説明

ソリッドインクプリンタにおける溶融インクの生成量向上のための溶融装置

【課題】ソリッドインクが、供給リザーバにおける溶融インクの適切なレベルを保つのに適した速度で溶融するのを保証するソリッドインクプリンタを提供する。
【解決手段】ソリッドインクプリンタで使用するソリッドインク溶融装置は、ソリッドインクを受け取る開口を有するハウジングと、ハウジング内に取り付けられた第1の回転部材と、第1の回転部材をソリッドインクの溶融温度まで加熱する加熱器と、第1の回転部材に連結され、ソリッドインクが加熱された回転部材によって溶融するとソリッドインクをせん断するようにハウジング内で回転部材を回転させるモータとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下に開示するソリッドインク溶融装置は一般にソリッドインクプリンタに関し、より具体的には速い溶融インクの生成速度を要するソリッドインクプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
ソリッドインクまたは相変化インクによる画像形成装置(以下、ソリッドインクプリンタとする)は、プリンタや多機能装置などの種々の画像形成装置を含んでいる。このようなプリンタには、レーザ画像形成装置や水性インクジェット画像形成装置などの他の種類の画像形成装置よりも多くの利点がある。従来、ソリッドインクプリンタまたは相変化インクプリンタは、固形のインクをペレットまたはインクスティックのいずれかとして受け取る。カラープリンタは典型的に4色のインク(イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック)を使う。
【0003】
ソリッドインクペレットまたはインクスティック(以下、インク、スティック、またはインクスティックとする)は溶融装置に運搬される。この溶融装置は典型的にインクローダに連結されており、ソリッドインクを液体に変換する。典型的なインクローダは複数のフィードチャンネルを含み、各チャンネルは画像形成装置で使用するインクの各色に対応している。各チャンネルには挿入開口があり、そこに特定の色のインクスティックを配置し、それをフィードチャンネルに沿って重力によって送るかまたはコンベヤもしくはばね入りのプッシャによって付勢する。各フィードチャンネルは、中にあるソリッドインクを端に位置する溶融装置へと方向付ける。各溶融装置は、自身が接続されるフィードチャンネルからソリッドインクを受け取り、衝突するソリッドインクを加熱して液体インクへと変換する。液体インクはプリントヘッドに運搬され、記録媒体または中間転写面に噴射される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6,905,201号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ソリッドインクプリンタが分当たりに印刷するページ数が多くなると、プリンタにおけるインクの需要も高まる。大量のソリッドインクを供給するために、フィードチャンネルの断面積を広げることができる。もちろんフィードチャンネルを広げることによってより大量のインクが溶融装置に与えられる。しかし溶融装置がソリッドインクを素早く溶融できなければ、溶融インクリザーバに連結されるプリントヘッドが供給された溶融インクを使い果たしてしまうかもしれない。ソリッドインクが、供給リザーバにおける溶融インクの適切なレベルを保つのに適した速度で溶融するのを保証することが重要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ソリッドインクプリンタは、これまでに知られているソリッドインクプリンタよりも速い速度で画像担体にインクを噴出することができる。このソリッドインクプリンタは、溶融インクを噴出するプリントヘッド、プリントヘッドを通過してこのプリントヘッドから噴出した溶融インクを受け取る画像担体のウェブ、プリントヘッドの下流に位置し、ニップを形成してその間に画像担体のウェブを通過させインクを画像担体のウェブ上で定着させる1対の定着ローラ、プリントヘッドに連結され、溶融インクをプリントヘッドに供給する溶融装置を含む。この溶融装置は、ソリッドインクを受け取る開口を有するハウジング、このハウジング内に取り付けられた第1の回転部材、溶融ハウジング内に取り付けられた第1の回転部材に近接しているが空間的には離間してハウジングに取り付けられた第2の回転部材、第1の回転部材内に配置され、この第1の回転部材をソリッドインクの溶融温度まで加熱する加熱器、第1の回転部材と第2の回転部材に連結され、ソリッドインクが加熱された第1の回転部材によって溶融するとソリッドインクをせん断するようにハウジング内で第1の回転部材と第2の回転部材を回転させるモータとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図2の溶融装置を使用可能なソリッドインクプリンタの斜視図である。
