セルラーワイヤレスネットワークにおける移動局間直接通信
【課題】セルラーワイヤレスリレーネットワークを含むセルラーワイヤレスネットワークにおける移動局(MS)間直接通信のためのプロトコルを提供する。
【解決手段】MS間直接通信データパケットの優先送信のため、MS間ダイレクトコミュニケーションゾーンがセルラーワイヤレスネットワークあるいはセルラーワイヤレスリレーネットワークのフレーム構造に指定される。MS間直接通信の特長定義に基づき、同一セル内、および異なるセルのMS間直接通信のための集中スケジューリングと分散スケジューリングを定義する。リソースリクエストのメッセージと割り当て信号方式について定義する。インフラ局サポートあり、なし、両方の場合のMS間直接通信について検討する。さらに、インフラ局が故障した場合の、新しいBSあるいは集中スケジューラ(CS)の選択も説明する。
【解決手段】MS間直接通信データパケットの優先送信のため、MS間ダイレクトコミュニケーションゾーンがセルラーワイヤレスネットワークあるいはセルラーワイヤレスリレーネットワークのフレーム構造に指定される。MS間直接通信の特長定義に基づき、同一セル内、および異なるセルのMS間直接通信のための集中スケジューリングと分散スケジューリングを定義する。リソースリクエストのメッセージと割り当て信号方式について定義する。インフラ局サポートあり、なし、両方の場合のMS間直接通信について検討する。さらに、インフラ局が故障した場合の、新しいBSあるいは集中スケジューラ(CS)の選択も説明する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はワイヤレス通信に関し、特に、セルラーワイヤレスネットワークにおける移動局間直接通信のためのプロトコルに関する。
【背景技術】
【0002】
セルラーワイヤレス通信が今や世界中で人々の生活の一部になっているのは見ての通りである。最近ではセルラーワイヤレス中継通信が登場している。例えば、IEEE 80.16j−2009とIEEE 802.16mの両方が中継通信モードを採用している。
【0003】
セルラーワイヤレスリレーネットワークを含む現在のセルラーワイヤレスネットワークは移動局(MS)間の直接通信をサポートしていない。図1(a)に示すように、従来のセルラーワイヤレスネットワークにおいては、セル内でMS−AがMS−Bへデータパケットを送る必要がある場合、データパケットはセルの基地局(BS)を通る必要がある。同様に、図1(b)に示すセルラーワイヤレスリレーネットワークでは、MS−BがMS−Cへデータパケットを送る必要がある場合、データパケットは上位局RS−AとBSを通る必要がある。さらに、図1(c)に示すように、通信状態にある二つのMSが二つのセルに属す場合、データパケットはBSとRS(該当する場合)を含むすべての関係上位局を通る必要がある。互いに通信距離内にあるこのような二つのMSが関係する場合、明らかに余計な遅延をもたらし、帯域幅リソースを余計に使用することになる。トラフィックの大きなセルラーワイヤレスネットワークやセルラーワイヤレスリレーネットワークでは、帯域幅リソースの無駄遣いを許容することはできない。
【0004】
以上の問題が発生するのは、現在のセルラーワイヤレスネットワークとセルラーワイヤレスリレーネットワークの多くにおいて二つのMS間直接通信がサポートされていない事実のためである。これらのフレーム構造設計において、アップリンクとダウンリンクの通信しかサポートされていないためである。セルラーワイヤレスネットワークのための一般的時分割二重(TDD)フレーム構造を図2(a)に示す。フレームはダウンリンク(DL)とアップリンク(UL)サブフレームから成る。図2(b)はセルラーワイヤレスリレーネットワークのためのTDDフレーム構造を示す。フレームは、DLアクセスゾーン、DLリレーゾーン、ULアクセスゾーン、ULリレーゾーンから成り、サブフレーム/ゾーンのすべては、インフラ局と移動局間、あるいは二つのインフラ局(RSのような)間の通信用である。移動局間直接通信は、IEEE 802.16j−2009やIEEE 802.16mのような新しいセルラーワイヤレスリレーネットワークにおいてさえ、従来のセルラーワイヤレスネットワークのフレーム構造設計ではサポートされていない。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、関連技術の限界や短所による問題の一つ以上を実質的に取り除くMS間直接通信プロトコルを対象とする。
【0006】
本発明の目的は、帯域幅リソースを節約し、パケット送信遅延を軽減することによりネットワーク性能を改善し、セルラーワイヤレスネットワークおよびセルラーワイヤレスリレーネットワークにおけるMS間直接通信の解決策を提供することにある。
【0007】
本発明は、ダイレクトコミュニケーションゾーン(DCZ)、ダイレクトコミュニケーションMAPメッセージ、小さなセルにおけるMS間直接通信の集中スケジューリングと分散スケジューリング、異なるセルのMS間直接通信を含む。
【0008】
ダイレクトコミュニケーションゾーンは、MS間直接通信の優先送信のために指定され、サービスの質(QoS)を保証することを目標とする。MS間直接通信はDCZに限定されず、またDCZはMS間直接通信のために限定されるものではない。DCZのサイズ、用途ともに融通をきかせることができる。ダイレクトコミュニケーションMAPメッセージは、リソース割り当てと信号方式情報を伝える。二つのスケジューリング機構により、インフラ局を使った送信スケジューリングと、インフラサポートなしの送信スケジューリングが可能であり、MS間直接通信は、ワンホップとツーホップの両方が可能である。
【0009】
本発明の別の目的は、データソースと宛先MSが異なるセルの場合に、MS間直接通信を可能にすることである。自己共存性によりサポートされるハンドオーバースキームとフレームシェアリングスキームを発明し、このタイプのMS間直接通信をサポートする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1(a)】図1(a)は、従来のセルラーワイヤレスネットワークのセル内のMS間通信の例である。
