説明

ソフトフォーカス撮影レンズ系及びソフトフォーカス撮影レンズ系の製造方法

【目的】 ソフトフォーカスフィルタを用いることなくソフトフォーカス撮影を可能にすることができ、絞り値の変化に伴う焦点移動を実質的になくすことにより、MF一眼レフカメラによるピント合わせや、TTLーAFカメラによる自動焦点制御を簡単かつ正確に行うことができるようにするとともに、低コストで生産でき、組立前の部品の在庫管理が容易なソフトフォーカス撮影レンズ系及びソフトフォーカス撮影レンズ系の製造方法を提供する。
【構成】 絞り近傍に位置するレンズエレメントL3、L4の光軸を中心とする円形領域10を滑面とし、円形領域を除く周縁部を、空間周波数の高周波成分をカットする輪帯状の光拡散部分11としたことを特徴とするソフトフォーカス撮影レンズ系L。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、ソフトフォーカス撮影レンズ系及びソフトフォーカス撮影レンズ系の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】従来のソフトフォーカス撮影レンズ系の代表的なものとしては、球面収差を大きく発生させる特殊な設計をしたレンズエレメントを用いたものがあるが、このようなソフトフォーカス撮影レンズ系は、絞り値の変更に伴って焦点移動が発生してしまう。
【0003】MF(Manual Focus)一眼レフカメラでは、焦点板の拡散特性上、実際の撮影レンズ絞り値の光束よりいくぶん絞った光束での焦点面画像を目視で確認して、ピント合わせを行うので、絞り値の違いで焦点移動が発生するソフトフォーカス撮影レンズ系では、ピント合わせが容易でなかった。
【0004】また、TTLーAF(Through The Lens Auto Focus)カメラにこのソフトフォーカス撮影レンズを用いた場合、測距センサーの測距信号に基づく自動焦点制御をするために、レンズ内蔵ROMに焦点移動情報を与える必要があった。
【0005】さらに、このようなレンズエレメントを用いたソフトフォーカス撮影レンズは、他のレンズエレメントやレンズ鏡筒等も、通常の撮影レンズのレンズエレメントやレンズ鏡筒とは設計が異なるため、製造コストが高く、組立前の部品の在庫管理が面倒であった。
【0006】また、レンズ鏡筒の先端部に別体のソフトフォーカスフィルタを取り付けてソフトフォーカスを行うこともできるが、この場合、ソフトフォーカスフィルタの着脱が面倒である。
【0007】
【発明の目的】本発明は、ソフトフォーカスフィルタを用いることなくソフトフォーカス撮影を可能にすることができ、絞り値の変化に伴う焦点移動を実質的になくすことにより、MF一眼レフカメラによるピント合わせや、TTLーAFカメラによる自動焦点制御を簡単かつ正確に行うことができるようにするとともに、低コストで生産でき、組立前の部品の在庫管理が容易なソフトフォーカス撮影レンズ系及びソフトフォーカス撮影レンズ系の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【発明の概要】本発明のソフトフォーカス撮影レンズ系は、絞り近傍に位置するレンズエレメントの光軸を中心とする円形領域を滑面とし、円形領域を除く周縁部を、空間周波数の高周波成分をカットする輪帯状の光拡散部分としたことを特徴としている。
【0009】本発明のソフトフォーカス撮影レンズの製造方法は、光学用樹脂を成型加工することにより、少なくとも一つのレンズエレメントの表面の周縁部に光拡散部分を形成することを特徴としている。
【0010】
【発明の実施形態】以下、本発明を単焦点レンズに適用した第1の実施形態について図1乃至図14を参照しながら説明する。図1、図2はソフトフォーカス撮影レンズ系Lの全体を示す側面図である。ソフトフォーカス撮影レンズ系Lはレンズ鏡筒(図示略)の内部に5枚のレンズエレメントL1乃至L5を光軸O方向に沿って並べたものである。各レンズエレメントL1乃至L5を組み合わせることにより、ソフトフォーカス撮影レンズLは球面収差が小さくなるように補正されている。
