説明

セル選択方法及び移動局

【課題】CSGセル及びマクロセルが混在する環境において、待ち受けセルを適切に選択することを可能とする。
【解決手段】本発明に係るセル選択方法は、移動局UEが、第1マクロセルを待ち受けセルとしている場合に、第1CSGセルが所定条件を満たすか否かについて判断する工程Aと、移動局UEが、第1CSGセルが所定条件を満たすと判断した場合、待ち受けセルを第1マクロセルから第1CSGセルに変更する工程Bとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動局が特定移動局のみが待ち受けセルとして選択可能な特定セル及び全ての移動局が待ち受けセルとして選択可能な一般セルの中から待ち受けセルを選択するセル選択方法、及び、移動局に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)RAN-WGにおいて、「LTE(Long Term Evolution)」を無線アクセス方式として用いたホーム基地局HNBについて議論されている。
【0003】
具体的には、現在の3GPPの規定では、移動通信システムにおいて、ホーム基地局HNB配下のCSG(Closed Subscriber Group)に属する特定移動局(特定セルを待ち受けセルとして選択することが許容される移動局)を管理するように構成されている。
【0004】
すなわち、現在の3GPPの規定では、CSGに属する特定移動局のみが、ホーム基地局HNB配下のCSGセル(特定セル)を介して通信を行うことができるように構成されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】3GPP TS36.331
【非特許文献2】3GPP TS25.331
【非特許文献3】3GPP TS36.300
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、現在の3GPPの規定では、移動局が、CSGセル及びマクロセルが混在する環境における待ち受けセルの選択方法について規定されていない。
【0007】
したがって、マクロセルを待ち受けセルとしている移動局が、当該移動局を特定移動局とするCSGセルを待ち受けセルとして選択可能な領域に位置するようになった場合であっても、そのことを検知することができず、待ち受けセルを当該CSGセルに変更することができないという事態が発生する可能性があった。
【0008】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、CSGセル及びマクロセルが混在する環境において、待ち受けセルを適切に選択することを可能とするセル選択方法及び移動局を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の特徴は、移動局が、特定移動局のみが待ち受けセルとして選択可能な特定セル及び全ての移動局が待ち受けセルとして選択可能な一般セルの中から、待ち受けセルを選択するセル選択方法であって、前記移動局が、第1一般セルを待ち受けセルとしている場合に、所定条件が満たされているか否かについて判断する工程Aと、前記移動局が、前記所定条件が満たされていると判断した場合、待ち受けセルを前記第1一般セルから該第1特定セルに変更する工程Bとを有することを要旨とする。
【0010】
本発明の第1の特徴において、前記工程Aにおいて、前記移動局は、前記第1一般セルを待ち受けセルとしている場合で、かつ、該移動局を前記特定移動局とする第1特定セルに少なくとも一部で重畳する一般セル内に位置すると判断した場合、前記所定条件が満たされているか否かについて判断してもよい。
【0011】
本発明の第1の特徴において、前記第1特定セルで使用される第1周波数は、前記第1一般セルで使用される第2周波数と異なり、前記工程Aにおいて、前記移動局は、前記第1特定セルにおける無線品質が前記第1周波数を使用するセルの中で最も良く、かつ、該第1特定セルにおける無線品質が第1無線品質を満たすと判断した場合に、前記所定条件が満たされていると判断し、前記工程Bにおいて、待ち受けセルを前記第1一般セルから該第1特定セルに変更してもよい。
【0012】
本発明の第1の特徴において、前記第1特定セルで使用される第1周波数は、前記第1一般セルで使用される第2周波数と異なり、前記工程Aにおいて、前記移動局は、前記第1特定セルにおける無線品質と前記第1周波数を使用するセルにおける最も良い無線品質との差が所定オフセット以内であり、かつ、該第1特定セルにおける無線品質が第1無線品質を満たすと判断した場合に、前記所定条件が満たされていると判断し、前記工程Bにおいて、待ち受けセルを前記第1一般セルから該第1特定セルに変更してもよい。
【0013】
本発明の第1の特徴において、前記工程Aにおいて、前記移動局は、前記第1特定セルにおける無線品質が第1無線品質を満たすと判断した場合に、前記所定条件が満たされていると判断し、前記工程Bにおいて、待ち受けセルを前記第1一般セルから該第1特定セルに変更してもよい。
【0014】
本発明の第1の特徴において、前記移動局が、第2無線品質を満たす一般セルを検知することができなくなった場合で、かつ、該移動局を前記特定移動局としない第3無線品質を満たす第2特定セルを検知した場合、該第2特定セルを待ち受けセルとする工程Cを有してもよい。
【0015】
本発明の第1の特徴において、前記移動局が、前記第2特定セルを待ち受けセルとしている場合で、かつ、前記第2無線品質を満たす第2一般セルを検知した場合、待ち受けセルを前記第2特定セルから該第2一般セルに変更する工程を有してもよい。
【0016】
