説明

タグラベル作成装置

【課題】確実に無線タグ回路素子に対する情報書き込みを成功させる。
【解決手段】アクセス情報がタグテープ3Aに備えられた無線タグ回路素子Toのタグ側アンテナ152に送信され、IC回路部150の無線タグ情報へのアクセスが行われる。このアクセス情報に対応したIC回路部150からのリプライ信号が受信され、そのリプライ信号に基づきアクセスが成功したかどうかを判定する。もしアクセス失敗と判定された場合には、制御回路の制御に基づき、駆動手段で発生する第2の方向への搬送駆動力によってタグテープ3Aが逆方向へ戻され、IC回路部150へ再びアクセスが行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信により外部と情報の授受が可能な無線タグをテープ状に連続的に作成するタグラベル作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
小型の無線タグとリーダ(読み取り装置)/ライタ(書き込み装置)との間で非接触で情報の読み取り/書き込みを行うRFID(Radio Frequency Identification)システムが知られている。例えばラベル状の無線タグに備えられた無線タグ回路素子は、所定の無線タグ情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されて情報の送受信を行うアンテナとを備えており、無線タグが汚れている場合や見えない位置に配置されている場合であっても、リーダ/ライタ側よりIC回路部の無線タグ情報に対してアクセス(情報の読み取り/書き込み)が可能であり、商品管理や検査工程等の様々な分野において実用が期待されている。
【0003】
このような無線タグは、通常、ラベル状の素材上に無線タグ回路素子を設けて形成され、このタグラベルが例えば各種書類・物品の分類・整理のために対象物品等に貼り付けられることが多い。またこのとき、内部に記憶された無線タグ情報とは別に、その無線タグ情報に関連した情報をラベルに印字しておくようにすれば、ユーザ側から上記関連情報をラベル上で視認でき何かと便利である。このため、従来、そのような観点からのタグラベル作成装置が既に提唱されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この従来技術のタグラベル作成装置では、無線タグ回路素子(RFID素子)を備えたラベルをテープ状の台紙に貼り付けたものをロール状としてロールユニットとし、このロールユニットから上記台紙を繰り出しつつラベルの表面に印字を行った後、装置側のアンテナ(RFIDユニット)から無線タグ回路素子へ情報を送信して所定の情報書き込みを行い、これにより印字済のタグラベルを連続的に生成するようになっている(例えば、特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】特開2003−150914号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、装置側アンテナから無線タグ回路素子への情報送受は無線通信であるため、何らかの原因により通信不良となって無線タグ回路素子へのアクセス(情報書込み又は情報読み取り)が良好に行えない(=書き込みエラー)場合がないとはいえない。上記従来技術においては、装置側アンテナから無線通信による無線タグ回路素子への情報書き込みに失敗した場合は、その旨を表す所定の印字(マーク)を行うことにより、正常に書込みが行われた無線タグラベルとの区別を可能としている。
【0007】
しかしながら、上記従来技術では、上記書き込み失敗した失敗品と正常に書き込み終了した正常品との区別を可能とするだけにとどまっており、情報書き込みを確実に成功させ、失敗品をなくす(又は極力少なくする)ことで、無線タグラベルの製品信頼性を向上することまでは配慮されていなかった。
【0008】
本発明の目的は、確実に無線タグ回路素子への情報書き込み又は情報読み取りを成功させ、無線タグラベルの製品信頼性を向上することができるタグラベル作成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、第1の発明は、情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されたタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子が配置されたタグテープを着脱可能に設置するためのタグテープ設置用ホルダと、前記無線タグ回路素子のIC回路部との間で無線通信により情報の送受信を行う装置側アンテナと、前記タグテープに印字を行う印字手段と、前記タグテープに対し、少なくとも、前記印字手段による印字のための第1の方向への搬送駆動力を発生する駆動手段と、前記IC回路部の無線タグ情報にアクセスするアクセス情報を生成するアクセス情報生成手段と、このアクセス情報生成手段で生成した前記アクセス情報を、前記装置側アンテナを介して非接触で前記タグ側アンテナに送信し、前記IC回路部の前記無線タグ情報へのアクセスを行う情報送信手段と、この情報送信手段による前記アクセス情報の送信後、この送信されたアクセス情報に応じて前記IC回路部より送信された返答信号を、前記タグ側アンテナを介し非接触で前記装置側アンテナで受信し、読み取りを行う情報受信手段と、この情報受信手段で読み込んだ前記返答信号に基づき、前記情報送信手段による前記IC回路部へのアクセスが成功したか否かの判定を行う判定手段と、この判定手段でアクセス失敗と判定された場合に、前記情報送信手段が前記IC回路部の前記無線タグ情報への再アクセスを行い、前記駆動手段が当該再アクセスのための前記第1の方向と逆の第2の方向への搬送駆動力を発生するように、それら情報送信手段及び駆動手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0010】
本願第1発明においては、タグテープ設置用ホルダを用いてタグテープが設置された後、駆動手段による第1の方向への搬送駆動力でタグテープが搬送され、印字手段がそのタグテープに対し印字を行う。一方、アクセス情報生成手段で生成されたアクセス情報が、情報送信手段によってタグテープに備えられた無線タグ回路素子のタグ側アンテナに送信され、IC回路部の無線タグ情報へのアクセスが行われる。このアクセス情報に対応したIC回路部からの返答信号は情報受信手段で受信され、判定手段が、その返答信号に基づきアクセスが成功したかどうかを判定する。そして、もしアクセス失敗と判定された場合には、制御手段の制御に基づき、駆動手段で発生する第2の方向への搬送駆動力によってタグテープが逆方向へ戻され、情報送信手段によってIC回路部へ再びアクセスが行われる。
【0011】
このように、最初に第1の方向(順方向)への搬送駆動時にIC回路部へのアクセスが失敗した場合でも、もう一度第2の方向(逆方向)へ無線タグ回路素子を戻し搬送して再アクセスを行うので、確実に無線タグ回路素子に対する情報書き込み又は情報読み取りを成功させることができる。この結果、無線タグラベルの製品信頼性を向上することができる。
【0012】
第2の発明は、上記第1発明において、前記制御手段は、前記印字手段による印字が完了するまで前記第1の方向への搬送駆動力を発生した後に前記第2の方向への搬送駆動力を発生するように、前記駆動手段を制御することを特徴とする。
【0013】
印字手段による印字が完了した後に、無線タグ回路素子を逆方向へ戻し搬送することにより、例えば印字途中で中断して戻し搬送する場合に比べ、印字中断の痕跡(いわゆるホワイトライン等の微小な印字もれ・印字ずれ・印字むらなど)が生じる畏れをなくすことができる。この結果、作成した印字付きの無線タグラベルについて、確実に高い品質を確保することができる。
【0014】
第3の発明は、上記第1又は第2発明において、前記制御手段は、前記駆動手段が前記第2の方向への搬送駆動力を発生しているときに前記情報送信手段が前記IC回路部の前記無線タグ情報への再アクセスを行うように、それら情報送信手段及び駆動手段を制御することを特徴とする。
【0015】
これにより、最初の順方向搬送時におけるアクセスが失敗した直後の戻し搬送時に、ただちに再アクセスを行い、迅速に無線タグ回路素子に対する正しい情報書き込み又は情報読み取りを完了させることができる。
【0016】
第4の発明は、上記第1乃至第3発明のいずれか1つにおいて、前記制御手段は、前記タグテープの前記第2の方向への搬送速度が前記第1の方向への搬送速度よりも遅くなるように、前記駆動手段を制御することを特徴とする。
【0017】
これにより、アクセスが失敗しない限り通常は行わない逆方向への戻し搬送動作における確実性・安全性について万全を期すことができるとともに、戻し搬送時に再アクセスを行う場合には移動に伴うアクセスの不安定性が減少し、その再アクセスの成功確率をさらに向上させることができる。
【0018】
第5の発明は、上記第1乃至第4発明のいずれか1つにおいて、前記制御手段は、前記アクセス時と前記再アクセス時とで送信態様が異なるように、前記情報送信手段を制御することを特徴とする。
【0019】
これにより、再アクセス時においては、アクセス時と比べてさらに情報書き込み又は情報読み取りの成功確率が上がるような送信態様で送信を行うことができる。
【0020】
第6の発明は、上記第5発明において、前記制御手段は、前記アクセス時の送信出力に比べて前記再アクセス時の送信出力が増大するように、前記情報送信手段を制御することを特徴とする。
【0021】
再アクセス時にアクセス時に比べて送信出力を増大させることにより、送信出力不足による情報書き込み又は情報読み取りの失敗を回避し、成功確率を向上させることができる。
【0022】
第7の発明は、上記第5又は第6発明において、前記制御手段は、前記アクセス時のデータ通信速度に比べて前記再アクセス時のデータ通信速度を低速とするように、前記情報送信手段を制御することを特徴とする。
【0023】
再アクセス時にアクセス時に比べてデータ通信速度を低速とすることにより、ノイズ等周囲の環境の影響による情報書き込み又は情報読み取りの失敗を回避し、成功確率を向上させることができる。
【0024】
第8の発明は、上記第5発明において、前記タグテープ設置用ホルダは、前記タグテープを巻回したタグテープロールを着脱可能に設置するためのタグテープロール設置用ホルダであり、前記無線タグ回路素子のタグ属性パラメータ又は通信パラメータに対応して前記タグテープロールに備えられたタグ属性パラメータ情報又は通信パラメータ情報を検出する第1検出手段を設け、前記制御手段は、前記第1検出手段の検出結果に応じて取得した前記タグ属性パラメータ又は前記通信パラメータに合致するように、前記情報送信手段を制御することを特徴とする。
【0025】
タグ属性パラメータ情報又は通信パラメータ情報を第1検出手段を介しタグテープロールより取得し、情報送信手段からの送信時にその取得したタグ属性パラメータ又は通信パラメータに合致するように送信態様を制御することにより、情報読み取り又は情報書き込みの成功確率をさらに増大させることができる。
【0026】
第9の発明は、上記第5発明において、前記タグテープ設置用ホルダは、前記タグテープを巻回したタグテープロールを備えた無線タグカートリッジを着脱可能なカートリッジホルダであり、前記無線タグ回路素子のタグ属性パラメータ又は通信パラメータに対応して前記カートリッジホルダに備えられたタグ属性パラメータ情報又は通信パラメータ情報を検出する第2検出手段を設け、前記制御手段は、前記第2検出手段の検出結果に応じて取得した前記タグ属性パラメータ又は前記通信パラメータに合致するように、前記情報送信手段を制御することを特徴とする。
【0027】
タグ属性パラメータ情報又は通信パラメータ情報を第2検出手段を介し無線タグカートリッジより取得し、情報送信手段からの送信時にその取得したタグ属性パラメータ又は通信パラメータに合致するように送信態様を制御することにより、情報読み取り又は情報書き込みの成功確率をさらに増大させることができる。
【0028】
第10の発明は、上記第8又は第9発明において、前記制御手段は、前記無線タグ回路素子の前記通信パラメータとして定格送信出力範囲を取得し、前記アクセス時の送信出力が所定値以下の場合には前記再アクセス時の送信出力を前記アクセス時の送信出力より大きくするように、前記アクセス時の送信出力が所定値より大きい場合には前記再アクセス時の送信出力を前記アクセス時の送信出力より小さくするように、前記情報送信手段を制御することを特徴とする。
【0029】
