説明

タイムスイッチ

【課題】 負荷に対して複数の動作状態を設定可能で、且つ現在の動作状態を容易に判別できるタイムスイッチを提供する。
【解決手段】 動作設定スイッチ4によって設定された自動、連続入、連続切、手動一時入、手動一時切の各動作に応じて負荷の運転・停止を制御し、液晶表示部5の動作表示部5dにおいて、操作部位置表示部52では、自動動作によって負荷が運転しているのか、または自動動作によって負荷が停止しているのか、または手動一時入動作によって負荷が運転しているのか、または手動一時切動作によって負荷が停止しているのかを判別でき、さらに、操作部位置表示部51,53では、現在の動作が連続入または連続切であることが判別できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予め設定した時刻に負荷を制御するタイムスイッチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、マイクロコンピュータを内蔵して、例えば曜日毎等の複数のプログラムを格納し、このプログラムで予め設定された時刻になると制御機器等の負荷への電源供給をオン・オフして、負荷を運転・停止制御するタイムスイッチが提供されている。
【0003】
このような、タイムスイッチの一例としては、プログラムに基づいて自動で負荷の運転・停止を制御する自動動作と、プログラムに関係なく手動で負荷の運転・停止を制御する手動動作とを切替可能に設定するものがある。(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
そして、手動動作としては、マニュアルスイッチを操作することでプログラムに関係なく負荷の状態(運転または停止)を連続的に一定にするパーマネント動作と、マニュアルスイッチを操作することでプログラムに関係なく負荷の状態(運転・停止)を一時的に反転するモーメンタリ動作とがあり、
パーマネント動作としては、
(A)プログラムに基づく運転・停止制御に関係なく、負荷の運転状態を連続的に維持する連続入動作と、
(B)プログラムに基づく運転・停止制御に関係なく、負荷の停止状態を連続的に維持する連続切動作とがあり、
モーメンタリ動作としては、
(C)プログラムに基づく運転・停止制御に関係なく、停止状態の負荷を一時的に運転状態にする手動一時入動作と、
(D)プログラムに基づく運転・停止制御に関係なく、運転状態の負荷を一時的に停止状態にする手動一時切動作とがある。(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
さらに、タイムスイッチ本体に液晶等の表示部を設けて、現在時刻や、負荷の制御状態等を表示するものもあり、現在設定されている動作を、(a)連続入、(b)連続切、(c)プログラムに基づく運転状態または手動一時入、(d)プログラムに基づく停止状態または手動一時切 の4つに分けて表示するものがある。(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特公平5−20716号公報
【特許文献2】特公平5−69479号公報
【特許文献3】特許第2672901号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献3において、現在設定されている動作を、(a)連続入、(b)連続切、(c)プログラムに基づく運転状態または手動一時入、(d)プログラムに基づく停止状態または手動一時切 の4つに分けて表示しているが、上記(c)の表示を見たユーザは、自動動作による負荷の運転なのか、あるいは手動一時入による負荷の運転なのかが判別できず、また上記(d)の表示を見たユーザは、自動動作による負荷の停止なのか、あるいは手動一時切による負荷の停止なのかが判別できない。
【0007】
また、上記特許文献2では、1つのプッシュ型スイッチを用いて、その押下時間によって上記各動作を設定しており、各動作を設定するための操作方法が分かり難いものであった。さらに、上記特許文献3では、1つのスライドスイッチと2つのプッシュ型スイッチを用いる構成、または2つのプッシュ型スイッチを用いる構成で、上記各動作を設定しており、操作部が多くてやはり操作方法が分かり難いものであった。
