説明

セルフ会計POSシステム

【課題】顧客が会計処理をトラブル無く短時間で円滑に行えるようにするとともに、店舗側にとってもコスト的に有利となるセルフ会計POSシステムを提供する。
【解決手段】登録装置100は、顧客の顔を撮像した画像データと会計データを対応付けた顧客会計情報を生成して保持する。会計装置200は、これを精算に使用するためにその前に立った顧客の顔の撮像画像とともに顧客会計情報をリクエストし、受信した顧客会計情報を利用して会計処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗に備えられるPOSシステムとして、顧客が自分で精算を行うことのできるセルフ会計POSシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
店舗において顧客自身が会計装置を用いて会計処理を行うようにされたセルフ会計POS(Point of Sales)システムが知られている。このようなセルフ会計POSシステムとして、会計用伝票に印刷された二次元バーコードを会計装置に読み取らせることにより会計情報を呼び出して、これを会計装置の画面に表示させる。そして、顧客は表示された会計情報を確認して会計処理を行うようにされたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−152963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなセルフ会計POSシステムにおいては、顧客自身が、会計用伝票に印刷された二次元バーコードを会計装置に読み取らせる作業を行う。しかし、会計用伝票は紙片等に印刷したものを用いることが多いため、顧客は会計用伝票を紛失したり、あるいは、会計用伝票を買物カゴ等の中に紛れ込ませて見失ってしまったりすることがあり、見失った会計用伝票を探す等の手間や時間を要するため、顧客はスムーズに会計を行うことができないと共に、顧客の後には会計待ちの行列ができてしまい混雑するという問題も生じる。また、会計用伝票を読取らせる作業は、顧客にとっては不慣れであるため、例えば二次元バーコードとスキャナの角度や距離が不適切になって正常に読み取らせることができず、正しく会計を行うことができないという問題が生じる場合があった。また、二次元バーコードに代えて、会計用伝票に印刷された会計番号を顧客が会計装置に入力するというものも知られているが、この場合にも、顧客が会計番号を間違えて入力してしまう場合があり、同様の問題が生じる。
【0005】
また、顧客に渡される会計用伝票は、会計後に廃棄されてしまうことが多いために、店舗側としては経済的であるとはいえなかった。
【0006】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、顧客が会計処理をトラブル無く短時間で円滑に行えるようにするとともに、店舗側にとってもコスト的に有利となるセルフ会計POSシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、顧客の買上商品情報を登録する登録装置と、前記顧客によって代金の精算が行われる会計装置から成り、前記登録装置は、前記顧客の生体情報を取得する第1の生体情報取得手段と、前記顧客の買上商品情報と当該顧客の前記生体情報を対応付けて登録する登録手段とを備え、前記会計装置は、前記顧客の生体情報を取得する第2の生体情報取得手段と、前記第2の生体情報取得手段により取得された生体情報に対応付けられた前記買上商品情報を前記登録装置から取得する買上商品情報取得手段と、取得した前記買上商品情報を利用して代金に応じた会計処理を実行する会計手段と、を備えることを特徴とするセルフ会計POSシステムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、顧客が行う会計処理を、会計用伝票の紛失や探す手間などが無く短時間で円滑に行えるようになるとともに、店舗側にとってもコスト的に有利となるセルフ会計POSシステムを提供できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態におけるセルフ会計POSシステムの全体構成例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるセルフ会計POSシステムの利用態様例を模式的に示す図である。
【図3】本発明の実施の形態における登録装置100の外観例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態における登録装置100の構成例を示す図である。
【図5】登録装置100のRAM103におけるメモリマップ900の内容例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態における会計装置200の外観例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態における会計装置200の構成例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態における登録装置100において表示される操作画面500を示す図である。
【図9】顧客画像550をインデックス540に表示させるための手順例について説明するための図である。
【図10】図9のモニタ画面600に対応する撮像範囲と顧客との位置関係例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態における会計装置200が表示する本人確認画面810および会計情報画面820の例を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態における登録装置100が実行する買上商品登録のための処理手順例を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態における会計装置200から送信されるデータの受信に応じて登録装置100が実行する処理手順例を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態における会計装置200が実行する処理手順例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[セルフ会計POSシステムの構成例]
図1は、本発明を実施するための形態(実施の形態)におけるセルフ会計POS(Point of Sales)システムの全体構成例を示している。この図に示すセルフ会計POSシステムは、複数の登録装置100および複数の会計装置200を備える。そして、これら登録装置100および会計装置200はネットワーク300経由で接続される。
【0011】
登録装置100および会計装置200は、例えば同じ1つの店舗に設置されている。登録装置100は、顧客が買い上げた商品(買上商品)を登録管理する機能を有し、商品登録などの所定操作はオペレータ(店員)が行う。また、複数の登録装置100における1つはマスタとして機能し、残る登録装置100はサテライトとして機能する。マスタの登録装置100には、各サテライトの登録装置100において行われた商品登録に応じて生成された顧客会計情報が登録されており、マスタの登録装置100とサテライトの登録装置100が保持するデータは常に同期されている。
【0012】
会計装置200は、会計処理機能を有するもので、この会計装置200を顧客が使用する。会計装置200は、登録装置100において登録された顧客ごとの会計情報(顧客会計情報)をネットワーク300経由で受信し、会計情報の内容を表示する。顧客は、会計情報を確認して買上合計金額に応じた入金を行う。会計装置200は、この入金に応じて精算処理を行い、必要に応じて釣銭を払い出す。