【0011】絞りSの近傍に位置するレンズエレメントL3とL4の絞りSとの対向面は、円形領域(例えば絞り値に換算してF5.6乃至F8の範囲)10は滑面として加工されており、その外周側の絞り値F2.8乃至F5.6の範囲は、空間周波数の高周波成分をカットする輪帯状の光拡散部分11として加工されている(図3及び図4はレンズエレメントL4の表面を拡大して示している)。光拡散部分11には、図4及び図5に拡大して示すように、大きさの等しい多数の突起状の光拡散要素12が分布密度が均一となるように設けられている。光拡散部分11は、その部分が光学設計通りの滑面である場合に比較して、被写体像の高周波成分をその共役像では再現しない(高周波成分をカットする、像をぼけさせる)作用を有する。その程度は、光拡散の程度によって定められる。
【0012】光拡散要素12は、光学用樹脂を成型加工したり、レンズエレメントL4の表面に感光性樹脂、例えば紫外線硬化樹脂を所定厚さに塗布し、紫外線を照射して硬化させることにより形成される。また、レンズエレメントL4の表面に電子線硬化型樹脂を塗布し、電子線を照射して硬化させた後、エッチングにより光拡散要素Aを形成してもよい。
【0013】図1に示すように絞りSを全開(絞り値2.8)にすると、ソフトフォーカス撮影レンズLに入った光束O1、O1は、レンズエレメントL4の光拡散要素12を透過することにより分散されるので(図5参照)、光束O1、O1は空間周波数の高周波成分がカットされた状態で結像面Fに合焦し、ソフト効果のある画像が得られる。
【0014】このような本実施形態によれば、ソフトフォーカス撮影レンズ系Lの基礎である通常設計されたレンズ系は球面収差が補正されているので(球面収差を意図的に発生させることでソフトフォーカス効果を得るのではないので)、絞りSの大きさを変更しても焦点移動が発生しない。このため、図6(a)に示す光強度分布図のように、焦点が合ったときだけ合焦像にピントの芯が残り、焦点がずれたときはピントの芯が残らないので、MF一眼レフカメラにソフトフォーカス撮影レンズ系Lを使用した場合は、通常レンズを使用した場合と同様に容易にピント合わせをすることができる(図6(b)は、通常のレンズ系の合焦像の光強度分布図であり、シャープな像となることを示している。図6(c)は、球面収差を故意に発生させる従来のソフトフォーカス撮影レンズ系の合焦像の光強度分布図であり、焦点がずれたときにもピントの芯が残るので、MFでの合焦が容易でないことを示している。)。
【0015】また、TTLーAFカメラの測距センサーが測距用に受光する光束は、一般にF5.6乃至F8の範囲の光束であり、この光束はレンズエレメントL4の滑面とその他のレンズエレメントL1乃至L3、L5を透過するので、測距センサーは高コントラストでシャープな画像信号を得ることができ、焦点検出を正確に行うことができる。
【0016】さらに、ソフトフォーカス撮影レンズ系Lの球面収差は、基礎となる通常のレンズ系と実質同程度なので、TTLーAFカメラにソフトフォーカス撮影レンズ系Lを用いた場合、測距センサーの測距信号に基づく自動焦点制御をするために、レンズ内蔵ROMに焦点移動情報を別途に与える必要がなく、自動焦点制御は通常レンズの場合と同様の制御で行うことができる。
【0017】また、このようなレンズエレメントL4を用いたソフトフォーカス撮影レンズ系Lは、他のレンズエレメントL1乃至L3、L5やレンズ鏡筒等も、通常の撮影レンズやレンズ鏡筒と同じ設計により得られるので、製造コストを低くすることができ、組立前の部品の在庫管理も容易となる。
【0018】また、レンズエレメントL4の絞りSとの対向面に光拡散部分11を設けたので、光束O1を光拡散部分11に確実に導くことができ、その結果、画面全体にソフト効果の高い画像を得ることができる。さらに、図2に示すように絞りSを小さくすると(絞り値5.6)、光束O1、O1がレンズエレメントL4の光拡散部分11を通らなくなるので、この場合はソフト効果のない通常の撮影をすることができる。
【0019】また、光拡散要素12は図5に示すもの以外にも、例えばそれぞれの高さを変えたもの(図10)、凹レンズ状のもの(図11)、円錐体のもの(図12)であってもよい。また、三角錐状や角柱状のもの(図示略)を方向をランダムにして配置させてもよい。また、樹脂を微少格子状、網状をなすように硬化させて光拡散要素を形成してもよい。さらに、図13に示すように、隣り合うレンズエレメント(例えばL4とL5)の接着剤層13に形成された多数の空泡を、光拡散要素12として利用することもできる。
