説明

タイムカード読取システム、読取装置、タイムカード読取システムの読取方法、プログラム

【課題】タイムカードの種別に拘らず、タイムカードに入力(打刻)された情報を読み取
ることが可能なタイムカード読取システム等を提供することをその課題とする。
【解決手段】タイムカードにおける入力項目の配置が異なる複数種のテンプレートを記憶
するテンプレート記憶部51と、タイムカードのイメージを読み取る読取部20と、記憶
した複数種のテンプレートのうち、使用するテンプレートを指定するテンプレート指定部
52と、読取部20の読取結果から、指定されたテンプレートに基づく所定領域のテキス
トデータを抽出することにより、各入力項目の項目情報を取得する項目情報取得部53と
、を備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数の入力項目を有するタイムカードのイメージを読み取る読取装置と、当該
タイムカードの項目情報を取り込む制御装置と、から構成されるタイムカード読取システ
ム、読取装置、タイムカード読取システムの読取方法、プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、企業における従業員の勤怠管理として、タイムカードにタイムレコーダを用いて
出勤および退出時間等を打刻(入力)し、月末にこのタイムカードを集計して勤怠管理を
行うことが広く普及している。そして、このタイムカードに打刻された情報を光学的に読
み取ることが可能なタイムカードの集計処理システムが開示されている(例えば特許文献
1参照)。この集計処理システムによれば、タイムカードに打刻された情報の集計を手作
業で行う必要がないため、事務処理の負担が大幅に軽減されるとともに、人為的なミスを
防ぐことが可能となった。
【特許文献1】特開2001−322383号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
かかる集計処理システムでは、タイムカードに打刻された勤怠情報を光学的に読み取ら
せるために専用のタイムカードを用いている。しかし、市場には複数メーカのタイムカー
ドが流通しており、各企業によって使用しているタイムカードは様々である。従って、上
述の集計処理システムを導入するためには、使用するタイムカードやタイムレコーダを新
規に購入する必要が生じることになり、システムの導入を妨げる要因となっていた。
【0004】
本発明は、上記の問題点に鑑み、タイムカードの種別に拘らず、タイムカードに入力(
打刻)された情報を読み取ることが可能なタイムカード読取システム、読取装置、タイム
カード読取システムの読取方法、プログラムを提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のタイムカード読取システムは、複数の入力項目を有するタイムカードのイメー
ジを読み取る読取装置と、当該入力項目の項目情報を取り込む制御装置と、から構成され
るタイムカード読取システムであって、入力項目の配置が異なる複数種のテンプレートを
記憶するテンプレート記憶手段と、タイムカードのイメージを読み取る読取手段と、記憶
した複数種のテンプレートのうち、使用するテンプレートを指定するテンプレート指定手
段と、読取手段の読取結果から、指定されたテンプレートに基づく所定領域のテキストデ
ータを抽出することにより、各入力項目の項目情報を取得する項目情報取得手段と、を備
えたことを特徴とする。
【0006】
同様に、本発明のタイムカード読取システムの読取方法は、複数の入力項目を有するタ
イムカードのイメージを読み取る読取装置と、当該入力項目の項目情報を取り込む制御装
置と、から構成されるタイムカード読取システムの読取方法であって、入力項目の配置が
異なる複数種のテンプレートを記憶するテンプレート記憶工程と、タイムカードのイメー
ジを読み取る読取工程と、記憶した複数種のテンプレートのうち、使用するテンプレート
を指定するテンプレート指定工程と、読取工程の読取結果から、指定されたテンプレート
に基づく所定領域のテキストデータを抽出することにより、各入力項目の項目情報を取得
する項目情報取得工程と、を実行することを特徴とする。
【0007】
これらの構成によれば、入力項目の配置が異なる複数種のテンプレートを記憶している
ことにより、読み取り対象となるタイムカードに対応するテンプレートを用いてタイムカ
ードの各項目情報を正確に取得することができる。すなわち、読み取り対象とするタイム
カードに対応するテンプレートを記憶しておけば、全種類のタイムカードを読み取ること
が可能となる。従って、タイムカードの読み取りにおいてその種別が規制されることがな
く、システムの導入を容易に実現し得る。
【0008】