【0013】
図2は、本実施の形態のセルフ会計POSシステムの使用例を模式的に示すもので、店舗において登録装置100および会計装置200が設置されている場所を平面方向からみたものである。
【0014】
登録装置100は、図示するようにチェックアウトカウンタ400の上に設置される。そして、オペレータ(店員)Sは、各々が登録装置100を操作可能な位置に立ち、会計処理をしてもらう顧客Cは、それぞれ、チェックアウトカウンタ400を挟んでオペレータSと対向する側に立つ。買上商品登録待ちの列は、図における最も左の登録装置100において動線に対応する波線にしたがった順となる。つまり、列の先頭が顧客Cであり、登録装置100の前に立っている状態である。その次が顧客Cwであり、顧客Cの左側に立って買上商品の登録を待っている状態である。
【0015】
顧客Cは、自分が購入したい商品を入れた買い物かごをチェックアウトカウンタ400に置いて、オペレータSが商品を登録してくれるのを待つ。このとき、本実施の形態において、登録装置100は、買上商品登録待ちで前に立っている顧客Cを撮像している。詳しいことは後述するが、オペレータSは、この顧客Cの顔を撮像した画像と会計情報とを対応付けるための操作を行ったうえで、この顧客Cが持ってきた買い物かごに入っている商品を登録する操作を行う。このために、オペレータSは、買い物かごに入っている商品のバーコードをスキャナ104により読み取っていくようにして商品を登録していく。
【0016】
そして、登録が完了すると、オペレータSは顧客Cに商品登録が完了したことと、精算のために会計装置200の場所に行ってもらうように伝える。本実施の形態の場合、この際に、顧客Cに対して二次元バーコードや会計番号が印刷された会計用伝票を渡すことはしない。つまり、本実施の形態の登録装置100は、会計用伝票を印刷して発行する機能を有さなくともよい。
【0017】
そして、顧客Cは、図において波線の矢印に示すように、商品登録後の商品を持って会計装置200にまで移動し、会計装置200の前に立つ。会計装置200は、その前に立った人を検知するセンサを備えており、人が前に立ったことを検知するのに応じて、この前に立っている顧客Cの顔を撮像して顧客画像データを生成する。そして、この顧客画像データとともにマスタの登録装置100に対して顧客会計情報における会計データを要求し、この要求に応じて受信した会計データに基づいて会計情報画面を表示する。顧客Cは、会計情報画面の内容を確認したうえで買上合計金額に応じた入金を行って精算する。この際に釣銭があれば、会計装置200から釣銭が排出されるので、それを受け取る。このように、本実施の形態のセルフ会計POSシステムでは、店舗において顧客自身が会計装置200を利用して買上商品についての精算を行うことができるようになっている。
【0018】
[登録装置の構成]
図3は、登録装置100の外観例を示している。なお、この図においては、図2に示したスキャナ104の部位については省略し、登録装置100の本体部のみを示している。スキャナ104は、登録装置100の本体部とは別にチェックアウトカウンタ400の上においてオペレータSが商品のバーコードを読み取らせることができるように設けられている。
【0019】
図3(a)は、オペレータS側からみた登録装置100の斜視図であり、図3(b)は、その反対側の顧客C側からみた登録装置100の斜視図である。この図に示す登録装置100は、タッチパネル付表示部106、撮像部107、操作部108を備えている。タッチパネル付表示部106はオペレータS側に向けられるようにして設けられ、オペレータSが操作するための各種操作画像を表示する。また、表示中の操作画像に対して行われた操作を受け付ける。操作部108は、例えば各種所定のキー、ボタンなどの操作子が設けられた部位であり、オペレータSが操作できるようにオペレータS側に設けられる。
【0020】
撮像部107は、例えばCCD(Charge Coupled Device Image Sensor)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどの撮像素子を備えて撮像を行う部位であり、商品登録してもらうために当該登録装置100の前に立っている顧客Cの顔が撮像範囲に収まるように配置される。
【0021】
図4は、登録装置100の構成例を示している。この図において、図1に示した構成に対応するブロックには同一の符号を付している。この登録装置100は、制御部101、記憶部102、RAM103、スキャナ104、通信部105、タッチパネル付表示部106、撮像部107および操作部108を備える。
【0022】
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)を含み、記憶部102に記憶されるプログラムを実行することにより、同図に示した各部を制御するものである。
【0023】
記憶部102は、補助記憶装置として機能するもので、制御部101により実行されるプログラムや商品ファイル等を格納するものである。商品ファイルは、商品名、販売価格等の商品情報を商品コードに関連付けてデータ構成したファイルである。この記憶部102には、例えばハードディスクなどが使用される。RAM103は、制御部101のCPUにより記憶部102から読み出されて実行されるプログラムやワークエリアが展開されるメモリである。また、RAM103には、記憶部102に格納された商品ファイルのデータが、プログラムの実行によって読み出されて展開される。通信部105は、制御部101の制御に応じて、ネットワーク300経由で通信を実行する部位である。
【0024】
スキャナ104は、商品に付されたバーコードが不図示のバーコード読取部にかざされると、バーコード読取部がバーコードをスキャンして商品コードを読み取り制御部101に送信するものである。操作部108は、オペレータSによって操作されるキーボードタイプの入力手段であり、テンキー、小計ボタン、現計ボタン等の商品登録作業および会計処理作業において使用されるキーが設けられている。操作部108からは、キー操作に応じた操作信号が制御部101に送信される。
【0025】
タッチパネル付表示部106は、オペレータSに操作させるためのタッチパネルを備えた表示装置である。タッチパネル付表示部106からは、タッチ操作に応じた操作信号が制御部101に送信される。
【0026】
制御部101は、タッチパネル付表示部106に、オペレータSが操作するための操作画面を表示させる。そして、制御部101は、スキャナ104から送信された商品コードを受信すると、その商品コードに基づいて商品ファイルから商品コードに関連付けられた商品情報を読み出して、顧客ごとの買上明細などの情報を格納した顧客会計情報としてRAM103のワークエリアに記憶させる。このように記憶された顧客会計情報は、ネットワーク300経由で会計装置200に送信され、会計装置200はこの顧客会計情報に基づいて会計処理を実行する。
【0027】
撮像部107は、撮像を行う部位である。制御部101は、撮像部107の撮像により生成された撮像画像信号を利用して、後述するように顔認識結果が反映されたモニタ画面を表示させたり、モニタ画面に対して指定された顔の画像データを生成する。このように生成された画像データは、次に説明するように顧客画像データとして顧客会計情報に含められて管理されるとともに、後述するようにタッチパネル付表示部106にて表示される顧客情報画面のインデックスにおいて貼り付け表示される。
【0028】
