説明

センタモデム不具合時のCATVインターネットサービス自動復旧方式

【課題】センタモデムに不具合が発生した場合に、ヘッドエンド装置との接続切り替およびネットワークマネジメント装置の設定作業に時間がかかった。
【解決手段】LAN1を介してインタネット等上位プロバイダと通信するためのルータ1_2,2_6およびセンタモデム1_3,2_7と、センタモデム1_3,2_7の入出力RF(Radio Frequency)信号を分配してCATV伝送路1_10,2_11へ伝送するヘッドエンド装置4と、エリア1_5に収容されCATV伝送路1_10に接続されて加入者端末との間に介在するケーブルモデム51,52と、エリア2_8に収容されCATV伝送路2_11に接続されて加入者端末との間に介在するケーブルモデム81,82と、 LAN1に接続されてセンタモデム1_3,2_7およびケーブルモデム51,52,81,82を監視・制御するネットワークマネジメント装置9とを備える。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセンタモデム不具合時の自動復旧方式に関し、特にCATVインターネットサービスシステムにおけるセンタモデム不具合時のCATVインターネットサービス自動復旧方式に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、CATVインターネットサービスにおいて、センタモデムに不具合が発生した場合に、ヘッドエンド装置との接続切り替およびネットワークマネジメント装置の設定作業に時間がかかり、復旧時間が長くなるとともに専門知識を有する要員が必要であった。
【0003】従って、本発明の目的は、センタモデム不具合時の自動復旧方法を採用することによって短時間で人手を介さずにサービスの復旧を可能にすることである。
【0004】関連する先行技術としては、特開平11−215150号公報の「センター装置の切替え方法及び、これを用いたケーブルモデムシステム」がある。この先行技術は、冗長構成のセンタ装置を定期的にポーリングすることにより、現用のセンタ装置の障害を検出した場合に冗長構成の伝送ルートの切り替を行うものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これら従来のCATVインターネットサービスにおいては、センタモデムに不具合が発生した場合に、ヘッドエンド装置との接続切り替およびネットワークマネジメント装置の設定作業に時間がかかり、復旧時間が長くなるとともに専門知識を有する要員が必要であった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によるセンタモデム不具合時のCATVインターネットサービス自動復旧方式は、第1に、CATVセンタにルータとセンタモデムとを各々冗長構成で備えて運用するCATVインターネットサービスシステムにおいて、前記冗長構成のセンタモデムのいずれかに不具合が発生した場合に正常なもう一方の前記センタモデムに自動的に切り替えて前記CATVインターネットサービスシステムを復旧させる。
【0007】本発明によるセンタモデム不具合時のCATVインターネットサービス自動復旧方式は、第2に、前記冗長構成のルータの各々がローカルエリアネットワーク等センタネットワークおよびインターネット等を通して上位プロバイダへ接続されるとともに、前記冗長構成のセンタモデムの各々が前記CATVセンタに設置されるヘッドエンド装置を介して前記センタモデムの冗長構成に対応する冗長構成のCATV伝送路に接続され、かつ前記冗長構成のCATV伝送路の各々に加入者端末を収容する複数のケーブルモデムが接続される。
【0008】本発明によるセンタモデム不具合時のCATVインターネットサービス自動復旧方式は、第3に、前記センタモデムは、前記不具合が発生した場合に下りRF信号の出力を強制的に停止するとともに前記ヘッドエンド装置に対して接点信号を出力する。
【0009】本発明によるセンタモデム不具合時のCATVインターネットサービス自動復旧方式は、第4に、前記ケーブルモデムは、前記センタモデムが前記下りRF信号を停止したことによるり前記下りRF信号を受信しなくなった段階で新たなRFキャリアをサーチする。
【0010】本発明によるセンタモデム不具合時のCATVインターネットサービス自動復旧方式は、第5に、前記ヘッドエンド装置は、前記センタモデムから前記接点信号を入力することにより前記不具合が発生した前記センタモデムとの入出力接続から前記不具合が発生していない正常な前記センタモデムとの入出力接続に自動的に切り替える。
【0011】本発明によるセンタモデム不具合時のCATVインターネットサービス自動復旧方式は、第6に、前記センタネットワークは、前記センタモデムを監視して前記不具合を検知するとともに前記不具合を検知したときは前記不具合を検知したセンタモデム側の前記ケーブルモデムの設定データを前記不具合が発生していない正常なセンタモデム側の前記ケーブルモデムの設定データに自動的に移すネットワークマネジメント装置を収容する。
【0012】
【発明の実施の形態】次に本発明の一実施の形態のセンタモデム不具合時のCATVインターネットサービス自動復旧方式について、図面を参照して詳述する。
【0013】図1はケーブルモデムを使用したCATVインターネット接続システムにおけるセンタモデム不具合時のCATVインターネットサービス自動復旧方式を示すシステム構成図である。
【0014】この図1のシステム構成において、CATVセンタにはローカルエリアネットワーク(LAN)1等センタネットワークを介してインタネット等上位プロバイダと通信するためのルータ1_2およびセンタモデム1_3が設置される。センタモデム1_3の入出力RF(Radio Frequency)信号は、ヘッドエンド装置4で分配混合されてCATV伝送路1_10へ伝送される。CATV伝送路のエリアは分かれており、CATV伝送路1_10のエリアはエリア1_5、およびCATV伝送路2_11のエリアはエリア2_8であり、これら各々のエリアに対してそれぞれ別々のルータ、すなわちエリア1_5に対してはルータ1_2およびエリア2_8に対してはルータ2_6と、ヘッドエンド装置4とで運用する。CATV伝送路1_10にはケーブルモデム51,52が接続され、これらケーブルモデム51,52の各々に接続される図示されていない端末においてインターネットサービスが受けられる。なお、ケーブルモデム51,52のIP(Internet Protocol)アドレスのセグメントはエリア毎に異なる。
【0015】CATVセンタに設置されローカルエリアネットワーク(LAN)1に接続されたネットワークマネジメント装置9は、センタモデム1_3,2_7およびケーブルモデム51,52,81,82を監視・制御する。
【0016】続いて、動作について説明する。
【0017】図1のシステム構成において、センタモデム2_7に不具合が発生した場合、センタモデム2_7は強制的に下りRF信号を止める。これによりCATV伝送路2_11のエリア2_8におけるケーブルモデム81,82は、センタモデム2_7からの下りRF信号が無くなった段階で新たなRFキャリアをサーチする。
【0018】また、センタモデム2_7は不具合が発生した場合、ヘッドエンド装置4に対して接点信号を出力し、この接点信号を受けてヘッドエンド装置4はセンタモデム2_7への入出力をセンタモデム1_3への入出力に自動的に切り替える。これによりCATV伝送路2_11上のエリア2_8におけるケーブルモデム51,52はセンタモデム1_3と通信可能な状態となる。
【0019】ネットワークマネジメント装置9は、常時センタモデム1_3,2_7を監視しており、センタモデム2_7に不具合が発生するとこれを検知する。そしてネットワークマネジメント装置9は、CATV伝送路2_11上のエリア2_8に接続されているケーブルモデム51,52のMAC(Media AccessContorol)アドレスやサービスクラスなどの設定データを自動的にCATV伝送路1_10上のエリア1_5の設定データに移す。
【0020】これによりネットワークマネジメント装置9は、CATV伝送路2_11上のエリア2_8におけるケーブルモデム81,82を認証する。認証されたケーブルモデム81,82はセンタモデム1_3およびルータ1_2を介して通信可能となる。
【0021】
【発明の効果】第1の効果は、ヘッドエンド装置の切り替およびケーブルモデムの設定データの変更を人手によらず自動的に行うことにより夜間等の人員が不在の場合でも復旧が可能である。この結果、施設管理者の工数削減となる。
【0022】第2の効果は、人手による作業に比べ短時間で復旧できるため、インターネットサービス加入者へのサービス向上となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のセンタモデム不具合時のCATVインターネットサービス自動復旧方式を示すシステム構成図である。
【符号の説明】
1 LAN
2 ルータ1
3 センタモデム1
4 ヘッドエンド装置
5 エリア1
6 ルータ2
7 センタモデム2
8 エリア2
9 ネットワークマネジメント装置
10 CATV伝送路
11 CATV伝送路