この場合、テンプレート指定手段は、読取手段の読取結果に基づいて使用するテンプレ
ートを決定するテンプレート自動決定手段、を有することが好ましい。
【0009】
この構成によれば、ユーザからの指示を必要とせずに使用するテンプレートを自動で決
定することができるので、ユーザによる操作の手間を省くことができる。また、使用する
テンプレートの指定ミスといった人為的な操作ミスが生じる虞もない。
【0010】
また、これらの場合、取得した前記項目情報を表示する項目情報表示手段と、表示され
た項目情報を編集する項目情報編集手段と、をさらに備えることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、読み取らせたタイムカードに含まれる各項目の項目情報をユーザが
視認し、さらに必要に応じてその情報を編集し修正することができる。例えば、打刻ミス
等より項目情報が手書きで記入されているようなタイムカードも数多く存在する。このよ
うな場合、装置側において、手書きで記入された項目情報を正確に読み取るには限界があ
る。従って、読み取らせた項目情報をユーザが編集可能に構成することにより、より利便
性の高い読み取りシステムを提供することができる。
【0012】
本発明の読取装置は、上記のいずれか1に記載のタイムカード読取システムにおける各
手段を備えることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、読取装置において、タイムカードに含まれる各項目情報を取得する
ことができるので、制御装置がタイムカードの項目情報を取り込む場合、読取装置から送
信される情報が全てテキストデータとなることから、送信処理の高速化を図り得る。
【0014】
本発明のプログラムは、上記のいずれか1に記載のタイムカード読取システムにおける
各手段をコンピュータに機能させるためのものであることを特徴とする。
【0015】
このプログラムをコンピュータが実行することにより、タイムカードの種別に拘らず、
タイムカードに入力(打刻)された情報を読み取ることが可能なタイムカード読取システ
ムを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態に係るタイムカード読取システム、読取装置、タイムカード
読取システムの読取方法、プログラムについて、添付の図面を参照しながら詳細に説明す
る。
【0017】
図1は、本実施形態に係るタイムカード読取システム1のシステム構成図である。同図
に示すように、本実施形態のタイムカード読取システム1は、複数の入力項目を有するタ
イムカードT(図3参照)のイメージを読み取る読取装置10と、このタイムカードTの
項目情報を取り込む制御装置30と、から構成されている。読取装置10は制御装置30
の入出力インターフェース34を介してケーブル接続(ケーブルは図示省略)されている

【0018】
読取装置10は、いわゆるスキャナでありCCD等のイメージセンサ11によって、画
像を光学的に読み取るものである。
【0019】
制御装置30は、キーボードやマウス等の入力デバイス31、入力データや処理結果を
表示するディスプレイ32、およびハードディスク33(以下、「HD33」と表記する
)、を備え、これらはそれぞれ入出力インターフェース34に接続されている。また制御
装置30は、CPU35、ROM36、RAM37を備え、これらは内部バスを介して入
出力インターフェース34と接続されている。
【0020】
CPU35は、ROM36内の制御プログラムに従って、入出力インターフェース34
を介し制御装置30の各部から各種信号・データを入力すると共に、入力した各種信号・
データに基づいてRAM37内の各種データを処理する。さらに、入出力インターフェー
ス34を介して制御装置30内の各部に各種信号・データを出力することにより、各種処
理の制御を行う。
【0021】
また、HD33には、基本ソフトとなるオペレーティングシステム38や、読取装置1
0等の各種デバイスを制御するためのドライバ39が組み込まれるとともに、タイムカー
ドTの読み取り処理を行うためのタイムカード読取プログラム40、読取装置10から送
信された読取結果からテキストデータを抽出するテキストデータ抽出プログラム41、お
よび勤怠情報を集計するための勤怠情報集計プログラム42が記憶されている。なお、タ
イムカード読取プログラム40およびテキストデータ抽出プログラム41を読取装置10
のドライバ39として組み込む構成でもよい。
【0022】
続いて図2を参照し、本実施形態に係るタイムカード読取システム1の機能構成につい
て説明する。
【0023】
読取装置10は、タイムカードTのイメージを読み取る読取部20を備えており、本実
施形態では上述したCCD等のイメージセンサ11がこの読取部20に相当するものであ
