説明

センタ、エンジン始動システム、エンジン始動方法、プログラム及び媒体

【課題】車載機器の通信負荷や処理能力の増大や一元管理の困難性を招くことなくユーザの利便性を高めることができる、センタ、エンジン始動システム、エンジン始動方法、プログラム及び媒体を提供すること。
【解決手段】本発明によるセンタ1は、エンジン始動を禁止すべき始動禁止領域E1を設定する設定手段1aと、携帯機2からのエンジン始動要求に応じて車載機器3から車両位置情報を取得する取得手段1bと、車両位置情報が含む車両位置が始動禁止領域E1内である場合にエンジン始動を禁止する禁止手段1cを含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗用車、トラック、バス等の車両に適用して好適なセンタ、エンジン始動システム、エンジン始動方法、エンジン始動方法を実行するプログラム及び媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の車両においては、車両から離隔した位置に存在するユーザが、主に暖機運転を目的として車両のエンジンを遠隔操作により始動することを可能とする、リモートコントローラーや携帯電話等を利用したエンジン始動システムが提案されている。このようなエンジン始動システムにおいては、ユーザは実際に車両に乗り込む前に、予め暖機運転を完了させることができるため、ユーザにとっては運転以外の予備操作に時間が割かれてしまうことを回避できるという利便性を得るというメリットがある。
【0003】
実際に車両にユーザが乗り込んでいない無人の車両状態で、例えユーザの要求に基づいているとしても、エンジンを始動させることは、車両周辺の諸条件を考慮した上で実行することが求められる。例えば、住宅地等の静粛性が要求される領域においてエンジン始動が禁止又は制限される法令、政令その他の規則を含む法規等が将来的に規定されることは、上述したエンジン始動システムにおいて考慮すべき事項である。
【0004】
特定の領域においてエンジン始動を不許可とすることは従来技術においても例示される事項であって、例えば特許文献1において、現在の車両位置が予め設定された設定領域外に位置していて盗難が発生していると想定される場合に、車両側においてエンジンの始動を禁止することが、記載され開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−173004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、このような特許文献1に記載のシステムをそのまま上述したエンジン始動システムに適用した場合においては、予め設定された設定領域の位置情報を含むデータベースを車両側で具備し、車両側において検出された車両位置が設定領域内に位置しているか否かの判定を行う必要が生じるため以下の問題が生じる。
【0007】
すなわち、データベースが法規等の新たな規定又は改正により変更された場合、その都度ダウンロードし直す必要が生じ、路側のセンタと車両側との通信負荷の増大を招く。加えて、判定基準となるデータベースを新たな規定又は改正毎に書き換えて更新し、一元管理することは、特には既販車において困難となり、判定そのものの正確性を損なうことを招きやすい。
【0008】
また、このようなデータベースを車両側が具備してデータベースを用いた上記判定のロジックを含むことは、車両を通常状態で走行させるにあたっては必須でないにも係わらず、常に車両側が上記データベースとロジックを備える必要があり、上記ロジックを実行するECU(Electronic Control Unit:車載機器)を処理能力の高いものとする必要性が新たに生じる。
【0009】
本発明は、上記問題に鑑み、車載機器の通信負荷や処理能力の増大や一元管理の困難性を招くことなくユーザの利便性を高めることができる、センタ、エンジン始動システム、エンジン始動方法、プログラム及び媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の問題を解決するため、本発明に係るセンタは、
エンジン始動を禁止すべき始動禁止領域を設定する設定手段と、
携帯機からのエンジン始動要求に応じて車載機器から車両位置情報を取得する取得手段と、
前記車両位置情報が含む車両位置が前記始動禁止領域内である場合に前記エンジン始動を禁止する禁止手段を含むことを特徴とする。
【0011】
上記課題を解決するため、本発明に係るエンジン始動方法は、
エンジン始動を禁止すべき始動禁止領域をセンタにおいて設定する設定ステップと、
携帯機からのエンジン始動要求に応じて車載機器から車両位置情報を前記センタが取得する取得ステップと、
前記車両位置情報が含む車両位置が前記始動禁止領域内である場合に前記エンジン始動を前記センタにおいて禁止する禁止ステップを含むことを特徴とする。
【0012】
また、上記課題を解決するため本発明に係るプログラムは、
前記エンジン始動方法を実行するプログラムであり、
本発明に係る媒体は、