【0008】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、負荷に対して複数の動作状態を設定可能で、且つ現在の動作状態を容易に判別できるタイムスイッチを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、現在時刻を計時する時計手段と、所望の時刻に負荷を制御するためのプログラムを設定するプログラム設定手段と、設定されたプログラムを格納するプログラム記憶手段と、負荷への電源供給をオン・オフする出力手段と、出力手段のオン・オフを切り替えることで負荷の運転・停止を制御する出力制御手段と、出力制御手段の動作を自動、連続入、連続切、手動一時入、手動一時切のうちいずれかの動作に設定する動作設定手段と、本タイムスイッチの状態を表示する表示手段とを備え、出力制御手段は、自動の動作に設定された場合、プログラムに基づいて、現在時刻とプログラムに設定された時刻とを比較して負荷の運転・停止を制御し、連続入の動作に設定された場合、負荷の運転状態を維持し、連続切の動作に設定された場合、負荷の停止状態を維持し、手動一時入の動作に設定された場合、負荷を停止状態から一時的に運転状態にし、手動一時切の動作に設定された場合、負荷を運転状態から一時的に停止状態にし、表示手段は、少なくとも、自動の動作が設定されて負荷が運転状態であること、自動の動作が設定されて負荷が停止状態であること、手動一時入の動作が設定されていること、手動一時切の動作が設定されていることを個別に表示することを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、表示手段の表示によって、プログラムに基づく自動動作によって負荷が運転しているのか、またはプログラムに基づく自動動作によって負荷が停止しているのか、または手動一時入動作によって負荷が運転しているのか、または手動一時切動作によって負荷が停止しているのかを個別に判別でき、したがって、負荷に対して複数の動作状態を設定可能で、且つ現在の動作状態を容易に判別できる。また、タイムスイッチに様々なモード(例えば、時計表示モード、タイマー設定モード等)を設定可能な場合、表示手段の表示をモード毎に変更することで、現在のモードを判別することができる。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1において、前記動作設定手段は、自動,連続入,連続切の3つの動作に対応した3つのポジションに移動可能な操作手段を有するスイッチであり、操作手段が自動に対応するポジションにあって負荷が停止状態であるときに、操作手段を連続入に対応するポジションに移動させた後、再び自動に対応するポジションに戻すことによって、出力制御手段の動作を手動一時入に設定し、操作手段が自動に対応するポジションにあって負荷が運転状態であるときに、操作手段を連続切に対応するポジションに移動させた後、再び自動に対応するポジションに戻すことによって、出力制御手段の動作を手動一時切に設定することを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、自動、連続入、連続切、手動一時入、手動一時切の各動作を、3ポジションのスイッチを1つ用いる簡単な構成で容易に設定できる。
【0013】
請求項3の発明は、請求項2において、前記操作手段を一面に配置した筐体を備え、当該一面には、手動一時入および手動一時切の設定方法を表示した領域を設けたことを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、3ポジションのスイッチを1つ用いて手動一時入または手動一時切を設定する場合に、操作をスムーズに行うことができる。また、万一、操作方法を忘れた場合でも、説明書を取り出す必要がなく、確実に設定することができる。
【0015】
請求項4の発明は、請求項1乃至3いずれかにおいて、前記出力制御手段は、自動の動作で負荷が停止状態であるときに手動一時入の動作に設定された場合、負荷をプログラムに基づいて停止状態から運転状態に切り替えるタイミングまで手動一時入の動作を行った後、自動の動作に再び設定され、自動の動作で負荷が運転状態であるときに手動一時切の動作に設定された場合、負荷をプログラムに基づいて運転状態から停止状態に切り替えるタイミングまで手動一時切の動作を行った後、自動の動作に再び設定され、前記表示手段は、手動一時入の動作が設定されていること、手動一時切の動作が設定されていること、自動の動作が設定されて負荷が運転状態であること、自動の動作が設定されて負荷が停止状態であることを個別に表示することを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、プログラムに基づく自動動作によって負荷が運転しているのか、またはプログラムに基づく自動動作によって負荷が停止しているのか、または手動一時入動作によって負荷が運転しているのか、または手動一時切動作によって負荷が停止しているのかを容易に判別できる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明では、負荷に対して複数の動作状態を設定可能で、且つ現在の動作状態を容易に判別できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
