆国食料・薬品省(FDA)標準に従うと、セラミック大腿骨膝部材100は後部関節丘に対して少なくとも約1500ポンド(1bs.)(約680.38856kg)、少なくとも2000ポンド(約907.18475kg)、少なくとも約2500ポンド(約1133.9809kg)の強度を有している。図4テスト矢印105T、実施例1参照。
【0095】
一時的または試行大腿骨部材100Tおよび/または大腿骨部材100のための穴あけ用治具100DJはこの発明のセラミックから形成される。糊付け部材100S(「ヒンジ」)および増大用(augment)一時的または試行部材100ATは部材100Tと一緒に使用される。
【0096】
脛骨部材200は脛骨部材フレーム201を有しており、該脛骨部材フレームは脛骨トレイ202、蟻継ぎ線型挿入レール203、線型ストッパー用段差または回転安全ストッパー204、特に二重捕捉固定機構204Xの部分であれば、中央ストッパー204Cを有している。フレーム201はネジ孔205を有しており、これを通って骨締結ネジ206が挿入される。フレーム201はステム207を有しており、これが下方で収容カップ207C内部に挿入できる。カップ207Cはネジ付きでもよい。ステムは別個のステム207Qとして与えられ、これもネジ付きである。フレーム201を内移植した後でもステム207Qは孔207Hに挿入可能である。孔207Hはネジ付きであり、その場合、別個のステム207Qは外ネジを具えたヘッドを有している。ステム207は末端テーパー207Tおよび/または多数の末端リブ溝208を有している。加えてまたは代りに、フレーム201とステム207とは多数の下側フランジ208Fと内部を指向した骨内部成長向上表面209を有している。
【0097】
脛骨関節表面210は関節丘表面110の凸形状に相補する凹面形状であって、中間ローブ213と側方ローブ214上の上部中間関節表面211及び上部側方関節表面212を有している。
【0098】
各ローブの下側にはレール203に沿って滑動するための蟻継ぎ溝215、ローブに跨る部分216、ストッパー204,204Cと協働して固定するためのノッチ217、窪み118と同様な関節丘間の窪み218が有る。段差219はストッパー204上に容易に装備できるように形成されている。そのような要素200−219はUHMWPEなどの適宜材料からなる別個の脛骨トレイライナー220に与えられている。
【0099】
回転装置容器250は筒状カップ251であって、該カップは頂部肩凹部252を有している。例えばUHMWPEからなる回転装置容器ライナー260は容器250とそのカップ251中に挿入されて、それ自身テーパーピン60、160を収容する。
【0100】
ライナー260はテーパーピン収容カップ261、凹部252に嵌合する肩部262、内移植された関節1000の伸展および屈曲並びにそれに伴うライナーカップ261中にきっちりと嵌合するが可動であるテーパーピン60、160の上下運動の間に引き込まれた体液の存在を可能とする多数(例えば2〜4個)の内側軸方向指向溝263、両者間の密な嵌合である容器250へのライナー260の挿入中に液体および/またはガスの逃げを可能とする外部軸方向指向流体逃げ形状(溝または孔)264を有している。肩部ベベル角A9a,A9bはそれぞれ例えば90度および118度である。
【0101】
例えば全体増大部材200Fまたは部分増大部材200Pとして脛骨ブロック増大部材が得られる。以下の表はZimmer社から入手できる増大部材を示す。
【0102】
【表1】
【0103】
当業者が理解するように、RHK完全脛骨ブロック増大部材200AはRHK脛骨ベース板と一緒でのみ使用できる。
【0104】
膝内植組織1000は天然負荷伝達を有すると有利である。そのようなものとして、上記した関節運動に加えて、膝は実質的な量、例えば約90%以上または約95%以上の関節丘を通る負荷を支持している。アメリカ特許第5,766,257号および6,629,999号を参照。
【0105】
図50、51に例えばMg−TTZセラミックの十字靭帯温存のための大腿骨部材内植組織100CR/550などのジルコニアセラミックを示す。好ましくはないがアルミナなどの他のセラミックも使用可能である。図2〜8におけるように、部材の骨接合部分側格子柄のバンプパターンに注目。
【0106】
それらを有する他の内植組織のように、部材の骨接合部分側上の粗面に加えて、これは外科セメントにグリップを与える。よりよいセメント結合を与えるのに加えて、部材の骨接合部分側上の隆起部は内植組織の強化の助けとなる。内植組織100CRは平滑な関節丘110を有しているが、側方および中間下部および後部関節丘の間にボックスその他の構造は有していない。平滑な膝蓋軌跡の関節表面117は関節丘の間、特に側方と中間前部関節丘の間に存在する。
【0107】
図52にセラミック、例えばMg−TTZセラミックなどのジルコニアセラミックの単房大腿骨膝部材内植組織100UK/550を示す。図2〜8,50,51におけるような格子柄のバンプパターンおよび隆起部に注目。内植組織100UKも平滑関節丘110を有している。
【0108】
図53、54にセラミック、例えばMg−TTZセラミックなどのジルコニアセラミックの膝蓋大腿関節内植組織100PF/550を示す。それは平滑関節表面110と平滑な膝蓋軌跡の関節表面117とを有している。下部隆起部に注目。粗面を下部表面上にも設けることができる。切除された残留大腿骨上のセメント中に取り付けるために、前部下部位置内の骨接合部分の下部表面上には脚柱が設けられている。
【0109】
図55〜58にセラミック、例えばMg−TTZセラミックなどのジルコニアセラミックの脊髄の隣接対面脊椎間に取り付ける脊椎カップユニット100VC/550を示す。これは平滑球状部関節表面110を有している。これらは頸部、胸部、腰部領域中に、椎間板の不全があるときの骨の癒着の代わりに脊椎本体をカバーして、例えば第9、第10脊椎間に内移植されるものである。これは脊髄の柔軟性を椎間板不全に伴う選択肢に残す。
【0110】
一実施例においては、脊椎キャップユニット部材はカップ装置により切除骨を覆うキャップの骨接合部分の表面中に取り付けられる。他の実施例においては、部材は脚柱の助けを借りて切除骨中に取り付けられる。外科セメントを使用できる。勿論適宜な金属などの他の材料も使ってこれらの脊椎キャップユニットを形成することが可能である。
【0111】
図59〜64に例えばジルコニアセラミック(Mg−TTZなど)などのセラミックの足首関節ユニットを示す。該ユニットは距骨キャップ内植組織100AJおよび脛骨トレイ内植組織200AJ(UHMWPEトレイライナー、図示せず)を有している。距骨キャップ100AJは関節表面110を有しており、これは半関節形成中の天然組織または総関節交換関節形成中のトレイライナーと関節連結されており、かつ顎関節100TMJ(図15)、脊椎キャップユニット100VC(図55、56)などとともに切除骨の残片上に取り付けるためのカップの形である。
【0112】
脛骨トレイ内植組織200AJは適宜な金属またはセラミックであり、かつ骨髄内スパイクと、関節表面を具えたライナーを収容保持するカップとを有している。
【0113】
この発明にはその他種々の実施例が可能である。例えば手および足指関節内植組織がセラミックで提供できる。これらには指、手の親指、足指などがあり特に足の親指などである。そのような内植組織は、足の親指の場合、当業界周知の総金属構造に代えて、適宜な金属トレイと関節表面を具えた取付け可能なセラミックトレイライナーを具えた骨髄内スパイクを有している。以下実施例によりさらにこの発明を説明する。
【0114】
実施例1。Mg−TTZの後方安定型大腿骨膝関節内植組織部材の完成体がバインダーを伴った約3%酸化マグネシウムジルコニア単斜晶1〜2μmミクロ粉体へのCIP作業により着手された。該内植組織部材を素焼きして直角の3.5インチx4−インチx4−インチブロックを得た。ついで該ブロックをCNC機械加工して意図された、より完成したセラミックのサイズの121.95%の未燃焼機械加工体を得た。これは標準サイズの関節丘を具えた後方安定型大腿骨膝部材の前駆体である。
【0115】
該前駆体は燃焼Mg−TTZ窯の備品上にその関節丘を上にしてオーブン中に配置され、該オーブンは室温から1725〜1775℃の燃焼温度まで約1〜2℃/分の速度で昇温された。
【0116】
燃焼は2〜3時間行われた。爾後、温度は約1340℃の焼鈍温度まで約5℃/分の速度で低減された。焼鈍は約2時間行われた。焼鈍セラミックは約5℃/分の速度で室温まで冷却されて、高い強度のより完成した後方安定型内植組織を得た。図2〜8参照。
【0117】
該より完成したセラミック膝大腿骨部材はダイアモンド砂研摩でその裏側を粗面化する。その関節表面はダイアモンド塵で研摩する。セラミック膝内植組織は表面活性剤を有した液体浴中に浸漬し音波攪拌により清浄化される。安定化は放射線および/または酸化エチレンにより行う。
【0118】
上記したように形成された燃焼完成セラミック後方安定型膝大腿骨部材100(図2〜8)は、実物説明モデルとして示された。実物説明では部材100が壁体に衝撃を与えるべく部屋を横切ってかたい床の上に故意に投げられた。観衆は他のセラミック膝内植組織が単に床に落下しただけで粉々になるのを見て戸惑ったが、実物説明部材100が無傷であったのを見て畏敬の念を抱いた。
【0119】
上記したように形成された燃焼完成セラミック後方安定型部材100(図2〜8)は、個別に治具中に配置して、FDAが対応する金属部材のテストを要求する方向に対応するテスト矢印105T(図4)の方向に沿って、後部フランジ105に応力を印加することにより、テストされた。
【0120】