前記プログラムが記憶された媒体である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、特には車載機器の通信負荷や処理能力の増大や、判定に用いるデータベースの一元管理の困難性を招くことなく、遠隔操作によるエンジン始動を確保するというユーザの利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係るセンタの一実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明に係るセンタを含むエンジン始動システムの一実施形態の一部を示すブロック図である。
【図3】本発明に係るエンジン始動システムが含む車載機器の一実施形態を示すブロック図である。
【図4】本発明に係るエンジン始動システムの一実施形態の制御内容を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係るエンジン始動システムの一実施形態の制御内容を示すフローチャートである。
【図6】本発明に係るエンジン始動システムの一実施形態の制御内容を示すフローチャートである。
【図7】本発明に係るエンジン始動システムの一実施形態の制御内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係るセンタの一実施形態を示す模式図である。図2は、本発明に係るセンタを含むエンジン始動システムの一実施形態を示す模式図である。
【0016】
本実施例1の路側のセンタを構成するサーバ1は、図1に示すように、CPU71と、主記憶装置72と、HDDなどの記憶装置73と、表示装置74と、入力装置75と、ドライブ装置76及び通信装置77を含み、これらの構成要素はデータバスにより相互に接続されている。サーバ1は、以下に述べるそれぞれの制御を実行する設定手段1a、取得手段1b、禁止手段1c、制限手段1d、推定手段1eを構成するものである。
【0017】
また、図2に示すように、サーバ1を含むエンジン始動システム2は、車両に搭載される車載機器としてのカーナビゲーションECU3と、ネットワーク、ユーザが所持するリモコン4、基地局5を含む。
【0018】
リモコン4は携帯機であって、例えばCPU、ROM、RAM、EEPROMおよびそれらを相互に接続するデータバスと入出力インターフェースから構成され、ROMに格納されたプログラムに従い動作して、ユーザのボタン操作により主にサーバ1に対してエンジン始動要求を送信する制御を行うとともに、以下に述べるそれぞれの制御を行う。
【0019】
サーバ1と、基地局5とは、図2に示すように、ネットワークを介して接続されるとともに、リモコン4及びカーナビゲーションECU3はネットワークに接続された基地局5と無線で通信可能に構成されている。
【0020】
このネットワークは、例えば、公衆電話交換網(PSTN)やデジタル通信ネットワーク(ISDN)、インターネット、光ファイバ等の有線、又は、携帯電話網、PHS(Personal Handy-phone System)網、無線LAN網、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)網、衛星電話、ビーコン等の無線にて構成されるものである。
【0021】
なお、このネットワークによる、サーバ1とリモコン4又はカーナビゲーションECU3間の通信は、PPPプロトコル(Point to Point Protocol)に従うものでありPPPプロトコルによりこれらの間でデータリンクを確立し、上位層であるTCP/IPプロトコル(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)、TCP/IPと上位互換であるHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)やFTP(File Transfer Protocol)を実現するものであって、インターネットやWAN(Wide Area
Network)を構成して、サーバ1とリモコン4又はカーナビゲーションECU3との間におけるデータの送受信を可能とするものである。
【0022】
ここで、図1に示すようにCPU71は、OSやアプリケーションなどのプログラムと本発明に係るプログラムを、本発明に係る媒体を構成する記憶装置73から読み込んで実行することで種々の機能を提供するとともに、サーバ1が行う処理を統括的に制御する。主記憶装置72はRAMにより構成され、上述したプログラム、データを一時保管する作業領域を構成している。
【0023】
さらに、記憶装置73は、HDDやフラッシュメモリなどの不揮発性メモリであり、OSやアプリケーションのプログラム及び本発明に係るプログラム、車両毎の送信元ID及びカーナビゲーションECU3の送信手段3cから送信され基地局5、ネットワーク及び通信装置77を介して受信された、車両位置情報を蓄積し地図データAを記憶している。
【0024】
ここで、表示装置74は、プログラムが指示する画面情報に基づくCPU71の指令により、所定の解像度や色数等で液晶などの図示しないディスプレイに描画するものである。表示装置74は、例えば、GUI(Graphical User Interface)画面を形成し、操作に必要な各種ウィンドウやデータ等をディスプレイに表示するものである。
【0025】