例えば、最初のアクセス時にある所定値以下の送信出力でアクセス失敗した場合は、定格送信出力範囲が比較的高く、出力不足で失敗した可能性が高い。そこで再アクセス時には最初のアクセス時の送信出力より大きくすることで、情報書き込みまたは情報読み取りの成功確率を確実に向上させることができる。例えば最初のアクセス時にある所定値より大きい送信出力でアクセスを行い失敗した場合は、定格送信出力範囲が比較的低く、出力過大で失敗した可能性が高い。そこで再アクセス時にはアクセス時の送信出力より小さくすることで、情報書き込みまたは情報読み取りの成功確率を確実に向上させることができる。
【0030】
第11の発明は、上記第10発明において、前記制御手段は、前記アクセス時の送信出力が前記定格送信出力範囲の略中央値以下の場合には前記再アクセス時の送信出力を前記アクセス時の送信出力より大きくするように、前記アクセス時の送信出力が前記定格送信出力範囲の略中央値より大きい場合には前記再アクセス時の送信出力を前記アクセス時の送信出力より小さくするように、前記情報送信手段を制御することを特徴とする。
【0031】
例えば、最初のアクセス時に定格送信出力範囲の略中央値以下の送信出力でアクセス失敗した場合は、出力不足で失敗した可能性が高い。そこで再アクセス時には最初のアクセス時の送信出力より大きくすることで、情報書き込みまたは情報読み取りの成功確率を確実に向上させることができる。例えば最初のアクセス時に定格送信出力範囲の略中央値より大きい送信出力でアクセスを行い失敗した場合は、出力過大で失敗した可能性が高い。そこで再アクセス時にはアクセス時の送信出力より小さくすることで、情報書き込みまたは情報読み取りの成功確率を確実に向上させることができる。
【0032】
第12発明は、上記第10又は第11発明において、前記制御手段は、前記再アクセス時のデータ通信速度を前記アクセス時のデータ通信速度より低速とするように、前記情報送信手段を制御することを特徴とする。
【0033】
再アクセス時にアクセス時に比べてデータ通信速度を低速とすることにより、ノイズ等周囲の環境の影響による情報書き込み又は情報読み取りの失敗を回避し、成功確率を向上させることができる。
【0034】
第13の発明は、上記第8又は第9発明において、前記制御手段は、前記無線タグ回路素子の前記タグ属性パラメータとして当該無線タグ回路素子の前記IC回路部が再書込み可能かどうかを判定し、その判定が満たされた場合に、前記再アクセスとしての再書き込みを行うように前記情報送信手段を制御することを特徴とする。
【0035】
無線タグ回路素子のIC回路部が再書込み可能かどうかを予め判定し、判定が満たされた場合のみ再書込みを行うようにすることで、無用な再アクセス(再書き込み)動作を防止することができる。
【0036】
第14の発明は、上記第8又は第9発明において、前記制御手段は、前記タグ属性パラメータとしての前記タグテープにおける複数の前記無線タグ回路素子の配置間隔に応じて、前記駆動手段による前記タグテープの前記第2の方向への搬送量を決定することを特徴とする。
【0037】
無線タグ回路素子の配置間隔に応じて戻し搬送量を決定することにより、タグ配置間隔に対し戻し搬送量が過小であることやタグ配置間隔に対し戻し搬送量が過大であることによる再アクセス成功確率の低下を確実に防止できる。
【0038】
第15発明は、上記第1乃至第14発明のいずれかおいて、前記制御手段は、前記情報受信手段が、前記情報送信手段が前記IC回路部の前記無線タグ情報への再アクセスを行ったのに応じて前記IC回路部より送信された再返答信号を、前記タグ側アンテナを介し非接触で前記装置側アンテナで受信し、読み取りを行い、前記判定手段が、前記情報受信手段で読み込んだ前記再返答信号に基づき、前記情報送信手段による前記IC回路部への再アクセスが成功したか否かの判定を行い、前記駆動手段が、前記判定手段で再アクセス失敗と判定された場合に、前記第1の方向への搬送駆動力を発生し、この搬送駆動力によって前記タグテープが前記第1の方向へと搬送されるときに、前記印字手段が、前記再アクセス失敗に対応した所定の印字を行うように、それら情報受信手段、判定手段、駆動手段、及び印字手段を制御することを特徴とする。
【0039】
再アクセス時にも失敗した場合には、その旨の印字をタグテープに対して行うことにより、2度にわたりアクセスに失敗したことを確実に操作者に対して報知することができる。
【0040】
第16発明は、第1乃至第14発明のいずれかにおいて、前記制御手段は、前記情報受信手段が、前記情報送信手段が前記IC回路部の前記無線タグ情報への再アクセスを行ったのに応じて前記IC回路部より送信された再返答信号を、前記タグ側アンテナを介し非接触で前記装置側アンテナで受信し、読み取りを行い、前記判定手段が、前記情報受信手段で読み込んだ前記再返答信号に基づき、前記情報送信手段による前記IC回路部への再アクセスが成功したか否かの判定を行い、この再アクセス後において前記判定手段で再度アクセス失敗と判定された場合に、前記駆動手段による前記第1の方向又は前記第2の方向への搬送駆動力の発生を順次切り替えながら、前記情報送信手段による前記IC回路部の前記無線タグ情報へのさらなるアクセス、前記情報受信手段による当該アクセスに応じた返答信号の受信読み取り、前記判定手段による当該アクセスが成功したか否かの判定を、アクセス成功と判定されるまで所定回数だけ繰り返すように、前記駆動手段、前記情報送信手段、前記情報受信手段、前記判定手段を制御することを特徴とする。
【0041】
アクセスが成功するように、駆動手段を切り替えなら情報送信・受信・判定を所定回数繰り返すことにより、さらに確実に無線タグ回路素子に対する情報書き込み又は情報読み取りを成功させることができる。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、確実に無線タグ回路素子への情報書き込み又は情報読み取りを成功させ、無線タグラベルの製品信頼性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0044】
図1は、本実施形態のタグラベル作成装置の概略構成を表す斜視図である。
【0045】
図1において、タグラベル作成装置1は、本体筐体2と、透明樹脂製の上カバー5と、この上カバー5の前側略中央部に対向するように立設される透明樹脂製のトレー6と、このトレー6の前側に配置される電源ボタン7と、カッタレバー9と、LEDランプ34等を備えている。
【0046】
図2は、図1に示したタグラベル作成装置の上記上カバー5を取り外した状態を表す斜視図である。
【0047】
図2において、テープホルダ収納部4に、テープホルダ3が収納配置されている。このテープホルダ3は、位置決め保持部12とガイド部材20とを備えており、所定幅のタグテープ3Aが回転可能に巻回されている。すなわち、タグテープ3Aの軸方向両側にその軸線と略直交するように、一方側側壁部としての上記ガイド部材20と他方側側壁部としての上記位置決め保持部材12とが設けられている。またテープホルダ収納部4の上側を覆うように、前述の上カバー5が後側上端縁部に開閉自在に取り付けられている。
【0048】
またテープホルダ収納部4の搬送方向に対して略垂直方向の一方の側端縁部にホルダ支持部材15が設けられ、このホルダ支持部材15には、上方に開口する正面視略縦長コの字状の第1位置決め溝部16が形成されている。そして、上記位置決め保持部材12の外側方向に突設され、正面視下方向に幅狭になるように形成された上下方向に縦長の断面略矩形状の取付部材13が、下方向に幅狭な上記第1位置決め溝部16内に密着することで上記ホルダ支持部材15に嵌め込まれる。なおこの取付部材13の突出高さ寸法は、第1位置決め溝部16の幅寸法にほぼ等しくなるように形成されている。
【0049】
テープホルダ収納部4の他方の側端縁部の搬送方向前端部には、レバー27が設けられている。また上記のタグテープ3Aにおいて、IC回路部150及びアンテナ151を備えた無線タグ回路素子Toが、この例では幅方向中央部に設けられている。この回転可能に巻回されたタグテープ3Aの上記位置決め保持部材12側の側面には、このタグテープ3Aと一体的に回転可能に構成され(詳細は後述)、タグテープ3Aを通常の繰り出し方向とは逆方向へ回転させる(=巻き戻しを行う)ためのロールギアRGが、ロールの最大外形から突出するように設けられている。
【0050】
図3は、図2に示した構造の側面図である。図3において、タグテープ3Aはこの例では3層構造となっており(図3中右下側)へ向かって、剥離紙3a、粘着層3b、自己発色性を有する長尺状の感熱紙(いわゆる、サーマルペーパー)3cの順序で積層されている。
【0051】
感熱紙3cの裏側(図3中左側)には、情報を記憶するIC回路部150がこの例では一体的に設けられており、感熱紙3cの裏側の表面には上記IC回路部150に接続され情報の送受信を行うアンテナ151が形成されており、これらIC回路部150及びアンテナ151によって無線タグ回路素子Toが構成されている。感熱紙3cの裏側(図3中左上側)にはまた、上記粘着層3bによって上記剥離紙3aが感熱紙3Cに接着されている。この剥離紙3aは、最終的に完成した無線タグラベルTが所定の商品等に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着層3Bにより当該商品等に接着できるようにしたものである。
【0052】
なお、本体筐体2の背面部には一方の側端部に電源コード10が接続されている。
【0053】
図4は、図3中X−X′断面による断面図である。
【0054】
図4において、上記タグテープ3Aは、巻芯3Bにロール状に巻回されている。これらタグテープ3A及び巻芯3Bと、上記位置決め保持部12、ガイド部材20等を備えたテープホルダ3とからタグテープロール体100が構成されている。上記ロールギアRGは、巻芯3Bの上記ガイド部材20側端部に固定されている。
【0055】
位置決め保持部材12とガイド部材20との間には、上記巻芯3Bの内周側にて軸方向に配置されるように略筒状形状のホルダ軸部材40が設けられており、主としてこれら位置決め保持部材12、ガイド部材20、及びホルダ軸部材40によってテープホルダ3(無線タグカートリッジ)が構成されている。
【0056】
ホルダ支持部材15の内側基端部には係合凹部15Aが形成されており、この係合凹部15Aに対し、位置決め保持部12の下端部に突設された弾性係止片12Aが係合されている。
【0057】
テープホルダ収納部4の底面部には、ホルダ支持部材15の内側基端部から搬送方向に対して略垂直に、平面視横長四角形の位置決め凹部4Aが所定深さ(例えば約1.5〜3mm)で形成される。またテープホルダ収納部4の下側には、外部のパーソナルコンピュータ等からの指令により各機構部を駆動制御する制御回路部が形成された制御基板32が設けられている。
【0058】
位置決め凹部4Aの搬送方向幅寸法は、テープホルダ3を構成する位置決め保持部材12及びガイド部材20の各下端縁部の幅寸法にほぼ等しくなるように形成されている。また位置決め凹部4Aのホルダ支持部材15の内側基端部には、位置決め保持部材12の下端縁部から略直角内側方向に延出される後述のテープ判別部60(後述の図11〜図13も参照)に対向する位置に判別凹部4Bが形成されている。
【0059】
この判別凹部4Bは、搬送方向に縦長の平面視長四角形となっており、位置決め凹部4Aよりもさらに所定深さ(例えば約1.5〜3mm)だけ深くなるように形成されている。また判別凹部4Bには、プッシュ式のマイクロスイッチ等から構成され、タグテープ3Aの種別を判別する4個のテープ判別センサ(第2検出手段)S1,S2,S3,S4がこの例では略L字状に設けられている。これらテープ判別センサS1〜S4によってテープ判別部60の各センサ孔(後述)が有るか否かを検出し、そのオン・オフ信号によりテープホルダ3に装着されたタグテープ3Aの種類を検出するようになっている。
【0060】
また、判別凹部4Bのホルダ支持部材15の内側には、小さな長四角の穴が設けられ、その穴からロールギアRGを駆動するための戻しギアBGの一部が突出している。すなわち、タグテープロール体100をセットするとロールギアRGと戻しギアBGとが噛み合うようになっている。戻しギアBGは戻しモータ(後述の図9参照)で駆動されており、戻しモータ非駆動時にはモータが空転することで印字時にタグテープロール体100からタグテープ3Aが引き出されるが、戻しモータが駆動されるとロールが印字時とは逆方向に回転駆動され、タグテープ3Aがロールに巻戻される。
【0061】
図5(A)及び図5(B)は、図1に示したタグラベル作成装置より上カバー5及びタグテープ体100を取り外した状態を表す斜視図、及び図3(A)中W部の拡大斜視図である。
【0062】
これら図5(A)及び図5(B)において、テープホルダ3を構成する上記ガイド部材20の先端部が載置される載置部21が設けられている。この載置部21は、上記タグテープ3Aを挿入する挿入口18の後端縁部からテープホルダ収納部4の前の前側上端縁部まで略水平に延出されている。なお前述のガイド部材20の先端部は上記挿入口18まで延出されるようになっている。
