説明

ソーラ式誘導灯付き標識

【課題】太陽電池モジュールの大きさに関わらず意匠性に優れたソーラ式誘導灯付き標識を提供する。
【解決手段】複数の太陽電池11を配列した太陽電池モジュール体1と、接地面に固定されて太陽電池モジュール体を支持する支持体2と、この支持体2に固定されるサイン表示本体3と、サイン表示本体3に固定されてサイン表示本体3に示された掲示内容を照明可能な照明部9とを備える。そして支持体2の接地面Lと反対側の上端に、太陽電池モジュール体の色相と類似した色相を有するパネル固定本体4が固定されており、太陽電池モジュール体1は、周囲をパネル固定本体4に囲まれるようにこのパネル固定本体4に配置される。これにより太陽電池モジュール体1をパネル固定本体4の背景色に馴染ませ、太陽電池モジュール体1の存在を低減させることができ、意匠性が高まる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソーラ式誘導灯付き標識に関し、詳しくは発光ダイオードによって照明可能な標識に関する。
【背景技術】
【0002】
夜間など辺りが薄暗い場合であっても、交通標識や看板など屋外に設置されるサインボードの文字やマークを視認しやすくするために、照明装置を取り付けたサインボードが知られている。この照明装置は照明に電力を必要とするが、太陽光電池を利用することで昼間に電力を蓄電し、この電力でもって照明装置を発光させる形態も開示されている。
【0003】
例えば特許文献1のソーラ自光式交通標識の外観図を図4に、またその外観側面図を図5にそれぞれ示す。この図4、図5のソーラ自光式交通標識800は、太陽電池801の受光面801aを外部に露見させたエネルギー受板810と、発光ランプ811を設けた交通標識表示部812を備えた交通標識本体820とを組み合わせて構成される。そしてエネルギー受板810の太陽電池801からの電気エネルギーを、大容量のパワーコンデンサに蓄積し、この電気エネルギーを負荷となる発光ランプ811の駆動に必要なレベルまで上昇させて発光ランプ811を点灯させるようになっている。これにより昼間などに太陽電池で発生させた電気エネルギーを大容量のパワーコンデンサで蓄積し、夜間にはこの蓄積した電気エネルギーを昇圧させ、発光ランプに供給して点灯駆動できるようになっているので、電池などの電源は不要となり、省エネルギー化が図れる。
【0004】
しかしながら、太陽電池801から構成されるエネルギー受板810は、単に照明装置への電力を生産するための実用的な役割のみに限定されており、したがって図4や図5に示すように、交通標識表示部8012とデザイン的な一貫性がない。しかも太陽からの受光量を多くするためにはエネルギー受板810の嵩を大きくする必要があり、そうなるとエネルギー受板810が一層不自然に浮き立ち、交通標識全体としての意匠性が損なわれる問題があった。特に太陽電池はどれもほぼ同じ形状、色であって、太陽光を効率よく受光するため一定の角度に傾斜して、最も高い位置に固定されている。このため、形、色、大きさ、姿勢がどれも同じとなるため、一見しただけで太陽電池であることが判別できる。言い換えると、どれも同じような形態で存在しているため、非常に目立ち、デザイン的な纏まりを欠いて浮いてしまっているのが実情である。このため、デザイン面では太陽電池を配置することで意匠性を著しく損ねていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−348211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来のこのような問題点を解消するためになされたものである。すなわち本発明の主な目的は、太陽電池モジュールの大きさに関わらず意匠性に優れたソーラ式誘導灯付き標識を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明のソーラ式誘導灯付き標識は、太陽の放射エネルギーを変換した電気エネルギーを利用して掲示内容を照明可能なソーラ式誘導灯を有する標識である。ソーラ式誘導灯付き標識は、複数の太陽電池11を配列した太陽電池モジュール体1と、接地面Lに固定されて太陽電池モジュール体を支持する支持体2と、この支持体2に固定されるサイン表示本体3と、サイン表示本体3に固定されてサイン表示本体3に示された掲示内容を照明可能な照明部9とを備える。