本発明の第2の特徴は、特定移動局のみが待ち受けセルとして選択可能な特定セル及び全ての移動局が待ち受けセルとして選択可能な一般セルの中から、待ち受けセルを選択するように構成されている移動局であって、第1一般セルを待ち受けセルとしている場合に、所定条件が満たされているか否かについて判断し、該所定条件が満たされていると判断した場合、待ち受けセルを該第1一般セルから該第1特定セルに変更するように構成されているセル選択部を具備することを要旨とする。
【0017】
本発明の第2の特徴において、前記セル選択部は、前記第1一般セルを待ち受けセルとしている場合で、かつ、前記移動局を前記特定移動局とする第1特定セルに少なくとも一部で重畳する一般セル内に位置すると判断した場合、前記所定条件が満たされているか否かについて判断するように構成されていてもよい。
【0018】
本発明の第2の特徴において、前記第1特定セルで使用される第1周波数は、前記第1一般セルで使用される第2周波数と異なるように構成されており、前記セル選択部は、前記第1特定セルにおける無線品質が前記第1周波数を使用するセルの中で最も良く、かつ、該第1特定セルにおける無線品質が第1無線品質を満たすと判断した場合に、前記所定条件が満たされていると判断し、待ち受けセルを前記第1一般セルから該第1特定セルに変更するように構成されていてもよい。
【0019】
本発明の第2の特徴において、前記第1特定セルで使用される第1周波数は、前記第1一般セルで使用される第2周波数と異なるように構成されており、前記セル選択部は、前記第1特定セルにおける無線品質と前記第1周波数を使用するセルにおける最も良い無線品質との差が所定オフセット以内であり、かつ、該第1特定セルにおける無線品質が第1無線品質を満たすと判断した場合に、前記所定条件が満たされていると判断し、待ち受けセルを前記第1一般セルから該第1特定セルに変更するように構成されていてもよい。
【0020】
本発明の第2の特徴において、前記セル選択部は、前記第1特定セルにおける無線品質が第1無線品質を満たすと判断した場合に、前記所定条件が満たされていると判断し、待ち受けセルを前記第1一般セルから該第1特定セルに変更するように構成されていてもよい。
【0021】
本発明の第2の特徴において、前記セル選択部は、第2無線品質を満たす一般セルを検知することができなくなった場合で、かつ、前記移動局を前記特定移動局としない第3無線品質を満たす第2特定セルを検知した場合、該第2特定セルを待ち受けセルとするように構成されていてもよい。
【0022】
本発明の第2の特徴において、前記セル選択部は、前記第2特定セルを待ち受けセルとしている場合で、かつ、前記第2無線品質を満たす第2一般セルを検知した場合、待ち受けセルを前記第2特定セルから該第2一般セルに変更するように構成されていてもよい。
【0023】
本発明の第3の特徴は、移動局が、第1周波数を使用する第1セル、及び、該第1周波数と異なる第2周波数を使用する第2セルの中から、待ち受けセルを選択するセル選択方法であって、前記第2セルの優先度が、前記第1セルの優先度よりも高い場合、該第1セルを待ち受けセルとしている前記移動局が、該第2セルにおける無線品質が所定無線品質を満たすと判断した場合に、待ち受けセルを該第1セルから該第2セルに変更する工程を有することを要旨とする。
【0024】
本発明の第4の特徴は、移動局が、第1周波数を使用する第1セル、及び、該第1周波数と異なる第2周波数を使用する第2セルの中から、待ち受けセルを選択するセル選択方法であって、前記第2セルの優先度が、前記第1セルの優先度と同一である場合、該第1セルを待ち受けセルとしている前記移動局が、該第2セルにおける無線品質が所定無線品質を満たし、かつ、該第1セルの無線品質が所定無線品質を満たさないと判断した場合に、待ち受けセルを該第1セルから該第2セルに変更する工程を有することを要旨とする。
【0025】
本発明の第5の特徴は、移動局が、第1周波数を使用する第1セル、及び、該第1周波数と異なる第2周波数を使用する第2セルの中から、待ち受けセルを選択するセル選択方法であって、前記第2セルの優先度が、前記第1セルの優先度よりも低い場合、該第1セルを待ち受けセルとしている前記移動局が、該第2セルにおける無線品質が所定無線品質を満たし、かつ、該第1セルの無線品質が所定無線品質を満たさないと判断した場合に、待ち受けセルを該第1セルから該第2セルに変更する工程を有することを要旨とする。
【0026】
本発明の第3乃至第5の特徴において、前記第2セルが、特定移動局のみが待ち受けセルとして選択可能な特定セルである場合には、前記移動局は、更に、前記第2セルにおける無線品質と前記第2周波数を使用するセルにおける最も良い無線品質との差が所定オフセット以内であると判定した場合に、待ち受けセルを該第1セルから該第2セルに変更してもよい。
【0027】
本発明の第6の特徴は、第1周波数を使用する第1セル、及び、該第1周波数と異なる第2周波数を使用する第2セルの中から、待ち受けセルを選択するように構成されている移動局であって、前記第2セルの優先度が、前記第1セルの優先度よりも高いときには、該第1セルを待ち受けセルとしている場合で、かつ、該第2セルにおける無線品質が所定無線品質を満たすと判断した場合に、待ち受けセルを該第1セルから該第2セルに変更するように構成されているセル選択部を具備することを要旨とする。
【0028】
本発明の第7の特徴は、第1周波数を使用する第1セル、及び、該第1周波数と異なる第2周波数を使用する第2セルの中から、待ち受けセルを選択するように構成されている移動局であって、前記第2セルの優先度が、前記第1セルの優先度と同一であるときには、該第1セルを待ち受けセルとしている場合で、かつ、該第2セルにおける無線品質が所定無線品質を満たし、かつ、該第1セルの無線品質が所定無線品質を満たさないと判断した場合に、待ち受けセルを該第1セルから該第2セルに変更するように構成されているセル選択部を具備することを要旨とする。
【0029】