【図1(b)】図1(b)は、IEEE 802.16j−2009やIEEE 802.16mのようなセルラーワイヤレスリレーネットワークのセル内のMS間通信の例である。
【図1(c)】図1(c)は、従来のセルラーワイヤレスネットワークの異なるセルの二つのMS間通信の例である。
【図2(a)】図2(a)は、従来のセルラーワイヤレスネットワークのTDDフレーム構造である。
【図2(b)】図2(b)は、従来のセルラーワイヤレスリレーネットワークのTDDフレーム構造である。
【図3(a)】図3(a)は、TDDフレーム構造におけるダイレクトコミュニケーションゾーンと、それとは独立したDL、ULサブフレームを示す。
【図3(b)】図3(b)は、TDDフレーム構造内のULサブフレームを部分的に占めるダイレクトコミュニケーションゾーンを示す(OFDMA PHY)。
【図3(c)】図3(c)は、TDDフレーム構造内のDLサブフレームを部分的に占めるダイレクトコミュニケーションゾーンを示す(OFDMA PHY)。
【図3(d)】図3(d)は、ワイヤレス中継通信をサポートするTDDフレーム構造内のリレーゾーンあるいはアクセスゾーンの一部分を占めるダイレクトコミュニケーションゾーンを示す(OFDMA PHY)。
【図3(e)】図3(e)は、FDDフレーム構造におけるダイレクトコミュニケーションゾーンと、それとは独立したDLあるいはULサブフレームを示す。
【図3(f)】図3(f)は、FDDフレーム構造内のDLあるいはULサブフレームの一部分を占めるダイレクトコミュニケーションゾーンを示す(OFDMA PHY)。
【図3(g)】図3(g)は、FDDフレーム構造のDL、UL周波数チャンネルとは異なる周波数チャンネルで操作されるダイレクトコミュニケーションゾーンを示す。
【図3(h)】図3(h)は、ワイヤレス中継通信のためのFDDフレーム構造のDLあるいはULサブフレームのアクセスゾーンあるいはリレーゾーンの一部分を占めるダイレクトコミュニケーションゾーンを示す(OFDMA PHY)。
【図3(i)】図3(i)は、ワイヤレス通信用のTDDフレーム構造のDL、ULサブフレーム以外の別の周波数チャンネルを使用するダイレクトコミュニケーションゾーンを示す。
【図4(a)】図4(a)は、セルラーワイヤレスネットワークのワンホップMS間直接通信の例である。
【図4(b)】図4(b)は、セルラーワイヤレスリレーネットワークのワンホップMS間直接通信の例である。
【図4(c)】図4(c)は、セルラーワイヤレスネットワークのツーホップMS間直接通信の例である。
【図4(d)】図4(d)は、セルラーワイヤレスリレーネットワークのツーホップMS間直接通信の例である。
【図5】図5は、ワイヤレスネットワークの分散スケジューリングの三方向ハンドシェークプロシージャを示す。
【図6】図6は、セルラーワイヤレスネットワークの隣接する複数セル間で共有されるフレームを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
MS間直接通信は、MS間直接送信をフレームでスケジューリングするためのプロトコルを伴う。ここでは、スペースの詳細、スケジューリング機構、MS間直接通信のための関連メッセージを紹介する。
【0012】
1 ダイレクトコミュニケーションゾーン
【0013】
ダイレクトコミュニケーションゾーン(DCZ)は、MS間直接通信のために割り当てられるフレームにおける、周波数にしたがう連続するサブチャンネルと時間にしたがう連続する記号のスペースである。
【0014】
DCZは一つのフレーム内にあり、連続する複数のフレームにまたがることはない。
【0015】
DCZは、図3(a)(e)に示すように、DL、ULサブフレームとは独立することができ、また図3(b)(c)(d)(f)(h)に示すように、OFDMA PHYを使用する場合、DLあるいはULサブフレームの一部分を占めることができる。
【0016】
DCZは、図3(g)(i)に示すように、DL、UL周波数チャンネル以外の別の周波数チャンネルを使用することができる。
【0017】
DCZは、TDDフレームあるいはFDDフレーム内とすることができる。
【0018】
DCZは、図3(d)(h)に示すように、OFDMA PHYが使用される場合、DLあるいはULサブフレームのアクセスゾーンあるいはリレーゾーンの一部分とすることができる。
【0019】
DCZは、DLとULのサブフレームにまたがることはない。DCZは、リレーゾーンとアクセスゾーンにまたがることはない。
【0020】
MS間直接通信のスケジュール優先はDCZにある。MS間直接通信のスケジュールがない場合、ダウンリンク、アップリンクのバースト送信をDCZにスケジュールすることができる。
【0021】
DCZのサイズは拡大可能である。周波数にしたがうサブチャンネル数と時間にしたがう記号数はBSにより定期的に更新することができる。
【0022】
一つのフレームは必要に応じて一つ以上のDCZから成る場合がある。
【0023】
MS間の直接通信のスケジュール優先はDCZにあるため、DCZの一つの長所は、MS間直接通信にサービスの質(QoS)を提供できる点である。
【0024】
2 MS間直接通信(DC)
【0025】
図4(a)(b)、図4(c)(d)にそれぞれ示すように、MS間直接通信は、ワンホップMS DC、ツーホップMS DCに分類される。
【0026】
ワンホップMS間直接通信では、MSはデータパケットを別のMS(一つ以上)との間で直接送受信し、その他の局を中継したり通過したりすることはない。
【0027】
ツーホップMS DCでは、中間MSによるユーザーデータやコントロール信号方式の転送により、MSは別のMS(一つ以上)と通信する。
【0028】
MS間直接通信のスケジュール優先はDCZにある。
【0029】
MS間直接通信がDCZより大きな容量を要求する場合は、DCZを拡大するよう要求することがある。
【0030】
