説明

タイムサーバ、端末、時刻同期システム、時刻同期方法、及びプログラム

【課題】中継装置に問い合わせずに中継装置の混雑度を判別し、端末の時刻を基準時刻に高精度で同期させる。
【解決手段】制御部108は、計時部107から取得した基準時刻を、送信部109を介して端末に送信する。パケット識別部102は、端末が所定のパケット送信間隔で送信した異なる優先度の第1パケット及び第2パケットを、受信部101を介して受信する。受信間隔測定部106は、第1パケットを受信してから第2パケットを受信するまでの間隔を示すパケット受信間隔を測定する。制御部108は、第2パケットに対する応答である応答パケットを生成し、第1パケット又は第2パケットに含まれるパケット送信間隔及び測定したパケット受信間隔に基づいて、生成した応答パケットを、送信部109を介して端末に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイムサーバ、端末、時刻同期システム、時刻同期方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
NTP(Network Time Protocol)では、ネットワークを介してタイムサーバに接続する端末は、タイムサーバから取得した基準時刻と、タイムサーバと端末との間において通信パケットが伝送されるのに要する時間とに基づいて、自装置に組み込まれたRTC(Real Time Clock)の日時を基準時刻に同期する。しかし、通信ネットワークのトラフィック混雑度(以下、混雑度と呼ぶ)が増大すると、タイムサーバと端末との間で通信パケットを中継する中継装置において情報転送時の伝送遅延が生じ、端末に組み込まれたRTCの日時をタイムサーバから取得した基準時刻に高精度で同期することが困難となる。
【0003】
このような不都合を解消するため、中継装置から取得した通信ネットワークの混雑度が所定の閾値以上の場合、基準時刻に同期する処理をやりなおす技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−081381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1で開示された技術では、中継装置への問い合わせが集中したときに、中継装置における伝送遅延が更に大きくなる。このため、中継装置に問い合わせずに通信ネットワークの混雑度を判別したいという要請があった。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、中継装置に問い合わせずに通信ネットワークの混雑度を判別し、端末の時刻を基準時刻に高精度で同期させるためのタイムサーバ、端末、時刻同期システム、時刻同期方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るタイムサーバは、
基準時刻を計時する計時部と、
前記計時部から基準時刻を取得する基準時刻取得部と、
中継装置を介して端末から送信された各種パケットを受信する受信部と、
他の各種パケットを、前記中継装置を介して前記端末に送信する送信部と、
前記端末から所定の送信間隔で送信されたパケットであり、前記中継装置での転送の優先度を互いに異なる優先度に設定され、前記送信間隔をパケット送信間隔としていずれかに含む前記受信部により受信された第1パケット及び第2パケットを識別するパケット識別部と、
受信した前記第1パケット及び前記第2パケットに含まれる情報を取得するパケット情報取得部と、
前記パケット識別部で識別された前記第1パケット及び前記第2パケットの受信タイミングに基づき、前記第2パケットの受信時刻である第2パケット受信時刻を取得するとともに、前記第1パケットを受信してから前記第2パケットを受信するまでの間隔を示す受信間隔を取得する受信時間情報取得部と、
前記パケット情報取得部で取得された前記パケット送信間隔と前記受信時間情報取得部で取得された前記受信間隔との差が、所定の範囲内にあるかどうかを判定する判定部と、
前記基準時刻取得部で取得された前記基準時刻を含む基準時刻パケットを生成し、前記送信部に送信の指示を出し、前記判定部で前記差が前記所定の範囲内にあるとの判定がなされたとき、前記第2パケットに対する応答のパケットであり、前記第2パケット受信時刻から前記応答のパケットの送信までの期間である応答期間を含む応答パケットを生成し、前記送信部に送信の指示を出すパケット生成部と、を備える、
ことを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る端末は、
時刻を計時する計時部と、
中継装置を介してタイムサーバに各種パケットを送信する送信部と、
前記中継装置を介して前記タイムサーバから他の各種パケットを受信する受信部と、
前記タイムサーバを送信先とするパケットであり、前記中継装置での転送の優先度を互いに異なる優先度に設定し、いずれか一方に相互の送信間隔を示すパケット送信間隔を含む第1パケット及び第2パケットを生成し、前記送信部に、前記第1及び前記第2パケットを、その番号順に、前記送信間隔で送信する指示を出すパケット生成部と、
前記受信部で受信したパケットから、パケットの種類を識別し、基準時刻の情報を含む基準時刻パケットである場合、該基準時刻パケットに含まれる前記基準時刻の情報を取得し、前記第2パケットに対する応答のパケットである応答パケットである場合、該応答パケットに含まれる、前記タイムサーバでの前記第2パケット受信から前記応答パケット送信までの期間である応答期間の情報を取得するパケット情報取得部と、
前記パケット生成部で前記第2パケットを送信する指示を出したときから前記パケット情報取得部で識別された前記応答パケットを受信するまでの期間を示す応答待ち期間を測定する応答待ち期間測定部と、
前記パケット情報取得部が取得した前記基準時刻、前記応答期間、及び前記応答待ち期間測定部が測定した前記応答待ち期間に基づいて前記計時部の時刻を設定する時刻設定部と、を備える、
ことを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係る時刻同期システムは、
上記第1の観点に係るタイムサーバと上記第2の観点に係る端末とで構成されることを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の第4の観点に係る時刻同期方法は、
タイムサーバで基準時刻を計時する計時部から基準時刻を取得し、取得した基準時刻を、中継装置を介して端末に送信し、該端末で受信する基準時刻送受信工程と、
前記タイムサーバに送信するパケットであり、前記中継装置での転送の優先度を互いに異なる優先度に設定し、いずれか一方に相互の送信間隔を示すパケット送信間隔を含む第1パケット及び第2パケットを生成する、前記端末におけるパケット生成工程と、
前記第1パケット及び前記第2パケットを前記端末から送信し、前記タイムサーバで受信するパケット送受信工程と、
前記第1パケットを受信してから前記第2パケットを受信するまでの間隔を示す受信間隔を測定する、前記タイムサーバにおける受信間隔測定工程と、
受信された前記第1パケット又は前記第2パケットのいずれかに含まれる前記パケット送信間隔と測定された前記受信間隔との差が所定の範囲内にあるかどうかを判定する、前記タイムサーバにおける判定工程と、
前記差が所定の範囲内にあると判定されたとき、前記第2パケットに対する応答のパケットであり、前記第2パケット受信から前記応答のパケットの送信の準備が完了するまでの期間である応答期間を含む応答パケットを生成し、前記中継装置を介して前記端末に送信する指示をする、前記タイムサーバにおける応答パケット生成工程と、
前記応答パケット生成工程での指示に従って、生成された前記応答パケットを前記タイムサーバから送信し、前記端末で受信する応答パケット送受信工程と、
前記第2パケットを送信してから前記応答パケットを受信するまでの期間を示す応答待ち期間を測定する、前記端末における応答待ち期間測定工程と、
前記タイムサーバから受信した前記基準時刻、測定した前記応答待ち期間、及び前記応答パケットから取得した前記応答時間に基づいて、端末側で時刻を計時する計時部の時刻を前記タイムサーバが計時する前記基準時刻に同期するように設定する、前記端末における時刻設定工程と、を備える、
ことを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の第5の観点に係るプログラムは、
コンピュータに、
基準時刻を計時する計時部から基準時刻を取得し、取得した基準時刻を、中継装置を介して端末に送信する基準時刻送信手順と、
前記端末から所定の送信間隔で送信されたパケットであり、前記中継装置での転送の優先度を互いに異なる優先度に設定され、前記送信間隔をパケット送信間隔としていずれかに含む第1パケット及び第2パケットを、前記中継装置を介して受信するパケット受信手順と、
前記第1パケットを受信してから前記第2パケットを受信するまでの間隔を示す受信間隔を測定する受信間隔測定手順と、
前記パケット送信間隔と前記受信間隔との差が所定の範囲内にあるかどうかを判定する判定手順と、
前記差が所定の範囲内にあると判定されたとき、前記第2パケットに対する応答のパケットであり、前記第2パケット受信から前記応答のパケットの送信までの期間である応答期間を含む応答パケットを生成する応答パケット生成手順と、
生成した前記応答パケットを、前記中継装置を介して前記端末に送信する応答パケット送信手順と、を実行させる、
ことを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の第6の観点に係るプログラムは、
コンピュータに、
基準時刻を送信するタイムサーバから、中継装置を介して前記基準時刻を受信する基準時刻受信手順と、
前記タイムサーバに送信するパケットであり、前記中継装置での転送の優先度を互いに異なる優先度に設定し、いずれか一方に相互の送信間隔を示すパケット送信間隔を含む第1パケット及び第2パケットを生成するパケット生成手順と、
前記第1パケット及び前記第2パケットを前記送信間隔で、その番号順に、前記中継装置を介して前記タイムサーバに送信する送信手順と、
前記第2パケットに対する応答のパケットであり、前記第2パケット受信から前記応答のパケットを送信するまでの期間である応答期間を含む応答パケットを前記タイムサーバから前記中継装置を介して受信する応答パケット受信手順と、