本発明の第8の特徴は、第1周波数を使用する第1セル、及び、該第1周波数と異なる第2周波数を使用する第2セルの中から、待ち受けセルを選択するように構成されている移動局であって、前記第2セルの優先度が、前記第1セルの優先度よりも低いときには、該第1セルを待ち受けセルとしている場合で、かつ、該第2セルにおける無線品質が所定無線品質を満たし、かつ、該第1セルの無線品質が所定無線品質を満たさないと判断した場合に、待ち受けセルを該第1セルから該第2セルに変更するように構成されているセル選択部を具備することを要旨とする。
【0030】
本発明の第6乃至第8の特徴において、前記第2セルが、特定移動局のみが待ち受けセルとして選択可能な特定セルである場合には、前記セル選択部は、更に、前記第2セルにおける無線品質と前記第2周波数を使用するセルにおける最も良い無線品質との差が所定オフセット以内であると判定した場合に、待ち受けセルを該第1セルから該第2セルに変更するように構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0031】
以上説明したように、本発明によれば、CSGセル及びマクロセルが混在する環境において、待ち受けセルを適切に選択することを可能とするセル選択方法及び移動局を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの全体構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る移動局の機能ブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る移動局の待ち受けセルを決定する動作を説明するための図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る移動局の待ち受けセルを決定する動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る移動局の待ち受けセルを決定する動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る移動局の待ち受けセルを決定する動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の変更例1に係る移動通信システムについて説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの構成)
図1乃至図3を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの構成について説明する。
【0034】
図1に示すように、本実施形態に係る移動通信システムは、交換装置MME(Mobility Management Entity)と、CSGセル(特定セル)#1及び#2をそれぞれ管理するホーム基地局HNB#1及び#2と、マクロセル(一般セル)#1及び#2をそれぞれ管理する無線基地局eNB#1及び#2と、移動局UEとを具備している。
【0035】
ここで、CSGセルは、アクセス権を有するグループであるCSGが設定されているセルであり、マクロセルは、CSGが設定されていないセルである。
【0036】
また、移動局UEは、CSGセルに対して設定されているCSGに属しない場合に、当該CSGセルにおける「一般移動局」となり、CSGセルに対して設定されているCSGに属する場合に、当該CSGセルにおける「特定移動局」となる。
【0037】
本実施形態に係る移動通信システムでは、CSGセル#1は、移動局UEを「特定移動局(CSGセル#1を待ち受けセルとすること許可する移動局、すなわち、CSGセル#1を介した通信を許可する移動局)」とするセルであり、CSGセル#2は、移動局UEを「特定移動局」としていないセルである。したがって、移動局UEから見た場合、CSGセル#1は、「自CSGセル」であり、CSGセル#2は、「他CSGセル」である。
【0038】
また、図1の例では、CSGセル#1は、マクロセル#1及び#2に一部で重畳されており、また、CSGセル#2も、マクロセル#1及び#2に一部で重畳されている。
【0039】
なお、CSGは、いわゆる家庭に設置されるホーム基地局配下のセル以外にも、オフィス環境や喫茶店や学校等に設置される無線基地局配下のセル一般に対しても設定することができる。例えば、オフィスの従業員のみにアクセス権を与えたり、喫茶店の従業員及び来客者に一時的にアクセス権を与えたりするといった場合も想定される。
【0040】
この場合には、同一のCSGが、複数のセルや複数の無線基地局に渡って設定される場合もあり、無線基地局は、小型で小電力のものから大型で大電力のものまで、多様である。
【0041】
したがって、本明細書では、これらのシナリオを包含し、便宜上、CSGが設定されているセル(CSGセル)を管理する無線基地局を、特別に「ホーム基地局HNB」と呼ぶこととする。
【0042】
交換装置MMEは、当該交換装置MMEに接続されている各ホーム基地局HNB配下の各CSGセルにおける特定移動局(各CSGセルを介する通信を許容する移動局)について管理するように構成されている。
【0043】
なお、ホーム基地局HNBが、当該ホーム基地局HNB配下の各CSGセルにおける特定移動局について管理するように構成されていてもよいが、ホーム基地局HNBは、ユーザの手に届く場所等に配置される可能性があるため、セキュリティ等を考慮して、上述のように、交換装置MMEが、各CSGセルにおける特定移動局を管理するように構成されている方が好ましい。
【0044】
図2に示すように、移動局UEは、報知情報受信部11と、個別信号受信部12と、パラメータ記憶部13と、セル情報管理部14と、探索場所情報管理部15と、セル選択部16とを具備している。
【0045】
報知情報受信部11は、当該移動局UEの待ち受けセル(CSGセル或いはマクロセル)を管理する無線基地局eNB或いはホーム基地局HNBから、BCH(Broadcast Channel)やSU(Scheduling Unit)等を介して送信された報知情報を受信するように構成されている。