MS直接通信は二通りの方法でスケジュールすることができる。集中スケジューリングと分散スケジューリングである。集中スケジューリングの場合、BSあるいは集中スケジューラが送信をスケジュールする。分散スケジューリングの場合、直接通信に関わるMSと隣接局が分散して送信をスケジュールする。
【0031】
MS間直接通信は、セル内のMS間で発生することもあるし、異なるセルのMS間でも可能である。
【0032】
3 ダイレクトコミュニケーションMAPメッセージ
【0033】
ダイレクトコミュニケーションMAP(DC−MAP)メッセージは、MS間直接通信のためのリソース割り当ておよびその他のコントロール情報の信号を送るものである。MS間直接通信はダイレクトコミュニケーションゾーンにスケジュールされることに限定されないため、リソース割り当てはダイレクトコミュニケーションゾーンに限定されない。
【0034】
4 集中スケジューラ
【0035】
BSが故障する場合、MSあるいはRSが、MS間直接通信の集中スケジューリングのための集中スケジューラ(CS)として機能することができる。
【0036】
MSあるいはRSはワンホップ隣接局を持ち、セルのBSが故障する場合、集中スケジューラとなることができる。
【0037】
CSへ向かうトラフィックがアップリンクであり、CSからのトラフィックがダウンリンクである。
【0038】
5 同一セル内MS間直接通信の集中スケジューリング
【0039】
MS間直接通信の集中スケジューリングは、BSにより、あるいはBSが使用可能でない場合はCSにより実施される。
【0040】
集中スケジューリングにおいて直接通信のためのリソースを要請するため、MSにポーリングを使用する場合がある。
【0041】
リソース要請のため、DCCS(ダイレクトコミュニケーション集中スケジューリング)メッセージを使用することができる。DCCS:Request(リクエスト)がリクエスタMSにより、BSあるいはCSへ送られる。ツリートポロジーのセルラーワイヤレスリレーネットワークの場合、DCCS:Requestは経路に沿ってBSあるいはCSへ送られる。
【0042】
BSあるいはCSは、セル内のMSの帯域幅リクエストを回収し、これにしたがってリソースを与える。DC−MAPメッセージを使用してMS間直接通信のために許可されたリソースを送る。DC−MAPメッセージは、関係する直接通信にかかわるMSへ送られる。リソース許可は必要に応じて承認される。
【0043】
DCCSメッセージの送信はBSあるいはCSによりULサブフレームにおいてスケジュールされる。
【0044】
6 同一セル内MS間直接通信の分散スケジューリング
【0045】
分散スケジューリングでは、MS間直接通信は、ワンホップ通信範囲内のデータソースMS、データ宛先MS、MS(該当する場合はRS)によりスケジュールされる。
【0046】
分散スケジューリングは、ダイレクトコミュニケーションゾーンでワンホップMS間直接通信をスケジュールするためにのみ使用される。
【0047】
分散スケジューリングは、セルがBSあるいはCSを持つ場合に使用することができる。BSあるいはCSがない場合、MSをBSあるいはCSとして選択する必要がある。MSがBSあるいはCSとして機能することをシステムがサポートしない場合、BSあるいはCSなしの分散スケジューリングをサポートすることもできる。MSがBSあるいはCSとして選択され、機能する場合、その他のMSとの通信はアップリンクあるいはダウンリンク送信のためのプロトコルに従う。
【0048】
BSあるいはCSがない場合、DCZはすべてのアップリンク、ダウンリンクのサブフレームを占めることがある。
【0049】
分散スケジューリングでは、三方向ハンドシェークプロシージャ(適用、許可、許可承認)が使用される。
【0050】
三方向ハンドシェークプロシージャを図5に示す。DCDS(ダイレクトコミュニケーション分散スケジューリング)メッセージが分散スケジューリングの三方向ハンドシェークプロシージャに使用されている。
【0051】
図5に示すように、DCDS:Request(リクエスト)はリクエスタMSにより送信される。DCDS:Grant(許可)はグランタMSにより送信され、可能な場合、提案されたリソースのサブセットにより対応し、リクエストに応える。DCDS:Grant ACK(許可承認)は最初のリクエスタMSにより送信され、許可されるリソースを含み、スケジュールを確認する。リクエスタとグランタのワンホップネイバー(隣接局)は、DCDS:GrantあるいはDCDS:Grant ACKのいずれかによりスケジュールが知らされる。
【0052】
セル内にBSあるいはCSがある場合、DCDSメッセージの送信はBSあるいはCSにより集中スケジュールされる。セル内にBSあるいはCSがない場合、DCDSメッセージの送信はMS(および該当する場合はRS)により分散スケジュールされる。
【0053】
セル内にBSあるいはCSがある場合、リソース割り当てはDCDS:Report(レポート)によりBSあるいはCSへ報告される。DCDS:Reportを受け取り次第、BSあるいはCSはリソース割り当てを知り、同一チャンネル干渉問題を解決するために適切な機構が採用されない場合は、同じリソースをその他の局へ割り当てることはしない。
【0054】
7 異なるセルのMS間直接通信
【0055】
ワンホップ離れた異なるセルのMSが直接通信することが可能である。
【0056】
MSが別のセルのMSと通信する必要がある場合、直接の方法は、MSハンドオーバーであり、別のセルのBSと関連付ける。ハンドオーバー後、セルのMS間直接通信のプロトコルを使用することにより、そのセルのMSと直接通信を開始することができる。直接通信が終われば、MSハンドオーバーは解消され、もとのセルへ戻る。
【0057】
複数の隣接セルが同一周波数チャンネル上で操作され、フレームシェアリングの自己共存機構が適用される場合、異なるセルのMS間直接通信はより簡単になる。
【0058】
フレームシェアリングの自己共存機構とは、図6に示すように、複数の隣接セルが同一周波数チャンネル上の時間ドメインの異なるフレームで操作されるものである。一般的に、自己共存ビーコンは、指定の自己共存ウインドウのセル間に送信される。異なるセル間への自己共存ビーコンの送信は自己共存機構によりスケジュールされる。隣接セルは、自己共存ビーコンを交換することによりコントロール情報を交換することができる。
