説明

セルフチェックアウト端末

【課題】乗算入力後に生ずる、置数入力された数の商品が秤装置の載置部に全部載置される前に重量チェックを通過してしまうという不適切な重量チェック処理の実行を抑制する。
【解決手段】第1のフェーズ(登録待ちフェーズ)では商品コードの入力に待機し、商品コードが入力されると第2のフェーズ(商品袋詰め待ちフェーズ)に移行して、商品コード入力後に秤装置から送信される重量値(ステップS203参照)が入力された商品コードに基づき得られる重量範囲に入っているかどうかを判定する重量チェック処理を実行し(ステップS209)、重量チェックを通過すると第1のフェーズに復帰する(ステップS211)前提の下、商品の乗算入力が実行された場合には(ステップS205)、第2のフェーズで取得した秤装置から送信された重量値の変動後、重量チェック処理を実行するまでの間に所定の猶予時間を設定するようにした(ステップS206〜207)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客によるセルフチェックアウトを可能にするセルフチェックアウト端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、商品販売データ処理を実行するための各種ユーザインターフェースを顧客による操作と顧客への情報提供と顧客へのレシート発行とが可能な位置に配置し、顧客によるセルフチェックアウトを可能にしたセルフチェックアウト端末の開発が進められている(特許文献1参照)。各種ユーザインターフェースとしては、例えば、バーコードリーダやタッチパネル等のような商品コードを入力するための商品コード入力用デバイス、情報を表示するための表示デバイス、キーボタンやタッチパネル等のような情報を入力するための情報入力デバイス、硬貨及び紙幣の入出金装置のような決済を可能とする決済用デバイス、及びレシートプリンタ等が用意される。
【0003】
また、セルフチェックアウト端末では、不正行為を防止するために、顧客が持ち帰ることができる商品を、商品コードが入力された商品、換言すると、商品販売データ処理の対象となる購入商品だけに限るようにするための対策が必要となる。そのための対策として、例えば特許文献2に記載されているように、商品コードが入力された商品の重量をチェックし、不正行為を防止するようにした発明がなされている。重量チェックの手法として、特許文献2に記載されているのは、入力された商品コードに基づいてPLUファイル等の商品データファイルから当該商品の重量データを取得し、商品コードを読み取った後の商品の重量を計量し、重量データによって特定される重量と実際に計量された重量との同一性をもって重量チェックを行なう、という手法である。
【0004】
上記手法を採用する重量チェックの処理に際しては、一般に、商品コードの入力後に秤装置から計量値を取り込み、取り込んだ計量値と商品データファイルから取得した重量データによって特定される重量との同一性を判定する。この際、両重量の同一性が判定されれば、商品コード入力又は締め指定入力の待ち状態となる。
【0005】
【特許文献1】特開2004−086728公報
【特許文献2】特開平09−245251号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
同一の商品を複数個購入しようとする場合、その商品を特定する商品コードの入力と置数入力とを行なう乗算入力という手法が従来から用いられている。乗算入力をした場合の重量チェックは、入力した商品コードによって特定される商品の重量に大きなバラツキがなければ特段の問題がない。これに対して、入力した商品コードによって特定される商品の重量のバラツキが大きくなくなると、乗算チェック後の重量チェックが正しく行なえなくなってしまうことがある。このような現象が生ずる理由を、「りんご」という商品を例に挙げて次に説明する。
【0007】
一例として、商品データファイル中、「りんご」の登録情報として、重量が300gで許容範囲が±30gで登録されていたと仮定した上で、7個の「りんご」を乗算入力して購入する場合を想定する。この場合、顧客は、「りんご」についての商品コードを入力した後に数量を「7」と置数することになる。すると、その場合に商品データファイルから引用される重量データは、300(g)×7=2,100(g)となる。そして、設定すべき許容範囲の決定手法については様々な考え方をとることができるが、ここではより広い範囲を設定するとして30(g)×7=210(g)となる。したがって、秤装置から取り込む計量値と比較すべき重量データによって特定される重量値は、2,100(g)±210(g)ということになる。そこで、この例では、秤装置から取り込んだ計量値が1,890(g)〜2,310(g)の範囲に入ると、重量チェックが通過となり、商品コード入力又は締め指定入力の待ち状態となる。
【0008】
ところが、上記例において、顧客が現実に持ち寄った7個の「りんご」の重量が全て320(g)であったと仮定すると、そのうちの6個を秤装置で計量した場合の重量は1920(g)となり、上記1,890(g)〜2,310(g)の範囲に入ってしまう。これにより、本来は7個の「りんご」を秤装置で計量した時点で重量チェックを通過すべきところ、6個の「りんご」を秤装置で計量することで重量チェック通過となってしまう。そして、重量チェックを通過すると、次の商品コード入力か締め指定入力の待ち状態となるために、最後の1個の「りんご」を秤装置の秤皿に載せると、次の商品の商品コードが入力される前に秤装置の秤皿に品物が載置されたことになってしまう。このような状況では、一般的に、エラー処理が実行されることになってしまい、甚だ不都合である。
【0009】
本発明の目的は、乗算入力された後に生ずることがある不適切な重量チェック処理の実行を抑制できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のセルフチェックアウト端末は、商品コードの入力と置数入力とを可能とするユーザインターフェースを有する決済端末と、商品を載置するための載置部を備え、当該載置部に載置された載置物の重量を計量し、計量した重量値を前記決済端末に送信する秤装置と、前記秤装置から送信された重量値を元重量として記憶部に記憶する手段と、個々の商品についての前記ユーザインターフェースによる商品コード入力前の第1のフェーズでは、前記秤装置から送信された重量値が変動した場合にエラーを報知する手段と、前記ユーザインターフェースによる商品コード入力後の第2のフェーズでは、(1)個々の商品コードに対応させて単価と重量とを書き込み自在に記憶する商品データファイルから対応する単価と重量範囲とを検索する検索処理と、(2)前記秤装置から送信された重量値の変動後に変動後の当該重量値と前記記憶部に記憶されている元重量との差の重量値が前記検索処理によって取得した重量範囲に含まれているかどうかを判定する重量チェック処理と、(3)前記重量チェック処理の結果として、前記重量値が前記重量範囲に含まれているとの判定結果を条件に、前記入力された商品コードと前記検索された単価とを含む商品情報を記憶部に記憶させる商品情報登録処理と、(4)前記第2のフェーズを前記第1のフェーズに復帰させる処理と、を実行する手段と、前記ユーザインターフェースによる商品コードの入力と置数入力とによって商品の乗算入力を実行する手段と、前記商品の乗算入力が実行された場合には、前記第2のフェーズで取得した前記秤装置から送信された重量値の変動後、前記重量チェック処理を実行するまでの間に所定の猶予時間を設定する手段と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ユーザインターフェースによる商品コードの入力と置数入力とによって商品の乗算入力が実行された場合には、第2のフェーズで取得した秤装置から送信された重量値の変動後、重量チェック処理を実行するまでの間に所定の猶予時間を設定するようにしたので、乗算入力後の重量チェック処理では、秤装置から送信された重量値が商品データファイルから取得した重量範囲に入るや否や第1フェーズに復帰するのではなく、その間に猶予期間が置かれるので、置数された数の商品が秤装置の載置部に全部載置されたであろう頃に重量チェック処理を実行するようにすることができ、したがって、乗算入力された後に生ずることがある不適切な重量チェック処理の実行を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の実施の一形態を図1ないし図22に基づいて説明する。
【0013】
本実施の形態の説明は、次の項目に沿ってなされる。
【0014】
1.システム構成
(1)システム構成の概要
(2)セルフチェックアウト端末
2.セルフチェックアウト処理
(1)セルフチェックアウト処理の基本的ルーチン
(2)セルフチェックアウト処理時の画面遷移
(3)画面入力による商品情報登録
(4)重量チェック処理
(一)処理の流れ
(二)重量チェック処理のスキップ
(5)パック詰め商品の商品情報登録
(一)パック詰め商品の入力手法
(二)第2の重量チェック処理
(6)中止指定
(7)呼出指定
(8)決済
以下、上記項目の順に説明する。
1.システム構成
(1)システム構成の概要
図1は、全体のシステム構成を示す模式図である。本実施の形態のシステムは、複数のセルフチェックアウトシステム11と、複数台のPOS端末21と、ストアコントローラ31とが通信ネットワーク41を介して接続されて構築されている。
【0015】
セルフチェックアウトシステム11は、複数台のセルフチェックアウト端末101に一台のアテンダント端末501が割り当てられて構成されている。セルフチェックアウト端末101は、決済端末201と秤装置301とから構成されている。
【0016】
図2は、セルフチェックアウトシステム11での各部の配置状態を示す平面図である。本実施の形態のセルフチェックアウトシステム11は、四台のセルフチェックアウト端末101に対して一台のアテンダント端末501が割り当てられている。セルフチェックアウト端末101は、一対のセルフチェックアウト端末101が顧客通路121に沿って平行に並べられ、これらの一対のセルフチェックアウト端末101が顧客通路121を介して正面側を対面させるように配置されている。
【0017】
顧客通路121の突き当りにはアテンダント端末501が配置されている。アテンダント端末501は、その外観上、本体部502と表示部としてのディスプレイ503とキーボード504と操作部としてのポインティングデバイス505とを有するパーソナルコンピュータ形態を有しており、アテンダントテーブル601に載置されている。
【0018】
顧客は、顧客通路121を通ってどのセルフチェックアウト端末101に対してもアクセス可能となっている。例えば、図2中の右上方、顧客から見ると進行方向左奥側に位置するセルフチェックアウト端末101を使用しようとする場合、顧客通路121を通ってそのセルフチェックアウト端末101の前に立ち、セルフチェックアウトの終了後にはアテンダントテーブル601の前で左側又は右側に回りこんで立ち去ることになる。
(2)セルフチェックアウト端末
図3は、セルフチェックアウト端末101を示す斜視図である。セルフチェックアウト端末101は、決済端末201と秤装置301とから構成されている。
【0019】
