説明

タイヤ検査システム

【課題】各種タイヤ測定(検査)を効率良く行え、設置スペースの抑制および設備コストの削減を図ることができるタイヤ検査システムを供する。
【解決手段】コンベア2に複数並んで設定されるステージの各ステージにタイヤTを順次移送し、上流端ステージに対応して配設されたリム組みモジュールSmが、タイヤの上下ビード部に上下リムr,rを気密に組み付けてタイヤ内部に空気を圧入してリム組みタイヤTrとし、順次設定された各測定ステージに対応して配列された各種測定モジュールmが、それぞれリム組みタイヤTrを保持してタイヤTの各種形体・性状を測定し、下流端ステージに対応して配設されたリム外しモジュールEmが、リム組みタイヤTrの内部の空気を抜いて上下リムr,rを外して回収するタイヤ検査システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤの種々の形体や性状を検査するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤの形体または性状の一部を測定(検査)する測定装置は、種々提案されている。
例えば、タイヤの半径方向の力の変動の大きさRFV(Radial Force Variation)やタイヤの横方向(軸方向)の力の変動の大きさLFV(Lateral Force Variation )などのタイヤユニフォミティの測定を行う装置の例(特許文献1参照)が、同じ出願人により提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−54781号公報
【0004】
同特許文献1に開示されたタイヤユニフォミティ測定装置は、コンベア上に水平姿勢に搬入された被測定タイヤは、まずその上下ビード部にそれぞれ上側リム軸に装着された上リムと下側リム軸に装着された下リムを組み付け、上下リムにより気密にされたタイヤ内部に空気を供給して所定内圧として、タイヤを所定の形状に維持する。
【0005】
この所定の形状に維持されたタイヤについて、ユニフォミティ測定装置によってRFVやLFVが測定される。
測定後は、タイヤ内部の空気が抜かれ、上下リムが外される。
【0006】
タイヤユニフォミティ測定装置に限らず、バランス測定装置や外観検査装置なども、それぞれ、被測定タイヤにリムを組み付け、空気を供給して測定し、測定後は空気を抜き、リムを外すように構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、1つのタイヤについて各種測定・検査を行うために、従来の各種タイヤ測定(検査)装置を集めて配列し、タイヤ移送手段でタイヤを順次各タイヤ測定(検査)装置に移送して測定するようにしても、各タイヤ測定(検査)装置で一々リムの組み付け、空気の供給、空気抜き、リムの外しの各機構を有して実行することになり、非効率的であるとともに、同じ機構を重複して装備することにより設置スペースが無駄に広くなり、設備コストも高くなる。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、各種タイヤ測定(検査)を効率良く行え、設置スペースの抑制および設備コストの削減を図ることができるタイヤ検査システムを供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、コンベアによりタイヤを水平姿勢で移送するタイヤ移送装置が、前記コンベアに複数並んで設定されるステージの各ステージにタイヤを順次移送し、前記コンベアの上流端ステージに対応して配設されたリム組みモジュールが、上流端ステージに搬入されたタイヤの上下ビード部に上下リムを気密に組み付けてタイヤ内部に空気を圧入してリム組みタイヤとし、前記コンベアにおける上流端ステージと下流端ステージとの間に順次設定された各測定ステージに対応して配列された各種測定モジュールが、それぞれ前記リム組みタイヤを保持してタイヤの各種形体・性状を測定し、前記コンベアの下流端ステージに対応して配設されたリム外しモジュールが、下流端ステージに移送されてきた前記リム組みタイヤの内部の空気を抜いて上下リムを外して回収するタイヤ検査システムとした。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のタイヤ検査システムにおいて、前記コンベアに複数並んで設定されるステージは、隣り合うステージの中心間距離を一定としたことを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項2記載のタイヤ検査システムにおいて、前記コンベアの隣り合うステージの中心間距離の幅内に前記各種測定モジュールの幅長が規制されることを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項2または請求項3記載のタイヤ検査システムにおいて、前記コンベアの各ステージは