【0059】
この場合(同一周波数チャンネルで異なるフレームを共有する場合)、MSが別のセルのMSと通信する必要がある場合、フレームプリアンブルを追跡することによりそのセルのフレームに同期させることがある。同期後、自己共存ビーコンの送信によりもう一つのセルの宛先MSへリソースリクエストを送信する。別のセルのワンホップネイバーから、自己共存ビーコンが運ぶリソースリクエストメッセージを受け取り次第、MSはBSあるいはCSへこのリクエストを報告してリソースを集中スケジューリングにより割り当てるか、あるいは図5に示すように分散スケジューリングのプロシージャを開始する。この場合、DCDSメッセージは自己共存ビーコンの一部分として送信される。
【技術分野】
【0001】
本発明はワイヤレス通信に関し、特に、セルラーワイヤレスネットワークにおける移動局間直接通信のためのプロトコルに関する。
【背景技術】
【0002】
セルラーワイヤレス通信が今や世界中で人々の生活の一部になっているのは見ての通りである。最近ではセルラーワイヤレス中継通信が登場している。例えば、IEEE 80.16j−2009とIEEE 802.16mの両方が中継通信モードを採用している。
【0003】
セルラーワイヤレスリレーネットワークを含む現在のセルラーワイヤレスネットワークは移動局(MS)間の直接通信をサポートしていない。図1(a)に示すように、従来のセルラーワイヤレスネットワークにおいては、セル内でMS−AがMS−Bへデータパケットを送る必要がある場合、データパケットはセルの基地局(BS)を通る必要がある。同様に、図1(b)に示すセルラーワイヤレスリレーネットワークでは、MS−BがMS−Cへデータパケットを送る必要がある場合、データパケットは上位局RS−AとBSを通る必要がある。さらに、図1(c)に示すように、通信状態にある二つのMSが二つのセルに属す場合、データパケットはBSとRS(該当する場合)を含むすべての関係上位局を通る必要がある。互いに通信距離内にあるこのような二つのMSが関係する場合、明らかに余計な遅延をもたらし、帯域幅リソースを余計に使用することになる。トラフィックの大きなセルラーワイヤレスネットワークやセルラーワイヤレスリレーネットワークでは、帯域幅リソースの無駄遣いを許容することはできない。
【0004】
以上の問題が発生するのは、現在のセルラーワイヤレスネットワークとセルラーワイヤレスリレーネットワークの多くにおいて二つのMS間直接通信がサポートされていない事実のためである。これらのフレーム構造設計において、アップリンクとダウンリンクの通信しかサポートされていないためである。セルラーワイヤレスネットワークのための一般的時分割二重(TDD)フレーム構造を図2(a)に示す。フレームはダウンリンク(DL)とアップリンク(UL)サブフレームから成る。図2(b)はセルラーワイヤレスリレーネットワークのためのTDDフレーム構造を示す。フレームは、DLアクセスゾーン、DLリレーゾーン、ULアクセスゾーン、ULリレーゾーンから成り、サブフレーム/ゾーンのすべては、インフラ局と移動局間、あるいは二つのインフラ局(RSのような)間の通信用である。移動局間直接通信は、IEEE 802.16j−2009やIEEE 802.16mのような新しいセルラーワイヤレスリレーネットワークにおいてさえ、従来のセルラーワイヤレスネットワークのフレーム構造設計ではサポートされていない。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、関連技術の限界や短所による問題の一つ以上を実質的に取り除くMS間直接通信プロトコルを対象とする。
【0006】
本発明の目的は、帯域幅リソースを節約し、パケット送信遅延を軽減することによりネットワーク性能を改善し、セルラーワイヤレスネットワークおよびセルラーワイヤレスリレーネットワークにおけるMS間直接通信の解決策を提供することにある。
【0007】
本発明は、ダイレクトコミュニケーションゾーン(DCZ)、ダイレクトコミュニケーションMAPメッセージ、小さなセルにおけるMS間直接通信の集中スケジューリングと分散スケジューリング、異なるセルのMS間直接通信を含む。
【0008】
ダイレクトコミュニケーションゾーンは、MS間直接通信の優先送信のために指定され、サービスの質(QoS)を保証することを目標とする。MS間直接通信はDCZに限定されず、またDCZはMS間直接通信のために限定されるものではない。DCZのサイズ、用途ともに融通をきかせることができる。ダイレクトコミュニケーションMAPメッセージは、リソース割り当てと信号方式情報を伝える。二つのスケジューリング機構により、インフラ局を使った送信スケジューリングと、インフラサポートなしの送信スケジューリングが可能であり、MS間直接通信は、ワンホップとツーホップの両方が可能である。
【0009】
本発明の別の目的は、データソースと宛先MSが異なるセルの場合に、MS間直接通信を可能にすることである。自己共存性によりサポートされるハンドオーバースキームとフレームシェアリングスキームを発明し、このタイプのMS間直接通信をサポートする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1(a)】図1(a)は、従来のセルラーワイヤレスネットワークのセル内のMS間通信の例である。
【図1(b)】図1(b)は、IEEE 802.16j−2009やIEEE 802.16mのようなセルラーワイヤレスリレーネットワークのセル内のMS間通信の例である。
【図1(c)】図1(c)は、従来のセルラーワイヤレスネットワークの異なるセルの二つのMS間通信の例である。
【図2(a)】図2(a)は、従来のセルラーワイヤレスネットワークのTDDフレーム構造である。
【図2(b)】図2(b)は、従来のセルラーワイヤレスリレーネットワークのTDDフレーム構造である。
【図3(a)】図3(a)は、TDDフレーム構造におけるダイレクトコミュニケーションゾーンと、それとは独立したDL、ULサブフレームを示す。
