説明

セルロース溶液の製造方法

【課題】使用後の回収イオン液体の再使用に際し、低エネルギー化を図りつつパルプの溶解性を向上することで、イオン液体の回収効率を高めて生産効率を向上することができるセルロース溶液の製造方法を提供する。
【解決手段】パルプをイオン液体に溶解させてセルロース溶液を製造する方法である。イオン液体として、含水率が20〜50質量%であるものを用いるとともに、パルプのイオン液体への溶解を、溶解時の温度における、パルプとイオン液体との混合物中の水の蒸気圧未満の圧力下で、かつ、70℃以上の加温下で行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はセルロース溶液の製造方法(以下、単に「製造方法」とも称する)に関し、詳しくは、使用済みの回収イオン液体を用いたセルロース溶液の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
セルロースは地球上、最も豊富なバイオマス資源であり、繊維や紙等に広く用いられている。また、セルロース繊維は、室温において高弾性で、かつ、ゴムとの接着性が高いことから、タイヤ用の補強コードを始めとして、ベルトコンベヤ等の各種ゴム物品の補強材としても使用されている。セルロース繊維の製造方法としては、セルロースやパルプを溶媒に溶解させた後、凝固剤を通過させて延伸する方法が知られている。
【0003】
一方で、セルロースは構造中に強固な水素結合をもつため、一般的な手法では溶融も溶解もしないことから、様々な溶解方法や希薄溶液の調製方法が提案されている。セルロースの溶解方法としては、例えば、セルロースを二硫化炭素によって誘導体化して溶解する方法が挙げられる。また、銅エチレンジアミン水溶液やハロゲン化リチウムのジメチルアセトアミド溶液を用いて、セルロースを錯体化して溶解させる方法も知られている。
【0004】
しかし、二硫化炭素を用いてセルロースを誘導体化すると、セルロースの分子構造が変化したり、分子量が低下するなどの問題が生ずる。また、銅エチレンジアミン水溶液やハロゲン化リチウムのジメチルアセトアミド溶液を用いて錯体化する方法では、セルロースの種類によって最適な溶解方法が異なるために、溶解条件の選定や管理が難しく、溶解に要する時間も長い。さらに、一部のセルロースでは溶解が不可能である場合や、溶解中に分子量の低下を伴うなどの問題が生ずる場合がある。
【0005】
これに対し、例えば、特許文献1,2では、イミダゾリウム塩等のイオン液体を用いてセルロースを水和し、溶解させる手法が提案されている。イオン液体を用いたセルロースの溶解方法によれば、セルロースの溶解が容易であって、セルロース溶液の調製時間が短いので、この技術はプロセス的に優れているといえる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2009−520846号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献2】特開2009−203467号公報(特許請求の範囲等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、セルロースの原料となるパルプをイオン液体に溶解する際には、従来、イオン液体中の水の含有量を、15質量%以下程度とすることが必要とされていた。これは、イオン液体が多量の水を含んでいると、この水とイオン液体とが競合するために、パルプがイオン液体に溶解しにくくなるためである。特に、セルロースをタイヤ用補強コードとして用いる場合には、タイヤ用補強コードとして必要な強度を得る観点から、高濃度のセルロース溶液とすることが求められるが、溶解性が悪いと、イオン液体中に添加するパルプ濃度をあまり高くすることができず、高濃度のセルロース溶液が得られない。一方で、セルロース溶液中に未溶解パルプが残留すると、この未溶解パルプが、得られるセルロース繊維、さらにはコードにおいて破壊核となるため、未溶解分の発生なしで、高濃度のセルロース溶液を得るための技術の確立が望まれる。
【0008】
また、セルロース溶液の生産効率を向上する観点からは、一度使用したイオン液体を回収して、繰り返し使用することが好ましい。しかし、一度セルロース溶液の製造に用いたイオン液体中には多量の水が含まれているので、回収したイオン液体を再度使用する場合には、回収したイオン液体中に含まれている水分を十分に蒸発させる必要があり、相当なエネルギーが必要となる。そのため、回収したイオン液体を再利用することは、実際上行われていなかった。
【0009】
そこで本発明の目的は、上記問題を解消して、使用後の回収イオン液体の再使用に際し、低エネルギー化を図りつつパルプの溶解性を向上することで、イオン液体の回収効率を高めて生産効率を向上することができるセルロース溶液の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは鋭意検討した結果、回収イオン液体のように含水率が所定範囲であるイオン液体を用いた場合であっても、溶解時における条件を所定に規定することで、パルプの溶解性を向上することが可能となることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明のセルロース溶液の製造方法は、パルプをイオン液体に溶解させてセルロース溶液を製造する方法において、前記イオン液体として、含水率が20〜50質量%であるものを用いるとともに、前記パルプの該イオン液体への溶解を、該溶解時の温度における、該パルプとイオン液体との混合物中の水の蒸気圧未満の圧力下で、かつ、70℃以上の加温下で行うことを特徴とするものである。
【0012】
本発明においては、前記イオン液体として、リグニンおよびヘミセルロースのうちの一方または双方を含有するものを用いることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、上記構成としたことにより、使用後の回収イオン液体の再使用に際し、低エネルギー化を図りつつパルプの溶解性を向上することで、イオン液体の回収効率を高めて生産効率を向上することができるセルロース溶液の製造方法を実現することが可能となった。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
本発明は、パルプをイオン液体に溶解させてセルロース溶液を製造する方法の改良に係るものである。本発明のセルロース溶液の製造方法においては、イオン液体として、含水率が20〜50質量%、特には25〜40質量%であるものを用いるとともに、パルプのイオン液体への溶解を、溶解時の温度における、パルプとイオン液体との混合物中の水の蒸気圧未満の圧力下で、かつ、70℃以上の加温下で行う点が重要である。
【0015】
上記条件を満足する圧力下で、かつ、所定温度以上の加温下で溶解を行うことで、パルプとイオン液体との混合物中に含まれる水が溶解時に蒸発しやすくなり、イオン液体が実質的に濃縮されるので、パルプの溶解性を向上することができる。すなわち、混合物中でパルプがイオン液体と馴染んだ後に、混合物中に含まれる水を蒸発させながら溶解を行うことで、イオン液体と競合する水の含有量を低減できるので、パルプがイオン液体に溶解しやすくなる。よって、本発明によれば、一定量以上の水分を含有する回収イオン液体を用いた場合でも、パルプを十分に溶解することができ、未溶解分の発生を抑制しつつ、高濃度のセルロース溶液を得ることが可能となる。これにより、イオン液体の回収効率を向上させて、低エネルギー化と生産効率向上を図ることができるものである。
【0016】
ここで、上記条件を満足する圧力とするには、溶解を減圧しながら行うか、または、溶解時の温度を高くすればよく、好適には、高温かつ真空に近い圧力下で、溶解を行う。上記条件未満の圧力であると、水が蒸発しないので、溶解性の向上効果が得られない。また、パルプのイオン液体への溶解時の温度は、70℃以上とすることが必要であり、好適には75〜110℃、より好適には80〜105℃の範囲である。溶解時の温度が70℃未満であると、溶解性が低下して、未溶解成分が増大し、十分に高濃度であって、かつ、未溶解成分の少ないセルロース溶液が得られない。
【0017】
本発明の製造方法においては、パルプのイオン液体への溶解を、含水率が20〜50質量%であるイオン液体を用いて、上記所定の圧力条件下で、70℃以上の加温下において行うものであればよく、これにより、本発明の所期の効果を得ることができ、それ以外の諸条件については、所望に応じ適宜設定することができ、特に制限されるものではない。
【0018】
本発明の製造方法においては、具体的には、まず、使用後に回収されたイオン液体(例えば、イオン液体の濃度が0.4質量%)から水を除去して、イオン液体を濃縮し、その含水率を20〜50質量%の範囲に調整する。使用済みイオン液体の回収方法については特に制限はなく、公知の手法を適宜用いることができるが、中でも、蒸留や、噴霧濃縮装置で得られたイオン液体を、好適に用いることができる。また、原料パルプについては、適宜乾燥させて、所望に応じ、繊維をほぐして、所定の大きさに揃えて溶解性を高めるために、ふるい分けを行う。その後、適宜余分な水を絞ったパルプにイオン液体を添加して、イオン液体にパルプを膨潤させ、攪拌して、上記所定の圧力下、かつ、70℃以上の加温下で、さらに攪拌しながら3〜5時間程度載置することで、パルプをイオン液体に溶解させることができる。
【0019】
本発明において、パルプとしては、セルロースの含有率を問わず、木材を始めとして藁、草、竹等の原料から得られたいかなる種類のものも使用することができる。
【0020】
