説明

セルフ写真プリント装置

【課題】プリント処理の対価が決済カードの決済可能額を超えた場合でも、手間を掛けずに決済方法の変更を実現する。
【解決手段】プリント処理の対価が決済カードCa、Cbの決済可能額を超えた場合には、オーダデータ取得処理手段34で取得したオーダデータを保存したまま、その決済カードCa、Cbに代えて他の決済方法を一覧化して液晶ディスプレイ2に選択可能に表示し、この液晶ディスプレイ2から選択された決済方法での決済を実現する決済方法変更手段24を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メディアに記録された画像データを取得する画像データ取得部と、顧客の操作に基づいてプリント処理に必要なオーダデータを取得するオーダデータ取得部と、このオーダデータ取得部で取得したオーダデータに基づきプリント媒体に対して前記画像データのプリント処理を行うプリント処理部と、このプリント処理の対価の決済を実現する課金管理部とを備えているセルフ写真プリント装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のように構成されセルフ写真プリント装置と類似するものとして、特許文献1と特許文献2に示されるものが存在する。
【0003】
特許文献1は、顧客がデジタルカメラで撮影した画像情報を受付け、この画像情報を表示部に表示し、このように表示された画像情報からプリントとして必要なものを顧客が選択し、更に、プリントの使用目的(「高品位プリント」「クイックプリント」「証明写真(プリント)」「アルバム作成(プリント)」など)が処理メニューとして選択可能に表示され、この表示に従って顧客が選択した使用目的に応じた画像処理が実行され、この後、表示部に料金が表示されるので、この表示に沿って紙幣投入口あるいは硬貨投入口に投入を行うことで、投入金額が判定され、釣り銭の払い出しが必要である場合には、釣り銭が釣り銭放出口に放出され、プリント処理が実行される。このようなセルフ写真プリント装置は、無人で営業できるために、営業人件費が抑制されることや、24時間営業が可能であるという多くの利点をもっている。
【0004】
特許文献2は、メインメニュー画面において、サービスの利用に対する課金の種類(コインラック、Felicaカード、Debitカードの何れであるかの種類)を顧客が選択した後に、サービスとしてコピーを選択した場合には印刷枚数や用紙サイズ、あるいは、モノクロ、カラーの何れであるかに基づいて課金金額を計算するように処理形態が設定されている。また、サービスとしてFAXを選択した場合にも同様に課金金額を計算し、この後にモジュールプログラムによって課金処理が実行される。この課金処理では、複数の課金装置のうちの1つ又は複数により課金を実行することが可能であり、複数種の課金の残金を残金表示画面に表示することや、複数種の課金に優先順位を設定して、支払い順序選択画面に表示し、これらの表示に基づいて、課金を選択することも可能である。
【0005】
【特許文献1】特開2000−006490号公報 (段落番号〔0020〕〜〔0033〕、〔0051〕〜〔0058〕、図2、図4、図5)
【特許文献2】特開2006‐072451号公報 (段落番号〔0032〕〜〔0045〕、図1〜図9)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように構成されたセルフ写真プリント装置において、顧客がクレジットカードやプリペイドカード等のカード類(以下、決済カードと称する)を用いてプリント代金(プリント処理の対価)を決済することも考えられる。クレジットカードは、少額決済の場合にはサインレスであるが、支払い額が設定された上限を超える場合にはサインを必要とするものもある。また、プリペイドカードではカードの残金が決済可能な金額となる。
【0007】
尚、クレジットカード、プリペイドカードの何れも非接触ICカード化されたものが開発されつつあり、このように非接触ICカード化されたものでは、決済カードをリーダ・ライタに接近させるだけで、短時間のうちに決済カードとリーダ・ライタとの間で情報の読み書きが行われ、決済が実現する。特に、近年の携帯電話機では非接触ICカードと同様に携帯電話機をリーダ・ライタに接近させることにより決済を実現するものも存在し、この種の携帯電話機においてもサインレスで決済可能な支払い額の上限を設定することも想定されている。