、互いに分離および連結ができるように構成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4までのいずれかの項記載のタイヤ検査システムにおいて、前記リム組みモジュールは、リム径の異なる各種リムの中から搬入されたタイヤに対応したリムを選択して当該タイヤに組み付けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載のタイヤ検査システムによれば、タイヤ移送装置が前記コンベアに複数並んで設定されるステージの各ステージにタイヤを順次移送し、上流端ステージに対応してリム組みモジュールが配設され、上流端ステージと下流端ステージとの間に順次設定された各測定ステージに対応して各種測定モジュールが配列され、下流端ステージに対応してリム外しモジュールが配設され、タイヤは移送されてリム組み(空気供給含む)、各種測定、リム外し(空気抜き含む)が順次なされるので、各種測定をするのにリム組み(空気供給含む)とリム外し(空気抜き含む)は、一度だけ行う構成であり、各種タイヤ測定(検査)を効率良く行うことができる。
【0015】
複数のタイヤについて同時に各種測定を実行することが可能でより一層作業効率を向上させることができる。
また、リム組みおよびリム外し機構を各測定モジュールにそれぞれ重複して装備する必要がなく、設置スペースを抑制することができるとともに、設備コストの削減を図ることができる。
【0016】
請求項2記載のタイヤ検査システムによれば、コンベアに複数並んで設定されるステージは、隣り合うステージの中心間距離を一定としたので、複数のタイヤをコンベア上にステージの中心間距離と同じ間隔で載置することで、タイヤ移送装置は複数のタイヤを一斉に次のステージに移送することができ、作業効率を向上させることができる。
【0017】
請求項3記載のタイヤ検査システムによれば、コンベアの隣り合うステージの中心間距離の幅内に各種測定モジュールの幅長を規制することで、各種測定モジュールを床面に並べて配列することができるとともに、別の測定モジュールとの交換や測定モジュールの増減および自由な組合せが容易にできる。
【0018】
請求項4記載のタイヤ検査システムによれば、コンベアの各ステージは、互いに分離および連結ができるように構成されているので、測定モジュールとともに対応するステージを追加したり削除したりして、測定モジュールの増減および自由な組合せが益々容易にできる。
【0019】
請求項5記載のタイヤ検査システムによれば、リム組みモジュールは、リム径の異なる各種リムの中から搬入されたタイヤに対応したリムを選択して当該タイヤに組み付けるので、各種サイズのタイヤが順不動に搬入されても対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施の形態に係るタイヤ検査システムの全体概略平面図である。
【図2】別の状態における同タイヤ検査システムの全体概略平面図である。
【図3】分離されたステージコンベアの概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る一実施の形態について図1ないし図3に基づいて説明する。
本実施の形態に係るタイヤ検査システム1の全体概略平面図を図1および図2に示す。
タイヤ移送装置である移送コンベア2が直線的に延びて設置されている。
移送コンベア2は、ローラコンベアであり、ステージごとに分離可能であるとともに、互いに連結することができる。
【0022】
分離された各ステージコンベア2sは、図3に示すように、左右の枠側板3,3間に複数の長尺ローラ5が架設されるとともに、枠側板3,3間の中央に円環の左右のいずれか一部が欠損してC字状をなした円弧枠体4が位置して同円弧枠体4と両側の枠側板3との間に複数の短尺ローラ6が架設されている。
【0023】
全てのローラ5,6は左右水平方向に指向して前後方向に平行に配列されている。
円弧枠体4の欠損して開口した側の枠側板3は、円弧枠体4の開口に対応した部分が欠損している。
すなわち、ステージコンベア2sは、中央に円弧枠体4により円形空間8が形成され、円形空間8は円弧枠体4の開口から枠側板3の欠損部にわたる短尺ローラ6,6に挟まれた連通空間9を介して外側と連通する。
【0024】
円形空間8の中心は、ステージコンベア2sの中心でもあり、左右の枠側板3,3間は、円形空間8と連通空間9を除いた部分にローラ5,6が配設されており、全てローラ5,6は一斉に等速度で回転する駆動機構を有している。
【0025】
円形空間8の直径すなわち円弧枠体4の内径は、最大サイズのタイヤTのビード部に組み付ける最大径のリムrの外径より幾らか大きく、連通空間9の幅長は、リムrの中心に嵌着されるリム軸pの外径より幾らか大きい。
また、各ステージコンベア2sには図示されないが、タイヤTを中心に位置決めすることができるセンタリング手段を備えている。
【0026】
