説明

タイヤ空気圧検出装置を用いた店舗サービス提供装置

【課題】顧客が店舗に入店する前に、前もって顧客情報を確認できるようにし、店舗におけるサービスの提供の向上を図る。
【解決手段】店舗の駐車場に車両が進入してきた際に、コンピュータ52にて、車両に備えられたタイヤ空気圧検出装置の送信機2のID情報が顧客情報データベースに入力しておいたID情報と一致するか否かを照合し、その結果に基づいてコンピュータ52のディスプレイもしくは音声を通じて店舗内のスタッフに顧客情報を確認させる。これにより、顧客の来店の際に、店舗内において顧客にメンバーズカードを提示して貰わなくても、前もって店舗スタッフが顧客情報を把握することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤが取り付けられた車輪に圧力センサが備えられた送受信機を直接取り付け、その圧力センサからの検出信号を送受信機から送信し、車体側に取り付けられた受信機によって受信することで、タイヤ空気圧の検出を行うダイレクト式のタイヤ空気圧検出装置を用いた店舗サービス提供装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、店舗での顧客の管理の方法として、顧客が来店したときに、店舗内カウンターで顧客にメンバーズカードを提示してもらってメンバーズカードに記載された情報をコンピュータに入力したり、顧客に顧客情報と対応するIDタグを所持してもらい、IDタグとの通信によってID情報を読み取ることなどにより、顧客情報を読み出している。これにより、顧客情報、例えば顧客の名前や店舗における予約状況等を確認し、店舗におけるサービスの提供を行うようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−56171号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、店舗におけるサービスを提供できるようにするためには、顧客にメンバーズカードを提示して貰わなければならなかった。このため、顧客が入店する前に前もって顧客情報を確認することができず、顧客の名前の把握やサービスの提供の準備に移るまでに時間が掛かっていた。
【0004】
本発明は上記点に鑑みて、顧客が店舗に入店する前に、前もって顧客情報を確認できるようにし、店舗におけるサービスの提供の向上を図ることができる店舗サービス提供装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、タイヤ空気圧検出装置を用いた店舗サービス提供装置であって、フレームを受信する受信機(51)と、受信機(51)からフレームもしくは該フレームに付されたID情報を読み込むID取得手段(100)と、ID情報と顧客情報とを対応付けて記憶させた顧客情報データベースに基づき、顧客情報データベース内のID情報とID取得手段(100)にて取得したID情報とを照合する照合手段(120)と、照合手段(120)にて顧客情報データベース内のID情報とID取得手段(100)にて取得したID情報とが一致すると、該一致したID情報と対応する顧客情報を顧客情報データベースから読み出し、該顧客情報を報知させる報知手段(130)と、を含むコンピュータ(52)と、を備えていることを特徴としている。
【0006】
このような構成によれば、店舗の駐車場に車両が進入してきた際に、コンピュータ(52)が報知手段(130)にてディスプレイもしくは音声を通じて店舗内のスタッフに顧客情報を確認させることができる。このため、顧客の来店の際に、店舗内において顧客にメンバーズカードを提示して貰わなくても、前もって店舗スタッフが顧客情報を把握することが可能となる。これより、顧客が店舗に入店する前に、前もって顧客情報を確認できるようにし、店舗におけるサービスの提供の向上を図ることができる店舗サービス提供装置とすることが可能となる。
【0007】
請求項2に記載の発明では、車両が駐車場への車両の進入を管理する駐車管理装置(50)を有し、コンピュータ(52)には、駐車管理装置(50)からの車両の進入に関する情報を受け取り、車両が進入してきたか否かを判定する駐車判定手段(110)が備えられ、照合手段(120)および報知手段(130)は、駐車判定手段(110)にて、車両が進入してきたと判定されると照合や報知を行うことを特徴としている。
【0008】
このように、店舗の駐車場に進入してきた車両に対して、照合や報知が行われるようにすることができる。
【0009】
