説明

セルラ・システムにおけるチャネル監視を改善するシステム及び方法

【課題】無線通信システム内の移動局の現在居場所を決定する能力のある移動局を提供する。
【解決手段】移動局は、能動モードにある間フレーム・スティーリングを最少限にしかつ遊休モードの間中エネルギを節約するためにその現在居場所又は移動度の推定値を周期的に発生し、次いでそれらに基づいてチャネル選択のためにチャネルを監視する。その同じ情報は、どのセルを監視するべきか決定するために及び位置推定又は位置の変化推定をいかに頻繁に行うか制御するためにまた有効である。移動局の位置又は移動度の決定を必要とするが、移動局がこれらの特性を決定する方法は変更してよい。地上局又は衛星局から信号を受信する分離測位受信機によって、移動局がその位置を計算できるようになることもある。これに代わり、移動局は、相対位置を計算するために基地局と通信中供給された信号を監視することもある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に無線通信システムにおける移動局の管理に関し、特に、改善されたチャネル選択手順を提供するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムでは、サービス・エリアは典型的に複数のセルに分割されると共に、各セルは基地局によってサービスされる。特定セル内の移動局は、そのセルにサービスする基地局と無線周波数(RF)チャネルにわたって通信する。基地局は、移動局からの複数の同時呼を取り扱うことがある。基地局は、互いに接続され、かつ移動体サービス交換センタ(mobile services switching center; MSC)によって公衆加入電話網に接続される。MSCは、全ての関連基地局の活動を組織的に調整し、かつセルラ・システム全体を公衆加入電話網に接続する。典型的MSCは、一度に100,000セルラ加入者を及び5,000同時会話を取り扱うことがある。MSCはまた、料金請求機能とシステム保守機能を備える。或るかなり高密度ネットワークでは、いくつかのMSCが単一ネットワーク内で使用される。
【0003】
呼の過程中、移動局は1つのセルから他のセル内へ移動することがある。ハンドオフと呼ばれる切換え技術は、ユーザがセル間を移動するとき呼が無瞬断(uninterrupted)で進行することを可能とする。呼が進行中である間に移動局が異なったセル内へ移動するとき、MSCは、その呼を使用されている現在チャネルから新セルにサービスする基地局に属する新チャネルへ自動的に転送する。
【0004】
ハンドオフを処理することは、いずれの無線通信システムにおいても重要なタスクである。ハンドオフは、移動局が1つの基地局の到達距離を出てかつ他の基地局の無線有効範囲エリア内へ移動するに連れて許容信号品質標準が維持されることを保証する。ハンドオフは、首尾良く遂行されかつユーザに感知不能であるべきである。また、ハンドオフがシステムへ出す信号デマンド(signaling demand)が理由で、ハンドオフは可能な限り稀にかつ必要な際に限り遂行するべきである。
【0005】
ハンドオフ決定は、典型的に、移動局にサービスする基地局によって監視された受信無線信号強度とチャネル品質に基づく。受信信号強度は容易に監視され、及びいずれか所与のチャネルについての信号強度は、しばしば、所与のチャネルにわたってのビット誤り率(bit error rate; BER)によって決定される。いずれかの通信期間中、セルラ・システムは、通信により良いチャネルとセルを連続的に捜すことになる。現在チャネルから他のチャネルへのハンドオフは、信号レベル又はチャネル品質が許容レベルの下へ落ちかつ許容通信を与える能力のある他のチャネルが利用可能であるときに、開始される。
【0006】
移動体通信グローバル・システム(Global System for Mobile communications; GSM)及び時分割多元接続(Time Division Multiple Access; TDMA)システムのような、ディジタル・システムでは、基地局は、いつハンドオフが要求されるか決定するために移動局の援助を得る。ハンドオフを援助するのに移動局を使用するためには、サービスする基地局は、呼の開始に又はハンドオフの後に、ネイバ・リスト(neighbor list)と普通呼ばれるチャネルのリストをダウンロードする。ネイバ・リストは、潜在的ハンドオーバ目標である隣接セル内のチャネルを識別する。移動体援用ハンドオフ(mobile assisted handoff; MAHO)では、各移動局は、MAHOリストとまた呼ばれる、ネイバ・リストによって提供された周りの基地局からの受信電力を測定する。移動局は、これらの測定の結果をサービスする基地局に連続的に報告する。これらの報告は、しばしば、MAHO報告と呼ばれる。信号強度測定は、呼の間中通信の期間と期間の間で移動局によって行われる。例えば、GSMシステムでは、各無線周波数チャネルは、8タイム・スロットに分割される。TDMAシステムでは、各無線周波数チャネルは6スロットに分割される。移動局は、送信用に1つのタイム・スロットを及び基地局からの信号を受信するために他のタイム・スロットを割り当てられる。残りのタイム・スロットの間中、移動局は、サービスする基地局と通信していることはない。移動局は、これらの遊休期間中隣接基地局に属するチャネルを監視し、次いで、その割当てタイム・スロット内に信号を送信しかつ受信するのに間に合わせて敏速にその割当てチャネルへ復帰する。隣接セルから受信された信号について移動局によって行われた測定は、スケジュールされた方法で又は音声伝送やデータ伝送と干渉しないように分離チャネルでサービスする基地局に返答報告される。マルチスロット動作では、通信に正規に使用されるタイム・スロットは、移動局が基地局に測定を報告できるように「借用(borrow)」される。この概念は、典型的に、フレーム・スティーリング(frame stealing)」と呼ばれかつ伝送速度を下げる。
【0007】
移動局によって提供された測定報告は、その現在位置にある移動局によって測定された際の、隣接セルからの信号強度及びおそらくはチャネル品質のリストを移動局に与える。ネットワークはまた、ハンドオフの間中割当てに利用可能である無線チャネルをどの隣接セルが使用していないかを知る。利用可能なチャネルのリストから、ネットワークは、信号強度とビット誤り率に基づくサービス品質と総合干渉の観点から、呼を最良に取り扱うことになるセルを選択する。適当なトラフィック・チャネルがそのセルを目標として指定され、かつ移動局はその目標セル内のそのトラフィック・チャネルへ復帰するようにコマンドされる。同時に、その呼は、MSCによって、移動局に現在サービスする基地局に対して目標セル内の基地局に対して切り換えられる。移動局は新たに指定されたチャネルへ遊休期間の1つの間中に切り換えるので、伝送に中断はない。それゆえ、ユーザの視点からは、ハンドオーバはシームレスである。
【0008】
