セルラー・ネットワーク上のオーバーヘッド・チャネル品質メトリックの使用
【課題】異なるシステム展開シナリオに基づいてCQIチャネル構成をどのように動的に調整するかを判断するための機構を提供する。
【解決手段】下りリンク高速データ伝送をサポートするために、上りリンク・チャネル品質表示チャネル(R−CQICH)を使用して、無線装置18と基地局12の間の信号パス20の信号の品質をトラッキングする。基地局12は、無線装置18から受信されるチャネル品質表示(CQI)信号を使用して、その受信信号の品質に基づいてCQI品質メトリックを生成するCQIコンポーネントを含み、また、CQI品質メトリックは、基地局12内の様々なシステム構成を調整するために、それぞれ異なる閾値と比較される。基地局12は、更新されたシステム構成を含むフィードバックを無線装置18に提供し、CQI品質メトリックを使用してシステム構成を動的に変更し、無線システム10の動作を向上させることを可能にする。
【解決手段】下りリンク高速データ伝送をサポートするために、上りリンク・チャネル品質表示チャネル(R−CQICH)を使用して、無線装置18と基地局12の間の信号パス20の信号の品質をトラッキングする。基地局12は、無線装置18から受信されるチャネル品質表示(CQI)信号を使用して、その受信信号の品質に基づいてCQI品質メトリックを生成するCQIコンポーネントを含み、また、CQI品質メトリックは、基地局12内の様々なシステム構成を調整するために、それぞれ異なる閾値と比較される。基地局12は、更新されたシステム構成を含むフィードバックを無線装置18に提供し、CQI品質メトリックを使用してシステム構成を動的に変更し、無線システム10の動作を向上させることを可能にする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般には、無線通信システムに関し、より詳細には、ベースバンド信号処理およびリソース管理に関する。
【背景技術】
【0002】
この節は、以下で説明され、かつ/または特許請求の範囲に記載される本発明の様々な態様に関連し得る技術の様々な態様に読者を導くためのものである。この議論は、本発明の様々な態様についてのよりよい理解を促すための背景情報を読者に提供するのに役立つと考えられる。したがって、こうした記載は、従来技術を認めるものとしてではなく、この観点から読まれたい。
【0003】
高速データ伝送のためのサポートに関連する第3世代すなわち「3G」規格では、制御および品質情報を運ぶために、オーバーヘッド・チャネルが提供される。品質および制御情報は、リンク品質表示(quality indication)、復号肯定応答、およびレート制御コマンドを含む。具体的には、本明細書中で参考として援用するCDMA2000規格改訂C/Dでは、高速下りリンク・パケット・データ・チャネル(F−PDCH:Forward Link Packet Channel)をサポートするために、上りチャネル品質表示チャネル(R−CQICH:Reverse Channel Quality Indication Channel)である上りリンク(RL:Reverse Link)が使用される。R−CQICHは、下りリンクの高レート・パケット・データ・スケジューリングおよびセル・スイッチングのための情報を運ぶ。
【0004】
高速データ・サービスが提供される場合、無線装置は、基地局に、チャネル品質表示(CQI:Channel Quality Indicator)レポートを連続的に送信する。CQIレポートは、無線装置での下りリンク(FL:Forward link)パイロット・エネルギーについての測定である。CQIレポートは、1.25msの時間間隔であるパワー制御グループ(PCG:Power Control Group)ごとに更新される。CQIフレームは、16PCGタイム・スロットを含み、20ms継続する。
【0005】
さらに、3GPP2規格は、基地局および無線装置内で調整され得る、CQICHのための様々な構成を提供する。第3世代パートナーシップ・プロジェクト2(3GPP2:Third Generation Partnership Project 2)では、完全レポートおよび差分レポートである、2つのタイプのCQIレポートが認められている。完全レポートは、現在のPCGの間のパイロット信号のサンプルを表す4ビットのCQIワードである。差分レポートは、直前のCQIから現在のCQIの変化を表す1ビットの表示である。完全レポートは、1ビット表示である差分レポートより多くの信号パワーを使用する。したがって、3GPP2規格は、R−CQICHが完全モードおよび/または差分モードで動作するように構成され得ることを指定している。完全モードでは、CQIフレーム内のすべてのPCGスロットが、完全レポートを運ぶ。差分モードでは、完全レポートはCQIフレームの最初に作成され、その後に、差分ビットが続く。また完全モードと差分モードの両方において完全レポートが再送信される、たとえば1、2または4であり得る回数を調整するために、反復係数が、R−CQICHのために設定され得る。適用される完全レポートの回数は、差分モードのCQIフレームの最初に、反復係数によって決定される。同様に、セル・スイッチ表示パターンを提供するために、スイッチング・スロットの数も調整され得る。したがって、システムまたはチャネル構成情報のそれぞれが、CQI信号を提供するために消費されるパワーに影響を及ぼし、また信号品質向上のために様々な調整をもたらし得る。
【0006】
たとえば、図10および11に示すように、それぞれ異なるPCGに対するCQI信号パワーの関係を示す例示的な図が提供される。図10で、参照番号160によって参照され得る完全レポートの図が、それぞれ異なるPCG162a〜162vに渡って、各完全レポートFa〜FgのCQI信号パワーを示している。この図160では、R−CQICHのためのシステム構成は、完全モードに設定されるモード、および2に設定される反復係数を含み得る。したがって、PCG162a〜162bでは、それぞれのPCGについて同じ完全レポートFaが発行されている。R−CQICHに割り当てるパワーを減少させるために、システム構成は、図11に示すように、モードが差分モードに調整され、また反復係数が1に調整され得る。図11では、参照番号166によって参照され得る差分レポートの図が、PCG168a〜168vに渡って、完全レポートFiおよび各差分レポートDa〜DoについてのCQI信号パワーを示している。この図166では、R−CQICHのためのシステム構成は、差分モードに設定されるモード、および1に設定される反復係数を含み得る。したがって、第1のPGC168aでは、完全レポートFiは、示されたCQI信号パワーレベル170で提供されることができ、それに続くPCG168b〜168pの差分レポートDa〜Doは、示されたCQI信号パワーレベル172で提供され得る。したがって、システム構成は、CQI信号パワーに影響を及ぼす。
【0007】
同様に、図12および13で、スイッチング・スロットの例示的な図が、PCGに対するCQI信号のパワーを示している。図12で、参照番号174によって参照され得る完全スイッチング・リポートの図が、各PCG176a〜176vについて、各完全レポートF1〜F12のCQI信号パワーを示している。この図174で、R−CQICHのためのシステム構成は完全モードに設定されることができ、またスイッチング・スロットの数は、4に設定され得る。したがって、PCG176a〜176lに渡って、完全レポートF1〜F12が提供され、PCG176m〜176pでは、セル・スイッチ表示パターンを運ぶために、スイッチング・スロットS1〜S4が割り当てられ得る。反復係数が2に増加される場合、スイッチング・スロット情報を繰り返すために使用されるスイッチング・スロットの数は増加されることができ、図13に示すように、モードは、CQI信号パワーを減少させるために、差分モードに設定され得る。図13で、参照番号180で参照され得る差分スイッチング・レポートの図が、各完全レポートF13、差分レポートD1〜D6、およびスイッチング・スロットS5〜S7についてのCQI信号パワーを示している。したがって、2に設定される反復係数では、スイッチング・スロットS5〜S7は、PCG182i〜182pを使用し得る。差分モードに設定されるモードでは、差分レポートD1〜D6が提供されるときに、PCG182c〜182hの間で、CQI信号パワーが節約され得る。したがって、システム構成は、CQI信号パワーに影響を及ぼす。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】CDMA2000規格改訂C/D
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、3GPP2規格は、それぞれ異なるシステム展開シナリオに基づいて、最適化されたCQI構成をどのように判断するかについて対処していない。具体的には、3GPP2規格は、それぞれ異なるシステム展開シナリオに基づいてCQIシステムまたはCQIチャネル構成をどのように動的に調整するかを判断するための機構を提供していない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施形態は、無線装置と通信される信号の品質を維持する基地局で効率的な方法を設計することに関し得る。本明細書で述べる特定の例示的な諸実施形態は、符号分割多重アクセス(CDMA:code division multiple access)に関する。しかし、本発明の実施形態は、ユニバーサル移動通信システム(UMTS:Universal Mobile Telecommunication System)など、他のタイプの通信システムに関し得ることが当業者には理解されよう。3GPP2規格を使用したCDMAシステムにおけるチャネル品質表示(CQI)の使用についての簡潔な説明を、例を用いて本明細書で示す。
【0011】
一般に、データ・サービスをサポートする無線システムでは、データおよび制御チャネルは、バースト・タイプのトラフィックを運ぶ。こうしたチャネルは、チャネル状態を連続して監視することが望まれるため、システム使用のリンク品質をトラッキングするために使用するのに適していない。しかし、上述したように、リンク品質情報を時宜を得た、一定したやり方で提供するために、連続したオーバーヘッド・チャネルが使用され得る。結果として、サービス品質を保証し、システム容量を向上させるための品質保護およびリソース割当てのために、連続したオーバーヘッド・チャネルの監視が使用される。
【0012】
CDMA2000規格改訂C/Dでは、上述したように、下りリンク・パケット・データ・チャネル(F−PDCH)をサポートするために、R−CQICHなどのオーバーヘッド・チャネルが使用される。FL高レート・データ・サービスが無線装置によって要求される限り連続的に動作するR−CQICHは、下りリンク高レート・パケット・データ・スケジューリングおよびセル・スイッチングに関する情報を運ぶ。結果として、それは、R−CQICH自体のパワー制御、セル・スイッチ、スケジューリングおよび品質制御など、システム適用のためのRL品質メトリックを提供するために使用され得る。
【0013】
R−CQICHはスケジューリングおよびセル・スイッチに関する情報を運ぶので、R−CQICHの品質は、全体的なシステム・スループットおよびセル・スイッチのパフォーマンスに影響を及ぼし得る。したがって、そのチャネルの品質を維持するために、増加された送信パワーが、R−CQICHに割り当てられ得る。しかし、R−CQICHは、連続チャネルなので、R−CQICHのレポーティング・モードによって、他の上りリンク・チャネルに匹敵する、またはそれ以上の大きいパワーを消費し得る。したがって、全体的なシステム容量を向上させるために、R−CQICHによって消費されるパワーを減少させることが有利であり得る。
【0014】
システム・パフォーマンスを測定するために、フレーム品質表示として、消去が使用され得る。すなわち、フレーム単位の消去の数を使用して、R−CQICHの品質を監視することができる。消去の生成は、ある度合いの情報損失を引き起こす硬判定を伴う。こうした消去は、差分モードではなく、完全モードについて提供される。しかし、R−CQICHは、完全モードと差分モードで使用され、パワー消費を減少させるために、差分モードが使用される。結果として、フレーム品質表示が完全レポートからの消去の数に基づいている場合は、差分モードのフレームにおいて、十分な消去情報が得られないことがある。したがって、完全レポートに加えて差分レポートについても、フレーム・ベースのCQIチャネル品質メトリックを生成することが有利であり得る。さらに完全レポートと差分レポートの両方について、R−CQICHの品質に関する改善された情報を提供するために、消去の数ではなく、軟判定メトリックが望まれる。
【0015】
さらに、完全レポートと差分レポートの両方について一貫したフレーム品質メトリックを使用して、長期品質メトリックと称され得る長期CQIフレーム品質メトリックを生成することができる。長期品質メトリックは、複数のフレームに渡ってフレーム・ベースの品質メトリックをフィルタリングすることによって生成される。
【0016】
したがって、この技術のもとでは、R−CQICHの品質を維持するために、完全モードと差分モードについてメトリックが提供され得る。こうしたメトリックを使用して、システムまたはCQIチャネル構成、およびパワー設定を動的に調整することができる。すなわち、差分モードと完全モード間の切換え、反復係数の調整、および/またはスイッチング・スロットの数の調整など、チャネル構成は、それぞれ異なるシステム・シナリオ、およびメトリックによって示されるチャネル状態に基づいて調整され得る。またフレーム品質メトリックを使用して、CQIの信頼性に基づいて、F−PDCH上の高速データ伝送のスケジューリングを継続するか、または停止するかを判断することができる。同様に、CQI送信のパワーを調整するために、外ループ・パワー制御(OLPC:Outer Loop Power Control)が、短期CQIフレーム品質メトリックに基づいて調整され得る。更新されたCQIチャネルまたはシステム構成は、基地局と無線装置の両方に影響を及ぼし得る。すなわち、システム構成は、基地局にローカルに適用されることができ、またシグナリングを介して無線装置に送信され得る。