請求項3に記載の発明では、コンピュータ(52)には、照合手段(120)にて顧客情報データベース内のID情報とID取得手段(100)にて取得したID情報とが一致しなかったときには、ID情報が顧客情報データベースに記憶されていない車両が駐車場に進入してきた旨を報知させる未入力車両報知手段(140)が備えられていることを特徴としている。
【0010】
このように、無断駐車報知手段(140)にて、ID情報が顧客情報データベースに記憶されていない車両が駐車場に進入してきた旨を報知させるようにすれば、店舗スタッフは、一定時間内にだれか来店してくれば新規の顧客であると判断することができ、だれも来店しないようであれば、無断駐車が行われていると判断して、無断駐車に対して措置を取ることが可能となる。
【0011】
請求項4に記載の発明では、コンピュータ(52)から伝えられる情報を送信する送信機(51)を有し、コンピュータ(52)には、駐車管理装置(50)にて車両が進入してきていないと判定されたときに、照合手段(120)にて照合させ、顧客情報データベース内のID情報とID取得手段(100)にて取得したID情報とが一致すると、店舗におけるサービスに関する情報を出力する情報出力手段(150)が備えられていることを特徴としている。
【0012】
このように、駐車場に進入してこなくても、顧客の車両が店舗の近くを通過したものとして店舗におけるサービスに関する情報を出力することができる。これに基づき、顧客の車両に備えられた通信システムがそれを受信し、通信システムのディスプレイもしくは音声発生装置を通じてサービスキャンペーン等の内容を顧客に知らせることができる。これにより、来店促進を図ることが可能となる。
【0013】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
【0015】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる店舗サービス提供装置に利用されるタイヤ空気圧検出装置の全体構成を示すブロック図である。図1の紙面上方向が車両1の前方、紙面下方向が車両1の後方に一致する。この図を参照して、まず、本実施形態にかかる店舗サービス提供装置に利用されるタイヤ空気圧検出装置について説明する。
【0016】
図1に示されるように、タイヤ空気圧検出装置は、車両1に取り付けられるもので、送信機2、受信機3および表示器4を備えている。
【0017】
送信機2は、車両1における4つの車輪6a〜6dそれぞれに取り付けられるもので、各車輪6a〜6dに取り付けられたタイヤの空気圧やタイヤ内の温度を検出すると共に、その検出結果を示す検出信号のデータをフレーム内に格納して送信するものである。また、受信機3は、車両1における車体7側に取り付けられるもので、送信機2から送信されるフレームを受信すると共に、その中に格納された検出信号に基づいて各種処理や演算等を行うことでタイヤ空気圧を求めるものである。図2(a)、(b)に、これら送信機2と受信機3のブロック構成を示す。
【0018】
図2(a)に示されるように、送信機2は、センシング部21、制御部22、RF送信部23、電池24、送信アンテナ25を備えて構成されている。
【0019】
センシング部21は、例えばダイアフラム式の圧力センサや温度センサさらには加速度センサを備えた構成とされ、タイヤ空気圧に応じた検出信号や温度に応じた検出信号をタイヤ空気圧に関する検出信号として出力する。
【0020】
制御部(第1制御部)22は、CPU、ROM、RAM、I/Oなどを備えた周知のマイクロコンピュータによって構成され、ROMなどに記憶されたプログラムに従って、所定の処理を実行する。
【0021】
具体的には、制御部22は、センシング部21からのタイヤ空気圧に関する検出信号を受け取り、それを信号処理すると共に必要に応じて加工し、検出結果を示すデータ(以下、タイヤ空気圧に関するデータという)として送信するフレーム内に格納し、その後、フレームをRF送信部23に送るものである。フレーム内には、タイヤ空気圧に関するデータの他、各送信機2に付けられた固有のID情報が格納され、送信されるフレームが自車両のどの送信機2から送られたものかが特定できるようになっている。このRF送信部23へ信号を送る処理は、上記プログラムに従って所定の周期毎に実行されるが、制御部22は、各送信機2からの送信データ同士でのバッティングを防ぐためにフレームをRF送信部23に送るタイミングを制御している。
【0022】