セル再選択は、移動局が能動状態でないとき、サービス用チャネルを変える及び新基地局に登録するプロセスである。移動局が呼と呼との間にありかつ能動的に基地局と通信中でないが、しかし呼を受信する又は発する準備ができているとき、移動局はページング命令又は他の命令を受信するために近接基地局の1つ以上の制御チャネルを監視する。この動作状態は、遊休状態又は遊休モードと普通呼ばれる。遊休モードにある間は両方向通信は整っていないから、セルラ・システムは、どの基地局を移動局が監視するべきか知らない。典型的に、移動局は、基地局を選択するために信号強度をチャネル品質を表示する他の標識(indicia)と一緒に監視する。古いアナログ・システムでは、選択された基地局は、典型的に、最強信号を提供する基地局であった。階層セル構造を支持する最近のディジタル・システムでは、移動局は、候補セルについて遥かに念入りな評価を遂行する。
【0009】
移動局が種々の基地局の有効範囲のエリア全体を通して移動するに連れて、移動局は各セルについての放送チャネルから情報を受信することができるのであって、移動局はこの放送チャネルで送られたチャネルのリストを読み取ることによって使用された又は周りの基地局に関連したチャネル又はそれらの属性に関する情報を捕捉する。このリストは、ネイバ・リストとまた普通呼ばれる。ネイバ・リストは、移動局が遊休のとき監視する特定チャネルを識別する。要するに、移動局は、リストされたチャネルを監視しかつサービス用最良チャネルについて決定する。新チャネルが必要であると移動局が決定するとき、移動局は、セル再選択を登録しかつ達成するために新基地局に情報を送ることがある。
【0010】
遊休の間、移動局は、正確ネイバ・リスト測定と電力消費との間のトレードオフを行う。無線通信システムにおけるエンハンスト休眠モード(Enhanced Sleep Mode in Radio Communication Systems)と題する米国特許第5,539,748号は、ネイバ・リスト測定をこれらの測定の品質を犠牲にすることなく減らす少数の基本技術を開示する。要するに、この特許は、ネイバ・リスト測定の数を減らすための極く基本的システム援用による方法及び移動局制御による方法を開示する。前者では、セルラ・システムは、ネイバ・リスト内の各項目について最少、公称頻度と測定を移動局へ送る。セルラ・システムは、或る種の項目が減された頻度で測定することができるという表示を提供する。これは、ネイバ・リストに多くの項目がある又はそれらの項目が階層セル・レイアウトにあるならば、応用可能である。後者では、セル再選択が指定時間中遂行されなかったならば、移動体は公称要件から減少測定頻度を考慮に入れる。これに代えて、サービスする制御チャネルに対する信号強度の変化及びネイバ・リスト項目が指定されたよりも少ないならば測定は減らされる。
【0011】
ハンドオフの間中基地局を援助しかつセル再選択のために近くの局を監視する間にかなりの量のシステム資源と電力が使用される。割当て帯域幅をほとんど使用すること及び電池の寿命を延長することを推奨するならば、性能を劣化させることなく能動モードと遊休モードの間中チャネル選択に関連した処理時間とエネルギ消費を減少させる改善されたチャネル選択システム及び方法の必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
近年、全地球測位システム(GPS)受信機を製造するコストは、GPS受信機を消費者エレクトロニクスに組み入れることを実用化するレベルにまで下げられている。GPS受信機又は類似の位置決定エレクトロニクスを具備する移動局は、システム管理機能において移動局に関連したネットワークを援助するために、特に、チャネル選択に関して援助するために、その移動局及びそのネットワークに正確な位置情報を提供することもできる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、無線通信システム内の移動局の現在居場所を決定する能力のあるその移動局に関する。移動局は、能動モードにある間フレーム・スティーリングを最少限にしかつ遊休モードの間中エネルギを節約するためにその現在居場所又は移動度の推定値を周期的に発生し、次いでそれらに基づいてチャネル選択のためにチャネルを監視する。その同じ情報は、どのセルを監視するべきか決定するために及び位置推定又は位置の変化推定をいかに頻繁に行うか制御するためにまた有効である。本発明は移動局の位置又は移動度の決定を必要とするが、移動局がこれらの特性を決定する方法は変更してよい。地上局又は衛星局から信号を受信する分離測位受信機によって、移動局がその位置を計算できるようになることもある。これに代わり、移動局は、相対位置を計算するために基地局と通信中供給された信号を監視することもある。なお他の実施の形態では、基地局及び関連セルラ・システムは、特定移動局の位置を決定し、次いでその位置をその移動局にダウンロードすることもある。当業者ならば、本発明の教示に従って移動局の位置又は移動度を識別する数々の技術を理解しかつその情報を使用することになる。現存する位置と未来の位置及び移動度を決定する手段は、本発明の範囲内で考えられる。
【0014】
したがって、ネイバ・リスト又はMAHOリスト内の各セルは、公称既定値(nominal default)から零まで変動する独立測定頻度で測定されてよい。セルラ・システムは、隣接セルの位置又はそのセルに対する基地局の送信機の位置のような、ネイバ・リスト又はMAHOリスト上の項目への位置関係属性で以て移動局を援助することもある。この情報は、限られるわけではないが、好適には、ネイバ・リスト・メッセージ内の放送チャネルで又はMAHOリスト・メッセージ内のポイント・ツー・ポイント・チャネルで送信される。
【0015】
本発明のこれら又は他の態様は、図面と共に考えられるとき好適実施の形態についての次の説明を読んだ後は当業者に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】セルラ・ネットワークの概略図である。
【図2A】測位受信機を具備する移動端末の電話実施の形態のブロック図である。
【図2B】移動端末の電話実施の形態のブロック図である。
【図3】全方向セルを有しそれらの内に明確なエリアを定めているセルラ・レイアウトを表す図である。
【図4】セクタ化セルを有しそれらの内に明確なエリアを定めているセルラ・レイアウトを表す図である。