【0063】
載置部21の搬送方向後側の端縁角部には、タグテープ3Aの複数の幅寸法に対応して断面略L字状の4個の第2位置決め溝部22A〜22Dが形成されている。各第2位置決め溝部22A〜22Dは、テープホルダ3を構成するガイド部材20の載置部21に当接する部分の一部を上方から嵌め込むことができるように形成されている。なお、前述した上記位置決め凹部4Aは、ホルダ支持部材15の内側基端部から上記第2位置決め溝部22Aに対向する位置まで設けられている。
【0064】
巻芯3B、タグテープ3A、及びテープホルダ3からなるタグテープロール体100は、位置決め部材12の取付部材13をホルダ支持部材15の第1位置決め溝部16に嵌め込み、該位置決め部材12の下端部に突設される弾性係止片12Aをホルダ支持部材15の内側基端部に形成される係合凹部15Aに係合させると共に、ガイド部材20の先端部下端を各第2位置決め溝部22A〜22Dに嵌め込んで該ガイド部材20の下端部を位置決め凹部4A内に嵌入して当接させることによって、テープホルダ収納部4に着脱自在に取り付けられる。
【0065】
図6は、図1に示したタグラベル作成装置の上カバー5及びタグテープロール体100を取り外した状態を表す後方斜視図である。
【0066】
図6において、上記挿入口18のホルダー支持部材15側の側端縁部には、案内リブ部23が立設されている。また、挿入口18のホルダー支持部材15側の側端縁部(図6中左端縁部)は、該ホルダー支持部材15に嵌め込まれる上記位置決め部材12の内側端面に対応する位置になるよう形成されている。
【0067】
なお、本体筐体2の背面部の他方の側端部には、不図示のパーソナルコンピュータ等と接続されるUSB(Universal Serial Bus)等から構成されるコネクタ部11が設けられている。
【0068】
図7は、図1に示したタグラベル作成装置1にテープホルダ3が装着された状態を上カバー5を取り外して示す側断面図である。
【0069】
図7において、前側側面部に左右移動可能に設けられた上記カッタレバー9には、接続部材70を介して上記カッタレバー9によって左右に移動されるカッタユニット8が設けられる。このカッタユニット8は、タグテープ3Aの長手方向と略直交する切断方向(図7中紙面垂直方向)にガイド軸71により移動可能に配置されたカッタ(切断刃)72と、このカッタ72と係脱可能に構成され、上記接続部材70のカッタ側に設けられた中間部材73とを有している。また、上記カッタユニット8のテープ3A搬送方向上流側(図7中右側)下部には印字を行う印字手段としてのサーマルヘッド(以下適宜、印字ヘッドという)31が印字ヘッド支持部材231に支持されて設けられ、この印字ヘッド31と対向する位置にはプラテンローラ(駆動手段)26が設けられている。
【0070】
印字ヘッド31をその一端に固定支持する印字ヘッド支持部材231は、ヒンジ231aを中心として回動可能となっており、この印字ヘッド支持部材231の他端にはソレノイド232により進退駆動されるロッドが連結されている。そしてこのソレノイド232が通電されて上記ロッドの引き込み動作を行うことによって印字ヘッド31が下方に移動されてプラテンローラ26から離間した状態となり、ソレノイド232の通電が解除されて上記ロッドの引き込み動作を解除することによってバネ部材233の付勢力により印字ヘッド31が上方に移動されてタグテープ3Aをプラテンローラ26に押圧付勢し印字可能な状態となる。
【0071】
また印字ヘッド支持部材231は、印字ヘッド31の上下動操作用の前述のレバー27にも連動しており、そのレバー27を上方に回動させることにより印字ヘッド31が下方に移動されてプラテンローラ26から離間した状態となり、レバー27を下方に回動させることにより上方に移動されてタグテープ3Aをプラテンローラ26に押圧付勢して印字可能な状態となる。なお、レバー27が下方に位置して印字可能な状態であっても、ソレノイド232のロッド引き込み動作が行われた場合には、それによる動作が優先されて印字ヘッド31をプラテンローラ26から離間してタグテープ3Aに対する押圧付勢力を解除することができる。
【0072】
すなわち、印刷実行時においては、まず手動でレバー27を上方に回動させて、タグテープ3Aの一方の側端縁部をガイド部材20の内側面に当接させつつ、このタグテープ3Aの他方の側端縁部を挿入口18の側縁部に立設される上記案内リブ部23に当接させながら挿入口18内に挿入し、この状態ではレバー27を下方に回動させることにより、挿入口18から挿入されたタグテープ3Aは、ライン型の印字ヘッド31によってプラテンローラ26に向かって押圧されるように付勢される。
【0073】
そして、該プラテンローラ26をパルスモータあるいはステッピングモータ等からなるプラテンローラ用モータ208(後述の図9参照)等により回転駆動しつつ、該印字ヘッド31を駆動制御することによって、タグテープ3Aを搬送しながら印字面に順次所定の印字データを印字でき、さらにその搬送方向下流側に位置するアンテナ204を介し無線タグ回路素子Toのアンテナ151を介しIC回路部150へのアクセス(情報読み取り又は書き込み)が行われる。そして、トレー6上に排出された印字済みのタグテープ3Aは、カッタレバー9を右側方向に手動操作することによってカッタユニット8により切断され、無線タグ回路素子Toを備えた無線タグラベルT(後述の図18参照)が分割生成される。
【0074】
図8は、上記タグテープ3Aに備えられる無線タグ回路素子Toの機能的構成を表す機能ブロック図である。
【0075】
この図8において、無線タグ回路素子Toは、タグラベル作成装置1側のアンテナ204とUHF帯等の高周波を用いて非接触で信号の送受信を行う上記アンテナ151と、このアンテナ151に接続された上記IC回路部150とを有している。
【0076】
IC回路部150は、アンテナ151により受信された搬送波を整流する整流部152と、この整流部152により整流された搬送波のエネルギを蓄積しIC回路部150の駆動電源とするための電源部153と、上記アンテナ151により受信された搬送波からクロック信号を抽出して制御部157に供給するクロック抽出部154と、所定の情報信号を記憶し得る情報記憶手段として機能するメモリ部155と、上記アンテナ151に接続された変復調部156と、上記整流部152、クロック抽出部154、及び変復調部156等を介して上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部157とを備えている。
【0077】
変復調部156は、アンテナ151により受信された上記タグラベル作成装置1のアンテナ204からの通信信号の復調を行うと共に、上記制御部157からの応答信号に基づき、アンテナ204より受信された搬送波を変調反射する。
【0078】
制御部157は、上記変復調部156により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部155において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部156により返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0079】
クロック抽出部154は受信した信号からクロック成分を抽出して制御部157にクロックを抽出するものであり、受信した信号のクロック成分の速度に対応したクロックを制御部157に供給する。
【0080】
図9は、タグラベル作成装置1の制御系を表す概念図である。
【0081】
図9において、巻芯3Bに巻回された上記タグテープ3Aは、前述したように複数の無線タグ回路素子Toがその幅方向中央部に配列されるとともに、この例では、それぞれの無線タグ回路素子Toに対応している領域が印字ヘッド31により各無線タグ回路素子Toに対応する印字Rが行われる印字領域Sとなっており、前述した印刷の後、上記アンテナ204によってタグテープ3Aに備えられる無線タグ回路素子Toとの間でUHF帯等の高周波を用いて無線通信により信号の授受が行われ、印字済みのタグテープ3Aは前述のようにカッタレバー9が操作されることでカッタユニット8にて切断され、無線タグラベルTが生成される。
【0082】
そのほか、タグラベル作成装置1には、タグテープ3A及び切断後の無線タグラベルTを搬出口Eへと搬送し送出するプラテンローラ26と、上記アンテナ204を介し上記無線タグ回路素子ToのIC回路部150の情報(無線タグ情報)へアクセスする(読み取り又は書き込みを行う)ための高周波回路201と、無線タグ回路素子ToのIC回路部150から読み出された信号を高周波回路201を介して入力し所定の処理を行って情報を読み出すとともに、高周波回路201を介して無線タグ回路素子ToのIC回路部150へアクセスする信号処理回路202と、上記印字ヘッド31への通電を制御する印刷駆動回路205と、上記プラテンローラ26を駆動するプラテンローラ用モータ208を制御するプラテンローラ駆動回路と209と、上記ソレノイド232への通電を制御するソレノイド駆動回路234と、上記高周波回路201、信号処理回路202、印刷駆動回路205、プラテンローラ駆動回路209等を介し、タグラベル作成装置1全体の動作を制御するための制御回路(制御手段)210と、この制御回路210からの制御信号により点灯する前述のLED34と、ロールギアRGを回転させ巻戻しを行う戻しギアBGを回転させる戻しモータ235と、この戻しモータ235を駆動する戻しモータ駆動回路236が設けられている。なお、上記無線通信による信号授受時において無線タグ回路素子Toをアンテナ204に対応する所定のアクセスエリアに設定保持するとともに切断後の各無線タグラベルTを案内する搬送ガイドをさらに設けてもよい。
【0083】
制御回路210は、いわゆるマイクロコンピュータであり、詳細な図示を省略するが、中央演算処理装置であるCPU、ROM、及びRAM等から構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うようになっている。また、この制御回路210は、電源回路211Aにより給電されるとともに、通信回路211Bを介し例えば通信回線に接続され、この通信回線に接続された図示しないルートサーバ、他の端末、汎用コンピュータ、及び情報サーバ等との間で情報のやりとりが可能となっている。
【0084】
図10は、上記高周波回路201の詳細機能を表す機能ブロック図である。この図10において、高周波回路201は、アンテナ204を介し無線タグ回路素子Toに対して信号を送信する送信部212と、アンテナ204により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波を入力する受信部213と、送受分離器214とから構成される。
【0085】
送信部212は、無線タグ回路素子ToのIC回路部150の無線タグ情報にアクセスする(読み取り又は書き込みを行う)ための搬送波を発生させる水晶発振回路215と、上記信号処理回路212から供給される信号に基づいて上記発生させられた搬送波を変調(この例では信号処理回路212からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)する送信乗算回路216(但し振幅変調の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信乗算回路216により変調された変調波を増幅(この例では制御回路210からの「TX_PWR」信号によって増幅率を決定される増幅)する可変送信アンプ217とを備えている。そして、上記送信アンプ217の出力は、送受分離器214を介してアンテナ204に伝達されて無線タグ回路素子ToのIC回路部150に供給される。
【0086】
受信部213は、アンテナ204により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記発生させられた搬送波とを掛け合わせる受信第1乗算回路218と、その受信第1乗算回路218の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すためのバンドパスフィルタ219と、このバンドパスフィルタ219の出力を増幅する受信第1アンプ221と、この受信第1アンプ221の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換する第1リミッタ220と、上記アンテナ204により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記発生された後に移相器227で位相を90°遅らせた搬送波とを掛け合わせる受信第2乗算回路222と、その受信第2乗算回路44の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すためのバンドパスフィルタ223と、このバンドパスフィルタ223の出力を増幅する受信第2アンプ225と、この受信第2アンプ225の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換する第2リミッタ224とを備えている。そして、上記第1リミッタ220から出力される信号「RXS−I」及び第2リミッタ224から出力される信号「RXS−Q」は、上記信号処理回路202に入力されて処理される。