例えば、タイヤ空気圧検出装置では、トリガ信号を出力できるトリガ機が備えられ、タイヤ空気圧に関するデータを要求する際に各送信機2に対してトリガ信号を出力し、各送信機2からタイヤ空気圧に関するデータを含むフレームを送信させている。このため、各送信機2がトリガ信号を受け取ってから何秒後にフレームを送るかという送信タイミングを予め各送信機2毎に異なる値に設定している。これにより、各車輪6a〜6dの送信機2からそれぞれ異なったタイミングでフレームが送信されるため、上記バッティングを防ぐことが可能となる。
【0023】
また、送信タイミングが毎回ランダムに変更されるように、制御部22に記憶させるプログラムを設定しても良い。このように、毎回ランダムに変更されるようにすれば、高い確率で各送信機2の送信タイミングがすべて異なったものになるようにすることが可能である。
【0024】
RF送信部23は、送信アンテナ25を通じて、制御部22から送られてきたフレームを受信機3に向けてRF帯、例えば300MHz帯の電波で送信する出力部としての機能を果たす。
【0025】
電池24は、制御部22などに対して電力供給を行うものであり、この電池24からの電力供給を受けて、センシング部21でのタイヤ空気圧に関するデータの収集や制御部22での各種演算などが実行される。
【0026】
このように構成される送信機2は、例えば、各車輪6a〜6dのホイールにおけるエア注入バルブに取り付けられ、センシング部21がタイヤの内側に露出するように配置される。これにより、該当するタイヤ空気圧やタイヤ内の温度を検出し、各送信機2に備えられた送信アンテナ25を通じて、所定周期毎(例えば、車両1が走行中のときには1分毎、停車中のときには数分から数十分毎)にフレームを送信するようになっている。
【0027】
なお、センシング部21に加速度センサが備えられる場合、制御部22にて、加速度センサの検出信号に基づいて車両が停車中であるか否かを検出し、その検出結果に応じてフレームの送信周期を設定することもできる。すなわち、タイヤ空気圧に関する情報は、車両1が走行中の際には頻繁に必要になるが、停車中には頻繁には必要にならないため、電池24の消耗を考慮すると、停車中にはタイヤ空気圧に関する情報を送る周期を車両1が走行中のときと比べて長くしても構わない。このため、加速度センサの検出信号から車輪6a〜6dが所定期間回転していない場合には、制御部22が停車中であると判定して、車両1が走行中のときよりも送信機2によるフレームの送信周期を遅らせることもできる。
【0028】
また、図2(b)に示されるように、受信機3は、アンテナ31とRF受信部32および制御部33を備えて構成されている。
【0029】
アンテナ31は、各送信機2から送られてくるフレームを受け取る車体7に固定された車載アンテナであり、ここでは各送信機2から送られてくるフレームを総括的に受け取る1本の共通アンテナとしてあるが、各送信機2に対応して複数個とされていても良い。
【0030】
RF受信部(第2受信部)32は、各送信機2から送信されたフレームがアンテナ31で受信されると、それを入力して制御部33に送る入力部としての機能を果たす。
【0031】
制御部(第2制御部)33は、CPU、ROM、RAM、I/Oなどを備えた周知のマイクロコンピュータによって構成され、ROMなどに記憶されたプログラムに従って、所定の処理を実行する。
【0032】
具体的には、制御部33は、RAM等の記憶装置に自車両の各送信機2のID情報を記憶している。そして、制御部33は、フレームを受信すると、そのフレームに格納されているID情報を照合し、自車両の各送信機2のID情報のいずれかと一致していれば、受け取ったフレームに格納された検出結果を示すデータに基づいて各種信号処理および演算等を行うことによりタイヤ空気圧を求めると共に、求めたタイヤ空気圧に応じた電気信号を表示器4に出力する。例えば、制御部33は、求めたタイヤ空気圧を所定のしきい値Thと比較し、タイヤ空気圧が低下したことを検知した場合には、その旨の信号を表示器4に出力する。これにより、4つの車輪6a〜6dのいずれかのタイヤ空気圧が低下したことが表示器4に伝えられる。
【0033】
表示器4は、図1に示されるように、ドライバが視認可能な場所に配置され、例えば車両1におけるインストルメントパネル内に設置されるディスプレイ等によって構成される。この表示器4は、例えば受信機3における制御部33からシステム異常であることを示す信号やタイヤ空気圧が低下した旨を示す信号が送られてくると、その旨の表示を行うことでドライバにシステム異常が発生していることやタイヤ空気圧の低下を報知する。