【図5】能動モードと遊休モードとの間中のチャネル選択とチャネル監視の基本的プロセスを概括する流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次の説明では、同様の参照文字は、いくつかの図面を通して、同様の又は相当する部品を指示する。図面を参照して、本発明の改善されたチャネル選択方法を説明する。本発明に従うチャネル選択は、図1に概略的に示したものに似た移動体セルラ・システムに有効である。移動体セルラ・システムは、番号10によって全体的に指示され、これは複数の基地局12を含み、これらの基地局は移動体サービス交換センタ(MSC)14を経由して公衆加入電話網(Public Switched Telephone Network; PSTN)18のような地上通信ネットワークに接続される。各基地局12は、セルと呼ばれる地理的領域内にありかつこのセルにサービスを提供する。一般に、所与のシステム内で各セルについて1つの基地局12がある。各セル内に、複数の移動局16があり、これらは無線リンクを経由して基地局12と通信する。基地局12は、移動局16のユーザに他の移動局16と、又はPSTN18に接続されたユーザと通信できるようにする。移動体サービス交換センタ14は、移動局16への及びこれからの呼を適当な基地局12を通して経路指定の上転送する。移動局16の居場所と活動状態に関連する情報は、ホーム・ロケーション・レジスタ(Home Location Register; HLR)20とビジタ・ロケーション・レジスタ(Visitor Location Register; VLR)22に記憶され、これらはMSC14に接続される。
【0018】
GPRS及び移動IPに使用されるもののような、異なったアーキテクチャがパケット・データ・セッションにしばしば使用されることは、注意する価値がある。それなりに、MSC14からの係わり合いはないといえる。要するに、基地局12は、パケット・データ・ノードに接続され、次いで、インターネットに到達するために追加ノードを通して公衆パケット・データ・ネットワークに接続される。更に、本発明の概念は、cdma2000とWCDMAを含む、全ての現在及び未来の無線通信システムに応用可能である。
【0019】
図2Aは、位置標識を受信するように適応した移動局16のブロック図である。特に、移動局16の開示した実施の形態は、信号を送信しかつ受信する能力のある、IS95準拠セルラ電話のような、充分に機能的なセルラ電話である。セルラ電話16は、典型的にセルラ電話16の動作を制御するマイクロコントローラ・ベース・システムである制御ユニット22、及び動作中セルラ電話16によって使用される制御プログラムとデータとを記憶するメモリ24を含む。入出力回路26は、マイクロプロセッサ22をキーパッド28、ディスプレイ30、オーディオ処理回路32、受信機38、送信機40、及び測位受信機50とインタフェースする。キーパッド28は、オペレータに番号をダイヤルし、コマンドを挿入し、かつオプションを選択できるようにする。ディスプレイ30は、オペレータにダイヤルした数字、記憶した情報、及び呼状態情報を見られるようにする。オーディオ処理回路32は、基本的アナログ・オーディオ出力をスピーカ34に供給しかつマイクロホン36からのアナログ・オーディオ入力を受け取る。受信機38と送信機40は、共用アンテナ44を使用して信号を受信し及び送信する。測位受信機50は、例えば、全地球測位システム(GPS)受信機であって、移動局16にGPS衛星によって送信された測位信号に基づいてその移動局の現在居場所を決定することを可能とする。受信機50はアンテナを必要とし、このアンテナは移動局のアンテナから分離していても又はこれと統合されていてもよい。測位受信機50は、地上源からの類似測位信号を受信するようにまた設計することもできる。
【0020】
これに代わり、移動局16は、1つ以上の基地局12から受信された信号に基づいて相対位置又は移動度を決定するように構成されることがある。例えば、セルラ・システムは、3角法測位技術又は類似の測位技術を使用して移動局の位置又は移動度を決定し、次いで移動局の位置を移動局16へダウンロードする。これに代わり、移動局16は、1つ以上の基地局から受信した信号を監視するためにその通信エレクトロニクスと制御エレクトロニクスを使用しかつ、3角法技術又は類似の技術をまた使用して、その相対位置又は移動度を計算することもある。このようなシステムは、図2Bに示してあり、測位推定用分離受信機を具備しない。
【0021】
移動局16は、隣接セル内の選択された制御チャネルを周期的に監視しかつそれらのチャネルについてチャネル品質測定を遂行するようにプログラムされる。チャネル品質測定は、受信信号強度、ビット誤り率(BER)、及び語誤り率(word error rate; WER)ばかりでなく、他のパラメータを含むことがある。チャネル品質測定は、基地局12を、例えば、ハンドオフ決定を行うに当たって援助するために移動局16によって基地局12へ送信される。移動局16によって行われるチャネル品質測定に基づいて基地局12によって行われるハンドオフは、移動体援用ハンドオフとして知られている。チャネル品質測定はまた、移動局によってセル再選択に使用されることがある。セル再選択は、移動局16が遊休モードにあるか又はパケット・データ・セッションに従事しているときに起こる。
【0022】
本発明に従って、移動局16は、移動局16の位置、又はその位置の或る関数に基づいてチャネル品質測定を行う頻度を変更するようにプログラムされる。例えば、移動局16は、現在サービスする基地局12に対するその位置を決定しかつそのサービスする基地局12からの距離の関数としてチャネル品質測定の頻度を変更するようにプログラムされる。この場合、チャネル品質測定の頻度は、サービスする基地局からの距離が増すに連れて高くなるであろう。他の実施の形態では、移動局16は、サービスする基地局12と隣接セル内の目標基地局12に対するその位置を決定しかつ両基地局12からの距離の関数として測定の頻度を変更する。この場合、報告する頻度は、そのサービスする基地局12と目標基地局12との間でそれらの距離の比に依存することがある。他の実施の形態は、基地局12の位置を監視しかつ移動局16の移動度に基づいてチャネル品質測定の頻度を変更することであろう。この出願の目的のために、用語、移動度は、時間上での移動局16の位置の変化の程度のような、位置と時間のなんらかの関数として定義される。移動度の他の例は、移動局16が1つの位置に滞在する時間の量であろう。この場合、チャネル品質測定の頻度は、移動度が高くなると共に高まるであろう。
【0023】
開示した実施の形態は移動局によるチャネル品質測定の性能に関するが、当業者ならば、本発明が他のチャネル監視機能、又は移動局によって遂行される必要があるいずれか他の周期的タスクに適応することができることを認識する。また、当業者ならば、チャネル監視の頻度が位置又は移動度に加えて、他のファクタに依存し得ることを認識する。
【0024】
報告する頻度を知的な方法で調節することによって、エネルギを節約するために能動モードの間中必要とされるフレーム・スティーリングの量を最少限にしかつ遊休モードの間中監視活動を減らすことが可能である。重要なこととして、本発明に従う測定手順は、ハンドオフ手順又はセル再選択手順の品質へのいかなる強い影響も回避する又は最小限にとどめる。要するに、ハンドオフとセル再選択は、現存するチャネル選択手順によって提供されたものとほとんど同時にかつ同じセルに行われるべきである。主要な相違は、フレーム・スティーリングを少なくしてありかつエネルギ消費を減らしていることである。
【0025】