【図2】ソリッドインクのせん断と溶融の両方を行う、図1に示すプリンタの溶融装置の斜視図である。
【図3】図2に示す溶融装置の動作を制御するシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1に示すように、相変化インクプリントシステムはウェブ供給/処理システム60、プリントヘッドアセンブリ14、ウェブ加熱システム、定着アセンブリ50を含む。ウェブ供給/処理システム60は、媒体ウェブ20を画像形成装置に供給するための1本またはそれより多くの媒体供給ロール38を含むことができる。供給/処理システムは、画像形成装置の媒体通路に沿って印刷ゾーン18、ウェブ加熱システム、定着アセンブリ50を通るべく周知の方法で媒体ウェブを送るように構成されている。そのために供給/処理システム60は、駆動ローラ、アイドラローラ、張力付与棒などといった、媒体ウェブを画像形成装置内で移動させるためのあらゆる適切な装置64を含むことができる。このシステムは、印刷動作の実行後に媒体ウェブ20を受け取るための巻き取りロール(図示せず)を含むことができる。或いは、媒体ウェブ20を個別のシートに切断するための、当該技術分野では周知の切断装置(図示せず)に媒体ウェブを送ることもできる。
【0009】
図1に示すプリントシステムでは、インクはソリッドインク供給部24からプリントヘッドアセンブリ14に供給される。相変化インクによる画像形成装置10はマルチカラー装置であるため、インク供給部24は相変化インクであるソリッドインクの4つの異なる色CYMK(シアン、イエロー、マゼンタ、ブラック)に対して4つの溶融インク供給部28、30、32、34を含む。相変化インクシステム24は、相変化インクを固体から液体へ溶融または相変化させ、そしてこの液体インクをプリントヘッドアセンブリ14に供給する相変化インク溶融/制御アセンブリまたは装置(図2)も含む。
【0010】
インクの液滴がプリントヘッドアセンブリによって移動中のウェブに噴出されて画像が形成されると、このウェブは定着アセンブリ50を通り、そこで噴出されたインク液滴、すなわち画像がウェブに定着される。図1の実施形態では、定着アセンブリ50は媒体ウェブが送られるニップを形成するように互いに相対して位置する少なくとも1対の定着ローラ54を含む。媒体ウェブ上のインク液滴はニップが形成する圧力によってウェブに対して押圧されウェブ上に広がる。定着アセンブリ50は1対の定着ローラとして示されているが、この定着アセンブリは、インク画像を媒体上に定着させることができる、当該技術分野では周知のあらゆる適切な種類のデバイスまたは装置でよい。
【0011】
装置10の種々のサブシステム、構成要素、機能の動作や制御は、コントローラ40によって実行される。コントローラ40は、以下により詳細に説明する通り溶融装置の動作を制御するように構成されたプロセッサでよい。コントローラは、プログラムされた命令を保存する関連メモリを有する汎用プロセッサでよい。プログラムされた命令を実行することによって、コントローラは溶融装置の温度を監視し、ソリッドインクペレットをせん断し加熱された歯車歯面に押し付ける溶融装置内の回転部材をオンオフすることができる。溶融装置のコントローラは全体的なシステムコントローラである必要はなく、溶融装置の動作のためにプリント回路上に設定された特定用途向け集積回路または電子コンポーネント群でよい。したがってコントローラはハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはハードウェアとソフトウェアの組み合わせで実施することができる。1実施形態では、コントローラ40は中央処理装置(図示せず)と電子記憶装置(図示せず)を有する内臓型のマイクロコンピュータからなる。電子記憶装置は、読み取り専用メモリ(ROM)などの不揮発性メモリでもEEPROMまたはフラッシュメモリなどのプログラマブル不揮発性メモリでもよい。コントローラ40は、アセンブリ14のプリントヘッドに常に液体インクが供給されるように溶融インクの生成を調整すべく構成される。
【0012】
