説明

センサ機器及びこれを備えた制御システム

【課題】小型化を図ることのできるセンサ機器及びこれを備える制御システムを提供する。
【解決手段】第1センサ機器6は、センサ部と、このセンサ部から検知した検知情報を外部へと送信する信号重畳分離回路とを備えている。この第1センサ機器6は、直流供給線路Wdlcが接続される接続部を備えるとともに直流供給線路Wdlcを介して直流電力の供給を受けて駆動し、信号重畳分離回路は、検知情報と電力とを重畳した直流重畳信号として直流供給線路Wdlcを介して外部へと送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ部と、このセンサ部から検知した検知情報を外部へ送信する送信部とを備えるセンサ機器及びこれを備えた制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から熱線センサ等のセンサ機器を用いて、照明器具の点灯及び消灯を制御する制御システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような従来の制御システムを図15を参照して説明する。
【0003】
図15に示すように、制御システムCSは、商用電源である交流電源ACから複数の負荷の電力供給のオンオフを制御するリレーユニットRUに電力を供給する。リレーユニットRUは、スイッチSW及びセンサSCRとの間で電力線搬送通信を行っている。これにより、リレーユニットRUとスイッチSW及びセンサSCRとの間を電力線と信号線との両方にて配線する構成よりも配線構造が簡素化することができる。ここで、上記電力線搬送通信は、交流電圧に信号電圧を重畳するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−316982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、一般にセンサ機器は、直流電力にて駆動する。そのため、上記電力線搬送通信によりセンサ機器を駆動する場合、センサ機器内に設けられたAC/DCコンバータにより交流電力から直流電力に変換していた。したがって、センサ機器内には、AC/DCコンバータが設けられるスペースが必要となり、センサ機器が大型化してしまう問題があった。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、小型化を図ることのできるセンサ機器及びこれを備える制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、センサ部と、このセンサ部から検知した検知情報を外部へと送信する送信部とを備えるセンサ機器において、当該センサ機器は、電力線が接続される接続部を備えるとともに前記電力線を介して直流電力の供給を受けて駆動し、前記送信部は、前記検知情報と直流電力とを重畳した直流重畳信号として前記電力線を介して外部へと送信することを要旨とする。
【0008】
この発明によれば、接続部に電力線が接続されて、この電力線を介してセンサ機器に直流電力が供給されるため、センサ機器内に設けられるAC/DCコンバータを省略することができる。したがって、センサ機器の小型化を図ることができる。
【0009】
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のセンサ機器を複数個備えるとともに、前記各センサ機器と信号線を介してそれぞれ接続されるリレーユニットを備え、前記センサ機器から送信される検知情報を受信するとともにこの検知情報に基づいて前記リレーユニットが負荷機器の電力供給の制御を行う制御システムであって、前記センサ機器の各々には、固有のアドレスが割り振られ、前記各センサ機器には、自己のアドレスを前記リレーユニットに登録するアドレス設定部が設けられ、前記送信部は、前記直流重畳信号として前記アドレスと前記検知情報とを有する信号を前記リレーユニットに送信し、前記リレーユニットは、前記直流重畳信号を受信する受信部が設けられ、受信した直流重畳信号に含まれる検知情報及びアドレスに対応して前記負荷機器の電力供給の制御を行うことを要旨とする。
【0010】
この発明によれば、各センサ機器の小型化を図ることができるため、これらセンサ機器を備える制御システムの大型化を抑制することができる。さらに、センサ機器に固有のアドレスが割り振られることにより、リレーユニットがセンサ機器の個々の信号に対応した負荷機器の制御を行うことができる。
【0011】
(3)請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の制御システムにおいて、当該制御システムには、前記センサ機器に設定信号を送信して、前記負荷機器の制御に関する設定を行う設定器が設けられ、前記センサ機器は、人体検知を行うものであり、前記設定器は、前記センサ機器が人体検知したときを始点として、前記負荷機器の前記始点からの動作保持時間を前記センサ機器に設定し、前記センサ機器は、前記動作保持時間に基づいて前記リレーユニットに制御信号を送信することを要旨とする。
【0012】
この発明によれば、設定器とセンサ機器とが各別に設けられる構成であるため、センサ機器と設定器とが一体となる構成と比較して、センサ機器の負荷機器の制御に関する設定を容易に行うことができるようになる。
【0013】
詳細には、センサ機器と設定器とが一体となる構成では、センサ機器を一度設置した後に設定を変更するときには、センサ機器を一度取り外して、センサ機器に設けられた設定器を用いて設定した後、センサ機器を再度取り付ける必要があった。したがって、センサ機器の設定作業が煩雑であった。
【0014】
その点、本発明では、センサ機器とは各別に設けられた設定器により、このセンサ機器の設定を行うことが可能であるため、センサ機器を一度設置した後に設定を変更する場合にセンサ機器を取り外す作業及び再度取り付ける作業を省略することができる。
【0015】
また設定器がセンサ機器の動作保持時間の設定を行うため、センサ機器側に動作保持時間を設定する機構を省略することができる。したがって、センサ機器の小型化を図ることができる。
【0016】
(4)請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の制御システムにおいて、当該制御システムには、前記センサ機器に設定信号を送信して、前記負荷機器の制御に関する設定を行う設定器が設けられ、前記負荷機器は、照明負荷であり、前記センサ機器は、照度を検知し、前記設定器は、前記センサ機器が検知した照度が予め設定した照度の判定値以下のときに前記負荷機器を点灯するように前記センサ機器に設定することを要旨とする。