【0087】
また、受信第1アンプ221及び受信第2アンプ225の出力は、RSSI(Received Signal Strength Indicator)回路226にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」が信号処理回路202に入力されるようになっている。このようにして、本実施形態のタグラベル作成装置1では、I−Q直交復調によって無線タグ回路素子Toからの反射波の復調が行われる。
【0088】
図11(A)及び図11(B)は、図1に示したタグラベル作成装置1に備えられたタグテープロール体100の詳細構造を表す、前側上方からの斜視図、及び下側後方からの斜視図である。
【0089】
これら図11(A)及び図11(B)において、タグテープロール体100に備えられたテープホルダ3のガイド部材20には、テープホルダ収納部4の底面部に形成される位置決め凹部4Aに嵌入されて該位置決め凹部4Aの底面に当接される第1延出部42と、タグテープ3Aの前側方向略1/4円周上の外側端面部を覆うように外側方向に延出される第2延出部43と、この第2延出部43の外周部からタグテープ3Aの上記挿入口18(図6参照)近傍まで上側端縁部が前下がり状に延出される第3延出部44とが形成されている。
【0090】
第3延出部44の先端部の下端面は、略水平に形成され、タグラベル作成装置1の前述の載置部21上に当接して、該第3延出部44と第2延出部43の内側面によって装着されたタグテープ3Aの一側端縁部を上記挿入口18まで案内するように構成されている。また、この第3延出部44の下端面の載置部21の搬送方向後端縁部に対向する位置から第1延出部42まで、所定長さ延出される第4延出部45が形成されている。この第4延出部45の搬送方向先端部分は、上記第3延出部44の下端面が載置部21上に当接された場合に装着されたタグテープ3Aのテープ幅に対向する各第2位置決め溝部22A〜22Dのいずれかに嵌入されるように構成されている(前述の図7参照)。
【0091】
また、テープホルダ3の位置決め部材12の取付部材13の下端部には、該取付部材13の下端部よりも左右方向に各々外側方向に所定長さ(この例では、約1.5mm〜3mm)突出する正面視略四角形の平板状(この例では長さ約1.5mm〜3mm)の案内部57が形成されている。これにより、テープホルダ3を装着する場合は、取付部13の下端部に形成される案内部57をホルダ支持部材15の外側端面に当接させつつ、取付部材13を第1位置決め溝部16に挿入することによって、該テープホルダ3を容易に位置決めしつつ装着できるようになっている。
【0092】
位置決め部材12の延出部56の下端縁部は、ガイド部材20の下端縁部よりも所定長さ(この例では、約1mm〜2.5mm)下側方向に突出するように延出されており、この下端縁部に、略直角内側方向に所定長さ延出される略長四角形のテープ判別部60が形成されている。
【0093】
このテープ判別部60は、前述した各テープ判別センサS1〜S4に対向する所定位置に各センサ孔60A〜60Dが略L字状に配置されて穿設され、これらセンサS1〜S4と協働してタグテープ3Aの種類を特定するタグテープ特定部として機能するものである。さらに、上記センサS1〜S4は、タグテープの種類として印字位置、テープ幅、テープ位置、タグの有り無し等も特定することができるようになっている。
【0094】
図12(A)は、テープホルダを斜め後方側からみた斜視図であり、図12(B)は斜め前方からみた斜視図である。
【0095】
これら図12(A)及び図12(B)において、上記ガイド部材20には第1筒部35が設けられており、この第1筒部35が巻芯3Bの筒孔の一端側端縁部に嵌挿されることによって、ガイド部材20がタグテープ3Aの一方の端面に当接されている。一方、上記位置決め保持部材12には第2筒部37が設けられており、この第2筒部37が巻芯3Bの他端側に嵌挿されることによって、位置決め保持部材12がタグテープ3Aの他方の端面に当接されている。これら第1筒部35と第2筒部37とによって、タグテープ3Aが巻回された巻芯3Bが回転可能に保持される。
【0096】
また上記ホルダ軸部材40は、一端側が上記ガイド部材20の第1筒部35に嵌挿されるとともに、その一端側端面の外周部にフランジ部36が形成されており、このフランジ部36は上記第1筒部35の外側端面に固着されている。またホルダ軸部材40の他端側端部は、位置決め保持部材12の第2筒部37に嵌挿されてその第2筒部37に固着されている。
【0097】
このとき、ガイド部材20の上記第1延出部42は、第1筒部35の外側端面の下側外周部から下側方向に延出されており、その上端部、即ち、第1筒部35の外側端面の外周部の左右両中央部には、正面視略四角形の各切欠部47が設けられている。
【0098】
また、ガイド部材20の各延出部43,44,45の内側面には、装着されたタグテープ3Aの巻回長さ10m、20m、30mをそれぞれ表す各目盛り43A,43B,43Cが形成されている。なお、テープホルダ3に巻回されるタグテープ3Aの最大巻回長さは、約30mの長さである。
【0099】
一方、位置決め部材12の上記第2筒部37の外周部には、フランジ部55が形成されると共に、このフランジ部55の下側外周部から下側方向に延出される延出部56が形成されている。このフランジ部55と延出部56の内側面がタグテープ3A及び巻芯3Bの外側端面に当接される。そして、上記取付部材13は、これらフランジ部55と延出部56の外側端面部の幅方向(図12(A)中左上〜右下方向)略中央部に、即ちホルダ軸部材40の軸芯の端縁部から該軸心に対してほぼ直交するように、突設されている。
【0100】
図13(A)は、上記テープホルダ3の詳細構造を表す左側面図であり、図13(B)は正面図であり、図13(C)は右側面図である。
【0101】
これら図13(A)〜(C)において、前述したように、上記位置決め保持部材12と上記ガイド部材20との間に上記ホルダ軸部材40が設けられている。このとき、ホルダ軸部材40は、前述した巻芯3Bの各長さ寸法に対応して複数種類(例えば4種類)の長さ寸法のものが設けられており、このホルダ軸部材40の長さ寸法を変更することにより、異なる幅寸法のタグテープ3Aが装着可能な複数種類のテープホルダ3を容易に製作できるようになっている。
【0102】
図14は、図13(A)中Y−Y′断面における矢視断面図である。
【0103】
図14において、ホルダ軸部材40のうち、位置決め保持部材12の第2筒部37内に嵌入される先端部には略縦長の切欠部51が形成されている。この切欠部51には、第2筒部37の内側下端部に内側半径方向に突設される位置決めリブ50が嵌入され、これによって、ホルダ軸部材40を介して位置決め保持部材12とガイド部材20との位置決めを行えるようになっている。
【0104】
また、位置決め部材12の取付部材13の下端部には延出部56に縦長四角形の貫通孔62が穿設され、この貫通孔62の上端縁部には、下側方向に先端部に外側方向に突出する突起部が形成された弾性係止片12Aが設けられている。
【0105】
図15は、図13(A)中Z−Z′断面における矢視断面図である。
【0106】
図15において、前述した第1延出部42の切欠部47に、ホルダ軸部材40の上記フランジ部36の内側面に突設される各位置決め突起48が嵌入され、これによってホルダ軸部材40のガイド部材に対する位置決めが行われる。
【0107】
図16(A)〜(E)は、それぞれ、位置決め保持部材12のテープ判別部60におけるタグテープの種類を表すセンサ孔の穿設例を示す図である。
【0108】
図16(A)は、前述したようにテープ判別部60に4つのセンサ孔60A〜60Dが設けられた例を表している。テープホルダ収納部4の判別凹部4Bにはこれらテープ判別孔60A〜60Dに対応して前述のテープ判別センサS1〜S4が設けられている。各センサS1〜S4は、そのプランジャーが上記判別凹部4Bの底面から位置決め凹部4Aの底面部近傍まで突き出し、マイクロスイッチがオフ状態になっている。そして、各センサ孔60A〜60Dが各テープ判別センサS1〜S4に対向する位置にそれぞれ存在する場合にはプランジャーが押下されずマイクロスイッチがオフ状態にあるためオフ信号が出力され、テープ判別部60の各センサ孔60A〜60Dが各テープ判別センサS1〜S4に対向する位置にない場合には上記プランジャーが押下されてマイクロスイッチがオン状態になり、オン信号が出力されるようになっている。
【0109】
このように、4つのセンサS1〜S4に4つのセンサ孔60A〜60Dの有無の検出結果を関連づけ、ひとつひとつのセンサ孔の有無を「1」と「0」に対応させることにより、該テープホルダ3に装着されたタグテープ3Aの種類を4ビットの符号によって(言い換えれば16通りを区別して)表示できるようになっている。図16(A)〜図16(E)はそれら16通りのうちの一例をそれぞれ表しており、図16(A)はセンサ孔60A,60B,60C,60Dがすべて存在し「1,1,1,1」の検出信号が出力される場合、図16(B)はセンサ孔60A,60B,60Cが存在し「1,1,1,0」の検出信号が出力される場合、図16(C)はセンサ孔60A,60B.60Dが存在し「1,1,0,1」の検出信号が出力される場合、図16(D)はセンサ孔60Bが存在し「0,1,0,0」の検出信号が出力される場合、図16(E)はセンサ孔60C,60Dが存在し「0,0,1,1」の検出信号が出力される場合を表している。
【0110】
以上のようにして、位置決め部材12の内側下端縁部に設けられたテープ判別部60が判別凹部4B内に挿入され、センサS1〜S4で各センサ孔60A〜60Dの有無が検出されることで、テープホルダ3に装着されたタグテープ3Aの種類が検出可能となっている。
【0111】
このように、タグテープロール体100に関するパラメータデータをタグテープロール体100自体から取得可能にしていることで、そのための操作者による入力の手間が不要となり、かつ確実にパラメータデータを取得することができる。
【0112】
図17(A)及び図17(B)は、上記のように構成されたテープホルダ3のタグラベル作成装置1側への装着挙動の一例について説明するための説明図である。
【0113】
図17(A)は、巻芯3Bに最大幅のタグテープ3Aが巻回されたテープホルダ3を装着する場合の例を表している。図17(A)において、まずテープホルダ3の位置決め保持部材12の取付部材13をホルダ支持部材15の位置決め溝部16に挿入する。そして、テープホルダ3のガイド部材20の第3延出部44の下端面を載置部21上に当接させると共に、該ガイド部材20の第4延出部45を載置部21の搬送方向後側角部に形成される第2位置決め溝部21Aに嵌入させる。また、該ガイド部材20の第1延出部42の下端縁部をテープホルダ収納部4の底面部に形成される位置決め凹部4A内に嵌入して当接させる。
【0114】
このとき同時に、テープホルダ3の位置決め保持部材12の延出部56の下端部に形成されるテープ判別部60を、ホルダ支持部材15の基端部内側に形成される判別凹部4Bに挿入すると共に、弾性係止片12Aをホルダ支持部材15の基端部に形成される係合凹部15Aに係合させる。
【0115】
以上の操作により、テープホルダ3がテープホルダ収納部4に着脱自在に取り付けられ、また各テープ判別センサS1〜S4を介して対向するテープ判別部60の各センサ孔60A〜60Eの有無が検出可能となる。
【0116】
続いて、レバー27を上方に回動させた状態で、タグテープ3Aの一方の側端縁部をガイド部材20の内側面に当接させつつ、該タグテープ3Aを引き出し、このタグテープ3Aの他方の側端縁部を挿入口18の側端縁部に立設された案内リブ部23に当接させつつ挿入口18に挿入する。その後、レバー27を下方に回動させることにより、該タグテープ3Aの先端部が印字ヘッド31によってプラテンローラ26に押圧され、印字可能な状態になる。
【0117】
図17(B)は、巻芯3Bに最小幅のタグテープ3Aが巻回されたテープホルダ3を装着する場合の例を表している。図17(B)において、まずテープホルダ3の位置決め保持部材12の取付部材13をホルダ支持部材15の位置決め溝部16に挿入する。そして、テープホルダ3のガイド歩合20の第3延出部44の下端面を載置部21上に当接させると共に、該ガイド部材20の第4延出部45を載置部21の搬送方向後側角部に形成される第2位置決め溝部21Dに嵌入される。また、該ガイド部材20の第1延出部42の下端縁部をテープホルダ収納部4の底面部に形成される位置決め凹部4A内に嵌入して当接させる。