加えて、入力装置75はキーボードやマウスなどで構成され、入力操作を実行するために用いられる。また、ドライブ装置76は記憶媒体78が挿入可能に構成されており、記憶媒体78に記憶された例えば上述したプログラムをバージョンアップするためのデータを読み取って主記憶装置72等に送出するものである。また、通信装置77は、インターネットやLANなどのネットワークに接続するためのインターフェースであり、例えばモデム、NIC等で構成される。
【0026】
このような構成のもとで、CPU71がプログラムを実行することで、サーバ1の設定手段1aは、法規等の新たな規定や改正に伴う通達に含まれる内容に準拠させて行う、管理者の入力装置75や表示装置74を用いた入力操作に基づいて、地図データA中の騒音規制領域E1を通達の都度、新たに書き込むか更新する。本実施例1において、騒音規制領域E1は、エンジン始動を禁止すべき始動禁止領域に該当する。
【0027】
また、サーバ1の取得手段1bは、リモコン4によるエンジン始動要求を受信すると、カーナビゲーションECU3に車両位置情報を要求する位置情報要求を送信し、位置情報要求に応じてカーナビゲーションECU3の送信手段3cが通信装置14を介して送信した、探索手段3aが探索した現在の車両位置を含む車両位置情報を取得する。
【0028】
さらに、サーバ1の禁止手段1cは、記憶装置73に記憶された地図データAと車両位置を比較し参照して、車両位置が騒音規制領域E1内に位置するか否かを判定し、この判定が肯定である場合には、エンジン始動を禁止する。
【0029】
次に車両側のカーナビゲーションECU3について図を用いて詳細に説明する。図3は、本発明に係るエンジン始動システム2の一部をなすカーナビゲーションECU3の一実施態様を示す模式図である。
【0030】
図3に示すように、カーナビゲーションECU3には、GPSアンテナ6(Global Positioning System:全地球測位システム)と、ヨーレートセンサ7と、ステアリングセンサ8と、受信機9と、ハードディスク10と、ディスプレイ11とが接続される。
【0031】
さらに、カーナビゲーションECU3には、エンジンECU12と、ブレーキECU13と、ここでは図示しないその他の制御系統を構成するECU及び通信装置14がCAN(Controller Area Network)等の通信規格により接続される。
【0032】
ここで、エンジンECU12は、例えばCPU、ROM、RAM、EEPROMおよびそれらを相互に接続するデータバスと入出力インターフェースから構成され、ROMに格納されたプログラムに従い、図示しないエンジンを制御する。
【0033】
また、ブレーキECU13も、例えばCPU、ROM、RAM、EEPROMおよびそれらを相互に接続するデータバスと入出力インターフェースから構成され、ROMに格納されたプログラムに従い、図示しないブレーキ装置を制御する。
【0034】
これらの制御系統を構成するエンジンECU12又はブレーキ12ECU及びその他のECUは、それぞれの制御系統毎に制御情報を検出しており、エンジン冷却水温度Tや車速を含むそれぞれの制御情報について、CANを介してカーナビゲーションECU3に適宜のタイミングで送信する。
【0035】
カーナビゲーションECU3は、例えばCPU、ROM、RAM、EEPROMおよびそれらを相互に接続するデータバスと入出力インターフェースから構成され、ROMに格納されたプログラムに従い、以下に述べるそれぞれの制御を行う。カーナビゲーションECU3は、探索手段3a、表示手段3b、送信手段3c、受信手段3dとして機能するものである。
【0036】
GPSアンテナ6は、地球上空に打ち上げられた複数の衛星の内三個の衛星からの電波を受信する。これらの電波をもとに、カーナビゲーションECU3の探索手段3aは、例えば三角測量の原理で現在の車両位置つまりは経度と緯度を測定する。なお、経度と緯度に加え高度も測定する場合には四個の衛星を用いる。
【0037】
ここで、ヨーレートセンサ7は車両のヨーレートを検出するものであり、ステアリングセンサ8は車両の図示しない操舵装置に設けられて操舵角を検出するものである。ハードディスク10はCD−ROMやDVD−ROM等の記憶媒体により構成され、表示用の地図情報と、車両のディーラーの位置を含む探索用の地図情報を含む地図データBを格納し記憶している。
【0038】
また、ディスプレイ11は、タッチパネルすなわちユーザが目的地及び高速道路を使わない、最短距離又は最短時間のいずれを選択する等の探索条件を入力する入力装置としても機能するものである。
【0039】
ユーザによってタッチパネルにより入力された目的地と探索条件をもとに、カーナビゲーションECU3の探索手段3aは探索用の地図情報に基づいて経路を探索する。ディスプレイ11は、探索された経路に関する情報を、カーナビゲーションECU3の表示手段3bの指令に基づき表示用の地図情報とともに表示する。
【0040】
さらに、受信機9は光あるいは電波ビーコンに準拠したものであり、VICS(Vehicle Information & Communication System:道路交通情報システム)からの渋滞情報を含む道路情報を受信する。
【0041】