【0017】
本発明のある態様によれば、無線信号パスの品質を管理する、基地局内の構造が提供される。例を用いて示すように、基地局は、受信された信号を復号信号に復号するように構成される。こうした復号された信号から、基地局は、送信された信号についてのチャネル品質表示(CQI)に関連する品質メトリックを生成することができる。次いで、基地局は、品質メトリックをフレーム品質設定または閾値と比較して、その比較に基づいて、1つまたは複数のシステム構成を調整するかどうか判断する。
本発明の利点は、以下の詳細な説明を読み、また図面を参照すると明らかになり得る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】基地局および無線装置を含む無線通信システムの例示的な実施形態を示す図である。
【図2】本技術の態様による、図1の基地局の例示的な実施形態におけるCQIフレーム品質メトリックの使用を示す図である。
【図3】本技術の態様による、図1の基地局の例示的な実施形態におけるCQIフレーム品質メトリックの使用を示す図である。
【図4】本技術の態様による、図1の基地局の例示的な実施形態におけるCQIフレーム品質メトリックの使用を示す図である。
【図5】本技術の態様による、図1の基地局の例示的な実施形態におけるCQIフレーム品質メトリックの使用を示す図である。
【図6】本技術の態様による、図1の基地局の例示的な実施形態におけるCQIフレーム品質メトリックの使用を示す図である。
【図7】本技術の態様による、図1の基地局の例示的な実施形態におけるCQIフレーム品質メトリックの使用を示す図である。
【図8】図1の基地局内の例示的なCQIコンポーネントの機能ブロック図である。
【図9】図8の例示的なCQIコンポーネント内で使用されるCQI消去閾値に関連する差分ビット3状態判定メトリックの例示的なチャートである。
【図10】基地局および無線装置内の例示的なシステム構成を示す図である。
【図11】基地局および無線装置内の例示的なシステム構成を示す図である。
【図12】基地局および無線装置内の例示的なシステム構成を示す図である。
【図13】基地局および無線装置内の例示的なシステム構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の1つまたは複数の特定の実施形態について以下に述べる。こうした実施形態についての簡潔な説明を提供するため、本明細書では、実際の実装の必ずしもすべての特徴が説明されているとは限らない。任意の工学または設計プロジェクトと同様に、任意の実際のこうした実装の開発において、実装によって異なり得るシステム関連またはビジネス関連の制約の遵守など、開発者の特定の目標を達成するための実装特有の複数の判断が行われるべきであることを理解されたい。さらに、こうした開発努力は、複雑で、時間がかかり得るが、しかし、この開示の利益を得る当業者にとっては、設計、製作および製造の日常的な仕事であることを理解すべきである。
【0020】
本明細書で開示するこの技術は、基地局と無線装置の間の信号パスの品質を監視するための改良型の手法を提供し得る。具体的には、本明細書で述べる技術は、チャネル品質表示(CQI)、およびCQIの品質に関連するメトリックに基づいてシステム構成を動的に調整することに関する。この技術のもとでは、基地局は、様々なシステム構成を動的に調整するかどうか判断するためのフレーム品質メトリックを処理するために使用されるCQI回復/復号装置、CQIメトリック生成装置および判定装置を含み得る。具体的には、CQIコンポーネントは、無線装置と基地局の間で通信するチャネル用のシステム構成を変更するために使用される、短期品質メトリックおよび長期品質メトリックなどの軟判定メトリックを生成し得る。完全と差分の両方のCQIレポートのために使用され得る軟判定メトリックのシーケンスは、CQI品質を表し、その累積は、長期CQIパフォーマンスを反映する。CQIフレーム品質軟判定メトリックを使用して、R−OLPCについてのCQIパフォーマンスをトラッキングすることができ、また長期品質メトリックを使用して、反復係数を修正し、またセル・スイッチ・スロットを割り当てることができる。したがって、提案する技術によって、無線システムのパフォーマンスを向上させるための方法および装置が提供される。
【0021】
次に図面に移り、最初に図1を参照すると、基地局および無線装置を組み込む例示的な無線通信システムが示され、参照番号10によって一般的に参照されている。図1の例示的な実施形態では、基地局12は、CQI回復/復号装置30、および判定装置34にCQIメトリックを提供するためのCQIメトリック生成装置32など、様々なコンポーネントを含む。以下で論じるように、メトリックに基づいて、判定装置34は、メトリックを様々な設定および閾値と比較して、システム構成を調整することができる。
【0022】
基地局12内のメトリック生成について論じる前に、無線通信システム10および無線装置18について論じることが有用であり得る。まず初めに、所与の任意のセルラー・エリアにおいて、無線通信システム10などのセルラー・ネットワークは、1つまたは複数の基地局12を含み得る。たとえば、無線通信システム10は、第3世代パートナーシップ・プロジェクト2(3GPP2)CDMA2000 1xシステム、1x進化データ音声(EVDV:evolution data and voice)システム、1x進化データ最適化(EVDV:evolution data optimized)システムまたはユニバーサル移動通信システム(UMTS)であり得る。基地局12を介して、様々なデータ・サービスが、無線装置18によって表される1つまたは複数の無線装置に提供され得る。さらに、基地局12は一般に、無線ネットワーク制御装置(RNC:Radio Network Controller)25を介してPSTN26に結合される。RNC25は、複数の基地局内の機能を管理し得る。
【0023】
無線通信システム10内で呼が発生するときに、無線装置18は、基地局12と通信する。無線装置18と基地局12の間の通信は主として、個々の無線装置18と基地局12のアンテナ間で介在するエア・インターフェースを介したRF通信によって行われる。それぞれの通信信号パス20は一般に、下りリンク22および上りリンク24を含む。下りチャネルまたはリンク22は、基地局12から無線装置18への信号パス20の一部である。システムがCDMAを使用する場合、下りリンク22は、無線装置18へのパイロットチャネルに加えて送信される1つまたは複数の符号チャネルを含み得る。上りリンク24は、無線装置18から基地局12への信号パス20の一部である。システムがCDMAを使用する場合、上りリンク24もまた、1つまたは複数の符号チャネルを含み得る。こうした下りリンク22および上り部分24を使用することによって、基地局12および無線装置18は、互いに通信することができる。
【0024】
CDMAシステムなどの無線通信システム10がサポートし得る無線装置18の数に対する実際的な制限は、無線通信システム10上に存在する干渉または雑音の量に基づく。具体的には、雑音が増加するにつれて、システム容量は減少する。携帯電話などの無線装置18は同じ周波数で送信するので、無線装置18からの単一の信号の復号は、受信された信号からその特定の信号を区別することを含む。換言すると、所望されない信号は、所望の信号に対する単に雑音である。したがって、より多くの無線装置18が無線通信システム10に追加されるにつれて、所望と不所望の信号間の区別は、雑音の増加のため、ますます難しくなる。無線装置18の低送信パワーを維持すると、送信によって引き起こされる干渉の量が減少し得る。それとは逆に、各無線装置18の送信パワーは、基地局12が誤りなしに信号を復調/復号できるレベルで、維持されなければならない。すなわち、無線装置18の送信パワーは、所望の信号対雑音比(SNR:signal-to-noise-ratio)を達成するように管理され得る。
【0025】
受信される信号の品質を管理するために、無線装置18は、基地局12から下りリンク22で受信される信号のCQI品質レベルを判断するために使用され得るCQI生成器19を含み得る。CQI品質レベルは、無線装置18によって受信されるパイロット信号のEc/Nt信号対雑音比(SNR)を計算し、計算された値をCQI品質レベルに変換することによって判断され得る。例を挙げると、CQI生成器19は、たとえばアダマール・エンコーダ、パンクチャー器(puncturer)、変調器、およびマルチプレクサ、信号フリッパーを、他の回路などと共に含み得る。無線装置18は、R−CQICHを介して上りリンク24で基地局12にCQIを提供し得る。
【0026】
基地局12は、無線装置から送信された信号を受信して、CQIを処理し得る。具体的には、基地局12は、CQI信号を処理するために、レイク受信機28、CQI回復/復号装置30、CQIメトリック生成装置32、および/または判定装置34などの構成要素を含み得る。レイク受信機28は、受信されたベースバンド信号に関するCQI情報を、逆拡散し、復調し、また復調された信号としてCQI回復/復号装置30に提供し得る。
【0027】
CQI回復/復号装置30およびCQIメトリック生成器32は、復調された信号を用いて、CQI、およびR−CQICHの品質に関するメトリックを生成し提供することができる。具体的には、CQI回復/復号装置30は、無線装置18から信号を受信し、CQI復号/判定メトリックを生成し比較することによって、復調された信号を復号することができる。復号メトリックまたは判定メトリックとして個々に参照され得るCQI復号/判定メトリックは、完全または差分レポートについてのCQI品質レベルをそれぞれ表す。次いで、復号および判定メトリックは、CQIメトリック生成装置32に提供される。CQIメトリック生成装置32は、メトリックおよび関連する信号をさらに処理して、判定装置34にメトリックを提供し得る。そのメトリックは、完全と差分の両方のモードについての短期品質メトリックおよび長期品質メトリックを含み得る。
【0028】
判定装置34は、受信されるメトリックを様々な設定または閾値に対して分析して、様々なシステム構成を調整すべきかどうか判断し得る。その閾値には、スイッチング・スロット閾値、フレーム品質閾値、反復閾値および/または長期品質閾値などが含まれ得る。メトリックを閾値と比較することによって、判定装置34は、CQIの変化の原因となるシステム構成をいつ調整するかを判断し得る。3GPP2規格でのシステム構成は、完全および/または差分モード、反復係数、スイッチング・スロットの数、スイッチング・フレームの数、外ループ・パワー制御(OLPC)設定、かつ/またはスケジューリング状態などの設定を含み得る。次いで、調整された構成パラメータが判断され、無線装置18内でR−CQICH構成を更新するために、新しい設定が、FL信号チャネルを介して無線装置18に送信され得る。受信のプロセスが無線装置18の送信と整合が取れるようにするために、同じ構成が、ローカルのCQI回復/復号装置30にも送信され得る。結果として、判定装置34は、基地局12および無線装置18内のシステム構成を動的に更新する閉ループの手法を提供して、全体的なシステム・パフォーマンスを向上させることができる。
【0029】
上記で論じたCQIフレーム品質メトリックに基づいて、上りリンク24上のフレームは、フレーム品質閾値などの様々な閾値に基づいて、低品質であると宣言され得る。低品質フレームを宣言すると、FCHの巡回冗長検査(CRC:cyclical redundancy check)によるエラー・イベントの生成に類似のCQI不良フレーム・イベントが生成され得る。CQIフレーム・エラー・イベントは、外ループおよび内ループのパワー制御を介して無線装置18の送信パワーを調整するために、基地局12内のパワー制御機構によって使用され得る。同様に、判定装置34は、CQI長期品質メトリックを使用して、CQICHパフォーマンスをトラッキングし、そのメトリックに対する関連する閾値を使用して、CQICH構成を調整することができる。図2〜7のそれぞれに、本技術の態様による、図1の基地局の例示的な実施形態における、短期品質メトリックおよび長期品質メトリックなどのCQIフレーム品質メトリックの使用について示す。したがって、図2〜7はそれぞれ、図1と併せると最もよく理解され得る。
【0030】
図2に、図1の基地局で使用されるフレーム品質閾値に対する、完全モードの完全レポートについてのCQIフレーム品質メトリックの強度の例示的な図を示す。参照番号70によって参照され得るCQI品質完全レポート図は、無線装置18から基地局12によって受信される信号のSNRに対する、完全レポートのCQIフレーム品質メトリックCQI_Q_Fullを示している。ダイアグラム70で、CQIフレーム品質メトリックの強度は曲線72によって表されることができ、線74、76および78は、それぞれ異なるフレーム品質閾値を表し得る。フレーム品質閾値74、76および78は、無線装置18からの完全レポートCQI送信のために使用される反復係数に基づいて差別化される。有益には、完全モードについてのCQIフレーム品質メトリックを使用して、R−OLPCによって使用される消去数よりも正確な品質情報を提供することができる。
【0031】
ダイアグラム70で、CQIフレーム品質メトリック72が、それぞれ異なる反復ケースのフレーム品質閾値74、76および78のうちの1つより小さい場合に、「悪品質」イベントなどのCQIの不良イベントが生成される。CQI不良イベントは、判定装置34によって生成され得る。CQI不良イベントに基づいて、好ましくないCQIパフォーマンスのために、R−OLPC設定ポイントが増加され得る。したがって、R−OLPC設定ポイントの増加によって、上り内ループ・パワー制御(R−ILPC:reverse inner loop power control)を介した無線装置18の平均送信パワーの増加がもたらされる。