そして支持体2の接地面Lと反対側の上端に、太陽電池モジュール体の色相と類似した色相を有するパネル固定本体4が固定されており、太陽電池モジュール体1は、周囲をパネル固定本体4に囲まれるようにこのパネル固定本体4に配置されることを特徴とする。これにより太陽電池モジュール体1が、この太陽電池モジュール体1の色相と類似するパネル固定本体4を背景色として配置される。この結果ソーラ式誘導灯付き標識100の正面視において、太陽電池モジュール体1とパネル固定本体4とが略同系色に連なって視認でき、色味的に略一体視される。つまり太陽電池モジュール体1をパネル固定本体4の背景色に馴染ませ、太陽電池モジュール体1の存在を低減させることができ意匠性が高まる。
【0008】
また上記の特徴に加えて、パネル固定本体4を植物の頭花に模して形成し、また支持体2は緑色に着色して、サイン表示本体3を葉の形状としてもよい。これにより接地面から直立したソーラ式誘導灯付き標識を、地面から延びる植物の様子に模倣させて意匠性を高めることができる。
【0009】
さらにパネル固定本体4は、ひまわりの頭花に模してあり、パネル固定本体4は、ひまわりの黄色の舌状花にみたてた花弁模倣部5と、花弁模倣部5の内側に配置されてひまわりの管状花に模して形成された暗色系の内側盤部6とを有しており、太陽電池モジュール体1を内側盤部6に固定することもできる。この結果、太陽電池11が平面状に配列する様子を、ひまわりの管状花に模倣させることができ、太陽電池モジュール体1を違和感なく露出させることができる。
【0010】
また、ソーラ式誘導灯付き標識は、照明部9がサイン表示本体3の上部であって、かつ照明部9からの出射光が略下方向に進行するように配置することもできる。これにより照明部がサイン表示本体を照らして掲示内容を視認しやすくすることに加えて、照明部の出射光が足下を照らすことにより、街灯の役割も果たすことができる。
【0011】
さらに照明部9は複数の発光ダイオード9aから構成できる。発光ダイオードは低消費電力で効率よく鮮やかな色に発光できる。また球切れの心配がなく堅牢で高寿命である。さらに初期駆動特性が優れており振動やON/OFF点灯の繰り返しに強いという特徴を有することから、屋外の用途に好適である。
【0012】
またソーラ式誘導灯付き標識は、サイン表示本体3の周囲を弾性体による保護部10によって被覆することもできる。これにより利用者が万一サイン表示本体と接触した場合であっても、保護部が緩衝材となって接触による衝撃を和らげることができる。
【0013】
またパネル固定本体4を、太陽電池11の受光面11aと支持体2とが鋭角を構成するように、支持体2の軸方向に対して傾斜させてもよい。これにより太陽電池11の受光面11aが太陽エネルギーを効率良く受光できる。
【0014】
ソーラ式誘導灯付き標識において、さらに、太陽電池モジュール体1の太陽電池11からの電気エネルギーを蓄積可能な充電機構7と、周囲の照度を感知できる光センサ8と、光センサ8による照度が所定レベルに低下したとき、充電機構7に蓄電された電気エネルギーを照明部9へ送電する制御部12と、を有することもできる。これによりソーラ式誘導灯付き標識の周辺が薄暗くなると、自動的に照明部を点灯させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明のソーラ式誘導灯付き標識であれば、堅牢とできる上、またメンテナンスを省力化できる優れた機能性に加えて、意匠性を著しく高めることができる。特にソーラ式誘導灯付き標識を植物の形状に模倣させることで、太陽電池モジュール体の大きさに関わらず屋外での設置環境に馴染んだ外観とできる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施例のソーラ式誘導灯付き標識の正面図を示す。
【図2】実施例のソーラ式誘導灯付き標識の側面図を示す。
【図3】実施例のソーラ式誘導灯付き標識の電気系統におけるブロック図を示す。
【図4】従来のソーラ自光式交通標識の外観斜視図を示す。