決済端末201は、顧客が購入しようとする商品を入れた籠(図示せず)を載置するための商品籠載置台102が左脇から突出したハウジング202を有している。商品籠載置台102の上面には、籠を位置決めするための突部103がL字形状に突出形成されている。
【0020】
決済端末201のハウジング202は、床面に設置されるベースハウジング202aと、このベースハウジング202aの上面に載置される小振りな上部ハウジング202bとによって構成されている。ベースハウジング202aの前面は、下方に向かうほどベースハウジング202aの投影面積を狭めるように傾斜している。これにより、ベースハウジング202aは、下方に向かうほど奥側にオフセットした形状となっている。
【0021】
上部ハウジング202bには、各種ユーザインターフェースが設けられている。つまり、上部ハウジング202bには、左側に商品コード読取部としてのバーコードスキャナ203が配置され、右側にプリンタカバー204及び監視カメラ205が配置され、これらのバーコードスキャナ203とプリンタカバー204及び監視カメラ205の間には決済部としてのカード読取部206及びテンキー207が配置されている。バーコードスキャナ203は、商品に付された商品コードを読み取る商品コード読取部として機能する縦型スキャナである。プリンタカバー204には、レシート発行口208が設けられている。プリンタカバー204の奥側にはレシートプリンタ251(図6参照)が上部ハウジング202bに内蔵され、このレシートプリンタ251によって印字される図示しないレシートは、レシート発行口208から発行されるように構成されている。プリンタカバー204は、上部ハウジング202bに対して開閉自在に取り付けられ、フラップ209の引っ張り操作で開放される。監視カメラ205は、プリンタカバー204の上方に配置されている。カード読取部206は、図示しない非接触ICカードと無線通信を確立し、非接触ICカードに対して情報を読み書きする。非接触ICカードは、一例として現金と等価な価値を有する電子マネーを記憶保存することが可能であり、別の一例として、引き落し銀行口座を特定するための識別番号を記憶保存し、決済に際して利用される。図3中、丸印の中に「CARD」と記されている部分の奥側に図示しないアンテナが内蔵され、このアンテナを介して非接触ICカードとの間の無線通信が確立される。テンキー207は、非接触ICカードでの決済に際して、暗証番号の入力のために用いられる。
【0022】
上部ハウジング202bには、液晶表示パネルを有する表示部としてのLCD210が取り付けられている。このLCD210は、その表示面に入力部としてのタッチパネル211を有し、右側方にカード読取溝212を有する。カード読取溝212の内部には、決済部としてのカードリーダライタ252(図6参照)が内蔵されている。カードリーダライタ252は、クレジットカード等の磁気カードに記録された情報、例えばカード番号や暗証番号を読み取る。
【0023】
ベースハウジング202aには、硬貨と紙幣との入出金装置221(図6参照)が内蔵されている。入出金装置221の一部として、ベースハウジング202aの中央上面には硬貨投入口213が配置され、その左側には硬貨払出口214が配置されている。また、ベースハウジングの前面右上方位置には、紙幣投入口215と紙幣払出口216とが配置されている。このような入出金装置221は、貨幣及び紙幣の取扱いを可能にする機構部とこの機構部を制御する制御部とを有している(いずれも図示せず)。このような機構部の構造及び制御部での処理手順等については、その内容が周知なので、説明を省略する。
【0024】
さらに、ベースハウジング202aの背面からは、セルフチェックアウト端末101の現在の状態を表示する報知部としての表示ポール217が立設されている。この表示ポール217は、先端部に青色と赤色とに選択的に発光する発光部218を有する。
【0025】
図4は、秤装置301を示す斜視図である。秤装置301は、秤ハウジング302の上部に秤皿303が設けられ、この秤皿303に袋保持具304が取り付けられて構成されている。秤皿303は、その上面に載置台303aを有する。袋保持具304は載置台303aに取り付けられている。したがって、袋保持具304からすると、秤皿303は台座を構成する。つまり、載置台303aの後方中央部にはポール形状のアーム支持部305が立設され、このアーム支持部305の上端には品物を載置するための一時置き台306が固定されている。一時置き台306は、上面が平坦面となっており、決済端末201のバーコードスキャナ203でバーコードを読み取った後の商品を一時的に置く用途で用いられる台である。載置台303a及び一時置き台306は、共に、商品コードが入力された商品を載置するための載置部としての役割を担っている。
【0026】
このような一時置き台306の下面には、一対の保持アーム307とフック308とが取り付けられている。つまり、一時置き台306の下面両端位置には、アーム取付具309が固定されている。固定は、例えばネジ止め、接着止め等、各種の固定手法によってなされている。そして、それらのアーム取付具309のそれぞれには、保持アーム307が埋設されている。また、一時置き台306の下面中央位置には、フック取付具310が固定されている。固定は、例えばネジ止め、接着止め等、各種の固定手法によってなされている。そして、フック取付具310には、フック308が埋設されている。
【0027】
図5は、保持アーム307に収納袋としてのレジ袋401が保持されている状態を示す斜視図である。保持アーム307は、例えばスーパーマーケット等で顧客に提供するビニール袋等のレジ袋401、つまり、開口部402とこの開口部402から突出する一対の把手403とを有してこれらの把手403が両側に位置付けられるように折り畳まれたレジ袋401を保持するために、一対の把手403を串刺し状態で保持する。このような保持状態を実現するために、把手403にはスリット404が形成されている。また、レジ袋401には、一対の把手403の間に位置させてミシン目405で脱落可能な一対の耳部406が形成されており、これらの耳部406には引掛け穴407が形成されている。フック308は、引掛け穴407を挿通し、これによってレジ袋401を保持アーム307と共に保持する。
【0028】
図6は、決済端末201の電気的なハードウェア構成を示すブロック図である。決済端末201は、内部に情報処理部としての制御部253を有する。制御部253は、例えば動作シーケンスが書き込まれた半導体チップ構成のものであっても、RAM254等に動作プログラムを記憶させて動作するマイクロコンピュータ構成のものであっても良い。ここでは、マイクロコンピュータ構成の制御部253を紹介する。
【0029】
制御部253の中核をなすのはCPU255である。CPU255には、固定データを固定的に記憶するROM256と、可変データを書き換え自在に記憶するRAM254と、LCD210に表示する表示画像を生成するVRAM257と、HDD258とがシステムバス259を介して接続されている。一例として、HDD258には、動作プログラム、各種表示フレーム、PLUファイルPF(図7(a)参照)、部門ファイル、重量データファイルWDF(図7(b)参照)、画像ファイル、売上ファイル等の各種ファイル等(PLUファイルPF及び重量データファイルWDF以外は全て図示せず)が記憶保存されており、これらの動作プログラム、各種表示フレーム、各種ファイル及び各種規則情報等は、その全部又は一部が決済端末201の起動時にRAM254に移されて使用される。そして、それらのPLUファイルPF、重量データファイルWDF、部門ファイル、画像ファイル、売上ファイル等の各種ファイル等は、商品データファイルを構成する。
【0030】
商品データファイルを構成するPLUファイルPFは、各商品を特定する商品コードに対応させて、単価の他に、商品表示、割引商品の別、割引金額、M&M(ミックス・アンド・マッチ)情報等を書き換え自在に記憶する。商品表示は、商品コードによって特定される商品の商品名称のテキストデータと、その商品の画像データとを含む。
【0031】
商品データファイルを構成する部門ファイルは、PLUファイルPFに記憶されない各商品についての部門コードに対応させて、その単価、商品表示、割引商品の別、割引金額、M&M(ミックス・アンド・マッチ)情報等を書き換え自在に記憶する。商品表示は、部門コードによって特定される商品の商品名称のテキストデータと、その商品の画像データとを含む。
【0032】
図7(a)は、商品データファイルを構成するPLUファイルPFの一例を示す模式図である。PLUファイルPFは、商品コードに対応させて、商品表示と単価と画像データとを記憶している。商品表示は、対応する商品の商品名称に相当するテキストデータである。画像データは、対応する商品の画像データである。このようなPLUファイルPFは、別の一例として、部門ファイルを含んでいてもよい。
【0033】
図7(b)は、商品データファイルを構成する重量データファイルWDFの一例を示す模式図である。重量データファイルWDFは、商品コードに対応させて、設定重量(g)、重量チェック実行有無定義、商品載置場所定義(袋詰めスキップ)、許容値タイプ定義、上限許容値、下限許容値、及び重量更新フラグを記憶している。このような重量データファイルWDFは、別の一例として、PLUファイルPF、部門ファイルに含ませても良い。
【0034】
設定重量(g)には、商品コードで特定される商品の重量の設定値が記憶されている。
【0035】
重量チェック実行有無定義は、前述したように、重量チェック実行の別を各商品コードに対応付けて記憶する定義情報である。セルフチェックアウト端末101の制御部253は、重量チェック実行有無定義中、「0」は重量チェックしない、「1」は重量チェックすると解釈する。重量チェックをしない商品は、一例として、軽すぎて秤装置301による計量に馴染まない商品、あるいは、重すぎて秤装置301の載置台303aまで移動させにくい商品である。このような重量チェック実行有無定義は、別の一例として、PLUファイルPFに含ませても良い。
【0036】
商品載置場所定義(袋詰めスキップ)は、バーコードスキャナ203によってバーコードが読み取られた商品の載置場所として、載置台303a(重量スキップしない)と一時置き台306(重量スキップする(計量))と床面(重量スキップする(重量))とのいずれにすべきかを個々の商品毎に定義する。セルフチェックアウト端末101の制御部253は、重量チェック実行有無定義中、「0」は載置台303a(重量スキップしない)、「1」は一時置き台306(重量スキップする(計量))、「2」は床面(重量スキップする(重量))と解釈する。別の一例として、商品載置場所定義をPLUファイルPFに含ませることも可能である。更に別の一例として、商品の特性、例えば、割れ易い、壊れ易い、型崩れし易い、重い等の特性情報をPLUファイルPF等に記憶させておき、一例として、割れ易い、壊れ易い、型崩れし易いという特性を持つ商品については一時置き台306を載置場所として定義し、重いという特性を持つ商品については床面を載置場所として定義する。更に別の一例としては、重量データファイルWDFに記憶されている重量が規定重量より重い場合のバーコード読み取り後の商品の載置場所として、床面を定義する。
【0037】