前記第2パケットを送信してから前記応答パケットを受信するまでの期間を示す応答待ち期間を測定する応答待ち期間測定手順と、
前記タイムサーバから受信した前記基準時刻、測定した前記応答待ち期間、及び前記応答パケットから取得した前記応答時間に基づいて、時刻を計時する計時部の時刻を前記タイムサーバが計時する基準時刻に同期するように設定する時刻設定手順と、を実行させる、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、中継装置に問い合わせずに通信ネットワークの混雑度を判別し、端末の時刻を基準時刻に高精度で同期させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る時刻同期システムの構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態に係るタイムサーバ、端末、中継装置の間で送受信されるパケットを説明するための図である。
【図3】実施形態に係るタイムサーバの構成を示すブロック図である。
【図4】実施形態に係る基準時刻パケット、応答パケット、第1パケット、第2パケットの構成を示す図である。
【図5】実施形態に係る、中継装置の混雑度を判別する処理を説明するための図である。
【図6】実施形態に係る、第1パケット及び第2パケットの伝送遅延を説明するための図である。
【図7】実施形態に係る端末の構成を示すブロック図である。
【図8】実施形態に係るタイマサーバによる基準時刻送信処理のフローチャートである。
【図9】実施形態に係る第1パケット受信処理のフローチャートである。
【図10】実施形態に係る第2パケット受信処理のフローチャートである
【図11】実施形態に係る混雑度判定用パラメータ取得処理のフローチャートである。
【図12】実施形態に係る応答パケット生成・送信処理のフローチャートである。
【図13】実施形態に係る端末による時刻同期処理のフローチャートである。
【図14】実施形態に係る基準時刻パケット受信処理のフローチャートである。
【図15】実施形態に係る混雑度判定用パケット送信処理のフローチャートである。
【図16】実施形態に係る時刻補正処理のフローチャートである。
【図17】実施形態に係るタイムサーバの簡略化された構成を示すブロック図である。
【図18】実施形態に係る端末の簡略化された構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施形態)
以下、本発明の実施形態に係る時刻同期システム100を、図面を参照して説明する。
【0016】
本実施形態に係る時刻同期システム100は、図1に示すように、タイムサーバ10と、複数の端末20(20、20、・・・、20)とで構成される。タイムサーバ10は端末20に対して基準時刻を送信し、端末20はこの基準時刻に同期するように端末20が備えるタイマである計時部(具体的にはRTC)の時刻設定を行う。タイムサーバ10と端末20とは中継装置30を介して情報の送受信を行っている。
【0017】
具体的には、タイムサーバ10は、図2に示すように、基準時刻を含む基準時刻パケットを端末20に送信した後、中継装置30の混雑度を判別するためするために用いられる、互いに異なる送信優先度で端末20から送信された第1パケット及び第2パケットを受信し、受信した第1パケット及び第2パケットに基づいて中継装置30の混雑度が小さいと判別したときに、第2パケットに対する応答として、基準時刻を補正するために必要な情報を含む応答パケットを端末20に送信する。
【0018】
一方、端末20は、図2に示すように、タイムサーバ10から基準時刻パケットを受信した後、前述した第1パケット及び第2パケットを所定のパケット送信間隔でタイムサーバ10に送信し、タイムサーバ10から応答パケットを受信するとともに、受信した基準時刻パケット及び応答パケットに基づいて、端末20の時刻を基準時刻に同期する。基準時刻パケット、第1パケット、第2パケット及び応答パケットの詳細については後述する。図2において、T0〜T6は各パケットの送信又は受信の時刻を示す。なお、かっこを付した時刻については、必ずしも取得対象とはしていない。
【0019】
以下、タイムサーバ10と端末20の構成を説明するとともに、中継装置30についても説明する。
【0020】
タイムサーバ10は、基準時刻を送信する装置であって、図3に示すように、受信部101と、パケット識別部102と、パケットバッファ103と、第2パケットバッファ104と、受信時刻取得部105と、受信間隔測定部106と、計時部107と、制御部108と、送信部109と、を備えている。
【0021】
受信部101は、通信装置の一部で、通信インタフェース等から構成され、端末20等から送信されてきたパケットを含む各種情報信号を受信する。
【0022】
パケット識別部102は、プロセッサ、メモリ、通信インタフェース等から構成され、メモリに記憶された所定のプログラムを実行することにより、受信したパケットの種類に応じた処理を行う。
【0023】
具体的には、パケット識別部102は、受信したパケットの種類を識別する。パケット識別部102は、受信したパケットが第1パケットであると識別した場合、受信間隔測定部106に時間測定の開始を指示する測定開始信号を出力するとともに、受信したパケットをパケットバッファ103に記憶する。
【0024】
また、パケット識別部102は、受信したパケットが第2パケットであると判別した場合、受信間隔測定部106に対しては時間測定の終了を指示する測定終了信号を出力し、受信時刻取得部105に対しては受信時刻取得のタイミングを示すタイミング信号を出力するとともに、受信した第2パケットを第2パケットバッファ104に記憶する。なお、パケット識別部102は、受信したパケットが第1パケット又は第2パケットのいずれでもないと判別した場合も、受信したパケットをパケットバッファ103に記憶させる。
【0025】
パケットバッファ103は、メモリ等から構成され、第2パケット以外のパケットを記憶する。
【0026】
第2パケットバッファ104は、メモリ等から構成され、パケット識別部102で識別された第2パケットを記憶する。
【0027】
受信時刻取得部105は、例えばラッチメモリで構成され、パケット識別部102のタイミング信号を受けて、計時部107から、タイミング信号受信時の現在時刻、すなわち第2パケットを受信した時刻を示す第2パケット受信時刻を読み出して取得し、これを記憶する。
【0028】
受信間隔測定部106は、タイマで構成され、パケット識別部102から供給された測定開始信号に応答して、タイマに残っているこれまでの測定結果を0クリアしたのち時間測定を開始し、パケット識別部102から供給された測定終了信号に応答して時間測定を終了する。タイマは、例えばカウンタで構成され、計時部107のクロック信号発生器から出力されるクロック信号をカウンタに入力し、測定開始信号でクロック信号の計数を開始し、測定終了信号で計数を停止することによりその間の経過時間を測定する。測定結果は第1パケット受信から第2パケット受信までの時間間隔を示すパケット受信間隔(RI)となる。このとき、受信間隔測定部106は、パケット受信間隔(RI)の測定を終了した旨を判定部1084に通知する。なお、パケット識別部102が2パケットを第1パケットより先に受信した場合には、パケット識別部102は測定開始指示信号をパケット受信間隔カウンタに供給しない。
【0029】
計時部107は、時計である。計時部107は、クロック信号発生器を内蔵し、そこから供給されたクロック信号に基づいて、現在日時(基準時刻)を計時する。
【0030】
制御部108は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ等から構成され、メモリに記憶された所定のプログラムをCPUが実行することにより、タイムサーバ10の全体の動作を制御する。制御部108は、機能構成要素として、パケット情報取得部1081と、基準時取得部1082と、パケット生成部1083と、判定部1084とを備えている。これらの機能も、メモリに記憶された所定のプログラムをCPUが実行することにより実現される。
【0031】
パケット情報取得部1081は、パケットバッファ103に記憶されている第1パケット、及び第2パケットバッファ104に記憶されている第2パケットのそれぞれに含まれる情報を取得する。この情報は、後述するように、第1パケット、第2パケットの送信元である端末のアドレス、連番、及び第1パケットに含まれるパケット送信間隔(TI)である。
【0032】
基準時取得部1082は、所定のタイミング(例えば、定期的、周期的な日時)になったときに、計時部107から現在時刻を基準時刻として取得する。
【0033】
パケット生成部1083は、取得された基準時刻から基準時刻パケットを生成し、生成した基準時刻パケットを送信部109に供給し送信を指示する。基準時刻パケットは、各種パケットの構成を示す図4の(a)に示すように、宛先のアドレスを示す宛先情報を格納する宛先フィールドと、送信元のアドレスを示す送信元情報を格納する送信元フィールドと、パケットの種類を示すパケット種別情報を格納するパケット種別フィールドと、基準時刻を格納する基準時刻フィールドと、を備えている。
【0034】
また、パケット生成部1083は、後述する判定部1084から中継装置30の混雑度が小さい旨の通知を受けたときに、第1及び第2パケットの送信元である端末20に第2パケットに対する応答である応答パケットを生成し、生成した応答パケットを送信部109に供給し送信を指示する。応答パケットは、図4(b)に示すように、宛先フィールドと、送信元フィールドと、パケットの種類を示す情報を格納するパケット種別フィールドと、第1パケット、第2パケット及び応答パケットが一連のパケットであることを示す連番情報を格納する連番フィールドと、第2パケットを受信してから応答パケットを送信するまでの期間を示す応答期間(RT)を格納する応答期間フィールドと、を備えている。
【0035】
判定部1084は、受信間隔測定部106からパケット受信間隔(RI)の測定を終了した旨の通知を受けたときに、パケット情報取得部1081で取得した第1パケットに含まれるパケット送信間隔(TI)と受信間隔測定部106で測定されたパケット受信間隔(RI)とに基づいて、中継装置30の混雑度を判別する。