本発明を実施するためには、移動局16は、その位置を周期的に推定しなければならない。位置を推定する必要は、遊休モードにある間電池寿命を保存する目的と潜在的に衝突するといえる。しかしながら、緊急呼出しに使用された位置を捕捉するためのような、位置推定の必要を取り図らう(dictate)他の出願がある。更に、位置推定を行う頻度は、チャネル選択測定よりも1マグニチュード以上少ないといえる。移動度が検出されない、それゆえ非常に稀にネイバ・リスト測定と位置推定が行われるならば、電池寿命に正味利得がある。能動モード中、目的は、要求されたフレーム・スティーリングを最少限にすることであって、測定頻度それ自体を最少限にすることではない。それゆえ、能動モードの間中、位置推定を遂行することに因る電池ドレインは2次的争点である。
【0026】
能動モードと遊休モードの間中チャネル選択とチャネル監視を改善する基本的プロセスは、図5の流れ図と関連して直ぐ下に概括する。呼が発せられる又はハンドオフが起こるとき(ブロック102)、プロセスは開始する(ブロック100)。移動局16(MS)は、移動局16によって監視されることになる、周りのセルと関連したチャネルを概括するネイバ・リスト又はMAHOリストを受信する(ブロック104)。このプロセスの間中のいずれかの点で、移動局16は、その推定位置及び/又は推定移動度を周期的に決定する(ブロック106)。特に、位置決定又は移動度決定は、チャネル監視頻度で又はいかに頻繁に移動局16がネイバ・リストやMAHOリストからチャネルを監視するかに依存する頻度で起こるには及ばない。注意を要するのは、位置推定は周期的機能であること、及び移動局16の位置を更新する頻度は本発明に従ってまた変更できることである。それゆえ、移動局16を、その現在位置を更新した後に位置推定の頻度を更新する、又はその現在位置を更新する時刻を決定する追加計算をするようにプログラムすることもできる。
【0027】
移動局16が呼を能動的に取り扱っている間に、それは、その移動局の位置又は移動度に依存する頻度でMAHOリスト上でチャネルを監視する(ブロック108)。好適には、位置決定又は移動度決定は、どのチャネルを監視するべきかに、おそらくは、回避するべきかにまた関係を持つ。特に、移動局16がこれらのチャネルを監視する頻度は、呼の現在状態、呼の型式等のような、他のファクタによってまた影響されることがある。これらのファクタに関する更に詳細は、下に概括する。この時間中、移動局16はまた、ハンドオフ命令について、移動局16にサービスする基地局からの信号を監視する(ブロック110)。呼が連続すると想定すると、移動局16は、基地局からのハンドオフ信号に基づいてチャネルを変えるか否か決定することになるか、又はDECTのような或る種の提案されたシステムでは、移動局16は独立にその決定を行なってよくかつそれに従ってセルラ・システムに信号することがある(ブロック114)。上に挙げたように、ほとんどのディジタル・システムでは、ハンドオフ決定は、移動局16の助援で以て、サービスする基地局12によって行われる。
【0028】
ハンドオフが要求されないならば(ブロック114)、移動局16は、その位置又は移動度を決定するプロセスを繰り返し、かつこれに基づいてネイバ・リスト又はMAHOリスト上でチャネルを監視続ける。ハンドオフが要求されるならば、システムは、典型的に、新MAHOリストをダウンロードしかつそれに従って上のプロセスを繰り返す。
【0029】
呼が終了するとき(ブロック112)、移動局16は、典型的に、動作の能動モードから遊休モードに変わる。遊休モードの間中、移動局16は、それが登録目的のために基地局を選択しかつ、このような登録を達成するために、サービスする基地局へ信号を送信するという意味で基地局によって依然サービスされる。遊休モードのとき、移動局16は、典型的に、いつセル再選択が必要であるか決定し、かつチャネル又はセルを変えるいずれのときにも新登録を達成する。
【0030】
呼が受信されない又は移動局16が新呼を発するように要求されない(ブロック116)と想定すると、移動局16はサービスする基地局からネイバ・リストを、かつ、おそらく、充分な強度と品質の信号を供給する他の基地局からリストをダウンロードする(ブロック120)。このプロセスの間中、移動局16は、その位置又は移動度を周期的に決定する(ブロック122)。この決定に基づいて、移動局16は、位置又は移動度に依存する頻度で以てネイバ・リストからチャネルを監視する(ブロック124)。下で更に論じるように、移動局16は、サービスする基地局と周りの基地局の位置ばかりでなくセル内の選択チャネル(select channel)によってサービスされるエリアを定める座標に関係を持つ情報へのアクセスを受けることがある。この情報のいくらか又は全てが与えられると、移動局16は、単一基地局に関するその相対位置、2つの基地局間での相対位置、又は定められたエリアやセル内でのその相対位置に基づいて測定の頻度と測定するチャネルを制御する。
【0031】
移動度がこれらの測定を制御する変量であるとき、移動局16は、単一基地局12に対して、多数基地局12に対して、これらの測定を移動度のみに基づくことがある、又は移動度決定を1つ以上のエリアやセルに関する相対位置と組み合わせることがある。これらのチャネルを監視する頻度又はどのチャネルを監視するかは、信号強度、信号品質等のような、他のファクタによる影響をまた受ける。次いで、移動局16は、ネイバ・リスト上のチャネル、及びサービスする基地局を監視することに基づいて、セル再選択についてサービスするセルを変えるべきか否か決定する(ブロック126)。セル再選択が起こるならば、移動局16は、必要ならば、新ページング・エリア内のその存在を識別するためにセルラ・システムに登録することを要求されることがある。プロセスは、新呼が成立する又は電話が完全に電力を切られるまで繰り返されることになる。
【0032】
移動局16は、通信チャネルを使用して基地局12と通信する。用語、チャネルは、その文脈に依存して種々の意味を持つことができる。一般に、無線周波数チャネルは、連続スペクトルの単一割当てを指す。AMPSシステムとIS−136システムでは、無線周波数チャネルは、850MHz帯域又は1900MHz帯域内の30kHz割当てである。GSMでは、無線周波数チャネルは、900MHz帯域又は1950MHz帯域内の200kHz、及びGSM用1800MHzである。用語、チャネルは、TDMAシステム又はCDMAシステムにおける情報チャネル(制御チャネル又はトラフィック・チャネル)をまた指すことがある。TDMAシステムでは、情報チャネルは無線周波数チャネル上の1つ以上のタイム・スロットを含み、タイム・スロットは送信と受信用に移動局16に割り当てられる。CDMAシステムでは、情報チャネルは、無線周波数チャネルを更に細分割する一意コーディング方式によって明確に区別される。この出願の目的のために、用語、通信チャネル又はチャネルは、情報チャネルを一般に指し、これは或るシステムでは無線周波数チャネルと同じでもあり得る。
【0033】