【特許請求の範囲】
【請求項1】 CATVセンタにルータとセンタモデムとを各々冗長構成で備えて運用するCATVインターネットサービスシステムにおいて、前記冗長構成のセンタモデムのいずれかに不具合が発生した場合に正常なもう一方の前記センタモデムに自動的に切り替えて前記CATVインターネットサービスシステムを復旧させることを特徴とするセンタモデム不具合時のCATVインターネットサービス自動復旧方式。
【請求項2】 前記冗長構成のルータの各々がローカルエリアネットワーク等センタネットワークおよびインターネット等を通して上位プロバイダへ接続されるとともに、前記冗長構成のセンタモデムの各々が前記CATVセンタに設置されるヘッドエンド装置を介して前記センタモデムの冗長構成に対応する冗長構成のCATV伝送路に接続され、かつ前記冗長構成のCATV伝送路の各々に加入者端末を収容する複数のケーブルモデムが接続されることを特徴とする請求項1記載のセンタモデム不具合時のCATVインターネットサービス自動復旧方式。
【請求項3】 前記センタモデムは、前記不具合が発生した場合に下りRF信号の出力を強制的に停止するとともに前記ヘッドエンド装置に対して接点信号を出力することを特徴とする請求項1あるいは2記載のセンタモデム不具合時のCATVインターネットサービス自動復旧方式。
【請求項4】 前記ケーブルモデムは、前記センタモデムが前記下りRF信号を停止したことによるり前記下りRF信号を受信しなくなった段階で新たなRFキャリアをサーチすることを特徴とする請求項2あるいは3記載のセンタモデム不具合時のCATVインターネットサービス自動復旧方式。
【請求項5】 前記ヘッドエンド装置は、前記センタモデムから前記接点信号を入力することにより前記不具合が発生した前記センタモデムとの入出力接続から前記不具合が発生していない正常な前記センタモデムとの入出力接続に自動的に切り替えることを特徴とする請求項2あるいは3記載のセンタモデム不具合時のCATVインターネットサービス自動復旧方式。
【請求項6】 前記センタネットワークは、前記センタモデムを監視して前記不具合を検知するとともに前記不具合を検知したときは前記不具合を検知したセンタモデム側の前記ケーブルモデムの設定データを前記不具合が発生していない正常なセンタモデム側の前記ケーブルモデムの設定データに自動的に移すネットワークマネジメント装置を収容することを特徴とする請求項2記載のセンタモデム不具合時のCATVインターネットサービス自動復旧方式。

【図1】
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【公開番号】特開2002−44114(P2002−44114A)
【公開日】平成14年2月8日(2002.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−219330(P2000−219330)
【出願日】平成12年7月19日(2000.7.19)
【出願人】(000228512)エヌイーシーケーブルメディア株式会社 (2)
【Fターム(参考)】