【0036】
具体的には、判定部1084は、図5に示すように、受信間隔測定部106で測定されたパケット受信間隔(RI)とパケットバッファ103に記憶された第1パケットに含まれるパケット送信間隔(TI)との差分(D)の絶対値が、制御部108のメモリに記憶された所定の閾値δ(>0)以下であるとき、中継装置30の混雑度が小さいと判別し、差分Dの絶対値が閾値δを超えるときに、中継装置30の混雑度が大きいと判別する。
【0037】
すなわち、判定部1084は、パケット送信間隔(TI)−δ≦パケット受信間隔(RI)≦パケット送信間隔(TI)+δを満たすときに、中継装置30の混雑度が小さいと判別し、パケット受信間隔(RI)<パケット送信間隔(TI)−δ又はパケット受信間隔(RI)>パケット送信間隔(TI)+δを満たすときに、中継装置30の混雑度が大きいと判別する。
【0038】
混雑度の判定についてもう少し詳しく説明する。図6にパケット送信間隔(TI)と、中継装置30の混雑度に応じてパケット受信間隔(RI)がどの様に変化するかの例を示す。図6(a)は、横軸を時間軸として、第1パケットと第2パケットをパケット送信間隔(TI)で端末20からタイムサーバ10に送信した場合を示す。図6(b)〜(e)は、横軸を時間軸として、タイムサーバで第1パケットと第2パケットを受信するタイミングとそのときのパケット受信間隔(RI)を、時間軸の原点を図6(a)の時間軸の原点に合わせて示す。この例では第2パケットの優先度を第1パケットの優先度をよりも高く設定している。例えば第1パケットの優先度を通常の優先度、第2パケットの優先度を最も高い優先度に設定する。図6(b)は中継装置30の混雑度が小さく、このときの第1パケットの伝送遅延期間をα、第2パケットの伝送遅延期間をβとしたときαとβとはほぼ同じであることを示す。このときのパケット受信間隔(RI)はパケット送信間隔(TI)に等しくなる。従って両者の差分Dはほぼ0となり、その絶対値は所定の閾値δ以下となる。すなわち、図6(b)は、差分Dの絶対値が閾値δ以下なので混雑度は小さいと判定されるケースである。
【0039】
図6(c)は中継装置30の混雑度が図6(b)の場合に比べて大きくなった場合を示す。そのときの第1パケットの伝送遅延期間をαとしたとき、αは混雑度の増大によりαよりも大きくなる。一方、第2パケットの伝送遅延期間は、優先度を高く設定しているためβのままである。従って、パケット受信間隔(RI)はパケット送信間隔(TI)よりも小さな値となり、差分Dの絶対値は、混雑度が小さい図6(b)の場合に比べて増加する。混雑度が大きくなるほど、第1パケットの伝送遅延期間は、第2パケットの伝送遅延期間よりも大きくなり、パケット受信間隔(RI)は逆に小さくなる。そのため、混雑度の増加に伴って、差分Dの絶対値は大きくなる。応答パケット送信の判断基準を混雑度が所定のレベル以下である場合(これを混雑度が小さい場合と呼ぶ)としたとき、この所定のレベルを差分Dの絶対値に対するレベルに置き換えて閾値δを設定し、差分Dの絶対値が閾値δ以下のとき混雑度が小さいと判定する。
【0040】
図6(d)は混雑度が図6(c)よりも更に大きくなった場合を示す。このとき、第2パケットの伝送遅延期間は、優先度を高く設定しているためβのままであるが、第1パケットの伝送遅延期間はαよりも更に大きいαになり、第1パケットが第2パケットよりも遅れて受信される。このような場合は差分Dの絶対値による判定は意味をなさなくなるため、受信順序の逆転を持って混雑度大と判断し、応答パケット送信をしないこととする。
【0041】
図6(b)〜(d)に示す例では、第2パケットの伝送遅延期間は混雑度により変化しないとしたが、優先度の高いパケットが競合した場合等には、図6(e)に示すように、第2パケットの伝送遅延期間が図6(b)〜(d)の場合と比較して大きくなることもある。しかし、そのような場合であっても、第1パケットの伝送遅延期間に比べると第2パケットの伝送遅延期間は小さいため、通常、パケット受信間隔(RI)はパケット送信間隔(TI)よりも小さくなり、これまでの説明はそのまま成立する。
【0042】
判定部1084は、中継装置30の混雑度が小さいと判別した場合、パケット生成部1083にその旨を通知する。なお、判定部1084は、中継装置30の混雑度が大きいと判別した場合、パケット生成部1083にその旨を通知しない。
【0043】
送信部109は、通信装置の一部で、通信インタフェース等から構成され、パケットを含む各種情報信号を端末20に送信する。例えば、パケット生成部1083から供給され、送信を指示されたパケットを端末20等に送信する。
【0044】
端末20は、基準時刻に同期するコンピュータであって、図7に示すように、送信部201と、受信部202と、操作部203と、表示部204と、記憶部205と、制御部206と、計時部207と、を備えている。
【0045】
送信部201と、受信部202とは、通信部として通信インタフェース等から構成され、中継装置30を介してタイムサーバ10等との間でパケットを含む各種信号の送受信を行う。
【0046】
操作部203は、キーボード、マウス等から構成され、ユーザの操作に応じた操作信号を制御部206に供給する。
【0047】
表示部204は、LCD(Liquid Crystal Display)等から構成され、制御部206の制御下、様々な画像を表示する。
【0048】
記憶部205は、メモリ等から構成され、後述する各種情報を記憶する。
【0049】
制御部206は、CPU、メモリ等から構成され、メモリに記憶された所定のプログラムをCPUが実行することにより、端末20の全体の動作を制御する。制御部206は、機能構成要素として、パケット情報取得部2061と、パケット生成部2062と、応答待ち期間取得部2063と、時刻設定部2064と、時刻補正部2065とを備える。後述するこれらの各機能もCPUがメモリに記憶された所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0050】
パケット情報取得部2061は、受信部202を介して受信したパケットに含まれる情報を取得する。この情報は、受信したパケットが基準時刻パケットの場合、送信元アドレスと、パケットの種類と、基準時刻であり、受信したパケットが応答パケットの場合、送信元アドレスと、パケットの種類と、連番と、応答期間(RT)である。パケット情報取得部2061は、パケット種別フィールドの情報から、受信したパケットが基準時刻パケットであると判定した場合、時刻設定部2064に、そのパケットから取得した基準時刻を通知する。
【0051】
また、パケット情報取得部2061は、パケット種別フィールドの情報から、受信したパケットが応答パケットであると判定した場合、計時部207から、その時点の現在時刻を応答パケットの受信時刻として取得し、記憶部205に記憶するとともに、応答パケットを受信した旨を応答待ち期間取得部2063に通知する。
【0052】
パケット生成部2062は、中継装置30の混雑度を判別するために用いられる第1パケット及び第2パケットを生成し、送信部201に対して、生成した第1パケットを、中継装置30での転送に係る優先度を所定の優先度Aに設定して、タイムサーバ10に送信するように指示を出すとともに、第1パケットの送信指示後、記憶部205に記憶されたパケット送信間隔(TI)の時間が経過した時点で、第2パケットを、中継装置30での転送に係る優先度を、優先度Aとは異なる優先度、例えば優先度Aよりも高い優先度である優先度Bに設定して、タイムサーバ10に送信するように指示を出す。また、送信の指示において、パケット生成部2062は、第2パケットの送信指示を出すときの現在の日時を計時部207から取得し、取得した日時を第2パケット送信時刻として記憶部205に記憶する。
【0053】
第1パケットは、図4(c)に示すように、宛先フィールドと、送信元フィールドと、パケット種別フィールドと、中継装置30がパケットを中継する際の優先度の情報を格納する優先度フィールドと、連番フィールドと、パケット送信間隔(TI)を格納するパケット送信間隔フィールドと、を備えている。
【0054】
一方、第2パケットは、図4(d)に示すように、宛先フィールドと、送信元フィールドと、パケット種別フィールドと、優先度フィールドと、連番フィールドと、を備えている。
【0055】
応答待ち期間取得部2063は、パケット情報取得部2061から応答パケットの受信の通知を受けると、記憶部205から応答パケット受信時刻と第2パケット送信時刻とを読み出し、その差を応答待ち期間(RWT)として取得し、時刻補正部2065に通知する。
【0056】
時刻設定部2064は、パケット情報取得部2061から基準時刻の通知を受けたときは、その基準時刻を計時部107に設定する。また、時刻設定部2064は、応答待ち期間取得部2063から応答待ち期間(RWT)の通知を受けたとき、時刻補正処理を行い、その結果に基づいて計時部207の現在時刻を補正する。具体的には、時刻設定部2064は、タイムサーバ10と端末20との間のパケット伝送に要する期間を示す伝送遅延期間(DT)を次の関係式に基づいて算出する。伝送遅延期間(DT)=(応答待ち期間(RWT)−応答パケットに含まれる応答期間(RT))/2。時刻設定部2064は、計時部207が計時する現在日時を、算出した伝送遅延期間(DT)だけ進めるように補正する。
【0057】
計時部207は、時計であり、例えばRTCで構成され、現在日時を計時し、制御部206の要求に応答して、現在日時を供給する。
【0058】
図1に示す中継装置30は、スイッチングハブ等から構成され、タイムサーバ10から送信されたパケットをパケットに含まれる宛先に対応する端末20等に中継し、端末20から送信されたパケットをパケットに含まれる宛先に対応するタイムサーバ10等に中継する。中継装置30は、パケットに当該パケットを転送する優先度が含まれている場合、当該優先度に基づいてパケットを中継する。
【0059】
なお、中継装置30が、パケットを転送する際の優先度は、IEEE802.1pで定義されるPCP(Priority Code Point)、RFC2474によって定義されるDSCP(DiffServ Code Point)等によって指定される。この優先度の指定方法は任意であるが、第1パケットと第2パケットで指定される優先度は、この中継装置30での優先度のことである。