【0032】
図3に、基地局12で使用される差分レポートに関するフレーム品質閾値に対する、差分モードの差分レポートについてのCQIフレーム品質メトリックの強度の例示的な図を示す。参照番号80によって参照され得るCQI品質差分レポートの図は、無線装置18から基地局12によって受信される信号のSNRに対する、差分レポートのCQIフレーム品質メトリックCQI_Q_Diffを示している。ダイアグラム80で、CQIフレーム品質メトリックの強度は曲線82によって表されることができ、フレーム品質閾値は、線84によって表され得る。差分レポートは反復係数による影響を受けないので、図2の議論と同様に、システム構成が調整され得るときを判断するために、単一のフレーム品質閾値84が使用される。
【0033】
図4に、図1の基地局1で使用される反復閾値に対する、完全モードの長期CQIフレーム品質メトリックの強度の例示的な図を示す。参照番号86によって参照され得る長期CQI品質完全レポートの図は、無線装置18から基地局12によって受信される信号のSNRに対する、完全レポートの長期CQIフレーム品質メトリックCQI_LTQ_Fullを示している。ダイアグラム86で、長期CQIフレーム品質メトリックの強度は曲線88によって表されることができ、線92、94、96および98は、それぞれ異なる反復閾値を表し得る。それぞれ異なる反復閾値92、94、96および98は、無線装置18と通信するために現在使用されている反復係数に基づいて差別化される。
【0034】
ダイアグラム86で、反復係数は、長期CQIフレーム品質メトリック88に対して閾値92、94、96および98を比較することによって判断され得る。たとえば、現在の反復係数が「1」である場合、長期CQIフレーム品質メトリック88の値は、反復係数を1から2に増加させるための閾値を表し得る反復閾値94より小さい値であり得る。したがって、CQI品質が低下しているので、反復係数は増加されることができ、それによって、1から2に増加される反復係数がもたらされる。同様に、現在の反復係数が「2」である場合、長期CQIフレーム品質メトリック88の値は、反復係数を2から1に減少させるための閾値を表し得る反復閾値92より大きい値であり得る。CQI品質が向上しているので、反復係数は、2から1に減少され得る。したがって、長期CQIフレーム品質メトリックを、閾値92、94、96および98と共に使用して、反復係数を調整することができる。
【0035】
さらに、長期CQIフレーム品質メトリック88は、チャネル上で発生し得る極限状態に合わせて調整するために、閾値90および100と共に使用され得る。たとえば、チャネル状態が良好であり、R−CQICHの現在の操作モードが完全モードである場合、長期CQIフレーム品質メトリック88が閾値90を越えることがあり、それは、CQIレポートが、完全モードではなく、差分モードに切り換えられ得ることを示している。上述したように、差分モードへの切換えによって、CQIレポートのパワー消費が低減される。同様に、チャネル状態が不良である場合、長期CQIフレーム品質メトリック88は、CQIレポートの品質が悪すぎることがあることを示す閾値100より下がり得る。閾値100未満では、CQIレポートが信頼できないので、高レート・データ・スケジューリングは許され得ない。したがって、長期CQIフレーム品質メトリック88を閾値90および100と共に使用して、CQIレポーティングの効率を向上させることができる。
【0036】
図5に、図1の基地局で使用される反復閾値に対する、差分モードでの長期CQIフレーム品質メトリックの強度の例示的な図を示す。差分モードでは、差分モードの完全レポート反復係数を判断するために、初期完全レポート・メトリックが使用され得る。参照番号102によって参照され得る長期CQI品質差分(モード)完全レポートの図は、無線装置18から基地局12によって受信される信号のSNRに対する、初期完全レポートの長期CQIフレーム品質メトリックCQI_LTQ_DiffFullを示している。ダイアグラム102で、長期CQIフレーム品質メトリックの強度は曲線104によって表されることができ、線106、108、110および112は、それぞれ異なる反復閾値を表し得る。それぞれ異なる反復閾値106、108、110および112は、無線装置18と通信するために使用される反復係数に基づいて差別化される。図4の図83の議論と同様に、反復係数は、閾値106、108、110および112を長期CQIフレーム品質メトリック104と比較することによって判断され得る。
【0037】
したがって、閾値106、108、110および112を用いた長期CQIフレーム品質メトリックの操作は、ダイアグラム86に類似する。たとえば、現在の反復係数が「1」である場合、長期CQIフレーム品質メトリック104の値は、反復係数を1から2に増加させるための閾値を表し得る反復閾値108より小さい値であり得る。結果として、反復係数は、1から2に増加される。したがって、長期CQIフレーム品質メトリック104を閾値106、108、110および112と共に使用して、差分モードの反復係数を調整することができる。
【0038】
図6に、図1の基地局で使用されるスイッチング・スロット閾値に対する、完全モードでの長期CQIフレーム品質メトリックの強度の例示的な図を示す。参照番号114によって参照され得る長期CQI品質完全レポート・スイッチングの図は、無線装置18から基地局12によって受信される信号のSNRに対する、完全レポートの長期CQIフレーム品質メトリックCQI_LTQ_FullSwitchを示している。ダイアグラム114で、長期CQIフレーム品質メトリックの強度は曲線116によって表されることができ、線120および122は、それぞれ異なるスイッチング・スロット閾値を表し得る。スイッチング・スロット閾値120および122は、無線装置18の上りリンク24に提供されるセル・スイッチング・スロットに基づいて差別化される。有益には、完全モードの長期CQIフレーム品質メトリックを使用して、無線装置18に割り当てられるスイッチング・スロットを調整することができる。
【0039】
ダイアグラム114で、割り当てられるセル・スイッチング・スロットは、スイッチング・スロット閾値120および122を長期CQIフレーム品質メトリック116に対して比較することによって判断され得る。たとえば、無線装置18について、スイッチング・スロット数に関する現在のシステム構成またはパラメータは、「2」である。長期CQIフレーム品質メトリック116の値が、割り当てられるスイッチング・スロットの数を2から4に増加させるための閾値を表し得るスイッチング・スロット閾値120より小さい場合には、CQI品質が低下しているので、スイッチング・スロットの数は、2から4に増加される。長期CQIフレーム品質メトリック116が閾値120または122より大きい場合、簡略化のためスイッチング・スロットの数を減少させず、サービス品質を維持することが望まれ得る。したがって、長期CQIフレーム品質メトリックを、閾値120および122と共に使用して、スイッチング・スロットを調整することができる。
【0040】
上記で論じた完全モードと同様に、図7に示すように、差分レポートの長期品質メトリックを使用して、差分モードでのスイッチング・スロットの数を判断することができる。図7に、図1の基地局で使用されるスイッチング・スロット閾値に対する、差分モードでの長期CQIフレーム品質メトリックの強度の例示的な図を示す。参照番号124によって参照され得る長期CQI品質差分レポート・スイッチングの図は、無線装置18から基地局12によって受信される信号のSNRに対する、差分レポートの長期CQIフレーム品質メトリックCQI_LTQ_DiffSwitchを示している。ダイアグラム124で、長期品質メトリックと称され得る長期CQIフレーム品質メトリックの強度は、曲線126によって表されることができ、線128および130は、スイッチング・スロット数を判断するためのそれぞれ異なるスイッチング・スロット閾値を表し得る。それぞれ異なるスイッチング・スロット閾値128および130は、無線装置18に割り当てられるスロットの数に基づいて差別化される。図6のダイアグラム114の議論と同様に、割り当てられるセル・スイッチング・スロットは、スイッチング・スロット閾値128および130を、長期CQIフレーム品質メトリック124に対して比較することによって判断され得る。完全モードとは異なり、差分長期品質メトリック126の値が閾値132より小さい場合、CQIレポーティング・モードは、CQI回復および復号のパフォーマンスを保証するために、差分モードから完全モードに切り換えられ得る。CQI装置36によるCQIメトリックの生成について、図8で以下に詳しく説明する。
【0041】
図8に、図1の基地局内の例示的なCQIコンポーネントの機能ブロック図が示されている。この実施形態では、レイク受信機28は、無線装置18のうちの1つから、ベースバンド信号BBSを受信する。CQIコンポーネントは、R−CQICH上で受信されたCQIを評価し、適切なCQIフレーム品質メトリックを計算する。次いで、判定装置34は、システム・パフォーマンスを向上させるために、構成およびパラメータを判断し、最適化する。CQICHの品質維持のため、事前に定められた閾値が、判定装置34によって使用される。
【0042】
上述したように、レイク受信機28は、無線装置18から受信される信号を復調するための様々なコンポーネントを含み得る。たとえば、レイク受信機28は、復調/CQIシンボル回復装置134およびチャネル推定装置140を含み得る。復調/CQIシンボル回復装置134は、無線装置18からベースバンド信号(BBS:baseband signal)を受信するために使用され得る。レイク受信機/CQIシンボル回復装置134は、受信された信号BBSを逆拡散し、復調し、結合するように機能し得る。
【0043】
さらに、ベースバンド信号BBSの位相シフトを評価するために、レイク受信機28内で、チャネル推定装置140も使用され得る。位相シフト除去プロセスは、信号レベルで、いくらかのバイアスを取り入れ得る。したがって、補償係数が、チャネル推定装置140内で計算され、次いで、CQIメトリック生成装置32に提供される。
【0044】
上述したように、CQIコンポーネントは、復調/CQIシンボル回復装置134から供給される復調された信号の情報を処理するための様々なコンポーネントを含むCQI回復/復号装置30を含み得る。たとえば、CQI回復/復号装置30は、CQI完全レポート・デコーダ136およびCQI差分ビット判定装置138を含む。CQI完全レポート・デコーダ136は、復調された軟シンボルを使用して、復号をさらに実施する。CQI完全レポート・デコーダ136は、復調された軟シンボルを、ルックアップ・テーブル内の16個の異なる値のうちの1つに復号し得る。復号メトリックは、軟シンボルから計算される。対応する16個の復号メトリックに対応するCQIワードの約16個の推定値を含み得る復号メトリックは、次いで、値のリストまたはテーブルを形成するためにソートされる。最大の復号メトリックに対応するCQIワードは、無線装置18から送信される復号されたワードである。最大復号メトリックは、CQIフレーム品質メトリック・アキュムレータ142に送信される。さらに、CQI完全レポート・デコーダ136は、下りリンク22のために使用されるパワー調整のために、スケジューラ(図示せず)などの他のコンポーネントに、信号FullCQIを介して完全レポートを提供し得る。
【0045】
同様に、CQI差分ビット判定装置138もまた、復調された信号を使用して、CQI差分レポートのために復調/CQIシンボル回復装置134から提供される品質情報をさらに処理することができる。差分レポートは単一のビットなので、そのビットは、復調された信号(軟シンボル)に対して硬判定を行うことによって取得され得る。実際に、復調された信号は、差分ビット判定メトリックとして働く。消去が差分レポートのCQI品質メトリックとして示される場合、CQI差分ビット判定装置138は、3状態判定プロセスを実施することができ、このプロセスについては、図9で以下に論じる。軟判定メトリックを生成するために、CQI差分ビット判定装置138は、CQIメトリック生成装置32に、差分判定メトリック信号Diff_Decision_Metricを供給することができ、また下りリンク22のためのリソース割当てのため、スケジューラ(図示せず)に、信号DiffCQIを介して差分レポートを提供することができる。
【0046】
CQIメトリック生成装置32は、CQI回復/復号装置30から供給される信号からメトリックを生成するための様々なコンポーネントを含み得る。たとえば、CQIメトリック生成装置32は、CQIフレーム品質メトリック・アキュムレータ142、第1の除算装置144、第2の除算装置146、長期フィルタ装置148およびチャネル推定加算装置150を含み得る。CQIフレーム品質メトリック・アキュムレータ142は、CQI完全レポート・デコーダ136からの復号メトリック信号Max_Decode、およびCQI差分ビット判定装置138からの差分判定メトリック信号Diff_Decision_Metricを累積し得る。次いで、信号は、第1除算装置144および第2除算装置146に供給され得る。
【0047】
第1除算装置144および第2除算装置146は、CQIフレーム品質メトリック・アキュムレータ142および加算装置150から信号を受信し得る。加算装置150からの信号は、チャネル推定スケーリング係数であり、CQIフレーム品質メトリック・アキュムレータ142は、差分または完全モードに特有であり得る。たとえば、第1除算装置144は完全モードについてのCQIフレーム品質メトリックに関する信号を受信することができ、第2除算装置146は、差分モードについてのCQIフレーム品質メトリックに関する信号を受信することができる。ソースに関係なく、第1除算装置144および第2除算装置146は、各装置からもたらされる信号を、長期フィルタ148および判定装置34に供給する。具体的には、第1除算装置144は信号CQI_Quality_Fullを判定装置34に提供し、第2除算装置146は、信号CQI_Quality_Diffを判定装置34に提供する。