【0017】
この発明によれば、設定器とセンサ機器とが各別に設けられる構成であるため、センサ機器と設定器とが一体となる構成と比較して、センサ機器の負荷機器の制御に関する設定を容易に行うことができるようになる。
【0018】
詳細には、センサ機器と設定器とが一体となる構成では、センサ機器を一度設置した後に設定を変更するときには、センサ機器を一度取り外して、センサ機器に設けられた設定器を用いて設定した後、センサ機器を再度取り付ける必要があった。したがって、センサ機器の設定作業が煩雑であった。
【0019】
その点、本発明では、センサ機器とは各別に設けられた設定器により、このセンサ機器の設定を行うことが可能であるため、センサ機器を一度設置した後に設定を変更する場合にセンサ機器を取り外す作業及び再度取り付ける作業を省略することができる。
【0020】
また設定器がセンサ機器の照度の設定を行うため、センサ機器側に照度の設定のための機構を省略することができる。したがって、センサ機器の小型化を図ることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、小型化を図ることのできるセンサ機器及びこれを備える制御システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明のセンサ機器を備えた制御システムを具体化した第1の実施形態について、同制御システムの概略構成を示す模式図。
【図2】同実施形態のセンサ機器について、(a)同センサ機器の斜視構造を示す斜視図、(b)同センサ機器の側面構造を示す平面図。
【図3】同実施形態のセンサ機器のブロック図。
【図4】同実施形態の制御システムを構成するリレーユニットのブロック図。
【図5】同実施形態の制御システムについて、センサ制御処理のフローチャート。
【図6】同実施形態の制御システムについて、電力供給処理のフローチャート。
【図7】同実施形態の制御システムについて、センサとリレーユニットとの関係を示すタイムチャート。
【図8】同実施形態の制御システムについて、センサとリレーユニットとの関係を示すタイムチャート。
【図9】同実施形態の制御システムを備えた電力供給システムの概要を示すシステム図。
【図10】本発明のセンサ機器を備えた制御システムを具体化した第2の実施形態について、同制御システムの概略構成を示す模式図。
【図11】同実施形態のセンサ機器のブロック図。
【図12】同実施形態の制御システムを構成する設定器のブロック図。
【図13】本発明のセンサ機器を備えた制御システムを具体化した第3の実施形態について、同制御システムの概略構成を示す模式図。
【図14】同実施形態のセンサ機器のブロック図。
【図15】従来の制御システムの概略構成を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第1の実施形態)
図1〜図9を参照して、本発明のセンサ機器を備えた制御システムを具体化した第1の実施形態について説明する。
【0024】
制御システムは、電源が親器(例えば、リレーユニット)及び親器を介して複数個の子器(例えば、センサ機器)に電力線(信号線)によって接続されることにより、親器及び子器にそれぞれ電力が供給されている。そして親器及び子器の間では、信号線を介して信号の授受が行われている。
【0025】
各子器には固有のアドレスが設定され、親器には各子器の固有のアドレスが記憶されている。子器は親器へ送信する信号に自己のアドレスを載せることにより、親器はどの子器から信号が送信されたかを把握することができる。また、親器は子器へ送信する信号にアドレスを載せることにより、子器は自分のアドレスが載せられた信号のみを受信する。以上により、親器は複数個の子器を一括して管理している。
【0026】
具体的には図1に示すように、制御システム1は、商用電源である交流電源ACに接続されたAC/DCコンバータ2と、リレーユニット4と、スイッチ5と、第1センサ機器6及び第2センサ機器7とにより構成されている。
【0027】
交流電源ACとAC/DCコンバータ2との間は、交流系電力線Wacによって互いに接続されている。AC/DCコンバータ2は、リレーユニット4と直流系電力線Wdc1によって互いに接続されている。リレーユニット4とスイッチ5との間、及びスイッチ5と第1センサ機器6及び第2センサ機器7との間は、直流電力及びデータの両方を1対の線によって搬送可能な直流供給線路Wdlcによりそれぞれ互いに接続されている。また、リレーユニット4は、第1負荷L1及び第2負荷L2と直流系電力線Wdc2によってそれぞれ互いに接続されている。直流供給線路Wdlcは、直流電圧に高周波の搬送波によりデータを電送する通信信号を重畳する、いわゆる電力線搬送通信により、1対の線で電力及びデータの両方を搬送している。
【0028】
AC/DCコンバータ2は、交流電源ACを48Vの直流電力に変換して、リレーユニット4に供給している。リレーユニット4には、48Vの直流電圧を24Vの直流電圧に変換するDC/DCコンバータ(不図示)が設けられている。そしてリレーユニット4は、48Vの直流電力を第1負荷L1及び第2負荷L2に直流系電力線Wdc2を介して供給し、24Vの直流電力に信号電圧を重畳した電力信号をスイッチ5と第1センサ機器6及び第2センサ機器7に直流供給線路Wdlcを介して供給している。
【0029】
スイッチ5には、第1負荷L1及び第2負荷L2の電力供給のオンオフを押操作にて行う第1ハンドル5a及び第2ハンドル5bが設けられている。第1センサ機器6及び第2センサ機器7は、熱線センサによる人感検知センサ及び明るさセンサが設けられている。これらセンサ機器6,7の検知情報は、リレーユニット4に送信される。これにより、第1センサ機器6及び第2センサ機器7は、予め設定された領域において人の存在の検知とその領域内の明るさ(照度)の検知とを行っている。
【0030】
以上の構成により、制御システム1は、第1センサ機器6及び第2センサ機器7のそれぞれの検知情報をリレーユニット4に送信し、リレーユニット4は受信した検知情報に基づいて、第1負荷L1及び第2負荷L2の電力供給のオンオフを制御している。
【0031】
次に図2を参照して、第1センサ機器6の外観構造について説明する。なお第2センサ機器7は第1センサ機器6と外観構造が概ね共通であるため、その説明を省略する。