また、本発明においては、使用するイオン液体についても特に制限はなく、公知のもののうちから適宜選択して用いることができるが、本発明に使用するイオン液体は主として使用後に回収されたものであるので、不純物を含み、特には、リグニンおよびヘミセルロースのうちの一方または双方を含有する。本発明においては、不純物を含む使用済みイオン液体であっても、全て回収して使用することが可能であるので、極めて生産効率に優れるものである。
【0021】
イオン液体は、具体的には、下記式(I)または(II)で表すことができる。
[A][Y]n− (I)
(式(I)中、nは1、2、3または4を表し、[A]は、第四級アンモニウムカチオン、オキソニウムカチオン、スルホニウムカチオンまたはホスホニウムカチオンを表し、[Y]n−は1〜4価のアニオンを表す)
[A[A[Y]n− (II−a)、ここでn=2
[A[A[A[Y]n− (II−b)、ここでn=3
[A[A[A[A[Y]n− (II−c)、ここでn=4
(式中、[A〜[Aは、互いに独立して、第四級アンモニウムカチオン、オキソニウムカチオン、スルホニウムカチオンまたはホスホニウムカチオンを表し、[Y]n−は1〜4価のアニオンを表す)
【0022】
イオン液体のカチオン[A]としては、酸素、リン、硫黄、および、特に窒素原子、例えば、少なくとも1個、好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜5個、さらに好ましくは1〜3個、特に好ましくは1〜2個の窒素原子を含有する化合物を用いることができる。これらは、酸素、硫黄またはリン原子のようなさらなるヘテロ原子を有していてもよい。窒素原子は、イオン液体のカチオンの陽電荷の良好な担体であり、これから、電気的に中性な分子を形成するために、プロトンまたはアルキル基を平衡状態にあるアニオンへ移動することができる。
【0023】
窒素原子がイオン液体のカチオンの陽電荷の担体である場合、イオン液体の合成において、まず、カチオンを、アミンまたは窒素含有複素環式化合物の窒素原子を四級化することにより合成することができる。アミンまたは窒素含有複素乾式化合物の四級化は、窒素原子のアルキル化により行うことができ、使用するアルキル化試薬に応じて、異なるアニオンとの塩を合成することができる。四級化の際に所望のアニオンが予め形成されている可能性がない場合、これは、さらなる合成工程で合成することができる。例えば、ハロゲン化アンモニウムを出発物質とし、ハロゲン化物をルイス酸と反応させることで、錯体アニオンが形成される。その他の方法としては、ハロゲン化物イオンを所望のアニオンと交換することもできる。これは、イオン交換体を介した、形成された金属ハロゲン化物の凝固を有する金属塩の添加、または強酸によるハロゲン化物イオンの置き換えによって実施することができる(ハロゲン化水素酸が遊離される)。
【0024】
アミンまたは窒素含有複素環式化合物における窒素原子を四級化することができるアルキル基は、例えば、C〜C18アルキル、好ましくはC〜C10アルキル、特に好ましくはC〜Cアルキル、とりわけ好ましくはメチルである。アルキル基は、非置換であってもよく、または、1つ以上の同一または異なる置換基を含有してもよい。
【0025】
本発明においては、少なくとも1つの窒素原子と、場合により酸素または硫黄原子を含有する、少なくとも1つの5員〜6員複素環式基、特に、5員複素環式基を含有するものを用いることができる。その他の好適な化合物としては、1、2または3個の窒素原および硫黄または酸素原子、より好ましくは2個の窒素原子を含有する、少なくとも1つの5員〜6員複素環式基を含有するものが挙げられる。本発明においては、芳香族複素環式化合物がより好ましい。
【0026】
本発明においては、上記化合物は、好ましくは1000g/mol未満、より好ましくは500g/mol未満、さらに好ましくは300g/mol未満の分子量を有するものである。
【0027】
本発明におけるカチオンとしては、具体的には、下記式(III−a)〜(III−w)に示す構造を有する化合物およびこれら構造を有するオリゴマーを好適に用いることができる。











【0028】
また、本発明においては、他のカチオンとして、下記の構造を有する化合物およびこれらの構造を有するオリゴマーを用いてもよい。

【0029】
ここで、上記構造式中のRは、水素原子、非置換か、中断されているか、または、1〜5個のヘテロ原子もしくは官能基により置換されている炭素原子数1〜20の、有機、飽和または不飽和、非環状または環状、脂肪族、芳香族または芳香性脂肪族基を表す。
【0030】
また、上記構造式中のR〜Rは、互いに独立して、水素原子、スルホ基、非置換か、中断されているか、または、1〜5個のヘテロ原子もしくは官能基により置換されている炭素原子1〜20の、有機、飽和または不飽和、非環状または環状、脂肪族、芳香族または芳香性脂肪族基を表す。
【0031】
さらに、上記構造式中の炭素原子、すなわち、ヘテロ原子以外に結合しているR〜Rは、ハロゲン原子または官能基であってもよい。ここで、ヘテロ原子とは、−CH−、−CH=、−C≡または=C=基を交換することができる全てのヘテロ原子を意味する。ヘテロ原子としては、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素が好ましい。特には、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−NR’−、−N=、−PR’−、−PR’−およびSiR’−であり、R’は炭素含有基の残りの部分である。なお、上記式(III)において炭素原子に結合している(ヘテロ原子には結合していない)場合、R〜Rは、ヘテロ原子を介して結合してもよい。
【0032】
上記官能基としては、例えば、−OH(ヒドロキシル)、=O(特にカルボニル基として)、−NH(アミノ)、−NHR、−NR、=NH(イミノ)、−COOH(カルボキシル)、−CONH(カルボキサミド)、−SOH(スルホ)およびCN(シアノ)を挙げることができ、好ましくは、−OH(ヒドロキシル)、=O(特にカルボニル基として)、−NH(アミノ)、=NH(イミノ)、−COOH(カルボキシル)、−CONH(カルボキサミド)、−SOH(スルホ)およびCN(シアノ)である。また、官能基は、例えば、−O−(エーテル)、−S−(チオエーテル)のようなヘテロ原子を介して結合していてもよく、さらに、−COO−(エステル)、−CONH−(第二級アミド)またはCONR’−(第三級アミド)のような原子団を介して結合していてもよい。例えば、ジ−(C〜Cアルキル)アミノ、C〜CアルコキシカルボニルまたはC〜Cアルコキシを挙げることができる。
【0033】
本発明において、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素が挙げられる。
【0034】
上記Rは、具体的には、例えば、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチル−1−プロピル、2−メチル−2−プロピル、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−2−ブチル、3−メチル−2−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、2−メチル−1−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2−メチル−3−ペンチル、3−メチル−3−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−2−ブチル、3,3−ジメチル−2−ブチル、1−ヘプチル、1−オクチル、1−ノニル、1−デシル、1−ウンデシル、1−ドデシル、1−テトラデシル、1−ヘキサデシル、1−オクタデシル、2−ヒドロキシエチル、ベンジル、3−フェニルプロピル、2−シアノエチル、2−(メトキシカルボニル)エチル、2−(エトキシカルボニル)エチル、2−(n−ブトキシカルボニル)エチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ヘプタフルオロイソプロピル、ノナフルオロブチル、ノナフルオロイソブチル、ウンデシルフルオロペンチル、ウンデシルフルオロイソペンチル、6−ヒドロキシヘキシルおよびプロピルスルホン酸や、ヒドロキシル、ハロゲン、フェニル、シアノ、C〜Cのアルコキシカルボニルおよび/またはSOHで1または2以上置換されていて炭素数1〜20の非分岐鎖または分岐鎖C〜C18のアルキルや、例えば、RO−(CHR−CH−O)−CHR−CH−またはRO−(CHCHCHCHO)−CHCHCHCHO−(ここで、RおよびRは、好ましくは水素、メチルまたはエチルであり、mは、好ましくは0〜3である)、特に3−オキサブチル、3−オキサペンチル、3,6−ジオキサヘプチル、3,6−ジオキサオクチル、3,6,9−トリオキサデシル、3,6,9−トリオキサウンデシル、3,6,9,12−テトラオキサトリデシルおよび3,6,9,12−テトラオキサテトラデシルのような、1〜100単位および水素または末端基としてC〜Cアルキルを有するグリコール、ブチレングリコールおよびそのオリゴマーでもよく、また、ビニル、アリル、例えば、N,N−ジメチルアミノおよびN,N−ジエチルアミノのような、N,N−ジ−C〜Cアルキルアミノでもよい。
【0035】