【0048】
長期フィルタ装置148では、第1除算装置144および第2除算装置146からの信号を処理して、特定の時間間隔からのCQI情報を含む信号を生成することができる。第1除算装置144から、完全モードについての長期メトリックに関連する信号CQI_Quality_Full_LTが生成される。同様に、第2除算装置146から、差分モードについての長期メトリックに関連する信号CQI_Quality_Diff_LTが生成される。長期品質メトリックは、1つまたは複数のデータ・フレームを含み得るフレーム・ベースのCQIフレーム品質メトリックに長期フィルタをかけることによって得られる。次いで、信号は、長期フィルタ装置148から判定装置34に供給される。
【0049】
判定装置34は、CQIフレーム品質メトリックを含む信号を受信し、閾値149に対してCQIフレーム品質メトリックを分析し得る。閾値149は、閾値信号Threshによって表される所定の値であり得る。閾値149は、メモリ内に格納されており、また無線装置18と基地局12の間の通信のためのベースラインとして使用される所定の、または調整可能な設定を含み得る。たとえば、閾値149には、スイッチング・スロット閾値、フレーム品質閾値、反復閾値、長期品質閾値およびCQI消去閾値が含まれ得る。
【0050】
上記で論じたように、判定装置34は、CQIフレーム品質メトリックおよび閾値149に基づいて、無線装置18にフィードバック信号を供給し、かつ/またはシステム構成151を更新し得る。システム構成151は、たとえば完全/差分モード表示、反復係数、スイッチング・スロット数および/またはスイッチング・フレーム数、R−OLPC設定、かつ/またはスケジューリング状態など、CQICHのための設定または構成を含み得る。システム構成151は、基地局12のメモリ内に格納され得る。システム構成を含むこうした信号は、判定信号(DS:decision signal)と称され得る。したがって、判定装置34は、R−CQICHのCQIに関連する様々なメトリックに基づいて、システム構成が変更されるべきか判断し得る。
【0051】
CQIフレーム品質メトリックの計算は、CQI回復/復号装置30およびCQIメトリック生成装置32によって生成され得る。CQI回復/復号装置30では、システムのパフォーマンス向上のために、差分および完全モードにおける消去に関連するCQIフレーム品質メトリックの計算が使用され得る。たとえば、消去は、一般に完全レポートについて生成されるが、差分レポートについても、CQI回復/復号装置30内でCQI差分ビットに対する3状態判定を実施することによって生成され得る。PGGiでのCQI差分ビット3状態判定メトリックは、以下の数式によって与えられる。
Diff_ThreeState_Metrici=Diff_Hard_Decision_Metrici/Chest_Factori
【0052】
PGGiでの差分ビット硬判定メトリックは、以下の通りである。
R−FHCがオンの場合は、
【数1】
R−FHCがオフの場合は、
【数2】
こうした数式では、パワー制御グループ(PCG)は、下りチャネル22および/または上りチャネル24上で1.25ms間隔であり得る時間間隔である。さらに、(複素形の)rは、レイク受信機/CQIシンボル回復装置134内で受信信号を合成する前の受信信号であり、jは1PCGの間に反復される、差分ビットのシンボル数であり、kは、合成されるフィンガー(finger)の数である。以下のシンボル、
【数3】
は、フィンガーkおよびシンボルjにおけるチャネル推定の複素共役である。Chest_Factorは、チャネル推定に基づく、PGGiでのスケーリング係数である。チェスト係数(chest factor)は、以下の数式によって表される。
【数4】
こうした数式および差分ビット3状態判定メトリックに基づいて、図9に示すように、3つの異なる状態が、CQI差分ビット判定装置138によって判断され得る。
【0053】
図9は、図9の例示的なCQI装置内の関連するCQI消去閾値156および158と共に使用される差分ビット3状態判定メトリックDiff_ThreeState_Metricの例示的なチャートである。線154によって表される差分ビット3状態判定メトリック(Diff_ThreeState_Metric)は、CQIアップ状態CQI_UP、CQIダウン状態CQI_Down、またはCQIホールド状態CQI_Holdなど、3つの状態に分割され得る。状態は、CQI消去閾値156および158に関連して、差分ビット3状態判定メトリック154の値に基づいて分割される。差分ビット3状態判定メトリック154を3つの状態に分割することによって、差分モードについての消去が判断され得る。したがって、上記で論じたように、フレーム全体に渡る消去の数が判断され得る。
【0054】
3状態を提供するために、所定の値155の反対側にある2つのCQI消去閾値156および158は、線154を横断し得る。所定の値155は、「0」であっても、別の適切なベース値でもよい。CQIアップ閾値156は、CQIホールド状態CQI_HoldからCQIアップ状態CQI_Upを分割するために使用され得る。CQIアップ状態CQI_UpはCQI品質が向上していることを示すことができ、CQIホールド状態CQI_Holdは、消去が生じたことを示し得る。同様に、CQIダウン消去閾値158は、CQIダウン状態CQI_DownからCQIホールド状態CQI_Holdを分割するために使用され得る。
【0055】
一例として、差分ビット3状態判定メトリック154は、所与のPGGiにおける判定の3つの基本のタイプのうちの1つであり得る。たとえば、差分ビット3状態判定メトリック154がCQIダウン消去閾値158より小さい場合は、差分ビット3状態は、CQIダウン状態CQI_Downに判定される。すなわち、無線装置18からのCQIビットは、現在のCQI値が減少していることを示す「0」と解釈され得る。さらに、差分ビット3状態判定メトリック154がCQIアップ閾値156より大きい場合は、差分ビット3状態は、CQIアップ状態CQI_Upに判定される。結果として、無線装置18からのCQIビットは、現在のCQI値が増加していることを示す「1」と解釈され得る。最後に、差分ビット3状態判定メトリック154がCQIアップ消去閾値156以下であり、またCQIダウン消去閾値158以上である場合は、受信されたCQI信号の品質が良好でないことが示されている。したがって、差分ビット3状態は、CQIホールド状態CQI_Holdに判定される。判定メトリックがこの領域であり、また2状態判定が行われる場合には、エラーを引き起こす可能性が高くなる。その結果、無線装置18からのCQIビットは解釈されることができず、消去が宣言され得る。
【0056】
有益には、消去を宣言することによって、送信されるCQIビットは廃棄されることができ、信頼できない情報は、使用され得ない。消去は、上りリンク24のチャネル状態が適切なレベルで機能していないことを示す。さらに、消去は、差分モードでのフレーム品質メトリックとして使用されるために、あるフレームについての差分レポートのために生成され得る。3状態判定法の目的のうちの1つは、CQI信号品質およびチャネル状態を示すことである。それは消去を作成するためだけに使用されることができ、CQI差分ビットは、2状態判定によって依然として判断される。
【0057】
別のCQIフレーム品質メトリックは、CQIフレーム品質軟判定メトリックとすることができる。上記で論じたように、消去は、完全または差分復号/判定メトリックにおいて硬判定を行うことによって生成される。硬判定は、ある程度の情報の損失をもたらす。情報損失を回避するために、フレーム・ベースの品質メトリックは、1フレームまたは複数フレーム単位の消去数よりも正確な、信号品質に関する測定を提供し得る。したがって、CQIフレーム品質軟判定メトリックは、CQI値の信頼性に関する、より正確な情報を提供することによって、システムを向上させ得る。
【0058】
CQIフレーム品質軟判定メトリックは、上記で論じたように、CQIメトリック生成装置32によって生成される。CQIフレーム品質軟判定メトリックは、あるフレームついてのPCGベース消去メトリックを累積することによって生成される。完全モードでは、CQIフレーム品質軟判定メトリックは、スイッチング期間および非スイッチング期間について、それぞれ異なるやり方で計算され得る。通常の操作モードであり、またセル・スイッチが関与しない非スイッチング期間の間は、CQIフレーム品質軟判定メトリックは、以下の数式によって表される。
【数5】
ただし、iはPCG指数であり、jは、PCG指数iをCQI反復係数CQI−repetition−factorで割った値にほぼ等しい。チャネル推定係数Chest_Factorは、消去メトリックの生成に関して上記で定義されている。さらに、DecodeMetricは、M個の異なるメトリックを含み得るCQI完全レポート復号メトリックである。CQI完全レポート復号メトリックDecodeMetricは、PCGのCQI反復係数CQI−repetition−factorに渡って累積される。またCQI_frmは、累積がCQIオフセット・フレームについてのものであることを示す。スイッチング期間の間は、CQIフレーム品質軟判定メトリックは、スイッチング表示なしのフレーム内の領域に渡って累積され得る。この期間の間のCQIフレーム品質軟判定メトリックは、以下の数式によって表される。
【数6】
この数式では、CQI_regAは、CPIレポートを運ぶCQIフレーム内の継続時間すなわち「領域A」である。領域Aでは、CQIセル・スイッチ表示は生じない。したがって、この数式によって、CQIメトリック生成装置32から判定装置34に供給される信号のうちの1つがもたらされる。
【0059】
同様に、差分モードでは、初期完全レポートについてのCQIフレーム品質軟判定メトリックは、以下の数式によって表される。
【数7】
この数式では、Rept_FctはCQI反復係数であり、DecodeMetricは、PCGのCQI反復係数Rept_Fctに渡って累積される。この数式によって、CQIメトリック生成装置32から判定装置34に供給される信号のうちの別の信号がもたらされる。この計算は、セル・スイッチによる影響を受けない。
【0060】
差分モードの差分レポートについてのCQIフレーム品質メトリックは、スイッチング期間に計算されることも、非スイッチング期間に計算されることもある。非スイッチング期間では、差分モードの差分レポートについてのCQIフレーム品質メトリックは、以下の数式によって表される。
【数8】
スイッチング期間中、有効なCQIレポートは、領域Aで発生する。フレーム品質メトリックは、領域Aからだけ取得され得る。
【数9】
したがって、これらの数式によって、CQIメトリック生成装置32から判定装置34に供給される信号のうちの別の信号がもたらされる。
【0061】
さらに、提供されるCQIフレーム品質メトリックを向上させるために、他のいくつかの考慮事項が使用される。たとえば、差分レポートについてのCQIフレーム品質メトリックの累積は、完全レポート、および品質メトリックに関する反復係数の効果を回避するために、差分モードにおいて、PCG4(i=4)から開始し得る。またチャネル推定スケーリング係数の累積の長さは、PCGベースの復号/判定メトリックの累積の長さと同じであり得る。
【0062】
レイク受信機28、CQI回復/復号装置30、CQIメトリック生成装置32および判定装置34は、本明細書で述べる技術を使用して設計され得るハードウェア装置またはルーチンの一例にすぎないことを理解されたい。たとえば、こうしたコンポーネントは、ルーチンやコードなどのソフトウェア・プログラム、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA:field programmable gate array)、デジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processor)、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)などのファームウェアまたはハードウェア、および/あるいはこうしたハードウェア・コンポーネントの組合せとして実装され得る。実際に、本発明は、様々な修正および代替の形が可能であり得るが、特定の実施形態について、図面内の例によって示され、また本明細書で詳細に述べられている。しかし、本発明は、開示した特定の形に限定されるものではないことを理解されたい。そうではなく、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神および範囲内に含まれるすべての変形物、等価物および代替物を網羅するものである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般には、無線通信システムに関し、より詳細には、ベースバンド信号処理およびリソース管理に関する。
【背景技術】
【0002】
この節は、以下で説明され、かつ/または特許請求の範囲に記載される本発明の様々な態様に関連し得る技術の様々な態様に読者を導くためのものである。この議論は、本発明の様々な態様についてのよりよい理解を促すための背景情報を読者に提供するのに役立つと考えられる。したがって、こうした記載は、従来技術を認めるものとしてではなく、この観点から読まれたい。
【0003】