【図5】図4の外観側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための、ソーラ式誘導灯付き標識を例示するものであって、本発明は、ソーラ式誘導灯付き標識を以下のものに特定しない。なお、特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部材の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、一部の実施例、実施形態において説明された内容は、他の実施例、実施形態等に利用可能なものもある。
【実施例】
【0018】
実施例のソーラ式誘導灯付き標識の正面図を図1に、またその側面図を図2に示す。図1、図2のソーラ式誘導灯付き標識100(以下、単に「標識」と称することがある)は、太陽の放射エネルギーを変換した電気エネルギーを利用して掲示内容を照明可能なソーラ式誘導灯を有する標識である。この標識100は、複数の太陽電池11を配列した太陽電池モジュール体1と、接地面Lに固定されて太陽電池モジュール体1を支持する支持体2と、この支持体2に固定されるサイン表示本体3を備える。サイン表示本体3は外面に掲示内容を表記するサイン表示部3aを有する。
【0019】
さらにソーラ式誘導灯付き標識100は、サイン表示本体3に固定されてサイン表示本体3の掲示内容を照明する照明部9を備える。この照明部9は標識100が設置される環境の照度に応じて自動的に点灯あるいは消灯する。照明部9は、発光ダイオードの他、蛍光灯や白熱ランプが利用できる。実施例の照明部9は、複数の発光ダイオード9aから構成された照明ユニットであり、発光ダイオードを採用することで低消費電力とできる。また発光ダイオードは球切れの心配が殆ど無く、メンテナンスフリー化にも有利となる。発光ダイオード9aからなる照明部9は、電力が少ない場合や給電回路などが停止した場合においても、サイン表示体3の掲示内容を充分な明るさで表示できる誘電灯とできる。また発光ダイオードは小型であるため、サイン表示本体3における照明部9の配置面積を低減して、一方でサイン表示部3aの領域を稼ぐことができ好ましい。
【0020】
照明部9は、サイン表示本体3の外面の一部に、水平方向や略鉛直方向、あるいはサイン表示本体3の外形に沿って、一列あるいは複数列に配置され、サイン表示部3aを照射する。図1、図2の照明部9は、サイン表示本体3の上部であって、かつこの照明部9からの出射光が略下方向に進行するように略水平姿勢に配置することで、サイン表示本体の照明のみならず街灯の機能を兼用できる。特に発光ダイオードを光源に採用する例では、出射光の指向性が高いため、照明部9による光の照射角度αを30°〜90°に調節することが好ましく、さらに略60°とすることが好ましい。30°より小さい照射角度では接地面Lに到達する光のスポット領域が小さくなって、照射範囲が狭くなる。一方90°を超える照射角度は、光の横方向への拡散具合が大きいため、接地面Lを照射できる光束量が低減してしまい街灯の役割を果たせない。したがって照射したい範囲と照度を考慮すると照射角度を上述の範囲とすることが好ましい。なお照明部9の照射角度αとは、図1に示すように照明部9を構成する各光源からの出射光の照射角度を指す。
【0021】
また照明部9は上述の通り、標識100が設置される環境の照度に応じて自動的に点灯あるいは消灯する。詳しくは日照の間など一定の明るさ下では照明部9は消灯しており、日没の前後や夜間など周囲が暗くなると照明部9が点灯する。以下、周囲の照度によって照明部9が点灯あるいは消灯する仕組みについて説明する。図3は本発明のソーラ式誘導灯付き標識100の電気系統におけるブロック図である。標識100は、太陽電池モジュール体1の太陽電池11からの電気エネルギーを蓄積可能な充電機構7と、周囲の照度を感知できる光センサ8によって照度が所定レベルに低下したとき、充電機構7に蓄電された電気エネルギーを照明部9へ供給するよう制御できる制御部12とを有する。
【0022】