図5(a)は、RAM103のメモリマップを示している。同図に示すように、RAM103にはメモリマップ900で示されるデータ構造を有したワークエリアが展開される。そして、このワークエリアには、買上商品が登録済みの顧客ごとに対応する顧客会計情報が格納される顧客エリア910−1〜910Nと、これら顧客エリア910−1〜910Nのうちのいずれかを選択するための呼出ポインタ920とが含まれている。この呼出ポインタ920には、顧客エリア910−1〜910−Nの各記憶位置を指し示すアドレスが記憶されている。
【0029】
図5(b)は、1つの顧客エリア910において格納される顧客会計情報の構造例を示している。顧客会計情報は、顧客画像データ911と会計データ912から成る。顧客画像データ911は撮像部107による撮像画像信号から抜き出して形成した顧客の顔の画像データである。顧客画像データの顧客は、会計データ912において示される商品を買い上げた顧客と一致する。また、会計データ912は、顧客の買い上げた品名や個数、買上合計金額と、置数等の情報が記憶されている。
【0030】
[会計装置の構成]
続いて、会計装置200の構成について説明する。図6は、会計装置200の外観例を示している。この図に示す会計装置200は、タッチパネル付表示部205、撮像部206、人検知センサ207、電子マネーリーダ/ライタ208、釣銭釣札部209、印字部210を備える。
【0031】
図6において、タッチパネル付表示部205は、会計装置200を使用する顧客に対して、会計情報その他の所定の画像を表示する。また、表示された操作画像に対して行われた操作を入力する。
【0032】
撮像部206は、CCDやCMOSセンサなどの撮像素子を備えて撮像を行う部位である。この撮像部206は、会計装置200を使用するために会計装置200の前に立っている顧客の顔が撮像範囲に収まるように設けられる。
【0033】
人検知センサ207は、会計装置200の前に立つ人を検知するセンサである。この人検知センサ207に採用されるセンサについては特に限定されないが、例えば音波や電波の反射時間に基づくものなどを想定できる。また、人検知センサ207に代えて、撮像部206により撮像された画像に対する顔認識処理などを利用して会計装置200の前に人が立っていることを検知するようにしてもよい。
【0034】
電子マネーリーダ/ライタ208は、顧客が所有する電子マネー対応カードまたは電子マネー機能を備えた携帯端末と通信を行う部位である。顧客による電子決済の要望により用いられるものである。顧客は、電子マネー対応カードなどを利用して会計を行いたい場合には、例えばタッチパネル付表示部205に対する所定操作により、電子マネーリーダ/ライタ208を起動させる。そして、顧客は、電子マネーリーダ/ライタ208に電子マネー対応カードなどをかざして通信を行わせる。この通信に応じて、会計装置200は、買上合計金額を支払い金額として決済処理を行う。
【0035】
釣銭釣札部209は、図に例示するように会計装置200本体の下部前面に配置される。この硬貨出金口209a、硬貨入金口209bおよび紙幣入出金口209cを有している。硬貨出金口209aは、例えば図示するように会計装置200本体の前面下部中央部に配置され、その凹部から硬貨の釣銭が排出される。硬貨入金口209bは、例えば図示するように硬貨出金口209aの上部に配置され、上記とは別の凹部から硬貨が投入される。紙幣入出金口209cは、例えば図示するように硬貨入金口209bに向かって右側に配置され、紙幣が水平に投入/排出される。印字部210は、顧客の会計が完了したことに応じて、買上消費の明細、入金金額、釣銭の金額などの会計内容が印刷されたレシートを排出する部位である。
【0036】
図7は、会計装置200の構成例を示している。この図に示す会計装置200は、制御部201、記憶部202、RAM203、通信部204、タッチパネル付表示部205、撮像部206、人検知センサ207、電子マネーリーダ/ライタ208、釣銭釣札部209および印字部210を備える。
【0037】
制御部201は、CPU(Central Processing Unit)を含み、記憶部202に記憶されるプログラムを記憶することにより、同図に示した各部を制御する。記憶部202は、補助記憶装置として機能するもので、制御部201により実行されるプログラムや各種所定のデータを記憶する。RAM203は、制御部201のCPUにより記憶部202から読み出されて実行されるプログラムやワークエリアが展開されるメモリである。また、RAM203には、記憶部202に記憶されたデータにおける所定のデータが、適宜、プログラムの実行によって読み出されて展開される。通信部204は、制御部201の制御に応じて、ネットワーク300経由で通信を実行する部位である。
【0038】
タッチパネル付表示部205は、制御部201の表示制御に応じて所定の画像を表示する部位である。また、タッチパネルに対して行われた操作に応じた操作信号を制御部201に出力する。制御部201は、この操作信号の入力に応じた所定の処理を実行する。
【0039】
撮像部206は、前述のように撮像を行い撮像画像信号を出力する。制御部201は、撮像画像信号に対する画像信号処理として顔認識などを実行する。人検知センサ207は、前述のように会計装置200の前に立っている人を検出するように設けられる。より具体的には、撮像部206の撮像範囲に顔が収まるようにして会計装置200の近傍に位置している人を検出できるように設ける。そして、人検知センサ207は、その検出信号を制御部201に出力する。制御部201は、会計装置200の前に人が立っていることを示す検出信号が入力されるのに応じて、例えば上記撮像部206による顧客の顔の撮像をはじめとする会計に応じた所定の処理を開始させる。
【0040】
電子マネーリーダ/ライタ208は、制御部201の制御に応じて、前述のように決済のために電子マネー対応カードなどと通信を行う部位である。制御部201は、電子マネーリーダ/ライタ208から入力される電子マネー対応カードの情報に基づいて決済のための処理を実行することができる。
【0041】
釣銭釣札部209は、図6に示した硬貨出金口209a、硬貨入金口209bおよび紙幣入出金口209cを備え、制御部201の制御に応じて釣銭に関する所定の処理を実行部位である。制御部201は、釣銭釣札部209に硬貨の排出を指示する硬貨排出指示情報または紙幣の排出を指示する紙幣排出指示情報を供給する。また、制御部201は、釣銭釣札部209に投入された硬貨の金額を示す硬貨金額情報と投入された紙幣の金額を示す紙幣金額情報とを用いて、投入された硬貨の金額と投入された紙幣の金額とを加算し、投入された総額を計算する。また、制御部201は、後述するようにマスタの登録装置100から受信した顧客会計情報から買上総額を認識し、この買上総額から現在までに投入された総額を差分し、残額を算出することができる。また、制御部201は、買上総額と、現在までに投入された総額と残額をタッチパネル付表示部205に表示させる。これにより、顧客はあと幾ら金額を投入すべきか把握することができる。
【0042】
印字部210は、図6にて説明したレシートの排出部位を含み、制御部201の制御に応じて、顧客会計情報と、会計処理情報(顧客からの投入総額や釣銭の払い出し額などの情報を含む)に基づいて、会計内容を印刷したレシートを印刷する。そして、レシート排出部位から印刷したレシートを排出させる。
【0043】
[登録装置における商品登録動作例]
続いて、図8〜図10を参照して、オペレータSが登録装置100に対して行う商品登録操作手順と、これに伴ってタッチパネル付表示部106において表示される画像の態様例について説明する。
【0044】