【0118】
このとき同時に、テープホルダ3の位置決め保持部材12の延出部56の下端部に形成されるテープ判別部60を、ホルダ支持部材15の基端部内側に形成される判別凹部4Bに挿入すると共に、弾性係止片12Aをホルダ支持部材15の基端部に形成される係合凹部15Aに係合させる。
【0119】
以上の操作により、テープホルダ3がテープホルダ収納部4に着脱自在に取り付けられ、また各テープ判別センサS1〜S4を介して対向するテープ判別部60の各センサ孔60A〜60Dの有無が検出可能となる。
【0120】
以降レバー27を上方に回動させる等については上記と同様であるので説明を省略する。また、図17(B)ではタグテープ3Aは向かって右側に装填されているが、中央などに配置してもよく、テープ幅だけでなく、テープ位置も併せてセンサS1〜S4により同様に検出可能である。
【0121】
図18(a)及び図18(b)は、上記のようにして無線タグ回路素子Toの情報書き込み及びタグテープ3Aの切断が完了し形成された無線タグラベルTの外観の一例を表す図であり、図18(a)は上面図、図18(b)は下面図である。また図19は、図18中XIX−XIX′断面による横断面図である。
【0122】
これら図18(a)、図18(b)、及び図19において、無線タグラベルTは、前述のように3層構造となっており、表面側(図19中上側)よりその反対側(図19中下側)へ向かって、感熱紙3c、粘着層3b、剥離紙3aの順で積層している。そして、前述のように感熱紙3cの裏側に、IC回路部150及びアンテナ151からなる無線タグ回路素子Toが備えられている(Toは図19中上下逆向きでもよい)とともに、感熱紙3cの表面に印字R(この例では「AA−AA」の文字)が印刷されている。
【0123】
ここで、本実施形態の最も大きな特徴は、タグラベル作成装置1の制御回路210が、受信部213で読み込んだ返答信号に基づき、送信部212によるIC回路部150へのアクセスが成功したか否かの判定を行う機能が備えられ、この判定機能でアクセス失敗と判定した場合に、プラテンローラ26がそれまでの順方向(第1の方向)とは逆の方向(第2の方向)へ搬送駆動力を発生すると同時に戻しモータ235を駆動し戻しギアBGによりロールギアRGを回転させてタグテープ3Aを巻き戻し、また送信部212を介しIC回路部150の無線タグ情報への再アクセスを行うことである。なお、戻しモータ235の駆動力はプラテンローラ26の搬送駆動力よりは弱く、タグテープ3Aを逆の方向へ搬送したとき、タグテープ3Aがラベル作成装置1内でたるみが発生しないように戻しモータ235が駆動される。
【0124】
特にこの実施形態では、再アクセスを行う場合でも、印字ヘッド31による印字が完了するまでタグテープ3Aを順方向に搬送駆動し、その後に逆方向の搬送駆動と再アクセスとを合わせて行い、またこの逆方向の搬送駆動は印字の際の搬送駆動よりも搬送速度を遅くし、再アクセス時の送信出力は印字の際のアクセス時の送信出力に比べて増大するように、制御回路210が各部の制御を行う。
【0125】
図20、図21、及び図22は、このようにして行われる無線タグラベルTの作成において、制御回路210によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【0126】
図20において、例えばコネクタ部11を介し接続された上記パーソナルコンピュータ又は端末若しくは汎用コンピュータ等の図示しない操作手段を介しタグラベル作成装置1の書き込み操作が行われるとこのフローが開始される。そして、まずステップS105において、印字ヘッド31により無線タグラベルTへ印字すべき印字情報が、上記操作手段における入力操作と通信回線及び通信回路211Bを介して読み込まれる。次のステップS110でも同様に上記操作手段等の入力操作を介し、無線タグ回路素子ToのIC回路部150に書き込みたい情報が読み込まれる。
【0127】
その次のステップS115では、上記センサS1〜S4から検出したタグテープ3Aの種類に対応する通信パラメータ(無線通信に使用する電波の周波数、通信プロトコル、送信出力の定格送信出力範囲等)及びタグ属性パラメータ(タグテープ3A内における無線タグ回路素子Toの配置情報、タグ側アンテナ151の感度又はメモリ部155の再書き込みの可否等を含む。)に関するパラメータデータを例えば上記情報サーバやラベル作成装置内に予め記憶されている情報等から検索して読み込む。なお、通常、1つのタグテープロール体100内に備えられるすべての無線タグ回路素子Toについて、上記通信パラメータ及びタグ属性パラメータはすべて同一(共通)となっている。
【0128】
そしてこれらパラメータデータに基づいて最適な書き込み条件を設定する。ここで、本実施形態では、その書き込み条件の設定の一例として、通信パラメータから得られた送信出力の定格送信出力範囲が比較的高い3mW〜6mWであり、その略中央値以下である4mWに送信出力を設定するものとする。この送信出力の設定は、具体的には、制御回路210から高周波回路201に備えられた送信部212の可変送信アンプ217へ出力する「TX_PWR」信号を調整することにより行う(図10参照)。送信出力は過去の履歴等を参照して設定されてもよい。
【0129】
次に、ステップS120に移り、プラテンローラ駆動回路209を介してプラテンローラ用モータ208を回転させる速度、つまりタグテープ3Aを搬送させる速度を通常の印字を行う場合の第1搬送速度に設定する。なお、このステップでの設定は単位時間当たりのテープ搬送量(モータ回転量)を設定するだけであり、その搬送方向(回転方向)までは設定しない。
【0130】
そして次のステップS125において、テープの搬送方向を通常の印字を行うための順方向に設定し、これら第1搬送速度と順方向の設定に従ってプラテンローラローラ駆動回路209に制御信号を出力しプラテンローラ用モータ208でプラテンローラ26を駆動してプープ順方向搬送を開始する(なお、印字ヘッド31はここまでの段階で操作者が上記レバー27を下方に回動することによりプラテンローラ26側へ押圧接触されているものとする)。
【0131】
次のステップS130において、印刷駆動回路205を介して印字ヘッド31に制御信号を出力し、感熱紙3cの表側のうち所定の領域に、上記ステップ105で読み込んだ印字情報に対応する文字、記号、バーコード等の印字Rを印刷させる。
【0132】
そして、ステップS135において、上記テープ搬送と印字が行われている間に、上記無線タグ回路素子Toがアンテナ204に対向する位置に到達する所定量だけタグテープ3Aが搬送されたかどうかを判定する。このときの搬送量判定は、例えば、上記タグテープ3Aに設けた適宜の識別用マークを、別途設けた公知のセンサで検出することにより行えば足りる。判定が満たされたら、ステップS140に移る。
【0133】
ステップS140では、所望のデータを無線タグ回路素子Toのメモリ部155に書き込む「Program」コマンドを信号処理回路202に出力する。これに基づき信号処理回路202でアクセス情報としての「Program」信号(=例えばID情報等の無線タグ情報)が生成されて高周波回路201を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信され、そのメモリ部155に情報が書き込まれる。
【0134】
その後、ステップS145において、「Verify」コマンドを信号処理回路202に出力する。これに基づき信号処理回路202でアクセス情報としての「Verify」信号が生成されて高周波回路201を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信され、返信を促す。その後ステップS150において、上記「Verify」信号に対応して書き込み対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ(応答)信号をアンテナ204を介して受信(識別)し、高周波回路201及び信号処理回路202を介し取り込む。
【0135】
その後、ステップS155で、感熱紙3cのうちこの時点で印刷可能領域への印字がすべて完了しているかどうかを確認した後、ステップS160へ移る。
【0136】
ステップS160では、プラテンローラ駆動回路209に制御信号を出力し、プラテンローラ用モータ208の駆動を停止して、プラテンローラ26の回転を停止する。これにより、タグテープ3Aの搬送が停止する。
【0137】
次に、ステップS165において、上記ステップS140〜ステップS150のアクセス処理(1度目)で受信したリプライ信号に基づき、当該無線タグ回路素子Toのメモリ部155内に記憶された情報を確認し、前述の送信した所定の情報がメモリ部155に正常に記憶されたか否か、つまり書き込みが成功したか否かを判定する。この判定は、例えば上記ステップS140で送信した「Program」信号に含まれる情報と、上記ステップS150で受信したリプライ信号に含まれる情報とが一致するかどうかで行う。
【0138】
判定が満たされない場合は、図21のステップS170〜ステップS225の再アクセス処理に移り、判定が満たされた場合は図21のステップS230へ移る。以下、ステップS170以降の再アクセス処理について説明する。
【0139】
図21のステップS170において、上記ステップS115で得たタグ属性パラメータから無線タグ回路素子Toのメモリ部155が再書き込み可能(rewritable)であるか否かを判定する。このように、無線タグ回路素子ToのIC回路部150が再書込み可能かどうかを予め判定し、判定が満たされた場合のみ再書込みを行うようにすることで、無用な再アクセス(再書き込み)動作を防止することができる。なお、この再書込の可否については上記タグ属性パラメータに当該可否情報を含める手法以外に操作者が上記操作手段より直接指示入力できるようにしてもよい。
【0140】
上記ステップS170で、判定が満たされない場合は、図22のステップS235〜ステップS245の書き込み失敗処理に移る。一方、再書き込み可能であるとの判定が満たされた場合には、ステップS175に移り、タグテープ3Aを搬送させる速度を再アクセス用の第2搬送速度に設定する。この第2搬送速度は、例えば通常の印字を行う場合の上記第1搬送速度よりも遅い速度となっている。また、このステップにおいても単位時間当たりのテープ搬送量を設定するだけであり、その搬送方向までは設定しない。
【0141】
そして、次のステップS180へ移り、無線タグ回路素子Toに対する書き込み条件を変更する。例えば上記ステップS115において、前述の例では1度目のアクセス処理における送信出力を4mWに設定していたところ、6mWに増大させる。これは、定格送信出力範囲が比較的高い値(前述の例では3mW〜6mW)のとき、最初のアクセス時に(前述の例では送信出力4mWで)アクセスを行い失敗した場合は、出力不足で失敗した可能性が高いからである。そこで再アクセス時には最初のアクセス時よりも増大(上記の例では6mWまで増大)させることで、情報書き込みの成功確率を確実に向上させることができる。あるいは、無線タグ回路素子との通信速度を140kbpsに設定していたものを70kbpsへとより低速な通信速度に変更してもよい。アクセスにかかる時間は増大するもののビット誤り率が低減し、アクセスが成功する確率を向上させられる。または上記出力増大と通信速度減少とを併せて行ってもよい。
【0142】
また、次のステップS185で、ソレノイド駆動回路234を介してソレノイド232に通電し上記ロッドに引き込み動作を行わせて印字ヘッド31をプラテンローラ26側のタグテープ3Aから離間させる(図7参照)。これは、すでに感熱紙3cの表面側に印刷されている印字Rに対し、再アクセス時の逆方向搬送中に印字ヘッド31が摩擦接触することを回避するためである。
【0143】
そして次のステップS190において、テープの搬送方向を逆方向に設定し、上記第2搬送速度の設定とともにそれらに応じた制御信号をプラテンローラローラ駆動回路209および戻しモータ駆動回路236に出力しプラテンローラ用モータ208でプラテンローラ26を逆回転駆動すると同時に逆方向搬送時に途中でタグテープ3Aがたるまないように戻しモータ235で戻しギアBGを介してロールギアRGを駆動してテープ逆方向搬送を開始する。
【0144】
その後、上記ステップS140〜ステップS150による最初のアクセス処理と同じ行程で、ステップS200〜ステップS210による再アクセス処理を行う。なおこの再アクセス時は、テープ搬送の速度が低速で方向が逆方向である点と、信号出力が増大している点が最初のアクセス処理と異なっている。