壁/頂部102/103が約1.7mmの厚さの第1のセラミック部材は、約1000ポンド(約453.5924kg相当)の力が印加されたときに、破壊しなかった。そこで部材は650〜550ポンド(約294.8531〜249.4758kg)および650〜750ポンド(約294.8531〜340.1943kg)で15−Hz疲労応力に200,000回掛けられたが、破壊はなかった。
【0121】
部材は約2250ポンド(約1020.5829kg)の負荷で破壊され、そのボックス(壁102と頂部103)が折れたが、関節丘フランジ105はそうではなかった。壁102が約1.7mmの厚さの第2の部材は約2300ポンド(約1043.2625kg)負荷で破壊されその壁102および頂部103ボックスが折れたが、関節丘フランジ105はそうではなかった。これはCo−Crについての最小FDA値の約3倍である。
【0122】
約2〜3mm厚さの壁/頂部102/103が望ましい。
【0123】
3mm壁/頂部102/103厚さのMg−TTZの膝(図2〜8)についての有限要素解析が矢印105T(図4)に沿っての応力について行われた。88,000,000回のサイクルの後、推定強度は2800ポンド(ほぼ1270.059kg)であった。
【0124】
実施例2。Y−TZPの後方安定型大腿骨膝関節部材のための機械加工未燃焼体ブロックをバインダーなしで単斜晶ナノ粉体に圧力を印加して形成した。ついで該ブロックをCNC機械加工して機械加工未燃焼セラミック体を得て、燃焼し、焼鈍した。さらに1200℃、20,000psi(ほぼ1406.138kg/cm2)でHIP処理して、理論的に密な後方安定型部材を得た。
【0125】
実施例3。上記の方法によりさらなるセラミック製品を得た。例えば図9〜64参照。
【0126】
以上この発明を説明したが、請求項記載の範囲内で種々の変更を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0127】
この発明は義肢などの医療用人工器官製造分野において広く応用されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】ジルコニアセラミックの一般相を示すグラフである。
【図2】この発明による製造の構成を示す。
【図3】後方安定型大腿骨膝内植組織部材として具現されたこの発明の完成セラミック体の平面図である。
【図4】図3の部材の中央から側部にかけての側面図である。
【図5】図3の部材の前面図である。
【図6】図3の部材の後面図である。
【図7】線7S−7Sに沿って得られた図3の部材の断面図である。
【図8】図3の部材の後斜視図である。
【図9】金属の髄内大腿骨脚柱および金属固定ワッシャー、金属ネジ締め具、後方安定型ストッパーのための金属またはセラミックペグを具えたモジュールセラミック膝内植組織を示す。
【図10】単一部材の単房膝関節スペーサーの平面図である。
【図11】単一部材の単房膝関節スペーサーの側面図である。
【図12】2つの部材からなる単房膝関節整列装置の側面断面図である。
【図13】2つの部材からなる単房膝関節整列装置の図12に対して垂直に取った側面断面図である。
【図14】滑動係合状態にある2つの部材からなる単房膝関節整列装置の平面図である。
【図15】顎関節内植組織キャップである。
【図16】工業用ベアリングの斜視図である。
【図17】流量制御装置の平面図である。
【図18】ギア群の拡大図である。
【図19】プーリー群の拡大図である。
【図20】回転装置を具えた人工義肢膝関節内植組織のための完成基礎部材のこの発明による製造スキームを示す。
【図21】図20に示す回転装置を具えた基礎大腿骨部材体などの大腿骨、脛骨部材の中に少なくともセラミック部材体を有した人工義肢膝関節の前部である。
【図22】図21の関節の拡大図である。
【図23】図21、22の関節のための大腿骨部材の左側面図である。
【図24】図23の大腿骨部材の後面図である。
【図25】図22〜24の大腿骨部材の回転装置部材の左側面図である。
【図26】図22に示すような関節の回転装置大腿骨・脛骨テーパーピンの側面図である。
【図27】回転装置とセラミック体とを有したこの発明の他の人工義肢膝関節の大腿骨部材の拡大斜視図である。
【図28】図27の大腿骨部材を有した義肢膝関節の拡大側面図である。
【図29】大腿骨部材中に位置する骨量減少を調節する数個の増大部材を有した図28の関節の組立て状態の前方斜視図である。
【図30】図29に示されたものを含む、種々の大腿骨増大部材の斜視および側面図である。
【図31】図28の関節内に見られる脛骨ベース板の側面図である。
【図32】図31の脛骨ベース板の斜視図である。
【図33】図31の脛骨ベース板と一緒に使用される部分的な脛骨増大部材の斜視図である。
【図34】図27のような大腿骨部材を患者に装着するために用いられる適宜寸法のモジュール回転装置を具えたセラミックの仮の大腿骨部材の斜視図である。
【図35】図27のような大腿骨部材を患者に装着するために用いられる骨の欠如を補うために必要なはめ込み式の増大部材を具えたセラミックの仮の大腿骨部材の斜視図である。仮の増大部材は大腿骨の仮の部材にはまる。
【図36】切除大腿骨に向かって基端方向で穴開けする図27のような大腿骨部材の内植組織のためのセラミック大腿骨の一時的な切断ガイドの側面図である。
【図37】切除大腿骨に向かって後部方向で穴開けする図27のような大腿骨部材の内植組織のためのセラミック大腿骨の一時的な切断ガイドの側面図である。
【図38】この発明のセラミックの人間膝関節モジュールの前後方向断面図である。
【図39】図38の関節の後断面図である。
【図40】軸(テーパー)ピンのピンタイプの取付けを有した、図38、39と同様なこの発明のセラミックの膝関節モジュールの後断面図である。
【図41】モジュール同士の組み合わせでのモジュール方式によるセラミック大腿骨膝部材の分解前後方向断面図である。
【図42】上端挿入ステムでのモジュール方式によるセラミック大腿骨膝部材の分解前後方向断面図である。
【図43】ステムを具えた一体の回転装置でのモジュール方式によるセラミック大腿骨膝部材の分解前後方向断面図である。
【図44】図41〜43の大腿骨部材フレームの後断面図である。
【図45】図38、39の関節モジュールの揺動可能な垂下雄タイプ部分を具えた挿入可能な回転装置の前後方向断面図である。
【図46】図45の挿入可能な回転装置の後断面図である。
【図47】この発明のセラミック脛骨トレイモジュールの他の実施例の分解側面図である。
【図48】図47のトレイの分解後面図である。
【図49】この発明のセラミック脛骨トレイモジュールの他の実施例の分解後面図である。
【図50】人間の左足膝内植組織のためのジルコニアセラミックの十字靭帯温存の大腿骨部材内植組織の左前斜視図である。
【図51】人間の左足膝内植組織のためのジルコニアセラミックの十字靭帯温存の大腿骨部材内植組織の底面図である。
【図52】セラミックの単房大腿骨部材の関節丘内植組織の後斜視図である。
【図53】人間の左足膝のためのセラミック膝蓋大腿骨関節内植組織の上後斜視図である。
【図54】人間の左足膝のためのセラミック膝蓋大腿骨関節内植組織の前斜視図である。
【図55】椎間板の交換のための隣接対面脊椎体の内植組織のための脊髄間脊椎ユニットを示す図であり、キャップまたはカップ取付け型である、一部材を断面で示した側面分解図である。
【図56】椎間板の交換のための隣接対面脊椎体の内植組織のための脊髄間脊椎ユニットを示す図であり、キャップまたはカップ取付け型である、矢印41A方向の上面図である。
【図57】椎間板の交換のための隣接対面脊椎体の内植組織のための脊髄間脊椎ユニットを示す図であり、杭または脚柱取付け型である、一部材を断面で示した側面分解図である。
【図58】椎間板の交換のための隣接対面脊椎体の内植組織のための脊髄間脊椎ユニットを示す図であり、杭または脚柱取付け型である、矢印42A方向の上面図である。
【図59】足首内植組織ユニットを示し、半内植組織である距骨キャップの上面図である。
【図60】足首内植組織ユニットを示し、半内植組織である距骨キャップの底面図である。
【図61】足首内植組織ユニットを示し、半内植組織である距骨キャップの側面図である。
【図62】足首内植組織ユニットを示し、半内植組織である距骨キャップの前面図である。
【図63】足首内植組織ユニットを示し、脛骨トレイの側面図である。
【図64】足首内植組織ユニットを示し、脛骨トレイの前面図である。
【符号の説明】
【0129】
10:単斜晶粉体
19:中空型
100:大腿骨部材
101:フレーム
200:脛骨部材
【技術分野】
【0001】
この発明はセラミック体の製造およびセラミック体そのものに関するものである。
【0002】
優先権請求の範囲の相互参照。この発明はアメリカ特許出願第60/452,704号(2003年3月7日出願)、および第60/463,922号(2003年4月18日出願)の優先権を主張するものである。アメリカに関しては、PCTおよび/またはアメリカ法第35条119(e)項、363および365を主張するものである。上記出願の完全な明細書はここで引用するものである。
【特許文献1】アメリカ特許出願第60/452,704号
【特許文献2】アメリカ特許出願第60/463,922号
【0003】
特定の分野においては、セラミック体は身体内植組織、特に負荷耐久関節内植組織を囲包するものである。主たるまたは修正形態において例えば内植組織は大腿骨膝部材であり、膝内植組織のためのセラミック後方安定型大腿骨部材であり、他の例としては、自然負荷伝達を有した対応する脛骨部材に関する大腿骨部材を抑制する回転装置を有したセラミックを含む人工膝内植組織部材である。追加的なセラミック製造も提供できる。
