説明

センサを含む電気外科器具

【課題】センサを備えた電気外科器具を含む電気外科システムを提供すること。
【解決手段】電気外科手術の間に使用するための電気外科エネルギーを生成するように構成された電気外科発電機と、該電気外科発電機に動作可能に結合され、組織を治療するように構成された電気外科器具と、該電気外科発電機に動作可能に結合された光学的透明度センサであって、少なくとも2つの光学周波数によって組織を測定するように適合された、光学的透明度センサと、制御コンポーネントであって、該制御コンポーネントは、該光学的透明度センサに動作可能に結合され、該光学的透明度センサからセンサデータを受信するように構成され、該制御コンポーネントは、制御命令を該電気外科発電機に通信して、該電気外科エネルギーの該生成を制御するように構成されている、制御コンポーネントとを備えている、電気外科システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本出願は、Buysseらによって2003年5月1日に出願された米国出願第10/427,832号、今では「Method and system for controlling output of RF medical generator」と題する米国特許第7,137,980号に関し、該米国特許の全容が本明細書に参考として援用されている。
【0002】
本開示は、電気外科のシステムおよび方法に関し、より詳細には、本開示は、例えば温度センサ、組織水和センサ、および光学的透明度センサのようなセンサを備えた電気外科器具を含む電気外科システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
電気外科手術は、外科処置の間に生物学的組織を切断または修正するための電気および/または電磁波エネルギーの印加である。一般的に、電気外科手術は、電気外科発電機、リターン電極、およびソース電極を利用する。電気外科発電機は、組織に適用されたとき、リターン電極とソース電極との間に、通常は100キロヘルツを上回る電磁波(本明細書では、「電気外科エネルギー」と称される)を生み出す。それらの間に作成された電磁波は、一方の電極から他方の電極へ流れると、熱としてエネルギーを放散する。筋肉および/または神経への刺激を避けるために、100キロヘルツを上回る電磁周波数が使用される。
【0004】
電気外科手術の間、電気外科発電機によって生成された電流は、2つの電極の間に配置された患者の組織を通って伝導される。電磁波が組織インピーダンスを克服すると、電流は組織を加熱する。多くの他の変数が、組織の総体的な加熱に影響を及ぼすが、普通、より大きな電流密度が、高まる加熱と直接的に相互に関連する。電気外科エネルギーは通常、組織を切断、解剖、切除、凝固、および/または密閉するために使用される。
【0005】
使用される電気外科手術の2つの基本的なタイプは、単極電気外科手術および双極電気外科手術である。しかしながら、両タイプは、「活性」電極および「リターン」電極を使用する。双極電気外科手術において、外科器具は、同じ器具に、または非常に近接して活性電極およびリターン電極を有し、電流をより小さな量の組織を通して流す。単極電気外科手術において、リターン電極は、患者の身体の別の場所に位置し、普通、電気外科器具自体の一部分ではない。単極電気外科手術において、リターン電極は、リターンパッドと普通称されるデバイスの一部分である。
【0006】
電気外科エネルギーの印加の有効性は、患者の年齢、体重、修正される組織のタイプ、および所望の組織効果を含む様々な因子によって影響される。様々な電圧、電流、デューティサイクルおよび周波数が、様々な組織効果を引き起こすために使用される。例えば、凝固は、切断と比較して、異なる電気外科エネルギーの印加を必要とする。
【0007】
多くの電気外科処置は、血管または脈管組織を切断または結紮することを必要とする。外科医は、電気外科器具の電極の間の組織に印加された電気外科エネルギーの強度、周波数および継続時間を制御することによって出血を焼灼、凝固、乾燥、かつ/または低減し得る。
【0008】
管を凝固するプロセスは、電気外科手術の管密閉とは異なる。本明細書における目的のために、「凝固」は、組織を乾燥させるプロセスであって、組織細胞が破裂し、かつ乾く、プロセスとして定義される。「管密閉」または「組織密閉」は、組織中のコラーゲンが形を変えて溶融した塊となるように、組織中のコラーゲンを液化するプロセスとして定義される。小さな管を永久に閉じるためには、それらを凝固すれば十分であり、一方、より大きな管は、永久に閉じることを保証するために、密閉される必要がある。
【0009】
電気外科器具の効果的な動作を達成する方法は、直接的に電気外科エネルギーをモニタリングすることである。さらに、または代替として、作用を受ける組織がモニタリングされ得る。このモニタリングは、電気外科エネルギーの生成を制御する制御コンポーネントのフィードバックループにおいて使用され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
(概要)
本開示は、電気外科のシステムおよび方法に関し、より詳細には、本開示は、例えば温度センサ、組織水和センサ、および光学的透明度センサのようなセンサを備えた電気外科器具を含む電気外科のシステムおよび方法に関する。
【0011】
本開示の一実施形態において、電気外科システムは、電気外科発電機と、電気外科器具と、光学的透明度センサと、制御コンポーネントとを含む。電気外科発電機は、電気外科手術の間に使用されるための電気外科エネルギーを生成する。電気外科器具は、電気外科発電機に結合され、組織を治療する。光学的透明度センサは、電気外科発電機に結合され、少なくとも2つの光学周波数によって組織を測定するように適合される。制御コンポーネントは、光学的透明度センサに動作可能に結合され、光学的透明度センサからセンサデータを受信する。制御コンポーネントは、制御命令を電気外科発電機に通信して、電気外科エネルギーの生成を制御する。