このように、カーナビゲーションECU3の探索手段3aは、ブレーキECU13から取得した車速とヨーレートセンサ7が検出したヨーレート、ステアリングセンサ8が検出した操舵角をもとにして、車両の移動距離と方向を計算して現在の車両位置をINS(Inertial Navigation System:慣性航法システム)により測定して、車両が高層ビルの合間やトンネル内に位置していてGPSアンテナ6が衛星から電波を受信できない場合における車両位置を補完する。
【0042】
そして、カーナビゲーションECU3の表示手段3bは、経路案内中においてはハードディスク10内の表示用の地図情報と、上述した方法により測定した現在の車両位置と、タッチパネルすなわちディスプレイ11により入力された目的地と、探索手段3aにより探索された経路に関する情報とを併せてディスプレイ11に表示する。
【0043】
車両のIGがオフとされた時点における車両位置は、カーナビゲーションECU3のRAM内にIGオフ後においても保持され記憶される。
【0044】
さらに、カーナビゲーションECU3の受信手段3dが、センタを構成するサーバ1から位置情報要求を受信した場合には、カーナビゲーションECU3の送信手段3cは、位置情報要求に応じて、RAM内に保持され記憶された現在の車両位置を含む車両位置情報を、サーバ1に送信する。
【0045】
以下に以上述べた本実施例1のエンジン始動システム2の制御内容を、フローチャートを用いて説明する。図4は、本発明に係るエンジン始動システム2の制御内容を示すフローチャートである。図4においては、左側にカーナビゲーションECU3つまり車載機器内の制御内容を、中央にセンタを構成するサーバ1の制御内容を、右側に携帯機であるリモコン4の制御内容を示している。
【0046】
図4に示すように、ステップS1において、センタを構成するサーバ1の設定手段1aは、騒音規制領域E1を設定し、設定内容を記憶装置73の地図データA内に記憶する。ステップS2において、ユーザのリモコン4が含むボタンの押圧操作により、リモコン4からサーバ1に対してエンジン始動要求が送信された後、ステップS3において、サーバ1がエンジン始動要求を受信すると、ステップS4において、サーバ1の取得手段1bは、カーナビゲーションECU3に対して車両位置情報を要求する位置情報要求を送信する。
【0047】
ステップS5において、カーナビゲーションECU3の受信手段3dが位置情報要求を受信すると、ステップS6において、送信手段3cは車両位置を含む車両位置情報をサーバ1に送信する。
【0048】
ステップS7において、サーバ1の取得手段1bが車両位置情報を受信して取得した後、ステップS8において、サーバ1の禁止手段1cは、車両位置が騒音規制領域E1内であるか否かを判定する。ステップS8において否定である場合には、ステップS9にすすみ、肯定である場合には、ステップS10にすすむ。
【0049】
ステップS9において、サーバ1はエンジン始動指令を車載機器であるカーナビゲーションECU3に送信する。ステップS10において、サーバ1は、エンジン始動不許可通知をリモコン4に送信し、エンジン始動を禁止する。
【0050】
ステップS11において、カーナビゲーションECU3の受信手段3dがエンジン始動指令を受信すると、ステップS12において、カーナビゲーションECU3の送信手段3cは、エンジンECU12にエンジン始動指令を転送し、エンジンECU12はエンジン始動を行い、さらに、ステップS13において、カーナビゲーションECU3の送信手段3cはエンジン始動完了通知をサーバ1に送信する。
【0051】
ステップS14において、サーバ1は、エンジン始動完了通知を受信したか否かを判定し、肯定であれば、ステップS15にすすんで、サーバ1はエンジン始動完了通知をリモコン4に送信する。
【0052】
ステップS16において、リモコン4は、ステップS10に対応してエンジン始動不許可通知を受信するか、ステップS15に対応してエンジン始動完了通知を受信し、ステップS17において、エンジン始動不許可又はエンジン始動完了の旨をリモコン4が含むディスプレイによりテキスト又はシンボルマークにより表示してユーザに報知する。
【0053】
以上述べた図4に示したフローチャートにおいて、本発明に係るエンジン始動方法の設定ステップ、取得ステップ、禁止ステップが実行される。
【0054】
以上述べた本実施例1のエンジン始動システム2及びそれにより実行されるエンジン始動方法によれば、以下のような作用効果を得ることができる。すなわち、法規等の新たな規定や改正が発生しても、センタを構成するサーバ1において設定手段1aにより地図データA内の騒音規制領域E1を新たに書き込む又は更新することができる。
【0055】
すなわち、本実施例1によれば、予め設定された騒音規制領域E1の位置情報を含む地図データAを車両側で具備する必要がなく、加えて、車両側において検出された車両位置が騒音規制領域E1内に位置しているか否かの判定を行う必要も生じない。
【0056】
つまり、本実施例1によれば、騒音規制領域E1内が法規等の新たな規定又は改正により変更された場合においても、その都度例えばセンタから無線通信を介して、又は、ディーラー等に車両を入庫させて有線により、カーナビゲーションECU3に接続されたハードディスク10内の地図データBをダウンロードし直す必要性をなくすことができる。