【0008】
セルフ写真プリント装置では決済カードや決済を実現する機能を具備した携帯電話機でプリント処理の対価を決済する処理を考えるに、例えば決済カードの場合、決済カードをセットした状態でプリント枚数やプリントサイズ等のオーダデータを取得し、このように取得したオーダデータからプリント処理の対価を算出し、この対価を決済カードで決済するように処理のシーケンスを設定することも考えられる。しかしながら、プリント処理の対価(金額)が、決済カードの決済可能な金額を超えることもある。このような状況に対応するために、顧客が支払い方法を変更することも考えられるものの、前述した処理のシーケンスに従って操作を最初からやり直すものでは、画像データに対するプリント枚数やプリントサイズ等のオーダデータを取得する処理を再度行わねばならず手間の点で改善の余地がある。
【0009】
本発明の目的は、プリント処理の対価が決済カードや決済機能を有した携帯電話機の決済可能額を超えた場合には、手間を掛けずに決済方法の変更を実現する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の特徴は、メディアに記録された画像データを取得する画像データ取得部と、顧客の操作に基づいてプリント処理に必要なオーダデータを取得するオーダデータ取得部と、このオーダデータ取得部で取得したオーダデータに基づきプリント媒体に対して前記画像データのプリント処理を行うプリント処理部と、このプリント処理の対価の決済を実現する課金管理部とを備えているセルフ写真プリント装置において、
電子決済手段の情報を取得する電子情報取得部を備え、前記課金管理部は、前記オーダデータ取得部においてオーダデータを取得した後に、前記電子情報取得部で取得した前記電子決済手段の情報に基づいて前記プリント処理の対価の電子決済を実現する決済処理手段を備えており、
前記課金管理部は、前記電子決済を行う際に前記プリント処理の対価が前記電子決済手段に設定されている決済可能額を超えたことを判別した場合には、前記オーダデータを保存した状態のまま決済方法の変更を許す決済方法変更手段を備えている点にある。
【0011】
この構成により、プリント処理の対価を電子決済手段で決済する際に、プリント処理の対価が電子決済手段の決済可能額を超えていることを判別した際には、決済処理手段が、既に取得しているオーダデータを保存したまま、決済方法の変更を許すので、決済方法を変更した後に、オーダデータを再度取得するための操作を行わなくて良い。その結果、プリント処理の対価が電子決済手段の決済可能額を超えた場合でも、手間を掛けずに決済方法の変更を実現する装置が構成された。
【0012】
本発明は、前記決済方法変更手段が、決済方法の変更を許す際には、ディスプレイに複数の決済方法を選択可能に表示し、この複数の決済方法から選択されたものを決済方法に設定する処理を行っても良い。
【0013】
この構成により、決済方法の変更を必要とする場合には、ディスプレイに表示された複数の決済方法から、新たに決済方法を選択することで済む。
【0014】
本発明は、前記課金管理部が、前記オーダデータ取得部においてオーダデータを取得する以前に、前記電子情報取得部において、前記電子決済手段の情報を取得し、決済可能額が設定されていることを判別した場合には、決済可能額と、決済方法の変更が可能であることを報知する報知処理手段を備えても良い。
【0015】
この構成により、電子決済手段に決済可能額が設定されている場合には、オーダデータを取得する以前に、顧客が決済の上限を把握できるばかりでなく、プリント処理の対価が決済可能額を超えた場合には、決済方法の変更によって決済が可能になることを操作を行う以前に把握できる。
【0016】
本発明は、投入された貨幣の額を取得する貨幣取得部を備え、前記決済方法変更手段は、前記決済方法の1つとして前記貨幣取得部での貨幣を取得する処理を設定しても良い。
【0017】
この構成により、決済手段を変更して貨幣(現金)によってプリント処理の対価の決済を行うことも可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔全体構成〕
