説明

センサネットワークシステム、および、通信経路設定方法

【課題】設備コストやエリア設計コストを最小限に抑えつつ、スマートメータの安定的な運用と、システムの障害耐性の向上を図る。
【解決手段】センサネットワークシステム100は、スマートメータに対応付けた複数のセンサノード110と、複数のセンサノードからデータを収集し、また、センサノードにデータを配信するゲートウェイ機器112と、ゲートウェイ機器からデータを受信し、また、ゲートウェイ機器にデータを送信するセンター装置114とを備え、センサノード間およびセンサノードとゲートウェイ機器との間は無線通信が実行され、ゲートウェイ機器とセンター装置との間は有料通信網を通じた無線通信が実行される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のセンサノードから情報を収集するセンサネットワークシステム、および、通信経路設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガス事業者や電力事業者は、需要者が消費したガスや電力の使用量を積算するため、需要箇所にガスメータや電力メータを配置している。また、近年では、通信機能を備え、ガス事業者や電力事業者との間で双方向にデータ通信を行い、ガスや電気の使用量を自動的に遠隔検針したり、ガス事業者や電力事業者から需要先の家電製品を制御することが可能なスマートメータが脚光を浴びている。かかるスマートメータは、ガスや電力といったインフラ網の安全性や利用効率を高めるための情報源としても利用できる。
【0003】
また、上述したスマートメータとガス事業者や電力事業者とのデータ通信を実現すべく様々な手段が提案されている。例えば、(1)スマートメータに近距離の無線機を設け、メッシュ型のネットワークを形成したり、(2)3GやLTE(Long Term Evolution)といった携帯電話網によってスター型のネットワークを形成したり、(3)電力線通信によるスター型のネットワークを形成することが考えられる。
【0004】
また、メッシュ型のネットワークの応用として、基幹ネットワークと無線LANによるアドホック通信とを併設し、基幹ネットワークの障害時においてアドホック通信に切り替えることでスマートメータを安定して運用する技術が知られている(例えば、特許文献1)。また、ネットワークのルーティングに関する技術も公開されている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−065422号公報
【特許文献2】特開2012−105258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述した(1)メッシュ型のネットワークでは、近距離の無線機に対するカバーエリアの設計コスト、データを無線機から集約する基地局の設備および敷設コスト、基地局の維持管理コスト等が高いという問題が顕在し、特に、基地局のエリア設計、基地局を配設する電柱の移設や埋設等によるカバーエリアの再設定等の維持管理は困難を極める。
【0007】
また、メッシュ型のネットワークは、無線機同士が近距離に配されてはじめて成り立つので、相当量の無線機を配置しないとネットワークを稼働することができない。したがって、稼働可能となるまで時間を要し、投資回収が遅延する。
【0008】
また、(2)携帯電話網によるスター型のネットワークでは、データを移動する度に通信料金を要するので、全ての携帯電話端末で通信を実行するとコストが膨大となる。かかる通信コストが、人手で検針するより高くなるのであれば自動化する意義がなくなってしまう。また、携帯電話端末は、多くの電力を要するので、電池では足りず、別途、電源の供給手段を準備しなければならない。
【0009】
また(3)電力線通信によるスター型のネットワークでは、ガスメータに接続した場合の誘雷の危険性を回避することができない。
【0010】
本発明は、このような課題に鑑み、設備コストやエリア設計コストを最小限に抑えつつ、スマートメータの安定的な運用と、システムの障害耐性の向上を図ることが可能なセンサネットワークシステム、および、通信経路設定方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明のセンサネットワークシステムは、スマートメータに対応付けた複数のセンサノードと、複数のセンサノードからデータを収集し、また、センサノードにデータを配信するゲートウェイ機器と、ゲートウェイ機器からデータを受信し、また、ゲートウェイ機器にデータを送信するセンター装置と、を備え、センサノード間およびセンサノードとゲートウェイ機器との間は無線通信が実行され、ゲートウェイ機器とセンター装置との間は有料通信網を通じた無線通信が実行されることを特徴とする。
【0012】
センサノードは、ゲートウェイ機器と無線通信可能な位置にあるセンサノードをランク1と対応付け、ランクn(n=1以上の整数)と無線通信可能な位置にあり、かつランク1〜nに対応付けられていないセンサノードをランクn+1に対応付けるランク設定部を備えていてもよい。
【0013】
ランク設定部は、ランクが上位のセンサノードと無線通信不能になると、無線通信可能なセンサノードのうち、ランクが最上位のセンサノードの1つ下位のランクに自己を対応付けてもよい。
【0014】
ランク設定部は、センサノードのランクを所定ランクまでに制限してもよい。
【0015】