【背景技術】
【0004】
より強くより普遍的なセラミック物品の探求は現在も進行している非常に重要な関心事である。しかし精密で複雑な形状に適合する充分に強く完成されたセラミック体を提供するには難しい点も有る。この点に鑑みて、高度に望ましい多くのセラミック物品は利用できないままである。
【0005】
例えば、アルミナ大腿骨膝部材は日本から知られているが、最も基本的な大腿骨内植組織デザインに向けられたものであり、燃焼ブロックを機械加工して製造されるが故に、問題は非常に費用が掛かることである。
【0006】
進歩したセラミック大腿骨膝部材を提供しようとした試みは明らかに失敗した。大きな強度を必要とするより複雑なセラミック内植組織は当業界には不足している。そのような内植組織の一例としては、膝内植組織のための後方安定型大腿骨部材がある。実際当業者はそのようなものを製造できることについて懐疑的である。アメリカ特許第5,549,684号を参照されたい。
【特許文献3】アメリカ特許第5,549,684号
【0007】
そのような困難性は克服するのが望ましい。さらにそうするための効率がよくコストに合った方法を提供するのが望ましい。
【0008】
注目すべき内植組織提供として、アメリカ特許第5,766,257号は自然の負荷伝達を有した人工的な関節を開示している。一実施例においては関節は膝である。セラミック物質が採用できることを開示してはいるが、関節は金属構造であるのが望ましい。
【特許文献4】アメリカ特許第5,766,257号
【0009】
例えばその大腿骨部材フレームは鋳物または鍛造コバルト・クロム合金であり、その脛骨部材フレームはチタン合金と超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)のCo−Cr合金回転装置とベアリングである。2002年のZimmer社、NexGen(登録アメリカ特許およびTm.Off.)システム回転ヒンジ膝デザイン理論を参照されたい。
【0010】
他のモジュール化をそのような膝内植組織に提供できる。アメリカ特許第6,629,999号を参照されたい。
【特許文献5】アメリカ特許第6,629,999号
【0011】
後方安定型大腿骨部材および他の上記した特許の膝内植組織を含む身体の内植組織中へのセラミックの採用は利点があるだろう。例えば、Co−Cr合金中に見られる微量のニッケルにアレルギーを呈する患者もいる。しかもセラミックは硬い関節面を与えるものである。
【0012】
しかし特に上記したような複雑な膝内植組織部材については、セラミック採用の基本思想のより実務的な応用が必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
発明の一般的な要旨。この発明はセラミック体を製造する方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明の方法にあってはセラミックの初期未燃焼体を用意し、該未燃焼体を機械加工して機械加工未燃焼セラミック体を製造する。機械加工未燃焼セラミック体は燃焼および/または更なる処理に掛けられてより完成されたセラミック体を提供する。
【0015】
またこの発明は機械加工未燃焼セラミックでありより完成されたセラミック体であって、上記した方法および/またはある種の特定なセラミックにより製造されるものである。ひとつの可能性として、セラミック体は後方安定型膝内植組織のための大腿骨部材である。
【0016】
他の実施例の部材フレームを有した膝人工器官を含んだ人工回転装置のための部材体を形成する方法にあっては、回転装置が揺動可能な垂下雄タイプ部材を有しており、膝人工器官が回転装置に加えて関節丘膝表面を備えた大腿骨部材を有しており、かつ半月板の関節表面を具えた脛骨部材を有している。
【0017】
該半月板の関節表面は大腿骨部材の関節丘関節表面と会合する。さらに回転装置容器も具えてあり、該容器は雌タイプ部材を有していて、大腿骨部材は回転装置の雄雌協働により脛骨部材と会合可能である。膝人工器官は解剖学的屈曲と伸張とに加えて回転中における関節丘と半月板の関節表面相互の解剖学的滑り接触により一般に自然負荷伝達能力を有している。
【0018】
該方法においては、セラミックの初期未燃焼体を用意し、該未燃焼体を機械加工して膝人工器官のための機械加工未燃焼セラミック部材体を得る。上記したように、機械加工未燃焼部材体は燃焼および/またはさらなる処理に掛けられて、膝人工器官のためのより完成セラミック部材体を得る。
【0019】
この発明はさらに機械加工未燃焼部材体に関するものであり、上記の方法により得られるおよび/またはある種の特殊なセラミックから形成されるより完成セラミック部材体に関するものである。
【発明の効果】
【0020】
この発明はセラミック体を提供するのに有用である。この発明により、セラミック製造技術が独特で高効率の方法により発展される。特に精密で複雑な形状に適合する強くて完成したセラミック体が得られる。例えば、従来当業界で知られていなかった大きな強度を具えたセラミック後方安定型大腿骨膝部材が得られるのである。
【0021】
複雑および簡単な他のセラミック身体内植組織または内植組織部材が得られる。これには他のタイプの大腿骨膝内植組織部材、単一・複数部材からなる単房関節整列装置、足首関節の関節丘を含む部材、大腿骨頭、上腕肩半球などが含まれる。
【0022】
これにより上記したような膝などの複雑な内植組織にセラミックを採用する基本思想のより実務的な応用が提供されるのである。特に膝を含む回転装置中の強くて完成した精密で複雑な形状に適合する部材が利用可能となる。大腿骨および/または脛骨部材のためのジルコニアセラミックからなる膝人工器官を含む人工回転装置のための部材体が有利に提供されるのである。ギアや流量制御部材などの他のタイプのセラミック体も利用可能になる。ジルコニアセラミック体も有利に提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下添付の図面によりさらに詳しくこの発明を説明する。
【0024】
この発明の実施においては一般に、セラミックの初期の未燃焼体を用意して、該未燃焼体を機械加工することによりセラミック体を形成する。該機械加工セラミック体は燃焼および/またはさらなる処理に掛けてより完成したセラミック体を得る。
【0025】
ある実施例では、膝関節内植組織の1以上の部材の1以上の部分はセラミックから形成されている。好ましくは少なくとも関節丘関節表面を具えた少なくとも基本の大腿骨部材はセラミックから形成されている。一般にセラミック関節丘関節表面は超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)からなる対応する脛骨トレイライナー(tray liner)と関節結合している。大腿骨および脛骨部材の他の部分はセラミックから形成されているかセラミックを含んでいる。
【0026】
他の実施例では、種々の物品が製造され、それらはセラミックを含んでいる。
【0027】
セラミックは適宜なタイプでよい。「A」〜「Z」からのセラミックと言われるものは、アルミナからジルコニアおよびこれらの混合物である。代表的なセラミックはAl、Si、Sc、Y、La、ランタニド系列要素、Ac、アクチニド系列要素、Ti、Zr、Hf、V、Nbおよび/またはTaなどのホウ酸化物、炭化物、窒化物、酸化物、ケイ酸塩などである。
【0028】
セラミックは強化できる。例えばアルミナは公知のように強化アルミナである。セラミックはジルコニアセラミックであるのが望ましい。セラミックは安定化でき、いかなる安定化剤でもいかなる適量で存在できる。例えば、ジルコニアセラミックは一般に部分的に安定化ジルコニア(PSZ)であり、これは安定化ジルコニアセラミックであり、例えば約3〜3.5重量%酸化マグネシウム、または4〜5重量%の酸化イットリウムを含む。またジルコニアセラミックはスパンまたは四辺形および/または立体相から選ばれる相で存在する。PSZセラミックには、酸化マグネシウム安定化変換強化ジルコニア(Mg−TTZ)があり、これはほぼ3〜3.5重量%の酸化マグネシウムで安定化されたジルコニアセラミックであり、四辺形相で存在する。または酸化イットリウム四辺形ジルコニア多結晶(Y−TZP)があり、ほぼ3モル%の酸化イットリウムで安定化されたジルコニアセラミックであり、四辺形相で存在する。図1を参照。
【0029】
完成セラミックは他の物質を含有することもできる。例えば、ジルコニアセラミックは一般に少量の(例えば約2重量%の)ハフニア(hafnia)セラミック物質を含んでおり、これはHfが自然界でZrと一緒に発見されかつZrから除くことが難しいという事情による。しかしこれはしばしば有害ではない。
【0030】
好ましくはセラミックはMg−TTZであり、その優れた硬さと、熱および/または水による単斜晶系相への反転に対する優れた耐久性の理由を含む。例えばアルミナY−TZPおよびMg−TTZは次のように形成できる。燃焼後の強度:Y−TZP>Mg−TTZ>アルミナ。オートクレーブ後の強度:MgーTTZ>アルミナ>Y−TZP。
【0031】
これらのセラミックに任意の強度の数値を付与すると次のようになる。燃焼後:Y−TZP(150);Mg−TTZ(125);アルミナ(100):オートクレーブ後:Mg−TTZ(125);アルミナ(95);Y−TZP(50)。
【0032】
Mg−TTZは熱湯のガラス器内(in vitro)作用によっては単斜晶系相には反転せず、水によっては劣化したり攻撃はされないのである。生体内使用でアルミナおよびY−TZP内移植大腿骨股関節ボールについては損耗に関して下記が観察されている。1〜4年での回収ではY−TZPはアルミナより良い。5〜8年回収ではY−TZPとアルミナはほぼ同じ。9〜10年回収ではアルミナがY−TZPより良い。