許容値タイプ定義は、設定重量(g)に対する許容幅を割合とするか上限値及び下限値とするかを決定するための情報である。つまり、重量チェック処理に際しては、秤装置301による現実の計量重量と設定重量(g)に記憶されている重量との比較処理を実行することになるが、この際、設定重量(g)に対する許容幅を設定する。この許容幅は、許容値タイプ定義に記憶されている定義に従い、設定重量(g)に記憶されている重量値に対する割合で求められ、あるいは数値設定されている上限値及び下限値で求められる。
【0038】
上限許容値及び下限許容値は、設定重量(g)に対する許容幅を決定するための数値情報を記憶する。許容値タイプ定義が、設定重量(g)に記憶されている重量値に対する割合を許容幅とする場合には、上限許容値及び下限許容値に記憶される数値は%の数値となる。また、許容値タイプ定義が、設定重量(g)に記憶されている重量値に対する上限値及び下限値は具体的な数値となり、この場合、上限許容値及び下限許容値に記憶される数値は具体的な数値そのものとなる。
【0039】
そして、重量更新フラグは、重量登録処理の実行の有無を記憶する。セルフチェックアウト端末101の制御部253は、重量更新フラグ中、「0」は未更新、「1」は自動更新済み、「2」は手動更新済み、「3」は個別更新済みと解釈する。未更新の場合にはデフォルト値となる。自動更新は、重量登録処理の実行によって行なわれる。手動更新は、手入力によって行なわれる。個別更新は、自動更新後に手入力で修正されることによって行なわれる。
【0040】
図6に示す決済端末201の電気的なハードウェア構成を示すブロック図の説明に戻る。制御部253には、バーコードスキャナ203、LCD210、タッチパネル211、カード読取部206、テンキー207、カードリーダライタ252、レシートプリンタ251、監視カメラ205、報知部としての発光部218、入出金装置221との間でのデータ通信を媒介するインターフェース260がシステムバス259を介して接続され、制御部253による制御を受ける。制御部253は、それらの各部を制御し、検索処理と重量チェック処理と商品情報登録処理と決済処理とを含む商品販売データ処理を実行する。
【0041】
検索処理は、バーコードスキャナ203によって商品に付されたバーコードが読み取られた場合、このバーコードによって特定される商品コードを認識し、PLUファイルPF及び重量データファイルWDFを検索してその商品コードに対応する単価、重量及び商品表示を取得する。
【0042】
重量チェック処理は、バーコードの読み取り後に秤装置301によって計量されたバーコードが読み取られた商品の重量が、検索処理によって取得した重量と同一性を有しているかどうかを判定する処理である。同一性を有しているかどうかは、秤装置301による計量重量に基づいて得られる商品の重量が検索処理によって取得した重量の許容幅(例えば上限値と下限値との間)、つまり重量範囲に収まっているかどうかを判定することによってなされる。
【0043】
商品情報登録処理は、バーコードスキャナ203によって商品に付されたバーコードが読み取られた場合、このバーコードによって特定される商品コードと特定された商品コードに基づいて検索処理によって検索された単価とを含む取引情報をRAM254に一時登録する処理である。
【0044】
決済処理は、検索処理によって取得した単価に基づいて決済金額を算出し、その決済金額の決済を実行する処理である。決済金額は、タッチパネル211での締め操作に応じて必要な消費税計算等を含む売上合計金額を計算することによって算出され、RAM254等に仮登録するか、あるいは売上ファイルに登録する。決済処理では、算出した決済金額について、現金、クレジットカード等の磁気カード、電子マネー又は銀行口座特定用の識別番号を記憶保存する非接触ICカードを利用した決済を可能にする。現金の扱いは、ベースハウジング202aに設けられた入出金装置221で実行され、磁気カードの扱いは、カード読取溝212の内部に設けられたカードリーダライタ252によって実行され、非接触ICカードの扱いは、カード読取部206を介して実行される。
【0045】
本実施の形態では、商品販売データ処理という概念を、検索処理、重量チェック処理、商品情報登録処理及び決済処理等を含む広義の概念として用いている。そこで、このような広義の意味での商品販売データ処理を支援するために、決済端末201の制御部253は、LCD210に操作方法を表示し、顧客の便宜を図る。
【0046】
制御部253にはシステムバス259を介して通信インターフェース261も接続されている。通信インターフェース261は、通信ネットワーク41に接続され、アテンダント端末501及びストアコントローラ31とセルフチェックアウト端末101との間のデータ通信を実現させる。
【0047】
図8は、秤装置301の電気的なハードウェア構成を示す模式図である。秤装置301は、ロードセルユニット351を有する。ロードセルユニット351は、構造及び形状を図示しないロードセルの一端側をベース352に固定し、他端側に荷重受け部353を有する。荷重受け部353には秤フレーム354が固定されている。秤フレーム354は、平面から見てX字形状をしており、四隅に秤皿303を載置する。ロードセルユニット351の出力信号は、アンプ355で増幅され、アナログデジタル変換器(AD/C)356でデジタル信号に変換され、演算部357で解析される。演算部357では、ロードセルユニット351の出力信号に基づく重量解析がなされる。演算部357は、例えば動作シーケンスが書き込まれた半導体チップ構成のものであっても、RAM等に動作プログラムを記憶させて動作するマイクロコンピュータ構成のものであっても良い。演算部357は、解析結果である重量データを送信部358に送信し、送信部358を介して決済端末201に出力する。このような決済端末201への重量データの送信は、一例として、所定周期毎に定期的に実行され、別の一例として、ユーザによってセルフチェックアウト処理のスタートが指定された後に所定周期毎に定期的に実行される。この場合の周期は、例えば数μsec〜数百μsecというような短い周期であることが望ましい。
【0048】
このような構成において、セルフチェックアウト端末101は、セルフチェックアウトを可能にする。この際、決済端末201の制御部253及び秤装置301の演算部357は、各種演算処理や各部の駆動制御処理等を実行し、セルフチェックアウト処理を支援する。つまり、決済端末201では、そのLCD210に各種のユーザ支援画面を表示し、前述した検索処理、重量チェック処理及び商品販売データ処理を実行する。秤装置301は、決済端末201での重量チェック処理を支援するように、計量した重量の値を送信部358から決済端末201に送信出力する。以下、処理の流れを示すフローチャート、各種の画面例及び画面遷移例等を用いて、セルフチェックアウト処理の流れを説明する。
2.セルフチェックアウト処理
(1)セルフチェックアウト処理の基本的ルーチン
図9は、セルフチェックアウト端末101でのセルフチェックアウト処理の流れを示すフローチャートである。セルフチェックアウト端末101の制御部253は、商品コードの入力有無判定に待機している(ステップS11)。商品コードの入力は、バーコードスキャナ203によるバーコードの読み取りの他、LCD210の表示に従ったタッチパネル211での入力操作によって行なわれる。
【0049】
セルフチェックアウト端末101の制御部253は、商品コードの入力を判定すると(ステップS11のY)、検索処理を実行する(ステップS12)。その結果、前述したとおり、入力された商品コードに対応する単価、重量及び商品表示が取得される。
【0050】
セルフチェックアウト端末101の制御部253は、検索処理に続いて、重量チェック処理を実行する(ステップS13)。重量チェック処理については、図12ないし図19を参照して後述する。
【0051】
セルフチェックアウト端末101の制御部253は、重量チェック処理に続いて、商品情報登録処理を実行する(ステップS14)。つまり、重量チェック処理を通過した場合には、商品コード及びその単価等の取引情報をRAM254に一時登録する。
【0052】
セルフチェックアウト端末101の制御部253は、商品情報登録処理に続いて、決済指定の有無を判定する(ステップS15)。決済指定は、LCD210での表示に従ったタッチパネル211での入力操作によって実行される。そして、セルフチェックアウト端末101の制御部253は、決済指定ありの判定をすると(ステップS15のY)、前述した決済処理を実行する(ステップS16)。
(2)セルフチェックアウト処理時の画面遷移
図10は、セルフチェックアウト端末101でのセルフチェックアウト処理実行時における画面遷移例を示す模式図である。顧客は、購入しようとする商品を籠に入れてセルフチェックアウト端末101に持ち寄り、商品を籠ごとセルフチェックアウト端末101の商品籠載置台102に載せる。
【0053】
この際、決済端末201の制御部253は、図10に示すような初期ガイダンス画面A(左から第1列第1行目)を生成し、LCD210に表示させる。初期ガイダンス画面Aでは、顧客が持ち運んだ商品の取り扱い方法を案内する。案内される取り扱い方法は、二種類である。一方の取り扱い方法はバーコードスキャナ203を用いた商品コード入力であり、もう一つは、タッチパネル211からの入力指定である。前者のガイダンスとしては、「バーコードをガラス面にタッチしてください」という文字がその状態を示す絵柄と共に案内される。後者のガイダンスとしては、「バーコードのない商品は次の画面で登録します」という文字が次の画面を示す絵柄と共に案内される。
【0054】
この際、制御部253は、セルフチェックアウト処理をスタートさせる場合、自機が待機中か商品スキャニング中かの稼働状況を示す稼働状況情報として、待機中であることを示す情報を、自機が割り当てられているアテンダント端末501に向けて出力する。
【0055】
初期ガイダンス画面Aでは、レジ袋を使用するかマイバスケットを使用するかの選択を、二つの選択ボタンA1とA2とによって可能とする。マイバスケットというのは、顧客自らが所持する買物籠を意味する。選択ボタンA1がタッチパネル211によってタッチ指定された場合、レジ袋401でのセルフチェックアウト処理をスタートさせる。選択ボタンA2がタッチパネル211によってタッチ指定された場合、マイバスケットでのセルフチェックアウト処理をスタートさせる。
【0056】
この際、制御部253は、セルフチェックアウト処理をスタートさせる場合、自機が待機中か商品スキャニング中かの稼働状況を示す稼働状況情報として、稼動中であることを示す情報を、自機が割り当てられているアテンダント端末501に向けて出力する。
【0057】
図10は、選択ボタンA2がタッチパネル211によってタッチ指定され、マイバスケットでのセルフチェックアウト処理をスタートさせる例を示している(図10の左から第1列第2行目)。レジ袋401での処理とマイバスケットでの処理との相違は、秤装置301での0点設定である。マイバスケットでの処理を実行する場合、制御部253は、秤装置301の載置台303aに店舗側の籠を載せ、その中にマイバスケットを広げるべきことを示す画像を生成し、LCD210に表示して顧客に案内する。そして、マイバスケットが選択された後の初期ガイダンス画面A(図10の左から第1列第2行目)には、セット完了ボタンA3と戻るボタンA4とが表示される。制御部253は、セット完了ボタンA3がタッチパネル211によってタッチ指定された場合、0点設定を実行すべきことを秤装置301に伝達する。戻るボタンA4がタッチパネル211によってタッチ指定された場合には、最初の初期ガイダンス画面A(図10の左から第1列第1行目)に戻る。