(実施形態)
図4は、本発明のタイムスイッチの回路ブロックを示し、マイクロコンピュータからなり、後述する各部との間で信号授受を行って各部の動作を監視、制御する制御部1と、複数のプッシュ型ボタン(2a〜2g)からなる設定用スイッチ部2と、スライドスイッチからなるモード切替スイッチ3と、スライドスイッチからなる動作設定スイッチ4と、液晶ディスプレイからなる液晶表示部5と、複数のLEDからなるLED表示部6(6a,6b)と、電源端子14,14を介して入力された商用電源から動作電源を生成する電源部7と、商用電源の停電を検出する停電検出部8と、出力端子15,15を介して接続された図示しない制御機器等の外部の負荷への電源供給を制御部1からの指示にしたがってオン・オフする出力部9と、現在の曜日および現在時刻を計時する時計部10と、所望の時刻に負荷を制御するためのプログラムが格納されたプログラム記憶部11と、制御部1の動作をリセットするリセット部12と、制御部1を動作させるクロック信号を生成する発振部13とを備える。ここで、制御部1が出力制御手段を構成し、出力部9が出力手段を構成し、時計部10が時計手段を構成し、設定用スイッチ部2がプログラム設定手段を構成し、プログラム記憶部11がプログラム記憶手段を構成し、動作設定スイッチ4が動作設定手段を構成し、液晶表示部5が表示手段を構成している。
【0020】
タイムスイッチの外観は、図1、図2に示すように、前面を開口したボディ21と、ボディ21の開口に覆設するカバー22とで構成される矩形箱状のハウジング20を備え、カバー22の両側部から後方に延設した係止片22aをボディ21の両側面に設けた係止部21aに係止させることで、カバー22をボディ21に組み付けており、カバー22の前面に操作、表示を行う各構成を設けている。さらに、カバー22の前面には後面を開口した透明カバー23が、上下面の各後縁に設けた係止片23aをカバー22の側縁に係止させることでカバー22の前面に取り付けられる。なお、本実施形態の説明における上下方向、左右方向、前後方向は、図1中の上下方向、左右方向、前後方向に基づくものとする。
【0021】
カバー22の前面では、時刻表示部5a、曜日表示部5b、時刻カウント動作ドット5c、動作表示部5d等を設けた液晶表示部5を上部に設け、その下部に設定用スイッチ部2を設け、さらに前面右側には出力状態表示部6a、動作設定スイッチ4、通電状態表示部6b、モード切替スイッチ3が、上下方向に並んで配置されている。また、図3に示すように、ボディ21の後面下部には、商用電源を接続するための電源端子14,14と、負荷を接続するための出力端子15,15とが配置されている。
【0022】
そして、電源部7は、電源端子14,14から入力される商用電源を降圧する降圧回路7aと、降圧した入力を直流変換して動作電源として各部へ供給する直流変換回路7bとで構成され、電源の通電時には通電状態表示部6bが点灯する。また、停電検出部8によって商用電源の停電が検出されると、図示しない電池等で構成されるバックアップ電源からの電源供給に切り替わる。
【0023】
また、出力部9は、制御部1からの指示にしたがって駆動信号を生成するドライブ回路9aと、この駆動信号によって接点がオン・オフするリレー9bとで構成され、負荷はリレー9bの接点を介して電源に接続されており、リレー9bのオン・オフに応じて電源供給のオン・オフが切り替えられる。すなわち、リレー9bがオンして負荷へ電源が供給されている運転状態と、リレー9bがオフして負荷へ電源が供給されていない停止状態とが、制御部1によって制御されているのである。さらに、負荷を運転状態に制御しているときは出力状態表示部6aが点灯する。
【0024】
そして、モード切替スイッチ3は、上下方向の3ポジションにスライドする操作部3aを備えて、上端のポジションP1を時計表示モード、中央のポジションP2をタイマー設定モード、下端のポジションP3を時計設定モードとして、操作部3aのスライド位置に応じて各モードに設定される。
【0025】
通常、操作部3aはポジションP1の時計表示モードに設定されており、以下、時計表示モードでの動作について説明する。
【0026】
時計表示モードでは、液晶表示部5の時刻表示部5aに時計部10で計時した現在時刻が表示され、曜日表示部5bには現在の曜日が表示され、時刻カウント動作ドット5cは1秒毎に点滅動作を行い、さらに動作設定スイッチ4の操作状態に応じて動作表示部5dに負荷の動作状態が表示される。
【0027】