【0057】
このため、路側のセンタと車両側との通信負荷の増大を招くことを防止することができる。また、ユーザがディーラー等に車両を入庫させる煩雑さを招くことをも防止することができ、ダウンロードのし直しに必要なコストを削減することもできる。
【0058】
加えて、本実施例1においては、エンジン始動を禁止するか否かの判定基準となる地図データAを新たな規定又は改正毎に書き換えて更新し、一元管理することも、本実施例1においてはサーバ1において管理者の入力操作に基づいてサーバ1の設定手段1aにより容易に実行することができる。
【0059】
つまり、特には一旦販売した後の車両である既販車において、禁止の判定に供する地図データを車両側に具備させる場合に困難となる、一元管理を容易に実現することができ、判定に供する地図データを常に更新後のものとして、エンジン始動を禁止する場合の判定そのものの正確性を高めることができる。
【0060】
また、本実施例1においては、車両が経路探索に用いる上述したハードディスク10内における地図データBは探索用又は表示用の主にノードとリンクよりなる容量の低いデータであれば十分であって、車両側のカーナビゲーションECU3もそれに応じた処理能力を具備したスペックを具備すれば十分なものとすることができる。つまり、本実施例1によれば、カーナビゲーションECU3に不必要なスペックを具備させることを回避することができる。
【0061】
また、本実施例1においては、騒音禁止領域E1を含む地図データAを車両側が具備して禁止のための判定のロジックを含むプログラムを具備することをも回避することができる。つまり、サーバ1に較べて台数が多い車両側のカーナビゲーションECU3のコスト低減を図り、エンジン始動システム2全体のコスト低減を図ることができる。
【0062】
上述したように、本実施例1によれば、車載機器の通信負荷や処理能力の増大を防止して、地図データAの一元管理をより容易なものとし、ユーザの利便性を高めることができる。
【0063】
なお、上述した実施例1に示したエンジン始動システム2においては、例えばユーザが特定事業者の作業員であり、禁止した後の解除を予め法規等により政府又は地方公共団体等により特別に許可されている場合において、禁止後の解除操作を行うことができないが、ロジックの追加により適宜解除可能なものとすることができる。以下それについての実施例2について述べる。
【実施例2】
【0064】
図5は、本実施例2に係るエンジン始動システム2の一実施形態の制御内容を示すフローチャートである。なお、エンジン始動システム2を構成する個々の構成要素については実施例1に示したものと同様であるため、同一の符号を付して、重複する説明については割愛する。
【0065】
以下に本実施例2のエンジン始動システム2の制御内容を、図5を用いて説明する。また、フローチャートについても、実施例1すなわち図4に示したものと同様の処理内容であるステップS1からステップS15については、同一の符号を付して、重複する説明は割愛する。
【0066】
ステップS10において、サーバ1の禁止手段1cがエンジン始動を禁止して、エンジン始動不許可通知をリモコン4に送信した後、ステップS18において、リモコン4がエンジン始動不許可通知を受信したか否かを判定し、肯定であればステップS19において、ディスプレイによりエンジン始動不許可の旨をユーザに報知する。否定であればステップS24にすすむ。
【0067】
ステップS20において、ユーザが政府又は地方公共団体等から予め取得しているパスワードを解除入力として入力することが可能とされ、ステップS21においてリモコン4は、解除入力が有ったか否かを判定し、否定であればステップ22をとばしてステップS24にすすみ、肯定であればステップS22にすすんで、解除入力通知をセンタつまりサーバ1に送信する。
【0068】
ステップS23において、サーバ1は解除入力通知を受信したか否かを判定し、否定であればステップS15の直後にすすみ、肯定であれば、ステップS9にすすんで、エンジン始動指令を車載機器つまりカーナビゲーションECU3に送信する。
【0069】
ステップS24において、リモコン4はエンジン始動完了通知を受信したか否かを判定し、否定であればステップS25の直後にすすみ、肯定であればステップS25にすすんでエンジン始動完了の旨をユーザに報知する。
【0070】
本実施例2によれば特別に許可されたユーザの解除入力に基づいて、ステップS8においてサーバ1の禁止手段1cによりエンジン始動が禁止された場合でも、遠隔操作によるエンジン始動を実行することができる。なお、解除入力は、パスワード以外にも暗証番号、認証コード等に適宜置換可能である。
【0071】
上述した実施例1及び実施例2においては、エンジン始動を禁止すべき始動禁止領域として騒音規制領域E1を設定したが、これに加えて、エンジン始動を制限すべき始動制限領域を設定し、始動制限領域と車両位置との比較に基づいてエンジン始動を制限し、さらに、エンジン温度をも考慮してエンジン始動を制限することもできる。以下これについての実施例3について述べる。
【実施例3】
【0072】