本質的に、セルラ通信技術の2つの型式、回線交換とパケット交換がある。回線交換接続は、接続が解放されるまで回線の専用を許すために2つ以上の局間で、通常オンデマンドに、確立されかつ維持される回線接続である。パケット交換接続は、パケットの形でのデータの経路指定と転送を許すために2つ以上の局間に確立される論理接続である。チャネルは、或る1つのパケットのみの伝送中占有される。その伝送が完了すると、そのチャネルは、同じ局又は他の局に関する他のパケットの伝送に利用可能にされる。チャネル選択手順は、典型的に、回線交換接続又はパケット交換接続が使用されるかどうかに依存して変動する。
【0034】
回線交換データ通信に対しては、移動体援用ハンドオフが典型的に使用され、そこでは移動体は測定で以て援助しかつセルラ・システムはチャネル割当てを制御する。移動局16は、音声呼に関して、アップリンク・チャネルを連続的に割り当てられるから、測定報告は、典型的に、呼関連制御チャネルで送られる。対照的に、パケット・データ・セッションの間中、移動局16は、延長期間に送信しない。これらのパケット・セッションの間中、移動体援用ハンドオフ報告を送ることは、多数の移動局16によって共用されたアップリンク・チャネルを不必要に使用することになるであろう。それゆえ、パケット・データ・プロトコルは、典型的に、移動局16が最良チャネルを見付けかつセルラ・システムが帯域幅を節約するために制御を撤回することを指定する。
【0035】
能動パケット・データ・セッションの間中移動局16を最良基地局12に割り当てるプロセスは、遊休モードの間のセル再選択プロセスと類似している又は同等である。ネイバ・リストがセルラ・システムから受信され、かつ移動システムはチャネル品質に基づいて候補セルを測定しかつ評価する。簡潔性と信頼性を維持するためには、用語、ネイバ・リストとMAHOリストは、監視するべきチャネルと監視するべき基地局を識別する測定リストのいずれかの型式を指すために使用される。これらの用語は、ネイバ・リストを遊休動作とパケット・データ動作に関連させかつMAHOリストを能動動作に関連させることによって本発明の理解を容易にするために使用される。しかしながら、これらの用語は、相互交換可能であり、かつ各々は能動モード用測定リストと遊休モード用測定リストを説明するために使用されることがある。それなりに、その開示と特許請求の範囲は、適当に解釈されるべきである。移動局16がセル再選択測定と選択を遂行しかつセルラ・システムがハンドオフ・コマンドを送ることによって既定セル再選択プロセスを無効にするというハイブリッド解決を妨げるものは何もない。特に、GSMシステムにおけるGPRSパケット・データ・プロトコルは、移動局16で開始される及びネットワークで開始されるセル再選択を支持する。
【0036】
移動局16に近傍セルを評価させる示唆がある。この特定示唆は、移動局16が能動モードで又は遊休モードで動作中であるかどうかに依存する。能動モードで動作するTDMAに対しては、TDMAフレーム当たりタイム・スロットの数は、ネイバ・リスト(又はMAHOリスト)測定を遂行するために、非割当てタイム・スロットの間中、移動局16にとってたっぷりな量の時間があるというように、充分大きい。しかしながら、マルチスロット動作に対しては、全てのスロットが割り当てられるとき、ネイバ・リスト測定又はMAHOリスト測定のための予備時間がないという具合である。遊休モードの間中、タイム・スロットの可用性は争点でない。移動局16にとって主目的は、電流消費を最少限にする一方、首尾良く、割当て通信チャネルを監視しかつネイバ・リスト測定を遂行することである。
【0037】
これらの制約の強い影響を最少限にするには、数々の技術が存在する。例えば、移動局16が能動モードで動作中でありかつMAHOリスト測定に利用可能な時間があるとき、第2受信機が通信において援助するために使用されるか又は移動局16が1つ以上のスロットでデータを送信したり受信したりするのを停止しかつリスト測定を遂行するためにそれらのスロットを使用するかのどちらかである。後者は、フレーム・スティーリングと呼ばれ、本来的に通信スループットを減少させる。
【0038】
通信プロトコルは喪失データの再伝送を含むが、しかしこれはシステムの効率を低下させる。トレードオフは、典型的に、スループットの損失対測定正確度である。
【0039】
フレーム・スティーリングは、典型的に、2型式のうちの1つ、すなわち、スケジュールド・スティーリング(scheduled stealing)又はワイルド・スティーリング(wild stealing)である。スケジュールド・スティーリングに対しては、システムは、いつ移動局16がネイバ・リスト測定又はMAHOリスト測定を遂行するように許されるか又はリクエストされるか指定する時間情報を送り、システムは、そのタイム・フレームの間中データを送るのを停止する。対照的に、ワイルド・スティーリングは、移動システムがなんらの情報もセルラ・システムに提供することなくネイバ・リスト測定又はMAHOリスト測定を遂行するように自律的決定を行うときである。いつ移動局16がデータの受送信に利用可能でないかに関する情報でセルラ・システムを武装させることは、システム・スループットを改善する。フレーム・スティーリングは、回線交換接続又はパケット交換接続のどちらにも適応可能である。
【0040】
回線交換接続に対しては、もしチャネル品質測定(channel quality measurement; CQM)報告が少しでもプロトコル/標準に扱われるならば、その報告の品質を維持するために、いずれか所与の時間間隔にかつ測定リスト内の各項目に要求された、典型的に、最少数の測定がある。更に、最大数のフレームをスティール(steal)することが許される。これは、データ・スループットの減少に制限を置くために、移動体が特定測定を行える時間を最大限にするようになされる。これらは、衝突する要件であって、スケジュールド・スティーリング又はワイルド・スティーリングを行うために移動局16の効率的使用を要求する。
【0041】
スティーリングの両型式は、パケット交換接続にも応用可能である。パケット交換接続におけるスケジュールド・フレーム・スティーリングとワイルド・フレーム・スティーリングに関する更に詳細は、無線通信システムにおける信号強度測定装置及び方法と題する米国特許に与えられており、この特許はここに言及することによってその内容を本明細書に組み入れてある。
【0042】
GSM(GPRS)とANSI−136の両方は、マルチスロット動作をしている間に能動モードでネイバ・リストとMAHOリストを取り扱うために上述の態様(すなわち、スティーリング)の或るもの又は全てを組み入れる。CDMAシステムに対しては、ネイバ・リスト測定とMAHOリスト測定に対する時間の可用性は、これらの測定が通信チャネルのような同じ周波数でのチャネルに限定される限り、典型的に、争点でない。
【0043】