センサノードは、自己のランクより上位のセンサノードからデータを受信し、データをブロードキャストするとともに、無線通信可能な範囲に自己のランクより下位のセンサノードがない場合、データのブロードキャストを制限するデータ送受信部をさらに備えていてもよい。
【0016】
上記課題を解決するために、本発明の通信経路設定方法は、スマートメータに対応付けた複数のセンサノードと、複数のセンサノードからデータを収集し、また、センサノードにデータを配信するゲートウェイ機器と、ゲートウェイ機器からデータを受信し、また、ゲートウェイ機器にデータを送信するセンター装置と、を備えたセンサネットワークシステムにおいて、センサノード間およびセンサノードとゲートウェイ機器との間は無線通信が実行され、ゲートウェイ機器とセンター装置との間は有料通信網を通じた無線通信が実行され、センサノードが、ゲートウェイ機器と無線通信可能な位置にあるセンサノードをランク1と対応付け、ランクn(n=1以上の整数)と無線通信可能な位置にあり、かつランク1〜nに対応付けられていないセンサノードをランクn+1に対応付けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、設備コストやエリア設計コストを最小限に抑えつつ、スマートメータの安定的な運用と、システムの障害耐性の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】センサネットワークシステムの概略的な構成を示した説明図である。
【図2】センサネットワークの接続関係を示した説明図である。
【図3】ゲートウェイ機器の概略的な構成を示した機能ブロック図である。
【図4】下位ランクテーブルを説明するための説明図である。
【図5】センサノードの概略的な構成を示した機能ブロック図である。
【図6】上位ランクテーブルを説明するための説明図である。
【図7】通信経路設定方法の処理の流れを示したフローチャートである。
【図8】通信経路設定方法の処理の流れを示したフローチャートである。
【図9】通信経路設定方法の処理の流れを示したフローチャートである。
【図10】通信経路設定方法の処理の流れを示したフローチャートである。
【図11】ランクを2に制限した場合のゲートウェイ機器とセンサノードとの位置関係を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0020】
(センサネットワークシステム100)
図1は、センサネットワークシステム100の概略的な構成を示した説明図である。図1に示すように、センサネットワークシステム100は、複数のセンサノード110と、複数のゲートウェイ機器112と、センター装置114とを含んで構成される。例えば、センサネットワークシステム100は、スマートメータに対応付けられる。スマートメータは、ガス事業者から需要者にガスを供給したり、電力事業者から需要者に電気を供給する場合に用いられ、少なくともガスや電気の使用量を自動検針する装置である。
【0021】
センサノード110は、スマートメータそれぞれに対応し、少なくともスマートメータで利用されるデータの送受信を行う。ゲートウェイ機器112は、センサノード110同様、スマートメータに対応させることができ、1または複数のセンサノード110のデータを収集し、また、1または複数のセンサノード110に対してデータを配信する。センター装置114は、コンピュータ等で構成され、ガス事業者や電力事業者といったセンサネットワークシステム100の管理者側に属する機器で、1または複数のゲートウェイ機器112のデータを収集し、また、1または複数のゲートウェイ機器112に対してデータを配信する。
【0022】
ここで、ゲートウェイ機器112とセンター装置114との間は、例えば、基地局116を含む携帯電話網やPHS(Personal Handyphone System)網等の、通信量に応じて通信料が生じる既存の有料通信網を通じた無線通信が実行される。また、センサノード110同士およびセンサノード110とゲートウェイ機器112との間は、例えば、920MHz帯を利用するスマートメータ用無線システム(U−Bus Air)を通じた無線通信が実行される。かかるセンサノード110同士およびセンサノード110とゲートウェイ機器112との間の無線通信は無料であることを想定しているが、有料か無料かは問わず、少なくともゲートウェイ機器112とセンター装置114との間の無線通信より通信コストが低ければよい。このような無線通信により、ゲートウェイ機器112は、有料通信網を通じて、センター装置114と接続されると共に、スマートメータ用無線システムを通じて各センサノード110と接続される。
【0023】
本実施形態では、複数の需要者それぞれに対してスマートメータが配置されている。また、スマートメータにはそれぞれセンサノード110もしくはゲートウェイ機器112が対応付けられ、センター装置114は、そのセンサノード110もしくはゲートウェイ機器112を通じてスマートメータの情報を収集、または、スマートメータを制御する。したがって、センサノード110やゲートウェイ機器112が、需要者が存在するあらゆる位置に配置されることとなる。
【0024】
ここでは、ゲートウェイ機器112において、スマートメータ用無線システムと有料通信網とを併用し、スマートメータ用無線システム専用の基地局を別途設けることなく、既存の有料通信網を利用することで、センター装置114とセンサノード110との通信を簡易かつ安価に確立することができる。また、ゲートウェイ機器112とその周囲の複数のセンサノード110との組み合わせにおいて、ゲートウェイ機器112のみが有料通信網を利用し、他のセンサノード110はすべて通信料が生じないスマートメータ用無線システムを利用している。したがって、通信コストを格段に削減することが可能となる。