【0046】
例えば、報知情報受信部11は、かかる報知情報として、当該移動局UEが現在位置するセル(或いは、TA:Tracking Area)を識別するための情報(セルID及びTA-ID)を受信するように構成されている。
【0047】
また、報知情報受信部11は、かかる報知情報として、当該移動局UEが現在位置するセル(マクロセル或いはCSGセル)に少なくとも一部で重畳するセルの周波数に関する情報(異周波数情報)を受信するように構成されている。
【0048】
ここで、当該移動局UEが、周波数f2を使用するセルF2に位置する場合、「異周波数情報」には、当該セルF2に少なくとも一部で重畳するセルF1、F3、F4をそれぞれ識別するための情報(TA-ID及びセルID)や、当該セルF2に少なくとも一部で重畳するセルF1、F3、F4でそれぞれ使用される周波数f1、f3、f4(例えば、xxMHz)等を受信するように構成されている。
【0049】
個別信号受信部12は、交換装置MMEから送信された個別信号を受信するように構成されている。
【0050】
例えば、個別信号受信部12は、移動局UEが、かかる個別信号として、当該移動局UEが属するCSGが設定されているCSGセルのリストである「自CSGセルリスト」、及び、当該CSGセルの各々に少なくとも一部で重畳するマクロセルのリストである「重畳マクロセルリスト」等を受信するように構成されている。
【0051】
ここで、個別信号受信部12は、当該移動局UEの自CSGセルに少なくとも一部で重畳するマクロセル(或いは、TA)に進入した際に、かかる個別信号として、上述の「自CSGセルリスト」及び「重畳マクロセルリスト」等を受信するように構成されていてもよい。
【0052】
パラメータ記憶部13は、当該移動局UEの待ち受けセルを変更するか否かについての判定に使用される判定情報に含まれるパラメータ「Hysteresis(例えば、xxdB)」や「Treselection(例えば、xx秒)」や「Margin(例えば、xxdB)」等を記憶するように構成されている。
【0053】
かかるパラメータは、セルごとに異なる値を有してもよいし、複数のセルで共通の値を有してもよい。また、かかるパラメータは、上述の報知情報として通知されてもよいし、上述の個別信号として通知されてもよい。
【0054】
セル情報管理部14は、各セルに関する情報(セル情報)を管理するように構成されている。
【0055】
セル情報管理部14は、かかるセル情報として、各セルに対して、「優先度」や、閾値「QRSRPmin」或いは「QRSRQmin」や、「使用される周波数」や、所定オフセット「OffsetRSRP」或いは「OffsetRSRQ」等を管理するように構成されている。
【0056】
なお、閾値「QRSRPmin」或いは「QRSRQmin」や、所定オフセット「OffsetRSRP」或いは「OffsetRSRQ」は、セルごとに異なる値を有してもよいし、複数のセルで共通の値を有してもよい。
【0057】
また、閾値「QRSRPmin」及び「QRSRQmin」は、「ThreshServing,low」や「ThreshX,low」や「ThreshX,high」等と呼ばれてもよい。
【0058】
また、セル情報に含まれる各情報要素は、上述の報知情報として通知されてもよいし、上述の個別信号として通知されてもよい。
【0059】
なお、図3の例では、当該移動局UEの「自CSGセル」の優先度は「高」であり、「マクロセル」の優先度は「中」であり、当該移動局UEの「他CSGセル」の優先度は「低」である。なお、「自CSGセル」のキャリア周波数と「他CSGセル」のキャリア周波数とは、異なるものであってもよいし、同一のものであってもよい。
【0060】
探索場所情報管理部15は、当該移動局UEが自CSGセルの探索を開始すべき場所を定義するための探索場所情報を管理するように構成されている。
【0061】
例えば、探索場所情報管理部15は、個別信号受信部12によって受信された「自CSGセルリスト」及び「重畳マクロセルリスト」そのものを、探索場所情報として管理するように構成されていてもよい。かかる場合、「探索場所」は、「重畳マクロセルリスト」に含まれているマクロセルである。
【0062】
また、探索場所情報管理部15は、個別信号受信部12によって受信された「自CSGセルリスト」及び「重畳マクロセルリスト」に基づいて、独自に、かかる探索場所情報(Finger Print)を生成して管理するように構成されていてもよい。かかる場合、「探索場所」は、「GPS情報」等によって定義される場所である。
【0063】
また、探索場所情報管理部15は、「重畳マクロセルリスト」にあるセルの伝搬レベル等に応じて、かかる探索場所情報を生成して管理するように構成されていてもよい。
【0064】
セル選択部16は、CSGセル(特定移動局のみが待ち受けセルとして選択可能な特定セル)及びマクロセル(全ての移動局が待ち受けセルとして選択可能な一般セル)の中から、待ち受けセル(移動局UEが待ち受けを行うべきセル)を選択するように構成されている。
【0065】
また、セル選択部16は、図3に示すように、各セルの優先度に基づいて、待ち受けセルを選択するように構成されている。
【0066】
図3の例では、移動局UEに関して、周波数f1を使用するセル#1-1及び#1-2(自CSGセル)の優先度が「高」であり、周波数f2又はf3を使用するセル#2-1、#2-2、#3-1、#3-2(マクロセル)の優先度が「中」であり、周波数f4を使用するセル#4-1及び#4-2(他CSGセル)の優先度が「低」である。なお、周波数f1及びf4は、異なる周波数であってもよいし、同じ周波数であってもよい。
【0067】