【図3(b)】図3(b)は、TDDフレーム構造内のULサブフレームを部分的に占めるダイレクトコミュニケーションゾーンを示す(OFDMA PHY)。
【図3(c)】図3(c)は、TDDフレーム構造内のDLサブフレームを部分的に占めるダイレクトコミュニケーションゾーンを示す(OFDMA PHY)。
【図3(d)】図3(d)は、ワイヤレス中継通信をサポートするTDDフレーム構造内のリレーゾーンあるいはアクセスゾーンの一部分を占めるダイレクトコミュニケーションゾーンを示す(OFDMA PHY)。
【図3(e)】図3(e)は、FDDフレーム構造におけるダイレクトコミュニケーションゾーンと、それとは独立したDLあるいはULサブフレームを示す。
【図3(f)】図3(f)は、FDDフレーム構造内のDLあるいはULサブフレームの一部分を占めるダイレクトコミュニケーションゾーンを示す(OFDMA PHY)。
【図3(g)】図3(g)は、FDDフレーム構造のDL、UL周波数チャンネルとは異なる周波数チャンネルで操作されるダイレクトコミュニケーションゾーンを示す。
【図3(h)】図3(h)は、ワイヤレス中継通信のためのFDDフレーム構造のDLあるいはULサブフレームのアクセスゾーンあるいはリレーゾーンの一部分を占めるダイレクトコミュニケーションゾーンを示す(OFDMA PHY)。
【図3(i)】図3(i)は、ワイヤレス通信用のTDDフレーム構造のDL、ULサブフレーム以外の別の周波数チャンネルを使用するダイレクトコミュニケーションゾーンを示す。
【図4(a)】図4(a)は、セルラーワイヤレスネットワークのワンホップMS間直接通信の例である。
【図4(b)】図4(b)は、セルラーワイヤレスリレーネットワークのワンホップMS間直接通信の例である。
【図4(c)】図4(c)は、セルラーワイヤレスネットワークのツーホップMS間直接通信の例である。
【図4(d)】図4(d)は、セルラーワイヤレスリレーネットワークのツーホップMS間直接通信の例である。
【図5】図5は、ワイヤレスネットワークの分散スケジューリングの三方向ハンドシェークプロシージャを示す。
【図6】図6は、セルラーワイヤレスネットワークの隣接する複数セル間で共有されるフレームを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
MS間直接通信は、MS間直接送信をフレームでスケジューリングするためのプロトコルを伴う。ここでは、スペースの詳細、スケジューリング機構、MS間直接通信のための関連メッセージを紹介する。
【0012】
1 ダイレクトコミュニケーションゾーン
【0013】
ダイレクトコミュニケーションゾーン(DCZ)は、MS間直接通信のために割り当てられるフレームにおける、周波数にしたがう連続するサブチャンネルと時間にしたがう連続する記号のスペースである。
【0014】
DCZは一つのフレーム内にあり、連続する複数のフレームにまたがることはない。
【0015】
DCZは、図3(a)(e)に示すように、DL、ULサブフレームとは独立することができ、また図3(b)(c)(d)(f)(h)に示すように、OFDMA PHYを使用する場合、DLあるいはULサブフレームの一部分を占めることができる。
【0016】
DCZは、図3(g)(i)に示すように、DL、UL周波数チャンネル以外の別の周波数チャンネルを使用することができる。
【0017】
DCZは、TDDフレームあるいはFDDフレーム内とすることができる。
【0018】
DCZは、図3(d)(h)に示すように、OFDMA PHYが使用される場合、DLあるいはULサブフレームのアクセスゾーンあるいはリレーゾーンの一部分とすることができる。
【0019】
DCZは、DLとULのサブフレームにまたがることはない。DCZは、リレーゾーンとアクセスゾーンにまたがることはない。
【0020】
MS間直接通信のスケジュール優先はDCZにある。MS間直接通信のスケジュールがない場合、ダウンリンク、アップリンクのバースト送信をDCZにスケジュールすることができる。
【0021】
DCZのサイズは拡大可能である。周波数にしたがうサブチャンネル数と時間にしたがう記号数はBSにより定期的に更新することができる。
【0022】
一つのフレームは必要に応じて一つ以上のDCZから成る場合がある。
【0023】
MS間の直接通信のスケジュール優先はDCZにあるため、DCZの一つの長所は、MS間直接通信にサービスの質(QoS)を提供できる点である。
【0024】
2 MS間直接通信(DC)
【0025】
図4(a)(b)、図4(c)(d)にそれぞれ示すように、MS間直接通信は、ワンホップMS DC、ツーホップMS DCに分類される。
【0026】
ワンホップMS間直接通信では、MSはデータパケットを別のMS(一つ以上)との間で直接送受信し、その他の局を中継したり通過したりすることはない。
【0027】
ツーホップMS DCでは、中間MSによるユーザーデータやコントロール信号方式の転送により、MSは別のMS(一つ以上)と通信する。
【0028】
MS間直接通信のスケジュール優先はDCZにある。
【0029】
MS間直接通信がDCZより大きな容量を要求する場合は、DCZを拡大するよう要求することがある。
【0030】
MS直接通信は二通りの方法でスケジュールすることができる。集中スケジューリングと分散スケジューリングである。集中スケジューリングの場合、BSあるいは集中スケジューラが送信をスケジュールする。分散スケジューリングの場合、直接通信に関わるMSと隣接局が分散して送信をスケジュールする。
【0031】
MS間直接通信は、セル内のMS間で発生することもあるし、異なるセルのMS間でも可能である。
【0032】
3 ダイレクトコミュニケーションMAPメッセージ
【0033】
ダイレクトコミュニケーションMAP(DC−MAP)メッセージは、MS間直接通信のためのリソース割り当ておよびその他のコントロール情報の信号を送るものである。MS間直接通信はダイレクトコミュニケーションゾーンにスケジュールされることに限定されないため、リソース割り当てはダイレクトコミュニケーションゾーンに限定されない。
【0034】
4 集中スケジューラ