【0060】
次に、時刻同期システム100を構成するタイムサーバ10及び端末20の動作について説明する。
【0061】
タイムサーバ10は、一般的なタイムサーバとして基準時刻を端末20に送信するほか、中継装置30の混雑度を判別するために用いられる端末20から互いに異なる優先度が設定されて送信された第1パケット及び第2パケットを、中継装置30を介して受信し、受信した第1パケット及び第2パケットに基づいて中継装置30の混雑度が小さいと判別したときに、応答パケットを生成し、端末20に送信するという特徴的な動作を行う。
【0062】
一方、端末20は、一般的なコンピュータとして動作するほか、タイムサーバ10から基準時刻パケットを受信した後、互いに異なる優先度を設定した第1パケット及び第2パケットを所定のパケット送信間隔(TI)で、中継装置30を介してタイムサーバ10に送信し、タイムサーバ10が応答パケットを送信した場合には、この応答パケットを受信するとともに、受信した基準時刻パケット及び応答パケットに基づいて、端末20の時刻を補正し、タイムサーバ10で計時される基準時刻に同期させるという特徴的な動作を行う。
【0063】
以下、理解を容易にするため、1台の端末20がタイムサーバ10から基準時刻を受信して時刻を同期させる場合を例にしてタイムサーバ10及び端末20の特徴的な動作を中心に説明する。
【0064】
タイムサーバ10の制御部108は、所定のタイミング(例えば、定期的、周期的な日時)になったときに、図8に示す基準時刻送信処理を開始する。図8に示す各ステップ間の移行は制御部108により制御される。
【0065】
この処理では、まずパケット生成部1083は、図4(a)に示す基準時刻パケットを生成する(ステップS1)。基準時刻パケットに含まれる基準時刻は、基準時取得部1082により、計時部107から取得される。
【0066】
具体的には、パケット生成部1083は、制御部108のメモリに予め記憶されている端末20のIPアドレスを基準時刻パケットの宛先フィールドに設定し、制御部108のメモリに予め記憶されている自己のIPアドレスを基準時刻パケットの送信元フィールドに設定する。また、パケット生成部1083は、「基準時刻パケット」である旨のパケット種別情報をパケット種別フィールドに設定する。さらに、パケット生成部1083は、計時部107からその時点の現在時刻である基準時刻を取得し、取得した基準時刻を基準時刻パケットの基準時刻フィールドに設定する。このようにして、パケット生成部1083は、基準時刻パケットを生成する。
【0067】
パケット生成部1083は、生成した基準時刻パケットを、送信部109を介して送信する(ステップS2)。
【0068】
次に、タイムサーバ10は、基準時刻パケットを受信した端末20から、中継装置30の混雑度を判定するために送信される第1パケット及び第2パケットの受信処理を開始する。
【0069】
タイムサーバ10の受信部101は、パケットの受信の有無を判定する(ステップS3)。パケットの受信がなければ(ステップS3;NO)、所定時間が経過したかどうかを判定し(ステップS6)、所定時間が経過していなければ(ステップS6;NO)ステップS3に戻りパケットの受信を待つ。所定時間が経過していれば(ステップS6;YES)、ステップS1に戻り、再度基準時刻パケットの生成と送信を行う。これは基準時間パケットを送信した後、あまり長い時間が経過すると、基準時間パケットを送信した時点と中継装置30の混雑度を判定する時点(すなわち第1パケット及び第2パケット受信の時点)とで中継装置30の混雑度の程度が変化してしまうため、再度基準時刻パケットの送信からやり直すためである。
【0070】
パケットを受信すれば(ステップS3;YES)、パケット識別部102が、パケットの種類を識別し、受信したパケットが第1パケットかどうかを判別する(ステップS4)。パケット識別部102が、受信したパケットを第1パケットと判別した場合(ステップS4;YES)、第1パケット受信処理が実行される(ステップS5)。第1パケット受信処理が終了すると、ステップS3に戻り、次のパケットの受信を待つ。
【0071】
ステップS3では再度パケットの受信の有無を判定し、パケットを受信すれば(ステップS3;YES)、パケット識別部102は、パケットの種類を識別し、受信したパケットが第1パケットかどうかを判別する(ステップS4)。ここでは既に第1パケットは受信済みなので受信パケットは第1パケットではない(ステップS4;NO)ため、パケット識別部102は、受信パケットが第2パケットであるかどうかを判別する(ステップS7)。第2パケットではないと判別すると(ステップS7;NO)、ステップS6に移行し、既に述べたような処理が実行される。
【0072】
パケット識別部102は、受信パケットが第2パケットであると判別すると(ステップS7;YES)、同じ連番の第1パケットが既に受信されているかどうかを判別する(ステップS8)。第1パケットが受信されていない場合は(ステップS8;NO)、ステップS1に戻る。これは第1パケットと第2パケットの受信順序が送信順序と異なっている場合は、混雑度の評価が困難として、基準時刻パケットの再送信を行うためである。なお、このように順序が逆転する場合は、後述するように、混雑度が大きい場合に該当するので、基準時刻パケットの再送信に戻ることは妥当な処理と言える。
【0073】
第1パケットが受信されている場合は(ステップS8;YES)、制御部108は、第2パケット受信処理を実行し(ステップS9)、その結果を受けて混雑度判定用パラメータ取得処理を実行する(ステップS10)。制御部108の判定部1084は混雑度判定用パラメータ取得処理の結果を受けて中継装置30の混雑度を判定する(ステップS11)。
【0074】
判定部1084が、混雑度が大きいと判定した場合(ステップS11;NO)、制御部108は、処理をステップS1に戻す。このような場合は、基準時刻パケットを送信した時点においても混雑度が大きいと判断することができ、混雑度が大きい時期に送信した基準時刻パケットの伝送遅延は大きく変動しやすいため、その見積もりが困難として、基準時刻パケットの再送信を行う。
【0075】
判定部1084が、混雑度が小さいと判定した場合(ステップS11;YES)、制御部108は応答パケット生成・送信処理を実行し(ステップS12)、端末20に中継装置30を介して応答パケットを送信する。
【0076】
なお、図8において、パケット識別部102が、受信したパケットが第1パケット又は第2パケットのいずれでもないと判別した場合(図8のステップS7;NO)の受信したパケットについては、基準時間送信処理の対象ではないので図8からは除外しており、別途処理される。
【0077】
次に、図8の第1パケット受信処理(ステップS5)、第2パケット受信処理(ステップS9)、混雑度判定用パラメータ取得処理(ステップS10)、混雑度の判定処理(ステップS11)、及び応答パケット生成・送信処理(ステップS12)の詳細について説明する。
【0078】
図9に第1パケット受信処理のフローチャートを示す。パケット識別部102は、受信したパケットのパケット種別フィールドに設定されているパケット種別情報に基づいて、受信したパケットが第1パケットであると判別した場合(図8のステップS4;YES)、測定開始信号を受信間隔測定部106に出力する(ステップS20)。更に、パケット識別部102は、受信した第1パケットをパケットバッファ103に記憶し(ステップS21)、制御部108は、第1パケット受信処理を終了して、図8のステップS5に戻るとともに次のステップS3に移行する。
【0079】
受信間隔測定部106は、パケット識別部102から供給された測定開始信号に応答して、パケット受信間隔(RI)の測定を開始する。
【0080】
図10に第2パケット受信処理のフローチャートを示す。パケット識別部102は、受信したパケットのパケット種別フィールドに設定されているパケットの種別情報に基づいて、受信したパケットが第2パケットであると判別し、第1パケットが受信済みであると判別した場合(図8のステップS7;YES、ステップS8;YES)、受信間隔測定部106に測定終了信号を出力する(ステップS30)。また、同時に、パケット識別部102は受信時刻取得部105にタイミング信号を出力する。受信時刻取得部105は、タイミング信号を受けて、計時部107から現在日時(T4)を、第2パケット受信時刻(T4)として取得し保持する(ステップS31)。更に、受信した第2パケットを第2パケットバッファ104に記憶し(ステップS32)、制御部108は、第2パケット受信処理を終了して図8のS9に戻るとともに次のステップS10の処理に移行する。
【0081】
受信間隔測定部106は、パケット識別部102から供給された測定終了信号に応答して、パケット受信間隔(RI)の測定を終了しその測定結果を保持するとともに、測定を終了した旨を判定部1084に通知する。
【0082】
図11に混雑度判定用パラメータ取得処理のフローチャートを示す。混雑度判定用パラメータとは混雑度の判定に使用されるパケット受信間隔(RI)とパケット送信間隔(TI)との差分(D)のことである。
【0083】
判定部1084は、パケット受信間隔(RI)の測定を終了した旨の通知を受けると、パケット受信間隔(RI)を受信間隔測定部106から取得する(ステップS40)。また、判定部1084は、パケット情報取得部1081を介してパケット送信間隔(TI)を取得する(ステップS41)。判定部1084は、取得したパケット受信間隔(RI)と取得したパケット送信間隔(TI)との差分(D)を算出し(ステップS42)、制御部108は、混雑度判定用パラメータ取得処理を終了して図8のステップS10に戻るとともに、ステップS11の処理に移る。
【0084】
図8のステップS11において、判定部1084は、混雑度が小さいかどうかを判定するが、具体的には、差分(D)の絶対値が判定部1084のメモリに記憶された所定の閾値δ以下であるか否かを判別する(ステップS11)。判定部1084は、差分Dの絶対値が閾値δを超えると判別した場合、すなわち混雑度が大きいと判別した場合(ステップS11;NO)、既に説明したとおり、制御部108は、処理をステップS1に戻す。
【0085】