本発明において、R〜Rは、互いに独立して、水素、ハロゲン、官能基であることが好ましいが、(i)C〜C18アルキルや、これらが官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルコキシ、ハロゲン、ヘテロ原子および/若しくは複素環式基で置換されている、並びに/または1以上の酸素および/若しくは硫黄原子、および/若しくは1以上の置換若しくは非置換イミノ基で中断されているものでもよい。また、(ii)C〜C18アルケニルや、これらが官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルコキシ、ハロゲン、ヘテロ原子および/若しくは複素環式基で置換されている、並びに/または1以上の酸素および/若しくは硫黄原子、および/若しくは1以上の置換若しくは非置換イミノ基で中断されているものでもよく、(iii)C〜C12アリールや、これらが官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルコキシ、ハロゲン、ヘテロ原子および/または複素環式基で置換されているものでもよく、(iv)C〜C12シクロアルキルや、これらが官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルコキシ、ハロゲン、ヘテロ原子および/または複素環式基で置換されているものでもよく、(v)C〜C12シクロアルケニルや、これらが官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルコキシ、ハロゲン、ヘテロ原子および/または複素環式基で置換されているものでもよく、(vi)酸素、窒素および/または硫黄原子を含有し、場合により、官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルコキシ、ハロゲン、ヘテロ原子および/または複素環式基で置換されている、5員〜6員複素環式基でもよい。(vii)2つの隣接する基は、共に、官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルコキシ、ハロゲン、ヘテロ原子および/または複素環式基で置換されていることが好ましく、場合により、1以上の酸素および/若しくは硫黄原子、および/または1以上の置換若しくは非置換イミノ基で中断されている、不飽和、飽和または芳香族環であってもよい。
【0036】
上記(i)としては、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチル−1−プロピル(イソブチル)、2−メチル−2−プロピル(tert−ブチル)、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−2−ブチル、3−メチル−2−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、2−メチル−1−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2−メチル−3−ペンチル、3−メチル−3−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−2−ブチル、3,3−ジメチル−2−ブチル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、2,4,4−トリメチルペンチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、1−ノニル、1−デシル、1−ウンデシル、1−ドデシル、1−トリデシル、1−テトラデシル、1−ペンタデシル、1−ヘキサデシル、1−ヘプタデシル、1−オクタデシル、シクロペンチルメチル、2−シクロペンチルエチル、3−シクロペンチルプロピル、シクロヘキシルメチル、2−シクロヘキシルエチル、3−シクロヘキシルプロピル、ベンジル(フェニルメチル)、ジフェニルメチル(ベンズヒドリル)、トリフェニルメチル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、α,α−ジメチルベンジル、p−トリルメチル、1−(p−ブチルフェニル)エチル、p−クロロベンジル、2,4−ジクロロベンジル、p−メトキシベンジル、m−エトキシベンジル、2−シアノエチル、2−シアノプロピル、2−メトキシカルボニルエチル、2−エトキシカルボニルエチル、2−ブトキシカルボニルプロピル、1,2−ジ−(メトキシカルボニル)−エチル、メトキシ、エトキシ、ホルミル、1,3−ジオキソラン−2−イル、1,3−ジオキソラン−2−イル、2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、6−ヒドロキシヘキシル、2−アミノエチル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、4−アミノブチル、6−アミノヘキシル、2−メチルアミノエチル、2−メチルアミノプロピル、3−メチルアミノプロピル、4−メチルアミノブチル、6−メチルアミノヘキシル、2−ジメチルアミノエチル、2−ジメチルアミノプロピル、3−ジメチルアミノプロピル、4−ジメチルアミノブチル、6−ジメチルアミノヘキシル、2−ヒドロキシ−2,2−ジメチルエチル、2−フェノキシエチル、2−フェノキシプロピル、3−フェノキシプロピル、4−フェノキシブチル、6−フェノキシヘキシル、2−メトキシエチル、2−メトキシプロピル、3−メトキシプロピル、4−メトキシブチル、6−メトキシヘキシル、2−エトキシエチル、2−エトキシプロピル、3−エトキシプロピル、4−エトキシブチル、6−エトキシヘキシル、アセチル、mが1〜30であり、0≦a≦mであり、そしてb=0または1である、C2(m−a)+(1−b)2a+b(例えば、CF、C、CHCH−C(m−2)2(m−2)+1、C13、C17、C1021、C1225)、クロロメチル、2−クロロエチル、トリクロロメチル、1,1−ジメチル−2−クロロエチル、メトキシメチル、2−ブトキシエチル、ジエトキシメチル、ジエトキシエチル、2−イソプロポキシエチル、2−ブトキシプロピル、2−オクチルオキシエチル、2−メトキシイソプロピル、2−(メトキシカルボニル)−エチル、2−(エトキシカルボニル)−エチル、2−(n−ブトキシカルボニル)−エチル、ブチルチオメチル、2−ドデシルチオエチル、2−フェニルチオエチル、5−ヒドロキシ−3−オキサ−ペンチル、8−ヒドロキシ−3,6−ジオキサ−オクチル、11−ヒドロキシ−3,6,9−トオリオキサ−ウンデシル、7−ヒドロキシ−4−オキサ−ヘプチル、11−ヒドロキシ−4,8−ジオキサ−ウンデシル、15−ヒドロキシ−4,8,12−トリオキサ−ペンタデシル、9−ヒドロキシ−5−オキサ−ノニル、14−ヒドロキシ−5,10−ジオキサ−テトラデシル、5−メトキシ−3−オキサ−ペンチル、8−メトキシ−3,6−ジオキサ−オクチル、11−メトキシ−3,6,9−トリオキサ−ウンデシル、7−メトキシ−4−オキサ−ヘプチル、11−メトキシ−4,8−ジオキサ−ウンデシル、15−メトキシ−4,8,12−トリオキサ−ペンタデシル、9−メトキシ−5−オキサ−ノニル、14−メトキシ−5,10−ジオキサ−テトラデシル、5−エトキシ−3−オキサ−ペンチル、8−エトキシ−3,6−ジオキサ−オクチル、11−エトキシ−3,6,9−トリオキサ−ウンデシル、7−エトキシ−4−オキサ−ヘプチル、11−エトキシ−4,8−ジオキサ−ウンデシル、15−エトキシ−4,8,12−トリオキサ−ペンタデシル、9−エトキシ−5−オキサ−ノニルまたは14−エトキシ−5,10−オキサ−テトラデシルを挙げることができる。
【0037】
上記(ii)としては、ビニル、2−プロペニル、3−ブテニル、シス−2−ブテニル、トランス−2−ブテニルまたは、C2(m−a)−(1−b)2a−bを挙げることができる。ここで、m≦30、0≦a≦mであり、b=0または1であってもよい。
【0038】
上記(iii)としては、好ましくは、フェニル、トリル、キシリル、α−ナフチル、β−ナフチル、4−ジフェニリル、クロロフェニル、ジクロロフェニル、トリクロロフェニル、ジフルオロフェニル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、ジエチルフェニル、イソプロピルフェニル、tert−ブチルフェニル、ドデシルフェニル、メトキシフェニル、ジメトキシフェニル、エトキシフェニル、ヘキシルオキシフェニル、メチルナフチル、イソプロピルナフチル、クロロナフチル、エトキシナフチル、2,6−ジメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2,6−ジメトキシフェニル、2,6−ジクロロフェニル、4−ブロモフェニル、2−ニトロフェニル、4−ニトロフェニル、2,4−ジニトロフェニル、2,6−ジニトロフェニル、4−ジメチルアミノフェニル、4−アセチルフェニル、メトキシエチルフェニル、エトキシメチルフェニル、メチルチオフェニル、イソプロピルチオフェニル若しくはtert−ブチルチオフェニルまたはC(5−a)を挙げることができる。ここで、0≦a≦5である。
【0039】
上記(iv)としては、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、シクロドデシル、メチルシクロペンチル、ジメチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、ジメチルシクロヘキシル、ジエチルシクロヘキシル、ブチルシクロヘキシル、メトキシシクロヘキシル、ジメトキシシクロヘキシル、ジエトキシシクロヘキシル、ブチルチオシクロヘキシル、クロロシクロヘキシル、ジクロロシクロヘキシル、ジクロロシクロペンチル、m≦30であり、0≦a≦mであり、b=0または1である、C2(m−a)−(1−b)2a−bおよび、例えば、ノルボニルまたはノルボルネニルのような飽和または不飽和二環式系を挙げることができる。