【0034】
このような構造により、タイヤ空気圧検出装置が構成されており、このタイヤ空気圧検出装置を利用して店舗サービス提供装置を構成している。
【0035】
図3は、図1に示したタイヤ空気圧検出装置を利用した店舗サービス提供装置の概略構成を示した図である。
【0036】
図3に示されるように、店舗側には、タイヤ空気圧検出装置における送信機2のID情報に基づいてサービス提供を行うためのサービス提供装置が備えられている。このサービス提供装置は、図3に示したように、駐車管理装置50と送受信機51およびコンピュータ52とを有して構成されている。
【0037】
駐車管理装置50は、店舗の駐車場における車両の進入および退出を管理するものであり、例えば駐車券の発券や駐車料金の支払いに伴って遮断機50aを開閉させる駐車場における車両の進入および退出を管理している。この駐車管理装置50で管理している車両の進入および退出の情報は、コンピュータ52に伝えられ、店舗内でも確認できるようにされている。
【0038】
送受信機51は、送信機2が送信したID情報が含まれるフレームを受信し、受信したフレームもしくはフレームに付されたID情報を抽出してコンピュータ52に伝えたり、コンピュータ52から送られてくる店舗が提供しているサービスキャンペーン等に関する情報を送信するものである。本実施形態では、この送受信機51を駐車管理装置50に設置しているが、駐車場出入口のように駐車場に進入しようとする車両すべての送信機2が送信するフレームを受信できる場所であればどこに設置されていても構わない。
【0039】
コンピュータ52は、CPU、ROM、RAM、I/Oなどを備えた周知のマイクロコンピュータであり、ROMなどに記憶されたプログラムに従って、所定の処理を実行する。本実施形態では、このコンピュータ52でサービス提供のための顧客情報管理処理を実行する。
【0040】
具体的には、コンピュータ52は、ROMやRAM等のメモリに顧客情報、例えば顧客の名前、住所、生年月日、予約情報などの他、顧客が所有する車両の送信機2のID情報を記憶させた顧客情報データベースが備えており、送受信機51から伝えられるフレームもしくはID情報と車両の進入および退出の情報に基づいて顧客情報を確認し、サービスの提供に用いている。すなわち、コンピュータ52は、駐車管理装置50にて車両が駐車場に進入してきたことが確認されると、送受信機51を通じてその進入車両の送信機2が送信しているID情報が付されたフレームもしくはID情報を受信し、そのID情報に基づいて顧客情報を読み出し、コンピュータ52のディスプレイに顧客情報を表示すると共に、その旨を音声などにより店舗スタッフに報知することで、サービスの提供の準備などが行えるようにする。
【0041】
また、コンピュータ52は、来店してきていないが、店舗の近くを通りかかった顧客に対して、サービスキャンペーン等に関する情報を送信すべく、送受信機51に対してその情報を伝えるという動作も行う。
【0042】
なお、顧客が所有する車両の送信機2のID情報などの顧客情報に関しては、1度目の来店の際に予め顧客から提示を求めておくことで、コンピュータ52の顧客情報データベースに入力することが可能である。また、送信機2のID情報は、各送信機2それぞれで固有のものであるため、4輪車両であれば4つ(スペアタイヤも含めれば5つ)存在することになるが、そのうちの少なくとも1つを顧客情報データベースに入力させておけば良い。
【0043】
次に、上記のように構成されたタイヤ空気圧検出装置を利用した顧客情報管理処理について説明する。図4は、顧客情報管理処理の詳細を示したフローチャートである。本処理は、コンピュータ52が所定の制御周期毎に実行するものであり、例えば店舗の営業時間中にコンピュータ52の電源がオンされているときに実行される。なお、本図中に示した各ステップが各種処理を実行する手段に対応するものである。
【0044】
まず、ステップ100では、送受信機51から車両の送信機2が送信してきたフレームもしくはそれに付されたID情報を受け取ることによりID情報を読み込む処理、および、駐車管理装置50から車両の進入もしくは退出の情報を読込む処理を行う。続いて、ステップ110に進み、車両の進入もしくは退出の情報に基づき、駐車場への進入があったか否かを判定する。
【0045】