【0012】
本開示の別の実施形態において、センサデータは、組織の光学的透明度測定値を含む。制御コンポーネントは、約60℃よりも低いか、または約100℃よりも低い組織に対応する光学的透明度測定値に対応して、電気外科エネルギーを生成するように電気外科発電機に命令する。
【0013】
本開示の別の実施形態において、制御コンポーネントは、所定の範囲にある少なくとも1つの光学的透明度測定値および/または所定の範囲内にある組織水和に対応して、電気外科エネルギーを生成するように電気外科発電機に命令する。さらに、または代替として、制御コンポーネントは、少なくとも1つの光学的透明度測定値が、所定の範囲内に入るとき、電気外科エネルギーを生成するように電気外科発電機に命令する。
【0014】
本開示の別の実施形態において、電気外科器具は、シャフトと、駆動アセンブリと、可動ハンドルとを含む。シャフトは、その遠位端に第1の顎部材および第2の顎部材を有する。顎部材のうちの1つまたは両方は、該顎部材に配置された電極を含み、該電極は、電気外科エネルギーを組織に印加する。顎部材のうちの1つ(または両方)は、該顎部材に配置された光学的透明度センサを含む。駆動アセンブリは、シャフトに動作可能に結合され、第1の位置から第2の位置へ、顎部材のうちの1つを他方に対して動かす。第1の位置において、第1の顎部材は、第2の顎部材に対して間隔が置かれた関係に配置され、第2の位置において、第1の顎部材は組織を把持する。可動ハンドルが駆動アセンブリを作動させる。
【0015】
本開示の別の実施形態において、電気外科器具は、第1の顎部材および第2の顎部材をそれぞれ有する第1のシャフトおよび第2のシャフトを含む。第2のシャフトは、第1のシャフトに旋回可能に接続される。顎部材のうちの1つ(または両方)は、そこに配置された、組織に電気外科エネルギーを印加するように構成された電極を含む。顎部材のうちの1つは、該該顎部材に配置された光学的透明度センサを含む。
【0016】
本開示の別の実施形態において、少なくとも2つの光学周波数のうち1つ以上の光学周波数は、基準であるように適合され、水によって実質的に吸収されるように適合され、かつ/または水が、光学周波数に対して実質的に半透明性であるように適合される。少なくとも2つの光学周波数は、第1の光学周波数が、水によって実質的に吸収されるように適合されるように、そして第2の光学周波数が、水が、第2の光学周波数に対して実質的に半透明性であるように適合されるように、第1の光学周波数と第2の光学周波数とを含み得る。センサデータは、第1の光学周波数の第1の測定値と、第2の光学周波数の第2の測定値とを含み得る。電気外科発電機は、例えば、組織水和、組織温度、光学的透明度および組織の厚さのうち少なくとも1つが判断されるように、第1の測定値を第2の測定値と比較し得る。
【0017】
本開示のさらに別の実施形態において、電気外科発電機は制御コンポーネントを含む。制御コンポーネントは、受信モジュールと、波形コントローラと、制御アルゴリズムとを含む。制御コンポーネントは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されるように構成されたプロセッサ実行可能命令の動作可能セットによって少なくとも部分的に実装される。受信モジュールは、光学的透明度センサに動作可能に接続され、それからセンサデータを受信する。光学的透明度センサは、少なくとも2つの光学周波数によって組織を測定するように適合され、センサデータは、少なくとも2つの光学周波数を利用する組織温度センサ測定値、組織水和センサ測定値、および/または光学的透明度センサ測定値を含む。波形コントローラは、制御命令を電気外科発電機に通信して、電気外科エネルギーの生成を制御する。制御アルゴリズムは、受信モジュールおよび波形コントローラと動作可能に通信する。制御アルゴリズムは、データを処理して、制御命令を算出し、そして制御命令を波形コントローラに通信する。
【0018】
制御アルゴリズムは、比例−積分−微分制御アルゴリズムであり得る。制御モジュールは、プロセッサ実行可能命令の動作可能セットを実行するために、少なくとも1つのマイクロプロセッサを含み得る。受信モジュールは、データをアナログ信号からデジタル信号へ変換するように構成されたアナログデジタル変換回路を含み得、そして/または波形コントローラは、制御命令をデジタル信号からアナログ信号へ変換するように構成されたデジタルアナログ変換回路を含む。波形コントローラは、電子信号増幅器を含み得、該電子信号増幅器は、増幅されたアナログ信号が、電気外科発電機に命令するように、制御命令のアナログ信号を増幅するように構成されている。
【0019】
本開示の別の実施形態において、電気外科エネルギーの生成を制御する方法は、電気外科システムを提供することと、制御コンポーネントと通信するように、電気外科システムの光学的透明度センサを作動させることと、光学的透明度センサからのセンサデータをモニタリングすることとを包含する。
【0020】
本発明は、さらに以下の手段を提供する。
【0021】
(項目1)
電気外科システムであって、
電気外科手術の間に使用するための電気外科エネルギーを生成するように構成された電気外科発電機と、
該電気外科発電機に動作可能に結合され、組織を治療するように構成された電気外科器具と、
該電気外科発電機に動作可能に結合された光学的透明度センサであって、少なくとも2つの光学周波数によって組織を測定するように適合された、光学的透明度センサと、
制御コンポーネントであって、該制御コンポーネントは、該光学的透明度センサに動作可能に結合され、該光学的透明度センサからセンサデータを受信するように構成され、該制御コンポーネントは、制御命令を該電気外科発電機に通信して、該電気外科エネルギーの該生成を制御するように構成されている、制御コンポーネントと
を備えている、電気外科システム。
【0022】
(項目2)