太陽電池モジュール体1は、太陽の放射エネルギーを受容する部材であって、複数の太陽電池11を接続して電圧と電流を得られるようにしたパネル状を指す。また複数の太陽電池モジュール体1をさらに直並列接続して必要となる電力が得られるように設置した太陽電池アレイを使用してもよい。太陽電池11は、光の持つエネルギーを直接的に電力に変換するものであれば公知のものが採用でき、実施例では単結晶シリコンソーラを使用した。太陽電池11はその光起電力効果により、受光した放射エネルギーを電力に変換して充電機構7へと出力する。
【0023】
充電機構7はコンデンサや二次電池など電気エネルギーを蓄電できるものとする。実施例では電気二重層コンデンサを採用して、充放電による劣化を少なくしながら蓄電効率を高めた。
【0024】
光センサ8は光の電磁気的エネルギーを検出するものであり、周囲の照度を感知できる。このような光センサにはフォトダイオードやCdSなどが利用できる。制御部12は光センサ8によって周囲の照度が所定の値にまで低下したことを検知すると、充電機構7に蓄電された電気エネルギーを照明部9へ供給するよう制御する。これにより照明部9が点灯する。一方、制御部12は光センサ8によって周囲の照度が所定の値にまで上昇したことを検知すると、充電機構7から照明部9へ電気エネルギーの供給を停止する。これにより周囲が暗い夜間などサイン表示本体3を視認し難い環境では自動的に照明部9が点灯し、一方、日中などサイン表示本体3の視認性を確保できる環境では照明部9が消灯する。つまり必要に応じて照明部9を自動的に点灯/消灯させて、余分な電気エネルギーの消費を省き環境への負荷を低減できる。
【0025】
ただしソーラ式誘導灯付き標識100は、光センサ8の代用として、太陽電池11からの出力量を検知できる手段を搭載してもよい。この場合、制御部12は、太陽電池11からの出力量が減少し所定の値にまで低下したことでもって日照が低減したと判断し、充電機構7から照明部9への電力供給を開始する。これにより周囲環境の照度に応じて照明の明るさを調節できる。
【0026】
(意匠性)
またソーラ式誘導灯付き標識100は、支持体2の接地面と反対側の上端に、太陽電池モジュール体の色相と類似した色相を有するパネル固定本体4を固定する。そして標識100の正面視において、太陽電池モジュール体1を、周囲がパネル固定本体4に囲まれるようにこのパネル固定本体4に配置することで、太陽電池モジュール体1とパネル固定本体4とを色相的に連結させて、太陽電池モジュール体1の存在を目立たなくさせることができる。
【0027】
さらにソーラ式誘導灯付き標識100を植物の形状に模倣させて、意匠性を高めることができる。標識100は、図1に示すように、パネル固定本体4を植物の頭花に模して形成してもよい。また支持体2を茎に見立てて鉛直方向に直立した柱状とし、緑色に着色できる。またサイン表示本体3は葉の形状に構成できる。さらに詳しくは、パネル固定本体4はひまわりの頭花に形状を類似させて、ひまわりの黄色の舌状花にみたてた花弁模倣部5と、花弁模倣部5の内側に配置されてひまわりの管状花に模して形成された暗色系の内側盤部6とを備える。そしてひまわりの管状花に模して形成された内側盤部6に、太陽電池モジュール体1を固定することで、太陽電池11をマトリックス状に配列した様子と、ひまわりの頭花の内部に位置する小さくて無数にある管状花の様子とを類似させることができる。この結果、太陽電池モジュール体1の外観をひまわりの特徴に適合させることができ、違和感なく太陽電池モジュール体1を標識100に組み込むことができる。
【0028】
また植物に模倣させたソーラ式誘導灯付き標識100は環境に調和しやすく、接地面Lから直立する様子が実際の植物の習性と適合して意匠的な面白味が出る。また上述の制御部12を有する基板本体を内側盤部6に配置して、詳しくは太陽電池モジュール体1の背面側に配置して、基板本体の露出を低減しながら一層意匠性を高めることができる。実施例では太陽電池11と制御部12を一体に組み込んだ一体型制御ボックスを採用し、部品点数の削減を図って組立を簡便にしている。
【0029】