図6は、本実施例3に係るエンジン始動システム2の一実施形態の制御内容を示すフローチャートである。なお、エンジン始動システム2を構成する個々の構成要素については実施例1に示したものとほぼ同様であるため、同一の符号を付して、重複する説明については割愛する。本実施例3においては、サーバ1は実施例1に示した機能に加えて、図1中カッコ内で示す、制限手段1dを具備している。
【0073】
本実施例3においては、サーバ1の設定手段1aは、ネットワーク上に接続された環境情報を管理する事業者から排気ガス濃度分布を取得する。設定手段1aは、管理者の入力装置75や表示装置74を用いた入力操作に基づいて、排気ガス規制領域E2を設定し、地図データA中に排気ガス規制領域E2を新たに書き込む。なお、設定手段1aは、排気ガス規制領域E2が地図データA中に既に書き込まれている場合には最新のものに更新する。本実施例3において、排気ガス規制領域E2は、エンジン始動を制限すべき始動制限領域に該当する。
【0074】
サーバ1の制限手段1dは、車両位置が排気ガス規制領域E2内である場合には、エンジン始動を制限する。また、本実施例3においては、サーバ1の取得手段1bは、リモコン4からエンジン始動要求を受信した場合に、カーナビゲーションECU3に対して車両位置情報とともにエンジン冷却水温度Tを含むエンジン温度情報を要求し取得する。
【0075】
サーバ1の制限手段1dは、エンジン冷却水温度Tが所定閾値である閾値Tth以上であって、暖機運転を目的としたエンジン始動は必要がないと判断される場合にもエンジン始動を制限する。
【0076】
以下に本実施例3のエンジン始動システム2の制御内容を、図6を用いて説明する。図6のステップS31において、サーバ1の設定手段1aは、騒音禁止領域E1を設定し、ステップS32において、設定手段1aは、排気ガス濃度分布をネットワーク上で取得し、ステップS33において、設定手段1aは、排気ガス規制領域E2を設定する。
【0077】
ステップS34において、カーナビゲーションECU3はエンジンECU12が測定したエンジン冷却水温度Tを取得する。
【0078】
ステップS35において、リモコン4によりエンジン始動要求がサーバ1に送信され、ステップS36においてサーバ1がエンジン始動要求を受信した後、ステップS37において、サーバ1の取得手段1bは、車両位置情報及びエンジン温度情報を要求する位置情報要求を車載機器であるカーナビゲーションECU3に送信する。
【0079】
ステップS38においてカーナビゲーションECU3の受信手段3dが位置情報要求を受信した後、ステップS39において、送信手段3cは、車両位置情報及びエンジン冷却水温度Tを含むエンジン温度情報をサーバ1に送信し、ステップS40において、ステップサーバ1の取得手段1bは、車両位置情報及びエンジン温度情報を取得する。
【0080】
ステップS41において、サーバ1の禁止手段1cは、車両位置が騒音規制領域E1内であるか否かを判定し、否定である場合には、ステップS42にすすみ、肯定である場合には、ステップS44にすすむ。ステップS42において、サーバ1の制限手段1dは、車両位置が排気ガス規制領域E2内である又はエンジン冷却水温度Tが閾値Tth以上であるか否かを判定し、肯定であれば、ステップS43にすすみ、否定であればステップS49にすすむ。
【0081】
ステップS43において、サーバ1の制限手段1dは、エンジン始動再確認通知をリモコン4に送信する。ステップS44において、サーバ1の禁止手段1cは、エンジン始動不許可通知をリモコン4に送信する。
【0082】
ステップS45において、リモコン4はエンジン始動再確認通知を受信してその旨をユーザに報知し、ステップS46において、リモコン4の含むボタンにより再確認入力をユーザが行うことが可能とされ、ステップS47において、再確認入力がなされた場合に、リモコン4は、再確認入力通知をサーバ1に送信し、ステップS48において、サーバ1が再確認入力通知を受信した後、ステップS49にすすむ。
【0083】
ステップS49において、サーバ1は、エンジン始動指令をカーナビゲーションECU3に送信し、ステップS50において、カーナビゲーションECU3はエンジン始動指令を受信手段3dが受信したか否かを判定し、否定である場合にはステップS54の直後にすすみ、肯定である場合には、ステップS51にすすみ、カーナビゲーションECU3は、エンジンECU12によりエンジン始動を行い、さらに、ステップS52において、送信手段3cはエンジン始動完了通知をサーバ1に送信する。
【0084】
ステップS53において、サーバ1は、エンジン始動完了通知を受信したか否かを判定し、肯定である場合には、ステップS54において、サーバ1はエンジン始動完了通知をリモコン4に送信する。
【0085】
ステップS55において、リモコン4は、エンジン始動不許可通知又はエンジン始動完了通知を受信したか否かを判定し、否定であればステップS56の直後にすすみ、肯定であれば、ステップS56において、エンジン始動不許可又はエンジン始動完了の旨を報知する。
【0086】
本実施例3によれば、車両位置が排気ガス規制領域E2内である場合には、再確認入力がなされた条件においてのみ、エンジン始動を許可するものとし、エンジン始動を制限することができる。また、本実施例3においては、遠隔操作によるエンジン始動が暖機運転を主目的としたものであることを考慮して、エンジン冷却水温度Tが閾値Tth以上であって、暖機運転が不要である場合にも、エンジン始動を制限することができる。