高速データ伝送のためのサポートに関連する第3世代すなわち「3G」規格では、制御および品質情報を運ぶために、オーバーヘッド・チャネルが提供される。品質および制御情報は、リンク品質表示(quality indication)、復号肯定応答、およびレート制御コマンドを含む。具体的には、本明細書中で参考として援用するCDMA2000規格改訂C/Dでは、高速下りリンク・パケット・データ・チャネル(F−PDCH:Forward Link Packet Channel)をサポートするために、上りチャネル品質表示チャネル(R−CQICH:Reverse Channel Quality Indication Channel)である上りリンク(RL:Reverse Link)が使用される。R−CQICHは、下りリンクの高レート・パケット・データ・スケジューリングおよびセル・スイッチングのための情報を運ぶ。
【0004】
高速データ・サービスが提供される場合、無線装置は、基地局に、チャネル品質表示(CQI:Channel Quality Indicator)レポートを連続的に送信する。CQIレポートは、無線装置での下りリンク(FL:Forward link)パイロット・エネルギーについての測定である。CQIレポートは、1.25msの時間間隔であるパワー制御グループ(PCG:Power Control Group)ごとに更新される。CQIフレームは、16PCGタイム・スロットを含み、20ms継続する。
【0005】
さらに、3GPP2規格は、基地局および無線装置内で調整され得る、CQICHのための様々な構成を提供する。第3世代パートナーシップ・プロジェクト2(3GPP2:Third Generation Partnership Project 2)では、完全レポートおよび差分レポートである、2つのタイプのCQIレポートが認められている。完全レポートは、現在のPCGの間のパイロット信号のサンプルを表す4ビットのCQIワードである。差分レポートは、直前のCQIから現在のCQIの変化を表す1ビットの表示である。完全レポートは、1ビット表示である差分レポートより多くの信号パワーを使用する。したがって、3GPP2規格は、R−CQICHが完全モードおよび/または差分モードで動作するように構成され得ることを指定している。完全モードでは、CQIフレーム内のすべてのPCGスロットが、完全レポートを運ぶ。差分モードでは、完全レポートはCQIフレームの最初に作成され、その後に、差分ビットが続く。また完全モードと差分モードの両方において完全レポートが再送信される、たとえば1、2または4であり得る回数を調整するために、反復係数が、R−CQICHのために設定され得る。適用される完全レポートの回数は、差分モードのCQIフレームの最初に、反復係数によって決定される。同様に、セル・スイッチ表示パターンを提供するために、スイッチング・スロットの数も調整され得る。したがって、システムまたはチャネル構成情報のそれぞれが、CQI信号を提供するために消費されるパワーに影響を及ぼし、また信号品質向上のために様々な調整をもたらし得る。
【0006】
たとえば、図10および11に示すように、それぞれ異なるPCGに対するCQI信号パワーの関係を示す例示的な図が提供される。図10で、参照番号160によって参照され得る完全レポートの図が、それぞれ異なるPCG162a〜162vに渡って、各完全レポートFa〜FgのCQI信号パワーを示している。この図160では、R−CQICHのためのシステム構成は、完全モードに設定されるモード、および2に設定される反復係数を含み得る。したがって、PCG162a〜162bでは、それぞれのPCGについて同じ完全レポートFaが発行されている。R−CQICHに割り当てるパワーを減少させるために、システム構成は、図11に示すように、モードが差分モードに調整され、また反復係数が1に調整され得る。図11では、参照番号166によって参照され得る差分レポートの図が、PCG168a〜168vに渡って、完全レポートFiおよび各差分レポートDa〜DoについてのCQI信号パワーを示している。この図166では、R−CQICHのためのシステム構成は、差分モードに設定されるモード、および1に設定される反復係数を含み得る。したがって、第1のPGC168aでは、完全レポートFiは、示されたCQI信号パワーレベル170で提供されることができ、それに続くPCG168b〜168pの差分レポートDa〜Doは、示されたCQI信号パワーレベル172で提供され得る。したがって、システム構成は、CQI信号パワーに影響を及ぼす。
【0007】
同様に、図12および13で、スイッチング・スロットの例示的な図が、PCGに対するCQI信号のパワーを示している。図12で、参照番号174によって参照され得る完全スイッチング・リポートの図が、各PCG176a〜176vについて、各完全レポートF1〜F12のCQI信号パワーを示している。この図174で、R−CQICHのためのシステム構成は完全モードに設定されることができ、またスイッチング・スロットの数は、4に設定され得る。したがって、PCG176a〜176lに渡って、完全レポートF1〜F12が提供され、PCG176m〜176pでは、セル・スイッチ表示パターンを運ぶために、スイッチング・スロットS1〜S4が割り当てられ得る。反復係数が2に増加される場合、スイッチング・スロット情報を繰り返すために使用されるスイッチング・スロットの数は増加されることができ、図13に示すように、モードは、CQI信号パワーを減少させるために、差分モードに設定され得る。図13で、参照番号180で参照され得る差分スイッチング・レポートの図が、各完全レポートF13、差分レポートD1〜D6、およびスイッチング・スロットS5〜S7についてのCQI信号パワーを示している。したがって、2に設定される反復係数では、スイッチング・スロットS5〜S7は、PCG182i〜182pを使用し得る。差分モードに設定されるモードでは、差分レポートD1〜D6が提供されるときに、PCG182c〜182hの間で、CQI信号パワーが節約され得る。したがって、システム構成は、CQI信号パワーに影響を及ぼす。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】CDMA2000規格改訂C/D
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、3GPP2規格は、それぞれ異なるシステム展開シナリオに基づいて、最適化されたCQI構成をどのように判断するかについて対処していない。具体的には、3GPP2規格は、それぞれ異なるシステム展開シナリオに基づいてCQIシステムまたはCQIチャネル構成をどのように動的に調整するかを判断するための機構を提供していない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施形態は、無線装置と通信される信号の品質を維持する基地局で効率的な方法を設計することに関し得る。本明細書で述べる特定の例示的な諸実施形態は、符号分割多重アクセス(CDMA:code division multiple access)に関する。しかし、本発明の実施形態は、ユニバーサル移動通信システム(UMTS:Universal Mobile Telecommunication System)など、他のタイプの通信システムに関し得ることが当業者には理解されよう。3GPP2規格を使用したCDMAシステムにおけるチャネル品質表示(CQI)の使用についての簡潔な説明を、例を用いて本明細書で示す。
【0011】
一般に、データ・サービスをサポートする無線システムでは、データおよび制御チャネルは、バースト・タイプのトラフィックを運ぶ。こうしたチャネルは、チャネル状態を連続して監視することが望まれるため、システム使用のリンク品質をトラッキングするために使用するのに適していない。しかし、上述したように、リンク品質情報を時宜を得た、一定したやり方で提供するために、連続したオーバーヘッド・チャネルが使用され得る。結果として、サービス品質を保証し、システム容量を向上させるための品質保護およびリソース割当てのために、連続したオーバーヘッド・チャネルの監視が使用される。
【0012】
CDMA2000規格改訂C/Dでは、上述したように、下りリンク・パケット・データ・チャネル(F−PDCH)をサポートするために、R−CQICHなどのオーバーヘッド・チャネルが使用される。FL高レート・データ・サービスが無線装置によって要求される限り連続的に動作するR−CQICHは、下りリンク高レート・パケット・データ・スケジューリングおよびセル・スイッチングに関する情報を運ぶ。結果として、それは、R−CQICH自体のパワー制御、セル・スイッチ、スケジューリングおよび品質制御など、システム適用のためのRL品質メトリックを提供するために使用され得る。
【0013】
R−CQICHはスケジューリングおよびセル・スイッチに関する情報を運ぶので、R−CQICHの品質は、全体的なシステム・スループットおよびセル・スイッチのパフォーマンスに影響を及ぼし得る。したがって、そのチャネルの品質を維持するために、増加された送信パワーが、R−CQICHに割り当てられ得る。しかし、R−CQICHは、連続チャネルなので、R−CQICHのレポーティング・モードによって、他の上りリンク・チャネルに匹敵する、またはそれ以上の大きいパワーを消費し得る。したがって、全体的なシステム容量を向上させるために、R−CQICHによって消費されるパワーを減少させることが有利であり得る。
【0014】
システム・パフォーマンスを測定するために、フレーム品質表示として、消去が使用され得る。すなわち、フレーム単位の消去の数を使用して、R−CQICHの品質を監視することができる。消去の生成は、ある度合いの情報損失を引き起こす硬判定を伴う。こうした消去は、差分モードではなく、完全モードについて提供される。しかし、R−CQICHは、完全モードと差分モードで使用され、パワー消費を減少させるために、差分モードが使用される。結果として、フレーム品質表示が完全レポートからの消去の数に基づいている場合は、差分モードのフレームにおいて、十分な消去情報が得られないことがある。したがって、完全レポートに加えて差分レポートについても、フレーム・ベースのCQIチャネル品質メトリックを生成することが有利であり得る。さらに完全レポートと差分レポートの両方について、R−CQICHの品質に関する改善された情報を提供するために、消去の数ではなく、軟判定メトリックが望まれる。
【0015】
さらに、完全レポートと差分レポートの両方について一貫したフレーム品質メトリックを使用して、長期品質メトリックと称され得る長期CQIフレーム品質メトリックを生成することができる。長期品質メトリックは、複数のフレームに渡ってフレーム・ベースの品質メトリックをフィルタリングすることによって生成される。
【0016】
したがって、この技術のもとでは、R−CQICHの品質を維持するために、完全モードと差分モードについてメトリックが提供され得る。こうしたメトリックを使用して、システムまたはCQIチャネル構成、およびパワー設定を動的に調整することができる。すなわち、差分モードと完全モード間の切換え、反復係数の調整、および/またはスイッチング・スロットの数の調整など、チャネル構成は、それぞれ異なるシステム・シナリオ、およびメトリックによって示されるチャネル状態に基づいて調整され得る。またフレーム品質メトリックを使用して、CQIの信頼性に基づいて、F−PDCH上の高速データ伝送のスケジューリングを継続するか、または停止するかを判断することができる。同様に、CQI送信のパワーを調整するために、外ループ・パワー制御(OLPC:Outer Loop Power Control)が、短期CQIフレーム品質メトリックに基づいて調整され得る。更新されたCQIチャネルまたはシステム構成は、基地局と無線装置の両方に影響を及ぼし得る。すなわち、システム構成は、基地局にローカルに適用されることができ、またシグナリングを介して無線装置に送信され得る。
【0017】
本発明のある態様によれば、無線信号パスの品質を管理する、基地局内の構造が提供される。例を用いて示すように、基地局は、受信された信号を復号信号に復号するように構成される。こうした復号された信号から、基地局は、送信された信号についてのチャネル品質表示(CQI)に関連する品質メトリックを生成することができる。次いで、基地局は、品質メトリックをフレーム品質設定または閾値と比較して、その比較に基づいて、1つまたは複数のシステム構成を調整するかどうか判断する。
本発明の利点は、以下の詳細な説明を読み、また図面を参照すると明らかになり得る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】基地局および無線装置を含む無線通信システムの例示的な実施形態を示す図である。
【図2】本技術の態様による、図1の基地局の例示的な実施形態におけるCQIフレーム品質メトリックの使用を示す図である。
【図3】本技術の態様による、図1の基地局の例示的な実施形態におけるCQIフレーム品質メトリックの使用を示す図である。
【図4】本技術の態様による、図1の基地局の例示的な実施形態におけるCQIフレーム品質メトリックの使用を示す図である。
【図5】本技術の態様による、図1の基地局の例示的な実施形態におけるCQIフレーム品質メトリックの使用を示す図である。
【図6】本技術の態様による、図1の基地局の例示的な実施形態におけるCQIフレーム品質メトリックの使用を示す図である。
【図7】本技術の態様による、図1の基地局の例示的な実施形態におけるCQIフレーム品質メトリックの使用を示す図である。
【図8】図1の基地局内の例示的なCQIコンポーネントの機能ブロック図である。
【図9】図8の例示的なCQIコンポーネント内で使用されるCQI消去閾値に関連する差分ビット3状態判定メトリックの例示的なチャートである。
【図10】基地局および無線装置内の例示的なシステム構成を示す図である。
【図11】基地局および無線装置内の例示的なシステム構成を示す図である。
【図12】基地局および無線装置内の例示的なシステム構成を示す図である。