まず、図8(a)はタッチパネル付表示部106において表示される操作画面500を模式的に示している。例えばこの図に示す操作画面500がタッチパネル付表示部106のほぼ全面において表示される。同図に示すように、操作画面500は、顧客情報画面501aと、顧客情報画面501bと、顧客情報画面501cとを重ねたような構造となっており、図示する例では顧客情報画面501aが最上面に表示されている。顧客情報画面501a〜501cに表示される情報は、例えばRAM103の第1〜第3顧客エリア910−1〜910−3に格納される顧客会計情報に基づいている。顧客情報画面501a〜501cの各々の下部にはインデックス(タブ)540a〜540cが設けられている。このインデックス540a〜540cのいずれかに対するタッチ操作を行うことに応じて、その操作されたインデックス540に対応する顧客情報画面501が最上面に表示される。また、ここでの図示は省略しているが、インデックス540a〜540cには、対応の顧客の顔を撮像した顧客画像が表示される。なお、インデックス540a〜540cに表示するキャラクタ画像については後述する。
【0045】
図8(b)は、顧客情報画面501aのエリア内容例を示している。なお、残る顧客情報画面501bと501cも同様のエリア内容であり、各エリアにおいて、対応の顧客の買上商品の登録内容が反映される。この図に示す顧客情報画面501aは、プリセットキーエリア510と、買上明細エリア520と、会計情報エリア530を有する。会計情報エリア530は、買上明細登録された商品別買上情報のうち最新の商品別会計情報に含まれる商品名を表示するための品名エリア531と、その商品の販売価格を表示するための金額エリア532と、顧客の買上個数を表示するための個数エリア533と、顧客に対する取引全体の買上合計金額を表示するための合計金額エリア534と、操作部108に対するキー操作、またはプリセットキーエリア510に対するタッチ操作によってバーコードが付されていない商品の入力が為された場合に、その額や入力された数量等を表示するための置数エリア535が含まれている。また、顧客情報画面501aの下側縁部には、インデックス540aが付されている。このインデックス540aに対する操作を行うと、顧客情報画面501a〜501cのうち、顧客情報画面501aが選択され、最上面に表示される。
【0046】
ここで、図10に示すように登録装置100の周囲に4人の顧客C1〜C4がいる状況を想定する。顧客C1は、既に買上商品の登録を終え、登録装置100から離れて会計装置200に向かっている。顧客C2は、買上商品登録待ちの列の先頭に並んでおり、これからオペレータSに買上商品の登録をしてもらう状態である。また、顧客C3は、買上商品登録待ちの列において、顧客C2の次に並んでいる状態である。顧客C4は、顧客C3の同伴者である。
【0047】
上記の状況のもとで、図8に示した操作画面500において顧客情報画面501aには、買上商品登録を終えた顧客C1の会計情報が登録されており、その会計情報の内容が反映されているものとする。これに対して顧客情報画面501bと501cは未だ登録が行われていない空の状態であるとする。
【0048】
この状態のもとで、オペレータSは、これから顧客Cの買上商品の登録を行うにあたり、空の顧客情報画面501bと501cのいずれかを使用することができる。ここでは、オペレータSは、顧客情報画面501bを選択したものとする。そこで、オペレータSは、顧客情報画面501bに対応するインデックス540bに対するタッチ操作を行う。これにより、顧客情報画面501a〜501cのうち、顧客情報画面501bが最上面に表示される状態となる。そのうえで、本実施の形態では、上記のように未登録の顧客情報画面501を選択するのに応じて、そのときに撮像部107において撮像されているモニタ画面600をタッチパネル付表示部106に表示させることとしている。
【0049】
図9は、タッチパネル付表示部106に上記モニタ画面600が表示されたときの状態を示している。この図のモニタ画面600は、例えば上記の操作により表示された顧客情報画面501bの上に対してさらに重畳されるように表示されている。
【0050】
図10には、このときの顧客C1〜C4の位置と撮像部107の撮像範囲700との関係が示されている。この図によると、撮像範囲700において、左から右にかけて順に、顧客C2、顧客C4、顧客C3の順で収まっており、顧客C1のみが撮像範囲700から外れている。また、図10において、撮像部107からの顧客C2の被写体距離をL1として、顧客C3の被写体距離をL2として、顧客C4の被写体距離をL3として示している。撮像部107からの被写体距離は、すなわち、登録装置100に対する距離に相当する。この場合、買上商品登録待ちの列の先頭の顧客C2が登録装置100に最も近い。次に、買上商品登録待ちの列の2番目に並んでいる顧客C3が近く、この顧客C3に同伴している顧客C4が最も遠い。したがって、距離L1、L2およびL3は、L1<L2<L3の関係を有している。
【0051】
図9(a)のモニタ画面600には、上記図10に応じた画像が表示されている。つまり、モニタ画面600の左から右にかけて顧客C2、C4、C3の順で表示されている。また、このモニタ画像に表示される画像に対しては顔認識処理が実行され、認識した顔の画像部分を囲うように顔認識枠610が配置表示される。この場合には、顧客C2、C3、C4の顔がそれぞれ認識されており、これに応じて、顧客C2、C3、C4の顔の部分に対して、それぞれ顔認識枠610a、610bおよび610cが配置されている。そのうえで、これらの顔認識枠610a、610bおよび610cの各枠線は、撮像部107に最も近い顔に対応するものが他よりも太く表示されるようになっている。したがって、図9(a)の場合は、顧客C2の顔認識枠610aが最も太く表示される。なお、撮像部107と被写体の顔との距離は、撮像部107が備える測距機能を利用して認識すればよい。
【0052】
オペレータSは、モニタ画面600において複数の顧客が写っている状態であっても、最も太い線による顔認識枠610aにより囲まれている顔の画像が、買上商品登録待ちの列の先頭に並んでいる顧客C2であることを的確に認識できる。そこで、オペレータSは、この顔認識枠610aの枠内に対してタッチ操作を行う。この操作に応じて、図9(a)において示すように、顧客Cに対応して選択された顧客情報画面501bのインデックス540bにおいて、顧客画像(顧客撮像画像)550bが表示される。この顧客画像550bは、オペレータSがタッチ操作を行った顔認識枠610aにて表示されていた画像、つまり、顧客C2の顔の画像を縮小したものとなる。
【0053】
図9(b)は、上記のように顧客Cの顔に対応する顔認識枠610aに対するタッチ操作を行った後における、インデックス540a〜540cの画面部分を拡大して示している。インデックス540aには、顧客C2の前に買上商品登録を済ませた顧客C1の顔の顧客画像550aが表示されている。そして、インデックス540bには、顧客C2の顔の顧客画像550bが表示されている。残るインデックス540cは、顧客が未登録であることに応じて顧客画像は表示されていない。なお、このように、新規に顧客C2が顧客情報画面501bに登録されると、それまで表示されていたモニタ画面600の表示は終了し、操作画面500が表示される。この操作画面500においては、顧客Cに対応付けられた顧客情報画面501bが最上面に表示されている。
【0054】
オペレータSは、上記のように顧客情報画面501bが表示された状態で、顧客Cの買上商品のバーコードをスキャナ104によりスキャンするように登録操作を行っていく。この登録操作が行われると、例えばメモリマップ900における第2顧客エリア910−2に顧客Cの買上商品が顧客画像(顧客撮像画像)550bに紐付けされて随時格納される。そして、オペレータSは、すべての買上商品の登録を終えると、現計キーまたは登録完了キーを操作する。これに応じて、顧客Cに対応する顧客会計情報が、例えばメモリマップ900における第2顧客エリア910−2に登録完了した一取引のデータとして格納される。