【0035】
BSが故障する場合、MSあるいはRSが、MS間直接通信の集中スケジューリングのための集中スケジューラ(CS)として機能することができる。
【0036】
MSあるいはRSはワンホップ隣接局を持ち、セルのBSが故障する場合、集中スケジューラとなることができる。
【0037】
CSへ向かうトラフィックがアップリンクであり、CSからのトラフィックがダウンリンクである。
【0038】
5 同一セル内MS間直接通信の集中スケジューリング
【0039】
MS間直接通信の集中スケジューリングは、BSにより、あるいはBSが使用可能でない場合はCSにより実施される。
【0040】
集中スケジューリングにおいて直接通信のためのリソースを要請するため、MSにポーリングを使用する場合がある。
【0041】
リソース要請のため、DCCS(ダイレクトコミュニケーション集中スケジューリング)メッセージを使用することができる。DCCS:Request(リクエスト)がリクエスタMSにより、BSあるいはCSへ送られる。ツリートポロジーのセルラーワイヤレスリレーネットワークの場合、DCCS:Requestは経路に沿ってBSあるいはCSへ送られる。
【0042】
BSあるいはCSは、セル内のMSの帯域幅リクエストを回収し、これにしたがってリソースを与える。DC−MAPメッセージを使用してMS間直接通信のために許可されたリソースを送る。DC−MAPメッセージは、関係する直接通信にかかわるMSへ送られる。リソース許可は必要に応じて承認される。
【0043】
DCCSメッセージの送信はBSあるいはCSによりULサブフレームにおいてスケジュールされる。
【0044】
6 同一セル内MS間直接通信の分散スケジューリング
【0045】
分散スケジューリングでは、MS間直接通信は、ワンホップ通信範囲内のデータソースMS、データ宛先MS、MS(該当する場合はRS)によりスケジュールされる。
【0046】
分散スケジューリングは、ダイレクトコミュニケーションゾーンでワンホップMS間直接通信をスケジュールするためにのみ使用される。
【0047】
分散スケジューリングは、セルがBSあるいはCSを持つ場合に使用することができる。BSあるいはCSがない場合、MSをBSあるいはCSとして選択する必要がある。MSがBSあるいはCSとして機能することをシステムがサポートしない場合、BSあるいはCSなしの分散スケジューリングをサポートすることもできる。MSがBSあるいはCSとして選択され、機能する場合、その他のMSとの通信はアップリンクあるいはダウンリンク送信のためのプロトコルに従う。
【0048】
BSあるいはCSがない場合、DCZはすべてのアップリンク、ダウンリンクのサブフレームを占めることがある。
【0049】
分散スケジューリングでは、三方向ハンドシェークプロシージャ(適用、許可、許可承認)が使用される。
【0050】
三方向ハンドシェークプロシージャを図5に示す。DCDS(ダイレクトコミュニケーション分散スケジューリング)メッセージが分散スケジューリングの三方向ハンドシェークプロシージャに使用されている。
【0051】
図5に示すように、DCDS:Request(リクエスト)はリクエスタMSにより送信される。DCDS:Grant(許可)はグランタMSにより送信され、可能な場合、提案されたリソースのサブセットにより対応し、リクエストに応える。DCDS:Grant ACK(許可承認)は最初のリクエスタMSにより送信され、許可されるリソースを含み、スケジュールを確認する。リクエスタとグランタのワンホップネイバー(隣接局)は、DCDS:GrantあるいはDCDS:Grant ACKのいずれかによりスケジュールが知らされる。
【0052】
セル内にBSあるいはCSがある場合、DCDSメッセージの送信はBSあるいはCSにより集中スケジュールされる。セル内にBSあるいはCSがない場合、DCDSメッセージの送信はMS(および該当する場合はRS)により分散スケジュールされる。
【0053】
セル内にBSあるいはCSがある場合、リソース割り当てはDCDS:Report(レポート)によりBSあるいはCSへ報告される。DCDS:Reportを受け取り次第、BSあるいはCSはリソース割り当てを知り、同一チャンネル干渉問題を解決するために適切な機構が採用されない場合は、同じリソースをその他の局へ割り当てることはしない。
【0054】
7 異なるセルのMS間直接通信
【0055】
ワンホップ離れた異なるセルのMSが直接通信することが可能である。
【0056】
MSが別のセルのMSと通信する必要がある場合、直接の方法は、MSハンドオーバーであり、別のセルのBSと関連付ける。ハンドオーバー後、セルのMS間直接通信のプロトコルを使用することにより、そのセルのMSと直接通信を開始することができる。直接通信が終われば、MSハンドオーバーは解消され、もとのセルへ戻る。
【0057】
複数の隣接セルが同一周波数チャンネル上で操作され、フレームシェアリングの自己共存機構が適用される場合、異なるセルのMS間直接通信はより簡単になる。
【0058】
フレームシェアリングの自己共存機構とは、図6に示すように、複数の隣接セルが同一周波数チャンネル上の時間ドメインの異なるフレームで操作されるものである。一般的に、自己共存ビーコンは、指定の自己共存ウインドウのセル間に送信される。異なるセル間への自己共存ビーコンの送信は自己共存機構によりスケジュールされる。隣接セルは、自己共存ビーコンを交換することによりコントロール情報を交換することができる。
【0059】
この場合(同一周波数チャンネルで異なるフレームを共有する場合)、MSが別のセルのMSと通信する必要がある場合、フレームプリアンブルを追跡することによりそのセルのフレームに同期させることがある。同期後、自己共存ビーコンの送信によりもう一つのセルの宛先MSへリソースリクエストを送信する。別のセルのワンホップネイバーから、自己共存ビーコンが運ぶリソースリクエストメッセージを受け取り次第、MSはBSあるいはCSへこのリクエストを報告してリソースを集中スケジューリングにより割り当てるか、あるいは図5に示すように分散スケジューリングのプロシージャを開始する。この場合、DCDSメッセージは自己共存ビーコンの一部分として送信される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルラーワイヤレスネットワークおよびセルラーワイヤレスリレーネットワークにおいて移動局間直接通信を可能にする機構。