ここで、セル選択部16は、所定周期「TEqual」で、移動局UEの現在の待ち受けセルの優先度と同じ優先度のセルの中に、当該移動局UEの待ち受けセルとして選択することができるセルが存在するか否かについて探索するように構成されている。
【0068】
なお、セル選択部16は、移動局UEの現在の待ち受けセルにおける無線品質「Serving(RSRQ(Reference Signal Received Quality)又はRSRP(Reference Signal Received Power))」が閾値「SSerchEqual」以上の場合、かかる探索を行わないように構成されていてもよい。
【0069】
例えば、図3に示すように、セル選択部16は、周波数f1を使用しており優先度が「高」である「セル#1-1」を待ち受けセルとしている場合で、かつ、所定条件A(R-criteria)が満たされている場合、待ち受けセルを、「セル#1-1」から、周波数f1を使用しており優先度が「高」である「セル#1-2」に変更するように構成されている。
【0070】
また、図3に示すように、セル選択部16は、周波数f2を使用しており優先度が「中」である「セル#2-1」を待ち受けセルとしている場合で、かつ、所定条件Aが満たされている場合、待ち受けセルを、「セル#2-1」から、周波数f2を使用しており優先度が「中」である「セル#2-2」或いは周波数f3を使用しており優先度が「中」である「セル#3-1」に変更するように構成されていている(後述の図5の動作を参照のこと)。
【0071】
また、図3に示すように、セル選択部16は、周波数f4を使用しており優先度が「低」である「セル#4-1」を待ち受けセルとしている場合で、かつ、所定条件Aが満たされている場合、待ち受けセルを、「セル#4-1」から、周波数f4を使用しており優先度が「低」である「セル#4-2」に変更するように構成されていている。
【0072】
ここで、セル選択部16は、下式(1)が成立する場合、所定条件Aが満たされていると判断する。
【0073】
「Neighbour」+「OffsetRSRP(或いは、OffsetRSRQ」>「Serving」+「Hysteresis」 … 式(1)
なお、「Neighbour」は、移動局UEの現在の待ち受けセルの隣接セル(「セル#1-2」、「セル#2-2」、「セル#3-1」又は「セル#4-2」)における無線品質であり、「OffsetRSRP(或いは、OffsetRSRQ)は、所定オフセットであり、「Serving」は、移動局UEの現在の待ち受けセル(「セル#1-1」、「セル#2-1」又は「セル#4-1」)における無線品質であり、「Hysteresis」は、所定パラメータである。
【0074】
また、例えば、図3に示すように、セル選択部16は、「セル#1-2」を待ち受けセルとしている場合で、かつ、所定条件Bが満たされている場合、待ち受けセルを「セル#1-2」から「セル#2-2」に変更するように構成されていている。
【0075】
また、セル選択部16は、「セル#3-2」を待ち受けセルとしている場合で、かつ、所定条件Bが満たされている場合、待ち受けセルを「セル#3-2」から「セル#4-2」に変更するように構成されていている(後述の図6の動作を参照のこと)。
【0076】
ここで、セル選択部16は、移動局UEの現在の待ち受けセルの優先度と同一の優先度のセルにおいて、第2通信品質を満たす(すなわち、(無線品質「RSRP」或いは「RSRQ」)<(「QRSRPmin」或いは「QRSRQmin」)+(パラメータ「Margin」)が成立する)セルを検知することができなくなった場合で、移動局UEの現在の待ち受けセルの優先度よりも低い優先度であり第3無線品質を満たす(すなわち、(無線品質「RSRP」或いは「RSRQ」)>(「QRSRPmin」或いは「QRSRQmin」)+(パラメータ「Hysteresis」)が成立する)セルを検知した場合、所定条件Bが満たされていると判断する。
【0077】
また、セル選択部16は、所定周期「THigher」で、移動局UEの現在の待ち受けセルの優先度よりも高い優先度のセルの中に、当該移動局UEの待ち受けセルとして選択することができるセルが存在するか否かについて探索するように構成されている。
【0078】
ここで、所定周期「TEqual」及び「THigher」は、上述の報知情報或いは個別信号によって移動局UEに対して通知され得る。なお、所定周期「TEqual」及び「THigher」は、同じ周期であってもよいし、異なる周期であってもよい。
【0079】
例えば、図3に示すように、セル選択部16は、「セル#4-1」を待ち受けセルとしている場合で、かつ、所定条件Cが満たされている場合、待ち受けセルを「セル#4-1」から「セル#3-1」に変更するように構成されていている。
【0080】
また、図3に示すように、セル選択部16は、「セル#2-1」を待ち受けセルとしている場合で、「セル#1-1(当該移動局UEを「特定移動局」とする第1特定セル)」に少なくとも一部で重畳する「セル#2-1(一般セル)」内に位置すると判断した場合で、かつ、所定条件Cが満たされている場合、待ち受けセルを「セル#2-1」から「セル#1-1」に変更するように構成されていている(後述の図4の動作を参照のこと)。
【0081】
ここで、セル選択部16は、「セル#1-1(第1特定セル)」における「RSRP又はRSRQ(無線品質)」が周波数f1(第1周波数)を使用するセルの中で最も良く、かつ、「セル#1-1(第1特定セル)」における「RSRP又はRSRQ(無線品質)」が第1無線品質を満たす(すなわち、(無線品質「RSRP」或いは「RSRQ」)>(「QRSRPmin」或いは「QRSRQmin」)が成立する)と判断した場合に、所定条件Cが満たされていると判断してもよい。
【0082】