【0058】
初期ガイダンス画面A(図10の左から第1列第1行及び第2行目)には、その左下に中止ボタンYと呼出ボタンZとが表示される。中止ボタンYは、処理の中止を指示するためのボタンであり、呼出ボタンZは、案内係(アテンダント)の店員を呼び出すためのボタンである。制御部253は、それらの中止ボタンY及び呼出ボタンZを、セルフチェックアウト処理の一連の流れに従い遷移する各画面中、必要に応じて生成し、出現させる。
【0059】
最初の初期ガイダンス画面A(図10の左から第1列第1行目)において選択ボタンA1又はA2がタッチパネル211によって選択指定された後の初期ガイダンス画面A(例えば、図10の左から第1列第2行目)において、セット完了ボタンA3がタッチパネル211によってタッチ指定されると、制御部253は、基本画面Bを生成し、LCD210に表示する(図10の左から第2列第1行目)。基本画面Bは、ガイダンス表示領域B1とユーザ領域B2とから構成されている。ガイダンス表示領域B1は上方位置、ユーザ領域B2はその下方位置にそれぞれ配列されている。ガイダンス表示領域B1は、セルフチェックアウトを進めるために必要な各種のガイダンスを表示する。ユーザ領域B2は、セルフチェックアウトを進めるために必要な各種の操作ボタン及び取引情報を表示する。
【0060】
商品に付されたバーコードの読み取りに待機する最初の基本画面B(図10の左から第2列第1行目)におけるガイダンス表示領域B1には、「商品のバーコードをガラス面にタッチしてください」という表示がその状態を示す絵柄と共に表示される。
【0061】
商品に付されたバーコードの読み取りに待機する最初の基本画面B(図10の左から第2列第1行目)におけるユーザ領域B2には、各種の操作ボタンとして、バーコードのない商品を指定するための商品指定ボタンB22が表示され、取引情報として、購入する商品の名称、点数、単価と、購入する商品の合計金額とを含む取引情報B21が表示される。図10に示す最初の基本画面B(左から第2列第1行目)の画面例では、今までに、ジュースが1点、牛乳が1点、コロッケが3点、それぞれ商品登録された状態を表わしている。購入点数が増えて表示しきれない場合には、取引情報B21中のスクロールボタンをタッチパネル211によってタッチ指定することによって、スクロール表示可能となっている。また、同画面中、ジュースとコロッケとにはその左側に丸割印が表示されている。これは、割引商品であることを示している。割引商品であるかどうかは、一例として、PLUファイルPFに割引情報を持たせることで表示可能となる。
【0062】
最初の基本画面B(図10の左から第2列第1行目)のガイダンス表示領域B1に表示されているガイダンス表示に従い、顧客は、バーコードスキャナ203の前に商品をかざし、商品に付されたバーコードを読み取らせる。これにより、決済端末201の制御部253は、前述した検索処理を実行し、PLUファイルPF及び重量データファイルWDFから必要な情報を取得する。
【0063】
この際、制御部253は、LCD210に表示されている基本画面B中、ユーザ領域B2の明度を落とし、読取確認画面Cを生成し、生成した読取確認画面Cをユーザ領域B2に重ねて表示する(図10の左から第3列第1行目)。読取確認画面Cは、PLUファイルPFから検索されたバーコードが読み取られた商品の単価、割引金額、購入点数、購入金額という取引情報を含み、PLUファイルPFに記録されている商品表示から引用された当該商品の商品名称のテキストデータに基づく文字と当該商品の画像データに基づく絵柄とを含む。また、読取確認画面CにはテンキーTKが表示され、デフォルト設定が1点である購入点数の変更による乗算入力を可能にする。セルフチェックアウト端末101の制御部253は、乗算入力された場合、その旨及び置数された数値をRAM254に一時記憶し、対応数値分の乗算登録を可能にする。このような読取確認画面Cは、例えば、一般的なポップアップ表示技術を用いて表示しても良く、あるいは、基本画面Bに読取確認画面Cを重ねて表示するような表示フレームを用いる技術を用いても良い。つまり、結果的に、基本画面Bに読取確認画面Cが重なって表示されていれば良く、そのために採用する表示技術について制約はない。
【0064】
ここで重要なことは、読取確認画面Cは、基本画面B中のユーザ領域B2にのみ重ねて表示され、ガイダンス表示領域B1には重なって表示されない、ということである。これにより、顧客に対して、継続的にガイダンス表示領域B1でのガイダンス表示を実行することができる。図10に示す例では、バーコードスキャナ203によって商品に付されたバーコードが読み取られた場合、ガイダンス表示領域B1では、「商品のバーコードをガラス面にタッチしてください」という最初の基本画面B(図10の左から第2列第1行目)でのガイダンスから、「商品をレジ袋またはマイバスケットに入れてください」というガイダンスに表示が遷移している(図10の左から第3列第1行目)。図10には示さないが、制御部253は、文字のみならず、ガイダンス表示領域B1に表示する絵柄も商品をレジ袋又はマイバスケットに入れる作業を支援する絵柄に遷移させる。読取確認画面Cをガイダンス表示領域B1に重ねずに表示することにより、このようなガイダンス表示領域B1でのガイダンス表示及びその遷移を、顧客に容易く確認させることが可能となる。
【0065】
図11は、一時置き台306に載置すべき商品についての基本画面B及び読取確認画面Cを例示する模式図である。前述したように、決済端末201は、商品載置場所定義を持つ。そこで、最初の基本画面B(図10の左から第2列第1行目)において、商品載置場所定義として一時置き台306が定義されている商品のバーコードがバーコードスキャナ203によって読み取られた場合、制御部253は、ガイダンス表示領域B1に「商品を一時置き台に置いてください」という文字をそのための作業を支援する絵柄と共に表示する図11に例示する画像を生成し、LCD210に表示する。この場合の読取確認画面CにもテンキーTKが表示され、デフォルト設定が1点である購入点数の変更による乗算入力を可能にする。セルフチェックアウト端末101の制御部253は、前述したように、乗算入力された場合、その旨及び置数された数値をRAM254に一時記憶し、対応数値分の乗算登録を可能にする。
【0066】
図10に基づく説明に戻る。バーコードスキャナ203によって商品に付されたバーコードが読み取られた後、制御部253は、重量チェック処理に待機している。そのために、商品に付されたバーコードが読み取られた後のガイダンス表示領域B1には、「商品をレジ袋またはマイバスケットに入れてください」という文字をそのための作業を支援する絵柄と共に示すガイダンスを表示する(図10の左から第3列第1行目)。あるいは、図11に例示するように、商品載置場所定義として一時置き台306が定義されている場合には、ガイダンス表示領域B1には、「商品を一時置き台に置いてください」という文字をそのための作業を支援する絵柄と共に示すガイダンスを表示する。そこで、これらのガイダンスに従い、顧客は、バーコードスキャナ203によってバーコードを読み取らせた商品をレジ袋401又はマイバスケットに入れ、あるいは一時置き台306に置く。これにより、レジ袋401に詰められた商品及び一時置き台306に載置された商品は、秤装置301の秤皿303に荷重をかけることになり、その荷重がロードセルユニット351によって計量されることになる。ロードセルユニット351による計量結果は、前述したように、送信部358を介して決済端末201に出力される。決済端末201は、ロードセルユニット351による計量結果を受信し、重量チェック処理を実行する。前述したように、重量チェック処理は、バーコードの読み取り後に秤装置301によって計量されたバーコードが読み取られた商品の重量が、検索処理によって重量データファイルWDFから取得した重量と同一性を有しているかどうかを判定する処理である。同一性を有しているかどうかは、前述したように、秤装置301による計量重量に基づいて得られる商品の重量が検索処理によって取得した重量の許容幅(例えば上限値と下限値との間)、つまり重量範囲に収まっているかどうかを判定することによってなされる。
【0067】
重量チェック処理の結果、両重量間に同一性がないと判定された場合は、何らかの操作ミスか又は不正が行われたことになる。そこで、この場合、制御部253は、商品販売データ処理の進行を停止し、表示ポール217の先端部に設けられている発光部218の発光色を青色から赤色に変更し、何らかの操作ミスか又は不正が行われたことを、例えば案内係(アテンダント)の店員等に向けて報知する。商品販売データ処理の進行を停止する結果、LCD210の表示画面としては、読取確認画面Cが表示されたままの状態となり、顧客には、処理が進行しないことが示される。
(3)画面入力による商品情報登録
図10に基づく説明に戻る。前述したように、最初の初期ガイダンス画面A(図10の左から第1列第1行目)には、「バーコードのない商品は次の画面で登録します」という文字が「次の画面」を示す絵柄と共に案内される。これを受けて、制御部253は、バーコードのない商品を登録するための画像として、基本画面B(図10の左から第2列第1行目)中のユーザ領域B2に、「やさい」、「くだもの」、「そうざい」、「魚貝」、「その他」、「詰合せ」の六種類のタッチボタンからなる商品指定ボタンB22を用意する。そこで、顧客は、購入しようとする商品にバーコードが付されていない場合、商品指定ボタンB22をタッチパネル211によってタッチ指定することになる。これらのいずれかの商品指定ボタンB22がタッチパネル211によってタッチ指定されると、基本画面B中のユーザ領域B2の取引情報B21が部門選択画面Eに切り替え表示される(図10の左から第2列第2行目)。
【0068】
図10に示す部門選択画面E(左から第2列第2行目)は、「そうざい」がタッチパネル211によってタッチ指定された一例を示している。この場合、部門選択画面Eとして、「そうざい」の範疇に含まれる各種の食品が4列4行の合計16種、スクロールボタンによってスクロール可能に表示される。部門選択画面Eには、戻るボタンE1も表示され、この戻るボタンE1がタッチパネル211によってタッチ指定された場合には、部門選択画面Eが取引情報B21に切り替え表示され、基本画面B(図10の左から第2列第1行目)の表示に復帰する。
【0069】
基本画面B中のユーザ領域B2の取引情報B21が部門選択画面Eに切り替え表示された場合(図10の左から第2列第2行目)、制御部253は、ガイダンス表示領域B1に、「お持ちの商品のボタンを押してください」という文字をそのための作業を支援する絵柄と共に表示する。これにより、顧客は、次にどのような操作をすれば良いのかを知ることができる。
【0070】