【0055】
例えば、登録装置100に対する買上商品の登録は、買上商品登録待ちの列に並んでいる順番通りに行われるとは限らない。具体的には、図10の顧客C1が、買い忘れた商品に気づき、商品を売り場まで取りに行くために登録装置100を離れたような場合を想定することができる。この場合、オペレータSは、この顧客C1の買上商品登録を一旦完了させて、次に並んでいた顧客C2の買上商品登録を先に行うことになる。そして、顧客C1が商品を持って戻ってきたのに応じて、オペレータSは、顧客C1に対応のインデックス540aを選択して顧客情報画面501aを呼び出し、改めて登録を再開する。このように、買上商品の登録は、複数の顧客の間で前後し得る。
【0056】
上記のような状況において、オペレータSは、顧客C1が商品を取って戻ってくるのに応じて、顧客C1と同じ顔の顧客画像550が表示されているインデックス540を探すことになる。この際、本実施の形態の顧客画像550は、顧客の顔を撮像したものであるため、オペレータSは、顧客画像550aが顧客C1に対応するものであることを確実に認識することができる。そして、顧客画像550aが表示されたインデックス540aを操作して、顧客C1の顧客情報画面501aを呼び出すことができる。つまり、本実施の形態においては、オペレータSが、他の顧客の顧客情報画面501を間違えて呼び出して商品の追加登録などを行ってしまうことを有効に防止することができる。
【0057】
[会計装置の会計動作例]
次に、会計装置200の会計動作の流れについて説明する。先に図2にて説明したように、顧客Cは、オペレータSに買上商品の登録をしてもらった後に、自分で精算をするために会計装置200のところに赴く。そして、会計装置200を操作可能できる程度にまでその前に近づくと、人検知センサ207によって検知が行われ、これに応じて、撮像部206により、この会計装置200の前に立った顧客の撮像が行われる。そして、会計装置200は、この撮像された画像から顧客の顔の画像データを生成し、この顔の画像データとともに、顧客会計情報のリクエストをマスタの登録装置100に送信する。
【0058】
マスタの登録装置100は、すべての登録装置の顧客会計情報を記憶しており、この顧客会計情報のうちから、受信した画像データと同じ顧客の顔の顧客画像データ911を含む顧客会計情報を検索し、会計装置200に返送する。
【0059】
会計装置200は、受信した顧客会計情報に含まれる顧客画像データ911を利用して、タッチパネル付表示部205に本人確認画面810を表示する。図11(a)は、タッチパネル付表示部205に表示される本人確認画面810の一例を示している。この図に示す本人確認画面810においては、顧客画像表示エリア811、「はい」ボタン812および「いいえ」ボタン813が表示されている。
【0060】
顧客画像表示エリア811には、受信した顧客会計情報に含まれる顧客画像データ911の画像が表示される。つまり、登録装置100側にて撮像された顧客の顔の画像が表示される。顧客Cは、顧客画像表示エリア811に表示される顔が自分であるかどうかを確認する。そして、顧客Cは、自分自身であれば「はい」ボタン812に対するタッチ操作を行い、自分自身でなければ「いいえ」ボタン813に対するタッチ操作を行う。
「いいえ」ボタン813に対する操作が行われた場合、会計装置200は、再度、撮像部206により顧客Cの撮像を行って顧客の顔の画像データを生成する。そして、生成した顔の画像データとともに顧客会計情報のリクエストを、再度、マスタの登録装置100に対して送信する。マスタの登録装置100は、これに応答して、例えば前回とは異なる顧客会計情報を検索して顧客の顔の画像データが照合されると返送する。
【0061】
一方、「はい」ボタン812に対する操作が行われた場合、会計装置200は、本人確認画面810の表示を消去する。そして、受信した顧客会計情報における会計データ912の内容を反映した会計情報画面820を、タッチパネル付表示部205に表示する。図11(b)は、タッチパネル付表示部205に表示される会計情報画面820の一例を示している。この図に示す会計情報画面820においては、金額表示エリア821、現金支払い指定ボタン822およびクレジットカード支払い指定ボタン823が表示されている。金額表示エリア821は、顧客が支払うべき買上合計金額が示される。この買上合計金額は、受信した顧客会計情報に基づいて表示される。また、現金支払い指定ボタン822は、顧客が現金支払いによる精算を行う場合に、その旨を指定するためにタッチ操作を行うボタンである。クレジットカード支払い指定ボタン823は、顧客がクレジットカードにより精算を行う場合に、その旨を指定するためにタッチ操作を行うボタンである。
【0062】
顧客は、現金支払い指定ボタン822およびクレジットカード支払い指定ボタン823のいずれかに対するタッチ操作を行ったうえで、その後において表示される案内にしたがって、現金またはクレジットカード(電子マネーカードを含む)により精算を行う。そして、会計が完了すると、会計装置200は、レシートを発行する。顧客は、レシートを受け取って会計装置200を離れればよい。
【0063】
また、会計の完了に応じて、会計装置200は、登録装置100に対して例えば会計データを識別する情報とともに会計完了の通知を行う。この通知に応じて登録装置100は、会計が完了した会計データに対応する顧客会計情報をRAM103からクリアする。これに応じて、登録装置100は、このクリアされた顧客会計情報の内容が反映されていた顧客情報画面501の内容が消去されて空の状態の表示に変更する。また、この顧客情報画面501に対応するインデックス540に表示されていた顧客画像550も消去した表示に変更する。
【0064】
このようなセルフ会計POSシステムの構成の場合、顧客Cに対応して登録された顧客会計情報は、その顔を撮像した画像データを識別子として特定することができるため、従来のように、用紙に印刷された二次元バーコードや会計番号を会計装置200に読み込ませたり入力したりする必要がない。これにより、顧客は、短時間で円滑に精算を済ませることができる。また、登録装置100において二次元バーコードを用紙に印刷する必要もなくなるために、店舗にとってはコスト的にも有利となる。また、会計装置200は、精算に際して会計情報画面820に先だって本人確認画面810を表示し、顧客Cに本人確認のための操作を促すようにされている。これにより、登録装置100において画像データの照合を誤って、顧客Cに対応しない顧客会計情報を送信してきた場合であっても、 この顧客会計情報によって代金支払いが行われてしまうような不都合を回避できる。
【0065】
さらに、会計の完了に応じて、登録装置100側で、その会計を完了させた顧客に対応する顧客情報画面501および顧客画像550の表示がクリアされる。これにより、オペレータSは、登録装置100の前に居ながらにして、自分が登録した顧客についての精算の状況を的確に把握できる。また、例えば顧客が不正をはたらいて、精算せずに退店してしまったような状況も把握することができ、防犯にも有効である。また、会計の完了に応じて空の顧客情報画面501が形成されることになるので、オペレータSは、新規に買上商品の登録を行おうとする場合、すぐに空きの顧客情報画面501を呼び出すことができるので登録作業も効率よく行っていくことができる。
【0066】
[登録装置の処理手順例]
図12および図13のフローチャートを参照して、登録装置100が実行する処理手順例について説明する。なお、この図に示す処理は、制御部101がプログラムを実行することにより実現されるものとしてみることができる。