【0020】さらに、図14に示すように、光拡散要素をレンズエレメントL4の表面の形成した凹部Tとすることもできる。レンズエレメントL4がプラスチックレンズの場合は、熱を加えながら、多数の突起を有する型(図示略)を押し当てるスタンプ方式により、上述の凹部Tを簡単に形成することができる。なお、凹部Tを形成するレンズエレメントはガラスレンズでもよいが、プラスチックレンズまたは、ガラスレンズ上に樹脂層を成型したいわゆる複合型非球面レンズの方が、凹部Tを簡単に成形できるので好ましい。
【0021】また、光拡散要素12の配列パターンは、その大きさを円形領域に近づくにつれて漸次小さくし、かつ、光拡散部分全体に均等に分布させて設けたり(図7)、その大きさを同じ大きさとし、分布密度を円形領域に近づくにつれて漸次小さくしたり(図8)することができる。このようにすると、ソフト効果時のぼけ像の輪郭を淡くさせることができる。
【0022】また、光拡散要素12の配列パターンを、その大きさを同じ大きさとし、分布密度を円形領域に近づくにつれて漸次大きくしたり(図9)、その大きさを円形領域に近づくにつれて漸次大きくし、かつ、光拡散部分全体に均等に分布したり(図示略)してもよい。このようにすると、ソフト効果の絞り値に対する変化を少なくすることができる。
【0023】なお、光拡散部分11は、レンズエレメントL3またはレンズエレメントL4のいずれか一方にのみ設けるようにしてもよい。
【0024】次に、本発明をズームレンズに適用した第2の実施形態について、図15乃至図18を参照しながら説明する。
【0025】本実施形態のソフトフォーカス撮影レンズ系L’は、ズームレンズ鏡筒(図示略)の内部に10枚のレンズエレメントL1’乃至L10’を光軸O方向に沿って並べたものであり、このズームレンズのスペックは4ー5.6/70ー200mmである。レンズエレメントL1’とL2’により第1レンズ群Aが構成され、レンズエレメントL3’乃至L5’により第2レンズ群Bが構成され、レンズエレメントL6’乃至L10’により第3レンズ群Cが構成されている。各レンズエレメントL1’乃至L10’を組み合わせることにより、ソフトフォーカス撮影レンズ系L’の基礎となるレンズ系は球面収差が小さくなるように補正されている。
【0026】絞りSの直後に位置するレンズエレメントL6’乃至L8の前後両面の中心部の円形領域10は滑面として加工されており、その外周側は、空間周波数の高周波成分をカットする輪帯状の光拡散部分11として加工されている。また、レンズエレメントL6’乃至L8’は、ズーミング移動に関わらず、常時、絞りSの近傍に位置するように設計されている。
【0027】レンズエレメントL6’の前後両面、及びレンズエレメントL7’の前面とレンズエレメントL8’の後面の光拡散部分11は図4のように形成されており、L7’とL8’の対向面の光拡散部分11は、図13のように、レンズエレメントL7’とL8’の間の接着剤層13に形成された多数の空泡により構成されている。
【0028】図15は、焦点距離70mmで開放絞りF4の状態を示しており、この場合、光束O1、O1はレンズエレメントL6’乃至L8’の光拡散部分11を透過するので、光束O1、O1は空間周波数の高周波成分がカットされた状態で結像面Fに合焦し、画面全体でソフト効果のある画像が得られる。
【0029】図16は、焦点距離70mmで絞り値F8の状態を示しており、この場合は、光束O1、O1が光拡散部分11を透過しないので、ソフト効果のない通常の撮影を行うことができる。
【0030】図17は、焦点距離200mmで開放絞りF5.6の状態を示しており、この場合、光束O1、O1はレンズエレメントL6’乃至L8’の光拡散部分11を透過するので、光束O1、O1は空間周波数の高周波成分がカットされた状態で結像面Fに合焦し、画面全体でソフト効果のある画像が得られる。
【0031】図18は、焦点距離200mmで絞り値F11の状態を示しており、この場合は、光束O1、O1が光拡散部分11を透過しないので、ソフト効果のない通常の撮影を行うことができる。