ネイバ・リストとMAHOリストは、定められたエリアについてのサブリストを含むことがある。すなわち、ネイバ・リスト又はMAHOリストは、少なくとも部分的に明確なエリアを定める1つ以上のエリア定義を組み入れことがある。それで、サブリストは、各エリア定義と関連していることにもなる。各サブリストは異なったネイバ項目と異なったMAHO項目を含むことがある又は1つの項目がいくつかのサブリストに現れることがある。リストの書式の1例は、すなわち、エリア定義1、エリア1に対するチャネル項目、セル1に対する属性;エリア定義2、エリア2に対するチャネル項目、セル2に対する属性;...、エリアM定義、エリアMに対するチャネル項目、セルMに対する属性である。属性は、セル識別性、サービス能力、及び所与のセルに対するその基地局の送信機の正確位置である。米国特許第5,353,332号は、他のセルに関する情報を提供することに関しかつここに言及することによってその内容を本明細書に組み入れてある。
【0044】
図3と図4は、多数エリアへのセルの模範的細分割を示す。セルラ・システムから送信された情報に従う、指定エリアは、6角形として定められた仮想セル・エリアと重なること及び交差することがある。特に図3に転じると、全方向セルが想定されている。基地局B1については、3つのエリアがある。第1エリアは半径R1を持つエリアであり、第2エリアは半径R2内、しかしR1によって定められた第1エリア内にないエリアである。第3エリアは、半径R2によって定められた円の外側である。基地局B1は、半径R1、半径R2、及びその送信機の位置を定める情報を送信する。
【0045】
基地局B2は、異なって構成され、かつエリアを定めるためにグループになった座標を送信する。第1エリアは、座標P1、P2、P3、P4、P5、及びP6内に定められる。第2エリアは、座標P5、P6、及びP7内に定められる。第3エリアは、座標P5、P6、P7、P8、及びP9内に定められる。第4エリアは、他の3つのエリアによってカバーされない位置である。好適には、基地局B2は、座標P1からP9及び上のエリア定義を移動局16へ送信する。
【0046】
他の構成は、基地局B3と関連して示してあり、そこには4つのエリアが定められる。第1エリアは、半径R3によって定められる。第2エリアは線L1の西(左)にあり、及び第3エリアはL2の東(右)のエリアによって定められる。第4エリアは、3つの他のエリアによってカバーされない残りの部分によって定められる。
【0047】
他の模範的構成は、基地局B4と関連した示してあり、そこには3つのエリアが定められる。第1エリアは線L3の東(右)であり、かつ第2エリアは線L3の西(左)である。第3エリアは、特定座標P1からの半径R4によって定められる。システムに加入してない移動局16は、それらの項目を測定するのをスキップする。B4によって定められたものと類似の構成は、私設システムがセル内にあるときにまた注目を引くことがある。それゆえ、半径R4と関連したエリアについてのチャネル項目は、私設システムに属する1つ以上のチャネルを含むことがある。基地局B4は、他の基地局がするように、座標、線定義、及びグルーピングを送信することがある。更に、半径R4によって定められたエリアに対しては、私設システムの識別性と定義は、測定するチャネルと共に含まれることがある。
【0048】
図4は、セクタ化されたセルを使用するシステムの模範例である。描いてあるように、各基地局は、3つのセクタS1、S2、及びS3を有する。基地局B5に対しては、1つのエリアが座標P11、P12、及びP13によって定められる。他のエリアは座標P11、P12、及びP10で以て定められ、これらのうちの後者は基地局の位置である。なお他のエリアは、線L6の西(左)かつ線L5の北(上)に定められる。別のエリアは、L6の東(右)かつ線L5の北(上)に定められるが、有効範囲のうちの最初の2つのエリアによっては定められない。2つの追加エリアが線L5とL6によって定められた残りの座標を使用して定められる。これらの座標、線定義、及び解釈は、基地局B5によって送信される。
【0049】
上に例証したように、注目のエリアは、多くの異なった形で定められる。例えば、或る1つのエリア内の座標と仮想的に接続された構成要素との集合。他の例は、セルの位置からの距離であって、それによってエリアを同心円として定める。受容セルの中心位置は、定められたエリアとしてまた含まれることがある。
【0050】
好適実施の形態では、いったん移動局16がその位置を決定すると、その移動局は、1)その位置に基づいて移動局16を含むエリアと関連した全ての項目を測定するか; 2)識別されたエリアに隣接するエリアのような、他の項目を、より少ない頻度で測定するか; 又は3)或る項目を全然測定しない。後者の選択肢は、非隣接エリアに対しては、好適には、省かれる。これらの決定は、好適には、上に例証したエリアによって定められたような、セル構成に係わる情報と関連して行われる。重要なこととして、位置又は移動度がそこから導出されるかもしれないいずれの入力又は情報も動作の能動モードと遊休モードの両方に等しく充分に適している。
【0051】
測定緩和又は測定変化の程度は、いくつかのファクタのみに又はそれらの互いとの組合わせに依存するといえる。これらのファクタには、位置推定値どうし間の位置の変化、推定速度、サービスするセルとそれぞれ隣接セルに関する移動局16の相対位置、又は現在状態で費やした時間がある。これらのうちの後者は、好適には、位置又は速度のような他の入力がほぼ一定である間に使用される。これらのファクタの或るいくつかは、測定についてのいずれの現在指定されているプロトコル標準又はプロトコル規則も、例えば、放送エリア特定NLを超えているかもしれない。この情報は、サブリストを使用して移動局16へ送信され、かつ指定測定規則と関連して使用されることがある。
【0052】
移動度が決定されるならば、測定手順は実に様々に影響される。これらのうちの最も好適であるのは、すなわち、1)全ての測定緩和を直ちに撤回するか;2)緩和を穏やかに撤回するか; 3)移動度の程度に依存して測定緩和を撤回するか; 又は4)現在セル及び/又はそれぞれ隣接セルに関する移動局16の相対位置に依存して測定緩和を撤回する。例えば、移動局16がサービスするセルの基地局に非常に接近しているならば、その移動体が信号強度境界に達するのに、かつ地理的境界再選択、より好適には、無線境界再選択が行われる前に、典型的に、しばらく時間が経かる。移動局16が隣接基地局の位置を持つならば、それがセル境界に達する前に、移動局16は、想定速度を用いて経かる時間を計算することができる。この時間は、控え目の高速を想定して、測定緩和の程度及び移動度が検出されるときいかに敏速に反応するかを設定するために使用することができる。
【0053】