【0145】
その後、ステップS215において、タグテープ3Aが逆方向搬送開始時から所定量だけ逆方向搬送されたかどうかを判断する。このときの搬送距離判定も、前述のステップS135と同様、例えばマーキングをセンサで検出することにより行えば足りる。なお、この逆方向搬送所定量は、上記ステップS115で取得したタグ属性パラメータの一つである無線タグ回路素子Toの配置間隔に応じて決定することで、タグ配置間隔に対し戻し搬送量が過小であることやタグ配置間隔に対し戻し搬送量が過大であることによる再アクセス成功確率の低下を確実に防止できる。このステップS215の判定が満たされたら、ステップS220に移る。
【0146】
ステップS220では、上記ステップS160と同様にしてプラテンローラ26の回転を停止し、タグテープ3Aの搬送を停止する。
【0147】
次のステップS225において、上記ステップS220〜ステップS210の再アクセス処理(2度目)で受信したリプライ信号に基づき、当該無線タグ回路素子Toのメモリ部155内に記憶された情報を確認し、前述の送信した所定の情報がメモリ部155に正常に記憶されたか否か、つまり2度目の書き込みが成功したか否かを判定する。判定手法は上記ステップS165と同様とすることができる。
【0148】
判定が満たされない場合は、図22のステップS235〜ステップS245の書き込み失敗処理に移り、判定が満たされた場合は次のステップS230へ移る。以下、ステップS235以降の書き込み失敗処理について説明する。
【0149】
図22において、まずステップS235で、ソレノイド駆動回路234を介してソレノイド232への通電を停止してロッドの引き込み動作を解除し、バネ部材233の付勢力により印字ヘッド31をプラテンローラ26側のタグテープ3Aに押圧接触させて印字可能な状態にする(図7参照)。
【0150】
そして次のステップS240において、テープの搬送方向を順方向に設定し、上記第2搬送速度の設定とともにプラテンローラローラ駆動回路209に制御信号を出力しプラテンローラ用モータ208でプラテンローラ26を駆動してテープ順方向搬送を開始する。
【0151】
その後のステップS245において、上記テープ搬送が行われている間に、印刷駆動回路205を介して印字ヘッド31に制御信号を出力し、感熱紙3cの表側のうち例えば余白などの所定の領域に、書き込みが失敗したことを意味する「×」記号(特に図示しない)の印字を印刷させる(既に一番最初のアクセス時に所定の印字がなされている場合はこれに重なるように印刷を行う)。なお、この「×」記号以外にも適宜失敗を意味する他の符号を印刷してもよい。
【0152】
そして、次に以下のステップS250〜ステップS260の後処理を行う。この後処理は、上記した書き込み失敗印字を行うステップS245が終了した場合のほか、前述したように上記ステップS225で再アクセスによる書き込みが成功されたと判定された場合や上記ステップS165で最初のアクセス処理による書き込みが成功したと判定された後、上記図21のステップS230におけるテープ順方向の搬送開始手順を経た場合にも実行される。
【0153】
まずステップS250において、タグテープ3Aがそれまでよりもさらに所定量(例えば、順方向末尾に位置する余白を超える位置までの印字長さ)だけ順方向搬送されたかどうかを判断する。このときの搬送距離判定も、前述のステップS135と同様、例えばマーキングをテープセンサで検出することにより行えば足りる。判定が満たされたら、ステップS255に移る。
【0154】
ステップS255では、上記ステップS160と同様にしてプラテンローラ26の回転を停止し、タグテープ3Aの搬送を停止する。
【0155】
そして次のステップS260において、上記LED34に点灯制御信号を出力して点灯させ、カッタレバー9を手動操作することでタグテープ3Aを切断可能な状態であることを表示し、このフローを終了する。
【0156】
以上において、信号処理回路202及び高周波回路201の送信部212は、各請求項記載の、IC回路部150へのアクセス情報(「Verify」信号、「Program」信号等)を生成するアクセス情報生成手段を構成する。また、送信部212は、アクセス情報を装置側アンテナ204を介して無線タグ回路素子Toへ送信し、IC回路部150の無線タグ情報へのアクセスを行う情報送信手段を構成する。また、受信部213は、アクセス情報の送信後、この送信されたアクセス情報に応じてIC回路部150より送信された返答信号を、タグ側アンテナを介し非接触で装置側アンテナ204で受信し、読み取りを行う情報受信手段を構成する。さらに、制御回路210の実行する図20及び図21のフローのステップS165及びステップS225が、情報受信手段で読み込んだ返答信号に基づき、情報送信手段によるIC回路部150へのアクセスが成功したか否かの判定を行う判定手段に相当する。
【0157】
以上説明したように、本実施形態のタグラベル作成装置1においては、最初に第1の方向(順方向)への搬送駆動時にアンテナ204を介したIC回路部150へのアクセスが失敗した場合でも、もう一度第2の方向(逆方向)へ無線タグ回路素子Toを戻し搬送して再アクセスを行うので、確実に無線タグ回路素子Toに対する情報書き込みを成功させることができる。この結果、作成される無線タグラベルTの製品信頼性を向上させることができる。
【0158】
このとき、本実施形態では特に、最初の順方向搬送時におけるアクセスが失敗した直後の戻し搬送時にただちに再アクセスを行うことで、迅速に無線タグ回路素子Toに対する正しい情報書き込みを完了させることができる。
【0159】
また、本実施形態では特に、再アクセスの際に印字ヘッド31への通電がないためアンテナ204が当該通電によるノイズ等の影響を受けることがなく、一層確実に無線タグ回路素子Toに対する情報書き込みを成功させることができる。
【0160】
また、本実施形態では特に、最初のアクセス時の送信出力に比べて再アクセス時の送信出力を増大させることにより、送信出力不足による情報書き込みの失敗を回避し、これによっても再アクセス時の成功確率を向上させることができる。
【0161】
さらに、本実施形態では特に、タグテープ3Aの逆方向への搬送速度が順方向への搬送速度よりも遅くなるように制御することで、戻し搬送の際の再アクセス時の成功確率をこれによっても向上させることができる。また、アクセスが失敗しない限り通常は行わない逆方向への戻し搬送動作における確実性・安全性について万全を期すことができる。
【0162】
さらに、本実施形態では特に、印字ヘッド31などの印字手段による印字が完了した後に、無線タグ回路素子Toを逆方向へ戻し搬送する(図20のステップS155参照)ことにより、例えば印字途中で中断して戻し搬送する場合に比べ、印字中断の痕跡(いわゆるホワイトライン等の微小な印字もれ・印字ずれ・印字むらなど)が生じる畏れをなくすことができる。この結果、作成した印字付きの無線タグラベルTについて、確実に高い品質を確保することができる。
【0163】
なお、本発明は、その趣旨と技術思想の範囲を逸脱しない範囲でさらに種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を説明する。
【0164】
(1)テープ順方向搬送による再再アクセスを行う場合
上記実施形態では、最初にテープ順方向搬送駆動時にIC回路部150へのアクセスが失敗した場合、もう一度だけテープ逆方向搬送駆動により無線タグ回路素子Toを戻し搬送して再アクセスを行っていたが、これに限られず、本発明はより多くの回数で再アクセスするようにしてもよく、その場合にはテープ搬送方向を順方向と逆方向を交互に切り替えて装置側アンテナ204付近に無線タグ回路素子Toを往復させるようにする。
【0165】
本変形例における制御回路210によって行われる再々アクセス処理、書き込み失敗処理及び後処理を図23を用いて説明する。図23は本変形例の制御回路210によって実行される無線タグラベルTの作成において、そのうちの再々アクセス処理及び書き込み失敗処理と後処理だけについての詳細手順を表すフローチャートであり、上記実施形態における図22に対応する図である。本変形例における無線タグラベルTの作成処理全体としては、図20の最初のアクセス処理と図21の再アクセス処理が共通に行われ、その後に図23に示す再々アクセス処理、書き込み失敗処理及び後処理が行われる。図21、図22、図23と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0166】
まず図23のステップS305〜ステップS355の再々アクセス処理について説明する。この再々アクセス処理は、図21における上記ステップS170でメモリ部155が再書き込み不可であると判定した場合や、上記ステップ225で再アクセスによる書き込みが失敗したと判定した場合に行う。ステップS305において、無線タグ回路素子Toのメモリ部155が再再書き込み可能(3度目の書き込み可能)であるか否かを判定する。この判定は上記ステップS170と同様にして行えば足りる。判定が満たされない場合は、ステップS365の書き込み失敗処理に移る。なお、図21のステップS170ですでに再書き込みができないと判定されている場合には、このステップS305を省略してすぐにステップS365へ移るようにしてもよい。
【0167】
一方、ステップS305の判定が満たされた場合には、ステップS310に移り、タグテープ3Aを搬送させる速度を再再アクセス用の第3搬送速度に設定する。この第3搬送速度は、第2搬送速度と同じ速度としてもよいし、第2搬送速度よりも遅い速度としてもよく、再アクセス時よりも確実に書き込みが成功すると予想される速度に調整するとよい。また、このステップにおいても単位時間当たりのテープ搬送量を設定するだけであり、その搬送方向までは設定しない。
【0168】
そして、次のステップS315へ移り、無線タグ回路素子Toに対する書き込み条件を変更する。例えば上記ステップS175において、再アクセス時における送信出力を最大の6mWに設定していたところ、再々アクセス時においては最小の3mWに減少させる。このように前回のアクセスで出力過大で失敗した可能性がある場合に、送信出力を減少させることで情報書き込みの成功確率を向上させる場合があるので減少調整を行うこともまた有効である。特に、もとの定格送信出力範囲が比較的低い値(例えば2mW〜5mW)のとき、最初のアクセス時に送信出力4mWでアクセスを行い失敗した場合は、出力過大で失敗した可能性が高い。そこで再アクセス以降には前回のアクセス時よりも減少(例えば2mWまで減少)させることで、情報書き込みの成功確率を確実に向上させることができる。あるいは、無線タグ回路素子との通信速度を140kbpsに設定していたものを70kbpsへとより低速な通信速度に変更してもよい。アクセスにかかる時間は増大するもののビット誤り率が低減し、アクセスが成功する確率を向上させられる。または上記出力減少と通信速度減少とを併せて行ってもよい。
【0169】
そして、次のステップS320において、テープの搬送方向を順方向に設定し、上記第3搬送速度の設定と合わせて対応する制御信号をプラテンローラローラ駆動回路209に出力しプラテンローラ用モータ208でプラテンローラ26を順方向回転駆動しテープ順方向搬送を開始する。
【0170】
その後、上記ステップS140〜ステップS150による最初のアクセス処理と同じ行程で、ステップS330〜ステップS340による再再アクセス処理を行う。なおこの再再アクセス時は、テープ搬送の速度が低速である点と、信号出力が減少している点が最初のアクセス処理と異なっている。
【0171】
その後、ステップS345において、上記ステップS215と同様にして搬送距離判定を行った後、次のステップS350で上記ステップS160と同様にしてプラテンローラ26の回転を停止し、タグテープ3Aの搬送を停止する。
【0172】
次のステップS355において、上記ステップS330〜ステップS340の再再アクセス処理(3度目)で受信したリプライ信号に基づき、3度目の書き込みが成功したか否かを判定する。判定が満たされない場合は、ステップS365〜ステップS375の書き込み失敗処理に移り、判定が満たされた場合は次のステップS360によるテープ順方向の搬送を開始してからステップS380以降の後処理を行う。
【0173】
ステップS365〜ステップS375の書き込み失敗処理は上記実施形態のステップS235〜ステップS245の書き込み失敗処理と同等に行われるものである。また、ステップS380〜ステップS390の後処理は上記実施形態のステップS250〜ステップS260の後処理と同等に行われるものであり、上記ステップS375で書き込み失敗処理を終えた後や、書き込みが成功した場合の上記ステップS360や図21の上記ステップS230でテープ順方向の搬送を開始した後のいずれからでも行われる。そして最後のステップS390でタグテープ3Aの切断が可能であることを表示した後にこのフローを終了する。