図2(a)に示すように、第1センサ機器6は、スイッチ装置10、化粧プレート11、集光レンズ12及び取付部材13から構成されている。第1センサ機器6は、スイッチ装置10に集光レンズ12が取り付けられた上で、このスイッチ装置10及び化粧プレート11を取付部材13に取り付けることにより組み立てられる。そして取付部材13によって、第1センサ機器6を例えば天井面に取り付けることにより、第1センサ機器6は天井面に保持されている。
【0032】
図2(b)に示すように、スイッチ装置10には、直流供給線路Wdlc(図1参照)が直接接続される接続部10aと、直流供給線路Wdlcからの直流電力の供給のオンオフを行うスイッチ要素(不図示)とが設けられている。このスイッチ装置10には、人体から放射される熱線を検知する熱線センサが実装されたプリント配線板(ともに不図示)が収納されている。熱線センサは、例えば焦電センサとこの焦電センサの出力を増幅する増幅回路とにより構成されている。またスイッチ装置10は、規格化された寸法(例えば、JIS C 8304に規定された大角連用型の既成の取付枠に3個まで取付可能な配線器具の1個分の寸法)に形成されている。
【0033】
化粧プレート11は、スイッチ装置10をその前方から覆う略円盤形状に形成されている。化粧プレート11の中央部には、熱線センサに熱線を入射させるための円形状の貫通孔である窓穴11aが設けられている。
【0034】
集光レンズ12は、プリント配線板に取り付けられるとともに、スイッチ装置10から前方に突出するように設けられている。そして集光レンズ12は、窓穴11aを閉塞するとともに熱線センサの受光面に熱線を集光している。
【0035】
取付部材13は、化粧プレート11及びスイッチ装置10が取り付けられる略円盤状の基部13aと、基部13aから後方に突出するとともに天井面に取り付けられる取付部13bとにより構成されている。
【0036】
次に、図3及び図4を参照して、第1センサ機器6及びリレーユニット4の制御構成について説明する。なお第2センサ機器7は第1センサ機器6と制御構成が概ね共通であるため、その説明を省略する。
【0037】
図3に示すように、第1センサ機器6は、接続部10aを介して直流供給線路Wdlcと制御回路6aとが接続されている。そして制御回路6aは、信号重畳分離回路20、電源回路21、制御部22、記憶部23、アドレス設定部24、熱線センサ回路25、明るさセンサ回路26、動作表示部27、動作保持時間設定部28及び感度設定部29により構成されている。また検知機構6bは、集光レンズ12(図2参照)の一部を覆うレンズフードを集光レンズ12に取り付けることにより熱線センサの検知領域を設定している。
【0038】
信号重畳分離回路20は、リレーユニット4から第1センサ機器6に供給される直流重畳信号を直流電力と通信信号とに分離する機能及び第1センサ機器6からリレーユニット4に供給するために直流電力に通信信号を重畳する機能を併せ有するものである。
【0039】
電源回路21は、第1センサ機器6に供給される直流電力から制御回路6aの他の回路の動作電力を生成している。
アドレス設定部24は、第1センサ機器6の裏側(スイッチ装置10の後方の面)に設けられたディップスイッチ(不図示)によって設定されたアドレスを記憶部23に出力している。そして記憶部23は、上記アドレスを第1センサ機器6の固有のアドレスとして記憶するとともに、上記アドレスを制御部22に出力する。
【0040】
動作保持時間設定部28は、熱線センサにより人体が検知されて第1負荷L1への電力供給が開始してから第1負荷L1への電力供給を停止するまでの動作保持時間を設定している。感度設定部29は、第1負荷L1が動作するための照度を設定している。これら動作保持時間設定部28及び感度設定部29は、第1センサ機器6の裏側(取付部材14の後方の面)にそれぞれ設けられたつまみを手動操作することにより設定されている。
【0041】
熱線センサ回路25は、熱線センサを含み、動作保持時間設定部28により設定された時間に亘り熱線センサによる検出情報を制御部22に出力する。明るさセンサ回路26は、照度センサを含み、照度センサによる検出情報及び感度設定部29により設定された照度の信号(センサ信号)を制御部22に出力する。
【0042】
制御部22は、上記アドレス、熱線センサ回路25の検出情報、照度センサによる検出情報及び上記センサ信号をこれら信号を電送する通信信号として信号重畳分離回路20に出力する。また制御部22は、動作表示部27に制御信号を出力する。
【0043】
動作表示部27は、発光ダイオードとこの発光ダイオードを点灯させる駆動回路とを有し、熱線センサに人体が検知されたときに発光ダイオードを点灯させることにより、その動作を表示している。
【0044】
ここで、リレーユニット4から信号重畳分離回路20に供給された直流重畳信号は、直流電力と通信信号とに分離された後、直流電力は電源回路21に供給され、通信信号はリレーユニット4から制御部22に入力される。
【0045】
また、制御部22に入力された上記アドレス、熱線センサ回路25の検出情報、照度センサにより検出情報及び上記センサ信号は、信号重畳分離回路20に通信信号として出力される。そして信号重畳分離回路20によって上記通信信号と直流電圧との重畳が行われ、リレーユニット4に直流供給線路Wdlcを介して直流重畳信号として出力される。これにより第1センサ機器6の固有の直流重畳信号としてリレーユニット4が受信する。
【0046】
図4に示すように、リレーユニット4は、直流系電力線Wdc1(図1参照)と接続する第1端子4bと直流供給線路Wdlcと接続する第2端子4cと直流系電力線Wdc2と接続する第3端子4dと制御回路4aとにより構成されている。制御回路4aは、受電部30、複数の回路開閉制御部31,31…、制御部32、記憶部33、操作入力受付部34、信号重畳分離回路35及び動作表示部36により構成されている。
【0047】
受電部30は、AC/DCコンバータ2からの直流電力が供給されるとともに、各回路開閉制御部31、制御部32及び信号重畳分離回路35にそれぞれ直流電力を供給している。
【0048】
信号重畳分離回路35は、第1センサ機器6及び第2センサ機器7からリレーユニット4に供給される直流重畳信号を直流電力と通信信号とに分離する機能及びリレーユニット4から第1センサ機器6及び第2センサ機器7に供給するために直流電力に通信信号を重畳する機能を併せ有するものである。
【0049】
操作入力受付部34は、リレーユニット4に設けられた操作部(不図示)によって行われる第1センサ機器6及び第2センサ機器7の各アドレスの登録の操作やリレーユニット4にて直接第1負荷L1及び第2負荷L2への給電制御を行う際の操作を受け付ける。そしてこれら操作の情報を制御部32に出力する。