上記センサデータは、組織の少なくとも1つの光学的透明度測定値を含み、上記制御コンポーネントは、約60℃よりも低い組織に対応する該少なくとも1つの光学的透明度測定値に対応して、電気外科エネルギーを生成するように電気外科発電機に命令する、上記項目に記載の電気外科システム。
【0023】
(項目3)
上記センサデータは、組織の少なくとも1つの光学的透明度測定値を含み、上記制御コンポーネントは、約100℃よりも低い該少なくとも1つの光学的透明度測定値に対応して、電気外科エネルギーを生成するように電気外科発電機に命令する、上記項目のいずれか一項に記載の電気外科システム。
【0024】
(項目4)
上記センサデータは、組織の少なくとも1つの光学的透明度測定値を含み、上記制御コンポーネントは、所定の範囲にある該少なくとも1つの光学的透明度測定値に対応して、電気外科エネルギーを生成するように電気外科発電機に命令する、上記項目のいずれか一項に記載の電気外科システム。
【0025】
(項目5)
上記センサデータは、組織の少なくとも1つの光学的透明度測定値を含み、上記制御コンポーネントは、該少なくとも1つの光学的透明度測定値が、所定の範囲内にある組織水和に対応するとき、電気外科エネルギーを生成するように電気外科発電機に命令する、上記項目のいずれか一項に記載の電気外科システム。
【0026】
(項目6)
上記センサデータは、組織の少なくとも1つの光学的透明度測定値を含み、上記制御コンポーネントは、該少なくとも1つの光学的透明度測定値が、所定の範囲内に入るとき、電気外科エネルギーを生成するように電気外科発電機に命令する、上記項目のいずれか一項に記載の電気外科システム。
【0027】
(項目7)
上記電気外科器具は、
シャフトであって、該シャフトは、その遠位端に第1の顎部材および第2の顎部材を有し、該顎部材のうちの少なくとも1つは、該顎部材に配置された、組織に電気外科エネルギーを印加するように構成された電極を含み、該顎部材のうちの少なくとも1つは、該顎部材に配置された上記光学的透明度センサを含む、シャフトと、
該シャフトに動作可能に結合された駆動アセンブリであって、該駆動アセンブリは、該第1の顎部材が該第2の顎部材に対して間隔が置かれた関係に配置される第1の位置から、第1の顎部材が組織を把持する第2の位置へ、該第2の顎部材に対して該第1の顎部材のうちの少なくとも1つを動かすように位置決め可能である、駆動アセンブリと、
該駆動アセンブリを作動させる可動ハンドルと
を含む、上記項目のいずれか一項に記載の電気外科システム。
【0028】
(項目8)
上記電気外科器具は、
第1の顎部材を有する第1のシャフトと、
第2の顎部材を有する第2のシャフトであって、該第2のシャフトは、該第1のシャフトに旋回可能に接続され、該顎部材のうちの少なくとも1つは、該顎部材に配置された、組織に電気外科エネルギーを印加するように構成された電極を含み、該顎部材のうちの少なくとも1つは、該顎部材に配置された光学的透明度センサを含む、第2のシャフトと
を含む、上記項目のいずれか一項に記載の電気外科システム。
【0029】
(項目9)
上記少なくとも2つの光学周波数のうちの1つの光学周波数は、基準であるように適合される、上記項目のいずれか一項に記載の電気外科システム。
【0030】
(項目10)
上記少なくとも2つの光学周波数のうちの1つの光学周波数は、水によって実質的に吸収されるように適合される、上記項目のいずれか一項に記載の電気外科システム。
【0031】
(項目11)
上記少なくとも2つの光学周波数のうちの1つの光学周波数は、水が、該光学周波数に対して実質的に半透明性であるように適合される、上記項目のいずれか一項に記載の電気外科システム。
【0032】
(項目12)
上記少なくとも2つの光学周波数のうちの第1の光学周波数は、水によって実質的に吸収されるように適合され、該少なくとも2つの光学周波数のうちの第2の光学周波数は、水が、該第2の光学周波数に対して実質的に半透明性であるように適合される、上記項目のいずれか一項に記載の電気外科システム。
【0033】
(項目13)
上記センサデータは、上記第1の光学周波数の第1の測定値と、上記第2の光学周波数の第2の測定値とを含み、上記電気外科発電機は、該第1の測定値を該第2の測定値と比較する、上記項目のいずれか一項に記載の電気外科システム。
【0034】
(項目14)
上記センサデータは、上記第1の光学周波数の第1の測定値と、上記第2の光学周波数の第2の測定値とを含み、上記電気外科発電機は、組織水和、組織温度、光学的透明度および組織の厚さのうち少なくとも1つが判断されるように、該第1の測定値を該第2の測定値と比較する、上記項目のいずれか一項に記載の電気外科システム。
【0035】
(項目15)
電気外科発電機であって、該電気外科発電機は、
制御コンポーネントであって、該制御コンポーネントは、少なくとも1つのプロセッサによる実行に対して構成されたプロセッサ実行可能命令の動作可能セットによって少なくとも部分的に実装される、制御コンポーネントを備え、該制御コンポーネントは、
光学的透明度センサに動作可能に接続され、該光学的透明度センサからセンサデータを受信するように構成された受信モジュールであって、該光学的透明度センサは、少なくとも2つの光学周波数によって組織を測定するように適合され、該センサデータは、該少なくとも2つの光学周波数を利用する組織温度センサ測定値、組織水和センサ測定値、および光学的透明度センサ測定値のうちの少なくとも1つを含む、受信モジュールと、
制御命令を該電気外科発電機に通信して、電気外科エネルギーの生成を制御するように構成された波形コントローラと、
該受信モジュールおよび該波形コントローラと動作可能に通信する制御アルゴリズムであって、該制御アルゴリズムは、該データを処理して、該制御命令を計算し、そして該制御命令を該波形コントローラに通信する、制御アルゴリズムと
を含む、電気外科発電機。
【0036】
(項目16)
上記制御アルゴリズムは、比例−積分−微分制御アルゴリズムである、上記項目のいずれか一項に記載の電気外科発電機。
【0037】