【0067】
図12は、買上商品の登録に関連する処理手順例を示している。図12において、制御部101は、ステップS101により撮像部107による撮像を実行させる。なお、このステップS101による撮像は、登録装置100の動作中において継続して行われるようにしてよい。
【0068】
次に、制御部101は、ステップS102において、オペレータSにより行われるインデックス540を選択してタッチする操作を入力すると、ステップS103において、今回選択されたインデックス540に対応する顧客情報画面501は新規のものであるか否かについて判定する。ここで、新規である場合には、ステップS104に進み、新規ではない場合には、ステップS106に進む。
【0069】
ステップS104において、制御部101は、タッチパネル付表示部106において、選択されたインデックス540に対応する顧客情報画面501を最上面に表示させたうえで、その全面に対してさらに、モニタ画面600を表示させる。この際、制御部101は、撮像画像の顔認識処理を実行し、その認識結果に基づいて、モニタ画面600に顔認識枠610を重畳表示させる。
【0070】
次に、制御部101は、ステップS105において、オペレータSの顔認識枠610に対するタッチ操作に応じて、ステップS102において選択されたインデックス540に対して顧客画像550を表示させる。これにより、会計データ912に顧客画像550の画像データが顧客画像データ911として対応付けられ、顧客会計情報が登録される。この顧客会計情報の登録にあたり、制御部101は、RAM103のメモリマップ900において、選択されたインデックス540に対応する顧客エリア910を顧客会計情報の格納領域として確保する。
【0071】
ステップS106において、制御部101は、今回選択されたインデックス540の顧客情報画面501のステイタスが、登録中(買上商品の登録が完了していない)状態であるか否かについて判定する。ここで登録中であると判定した場合、ステップS107の処理を経てステップS109に進み、登録中ではないと判定した場合にはステップS108の処理を経てステップS109に進む。
【0072】
ステップS107において、制御部101は、オペレータSによる買上商品の登録操作に応じて買上商品の登録処理を実行していく。この際、制御部101は、ステップS105において登録した顧客会計情報における会計データ912に、登録された買上商品の情報(商品名、価格など)を追加登録していく。一方、ステップS108に進んだ場合、選択されたインデックス540に応じて呼び出された顧客情報画面501は登録が完了しており、これが再び呼び出されたことになる。そこで、制御部101は、ステップS108において、今回呼び出された顧客情報画面501が最上面となるように再表示するための制御を実行する。
【0073】
ステップS109において、制御部101は、登録完了操作が行われたか否かについて判定する。登録完了操作は、例えば操作部108における現計キーや登録完了キーなどに対する操作となる。ここで、登録操作が行われたと判定した場合には、ステップS113に進む。
【0074】
これに対して、登録完了操作が行われないと判定した場合、制御部101は、さらにステップS110において、操作部108における訂正キーに対する操作が行われたか否かについて判定する。訂正キーの操作が行われると、ステップS108において表示された登録完了状態の顧客情報画面501のステイタスは再び登録中となって、買上商品の追加、商品の個数や価格の訂正を行うことができる。
【0075】
ステップS110において訂正キー操作が行われたと判定した場合、制御部101は、ステップS111においてオペレータSによる追加登録や訂正の操作に応じた処理を実行する。この際、追加や訂正の操作が行われる都度、対応の会計データ912は、追加や訂正の結果が反映されるようにその内容が変更される。ステップS111の処理の後はステップS107に戻る。
【0076】
これに対して、他のインデックス540を選択するためのタッチ操作が行われた場合には、制御部101は、ステップS110において訂正キーに対する操作が行われないと判定し、ステップS112に進む。ステップS112において、制御部101は、ステップS110に対応するインデックス540に対するタッチ操作の前に選択されていた顧客情報画面501のステイタスを登録中にして、一旦保留状態とする。また、ステップS110に対応するインデックス540に対するタッチ操作に応じて新たに選択された顧客情報画面501を呼び出すためのアドレスを呼出ポインタ920から読み出してセットし、ステップS113に進む。これにより、新たに選択された顧客情報画面501を最上面に表示させてアクティブの状態とすることができる。
【0077】
ステップS109からステップS113に至った場合、制御部101は、ステップS103において、今回登録が完了した顧客情報画面501以外で、登録中のステイタス(一時保留)になっているポインタがセットされている顧客情報画面501が存在するか否かについて判定する。また、ステップS112からステップS113に至った場合、制御部101は、ステイタスが登録中の顧客情報画面501が存在するか否かについて判定する。
【0078】
そして、上記ステップS113において、登録中の顧客情報画面501が存在すると判定した場合、制御部101は、ステップS101に戻り、存在しないと判定した場合はステップS114に進む。ステップS114において、制御部101は、終了操作などに応じて終了すべきか否かについて判定し、終了すべきであると判定されない限りは、ステップS101に戻る。
【0079】
これに対して、終了すべきであると判定したのであれば、ステップS115に進む、ステップS115において、制御部101は、所定の終了処理を実行して終了させる。この際、図示は省略するが、セルフ会計POSシステムにおいて、登録装置100に上位の管理装置が接続される構成を採っているのであれば、マスタの登録装置100は、上位の管理装置に対して必要なデータを送信してから終了する。例えば、マスタの登録装置100の記憶部102には、最後の起動時から現時点までのすべての登録装置100における顧客会計情報の履歴が記憶されている。例えばマスタの登録装置100の制御部101は、このデータを上位管理装置に送信させるための制御を実行し、データの送信完了を確認した後に終了する。
【0080】
図13のフローチャートは、登録装置100の制御部101が会計装置200から送信されるデータに応じて実行する処理手順例を示している。ステップS201において、制御部101は、会計装置200からネットワーク300経由で送信されるデータが受信されるのを待機している。そして、データを受信するのに応じて、制御部101は、ステップS202以降の手順に進む。
【0081】
会計装置200から登録装置100に対して送信されるデータは、顧客会計情報リクエスト(例えば、会計装置200を識別する識別情報(例えば、機械固有の番号あるいはIPアドレス等)と顧客の顔の画像等)または会計完了通知(例えば、会計装置200を識別する識別情報(例えば、機械固有の番号あるいはIPアドレス等)と顧客の顔の画像と会計完了フラグ等)のいずれかとなる。そこで、制御部101は、ステップS202において、受信したデータが顧客会計情報リクエストであるか否かについて判定し、顧客会計情報である場合にはステップS203に進み、顧客会計情報でない場合には、ステップS205に進む。
【0082】