図2に示すように、例示の溶融装置100はハウジング104、2つの回転部材108と110、2つの加熱素子114と118を含む。ハウジング104と回転部材108、110は1実施形態ではアルミニウムから構成されるが、他の金属も使用できる。回転部材に提供するソリッドインクに対して優れた熱導体であり、その表面でせん断構造物を支持できる程度の十分な剛性があり、2つの回転部材の間で溶融するソリッドインクペレットにせん断力と圧縮力を加えることができるならば、他の材料も回転部材108、110に使用することができる。回転部材108、110それぞれの両端はバイトン(Viton)クワッドシールで塞がれている。このクワッドシールによって、部材がその周りを回転する軸受周りの摩擦嵌合がOシールなどよりもよくなる。回転部材内に加熱器を挿入することができ、この加熱器はハロゲン石英ヒーター、電気抵抗ヒーター、高放射フラックスマイカヒーターなどを含むことができる。回転部材を比較的早くソリッドインクの溶融温度まで加熱することができるならば、他の種類の加熱器も使用することができる。
【0013】
回転部材の加熱に誘導加熱器を使用することができる。このような加熱器は上述の対流型の加熱器よりも高価であるが、誘導加熱器は回転部材を3〜5秒以内で溶融温度まで加熱することができる。誘導加熱器を設けるためには、ステンレススチール製スリーブをアルミニウム製の各回転部材内にスウェット嵌合(sweat fit)する必要がある。スウェット嵌合は、加熱した部品と冷却した部品を嵌合しこの2つの部品の相対的なエネルギー差を消散させる方法における1つの参考である。出来上がった嵌合部がある動作温度範囲において一貫して安定した状態を保てるようにするために、部品の相対的な厚さと部品を加熱または冷却する温度は経験的テストによって決める。ステンレススチール製スリーブを回転部材内に嵌合した後、銅線などの伝導コイルを部材内に配置する。この伝導コイルは、コイルから発生する可変の磁束線がスリーブを横切れるようにスリーブの近くに配置される。伝導コイルに交流が流れることで変動磁界が生成される。変動磁束線がスリーブを加熱し、このスリーブが、自身が嵌合する回転部材を加熱する。伝導コイルの形状は、実験によって決められる。およそ20,000分の1インチの厚さのステンレススチール製スリーブと、約20KHz〜約40KHzの範囲の周波数でおよそ4アンペアの電流を提供する交流電源に動作可能に連結される銅線が多くの用途に適していると考えられている。
【0014】
より詳細にいうと、回転部材108、110は駆動軸の周りに取り付けられた中空の円筒形構造体であるが、ソリッドインクがこの2つの回転部材の間を通過する際に互いに協働してソリッドインクを溶融、せん断できるならば、他の形状も使用できる。駆動軸はハウジング104の壁120から外側に延出しているため、図2では見ることができない。駆動軸は壁120内でバイトンクワッドシールとジャーナル軸受内に取り付けられているため、回転部材は駆動軸がアクチュエータによって駆動されることに応答して回転することができる。加熱器114、118用の電気リード(図示せず)が壁124から延出し、電源に連結している。この電源は以下に説明するようにコントローラによって加熱器に選択的に連結され、加熱器が生成する熱を調整する。図2に示す実施形態によって回転部材の一端から加熱器にアクセスでき、もう一端からは駆動軸が延出できるが、他の構成も使用することができる。
【0015】
回転部材の外面には歯122が形成されている。このような歯は縦に長く、各回転部材の全長にわたって延出している。或いは、歯はそれぞれ回転部材の円周を取り囲む隆起した突起でもよい。ただし図2に示す実施形態では、部材108の歯は3つの溝140、144、148によって中断している。部材110の歯は単一の溝150によって中断しているが、部材108に示されている溝と同じ位置にある溝を伴うように部材110を形成することもできる。1実施形態では、溝144、148は中心溝140と部材108の端との間にそれぞれ配置され、中心溝140よりも狭い。1実施形態では溝150は溝140よりも狭いが、この2つの溝は同じ幅でもよい。図2に示す全ての溝はV字形の溝であるが、他の溝形状も使用することができる。このような溝によって溶融インクは部材108、110を通過して流れ、この回転部材から流れ出ることができる。中心溝140は、中心の流量が溝144、148における流量よりも大きくなるように、他の溝よりも広い。この構成は、溶融装置の中心領域においてより大量の溶融インクを回収するのに役立つ。溝144、148によって、溶融インクが回転部材の両端に溜まり壁120を超えてしまうかもしれないという可能性が低くなる。1実施形態では、溝140の幅はおよそ5mmで、溝144、148、150の幅はおよそ3mmである。他の溝の構成や幅も使用することができる。