【0033】
したがって生体内では、例えば大腿骨股関節ボールとして内移植されてきたことが知られているMg−TTZはアルミナよりより良い短および/または長期間にわたる長持ちを呈し、かつY−TZPより長期間にわたる長持ちを呈することが観察される。
【0034】
セラミック体はまずミクロ粉体および/またはナノ粉体から形成するのが望ましい。例えばジルコニアセラミックは約0.5ミクロン(μm)〜10μm断面を有した単斜晶系ジルコニア粉体から形成され、またミクロ粉体としては約1ナノメーター(nm)〜500nm断面であり、ナノ粉体としてはミクロ粉体またはナノ粉体が約2〜5重量%の酸化マグネシウムを安定剤として含んでいる。ジルコニア粉体はミクロ粉体としては約1〜2μm断面を、ナノ粉体としては約15nm〜450nm断面を有するのが望ましく、かつ約3.1〜3.4重量%の酸化マグネシウムを含むのが望ましい。
【0035】
セラミックの初期未燃焼体は適宜な処理方法により準備される。初期未燃焼体の形成には加圧成形が望ましく、実質的には冷間等方圧加工技術(CIP)による。粉化されたセラミック材料は高圧プレスの空所内に供給され、圧力下で初期未燃焼体が形成される。必要または望ましければバインダーも使用される。ミクロ粉体またはより大きいサイズの場合には、一般にはバインダーはセラミック粉と一緒に使用される。ナノ粉体の初期未燃焼体については、バインダーが必要でないこともある。
【0036】
セラミックの初期未燃焼体は適宜な密度を持つようにされる。一般に該密度はセラミックの理論的密度の少なくとも約20%である。該密度は理論的密度の少なくとも約30%が望ましく、より望ましくは少なくとも約50%である。小さい粉体を使用すればより高い理論的密度が得られ他ではだめであると考える向きもあるだろうが、材料による(しかしナノ粉体はより大きな粉体よりはよく焼結できる)。高理論的密度は高圧などにより得られる。
【0037】
初期未燃焼体はいかなる適宜な形状でも形成され得る。便利な形状としては筒状、四面体、三角錐プリズム、矩形または立体ブロック、正五角形プリズムなどがある。セラミックの初期未燃焼体は矩形または立方体ブロックであるのが望ましい。
【0038】
機械加工のためにある種の初期未燃焼体は未加工のままでプレスされるが、他には素焼きを得るには加熱を必要とし、これが初期未燃焼体の形態であると考えられる。ジルコニアナノ粉体などのセラミック粉体は未加工のプレスされた状態で機械加工される。Mg−TTZへの変換のためのミクロ粉体などのセラミック粉体は素焼きにされる。
【0039】
素焼きを形成するのに必要とされる加熱は穏やかなものと考えられる。例えば、ジルコニアミクロ粉体は約100〜1000または1100℃またはそれ以上の温度で約1〜10時間で素焼きにされる。
【0040】
この発明の実施に際しては、初期未燃焼体が機械加工される。該未燃焼は手動、レース、ドリル、切断など適宜な方法で行われるが、多軸精密切断または工作機械、例えばコンピューター数値制御(CNC)マシンで行なうのが望ましい。
【0041】
一般に機械加工中の温度は周辺温度でよい。機械加工未燃焼セラミック体はいかなる形状でもよいが、完成セラミック体の形状に類似した前駆形状であるのが望ましい。この点この発明は、機械加工セラミック体が複雑な形状を帯びることが可能であるので、完成セラミックがそれから形成されるのなら、完成体の基本形状への変形はわずかなものであるという顕著な利点を有している。
【0042】
特に修正大腿骨膝内植組織部材を含む膝のための大腿骨部材のような非対称で複雑な形状が容易に得られるのである。外科内植組織の分野における他の複雑な形状としては、膝関節内植組織脛骨部材、1個以上の部材からなる単房膝関節整列装置、足首関節内植組織部材、脊椎部材、顎関節内植組織などがある。
【0043】
勿論機械加工未燃焼体としては他のものも製造可能であり、そのような外科的内植組織としては臀部大腿骨頭、肩上腕骨半球体などがある。また前駆体中に形成されるいかなるトラニオン受容孔も含むことが可能であり、機械加工未燃焼体は非切断ボールまたは平坦切断ボール(非切断半球体)、つまりC−インフィニテイ(infinity)ポイントグループよりは対称性が少ない。臀部大腿骨およびトラニオンを受容するテーパーで切頭の円錐台形(frustoconical)の孔を具えた肩上腕骨ヘッド、またはC−インフィニテイより非対称性の形状が含まれる。
【0044】
その他の例としては、大腿骨部材および/またはその回転装置および/または挿入可能なスパイク、脛骨部材トレイおよび/または挿入可能なスパイクなどが容易に得られる。
【0045】
完成セラミック体の前駆体としての機械加工未燃焼セラミック体は完成セラミック体よりも適宜大きくてもよい。一般的には機械加工未燃焼セラミック体の密度および完成セラミック体の密度に応じて、機械加工未燃焼セラミック体は1.5〜80%、多くの場合約10〜30%ほど対応する完成セラミック体より大きくてもよい。
【0046】
特にジルコニアセラミックとMg−TTZについては、ミクロ粉体から形成された機械加工未燃焼体に対するさらに完成されたセラミックのサイズ減少は、約15〜25%(約16〜23%を含む)である。換言すると、機械加工未燃焼体の調整サイズに基づいて18%サイズが減少した完成セラミックは、完成セラミック体の調整サイズに対して約122%サイズが増加した機械加工未燃焼体に等しいと考えられる。つまり関係(I)が得られるのである。
【0047】
【数1】
【0048】
例えば、機械加工未燃焼体から20%サイズ減少された完成セラミック体は、完成セラミック体より1.25倍大きな(125%)機械加工未燃焼体から形成される。
【0049】
より完成されたセラミック体が得られるのが望ましい。これを達成するには、少なくとも1回の加熱ステップを必要とする。機械加工未燃焼体の燃焼によってより完成したセラミック体が得られる。この燃焼は適宜な温度、例えば約1000〜3000℃の範囲、で適宜な時間行われる。セラミック体内の燃焼温度に至る温度傾斜が望ましく、約1.5〜20℃/分である。
【0050】
燃焼片の焼鈍は燃焼の直後に適宜な温度、例えば約700〜1800℃の範囲、で適宜な時間行なう。
【0051】
さらなるセラミック処理としては熱間等方圧加工法(HIP)があり、ある種のセラミックには望ましく適切である。そのような処理の実施については当業者公知である。勿論いかなるセラミックについても細部は異なる。
【0052】
例えば、Mg−TTZのより完成したセラミック体は大きな機械加工未燃焼体をオーブン中において約1600〜1900℃の範囲(好ましくは1700〜1800℃)で約1〜4時間(約2〜3時間)燃焼することにより形成される。傾斜温度は、室温から燃焼温度に適宜な速度(約1〜2℃/分)で増加して、燃焼温度に至る。
【0053】
そのような燃焼の後、加熱状態を保ったままで燃焼温度から徐々に冷却することにより焼鈍を行なうのが望ましい。つまり200〜500℃から例えば燃焼温度より350℃下までセラミック体の温度を徐々に低減する。ついで1〜3時間(例えば2時間)セラミック体を焼鈍温度に保つ。焼鈍温度からの約室温までの冷却は適宜な速度で行われ、例えば前記傾斜速度と等しくてよいが逆になる。
【0054】
これにより完成したMg−TTZセラミック体が得られ、該セラミック体は一般に理論的またはそれに近い密度を有している。かくして燃焼・焼鈍されたMg−TTZセラミック体に関し、それ以上のHIPなどの加熱処理は不要である。
【0055】
Y−TZPのより完成したセラミック体は、それに対応した大きな機械加工未燃焼体を、ミクロ粉体から形成された部材については約1300〜1500℃で、またはナノ粉体から形成された部材については約1100〜1300℃で、オーブン中で燃焼することにより得ることができる。
【0056】
温度傾斜、焼鈍および冷却工程は一般にMg−TTZセラミックについてのものと同様である。しかし熱処理温度までの冷却は約7〜10℃/分にすると有利である。最後にアルゴンまたは窒素、例えばアルゴン下でのHIP処理は約1000〜3000ポンド/(インチ)2(psi)の圧力(約70.36958〜211.10874kg/cm2)、1000〜2000℃の温度で、約4〜24時間のサイクル時間、最終冷却は室温である。完成セラミック体は無機および有機物質がなくて、理論的密度またはそれに近づく。
【0057】
適宜な窯の備品を使うこともあり、部材の重要でない部分に配置される。例えば大腿骨膝関節内植組織部材は、燃焼中に窯の中で窯の備品に右側を上にして配置されて窯の備品がその関節連結される関節丘表面に接触するよりは、上下逆さに配置して、窯の備品が骨内植組織の接合部分を形成する人工器官の部分に接触するようにすることができる。
【0058】
完成セラミック部分および部材は密な材料である。一般に、完成セラミックは理論的密度の少なくとも約90%であるか、または少なくとも約95、96、97、98、99%である。完成セラミックの密度は理論的密度またはそれに近いことが望ましい。
【0059】
より完成したセラミック膝体は必要に応じてさらに処理されることがあるが、特に燃焼セラミックブロックを機械加工することから最終的な形状を得るために別に必要とされるものに比べると、一般にさして重要なものではない。研摩および/または若干の研削がより完成したセラミック体に施される一般的な機械的仕上げである。
【0060】
タンタル蒸着または水酸化リン灰石コーティングが骨接合部分表面に行われて骨の内部成長を生じさせる。人間または動物主体への内植組織を意図された種々の完成セラミック体が周知の方法で清浄化されかつ消毒される。