(項目17)
上記制御コンポーネントは、
上記プロセッサ実行可能命令の動作可能セットを実行するように構成された少なくとも1つのマイクロプロセッサをさらに備えている、上記項目のいずれか一項に記載の電気外科発電機。
【0038】
(項目18)
上記受信モジュールは、アナログデジタル変換回路を含み、該アナログデジタル変換回路は、上記データをアナログ信号からデジタル信号へ変換するように構成されている、上記項目のいずれか一項に記載の電気外科発電機。
【0039】
(項目19)
上記波形コントローラは、デジタルアナログ変換回路を含み、該デジタルアナログ変換回路は、上記制御命令をデジタル信号からアナログ信号へ変換するように構成されている、上記項目のいずれか一項に記載の電気外科発電機。
【0040】
(項目20)
上記波形コントローラは、電子信号増幅器をさらに含み、該電子信号増幅器は、上記制御命令のアナログ信号を増幅するように構成され、該増幅されたアナログ信号は、上記電気外科発電機に命令する、上記項目のいずれか一項に記載の電気外科発電機。
【0041】
(項目21)
電気外科エネルギーの生成を制御する方法であって、該方法は、
電気外科システムを提供するステップであって、該電気外科システムは、
電気外科手術の間に使用するための電気外科エネルギーを生成するように構成された電気外科発電機と、
該電気外科発電機に動作可能に結合され、組織を治療するように構成された電気外科器具と、
該電気外科発電機に動作可能に結合された光学的透明度センサであって、少なくとも2つの光学周波数によって組織を測定するように適合されている、光学的透明度センサと、
該光学的透明度センサに動作可能に結合され、該光学的透明度センサからセンサデータを受信するように構成された制御コンポーネントであって、該制御コンポーネントは、制御命令を該電気外科発電機に通信して、該電気外科エネルギーの生成を制御するように構成されている、制御コンポーネントと
を含む、ステップと、
該制御コンポーネントと通信するように、該光学的透明度センサを作動させるステップと、
該センサデータをモニタリングするステップと
を含む、方法。
【0042】
(摘要)
電気外科システムは、電気外科発電機と、電気外科器具と、光学的透明度センサと、制御コンポーネントとを含む。電気外科発電機は、電気外科手術の間に使用するための電気外科エネルギーを生成する。電気外科器具は、電気外科発電機に結合され、組織を治療する。光学的透明度センサは、電気外科発電機に結合され、少なくとも2つの光学周波数によって組織を測定するように適合される。制御コンポーネントは、光学的透明度センサに動作可能に結合され、それからセンサデータを受信する。制御コンポーネントは、制御命令を電気外科発電機に通信して、電気外科エネルギーの生成を制御する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
これらの利点および他の利点が、図面を参照する本開示の様々な実施形態の以下の詳細な記述から、より明らかとなる。
【図1】図1は、本開示による、センサを備えた電気外科器具を含む電気外科システムの概略的なブロック図である。
【図2A】図2A〜図2Bは、本開示による、電気外科システムの概略的なブロック図である。
【図2B】図2A〜図2Bは、本開示による、電気外科システムの概略的なブロック図である。
【図3】図3は、本開示による、センサを備えた電気外科器具を含む電気外科システムを使用する方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
(詳細な説明)
図面を参照すると、図1は、電気外科システム100を示すブロック図である。電気外科システム100は、電気外科エネルギーを生成する電気外科発電機102を含む。電気外科エネルギーは、電気外科器具104を使用して患者に対して電気外科手術を実行するために使用される。
【0045】
電気外科発電機102は、所望の結果を達成するために外科医を支援する幾つかのユーザインターフェースデバイス(例えば、タッチスクリーン、スイッチ、ダイアル、など)を有し得る。外科医は、様々なデータパラメータを電気外科発電機102に入力するために、ユーザインターフェースデバイスを使用し得る。しかしながら、すべての因子が外科医に知られ得るわけではなく、かつ/または外科医に容易に知られるわけではない。例えば、患者Pの特定の生理(例えば、年齢、体重、電解質密度、PH、容量オスモル濃度、流体量および流体の圧力、疾患など)、温度、湿度、および電気外科に影響を及ぼし得る他の因子は、外科医に容易に知られないことがあり得る。
【0046】
したがって、効果的な電気外科処置を保証することをより良く支援するために、電気外科発電機102は、印加された電気外科エネルギーを調節するために、幾つかの技術を使用し得る。一部のかかる技術は、組織インピーダンス、電流、電圧、デューティサイクル、組織抵抗などを算出するか、またはこれらをモニタリングすることを含む。電気外科発電機102は、これらの算出された、またはモニタリングされた特性を使用して、電気外科器具104によって組織に印加された電気外科エネルギーを調節し得る。さらに、または代替として、下により詳細に論議されるように、フィードバックデータが、電気外科器具104によって電気外科発電機102に提供され得る。
【0047】
電気外科器具104は、単極電気外科器具または双極電気外科器具であり得る。例えば、電気外科器具104は、鉗子、管密閉用電気外科器具、切断用電気外科器具、などであり得る。電気外科発電機102によって生成された電気外科エネルギーは、ケーブル106を介して電気外科器具104に伝達される。ケーブル106は、活性経路およびリターン経路を含む。活性経路および/またはリターン経路は、適切な幾何学的形状を有する十分に伝導性のある材料から作られ得る。例えば、ケーブル106は、電気外科エネルギーの周波数範囲内において減衰損失を緩和する幾何学的形状を有する同軸ケーブルであり得る。
【0048】