【請求項2】
フレーム構造で周波数ドメインにしたがうサブチャンネルと時間ドメインにしたがう記号のスペースを指定するための機構において、
a. DCZがTDDとFDDのフレーム両方において同一周波数チャンネル上のDLおよびULサブフレームとは独立することができ、
b. DCZがTDDとFDDのフレーム両方においてDLおよびUL操作周波数チャンネル以外の異なる周波数チャンネル上で操作することができ、
c. OFDMA PHYがTDDおよびFDDフレームの両方で使用される場合、DCZがDLサブフレーム、ULサブフレーム、アクセスゾーン、リレーゾーンの一部分となることができ、
d. DCZがフレーム、サブフレーム、異なるゾーンをまたがらないことを特徴とする請求項1に記載の機構。
【請求項3】
DCZの使用において、
a. DCZがMS間直接通信の優先送信のためのものであり、
b. DCZを使用してDLおよびULデータパケットを送信することができ、
c. DCZは、DLおよびULのトラフィック、およびMS間通信のトラフィックに合わせてサイズを変えることができることを含むことを特徴とする請求項1に記載の機構。
【請求項4】
MS間直接通信が特長を持ち、前記特長が、
a. MS間直接通信が、DCZにスケジュールされ、DLおよびUL通信と比較して優先性を持ち、
b. MS間直接通信がDCZにスケジュールされることに限定されず、
c. MS間直接通信がワンホップおよびツーホップであり、
d. MS間直接通信が一つのセル内、あるいは異なるセルのMS間であり、
e. MS間直接通信が、インフラ局サポートあり、あるいはなしにスケジュールすることができ、
f. MS間直接通信が、集中スケジューリングあるいは分散スケジューリングを使用することによりスケジュールすることができることであることを特徴とする請求項1に記載の機構。
【請求項5】
ダイレクトコミュニケーションMAP(DC−MAP)を使用し、MS間直接通信のためのリソース割り当ておよびその他のコントロール情報の信号を送ることを特徴とする請求項1に記載の機構。
【請求項6】
MS間直接通信の集中スケジューリングを使用し、集中的にソース割り当てをスケジュールし、そのためには、DCCS(ダイレクトコミュニケーション集中スケジューリング)メッセージをリクエスタMSからBSあるいは集中スケジューラ(CS)へ送信され、BSあるいはCS割り当ては現行リソース割り当てに基づくことを特徴とする請求項1に記載の機構。
【請求項7】
リソースリクエスト、起点局、宛先局の情報を含むDCCS:Requestのサブフィールドを含め、DCCSのメッセージが使用されることを特徴とするクレーム6に記載の機構。
【請求項8】
DCCSメッセージスケジューリングがBSあるいはCSによりULサブフレームにスケジュールされることを特徴とする請求項6に記載の機構。
【請求項9】
セルにBSあるいはCSがない場合、MSがBSあるいはCSとして機能できるとき、MS(該当する場合はRS)が新しいBSあるいはCSとして選択され、前記BS(あるいはRS)がワンホップ隣接局を持ち、BSあるいはCSとして選択されることを特徴とする請求項6に記載の機構。
【請求項10】
MS間直接通信の分散スケジューリングを使用して分散してリソースをスケジュールすることができ、そのためには、DCDS(ダイレクトコミュニケーション分散スケジューリング)メッセージを送信することを特徴とする請求項1に記載の機構。
【請求項11】
MS間送信を分散してスケジュールするための三方向ハンドシェークプロシージャを特徴とする請求項10に記載の機構。
【請求項12】
DCDSメッセージ送信がBSあるいはCSによりスケジュールされることを特徴とする請求項10に記載の機構。
【請求項13】
リソース割り当てがBSあるいはCSへ報告され、前記BSあるいはCSが前記リソース割り当てを知ることを特徴とする請求項10に記載の機構。
【請求項14】
DCDSのメッセージと、DCDSがDCDS:Request、DCDS:Grant、DCDS:Grant ACKのサブフィールドを含む機構であることを特徴とする請求項9に記載の機構。
【請求項15】
MSが別のセルのMSと直接通信する必要がある場合、別のセルへハンドオーバーし、そのセルのBSと関連させ、直接通信のためのMS間直接通信の機構を使用し、直接通信終了時、ハンドオーバーは解消してもとのセルに戻すことを特徴とする請求項1に記載の機構。
【請求項16】
同一周波数チャンネル上のフレームシェアリングの自己共存機構を使用する場合、MSが別のセルのMSと直接通信する必要があるとき、そのセルのフレームと同期させ、自己共存ビーコン内に含まれるリクエストを送信することによりリソースを要請し、要請したリソースが許可されるとき、目標セルのフレームで直接通信を開始することを特徴とする請求項1に記載の機構。
【請求項17】
別のセルのMSから自己共存ビーコンに含まれるリソースリクエストを受け取り次第、リソース割り当てのために前記リクエストをBSあるいはCSへ報告し、前記リソースが許可されるとき、許可をリクエスタMSへ送ることを特徴とする請求項16に記載の機構。
【請求項1】
セルラーワイヤレスネットワークおよびセルラーワイヤレスリレーネットワークにおいて移動局間直接通信を可能にする機構。
【請求項2】
フレーム構造で周波数ドメインにしたがうサブチャンネルと時間ドメインにしたがう記号のスペースを指定するための機構において、
a. DCZがTDDとFDDのフレーム両方において同一周波数チャンネル上のDLおよびULサブフレームとは独立することができ、
b. DCZがTDDとFDDのフレーム両方においてDLおよびUL操作周波数チャンネル以外の異なる周波数チャンネル上で操作することができ、
c. OFDMA PHYがTDDおよびFDDフレームの両方で使用される場合、DCZがDLサブフレーム、ULサブフレーム、アクセスゾーン、リレーゾーンの一部分となることができ、