動作設定スイッチ4は、上下方向の3ポジションにスライドする操作部4aを備えて、上端のポジションP11を連続入、中央のポジションP12を自動、下端のポジションP13を連続切として、操作部4aのスライド位置およびスライド操作に応じて、(1)自動、(2)連続入、(3)連続切、(4)手動一時入、(5)手動一時切のうちいずれかの動作が設定され、制御部1は設定された動作に応じた負荷制御を行うように、出力部9のオン・オフを切り替えて負荷の運転・停止を制御する。そして、動作表示部5dは、操作部4aの上下方向のスライド位置に対応して、操作部4aの現在のポジションを示す操作部位置表示部51,52,53が上下方向に並んで設けられ、操作部4aが上端のポジションP11にあるときは上端の操作部位置表示部51が表示され、操作部4aが中央のポジションP12にあるときは中央の操作部位置表示部52が表示され、操作部4aが下端のポジションP13にあるときは下端の操作部位置表示部53が表示される。
【0028】
まず、動作設定スイッチ4の操作部4aが中央のポジションP12に位置して、(1)自動の動作が設定されている場合、制御部1はプログラム記憶部11に格納しているプログラムに基づいて、時計部10で計時している現在時刻とプログラムで設定された時刻(設定時刻)とを比較し、現在時刻が設定時刻に一致すると、図5に示すような負荷を運転または停止させる負荷制御を行う。そして、動作表示部5dでは、操作部4aがポジションP12にあることを示す操作部位置表示部52に表示がなされ、プログラムに基づいて負荷を運転状態に制御したとき、操作部位置表示部52は図6(a)に示すように「タイマー入」と表示され、プログラムに基づいて負荷を停止状態に制御したとき、操作部位置表示部52は図6(b)に示すように「タイマー切」と表示される。したがって、動作表示部5dを見たユーザは、操作部4aがポジションP12にあり、プログラムに基づく自動動作によって、負荷は運転状態または停止状態に制御されていることが分かる。
【0029】
次に、動作設定スイッチ4の操作部4aが、図7に示すように中央のポジションP12から上端のポジションP11に切り替えられて、(2)連続入の動作が設定されている場合、制御部1は、設定タイミングt0から、プログラムに基づく運転・停止制御に関係なく(図8(a))、負荷の運転状態を連続的に維持する連続入動作(図8(b))を行う。そして、動作表示部5dでは、設定タイミングt0直前は、図6(b)に示すように、操作部4aがポジションP12にあることを示す操作部位置表示部52に、プログラムに基づく停止状態を表す「タイマー切」と表示され、設定タイミングt0以後は、図9に示すように、操作部4aがポジションP11にあることを示す操作部位置表示部51に、連続入動作による運転状態を表す「連続入」と表示される。したがって、動作表示部5dを見たユーザは、操作部4aがポジションP11にあり、連続入動作によって、負荷は運転状態に制御されていることが分かる。
【0030】
次に、動作設定スイッチ4の操作部4aが、図10に示すように中央のポジションP12から下端のポジションP13に切り替えられて、(3)連続切の動作が設定されている場合、制御部1は、設定タイミングt10から、プログラムに基づく運転・停止制御に関係なく(図11(a))、負荷の停止状態を連続的に維持する連続切動作(図11(b))を行う。そして、動作表示部5dでは、設定タイミングt10直前は、図6(a)に示すように、操作部4aがポジションP12にあることを示す操作部位置表示部52に、プログラムに基づく運転状態を表す「タイマー入」と表示され、操作タイミングt10以後は、図12に示すように、操作部4aがポジションP13にあることを示す操作部位置表示部53に、連続切動作による停止状態を表す「連続切」と表示される。したがって、動作表示部5dを見たユーザは、操作部4aがポジションP13にあり、連続切動作によって、負荷は停止状態に制御されていることが分かる。
【0031】
次に、動作設定スイッチ4の操作部4aを、図13に示すように中央のポジションP12から上端のポジションP11に切り替えた後、所定時間内に再び中央のポジションP12に戻した場合、(4)手動一時入に設定され、制御部1は、設定タイミングt20から、プログラムに基づく運転・停止制御に関係なく(図14(a))、停止状態の負荷を一時的に運転状態にする手動一時入動作(図14(b))を行う。この手動一時入動作は、設定タイミングt20から停止状態の負荷を運転状態にした後、プログラムに基づいて停止状態から運転状態に切り替えるタイミングt21までを手動一時入動作による運転状態とし、タイミングt21以後はプログラムに基づく自動動作によって運転・停止制御を行う。
【0032】