電気外科発電機102は、交流または直流(本明細書において、それぞれ「AC」および「DC」として参照される)によって電力を供給され得るが、電気外科発電機102は、標準レセプタクルアウトレット、例えば合衆国内で通常見出せるような110ボルトアウトレットを介して、電源によって電力が供給されることが好ましい。電気外科発電機102は、外部の電源に接続されるが、給電108は、外部の電源(例えば、アウトレットからのAC電力)を調節し、かつこれを変換して、電気外科発電機102の様々な部分に電力を十分に供給する。
【0049】
例えば、制御コンポーネント110がマイクロコントローラ112を含むと考えられたい。マイクロコントローラは通常、例えば5ボルトDC電源のようなDC電源を必要とする。したがって、給電108は、マイクロコントローラ112が十分に電力を供給されることを保証するために、例えば、変圧器、整流器、コンデンサ、電圧調節器、などを含む回路網も含み得る。さらに、給電108は、制御コンポーネント110および電気外科エネルギー源114に電力を供給する。
【0050】
電気外科エネルギー源114は、波形コントローラ118からの命令を1つの形式から、RF出力ステージ116によって解釈することをより助ける別の形式へ変換するために十分な回路網を含む。RF出力ステージ116は、電気外科エネルギーを電気外科器具104へ安全にかつ効率的に伝達するために回路網を含む。例えば、RF出力ステージ116は、絶縁されたアースを提供する出力変圧器、出力増幅器、効率的な電力伝達を容易にするためのインピーダンス整合回路網、などを含み得、一方、電気外科エネルギー源114は、可変出力給電接続部、電圧スケーリング回路網、例えば電圧フォロアのようなバッファ、などを含み得る。
【0051】
RF出力ステージ116は、例えば同軸ケーブル雌型コネクタのようなRFコネクタを使用してケーブル106に接続され得、ケーブル106の中への電気外科エネルギーの低減衰注入を容易にする。さらに、電気外科エネルギー源114は、波形コントローラ118から受信された命令を実装し、一方、RF出力ステージ116が正しく命令に従うことを保証する。例えば、波形コントローラ118は、ケーブル106に注入される電気外科エネルギーの所望の特性に関する複数の信号を送り得、電気外科エネルギー源114は、これらの信号を変換して、電圧感知をRF駆動(図1に示されず)と比較することによって、RF出力ステージ116が命令に従うことを保証する。さらに、または代替として、電気外科エネルギー源114は、安全回路網および/または絶縁回路網を含み得る。
【0052】
電気外科コンポーネント102は、制御コンポーネント110も含む。制御コンポーネント110は、ハードウエア、ソフトウエア、ファームウエア、またはそれらの一部の組み合わせで実装され得、波形コントローラ118と、制御アルゴリズム124と、受信モジュール126とを含む。例えば、制御アルゴリズム124は、マイクロコントローラ112によって処理されるソフトウエアで実装され得る。
【0053】
波形コントローラ118は、組織に印加するための電気外科エネルギーの特定の振幅、電圧、電流、周波数、デューティサイクル、および/または他の特性を維持するように電気外科エネルギー源114に命令する。波形コントローラ118は、デジタルアナログ変換器(本明細書において、「DAC」として参照される)120と、電子信号増幅器122とを含む。さらに、または代替として、波形コントローラ118は、出力リレー、スケーリングリレー、および/または出力波形マイクロコントローラ(図示されず)を含み得る。波形コントローラ118はまた、アナログ信号またはデジタル信号を使用して、電気外科エネルギー源114に命令し得る。例えば、波形コントローラ118は、DAC120を介して波形をアナログ形式に変換するための、波形コントローラ118に格納されたデジタル波形を有し得る。電気外科信号増幅器112は、波形を電気外科エネルギー源114に送る前に、スカラ値、例えば10でアナログ波形を増幅し得る。
【0054】
しかしながら、制御コンポーネント110は、センサデータに基づいて、電気外科エネルギーがどのような特性を有するべきかを判断し、具体的には、制御コンポーネント110は、センサ128と共にフィードバックループを形成し得る。センサ128は、組織温度センサ130、組織水和センサ132、および/または光学的透明度センサ134を含み得る。センサデータは、ケーブル136を介してモジュール126を受信することによって受信される。センサデータは、アナログ形式またはデジタル形式であり得る。さらに、または代替として、センサデータは、アナログデジタル変換器(本明細書において、「ADC」として参照される)138を介して、アナログ形式からデジタル形式へ変換され得る。
【0055】
センサデータは、制御アルゴリズム124によって処理され、制御命令を算出する。算出された制御命令は、波形コントローラ118へ通信される。制御アルゴリズム124は、比例−積分−微分制御アルゴリズムおよび/または一部の他の制御アルゴリズムであり得、電気外科エネルギーの印加を容易にして、所望の組織効果を達成する。
【0056】
図1、図2A、および図2Bを同時に参照すると、センサ128は、電気外科器具104に位置し得、図2Aおよび図2Bによる2つの実施形態で示される。電気外科器具104は、活性電極および/またはリターン電極を含み得、センサ128は、電極のうちの少なくとも1つに、またはその近くに配置され得るか、あるいは図2Aおよび図2Bの患者Pの少なくとも1つの組織測定値を取るように位置決めされ得る。ケーブル106は、患者Pに電気外科エネルギーを印加するための活性経路とリターン経路とを含み得、一方、電気外科発電機102はケーブル136を介してセンサデータを受信する。
【0057】