【0016】
2つの回転部材108、110は、歯のフィンまたは側壁がもう一方の回転部材の歯とかみ合うように、互いに近接して取り付けることができる。この種の動作によって歯がソリッドインクをせん断、圧縮することができ、ソリッドインクは2つの回転部材内のかみ合いゾーンで溶融する。また、歯がかみ合うことによってこの歯は空間的には互いから離間したままでいることができ、回転部材の動作寿命の延長にも役立つ。ギヤ歯のスライド面はソリッドインクペレットのせん断、圧縮に役立ち、かみ合いゾーンにおけるソリッドインクペレットと2つの回転部材との接触によって生じる熱伝導性と表面積を最大にする。この相互作用は粒子温度の上昇に役立ち、溶融熱に十分なエネルギーを与える。1実施形態では、このプロセスはおよそ210g/分の流量でおよそ1,200ワットを使用する。
【0017】
図2に示す構成要素の構成では2つの回転部材108、110が水平構造で示されているが、他の構成も使用することができる。例えば、2つの回転部材108、110を垂直に向け、ハウジング104の側壁にある開口を通じてソリッドインクを運搬してもよい。このような構成では、溶融インクはかみ合いゾーンから出て回転部材の全長に沿って回収領域へと下方に流出する。或いはまたはさらに、ワイパーまたは方向付けられた空気力を提供して溶融インクが現れるかみ合いゾーンの側部を定期的にスイープし、溶融インクの重力による流れを助けてもよい。溶融装置を僅かに傾け、溶融インクの流れを装置の一端に向けて片寄らせてもよい。
【0018】
図2に示す実施形態では、ハウジング104には2つの回転部材108、110の上に開口126がある。ソリッドインクは、この開口を通って2つの回転部材の間のかみ合いゾーンへと方向付けられる。ソリッドインクはマイクロペレットまたは平底形状の液滴の形態であることが好ましい。このようなソリッドインクペレットまたは液滴の直径はおよそ0.7mm±3mmであるが、回転部材の長さや直径に応じて他の形状やサイズも使用することができる。図面に例示しここに説明する特定の実施形態は、潜熱と融解熱の両方の要求に必要なエネルギーを最小にするために、熱と粒子サイズに対する溶融インク流量で設計されている。
【0019】
他の実施形態では、ソリッドインクスティックを上述の原理にしたがって構成された研磨装置に送ることもできる。このような実施形態では、加熱された回転部材の第1のセットをかなり広い距離だけ離間させてかみ合いゾーンにおいてソリッドインクスティックの外側からチップをせん断し、加熱された回転部材の第2のセットを第1のセットの下に配置して部材の第1のセットからチップを受け取る。この実施形態では、回転部材の第1のセットは加熱されてチップを離し、チップは回転部材の第2のセットに移動する。すると加熱された回転部材の第2のセットはチップを上述のようにせん断し、圧縮し、溶融する。一旦スティックの溶融とせん断が始まると、インクスティックが溶融装置に運搬される限りこのプロセスは溶融とせん断を続ける。或いは、各々が平滑な外面を有する1対の回転部材がソリッドインクスティックを受け取ることもできる。この2つの部材は、回転時に隙間がありソリッドインクスティックを支持するように互いに対して配置される。スティックが回転部材の加熱面で溶融すると、溶融インクはこの2つの部材間に滴下する。2つの回転部材間の隙間の寸法は、ソリッドインクの薄片が2つの部材から滑り落ちてしまう可能性を減らすように決められる。一旦スティックの溶融が始まると、インクスティックが溶融装置に運搬される限りこのプロセスは溶融を続ける。
【0020】
溶融装置の動作を制御するシステムのブロック図を図3に示す。このシステム300は、温度センサ308、スイッチ314、318、324に電気的に連結されるコントローラ304を含む。コントローラ304は信号を生成し、この信号によって、スイッチ324は、アクチュエータ310を電源328に連結したり非連結としたりする。1実施形態では、アクチュエータ310は回転出力軸を有する電気モータである。この電気モータは、直流(DC)モータでも交流(AC)モータでもよい。1実施形態では、AC同期モータがスイッチ324に連結されてコントローラ304に制御され、モータの回転出力軸はギヤトレイン320を通じて回転部材108、110の駆動軸に連結する。溶融インク供給部に溶融インクが必要とされていることを示す信号に応答してコントローラ304は信号を生成し、モータ310をスイッチ324を介して電源328に連結して回転出力軸を回転させる。ギヤトレインは出力軸の回転に応え、回転部材108、110の駆動軸を回転させる。ギヤトレインは、双方向でもよいモータの回転出力に連結する1つまたはそれより多くのギヤからなる。ギヤは、回転部材の回転と部材114、118が生成するトルクに適した速度範囲を得るために利用される。さらに、モータによる回転入力の方向を変えるためにギヤを使用することもできる。