【0040】
上記(v)としては、好ましくは、3−シクロペンテニル、2−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル、2,5−シクロヘサンジエニル、または、m≦30であり、0≦a≦mであり、b=0または1である、C2(m−a)−3(1−b)2a−3bを挙げることができる。
【0041】
上記(vi)としては、フリル、チオフェニル、ピリル、ピリジル、インドリル、ベンズオキサゾリル、ジオキソリル、ジオキシル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ジメチルピリジル、メチルキノリル、ジメチルピリル、メトキシフリル、ジメトキシピリジルまたはジフルオロピリジルを挙げることができる。
【0042】
上記(vii)としては、1,3−プロピレン、1,4−ブチレン、1,5−ペンチレン、2−オキサ−1,3−プロピレン、1−オキサ−1,3−プロピレン、2−オキサ−1,3−プロピレン、1−オキサ−1,3−プロペニレン、3−オキサ−1,5−ペンチレン、1−アザ−1,3−プロペニレン、1−C〜Cアルキル−1−アザ−1,3−プロペニレン、1,4−ブタ−1,3−ジエニレン、1−アザ−1,4−ブタ−1,3−ジエニレンまたは2−アザ−1,4−ブタ−1,3−ジエニレンを挙げることができる。
【0043】
上記(i)〜(vii)の置換基が、酸素、硫黄原子、置換若しくは非置換イミノ基を含有する場合、これらの数に制限はないが、これらは置換基において5個以下、好ましくは4個以下、より好ましくは3個以下である。上記置換基がヘテロ原子を含有する場合、少なくとも1個の炭素原子、好ましくは少なくとも2個の炭素原子が、2個のヘテロ原子の間に存在する。
【0044】
本発明においては、より好ましくは、R〜Rは、互いに独立して、水素、例えば、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチル−1−プロピル、2−メチル−2−プロピル、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−2−ブチル、3−メチル−2−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、2−メチル−1−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2−メチル−3−ペンチル、3−メチル−3−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−2−ブチル、3,3−ジメチル−2−ブチル、1−ヘプチル、1−オクチル、1−ノニル、1−デシル、1−ウンデシル、1−ドデシル、1−テトラデシル、1−ヘキサデシル、1−オクタデシル、2−ヒドロキシエチル、ベンジル、3−フェニルプロピル、2−シアノエチル、2−(メトキシカルボニル)−エチル、2−(エトキシカルボニル)−エチル、2−(n−ブトキシカルボニル)−エチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ヘプタフルオロイソプロピル、ノナフルオロブチル、ノナフルオロイソブチル、ウンデシルフルオロペンチル、ウンデシルフルオロイソペンチル、6−ヒドロキシヘキシル、および、プロピルスルホン酸のような置換基や、これらがヒドロキシル、ハロゲン、フェニル、シアノ、C〜Cアルコキシカルボニル、SOHで1以上置換されている置換基や、分岐鎖C〜C18アルキルや、例えば、RO−(CHR−CH−O)−CHR−CH−またはRO−(CHCHCHCHO)−CHCHCHCHO−(ここで、RおよびRは、好ましくは水素、メチルまたはエチルであり、mは、好ましくは0〜3である)、特に、3−オキサブチル、3−オキサペンチル、3,6−ジオキサヘプチル、3,6−ジオキサオクチル、3,6,9−トリオキサデシル、3,6,9−トリオキサウンデシル、3,6,9,12−テトラオキサトリデシル、および、3,6,9,12−テトラオキサテトラデシルのような、1〜100単位および水素または末端基としてC〜Cアルキルを有するグリコール、ブチレングリコールおよびそのオリゴマーや、ビニル、アリル、例えば、N,N−ジメチルアミノおよびN,N−ジエチルアミノのような、N,N−ジ−C〜Cアルキルアミノを挙げることができる。
【0045】
より好適には、R〜Rは、互いに独立して、水素か、または、例えば、メチル、エチル、1−ブチル、1−ペンチル、1−ヘキシル、1−ヘプチル若しくは1−オクチル、フェニル、2−ヒドロキシエチル、2−シアノエチル、2−(メトキシカルボニル)エチル、2−(エトキシカルボニル)エチル、2−(n−ブトキシカルボニル)エチル、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、塩素、並びにCHO−(CHCHO)−CHCH−およびCHCHO−(CHCHO)−CHCH−(ここでmは、0〜3である)のような、C〜C18アルキルである。
【0046】
本発明において、より好適に用いられるピリジニウムイオン(III−a)としては、(1)R〜Rのうちの1つが、メチル、エチルまたは塩素であり、残りのR〜Rが水素であるもの、(2)Rがジメチルアミノであり、残りのR、R、RおよびRが水素であるもの、(3)R〜Rが全て水素であるもの、(4)Rが、カルボキシルまたはカルボキサミドであり、残りのR、R、RおよびRが水素であるもの、(5)RとR、またはRとRが、1,4−ブタ−1,3−ジエニレンであり、残りのR、R、RおよびRが水素であるものが挙げられ、特に、(3)や、R〜Rのうちの1つがメチルまたはエチルであり、残りの基R〜Rが水素であるものが好適である。
【0047】
本発明において、より好適に用いられるピリジニウムイオン(III−b)としては、1−メチルピリジニウム、1−エチルピリジニウム、1−(1−ブチル)ピリジニウム、1−(1−ヘキシル)ピリジニウム、1−(1−オクチル)ピリジニウム、1−(1−ドデシル)−ピリジニウム、1−(1−テトラデシル)−ピリジニウム、1−(1−ヘキサデシル)ピリジニウム、1,2−ジメチルピリジニウム、1−エチル−2−メチルピリジニウム、1−(1−ブチル)−2−メチルピリジニウム、1−(1−ヘキシル)−2−メチルピリジニウム、1−(1−オクチル)−2−メチルピリジニウム、1−(1−ドデシル)−2−メチルピリジニウム、1−(1−テトラデシル)−2−メチルピリジニウム、1−(1−ヘキサデシル)−2−メチルピリジニウム、1−メチル−2−エチルピリジニウム、1,2−ジエチルピリジニウム、1−(1−ブチル)−2−エチルピリジニウム、1−(1−ヘキシル)−2−エチルピリジニウム、1−(1−オクチル)−2−エチルピリジニウム、1−(1−ドデシル)−2−エチルピリジニウム、1−(1−テトラデシル)−2−エチルピリジニウム、1−(1−ヘキサデシル)−2−エチルピリジニウム、1,2−ジメチル−5−エチルピリジニウム、1,5−ジエチル−2−メチルピリジニウム、1−(1−ブチル)−2−メチル−3−エチルピリジニウム、1−(1−ヘキシル)−2−メチル−3−エチルピリジニウムおよび1−(1−オクチル)−2−メチル−3−エチルピリジニウム、1−(1−ドデシル)−2−メチル−3−エチルピリジニウム、1−(1−テトラデシル)−2−メチル−3−エチルピリジニウム、並びに1−(1−ヘキサデシル)−2−メチル−3−エチルピリジニウムを挙げることができる。
【0048】
特に好適に用いられるピリダジニウムイオン(III−b)としては、R〜Rが水素であるものや、R〜Rのうちの1つが、メチルまたはエチルであり、残りの基R〜Rが水素であるものを挙げることができる。
【0049】
本発明において、より好適に用いられるピリミジニウムイオン(III−c)としては、Rが、水素、メチルまたはエチルであり、R〜Rが、互いに独立して、水素またはメチルであるものや、Rが、水素、メチルまたはエチルであり、RおよびRがメチルであり、Rが水素であるものを挙げることができる。
【0050】
本発明において、より好適に用いられるピラジニウムイオン(III−d)としては、Rが、水素、メチルまたはエチルであり、R〜Rが、互いに独立して、水素またはメチルであるものや、Rが、水素、メチルまたはエチルであり、RおよびRがメチルであり、Rが水素であるものや、R〜Rがメチルであるものや、R〜Rがメチルまたは水素であるものを挙げることができる。
【0051】
本発明において、より好適に用いられるイミダゾリウムイオン(III−e)としては、Rが、水素、メチル、エチル、1−プロピル、1−ブチル、1−ペンチル、1−ヘキシル、1−オクチル、アリル、2−ヒドロキシエチルまたは2−シアノエチルであり、R〜Rが、互いに独立して、水素、メチルまたはエチルであるものを挙げることができる。
【0052】