【0025】
上記スマートメータ用無線システムは、近距離無線を想定しているので、無線通信に費やす電力は比較的少ない。したがって、センサノード110の電源は、電池等で賄うことができ、センサネットワークシステム100の消費電力を削減することが可能となる。また、有料通信網は、スマートメータ用無線システムと比べると相対的に電力を消費し易いので、大容量の電池もしくは別途の電源を要する。ただし、センサノード110に対してゲートウェイ機器112の絶対数が少ないので、全てのスマートメータから携帯電話網を利用する場合に比べ、消費電力を極めて低く抑えることができる。以下、センサノード110やゲートウェイ機器112の配置について詳述する。
【0026】
(センサネットワークシステム100の接続関係)
図2は、センサネットワークの接続関係を示した説明図である。図2に示すように、本実施形態では、センター装置114に複数のゲートウェイ機器112が接続され、そのゲートウェイ機器112それぞれに対して複数のセンサノード110が接続される。
【0027】
ただし、上述したようにセンサノード110は、近距離無線で実現されているため、必ずしもゲートウェイ機器112と無線通信を確立できるとは限らない。その場合、センサノード110は、無線通信可能な他のセンサノード110をホップしてゲートウェイ機器112に接続される。
【0028】
センサネットワークシステム100では、センサノード110のホップ数を表すために、各センサノード110に段階的なランクを付与し、そのランクによってセンサノード110を管理する。例えば、図2に示すように、ゲートウェイ機器112をランク0と仮定し、ゲートウェイ機器112とホップ無しで直接接続されるセンサノード110をランク1とする。それ以降は、ホップ数に応じてランクの序数を1ずつインクリメントする。ここでは、ランクが上位な程、序数が小さく、ランクが下位な程、序数が大きくなる。
【0029】
こうして、図2のようにランクが付与されると、センター装置114と各センサノード110とで交換されるデータは、ランクに従った順にホッピングして伝達される。例えば、センター装置114からランク2のセンサノード110にデータを伝達する場合、そのデータは、ランク0に相当するゲートウェイ機器112およびランク1のセンサノード110を経由して伝達される。以下、ゲートウェイ機器112およびセンサノード110の概略的な構成を挙げ、センサネットワークシステム100上の接続関係がどのように築かれるかを述べる。
【0030】
(ゲートウェイ機器112)
図3は、ゲートウェイ機器112の概略的な構成を示した機能ブロック図である。ゲートウェイ機器112は、通信部130と、記憶部132と、中央制御部134とを含んで構成される。通信部130は、センター装置114(基地局116)と有料通信網を通じて無線通信を確立するとともに、センサノード110と無線通信を確立する。記憶部132は、ROM、RAM、フラッシュメモリ、HDD等で構成され、ゲートウェイ機器112に用いられるプログラムや各種データ、例えば、後述する下位ランクテーブルを記憶する。
【0031】
中央制御部134は、CPUやDSP(Digital Signal Processor)で構成され、記憶部132に格納されたプログラムを用い、ゲートウェイ機器112全体を制御する。また、中央制御部134は、ビーコン発信部142、テーブル生成部144、テーブル送信部146、データ送受信部148として機能する。
【0032】
ビーコン発信部142は、予め定められた所定時間、例えば5秒毎に、自己を識別するための情報、例えば、識別子(ID)、ランク(ランク0)を含むビーコンを、通信部130を通じて外部に発信(ブロードキャスト)する。
【0033】
テーブル生成部144は、予め定められた所定時間、例えば1時間毎に、センサノード110から受信したビーコンに応じて、下位ランクテーブルを生成する。
【0034】
図4は、下位ランクテーブルを説明するための説明図である。下位ランクテーブル170には、ビーコンを受信した1または複数のランク1のセンサノード110それぞれの識別子、ランク(ランク1に固定)、電界強度、電池残量(または過去の通信回数)、下位ランクテーブル170が含まれる。ここでは、下位ランクテーブル170に、さらに下位ランクのセンサノード110に関する下位ランクテーブル170が含まれる。したがって、ゲートウェイ機器112を通じて情報を伝達可能な全てのセンサノード110に関する下位ランクテーブル170が含まれることとなる。
【0035】
図3に戻って説明すると、テーブル送信部146は、予め定められた所定時間、例えば1日(24時間)毎に、当該ゲートウェイ機器112で保持する最新の下位ランクテーブル170をセンター装置114に送信する。
【0036】
データ送受信部148は、ビーコン発信部142によるビーコンの発信タイミングで、通信部130を通じ、センター装置114からデータを受信するとともに、受信したデータを送信(ブロードキャスト)する。また、データ送受信部148は、センサノード110から受信したデータをセンター装置114に送信する。
【0037】
(センサノード110)