一方、判定部1084が、差分Dの絶対値が閾値δ以下であると判別した場合(ステップS11;YES)、中継装置30の混雑度が小さい旨をパケット生成部1083に通知し既に説明したとおり、制御部108は応答パケット生成・送信処理を実行する(ステップS12)。
【0086】
図12に、応答パケット生成・送信処理のフローチャートを示す。パケット生成部1083は、判定部1084から中継装置30の混雑度が小さい旨の通知を受けたときに、図12に示す応答パケット生成・送信処理を開始する。
【0087】
パケット生成部1083は、応答パケットを生成する準備として、計時部107から現在日時(T5)を応答パケットの送信時刻(T5)として取得し、応答パケットの送信時刻(T5)と受信時刻取得部105で取得された第2パケット受信時刻(T4)との差をとることにより、第2パケットを受信してから応答パケットを送信するまでの期間を示す応答期間(RT)を算出し(ステップS50)、図4(b)に示す応答パケットを生成する(ステップS51)。
【0088】
具体的には、パケット生成部1083は、パケット情報取得部1081を介して取得した、第2パケットに含まれる送信元情報を応答パケットの宛先フィールドに設定し、第2パケットに含まれる宛先情報を応答パケットの送信元フィールドに設定する。続いて、パケット生成部1083は、「応答パケット」である旨のパケット種別情報を応答パケットのパケット種別フィールドに設定する。また、パケット生成部1083は、第2パケットに含まれる連番情報を応答パケットの連番フィールドに設定し、算出した応答期間(RT)を応答パケットの応答期間フィールドに設定する。このようにして、パケット生成部1083は、応答パケットを生成する。
【0089】
パケット生成部1083は、生成した応答パケットを、送信部109を介して送信する(ステップS52)。その後、図8のステップS12に戻り、制御部108は基準時刻送信処理を終了する。
【0090】
次に、タイムサーバ10から基準時刻パケットを送信された端末20での時刻同期処理について説明する。図13に時刻同期処理のフローチャートを示す。
【0091】
端末20の制御部206は、パケット受信処理を開始し、受信部202を介してパケットの受信の有無を判定し(ステップS60)、パケットの受信がなければ(ステップS60;NO)ステップS60に戻り、受信を待つ。パケットの受信があれば(ステップS60;YES)、制御部206のパケット情報取得部2061は、受信部202を介して受信したパケットのパケット種別フィールドに設定されているパケット種別情報に基づいて、受信したパケットが基準時刻パケットであるかどうかを判別する(ステップS60)。
【0092】
受信したパケットが基準時刻パケットであれば(ステップS61;YES)、制御部206は、基準時刻パケット受信処理を実行し(ステップS62)、その後混雑度判定用パケット送信処理を実行する(ステップS63)。その後はステップS60に戻る。
【0093】
受信したパケットが基準時刻パケットでなければ(ステップS61;NO)、パケット情報取得部2061は、受信したパケットが応答パケットであるかどうかを判定し(ステップS64)、応答パケットでなければ(ステップS64;NO)、制御部206は処理をステップS60に戻す。
【0094】
なお、図13において、パケット情報取得部2061が、受信したパケットが基準時刻パケット又は応答パケットのいずれでもないと判別した場合(図13のステップS64;NO)の受信したパケットの処理については、時刻同期処理の対象ではないので図13からは除外しており、別途処理される。
【0095】
受信したパケットが応答パケットであれば(ステップS64;YES)、制御部206は時刻補正処理を実行し(ステップS65)、時刻同期処理を終了する。
【0096】
次に、基準時刻パケット受信処理(ステップS62)、混雑度判定用パケット送信処理(ステップS63)、及び時刻補正処理(ステップS65)について詳細に説明する。
【0097】
図14に基準時刻パケット受信処理のフローチャートを示す。パケット情報取得部2061は受信した基準時刻パケットの情報を記憶部205に記憶する(ステップS70)。続いて、時刻設定部2064は、は、計時部207の現在日時を、記憶された基準時刻に一致するように設定して(ステップS71)基準時刻パケット受信処理を終了し、制御部206は処理を図13の混雑度判定用パケット送信処理(ステップS63)に進める。
【0098】
この時点での時刻設定では、基準時刻パケットの伝送遅延が考慮されていないため、設定後の計時部207の現在日時はタイムサーバ10の計時部107が計時する基準時刻に比較して、基準時刻パケットの伝送遅延の分だけ遅れている。
【0099】
図15に混雑度判定用パケット送信処理のフローチャートを示す。制御部206は、図15に示す混雑度判定用パケット送信処理を、パケット受信処理のプロセスからの呼び出しにより開始し、まず、図4(c)に示す第1パケットを生成する(ステップS80)。
【0100】
具体的には、パケット生成部2062は、記憶部205に記憶された基準時刻パケットに含まれる送信元情報を第1パケットの宛先フィールドに設定し、基準時刻パケットに含まれる宛先情報を第1パケットの送信元フィールドに設定する。このように設定することにより、第1パケットの宛先が基準時刻パケットを送信したタイムサーバ10に設定され、第1パケットの送信元が基準時刻パケットを受信した端末20に設定される。
【0101】
続いて、パケット生成部2062は、「第1パケット」である旨のパケット種別情報を第1パケットのパケット種別フィールドに設定する。また、パケット生成部2062は、中継装置30が当該第1パケットを転送する優先度を第2パケットよりも低い優先度、例えば通常のパケットと同じ優先度にする旨の優先度情報(例えば優先度を示す数値)を第1パケットの優先度フィールドに設定する。
【0102】
パケット生成部2062は、任意の整数Nを第1パケットの連番フィールドに設定する。パケット生成部2062は、第1パケットを生成する度に整数Nをインクリメント(+1)する。続いて、パケット生成部2062は、記憶部205に記憶されたパケット送信間隔(TI)を第1パケットのパケット送信間隔フィールドに設定する。このようにして、パケット生成部2062は、第1パケットを生成する。
【0103】
次に、パケット生成部2062は、図4(d)に示す第2パケットを生成する(ステップS81)。具体的には、パケット生成部2062は、第1パケットと同様にして、宛先情報及び送信元情報を第2パケットの宛先フィールド、送信元フィールドにそれぞれ設定する。続いて、パケット生成部2062は、「第2パケット」である旨のパケット種別情報を第2パケットのパケット種別フィールドに設定する。また、パケット生成部2062は、中継装置30が当該第2パケットを転送する優先度を第1パケットの優先度よりも高くする旨の優先度情報を第2パケットの優先度フィールドに設定する。
【0104】
パケット生成部2062は、第1パケットに設定した整数Nを第2パケットの連番フィールドに設定する。連番フィールドの設定値が同じ第1パケットと第2パケットとは、一組のパケットを構成する。このようにして、パケット生成部2062は、第2パケットを生成する。
【0105】
パケット生成部2062は、生成した第1パケットを、送信部201を介してタイムサーバ10に送信し(ステップS82)、送信したときからパケット送信間隔(TI)が経過したかどうかを判定する(ステップS83)。経過していない場合は(ステップS83;NO)、ステップS83に戻りステップS83を繰り返して、経過するまで待つ。
【0106】
パケット送信間隔(TI)が経過したとき(ステップS83;YES)、パケット生成部2062は、生成した第2パケットを、送信部201を介してタイムサーバ10に送信する(ステップS84)。
【0107】
パケット生成部2062は、送信部201に第2パケットの送信指示を出した時点の時刻T3を、計時部207から取得し、取得した時刻(T3)を第2パケット送信時刻(T3)として記憶部205に記憶する(ステップS85)。そして、制御部206は、混雑度判定用パケット送信処理を終了し、処理を図13のステップS63からステップS60に戻す。
【0108】
図16に時刻補正処理のフローチャートを示す。図13のステップS64で応答パケットが受信されたと判定されたとき(図13のステップS64;YES)、制御部206は時刻補正処理を呼び出して実行する。
【0109】
パケット情報取得部2061は、応答パケットを受信したと判定した時点で、計時部207から現在日時(T6)を応答パケット受信時刻(T6)として取得する(ステップS90)。また、パケット情報取得部2061は、受信した応答パケットの応答期間を含む情報を取得する(ステップS91)。
【0110】
次に、応答待ち期間取得部2063は、取得した応答パケット受信時刻(T6)と第2パケット送信時刻(T3)との差をとることにより、応答待ち期間(RWT)を算出する(ステップS92)。
【0111】
続いて、時刻設定部2064は、伝送遅延期間(DT)を、例えば、次の関係式に基づいて算出する(ステップS93)。伝送遅延期間(DT)=(算出した応答待ち期間(RWT)−応答パケットに含まれる応答期間(RT))/2。時刻設定部2064は、計時部207が計時する現在日時を、算出した伝送遅延期間(DT)だけ進めるように補正し(ステップS94)、時刻補正処理を終了し、制御部206は、図13に示す時刻同期処理を終了する。
【0112】
以上、説明したように、タイムサーバ10は、基準時刻を含む基準時刻パケットを端末20に送信した後、中継装置30の混雑度を判別するため用いられる互いに送信優先度の異なる第1パケット及び第2パケットを端末20から受信し、受信した第1パケット及び第2パケットに基づいて中継装置30の混雑度が小さいと判別したときに、応答パケットを端末20に送信する。このため、タイムサーバ10は中継装置30に問い合わせずに中継装置の混雑度を判別することができる。タイムサーバ10は、中継装置30の混雑度が小さいときに応答パケットを送信するので、応答パケットを送信したときの伝送遅延は小さく、従って、この応答パケットを送信した時期に近い時期に送信した基準時刻パケットの伝送遅延も小さいことが期待できる。そのため、端末20は、この応答パケットに従って時刻設定と補正を行うことにより、その時刻を基準時刻に高精度で同期させることができる。