以上のようなステージコンベア2sは、互いに連結して一連の移送コンベアとすることができる。
ステージコンベア2sどうしの連結に際して、双方のローラが連動するように各駆動機構どうしも動力が伝達されるように連結される。
駆動源であるモータは、いずれか1つのステージコンベア2sに設けられていればよい。
【0027】
本実施の形態では、図1および図2に示すように、ステージコンベア2sを6台一列に連結して移送コンベア2としたものであり、上流端と下流端のステージコンベア2sに対してその間の4台のステージコンベア2sは、連通空間9の向きが左右逆である。
ステージコンベア2s,2sの中心間距離dは、各ステージコンベア2sの移送方向の長さでもある。
【0028】
上流端のステージコンベア2sには、リム組みモジュールSmが対応して配置され、被測定タイヤTが搬入されるとともに該タイヤTにリムrが組み付けられる。
【0029】
タイヤTにはタイヤ識別情報が書き込まれたバーコードラベルbが貼着されており、バーコードが読み込まれて上流端ステージSsに搬入されたタイヤTを識別できるようにしている。
なお、タイヤ識別情報からタイヤのサイズも入手できる。
【0030】
移送コンベア2に沿ってリムストッカ10が設けられており、回収されたリムをストックしておき、リムストッカー10から新たなタイヤTのために上流端ステージSsの近傍に備えられたリム選択装置11にリムrを供給する。
【0031】
リム選択装置11は、種々のサイズのリムrを用意しておき、上流端ステージSsに搬入された被測定タイヤTの識別情報から入手した該タイヤTのサイズに対応したサイズのリムrを協働して選択して、リム組みモジュールSmが該タイヤTに組み付ける。
【0032】
上流端ステージSsに搬入されたタイヤTは水平姿勢でローラ5,6上に載置され、水平姿勢のタイヤTの上下ビード部に上下リムr,rがそれぞれ組み付けられる。
上リムrと下リムrは、タイヤTの上下ビード部にそれぞれ嵌着してビード部内側の開口を塞いで対向する円板部が互いの方に突出した円筒部を中心に有して、この円筒部どうしが螺合して締結され、タイヤTの上下ビード部に精度良く組み付けられる。
【0033】
また、上リムrの外側面(上面)中心には上リム軸pの下端が着脱自在に嵌着する嵌着穴rhを有し、下リムrの外側面(下面)中心には下リム軸pの上端が着脱自在に嵌着する嵌着穴を有し、同下リムrの嵌着穴には開閉弁が備えられている。
【0034】
リム組みモジュールSmは、上下に対向して水平に出没するとともに互いに近づいたり遠ざかったりする上下アームa,aを有し、同上下アームa,aの各端部に上下リム軸p,pが同じ鉛直軸線上に向き合うように設けられている。
【0035】
リム組みモジュールSmは、リム選択装置11と協働で上流端のステージコンベア2sに搬入されたタイヤTに対応する上下リムr,rを選択して上下リム軸p,pがそれぞれ嵌着保持して移動し、上流端のステージコンベア2sに搬入され中心位置決めされたタイヤTのビード部に上下リムr,rをステージコンベア2sの円弧枠体4による円形空間8を利用して上下から組み付ける。
【0036】
リム組みモジュールSmは、空気供給機構を有し、組み付けた時点で、下リムrの嵌着穴の開閉弁を開いて、下リム軸pを介して空気をタイヤT内に供給する。
そして、所定内圧でタイヤTを規定の形状にすると、開閉弁を閉じて上下リム軸p,pを外してリム組みタイヤTrとして上流端のステージコンベア2s上に載置し、以後リム組みタイヤTrとして移送される。
【0037】
上流端と下流端のステージコンベア2sの間の4台のステージコンベア2sにはそれぞれ対応してバランス測定モジュールBm,外観検査モジュールOm,LRO・RRO測定モジュールRm,ユニフォミティモジュールUmが、移送コンベア2の一方の側に配列されている。
【0038】
バランス測定モジュールBmは、タイヤTの静バランスや動バランスを測定し、外観検査モジュールOmはCCDカメラなどで撮影した画像を解析してタイヤTの外観の様子を検査し、LRO・RRO測定モジュールRmはタイヤの半径方向の曲面変化LRO(Lateral RunOut)と横方向(軸方向)の曲面変化RRO(Radial RunOut)を測定し、ユニフォミティモジュールUmはRFVとLFVを測定する。
【0039】
以上の4台の測定モジュールmは、コンパクトにモジュール化されており、測定モジュールmの幅長は、ステージコンベア2s,2sの中心間距離dすなわち各ステージコンベア2sの移送方向の長さd以下に規制されている(図3参照)。
【0040】
したがって、バランス測定モジュールBm,外観検査モジュールOm,LRO・RRO測定モジュールRm,ユニフォミティモジュールUmを、図1および図2に示すように、移送コンベア2に沿って床面に並べて配列することができるとともに、別の測定モジュールとの交換や測定モジュールの増減および自由な組合せが容易にできる。
【0041】