そして、駐車場への進入があれば、ステップ120に進み、コンピュータ52に記憶された顧客情報データベース内のID情報とステップ100で読み込んだID情報とを照合し、一致するものがあれば、ステップ130に進む。これにより、顧客情報データベースからID情報が一致する顧客に関する顧客情報をコンピュータ52のディスプレイに表示すると共に、店舗内のスタッフにその旨を音声など報知する。なお、スタッフへの報知は音声が好ましいが、ランプ点灯など、どのような手法であっても構わない。また、ここでは、コンピュータ52のディスプレイへの表示とスタッフへの報知の双方を行うようにしているが、必ずしも双方が必要である訳ではなく、一方のみであっても構わない。
【0046】
このように、店舗の駐車場に車両が進入してきた際に、コンピュータ52のディスプレイもしくは音声を通じて店舗内のスタッフに顧客情報を確認させることができる。このため、顧客の来店の際に、店舗内において顧客にメンバーズカードを提示して貰わなくても、前もって店舗スタッフが顧客情報を把握することが可能となり、その時点からサービスの提供、例えば予約内容の提供の準備を進めることが可能になるし、来店の際に顧客の名前を把握した上でサービスを提供することが可能となる。
【0047】
一方、ステップ110において、駐車場への進入が確認されなかった場合には、店舗の近くを車両が通過しただけであるため、ステップ140に進み、例えば、コンピュータ52に記憶された顧客情報データベース内のID情報とステップ100で読み込んだID情報とを照合し、一致するものがあれば、店舗の近くを顧客の車両が通過したものとして、サービスキャンペーン等のサービスに関する情報を送受信機51から送信させる処理を行う。このように送受信機51からサービスキャンペーン等のサービスに関する情報が送信されると、顧客の車両に備えられた通信システム(図示せず)がそれを受信し、通信システムのディスプレイもしくは音声発生装置を通じてサービスキャンペーン等のサービスに関する情報を顧客に知らせる。これにより、来店促進を図ることが可能となる。
【0048】
また、ステップ120において、コンピュータ52に記憶された顧客情報データベース内のID情報とステップ100で読み込んだID情報とを照合し、一致するものがなければ顧客情報データベースに未入力の車両であるとして、ステップ150に進み、その旨をコンピュータ52のディスプレイに表示したり、店舗スタッフに報知する。これにより、店舗スタッフは、一定時間内にだれか来店してくれば新規の顧客であると判断することができ、だれも来店しないようであれば、無断駐車が行われていると判断して、無断駐車に対して措置を取ることが可能となる。
【0049】
以上説明したように、本実施形態にかかるタイヤ空気圧検出装置を利用した店舗サービス提供装置によれば、店舗の駐車場に車両が進入してきた際に、コンピュータ52のディスプレイもしくは音声を通じて店舗内のスタッフに顧客情報を確認させることができる。このため、顧客の来店の際に、店舗内において顧客にメンバーズカードを提示して貰わなくても、前もって店舗スタッフが顧客情報を把握することが可能となる。これにより、顧客が店舗に入店する前に、前もって顧客情報を確認できるようにし、店舗におけるサービスの提供の向上を図ることができる店舗サービス提供装置とすることが可能となる。
【0050】
なお、タイヤ空気圧検出装置に備えられる送信機2が送信するフレームの形態(通信フォーマット)や周波数などに関しては、メーカ毎に異なっている可能性があるため、送受信機51が複数の通信フォーマットや周波数に対応できるものであると好ましい。ただし、周波数に関しては、法規制などにより、各メーカほぼ近い周波数帯を用いているため、送受信機51に汎用性を持たせることは十分に可能である。
【0051】
(他の実施形態)
上記実施形態では、駐車管理装置50として駐車券の発行および駐車料金の支払いにより駐車場における車両の進入および退出を管理する場合について説明したが、駐車場への進入および退出を管理できさえすれば、他の形態によって管理するものであっても構わない。例えば、駐車場出入口にレーザ探知機を備えておき、レーザ探知によって車両の進入および退出を管理するようにしても構わない。
【0052】
また、上記実施形態では、車両が駐車場に進入してきたときにそれを店舗内のコンピュータ52のディスプレイに表示したりしているが、車両がそのまま駐車場から退出することもあり得る。このため、ステップ140では、駐車管理装置50にて所定時間内に車両が駐車場から退出しない場合にのみ、店舗内のコンピュータ52のディスプレイに表示したりするという処理としても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる店舗サービス提供装置に利用されるタイヤ空気圧検出装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】(a)、(b)に、これら送信機2と受信機3のブロック構成である。