また、セル選択部16は、「セル#1-1(第1特定セル)」における「RSRP又はRSRQ(無線品質)」と周波数f1(第1周波数)を使用するセルにおける最も良い「RSRP又はRSRQ(無線品質)」との差が所定オフセット「OffsetRSRP又はOffsetRSRQ」以内であり、かつ、「セル#1-1(第1特定セル)」における「RSRP又はRSRQ(無線品質)」が第1無線品質を満たす(すなわち、(無線品質「RSRP」或いは「RSRQ」)>(「QRSRPmin」或いは「QRSRQmin」)が成立する)と判断した場合に、所定条件Cが満たされていると判断してもよい。
【0083】
さらに、セル選択部16は、「セル#1-1(第1特定セル)」における「RSRP又はRSRQ(無線品質)」が第1無線品質を満たす(すなわち、(無線品質「RSRP」或いは「RSRQ」)>(「QRSRPmin」或いは「QRSRQmin」)が成立する)と判断した場合に、所定条件Cが満たされていると判断してもよい。
【0084】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作)
図4乃至図6を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作について説明する。
【0085】
第1に、図4を参照して、移動局UEが、待ち受けセルを「マクロセル」から「自CSGセル」に変更する動作について説明する。
【0086】
図4に示すように、ステップS101において、移動局UEは、交換装置MMEから「自CSGセルリスト」及び「重畳マクロセルリスト」を受信した場合、報知情報によって通知された「マクロセルを識別するための情報(TA-ID及びセルID)」が、交換装置MMEから受信した個別信号に含まれる「重畳マクロセルリスト」に含まれているか否かについて判定することによって、移動局UEが自CSGセルに少なくとも一部で重畳するマクロセル内に位置するか否かについて判定する。
【0087】
或いは、ステップS101において、移動局UEは、探索場所情報管理部15を参照して「探索場所」内に位置するか否かについて判定することによって、移動局UEが自CSGセルに少なくとも一部で重畳するマクロセル内に位置するか否かについて判定する。
【0088】
移動局UEは、かかるマクロセル内に位置すると判定した場合、ステップS101の処理を繰り返す。
【0089】
移動局UEは、かかるマクロセル内に位置すると判定した場合、ステップS102において、所定期間「THigher」が経過したことを検知すると、ステップS103において、所定条件Dを満たす自CSGセルが存在するか否かについて判定する。
【0090】
移動局UEは、所定条件Dを満たす自CSGセルが存在すると判定した場合、ステップS104において、待ち受けセルを、当該所定条件Dを満たす自CSGセルに変更する。
【0091】
一方、移動局UEは、所定条件Dを満たす自CSGセルが存在しないと判定した場合、本動作は、ステップS101に戻る。
【0092】
第2に、図5を参照して、移動局UEが、待ち受けセルを「第1マクロセル」から「第2マクロセル」に変更する動作について説明する。
【0093】
図5に示すように、移動局UEは、ステップS201において、所定期間「TEqual」が経過したことを検知した場合、ステップS202において、第1マクロセルにおける無線品質「Serving(RSRP又はRSRQ)」が、閾値「SSearchEqual」よりも大きいか否かについて判定する。
【0094】
ステップS201における判定結果が否定的(NO)である場合、本動作は、ステップS201に戻る。
【0095】
一方、ステップS201における判定結果が肯定的(YES)である場合、移動局UEは、ステップS203において、下式(2)が成立するか否かについて判定する。
【0096】
(第1マクロセルに隣接する第2マクロセルにおける無線品質「Neighbour(RSRP又はRSRQ)」)+(所定オフセット「OffsetRSRP」又は「OffsetRSRQ」)>(第1マクロセルにおける無線品質「Serving(RSRP又はRSRQ)」)+(パラメータ「Hysteresis」) … 式(2)
ステップS203における判定結果が否定的(NO)である場合、本動作は、ステップS201に戻る。
【0097】
一方、ステップS203における判定結果が肯定的(YES)である場合、移動局UEは、待ち受けセルを「第1マクロセル」から「第2マクロセル」に変更する。
【0098】
第3に、図6を参照して、移動局UEが、待ち受けセルを「マクロセル」から「他CSGセル」に変更する動作について説明する。
【0099】
ステップS301において、移動局UEは、(無線品質「RSRP」或いは「RSRQ」)<(「QRSRPmin」或いは「QRSRQmin」)+(パラメータ「Margin」)が成立するセルを検知することができるか否かについて判定する。
【0100】
ステップS301における判定結果が否定的(NO)である場合、本動作は、ステップS301に戻る。
【0101】
一方、ステップS301における判定結果が肯定的(YES)である場合、ステップS302において、移動局UEは、(無線品質「RSRP」或いは「RSRQ」)>(「QRSRPmin」或いは「QRSRQmin」)+(パラメータ「Hysteresis」)が成立するセルを検知することができるか否かについて判定する。
【0102】
ステップS302における判定結果が否定的(NO)である場合、ステップS304において、移動局UEは、圏外であることを検知する。
【0103】
一方、ステップS302における判定結果が肯定的(YES)である場合、ステップS303において、移動局UEは、ステップS302において検知したセル(他CSGセル)を待ち受けセルとして選択する。
【0104】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの作用・効果)
本実施形態に係る移動通信システムによれば、CSGセル及びマクロセルが混在する環境において、待ち受けセルを適切に選択することができる。