図1に、本発明によるセルフ写真プリント装置として、プリントキオスク端末機が示されている。このプリントキオスク端末機は、DP店やコンビニエンスストア等の店頭に設置され、デジタルスチルカメラやカメラ付き携帯電話機やデジタルムービカメラのスチル撮影機能を利用して取得された撮影コマ画像データ(以下単に撮影コマ画像と略称するが、撮影コマ画像データによって可視化された画像自体も混乱を生じない範囲で撮影コマ画像と称する)に基づいて種々の形態の写真プリントを出力する機能や、撮影コマ画像を電子アルバム化してDVD−RやCD−R等の記憶媒体に記憶する機能を有し、各種操作は顧客によるセルフサービスで行われる。
【0019】
このプリントキオスク端末機は、上部に写真処理サービス受付部Aを備え、下部のボックス状コンソールに課金決済部Bとプリント処理部Pを装備している。
【0020】
前記写真処理サービス受付部Aは、上部ハウジング1に液晶ディスプレイ2が備えられ、この液晶ディスプレイ2の表示面にはグラフィック化された操作画面に対して操作入力を行うためのタッチパネル2Tが備えられている。
【0021】
上部ハウジング1の前面には、コンパクトフラッシュ(商標)、SDカード(商標)、メモリスティック(商標)等、主としてフラッシュメモリで成るメモリカードMaから撮影コマ画像を取得する複数種のメディアドライブ3(画像データ取得部の一例)と、CD−RやDVD−R等のディスク型記録メディアMbからの撮影コマ画像やCG画像(この明細書ではCG画像も人工的な撮影コマ画像と見なしており、撮影コマ画像にCG画像も含めている)などを取得するディスクドライブ4(画像データ取得部の一例)と、レシートRを発行するレシートプリンタ5とが備えられている。更に、上部ハウジング1の上面には、カメラ付き携帯電話機やデジタルカメラから直接撮影コマ画像の転送を可能にするUSB等のデータ伝送コネクタ6が備えられ、この上部ハウジングの内部には主制御ユニット30が備えられている。尚、前記ディスクドライブ4は撮影コマ画像データをディスク型記録メディアMbに書き込んで記録するドライブとしても機能する。
【0022】
課金決済部Bは、ボックス状コンソール10の正面の硬貨投入孔11に投入された硬貨を判別して判別結果を出力し、制御信号に基づいて下部の釣り銭払出口12から釣り銭を払い出すコインメック13と、ボックス状コンソール10の正面の紙幣挿入孔14に挿入された紙幣を判別して判別結果を出力するビルバリ15と、カード挿入孔16に挿入された接触式の決済カードCa(電子決済手段の一例)の情報を取得して出力し、必要な情報の書込を行う接触型リーダ・ライタ17と、アンテナ部18に対して接近させた非接触式の決済カードCb(電子決済手段の一例)の情報を取得し、必要な情報の書き込を行う非接触型リーダ・ライタ19が備えられ、ボックス状コンソール10の内部には、課金管理部として機能する課金決済ユニット20が備えられている。尚、コインメック13とビルバリ15とで貨幣取得部が構成され、接触型リーダ・ライタ17と非接触型リーダ・ライタ19とで電子情報取得部が構成されている。
【0023】
前記接触式の決済カードCaと非接触式の決済カードCbとは、クレジットカード、プリペイドカード、電子マネー等、電気的な処理によって決済を可能にするカードの総称であり、接触式の決済カードCaは、カードに形成した磁気データを読み取ることで情報の取得が可能となるものや、カードに形成した電極を介して情報の取得が可能となるものを指し、また、非接触式の決済カードCbは、アンテナとメモリと制御用のICとを備えた構造のものであり(所謂、ICカード)、アンテナを介して情報の取得が可能となる機能を具備したものを指す。また、本発明では、非接触式の決済カードCa(非接触ICカード)と同様にリーダ・ライタに接近させることにより決済を実現する機能を備えた携帯電話機も電子決済手段として想定しているが、本実施形態では、接触式の決済カードCaと非接触式の決済カードCbとに対応した処理の形態を説明している。
【0024】
尚、本発明のプリントキオスク端末機では、接触式の決済カードCaと非接触式の決済カードCbとの何れを使用してプリント処理の対価の決済を行う場合でも、顧客によるサインを必要としないサインレスによる決済を想定している。
【0025】
前記プリント処理部Pは、前記ボックス状コンソール10の内部に2台の昇華型プリンタユニット40を備え、夫々の昇華型プリンタユニット40において画像データがプリントされたペーパーQ(プリント媒体の一例)を写真プリント取出口41に集積して排出するように構成されている。この写真プリント取出口41には、横向き姿勢の軸芯周りでの揺動によって開閉自在で透明な板材で成る蓋体42を備えている。