またソーラ式誘導灯付き標識をひまわりにみたてて、太陽電池モジュール体1を内側盤部6に固定することで、太陽電池モジュール体1の大きさにかかわらず標識100を違和感がなく設置できる。これは、ひまわりは一般に大型の花を咲かせることが周知されており、したがって集光率を向上させるために太陽電池モジュール体1の表面積を大きくして、この結果ひまわりの頭花部分に相当するパネル固定本体4が全体的に大きくなったとしても、ひまわりの茎に対応する支持体2とのバランスが、実際のひまわりに近似するからである。したがって太陽電池モジュール体1の大きさに関わらず、意匠性に優れたソーラ式誘導灯付き標識100とでき、太陽電池11の搭載個数を増やして受光量を大きくすることができる。
【0030】
また、図2に示すように、太陽電池11の受光面11aと支持体2とが鋭角を構成するように、パネル固定本体4を支持体2の軸方向に対して傾斜させてもよく、これにより太陽電池11が効率良く太陽エネルギーを効率良く受光できる。特にソーラ式誘導灯付き標識100をひまわりにみたてた場合、パネル固定本体4の傾斜によって頭花部が空を仰ぐ姿勢が、ひまわりを漢字で標記した場合の「向日葵」が意味する「つねに顔を太陽に向けている花」の様子に合致するため、実用性のみならず面白味を備えるソーラ式誘導灯付き標識とできる。つまり太陽光を多く受けて電気エネルギーを貯える標識のイメージが「向日葵」と合致し、導入、設置に際して太陽光で発電する標識として需要者に対するアピールにも繋がる。
【0031】
さらに図1のサイン表示本体3は、ひまわりの葉を模倣した形状としている。具体的にサイン表示本体3は心臓形状であって、その外形は、上部で水平方向に延びた直線状の両端から曲率しながら下方の中央部で交じるよう構成される。特にサイン表示本体3の上部を水平方向の直線状とすることで、この直線部分に沿って上述の照明部9略並行に設置し、照明部9の配置を目立たなくできる。またサイン表示本体3は、支持体2の両端の途中に固定される。下端を接地面Lに固定した支持体2は、上端にパネル固定本体4を支持しており、この接地面Lからパネル固定本体4までの高さを基準としたとき、サイン表示本体3を接地面Lから50%〜90%の位置で固定することが好ましく、これによりサイン表示部3aの視認性を高めることができる。
【0032】
また実施例では太陽電池11の配列の様子をひまわりにみたてたが、これに限定せず、太陽電池モジュール体1を各種キャラクタの一部に組み込むこともできる。例えばキャラクタの衣装、一例としてマントや眼鏡、戦国武将のかぶとなどの他、動物や昆虫、恐竜、乗り物、妖怪などの形状の一部に組み合わせることができる。例えば太陽電池モジュール体1を、とんぼの羽根など格子状を象徴する部分に組み込むことで一体的なデザインが得られて好ましい。また太陽電池モジュール体1を複数とする形態でもよい。
【0033】
またサイン表示本体3の周囲を弾性体による保護部10よって被覆し、万一の落下等における対物との衝撃性を和らげることができる。
【0034】
またサイン表示本体3は、茎に類似させた支持体2と同様に、植物に似せた色に着色して、例えば緑色に着色することができる。特にサイン表示部3aに視認性を高めた明色を使用した場合、緑色とするサイン表示体3は、サイン表示部3aとの色彩コントラストを高めた背景色とでき好ましい。またサイン表示部3aは、屋外の使用を考慮して耐性の高い材質でされることが好ましく、例えば反射塗料を採用できる。反射塗料は透明性の高い塗料と反射球より構成され、周囲の照度が低い環境であっても照明部9からの光を塗膜面の反射球が反射することで視認性を高めることができる。
【0035】
以上のように、ソーラ式誘導灯付き標識100は外部電源の設置を省略しながら電力消費を低減でき、かつ意匠性に富んだ標識とできる。また、商用電源が無くても自己発電により駆動可能なスタンドアロン式の標識が実現でき、山間部などの設置にも適する。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明のソーラ式誘導灯付き標識は、交通標識、避難誘導灯、看板等に好適に利用できる。
【符号の説明】
【0037】
1…太陽電池モジュール体
2…支持体
3…サイン表示本体
3a…サイン表示部
4…パネル固定本体
5…花弁模倣部
6…内側盤部
7…充電機構(コンデンサ)
8…光センサ
9…照明部
9a…発光ダイオード
10…保護部
11…太陽電池
11a…受光面
12…制御部
100…ソーラ式誘導灯付き標識
800…ソーラ自光式交通標識
801…太陽電池
801a…受光面
810…エネルギー受板