【0105】
(変更例1)
図7を参照して、本変更例1に係る移動通信システムについて、上述の第1の実施形態に係る移動通信システムとの相違点に着目して説明する。
【0106】
図7の例では、移動局UEに関して、周波数f11を使用するセル#11及び周波数f12を使用するセル#12の優先度が「高」であり、周波数f21を使用するセル#21及び周波数f22を使用するセル#22の優先度が「中」であり、周波数f31を使用するセル#31及び周波数f32を使用するセル#32の優先度が「低」である。なお、セル#11、#12、#21、#22、#31及び#32は、マクロセルであってもよいし、CSGセルであってもよい。また、周波数f11、f12、f21、f22、f31及びf32は、異なる周波数である。
【0107】
例えば、図7に示すように、セル選択部16は、「セル#11」を待ち受けセルとしている場合で、かつ、所定条件A1が満たされている場合、待ち受けセルを「セル#11」から「セル#12」に変更するように構成されていている。
【0108】
また、図7に示すように、セル選択部16は、「セル#21」を待ち受けセルとしている場合で、かつ、所定条件A1が満たされている場合、待ち受けセルを「セル#21」から「セル#22」に変更するように構成されていている。
【0109】
また、図7に示すように、セル選択部16は、「セル#31」を待ち受けセルとしている場合で、かつ、所定条件A1が満たされている場合、待ち受けセルを「セル#31」から「セル#32」に変更するように構成されていている。
【0110】
ここで、セル選択部16は、「セル#12」、「セル#22」又は「セル#32」がマクロセルである場合には、下式(2)が成立する場合に、すなわち、「セル#12」、「セル#22」又は「セル#32」における無線品質が所定無線品質を満たし、かつ、「セル#11」、「セル#21」又は「セル#31」の無線品質が所定無線品質を満たさない場合に、所定条件A1が満たされていると判断する。
【0111】
「Neighbour」+「Offset1」>「閾値1」、かつ、
「Serving」+「Offset2」<「閾値2」 … 式(2)
ここで、「Neighbour」は、移動局UEの現在の待ち受けセルの隣接セル(「セル#12」、「セル#22」又は「セル#32」)における無線品質であり、「Serving」は、移動局UEの現在の待ち受けセル(「セル#11」、「セル#21」又は「セル#31」)における無線品質である。
【0112】
一方、セル選択部16は、「セル#12」、「セル#22」又は「セル#32」がCSGセルである場合には、下式(3)が成立する場合に、すなわち、上述の式(2)の条件に加えて、「セル#12」、「セル#22」又は「セル#32」における無線品質と第2周波数f12、f22又はf32を使用するセルにおける最も良い無線品質との差が所定オフセット以内であると判定した場合に、所定条件A1が満たされていると判断する。
【0113】
「Neighbour」+「Offset1」>「閾値1」、かつ、
「Serving」+「Offset2」<「閾値2」、かつ、
「Neighbour」>「R0」−「Offset3」 … 式(3)
ここで、「R0」は、移動局UEの現在の待ち受けセルの隣接セル(「セル#12」、「セル#22」又は「セル#32」)において使用されている周波数(f12、f22又はf32)と同一周波数を使用する最も無線品質の良いセルの無線品質である。
【0114】
また、例えば、図7に示すように、セル選択部16は、「セル#12」を待ち受けセルとしている場合で、かつ、所定条件B1が満たされている場合、待ち受けセルを「セル#12」から「セル#22」に変更するように構成されている。
【0115】
また、セル選択部16は、「セル#22」を待ち受けセルとしている場合で、かつ、所定条件B1が満たされている場合、待ち受けセルを「セル#22」から「セル#32」に変更するように構成されていている。
【0116】
ここで、セル選択部16は、「セル#22」又は「セル#32」がマクロセルである場合には、下式(4)が成立する場合に、すなわち、「セル#22」又は「セル#32」における無線品質が所定無線品質を満たし、かつ、「セル#11」又は「セル#21」の無線品質が所定無線品質を満たさない場合に、所定条件B1が満たされていると判断する。
【0117】
「Neighbour」+「Offset4」>「閾値3」、かつ、
「Serving」+「Offset5」<「閾値4」 … 式(4)
ここで、「Neighbour」は、移動局UEの現在の待ち受けセルの隣接セル(「セル#22」又は「セル#32」)における無線品質であり、「Serving」は、移動局UEの現在の待ち受けセル(「セル#12」又は「セル#22」)における無線品質である。
【0118】
なお、セル選択部16は、上述の式(4)が成立する場合に加えて、下式(4-1)が成立する場合に、すなわち、移動局UEの現在の待ち受けセル(「セル#12」又は「セル#22」)において使用されている周波数(f12又はf22)と同一周波数を使用するセルの中で、所定無線品質を満たすセルが存在しない場合に、所定条件B1が満たされていると判断してもよい。
【0119】
「X」+「Offset5」<「閾値4」 … 式(4-1)
ここで、「X」は、移動局UEの現在の待ち受けセル(「セル#12」又は「セル#22」)において使用されている周波数(f12又はf22)と同一周波数を使用する各セルの無線品質を示す。
【0120】
一方、セル選択部16は、「セル#22」又は「セル#32」がCSGセルである場合には、下式(5)が成立する場合に、すなわち、上述の式(4)の条件に加えて、「セル#22」又は「セル#32」における無線品質と第2周波数f22又はf32を使用するセルにおける最も良い無線品質との差が所定オフセット以内であると判定した場合に、所定条件B1が満たされていると判断する。