【0050】
記憶部33には、第1センサ機器6及び第2センサ機器7の各アドレスが記憶されるとともに、上記各アドレスを制御部32に出力する。
制御部32は、信号重畳分離回路35からの通信信号が入力されるとともに、記憶部33に記憶されたアドレスと照合し、第1センサ機器6及び第2センサ機器7のいずれかの機器から送信された通信信号かを判断する。そして、上記機器に応じた負荷の回路開閉制御部31に対して制御信号を出力する。
【0051】
回路開閉制御部31は、制御部32からの制御信号に基づいて、各回路開閉制御部31に接続された負荷(例えば、第1負荷L1)の電力供給のオンオフを制御している。
動作表示部36は、例えば各開閉回路制御部に対応した複数の発光ダイオードとこれら発光ダイオードを駆動する駆動回路とを有し、開閉回路制御部の電力供給が開始されたときに発光ダイオードを点灯させることにより、その動作を表示している。
【0052】
以上により、例えば第1センサ機器6の熱線センサにより人体が検知されたときには、熱線センサ回路25から制御部22に検知情報が出力され、制御部22から信号重畳分離回路20を介してリレーユニット4に制御部22の検知情報とアドレスとを併せた通信信号が直流重畳信号として送信される。このとき、動作表示部27の発光ダイオードが点灯することにより、動作表示を行う。
【0053】
リレーユニット4の信号重畳分離回路35が上記信号を受信し、制御部32に出力する。そして制御部32は、上記信号から記憶部33のアドレスと照合して、そのアドレスに対応した回路開閉制御部31に制御信号を出力する。この制御信号に基づいて、回路開閉制御部31は第1負荷L1の電力供給のオンオフを制御する。
【0054】
次に、図5及び図6を参照して、本実施形態の制御システム1のセンサ制御及び電力供給処理の具体的な手順についてそれぞれ説明する。これら処理は、互いに同期して行われるとともに所定時間毎に繰り返し行われている。
【0055】
図5を参照して、センサ制御は、制御部22が行う制御であるとともに、熱線センサによる人体検知及び明るさセンサによる照度に基づいて、第1負荷L1の電力供給のための通信信号を予め設定された動作保持時間(以下、「動作保持時間KT」)に亘りリレーユニット4に信号重畳分離回路20を介して直流重畳信号として送信する制御である。
【0056】
具体的には、ステップS10において人体検知がされたか否かを判断する。ここで、人体検知された場合(ステップS10のYES)、ステップS11において照度LXが予め設定された判定値LXJよりも低いか否かを判断する。ここで照度LXが判定値LXJよりも低い場合(ステップS11のYES)、ステップS12において通信信号の送信を開始する。一方、人体検知されない場合(ステップS10のNO)及び照度LXが判定値LXJ以上の場合(ステップS11のNO)、第1負荷L1に電力供給する必要がないと判断し、一旦処理が終了する。
【0057】
次いで、通信信号の送信の開始後にステップS13において動作保持時間KT以内か否かを判断する。ここで、動作保持時間KT以内の場合(ステップS13のYES)、ステップS14において再度人体検知がされたか否かを判断する。一方、動作保持時間KTに達した場合(ステップS13のNO)、ステップS15において通信信号の送信を停止する。
【0058】
また人体検知がされなかった場合(ステップS14のNO)、再びステップS13の判断を行う。また人体検知がされた場合(ステップS14のYES)、ステップS16において動作保持時間KTを一旦リセットし、再度動作保持時間KTを設定する。
【0059】
図6を参照して、電力供給制御は、制御部32が行う制御であるとともに、第1センサ機器6の直流重畳信号に基づいて第1負荷L1の電力供給のオンオフを行う制御である。
具体的には、ステップS20において制御部22からの直流重畳信号を受信したか否かを判断する。ここで、上記直流重畳信号を受信した場合(ステップS20のYES)、ステップS21において回路開閉制御部31に閉駆動する旨の制御信号を送信する。これにより回路開閉制御部31は上記制御信号に基づいて閉駆動して第1負荷L1に電力供給を行う。一方、上記直流重畳信号を受信しない場合(ステップS20のNO)、ステップS22において回路開閉制御部31に開駆動する旨の制御信号を送信する。これにより回路開閉制御部31は上記制御信号に基づいて開駆動して第1負荷L1の電力供給を遮断する。
【0060】
次に、図7及び図8を参照して、上記制御に基づいた動作の具体例について説明する。図7及び図8では、第1センサ機器6及び第2センサ機器7が検知情報に基づいて第1負荷L1の制御を行うものである。また図7は、第1センサ機器6による制御例を示している。図8は、第1センサ機器6と第2センサ機器7とによる様々な制御例を示している。
【0061】
図7に示すように、第1センサ機器6が時間T1において人体検知した場合、動作保持時間KT(時間T1からT2までの期間)に亘りリレーユニット4に通信信号を送信するため、リレーユニット4の回路開閉制御部31は動作保持時間KTに亘り第1負荷L1に電力供給するように閉駆動している。
【0062】
また、第1センサ機器6が時間T3において人体検知し、その後時間T4において再度第1センサ機器6が人体検知した場合、時間T3にて回路開閉制御部31は第1負荷L1に電力供給するように閉駆動している。そして回路開閉制御部31は、時間T4を基準として、時間T4から動作保持時間KTに亘り第1負荷L1に電力供給するように閉駆動している。即ち、回路開閉制御部31は、時間T3からの動作保持時間KTである時間T5において第1負荷L1の電力供給を終了せずに、時間T4からの動作保持時間KTである時間T6まで第1負荷L1の電力供給を行う。言い換えれば、回路開閉制御部31は、時間T3から時間T6まで第1負荷L1に電力供給するように閉駆動している。
【0063】
図8の左側に示すように、第1センサ機器6が時間T10において人体検知した後、動作保持時間KT(時間T10からT11までの期間)経過後の時間T12において第2センサ機器7が人体検知する。この場合には、第1センサ機器6の動作保持時間KT(時間T10からT11までの期間)に亘り回路開閉制御部31は第1負荷L1に電力供給するように閉駆動する。そして第2センサ機器7の動作保持時間KT(時間T12からT13までの期間)に亘り回路開閉制御部31は第1負荷L1に電力供給するように閉駆動する。即ち、第1センサ機器6及び第2センサ機器7のどちらか一方が人体検知した場合には、回路開閉制御部31が閉駆動し、第1負荷L1を制御する。