図5は、センサノード110の概略的な構成を示した機能ブロック図である。センサノード110は、通信部150と、記憶部152と、中央制御部154とを含んで構成される。通信部150は、ゲートウェイ機器112や他のセンサノード110と無線通信を確立する。記憶部152は、ROM、RAM、フラッシュメモリ、HDD等で構成され、センサノード110に用いられるプログラムや各種データ、例えば、下位ランクテーブル170や後述する上位ランクテーブルを記憶する。
【0038】
中央制御部154は、CPUやDSPで構成され、記憶部152に格納されたプログラムを用い、センサノード110全体を制御する。また、中央制御部154は、ランク設定部160、ビーコン発信部162、テーブル生成部164、テーブル送信部166、データ送受信部168として機能する。
【0039】
ランク設定部160は、自己のセンサノード110のランクを設定する。具体的に、ランク設定部160は、ゲートウェイ機器112と無線通信可能な位置にあるセンサノード110をランク1と対応付け、ランクn(n=1以上の整数)と無線通信可能な位置にあり、かつランク1〜nに対応付けられていないセンサノード110をランクn+1に対応付ける。すなわち、ランク0に相当するゲートウェイ機器112と無線通信可能な位置にあるセンサノード110全てをランク1とし、ランクn(nは1以上の整数)のセンサノード110と無線通信可能な位置にあるセンサノード110全てをランクn+1とする。
【0040】
したがって、ランク設定部160は、自己が無線通信可能なゲートウェイ機器112または他のセンサノード110のうち、ランクが最上位(序数が最小値)となる1または複数のセンサノード110を上位ランクのセンサノード110(またはゲートウェイ機器112)とし、1つ下位のランクを自己のランクとして設定することとなる。こうして、ゲートウェイ機器112またはセンサノード110と無線通信可能な全てのセンサノード110をランク付けすることが可能となる。
【0041】
このとき、図2にも示したように、センサノード110は、自己のランクより1つ上位の1または複数のセンサノード110と、自己のランクより1つ下位の1または複数のセンサノード110と通信接続されることとなる。なお、自己と同一のランクのセンサノード110とは通信接続されない。
【0042】
このように、無線通信可能なセンサノード110を上位と下位に複数有することで、何らかの事情により、いずれか1のセンサノード110が機能しなくなったとしても、センサネットワークシステム100として、他の通信ルートを確保することができる。したがって、スマートメータの安定的な運用と、システムの障害耐性の向上を図ることが可能となる。
【0043】
ところで、ゲートウェイ機器112とセンサノード110間や、センサノード110同士は無線通信により接続されるため、電波環境やセンサノード110の出力電力に応じて、無線通信可能なセンサノード110が無線通信不能となったり、無線通信不能であったセンサノード110が無線通信可能となったりする。したがって、センサノード110は、そのときの状況に応じて、自己が位置すべきランクに遷移し、上位ランクのセンサノード110や下位ランクのセンサノード110を更新する。
【0044】
例えば、ランク設定部160は、ランクが上位のセンサノード110と無線通信不能になると、無線通信可能なセンサノード110のうち、ランクが最上位(序数が最小値)のセンサノード110の1つ下位のランクを自己のランクとして設定する。自己のランクが遷移すると、自己と無線通信可能な下位ランクのセンサノード110も遷移することがある。こうして、ランクによる無線通信可能なセンサノード110の管理を維持することができる。
【0045】
ビーコン発信部162は、予め定められた所定時間、例えば5秒毎に、自己を識別するための情報、例えば、識別子、ランク設定部160が設定したランクを含むビーコンを、通信部150を通じて外部に発信(ブロードキャスト)する。
【0046】
図5に戻って説明すると、テーブル生成部164は、予め定められた所定時間、例えば1時間毎に、他のセンサノード110から受信したビーコンに応じて、上位ランクテーブルと下位ランクテーブル170を生成する。下位ランクテーブル170は、ゲートウェイ機器112で用いられる下位ランクテーブル170と実質的に等しいので、ここでは、上位ランクテーブルのみ説明する。
【0047】
図6は、上位ランクテーブルを説明するための説明図である。上位ランクテーブル172には、自己のランクより1つ上位の1または複数のセンサノード110それぞれの識別子、ランク、電界強度、電池残量(または過去の通信回数)が含まれる。
【0048】
例えば、図6(a)に示すように、ランク1のセンサノード110では、ランク設定部160が自己をランク1と設定するので、テーブル生成部164は、上位ランクテーブル172にランク0であるゲートウェイ機器112を示す。また、図6(b)に示すように、ランク2のセンサノード110では、ランク設定部160が自己をランク2と設定するので、テーブル生成部164は、上位ランクテーブル172にランク1のセンサノード110を示す。
【0049】
テーブル送信部166は、予め定められた所定時間、例えば1時間毎に、ゲートウェイ機器112または他のセンサノード110の要求に応じて、当該センサノード110で保持している情報のうち、ビーコン(識別子、ランク)に含まれない(ビーコンのみでは伝達されない)が、下位ランクテーブル170の生成に必要な情報、例えば、センサノード110の電池残量、および、センサノード110の最新の下位ランクテーブル170(以下、単に不足情報という)を、要求のあったゲートウェイ機器112またはセンサノード110に送信する。