【0032】本実施形態では、レンズエレメントL6’の前後両面、及びレンズエレメントL7’の前面とレンズエレメントL8’の後面の光拡散部分11を図4のように形成したが、第1の実施形態と同様に、図5乃至図12、及び図14に示す様々な態様で実施することができる。
【0033】また、光拡散部分11は、レンズエレメントL6’乃至L8’の前後両面全てに設ける必要はなく、いずれか1つのレンズエレメントに設けたり、2つのレンズエレメントに設けたり、あるいは前面または後面にのみ設ける等、様々な変更が可能である。
【0034】また、以上説明した実施形態では、ソフトフォーカス撮影レンズ系を単焦点レンズとズームレンズに適用したが、マクロ撮影用レンズに適用して実施することもできる。
【0035】さらに、光拡散要素12を付加させるレンズエレメントの表面形状は、凸面、凹面(球面、非球面)のみならず、平面であってもよい。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、ソフトフォーカスフィルタを用いることなくソフトフォーカス撮影を可能にすることができる。また、絞り値の変化に伴う焦点移動を実質的になくすことにより、MF一眼レフカメラによるピント合わせや、TTLーAFカメラによる自動焦点制御を簡単かつ正確に行うことができ、しかも低コストで生産でき、組立前の部品の在庫管理が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のソフトフォーカス撮影レンズ系の第1の実施形態の絞りを開放(絞り値F2.8)にした際の側面図である。
【図2】同じく、絞りを絞った(絞り値F5.6)にした際の図1と同様の側面図である。
【図3】同じく、レンズエレメントL4の拡大正面図である。
【図4】同じく、レンズエレメントL4の一部を示す正面図である。
【図5】同じく、レンズエレメントL4の光拡散部分の拡大縦断側面図である。
【図6】(a)は、本発明のソフトフォーカス撮影レンズ系を用いた場合の合焦像の光強度分布図であり、(b)は、通常のレンズ系の合焦像の光強度分布図であり、(c)は、従来のソフトフォーカス撮影レンズ系を用いた場合の合焦像の光強度分布図である。
【図7】光拡散要素の配列パターンを変えたレンズエレメントL4の一部を示す正面図である。
【図8】同じく、光拡散要素の配列パターンを変えたレンズエレメントL4の一部を示す正面図である。
【図9】同じく、光拡散要素の配列パターンを変えたレンズエレメントL4の一部を示す正面図である。
【図10】同じく、光拡散要素の形状を変えた場合のレンズエレメントL4の光拡散部分の拡大縦断側面図である。
【図11】同じく、光拡散要素の形状を変えた場合のレンズエレメントL4の光拡散部分の拡大縦断側面図である。
【図12】同じく、光拡散要素の形状を変えた場合のレンズエレメントL4の光拡散部分の拡大縦断側面図である。
【図13】同じく、光拡散要素の形状を変えた場合のレンズエレメントL4とL5の間に形成された光拡散部分の拡大縦断側面図である。
【図14】同じく、光拡散要素の形状を変えた場合のレンズエレメントL4の光拡散部分の拡大縦断側面図である。
【図15】本発明のソフトフォーカス撮影レンズ系の第2の実施形態の焦点距離を70mmにして絞りを開放(絞り値F4)にした際の側面図である。
【図16】同じく、焦点距離を70mmにして絞りを絞った(絞り値F8)にした際の図15と同様の側面図である。
【図17】同じく、焦点距離を200mmにして絞りを開放(絞り値F5.6)にした際の図15と同様の側面図である。
【図18】同じく、焦点距離を200mmにして絞りを絞った(絞り値F11)にした際の図15と同様の側面図である。
【符号の説明】
10 円形領域
11 光拡散部分
12 光拡散要素
13 接着剤層
F 結像面
T 凹部
L ソフトフォーカス撮影レンズ系
L1 レンズエレメント
L2 レンズエレメント
L3 レンズエレメント
L4 レンズエレメント
L5 レンズエレメント
L’ ソフトフォーカス撮影レンズ系
L1’ レンズエレメント
L2’ レンズエレメント
L3’ レンズエレメント
L4’ レンズエレメント
L5’ レンズエレメント
L6’ レンズエレメント
L7’ レンズエレメント
L8’ レンズエレメント
L9’ レンズエレメント
L10’ レンズエレメント