【0064】
また、図8の中央に示すように、第1センサ機器6が時間T14において人体検知し、その後時間T14からの動作保持時間KT(時間T14からT15までの期間)内の時間T16に第2センサ機器7が人体検知する。この場合には、回路開閉制御部31は時間T14において第1負荷L1の電力供給を開始し、時間T16からの動作保持時間KT(時間T16からT17までの期間)経過した後、第1負荷L1の電力供給を遮断する。即ち、回路開閉制御部31は、時間T14からT17まで第1負荷L1に電力供給するように閉駆動している。
【0065】
また、図8の右側に示すように、第1センサ機器6が時間T18において人体検知し、その後時間T18からの動作保持時間KT(時間T18からT19までの期間)内の時間T20に再度第1センサ機器6が人体検知する。そして時間T20からの動作保持時間KT(時間T20からT21までの期間)内の時間T22において第2センサ機器7が人体検知する。この場合には、回路開閉制御部31は時間T18において第1負荷L1の電力供給を開始し、時間T22からの動作保持時間KT(時間T22からT23までの期間)経過した後、第1負荷L1の電力供給を遮断する。即ち、回路開閉制御部31は時間T18から時間T23まで第1負荷L1に電力供給するように閉駆動している。
【0066】
次に、図9を参照して、制御システム1を備えた電力供給システム100について説明する。
図9に示すように、住宅には、宅内に設置された各種機器(照明機器、エアコン、家電、オーディオビジュアル機器等)に電力を供給する電力供給システム100が設けられている。電力供給システム100は、家庭用の商用交流電源(AC電源)102を電力として各種機器を動作させる他に、太陽光により発電する太陽電池103の電力も各種機器に電源として供給する。電力供給システム100は、直流電源(DC電源)を入力して動作するDC機器105の他に、交流電源(AC電源)を入力して動作するAC機器106にも電力を供給する。
【0067】
電力供給システム100には、同システム100の分電盤としてコントロールユニット107及びDC分電盤(直流ブレーカ内蔵)108が設けられている。また、電力供給システム100には、住宅のDC機器105の動作を制御する機器として制御ユニット109及びリレーユニット110が設けられている。
【0068】
コントロールユニット107には、交流電源を分岐させるAC分電盤111が交流系電力線112を介して接続されている。コントロールユニット107は、このAC分電盤111を介して商用電源102に接続されるとともに、直流系電力線113を介して太陽電池103に接続されている。コントロールユニット107は、AC分電盤111から交流電力を取り込むとともに太陽電池103から直流電力を取り込み、これら電力を機器電源として所定の直流電力に変換する。そして、コントロールユニット107は、この変換後の直流電力を、直流系電力線114を介してDC分電盤108に出力したり、又は直流系電力線115を介して蓄電池116に出力して同電力を蓄電したりする。コントロールユニット107は、AC分電盤111からAC電力を取り込むのみならず、太陽電池103や蓄電池116の電力を交流電力に変換してAC分電盤111に供給することも可能である。コントロールユニット107は、信号線117を介してDC分電盤108とデータやり取りを実行する。
【0069】
DC分電盤108は、直流電力対応の一種のブレーカである。DC分電盤108は、コントロールユニット107から入力した直流電力を分岐させ、その分岐後の直流電力を、直流系電力線118を介して制御ユニット109に出力したり、直流系電力線119を介してリレーユニット110に出力したりする。また、DC分電盤108は、信号線120を介して制御ユニット109とデータやり取りをしたり、信号線121を介してリレーユニット110とデータやり取りしたりする。
【0070】
制御ユニット109には、複数のDC機器105,105…が接続されている。これらDC機器105は、直流電力及びデータの両方を1対の線によって搬送可能な直流供給線路122を介して制御ユニット109と接続されている。直流供給線路122は、DC機器の電源となる直流電圧に、高周波の搬送波によりデータを電送する通信信号を重畳する、いわゆる電力線搬送通信により、1対の線で電力及びデータの両方をDC機器105に搬送する。制御ユニット109は、直流系電力線118を介してDC機器105の直流電源を取得し、DC分電盤108から信号線120を介して得る動作指令を基に、どのDC機器105をどのように制御するのかを把握する。そして、制御ユニット109は、指示されたDC機器105に直流供給線路122を介して直流電圧及び動作指令を出力し、DC機器105の動作を制御する。
【0071】
制御ユニット109には、宅内のDC機器105の動作を切り換える際に操作するスイッチ123が直流供給線路122を介して接続されている。また、制御ユニット109には、例えば赤外線リモートコントローラからの発信電波を検出するセンサ124が直流供給線路122を介して接続されている。よって、DC分電盤108からの動作指示のみならず、スイッチ123の操作やセンサ124の検知によっても、直流供給線路122に通信信号を流してDC機器105が制御される。
【0072】
リレーユニット110には、複数のDC機器105,105…がそれぞれ個別の直流系電力線125を介して接続されている。リレーユニット110は、直流系電力線119を介してDC機器105の直流電源を取得し、DC分電盤108から信号線121を介して得る動作指令を基に、どのDC機器105を動作させるのかを把握する。そして、リレーユニット110は、指示されたDC機器105に対し、内蔵のリレーにて直流系電力線125への電源供給をオンオフすることで、DC機器105の動作を制御する。また、リレーユニット110には、DC機器105を手動操作するための複数のスイッチ126及びセンサ124が直流供給線路122を介して接続されている。これにより、スイッチ126の押操作及びセンサ124の検知情報によって直流供給線路122への電源供給をリレーにてオンオフすることにより、DC機器105が制御される。また本実施形態の制御システム1は、商用交流電源102と、コントロールユニット107、リレーユニット110、センサ124及びリレーユニット110に接続されるDC機器105とにより構成されている。
【0073】