る。一方制御装置30は、各項目の配置が異なる複数種のタイムカードTに対応した複数
種のテンプレートTMを記憶するテンプレート記憶部51、記憶しているテンプレートT
Mのなかから、読み取りに使用するテンプレートを指定するテンプレート指定部52、指
定されたテンプレートTMに基づく所定領域のテキストデータを抽出することにより、タ
イムカードTの項目情報を取得する項目情報取得部53、取得した項目情報を表示する項
目情報表示部54、表示された項目情報を編集する項目情報編集部55、を備えている。
【0024】
また、テンプレート指定部52は、さらにテンプレート自動決定部56を有している。
テンプレート自動決定部56は、例えばテンプレートを指定するユーザからの指示がない
場合、読取ったタイムカードTのイメージデータ(読取り部による読取り結果)に基づい
て使用するテンプレートTMを自動的に決定するものである。なお、テンプレート記憶部
51は、制御装置30のHD33がその主要部を構成しており、テンプレート指定部52
、項目情報取得部53、項目情報表示部54、並びに項目情報編集部55は、制御装置3
0のCPU35がタイムカード読取プログラム40またはテキストデータ抽出プログラム
41に従って、各種の処理を行うことにより実現されるものである。
【0025】
さらに、上述の各部による具体的な処理手順について図3ないし図8を参照し詳細に説
明する。まず、本実施形態に係る読取システムの読取対象となるタイムカードTについて
説明する。
【0026】
図3は、タイプAからタイプCまでの3種類のタイムカードTを図示するものである。
同図(a)に示すタイプAのタイムカードTは、例えば社員番号が記入される「番号」項
目101と、同じく氏名が記入される「氏名」項目102と、「年(年度)」および「月
」が記入される「年」項目103および「月」項目104と、がタイムカードTの上下方
向に並んで配置している。また、その下部には、例えばタイムレコーダ等でその時刻(日
付)が打刻される項目となる打刻項目105として、「日付」、「出勤」、「退出」、「
時間数」、「外出」、「再入」の各項目が左右方向に順次並んで配置している。
【0027】
一方、同図(b)に示すタイプBのタイムカードTは、「番号」項目101と「氏名」
項目102とがタイムカードTの左右方向に並んで配置しており、その下部に「年」項目
103および「月」項目104が配置している。また、各打刻項目105は「日付」、「
出勤」、「外出」、「戻り(タイプAにおける再入)」、「退出」の順に並んで配置して
おり、タイプAとは異なる並び順となっている。
【0028】
さらに、同図(c)に示すタイプCのタイムカードTは、「番号」項目101、「氏名
」項目102、「年」項目103、および「月」項目104の各項目の配置はタイプBの
タイムカードTと同様であるものの、打刻項目105は、「日付」、「出勤(午前)」、
「退出(午前)」、「出勤(午後)」、「退出(午後)」の各項目がタイムカードTの左
右方向に順次並んで配置しており、各項目の並び位置だけでなく、その項目内容がタイプ
AおよびタイプBとは異なるものとなっている。また、同図(a)〜(c)に示すタイム
カードTに共通して、タイムカードTの種別を識別するための種別情報を表すバーコード
BがそれぞれタイムカードTに印刷されている。
【0029】
図4は、これらタイプAからタイプCまでの3種類のタイムカードTに対応した3種類
のテンプレートTMを図示している。なお、「テンプレートTM」とは、タイムカードT
に配置する各入力項目(記入項目や打刻項目)の読取開始位置および読取終了位置に関す
る情報を意味し、各項目の読取開始位置および読取終了位置について、例えば「タイムカ
ードTのイメージデータ(読取装置10により読み取られた読取結果)における左端およ
び上端を基点としてそれぞれ何ミリの位置である」といった情報を記憶するものである。
なお、数値の単位としてミリの他にも例えばdot等を採用してもよいし、タイムカード
Tのイメージデータの一端を座標(0,0)として、各読取開始位置および読取終了位置
を座標として記憶してもよい。
【0030】
同図(a)に示すテンプレートTMは、図3(a)に示したタイプAのタイムカードT
を読み取るためのテンプレートTMを示している。図示するように、記入項目である「番
号」項目101、「氏名」項目102、「年」項目103および「月」項目104、の各
項目について、「上端」または「左端」を基点とした場合の読み取り開始位置および読取
終了位置を数値で記憶している。また、打刻項目105である「日付」、「出勤」、「退
出」、「時間数」、「外出」、「再入」の各項目については、「左端」を基点とした場合