【0121】
「Neighbour」+「Offset4」>「閾値3」、かつ、
「Serving」+「Offset5」<「閾値4」、かつ、
「Neighbour」>「R0」−「Offset6」 … 式(5)
ここで、「R0」は、移動局UEの現在の待ち受けセルの隣接セル(「セル#22」又は「セル#32」)において使用されている周波数(f22又はf32)と同一周波数を使用する最も無線品質の良いセルの無線品質である。
【0122】
なお、セル選択部16は、上述の式(5)が成立する場合に加えて、下式(5-1)が成立する場合に、すなわち、移動局UEの現在の待ち受けセル(「セル#12」又は「セル#22」)において使用されている周波数(f12又はf22)と同一周波数を使用するセルの中で、所定無線品質を満たすセルが存在しない場合に、所定条件B1が満たされていると判断してもよい。
【0123】
「X」+「Offset5」<「閾値4」 … 式(5-1)
ここで、「X」は、移動局UEの現在の待ち受けセル(「セル#12」又は「セル#22」)において使用されている周波数(f12又はf22)と同一周波数を使用する各セルの無線品質を示す。
【0124】
例えば、図7に示すように、セル選択部16は、「セル#31」を待ち受けセルとしている場合で、かつ、所定条件C1が満たされている場合、待ち受けセルを「セル#31」から「セル#21」に変更するように構成されていている。
【0125】
また、図7に示すように、セル選択部16は、「セル#21」を待ち受けセルとしている場合で、所定条件C1が満たされている場合、待ち受けセルを「セル#21」から「セル#11」に変更するように構成されていている。
【0126】
ここで、セル選択部16は、「セル#11」又は「セル#21」がマクロセルである場合には、下式(6)が成立する場合に、すなわち、「セル#11」又は「セル#21」における無線品質が所定無線品質を満たす場合に、所定条件C1が満たされていると判断する。
【0127】
「Neighbour」+「Offset7」>「閾値5」 … 式(6)
ここで、「Neighbour」は、移動局UEの現在の待ち受けセルの隣接セル(「セル#11」又は「セル#21」)における無線品質である。
【0128】
一方、セル選択部16は、「セル#11」又は「セル#21」がCSGセルである場合には、下式(7)が成立する場合に、すなわち、上述の式(6)の条件に加えて、「セル#11」又は「セル#21」における無線品質と第2周波数f11又はf21を使用するセルにおける最も良い無線品質との差が所定オフセット以内であると判定した場合に、所定条件A1が満たされていると判断する。
【0129】
「Neighbour」+「Offset7」>「閾値5」、かつ、
「Neighbour」>「R0」−「Offset8」 … 式(7)
ここで、「R0」は、移動局UEの現在の待ち受けセルの隣接セル(「セル#11」又は「セル#21」)において使用されている周波数(f11又はf21)と同一周波数を使用する最も無線品質の良いセルの無線品質である。
【0130】
なお、上述の移動局UEや無線基地局eNBやホーム基地局HNBや交換装置MMEの動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【0131】
ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、ROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、CD-ROMといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【0132】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ASIC内に設けられていてもよい。かかるASICは、移動局UE及び無線基地局eNB内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとして移動局UE及び無線基地局eNB内に設けられていてもよい。
【0133】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0134】
UE…移動局
11…報知情報受信部
12…個別信号受信部
13…パラメータ記憶部
14…セル情報管理部
15…探索場所情報管理部
16…セル選択部
eNB…無線基地局
HNB…ホーム基地局
MME…交換装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動局が、特定移動局のみが待ち受けセルとして選択可能な特定セル及び全ての移動局が待ち受けセルとして選択可能な一般セルの中から、待ち受けセルを選択するセル選択方法であって、
前記移動局が、第1一般セルを待ち受けセルとしている場合に、所定条件が満たされているか否かについて判断する工程Aと、
前記移動局が、前記所定条件が満たされていると判断した場合、待ち受けセルを前記第1一般セルから第1特定セルに変更する工程Bとを有することを特徴とするセル選択方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−109717(P2011−109717A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−38944(P2011−38944)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【分割の表示】特願2009−209826(P2009−209826)の分割
【原出願日】平成20年9月22日(2008.9.22)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】