【0026】
前記昇華型プリンタユニット40は、異なるタイプの、例えば、ペーパーのシート幅や材質の異なるプリント媒体を装填することにより、異なるサイズや異なる表面仕上げの写真プリントをプリント媒体の交換なしで出力することができる。この昇華型プリンタユニット40に採用されるその他のプリント方式としては、熱転写方式やインクジェット方式が挙げられるが、本発明は、特定のプリント方式を限定していない。また、プリンタユニット40は1台や3台以上で構成しても良い。
【0027】
〔制御構成〕
このプリントキオスク端末機の制御系を図2に示している。写真プリント処理を含む装置全体を管理する主制御ユニット30は、マイクロプロセッサ(CPU)、前記液晶ディスプレイ2、タッチパネル2T、メディアドライブ3、ディスクドライブ4等の間で情報のアクセスを実現する入出力インタフェース(I/O)、及び、メモリ31(RAM/ROM)を備えると共に、汎用OS32を搭載し、この汎用OS32において管理されるプログラムで成る画像データ取得処理手段33と、オーダデータ取得処理手段34と、プリント出力処理手段35と、ペーパー取出し制御手段36と、メッセージ表示手段37とを備えている。
【0028】
前記画像データ取得処理手段33は、前記メディアドライブ3、ディスクドライブ4、あるいは、データ伝送コネクタ6を介して撮影コマ画像を取得し、メモリ31に保存する処理を実現する。前記オーダデータ取得処理手段34は取得した撮影コマ画像を前記液晶ディスプレイ2に表示し、顧客がタッチパネル2Tに指を接触させる等の操作に基づいてプリント対象とする撮影コマ画像を特定し、プリントサイズ、プリント枚数等のオーダデータを取得する処理を実現する。前記プリント出力処理手段35は、取得した撮影コマ画像データと、オーダデータとに基づいて前記プリンタユニット40を制御することにより撮影コマ画像をペーパーQにプリントする処理を実現する。
【0029】
前記ペーパー取出し制御手段36は、前記写真プリント取出口41からのペーパーQの取り出しに先立って接触式の決済カードCaの取り外しを行わせ、この決済カードCaの取り忘れを防止するように液晶ディスプレイ2にメッセージを表示する処理を行う。前記メッセージ表示手段37はプリント処理に必要なメッセージを液晶ディスプレイ2に表示する処理を行う。
【0030】
プリント処理の対価の決済を現金や、決済カードCa、Cbによって実現するための前記課金決済ユニット20は、マイクロプロセッサ(CPU)と、コインメック13、ビルバリ15等の間で情報のアクセスを実現する入出力インタフェース(I/O)とメモリ21(RAM/ROM)とを備えると共に、汎用OS22を搭載し、この汎用OS22において管理されるプログラムで成る決済処理手段23と、決済方法変更手段24と、報知処理手段25を備えている。
【0031】
決済処理手段23は、前記コインメック13とビルバリ15とによって現金による決済を実現する現金決済処理23Aと、前記接触型リーダ・ライタ17あるいは非接触型リーダ・ライタ19を使用することによってカードによる決済を実現するカード決済処理23Bとを実現するプログラムで構成されている。
【0032】
このプリントキオスク端末機では、前記主制御ユニット30の入出力インタフェース(I/O)と、課金決済ユニット20の入出力インタフェース(I/O)との間に通信経路Lを備えることにより、主制御ユニット30と課金決済ユニット20との間で必要な情報のアクセスを行えるように構成され、プリント処理を行う際には主制御ユニット30と課金決済ユニット20とが連係して処理を行う。
【0033】
この制御系において、前記画像データ取得処理手段33、オーダデータ取得処理手段34、プリント出力処理手段35、ペーパー取出し制御手段36、メッセージ表示手段37、決済処理手段23、決済方法変更手段24、報知処理手段25夫々はソフトウエアで構成されるものであるが、ハードウエアで構成することや、ハードウエアとの組み合わせによって構成しても良い。
【0034】
本発明のプリントキオスク端末機は、プリント処理の対価をカード決済(電子決済)する際に、プリント処理の対価が決済カードCa、Cbを利用してサインレスで決済可能な決済可能額を超えた場合や、プリント処理の対価が決済カードCa、Cbの残金の額(決済可能額)を超えた場合には、その決済カードCa、Cbでの決済に代えて、他の決済方法(他の決済手段を用いた決済)での決済を実現する点に特徴を有しており、これらの制御を以下に説明する。
