説明

タイヤ止め

【課題】奥行きに余裕のない縦列駐車区画において、後部に駐車する車両の進行に障害とならず、前に駐車する車両が安全確実に停められるようなタイヤ止めを提供する。
【解決手段】タイヤ止め1の一部に、駐車区画の舗装面に固定されるベース4と軸2からなる支点を設け、その支点を中心に旋回移動が可能なタイヤ止め。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術分野】
【0001】
この発明は、車両の進行方向に直交に設置される従来のタイヤ止めを車両の進行方向に対して直交から平行に旋回移動させ、必要なときには車両の進行に障害とならないようにしたタイヤ止めに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、タイヤ止めは駐車区画における車両の駐車を安全にするために車両の進行方向に対して直交するように配置され、車両の行き過ぎを防止するためのもので、次のようなものがある。
(イ)駐車区画の舗装面に車両の進行方向に直交してアンカーあるいは接着剤で固着される固定式タイヤ止め。
(ロ)駐車区画の舗装面に固着させず、置くだけのタイヤ止め。主としてコンクリートや、石材等の質量の大きなもので作られたもの。
【発明が解決しょうとする課題】
【0003】
これらは次のような欠点があった。
(イ)縦列駐車を余儀なくされる駐車区画では舗装面に固着させる固定式のタイヤ止めでは、後部の車両用にのみタイヤ止めの設置ができるが、前面に駐車する車両用にはタイヤ止めは設置できない。これは奥行きの少ない駐車区画では後部に駐車中の車両に当てないかとの不安が生ずる。
(ロ)舗装面に固着させず置くだけのタイヤ止めであれば後部の車両が駐車した後に前面に駐車する車両のために設置は可能であるが、後部に駐車する車両の出入りには一々移動させなければならない。移動に当たっては、重くまた、雨や泥で汚れたタイヤ止めを手で持ち上げて移動させなければならない不便があった。
本発明は、以上のような欠点を失くすためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のタイヤ止めはその課題を解決した物であって、次のようなものである。
(イ)タイヤ止め(1)の一部に軸受穴(3)を設ける。
(ロ)支点となる軸(2)を有するベース(4)を設ける。
(ハ)軸受穴(3)は軸(2)に嵌め込まれ、支点となる。
(ニ)ベース(4)は駐車区画の舗装面にアンカー又は接着剤で固着される。
(ホ)タイヤ止め(1)は支点を中心として自由に旋回することができる
本発明は以上のように構成されるタイヤ止めである。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
タイヤ止め(1)の一部に軸受穴(3)を設ける。軸(2)はベース(4)上面に垂直に固定される。また、図6のようにベース(4)にメネジの切られたボス(6)を固定あるいは一体に成型し、それにボルトをねじ込んで軸(2)としても良い。ベース(4)は駐車区画の舗装面にアンカー(7)にて固定される。アンカーでなく接着剤のみにて舗装面に固着させることも出来る。
軸受穴(3)を軸(2)にはめ込むことにより、タイヤ止め(1)は軸(2)を支点として自由に旋回できるようになる。また、ベース(4)側にはタイヤ止めが車両の進行方向に直交位置で止まるようにストッパー(5)を設ける。
タイヤ止め(1)の旋回移動は利用者が自身の足で押し回し行う。そのためにタイヤ止め(1)本体の材質は木質等の軽量なものが望ましい。
【発明の効果】
【0006】
本願タイヤ止め(1)が支点を中心として旋回できることにより、タイヤ止めを駐車区画における車両の進行方向に直交にしたり平行にしたり自由に配置出来るようになった。このことから縦列駐車を行う駐車区画において前後の車両の駐車位置の間にこのタイヤ止めを設置すれば、後部車両の通過時にもタイヤ止め(1)を平行にすれば障害とならず、前面に駐車する車両のためにはタイヤ止めを直交位置にしておけばよい。これにより駐車区画の奥行きに余裕がない場合でも、後部の車両に当てることなく運転者一人で安全に駐車できるようになった。
タイヤ止めの旋回移動にあたっては、もっぱら後部駐車の車両の運転者が足でタイヤ止めを押し回すことにより行うことができるので、重いタイヤ止めを手で置き換えたりすることなく、また手を汚すこともなく、タイヤ止めの設置ができるようになった。
【図面の簡単な説明】
以下は本発明の一実施例を示す図面である。
【図1】 本発明の平面図である。
【図2】 本発明のタイヤ止めを90度旋回させた状態の平面図である(一部省略)。
【図3】 本発明の側面図である。
【図4】 本発明のタイヤ止め本体のA矢視図である。
【図5】 支点部の拡大断面図である。
【図6】 ボルトを軸に使った場合の支点部の拡大断面図である。
【図7】 後部駐車車両の入出庫時のタイヤ止めの位置を示す図である
【図8】 後部車両の入庫完了後のタイヤ止めの位置を示す図である。
【図9】 駐車区画に縦列駐車完了後のタイヤ止めの位置を示す図である。
【符号の説明】
1 タイヤ止め本体
2 軸
3 軸受穴
4 ベース
5 ストッパー
6 ボス
7 アンカー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ止め(1)の一部に、駐車区画の舗装面に固定されるベース(4)と軸(2)からなる支点を設け、その支点を中心に旋回移動が可能なタイヤ止め。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−209669(P2010−209669A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−91548(P2009−91548)
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【出願人】(502372908)前内技研工業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】