【0021】
さらに図3を参照すると、コントローラはスイッチ314、318に対して信号を生成し、加熱器114、118を電源328に連結し、加熱器が回転部材108、110を加熱できるようにする。コントローラは温度センサ308から電気信号を受け取り、この信号を温度閾値と比較する。閾値より高い温度に応答し、コントローラは加熱器と電源の連結を解除する。温度が閾値よりも低い限り、コントローラは加熱器を電源に連結し、2つの回転部材を加熱し続ける。温度センサはサーミスタでも周囲の大気の温度を示す電気信号を生成する他の電気構成要素でもよい。温度センサを回転部材の一方の内部またはハウジング104の壁の1つに取り付けてもよい。
【0022】
システム300によって溶融装置は自動調整することができる。加熱器が作動している限り、回転部材は回転していなくてもソリッドインクを溶融する温度に到達する。したがってあまりに大量のソリッドインクがかみ合いゾーンに入り回転部材の回転が止まってしまっても、ソリッドインクの外側は最終的には溶融温度に到達し液化を始める。ソリッドインクが溶融すると、駆動軸に対するモータとギヤトレインの途切れることのない作用がソリッドインクの抵抗に勝り、ソリッドインクのせん断が始まる。ペレットのかみ合いゾーンへの質量流量を調整するために電流センサを使用する。
【0023】
動作において、溶融装置はソリッドインクプリンタにおいてこのプリンタの各フィードチャンネルに対して配置される。溶融インクリザーバは溶融インクを受け取るべく各溶融装置に近接して配置される。溶融インクリザーバは適切なプリントヘッドに連結され、このプリントヘッドは溶融リザーバ内に含まれるカラーインクを噴出する。フィードチャンネルにソリッドインクを装てんし特定の色の溶融インクを示す信号が生成されると、該当する溶融装置がそのハウジング内にある回転部材の加熱と回転を開始し、溶融インクを生成し、溶融装置の各溶融インクリザーバに送る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソリッドインクを受け取る開口を有するハウジングと、
前記ハウジング内に取り付けられた第1の回転部材と、
前記第1の回転部材をソリッドインクの溶融温度まで加熱する加熱器と、
前記第1の回転部材に連結され、前記ソリッドインクが加熱された前記回転部材によって溶融すると前記ソリッドインクをせん断するように前記ハウジング内で前記回転部材を回転させるモータと、を含む、
ソリッドインクプリンタで使用するソリッドインク溶融装置。
【請求項2】
前記ハウジング内に取り付けられた前記第1の回転部材に近接しているが空間的には離間して取り付けられた第2の回転部材をさらに含み、
前記モータは、前記第2の回転部材に連結され、前記第2の回転部材が前記第1の回転部材の移動と協働し、前記ソリッドインクが前記ハウジング内で溶融すると前記ソリッドインクのせん断を助けるように前記第2の回転部材を前記ハウジング内で移動させる、
請求項1記載の溶融装置。
【請求項3】
前記加熱器は前記第1の回転部材内に配置され、
前記第2の回転部材は、前記第2の回転部材内に配置され、前記第2の回転部材をソリッドインクの溶融温度まで加熱する第2の加熱器を含む、請求項2記載の溶融装置。
【請求項4】
前記モータは回転出力軸を有する交流(AC)同期モータであり、
ギヤトレインが前記AC同期モータの出力軸と前記第1および第2の回転部材とを連結する、請求項2記載の溶融装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−208123(P2010−208123A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−56083(P2009−56083)
【出願日】平成21年3月10日(2009.3.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】