他の例として、移動局16がパケット・データ・セッションに従事し、かつ、8スロットGPRS移動局16のような、マルチ・スロット能力があると想定する。それなりに、移動局16は、要求された隣接セル測定手順を満たすために、受信(Rx)データ又は送信(Tx)データ又は両データをときによって停止させなければならない。これは、必然的に、データ率スループットを減少させる結果となる。しかしながら、パケット・データ動作のほとんどの場合に対しては高データ転送速度を生じるので、ユーザは動き回っていることはない。例えば、ユーザは、空港、会議室、ホテル・ロビー、又はオフィス内で座っている間にインターネットから情報をダウンロードすることができる。移動局16は、それが移動中であることを決定するために時間上の位置推定を使用することがある。チャネル変化が要求される公算は、第一番にこれらの測定を行う理由であるが、比較的低い。移動局16がそれが移動中であると長く決定するほど、次の時間間隔になんらの移動もなくかつチャネル選択測定を更に緩和することができる公算が大きい。それゆえ、移動局16が現在状態又は現在位置に滞在する時間は、セル測定の頻度に影響するといえる。セル内の又はセル内のエリア内の位置又は移動度に基づいて、移動体は、チャネル測定を行う頻度、及び、おそらくは、監視されるセルを変えることがある。
【0054】
建築物と丘からの遮蔽によって引き起こされる信号伝搬作用のせいで移動局16がセルの地理的境界内に充分にあるときセル再選択が行われることは、注意する価値がある。更に、階層セル構造では、セル再選択は、同じ位置から送信するセル間で行われることがある。この目的のために、安全限界(safty margin)は、測定緩和を活性化及び非活性化するときが好適である。移動局16は、いかにそれが潜在的セル再選択又は潜在的ハンドオーバに接近しているか、相対信号強度を使用して、予測するために、隣接セルの測定を使用することがある。
【0055】
注意したように、回線交換モードでは、セルラ・システムは、典型的に、どのセル又はチャネルを使用するべきか決定する。システムは、それ内の基地局又はセクタ間での負荷分割のせいで移動局16をハンドオフする。さもないと、チャネルは厳しい干渉を受けることがあり、これに対してはセル間ハンドオフが有利であるといえる。原理上、移動体は、システムを結果論批判するはずがない。それゆえ、回線交換モードにある間、いかに積極的に測定緩和が移動局16ベンダによって実施されるか決定するときは、用心するべきである。
【0056】
遊休モードでは、状況は遥かに容易に制御される。というのは、セル再選択に影響するのは移動局16によって行われる測定及び放送チャネルで送られた少数の静止パラメータに限られるからである。それゆえ、遊休モードでは、移動体は、遥かに信頼できる予測を行うことができる。例えば、移動局16は、ネイバ・リスト項目が現在チャネルよりも10dB強ければ、その移動局はセル再選択を行う。上に説明した入力が、セル再選択に影響するのに加えて、能動モードと遊休モードの間中位置推定を行う頻度に、他の出願が提供する程度にまた影響することを実現するのが重要である。
【0057】
或るいくつかの変形と改善は、前掲の説明を読むならば、当業者に思い浮かぶであろう。いうまでもなく、全てのこのような変形と改善は、簡潔さと読み易さのために本明細書において削除されているが、しかしもとより前掲の特許請求の範囲内にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動局のためのチャネル選択方法であって、
前記移動局の位置を決定することと、
1つ以上の基地局から送信された信号のチャネル品質測定を周期的に遂行することであって、前記チャネル品質測定を遂行する頻度は前記移動局の前記位置の関数であるようになっている前記チャネル品質測定を周期的に前記遂行することとを含むチャネル選択方法。
【請求項2】
請求項1記載のチャネル選択方法において、前記チャネル品質測定を遂行する前記頻度は前記移動局にサービスする第1基地局に関する前記移動局の相対位置の関数であるチャネル選択方法。
【請求項3】
請求項1記載のチャネル選択方法において、前記チャネル品質測定を遂行する前記頻度は前記移動局にサービスする第1基地局と少なくとも1つの追加基地局とに関する前記移動局の相対位置の関数であるチャネル選択方法。
【請求項4】
請求項3記載のチャネル選択方法において、前記少なくとも1つの追加基地局の前記位置は前記第1基地局によって前記移動局へ送信されるチャネル選択方法。
【請求項5】
請求項7記載のチャネル選択方法において、前記少なくとも1つの追加基地局の前記位置は前記第1基地局によって前記移動局へ送信されたネイバ・リストに含まれるチャネル選択方法。
【請求項6】
請求項1記載のチャネル選択方法において、前記チャネル品質測定を遂行する前記頻度は前記移動局の移動度の関数であるチャネル選択方法。
【請求項7】
請求項6記載のチャネル選択方法において、前記チャネル品質測定を遂行する前記頻度は前記移動局の前記位置の変化の率の関数であるチャネル選択方法。
【請求項8】
請求項6記載のチャネル選択方法において、前記チャネル品質測定を遂行する前記頻度は前記移動局が前記位置に滞在する時間の長さの関数であるチャネル選択方法。
【請求項9】
請求項1記載のチャネル選択方法において、前記チャネル品質測定は前記移動局が遊休モードにある間に前記移動局によって遂行されるチャネル選択方法。
【請求項10】
請求項1記載のチャネル選択方法において、前記チャネル品質測定は前記移動局がパケット交換呼に従事している間に前記移動局によって遂行されるチャネル選択方法。
【請求項11】
請求項1記載のチャネル選択方法において、前記チャネル品質測定は前記移動局が回線交換呼に従事している間に前記移動局によって遂行されるチャネル選択方法。
【請求項12】
請求項1記載のチャネル選択方法において、前記移動局はセル選択に前記チャネル品質測定を使用するチャネル選択方法。
【請求項13】
請求項1記載のチャネル選択方法であって、前記移動局から前記移動局にサービスする第1基地局へ前記チャネル品質測定を送信することを更に含むチャネル選択方法。
【請求項14】
請求項13記載のチャネル選択方法であって、前記チャネル品質測定に基づいて前記第1基地局でハンドオフ決定を行うことを更に含むチャネル選択方法。
【請求項15】
移動局の位置を決定する方法であって、
第1時刻に前記移動局の位置を決定することと、
前記位置を周期的に更新することであって、前記更新する頻度は前記移動局の前記位置の関数であるようになっている前記位置を周期的に前記更新することと
を含む移動局の位置を決定する方法。
【請求項16】
請求項15記載のチャネル選択方法において、前記位置を更新する前記頻度は前記移動局にサービスする第1基地局に関する前記移動局の相対位置の関数であるチャネル選択方法。
【請求項17】
請求項15記載のチャネル選択方法において、前記位置を更新する前記頻度は前記移動局にサービスする第1基地局と少なくとも1つの追加基地局とに関する前記移動局の相対位置の関数であるチャネル選択方法。
【請求項18】
請求項17記載のチャネル選択方法において、前記少なくとも1つの追加基地局の位置は前記第1基地局によって前記移動局へ送信されるチャネル選択方法。
【請求項19】
請求項18記載のチャネル選択方法において、前記少なくとも1つの追加基地局の前記位置は前記第1基地局によって前記移動局へ送信されたネイバ・リストに含まれるチャネル選択方法。
【請求項20】
請求項15記載のチャネル選択方法において、前記位置を更新する前記頻度は前記移動局の移動度の関数であるチャネル選択方法。