【0050】
データ送受信部168は、ビーコン発信部162によるビーコンの発信タイミングで、通信部150を通じて、ゲートウェイ機器112またはセンサノード110からデータを受信するとともに、受信したデータを他のセンサノード110に送信(ブロードキャスト)する。また、データ送受信部168は、センサノード110から受信したデータをゲートウェイ機器112または他のセンサノード110に送信する。
【0051】
ただし、上述したように、センサノード110は、ゲートウェイ機器112と直接無線通信ができない場合、無線通信が可能な他のセンサノード110をホップしてゲートウェイ機器112に接続される。そこで、データ送受信部168は、センサノード110毎に設定されたランクに基づいて、データを受信し、また、送信する。ここでは、センター装置114から送信対象であるセンサノード110へのデータのダウンリンクと、センサノード110からセンター装置114へのデータのアップリンクに分けて、データの接続経路(ルーティング)を説明する。
【0052】
ダウンリンクでは、まず、センター装置114が、送信対象であるセンサノード110とともに下位ランクテーブル170に含まれる全てのセンサノード110の識別子を電文に示し、その下位ランクテーブル170を有するゲートウェイ機器112に送信する。ゲートウェイ機器112は、ランク1のセンサノード110にデータを送信し、順次、下位のランクのセンサノード110にデータを送信させて最終的な送信対象であるセンサノード110にデータを伝達する。
【0053】
このとき、ゲートウェイ機器112や各センサノード110のデータ送受信部148、168は、a.平均電界強度が最大となるセンサノード110、b.消費電力が分散されるセンサノード110、c.通信トラフィックが分散されるようなセンサノード110から選択される1または複数のパラメータを勘案した関数により、最適なセンサノード110を送信先として選択する。
【0054】
また、データを受信した、送信対象であるセンサノード110は、応答データを、d.データが到来したルートによって返信する、または、e.上位ランクテーブル172中、最も電界強度が高い相手を通じて返信するのいずれかの手段を選択する。このとき、返信に失敗した場合には、別ルートを選択して再送することで、返信の到達率を高めることができる。
【0055】
アップリンクでは、センサノード110のデータ送受信部168が、上位ランクテーブル172中、最も電界強度が高い相手を通じてデータを送信し、受信したセンサノード110もまた、最も電界強度が高い相手を通じてデータを送信する。その際、ルートに含まれることになったセンサノード110は、自己の識別子を電文に示す。このとき、送信に失敗した場合には、別ルートを選択して再送することで、送信の到達率を高めることができる。また、データを受信したセンター装置114は、電文に示されたルートに従い、同ルートで応答データを送信する。
【0056】
(通信経路設定方法)
上述したセンサネットワークシステム100では、それぞれの無線通信に関して、(1)5秒毎にビーコン発信、(2)1時間毎に上位ランクテーブル172および下位ランクテーブル170を更新、(3)1日毎にゲートウェイ機器112がセンター装置114に下位ランクテーブル170を送信、の3つの通信タイミングを有している。
【0057】
(1)5秒毎にビーコンを発信しているのは、センサネットワークシステム100全体のレスポンスタイムを上げるためであり、データ送受信部148、168は、データの送信事由が生じた場合に、ビーコン発信部162によるビーコンの発信タイミングで、遅くても事由が生じてから5秒以内にデータを送信する。
【0058】
(2)1時間毎に上位ランクテーブル172および下位ランクテーブル170を更新しているのは、センサネットワークシステム100の健全性を図るのが目的であり、ゲートウェイ機器112は、1時間毎に下位ランクテーブル170が変更されていないことを確認し、変更が生じた場合(アラームが生じた場合)には、センター装置114にその旨を送信する。
【0059】
(3)1日毎にゲートウェイ機器112がセンター装置114に下位ランクテーブル170を送信しているのは、センサネットワークシステム100が正常に機能していることを確認するためである。ここでは、ゲートウェイ機器112からの下位ランクテーブル170の送信を1日毎とすることで、ゲートウェイ機器112の有料通信網の利用を最小限に留めることができ、通信コストを削減することが可能となる。
【0060】
こうして、通信コストを削減しつつ、センター装置114とセンサノード110との情報の伝達を迅速に行うことが可能となる。
【0061】
図7〜図10は、通信経路設定方法のうちセンサノード110のランク設定の処理の流れを示したフローチャートである。特に、図7、図8は、ゲートウェイ機器112の処理を、図9、図10はセンサノード110の処理を示し、また、図7、図9は、タイマによって定期的に割り込みが生じるタイマ割込処理を、図8、図10は、ビーコンの受信に応じて割り込みが生じる受信割込処理を示す。
【0062】
上述したように、センサノード110は、移動や電波環境の変化に応じてランクが遷移する。ただし、ゲートウェイ機器112はランクの遷移はない(ランク0に固定)。また、時間の経過をカウントすべく、機器日カウンタ、機器時カウンタ、ノード時カウンタが作動している。