DC分電盤108には、例えば壁コンセントや床コンセントの態様で住宅に建て付けられた直流コンセント127が直流系電力線128を介して接続されている。この直流コンセント127にDC機器のプラグ(図示略)を差し込めば、同機器に直流電力を直接供給することが可能である。またDC分電盤108と直流コンセント127との間には、表示装置142が設けられている。そして商用交流電源102、コントロールユニット107、表示装置142及び直流コンセント127にて本実施形態の制御システム1を構成している。
【0074】
また、商用交流電源102とAC分電盤111との間には、商用交流電源102の使用量を遠隔検針可能な電力メータ129が接続されている。電力メータ129には、商用電源使用量の遠隔検針の機能のみならず、例えば電力線搬送通信や無線通信の機能が搭載されている。電力メータ129は、電力線搬送通信や無線通信等を介して検針結果を電力会社等に送信する。
【0075】
電力供給システム100には、宅内の各種機器をネットワーク通信によって制御可能とするネットワークシステム130が設けられている。ネットワークシステム130には、同システム130のコントロールユニットとして宅内サーバ131が設けられている。宅内サーバ131は、インターネットなどのネットワークNを介して宅外の管理サーバ132と接続されるとともに、信号線133を介して宅内機器134に接続されている。また、宅内サーバ131は、DC分電盤108から直流系配線135を介して取得する直流電力を電源として動作する。
【0076】
宅内サーバ131には、ネットワーク通信による宅内の各種機器の動作制御を管理するコントロールボックス136が信号線137を介して接続されている。コントロールボックス136は、信号線117を介してコントロールユニット107及びDC分電盤108に接続されるとともに、直流供給線路138を介してDC機器105を直接制御可能である。コントロールボックス136には、例えば使用したガス量や水道量を遠隔検針可能なガス/水道メータ139が接続されるとともに、ネットワークシステム130の操作パネル140に接続されている。操作パネル140には、例えばドアホン子器やセンサやカメラからなる監視機器141が接続されている。
【0077】
宅内サーバ131は、ネットワークNを介して宅内の各種機器の動作指令を入力すると、コントロールボックス136に指示を通知して、各種機器が動作指令に準じた動作をとるようにコントロールボックス136を動作させる。また、宅内サーバ131は、ガス/水道メータ139から取得した各種情報を、ネットワークNを通じて管理サーバ132に提供可能であるとともに、監視機器141で異常検出があったことを操作パネル140から受け付けると、その旨もネットワークNを通じて管理サーバ132に提供する。
【0078】
本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本実施形態によれば、第1センサ機器6及び第2センサ機器7には、直流供給線路Wdlcが直接接続される接続部10aが設けられる構成である。したがって、第1センサ機器6及び第2センサ機器7のそれぞれはAC/DCコンバータ2を省略することができる。その結果、これらセンサ機器6,7の小型化を図ることができる。
【0079】
また、第1センサ機器6及び第2センサ機器7とも直流供給線路Wdlcにて接続されるため、直流系電力線と信号線との両方をこれらセンサ機器に接続する構成と比較して、リレーユニット4と第1センサ機器6及び第2センサ機器7との配線構成を簡略化することができる。
【0080】
(2)本実施形態によれば、制御システム1において第1センサ機器6及び第2センサ機器7のそれぞれがAC/DCコンバータを省略することができるため、制御システム1の大型化を抑制することができる。さらに、第1センサ機器6及び第2センサ機器7に固有のアドレスが割り振られることにより、リレーユニット4が第1センサ機器6及び第2センサ機器7の個々の信号に対応して第1負荷L1の制御を行うことができる。
【0081】
(3)本実施形態によれば、制御システム1が第1センサ機器6及び第2センサ機器7のそれぞれに動作保持時間KTを設定することにより、動作保持時間KTを設定しない場合に生じる人体検知後に第1負荷L1が動作し続けてしまう問題を抑制することができる。
【0082】
(4)本実施形態によれば、制御システム1が第1センサ機器6及び第2センサ機器7の動作保持時間KT及び照度LXの判定値LXJを設定することにより、第1負荷L1が制御されるため、第1負荷L1が動作するための環境をより適したものとすることができる。その上、第1センサ機器6及び第2センサ機器7が判定値LXJ以下のときに第1負荷L1を点灯する、言い換えれば、上記判定値LXJより大きい照度LXの場合には、第1負荷L1の点灯を行わないため、第1センサ機器6及び第2センサ機器7が検出する範囲が明るいときに第1負荷L1の点灯を抑制することができるようになる。したがって、第1負荷L1の余計な点灯を抑制することができるようになる。
【0083】
(第2の実施形態)
図10〜図12を参照して、本発明のセンサ機器を備えた制御システムを具体化した第2の実施形態について説明する。本実施形態では、第1の実施形態と比較して、リレーユニット4と第1センサ機器6及び第2センサ機器7との間に設定器8が設けられた点、及びこの設定器8に伴い第1センサ機器6及び第2センサ機器7の制御構成が簡略化された点が異なる。以降では、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。なお同一構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0084】
図10に示すように、制御システム1は、リレーユニット4と設定器8及び設定器8とスイッチ5とがそれぞれ直流供給線路Wdlcによりそれぞれ互いに接続されている。この設定器8は、第1センサ機器6及び第2センサ機器7のそれぞれの動作保持時間設定及び明るさ感度設定を行うコントロールパネルである表示器8bが設けられている。そして設定器8は、上記設定の情報を設定信号として第1センサ機器6及び第2センサ機器7に送信する。第1センサ機器6及び第2センサ機器7は、この設定信号に基づいてリレーユニット4に制御信号を送信する。
【0085】
図11に示すように、制御回路6aには、設定器8によって第1センサ機器6の動作保持時間の設定及び明るさ感度の設定が行われることに伴い、動作保持時間設定部28及び感度設定部29がそれぞれ省略されている。これは第2センサ機器7も同様である。
【0086】