図面を参照すると、図2Aは、開放性電気外科器具104を示し、開放性電気外科器具104は、端部に顎部材204を備えたシャフト202を含む。電気外科器具104は、同じく端部に顎部材208を備えたシャフト206も含む。シャフト206は、ピボット210を介してシャフト202に取り付けられ、ピボット210は、それらを旋回可能に接続された状態にする。ピボット210は、ピン、ベアリング、軸(axel)、などから形成され得、顎204と208との互いに対する動きを支援し得る。グリップ212および214は、シャフト206および202をそれぞれ動かし、外科医が、顎部材204と208との間で患者Pの組織を把持かつ/または圧縮することを可能にする。例えば、外科医は、管が顎部材204と208との間に位置決めされたとき、グリップ212および214を強制して互いに寄せるように圧力を加え得、管を把持し得る。電気外科エネルギーは次に、電極によって顎部材204と208との間に印加され得、管を密閉し得る。センサ128は、電気外科発電機102によって使用され得、管密閉を支援し得る(下により詳細に論議される)。開放性器具管密閉に関するさらなる詳細が、共有に係る米国出願第10/962,116号に論議される。
【0058】
ここで図2Bを参照すると、電気外科器具104’と共に使用される電気外科システム100の別の実施形態が示される。電気外科器具104’は、シャフト216’を含み、シャフト216’は、顎部材218’および220’を含む遠位端を有する。電気外科器具104’内において、駆動アセンブリ(図示されず)は、顎部材218’および220’が最初に、ある距離だけ間隔が置かれ、作動させられると、互いに対して動くように作動させる。作動アセンブリは、ハンドル222’を含み、ハンドル222’は、「絞られる」と、顎部材218’および220’を、旋回して互いにより近くに寄せ、シャフト216’の遠位端に、それらの取り付けポイントに沿ってほぼ旋回させる。トリガ226’は、電気外科発電機102に電気外科エネルギーを印加させる。顎部材220’および218’は各々、活性電極および/またはリターン電極を有する。センサ128は、電極のうちの1つに、またはこの近くに配置され得る。さらに、または代替として、センサ128は、患者Pの組織の少なくとも1つの組織測定値を取り、該測定値をケーブル138を介して電気外科発電機に送るように位置決めされ得る。
【0059】
再び図1を参照すると、既に述べられたように、センサ128は、組織温度センサ130、組織水和センサ132、および光学的透明度センサ134を含み得、データをケーブル136を介して電気外科発電機102に通信し得、該データは、組織温度測定値、組織水和測定値、および組織の光学的透明度測定値を含み得る。
【0060】
組織温度センサ130は、組織温度を測定し得、1つ以上の組織温度測定値を電気外科発電機102に通信し得る。組織の生態は、温度に対して極めて敏感である。例えば、60℃を上回る温度では、コラーゲンタンパク質は変性し、組織の結合力を低減させる。100℃を上回る温度では、細胞内の水は蒸発し、細胞の破壊につながる。電気外科発電機102は、ケーブル136を通して受信モジュール126によって受信された温度測定値を介して組織温度をモニタリングし得、かつ受信された測定値に基づいて電気外科エネルギーを調節して、例えば組織温度測定値をある値よりも低く、ある値よりも高く、かつ/または所定の範囲内に維持することによって、所望の結果を達成し得る。
【0061】
例えば、組織の切断のためには、組織が約100℃を上回っていることを保証するように、電気外科エネルギーを生成することが望ましい。たとえば管密閉のような他の用途においては、約60℃よりも低い組織温度を維持することがより望ましい。さらに、温度が、組織の融解を引き起こすためには十分高いが、組織強度の損失を防止するためには十分低いことを保証するように、所定の範囲が使用され得る。所望(または所望の範囲)の組織温度のプログラミングは、電気外科発電機102内でプログラムされ得るか、またはオペレータによって手動で設定され得る。
【0062】
組織温度センサ130は、接触または非接触温度センサを含み得る。組織温度センサ130は、温度を測定するために、比率または光高温計、サーマルイメージャ温度センサ、光ファイバーベースの温度センサ、熱電対、サーミスタ、抵抗温度検知器(「RTD」)、半導体、なども含む。ケーブル136は、1つ以上の伝導性ケーブル経路(すなわちワイヤ)を含み得、かつ/または光ファイバーケーブル経路(本明細書において、「光ファイバーケーブル」としても参照される)を含み得ることに留意されたい。さらに、または代替として、センサ128は、測定値を電気外科発電機102に通信することを支援するために、さらなるコンポーネントまたは回路網を含み得る。例えば、電気外科発電機102は、ケーブル136を介してセンサ128内の回路網に電力を提供して、該回路網が、パルス幅変調ベースの通信技術を使用して、測定値を電気外科発電機102に通信することを可能にし得る。さらに、ケーブル106は、ケーブル136によって束ねられ得る(図示されず)。
【0063】
組織水和センサ132は、患者Pの一部の組織の組織水和測定値を電気外科発電機102に通信し得る(図2Aおよび図2Bを参照)。例えば、組織水和センサ132は、図2Aの顎部材204と208との間の、そして/または図2Bの顎部材218’と220’との間の組織の組織水和の近似値を求め得る。組織水和の測定値は、光学ベースのセンサ、電気ベースのセンサ、または他の十分な組織水和センサを使用して達成され得る。組織が加熱されるにつれて、組織中の水はゆっくりと蒸発し得る。組織水和センサ132は、この減少する組織水和を測定し得、一連の組織水和測定値をケーブル136を介して受信モジュール126に通信し得る。制御アルゴリズム126は、組織水和センサ132が所定の閾値内に入るまで、電気外科エネルギーを印加し続けるように波形コントローラ118に命令し得る。
【0064】