【図13】基地局および無線装置内の例示的なシステム構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の1つまたは複数の特定の実施形態について以下に述べる。こうした実施形態についての簡潔な説明を提供するため、本明細書では、実際の実装の必ずしもすべての特徴が説明されているとは限らない。任意の工学または設計プロジェクトと同様に、任意の実際のこうした実装の開発において、実装によって異なり得るシステム関連またはビジネス関連の制約の遵守など、開発者の特定の目標を達成するための実装特有の複数の判断が行われるべきであることを理解されたい。さらに、こうした開発努力は、複雑で、時間がかかり得るが、しかし、この開示の利益を得る当業者にとっては、設計、製作および製造の日常的な仕事であることを理解すべきである。
【0020】
本明細書で開示するこの技術は、基地局と無線装置の間の信号パスの品質を監視するための改良型の手法を提供し得る。具体的には、本明細書で述べる技術は、チャネル品質表示(CQI)、およびCQIの品質に関連するメトリックに基づいてシステム構成を動的に調整することに関する。この技術のもとでは、基地局は、様々なシステム構成を動的に調整するかどうか判断するためのフレーム品質メトリックを処理するために使用されるCQI回復/復号装置、CQIメトリック生成装置および判定装置を含み得る。具体的には、CQIコンポーネントは、無線装置と基地局の間で通信するチャネル用のシステム構成を変更するために使用される、短期品質メトリックおよび長期品質メトリックなどの軟判定メトリックを生成し得る。完全と差分の両方のCQIレポートのために使用され得る軟判定メトリックのシーケンスは、CQI品質を表し、その累積は、長期CQIパフォーマンスを反映する。CQIフレーム品質軟判定メトリックを使用して、R−OLPCについてのCQIパフォーマンスをトラッキングすることができ、また長期品質メトリックを使用して、反復係数を修正し、またセル・スイッチ・スロットを割り当てることができる。したがって、提案する技術によって、無線システムのパフォーマンスを向上させるための方法および装置が提供される。
【0021】
次に図面に移り、最初に図1を参照すると、基地局および無線装置を組み込む例示的な無線通信システムが示され、参照番号10によって一般的に参照されている。図1の例示的な実施形態では、基地局12は、CQI回復/復号装置30、および判定装置34にCQIメトリックを提供するためのCQIメトリック生成装置32など、様々なコンポーネントを含む。以下で論じるように、メトリックに基づいて、判定装置34は、メトリックを様々な設定および閾値と比較して、システム構成を調整することができる。
【0022】
基地局12内のメトリック生成について論じる前に、無線通信システム10および無線装置18について論じることが有用であり得る。まず初めに、所与の任意のセルラー・エリアにおいて、無線通信システム10などのセルラー・ネットワークは、1つまたは複数の基地局12を含み得る。たとえば、無線通信システム10は、第3世代パートナーシップ・プロジェクト2(3GPP2)CDMA2000 1xシステム、1x進化データ音声(EVDV:evolution data and voice)システム、1x進化データ最適化(EVDV:evolution data optimized)システムまたはユニバーサル移動通信システム(UMTS)であり得る。基地局12を介して、様々なデータ・サービスが、無線装置18によって表される1つまたは複数の無線装置に提供され得る。さらに、基地局12は一般に、無線ネットワーク制御装置(RNC:Radio Network Controller)25を介してPSTN26に結合される。RNC25は、複数の基地局内の機能を管理し得る。
【0023】
無線通信システム10内で呼が発生するときに、無線装置18は、基地局12と通信する。無線装置18と基地局12の間の通信は主として、個々の無線装置18と基地局12のアンテナ間で介在するエア・インターフェースを介したRF通信によって行われる。それぞれの通信信号パス20は一般に、下りリンク22および上りリンク24を含む。下りチャネルまたはリンク22は、基地局12から無線装置18への信号パス20の一部である。システムがCDMAを使用する場合、下りリンク22は、無線装置18へのパイロットチャネルに加えて送信される1つまたは複数の符号チャネルを含み得る。上りリンク24は、無線装置18から基地局12への信号パス20の一部である。システムがCDMAを使用する場合、上りリンク24もまた、1つまたは複数の符号チャネルを含み得る。こうした下りリンク22および上り部分24を使用することによって、基地局12および無線装置18は、互いに通信することができる。
【0024】
CDMAシステムなどの無線通信システム10がサポートし得る無線装置18の数に対する実際的な制限は、無線通信システム10上に存在する干渉または雑音の量に基づく。具体的には、雑音が増加するにつれて、システム容量は減少する。携帯電話などの無線装置18は同じ周波数で送信するので、無線装置18からの単一の信号の復号は、受信された信号からその特定の信号を区別することを含む。換言すると、所望されない信号は、所望の信号に対する単に雑音である。したがって、より多くの無線装置18が無線通信システム10に追加されるにつれて、所望と不所望の信号間の区別は、雑音の増加のため、ますます難しくなる。無線装置18の低送信パワーを維持すると、送信によって引き起こされる干渉の量が減少し得る。それとは逆に、各無線装置18の送信パワーは、基地局12が誤りなしに信号を復調/復号できるレベルで、維持されなければならない。すなわち、無線装置18の送信パワーは、所望の信号対雑音比(SNR:signal-to-noise-ratio)を達成するように管理され得る。
【0025】
受信される信号の品質を管理するために、無線装置18は、基地局12から下りリンク22で受信される信号のCQI品質レベルを判断するために使用され得るCQI生成器19を含み得る。CQI品質レベルは、無線装置18によって受信されるパイロット信号のEc/Nt信号対雑音比(SNR)を計算し、計算された値をCQI品質レベルに変換することによって判断され得る。例を挙げると、CQI生成器19は、たとえばアダマール・エンコーダ、パンクチャー器(puncturer)、変調器、およびマルチプレクサ、信号フリッパーを、他の回路などと共に含み得る。無線装置18は、R−CQICHを介して上りリンク24で基地局12にCQIを提供し得る。
【0026】
基地局12は、無線装置から送信された信号を受信して、CQIを処理し得る。具体的には、基地局12は、CQI信号を処理するために、レイク受信機28、CQI回復/復号装置30、CQIメトリック生成装置32、および/または判定装置34などの構成要素を含み得る。レイク受信機28は、受信されたベースバンド信号に関するCQI情報を、逆拡散し、復調し、また復調された信号としてCQI回復/復号装置30に提供し得る。
【0027】
CQI回復/復号装置30およびCQIメトリック生成器32は、復調された信号を用いて、CQI、およびR−CQICHの品質に関するメトリックを生成し提供することができる。具体的には、CQI回復/復号装置30は、無線装置18から信号を受信し、CQI復号/判定メトリックを生成し比較することによって、復調された信号を復号することができる。復号メトリックまたは判定メトリックとして個々に参照され得るCQI復号/判定メトリックは、完全または差分レポートについてのCQI品質レベルをそれぞれ表す。次いで、復号および判定メトリックは、CQIメトリック生成装置32に提供される。CQIメトリック生成装置32は、メトリックおよび関連する信号をさらに処理して、判定装置34にメトリックを提供し得る。そのメトリックは、完全と差分の両方のモードについての短期品質メトリックおよび長期品質メトリックを含み得る。
【0028】
判定装置34は、受信されるメトリックを様々な設定または閾値に対して分析して、様々なシステム構成を調整すべきかどうか判断し得る。その閾値には、スイッチング・スロット閾値、フレーム品質閾値、反復閾値および/または長期品質閾値などが含まれ得る。メトリックを閾値と比較することによって、判定装置34は、CQIの変化の原因となるシステム構成をいつ調整するかを判断し得る。3GPP2規格でのシステム構成は、完全および/または差分モード、反復係数、スイッチング・スロットの数、スイッチング・フレームの数、外ループ・パワー制御(OLPC)設定、かつ/またはスケジューリング状態などの設定を含み得る。次いで、調整された構成パラメータが判断され、無線装置18内でR−CQICH構成を更新するために、新しい設定が、FL信号チャネルを介して無線装置18に送信され得る。受信のプロセスが無線装置18の送信と整合が取れるようにするために、同じ構成が、ローカルのCQI回復/復号装置30にも送信され得る。結果として、判定装置34は、基地局12および無線装置18内のシステム構成を動的に更新する閉ループの手法を提供して、全体的なシステム・パフォーマンスを向上させることができる。
【0029】
上記で論じたCQIフレーム品質メトリックに基づいて、上りリンク24上のフレームは、フレーム品質閾値などの様々な閾値に基づいて、低品質であると宣言され得る。低品質フレームを宣言すると、FCHの巡回冗長検査(CRC:cyclical redundancy check)によるエラー・イベントの生成に類似のCQI不良フレーム・イベントが生成され得る。CQIフレーム・エラー・イベントは、外ループおよび内ループのパワー制御を介して無線装置18の送信パワーを調整するために、基地局12内のパワー制御機構によって使用され得る。同様に、判定装置34は、CQI長期品質メトリックを使用して、CQICHパフォーマンスをトラッキングし、そのメトリックに対する関連する閾値を使用して、CQICH構成を調整することができる。図2〜7のそれぞれに、本技術の態様による、図1の基地局の例示的な実施形態における、短期品質メトリックおよび長期品質メトリックなどのCQIフレーム品質メトリックの使用について示す。したがって、図2〜7はそれぞれ、図1と併せると最もよく理解され得る。
【0030】
図2に、図1の基地局で使用されるフレーム品質閾値に対する、完全モードの完全レポートについてのCQIフレーム品質メトリックの強度の例示的な図を示す。参照番号70によって参照され得るCQI品質完全レポート図は、無線装置18から基地局12によって受信される信号のSNRに対する、完全レポートのCQIフレーム品質メトリックCQI_Q_Fullを示している。ダイアグラム70で、CQIフレーム品質メトリックの強度は曲線72によって表されることができ、線74、76および78は、それぞれ異なるフレーム品質閾値を表し得る。フレーム品質閾値74、76および78は、無線装置18からの完全レポートCQI送信のために使用される反復係数に基づいて差別化される。有益には、完全モードについてのCQIフレーム品質メトリックを使用して、R−OLPCによって使用される消去数よりも正確な品質情報を提供することができる。
【0031】
ダイアグラム70で、CQIフレーム品質メトリック72が、それぞれ異なる反復ケースのフレーム品質閾値74、76および78のうちの1つより小さい場合に、「悪品質」イベントなどのCQIの不良イベントが生成される。CQI不良イベントは、判定装置34によって生成され得る。CQI不良イベントに基づいて、好ましくないCQIパフォーマンスのために、R−OLPC設定ポイントが増加され得る。したがって、R−OLPC設定ポイントの増加によって、上り内ループ・パワー制御(R−ILPC:reverse inner loop power control)を介した無線装置18の平均送信パワーの増加がもたらされる。
【0032】
図3に、基地局12で使用される差分レポートに関するフレーム品質閾値に対する、差分モードの差分レポートについてのCQIフレーム品質メトリックの強度の例示的な図を示す。参照番号80によって参照され得るCQI品質差分レポートの図は、無線装置18から基地局12によって受信される信号のSNRに対する、差分レポートのCQIフレーム品質メトリックCQI_Q_Diffを示している。ダイアグラム80で、CQIフレーム品質メトリックの強度は曲線82によって表されることができ、フレーム品質閾値は、線84によって表され得る。差分レポートは反復係数による影響を受けないので、図2の議論と同様に、システム構成が調整され得るときを判断するために、単一のフレーム品質閾値84が使用される。
【0033】
図4に、図1の基地局1で使用される反復閾値に対する、完全モードの長期CQIフレーム品質メトリックの強度の例示的な図を示す。参照番号86によって参照され得る長期CQI品質完全レポートの図は、無線装置18から基地局12によって受信される信号のSNRに対する、完全レポートの長期CQIフレーム品質メトリックCQI_LTQ_Fullを示している。ダイアグラム86で、長期CQIフレーム品質メトリックの強度は曲線88によって表されることができ、線92、94、96および98は、それぞれ異なる反復閾値を表し得る。それぞれ異なる反復閾値92、94、96および98は、無線装置18と通信するために現在使用されている反復係数に基づいて差別化される。
【0034】
ダイアグラム86で、反復係数は、長期CQIフレーム品質メトリック88に対して閾値92、94、96および98を比較することによって判断され得る。たとえば、現在の反復係数が「1」である場合、長期CQIフレーム品質メトリック88の値は、反復係数を1から2に増加させるための閾値を表し得る反復閾値94より小さい値であり得る。したがって、CQI品質が低下しているので、反復係数は増加されることができ、それによって、1から2に増加される反復係数がもたらされる。同様に、現在の反復係数が「2」である場合、長期CQIフレーム品質メトリック88の値は、反復係数を2から1に減少させるための閾値を表し得る反復閾値92より大きい値であり得る。CQI品質が向上しているので、反復係数は、2から1に減少され得る。したがって、長期CQIフレーム品質メトリックを、閾値92、94、96および98と共に使用して、反復係数を調整することができる。
【0035】