図12に示すように、設定器8は、直流供給線路Wdlcを介してリレーユニット4(図10参照)と接続する第1端子8cと直流供給線路Wdlcを介してスイッチ5(図10参照)と接続する第2端子8dと制御回路8aとにより構成されている。そして制御回路8aは、信号重畳分離回路40、電源回路41、制御部42、記憶部43、表示回路44、設定インターフェイス45及び表示器8bにより構成されている。
【0087】
信号重畳分離回路40は、リレーユニット4から設定器8に供給される信号重畳電力を直流電力と通信信号とに分離する機能及び設定器8からリレーユニット4に供給するために直流電力に通信信号を重畳する機能を併せ有するものである。
【0088】
電源回路41は、設定器8に供給される直流電力から制御回路8aの他の回路の電力を生成している。
記憶部43は、第1センサ機器6及び第2センサ機器7の各アドレスを記憶するともに、制御部42に各アドレスを出力している。
【0089】
表示回路44は、表示器8bを駆動させるための回路である。設定インターフェイス45は、表示器8bによって第1センサ機器6および第2センサ機器7のそれぞれの動作保持時間の設定及び明るさ感度の設定の操作の結果を信号として制御部42に出力している。そして制御部42は上記信号に基づいて表示回路44に制御信号を出力する。表示回路44はこの制御信号に基づいて表示器8bを駆動する。
【0090】
本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(4)に加え、以下の効果を奏することができる。
(5)本実施形態によれば、設定器8により動作保持時間KT及び照度LXの判定値LXJを設定する構成である。したがって、第1センサ機器6に設定器が設けられる構成と比較して、第1センサ機器6の第1負荷L1の制御に関する設定を容易に行うことができるようになる。
【0091】
詳細には、第1センサ機器6に設定器が設けられる構成では、第1センサ機器6を天井面に一度設置した後に設定を変更するときには、第1センサ機器6を一度取り外して、第1センサ機器6の設定器を用いて設定した後、第1センサ機器を再度天井面に取り付ける必要があった。したがって、第1センサ機器6の設定作業が煩雑であった。
【0092】
その点において、本発明では、第1センサ機器6とは各別に設けられた設定器8により、第1センサ機器6の設定を行うことが可能であるため、第1センサ機器6を天井面に一度設置した後に設定を変更する場合に第1センサ機器6を取り外す作業及び再度取り付ける作業を省略することができる。これは第2センサ機器7についても同様である。
【0093】
(6)本実施形態によれば、設定器8に第1センサ機器6及び第2センサ機器7の個別のアドレスが送信され、設定器8はそのアドレスを記憶している。したがって、設定器8によって、第1センサ機器6及び第2センサ機器7のそれぞれの動作保持時間KT及び照度LXの判定値LXJを個別に設定することができる。
【0094】
(第3の実施形態)
図13及び図14を参照して、本発明のセンサ機器を備えた制御システムを具体化した第3の実施形態について説明する。本実施形態では、第1の実施形態と比較して、リレーユニット4が省略された点、設定器8が追加された点及び第1センサ機器6及び第2センサ機器7と第1負荷L1及び第2負荷L2との接続構造、及び第1センサ機器6及び第2センサ機器7の制御構成が異なる。以降では、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。なお同一構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0095】
図13に示すように、制御システム1は、AC/DCコンバータ2が設定器8に直流系電力線Wdcによって接続され、設定器8が第1センサ機器6及び第2センサ機器7と直流供給線路Wdlcによってそれぞれ接続されている。また第1センサ機器6及び第2センサ機器7とは、第1負荷L1及び第2負荷L2と直流供給線路Wdlcによりそれぞれ接続されている。
【0096】
図14に示すように、制御回路6aには、信号重畳分離回路20から直流電力が供給される第1回路開閉制御部50と第2回路開閉制御部51とが設けられている。動作保持時間設定部28及び感度設定部29のそれぞれは、2回路構成であり、各回路において第1負荷L1及び第2負荷L2のそれぞれの制御のための設定を行う。
【0097】
制御部22は、熱線センサ回路25及び明るさセンサ回路26からの検出情報に基づく制御信号を第1回路開閉制御部50及び第2回路開閉制御部51へ出力する。これら第1回路開閉制御部50及び第2回路開閉制御部51は、上記制御信号に基づいて、第1負荷L1及び第2負荷L2の電力供給のオンオフの制御を行う。
【0098】
本実施形態の制御システム1では、トイレ室の照明器具及び換気扇の制御に適用することができる。具体的には、第1負荷L1が照明器具に対応し、第2負荷L2が換気扇に対応する。以下、第1負荷L1を照明器具R1とし、第2負荷L2を換気扇R2とする。
【0099】
この場合には、動作保持時間設定部28では、照明器具R1及び換気扇R2のそれぞれの動作保持時間KT1,KT2の時間を互いに異なるものに設定する。具体的には、例えば照明器具R1の動作保持時間KT1を約1分とし、換気扇R2の動作保持時間KT2を動作保持時間KT1より長い期間である約5分とする。これにより、照明器具R1の省電力化を図るとともに、換気扇R2によるトイレ室内の臭気の除去の効果が向上するようになる。
【0100】
また感度設定部29では、照明器具R1及び換気扇R2のそれぞれの感度設定を互いに異なるものに設定する。具体的には、例えば照明器具R1の照度LXの判定値LXJを「約100」ルクスとし、換気扇R2の判定値LXJを「0」ルクスとする。これにより、換気扇R2は、照明器具R1の点灯及び消灯にかかわらず駆動するようになる。
【0101】
本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(4)及び第2の実施形態の効果(5)及び(6)に加え、以下の効果を奏することができる。
(7)本実施形態によれば、負荷の種類に応じて動作保持時間KT及び照度LXの判定値LXJを個別に設定する構成である。したがって、各負荷にて必要とされる作動条件にて動作することができるため、負荷のそれぞれの役割に適した動作を行うことができる。
【0102】
(その他の実施形態)
上記各実施形態のセンサ機器及びこれを備えた制御システム1は、上記各実施形態に限定されることなく、例えば以下の変更が可能である。また、以下の変形例は、上記各実施形態についてのみ適用されるものでなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施する場合にも適用することもできる。