例えば、電気外科手術の間、外科医は、図2Aの外科器具216を使用して、顎部材204と208との間の管に対して締め付け得る。外科医は次に、電気外科エネルギーを作動させて(例えばフットペダルによって)、管密閉を開始し得る。組織水和センサ132の最初の組織水和測定値は、ただの例として、約60%含水率であり得、制御アルゴリズム124は、30%含水率の所定の閾値を有し得る。電気外科エネルギーが印加されると、組織水和センサ132によって測定される連続的な組織水和測定値は、低減する含水率を示し、そして、制御アルゴリズム124がほぼ30%含水率の組織水和測定値を検知するまで、電気外科エネルギーを印加し続けるように波形コントローラ118に命令する。30%含水率の組織水和測定値が検知されると、制御アルゴリズム124は、電気外科エネルギーを電気外科器具104に印加することを止めるように波形コントローラ118に命令し得る。警報および/またはインジケータが、管が密閉されたことを外科医に示し得る。
【0065】
図1、図2Aおよび図2Bを同時に参照すると、センサ128は、光学的透明度センサ134を含む。光学的透明度センサ134は、可視であるか、または可視知覚外の光学周波数を使用して、光学的透明度測定を行ない得る。
【0066】
図2Aを参照すると、光源は、光子を顎部材204から組織を通して顎部材208に注入し得、顎部材208において、吸収および/または透明度測定が行なわれ得る。顎部材204は、LED、レーザ、光ファイバー結合レンズ、などを含み得る。さらに、または代替として、ケーブル136は、光ファイバーケーブルを含み得、該光ファイバーケーブルは、顎部材204から組織を通って顎部材208へ流れるように焦点が合わされた光を電気外科発電機102から搬送する。顎部材208は、光子を集めてそれらをケーブル136内に位置する光ファイバーケーブルに通して電気外科発電機102に戻すために、光ファイバー結合レンズを含み得る。
【0067】
例えば、電気外科発電機102は、半導体ベースのレーザを含み得、該半導体ベースのレーザは、ケーブル136内の光ファイバーケーブルの中に光子を注入する。光子が、光ファイバーケーブルの中心を伝って顎部材204へ流れ、顎部材204において、レンズが、顎部材204および208内に含まれた組織の中に光子を注入する。この例において、顎部材208はレンズを含み、該レンズは、光子と結合して、これを光ファイバーケーブルの中に戻し、該光ファイバーケーブルは、光子を電気外科発電機102に搬送する。受信モジュール126は、光検出器を含み得、該光検出器は、受信された光子の量を測定し、そして受信された光子を電子信号に変換する。図2Bを参照すると、顎部材218’および220’は、光学的透明度センサ134に対して、顎部材204および208と同様に挙動し得る。
【0068】
光学的透明度センサ134は、比較的大きな帯域幅を有する広帯域光学波長、例えばLED源によって生み出された波長を利用し得る。さらに、または代替として、光学的透明度センサ134は、組織の波長依存光学的透明度を測定するために、幾つかの光学波長を利用し得る。
【0069】
例えば、光学的透明度センサ134は、組織内に見出される他の分子よりも水によってより容易に吸収される第1の波長、およびヒトの組織全体にわたって見出される特定のタンパク質によってより容易に吸収される第2の波長を使用し得る。電気外科エネルギーが組織に印加されると、2つの波長の吸収特性が比較され得る。外科医が、あまりにも多くの圧力を組織に加えて、組織が顎部材から外に「絞り出される」ようにする場合、両波長は、組織が顎部材の間で「薄くなり」つつあるので、光の透過性の増加を有するはずである。しかしながら、第1の波長(水によってより容易に吸収される波長)だけが光の透過性の増加を有し、一方、第2の波長は、その光の透過性測定値を維持する場合、第1の波長の光の透過性が変化した理由は、水の蒸発による可能性がより大きい。したがって、光学的透明度センサ134は、光学的透明度センサ測定値を電気外科発電機102に通信して、例えば波分割多重化を使用して波長依存光学的透明度を測定するために、複数の光学波長を使用し得る。
【0070】
図面を参照すると、図3は流れ図であり、該流れ図は、センサを備えた電気外科器具を含む電気外科システムを使用するための方法300を示す。方法300は、ステップ302から始まり、電気外科システムを提供すること304を包含する。ステップ302の電気外科システムは、図1、図2A、図2Bに示されるような電気外科システム100、単極電気外科システム、または双極電気外科システムであり得る。ステップ304の電気外科システムは、光学的透明度センサと制御コンポーネントとを含む。方法300は、ステップ306をさらに含み、ステップ306は、(ステップ304の)電気外科システムの光学的透明度センサを作動させて、(ステップ304の)電気外科システムの制御コンポーネントと通信する。ステップ306のセンサは、図1のセンサ128であり得、光学的透明度センサ134を含む。さらに、制御コンポーネントは、図1の制御コンポーネント110であり得る。さらに、方法300は、センサデータをモニタリングすること308を包含する。ステップ308のセンサデータは、ケーブル136を介して制御コンポーネント124に通信され得、該センサデータは、図1の受信モジュール126によって受信される。
【0071】
本開示の幾つかの実施形態が図面に示されたが、本開示がそれらに限定されるものとは意図されていない。なぜならば、本開示は、当技術分野が許す限り範囲が広く意図され、本明細書も同様に読まれることが意図されているからである。したがって、上述は、限定するものとして解釈されるべきではなく、特定の実施形態の単なる例示として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付された請求項の範囲および精神内で他の変更に想到する。
【符号の説明】
【0072】
100 電気外科システム
102 電気外科発電機
104 電気外科器具
106 ケーブル
108 給電
110 制御コンポーネント
112 マイクロコントローラ
114 電気外科エネルギー源
116 RF出力ステージ
118 波形コントローラ
120 デジタルアナログ変換器