【0174】
以上説明したように、本変形例においては、再アクセスを複数回繰り返すことでより確実に書き込みを成功させることができる。また、再アクセスを繰り返す際に無線タグ回路素子Toをタグテープ3Aごと往復させ、その往路と復路のそれぞれで再アクセスすることで迅速に再アクセスを繰り返すことができる。なお、このように再再アクセスで終わるのにもとどまらず、さらにアクセスが成功するまで所定の回数だけ繰り返すようにしてもよい。
【0175】
(2)ロール内蔵型カートリッジの場合
上記実施形態では、タグテープ3Aは巻芯3Bに巻回された開放型のタグテープロール体100に備えられていたが、これに限られず、本発明はタグテープ3Aのロールを箱体に収容して備えるロール内蔵型カートリッジで構成して用いるようにしてもよい。
【0176】
図24は、ロール内蔵型カートリッジを適用するタグラベル作成装置301の詳細構造を表す概念的構成図であり、上記実施形態における図9に対応する図である。図9と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0177】
図24において、タグラベル作成装置301の装置本体308には、凹所としてのカートリッジホルダ部(図示せず)が設けられ、このホルダ部にロール内蔵型カートリッジ(無線タグカートリッジ)400が着脱可能に取り付けられている。
【0178】
装置本体308は、カートリッジ400を嵌合させる上記カートリッジホルダ部を備えるとともに外郭を構成する筐体309と、タグテープ3Aを印字済タグテープ410としてカートリッジ400から繰り出すためのテープ送りローラ312(駆動手段)と、印字済タグテープ410に備えられる無線タグ回路素子Toとの間でUHF帯等の高周波を用いて無線通信により信号の授受を行うアンテナ314と、上記印字済タグテープ410を所定のタイミングで所定の長さに切断しラベル状の無線タグラベルTを生成するカッタ315と、上記無線通信による信号授受時において無線タグ回路素子Toをアンテナ314に対向する所定のアクセスエリアに設定保持するとともに切断後の各無線タグラベルTを案内するための一対の搬送ガイド313と、その案内された無線タグラベルTを搬出口(排出口)316へと搬送し送出する送出ローラ317と、搬出口316における無線タグラベルTの有無を検出するセンサ318とを有している。
【0179】
センサ318は、例えば投光器及び受光器からなる反射型の光電センサである。投光器と受光器との間に無線タグラベルTが存在しない場合には、その投光器から出力された光が受光器に入力される。一方、投光器と受光器との間に無線タグラベルTが存在する場合には、投光器から出力された光が遮蔽されて受光器からの制御出力が反転させられるようになっている。
【0180】
一方、装置本体308はまた、前述したテープ送りローラ312の駆動軸を駆動するカートリッジ用モータ323と、このカートリッジ用モータ323の駆動を制御するカートリッジ駆動回路324と、上記カッタ315を駆動して切断動作を行わせるソレノイド326と、そのソレノイド326を制御するソレノイド駆動回路327と、上記送出ローラ317を駆動する送出ローラ用モータ328と、この送出ローラ用モータ328を制御する送出ローラ駆動回路329と、カートリッジ400に設けた被検出部490に備えられた通信パラメータやタグ属性パラメーを検出するセンサ(第2検出手段)320とを有する。なお、カートリッジ用モータはタグテープを巻き戻す場合は後述の第1ロール402も回転駆動する。
【0181】
また、カートリッジ400は、上記タグテープ3Aが巻回された第1ロール(本変形例によるタグテープロール)402を有している。第1ロール402は、リール部材402aの周りに、長手方向に複数の無線タグ回路素子Toが所定の等間隔で連続的に順次形成された上記タグテープ3Aを巻回している。タグテープ3Aは上記実施形態で用いたものとほぼ同じ積層構造(幅が異なる)であって、ロールの外側に巻かれる側に感熱紙3cが位置し、内側に巻かれる側に剥離紙3aが位置している。
【0182】
そして、カートリッジ400が上記装置本体308のカートリッジホルダ部に装着されロールホルダ(図示せず)が離反位置から当接位置に移動されると、タグテープ3Aが印字ヘッド31とプラテンローラ408との間に狭持されるとともに、タグテープ3Aがテープ送りローラ312とサブローラ409との間に狭持される。そして、カートリッジ用モータ323の駆動力によってテープ送りローラ312が回転駆動される。このとき、前述のテープ送りローラ312と上記サブローラ409及びプラテンローラ408はギヤ(図示せず)にて連結されており、テープ送りローラ312の駆動に伴いサブローラ409、及びプラテンローラ408が回転し、第1ロール402からタグテープ3Aが繰り出される。一方、タグテープ3Aは、上記印刷駆動回路325により印字ヘッド31の複数の発熱素子が通電される。この結果、タグテープ3Aの表面(=感熱紙3cの表面)に所定の文字、記号、バーコード等の印字R(前述の図18参照)が印刷される。そして、タグテープ3Aがテープ送りローラ312及びサブローラ409により圧接されつつ送り出され、印字済タグテープ410として形成され、カートリッジ400外へと搬出される。
【0183】
図25は、上記センサ20の構成の一例を表す説明図である。
【0184】
図25において、センサ320は、この例では、凹凸形状を備えた被検出部490の識別子(カートリッジ側識別子)490A〜Dに対しバネ部材320Aで接点320Bを付勢当接させることで凹凸形状を検出するメカニカルスイッチであり、各凹凸部に対応して配置された接点320Bより制御回路210へ検出信号を出力するようになっている。
【0185】
これら識別子490A〜Dは、上記凹凸の有無によって、カートリッジ400内の上記無線タグ回路素子Toに最適な通信パラメータ(定格送信出力範囲、無線通信に使用する電波の周波数、通信プロトコル等)やタグ属性パラメータ(タグテープ3A内における無線タグ回路素子Toの配置間隔情報、テープ幅、アンテナ感度、メモリ容量、メモリ部の再書き込みの可否等を含む。)に関するパラメータデータを表している。なお、通常、1つのカートリッジ内に備えられるすべての無線タグ回路素子Toについて、上記通信パラメータ及びタグ属性パラメータはすべて同一(共通)となっている。
【0186】
図24において、識別子490A〜Dのうち、この例では、識別子490A及び識別子490Bに通信パラメータに関する情報が、識別子490C及び識別子490Dにタグ属性パラメータに関する情報が対応づけられている。
【0187】
識別子490Aは上記通信パラメータに関する情報の例として、タグテープ3Aの無線タグ回路素子Toの通信周波数(アクセス周波数、例えば915MHz、2.4GHz等)を表しており、識別子490Bは通信プロトコルのタイプ(例えばタイプA、タイプB等)を表している。
【0188】
一方識別子490Cは上記タグ属性パラメータに関する情報の例として、例えばタグテープ3Aにおけるテープ幅W(例えば36mm、48mm等)を表しており、識別子490Dは無線タグ回路素子Toの配置間隔L(例えば5cm、10cm等)を表している。
【0189】
そして制御回路210は、これら識別子490A〜Dの凹凸状態を示す接点320Bの検出信号からカートリッジ400における上記パラメータデータを知ることができ、さらにこれらパラメータデータの組み合わせから例えば前述した情報サーバより装着しているカートリッジ400の種類を検索することができる。
【0190】
なお、上記の検出手段としてのセンサ320は、メカニカルスイッチに限られず、他の方式、例えば光の反射を利用したセンサであってもよい。この場合、例えば制御回路210からの信号により発光する発光ダイオードと、その発光の各識別子における反射光を受光し対応する検出信号を制御回路210に出力するフォトトランジスタとを備えて構成することができる。また、さらに発展した光学センサとして、各種バーコード(1次元、2次元なども含む)をカートリッジ400やタグテープ3Aの剥離紙表面に記載し、タグラベル作成装置301の装置本体308に設けた読み取り装置で読み込む構成も可能である。
【0191】
また、上記メカニカルスイッチや光学センサ以外にも、カートリッジ400の本体にパラメータデータ検出用の無線タグ回路素子を備え、タグラベル作成装置1の装置本体8に設けたアンテナで読み込む構成も可能である。
【0192】
本変形例は、以上説明したようなロール内蔵型カートリッジを用いるタグラベル作成装置301に上記実施形態と同様の再アクセス処理を含めたタグラベル作成処理(図20、図21、図22)を適用するものであり、その場合には再アクセス時にソレノイド駆動回路234を介してソレノイド232のロッドに引き込み動作を行わせ印字ヘッド31をプラテンローラ408側から離間させる。またテープ逆方向搬送駆動時には、テープ送りローラ312と上記サブローラ409及びプラテンローラ408を通常の印字の場合と逆方向に回転させることで、タグテープ3Aを戻り搬送できる。このような構成の本変形例においても、上記実施形態と同等の効果が得られる。
【0193】
また、カートリッジ400に関するパラメータデータをカートリッジ400自体から取得可能にしていることで、そのための操作者による入力の手間が不要となり、かつ確実にパラメータデータを取得することができる。
【0194】
(3)情報読み取りのみを行う場合
以上においては、無線タグ回路素子ToのIC回路部150に情報書き込みを行う場合を例にとって説明したが、これに限られず、情報読み取りのみが可能な無線タグ回路素子Toを備えた無線タグラベルTのタグラベル作成装置に本発明を適用してもよい。この場合も同様の効果を得る。
【0195】
(4)タグテープの他の態様
以上は、タグテープ3Aがロールを構成し、カートリッジ3,400にそのロールが配置されてタグテープ3Aが繰り出される場合を例にとって説明したが、これに限られない。例えば、複数個の有効な(未破断の)無線タグ回路素子が少なくとも配置された長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシート(ロールに巻回されたテープを繰り出した後に適宜の長さに切断して形成したものを含む)を、所定の収納部にスタックしてカートリッジ化し、このカートリッジをタグラベル作成装置1,301側のカートリッジホルダに装着して、上記収納部から移送、搬送して印字及び書き込みを行いタグラベルTを作成するようにしてもよい。
【0196】
さらにはカートリッジ方式にも限られず、上記ロールを直接タグラベル作成装置1,301側のタグテープロール設置用ホルダ(当該テープロールに備えられたタグ属性パラメータ情報又は通信パラメータ情報を検出する第1検出手段を併設)に装着する構成や、長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシートをタグラベル作成装置1,301外より所定のフィーダ機構によって移送しタグラベル装置2内へ供給する構成も考えられる。これらの場合も、上記と同様の効果を得る。
【0197】
なお、以上で用いた「Verify」信号、「Program」信号等は、EPC globalが策定した仕様に準拠しているものとする。EPC globalは、流通コードの国際機関である国際EAN協会と、米国の流通コード機関であるUniformed Code Council(UCC)が共同で設立した非営利法人である。なお、他の規格に準拠した信号でも、同様の機能を果たすものであればよい。
【0198】
また、上記の実施形態及び各変形例では、タグラベル作成装置に通信回路を備え、有線あるいは無線による通信回線を介してルートサーバ、端末、汎用コンピュータ、及び複数の情報サーバに接続された場合を例にとって説明したが、これに限られず、タグラベル作成装置にデータベースを備えて独立して必要な情報を記憶、検索できるスタンドアローンタイプに本発明を適用してもよい。この場合も同様の効果を得る。
【0199】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0200】
【図1】本発明の一実施形態のタグラベル作成装置の概略構成を表す斜視図である。
【図2】図1に示したタグラベル作成装置の上カバーを取り外した状態を表す斜視図である。
【図3】図2に示した構造の側面図である。
【図4】図3中X−X′断面による断面図である。
【図5】図1に示したタグラベル作成装置より上カバー及びタグテープロールを取り外した状態を表す斜視図、及び図5(A)中W部の拡大斜視図である。
【図6】図1に示したタグラベル作成装置の上カバー及びタグテープロールを取り外した状態を表す後方斜視図である。