【0103】
上記各実施形態では、第1センサ機器6及び第2センサ機器7の両方ともが明るさセンサ回路26を備えていたが、第1センサ機器6のみが明るさセンサ回路26を備える構成とすることもできる。また第1センサ機器6及び第2センサ機器7の両方ともに明るさセンサ回路26を省略する構成とすることもできる。この場合、図5に示すセンサ制御処理では、ステップS11の照度LXの判定の処理が省略される。
【0104】
上記実施形態では、第1センサ機器6及び第2センサ機器7の両方ともが熱線センサ回路25を備えていたが、第1センサ機器6のみが熱線センサ回路25を備える構成とすることもできるし、第1センサ機器6及び第2センサ機器7の両方ともが熱線センサ回路25を省略する構成とすることもできる。この場合、図5に示すセンサ制御処理では、ステップS10、S14及びS16の処理が省略される。そしてステップS13において保持時間KT以内であれば、ステップS13の処理を再度行うように制御する。
【0105】
第2の実施形態では、リレーユニット4と設定器8とが個別に設けられる構成としたが、リレーユニット4と設定器8とを一体に構成することもできる。即ちリレーユニット4内に設定器8の制御構成と組み込むことにより、リレーユニット4に表示器が設けられるとともに表示器による操作により動作保持時間KT及び照度LXの判定値LXJを設定することができる。また設定器8内にリレーユニット4の制御構成を組み込むことにより、即ち設定器8内に回路開閉制御部31が設けられることにより、設定器8の制御部42の制御信号に基づいて回路開閉制御部31が対応した負荷の電力供給のオンオフを制御することができる。
【0106】
第1及び第2の実施形態では、第1センサ機器6及び第2センサ機器7の動作保持時間KT及び照度LXの判定値LXJのそれぞれが互いに同一の値として設定されたが、第3の実施形態のように第1センサ機器6及び第2センサ機器7の動作保持時間KT及び照度LXの判定値LXJは互いに異なる値として設定することもできる。
【0107】
上記各実施形態では、第1センサ機器6及び第2センサ機器7の両方ともが、直流供給線路Wdlcにより接続される構成であったが、これらセンサ機器6,7は、直流系電力線Wdcにより接続することもできる。この場合には、別途信号線(不図示)を配線する必要がある。
【符号の説明】
【0108】
1…制御システム、2…AC/DCコンバータ、4…リレーユニット、4a…制御回路、4b…第1端子、4c…第2端子、4d…第3端子、5…スイッチ、6…第1センサ機器、6a…制御回路、7…第2センサ機器、8…設定器、8a…制御回路、8b…表示部、8c…第1端子、8d…第2端子、10…スイッチ装置、10a…接続部、11…化粧プレート、11a…窓穴、12…集光レンズ、13…取付部材、13a…基部、13b…取付部、20…信号重畳分離回路(送信部)、21…電源回路、22…制御部、23…記憶部、24…アドレス設定部、25…熱線センサ回路(センサ部)、26…明るさセンサ回路(センサ部)、27…動作表示部、28…動作保持時間設定部、29…感度設定部、30…受電部、31…回路開閉制御部、32…制御部、33…記憶部、34…操作入力受付部、35…信号重畳分離回路(受信部)、36…動作表示部、40…信号重畳分離回路、41…電源回路、42…制御部、43…記憶部、44…表示回路、45…設定インターフェイス、50…第1回路開閉制御部(電力供給制御部)、51…第2回路開閉制御部(電力供給制御部)、100…電力供給システム、L1…第1負荷(負荷機器)、L2…第2負荷(負荷機器)、R1…第1負荷としての照明器具、R2…第2負荷としての換気扇、Wac…交流系電力線、Wdc…直流系電力線、Wdlc…直流供給線路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ部と、このセンサ部から検知した検知情報を外部へと送信する送信部とを備えるセンサ機器において、
当該センサ機器は、電力線が接続される接続部を備えるとともに前記電力線を介して直流電力の供給を受けて駆動し、
前記送信部は、前記検知情報と電力とを重畳した直流重畳信号として前記電力線を介して外部へと送信する
ことを特徴とするセンサ機器。
【請求項2】
請求項1に記載のセンサ機器を複数個備えるとともに、前記各センサ機器と信号線を介してそれぞれ接続されるリレーユニットを備え、前記センサ機器から送信される検知情報を受信するとともにこの検知情報に基づいて前記リレーユニットが負荷機器の電力供給の制御を行う制御システムであって、
前記センサ機器の各々には、固有のアドレスが割り振られ、
前記各センサ機器には、自己のアドレスを前記リレーユニットに登録するアドレス設定部が設けられ、
前記送信部は、前記直流重畳信号として前記アドレスと前記検知情報とを有する信号を前記リレーユニットに送信し、
前記リレーユニットは、前記直流重畳信号を受信する受信部が設けられ、受信した直流重畳信号に含まれる検知情報及びアドレスに対応して前記負荷機器の電力供給の制御を行う
ことを特徴とする制御システム。
【請求項3】
請求項2に記載の制御システムにおいて、
当該制御システムには、前記センサ機器に設定信号を送信して、前記負荷機器の制御に関する設定を行う設定器が設けられ、
前記センサ機器は、人体検知を行うものであり、
前記設定器は、前記センサ機器が人体検知したときを始点として、前記負荷機器の前記始点からの動作保持時間を前記センサ機器に設定し、
前記センサ機器は、前記動作保持時間に基づいて前記リレーユニットに制御信号を送信する
ことを特徴とする制御システム。
【請求項4】
請求項2に記載の制御システムにおいて、
当該制御システムには、前記センサ機器に設定信号を送信して、前記負荷機器の制御に関する設定を行う設定器が設けられ、
前記負荷機器は、照明負荷であり、
前記センサ機器は、照度を検知し、
前記設定器は、前記センサ機器が検知した照度が予め設定した照度の判定値以下のときに前記負荷機器を点灯するように前記センサ機器に設定する
ことを特徴とする制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−80764(P2011−80764A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−230610(P2009−230610)
【出願日】平成21年10月2日(2009.10.2)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】