【0113】
この発明は上記の実施形態に限定されず、発明の範囲内において種々の変形が可能である。例えば、上記説明において示したハードウェアの構成及び動作は一例でありこれらに限定されるものではなく、下記に例示するように、発明の範囲内において適宜変更及び応用が可能である。
【0114】
上記実施形態では、制御部206は第1パケットにパケット送信間隔(TI)を含めているが、第2パケットにパケット送信間隔(TI)を含めてもよい。タイムサーバ10が第2パケットを受信した時点でパケット送信間隔(TI)の情報をタイムサーバ10が取得できればその後の処理は同様に実施できるため、この場合も上記発明の効果と同様の効果を奏することができる。
【0115】
上記実施形態では、パケット送信間隔(TI)は固定値であるが、制御部206は送信間隔調整部を備え、送信間隔調整部は、応答パケットを受信することができた場合、次回の基準時刻送信に伴う第1パケット及び第2パケットの送信の際のパケット送信間隔(TI)を所定時間だけ縮小し、応答パケットを受信することができない場合、パケット送信間隔(TI)を所定時間だけ拡大するようにしてもよい。
【0116】
これまでは、基準時刻パケット送信から第1、第2パケット送信が完了するまでの中継装置30の混雑度は変化しないことを前提としている。しかし、パケット送信間隔(TI)が大きいと、その間に混雑度が変化してしまう恐れがあるため、パケット送信間隔(TI)はできるだけ小さい方が好ましい。一方、パケット送信間隔(TI)を小さくすると、混雑度がそれほど大きくない場合であっても、端末20での第1パケットと第2パケットの受信順序が逆転してしまい、応答パケットを受信できなくなる恐れがある。そのため、応答パケット受信状況に応じてパケット送信間隔(TI)を調節する。この措置により、混雑度の評価が可能な状況下でパケット送信間隔(TI)を小さくすることができ、時刻同期の信頼性が高くなる。
【0117】
また、上記実施形態では、中継装置30での第1パケットを転送する際の優先度を、第2パケットを転送する際の優先度よりも低く設定しているが、これに限定されず、例えば、第1パケットを転送する際の優先度を、第2パケットを転送する際の優先度よりも高く設定してもよい。この場合は、差分Dは上記実施形態の場合と逆符号となるが、差分Dの絶対値と所定の閾値とを比較して中継装置30の混雑度を判定するので、これまでと同様に混雑度の判定が可能である。従って、この場合においても、上記発明の効果と同様の効果を奏することができる。
【0118】
更に、このように優先度を設定すると、混雑度が高くなった場合、パケット受信間隔(RI)は増加することになり、第1パケットと第2パケットの受信時期の逆転は生じない。そのため、このような逆転による応答パケットが送信されないという事態を避けることができ、従って、パケット送信間隔(TI)を可能な限り低減することが可能となる。
【0119】
受信間隔測定部106を、既に説明したようにカウンタとクロック信号発生器で構成し、測定開始信号に応答してアップカウントし、測定終了信号に応答してカウントを停止することによりパケット受信間隔を測定することができるが、これに限定されず、パケット送信間隔(TI)+δ+1をカウント値としてプリセットし、測定開始信号に応答してダウンカウントし、測定終了信号でダウンカウントを停止するようにしてもよい。この場合、判定部1084は、このカウンタのカウント値が「1」以上かつ「2×δ+1」以下のときに、中継装置30のトラフィック混雑度が小さいと判別するようにすればよい。なお、途中でカウント値が0になったときは、自動でカウントを停止する。自動でカウント停止となったときは、カウント値は0となっているので中継装置30の混雑度は大きいと判別される。
【0120】
なお、受信間隔測定部106はカウンタで構成されたものに限らない。受信間隔測定部106は第1パケット及び第2パケットのそれぞれの受信時刻を測定し、その差をパケット受信間隔とするように構成されたものであっても良い。具体的には、パケット識別部102は第1パケット受信のタイミング、及び第2パケット受信のタイミングに第1パケット用、及び第2パケット用のタイミング信号を受信間隔測定部106に出力する。このタイミング信号はこれまでの測定開始信号と測定終了信号とに該当する。受信間隔測定部106は、それぞれのタイミング信号入力時点で計時部107から現在時刻を取得し、第1パケット受信時刻と第2パケット受信時刻として、その差をパケット受信間隔(RI)とする。第1パケット受信時刻が第2パケット受信時刻より後の場合は、差は負数となるので、応答パケットは生成されない。受信間隔測定部106がこのように構成されている場合も、上記同様の発明の効果を奏することができる。
【0121】
上記、変形例を含めた場合の受信間隔測定部106は、パケット識別部102で識別された第1パケット及び第2パケットのそれぞれの受信タイミングに基づき、第1パケットを受信してから第2パケットを受信するまでの間隔を示す両パケットの受信間隔を取得することができる。
【0122】
判定部1084は、制御部108に含めた構成としたが、制御部108から独立した構成としても良い。
【0123】
図17は本実施形態のタイムサーバ10に係る簡略化された構成を示す。図に示す番号は図3に記載した番号と同じものは同じ機能を有する。図3に記載されていない構成要素は、受信時間情報取得部111であり、パケット情報取得部110の番号も図3と異なる。また、図3では矢印の記載がないところに矢印を付してある。このうち、パケット情報取得部110については、図3のパケット情報取得部1081にパケットバッファ103、第2パケットバッファ104を加えたものに対応している。ただし、パケット情報が取得できる機能を有すればよいのでパケットバッファ103、第2パケットバッファ104を含まなくても良い。従って、機能は図3のパケット情報取得部1081と共通なので名称は共通にしたが番号を変えた。また、受信時間情報取得部111は図3の受信時刻取得部105と受信間隔測定部106の機能を合わせた機能を有する。受信間隔測定部106の機能については、カウンタで構成されたものに限らず、上記変形例であってもよい。受信時刻取得部105と受信間隔測定部106とは具体化によっては共通の機能を含んで構成されうることから両機能を合わせたものとした。矢印については、動作の説明の内容に従って付してあり、図17に示すタイムサーバ10の動作はこれまでフローチャートで説明したとおりである。
【0124】
図18は本実施形態の端末20に係る簡略化された構成を示す。図に示す番号は図7に記載した番号と同じものは同じ機能を有する。図7に記載されていない構成要素はないが、図7では矢印の記載がない部分にも矢印を付してある。矢印については、動作の説明の内容に従って付してあり、図18に示す端末20の動作はこれまでフローチャートで説明したとおりである。
【0125】
これまでの説明では、まずタイムサーバ10での基準時刻パケットの生成と端末20へのその送信があり、その後に第1パケット及び第2パケットが端末20からタイムサーバ10に送信されるとしたが、この順序に限定される必要はない。応答パケット送信時に基準時刻パケットを送信しても良い。このとき基準時刻パケットと応答パケットの送信順序、どちらが先であっても良い。更に、基準時刻パケットの送信を省き、応答パケットに基準時刻を含めては送信しても良い。この場合、まず、タイムサーバ10が基準時刻を送信する旨の準備信号を端末20に送信し、端末20はこの準備信号を受信した後、第1パケットと第2パケットをこれまでの説明と同様に、タイムサーバ10に送信する。タイムサーバ10は第1パケットと第2パケットを受信した後、これまでの説明と同様に中継装置30の混雑度を評価し、混雑度が小さいと判定した場合に応答パケットを生成し、端末20に送信する。ここで述べる変形例ではタイムサーバ10のパケット生成部1083は、応答期間(RT)とともに基準時間を含めて応答パケットを生成する。端末20は、この基準時間を端末の計時部207に設定するとともに、これまでの説明と同様に時刻補正処理を実行する。
【0126】
いずれの場合も、タイムサーバ10は、応答パケットを送信するとき、すなわち、中継装置30の混雑度が小さいときにのみ端末20に基準時刻を送信するので、端末20の時刻はより高精度にタイムサーバ10の基準時刻に同期したものとなる。
【0127】
また、端末20は、上記実施形態で例示したコンピュータの他、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯電話、ゲーム機等であってもよい。
【0128】
また、本実施形態に係る時刻同期システム100は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。たとえば、上述の動作を実行するためのプログラムを、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM等)に格納して配布し、このプログラムをコンピュータにインストールすることにより、上述の処理を実行する時刻同期システム100を構成してもよい。また、インターネット等の通信ネットワーク上のファイル特定装置が有する記憶装置にこのプログラムを格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロード等することで時刻同期システム100を構成してもよい。
【0129】
また、時刻同期システム100の機能を、OS(オペレーティングシステム)とアプリケーションプログラムの分担、またはOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現する場合などには、アプリケーションプログラム部分のみを記録媒体や記憶装置に格納してもよい。
【0130】
また、搬送波にプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。たとえば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS:Bulletin Board System)にこのプログラムを掲示し、ネットワークを介してプログラムを配信してもよい。そして、このプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上述の処理を実行できるように構成してもよい。