【図7】図1に示したタグラベル作成装置にテープホルダが装着された状態を、上カバーを取り外して示す側断面図である。
【図8】タグテープに備えられる無線タグ回路素子の機能的構成を表す機能ブロック図である。
【図9】タグラベル作成装置の制御系を表す概念図である。
【図10】高周波回路の詳細機能を表す機能ブロック図である。
【図11】図1に示したタグラベル作成装置に備えられたタグテープロール体の詳細構造を表す、前側上方からの斜視図、及び下側後方からの斜視図である。
【図12】テープホルダを斜め後方側からみた斜視図及び斜め前方からみた斜視図である。
【図13】テープホルダの詳細構造を表す左側面図、正面図、及び右側面図である。
【図14】図13(A)中Y−Y′断面における矢視断面図である。
【図15】図13(A)中Z−Z′断面における矢視断面図である。
【図16】位置決め保持部材のテープ判別部にタグテープの種類を表すセンサ孔の穿設例を示す図である。
【図17】テープホルダのタグラベル作成装置側への装着挙動の一例について説明するための説明図である。
【図18】無線タグラベルの外観の一例を表す上面図及び下面図である。
【図19】図18中XIX−XIX′断面による横断面図である。
【図20】無線タグラベルの作成時に、制御回路によって実行される制御手順のうち最初のアクセス処理を表すフローチャートである。
【図21】無線タグラベルの作成時に、制御回路によって実行される制御手順のうち再アクセス処理を表すフローチャートである。
【図22】無線タグラベルの作成時に、制御回路によって実行される制御手順のうち書込失敗処理と後処理を表すフローチャートである。
【図23】再々アクセス処理を行う変形例の制御回路によって実行される制御手順のうち再々アクセス処理と書込失敗処理と後処理を表すフローチャートである。
【図24】ロール内蔵型カートリッジを用いるタグラベル作成装置の制御系を表す概念図である。
【図25】パラメータデータ検出用のセンサの構成の一例を表す説明図である。
【符号の説明】
【0201】
1 タグラベル作成装置
3 テープホルダ(無線タグカートリッジ)
31 印字ヘッド(印字手段)
26 プラテンローラ(駆動手段)
201 高周波回路(アクセス情報生成手段)
202 信号処理回路(アクセス情報生成手段)
204 アンテナ(装置側アンテナ)
210 制御回路(制御手段)
212 送信部(情報送信手段)
213 受信部(情報受信手段、判定手段)
301 タグラベル作成装置
312 テープ送りローラ(駆動手段)
314 アンテナ(装置側アンテナ)
320 センサ(第2検出手段)
400 カートリッジ(無線タグカートリッジ)
S1〜4 センサ(第2検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されたタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子が配置されたタグテープを着脱可能に設置するためのタグテープ設置用ホルダと、
前記無線タグ回路素子のIC回路部との間で無線通信により情報の送受信を行う装置側アンテナと、
前記タグテープに印字を行う印字手段と、
前記タグテープに対し、少なくとも、前記印字手段による印字のための第1の方向への搬送駆動力を発生する駆動手段と、
前記IC回路部の無線タグ情報にアクセスするアクセス情報を生成するアクセス情報生成手段と、
このアクセス情報生成手段で生成した前記アクセス情報を、前記装置側アンテナを介して非接触で前記タグ側アンテナに送信し、前記IC回路部の前記無線タグ情報へのアクセスを行う情報送信手段と、
この情報送信手段による前記アクセス情報の送信後、この送信されたアクセス情報に応じて前記IC回路部より送信された返答信号を、前記タグ側アンテナを介し非接触で前記装置側アンテナで受信し、読み取りを行う情報受信手段と、
この情報受信手段で読み込んだ前記返答信号に基づき、前記情報送信手段による前記IC回路部へのアクセスが成功したか否かの判定を行う判定手段と、
この判定手段でアクセス失敗と判定された場合に、前記情報送信手段が前記IC回路部の前記無線タグ情報への再アクセスを行い、前記駆動手段が当該再アクセスのための前記第1の方向と逆の第2の方向への搬送駆動力を発生するように、それら情報送信手段及び駆動手段を制御する制御手段とを有することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項2】
請求項1記載のタグラベル作成装置において、
前記制御手段は、前記印字手段による印字が完了するまで前記第1の方向への搬送駆動力を発生した後に前記第2の方向への搬送駆動力を発生するように、前記駆動手段を制御することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載のタグラベル作成装置において、
前記制御手段は、前記駆動手段が前記第2の方向への搬送駆動力を発生しているときに前記情報送信手段が前記IC回路部の前記無線タグ情報への再アクセスを行うように、それら情報送信手段及び駆動手段を制御することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項記載のタグラベル作成装置において、
前記制御手段は、前記タグテープの前記第2の方向への搬送速度が前記第1の方向への搬送速度よりも遅くなるように、前記駆動手段を制御することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項記載のタグラベル作成装置において、
前記制御手段は、前記アクセス時と前記再アクセス時とで送信態様が異なるように、前記情報送信手段を制御することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項6】
請求項5記載のタグラベル作成装置において、
前記制御手段は、前記アクセス時の送信出力に比べて前記再アクセス時の送信出力が増大するように、前記情報送信手段を制御することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項7】
請求項5又は6記載のタグラベル作成装置において、
前記制御手段は、前記アクセス時のデータ通信速度に比べて前記再アクセス時のデータ通信速度を低速とするように、前記情報送信手段を制御することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項8】
請求項5記載のタグラベル作成装置において、
前記タグテープ設置用ホルダは、前記タグテープを巻回したタグテープロールを着脱可能に設置するためのタグテープロール設置用ホルダであり、
前記無線タグ回路素子のタグ属性パラメータ又は通信パラメータに対応して前記タグテープロールに備えられたタグ属性パラメータ情報又は通信パラメータ情報を検出する第1検出手段を設け、
前記制御手段は、前記第1検出手段の検出結果に応じて取得した前記タグ属性パラメータ又は前記通信パラメータに合致するように、前記情報送信手段を制御することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項9】
請求項5記載のタグラベル作成装置において、
前記タグテープ設置用ホルダは、前記タグテープを巻回したタグテープロールを備えた無線タグカートリッジを着脱可能なカートリッジホルダであり、
前記無線タグ回路素子のタグ属性パラメータ又は通信パラメータに対応して前記カートリッジホルダに備えられたタグ属性パラメータ情報又は通信パラメータ情報を検出する第2検出手段を設け、
前記制御手段は、前記第2検出手段の検出結果に応じて取得した前記タグ属性パラメータ又は前記通信パラメータに合致するように、前記情報送信手段を制御することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項10】
請求項8又は9記載のタグラベル作成装置において、
前記制御手段は、前記無線タグ回路素子の前記通信パラメータとして定格送信出力範囲を取得し、前記アクセス時の送信出力が所定値以下の場合には前記再アクセス時の送信出力を前記アクセス時の送信出力より大きくするように、前記アクセス時の送信出力が所定値より大きい場合には前記再アクセス時の送信出力を前記アクセス時の送信出力より小さくするように、前記情報送信手段を制御することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項11】
請求項10記載のタグラベル作成装置において、
前記制御手段は、前記アクセス時の送信出力が前記定格送信出力範囲の略中央値以下の場合には前記再アクセス時の送信出力を前記アクセス時の送信出力より大きくするように、前記アクセス時の送信出力が前記定格送信出力範囲の略中央値より大きい場合には前記再アクセス時の送信出力を前記アクセス時の送信出力より小さくするように、前記情報送信手段を制御することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項12】
請求項10又は11記載のタグラベル作成装置において、前記制御手段は、前記再アクセス時のデータ通信速度を前記アクセス時のデータ通信速度より低速とするように、前記情報送信手段を制御することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項13】
請求項8又は9記載のタグラベル作成装置において、
前記制御手段は、前記無線タグ回路素子の前記タグ属性パラメータとして当該無線タグ回路素子の前記IC回路部が再書込み可能かどうかを判定し、その判定が満たされた場合に、前記再アクセスとしての再書き込みを行うように前記情報送信手段を制御することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項14】
請求項8又は9記載のタグラベル作成装置において、
前記制御手段は、前記タグ属性パラメータとしての前記タグテープにおける複数の前記無線タグ回路素子の配置間隔に応じて、前記駆動手段による前記タグテープの前記第2の方向への搬送量を決定することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項15】
請求項1乃至14のいずれか1項記載のタグラベル作成装置において、
前記制御手段は、
前記情報受信手段が、前記情報送信手段が前記IC回路部の前記無線タグ情報への再アクセスを行ったのに応じて前記IC回路部より送信された再返答信号を、前記タグ側アンテナを介し非接触で前記装置側アンテナで受信し、読み取りを行い、
前記判定手段が、前記情報受信手段で読み込んだ前記再返答信号に基づき、前記情報送信手段による前記IC回路部への再アクセスが成功したか否かの判定を行い、
前記駆動手段が、前記判定手段で再アクセス失敗と判定された場合に、前記第1の方向への搬送駆動力を発生し、
この搬送駆動力によって前記タグテープが前記第1の方向へと搬送されるときに、前記印字手段が、前記再アクセス失敗に対応した所定の印字を行うように、
それら情報受信手段、判定手段、駆動手段、及び印字手段を制御することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項16】
請求項1乃至14のいずれか1項記載のタグラベル作成装置において、
前記制御手段は、
前記情報受信手段が、前記情報送信手段が前記IC回路部の前記無線タグ情報への再アクセスを行ったのに応じて前記IC回路部より送信された再返答信号を、前記タグ側アンテナを介し非接触で前記装置側アンテナで受信し、読み取りを行い、
前記判定手段が、前記情報受信手段で読み込んだ前記再返答信号に基づき、前記情報送信手段による前記IC回路部への再アクセスが成功したか否かの判定を行い、
この再アクセス後において前記判定手段で再度アクセス失敗と判定された場合に、前記駆動手段による前記第1の方向又は前記第2の方向への搬送駆動力の発生を順次切り替えながら、前記情報送信手段による前記IC回路部の前記無線タグ情報へのさらなるアクセス、前記情報受信手段による当該アクセスに応じた返答信号の受信読み取り、前記判定手段による当該アクセスが成功したか否かの判定を、アクセス成功と判定されるまで所定回数だけ繰り返すように、前記駆動手段、前記情報送信手段、前記情報受信手段、前記判定手段を制御することを特徴とするタグラベル作成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2006−343894(P2006−343894A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−167643(P2005−167643)
【出願日】平成17年6月8日(2005.6.8)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】