O 光軸
O1 光束
S 絞り

【特許請求の範囲】
【請求項1】 絞り近傍に位置するレンズエレメントの光軸を中心とする円形領域を滑面とし、円形領域を除く周縁部を、空間周波数の高周波成分をカットする輪帯状の光拡散部分としたことを特徴とするソフトフォーカス撮影レンズ系。
【請求項2】 請求項1記載のソフトフォーカス撮影レンズ系において、上記光拡散部分が、多数の突起または凹部からなる光拡散要素から構成されているソフトフォーカス撮影レンズ系。
【請求項3】 請求項2記載のソフトフォーカス撮影レンズ系において、各光拡散要素を同じ大きさとし、上記光拡散要素を光拡散部分全体に均等に分布したソフトフォーカス撮影レンズ系。
【請求項4】 請求項2記載のソフトフォーカス撮影レンズ系において、光拡散要素の大きさを上記円形領域に近づくにつれて漸次小さくし、かつ、光拡散要素を光拡散部分全体に均等に分布したソフトフォーカス撮影レンズ系。
【請求項5】 請求項2記載のソフトフォーカス撮影レンズ系において、光拡散要素の大きさを上記円形領域に近づくにつれて漸次大きくし、かつ、光拡散要素を光拡散部分全体に均等に分布したソフトフォーカス撮影レンズ系。
【請求項6】 請求項2記載のソフトフォーカス撮影レンズ系において、各光拡散要素の大きさを同じ大きさとし、光拡散要素の分布密度を円形領域に近づくにつれて漸次小さくしたソフトフォーカス撮影レンズ系。
【請求項7】 請求項2記載のソフトフォーカス撮影レンズ系において、各光拡散要素の大きさを同じ大きさとし、光拡散要素の分布密度を円形領域に近づくにつれて漸次大きくしたソフトフォーカス撮影レンズ系。
【請求項8】 請求項1ないし7のいずれか1項記載のソフトフォーカス撮影レンズ系において、絞りの直後または直前に位置するレンズエレメントの表面に光拡散部分を形成したソフトフォーカス撮影レンズ系。
【請求項9】 請求項1記載のソフトフォーカス撮影レンズ系において、上記光拡散部分が、隣り合うレンズの接着剤層に形成された多数の空泡であるソフトフォーカス撮影レンズ系。
【請求項10】 請求項1ないし9のいずれか1項記載のソフトフォーカス撮影レンズ系において、上記円形領域を、レンズの絞り値に換算したときF5.6乃至F8の範囲に形成したソフトフォーカス撮影レンズ系。
【請求項11】 請求項1ないし10のいずれか1項記載のソフトフォーカス撮影レンズ系の製造方法において、光学用樹脂を成型加工することにより、少なくとも一つのレンズエレメントの表面の周縁部に光拡散部分を形成することを特徴とするソフトフォーカス撮影レンズ系の製造方法。
【請求項12】 請求項1ないし10のいずれか1項記載のソフトフォーカス撮影レンズ系の製造方法において、少なくとも一つのレンズエレメントの表面の周縁部に、感光性樹脂を所定厚さに塗布し、光を照射して硬化させることにより光拡散部分を形成することを特徴とするソフトフォーカス撮影レンズ系の製造方法。
【請求項13】 請求項12記載のソフトフォーカス撮影レンズ系の製造方法において、上記感光性樹脂が紫外線硬化樹脂であり、少なくとも一つのレンズエレメントの表面の周縁部に塗布された紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して硬化させることにより光拡散部分を形成することを特徴とするソフトフォーカス撮影レンズ系の製造方法。
【請求項14】 請求項1ないし10のいずれか1項記載のソフトフォーカス撮影レンズ系の製造方法において、少なくとも一つのレンズエレメントの表面の周縁部に、電子線硬化型樹脂を塗布し、電子線を照射して硬化させた後、エッチングにより光拡散部分を形成することを特徴とするソフトフォーカス撮影レンズ系の製造方法。
【請求項15】 請求項1ないし10のいずれか1項記載のソフトフォーカス撮影レンズ系の製造方法において、少なくとも一つのレンズエレメントの表面の周縁部に、多数の突起が設けられた型を押し当てることにより、凹部からなる光拡散部分を形成することを特徴とするソフトフォーカス撮影レンズ系の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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