そして、動作表示部5dでは、設定タイミングt20直前は、図6(b)に示すように、操作部4aがポジションP12にあることを示す操作部位置表示部52に、プログラムに基づく停止状態を表す「タイマー切」と表示され、タイミングt20〜t21までは、図15に示すように、操作部位置表示部52に手動一時入動作による運転状態を表す「手動一時入」と表示され、タイミングt21直後は、図6(a)に示すように、操作部位置表示部52にプログラムに基づく運転状態を表す「タイマー入」と表示され、以降は図6(a)(b)に示すように、プログラムに基づく運転状態を表す「タイマー入」、またはプログラムに基づく停止状態を表す「タイマー切」が操作部位置表示部52に表示される。
したがって、動作表示部5dを見たユーザは、操作部4aがポジションP12にあり、手動一時入動作によって負荷が運転状態に制御されているのか、またはプログラムに基づく自動動作によって負荷が運転状態に制御されているのかを判別できる。
【0033】
次に、動作設定スイッチ4の操作部4aを、図16に示すように中央のポジションP12から下端のポジションP13に切り替えた後、所定時間内に再び中央のポジションP12に戻した場合、(5)手動一時切に設定され、制御部1は、設定タイミングt30から、プログラムに基づく運転・停止制御に関係なく(図17(a))、運転状態の負荷を一時的に停止状態にする手動一時切動作(図17(b))を行う。この手動一時切動作は、設定タイミングt30から運転状態の負荷を停止状態にした後、プログラムに基づいて運転状態から停止状態に切り替えるタイミングt31までを手動一時切動作による停止状態とし、タイミングt31以後はプログラムに基づく自動動作によって運転・停止制御を行う。
【0034】
そして、動作表示部5dでは、設定タイミングt30直前は、図6(a)に示すように、操作部4aがポジションP12にあることを示す操作部位置表示部52に、プログラムに基づく運転状態を表す「タイマー入」と表示され、タイミングt30〜t31までは、図18に示すように、操作部位置表示部52に手動一時切動作による停止状態を表す「手動一時切」と表示され、タイミングt31直後は、図6(b)に示すように、操作部位置表示部52にプログラムに基づく停止状態を表す「タイマー切」と表示され、以降は図6(a)(b)に示すように、プログラムに基づく運転状態を表す「タイマー入」、またはプログラムに基づく停止状態を表す「タイマー切」が操作部位置表示部52に表示される。したがって、動作表示部5dを見たユーザは、操作部4aがポジションP12にあり、手動一時切動作によって負荷が停止状態に制御されているのか、またはプログラムに基づく自動動作によって負荷が停止状態に制御されているのかを判別できる。
【0035】
上記操作部位置表示部52では、図19に示すように、[ ]内を2行2列の4つの部位52a,52b,52c,52dに分割し、左上の部位52aに「タイマー」と表示し、左下の部位52bに「手動一時」と表示し、右上の部位52cに「入」と表示し、右下の部位52dに「切」と表示して、必要に応じて、部位52a,52bいずれかの表示「タイマー」または「手動一時」と、部位52c,52dいずれかの表示「入」「切」とを組み合わせることで、操作部4aが中央のポジションP12にあるときに、プログラムに基づく自動動作によって負荷が運転しているのか、またはプログラムに基づく自動動作によって負荷が停止しているのか、または手動一時入動作によって負荷が運転しているのか、または手動一時切動作によって負荷が停止しているのかを判別できる。さらに、操作部位置表示部51,53では、「連続入」、「連続切」の表示がなされて、現在の動作が連続入または連続切であることが判別できる。
【0036】
このように、本実施形態では、液晶表示部5の動作表示部5dに操作部位置表示部51,52,53を設けることによって、動作設定スイッチ4の操作部4aのポジションが判別でき、さらに、各操作部位置表示部51,52,53では、上記(1)自動、(2)連続入、(3)連続切、(4)手動一時入、(5)手動一時切の全ての動作に対応して、負荷の動作状態を表示するので、現在の設定されている動作および負荷の動作状態を容易に判別することができる。
【0037】
また、カバー22前面の下部には、動作設定スイッチ4の操作部4aによる、上記手動一時入および手動一時切の設定方法を文字で記載した領域16が設けられ、さらにカバー22前面の操作部4a近傍には、上記手動一時入および手動一時切の設定方法を操作部4aの操作方向(矢印)で表示した領域17a,17bが設けられており、領域16,17a,17bは、カバー22の前面に直接印字したり、またはシールを貼り付けることによって形成される。したがって、3ポジションのスライドスイッチである動作設定スイッチ4を用いて、上記のように手動一時入または手動一時切を設定する場合に、操作をスムーズに行うことができる。また、万一、操作方法を忘れた場合でも、説明書を取り出す必要がなく、確実に設定することができる。
【0038】