【0061】
以上の作業を図2、20によりまとめる。
【0062】
ステップ1:単斜晶系粉体10をゴムボール中空型18に添加する。
ステップ2:充填された型18をCIPプレス19内に配置する。
ステップ3:プレス19を励動して例えば未燃焼ブロック520のような初期未燃焼体を得る。
ステップ4:未燃焼ブロック520を必要なら素焼きに掛けて、素焼きの未燃焼ブロック521を得る。
ステップ5:未燃焼ブロック521(またはもし素焼きが行われないならば520)を例えばCNC機により機械加工して、機械加工未燃焼セラミック体530を得る。
【0063】
ステップ6:機械加工未燃焼セラミック体530を窯39中の適した窯の備品38上に配置する。
ステップ7:窯39を加熱して前駆セラミック体530を燃焼してより完成したセラミック体540を得る。
【0064】
ステップ8:より完成したセラミック体540をさらに処理する。例えば関節または支持表面の研磨、および/または超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)ブッシュ、ライナーまたは所望のものなどの挿入物の挿入のための準備、および/または例えば人工器官としての内移植用ならば無菌化により、最終的な完成セラミック体550を得る。
【0065】
完成セラミックは強く強靭な材料である。完成セラミック体は、円滑で関節連結しているセラミック表面を有した外科内植組織を含むのが望ましい。
【0066】
完成セラミックは光透過性である。この発明のある種のセラミック膝内植組織部材は、そのような内植組織を通って、残留骨および交換する内植組織と接触する外科セメントに至る、例えば青い光のような照明の使用により、外科セメントのより迅速な硬化を与えることができる。かくして治療・手術時間が低減でき、内植組織の接合部分に対して、より安定な骨が得られる。
【0067】
完成セラミック膝内植組織部材は金属からなる対応部分および部材と同じサイズにできる。必要なら若干大きいものとしてもよい。
【0068】
以上および特に図2〜8に鑑みて、機械加工未燃焼セラミック体530およびより完成したセラミック体540および最終完成セラミック体550は後方安定型膝について大腿骨部材100として実施できる。最終完成物品として後方安定型膝のための一体のセラミックである大腿骨部材100はフレーム101を有しており、該フレームは側壁102、上部103T、凹部104Rを具えた末端関節丘フランジ104、後部フランジ105、前部フランジ106を有している。
【0069】
内側を向いた骨内部成長向上および/またはセメント粘着表面109(多孔粗面などのような)は基端側で奥方向を向いており、バンプ109Bを有している。ポリメチル・メタクリレートまたは他の外科セメントを有利に使用することもできる。隆起部109Rがフレーム101とフランジ104、105、106を画定・強化している。前後方向面内、特に後部で定常な曲率半径を有する一般に凸状の大腿骨関節丘表面110は下側中間関節丘111、下側側方関節丘112、後部中間関節丘113、後部側方関節丘114を有しており、かつ前部中間関節丘115、前部側方関節丘116を有しているものと考えられる。
【0070】
前部フランジ106の表面側に滑車状表面117が得られ、その上に天然または人工の膝蓋骨すなわち膝頭が一般に載る。一般に、関節丘および滑車状表面110〜117は平滑であり、例えばダイアモンド砂または塵により高度に研摩されている。関節丘内窪み118が形成される。追加の安定化が後部ストッパー135により得られる。該ストッパーは当業界周知のように脛骨トレイライナー(図示せず)から起立している対応する部材に接触する。
【0071】
図9〜15に関して、図9は最終完成セラミック体550を示しており、該セラミック体は膝内植組織のためのモジュール大腿骨部材100Mとして実現されており、側壁102を具えた一体のセラミックフレーム101、孔103THを具えた頂部103T、末端関節丘フランジ(図示せず)、後部フランジ105および前部フランジ106を有している。
【0072】
一般に凸形状の大腿骨関節丘表面110は前後方向面内、特に後部で定常な曲率半径であり、下部中間関節丘111、下部側方関節丘(図示せず)、後部中間関節丘113、後部側方関節丘(図示せず)を有しており、かつ前部中間関節丘115および前部側方関節丘(図示せず)を有していると考えられる。
【0073】
前部フランジ106の表面側には滑車状表面が設けられ、その上には天然または人工の膝頭が載っている。関節丘内窪み118が設けられている。
【0074】
追加のモジュール安定化が金属またはセラミック(または他の適宜な材料)の残留大腿骨挿入ステム37により与えられる。該ステムはネジ39および/またはワッシャー37Wにより固定されている。これに代えてまたは加えて、金属またはセラミック(または他の適宜な材料)の後方安定型ストッパーロッド135Pがフレーム101中の後方安定型ストッパーロッド収容孔135H中に挿入される。これによりロッド135Pは窪み118を横断する。図3〜8参照。
【0075】
図10、11に最終完成セラミック体550を示す。該セラミック体は一体の単房膝スペーサー装置100Uとして実施されている。該装置はセラミックフレーム体101、関節表面110、前部尖頭140A、後部尖頭140Pを有している。アメリカ特許第6,206,927号参照。
【特許文献6】アメリカ特許第6,206,927号参照。
【0076】
図12〜14に最終完成セラミック体550を示す。該セラミック体は2つの部材からなる単房関節整列装置100UUとして実施されており、該装置は下側セラミックフレーム体101L、上側セラミックフレーム体101U、下側関節表面110L、中間滑動表面110S、上側関節表面110U、第1の下側ローブ141L、内植組織されたときには前部に配置される第1の上側ローブ141U、第2の下側ローブ142L、内植組織されたときに前部に配置される第2の上側ローブ142U、係合脚柱143P、係合脚柱収容溝143Tを有している。アメリカ特許出願第10/717,104号参照。
【特許文献7】アメリカ特許出願第10/717,104号参照。
【0077】
図15に関節表面110TMを具えたセラミックの顎関節内植組織100TM/550を示す。内植組織100TMは切除した顎の上に取り付けるカップ状である。
【0078】
図16〜19に工業部材として実施された最終完成セラミック体540/550を示す。例として図16にセラミックのジャーナルベアリング100Jを、図17に制御ケース100FHと配管100FPと弁100FVと制御ケースとを具えたセラミックの流量制御装置100Fを、図18にギア群100Gを、図19にプーリー100Pを示す。
【0079】
図20〜49にギングリモス(ginglymous)関節内植組織のための最終完成セラミック体550のさらなる実施例を示す。
【0080】
図20〜33に天然負荷伝達を具えた回転膝関節1000のための部分または部材を示す。これは大腿骨部材100と脛骨部材200とを有している。
【0081】
図34〜37に、図21〜29のような膝内植組織の大腿骨部材100のための仮の大腿骨部材および/または穴あけ用治具を示す。
【0082】
図38〜49にモジュール膝関節内植組織を示す。該内植組織は関節または内植組織が第1の構造で内植組織されているタイプのモジュール方式であり、関節または内植組織は内移植されたままで、それは第2の構造に変換できる。
【0083】
これらに鑑みて、以下が注目される。
【0084】
大腿骨部材100は大腿骨部材フレーム101を有しており、該フレームは一体のセラミック構造である。フレーム101は側壁102と前壁103とを有している。前壁103は上部分103U、下部分103Lおよび/または孔103Hを有している。孔103Hはタップされてネジ36を受ける。またフレーム101は頂部103Tを有することもできる。頂部103Tは孔103THと支持フランジ103Fとを有している。頂部103Tは内部に挿入可能な髄内大腿骨スパイク37を収容できる。スパイク37はボックス状モジュール30の一部であって、該モジュールは側壁32、上部分34Uと下部分34Lとを有する前壁34、及び頂部33を含み、これらはそれぞれ壁102、103、103U、103Lおよび頂部103Tと密接に合わせられている。孔34Hは孔103Hと一致し、ネジ36は孔34H、103Hを通過している。Cr−Co合金からなるスパイク37はネジ付きのネジ収容孔38を有しており、スパイク37は金属ワッシャー37Wと収容ネジ39とにより孔103THを通って頂部103Tに固定されている。ネジ39は孔103THを通ってボックス状モジュール回転装置350を頂部103Tに固定している。
【0085】
フレーム101は末端関節丘フランジ104、後部フランジ105、前部フランジ106、残留大腿骨挿入ステム107および一体の回転装置150のための壁孔108を有している。残留大腿骨挿入ステムは、ステム容器107Rに別個に加えることのできるステム107Aであり、ステム107Aは取り付けネジ107Sにより固定される。一緒に使われる大腿骨量減少の増大部材104A、105Aおよび別個に使われる104AS、105ASはセラミックまたはチタンまたはカーボンファイバーなどの材料から形成され、タンタル蒸着によりコーティングされる。
【0086】
多孔または粗面である内向き骨内部成長向上表面109は基端および奥方向に向かい、該表面109は当業界周知のタンタル蒸着技術によるコーティングでセラミックフレーム101にも与えられる。凸状形状であり前後方向面内、特に後部で定常曲率半径である大腿骨関節丘表面110は下部中間関節丘111、下部側方関節丘112、後部中間関節丘113、後部側方関節丘114を有しており、かつ前部中間関節丘115、前部側方関節丘116を有していると考えられる。