【0035】
〔受付処理〕
プリントキオスク端末機の制御形態の概要を図3のフローチャートに示している。つまり、顧客の操作がない状態においては前記液晶ディスプレイ2に初期画面が表示され(#01ステップ)。この状況において顧客がプリント処理を行う際には、タッチパネル2Tに表示されたボタン類を操作することにより、メモリカードMaあるいはディスク型記録メディアMbのセットを促すメッセージが液晶ディスプレイ2に表示され、この表示に従って顧客がメモリカードMaをセットした場合には(ディスク型記録メディアMbをセットしても良い)、メモリカードMaから撮影コマ画像データが取得される(#02ステップ)。この処理では、撮影コマ画像データの取得時に、画像データ取得処理手段33がメディアドライブ3にセットされたメモリカードMaから複数の撮影コマ画像データを取得してメモリ31に記録する単純な処理が行われる。
【0036】
次に、図5に示す「決済方法リスト画面」を液晶ディスプレイ2に表示して決済方法の選択を求め処理を行う(#03ステップ)。この「決済方法リスト画面」には、クレジットカード表示部71に該プリントキオスク端末機で使用可能な決済手段として、クレジットカードの一覧を選択ボタンとして選択可能に表示し、プリペイドカード表示部72に該プリントキオスク端末機で使用可能なプリペイドカードの一覧を選択ボタンとして一覧化して表示し、現金決済ボタン73を表示し、選択が決定したことを確認するOKボタン50を表示している。図面には示していないが、この決済方法として携帯電話機を選択できるように、携帯電話機を「決済方法リスト画面」に表示するように処理形態を設定しても良い。
【0037】
このように表示された「決済方法リスト画面」において顧客が決済方法として決済カードCa、Cbを選択した場合には、接触式の決済カードCaを接触型リーダ・ライタ17にセットする操作、あるいは、非接触式の決済カードCbを非接触型リーダ・ライタ19に接近させる操作を促すメッセージ(図示せず)が表示され、顧客が、この操作を行うことにより、決済カードCa、Cbから情報が取得される。そして、決済カードCa、Cbがクレジットカードやプリペイドカードであり、決済可能額として設定された金額(例えば、3000円)が設定されている場合には、図6に示す「確認メッセージ画面」を液晶ディスプレイ2に表示し、その画面中に、決済可能額を表示すると同時に、プリント処理の対価が、そのカードの決済可能額を超えた場合には、決済手段の変更が可能であることを顧客に認識させるメッセージを表示する処理を行う。
【0038】
これと同様に、決済カードCa、Cbがプリペイドカードであり、残金が設定された金額(例えば、2000円未満)である場合には、図7に示す「確認メッセージ画面」を液晶ディスプレイ2に表示し、この画面中に、決済可能額を表示すると同時に、プリント処理の対価が、決済可能額を超えた場合には、決済手段の変更が可能であることを顧客に認識させるメッセージを表示する処理を行う(#04〜#06ステップ)。
【0039】
この「確認メッセージ画面」を表示する処理は前記報知処理手段25が実行するものであり、この画面中に表示されたOKボタン50を操作することで次の処理に移行し、画面中に表示された中止ボタン48を操作することにより処理が中止される。また、制御形態は示していないが、この「確認メッセージ画面」を液晶ディスプレイ2に表示する状態と、表示しない状態とは、プリントキオスク端末機を設置している者によって選択できるように構成されている。
【0040】
次に、顧客を特定する情報を取得する処理が行われる(#07ステップ)。この処理では、図8に示す「名前入力画面」と、図9に示す「電話番号入力画面」が順次表示される。「名前入力画面」には、「名前を入力して下さい」とのメッセージが表示されると共に、名前表示部とキーボードとを有した入力ボード63が表示され、キーボードに顧客が指を接触させる操作によって名前を入力した後にOKボタン50を操作することにより、次に、「電話番号入力画面」が表示される。この画面には「電話番号を入力して下さい」とのメッセージが表示されると共に、電話番号表示部とキーボードとを有した入力ボード64が表示され、キーボードに顧客が指を接触させる操作を行うことで電話番号を入力した後にOKボタン50を操作することにより、顧客を特定する情報の取得が完了し、戻るボタン49を操作することにより1つ前の処理に戻る。