ステップS203において、制御部101は、メモリマップ900の顧客エリア910の顧客会計情報のうちから、1つの顧客会計情報を検索する。つまり、顧客会計情報リクエストとともに送信された顧客画像データと同じ顔が存在する顧客画像データ911を有する顧客会計情報を検索する。この検索では、会計装置200より受信した顧客の顔の画像データと登録装置100で撮像し登録した顧客の顔の画像データとの一致性が高い(例えば、これら二つの顔の画像データをアウトライン化(顔の外観及び目鼻口耳や頭髪等を輪郭化)し、目鼻口耳等の顔全体における座標位置、各部位同士の距離や間隔、各部位のサイズ(顔全体に占める各々の部位面積とその位置関係等)、及び、各部位の面積比等を演算処理し対比させて本人であるか否かの一致度とその誤差とを算出し、その算出した一致度(数値)が最大値で誤差が最小の場合に一致性が高いとする)顧客の顔の画像データに紐付けられた顧客会計情報を読出す。そして、制御部101は、ステップS204において、この検索した顧客会計情報を、顧客会計情報リクエストの要求元(前記受信した会計装置200を識別する識別情報)の会計装置200に対してネットワーク300経由で送信する。ステップS204の処理を実行した後は、ステップS201に戻る。
【0083】
一方、ステップS205において制御部101は、会計完了通知を受信したか否かについて判定する。ここで、会計完了通知の受信ではないと判定した場合には、受信データは、顧客会計情報リクエストと会計完了通知のいずれでもない、他の何らかのデータ(例えば、前記顧客が会員である場合、当該顧客の会員ポイントの残高問い合わせや、会員向け価格の問い合わせ等)であることになる。この場合には、このデータの受信に応じた他のルーチンに処理を引き継がせたうえで、ステップS201に戻る。これに対して、ステップS205において会計完了通知を受信したと判定した場合、制御部101は、ステップS206において、受信した会計完了通知に含まれる顧客の顔の画像に基づいて前記顧客に対応する顧客会計情報をクリアする。これに応じて、制御部101は、クリアされた顧客会計情報の内容が反映されていた顧客情報画面501についてもその内容をクリア(消去)して空の状態により表示させる。さらに、顧客情報画面501のインデックス540において表示されていた顧客画像550も消去する。このステップS206の処理を実行した後は、ステップS201に戻る。
【0084】
[会計装置の処理手順例]
続いて、図14のフローチャートを参照して会計装置200が実行する処理手順例について説明する。この図に示す処理は、会計装置200における制御部201がプログラムを実行することにより実現されるものとしてみることができる。
【0085】
制御部201は、ステップS301において、人検知センサ207により当該会計装置200の前に人がいることが検知されるのを待機している。そして、制御部201は、人がいることが検知されたことを判定すると、ステップS302において、撮像部206を起動させる。そして、撮像部206により撮像して得られる撮像画像信号から、精算のために会計装置200の前に立った人、すなわち、顧客の顔を認識する。そして、認識した顔の画像部分を抜き出して顧客画像データ生成する。
【0086】
次に、制御部201は、ステップS303において、通信部204を制御して、マスタの登録装置100に対して、顧客会計情報リクエストを送信する。この顧客会計情報リクエストには、ステップS302において生成した顧客画像データとリクエストした会計装置200を識別する識別情報等を含む。つまり、顧客会計情報リクエストは、当該会計装置200の前に立った顧客の顧客会計情報を要求している。
【0087】
上記顧客会計情報リクエストの送信に応答して、登録装置100からは、図13のステップS204により顧客会計情報が送信されてくる。制御部201は、ステップS306において、受信した顧客会計情報に基づいて図11(a)に示した本人確認画面810をタッチパネル付表示部205に表示させる。
【0088】
本人確認画面810を表示させた状態において、「いいえ」ボタン813が操作された場合、制御部201は、ステップS305において、本人であることの確認が得られなかったと判定する。この場合、制御部201は、ステップS302に戻る。これにより、会計装置200は、再度、顧客Cの画像を撮像し、顧客会計情報のリクエストを再送信することになる。これに応じて、顧客会計情報を再度検索する。この際、登録装置100は、フローチャートなどによる説明は省略するが、前回とは異なる顧客会計情報が検索されるように検索のアルゴリズムを変更する。
【0089】
これに対して、「はい」ボタン812が操作された場合、制御部201は、ステップS305において、本人であることの確認が得られたと判定する。この場合、制御部201は、ステップS306において、受信した顧客会計情報に基づいて会計情報画面820をタッチパネル付表示部205に表示させる。
【0090】
そして、会計情報画面820における現金支払い指定ボタン822に対するタッチ操作が行われた場合、制御部201は、図14のステップS307の会計処理として、釣銭釣札部209からの入金を受け付け、入金された金額に応じて精算処理を行う。また、クレジットカード支払い指定ボタン823に対するタッチ操作が行われた場合、制御部201は、ステップS307の会計処理として、電子マネーリーダ/ライタ208を利用してクレジットカードによる精算処理を実行する。
【0091】
上記のようにステップS307による会計処理が終了すると、制御部201は、ステップS308において、印字部210に今回の会計処理に応じたレシートを印刷させ、この印刷されたレシートを排出させる。そして、このステップS308の処理を終了すると、制御部201は、ステップS309において、通信部204を制御して会計完了通知(例えば、会計装置200を識別する識別情報(例えば、機械固有の番号あるいはIPアドレス等)と顧客の顔の画像と会計完了フラグ等)を送信する。この会計完了通知の受信に応答して、登録装置100は、図13のステップS206の処理を実行する。
【0092】
なお、これまでの説明において、操作画面500を形成する顧客情報画面501は3つとしているが、これ以上とすることも可能である。この場合の具体例としては、次のようなものを考えることができる。例えば初期表示において操作画面500として3つの顧客情報画面501a〜501cが表示されるが、これら3つの顧客情報画面501にすべて顧客が登録され、かつ、会計が完了していないとする。この状態からさらに顧客が登録されたとすると、例えば一番左側の顧客情報画面501aのインデックス540aと同じ位置にインデックスが付された顧客情報画面501が、顧客情報画面501aの後に順次蓄積されていくようにする。例えば4番目の顧客の顧客情報画面501が登録された段階では、顧客情報画面501b、501cは空となり、顧客情報画面501aの後側に、顧客が登録された3つの顧客情報画面501が配置される。これら3つの顧客情報画面501の最後が、上記4番目の顧客に対応するものとなる。
【0093】
また、上記実施の形態では、顧客と、顧客会計情報および顧客情報画面などを対応付けるために顧客画像データを用いているが、これ以外の用途も考えられる。例えば、何らかの理由で会計を済ませることなく退店してしまった顧客を追跡するなどの不正利用対策に用いることもできる。この場合、例えばマスタの登録装置100は、会計が完了していない顧客の顧客会計情報を記憶していることから、再来店の際に、前回と今回の分とを合わせて精算を行ってもらうようにすることも容易に実現できる。
【0094】
また、実施の形態においては、顧客情報画面501の下側にインデックス540を設けることとしているが、顧客情報画面501の側面や上側に設けるようにしてもよい。また、登録用のインデックス540とともに、会計待ちに対応したインデックスも設けることとして、これらを、それぞれ、例えば顧客情報画面501の上側と下側に設けるようにすることも考えられる。また、左右それぞれ、あるいは上下それぞれにインデックスを設ける場合などは、左右あるいは上下のそれぞれに応じて、その役割を分けて表示させるようにすることも可能である。