好適なイミダゾリウムイオン(III−e)の具体的な例としては、1−メチルイミダゾリウム、1−エチルイミダゾリウム、1−(1−ブチル)イミダゾリウム、1−(1−オクチル)イミダゾリウム、1−(1−ドデシル)イミダゾリウム、1−(1−テトラデシル)イミダゾリウム、1−(1−ヘキサデシル)イミダゾリウム、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−ブチル)−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−ブチル)−3−エチルイミダゾリウム、1−(1−ヘキシル)−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−ヘキシル)−3−エチルイミダゾリウム、1−(1−ヘキシル)−3−ブチルイミダゾリウム、1−(1−オクチル)−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−オクチル)−3−エチルイミダゾリウム、1−(1−オクチル)−3−ブチルイミダゾリウム、1−(1−ドデシル)−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−ドデシル)−3−エチルイミダゾリウム、1−(1−ドデシル)−3−ブチルイミダゾリウム、1−(1−ドデシル)−3−オクチルイミダゾリウム、1−(1−テトラデシル)−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−テトラデシル)−3−エチルイミダゾリウム、1−(1−テトラデシル)−3−ブチルイミダゾリウム、1−(1−テトラデシル)−3−オクチルイミダゾリウム、1−(1−ヘキサデシル)−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−ヘキサデシル)−3−エチルイミダゾリウム、1−(1−ヘキサデシル)−3−ブチルイミダゾリウム、1−(1−ヘキサデシル)−3−オクチルイミダゾリウム、1,2−ジメチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−(1−ブチル)−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−(1−ヘキシル)−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−(1−オクチル)−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1,4−ジメチルイミダゾリウム、1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、1,4−ジメチル−3−エチルイミダゾリウム、3−ブチルイミダゾリウム、1,4−ジメチル−3−オクチルイミダゾリウム、1,4,5−トリメチルイミダゾリウム、1,3,4,5−テトラメチルイミダゾリウム、1,4,5−トリメチル−3−エチルイミダゾリウム、1,4,5−トリメチル−3−ブチルイミダゾリウムおよび1,4,5−トリメチル−3−オクチルイミダゾリウムを挙げることができる。
【0053】
本発明において、より好適に用いられるピラゾリウムイオン(III−f)、(III−g)または(III−g’)としては、Rが、水素、メチルまたはエチルであり、R〜Rが、互いに独立して、水素またはメチルであるものを挙げることができる。
【0054】
本発明において、より好適に用いられるピラゾリウムイオン(III−h)としては、R〜Rが、互いに独立して、水素またはメチルであるものを挙げることができる。
【0055】
本発明において、より好適に用いられる1−ピラゾリウムイオン(III−i)としては、R〜Rが、互いに独立して、水素またはメチルであるものを挙げることができる。
【0056】
本発明において、より好適に用いられる2−ピラゾリウムイオン(III−j)または(III−j’)としては、Rが、水素、メチルまたはフェニルであり、R〜Rが、互いに独立して、水素またはメチルであるものを挙げることができる。
【0057】
本発明において、より好適に用いることができる3−ピラゾリウムイオン(III−k)または(III−k’)としては、RおよびRが、互いに独立して、水素、メチル、エチルまたはフェニルであり、R〜Rが、互いに独立して、水素またはメチルであるものを挙げることができる。
【0058】
本発明において、より好適に用いることができるイミダゾリニウムイオン(III−l)としては、RおよびRが、互いに独立して、水素、メチル、エチル、1−ブチルまたはフェニルであり、RおよびRが、互いに独立して、水素、メチルまたはエチルであり、RおよびRが、互いに独立して、水素またはメチルであるものを挙げることができる。
【0059】
本発明において、より好適に用いることができるイミダゾリニウムイオン(III−m)または(III−m’)としては、RおよびRが、互いに独立して、水素、メチルまたはエチルであり、R〜Rが、互いに独立して、水素またはメチルであるものを挙げることができる。
【0060】
本発明において、より好適に用いることができるイミダゾリニウムイオン(III−n)または(III−n’)としては、R〜Rが、互いに独立して、水素、メチルまたはエチルであり、R〜Rが、互いに独立して、水素またはメチルであるものを挙げることができる。
【0061】
本発明において、より好適に用いることができるチアゾリウムイオン(III−o)、(III−o’)およびオキサゾリウムイオン(III−p)としては、Rが、水素、メチル、エチルまたはフェニルであり、RおよびRが、互いに独立して、水素またはメチルであるものを挙げることができる。
【0062】
本発明において、より好適に用いることができる1,2,4−トリアゾリウムイオン(III−q)、(III−q’)または(III−q’’)としては、RおよびRが、互いに独立して、水素、メチル、エチルまたはフェニルであり、Rが、水素、メチルまたはフェニルであるものを挙げることができる。
【0063】
本発明において、より好適に用いることができる1,2,3−トリアゾリウムイオン(III−r)、(III−r’)または(III−r’’)としては、Rが、水素、メチルまたはエチルであり、RおよびRが、互いに独立して、水素またはメチルであるか、またはRおよびRがともに、1,4−ブタ−1,3−ジエニレンであるものを挙げることができる。
【0064】
本発明において、より好適に用いることができるピロリジニウムイオン(III−s)としては、Rが、水素、メチル、エチルまたはフェニルであり、R〜Rが、互いに独立して、水素またはメチルであるものを挙げることができる。
【0065】
本発明において、より好適に用いることができるイミダゾリジニウムイオン(III−t)としては、R〜Rが、互いに独立して、水素、メチル、エチルまたはフェニルであり、RおよびR並びにR〜Rが、互いに独立して、水素またはメチルであるものを挙げることができる。
【0066】
本発明において、より好適に用いることができるアンモニウムイオン(III−u)としては、R〜Rが、互いに独立して、C〜C18アルキルであるものや、RおよびRが、ともに、1,5−ペンチレンまたは3−オキサ−1,5−ペンチレンであり、Rが、C〜C18アルキル、2−ヒドロキシエチルまたは2−シアノエチルであるものを挙げることができる。特に好ましくは、メチル−トリ−(1−ブチル)アンモニウム、N,N−ジメチルピペリジニウムおよびN,N−ジメチルモルホリニウムである。
【0067】
Rによる四級化によって一般式(III−u)の第四級アンモニウムイオンを誘導することができる第三級アミンとしては、ジエチル−n−ブチルアミン、ジエチル−tert−ブチルアミン、ジエチル−n−ペンチルアミン、ジエチルヘキシルアミン、ジエチルオクチルアミン、ジエチル−(2−エチルヘキシル)アミン、ジ−n−プロピルブチルアミン、ジ−n−プロピル−n−ペンチルアミン、ジ−n−プロピルヘキシルアミン、ジ−n−プロピルオクチルアミン、ジ−n−プロピル−(2−エチルヘキシル)アミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジイソプロピル−n−プロピルアミン、ジイソプロピルブチルアミン、ジイソプロピルペンチルアミン、ジイソプロピルヘキシルアミン、ジイソプロピルオクチルアミン、ジイソプロピル−(2−エチルヘキシル)−アミン、ジ−n−ブチルエチルアミン、ジ−n−ブチル−n−プロピルアミン、ジ−n−ブチル−n−ペンチルアミン、ジ−n−ブチルヘキシルアミン、ジ−n−ブチルオクチルアミン、ジ−n−ブチル−(2−エチルヘキシル)−アミン、N−n−ブチルピロリジン、N−sec−ブチルピロリジン、N−tert−ブチルピロリジン、N−n−ペンチルピロリジン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジ−n−ブチルシクロヘキシルアミン、N−n−プロピルピペリジン、N−イソプロピルピペリジン、N−n−ブチルピペリジン、N−sec−ブチルピペリジン、N−tert−ブチルピペリジン、N−n−ペンチルピペリジン、N−n−ブチルモルホリン、N−sec−ブチルモルホリン、N−tert−ブチルモルホリン、N−n−ペンチルモルホリン、N−ベンジル−N−エチルアニリン、N−ベンジル−N−n−プロピルアニリン、N−ベンジル−N−イソプロピルアニリン、N−ベンジル−N−n−ブチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジ−n−ブチル−p−トルイジン、ジエチルベンジルアミン、ジ−n−プロピルベンジルアミン、ジ−n−ブチルベンジルアミン、ジエチルフェニルアミン、ジ−n−プロピルフェニルアミンおよびジ−n−ブチルフェニルアミンを挙げることができる。
【0068】
本発明において、好適な第三級アミンとしては、ジイソプロピルエチルアミン、ジエチル−tert−ブチルアミン、ジイソプロピルブチルアミン、ジ−n−ブチル−n−ペンチルアミン、N,N−ジ−n−ブチルシクロヘキシルアミン、およびペンチル異性体の第三級アミンを挙げることができ、より好適な第三級アミンとしては、ジ−n−ブチル−n−ペンチルアミン、およびペンチル異性体の第三級アミンを挙げることができる。3つの同一の置換基を有するさらに好ましい第三級アミンとしては、トリアリルアミンを挙げることができる。