の読み取り開始位置および読取終了位置のみを数値で記憶している。そして、打刻項目1
05の各項目情報は、一日分の情報(1データ)が上下方向に連続して打刻されるため、
「上端」を基点とした場合の読み取り開始位置として先頭データの開始位置を記憶し、さ
らに1データのタイムカードT上下方向における項目長さを記憶している。
【0031】
同様に、同図(b)および(c)に示すテンプレートTMは、図3(b)および(c)
に示したタイプBおよびタイプCのタイムカードTを読み取るためのテンプレートTMを
示しており、その詳細な説明については上述のテンプレートTMと同様であり省略する。
なお、各項目とこれに対応する位置情報とを1対1で記憶するのではなく、図5に示すよ
うに、1つの項目に対してタイムカードTの種別毎に位置情報を記憶してもよい。このと
き、タイプAのタイムカードTにおける「再入」項目と、タイプBのタイムカードTにお
ける「戻り」項目とは(図3も参照)、同一の内容を表しているので、タイプAおよびタ
イプBのタイムカードTにおける共通項目として扱ってもよい。
【0032】
続いて、図6を参照し、項目情報取得部53による項目情報の取得処理について具体的
に説明する。項目情報取得部53は、読取装置10によって読み取られたタイムカードT
のイメージデータ(同図(a)参照)から、指定されたテンプレートTMに基づいて各項
目の項目領域を特定する(同図(b)参照)。例えば、タイプAのタイムカードT(図3
(a)参照)を読取る場合、対応するテンプレートTM(図4(a)参照)に基づいて、
上端から10ミリおよび左端から15ミリの位置と、上端から20ミリおよび左端から5
5ミリの位置とで規定される領域を「番号」項目101の領域として特定する。
【0033】
そして、特定した各項目領域からテキストデータを抽出し、抽出したテキストデータを
各項目の項目情報として特定する(同図(c)参照)。上述の例では、「番号」項目10
1の領域として特定して領域から抽出したテキストデータ「12345」を「番号」項目
101の項目情報として特定する。
また、タイムカード上に手書きや印字のかすれ等があり、テキストデータを抽出できな
かった個所については、ディスプレイ32に読取装置により読み取ったイメージデータを
補助画面として表示し、それを見ながら入力デバイス31によりテキストデータを編集す
ることも可能である。
【0034】
さらに、タイムカードTを読み取る全体処理について、図7のフローチャートを参照し
て説明する。なお今回の説明では、使用するテンプレートTMがユーザからの指示によっ
て指定されるものとする。同図に示すように、まず制御装置30のテンプレート指定部5
2により、使用するテンプレートTMが指定される(S01)。この処理は、例えば図8
に示すテンプレート指定画面D1がディスプレイ32に表示され、この指定画面D1にお
いてユーザが任意のテンプレートTMを指定する操作を行うことによって完結する。次に
、読取装置10によってタイムカードTのイメージが読み取られ、読取結果が制御装置3
0へ転送される(S02)。なお、テンプレートTMの指定処理(S01)およびタイム
カードTの読み取り(S02)の実行順序は逆でもよい。そして、制御装置30の項目情
報取得部53により、タイムカードTの各項目情報が取得され(S03)、さらに制御装
置30の項目情報表示部54により、取得した各項目の項目情報(テキストデータ)が一
覧表示される(S04)。なお、取得した項目情報は例えばHD33に記憶され、勤怠情
報集計プログラム42(図1参照)の入力データとして利用される。
【0035】
図9(a)は、各項目の項目情報が一覧表示された表示画面D2を例示するものである
。図示するように項目情報表示部54は、取得した各項目の項目情報を一覧表示する表示
画面D2をディスプレイ32に表示する。これにより、ユーザは、タイムカードTに記入
および打刻された各項目の項目情報が正確に読み取られたか否かを容易に確認することが
できる。さらに、制御装置30の項目情報編集部55による制御により、表示画面D2に
表示された項目情報は、ユーザが入力デバイス31を用いて所定の操作を行うことで、編
集可能となっている。
【0036】
同図(a)に示す表示画面において、例えば「2日」の欄に外出時刻「15:00」お
よび再入時刻「16:00」を入力すると、取得(記憶)した項目情報に入力した情報(
日「02」における「外出」15:00および「再入」16:00」)が追加されて保存
される(同図(b)参照)。また、表示された項目情報を修正した場合には、修正後の項
目情報が上書き保存される。
【0037】
さらに、制御装置30のテンプレート自動決定部56(図2参照)によるテンプレート
自動決定処理について説明する。テンプレート自動決定部56は、タイムカードTに印刷