さらに、長期CQIフレーム品質メトリック88は、チャネル上で発生し得る極限状態に合わせて調整するために、閾値90および100と共に使用され得る。たとえば、チャネル状態が良好であり、R−CQICHの現在の操作モードが完全モードである場合、長期CQIフレーム品質メトリック88が閾値90を越えることがあり、それは、CQIレポートが、完全モードではなく、差分モードに切り換えられ得ることを示している。上述したように、差分モードへの切換えによって、CQIレポートのパワー消費が低減される。同様に、チャネル状態が不良である場合、長期CQIフレーム品質メトリック88は、CQIレポートの品質が悪すぎることがあることを示す閾値100より下がり得る。閾値100未満では、CQIレポートが信頼できないので、高レート・データ・スケジューリングは許され得ない。したがって、長期CQIフレーム品質メトリック88を閾値90および100と共に使用して、CQIレポーティングの効率を向上させることができる。
【0036】
図5に、図1の基地局で使用される反復閾値に対する、差分モードでの長期CQIフレーム品質メトリックの強度の例示的な図を示す。差分モードでは、差分モードの完全レポート反復係数を判断するために、初期完全レポート・メトリックが使用され得る。参照番号102によって参照され得る長期CQI品質差分(モード)完全レポートの図は、無線装置18から基地局12によって受信される信号のSNRに対する、初期完全レポートの長期CQIフレーム品質メトリックCQI_LTQ_DiffFullを示している。ダイアグラム102で、長期CQIフレーム品質メトリックの強度は曲線104によって表されることができ、線106、108、110および112は、それぞれ異なる反復閾値を表し得る。それぞれ異なる反復閾値106、108、110および112は、無線装置18と通信するために使用される反復係数に基づいて差別化される。図4の図83の議論と同様に、反復係数は、閾値106、108、110および112を長期CQIフレーム品質メトリック104と比較することによって判断され得る。
【0037】
したがって、閾値106、108、110および112を用いた長期CQIフレーム品質メトリックの操作は、ダイアグラム86に類似する。たとえば、現在の反復係数が「1」である場合、長期CQIフレーム品質メトリック104の値は、反復係数を1から2に増加させるための閾値を表し得る反復閾値108より小さい値であり得る。結果として、反復係数は、1から2に増加される。したがって、長期CQIフレーム品質メトリック104を閾値106、108、110および112と共に使用して、差分モードの反復係数を調整することができる。
【0038】
図6に、図1の基地局で使用されるスイッチング・スロット閾値に対する、完全モードでの長期CQIフレーム品質メトリックの強度の例示的な図を示す。参照番号114によって参照され得る長期CQI品質完全レポート・スイッチングの図は、無線装置18から基地局12によって受信される信号のSNRに対する、完全レポートの長期CQIフレーム品質メトリックCQI_LTQ_FullSwitchを示している。ダイアグラム114で、長期CQIフレーム品質メトリックの強度は曲線116によって表されることができ、線120および122は、それぞれ異なるスイッチング・スロット閾値を表し得る。スイッチング・スロット閾値120および122は、無線装置18の上りリンク24に提供されるセル・スイッチング・スロットに基づいて差別化される。有益には、完全モードの長期CQIフレーム品質メトリックを使用して、無線装置18に割り当てられるスイッチング・スロットを調整することができる。
【0039】
ダイアグラム114で、割り当てられるセル・スイッチング・スロットは、スイッチング・スロット閾値120および122を長期CQIフレーム品質メトリック116に対して比較することによって判断され得る。たとえば、無線装置18について、スイッチング・スロット数に関する現在のシステム構成またはパラメータは、「2」である。長期CQIフレーム品質メトリック116の値が、割り当てられるスイッチング・スロットの数を2から4に増加させるための閾値を表し得るスイッチング・スロット閾値120より小さい場合には、CQI品質が低下しているので、スイッチング・スロットの数は、2から4に増加される。長期CQIフレーム品質メトリック116が閾値120または122より大きい場合、簡略化のためスイッチング・スロットの数を減少させず、サービス品質を維持することが望まれ得る。したがって、長期CQIフレーム品質メトリックを、閾値120および122と共に使用して、スイッチング・スロットを調整することができる。
【0040】
上記で論じた完全モードと同様に、図7に示すように、差分レポートの長期品質メトリックを使用して、差分モードでのスイッチング・スロットの数を判断することができる。図7に、図1の基地局で使用されるスイッチング・スロット閾値に対する、差分モードでの長期CQIフレーム品質メトリックの強度の例示的な図を示す。参照番号124によって参照され得る長期CQI品質差分レポート・スイッチングの図は、無線装置18から基地局12によって受信される信号のSNRに対する、差分レポートの長期CQIフレーム品質メトリックCQI_LTQ_DiffSwitchを示している。ダイアグラム124で、長期品質メトリックと称され得る長期CQIフレーム品質メトリックの強度は、曲線126によって表されることができ、線128および130は、スイッチング・スロット数を判断するためのそれぞれ異なるスイッチング・スロット閾値を表し得る。それぞれ異なるスイッチング・スロット閾値128および130は、無線装置18に割り当てられるスロットの数に基づいて差別化される。図6のダイアグラム114の議論と同様に、割り当てられるセル・スイッチング・スロットは、スイッチング・スロット閾値128および130を、長期CQIフレーム品質メトリック124に対して比較することによって判断され得る。完全モードとは異なり、差分長期品質メトリック126の値が閾値132より小さい場合、CQIレポーティング・モードは、CQI回復および復号のパフォーマンスを保証するために、差分モードから完全モードに切り換えられ得る。CQI装置36によるCQIメトリックの生成について、図8で以下に詳しく説明する。
【0041】
図8に、図1の基地局内の例示的なCQIコンポーネントの機能ブロック図が示されている。この実施形態では、レイク受信機28は、無線装置18のうちの1つから、ベースバンド信号BBSを受信する。CQIコンポーネントは、R−CQICH上で受信されたCQIを評価し、適切なCQIフレーム品質メトリックを計算する。次いで、判定装置34は、システム・パフォーマンスを向上させるために、構成およびパラメータを判断し、最適化する。CQICHの品質維持のため、事前に定められた閾値が、判定装置34によって使用される。
【0042】
上述したように、レイク受信機28は、無線装置18から受信される信号を復調するための様々なコンポーネントを含み得る。たとえば、レイク受信機28は、復調/CQIシンボル回復装置134およびチャネル推定装置140を含み得る。復調/CQIシンボル回復装置134は、無線装置18からベースバンド信号(BBS:baseband signal)を受信するために使用され得る。レイク受信機/CQIシンボル回復装置134は、受信された信号BBSを逆拡散し、復調し、結合するように機能し得る。
【0043】
さらに、ベースバンド信号BBSの位相シフトを評価するために、レイク受信機28内で、チャネル推定装置140も使用され得る。位相シフト除去プロセスは、信号レベルで、いくらかのバイアスを取り入れ得る。したがって、補償係数が、チャネル推定装置140内で計算され、次いで、CQIメトリック生成装置32に提供される。
【0044】
上述したように、CQIコンポーネントは、復調/CQIシンボル回復装置134から供給される復調された信号の情報を処理するための様々なコンポーネントを含むCQI回復/復号装置30を含み得る。たとえば、CQI回復/復号装置30は、CQI完全レポート・デコーダ136およびCQI差分ビット判定装置138を含む。CQI完全レポート・デコーダ136は、復調された軟シンボルを使用して、復号をさらに実施する。CQI完全レポート・デコーダ136は、復調された軟シンボルを、ルックアップ・テーブル内の16個の異なる値のうちの1つに復号し得る。復号メトリックは、軟シンボルから計算される。対応する16個の復号メトリックに対応するCQIワードの約16個の推定値を含み得る復号メトリックは、次いで、値のリストまたはテーブルを形成するためにソートされる。最大の復号メトリックに対応するCQIワードは、無線装置18から送信される復号されたワードである。最大復号メトリックは、CQIフレーム品質メトリック・アキュムレータ142に送信される。さらに、CQI完全レポート・デコーダ136は、下りリンク22のために使用されるパワー調整のために、スケジューラ(図示せず)などの他のコンポーネントに、信号FullCQIを介して完全レポートを提供し得る。
【0045】
同様に、CQI差分ビット判定装置138もまた、復調された信号を使用して、CQI差分レポートのために復調/CQIシンボル回復装置134から提供される品質情報をさらに処理することができる。差分レポートは単一のビットなので、そのビットは、復調された信号(軟シンボル)に対して硬判定を行うことによって取得され得る。実際に、復調された信号は、差分ビット判定メトリックとして働く。消去が差分レポートのCQI品質メトリックとして示される場合、CQI差分ビット判定装置138は、3状態判定プロセスを実施することができ、このプロセスについては、図9で以下に論じる。軟判定メトリックを生成するために、CQI差分ビット判定装置138は、CQIメトリック生成装置32に、差分判定メトリック信号Diff_Decision_Metricを供給することができ、また下りリンク22のためのリソース割当てのため、スケジューラ(図示せず)に、信号DiffCQIを介して差分レポートを提供することができる。
【0046】
CQIメトリック生成装置32は、CQI回復/復号装置30から供給される信号からメトリックを生成するための様々なコンポーネントを含み得る。たとえば、CQIメトリック生成装置32は、CQIフレーム品質メトリック・アキュムレータ142、第1の除算装置144、第2の除算装置146、長期フィルタ装置148およびチャネル推定加算装置150を含み得る。CQIフレーム品質メトリック・アキュムレータ142は、CQI完全レポート・デコーダ136からの復号メトリック信号Max_Decode、およびCQI差分ビット判定装置138からの差分判定メトリック信号Diff_Decision_Metricを累積し得る。次いで、信号は、第1除算装置144および第2除算装置146に供給され得る。
【0047】
第1除算装置144および第2除算装置146は、CQIフレーム品質メトリック・アキュムレータ142および加算装置150から信号を受信し得る。加算装置150からの信号は、チャネル推定スケーリング係数であり、CQIフレーム品質メトリック・アキュムレータ142は、差分または完全モードに特有であり得る。たとえば、第1除算装置144は完全モードについてのCQIフレーム品質メトリックに関する信号を受信することができ、第2除算装置146は、差分モードについてのCQIフレーム品質メトリックに関する信号を受信することができる。ソースに関係なく、第1除算装置144および第2除算装置146は、各装置からもたらされる信号を、長期フィルタ148および判定装置34に供給する。具体的には、第1除算装置144は信号CQI_Quality_Fullを判定装置34に提供し、第2除算装置146は、信号CQI_Quality_Diffを判定装置34に提供する。
【0048】
長期フィルタ装置148では、第1除算装置144および第2除算装置146からの信号を処理して、特定の時間間隔からのCQI情報を含む信号を生成することができる。第1除算装置144から、完全モードについての長期メトリックに関連する信号CQI_Quality_Full_LTが生成される。同様に、第2除算装置146から、差分モードについての長期メトリックに関連する信号CQI_Quality_Diff_LTが生成される。長期品質メトリックは、1つまたは複数のデータ・フレームを含み得るフレーム・ベースのCQIフレーム品質メトリックに長期フィルタをかけることによって得られる。次いで、信号は、長期フィルタ装置148から判定装置34に供給される。
【0049】
判定装置34は、CQIフレーム品質メトリックを含む信号を受信し、閾値149に対してCQIフレーム品質メトリックを分析し得る。閾値149は、閾値信号Threshによって表される所定の値であり得る。閾値149は、メモリ内に格納されており、また無線装置18と基地局12の間の通信のためのベースラインとして使用される所定の、または調整可能な設定を含み得る。たとえば、閾値149には、スイッチング・スロット閾値、フレーム品質閾値、反復閾値、長期品質閾値およびCQI消去閾値が含まれ得る。
【0050】
上記で論じたように、判定装置34は、CQIフレーム品質メトリックおよび閾値149に基づいて、無線装置18にフィードバック信号を供給し、かつ/またはシステム構成151を更新し得る。システム構成151は、たとえば完全/差分モード表示、反復係数、スイッチング・スロット数および/またはスイッチング・フレーム数、R−OLPC設定、かつ/またはスケジューリング状態など、CQICHのための設定または構成を含み得る。システム構成151は、基地局12のメモリ内に格納され得る。システム構成を含むこうした信号は、判定信号(DS:decision signal)と称され得る。したがって、判定装置34は、R−CQICHのCQIに関連する様々なメトリックに基づいて、システム構成が変更されるべきか判断し得る。
【0051】
CQIフレーム品質メトリックの計算は、CQI回復/復号装置30およびCQIメトリック生成装置32によって生成され得る。CQI回復/復号装置30では、システムのパフォーマンス向上のために、差分および完全モードにおける消去に関連するCQIフレーム品質メトリックの計算が使用され得る。たとえば、消去は、一般に完全レポートについて生成されるが、差分レポートについても、CQI回復/復号装置30内でCQI差分ビットに対する3状態判定を実施することによって生成され得る。PGGiでのCQI差分ビット3状態判定メトリックは、以下の数式によって与えられる。