【0069】
本発明において、好適に用いることができるグアニジニウムイオン(III−v)としては、R〜Rがメチルであるものを挙げることができ、より好適なグアニジニウムイオン(III−v)は、N,N,N’,N’,N’’,N’ ’−ヘキサメチルグアニジニウムである。
【0070】
本発明において、好適に用いることができるコリニウムイオン(III−w)としては、RおよびRが、互いに独立して、メチル、エチル、1−ブチルまたは1−オクチルであり、Rが、水素、メチル、エチル、アセチル、−SOOHまたはPO(OH)であるものや、Rが、メチル、エチル、1−ブチルまたは1−オクチルであり、Rが、−CH−CH−OR基であり、RおよびRが、互いに独立して、水素、メチル、エチル、アセチル、−SOOHまたはPO(OH)であるものや、Rが、−CH−CHOR基であり、Rが、−CH−CH−OR基であり、R〜Rが、互いに独立して、水素、メチル、エチル、アセチル、−SOOHまたはPO(OH)であるものを挙げることができる。
【0071】
より好ましいコリニウムイオン(III−w)としては、Rが、水素、メチル、エチル、アセチル、5−メトキシ−3−オキサ−ペンチル、8−メトキシ−3,6−ジオキサ−オクチル、11−メトキシ−3,6,9−トリオキサ−ウンデシル、7−メトキシ−4−オキサ−ヘプチル、11−メトキシ−4,8−ジオキサ−ウンデシル、15−メトキシ−4,8,12−トリオキサ−ペンタデシル、9−メトキシ−5−オキサ−ノニル、14−メトキシ−5,10−オキサ−テトラデシル、5−エトキシ−3−オキサ−ペンチル、8−エトキシ−3,6−ジオキサ−オクチル、11−エトキシ−3,6,9−トリオキサ−ウンデシル、7−エトキシ−4−オキサ−ヘプチル、11−エトキシ−4,8−ジオキサ−ウンデシル、15−エトキシ−4,8,12−トリオキサ−ペンタデシル、9−エトキシ−5−オキサ−ノニルまたは14−エトキシ−5,10−オキサ−テトラデシルを挙げることができる。
【0072】
特に好ましいコリニウムイオン(III−w)としては、トリメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム、ジメチル−ビス−2−ヒドロキシエチルアンモニウムまたはメチル−トリス−2−ヒドロキシエチルアンモニウムを挙げることができる。
【0073】
本発明において、好適に用いることができるホスホニウムイオン(III−x)としては、R〜Rが、互いに独立して、C〜C18アルキル、特にブチル、イソブチル、1−ヘキシルまたは1−オクチルであるものを挙げることができる。
【0074】
上記の複素環式カチオンのうち、ピリジニウムイオン、ピラゾリニウム、ピラゾリウムイオン、イミダゾリニウムおよびイミダゾリウムイオンが好ましく、より好ましくはアンモニウムおよびコリニウムイオンである。
【0075】
本発明において、特に好ましいイオンとしては、1−メチルピリジニウム、1−エチルピリジニウム、1−(1−ブチル)ピリジニウム、1−(1−ヘキシル)ピリジニウム、1−(1−オクチル)ピリジニウム、1−(1−ドデシル)ピリジニウム、1−(1−テトラデシル)ピリジニウム、1−(1−ヘキサデシル)ピリジニウム、1,2−ジメチルピリジニウム、1−エチル−2−メチルピリジニウム、1−(1−ブチル)−2−メチルピリジニウム、1−(1−ヘキシル)−2−メチルピリジニウム、1−(1−オクチル)−2−メチルピリジニウム、1−(1−ドデシル)−2−メチルピリジニウム、1−(1−テトラデシル)−2−メチルピリジニウム、1−(1−ヘキサデシル)−2−メチルピリジニウム、1−メチル−2−エチルピリジニウム、1,2−ジエチルピリジニウム、1−(1−ブチル)−2−エチルピリジニウム、1−(1−ヘキシル)−2−エチルピリジニウム、1−(1−オクチル)−2−エチルピリジニウム、1−(1−ドデシル)−2−エチルピリジニウム、1−(1−テトラデシル)−2−エチルピリジニウム、1−(1−ヘキサデシル)−2−エチルピリジニウム、1,2−ジメチル−5−エチルピリジニウム、1,5−ジエチル−2−メチルピリジニウム、1−(1−ブチル)−2−メチル−3−エチルピリジニウム、1−(1−ヘキシル)−2−メチル−3−エチルピリジニウム、1−(1−オクチル)−2−メチル−3−エチルピリジニウム、1−(1−ドデシル)−2−メチル−3−エチルピリジニウム、1−(1−テトラデシル)−2−メチル−3−エチルピリジニウム、1−(1−ヘキサデシル)−2−メチル−3−エチルピリジニウム、1−メチルイミダゾリウム、1−エチルイミダゾリウム、1−(1−ブチル)イミダゾリウム、1−(1−オクチル)イミダゾリウム、1−(1−ドデシル)イミダゾリウム、1−(1−テトラデシル)イミダゾリウム、1−(1−ヘキサデシル)イミダゾリウム、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−ブチル)−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−ヘキシル)−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−オクチル)−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−ドデシル)−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−テトラデシル)−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−ヘキサデシル)−3−メチルイミダゾリウム、1,2−ジメチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−(1−ブチル)−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−(1−ヘキシル)−2,3−ジメチルイミダゾリウムおよび1−(1−オクチル)−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1,4−ジメチルイミダゾリウム、1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、1,4−ジメチル−3−エチルイミダゾリウム、3−ブチルイミダゾリウム、1,4−ジメチル−3−オクチルイミダゾリウム、1,4,5−トリメチルイミダゾリウム、1,3,4,5−テトラメチルイミダゾリウム、1,4,5−トリメチル−3−エチルイミダゾリウム、1,4,5−トリメチル−3−ブチルイミダゾリウム、1,4,5−トリメチル−3−オクチルイミダゾリウム、トリメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム、ジメチル−ビス−2−ヒドロキシエチルアンモニウム、並びにメチル−トリス−2−ヒドロキシエチルアンモニウムを挙げることができる。
【0076】
次に、イオン液体のアニオンとしては、原則として、全てのアニオンを用いることができる。イオン液体のアニオン[Y]n−としては、例えば、F、Cl、Br、I、BF、PF、CFSO、(CFSO、CFCO、CClCO、CN、SCN、OCNで示されるハロゲン化物およびハロゲン含有化合物や、一般式:SO2−、HSO、SO2−、HSO、ROSO、RSOで示される硫酸塩、亜硫酸塩およびスルホン酸塩や、一般式:PO3−、HPO2−、HPO、RPO2−、HRPO、RPOで示されるリン酸塩や、一般式:RHPO、RPO、RPOで示されるホスホン酸塩およびホスフィン酸塩や、一般式:PO3−、HPO2−、HPO、RPO2−、RHPO、RPOで示される亜リン酸塩や、一般式:RPO、RHPO、RPO、RHPOで示される亜ホスホン酸塩および亜ホスフィン酸塩や、一般式:RCOOで示されるカルボン酸や、一般式:BO3−、HBO2−、HBO、RBO、RHBO、RBO2−、B(OR)(OR)(OR)(OR、B(HSO、B(RSOで示されるホウ酸塩や、一般式:RBO2−、RBOで示されるボロン酸塩や、一般式:SiO4−、HSiO3−、HSiO2−、HSiO、RSiO3−、RSiO2−、RSiO、HRSiO2−、HSiO、HRSiOで示されるケイ酸塩およびケイ酸エステルや、一般式:RSiO3−、RSiO2−、RSiO、RSiO、RSiO、RSiO2−で示されるアルキル−またはアリールシラン塩や、一般式:

で示されるカルボン酸イミド、ビス(スルホニル)イミドおよびスルホニルイミドや、一般式:

で示されるメチドを挙げることができる。
【0077】
上記構造式において、R、R、RおよびRは、互いに独立して、水素、(i)C〜C30アルキル、(ii)1以上の非隣接酸素および/若しくは硫黄原子、および/または1以上の置換若しくは非置換イミノ基で中断されているC〜C18アルキル、(iii)C〜C14アリール、(iv)C〜C12シクロアルキル、(v)または酸素、窒素および/若しくは硫黄原子を含有する5員〜6員複素環式基、を表す。ここで、これらのうちの2つはともに、場合により1以上の酸素および/若しくは硫黄原子、および/または1以上の非置換若しくは置換イミノ基で中断されている、不飽和、飽和、または芳香族環を形成することができ、(i)〜(v)は、それぞれ、官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルコキシ、ハロゲン、ヘテロ原子および/または複素環式基により置換されていてもよい。