そこで、そのガイダンスに従い、顧客が部門選択画面E(図10の左から第2列第2行目)から一つの食品をタッチパネル211によってタッチ指定すると、基本画面B中のユーザ領域B2に、その食品についての部門登録画面F(図10の左から第3列第2行目)が出現する。図10に示す部門登録画面F(左から第3列第2行目)は、「玉子トウフ」がタッチ指定された一例を示している。この場合、「玉子トウフ」についての部門登録画面Fが出現する。部門登録画面Fは、商品の単価、割引金額、購入点数、購入金額という取引情報を含み、当該商品の商品名称のテキストデータに基づく文字と当該商品の画像データに基づく絵柄とを含み、更に、テンキーTKを含む。テンキーTKは、デフォルト設定が1点である購入点数の変更による乗算入力を可能にする。セルフチェックアウト端末101の制御部253は、前述したように、乗算入力された場合、その旨及び置数された数値をRAM254に一時記憶し、対応数値分の乗算登録を可能にする。
これらの各種データは、一例として、決済端末201においてPLUファイルPFとは別個に設けられた部門ファイルに記録されている情報から引用される。また、部門登録画面Fには、取消しボタンF1と決定ボタンF2とが含まれている。取消しボタンF1がタッチパネル211によってタッチ指定された場合、基本画面Bのユーザ領域B2に部門選択画面Eが表示された画面(図10の左から第2列第2行目)に復帰する。
【0071】
基本画面B中のユーザ領域B2に部門登録画面Fが表示された場合(図10の左から第3列第2行目)、制御部253は、ガイダンス表示領域B1に、「点数を変更するときは数字キーから入力し、「決定」ボタンを押してください」という文字をそのための作業を支援する絵柄と共に表示する。これにより、顧客は、次にどのような操作をすれば良いのかを知ることができる。
【0072】
そこで、そのガイダンスに従い、部門登録画面F(図10の左から第3列第2行目)において、必要に応じてテンキーTKによって購入点数を変更して乗算入力した後、決定ボタンF2をタッチパネル211によってタッチ指定すると、デフォルト又はテンキーTKによって乗算入力された購入点数分だけ、選択した食品、図10に示す例では「玉子トウフ」についての部門登録(商品コード入力)が完了する。そこで、制御部253は、LCD210に表示されている基本画面B中、ユーザ領域B2の明度を落とし、読取確認画面Cを生成し、生成した読取確認画面Cをユーザ領域B2に重ねて表示する(図10の左から第4列第2行目)。また、制御部253は、基本画面B中のガイダンス表示領域B1の表示を、「商品をレジ袋またはマイバスケットに入れてください」というガイダンスに表示に遷移させる(図10の左から第4列第2行目)。図10には示さないが、制御部253は、文字のみならず、ガイダンス表示領域B1に表示する絵柄も商品をレジ袋又はマイバスケットに入れる作業を支援する絵柄に遷移させる。読取確認画面Cをガイダンス表示領域B1に重ねずに表示することにより、このようなガイダンス表示領域B1でのガイダンス表示及びその遷移を、顧客に容易く確認させることが可能となる。
【0073】
ここで、「やさい」、「くだもの」、「そうざい」、「魚貝」、「その他」という五種類の商品指定ボタンB22がタッチパネル211によってタッチ指定されて部門登録がなされた場合、つまり、「詰合せ」以外の商品指定ボタンB22がタッチ指定されて部門登録がなされた場合には、基本画面B中のユーザ領域B2に読取確認画面Cを重ねて表示させた後の処理は、次に説明する重量チェック処理である。
(4)重量チェック処理
(一)処理の流れ
ここで、重量チェック処理の流れを図12ないし図18を参照しながら説明する。
【0074】
図12は、重量チェック処理に含まれている秤装置301からの重量データ受信処理の流れを示すフローチャートである。秤装置301は、ロードセルユニット351による計量結果を重量データとしてセルフチェックアウト端末101に送信する。そこで、セルフチェックアウト端末101の制御部253は、図10に示す最初の初期ガイダンス画面A(図10の左から第1列第1行目)中での選択ボタンA1のタッチパネル211によるタッチ指定等によってセルフチェックアウト処理のスタートが指定されると、重量データの受信に待機している(ステップS51)。そして、重量データの受信を判定すると(ステップS51のY)、受信した重量データを現在重量としてRAM254に一時記憶する(ステップS52)。
【0075】
図13は、重量チェックファイルの一例を示す模式図である。セルフチェックアウト処理のスタートが指定されると、セルフチェックアウト端末101の制御部253は、図13に例示する重量チェックファイルWCFをRAM254に生成する。重量チェックファイルWCFは、図12中のステップS52で一時記憶する現在重量及び元重量を一時記憶する。
【0076】
前述したように、秤装置301から決済端末201への重量データの送信は、例えば数μsec〜数百μsecというような短い周期で定期的に実行される。図12に示すフローチャート中のステップS51の受信処理では、秤装置301から決済端末201への重量データの送信があれば、いつでも受信ありを判定する。したがって、決済端末201の制御部253は、例えば数μsec〜数百μsecというような短い周期で定期的に送信されてくる秤装置301からの重量データを図13に示す重量チェックファイルWCFに現在重量として更新記憶させていく。
【0077】
図14は、重量チェック処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、セルフチェックアウト端末101の制御部253は、セルフチェックアウト処理のスタートが指定されると、商品情報を登録するための登録待ち状態となる。重量チェック処理では、この状態で商品コードの入力有無判定に待機する(ステップS101)。商品コードの入力を判定した場合には(ステップS101のY)、図19に処理内容を示す商品袋詰め待ちフェーズに移行する(ステップS102)。商品袋詰め待ちフェーズは、商品コードを入力した商品を秤装置301の載置部(載置台303a又は一時置き台306)に載置し、重量チェックを通過することによって終了する(図17のステップS211参照)。これに対して、商品コードの入力待ちであると判定された場合には(ステップS101のN)、図13に示す重量チェックファイルWCFに記憶されている現在重量を参照し(ステップS103)、同様に図13に示す重量チェックファイルWCFに記憶されている元重量に対する重量変化を判定する(ステップS104)。商品コードの入力待ちであるとの判定(ステップS101のN)は、セルフチェックアウト処理のスタートが指定されて未だ商品コードの入力が済んでいない場合か、前の商品についての商品袋詰めフェーズが正常に終了した場合かのいずれかの場合になされる。
【0078】
ここで、前述したように、元重量というのは、一取引の中で、商品コードが一つも入力されていない場合には0(g)、その後、商品コードが入力された場合には、商品コードが入力された商品が原則的には全て秤装置301の載置部(載置台303a又は一時置き台306)に載置されている状態での秤装置301による計量値を意味している。このようなことから、正常な運用がなされている限り、ステップS104では元重量に対する重量変化ありとの判定がなされないはずである。したがって、ステップS104で元重量に対する重量変化ありとの判定がなされなければ(ステップS104のN)、ステップS101での商品コードの入力有無判定にリターンする。
【0079】
これに対して、商品コードが入力されていない商品が秤装置301の載置部(載置台303a又は一時置き台306)に載置された場合には、現在重量が元重量を上回ることになる。あるいは、既に秤装置301の載置部(載置台303a又は一時置き台306)に載置されている商品情報登録後の商品が取り去られれば、現在重量が元重量を下回ることになる。そこで、元重量に対する重量変化ありとの判定がなされた(ステップS104のY)後のステップS105では、重量が増加したかどうか、換言すると、現在重量が元重量より増加したのか減少したのかを判定する。
【0080】
セルフチェックアウト端末101の制御部253は、現在重量が元重量より増加したと判定した場合には(ステップS105のY)、エラー報知を実行する(ステップS106)。つまり、この場合には、商品コードが入力されていない商品が秤装置301の載置部(載置台303a又は一時置き台306)に載置されたという操作ミス又は不正が行なわれているはずなので、制御部253は、表示ポール217の先端部に設けられている発光部218の発光色を青色から赤色に変更し、当該操作ミスか又は不正が行われたことを、例えば案内係(アテンダント)の店員等に向けて報知する。また、セルフチェックアウト端末101のLCD210に、重量エラー画面D1を表示する(図15参照)。
【0081】
図15は、重量チェック処理の結果、バーコードが読み取られていない商品が秤装置301の載置部(載置台303a又は一時置き台306)に載置された場合の重量エラー画面D1の一例を示す模式図である。制御部253は、現在重量が元重量より増加したと判定した場合には(ステップS105のY)、基本画面B全体の明度を落とし、図15に例示するような重量エラー画面D1を生成し、基本画面Bに重ねて表示する。重量エラー画面D1には、「バーコードが読み取られていない商品が袋に入っています その商品を取り除いてください」という文字がそのための作業を支援する絵柄と共に表示される。
【0082】
その後、図12に示すステップS52で一時記憶された図13に示す現在重量を参照し(ステップS107)、現在重量=元重量を判定すれば(ステップS108)、操作ミス又は不正によって秤装置301の載置部(載置台303a又は一時置き台306)に載置された商品が取り去られて元に戻されたことになるので、ステップS109でエラー解除処理を実行する。エラー解除処理は、エラー報知の消去によってなされる。つまり、セルフチェックアウト端末101の制御部253は、基本画面B中のユーザ領域B2の明度を元に戻し、重量エラー画面D1を消去する。これにより、LCD210の表示は、基本画面B(図10の左から第2列第1行目)に復帰する。
【0083】
セルフチェックアウト端末101の制御部253は、現在重量が元重量より減少したと判定した場合には(ステップS105のN)、既に秤装置301の載置部(載置台303a又は一時置き台306)に載置されている商品情報登録後の商品が取り去られたはずである。このような事象は、一例として、子供連れの顧客の場合に多発することが予想される。つまり、親がセルフチェックアウト端末101を操作している間、秤装置301の載置部(載置台303a又は一時置き台306)に一旦載置された商品、例えば菓子類等を子供が持ち去ってしまうようなことが発生し易い。そこで、このような事象が発生した場合、エラー報知を実行する(ステップS110)。つまり、この場合、制御部253は、表示ポール217の先端部に設けられている発光部218の発光色を青色から赤色に変更し、当該操作ミスか又は不正が行われたことを、例えば案内係(アテンダント)の店員等に向けて報知する。また、セルフチェックアウト端末101のLCD210に、重量エラー画面D2を表示する(図16参照)。
【0084】
図16は、重量チェック処理の結果、載置台から商品が取り去られてしまった場合の重量エラー画面D2の一例を示す模式図である。制御部253は、現在重量が元重量より減少したと判定した場合には(ステップS105のN)、基本画面B全体の明度を落とし、図16に例示するような重量エラー画面D2を生成し、基本画面Bに重ねて表示する。重量エラー画面D2には、「先ほど袋から取り除いた物を袋に戻してください」という文字がそのための作業を支援する絵柄と共に表示される。