【0063】
図7を参照すると、所定時間、ここでは5秒毎にゲートウェイ機器112においてタイマ割込が発生する。テーブル送信部146は、機器日カウンタの計数値が例えば1日に相当する値(1日/5秒=17280)に到達したか否か判定する(S200)。
【0064】
その結果、機器日カウンタが1日に到達すると(S200におけるYES)、テーブル送信部146は、自己で管理している下位ランクテーブル170を、有料通信網を通じてセンター装置114に送信する(S202)。そして、テーブル送信部146は、機器日カウンタをリセットする(S204)。また、機器日カウンタが1日に到達していないと(S200におけるNO)、テーブル送信部146は、機器日カウンタを1だけインクリメントする(S206)。こうして、1日毎に最新の下位ランクテーブル170をセンター装置114にアップロードできる。
【0065】
次に、テーブル生成部144は、機器時カウンタの計数値が例えば1時間に相当する値(1時間/5秒=720)に到達したか否か判定する(S208)。その結果、機器時カウンタが1時間に到達すると(S208におけるYES)、テーブル生成部144は、機器更新許可フラグをONする(S210)。かかる機器更新許可フラグは、センサノード110から受信した情報を更新するためのフラグである。そして、テーブル生成部144は、機器時カウンタをリセットする(S212)。また、機器時カウンタが1時間に到達していないと(S208におけるNO)、テーブル生成部144は、機器時カウンタを1だけインクリメントする(S214)。こうして、1時間毎に下位ランクテーブル170を更新することができる。
【0066】
続いて、ビーコン発信部142は、自己を識別するための情報、例えば、識別子、ランク(ランク0に相当)を含むビーコンを発信し(S216)、当該タイマ割込処理を終了する。ここでは、割込周期が5秒なので、ビーコンは5秒おきに発信されることとなる。
【0067】
図8を参照すると、ゲートウェイ機器112がセンサノード110からビーコンを受信した場合に、受信割込が発生する。テーブル生成部144は、機器更新許可フラグがONとなっているか否か判定する(S250)。その結果、機器更新許可フラグがONになっていれば、すなわち、1時間毎の更新タイミングが到来していれば(S250におけるYES)、テーブル生成部144は、受信したビーコンに基づいて自己の下位ランクテーブル170を更新し(S252)、機器更新許可フラグをOFFにする(S254)。また、機器更新許可フラグがONではなかったら(S250におけるNO)、当該受信割込処理を終了する。
【0068】
具体的に、テーブル生成部144は、新たに無線通信可能となったセンサノード110の追加、既存のセンサノード110の上書き、および、設定されているが無線通信不能となったセンサノード110の削除を行う。このとき、テーブル生成部144は、無線通信を通じて不足情報(ランク1のセンサノード110の電池残量、下位ランクテーブル170)を取得するとともに、ランク1のセンサノード110それぞれの電界強度を測定する。
【0069】
図9を参照すると、所定時間、ここでは5秒毎にセンサノード110においてタイマ割込が発生する。テーブル生成部164は、ノード時カウンタの計数値が例えば1時間に相当する値(1時間/5秒=720)に到達したか否か判定する(S300)。その結果、ノード時カウンタが1時間に到達すると(S300におけるYES)、テーブル生成部164は、ノード更新許可フラグをONする(S302)。かかるノード更新許可フラグは、機器更新許可フラグ同様、他のセンサノード110から受信した情報を更新するためのフラグである。そして、テーブル生成部164は、ノード時カウンタをリセットする(S304)。
【0070】
また、ノード時カウンタが1時間に到達していないと(S300におけるNO)、テーブル生成部164は、ノード時カウンタを1だけインクリメントする(S306)。こうして、1時間毎に下位ランクテーブル170を更新することができる。
【0071】
続いて、ビーコン発信部162は、自己を識別するための情報、例えば、識別子、ランクを含むビーコンを発信し(S308)、当該タイマ割込処理を終了する。ここでは、割込周期が5秒なので、ビーコンは5秒おきに発信されることとなる。
【0072】
図10を参照すると、センサノード110が他のセンサノード110からビーコンを受信した場合、受信割込が発生する。ランク設定部160は、ノード更新許可フラグがONとなっているか否か判定する(S350)。その結果、ノード更新許可フラグがONになっていれば、すなわち、1時間毎の更新タイミングが到来していれば(S350におけるYES)、受信したビーコンに自己のランクより上位ランクのセンサノード110があるか否か判定し(S352)、上位ランクのセンサノード110があれば(S352におけるYES)、ステップS354に処理を移し、上位ランクのセンサノード110がなければ(S352におけるNO)、ステップS358に処理を移行する。また、ノード更新許可フラグがONではなかったら(S350におけるNO)、当該受信割込処理を終了する。
【0073】