【0087】
上述した実施例3においては、エンジン冷却水温度Tを車両側から取得するものとしたが、センタを構成するサーバ1の高い処理能力を利用して、予め登録された車種と、IGオフ時からの経過時間に基づいて、エンジン冷却水温度を推定し、推定されたエンジン冷却水推定温度TAを用いてエンジン始動を制限することもできる。以下にそれについての実施例4について述べる。
【実施例4】
【0088】
図7は、本実施例4に係るエンジン始動システム2の一実施形態の制御内容を示すフローチャートである。なお、エンジン始動システム2を構成する個々の構成要素については実施例1に示したものとほぼ同様であるため、同一の符号を付して、重複する説明については割愛する。本実施例4においては、サーバ1は実施例1に示した機能に加えて、図1中カッコ内で示す、制限手段1d、推定手段1eを具備している。
【0089】
また、本実施例4においては、車両のIGがオフとされた時点における車両位置は、カーナビゲーションECU3のRAM内にIGオフ後においても保持され記憶されるとともに、IGオフ時において、このIGオフ時を含む時刻情報はサーバ1に転送され記憶装置73の顧客データベース内に記憶される。
【0090】
以下に本実施例4のエンジン始動システム2の制御内容を、図7を用いて説明する。なお、図6に示したフローチャートと同一のステップについては同一の符号を付し、重複する説明は割愛し、相違するステップであるステップS57からS62と関連するステップについてのみ説明する。
【0091】
ステップS35においてエンジン始動要求を受信した後、ステップS57において、サーバ1の推定手段1eは、エンジン始動要求に含まれるコードからユーザを識別し、記憶装置73に記憶された顧客データベースからユーザ登録情報を読み出して、該当する車両の車種を識別し、前回IGオフ時の時刻も取得する。
【0092】
ステップS58において、サーバ1の取得手段1bは、車両位置情報を要求する位置要求情報をカーナビゲーションECU3に送信し、ステップS38において、カーナビゲーションECU3の受信手段3dは、位置情報要求を受信し、ステップS59において、送信手段3cは、車両位置情報をサーバ1に送信する。
【0093】
ステップS60において、サーバ1の取得手段1bは、車両位置情報を受信し取得する。ステップS61において、サーバ1の推定手段1eは、車種と前回IGオフ時からの経過時間、及びネットワーク上で例えば気象庁から取得した気温情報と車両位置から特定される車両位置の外気温、及び予め記憶装置77に格納される、同一車種の複数の車両から得られるデータに基づいて定められた経過時間と外気温、エンジン冷却水温度Tとの関係を示すマップ又は関数から、エンジン冷却水推定温度TAを推定する。
【0094】
ここで用いるマップ又は関数は一般に、経過時間の増加に対してエンジン冷却水温度Tが低下する傾向を有し、低下する傾きが車種の特性毎に決定され、低下する直線又は曲線の原点からのオフセット量が絶対温度で表される外気温に比例する傾向を有する。
【0095】
ステップS41において、サーバ1の禁止手段1cは、車両位置が騒音規制領域E1内であるか否かを判定し、否定である場合には、ステップS62にすすみ、ステップS62において、サーバ1の制限手段1dは、車両位置が排気ガス規制領域E2内である又はエンジン冷却水推定温度TAが閾値Tth以上であるか否かを判定する。
【0096】
本実施例4によれば、実施例3において得られる作用効果に加えて、さらに以下の有利な作用効果を得ることができる。
【0097】
つまり、車両においてエンジン冷却水温度Tを取得する必要がないため、IGオフ時においてエンジンECU12をオフとすることができ、車両における電力消費を削減することができる。また、カーナビゲーションECU3からサーバ1に送信する情報を、エンジン温度情報を除いた車両位置情報のみとすることにより、通信負荷を低減することができる。
【0098】
また、ユーザ登録情報から車種を識別して、処理能力が高くかつ情報を一元管理できるサーバ1において、同一車種の複数の車両から得られる、エンジン冷却水温度Tと経過時間と外気温との相関関係を示すマップに基づいて、エンジン冷却水推定温度TAを推定するので、より正確な値を推定することができ、実際に車両側でエンジン冷却水温度Tを測定することに較べて、遜色のない精度の判定を行うことができる。
【0099】
つまり、エンジン始動の制限に関しての判定を、サーバ1側で行うことにより、一般にカーナビゲーションECU3よりも高い処理能力を有するサーバ1の機能を有効活用し、サーバ1の有する、同一車種の複数の車両から得られる情報を一元管理することが容易であると言う特性をも最大限利用することができる。
【0100】
以上本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明は上述した実施例に制限されることなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形および置換を加えることができる。
【0101】