【0087】
前述と同様に、前部フランジ106の表面側には滑車状表面117が設けられており、該表面上には天然または人工の膝頭が載っている。関節丘間の窪み118またはモジュール回転装置350および/またはモジュールスパイク30/37の挿入のための下部挿入可能モジュールケース301が形成されている。
【0088】
一般に関節表面である関節丘および滑車状表面110〜117は平滑で高度に研摩されている。関節丘裏打ち大腿骨スパイク127も設けられている。回転装置150、350も設けられている。
【0089】
実質的にはセラミックであるが好ましくはCo−Cr合金などの金属である回転装置150は、UHMWPEボックス挿入物150Bに包含され、回転体孔152、モールス(Morse)テーパー収容カップからなるテーパーピン容器153、打ち抜きピン孔154を具えた回転体151を有している。軸栓155Pにより固定された軸155は孔152を貫通してUHMWPEのラジアルブッシュ156を貫通している。該ブッシュは軸孔157、壁孔108にきっちりと一致する挿入肩部158、及び部材間肩部159を有している。
【0090】
回転装置150は高研磨テーパーピン160を有しており、該ピンは筒状軸161、人工器官1000の外科内移植中に詮索具により容器153からピン160を引き出す抜出し溝162、引出し制約打ち抜きピン固定溝163、カップ153中にピン160を固定するモールステーパーからなるテーパー固定端164を有している。
【0091】
ピン160が取り付けられると、ピン160は、引出し制約および/または回転制約打ち抜きピン165の孔154および溝163内への挿入・嵌合により固定される。モジュールテーパーピン160を固定する代りとして、好ましくは公知のモールステーパー(Morse taper)164と併用して、ネジ166があってもよい。
【0092】
回転装置350は完全にモジュールであって、モジュールケース301中に下方で挿入可能であり、好ましくは例えば約1.5〜2.0度テーパー2Xの公知のブラウン・シャープテーパー(Browne & Sharpe taper)を備えたその壁102を有するような物、または追加可能な部材30の実施例としてスパイク37を具えたボックス状モジュールにより提供されるような同様のケースに適応され、Co−Cr合金から形成されるのが有益であり、かつ揺動可能な垂下雄タイプ部分を側壁32を具えたケース31中に有している。公知の固定用ブラウン・シャープテーパー(Brown & Sharp taper)32Xは約1.6〜2.1度であり、選択的な上壁33は上孔33THと前壁34を有している。
【0093】
側壁52中の孔52はヒンジピン(軸)55を収容する。枢動ブロック(回転体)51は孔52の方向に沿って延在する孔52A、平滑な壁を具えモールステーパーで傾斜しおよび/またはネジ56を具えたテーパーピンカップ53、打ち抜きピン孔54を有している。テーパーピン61はカップ53中に挿入され、穿孔ピン65および/またはネジ66により固定される。回転装置350は、1つの結合部材である部材51、61を有することにより、一体の垂下雄タイプ部分を有して形成されている。
【0094】
アメリカ合衆国食料・薬品省(FDA)標準に従うと、セラミック大腿骨膝部材100は後部関節丘に対して少なくとも約1500ポンド(1bs.)(約680.38856kg)、少なくとも2000ポンド(約907.18475kg)、少なくとも約2500ポンド(約1133.9809kg)の強度を有している。図4テスト矢印105T、実施例1参照。
【0095】
一時的または試行大腿骨部材100Tおよび/または大腿骨部材100のための穴あけ用治具100DJはこの発明のセラミックから形成される。糊付け部材100S(「ヒンジ」)および増大用(augment)一時的または試行部材100ATは部材100Tと一緒に使用される。
【0096】
脛骨部材200は脛骨部材フレーム201を有しており、該脛骨部材フレームは脛骨トレイ202、蟻継ぎ線型挿入レール203、線型ストッパー用段差または回転安全ストッパー204、特に二重捕捉固定機構204Xの部分であれば、中央ストッパー204Cを有している。フレーム201はネジ孔205を有しており、これを通って骨締結ネジ206が挿入される。フレーム201はステム207を有しており、これが下方で収容カップ207C内部に挿入できる。カップ207Cはネジ付きでもよい。ステムは別個のステム207Qとして与えられ、これもネジ付きである。フレーム201を内移植した後でもステム207Qは孔207Hに挿入可能である。孔207Hはネジ付きであり、その場合、別個のステム207Qは外ネジを具えたヘッドを有している。ステム207は末端テーパー207Tおよび/または多数の末端リブ溝208を有している。加えてまたは代りに、フレーム201とステム207とは多数の下側フランジ208Fと内部を指向した骨内部成長向上表面209を有している。
【0097】
脛骨関節表面210は関節丘表面110の凸形状に相補する凹面形状であって、中間ローブ213と側方ローブ214上の上部中間関節表面211及び上部側方関節表面212を有している。
【0098】
各ローブの下側にはレール203に沿って滑動するための蟻継ぎ溝215、ローブに跨る部分216、ストッパー204,204Cと協働して固定するためのノッチ217、窪み118と同様な関節丘間の窪み218が有る。段差219はストッパー204上に容易に装備できるように形成されている。そのような要素200−219はUHMWPEなどの適宜材料からなる別個の脛骨トレイライナー220に与えられている。
【0099】
回転装置容器250は筒状カップ251であって、該カップは頂部肩凹部252を有している。例えばUHMWPEからなる回転装置容器ライナー260は容器250とそのカップ251中に挿入されて、それ自身テーパーピン60、160を収容する。
【0100】
ライナー260はテーパーピン収容カップ261、凹部252に嵌合する肩部262、内移植された関節1000の伸展および屈曲並びにそれに伴うライナーカップ261中にきっちりと嵌合するが可動であるテーパーピン60、160の上下運動の間に引き込まれた体液の存在を可能とする多数(例えば2〜4個)の内側軸方向指向溝263、両者間の密な嵌合である容器250へのライナー260の挿入中に液体および/またはガスの逃げを可能とする外部軸方向指向流体逃げ形状(溝または孔)264を有している。肩部ベベル角A9a,A9bはそれぞれ例えば90度および118度である。
【0101】
例えば全体増大部材200Fまたは部分増大部材200Pとして脛骨ブロック増大部材が得られる。以下の表はZimmer社から入手できる増大部材を示す。
【0102】
【表1】
【0103】
当業者が理解するように、RHK完全脛骨ブロック増大部材200AはRHK脛骨ベース板と一緒でのみ使用できる。
【0104】
膝内植組織1000は天然負荷伝達を有すると有利である。そのようなものとして、上記した関節運動に加えて、膝は実質的な量、例えば約90%以上または約95%以上の関節丘を通る負荷を支持している。アメリカ特許第5,766,257号および6,629,999号を参照。
【0105】
図50、51に例えばMg−TTZセラミックの十字靭帯温存のための大腿骨部材内植組織100CR/550などのジルコニアセラミックを示す。好ましくはないがアルミナなどの他のセラミックも使用可能である。図2〜8におけるように、部材の骨接合部分側格子柄のバンプパターンに注目。
【0106】
それらを有する他の内植組織のように、部材の骨接合部分側上の粗面に加えて、これは外科セメントにグリップを与える。よりよいセメント結合を与えるのに加えて、部材の骨接合部分側上の隆起部は内植組織の強化の助けとなる。内植組織100CRは平滑な関節丘110を有しているが、側方および中間下部および後部関節丘の間にボックスその他の構造は有していない。平滑な膝蓋軌跡の関節表面117は関節丘の間、特に側方と中間前部関節丘の間に存在する。
【0107】
図52にセラミック、例えばMg−TTZセラミックなどのジルコニアセラミックの単房大腿骨膝部材内植組織100UK/550を示す。図2〜8,50,51におけるような格子柄のバンプパターンおよび隆起部に注目。内植組織100UKも平滑関節丘110を有している。
【0108】
図53、54にセラミック、例えばMg−TTZセラミックなどのジルコニアセラミックの膝蓋大腿関節内植組織100PF/550を示す。それは平滑関節表面110と平滑な膝蓋軌跡の関節表面117とを有している。下部隆起部に注目。粗面を下部表面上にも設けることができる。切除された残留大腿骨上のセメント中に取り付けるために、前部下部位置内の骨接合部分の下部表面上には脚柱が設けられている。
【0109】
図55〜58にセラミック、例えばMg−TTZセラミックなどのジルコニアセラミックの脊髄の隣接対面脊椎間に取り付ける脊椎カップユニット100VC/550を示す。これは平滑球状部関節表面110を有している。これらは頸部、胸部、腰部領域中に、椎間板の不全があるときの骨の癒着の代わりに脊椎本体をカバーして、例えば第9、第10脊椎間に内移植されるものである。これは脊髄の柔軟性を椎間板不全に伴う選択肢に残す。
【0110】
一実施例においては、脊椎キャップユニット部材はカップ装置により切除骨を覆うキャップの骨接合部分の表面中に取り付けられる。他の実施例においては、部材は脚柱の助けを借りて切除骨中に取り付けられる。外科セメントを使用できる。勿論適宜な金属などの他の材料も使ってこれらの脊椎キャップユニットを形成することが可能である。
【0111】