上位ランクのセンサノード110があれば、ランク設定部160は、自己のランクより2以上上位ランクのセンサノード110があるか否か判定し(S354)、2以上上位のセンサノード110があれば(S354におけるYES)、ランク設定部160は、自己のランクとして、そのセンサノード110の1つ下位のランクを設定することで、センサノード110のランクを上位に遷移させる(S356)。また、2以上上位ランクのセンサノード110がなければ(S354におけるNO)、ステップS364に処理を移行する。
【0074】
また、上位ランクのセンサノード110がなければ(S352におけるNO)、ランク設定部160は、受信したビーコンにセンサノード110(の識別子)があるか否か判定し(S358)、センサノード110があれば(S358におけるYES)、無線通信可能なセンサノード110のうち、ランクが最上位のセンサノード110の1つ下位のランクを設定することで、センサノード110のランクを下位に遷移させ(S360)、ステップS364に処理を移行する。また、センサノード110がなければ(S358におけるNO)、ランク設定部160は、自己を、ランクのないセンサノード110、すなわち、スタンドアロンのセンサノード110として設定して(S362)、ステップS364に処理を移行する。
【0075】
そして、テーブル生成部164は、受信したビーコンに基づいて自己の上位ランクテーブル172を更新するとともに(S364)、下位ランクテーブル170を更新して(S366)、ノード更新許可フラグをOFFにし(S368)、当該受信割込処理を終了する。具体的に、テーブル生成部164は、新たに無線通信可能となったセンサノード110の追加、既存のセンサノード110の上書き、および、設定されているが無線通信不能となったセンサノード110の削除を行う。このとき、ランク設定部160は、無線通信を通じて不足情報(センサノード110の電池残量、下位ランクテーブル170)を取得するとともに、センサノード110それぞれの電界強度を測定する。
【0076】
(ランクの制限)
上述した実施形態では、ランクを無制限に付与することで、データの伝達率の向上を図った。ただし、本実施形態のセンサノード110を対応させるスマートセンサは需要者毎に固定されるので、その位置を管理(把握)できる。したがって、ゲートウェイ機器112の数や、ゲートウェイ機器112間の距離を調整することで、ランクの最下位を制限することができる。ここでは、ランク設定部160が、センサノード110のランクを所定ランクまで(序数が所定値以下)に制限する例を挙げる。
【0077】
このようにランクの最下位が決定されている場合において、自己のランクが最下位(序数が最大値)と等しいとき(=エンドセンサノード)、それより下位のセンサノード110が存在しないので、センサノード110のデータ送受信部168は、データを送信(ブロードキャスト)する必要がない。こうして、ランクの序数が最大であるセンサノード110の消費電力を低減することが可能となる。以下、ランクを2以下に制限した例を挙げて説明する。
【0078】
図11は、ランクを2に制限した場合のゲートウェイ機器112とセンサノード110との位置関係を示した説明図である。ここでは、仮に、センサノード110が網目状に配置されているとし、ゲートウェイ機器112を任意の位置に配置した。
【0079】
図11(a)に示すように、4つのセンサノード110によって形成される正方形400の辺の長さをTNode、面積をSNodeとし、ゲートウェイ機器112の通信可能範囲に相当する円402の半径をR1st、面積をS1stとする。S1st>>SNodeの条件下において、S1st内に存在するセンサノード110の数N1stは、以下の数式1で近似できる。
1st=S1st/SNode=(π・R1st)/TNode…(数式1)
【0080】
ここで、ゲートウェイ機器112のセンサノード110に対する比率を1/10程度にすべく、N1st>>10とすると、以下の数式2の関係が導き出される。
(π・R1st)/TNode>>10
1st/TNode>>√(10/π)≒1.8…(数式2)
【0081】
ゲートウェイ機器112の通信可能範囲に相当する円402の半径R1st、すなわち、電界強度(送信側電力および受信側感度に依存)がセンサノード110間の距離TNodeの1.8倍以上(例えば、20mW以上)となれば、1のゲートウェイ機器112によってホップ無しで10のセンサノード110と無線通信が可能ということになる。
【0082】
また、図11(b)に示すように、ゲートウェイ機器112間の距離を半径R1stの2倍とした場合(ゲートウェイ機器112の通信可能範囲に相当する円402が接するように配置した場合)に、その周囲にある全てのセンサノード110が、1のゲートウェイ機器112を中心とする半径R1stの円402内に存在しつつ、他のゲートウェイ機器112を中心とする半径2×R1stの円404内に存在していることがわかる。これは、1のゲートウェイ機器112が、交換等、何らかの事情により機能しない場合であっても、ランク2に遷移し1ホップを経由すれば、他のゲートウェイ機器112と接続可能なことを意味する。したがって、スマートメータの安定的な運用と、システムの障害耐性の向上を図ることが可能となる。
【0083】
このように、ランクを2に制限した場合であっても、1のゲートウェイ機器112に10のセンサノード110を管理させることができる。また、メンテナンスや交換によってゲートウェイ機器112やセンサノード110が一時的に機能しなくても、他のセンサノード110を通じて通信経路を維持できるので、センサネットワークシステム100の稼働を維持できる。
【0084】