d. DCZがフレーム、サブフレーム、異なるゾーンをまたがらないことを特徴とする請求項1に記載の機構。
【請求項3】
DCZの使用において、
a. DCZがMS間直接通信の優先送信のためのものであり、
b. DCZを使用してDLおよびULデータパケットを送信することができ、
c. DCZは、DLおよびULのトラフィック、およびMS間通信のトラフィックに合わせてサイズを変えることができることを含むことを特徴とする請求項1に記載の機構。
【請求項4】
MS間直接通信が特長を持ち、前記特長が、
a. MS間直接通信が、DCZにスケジュールされ、DLおよびUL通信と比較して優先性を持ち、
b. MS間直接通信がDCZにスケジュールされることに限定されず、
c. MS間直接通信がワンホップおよびツーホップであり、
d. MS間直接通信が一つのセル内、あるいは異なるセルのMS間であり、
e. MS間直接通信が、インフラ局サポートあり、あるいはなしにスケジュールすることができ、
f. MS間直接通信が、集中スケジューリングあるいは分散スケジューリングを使用することによりスケジュールすることができることであることを特徴とする請求項1に記載の機構。
【請求項5】
ダイレクトコミュニケーションMAP(DC−MAP)を使用し、MS間直接通信のためのリソース割り当ておよびその他のコントロール情報の信号を送ることを特徴とする請求項1に記載の機構。
【請求項6】
MS間直接通信の集中スケジューリングを使用し、集中的にソース割り当てをスケジュールし、そのためには、DCCS(ダイレクトコミュニケーション集中スケジューリング)メッセージをリクエスタMSからBSあるいは集中スケジューラ(CS)へ送信され、BSあるいはCS割り当ては現行リソース割り当てに基づくことを特徴とする請求項1に記載の機構。
【請求項7】
リソースリクエスト、起点局、宛先局の情報を含むDCCS:Requestのサブフィールドを含め、DCCSのメッセージが使用されることを特徴とするクレーム6に記載の機構。
【請求項8】
DCCSメッセージスケジューリングがBSあるいはCSによりULサブフレームにスケジュールされることを特徴とする請求項6に記載の機構。
【請求項9】
セルにBSあるいはCSがない場合、MSがBSあるいはCSとして機能できるとき、MS(該当する場合はRS)が新しいBSあるいはCSとして選択され、前記BS(あるいはRS)がワンホップ隣接局を持ち、BSあるいはCSとして選択されることを特徴とする請求項6に記載の機構。
【請求項10】
MS間直接通信の分散スケジューリングを使用して分散してリソースをスケジュールすることができ、そのためには、DCDS(ダイレクトコミュニケーション分散スケジューリング)メッセージを送信することを特徴とする請求項1に記載の機構。
【請求項11】
MS間送信を分散してスケジュールするための三方向ハンドシェークプロシージャを特徴とする請求項10に記載の機構。
【請求項12】
DCDSメッセージ送信がBSあるいはCSによりスケジュールされることを特徴とする請求項10に記載の機構。
【請求項13】
リソース割り当てがBSあるいはCSへ報告され、前記BSあるいはCSが前記リソース割り当てを知ることを特徴とする請求項10に記載の機構。
【請求項14】
DCDSのメッセージと、DCDSがDCDS:Request、DCDS:Grant、DCDS:Grant ACKのサブフィールドを含む機構であることを特徴とする請求項9に記載の機構。
【請求項15】
MSが別のセルのMSと直接通信する必要がある場合、別のセルへハンドオーバーし、そのセルのBSと関連させ、直接通信のためのMS間直接通信の機構を使用し、直接通信終了時、ハンドオーバーは解消してもとのセルに戻すことを特徴とする請求項1に記載の機構。
【請求項16】
同一周波数チャンネル上のフレームシェアリングの自己共存機構を使用する場合、MSが別のセルのMSと直接通信する必要があるとき、そのセルのフレームと同期させ、自己共存ビーコン内に含まれるリクエストを送信することによりリソースを要請し、要請したリソースが許可されるとき、目標セルのフレームで直接通信を開始することを特徴とする請求項1に記載の機構。
【請求項17】
別のセルのMSから自己共存ビーコンに含まれるリソースリクエストを受け取り次第、リソース割り当てのために前記リクエストをBSあるいはCSへ報告し、前記リソースが許可されるとき、許可をリクエスタMSへ送ることを特徴とする請求項16に記載の機構。
【図1(a)】
【図1(b)】
【図1(c)】
【図2(a)】
【図2(b)】
【図3(a)】
【図3(b)】
【図3(c)】
【図3(d)】
【図3(e)】
【図3(f)】
【図3(g)】
【図3(h)】
【図3(i)】
【図4(a)】
【図4(b)】
【図4(c)】
【図4(d)】
【図5】
【図6】
【図1(b)】
【図1(c)】
【図2(a)】
【図2(b)】
【図3(a)】
【図3(b)】
【図3(c)】
【図3(d)】
【図3(e)】
【図3(f)】
【図3(g)】
【図3(h)】
【図3(i)】
【図4(a)】
【図4(b)】
【図4(c)】
【図4(d)】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2012−195920(P2012−195920A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−80486(P2011−80486)
【出願日】平成23年3月14日(2011.3.14)
【出願人】(301022471)独立行政法人情報通信研究機構 (1,071)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−80486(P2011−80486)
【出願日】平成23年3月14日(2011.3.14)
【出願人】(301022471)独立行政法人情報通信研究機構 (1,071)
【Fターム(参考)】
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