次に、モード切替スイッチ3の操作部3aがポジションP2に切り替えられて、プログラム記憶部11に格納するプログラムを設定するタイマー設定モードとなった場合の動作について説明する。なお、動作設定スイッチ4の操作部4aは、中央のポジションP12に位置しているものとする。
【0039】
タイマー設定モード時には、図20に示すように、液晶表示部5は週間プログラム設定画面となり、時刻表示部5a、曜日表示部5bが点滅し、動作表示部5dには「タイマー入」が表示され、さらにプログラム番号表示部5eが点滅表示される。まず、設定用スイッチ2を操作して今回設定するプログラム番号をプログラム番号表示部5eに表示させると、次に、月〜日ボタン2aを押下して、負荷制御を行う曜日を選択する。月〜日ボタン2aを押下する毎に曜日表示部5bの対応する曜日が点滅・点灯を繰り返し、点灯状態で選択、点滅状態で非選択となる。次に、負荷を運転状態にする時刻を設定する場合は、動作表示部5dに「タイマー入」を表示させ、負荷を停止状態にする時刻を設定する場合は、動作表示部5dに「タイマー切」を表示させる。次に、負荷の運転・停止制御を行う時刻を時ボタン2b、分ボタン2cを押下して設定し、最後に設定ボタン2dを押下することで、上記設定した曜日、時刻で負荷を運転・停止制御するプログラムがプログラム記憶部11に格納され、次のプログラム番号の週間プログラム設定画面となる。また、取消ボタン2dを押下することで、当該プログラム番号の設定内容が取り消される。
【0040】
次に、モード切替スイッチ3の操作部3aがポジションP3に切り替えられて、時計部10で計時している現在時刻を設定する時計設定モードとなった場合の動作について説明する。なお、動作設定スイッチ4の操作部4aは、中央のポジションP12に位置しているものとする。
【0041】
時計設定モード時には、図21に示すように、液晶表示部5は時刻設定画面となり、時刻表示部5a、曜日表示部5b、時刻カウント動作ドット5cが点滅する。そして、月〜日ボタン2aのいずれかを押下すると、押下した曜日のみが曜日表示部5bに表示されるので、現在の曜日を選択する。次に、時ボタン2b、分ボタン2cを押下して現在時刻を設定する。
【0042】
秒の設定は、設定ボタン2dによって行い、押下している間は時刻カウント動作ドット5cが点灯状態となって、時計部10の秒カウンターが「00」で停止し、押下状態を解除した時点から時刻カウント動作ドット5cが点滅状態となって、時計部10の秒カウンターがカウントを開始する。
【0043】
また、リセットボタン2fを押下すると、リセット部12によって制御部1の動作がリセットされる。また、+1hボタン2gを1回押下すると、時計部10による現在時刻を1時間早めてサマータイムに設定され、+1hボタン2gを再度押下すると、時計部10による現在時刻を1時間遅くしてサマータイムの設定が解除される。
【0044】
なお、設定用スイッチ2を構成する各プッシュ型ボタンには、押圧された導電ゴムが、プリント基板に形成されたパターンに導通することによって、オン・オフ操作される所謂導電ゴムスイッチが用いられる。
【0045】
このようなタイムスイッチによる負荷の制御動作の概略は、図22のフローチャートに示され、動作を開始すると(ステップS1)、時計部10が現在時刻の計時動作を行い(ステップS2)、動作設定スイッチ4によって設定された動作が自動であるか否かを判定し(ステップS3)、自動動作であれば、制御部1は、計時している現在時刻とプログラムで設定された時刻とを比較し(ステップS4)、現在時刻が設定時刻と一致した場合に、プログラムに基づいて自動動作を行う(ステップS5)。
【0046】
自動動作でなければ、動作設定スイッチ4によって設定された動作が連続入動作または連続切動作であるか否かを判定し(ステップS6)、連続入動作または連続切動作であれば、連続入動作または連続切動作を行う(ステップS7)。
【0047】
連続入動作または連続切動作でなければ、動作設定スイッチ4によって設定された動作が手動一時入動作または手動一時切動作であるか否かを判定し(ステップS8)、手動一時入動作または手動一時切動作であれば、手動一時入動作または手動一時切動作を行う(ステップS9)。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】実施形態のタイムスイッチを示す正面図である。
【図2】同上の斜視図である。
【図3】同上の後面図である。
【図4】同上の回路ブロック図である。
【図5】同上のプログラムに基づく自動動作による制御を示す図である。
【図6】(a)(b)同上の自動動作時の液晶表示部を示す図である。
【図7】同上の連続入動作時の動作設定スイッチの状態を示す図である。
【図8】(a)(b)同上の連続入動作とプログラム動作との関係を示す図である。