811…発光ランプ
812…交通標識表示部
820…交通標識本体
L…接地面
α…照射角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽の放射エネルギーを変換した電気エネルギーを利用して掲示内容を照明可能なソーラ式誘導灯を有する標識であって、
複数の太陽電池(11)を配列した太陽電池モジュール体(1)と、
接地面(L)に固定されて前記太陽電池モジュール体を支持する支持体(2)と、
前記支持体(2)に固定されるサイン表示本体(3)と、
前記サイン表示本体(3)に固定されて該サイン表示本体(3)に示された掲示内容を照明可能な照明部(9)と、
を備えており、
前記支持体(2)の接地面(L)と反対側の上端に、太陽電池モジュール体(1)の色相と類似した色相を有するパネル固定本体(4)が固定されており、
前記太陽電池モジュール体(1)は、周囲を前記パネル固定本体(4)に囲まれるように該パネル固定本体(4)に配置されることを特徴とするソーラ式誘導灯付き標識。
【請求項2】
請求項1に記載のソーラ式誘導灯付き標識において、
前記パネル固定本体(4)は植物の頭花に模して形成されており、
前記支持体(2)は緑色に着色されており、
前記サイン表示本体(3)は葉の形状に形成されていることを特徴とするソーラ式誘導灯付き標識。
【請求項3】
請求項1または2に記載のソーラ式誘導灯付き標識において、
前記パネル固定本体(4)はひまわりの頭花に模してあり、
前記パネル固定本体(4)は、ひまわりの黄色の舌状花にみたてた花弁模倣部(5)と、該花弁模倣部(5)の内側に配置されてひまわりの管状花に模して形成された暗色系の内側盤部(6)とを有しており、
前記太陽電池モジュール体(1)は該内側盤部(6)に固定されていることを特徴とするソーラ式誘導灯付き標識。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一に記載のソーラ式誘導灯付き標識において、
前記照明部(9)は、前記サイン表示本体(3)の上部であって、かつ該照明部(9)からの出射光が略下方向に進行するように配置されていることを特徴とするソーラ式誘導灯付き標識。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか一に記載のソーラ式誘導灯付き標識において、
前記照明部(9)は複数の発光ダイオード(9a)から構成されていることを特徴とするソーラ式誘導灯付き標識。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか一に記載のソーラ式誘導灯付き標識において、
前記サイン表示本体(3)の周囲が弾性体による保護部(10)よって被覆されていることを特徴とするソーラ式誘導灯付き標識。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか一に記載のソーラ式誘導灯付き標識において、
前記パネル固定本体(4)は、前記太陽電池(11)の受光面(11a)と前記支持体(2)とが鋭角を構成するように、前記支持体(2)の軸方向に対して傾斜していることを特徴とするソーラ式誘導灯付き標識。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか一に記載のソーラ式誘導灯付き標識において、さらに、
太陽電池モジュール体(1)の太陽電池(11)からの電気エネルギーを蓄積可能な充電機構(7)と、
周囲の照度を感知できる光センサ(8)によって照度が所定レベルに低下したとき、前記充電機構(7)に蓄電された電気エネルギーを前記照明部(9)へ供給するよう制御できる制御部(12)と、
を有することを特徴とするソーラ式誘導灯付き標識。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−159817(P2011−159817A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−20526(P2010−20526)
【出願日】平成22年2月1日(2010.2.1)
【出願人】(510029575)阿南建設業協同組合 (1)
【Fターム(参考)】