図59〜64に例えばジルコニアセラミック(Mg−TTZなど)などのセラミックの足首関節ユニットを示す。該ユニットは距骨キャップ内植組織100AJおよび脛骨トレイ内植組織200AJ(UHMWPEトレイライナー、図示せず)を有している。距骨キャップ100AJは関節表面110を有しており、これは半関節形成中の天然組織または総関節交換関節形成中のトレイライナーと関節連結されており、かつ顎関節100TMJ(図15)、脊椎キャップユニット100VC(図55、56)などとともに切除骨の残片上に取り付けるためのカップの形である。
【0112】
脛骨トレイ内植組織200AJは適宜な金属またはセラミックであり、かつ骨髄内スパイクと、関節表面を具えたライナーを収容保持するカップとを有している。
【0113】
この発明にはその他種々の実施例が可能である。例えば手および足指関節内植組織がセラミックで提供できる。これらには指、手の親指、足指などがあり特に足の親指などである。そのような内植組織は、足の親指の場合、当業界周知の総金属構造に代えて、適宜な金属トレイと関節表面を具えた取付け可能なセラミックトレイライナーを具えた骨髄内スパイクを有している。以下実施例によりさらにこの発明を説明する。
【0114】
実施例1。Mg−TTZの後方安定型大腿骨膝関節内植組織部材の完成体がバインダーを伴った約3%酸化マグネシウムジルコニア単斜晶1〜2μmミクロ粉体へのCIP作業により着手された。該内植組織部材を素焼きして直角の3.5インチx4−インチx4−インチブロックを得た。ついで該ブロックをCNC機械加工して意図された、より完成したセラミックのサイズの121.95%の未燃焼機械加工体を得た。これは標準サイズの関節丘を具えた後方安定型大腿骨膝部材の前駆体である。
【0115】
該前駆体は燃焼Mg−TTZ窯の備品上にその関節丘を上にしてオーブン中に配置され、該オーブンは室温から1725〜1775℃の燃焼温度まで約1〜2℃/分の速度で昇温された。
【0116】
燃焼は2〜3時間行われた。爾後、温度は約1340℃の焼鈍温度まで約5℃/分の速度で低減された。焼鈍は約2時間行われた。焼鈍セラミックは約5℃/分の速度で室温まで冷却されて、高い強度のより完成した後方安定型内植組織を得た。図2〜8参照。
【0117】
該より完成したセラミック膝大腿骨部材はダイアモンド砂研摩でその裏側を粗面化する。その関節表面はダイアモンド塵で研摩する。セラミック膝内植組織は表面活性剤を有した液体浴中に浸漬し音波攪拌により清浄化される。安定化は放射線および/または酸化エチレンにより行う。
【0118】
上記したように形成された燃焼完成セラミック後方安定型膝大腿骨部材100(図2〜8)は、実物説明モデルとして示された。実物説明では部材100が壁体に衝撃を与えるべく部屋を横切ってかたい床の上に故意に投げられた。観衆は他のセラミック膝内植組織が単に床に落下しただけで粉々になるのを見て戸惑ったが、実物説明部材100が無傷であったのを見て畏敬の念を抱いた。
【0119】
上記したように形成された燃焼完成セラミック後方安定型部材100(図2〜8)は、個別に治具中に配置して、FDAが対応する金属部材のテストを要求する方向に対応するテスト矢印105T(図4)の方向に沿って、後部フランジ105に応力を印加することにより、テストされた。
【0120】
壁/頂部102/103が約1.7mmの厚さの第1のセラミック部材は、約1000ポンド(約453.5924kg相当)の力が印加されたときに、破壊しなかった。そこで部材は650〜550ポンド(約294.8531〜249.4758kg)および650〜750ポンド(約294.8531〜340.1943kg)で15−Hz疲労応力に200,000回掛けられたが、破壊はなかった。
【0121】
部材は約2250ポンド(約1020.5829kg)の負荷で破壊され、そのボックス(壁102と頂部103)が折れたが、関節丘フランジ105はそうではなかった。壁102が約1.7mmの厚さの第2の部材は約2300ポンド(約1043.2625kg)負荷で破壊されその壁102および頂部103ボックスが折れたが、関節丘フランジ105はそうではなかった。これはCo−Crについての最小FDA値の約3倍である。
【0122】
約2〜3mm厚さの壁/頂部102/103が望ましい。
【0123】
3mm壁/頂部102/103厚さのMg−TTZの膝(図2〜8)についての有限要素解析が矢印105T(図4)に沿っての応力について行われた。88,000,000回のサイクルの後、推定強度は2800ポンド(ほぼ1270.059kg)であった。
【0124】
実施例2。Y−TZPの後方安定型大腿骨膝関節部材のための機械加工未燃焼体ブロックをバインダーなしで単斜晶ナノ粉体に圧力を印加して形成した。ついで該ブロックをCNC機械加工して機械加工未燃焼セラミック体を得て、燃焼し、焼鈍した。さらに1200℃、20,000psi(ほぼ1406.138kg/cm2)でHIP処理して、理論的に密な後方安定型部材を得た。
【0125】
実施例3。上記の方法によりさらなるセラミック製品を得た。例えば図9〜64参照。
【0126】
以上この発明を説明したが、請求項記載の範囲内で種々の変更を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0127】
この発明は義肢などの医療用人工器官製造分野において広く応用されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】ジルコニアセラミックの一般相を示すグラフである。
【図2】この発明による製造の構成を示す。
【図3】後方安定型大腿骨膝内植組織部材として具現されたこの発明の完成セラミック体の平面図である。
【図4】図3の部材の中央から側部にかけての側面図である。
【図5】図3の部材の前面図である。
【図6】図3の部材の後面図である。
【図7】線7S−7Sに沿って得られた図3の部材の断面図である。
【図8】図3の部材の後斜視図である。
【図9】金属の髄内大腿骨脚柱および金属固定ワッシャー、金属ネジ締め具、後方安定型ストッパーのための金属またはセラミックペグを具えたモジュールセラミック膝内植組織を示す。
【図10】単一部材の単房膝関節スペーサーの平面図である。
【図11】単一部材の単房膝関節スペーサーの側面図である。
【図12】2つの部材からなる単房膝関節整列装置の側面断面図である。
【図13】2つの部材からなる単房膝関節整列装置の図12に対して垂直に取った側面断面図である。
【図14】滑動係合状態にある2つの部材からなる単房膝関節整列装置の平面図である。
【図15】顎関節内植組織キャップである。
【図16】工業用ベアリングの斜視図である。
【図17】流量制御装置の平面図である。
【図18】ギア群の拡大図である。
【図19】プーリー群の拡大図である。
【図20】回転装置を具えた人工義肢膝関節内植組織のための完成基礎部材のこの発明による製造スキームを示す。
【図21】図20に示す回転装置を具えた基礎大腿骨部材体などの大腿骨、脛骨部材の中に少なくともセラミック部材体を有した人工義肢膝関節の前部である。
【図22】図21の関節の拡大図である。
【図23】図21、22の関節のための大腿骨部材の左側面図である。
【図24】図23の大腿骨部材の後面図である。
【図25】図22〜24の大腿骨部材の回転装置部材の左側面図である。
【図26】図22に示すような関節の回転装置大腿骨・脛骨テーパーピンの側面図である。
【図27】回転装置とセラミック体とを有したこの発明の他の人工義肢膝関節の大腿骨部材の拡大斜視図である。
【図28】図27の大腿骨部材を有した義肢膝関節の拡大側面図である。
【図29】大腿骨部材中に位置する骨量減少を調節する数個の増大部材を有した図28の関節の組立て状態の前方斜視図である。
【図30】図29に示されたものを含む、種々の大腿骨増大部材の斜視および側面図である。
【図31】図28の関節内に見られる脛骨ベース板の側面図である。
【図32】図31の脛骨ベース板の斜視図である。
【図33】図31の脛骨ベース板と一緒に使用される部分的な脛骨増大部材の斜視図である。
【図34】図27のような大腿骨部材を患者に装着するために用いられる適宜寸法のモジュール回転装置を具えたセラミックの仮の大腿骨部材の斜視図である。
【図35】図27のような大腿骨部材を患者に装着するために用いられる骨の欠如を補うために必要なはめ込み式の増大部材を具えたセラミックの仮の大腿骨部材の斜視図である。仮の増大部材は大腿骨の仮の部材にはまる。
【図36】切除大腿骨に向かって基端方向で穴開けする図27のような大腿骨部材の内植組織のためのセラミック大腿骨の一時的な切断ガイドの側面図である。
【図37】切除大腿骨に向かって後部方向で穴開けする図27のような大腿骨部材の内植組織のためのセラミック大腿骨の一時的な切断ガイドの側面図である。
【図38】この発明のセラミックの人間膝関節モジュールの前後方向断面図である。
【図39】図38の関節の後断面図である。
【図40】軸(テーパー)ピンのピンタイプの取付けを有した、図38、39と同様なこの発明のセラミックの膝関節モジュールの後断面図である。
【図41】モジュール同士の組み合わせでのモジュール方式によるセラミック大腿骨膝部材の分解前後方向断面図である。
【図42】上端挿入ステムでのモジュール方式によるセラミック大腿骨膝部材の分解前後方向断面図である。
【図43】ステムを具えた一体の回転装置でのモジュール方式によるセラミック大腿骨膝部材の分解前後方向断面図である。
【図44】図41〜43の大腿骨部材フレームの後断面図である。
【図45】図38、39の関節モジュールの揺動可能な垂下雄タイプ部分を具えた挿入可能な回転装置の前後方向断面図である。
【図46】図45の挿入可能な回転装置の後断面図である。