したがって、例えば、既存のガスメータや電気メータをスマートメータに交換する場合、10回(ガスメータのライフサイクルが10年であれば、1回/年交換)に分けて交換することが可能となる。例えば、1回目に適当な間隔を空けて10%のガスメータをスマートメータに交換する。この際、スマートメータにはゲートウェイ機器112を対応付ける。そして、それ以降は、毎回10%のガスメータをスマートメータに交換し、それにセンサノード110を対応付けるだけでよい。こうして、容易に、センサネットワークシステム100を適用することが可能となる。
【0085】
以上、説明したように、本実施形態のセンサネットワークシステム100、および、通信経路設定方法によって、設備コストやエリア設計コストを最小限に抑えつつ、スマートメータの安定的な運用と、システムの障害耐性の向上を図ることが可能となる。
【0086】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0087】
また、コンピュータを、上記ゲートウェイ機器112やセンサノード110として機能させるプログラムや当該プログラムを記録した、コンピュータで読み取り可能なフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD、DVD、BD等の記憶媒体も提供される。ここで、プログラムは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理手段をいう。
【0088】
なお、本明細書の通信経路設定方法における各工程は、必ずしもフローチャートして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、複数のセンサノードから情報を収集するセンサネットワークシステム、および、通信経路設定方法に利用することができる。
【符号の説明】
【0090】
100 …センサネットワークシステム
110 …センサノード
112 …ゲートウェイ機器
114 …センター装置
142、162 …ビーコン発信部
144、164 …テーブル生成部
146、166 …テーブル送信部
148、168 …データ送受信部
160 …ランク設定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スマートメータに対応付けた複数のセンサノードと、
前記複数のセンサノードからデータを収集し、また、該センサノードにデータを配信するゲートウェイ機器と、
前記ゲートウェイ機器からデータを受信し、また、該ゲートウェイ機器にデータを送信するセンター装置と、
を備え、
前記センサノード間および該センサノードと前記ゲートウェイ機器との間は無線通信が実行され、該ゲートウェイ機器と前記センター装置との間は有料通信網を通じた無線通信が実行されることを特徴とするセンサネットワークシステム。
【請求項2】
前記センサノードは、
前記ゲートウェイ機器と無線通信可能な位置にあるセンサノードをランク1と対応付け、ランクn(n=1以上の整数)と無線通信可能な位置にあり、かつランク1〜nに対応付けられていないセンサノードをランクn+1に対応付けるランク設定部を備えることを特徴とする請求項1に記載のセンサネットワークシステム。
【請求項3】
前記ランク設定部は、ランクが上位のセンサノードと無線通信不能になると、無線通信可能なセンサノードのうち、ランクが最上位のセンサノードの1つ下位のランクに自己を対応付けることを特徴とする請求項2に記載のセンサネットワークシステム。
【請求項4】
前記ランク設定部は、前記センサノードのランクを所定ランクまでに制限することを特徴とする請求項2または3に記載のセンサネットワークシステム。
【請求項5】
前記センサノードは、
自己のランクより上位のセンサノードからデータを受信し、該データをブロードキャストするとともに、無線通信可能な範囲に自己のランクより下位のセンサノードがない場合、データのブロードキャストを制限するデータ送受信部をさらに備えることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載のセンサネットワークシステム。
【請求項6】
スマートメータに対応付けた複数のセンサノードと、該複数のセンサノードからデータを収集し、また、該センサノードにデータを配信するゲートウェイ機器と、該ゲートウェイ機器からデータを受信し、また、該ゲートウェイ機器にデータを送信するセンター装置と、を備えたセンサネットワークシステムにおいて、該センサノード間および該センサノードと該ゲートウェイ機器との間は無線通信が実行され、該ゲートウェイ機器と該センター装置との間は有料通信網を通じた無線通信が実行され、
前記センサノードは、
前記ゲートウェイ機器と無線通信可能な位置にあるセンサノードをランク1と対応付け、
ランクn(n=1以上の整数)と無線通信可能な位置にあり、かつランク1〜nに対応付けられていないセンサノードをランクn+1に対応付けることを特徴とする通信経路設定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−59125(P2013−59125A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2012−277864(P2012−277864)
【出願日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【出願人】(000220262)東京瓦斯株式会社 (1,166)
【Fターム(参考)】