【0041】
次に、オーダデータを取得する処理と、プリント処理の対価を算出する処理が行われる(#08、#09ステップ)。前記オーダデータとは、プリント対象とする撮影コマ画像データを特定するデータ、プリントサイズを特定するデータ、プリント枚数のデータ等プリント処理に必要なデータであり、前記液晶ディスプレイ2と、タッチパネル2Tと、この主制御ユニット30と、オーダデータ取得処理手段34とがオーダデータ取得部として機能する。
【0042】
オーダデータの取得時には、図10に示す「プリントサイズ選択画面」が液晶ディスプレイ2に表示される。この画面には「プリントサイズを選択して下さい」とのメッセージが表示され、画面中央には「L版」や「2L版」等の複数のプリントサイズに対応した複数のサイズ指定ボタン51が表示され、何れか1つのサイズ指定ボタン51を操作することによって、次の処理に移行する。尚、この「プリントサイズ選択画面」には、プリントサイズを示す文字の他に、プリントサイズを示す数値と、プリントの単価と、プリントの基本料金とが表示される。
【0043】
次に、図11に示す「プリント枚数設定画面」が液晶ディスプレイ2に表示される。この画面には「プリント枚数を設定して下さい」とのメッセージが表示され、また、画面の中央には、メモリカードMa等から取得した複数の撮影コマ画像がサムネイル画像Sとして一覧化して表示されると共に、次へボタン52とが表示され、画面下側の中央位置に、オーダ情報と共にプリントに要する費用の額が情報エリアDEに表示される。
【0044】
前記サムネイル画像Sのフレーム54の上段に画像情報を特定するファイルの名称と、ファイルの種類を示す拡張子とが表示され、フレーム54の下段にはプリント枚数の数値を表示する枚数表示エリア55が表示され、この枚数表示エリア55を挟む位置にプリント枚数を1枚ずつ増加させる+ボタン56と、プリント枚数を1枚ずつ減少させる−ボタン56とが表示される。また、「プリント枚数設定画面」の下側には、前述したように中止ボタン48と、戻るボタン49と、次へボタン52とが表示されると共に、情報エリアDEには、選択されたプリントサイズの情報、設定されたプリントの合計枚数、プリントに要する合計金額、ページを示す数字が、全てのプリント枚数を1枚ずつ増加させる全体+ボタン57と全てのプリント枚数を1枚ずつ減少させる全体−ボタン57とが表示される。
【0045】
この「プリント枚数設定画面」では8つのサムネイル画像Sを1ページとして表示し、表示順序として、画像の撮影日、あるいは、作成日が古いものを先に、新しいものを後にするよう設定されている。従って、「プリント枚数設定画面」の初期画面には最も古い画像情報から8つのサムネイル画像が表示される。そして、次へボタン52を操作すると、次のページの8つのサムネイル画像の表示を行い、戻るボタン49を操作すると、前の8つのサムネイル画像Sが表示される。そして、この次へボタン52の操作に基づいてプリントすべき画像情報の選択を行った後に図12に示すように、次へボタン52に代えて保存ボタンとして機能するOKボタン50を操作することで、オーダデータが取り込まれ、次の処理に移行する。
【0046】
このようにオーダデータを取得した後に、図13示す「注文内容確認画面」を液晶ディスプレイ2に表示し、この画面中に前述のように算出したプリント処理の対価を表示して確認を求める。この「注文内容確認画面」には「注文の内容を確認して下さい」とのメッセージが表示され、顧客が該プリントキオスク端末機から入力したオーダデータの詳細と金額とを一覧化した確認シート65が表示される。この表示内容に誤りがなければOKボタン50を操作することで、取得したオーダデータに基づいてプリント処理の対価が算出されるのである。
【0047】
これらの処理を終了した後に決済処理が行われ(#100ステップ)、この決済処理の後にはレシートRがプリントされ、プリント処理が実行されるのである(#10、#11ステップ)。このようにプリント処理が完了すると図14に示す「処理完了画面」が表示される。
【0048】
図4のフローチャートに示すように、前記決済処理(#100ステップ)はサブルーチンの形態となる決済処理ルーチンとしてセット(前記決済処理手段23による処理)されている。この決済処理ルーチンにおいて前記現金決済ボタン73が選択されたことを判別した場合には現金決済処理23Aによる処理を実行する(#101、#102ステップ)。この現金決済処理23Aでは、コインメック13、ビルバリ15夫々に投入された硬貨、紙幣の金額とプリント処理の対価との対比により、釣り銭が必要である場合には、釣り銭が釣り銭払出口12から払い出される。