【0131】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0132】
(付記1)
基準時刻を計時する計時部と、
前記計時部から基準時刻を取得する基準時刻取得部と、
中継装置を介して端末から送信された各種パケットを受信する受信部と、
他の各種パケットを、前記中継装置を介して前記端末に送信する送信部と、
前記端末から所定の送信間隔で送信されたパケットであり、前記中継装置での転送の優先度を互いに異なる優先度に設定され、前記送信間隔をパケット送信間隔としていずれかに含む前記受信部により受信された第1パケット及び第2パケットを識別するパケット識別部と、
受信した前記第1パケット及び前記第2パケットに含まれる情報を取得するパケット情報取得部と、
前記パケット識別部で識別された前記第1パケット及び前記第2パケットの受信タイミングに基づき、前記第2パケットの受信時刻である第2パケット受信時刻を取得するとともに、前記第1パケットを受信してから前記第2パケットを受信するまでの間隔を示す受信間隔を取得する受信時間情報取得部と、
前記パケット情報取得部で取得された前記パケット送信間隔と前記受信時間情報取得部で取得された前記受信間隔との差が、所定の範囲内にあるかどうかを判定する判定部と、
前記基準時刻取得部で取得された前記基準時刻を含む基準時刻パケットを生成し、前記送信部に送信の指示を出し、前記判定部で前記差が前記所定の範囲内にあるとの判定がなされたとき、前記第2パケットに対する応答のパケットであり、前記第2パケット受信時刻から前記応答のパケットの送信までの期間である応答期間を含む応答パケットを生成し、前記送信部に送信の指示を出すパケット生成部と、を備える、
ことを特徴とするタイムサーバ。
【0133】
(付記2)
前記パケット生成部は、前記判定部で前記差が前記所定の範囲内にあるとの判定がなされたとき、前記基準時刻パケットを生成し、前記送信部に前記端末への送信の指示を出す、
ことを特徴とする付記1に記載のタイムサーバ。
【0134】
(付記3)
前記パケット生成部は、前記基準時刻を含めて前記応答パケットを生成することにより、前記基準時刻パケットの生成に代える、
ことを特徴とする付記2に記載のタイムサーバ。
【0135】
(付記4)
時刻を計時する計時部と、
中継装置を介してタイムサーバに各種パケットを送信する送信部と、
前記中継装置を介して前記タイムサーバから他の各種パケットを受信する受信部と、
前記タイムサーバを送信先とするパケットであり、前記中継装置での転送の優先度を互いに異なる優先度に設定し、いずれか一方に相互の送信間隔を示すパケット送信間隔を含む第1パケット及び第2パケットを生成し、前記送信部に、前記第1及び前記第2パケットを、その番号順に、前記送信間隔で送信する指示を出すパケット生成部と、
前記受信部で受信したパケットから、パケットの種類を識別し、基準時刻の情報を含む基準時刻パケットである場合、該基準時刻パケットに含まれる前記基準時刻の情報を取得し、前記第2パケットに対する応答のパケットである応答パケットである場合、該応答パケットに含まれる、前記タイムサーバでの前記第2パケット受信から前記応答パケット送信までの期間である応答期間の情報を取得するパケット情報取得部と、
前記パケット生成部で前記第2パケットを送信する指示を出したときから前記パケット情報取得部で識別された前記応答パケットを受信するまでの期間を示す応答待ち期間を測定する応答待ち期間測定部と、
前記パケット情報取得部が取得した前記基準時刻、前記応答期間、及び前記応答待ち期間測定部が測定した前記応答待ち期間に基づいて前記計時部の時刻を設定する時刻設定部と、を備える、
ことを特徴とする端末。
【0136】
(付記5)
前記受信部が前記応答パケットを受信することができたか否かによって、前記送信間隔を調整する送信間隔調整部をさらに備え、
前記パケット生成部は、前記第1パケット及び前記第2パケットのいずれかに含まれる前記パケット送信間隔を、前記送信間隔調整部により調整された送信間隔に等しく設定し、
前記送信部は、前記調整された送信間隔で前記第1パケット及び前記第2パケットを送信する、
ことを特徴とする付記4に記載の端末。
【0137】
(付記6)
付記1乃至3のいずれか1つに係るタイムサーバと付記4又は5に係る端末とで構成される
ことを特徴とする時刻同期システム。
【0138】
(付記7)
基準時刻を計時する計時部から基準時刻を取得し、取得した基準時刻を、中継装置を介して端末に送信する基準時刻送信工程と、
前記端末から所定の送信間隔で送信されたパケットであり、前記中継装置での転送の優先度を互いに異なる優先度に設定され、前記送信間隔をパケット送信間隔としていずれかに含む第1パケット及び第2パケットを、前記中継装置を介して受信するパケット受信工程と、
前記第1パケットを受信してから前記第2パケットを受信するまでの間隔を示す受信間隔を測定する受信間隔測定工程と、
前記パケット送信間隔と前記受信間隔との差が所定の範囲内にあるかどうかを判定する判定工程と、
前記差が所定の範囲内にあると判定されたとき、前記第2パケットに対する応答のパケットであり、前記第2パケット受信から前記応答のパケットの送信までの期間である応答期間を含む応答パケットを生成する応答パケット生成工程と、
生成した前記応答パケットを、前記中継装置を介して前記端末に送信する応答パケット送信工程と、を備える、
ことを特徴とする基準時刻送信方法。
【0139】
(付記8)
基準時刻を送信するタイムサーバから、中継装置を介して前記基準時刻を受信する基準時刻受信工程と、
前記タイムサーバに送信するパケットであり、前記中継装置での転送の優先度を互いに異なる優先度に設定し、いずれか一方に相互の送信間隔を示すパケット送信間隔を含む第1パケット及び第2パケットを生成するパケット生成工程と、
前記第1パケット及び前記第2パケットを前記送信間隔で、その番号順に、前記中継装置を介して前記タイムサーバに送信する送信工程と、
前記第2パケットに対する応答のパケットであり、前記第2パケット受信から前記応答のパケットを送信するまでの期間である応答期間を含む応答パケットを前記タイムサーバから前記中継装置を介して受信する応答パケット受信工程と、
前記第2パケットを送信してから前記応答パケットを受信するまでの期間を示す応答待ち期間を測定する応答待ち期間測定工程と、
前記タイムサーバから受信した前記基準時刻、測定した前記応答待ち期間、及び前記応答パケットから取得した前記応答時間に基づいて、時刻を計時する計時部の時刻を前記タイムサーバが計時する基準時刻に同期するように設定する時刻設定工程と、を備える、
ことを特徴とする基準時刻設定方法。
【0140】
(付記9)
タイムサーバで基準時刻を計時する計時部から基準時刻を取得し、取得した基準時刻を、中継装置を介して端末に送信し、該端末で受信する基準時刻送受信工程と、
前記タイムサーバに送信するパケットであり、前記中継装置での転送の優先度を互いに異なる優先度に設定し、いずれか一方に相互の送信間隔を示すパケット送信間隔を含む第1パケット及び第2パケットを生成する、前記端末におけるパケット生成工程と、
前記第1パケット及び前記第2パケットを前記端末から送信し、前記タイムサーバで受信するパケット送受信工程と、
前記第1パケットを受信してから前記第2パケットを受信するまでの間隔を示す受信間隔を測定する、前記タイムサーバにおける受信間隔測定工程と、
受信された前記第1パケット又は前記第2パケットのいずれかに含まれる前記パケット送信間隔と測定された前記受信間隔との差が所定の範囲内にあるかどうかを判定する、前記タイムサーバにおける判定工程と、
前記差が所定の範囲内にあると判定されたとき、前記第2パケットに対する応答のパケットであり、前記第2パケット受信から前記応答のパケットの送信の準備が完了するまでの期間である応答期間を含む応答パケットを生成し、前記中継装置を介して前記端末に送信する指示をする、前記タイムサーバにおける応答パケット生成工程と、
前記応答パケット生成工程での指示に従って、生成された前記応答パケットを前記タイムサーバから送信し、前記端末で受信する応答パケット送受信工程と、
前記第2パケットを送信してから前記応答パケットを受信するまでの期間を示す応答待ち期間を測定する、前記端末における応答待ち期間測定工程と、
前記タイムサーバから受信した前記基準時刻、測定した前記応答待ち期間、及び前記応答パケットから取得した前記応答時間に基づいて、端末側で時刻を計時する計時部の時刻を前記タイムサーバが計時する前記基準時刻に同期するように設定する、前記端末における時刻設定工程と、を備える、
ことを特徴とする時刻同期方法。
【0141】
(付記10)
コンピュータに、
基準時刻を計時する計時部から基準時刻を取得し、取得した基準時刻を、中継装置を介して端末に送信する基準時刻送信手順と、
前記端末から所定の送信間隔で送信されたパケットであり、前記中継装置での転送の優先度を互いに異なる優先度に設定され、前記送信間隔をパケット送信間隔としていずれかに含む第1パケット及び第2パケットを、前記中継装置を介して受信するパケット受信手順と、
前記第1パケットを受信してから前記第2パケットを受信するまでの間隔を示す受信間隔を測定する受信間隔測定手順と、
前記パケット送信間隔と前記受信間隔との差が所定の範囲内にあるかどうかを判定する判定手順と、
前記差が所定の範囲内にあると判定されたとき、前記第2パケットに対する応答のパケットであり、前記第2パケット受信から前記応答のパケットの送信までの期間である応答期間を含む応答パケットを生成する応答パケット生成手順と、
生成した前記応答パケットを、前記中継装置を介して前記端末に送信する応答パケット送信手順と、を実行させる、
ことを特徴とするプログラム。
【0142】
(付記11)
コンピュータに、
基準時刻を送信するタイムサーバから、中継装置を介して前記基準時刻を受信する基準時刻受信手順と、
前記タイムサーバに送信するパケットであり、前記中継装置での転送の優先度を互いに異なる優先度に設定し、いずれか一方に相互の送信間隔を示すパケット送信間隔を含む第1パケット及び第2パケットを生成するパケット生成手順と、
前記第1パケット及び前記第2パケットを前記送信間隔で、その番号順に、前記中継装置を介して前記タイムサーバに送信する送信手順と、