【0085】
その後、図12に示すステップS52で一時記憶された図13に示す現在重量を参照し(ステップS107)、現在重量=元重量を判定すれば(ステップS108のY)、既に秤装置301の載置部(載置台303a又は一時置き台306)に載置されている商品情報登録後の商品が取り去られた後、再び載置部に戻されたことになるので、ステップS109でエラー解除処理を実行する。エラー解除処理は、エラー報知の消去によってなされる。つまり、セルフチェックアウト端末101の制御部253は、基本画面B中のユーザ領域B2の明度を元に戻し、重量エラー画面D2を消去する。これにより、LCD210の表示は、基本画面B(図10の左から第2列第1行目)に復帰する。
【0086】
図17は、商品袋詰め待ちフェーズでの重量チェック処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、セルフチェックアウト端末101の制御部253は、図14中のステップS101で商品コードの入力を判定すると(ステップS101のY)、商品袋詰め待ちフェーズに移行する(ステップS102)。図17に処理の流れを示す商品袋詰め待ちフェーズでは、まず、LCD210に袋詰めメッセージを表示する(ステップS201)。袋詰めメッセージは、図10中、ガイダンス表示領域B1での「商品をレジ袋またはマイバスケットに入れてください」というガイダンスによって示され、図11中、ガイダンス表示領域B1での「商品を一時置き台に置いてください」というガイダンスによって示されている。
【0087】
続くステップS202では、セルフチェックアウト端末101の制御部253は、商品データファイルを構成する重量データファイルWDF(図7(b)参照)を検索し、設定重量として規定されている該当する商品の設定重量及びその許容幅(上限許容値及び下限許容値)を取得し、重量Aを求める。この重量Aは、図7に示す重量データファイルWDFにそれぞれ記憶されている設定重量に対する上限許容値及び下限許容値の範囲である。例えば、設定重量が310(g)で上限許容値及び下限許容値がそれぞれ10(g)である場合、重量Aは300〜320(g)となる。
【0088】
ここで、商品コード入力後の読取確認画面C(図10の左から第3列第1行、図11参照)及び部門登録画面F(図10の左から第3列第2行参照)には、テンキーTKが表示されてデフォルト設定が1点である購入点数の変更による乗算入力を可能にする。そこで、商品コードの入力後、テンキーTKのタッチ指定によって置数されることにより乗算入力された場合、ステップS202で求められる重量Aは、重量データファイルWDF(図7(b)参照)の設定重量及びその許容幅をそれぞれ置数された数値分だけ積算して求めた重量となる。例えば、設定重量が310(g)で上限許容値及び下限許容値がそれぞれ10(g)である商品の商品コードが入力された後、テンキーTKのタッチ指定によって「5」が置数されたと想定すると、設定重量が310(g)×5=1,550(g)で上限許容値及び下限許容値がそれぞれ10(g)×5=50(g)となるので、重量Aは1,500〜1,600(g)となる。
【0089】
続いて、図12中のステップS52により図13に示す重量チェックファイルWCF中の現在重量として一時記憶された現在重量を参照し(ステップS203)、その重量チェックファイルWCF中に一時記憶されている元重量に対する重量変化を判定する(ステップS204)。
【0090】
この際、商品袋詰め待ちフェーズでは、商品コードが入力された商品が秤装置301の載置部(載置台303a又は一時置き台306)に載置されるはずである。これに対して、商品が載置部に載置されるまでは、ステップS204の重量変化の判定処理を経てステップS202の現在重量の参照処理にリターンする。これにより、バーコードスキャナ203によって商品コードが読み取られて入力されることで商品袋詰め待ちフェーズに移行した後であっても(図14のステップS102)、読取確認画面C(図10の左から第3列第1行、図11参照)に表示されるテンキーTKでの置数による乗算入力が可能となる。
【0091】
この状態で、商品が載置部(載置台303a又は一時置き台306)に載置されれば、ステップS204で元重量に対する現在重量の重量変化が判定され(ステップS204のY)、重量チェックのための判定処理が実行される。つまり、載置部(載置台303a又は一時置き台306)に載置された商品の重量である現在重量の増加分を重量Bとして求めるために、現在重量から元重量を減じた重量を重量Bと置く(ステップS208)。つまり、現在重量−元重量=重量Bの計算を実行する。そして、ステップS202で取得した設定重量に対する上限許容値及び下限許容値の範囲である重量Aと重量Bとの同一性を判定する(ステップS209)。重量Aと重量Bとの同一性判定は、重量Aの範囲に重量Bが含まれているかどうかをもってなされる。
【0092】
このような重量チェックのための判定処理に際して、本実施の形態では、商品が載置部(載置台303a又は一時置き台306)に載置されてステップS204で元重量に対する現在重量の重量変化が判定された後(ステップS204のY)、乗算入力がなされたかどうかの判定処理を実行する(ステップS205)。つまり、ステップS205で、商品コード入力後の読取確認画面C(図10の左から第3列第1行、図11参照)又は部門登録画面F(図10の左から第3列第2行参照)で、テンキーTKがタッチ指定されて商品コードが入力された商品の購入数量が置数入力されたかどうかを判定する。この判定は、乗算入力時にセルフチェックアウト端末101の制御部253がRAM254に一時記憶させた乗算入力された旨のデータを参照することによって実行可能である。
【0093】
ステップS205で乗算入力がなされたことが判定されると(ステップS205のY)、セルフチェックアウト端末101の制御部253は、タイマスタート処理を実行し(ステップS206)、タイムアップするまでステップS208の処理の実行に待機する(ステップS207)。これにより、置数入力された数の商品が秤装置301の載置部(載置台303a又は一時置き台306)に全部載置される前に重量チェックを通過してしまうという乗算入力後に生ずることがある不適切な重量チェック処理の実行を抑制することが可能となる。
【0094】
図18(a)は、図17のステップS206におけるタイマスタート処理の流れの一例を示すフローチャートである。タイマスタート処理では、まず、乗算入力時にセルフチェックアウト端末101の制御部253がRAM254に一時記憶した置数の値を参照し(ステップS206−1)、その置数の値に応じたタイマ値を検索する(ステップS206−2)。この場合のタイマ値は、置数の値が多いほど長い時間となるように設定されている。そして、検索したタイマ値をセットし(ステップS206−3)、カウントアップを開始する(ステップS206−4)。図17のステップS207に示すタイムアップは、図18のステップS206−3でセットしたタイマ値のタイムアップを意味する。これにより、乗算入力時に置数された数量に即した猶予時間を設定することができ、乗算入力後に生ずることがある不適切な重量チェック処理の実行をより高精度に抑制することが可能となり、その際、猶予時間が不必要に長くなることによる作業の遅滞を防止することもできる。
【0095】
図18(b)は、タイマ設定値データを例示する模式図である。タイマ値設定データは、置数の値にタイマ値を対応付けて設定している。図18(b)に設定さているタイマ値は、置数の値が多いほど長い時間となるように設定される。そこで、図18(a)中のステップS206−2で実行される置数の値に応じたタイマ値の検索処理では、一例として、図18(b)のタイマ値設定データを参照し、ステップS206−1で参照した置数の値に基づいてタイマ値を取得する。そして、こうして取得したタイマ値をセットする(ステップS206−3)。
【0096】
図18(c)は、タイマ値設定データの別の一例を例示する模式図である。タイマ値設定データは、置数の値にタイマ値係数を対応付けて設定している。タイマ値係数は、予め設定されている基本となるタイマ値にかける係数である。図18(c)に設定さているタイマ値係数は、置数の値が多いほどタイマ値が長い時間となるような値に設定される。そこで、図18(a)中のステップS206−2で実行される置数の値に応じたタイマ値の検索処理では、一例として、図18(c)のタイマ値設定データを参照し、ステップS206−1で参照した置数の値に基づいてタイマ値係数を取得し、基本となるタイマ値に取得したタイマ値係数をかけてタイマ値を求める。そして、こうして求めたタイマ値をセットする(ステップS206−3)。
【0097】
図18(b)、(c)に例示したタイマ値設定データは、一例として、動作シーケンスや動作プログラムに予め記述されており、別の一例として、動作シーケンスや動作プログラムとは別の独立したファイルとして構成されている。また、一例として、それらのタイマ値設定データは、例えばセルフチェックアウト端末101の設定モード等において、自由に書き換え自在となっていても良い。
【0098】
セルフチェックアウト端末101の制御部253は、重量Aと重量Bとの同一性を判定すると(ステップS209のY)、図13に示す重量チェックファイルWCF中、元重量を現在重量の値に更新した後(ステップS210)、登録待ちフェーズに移行し(ステップS211)、商品袋詰め待ちフェーズでの処理を終了する。
【0099】
これに対して、商品コードが入力されていない商品が秤装置301の載置部(載置台303a又は一時置き台306)に載置された場合には、その商品と商品コードが入力された商品との重量に同一性がない限り、重量Aと重量Bとの同一性が判定されない(ステップS209のN)。そこで、この場合、セルフチェックアウト端末101の制御部253は、重量Bが0よりも重いかどうかを判定し(ステップS212)、それに応じたエラー報知を実行する(ステップS213、ステップS214)。つまり、ステップS208で現在重量−元重量=重量Bとして求めた秤装置301の載置部(載置台303a又は一時置き台306)に載置された商品の重量が0よりも重ければ(ステップS212のY)、商品コードが入力されていない商品が秤装置301の載置部(載置台303a又は一時置き台306)に載置されたという操作ミス又は不正が行なわれているはずである。そこで、この場合、制御部253は、これに応じたエラー報知処理を実行する(ステップS213)。つまり、表示ポール217の先端部に設けられている発光部218の発光色を青色から赤色に変更し、当該操作ミスか又は不正が行われたことを、例えば案内係(アテンダント)の店員等に向けて報知する。また、セルフチェックアウト端末101のLCD210に、重量エラー画面D1を表示する(図15参照)。これに対して、重量Bが0よりも軽ければ(ステップS212のN)、既に秤装置301の載置部(載置台303a又は一時置き台306)に載置されている商品情報登録後の商品が取り去られたはずである。そこで、この場合、制御部253は、これに応じたエラー報知処理を実行する(ステップS214)。つまり、表示ポール217の先端部に設けられている発光部218の発光色を青色から赤色に変更し、当該操作ミスか又は不正が行われたことを、例えば案内係(アテンダント)の店員等に向けて報知する。また、セルフチェックアウト端末101のLCD210に、重量エラー画面D2を表示する(図16参照)。