【0049】
また、決済方法として決済カードCa、Cbが選択された場合には、プリント処理の対価を取得し、その決済カードCa、Cbに決済可能額が設定されていない場合、あるいは、プリント処理の対価が決済可能額を超えないことを判別した場合には、カード決済処理23Bを実行する(#103〜105ステップ)。
【0050】
また、プリント処理の対価が決済カードCa、Cbの決済可能額を超えていると判断した場合には、図15に示す「決済方法変更画面」を液晶ディスプレイ2に表示して顧客に決済方法の選択を求める(#106ステップ)。この前述した「決済方法リスト画面」と同様に、クレジットカード表示部71に該プリントキオスク端末機で使用可能なクレジットカードの一覧を選択ボタンとして選択可能に表示し、プリペイドカード表示部72に該プリントキオスク端末機で使用可能なプリペイドカードの一覧を選択ボタンとして一覧化して表示し、現金決済ボタン73を表示する。尚、この「決済方法変更画面」では既に選択されている決済カードの表示は行わない。
【0051】
この「決済方法変更画面」において、顧客が決済方法として決済カードCa、Cb選択した場合には、前記#103ステップからの処理を再度行う(#107〜#109ステップ)。この処理によって決済可能であることを判別した場合には、カード決済処理23Bが実行され、このように選択された決済カードCa、Cbにおいて、例えば、決済可能額が設定され、プリント処理の対価が、その決済可能額を超えている場合には、再び、「決済方法変更画面」を液晶ディスプレイ2に表示して決済方法の変更を顧客に求める。図面には示していないが、この「決済方法変更画面」においても既に選択された決済カードの表示は行わない。
【0052】
このように決済方法を変更した場合、接触式の決済カードCaが先に選択されている場合には、この決済カードCaが接触型リーダ・ライタ17から排出され、次の決済カードCaをカード挿入孔16に挿入する操作、あるいは、非接触式の決済カードCbを非接触型リーダ・ライタ19に接近させる操作が必要となり、このような操作が必要であることを示すメッセージが液晶ディスプレイ2に表示される。
【0053】
また、「決済方法変更画面」において、決済方法として現金が選択された場合には、現金決済処理23Aが実行され、コインメック13、ビルバリ15を介して現金での対価の支払いを受けることになる(#110ステップ)。
【0054】
このように本発明では、プリントキオスク端末機において顧客がプリント処理を行う際に、プリント処理の対価の支払いを決済カードCa、Cbで行う場合において、プリント処理の対価が、その決済カードCa、Cbにおいてサインレスで決済可能な金額(決済可能額)を超えた場合や、プリント処理の対価が、その決済カードCa、Cbの残金を超えた場合には、オーダデータを残したまま、その決済カードに代えて、他の決済方法を選択できるので、オーダデータを新たに入力する如き手間を掛けずに決済できるのである。
【0055】
特に、プリント処理の対価の決済にクレジットカード、プリペイドカードなどの決済カードCa、Cbや決済の機能を備えた携帯電話機を使用する際に、その決済カードCa、Cbや決済の機能を備えた携帯電話機に決済可能額が設定されていることを判別した場合には、オーダデータを取得する以前に、プリント処理の対価が決済可能額を超えても、他の決済手段での決済が可能であることを顧客に伝えることにより、顧客に決済カードCa、Cbを抵抗なく使用できるものにしている。
【0056】
〔別実施形態〕
本発明は、上記した実施形態以外に以下のように構成しても良い。
【0057】
(a)上記した実施形態では、主制御ユニット30と、課金決済ユニット20とにマイクロプロセッサを備えた構成としていたが、単一のマイクロプロセッサを備えた処理系を備えてプリント処理と、課金処理とを行うように構成しても良い。
【0058】
(b)顧客が決済カードCa、Cbを使用する際に、複数の決済カードCa、Cbから決済可能額が最も高いものを選択できるように、操作の初期に複数の決済カードCa、Cbから決済可能額を取得して液晶ディスプレイ2に表示するように処理形態を設定しても良い。このように処理形態を設定したものでも、プリント処理の対価が決済可能額を超えた場合には、他の決済方法を使用することになる。