前記第2パケットに対する応答のパケットであり、前記第2パケット受信から前記応答のパケットを送信するまでの期間である応答期間を含む応答パケットを前記タイムサーバから前記中継装置を介して受信する応答パケット受信手順と、
前記第2パケットを送信してから前記応答パケットを受信するまでの期間を示す応答待ち期間を測定する応答待ち期間測定手順と、
前記タイムサーバから受信した前記基準時刻、測定した前記応答待ち期間、及び前記応答パケットから取得した前記応答時間に基づいて、時刻を計時する計時部の時刻を前記タイムサーバが計時する基準時刻に同期するように設定する時刻設定手順と、を実行させる、
ことを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0143】
10 タイムサーバ
20 端末
30 中継装置
101 受信部
102 パケット識別部
103 パケットバッファ
104 第2パケットバッファ
105 受信時刻取得部
106 受信間隔測定部
107 計時部
108 制御部
109 送信部
110 パケット情報取得部
111 受信時間情報取得部
201 送信部
202 受信部
203 操作部
204 表示部
205 記憶部
206 制御部
207 計時部
2061 パケット情報取得部
2062 パケット生成部
2063 応答待ち期間取得部
2064 時刻設定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準時刻を計時する計時部と、
前記計時部から基準時刻を取得する基準時刻取得部と、
中継装置を介して端末から送信された各種パケットを受信する受信部と、
他の各種パケットを、前記中継装置を介して前記端末に送信する送信部と、
前記端末から所定の送信間隔で送信されたパケットであり、前記中継装置での転送の優先度を互いに異なる優先度に設定され、前記送信間隔をパケット送信間隔としていずれかに含む前記受信部により受信された第1パケット及び第2パケットを識別するパケット識別部と、
受信した前記第1パケット及び前記第2パケットに含まれる情報を取得するパケット情報取得部と、
前記パケット識別部で識別された前記第1パケット及び前記第2パケットの受信タイミングに基づき、前記第2パケットの受信時刻である第2パケット受信時刻を取得するとともに、前記第1パケットを受信してから前記第2パケットを受信するまでの間隔を示す受信間隔を取得する受信時間情報取得部と、
前記パケット情報取得部で取得された前記パケット送信間隔と前記受信時間情報取得部で取得された前記受信間隔との差が、所定の範囲内にあるかどうかを判定する判定部と、
前記基準時刻取得部で取得された前記基準時刻を含む基準時刻パケットを生成し、前記送信部に送信の指示を出し、前記判定部で前記差が前記所定の範囲内にあるとの判定がなされたとき、前記第2パケットに対する応答のパケットであり、前記第2パケット受信時刻から前記応答のパケットの送信までの期間である応答期間を含む応答パケットを生成し、前記送信部に送信の指示を出すパケット生成部と、を備える、
ことを特徴とするタイムサーバ。
【請求項2】
前記パケット生成部は、前記判定部で前記差が前記所定の範囲内にあるとの判定がなされたとき、前記基準時刻パケットを生成し、前記送信部に前記端末への送信の指示を出す、
ことを特徴とする請求項1に記載のタイムサーバ。
【請求項3】
前記パケット生成部は、前記基準時刻を含めて前記応答パケットを生成することにより、前記基準時刻パケットの生成に代える、
ことを特徴とする請求項2に記載のタイムサーバ。
【請求項4】
時刻を計時する計時部と、
中継装置を介してタイムサーバに各種パケットを送信する送信部と、
前記中継装置を介して前記タイムサーバから他の各種パケットを受信する受信部と、
前記タイムサーバを送信先とするパケットであり、前記中継装置での転送の優先度を互いに異なる優先度に設定し、いずれか一方に相互の送信間隔を示すパケット送信間隔を含む第1パケット及び第2パケットを生成し、前記送信部に、前記第1及び前記第2パケットを、その番号順に、前記送信間隔で送信する指示を出すパケット生成部と、
前記受信部で受信したパケットから、パケットの種類を識別し、基準時刻の情報を含む基準時刻パケットである場合、該基準時刻パケットに含まれる前記基準時刻の情報を取得し、前記第2パケットに対する応答のパケットである応答パケットである場合、該応答パケットに含まれる、前記タイムサーバでの前記第2パケット受信から前記応答パケット送信までの期間である応答期間の情報を取得するパケット情報取得部と、
前記パケット生成部で前記第2パケットを送信する指示を出したときから前記パケット情報取得部で識別された前記応答パケットを受信するまでの期間を示す応答待ち期間を測定する応答待ち期間測定部と、
前記パケット情報取得部が取得した前記基準時刻、前記応答期間、及び前記応答待ち期間測定部が測定した前記応答待ち期間に基づいて前記計時部の時刻を設定する時刻設定部と、を備える、
ことを特徴とする端末。
【請求項5】
前記受信部が前記応答パケットを受信することができたか否かによって、前記送信間隔を調整する送信間隔調整部をさらに備え、
前記パケット生成部は、前記第1パケット及び前記第2パケットのいずれかに含まれる前記パケット送信間隔を、前記送信間隔調整部により調整された送信間隔に等しく設定し、
前記送信部は、前記調整された送信間隔で前記第1パケット及び前記第2パケットを送信する、
ことを特徴とする請求項4に記載の端末。
【請求項6】
請求項1乃至3のいずれか1項に係るタイムサーバと請求項4又は5に係る端末とで構成される、
ことを特徴とする時刻同期システム。
【請求項7】
タイムサーバで基準時刻を計時する計時部から基準時刻を取得し、取得した基準時刻を、中継装置を介して端末に送信し、該端末で受信する基準時刻送受信工程と、
前記タイムサーバに送信するパケットであり、前記中継装置での転送の優先度を互いに異なる優先度に設定し、いずれか一方に相互の送信間隔を示すパケット送信間隔を含む第1パケット及び第2パケットを生成する、前記端末におけるパケット生成工程と、
前記第1パケット及び前記第2パケットを前記端末から送信し、前記タイムサーバで受信するパケット送受信工程と、
前記第1パケットを受信してから前記第2パケットを受信するまでの間隔を示す受信間隔を測定する、前記タイムサーバにおける受信間隔測定工程と、
受信された前記第1パケット又は前記第2パケットのいずれかに含まれる前記パケット送信間隔と測定された前記受信間隔との差が所定の範囲内にあるかどうかを判定する、前記タイムサーバにおける判定工程と、
前記差が所定の範囲内にあると判定されたとき、前記第2パケットに対する応答のパケットであり、前記第2パケット受信から前記応答のパケットの送信の準備が完了するまでの期間である応答期間を含む応答パケットを生成し、前記中継装置を介して前記端末に送信する指示をする、前記タイムサーバにおける応答パケット生成工程と、
前記応答パケット生成工程での指示に従って、生成された前記応答パケットを前記タイムサーバから送信し、前記端末で受信する応答パケット送受信工程と、
前記第2パケットを送信してから前記応答パケットを受信するまでの期間を示す応答待ち期間を測定する、前記端末における応答待ち期間測定工程と、
前記タイムサーバから受信した前記基準時刻、測定した前記応答待ち期間、及び前記応答パケットから取得した前記応答時間に基づいて、端末側で時刻を計時する計時部の時刻を前記タイムサーバが計時する前記基準時刻に同期するように設定する、前記端末における時刻設定工程と、を備える、
ことを特徴とする時刻同期方法。
【請求項8】
コンピュータに、
基準時刻を計時する計時部から基準時刻を取得し、取得した基準時刻を、中継装置を介して端末に送信する基準時刻送信手順と、
前記端末から所定の送信間隔で送信されたパケットであり、前記中継装置での転送の優先度を互いに異なる優先度に設定され、前記送信間隔をパケット送信間隔としていずれかに含む第1パケット及び第2パケットを、前記中継装置を介して受信するパケット受信手順と、
前記第1パケットを受信してから前記第2パケットを受信するまでの間隔を示す受信間隔を測定する受信間隔測定手順と、
前記パケット送信間隔と前記受信間隔との差が所定の範囲内にあるかどうかを判定する判定手順と、
前記差が所定の範囲内にあると判定されたとき、前記第2パケットに対する応答のパケットであり、前記第2パケット受信から前記応答のパケットの送信までの期間である応答期間を含む応答パケットを生成する応答パケット生成手順と、
生成した前記応答パケットを、前記中継装置を介して前記端末に送信する応答パケット送信手順と、を実行させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項9】
コンピュータに、
基準時刻を送信するタイムサーバから、中継装置を介して前記基準時刻を受信する基準時刻受信手順と、
前記タイムサーバに送信するパケットであり、前記中継装置での転送の優先度を互いに異なる優先度に設定し、いずれか一方に相互の送信間隔を示すパケット送信間隔を含む第1パケット及び第2パケットを生成するパケット生成手順と、
前記第1パケット及び前記第2パケットを前記送信間隔で、その番号順に、前記中継装置を介して前記タイムサーバに送信する送信手順と、
前記第2パケットに対する応答のパケットであり、前記第2パケット受信から前記応答のパケットを送信するまでの期間である応答期間を含む応答パケットを前記タイムサーバから前記中継装置を介して受信する応答パケット受信手順と、
前記第2パケットを送信してから前記応答パケットを受信するまでの期間を示す応答待ち期間を測定する応答待ち期間測定手順と、
前記タイムサーバから受信した前記基準時刻、測定した前記応答待ち期間、及び前記応答パケットから取得した前記応答時間に基づいて、時刻を計時する計時部の時刻を前記タイムサーバが計時する基準時刻に同期するように設定する時刻設定手順と、を実行させる、
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−74338(P2013−74338A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−209910(P2011−209910)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】