【0078】
本発明において、(i)としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、2,4,4−トリメチルペンチル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、1,1−ジメチルプロピル、1,1−ジメチルブチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、ベンジル、1−フェニルエチル、α,α−ジメチルベンジル、ベンズヒドリル、p−トリルメチル、1−(p−ブチルフェニル)エチル、p−クロロベンジル、2,4−ジクロロベンジル、p−メトキシベンジル、m−エトキシベンジル、2−シアノエチル、2−シアノプロピル、2−メトキシカルボニルエチル、2−エトキシカルボニルエチル、2−ブトキシカルボニルプロピル、1,2−ジ−(メトキシカルボニル)エチル、2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、2−ブトキシエチル、ジエトキシメチル、ジエトキシエチル、1,3−ジオキソラン−2−イル、1,3−ジオキサン−2−イル、2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル、2−イソプロポキシエチル、2−ブトキシプロピル、2−オクチルオキシエチル、クロロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、1,1−ジメチルブチル−2−クロロエチル、2−メトキシイソプロピル、2−エトキシエチル、ブチルチオメチル、2−ドデシルチオエチル、2−フェニルチオエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、6−ヒドロキシヘキシル、2−アミノエチル、2−アミノプロピル、4−アミノブチル、6−アミノヘキシル、2−メチルアミノエチル、2−メチルアミノプロピル、3−メチルアミノプロピル、4−メチルアミノブチル、6−メチルアミノヘキシル、2−ジメチルアミノエチル、2−ジメチルアミノプロピル、3−ジメチルアミノプロピル、4−ジメチルアミノブチル、6−ジメチルアミノヘキシル、2−ヒドロキシ−2,2−ジメチルエチル、2−フェノキシエチル、2−フェノキシプロピル、3−フェノキシプロピル、4−フェノキシブチル、6−フェノキシヘキシル、2−メトキシエチル、2−メトキシプロピル、3−メトキシプロピル、4−メトキシブチル、6−メトキシヘキシル、2−エトキシエチル、2−エトキシプロピル、3−エトキシプロピル、4−エトキシブチルまたは6−エトキシヘキシル、およびこれらの官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルコキシ、ハロゲン、ヘテロ原子および/または複素環式基で置換されているものを挙げることができる。
【0079】
本発明において、(ii)としては、例えば、5−ヒドロキシ−3−オキサペンチル、8−ヒドロキシ−3,6−ジオキサオクチル、11−ヒドロキシ−3,6,9−トリオキサウンデシル、7−ヒドロキシ−4−オキサヘプチル、11−ヒドロキシ−4,8−ジオキサウンデシル、15−ヒドロキシ−4,8,12−トリオキサペンタデシル、9−ヒドロキシ−5−オキサノニル、14−ヒドロキシ−5,10−オキサテトラデシル、5−メトキシ−3−オキサペンチル、8−メトキシ−3,6−ジオキサオクチル、11−メトキシ−3,6,9−トリオキサウンデシル、7−メトキシ−4−オキサヘプチル、11−メトキシ−4,8−ジオキサウンデシル、15−メトキシ−4,8,12−トリオキサペンタデシル、9−メトキシ−5−オキサノニル、14−メトキシ−5,10−オキサテトラデシル、5−エトキシ−3−オキサペンチル、8−エトキシ−3,6−ジオキサオクチル、11−エトキシ−3,6,9−トリオキサウンデシル、7−エトキシ−4−オキサヘプチル、11−エトキシ−4,8−ジオキサウンデシル、15−エトキシ−4,8,12−トリオキサペンタデシル、9−エトキシ−5−オキサノニルまたは14−エトキシ−5,10−オキサテトラデシル、およびこれらの官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルコキシ、ハロゲン、ヘテロ原子および/または複素環式基で置換されているものを挙げることができる。
【0080】
これらのうち、2つの置換基が環を形成する場合、これらは、ともに、例えば、縮合単位として、1,3−プロピレン、1,4−ブチレン、2−オキサ−1,3−プロピレン、1−オキサ−1,3−プロピレン、2−オキサ−1,3−プロペニレン、1−アザ−1,3−プロペニレン、1−C〜Cアルキル−1−アザ−1,3−プロペニレン、1,4−ブタ−1,3−ジエニレン、1−アザ−1,4−ブタ−1,3−ジエニレンまたは2−アザ−1,4−ブタ−1,3−ジエニレンであることが好ましい。
【0081】
本発明においては、非隣接酸素および/若しくは硫黄原子、および/またはイミノ基の数は、特に制限はないが、置換基若しくは環単位の大きさにより制限される。一般に、特定の置換基において5個以下、好ましくは4個以下、またはとりわけ好ましくは3個以下である。また、一般に少なくとも1、好ましくは少なくとも2個の炭素原子が2個のヘテロ原子の間に存在することが好ましい。
【0082】
置換および非置換イミノ基は、例えば、イミノ、メチルイミノ、イソプロピルイミノ、n−ブチルイミノまたはtert−ブチルイミノを挙げることができる。
【0083】
ここで、「官能基」とは、例えば、以下、カルボキシル、カルボキサミド、ヒドロキシル、ジ−(C〜Cアルキル)アミノ、C〜Cアルコキシカルボニル、シアノまたはC〜Cアルコキシを意味する。この場合において、C〜Cアルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチルである。
【0084】
本発明において、(iii)としては、例えば、フェニル、トリル、キシリル、α−ナフチル、β−ナフチル、4−ジフェニリル、クロロフェニル、ジクロロフェニル、トリクロロフェニル、ジフルオロフェニル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、ジエチルフェニル、イソプロピルフェニル、tert−ブチルフェニル、ドデシルフェニル、メトキシフェニル、ジメトキシフェニル、エトキシフェニル、ヘキシルオキシフェニル、メチルナフチル、イソプロピルナフチル、クロロナフチル、エトキシナフチル、2,6−ジメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2,6−ジメトキシフェニル、2,6−ジクロロフェニル、4−ブロモフェニル、2−若しくは4−ニトロフェニル、2,4−若しくは2,6−ジニトロフェニル、4−ジメチルアミノフェニル、4−アセチルフェニル、メトキシエチルフェニルまたはエトキシメチルフェニル、およびこれらの官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルコキシ、ハロゲン、ヘテロ原子および/または複素環式基で置換されているものを挙げることができる。
【0085】
本発明において、(iv)としては、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、シクロドデシル、メチルシクロペンチル、ジメチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、ジメチルシクロヘキシル、ジエチルシクロヘキシル、ブチルシクロヘキシル、メトキシシクロヘキシル、ジメトキシシクロヘキシル、ジエトキシシクロヘキシル、ブチルチオシクロヘキシル、クロロシクロヘキシル、ジクロロシクロヘキシル、ジクロロシクロペンチル、およびノルボルニルまたはノルボルネニルのような飽和または不飽和二環式系、およびこれらの官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルコキシ、ハロゲン、ヘテロ原子および/または複素環式基で置換されているものを挙げることができる。
【0086】
本発明において、(v)としては、例えば、フリル、チオフェニル、ピリル、ピリジル、インドリル、ベンズオキサゾリル、ジオキソリル、ジオキシル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ジメチルピリジル、メチルキノリル、ジメチルピリル、メトキシフリル、ジメトキシピリジル、ジフルオロピリジル、メチルチオフェニル、イソプロピルチオフェニルまたはtert−ブチルチオフェニル、およびこれらの官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルコキシ、ハロゲン、ヘテロ原子および/または複素環式基で置換されているものを挙げることができる。
【0087】
上述のイオン液体は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。本発明においては、イミダゾリウムカチオンが特に好ましい。より好ましくは、イミダゾリウム環の1および3位または1−、2−および3位が、(C〜C)アルキル基で置換されてものである。イミダゾリウムカチオンとしては、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,3−ジメチルイミダゾリウムまたは1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンが特に好適である。