【図9】同上の連続入動作時の液晶表示部を示す図である。
【図10】同上の連続切動作時の動作設定スイッチの状態を示す図である。
【図11】(a)(b)同上の連続切動作とプログラム動作との関係を示す図である。
【図12】同上の連続切動作時の液晶表示部を示す図である。
【図13】同上の手動一時入動作時の動作設定スイッチの状態を示す図である。
【図14】(a)(b)同上の手動一時入動作とプログラム動作との関係を示す図である。
【図15】同上の手動一時入動作時の液晶表示部を示す図である。
【図16】同上の手動一時切動作時の動作設定スイッチの状態を示す図である。
【図17】(a)(b)同上の手動一時切動作とプログラム動作との関係を示す図である。
【図18】同上の手動一時切動作時の液晶表示部を示す図である。
【図19】同上の中央の操作部位置表示部を示す図である。
【図20】同上のタイマー設定モード時の液晶表示部を示す図である。
【図21】同上の時計設定モード時の液晶表示部を示す図である。
【図22】同上の負荷の制御動作の概略を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0049】
1 制御部
2 設定用スイッチ部
3 モード切替スイッチ
4 動作設定スイッチ
5 液晶表示部
5d 動作表示部
51,52,53 操作部位置表示部
9 出力部
10 時計部
11 プログラム記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在時刻を計時する時計手段と、所望の時刻に負荷を制御するためのプログラムを設定するプログラム設定手段と、設定されたプログラムを格納するプログラム記憶手段と、負荷への電源供給をオン・オフする出力手段と、出力手段のオン・オフを切り替えることで負荷の運転・停止を制御する出力制御手段と、出力制御手段の動作を自動、連続入、連続切、手動一時入、手動一時切のうちいずれかの動作に設定する動作設定手段と、本タイムスイッチの状態を表示する表示手段とを備え、
出力制御手段は、
自動の動作に設定された場合、プログラムに基づいて、現在時刻とプログラムに設定された時刻とを比較して負荷の運転・停止を制御し、
連続入の動作に設定された場合、負荷の運転状態を維持し、
連続切の動作に設定された場合、負荷の停止状態を維持し、
手動一時入の動作に設定された場合、負荷を停止状態から一時的に運転状態にし、
手動一時切の動作に設定された場合、負荷を運転状態から一時的に停止状態にし、
表示手段は、少なくとも、自動の動作が設定されて負荷が運転状態であること、自動の動作が設定されて負荷が停止状態であること、手動一時入の動作が設定されていること、手動一時切の動作が設定されていることを個別に表示する
ことを特徴とするタイムスイッチ。
【請求項2】
前記動作設定手段は、自動,連続入,連続切の3つの動作に対応した3つのポジションに移動可能な操作手段を有するスイッチであり、
操作手段が自動に対応するポジションにあって負荷が停止状態であるときに、操作手段を連続入に対応するポジションに移動させた後、再び自動に対応するポジションに戻すことによって、出力制御手段の動作を手動一時入に設定し、
操作手段が自動に対応するポジションにあって負荷が運転状態であるときに、操作手段を連続切に対応するポジションに移動させた後、再び自動に対応するポジションに戻すことによって、出力制御手段の動作を手動一時切に設定する
ことを特徴とする請求項1記載のタイムスイッチ。
【請求項3】
前記操作手段を一面に配置した筐体を備え、当該一面には、手動一時入および手動一時切の設定方法を表示した領域を設けたことを特徴とする請求項2記載のタイムスイッチ。
【請求項4】
前記出力制御手段は、
自動の動作で負荷が停止状態であるときに手動一時入の動作に設定された場合、負荷をプログラムに基づいて停止状態から運転状態に切り替えるタイミングまで手動一時入の動作を行った後、自動の動作に再び設定され、
自動の動作で負荷が運転状態であるときに手動一時切の動作に設定された場合、負荷をプログラムに基づいて運転状態から停止状態に切り替えるタイミングまで手動一時切の動作を行った後、自動の動作に再び設定され、
前記表示手段は、手動一時入の動作が設定されていること、手動一時切の動作が設定されていること、自動の動作が設定されて負荷が運転状態であること、自動の動作が設定されて負荷が停止状態であることを個別に表示する
ことを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載のタイムスイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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