された識別情報(バーコードB等;図3参照)に基づいて、タイムカードTの種別を識別
し、使用するテンプレートTMを決定する。具体的には、識別情報がバーコードBである
場合、読取ったタイムカードTのイメージデータから識別情報の印刷部分をデコードし、
このデコード結果に基づいてテンプレート自動決定部56がテンプレートTMを自動決定
することとなる。
【0038】
なお、タイムカードTに識別情報が印刷されていない場合にも、記憶しているテンプレ
ートTMのなかから1のテンプレートTMを使用し、各項目領域においてテキストデータ
が抽出できればこれを項目情報として取得し、テキストデータが抽出できなければ他のテ
ンプレートを使用してみる、というようにテンプレートTMを自動決定してもよい。さら
に、読取ったタイムカードTのイメージデータから一旦テキストデータを抽出し、抽出し
たテキストデータの並び位置に基づいてテンプレートTMを自動決定してもよい。
【0039】
また、タイムカードTに表裏を識別する識別情報(例えば「表」や「裏」の文字)が印
刷されている場合、この識別情報に基づいてタイムカードTの表裏を識別してもよい。こ
のとき、読み取ったタイムカードTの表裏に応じて、取得した項目情報を1月の前半部分
若しくは後半部分のデータとして取り扱うことが想定できるが、さらにこの場合、仮に連
続して表側(裏側)を読取った場合、その旨を報知してもよい。これにより、仮にユーザ
が誤ってタイムカードTの同一面を続けて読取らせてしまった場合、その旨をユーザに知
らしめることが可能となる。
【0040】
なお、上述のタイムカードTの種別を識別する識別情報、およびタイムカードTの表裏
を識別する識別情報は、タイムカードTに印刷された情報とは限らず、タイムカードTの
様態(形状や配色など)を読み取り、これに基づいて識別してもよい。
【0041】
以上説明したように、本発明のタイムカード読取システム1は、タイムカードTに含ま
れる各項目の並び位置を定義するテンプレートTMを記憶していることにより、読み取っ
たタイムカードTに対応するテンプレートTMを用いてタイムカードTに含まれる各項目
の項目情報を正確に取得することができる。すなわち、読み取り対象とするタイムカード
Tに対応するテンプレートTMさえ記憶しておけば、全種類のタイムカードTを読み取る
ことが可能となる。言い換えれば、タイムカードTの読み取りにおいてその種別が規制さ
れることがないので、本システムの導入を容易に実現し得る。
【0042】
ところで、上述では読取装置10が読取ったタイムカードTのイメージデータが制御装
置30へ転送され、制御装置30が記憶しているテンプレートTMを用いてイメージデー
タから各項目の項目情報を取得する構成を説明してきたが、この構成に代えて、読取装置
10がテンプレートTMを記憶し、読取装置10側でタイムカードTのイメージデータか
ら各項目の項目情報を取得してもよい。以下、この構成を第2実施形態として説明する。
【0043】
図10は、第2実施形態に係るタイムカード読取システム1の機能構成図である。第2
実施形態に係る読取装置10は、タイムカードTのイメージを読み取る読取部20に加え
、複数種のテンプレートTMを記憶するテンプレート記憶部61、記憶しているテンプレ
ートTMのなかから、読み取りに使用するテンプレートTMを指定するテンプレート指定
部62、指定されたテンプレートTMに基づく所定領域のテキストデータを抽出すること
により、タイムカードTの項目情報を取得する項目情報取得部63、を備えている。また
、第1実施形態同様にテンプレート指定部62はテンプレート自動決定部64を有してい
る。
【0044】
一方制御装置30は、読取装置10から送信(転送)された項目情報を表示する項目情
報表示部54、および表示した項目情報を編集する項目情報編集部55、を有している。
なお、各部の詳細な説明は上述の第1実施形態と同様であり省略する。
【0045】
また、図示は省略するが、第2実施形態に係る読取装置10の装置構成については、第
1実施形態に係る制御装置30同様、CPU、ROM、RAM、タイムカード読取プログ
ラム、並びにテキストデータ抽出プログラム等を備えることは言うまでもない。但し、読
取装置10がテンプレート記憶部61を有する場合には、HD33に代えて例えばROM
等の半導体メモリでテンプレート記憶部61を構成してもよい。同様に、テンプレート指
定部62は、上述した画面表示(GUI)での指定に代え、スイッチやボタンを読取装置
10に具備することにより実現してもよい。
【0046】
このように、読取装置10がタイムカードTのイメージから各項目の項目情報を取得す
ることによって、読取装置10から制御装置30へ送信(転送)される情報が全てテキス
トデータとなることから、処理の高速化を図り得る。