122 電子信号増幅器
124 制御アルゴリズム
126 受信モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気外科システムであって、
電気外科手術の間に使用するための電気外科エネルギーを生成するように構成された電気外科発電機と、
該電気外科発電機に動作可能に結合され、組織を治療するように構成された電気外科器具と、
該電気外科発電機に動作可能に結合された光学的透明度センサであって、少なくとも2つの光学周波数によって組織を測定するように適合された、光学的透明度センサと、
制御コンポーネントであって、該制御コンポーネントは、該光学的透明度センサに動作可能に結合され、該光学的透明度センサからセンサデータを受信するように構成され、該制御コンポーネントは、制御命令を該電気外科発電機に通信して、該電気外科エネルギーの該生成を制御するように構成されている、制御コンポーネントと
を備えている、電気外科システム。
【請求項2】
前記センサデータは、組織の少なくとも1つの光学的透明度測定値を含み、前記制御コンポーネントは、約60℃よりも低い組織に対応する該少なくとも1つの光学的透明度測定値に対応して、電気外科エネルギーを生成するように電気外科発電機に命令する、請求項1に記載の電気外科システム。
【請求項3】
前記センサデータは、組織の少なくとも1つの光学的透明度測定値を含み、前記制御コンポーネントは、約100℃よりも低い該少なくとも1つの光学的透明度測定値に対応して、電気外科エネルギーを生成するように電気外科発電機に命令する、請求項1に記載の電気外科システム。
【請求項4】
前記センサデータは、組織の少なくとも1つの光学的透明度測定値を含み、前記制御コンポーネントは、所定の範囲にある該少なくとも1つの光学的透明度測定値に対応して、電気外科エネルギーを生成するように電気外科発電機に命令する、請求項1に記載の電気外科システム。
【請求項5】
前記センサデータは、組織の少なくとも1つの光学的透明度測定値を含み、前記制御コンポーネントは、該少なくとも1つの光学的透明度測定値が、所定の範囲内にある組織水和に対応するとき、電気外科エネルギーを生成するように電気外科発電機に命令する、請求項1に記載の電気外科システム。
【請求項6】
前記センサデータは、組織の少なくとも1つの光学的透明度測定値を含み、前記制御コンポーネントは、該少なくとも1つの光学的透明度測定値が、所定の範囲内に入るとき、電気外科エネルギーを生成するように電気外科発電機に命令する、請求項1に記載の電気外科システム。
【請求項7】
前記電気外科器具は、
シャフトであって、該シャフトは、その遠位端に第1の顎部材および第2の顎部材を有し、該顎部材のうちの少なくとも1つは、該顎部材に配置された、組織に電気外科エネルギーを印加するように構成された電極を含み、該顎部材のうちの少なくとも1つは、該顎部材に配置された前記光学的透明度センサを含む、シャフトと、
該シャフトに動作可能に結合された駆動アセンブリであって、該駆動アセンブリは、該第1の顎部材が該第2の顎部材に対して間隔が置かれた関係に配置される第1の位置から、第1の顎部材が組織を把持する第2の位置へ、該第2の顎部材に対して該第1の顎部材のうちの少なくとも1つを動かすように位置決め可能である、駆動アセンブリと、
該駆動アセンブリを作動させる可動ハンドルと
を含む、請求項1に記載の電気外科システム。
【請求項8】
前記電気外科器具は、
第1の顎部材を有する第1のシャフトと、
第2の顎部材を有する第2のシャフトであって、該第2のシャフトは、該第1のシャフトに旋回可能に接続され、該顎部材のうちの少なくとも1つは、該顎部材に配置された、組織に電気外科エネルギーを印加するように構成された電極を含み、該顎部材のうちの少なくとも1つは、該顎部材に配置された光学的透明度センサを含む、第2のシャフトと
を含む、請求項1に記載の電気外科システム。
【請求項9】
前記少なくとも2つの光学周波数のうちの1つの光学周波数は、基準であるように適合される、請求項1に記載の電気外科システム。
【請求項10】
前記少なくとも2つの光学周波数のうちの1つの光学周波数は、水によって実質的に吸収されるように適合される、請求項1に記載の電気外科システム。
【請求項11】
前記少なくとも2つの光学周波数のうちの1つの光学周波数は、水が、該光学周波数に対して実質的に半透明性であるように適合される、請求項1に記載の電気外科システム。
【請求項12】
前記少なくとも2つの光学周波数のうちの第1の光学周波数は、水によって実質的に吸収されるように適合され、該少なくとも2つの光学周波数のうちの第2の光学周波数は、水が、該第2の光学周波数に対して実質的に半透明性であるように適合される、請求項1に記載の電気外科システム。
【請求項13】
前記センサデータは、前記第1の光学周波数の第1の測定値と、前記第2の光学周波数の第2の測定値とを含み、前記電気外科発電機は、該第1の測定値を該第2の測定値と比較する、請求項12に記載の電気外科システム。
【請求項14】
前記センサデータは、前記第1の光学周波数の第1の測定値と、前記第2の光学周波数の第2の測定値とを含み、前記電気外科発電機は、組織水和、組織温度、光学的透明度および組織の厚さのうち少なくとも1つが判断されるように、該第1の測定値を該第2の測定値と比較する、請求項12に記載の電気外科システム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−46482(P2010−46482A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−191500(P2009−191500)
【出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(507362281)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (666)
【Fターム(参考)】