【図3】図1に示したタイヤ空気圧検出装置を利用した店舗サービス提供装置の概略構成を示した図である。
【図4】顧客情報管理処理の詳細を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0054】
1 車両
2 送信機
3 受信機
4 表示器
5 トリガ機
6a〜6d 車輪
7 車体
21 センシング部
22 制御部
33 制御部
50 駐車管理装置
51 送受信機
52 コンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤを備えた複数個の車輪(6a〜6d)それぞれに備えられ、前記複数個の車輪(6a〜6d)それぞれのタイヤ空気圧に関する検出信号を出力するセンシング部(21)と、前記センシング部(21)の検出信号を信号処理し、前記タイヤ空気圧に関するデータを固有のID情報と共にフレームに格納する第1制御部(22)と、前記第1制御部(22)にて処理された前記フレームを送信する送信部(23)とを有した送信機(2)と、
車体(7)側に備えられ、前記フレームを受信する受信部(32)と、該フレームに格納された前記ID情報および前記タイヤ空気圧に関するデータに基づいて前記複数個の車輪(6a〜6d)それぞれのタイヤ空気圧を求める第2制御部(33)とを有した受信機(3)と、を備えるタイヤ空気圧検出装置を用いた店舗サービス提供装置であって、
前記フレームを受信する受信機(51)と、
前記受信機(51)から前記フレームもしくは該フレームに付された前記ID情報を読み込むID取得手段(100)と、前記ID情報と顧客情報とを対応付けて記憶させた顧客情報データベースに基づき、前記顧客情報データベース内の前記ID情報と前記ID取得手段(100)にて取得した前記ID情報とを照合する照合手段(120)と、前記照合手段(120)にて前記顧客情報データベース内の前記ID情報と前記ID取得手段(100)にて取得した前記ID情報とが一致すると、該一致した前記ID情報と対応する顧客情報を前記顧客情報データベースから読み出し、該顧客情報を報知させる報知手段(130)と、を含むコンピュータ(52)と、を備えていることを特徴とするタイヤ空気圧検出装置を用いた店舗サービス提供装置。
【請求項2】
駐車場への車両の進入を管理する駐車管理装置(50)を有し、
前記コンピュータ(52)には、前記駐車管理装置(50)からの車両の進入に関する情報を受け取り、車両が進入してきたか否かを判定する駐車判定手段(110)が備えられ、
前記照合手段(120)および前記報知手段(130)は、前記駐車判定手段(110)にて、車両が進入してきたと判定されると前記照合や前記報知を行うことを特徴とする請求項1に記載のタイヤ空気圧検出装置を用いた店舗サービス提供装置。
【請求項3】
前記コンピュータ(52)には、前記照合手段(120)にて前記顧客情報データベース内の前記ID情報と前記ID取得手段(100)にて取得した前記ID情報とが一致しなかったときには、前記ID情報が顧客情報データベースに記憶されていない車両が前記駐車場に進入してきた旨を報知させる未入力車両報知手段(140)が備えられていることを特徴とする請求項2に記載のタイヤ空気圧検出装置を用いた店舗サービス提供装置。
【請求項4】
前記コンピュータ(52)から伝えられる情報を送信する送信機(51)を有し、
前記コンピュータ(52)には、前記駐車管理装置(50)にて車両が進入してきていないと判定されたときに、前記照合手段(120)にて照合させ、前記顧客情報データベース内の前記ID情報と前記ID取得手段(100)にて取得した前記ID情報とが一致すると、店舗におけるサービスに関する情報を出力する情報出力手段(150)が備えられていることを特徴とする請求項2または3に記載のタイヤ空気圧検出装置を用いた店舗サービス提供装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−238089(P2009−238089A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−85730(P2008−85730)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】