例えば、上述した始動禁止領域と始動制限領域はあくまで例示的なものであり、騒音や排気ガス以外により定まるものであっても良い。また、騒音規制領域E1を始動制限領域とし、排気ガス規制領域E2を始動禁止領域とすることももちろん可能である。
【0102】
また、リモコン4については、携帯電話やパーソナルコンピュータにより置換することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明のセンタ、エンジン始動システム、エンジン始動装置、エンジン始動方法によれば、特には車載機器側の通信負荷や処理能力の増大を回避し、判定に用いるデータベースの一元管理の困難性を招くことをも回避した上で、遠隔操作に基づくエンジン始動を可能としユーザの利便性を高めることができるので、乗用車、トラック、バス等の様々な車両に適用して有益なものである。
【符号の説明】
【0104】
1 サーバ(センタ)
1a 設定手段
1b 取得手段
1c 禁止手段
1d 制限手段
1e 推定手段
2 エンジン始動システム
3 カーナビゲーションECU(車載機器)
3a 探索手段
3b 表示手段
3c 送信手段
3d 受信手段
4 リモコン(携帯機)
5 基地局
6 GPSアンテナ
7 ヨーレートセンサ
8 ステアリングセンサ
9 受信機
10 ハードディスク
11 ディスプレイ
12 エンジンECU
13 ブレーキECU
14 通信装置
71 CPU
72 主記憶装置
73 記憶装置
74 表示装置
75 入力装置
76 ドライブ装置
77 通信装置
78 記憶媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン始動を禁止すべき始動禁止領域を設定する設定手段と、携帯機からのエンジン始動要求に応じて車載機器から車両位置情報を取得する取得手段と、前記車両位置情報が含む車両位置が前記始動禁止領域内である場合に前記エンジン始動を禁止する禁止手段を含むことを特徴とするセンタ。
【請求項2】
前記設定手段が前記エンジン始動を制限すべき始動制限領域を設定し、前記車両位置が前記始動制限領域内である場合に、前記エンジン始動を制限する制限手段を含むことを特徴とする請求項1に記載のセンタ。
【請求項3】
前記取得手段が前記エンジン始動要求に応じてエンジン温度を含むエンジン温度情報を前記車載機器から取得するとともに、前記エンジン温度が所定閾値以上である場合に、前記制限手段が前記エンジン始動を制限することを特徴とする請求項2に記載のセンタ。
【請求項4】
前記エンジン始動要求の受信に応じてエンジン推定温度を予め登録された車両の車種及び前回IGオフ時から推定する推定手段を含み、前記エンジン推定温度が所定閾値以上である場合に、前記制限手段が前記エンジン始動を制限することを特徴とする請求項2に記載のセンタ。
【請求項5】
請求項1〜4に記載のセンタと前記携帯機と前記車載機器を含むことを特徴とするエンジン始動システム。
【請求項6】
前記禁止手段が前記エンジン始動を禁止する場合に、エンジン始動不許可を報知する報知手段を前記携帯機が含むことを特徴とする請求項5に記載のエンジン始動システム。
【請求項7】
前記制限手段が前記エンジン始動を制限する場合に、前記報知手段がエンジン始動再確認を報知することを特徴とする請求項6に記載のエンジン始動システム。
【請求項8】
エンジン始動を禁止すべき始動禁止領域をセンタにおいて設定する設定ステップと、携帯機からのエンジン始動要求に応じて車載機器から車両位置情報を前記センタが取得する取得ステップと、前記車両位置情報が含む車両位置が前記始動禁止領域内である場合に前記エンジン始動を前記センタにおいて禁止する禁止ステップを含むことを特徴とするエンジン始動方法。
【請求項9】
前記設定ステップにおいて前記エンジン始動を制限すべき始動制限領域を設定するとともに、前記車両位置が前記始動制限領域内である場合に、前記エンジン始動を前記センタにおいて制限する制限ステップを含むことを特徴とする請求項8に記載のエンジン始動方法。
【請求項10】
前記取得ステップにおいて、前記エンジン始動要求に応じてエンジン温度を含むエンジン温度情報を前記車載機器から取得するとともに、前記エンジン温度が所定閾値以上である場合に、前記制限ステップにおいて前記エンジン始動を制限することを特徴とする請求項9に記載のエンジン始動方法。
【請求項11】
前記エンジン始動要求に応じてエンジン推定温度を予め登録された車両の車種及び前回IGオフ時から推定する温度情報推定ステップと、前記エンジン推定温度が所定閾値以上である場合に、前記制限ステップにおいて前記エンジン始動を制限することを特徴とする請求項9に記載のエンジン始動方法。
【請求項12】
請求項8〜11のいずれか一項に記載のエンジン始動方法を実行するプログラム。
【請求項13】
請求項12に記載のプログラムが記憶された媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−213308(P2011−213308A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−85534(P2010−85534)
【出願日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】