【0059】
(c)上述した実施形態の説明では、セルフ写真プリント装置としてプリントキオスク端末機の形態で説明したが、本発明はこの形態に限定されるわけではなく、サービス種の選択や処理対象となる撮影コマ画像の選択を行い、その料金を決済するまでのプロセスを行う場所と異なる場所で実際の写真プリントの出力プロセスを行い、出力された写真プリントを配送するような形態、つまり、プリント処理部Cが写真処理サービス受付部Aや課金決済部Bとは独立した装置として構成される形態であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】プリントキオスク端末機を示す斜視図
【図2】プリントキオスク端末機の制御系を示すブロック図
【図3】セルフプリントのフローチャート
【図4】決済処理ルーチンのフローチャート
【図5】決済方法リスト画面を示す図
【図6】確認メッセージ画面を示す図
【図7】確認メッセージ画面を示す図
【図8】名前入力画面を示す図
【図9】電話番号入力画面を示す図
【図10】プリントサイズ選択画面を示す図
【図11】プリント枚数設定画面を示す図
【図12】プリント枚数設定画面を示す図
【図13】注文内容確認画面を示す図
【図14】処理完了画面を示す図
【図15】決済方法変更画面を示す図
【符号の説明】
【0061】
2 ディスプレイ(液晶ディスプレイ)
3、4 画像データ取得部
13、15 貨幣取得部
17、18 電子情報取得部(リーダ・ライタ)
20 課金管理部(課金決済ユニット)
23 決済処理手段
23C 複合決済処理
24 決済方法変更手段
25 報知処理手段
Ca、Cb 電子決済手段(決済カード)
Ma メディア(メモリカード)
P プリント処理部
Q プリント媒体(ペーパー)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メディアに記録された画像データを取得する画像データ取得部と、顧客の操作に基づいてプリント処理に必要なオーダデータを取得するオーダデータ取得部と、このオーダデータ取得部で取得したオーダデータに基づきプリント媒体に対して前記画像データのプリント処理を行うプリント処理部と、このプリント処理の対価の決済を実現する課金管理部とを備えているセルフ写真プリント装置であって、
電子決済手段の情報を取得する電子情報取得部を備え、前記課金管理部は、前記オーダデータ取得部においてオーダデータを取得した後に、前記電子情報取得部で取得した前記電子決済手段の情報に基づいて前記プリント処理の対価の電子決済を実現する決済処理手段を備えており、
前記課金管理部は、前記電子決済を行う際に前記プリント処理の対価が前記電子決済手段に設定されている決済可能額を超えたことを判別した場合には、前記オーダデータを保存した状態のまま決済方法の変更を許す決済方法変更手段を備えているセルフ写真プリント装置。
【請求項2】
前記決済方法変更手段は、決済方法の変更を許す際には、ディスプレイに複数の決済方法を選択可能に表示し、この複数の決済方法から選択されたものを決済方法に設定する処理を行う請求項1記載のセルフ写真プリント装置。
【請求項3】
前記課金管理部は、前記オーダデータ取得部においてオーダデータを取得する以前に、前記電子情報取得部において、前記電子決済手段の情報を取得し、決済可能額が設定されていることを判別した場合には、決済可能額と、決済方法の変更が可能であることを報知する報知処理手段を備えている請求項1又は2記載のセルフ写真プリント装置。
【請求項4】
投入された貨幣の額を取得する貨幣取得部を備え、前記決済方法変更手段は、前記決済方法の1つとして前記貨幣取得部での貨幣を取得する処理が設定されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のセルフ写真プリント装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−40747(P2008−40747A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−213519(P2006−213519)
【出願日】平成18年8月4日(2006.8.4)
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】