【0088】
本発明においては、イオン液体のカチオンも、対応するアニオンも特に制限されるものではない。アニオンとしては、ハロゲン化物、過塩素酸、擬ハロゲン化物、硫酸、特に硫酸水素、亜硫酸、スルホン酸、リン酸、アルキルリン酸、特にモノ−および/若しくはジアルキルリン酸アニオン(好ましいアルキル基は、メチル、エチルまたはプロピル基である)、並びに/またはカルボン酸アニオン、特にC〜Cカルボン酸アニオン(好ましくは、酢酸またはプロピオン酸アニオン)であることが、より好ましい。ハロゲン化物イオンが、塩化物、臭化物および/またはヨウ化物イオンとして存在すること、擬ハロゲン化物イオンが、シアン化物、チオシアン酸および/またはシアン酸イオンとして存在すること、並びにC〜Cカルボン酸イオンが、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ヘキサン酸、マレイン酸、フマル酸、シュウ酸、乳酸、ピルビン酸、メタンスルホン酸、トシラートおよび/またはアルカン硫酸イオンとして存在することが、特に好ましい。
【0089】
以下の好適なアニオン:R−COO、R−SO、RPO(ここで、RおよびRは、上述の意味を有する)も挙げることができ、これには、特に、(CHO)POおよび(CO)POのアニオン、並びに安息香酸アニオン、好ましくは(CO)POおよび安息香酸のアニオンが含まれる。
【0090】
本発明においては、適宜、カチオンおよびアニオンを組み合わせることができる。特に好ましいイオン液体としては、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1,3−ジメチルイミダゾリウムアセテート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジエチル−ホスフェート、1−メチル−3−メチルイミダゾリウムジメチル−ホスフェート、1−メチル−3−メチルイミダゾリウムホルメート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムオクタノエート、1,3−ジエチルイミダゾリウムアセテートおよび1−エチル−3−メチルイミダゾリウムプロピオネートが挙げられる。これらのうち、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1,3−ジメチルイミダゾリウムアセテート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジエチル−ホスフェート、1−メチル−3−メチルイミダゾリウムジメチル−ホスフェート、1,3−ジエチルイミダゾリウムアセテートおよび1−エチル−3−メチルイミダゾリウムプロピオネートである。
【0091】
本発明においては、上記カチオンおよびアニオンを目的に応じて適宜選択することができる。特に好ましいアニオン、およびカチオンを以下に示す。
【0092】
アニオンとしては、RCOO(ここでRは、好ましくはアルキル、特にC〜Cアルキル、より好ましくはC〜Cアルキルまたはフェニルである);リン酸塩(好ましくはジアルキル−ホスフェート、特にジ−(C〜Cアルキル)ホスフェート、ジメチル−ホスフェート、ジエチル−ホスフェートおよびジ−n−プロピルホスフェートが特に好ましい);ホスホン酸塩(特に、O−アルキルアルキル−ホスホネート、O−メチルメチル−ホスホネート、O−メチル−エチル−ホスホネート、O−エチル−メチル−ホスホネートおよびO−エチルエチル−ホスホネートが特に好ましい)を好適に用いることができる。
【0093】
カチオンとしては、上記式(III−e)の化合物、特に1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(EMIM)、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム(BMIM)、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム(EMMIM)および1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム(BMMIM);上記式(III−a)の化合物、好ましくはN−アルキル−ピリジニウム、より好ましくはN−メチルピリジニウム、N−エチルピリジニウム、N−メチル−2−メチルピリジニウム、N−メチル−3−メチルピリジニウム、N−エチル−2−メチルピリジニウムおよびN−エチル−3−メチルピリジニウム;上記式(III−f)の化合物、好ましくは1,2,4−トリメチルピラゾリウムを挙げることができる。
【0094】
本発明においては、アニオンとしてRCOO、カチオンとして上記式(III−e)の化合物の組み合わせや、アニオンとしてリン酸塩、カチオンとして上記式(III−e)の化合物の組み合わせが、特に好適である。
【0095】
本発明の製造方法においては、パルプとイオン液体との混合物中の乾燥セルロースの含有量として、7〜15質量%程度の高濃度のセルロース溶液を、未溶解物の発生を抑制しつつ、得ることができる。
【0096】
本発明により得られるセルロース溶液は、セルロース繊維の紡糸に用いることができる。本発明に係るセルロース溶液は、パルプの溶け残りが少なく、かつ、高濃度であるので、これを用いて得られるセルロース繊維は、従来のセルロース繊維よりも高強度であり、タイヤ用の補強コードやベルトコンベヤなどの補強材等の用途に好適である。
【実施例】
【0097】
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
<実施例1>
王子製紙(株)製のパルプ100gを、100Pa程度に調整したオーブン内で、10時間、110℃にて乾燥させた。乾燥したパルプを、象印(株)製のキッチンミキサーで、10分間ほぐした。ほぐしたパルプを、バイブレータータイプのふるいを用いてふるい分けた。ふるい目2mm〜1mm間に集められたパルプを、実験のために採取した。ほぐしたパルプ0.5gを、50ccの試料瓶中に採った。
【0098】
この瓶の中に、イオン液体としての6.5gの再生C2mimAc(1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート,含水率30.5質量%,リグニンおよびヘミセルロースを含有)を添加した。この瓶の内容物を、スパチュラで5分間かき混ぜることにより、よく混合した。この瓶を、80℃および100Pa程度に設定されたオーブン内に載置した。
【0099】
この瓶の内容物を、30分間、1時間、2時間および3時間経過後のそれぞれについて、スパチュラを用いて2分間、手作業でよく攪拌した。この瓶を、4時間経過後にオーブンから取り出した。サンプルの溶解状態は、ライカ社製の偏光顕微鏡を用いて評価した。
【0100】
<比較例>
王子製紙(株)のパルプ100gを、100Pa程度に調整したオーブン内で、10時間、110℃にて乾燥させた。乾燥したパルプを、象印(株)製のキッチンミキサーで、10分間ほぐした。ほぐしたパルプを、バイブレータータイプのふるいを用いてふるい分けた。ふるい目2mm〜1mm間に集められたパルプを、実験のために採取した。ほぐしたパルプ0.5gを、50ccの試料瓶中に採った。
【0101】
この瓶の中に、イオン液体としての4.5gのバージン(未使用)C2mimAc(含水率1質量%未満)を加えた。この瓶の内容物を、スパチュラで5分間かき混ぜることにより、よく混合した。この瓶を、80℃に設定されたオーブン内に載置した。
【0102】
この瓶の内容物を、30分間、1時間、2時間および3時間経過後のそれぞれについて、スパチュラを用いて2分間、手作業でよく攪拌した。この瓶を、4時間経過後にオーブンから取り出した。サンプルの溶解状態は、ライカ社製の偏光顕微鏡を用いて評価した。
【0103】
<評価結果>
(1)再生イオン液体を用いたセルロース溶液中での溶解状態は、バージンイオン液体を用いた場合と同様であることが確認された。セルロース溶液中の非溶解パルプの画像を、偏光を用いた顕微鏡により取得した。画素数での総面積を、画像解析により計算した。その結果、再生イオン液体(含水率30.5質量%)を用いた非溶解パルプの面積は、バージンイオン液体を用いた場合と同様であることがわかった。
【0104】
(2)溶解のための総エネルギー消費量は、イオン液体の純化(水分蒸発)およびパルプ溶解を別々の段階で行うよりも、水分蒸発および溶解を同時プロセスで行うことにより、包括的に減少した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルプをイオン液体に溶解させてセルロース溶液を製造する方法において、
前記イオン液体として、含水率が20〜50質量%であるものを用いるとともに、前記パルプの該イオン液体への溶解を、該溶解時の温度における、該パルプとイオン液体との混合物中の水の蒸気圧未満の圧力下で、かつ、70℃以上の加温下で行うことを特徴とするセルロース溶液の製造方法。
【請求項2】
前記イオン液体として、リグニンおよびヘミセルロースのうちの一方または双方を含有するものを用いる請求項1記載のセルロース溶液の製造方法。

【公開番号】特開2012−246416(P2012−246416A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−120367(P2011−120367)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】