なお、リム組みモジュールSmも幅長がステージコンベア2sの移送方向の長さd以下に規制さてモジュール化されており、その前記上下アームa,aと同様に測定モジュールmにも上下アームa,aが出没自在に備えられ、同上下アームa,aの各端部に上下リム軸p,pが同じ鉛直軸線上に向き合うように設けられている。
【0042】
測定モジュールmの上下リム軸p,pは、上下アームa,aの突出によりステージコンベア2s上のリム組みタイヤTrの上下リムr,rの上下に位置し、互いに近づけて各々上下リムr,rに嵌着してタイヤTと一体に支持し、下リム軸pがステージコンベア2sの連通空間9を通るようにして上下アームa,aを引っ込めることにより、上下リム軸p,pとともにリム組みタイヤTrを測定モジュールm内に移動して(図2参照)、測定位置で測定に供される。
【0043】
リム組みタイヤTrは、移送コンベア2によりステージコンベア2s,2sの中心間距離d移送されて各測定モジュールmの対応するステージに到達するごとに、測定モジュールm内に移動されて測定がなされる。
【0044】
すなわち、リム組みタイヤTrは、上流端のステージコンベア2sから距離d移送されて次のバランス測定モジュールBmに対応するステージコンベア2sに至り、バランス測定モジュールBmによりバランス測定がなされ、以降順次距離dずつ移送されて外観検査モジュールOm,LRO・RRO測定モジュールRm,ユニフォミティモジュールUmにより各測定がなされる。
各測定モジュールmでそれぞれ測定された結果は、図示されないコンピュータにより集中管理される。
【0045】
各測定モジュールmにおける測定時間は、種々異なるが、リム組みタイヤTrが1ステージコンベア2sに移送されてきてから対応する測定モジュールmで測定後戻るまでの時間を最も長い測定時間に基づく一定時間に統一することで、複数の測定モジュールmにおける測定を1サイクルタイムに同時に行うことができ、測定作業を効率良く行うことができる。
【0046】
移送コンベア2の下流端のステージコンベア2sにはリム外しモジュールEmが対応して配置されている。
リム外しモジュールEmは、リム組みモジュールSmと同様の構造をしている。
ただし、リム組みモジュールSmがタイヤT内に空気を供給する機構を備えていたのに対して、リム外しモジュールEmはタイヤTから空気を抜く機構を備えている点が異なる。
【0047】
したがって、ユニフォミティ測定後のリム組みタイヤTrが下流端のステージコンベア2sに至ると、リム外しモジュールEmの上下アームa,aが突出して、上下リム軸p,pがリム組みタイヤTrの上下リムr,rに嵌着し、開閉弁を開いてタイヤT内の空気を抜き、次いで上下リムr,rをタイヤTrのビード部から外し、ステージコンベア2sの側方に移動して回収する。
【0048】
上下リムr,rが外された測定後のタイヤTは、下流端のステージコンベア2sから搬出される。
回収された上下リムr,rは、前記リムストッカ10に移されてストックされる。
【0049】
リム外しモジュールEmもリム組みモジュールSmと同様に幅長がステージコンベア2sの移送方向の長さd以下に規制さてモジュール化されているので、各測定モジュールmと同じに移送コンベア2の一方の側に配列するようにしてもよい。
【0050】
図1に示す状態は、3本のリム組みタイヤTrが移送コンベア2の上流側の3台のステージコンベア2sに配列された状態を示しており、これからバランス測定モジュールBmと外観検査モジュールOmによる測定が行われる。
【0051】
そこで、図2に示すように、外観検査モジュールOmの上下アームa,aが突出して1番目のリム組みタイヤTrを掴んで引き込み、同時にバランス測定モジュールBmの上下アームa,aが突出して2番目のリム組みタイヤTrを掴んで引き込んでいる。
外観検査モジュールOmによる1番目のリム組みタイヤTrの外観検査と、バランス測定モジュールBmによる2番目のリム組みタイヤTrのバランス測定とが、同時に実行される。
【0052】
この測定後、各ステージコンベア2sに戻された1番目と2番目のリム組みタイヤTrは3番目のリム組みタイヤTrとともに一斉に距離dだけ移送されてそれぞれ次のステージコンベア2sに至り、今度は3本のタイヤTについてそれぞれLRO・RRO測定、外観検査、バランス測定が同時に行われる。
【0053】
このようにして、次には1,2,3,4番目のリム組みタイヤTrについてそれぞれユニフォミティ測定、LRO・RRO測定、外観検査、バランス測定が同時に行われる。
以後、1番目のリム組みタイヤTrが下流端のステージコンベア2sでリムrが外され、測定後のタイヤTが搬出され、2,3,4番目のリム組みタイヤTrが1,2,3番目に繰り上がり、上流端のステージコンベア2sで搬入されたタイヤTにリムrが組み付けられたリム組みタイヤTrが4番目のリム組みタイヤTrとして、各測定モジュールmによって同時に測定される。
【0054】