【0100】
その後、セルフチェックアウト端末101の制御部253は、図12に示すステップS52で一時記憶された図13に示す現在重量を参照し(ステップS215)、現在重量=元重量を判定すれば(ステップS216)、操作ミス又は不正によって秤装置301の載置部(載置台303a又は一時置き台306)に載置された商品が取り去られた後に元に戻されたか、あるいは、既に秤装置301の載置部(載置台303a又は一時置き台306)に載置されている商品情報登録後の商品が取り去られた後、再び載置部に戻されたことになるので、ステップS217でエラー解除処理を実行し、ステップS204の処理にリターンする。
【0101】
(二)重量チェック処理のスキップ
図19は、重量チェック対象外商品についての基本画面B及び読取確認画面Cを例示する模式図である。前述したように、決済端末201は、重量チェック実行有無定義を持つ。そこで、制御部253は、重量チェック実行有無定義を参照し、重量チェックをしないと定義付けられた商品については、図19に例示するように、読取確認画面Cに確定ボタンXを表示し、重量チェック処理をスキップする。そして、読取確認画面Cにおいて、確定ボタンXがタッチパネル211によってタッチ指定された場合、制御部253は、商品販売データ処理の進行を許容し、基本画面B中のユーザ領域B2の明度を元に戻し、読取確認画面Cを消去する。これにより、LCD210の表示は、基本画面B(図10の左から第2列第1行目)に復帰する。
【0102】
このように、重量チェック対象外商品については、重量チェック処理をスキップする。図19(a)に示すように、重量チェック処理をスキップするにも拘らず、商品に付されたバーコードが読み取られた後のガイダンス表示領域B1には、「商品をレジ袋またはマイバスケットに入れ、確定ボタンを押してください」という文字をそのための作業を支援する絵柄と共に示すガイダンスを表示する。
【0103】
もっとも、図11に基づいて説明したように、制御部253は、重量データファイルWDFの商品載置場所定義(袋詰めスキップ)に従い、ガイダンス表示領域B1にバーコード読み取り後の商品の載置場所を表示する。そこで、図19(b)に例示するように、制御部253は、床面を載置場所として商品載置場所定義(袋詰めスキップ)に定義されている商品の場合、ガイダンス表示領域B1に「商品はレジ袋台の脇に置き、確定ボタンを押してください」という文字をそのための作業を支援する絵柄と共に表示させる。
(5)パック詰め商品の商品情報登録
(一)パック詰め商品の入力手法
図20は、パック詰め商品のセルフチェックアウト処理実行時における画面遷移例を示す模式図である。最初の基本画面B(図10の左から第2列第1行目)における商品指定ボタンB22に設定されている「詰合せ」は、パック詰め商品を意味している。つまり、スーパーマーケット等では、揚げ物、天婦羅、焼き鳥等、顧客が自由にパック詰めできるように各種の食品を並べたコーナーを設置するようなことが一般的に行われている。このようなコーナーでパック詰めする商品が「詰合せ」である。
【0104】
最初の基本画面B(図10の左から第2列第1行目)において、「詰合せ」という商品指定ボタンB22がタッチパネル211によってタッチ指定されると、制御部253は、LCD210に表示されている基本画面B中、ユーザ領域B2の明度を落とし、このユーザ領域B2に表示されていた取引情報B21を部門選択画面Eに切り替え表示するよう画面生成を行ない、この部門選択画面EをLCD210に表示する(図20の左から第1列第1行目)。部門選択画面Eでは、「詰合せ」の範疇に含まれる各種の食品が4列4行の合計16種、スクロールボタンによってスクロール可能に表示される。
【0105】
基本画面B中のユーザ領域B2の取引情報B21が部門選択画面Eに切り替え表示された場合(図20の左から第1列第1行目)、制御部253は、ガイダンス表示領域B1に、「お持ちの商品のボタンを押してください」という文字をそのための作業を支援する絵柄と共に表示する。これにより、顧客は、次にどのような操作をすれば良いのかを知ることができる。
【0106】
そこで、そのガイダンスに従い、「詰合せ」についての部門選択画面Eから一つの食品をタッチパネル211によってタッチ指定すると、制御部253は、その食品についての部門登録画面Fを生成し、基本画面B中のユーザ領域B2の明度を落としたまま、ユーザ領域B2に生成した部門登録画面Fを表示させる(図20の左から第2列第1行目)。図20は、「コロッケ」がタッチ指定された一例を示している。この場合、「コロッケ」についての部門登録画面Fが出現する(図20の左から第2列第1行目)。部門登録画面Fは、商品の単価、割引金額、購入点数、購入金額という取引情報を含み、当該商品の商品名称のテキストデータに基づく文字と当該商品の画像データに基づく絵柄とを含み、更に、テンキーTKを含む。テンキーTKは、デフォルト設定が1点である購入点数の変更による乗算入力を可能にする。図20に示す例では、テンキーTKによって購入点数が2点と変更入力されている。
【0107】
基本画面B中のユーザ領域B2に部門登録画面Fが表示された場合(図20の左から第2列第1行目)、制御部253は、ガイダンス表示領域B1に、「点数を変更するときは数字キーから入力し、「決定」ボタンを押してください」という文字をそのための作業を支援する絵柄と共に表示する。これにより、顧客は、次にどのような操作をすれば良いのかを知ることができる。
【0108】
そこで、そのガイダンスに従い、部門登録画面F(図20の左から第2列第1行目)において、必要に応じてテンキーTKによって購入点数を変更して乗算入力した後、決定ボタンF2をタッチパネル211によってタッチ指定すると、デフォルト又はテンキーTKによって乗算入力された購入点数分だけ、選択した食品、図20に示す例では「コロッケ」についての部門登録が完了する。その後、制御部253は、読取確認画面C(例えば、図10の左から第4列第2行目)を表示することなく、再度、部門選択画面Eを表示させる(図20の左から第3列第1行目)。但し、二回目以降の部門選択画面E(図20の左から第1列第3行目)では、戻るボタンE1に代えて、決定ボタンE2が表示される。そこで、決定ボタンE2がタッチパネル211によってタッチ指定されるまで、繰返し、部門選択画面Eに表示される食品を登録することができる。
【0109】
二回目以降の部門選択画面E(図20の左から第3列第1行目)において、制御部253は、ガイダンス表示領域B1に、「お持ちの商品のボタンを押し、パック内の全ての商品の入力が完了したら「決定」ボタンを押してください」という文字をそのための作業を支援する絵柄と共に表示する。これにより、顧客は、次にどのような操作をすれば良いのかを知ることができる。
【0110】
そこで、そのガイダンスに従い、顧客は、自らパック詰めした全ての食品について、部門選択画面Eと部門登録画面Fとによってその登録のための操作を繰り返す。そして、パック内の全ての食品についての登録作業が終了した場合、顧客は、タッチパネル211によって決定ボタンE2をタッチ指定する。これにより、制御部253は、読取確認画面Cを生成し、基本画面B中のユーザ領域B2の明度を落としたまま、ユーザ領域B2に生成した読取確認画面Cを重ねて表示する(図20の左から第3列第2行目)。また、制御部253は、基本画面B中のガイダンス表示領域B1の表示を、「商品をレジ袋またはマイバスケットに入れてください」というガイダンスに表示に遷移させる(図20の左から第3列第2行目)。
【0111】
(二)第2の重量チェック処理
この後、重量チェック処理が実行される。この場合、パック詰め商品のセルフチェックアウト処理においては、前述した重量チェック処理とは異なる重量チェック処理を実行する。便宜上、前述した重量チェック処理を第1の重量チェック処理と呼び、「詰合せ」の商品についての重量チェック処理を第2の重量チェック処理と呼ぶことにする。
【0112】
前述したように、最初の基本画面B中のユーザ領域B2(図10の左から第2列第1行目)には、バーコードのない商品を登録するために「やさい」、「くだもの」、「そうざい」、「魚貝」、「その他」、「詰合せ」の六種類のタッチボタンからなる商品指定ボタンB22が表示される。これらの商品指定ボタンB22のタッチ指定に基づいて最終的に指定される商品は、PLUファイルPFには設定されず、部門ファイルに設定されている非PLU商品である。これらの商品のうちでも、「やさい」、「くだもの」、「そうざい」、「魚貝」、「その他」のタッチボタンからなる商品指定ボタンB22のタッチ指定に基づいて最終的に指定される非PLU商品については、部門ファイル中、対応する重量データを設定している。そこで、第1の重量チェック処理が可能である。これに対して、「詰合せ」のタッチボタンからなる商品指定ボタンB22のタッチ指定に基づいて最終的に指定される非PLU商品については、部門ファイル中、対応する重量データを設定していない。このため、第1の重量チェック処理を実行することができず、第2の重量チェック処理を実行することになる。
【0113】
第2の重量チェック処理では、秤装置301からの出力に基づいて載置台303aに商品が載置されたかどうかを判定する。つまり、秤装置301において、計量重量が少しでも増えたら、登録済みのパック詰め商品が正しくレジ袋401又はマイバスケットに入れられ、あるいは一時置き台306に置かれと判定する。いわば、簡易な重量チェック処理を実行する。
【0114】
この場合、基本画面B中のユーザ領域B2に読取確認画面Cを重ねて表示する待機画面(図20の左から第3列第2行目)において、ガイダンス表示領域B1には、「商品をレジ袋またはマイバスケットに入れてください」という第1の重量チェックを行なう場合と同一のガイダンスを表示する。
【0115】
もっとも、本実施の形態のセルフチェックアウト端末101でのセルフチェックアウト操作は、バーコードスキャナ203によって商品に付されたバーコードを読み取らせ、バーコードを読み取らせた商品をレジ袋401又はマイバスケットに入れ、あるいは一時置き台306に置く、という操作を基本としている。このため、商品指定ボタンB22のタッチ指定に基づいて最終的に登録される非PLU商品の場合、通常とは異なる操作を要求することになる。このような操作上の相違から、顧客は、登録済みのパック詰め商品をレジ袋401又はマイバスケットに入れ、あるいは一時置き台306に置いた後、未登録の商品を間違ってレジ袋401又はマイバスケットに入れ、あるいは一時置き台306に置いてしまうようなこと、いわば二度置きの発生が予想される。このような二度置きが発生した場合、非PLU商品のうちでも、第1の重量チェック処理を実行する商品についてはエラーとなるため、大きな問題は発生しない。
【0116】