Diff_ThreeState_Metrici=Diff_Hard_Decision_Metrici/Chest_Factori
【0052】
PGGiでの差分ビット硬判定メトリックは、以下の通りである。
R−FHCがオンの場合は、
【数1】
R−FHCがオフの場合は、
【数2】
こうした数式では、パワー制御グループ(PCG)は、下りチャネル22および/または上りチャネル24上で1.25ms間隔であり得る時間間隔である。さらに、(複素形の)rは、レイク受信機/CQIシンボル回復装置134内で受信信号を合成する前の受信信号であり、jは1PCGの間に反復される、差分ビットのシンボル数であり、kは、合成されるフィンガー(finger)の数である。以下のシンボル、
【数3】
は、フィンガーkおよびシンボルjにおけるチャネル推定の複素共役である。Chest_Factorは、チャネル推定に基づく、PGGiでのスケーリング係数である。チェスト係数(chest factor)は、以下の数式によって表される。
【数4】
こうした数式および差分ビット3状態判定メトリックに基づいて、図9に示すように、3つの異なる状態が、CQI差分ビット判定装置138によって判断され得る。
【0053】
図9は、図9の例示的なCQI装置内の関連するCQI消去閾値156および158と共に使用される差分ビット3状態判定メトリックDiff_ThreeState_Metricの例示的なチャートである。線154によって表される差分ビット3状態判定メトリック(Diff_ThreeState_Metric)は、CQIアップ状態CQI_UP、CQIダウン状態CQI_Down、またはCQIホールド状態CQI_Holdなど、3つの状態に分割され得る。状態は、CQI消去閾値156および158に関連して、差分ビット3状態判定メトリック154の値に基づいて分割される。差分ビット3状態判定メトリック154を3つの状態に分割することによって、差分モードについての消去が判断され得る。したがって、上記で論じたように、フレーム全体に渡る消去の数が判断され得る。
【0054】
3状態を提供するために、所定の値155の反対側にある2つのCQI消去閾値156および158は、線154を横断し得る。所定の値155は、「0」であっても、別の適切なベース値でもよい。CQIアップ閾値156は、CQIホールド状態CQI_HoldからCQIアップ状態CQI_Upを分割するために使用され得る。CQIアップ状態CQI_UpはCQI品質が向上していることを示すことができ、CQIホールド状態CQI_Holdは、消去が生じたことを示し得る。同様に、CQIダウン消去閾値158は、CQIダウン状態CQI_DownからCQIホールド状態CQI_Holdを分割するために使用され得る。
【0055】
一例として、差分ビット3状態判定メトリック154は、所与のPGGiにおける判定の3つの基本のタイプのうちの1つであり得る。たとえば、差分ビット3状態判定メトリック154がCQIダウン消去閾値158より小さい場合は、差分ビット3状態は、CQIダウン状態CQI_Downに判定される。すなわち、無線装置18からのCQIビットは、現在のCQI値が減少していることを示す「0」と解釈され得る。さらに、差分ビット3状態判定メトリック154がCQIアップ閾値156より大きい場合は、差分ビット3状態は、CQIアップ状態CQI_Upに判定される。結果として、無線装置18からのCQIビットは、現在のCQI値が増加していることを示す「1」と解釈され得る。最後に、差分ビット3状態判定メトリック154がCQIアップ消去閾値156以下であり、またCQIダウン消去閾値158以上である場合は、受信されたCQI信号の品質が良好でないことが示されている。したがって、差分ビット3状態は、CQIホールド状態CQI_Holdに判定される。判定メトリックがこの領域であり、また2状態判定が行われる場合には、エラーを引き起こす可能性が高くなる。その結果、無線装置18からのCQIビットは解釈されることができず、消去が宣言され得る。
【0056】
有益には、消去を宣言することによって、送信されるCQIビットは廃棄されることができ、信頼できない情報は、使用され得ない。消去は、上りリンク24のチャネル状態が適切なレベルで機能していないことを示す。さらに、消去は、差分モードでのフレーム品質メトリックとして使用されるために、あるフレームについての差分レポートのために生成され得る。3状態判定法の目的のうちの1つは、CQI信号品質およびチャネル状態を示すことである。それは消去を作成するためだけに使用されることができ、CQI差分ビットは、2状態判定によって依然として判断される。
【0057】
別のCQIフレーム品質メトリックは、CQIフレーム品質軟判定メトリックとすることができる。上記で論じたように、消去は、完全または差分復号/判定メトリックにおいて硬判定を行うことによって生成される。硬判定は、ある程度の情報の損失をもたらす。情報損失を回避するために、フレーム・ベースの品質メトリックは、1フレームまたは複数フレーム単位の消去数よりも正確な、信号品質に関する測定を提供し得る。したがって、CQIフレーム品質軟判定メトリックは、CQI値の信頼性に関する、より正確な情報を提供することによって、システムを向上させ得る。
【0058】
CQIフレーム品質軟判定メトリックは、上記で論じたように、CQIメトリック生成装置32によって生成される。CQIフレーム品質軟判定メトリックは、あるフレームついてのPCGベース消去メトリックを累積することによって生成される。完全モードでは、CQIフレーム品質軟判定メトリックは、スイッチング期間および非スイッチング期間について、それぞれ異なるやり方で計算され得る。通常の操作モードであり、またセル・スイッチが関与しない非スイッチング期間の間は、CQIフレーム品質軟判定メトリックは、以下の数式によって表される。
【数5】
ただし、iはPCG指数であり、jは、PCG指数iをCQI反復係数CQI−repetition−factorで割った値にほぼ等しい。チャネル推定係数Chest_Factorは、消去メトリックの生成に関して上記で定義されている。さらに、DecodeMetricは、M個の異なるメトリックを含み得るCQI完全レポート復号メトリックである。CQI完全レポート復号メトリックDecodeMetricは、PCGのCQI反復係数CQI−repetition−factorに渡って累積される。またCQI_frmは、累積がCQIオフセット・フレームについてのものであることを示す。スイッチング期間の間は、CQIフレーム品質軟判定メトリックは、スイッチング表示なしのフレーム内の領域に渡って累積され得る。この期間の間のCQIフレーム品質軟判定メトリックは、以下の数式によって表される。
【数6】
この数式では、CQI_regAは、CPIレポートを運ぶCQIフレーム内の継続時間すなわち「領域A」である。領域Aでは、CQIセル・スイッチ表示は生じない。したがって、この数式によって、CQIメトリック生成装置32から判定装置34に供給される信号のうちの1つがもたらされる。
【0059】
同様に、差分モードでは、初期完全レポートについてのCQIフレーム品質軟判定メトリックは、以下の数式によって表される。
【数7】
この数式では、Rept_FctはCQI反復係数であり、DecodeMetricは、PCGのCQI反復係数Rept_Fctに渡って累積される。この数式によって、CQIメトリック生成装置32から判定装置34に供給される信号のうちの別の信号がもたらされる。この計算は、セル・スイッチによる影響を受けない。
【0060】
差分モードの差分レポートについてのCQIフレーム品質メトリックは、スイッチング期間に計算されることも、非スイッチング期間に計算されることもある。非スイッチング期間では、差分モードの差分レポートについてのCQIフレーム品質メトリックは、以下の数式によって表される。
【数8】
スイッチング期間中、有効なCQIレポートは、領域Aで発生する。フレーム品質メトリックは、領域Aからだけ取得され得る。
【数9】
したがって、これらの数式によって、CQIメトリック生成装置32から判定装置34に供給される信号のうちの別の信号がもたらされる。
【0061】
さらに、提供されるCQIフレーム品質メトリックを向上させるために、他のいくつかの考慮事項が使用される。たとえば、差分レポートについてのCQIフレーム品質メトリックの累積は、完全レポート、および品質メトリックに関する反復係数の効果を回避するために、差分モードにおいて、PCG4(i=4)から開始し得る。またチャネル推定スケーリング係数の累積の長さは、PCGベースの復号/判定メトリックの累積の長さと同じであり得る。
【0062】
レイク受信機28、CQI回復/復号装置30、CQIメトリック生成装置32および判定装置34は、本明細書で述べる技術を使用して設計され得るハードウェア装置またはルーチンの一例にすぎないことを理解されたい。たとえば、こうしたコンポーネントは、ルーチンやコードなどのソフトウェア・プログラム、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA:field programmable gate array)、デジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processor)、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)などのファームウェアまたはハードウェア、および/あるいはこうしたハードウェア・コンポーネントの組合せとして実装され得る。実際に、本発明は、様々な修正および代替の形が可能であり得るが、特定の実施形態について、図面内の例によって示され、また本明細書で詳細に述べられている。しかし、本発明は、開示した特定の形に限定されるものではないことを理解されたい。そうではなく、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神および範囲内に含まれるすべての変形物、等価物および代替物を網羅するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
復号プロセスで、受信されたチャネル品質表示CQIの品質に関連する品質軟判定メトリックを生成する工程であって、前記品質軟判定メトリックは、あるフレームについて累積された消去メトリックを用いて生成される工程と、
前記品質軟判定メトリックのうちの1つを閾値品質設定と比較する工程と、
前記比較に基づいて、モード設定、上りリンク外ループ・パワー制御設定または反復係数のうちの少なくとも1つを動的に調整するかどうか判断する工程とを備える方法。
【請求項2】
前記モード設定が完全モードまたは差分モード設定を備える請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記判断が前記モード設定、前記上りリンク外ループ・パワー制御設定または前記反復係数のうちの少なくとも1つを動的に調整することである場合に、無線装置に調整を送信する工程を備える請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記品質メトリック生成工程が、2つ以上のフレームの期間に渡って複数の品質メトリックを累積することによって、長期メトリックを生成する工程を備える請求項1に記載の方法。
【請求項1】
復号プロセスで、受信されたチャネル品質表示CQIの品質に関連する品質軟判定メトリックを生成する工程であって、前記品質軟判定メトリックは、あるフレームについて累積された消去メトリックを用いて生成される工程と、
前記品質軟判定メトリックのうちの1つを閾値品質設定と比較する工程と、
前記比較に基づいて、モード設定、上りリンク外ループ・パワー制御設定または反復係数のうちの少なくとも1つを動的に調整するかどうか判断する工程とを備える方法。
【請求項2】
前記モード設定が完全モードまたは差分モード設定を備える請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記判断が前記モード設定、前記上りリンク外ループ・パワー制御設定または前記反復係数のうちの少なくとも1つを動的に調整することである場合に、無線装置に調整を送信する工程を備える請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記品質メトリック生成工程が、2つ以上のフレームの期間に渡って複数の品質メトリックを累積することによって、長期メトリックを生成する工程を備える請求項1に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−249299(P2012−249299A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−142579(P2012−142579)
【出願日】平成24年6月26日(2012.6.26)
【分割の表示】特願2005−283223(P2005−283223)の分割
【原出願日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(596092698)アルカテル−ルーセント ユーエスエー インコーポレーテッド (965)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年6月26日(2012.6.26)
【分割の表示】特願2005−283223(P2005−283223)の分割
【原出願日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(596092698)アルカテル−ルーセント ユーエスエー インコーポレーテッド (965)
【Fターム(参考)】
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