各種ユニフォミティ測定、LRO・RRO測定、外観検査、バランス測定の各種測定をするのにリム組み(空気供給含む)とリム外し(空気抜き含む)は、上流側にリム組みモジュールSmと下流側のリム外しモジュールEmによって一度だけ行う構成であり、各種タイヤ測定(検査)を効率良く行うことができる。
【0055】
リム組みモジュールSmおよびリム外しモジュールEmを各測定モジュールmにそれぞれ重複して装備する必要がなく、設置スペースを抑制することができるとともに、設備コストの削減を図ることができる。
複数のタイヤTについて同時に各種測定を実行することが可能でより一層作業効率を向上させることができる。
【0056】
移送コンベア2に複数並んで設定されるステージは、隣り合うステージコンベア2s,2sの中心間距離dを一定としたので、複数のタイヤTをコンベア上にステージの中心間距離dと同じ間隔で載置することで、移送コンベア2は複数のタイヤTを一斉に次のステージに移送することができ、作業効率を向上させることができる。
【0057】
移送コンベア2の隣り合うステージの中心間距離dの幅内にバランス測定モジュールBm,外観検査モジュールOm,LRO・RRO測定モジュールRm,ユニフォミティモジュールUmの各種測定モジュールmの幅長を規制することで、各種測定モジュールmを床面に並べて配列することができるとともに、別の測定モジュールmとの交換や測定モジュールmの増減および自由な組合せが容易にできる。
なお、各種測定モジュールmに並べてタイヤトリミング装置をモジュール化したタイヤトリミングモジュールを加えるようにしてもよい。
【0058】
移送コンベア2の各ステージは、互いに分離および連結ができるステージコンベア2sで構成されているので、測定モジュールmとともに対応するステージコンベア2sを追加したり削除したりして、測定モジュールmの増減および自由な組合せが益々容易にできる。
【0059】
リム組みモジュールSmは、リム選択装置11と協働してリム径の異なる各種リムrの中から搬入されたタイヤTに対応したリムrを選択して当該タイヤTに組み付けるので、各種サイズのタイヤTが順不動に搬入されても対応することができる。
【符号の説明】
【0060】
Sm…リム組みモジュール、Em…リム外しモジュール、Bm…バランス測定モジュール、Om…外観検査モジュール、Rm…LRO・RRO測定モジュール、Um…ユニフォミティモジュール、
T…タイヤ、Tr…リム組みタイヤ、a…アーム、p…リム軸、r…リム、
1…タイヤ検査システム、2…移送コンベア、2s…ステージコンベア、3…枠側板、4…円弧枠体、5…長尺ローラ、6…短尺ローラ、8…円形空間、9…連通空間、10…リムストッカ、11…リム選択装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベアによりタイヤを水平姿勢で移送するタイヤ移送装置が、前記コンベアに複数並んで設定されるステージの各ステージにタイヤを順次移送し、
前記コンベアの上流端ステージに対応して配設されたリム組みモジュールが、上流端ステージに搬入されたタイヤの上下ビード部に上下リムを気密に組み付けてタイヤ内部に空気を圧入してリム組みタイヤとし、
前記コンベアにおける上流端ステージと下流端ステージとの間に順次設定された各測定ステージに対応して配列された各種測定モジュールが、それぞれ前記リム組みタイヤを保持してタイヤの各種形体・性状を測定し、
前記コンベアの下流端ステージに対応して配設されたリム外しモジュールが、下流端ステージに移送されてきた前記リム組みタイヤの内部の空気を抜いて上下リムを外して回収することを特徴とするタイヤ検査システム。
【請求項2】
前記コンベアに複数並んで設定されるステージは、隣り合うステージの中心間距離を一定としたことを特徴とする請求項1記載のタイヤ検査システム。
【請求項3】
前記コンベアの隣り合うステージの中心間距離の幅内に前記各種測定モジュールの幅長が規制されることを特徴とする請求項2記載のタイヤ検査システム。
【請求項4】
前記コンベアの各ステージは、互いに分離および連結ができるように構成されていることを特徴とする請求項2または請求項3記載のタイヤ検査システム。
【請求項5】
前記リム組みモジュールは、リム径の異なる各種リムの中から搬入されたタイヤに対応したリムを選択して当該タイヤに組み付けることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの項記載のタイヤ検査システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−261751(P2010−261751A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−111289(P2009−111289)
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】