【請求項21】
請求項20記載のチャネル選択方法において、前記位置を更新する前記頻度は前記移動局の前記位置の変化の率の関数であるチャネル選択方法。
【請求項22】
請求項20記載のチャネル選択方法において、前記位置を更新する前記頻度は前記移動局が前記位置に滞在する時間の長さの関数であるチャネル選択方法。
【請求項23】
請求項15記載のチャネル選択方法において、前記更新は前記移動局が遊休モードにある間に前記移動局によって遂行されるチャネル選択方法。
【請求項24】
請求項15記載のチャネル選択方法において、前記更新は前記移動局がパケット交換呼に従事している間に前記移動局によって遂行されるチャネル選択方法。
【請求項25】
請求項15記載のチャネル選択方法において、前記更新は前記移動局が回線交換呼に従事している間に前記移動局によって遂行されるチャネル選択方法。
【請求項26】
請求項15記載のチャネル選択方法であって、前記移動局から前記基地局へ位置情報を送信することを更に含むチャネル選択方法。
【請求項27】
移動局によるチャネル選択方法であって、
第1基地局で以て前記移動局にサービスすることと、
隣接基地局と相当する位置とのリストを各前記隣接基地局毎に発生することと、
前記移動局へ隣接基地局と相当する位置との前記少なくとも1つのリストを前記隣接基地局の各々毎に送信することと
を含むチャネル選択方法。
【請求項28】
請求項27記載の方法において、隣接基地局と相当する位置との前記リストを前記隣接基地局の各々毎に送信する前記ステップは放送チャネルで送信される方法。
【請求項29】
請求項27記載の方法において、隣接基地局と相当する位置との前記リストを前記隣接基地局の各々毎に送信する前記ステップはポイント・ツー・ポイント・チャネルで送信される方法。
【請求項30】
請求項27記載の方法において、前記リストは複数のエリア定義を含み、及び前記リスト内の前記隣接基地局は前記リスト内の前記エリア定義の少なくとも1つと関連している方法。
【請求項31】
移動局であって、
無線周波数信号を送信しかつ受信するトランシーバと、
前記トランシーバによって受信された選択された信号にチャネル品質測定を周期的に遂行するために前記トランシーバに動作上接続された信号プロセッサと、
前記移動局の位置の関数として前記チャネル品質測定を遂行する頻度を変更するように前記信号プロセッサと前記トランシーバとを制御する制御論理と
を含む移動局。
【請求項32】
請求項31記載の移動局において、前記制御論理は前記移動局にサービスする第1基地局に関する前記移動局の相対位置に基づいて前記チャネル品質測定を遂行する頻度を変更する移動局。
【請求項33】
請求項31記載の移動局において、前記制御論理は前記移動局にサービスする第1基地局と少なくとも1つの追加基地局とに関する前記移動局の相対位置に基づいて前記チャネル品質測定を遂行する頻度を変更する移動局。
【請求項34】
請求項31記載の移動局において、前記制御論理は前記移動局の移動度に基づいて前記チャネル品質測定を遂行する頻度を変更する移動局。
【請求項35】
請求項34記載の移動局において、前記制御論理は前記移動局の前記位置の変化の率に基づいて前記チャネル品質測定を遂行する頻度を変更する移動局。
【請求項36】
請求項34記載の移動局において、前記制御論理は前記移動局が前記位置に滞在している時間の長さに基づいて前記チャネル品質測定を遂行する頻度を変更する移動局。
【請求項37】
請求項31記載の移動局であって、前記移動局の位置を決定する測位受信機を更に含む移動局。
【請求項38】
移動局であって、
無線周波数信号を送信しかつ受信するトランシーバと、
前記移動局の位置を周期的に決定する測位受信機と、
前記トランシーバと前記測位受信機とを制御する制御論理であって、前記制御論理は前記移動局の前記位置の関数として前記位置を決定する頻度を変更するようになっている前記制御論理とを含む移動局。
【請求項39】
請求項38記載の移動局において、前記制御論理は前記移動局にサービスする第1基地局に関する前記移動局の相対位置に基づいて前記移動局の前記位置を決定する頻度を変更する移動局。
【請求項40】
請求項38記載の移動局において、前記制御論理は前記移動局にサービスする第1基地局と少なくとも1つの追加基地局とに関する前記移動局の相対位置に基づいて前記移動局の前記位置を決定する頻度を変更する移動局。
【請求項41】
請求項38記載の移動局において、前記制御論理は前記移動局の移動度に基づいて前記移動局の前記位置を決定する頻度を変更する移動局。
【請求項42】
請求項38記載の移動局において、前記制御論理は前記移動局の前記位置の変化の率に基づいて前記移動局の前記位置を決定する頻度を変更する移動局。
【請求項43】
請求項38記載の移動局において、前記制御論理は前記移動局が前記位置に滞在する時間の長さに基づいて前記移動局の前記位置を決定する頻度を変更する移動局。
【請求項44】
移動局を制御する方法であって、
前記移動局の位置を決定することと、
周期的タスクを遂行することであって、前記タスクを遂行する頻度は前記移動局の前記位置の関数であるようになっている前記周期的タスクを前記遂行することと
を含む制御する方法。
【請求項45】
請求項44記載の制御方法において、前記周期的タスクを遂行する前記頻度は前記移動局にサービスする第1基地局に関する前記移動局の相対位置の関数である制御方法。
【請求項46】
請求項44記載の制御方法において、前記周期的タスクを遂行する前記頻度は前記移動局にサービスする第1基地局と少なくとも1つの追加基地局とに関する前記移動局の相対位置の関数である制御方法。
【請求項47】
請求項44記載の制御方法において、前記周期的タスクを遂行する前記頻度は前記移動局の移動度の関数である制御方法。
【請求項48】
請求項47記載の制御方法において、前記周期的タスクを遂行する前記頻度は前記移動局の前記位置の変化の率の関数である制御方法。
【請求項49】
請求項47記載の制御方法において、前記チャネル品質測定を遂行する前記頻度は前記移動局が前記位置に滞在する時間の長さの関数である制御方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−71997(P2011−71997A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−230091(P2010−230091)
【出願日】平成22年10月12日(2010.10.12)
【分割の表示】特願2001−557323(P2001−557323)の分割
【原出願日】平成12年12月18日(2000.12.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(502086784)エリクソン インコーポレイテッド (20)
【氏名又は名称原語表記】ERICSSON INC.
【住所又は居所原語表記】6300 Legacy Drive,Plano,Texas 75024,U.S.A.
【Fターム(参考)】