【図47】この発明のセラミック脛骨トレイモジュールの他の実施例の分解側面図である。
【図48】図47のトレイの分解後面図である。
【図49】この発明のセラミック脛骨トレイモジュールの他の実施例の分解後面図である。
【図50】人間の左足膝内植組織のためのジルコニアセラミックの十字靭帯温存の大腿骨部材内植組織の左前斜視図である。
【図51】人間の左足膝内植組織のためのジルコニアセラミックの十字靭帯温存の大腿骨部材内植組織の底面図である。
【図52】セラミックの単房大腿骨部材の関節丘内植組織の後斜視図である。
【図53】人間の左足膝のためのセラミック膝蓋大腿骨関節内植組織の上後斜視図である。
【図54】人間の左足膝のためのセラミック膝蓋大腿骨関節内植組織の前斜視図である。
【図55】椎間板の交換のための隣接対面脊椎体の内植組織のための脊髄間脊椎ユニットを示す図であり、キャップまたはカップ取付け型である、一部材を断面で示した側面分解図である。
【図56】椎間板の交換のための隣接対面脊椎体の内植組織のための脊髄間脊椎ユニットを示す図であり、キャップまたはカップ取付け型である、矢印41A方向の上面図である。
【図57】椎間板の交換のための隣接対面脊椎体の内植組織のための脊髄間脊椎ユニットを示す図であり、杭または脚柱取付け型である、一部材を断面で示した側面分解図である。
【図58】椎間板の交換のための隣接対面脊椎体の内植組織のための脊髄間脊椎ユニットを示す図であり、杭または脚柱取付け型である、矢印42A方向の上面図である。
【図59】足首内植組織ユニットを示し、半内植組織である距骨キャップの上面図である。
【図60】足首内植組織ユニットを示し、半内植組織である距骨キャップの底面図である。
【図61】足首内植組織ユニットを示し、半内植組織である距骨キャップの側面図である。
【図62】足首内植組織ユニットを示し、半内植組織である距骨キャップの前面図である。
【図63】足首内植組織ユニットを示し、脛骨トレイの側面図である。
【図64】足首内植組織ユニットを示し、脛骨トレイの前面図である。
【符号の説明】
【0129】
10:単斜晶粉体
19:中空型
100:大腿骨部材
101:フレーム
200:脛骨部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
MG−TTZのセラミックの義肢内植組織または義肢内植組織部材を含む製造物品であって、
前記義肢内植組織または義肢内植組織部材は、一体であるとともに膝用であり、
前部、下側及び後部関節丘を含む左右の関節丘フランジの間を埋めるとともに関節丘間に窪みを形成する側壁及び上部と、前記窪み内の後方安定ストッパーとを備えたフレームを有するセラミック体を用いた後方安定型膝内植組織のためのMG−TTZセラミックの大腿骨部材、
燃焼されたMG−TTZセラミックのフレームを用いたMG−TTZセラミックの回転膝の大腿骨部材フレームの内植組織であって、側方および中間前部、下側及び後部関節丘フランジの間における関節丘間の窪みに備えられる側壁及び前壁を有し、前記関節丘フランジは、対応する関節表面と、前記前部フランジとそれぞれの前部関節丘との間に滑車状表面とを有し、前記側壁及び前壁は、対応する脛骨トレイの容器に係合される垂下雄タイプ部分を受けることができる内植組織、
MG−TTZセラミック体を用いた膝用のMG−TTZセラミックの十字靭帯温存の大腿骨部材の内植組織であり、関節丘を有する左右の関節丘フランジの間おける前方が平滑な、膝蓋軌跡の関節表面を含み、前記関節丘は、下側及び後部に左右の関節丘を含み、左右の関節丘の間に空間の窪みがある内植組織、
MG−TTZセラミック体を用いた膝用の単房の大腿骨関節丘部材の内植組織であって、平滑な関節丘表面を含み、前記関節丘表面は、前部、下側及び後部関節丘を含む内植組織、
からなる群から選ばれることを特徴とする製造物品。
【請求項2】
前記後方安定型膝内植組織のための大腿骨部材であることを特徴とする請求項1に記載の製造物品。
【請求項3】
前記回転膝の大腿骨部材フレームの内植組織であることを特徴とする請求項1に記載の製造物品。
【請求項4】
前記十字靭帯温存の大腿骨部材の内植組織であることを特徴とする請求項1に記載の製造物品。
【請求項5】
前記単房の大腿骨関節丘部材の内植組織であることを特徴とする請求項1に記載の製造物品。
【請求項6】
さらに内移植されたときに、基端および奥方向を向く突出バンプを有した内側を向く骨内部成長および/またはセメント接着表面を有していることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の製造物品。
【請求項7】
金属大腿骨膝部材の後部関節丘に関する強度試験のための標準に対応するアメリカ合衆国食料・薬品省標準に従い、力が関節丘の不支持部分に対して後部において前方向に加えられた場合に、前記関節丘が少なくとも1500ポンド(約680kg)の強度を有することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の製造物品。
【請求項1】
MG−TTZのセラミックの義肢内植組織または義肢内植組織部材を含む製造物品であって、
前記義肢内植組織または義肢内植組織部材は、一体であるとともに膝用であり、
前部、下側及び後部関節丘を含む左右の関節丘フランジの間を埋めるとともに関節丘間に窪みを形成する側壁及び上部と、前記窪み内の後方安定ストッパーとを備えたフレームを有するセラミック体を用いた後方安定型膝内植組織のためのMG−TTZセラミックの大腿骨部材、
燃焼されたMG−TTZセラミックのフレームを用いたMG−TTZセラミックの回転膝の大腿骨部材フレームの内植組織であって、側方および中間前部、下側及び後部関節丘フランジの間における関節丘間の窪みに備えられる側壁及び前壁を有し、前記関節丘フランジは、対応する関節表面と、前記前部フランジとそれぞれの前部関節丘との間に滑車状表面とを有し、前記側壁及び前壁は、対応する脛骨トレイの容器に係合される垂下雄タイプ部分を受けることができる内植組織、
MG−TTZセラミック体を用いた膝用のMG−TTZセラミックの十字靭帯温存の大腿骨部材の内植組織であり、関節丘を有する左右の関節丘フランジの間おける前方が平滑な、膝蓋軌跡の関節表面を含み、前記関節丘は、下側及び後部に左右の関節丘を含み、左右の関節丘の間に空間の窪みがある内植組織、
MG−TTZセラミック体を用いた膝用の単房の大腿骨関節丘部材の内植組織であって、平滑な関節丘表面を含み、前記関節丘表面は、前部、下側及び後部関節丘を含む内植組織、
からなる群から選ばれることを特徴とする製造物品。
【請求項2】
前記後方安定型膝内植組織のための大腿骨部材であることを特徴とする請求項1に記載の製造物品。
【請求項3】
前記回転膝の大腿骨部材フレームの内植組織であることを特徴とする請求項1に記載の製造物品。
【請求項4】
前記十字靭帯温存の大腿骨部材の内植組織であることを特徴とする請求項1に記載の製造物品。
【請求項5】
前記単房の大腿骨関節丘部材の内植組織であることを特徴とする請求項1に記載の製造物品。
【請求項6】
さらに内移植されたときに、基端および奥方向を向く突出バンプを有した内側を向く骨内部成長および/またはセメント接着表面を有していることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の製造物品。
【請求項7】
金属大腿骨膝部材の後部関節丘に関する強度試験のための標準に対応するアメリカ合衆国食料・薬品省標準に従い、力が関節丘の不支持部分に対して後部において前方向に加えられた場合に、前記関節丘が少なくとも1500ポンド(約680kg)の強度を有することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の製造物品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
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【図49】
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【図53】
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【図55】
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【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【公開番号】特開2011−62511(P2011−62511A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−178826(P2010−178826)
【出願日】平成22年8月9日(2010.8.9)
【分割の表示】特願2006−509209(P2006−509209)の分割
【原出願日】平成16年3月5日(2004.3.5)
【出願人】(505335706)
【出願人】(510217976)ザイロン, リミテッド ライアビリティ カンパニー (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月9日(2010.8.9)
【分割の表示】特願2006−509209(P2006−509209)の分割
【原出願日】平成16年3月5日(2004.3.5)
【出願人】(505335706)
【出願人】(510217976)ザイロン, リミテッド ライアビリティ カンパニー (1)
【Fターム(参考)】
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