【0095】
また、顧客を識別するための生体情報について、顔を撮像した画像(顧客撮像画像)のほかに、例えば指紋、静脈、瞳などの情報を用いることも考えられる。
【0096】
また、実施の形態においては、会計装置200は、受信した顧客会計情報に含まれる顧客画像データ911を利用して、タッチパネル付表示部205に本人確認画面810を表示するようにしているが、これに限らず、会計装置200における、本人確認画面810を「表示する」、或いは、「表示しない」の設定において、「表示しない」に設定された場合は、前記本人確認画面810を表示させることなく、会計装置200の表示部205に会計情報画面820を表示させるようにしてもよい。このように前記本人確認画面810を「表示しない」の設定の場合は、登録装置100で顧客の顔の画像に基づき照合されて送信される顧客会計情報に、顧客の顔の画像を含めないで会計装置200へ送信するようにしてもよい。
【0097】
また、実施の形態においては、会計装置200と登録装置100との間でやりとりされる情報として、顧客会計情報のリクエストおよび会計完了通知の例を示したが、これに限らず、例えば、会計装置200の前に居る顧客が会員で有るか否かの問い合せ、及び会員ポイントの残高の問い合せや会員向け価格の問い合せ等を、前記顧客の顔の画像にて登録装置100(マスタレジ)へ問い合せを行い、登録装置100(マスタレジ)において、記憶する会員データを前記受信した顧客の顔の画像に基づいて照合し、前記顧客の顔の画像と合致する会員データより問い合せに対応する情報を前記会計装置200へ送信するようにしてもよい。
【0098】
また、実施の形態においては、会計装置200が登録装置100(マスタレジ)へ顧客会計情報のリクエストおよび会計完了通知を行なう例を示したが、これに限らず、例えば、データを統括する管理装置(例えば、ネットワーク上のストアコントローラやクラウドサーバ等)であってもよい。この場合、登録装置100および会計装置200は、管理装置が統括するネットワーク下にクライアントとして接続される。また、登録装置100と会計装置200とが一対一で対応付けされている場合は、顧客会計情報のリクエストおよび会計完了通知は対応付けられた登録装置100に自動的に送信されることになる。
【0099】
また、本実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えることができる。また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラムまたはそのプログラムを記憶する記録媒体として捉えることができる。この記録媒体としては、例えば、ブルーレイディスク(Blu−ray Disc(登録商標))、DVD(Digital Versatile Disk)、HDD(ハードディスク)、メモリカード等を挙げることができる。
【符号の説明】
【0100】
100 登録装置
101 制御部
102 記憶部
103 RAM
104 スキャナ
105 通信部
106 タッチパネル付表示部
107 撮像部
108 操作部
200 会計装置
201 制御部
202 記憶部
203 RAM
204 通信部
205 タッチパネル付表示部
206 撮像部
207 人検知センサ
208 電子マネーリーダ/ライタ
209 釣銭釣札部
210 印字部
500 操作画面
501 顧客情報画面
540 インデックス
550 顧客画像
600 モニタ画面
610 顔認識枠
911 顧客画像データ
912 会計データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客の買上商品情報を登録する登録装置と、前記顧客によって代金の精算が行われる会計装置から成り、
前記登録装置は、
前記顧客の生体情報を取得する第1の生体情報取得手段と、
前記顧客の買上商品情報と当該顧客の前記生体情報を対応付けて登録する登録手段とを備え、
前記会計装置は、
前記顧客の生体情報を取得する第2の生体情報取得手段と、
前記第2の生体情報取得手段により取得された生体情報に対応付けられた前記買上商品情報を前記登録装置から取得する買上商品情報取得手段と、
取得した前記買上商品情報を利用して代金に応じた会計処理を実行する会計手段と、
を備えることを特徴とするセルフ会計POSシステム。
【請求項2】
前記登録装置は、
前記第1の生体情報取得手段において前記生体情報として前記顧客を撮像した顧客撮像画像を取得するための第1の撮像部と、
前記買上商品情報の登録内容を顧客ごとに切り替えて表示させるための選択操作が行われるインデックスを表示する表示手段と、
前記登録手段において前記顧客の買上商品情報と当該顧客の顧客撮像画像とを対応付けた顧客会計情報を記憶する記憶部とをさらに備え、
前記会計装置は、
当該会計装置の近傍に位置する前記顧客を検知する検知手段と、
前記第2の生体情報取得手段において前記生体情報として前記顧客を撮像した顧客撮像画像を取得するための第2の撮像部とをさらに備え、
前記検知手段により前記顧客が前記会計装置の近傍に位置することを検知したのに応じて前記第2の撮像部により前記顧客を撮像して顧客撮像画像を取得し、
前記買上商品情報取得手段は、前記第2の撮像部で取得した顧客撮像画像に基づいて前記顧客撮像画像に対応付けられた前記買上商品情報を前記登録装置から取得する、
ことを特徴とする請求項1に記載のセルフ会計POSシステム。
【請求項3】
前記第1の生体情報取得手段は、前記第1の撮像部により撮像された画像における複数の顧客のうちから選択された顧客の顧客撮像画像を取得し、
前記表示手段は、当該取得された顧客撮像画像を、選択されているインデックスに表示させる、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のセルフ会計POSシステム。
【請求項4】
前記表示手段は、前記会計装置からの会計処理の完了の通知に応じて、当該完了が通知された会計処理に対応する顧客の買上商品情報の内容を消去し、当該買上商品情報に対応するインデックスにおいて表示されていた顧客撮像画像を消去する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のセルフ会計POSシステム。
【請求項5】
前記会計装置は、前記第1の生体情報取得手段で取得した生体情報を表示して顧客に本人確認を促す本人確認手段をさらに備え、
前記会計手段は、前記認証手段により本人であることの確認が為されたのに応じて、取得した前記買上商品情報を表示させ、
前記買上商品情報取得手段は、前記認証手段により本人であることの確認が為されなかったのに応じて、前記第2の生体情報取得手段により、前記生体情報を再取得させ、当該再取得された生体情報に対応付けられた前記買上商品情報を前記登録装置から取得する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のセルフ会計POSシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−248162(P2012−248162A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−121850(P2011−121850)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000145068)株式会社寺岡精工 (317)
【Fターム(参考)】