これに対して、非PLU商品のうち、第2の重量チェック処理を実行する商品、本実施の形態ではパック詰め商品の場合、載置台303aに商品が載置されたかどうかを判定するに過ぎないいわば簡易な重量チェック処理である第2の重量チェック処理を実行するため、未登録商品の二度置きが発生しても、これをエラーとすることができない。この場合、秤装置301からの出力に基づいて重量増を認識した後、更に重量増を認識した場合にはエラーとする、という対策も考えられる。しかしながら、秤装置301は、その載置台303aに品物が載置された後、振動が収まるまでの所定時間、計量を実行することができない。このため、振動が収まるまでの所定時間以上を待機時間として設定する必要があり、この待機時間内に二度置きが発生した場合には、やはりこれをエラーとすることができない。
【0117】
そこで、本実施の形態では、第2の重量チェックを実行する商品については、秤装置301によって計量された重量が規定値を超えたかどうかを判定し、超えた場合にはエラーとする、という処理を実行する。これにより、パック詰め商品に続いて商品が二度置きされた場合、その合計重量が規定重量を超えれば、エラーとすることが可能となる。このようなエラーが発生した場合、制御部253は、一例として、図15に例示するような重量エラー画面D1を基本画面Bに重ねて表示する画面をLCD210に表示しても良い。
(6)中止指定
図21は、中止ボタンYが押された場合に出現する中止画面の一例を示す模式図である。各画面に表示される中止ボタンYがタッチパネル211によってタッチ指定された場合、制御部は、図21に例示するような中止画面Hを生成し、基本画面Bの全体の明度を落とし、ユーザ領域B2に生成した中止画面Hを重ねて表示する。中止画面Hには、「お買い物をやめてもよろしいですか?」という文字と共に、「はい」と「いいえ」と表示された二つの選択ボタンH1とH2が表示され、更に、呼出ボタンZも表示される。「はい」と表示された選択ボタンH1がタッチパネル211によってタッチ指定されると、制御部253は、全ての処理を中止し、LCD210の表示を最初の初期ガイダンス画面A(図10の左から第1列第1行目)に戻す。これに対して、「いいえ」と表示された選択ボタンH2がタッチパネル211によってタッチ指定されると、制御部253は、処理を直前状態に復帰させる。
(7)呼出指定
図22は、呼出ボタンZが押された場合に出現する店員呼出画面の一例を示す模式図である。各画面に表示される呼出ボタンZがタッチパネル211によってタッチ指定された場合、制御部253は、図22(a)に例示するような店員呼出画面Iを生成し、基本画面Bの全体の明度を落とし、ユーザ領域B2に生成した店員呼出画面Iを重ねて表示する。店員呼出画面Iには、「店員を呼び出します。よろしいですか?」という文字と共に、「はい」と「いいえ」と表示された二つの選択ボタンI1とI2が表示される。「はい」と表示された選択ボタンI1がタッチパネル211によってタッチ指定されると、制御部253は、店員呼出画面Iを図22(b)に例示するように遷移させる。図22(b)に示す店員呼出画面Iでは、「ただ今店員がまいります。そのままお待ちください」という文字と共に、「呼出しを中止します」と表示された呼出中止ボタンI3が表示される。そこで、呼出中止ボタンI3がタッチパネル211によってタッチ指定されると、制御部253は、店員の呼出処理を実行する。呼出処理として、制御部253は、自機が割り当てられているアテンダント端末501に向けて店員呼出情報を出力する。これに対して、「いいえ」と表示された選択ボタンI2がタッチパネル211によってタッチ指定されると、制御部253は、店員の呼び出し処理を中止して処理を直前状態に復帰させる。
(8)決済
図10に基づく説明に戻る。基本画面B中のユーザ領域B2(図10の左から第2列第1行目)には、「お会計」と表示された会計ボタンB23が表示されている。この会計ボタンB23のタッチ指定は、締め指定を意味する。そこで、タッチパネル211により会計ボタンB23がタッチ指定されると、制御部253は、決済処理を実行する。つまり、制御部253は、会計画面Jを生成し、ユーザ領域B2に表示する(図10の左から第2列第3行目)。会計画面Jは、合計金額の表示と、支払方法の選択ボタンJ1〜J5と、最初の基本画面B(図10の左から第2列第1行目)に戻るための「明細画面に戻る」と表示された戻るボタンJ6とを含んでいる。選択ボタンJ1は現金、選択ボタンJ2はクレジット、選択ボタンJ3は電子マネー型の非接触ICカード、選択ボタンJ4は銀行口座引き落し型の非接触ICカード、選択ボタンJ5は商品券・クーポンをそれぞれ選択指定する。これにより、決済端末201では、顧客がタッチパネル211によって会計ボタンB23をタッチ指定することにより締め指定をすると、制御部253は、商品販売データ処理で算出した決済金額について、現金、クレジットカード等の磁気カード、電子マネー型の非接触ICカード、銀行引き落し型の非接触ICカードを利用した決済処理を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明の実施の一形態として、全体のシステム構成を示す模式図である。
【図2】セルフチェックアウトシステムでの各部の配置状態を示す平面図である。
【図3】セルフチェックアウト端末を示す斜視図である。
【図4】秤装置を示す斜視図である。
【図5】保持アームにレジ袋が保持されている状態を示す斜視図である。
【図6】決済端末の電気的なハードウェア構成を示すブロック図である。
【図7】商品データファイル(重量データファイル)の一例を示す模式図である。
【図8】秤装置の電気的なハードウェア構成を示す模式図である。
【図9】セルフチェックアウト端末でのセルフチェックアウト処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】セルフチェックアウト端末でのセルフチェックアウト処理実行時における画面遷移例を示す模式図である。
【図11】一時置き台に載置すべき商品についての基本画面及び読取確認画面を例示する模式図である。
【図12】重量チェック処理に含まれている秤装置からの重量データ受信処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】重量チェックファイルの一例を示す模式図である。
【図14】重量チェック処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図15】重量チェック処理の結果、バーコードが読み取られていない商品が秤装置の載置部に載置された場合の重量チェックエラー画面の一例を示す模式図である。
【図16】重量チェック処理の結果、載置台から商品が取り去られてしまった場合の重量チェックエラー画面の一例を示す模式図である。
【図17】商品袋詰め待ちフェーズでの重量チェック処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図18】(a)は図17のステップS206におけるタイマスタート処理の流れの一例を示すフローチャート、(b)はタイマ設定値データを例示する模式図、(c)はタイマ値設定データの別の一例を例示する模式図である。
【図19】(a)は重量チェック対象外商品についての基本画面及び読取確認画面(商品載置場所が載置台)を例示する模式図、(b)は重量チェック対象外商品についての基本画面及び読取確認画面(商品載置場所が床面)を例示する模式図である。
【図20】パック詰め商品のセルフチェックアウト処理実行時における画面遷移例を示す模式図である。
【図21】中止ボタンが押された場合に出現する中止画面の一例を示す模式図である。
【図22】(a)は呼出ボタンが押された場合に出現する店員呼出画面(呼出選択)の一例を示す模式図、(b)は呼出ボタンが押された場合に出現する店員呼出画面(呼出中)の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0119】
201…決済端末、203…バーコードスキャナ(ユーザインターフェース、データコードスキャナ)、210…LCD(ユーザインターフェース、ディスプレイ)、211…タッチパネル(ユーザインターフェース)、254…RAM(記憶部)、301…秤装置、303…秤皿、303a…載置台(載置台)、306…一時置き台(載置台)、PF…PLUファイル(商品データファイル)、WDF…重量データファイル(商品データファイル)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品コードの入力と置数入力とを可能とするユーザインターフェースを有する決済端末と、
商品を載置するための載置部を備え、当該載置部に載置された載置物の重量を計量し、計量した重量値を前記決済端末に送信する秤装置と、
前記秤装置から送信された重量値を元重量として記憶部に記憶する手段と、
個々の商品についての前記ユーザインターフェースによる商品コード入力前の第1のフェーズでは、前記秤装置から送信された重量値が変動した場合にエラーを報知する手段と、
前記ユーザインターフェースによる商品コード入力後の第2のフェーズでは、個々の商品コードに対応させて単価と重量とを書き込み自在に記憶する商品データファイルから対応する単価と重量範囲とを検索する検索処理と、前記秤装置から送信された重量値の変動後に変動後の当該重量値と前記記憶部に記憶されている元重量との差の重量値が前記検索処理によって取得した重量範囲に含まれているかどうかを判定する重量チェック処理と、前記重量チェック処理の結果として、前記重量値が前記重量範囲に含まれているとの判定結果を条件に、前記入力された商品コードと前記検索された単価とを含む商品情報を記憶部に記憶させる商品情報登録処理と、前記第2のフェーズを前記第1のフェーズに復帰させる処理と、を実行する手段と、
前記ユーザインターフェースによる商品コードの入力と置数入力とによって商品の乗算入力を実行する手段と、
前記商品の乗算入力が実行された場合には、前記第2のフェーズで取得した前記秤装置から送信された重量値の変動後、前記重量チェック処理を実行するまでの間に所定の猶予時間を設定する手段と、
を備えるセルフチェックアウト端末。
【請求項2】
前記猶予時間は、前記乗算入力された置数の値が大きいほど長く設定される、請求項1記載のセルフチェックアウト端末。
【請求項3】
前記ユーザインターフェースは、コードシンボルの形態で表現されている商品コードを光学的に読み取るデータコードスキャナを含んでいる、請求項1又は2記載のセルフチェックアウト端末。
【請求項4】
前記ユーザインターフェースは、情報を表示するディスプレイとその表示面に配置されたタッチパネルとを含んでいる、請求項1記載のセルフチェックアウト端末。
【請求項5】
前記ディスプレイに置数入力用の画面を表示し、当該画面上での前記タッチパネルからの入力によって置数の入力を実行する手段を備える、請求項4記載のセルフチェックアウト端末。
【請求項6】
前記ディスプレイに商品コード入力用の画面を表示し、当該画面上での前記タッチパネルからの入力によって商品コードの入力を実行する手段を備える、請求項4記載のセルフチェックアウト端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2008−299435(P2008−299435A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−142435(P2007−142435)
【出願日】平成19年5月29日(2007.5.29)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】