【0047】
また、上記の例に示したタイムカード読取システム1の各機能をプログラムとして提供
することも可能である。また、そのプログラムを記録媒体(図示省略)に格納して提供す
ることも可能である。記録媒体としては、CD−ROM、フラッシュROM、メモリカー
ド(コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア、メモリスティック等)、コ
ンパクトディスク、光磁気ディスク、デジタルバーサタイルディスクおよびフレキシブル
ディスク、ハードディスク等を利用可能である。
【0048】
なお、上記の実施形態におけるタイムカード読取システム1の例によらず、装置構成や
処理工程等について、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】タイムカード読取システムのシステム構成図である。
【図2】タイムカード読取システムの機能構成図である。
【図3】複数種のタイムカードを例示する図である。
【図4】複数種のタイムカードに対応した複数種のテンプレートを例示する図である。
【図5】テンプレートの他の例を例示する図である。
【図6】項目情報の取得処理を説明するための説明図である。
【図7】タイムカード読取処理を示すフローチャートである。
【図8】テンプレート指定画面の一例を示す図である。
【図9】項目情報表示画面を例示し、且つ項目情報の編集処理の一例を説明する説明図である。
【図10】第2実施形態に係るタイムカード読取システムの機能構成図である。
【符号の説明】
【0050】
1…タイムカード読取システム 10…読取装置 20…読取部 30…制御装置 5
1…テンプレート記憶部 52…テンプレート指定部 53…項目情報取得部 54…項
目情報表示部 55…項目情報編集部 56…テンプレート自動決定部 T…タイムカー
ド TM…テンプレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の入力項目を有するタイムカードのイメージを読み取る読取装置と、当該入力項目
の項目情報を取り込む制御装置と、から構成されるタイムカード読取システムであって、
前記入力項目の配置が異なる複数種のテンプレートを記憶するテンプレート記憶手段と

前記タイムカードのイメージを読み取る読取手段と、
記憶した前記複数種のテンプレートのうち、使用するテンプレートを指定するテンプレ
ート指定手段と、
前記読取手段の読取結果から、指定された前記テンプレートに基づく所定領域のテキス
トデータを抽出することにより、前記各入力項目の項目情報を取得する項目情報取得手段
と、を備えたことを特徴とするタイムカード読取システム。
【請求項2】
前記テンプレート指定手段は、前記読取手段の読取結果に基づいて前記使用するテンプ
レートを決定するテンプレート自動決定手段、を有することを特徴とする請求項1に記載
のタイムカード読取システム。
【請求項3】
取得した前記項目情報を表示する項目情報表示手段と、
表示された前記項目情報を編集する項目情報編集手段と、をさらに備えたことを特徴と
する請求項1または2に記載のタイムカード読取システム。
【請求項4】
請求項1または2に記載のタイムカード読取システムにおける各手段を備えたことを特
徴とする読取装置。
【請求項5】
複数の入力項目を有するタイムカードのイメージを読み取る読取装置と、当該入力項目
の項目情報を取り込む制御装置と、から構成されるタイムカード読取システムの読取方法
であって、
前記入力項目の配置が異なる複数種のテンプレートを記憶するテンプレート記憶工程と

前記タイムカードのイメージを読み取る読取工程と、
記憶した前記複数種のテンプレートのうち、使用するテンプレートを指定するテンプレ
ート指定工程と、
前記読取工程の読取結果から、指定された前記テンプレートに基づく所定領域のテキス
トデータを抽出することにより、前記各入力項目の項目情報を取得する項目情報取得工程
と、を実行することを特徴とするタイムカード読取システムの読取方法。
【請求項6】
コンピュータに、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタイムカード読取システム
における各手段を機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−164314(P2007−164314A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−357271(P2005−357271)
【出願日】平成17年12月12日(2005.12.12)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】