説明

タッチスイッチ

【課題】部品点数が少なく、見栄えが良いタッチスイッチを提供する。
【解決手段】
ガラス基板2の内面に、第1及び第2の線状配線3,4からなる格子パターンを形成し、このパターンの線状配線に分離部5を設けることで、センサ部6とダミーセンサ部7を互いに隣接して形成する。その上にマーク11を含む絶縁部材10を形成し、ガラス基板2の外面を操作者等がタッチするようにする。絶縁部材10とマーク11を一体化したため、部品点数を少なくできる。また、ガラス基板2の外面を操作者等がタッチするとともに分離部5の境界を目立たなくできるため、見栄えが良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極に対応する所定の部位に、操作者の指や手などが接近したことを静電容量の変化に基づいて検出するタッチスイッチ(タッチキーやタッチセンサとも称する)に関する。
特に部品点数が少なく、見栄えが良いタッチスイッチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、静電容量型タッチスイッチが開示されている。図9に示すように、このタッチスイッチは、操作キーとなるべき接触用小領域(以下、キーエリアと称する)102が表示された操作パネル101と、前記操作パネル101の下にあって、前記キーエリア102の中心と一致させて静電容量スイッチの検出部となるべき導電パターン104が重ねて形成された多層基板103とから構成される。そして、操作パネル101上のキーエリア102を指先で接触すれば、導電パターン104に対応する静電容量スイッチを動作させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平2−128336
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図9で示したような従来の構造のタッチスイッチによれば、マーク(0、#など)を含むキーエリア102を形成した操作パネル101と、静電容量スイッチの検出部となるべき導電パターン104を形成した多層基板103が別々に必要となるため、部品点数が多くなるという問題があった。また、キーエリア102に操作者の指先が接触するため、キーエリア102のマークが磨耗して見栄えが悪くなるという問題があった。
【0005】
本発明は、以上説明した従来技術における問題点を解決するためになされたものであり、部品点数が少なく、見栄えが良いタッチスイッチを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載されたタッチスイッチは、基板と、複数本の線状配線によって前記基板の上に形成されたパターンと、前記線状配線の上に形成された非透光性の絶縁部材を有するタッチスイッチであって、前記パターンの前記線状配線に分離部を設けることにより、電気的に独立したセンサ部及びダミーセンサ部を互いに隣接して形成し、前記非透光性の絶縁部材と透光性の開口部によってマークが形成され、前記マークは前記センサ部に対応した位置に配置されることを特徴としている。
ここで、電気的に独立したセンサ部及びダミーセンサ部を互いに隣接して形成するとは、センサ部と他のセンサ部、センサ部とダミーセンサ部、ダミーセンサ部と他のダミーセンサ部を互いに直接隣接して形成する場合だけでなく、それらの間(分離部)に引き出し配線(センサ部の引き出し配線及び/又はダミーセンサ部の引き出し配線)を配置した状態で互いに隣接して形成する場合を含むものとする。
請求項2に記載されたタッチスイッチは、請求項1に記載のタッチスイッチにおいて、前記パターンは複数本の第1の線状配線及び複数本の第2の線状配線によって前記基板の上に形成された格子パターンであり、前記複数本の第1の線状配線は互いに所定間隔をおいて配置され、前記複数本の第2の線状配線は前記第1の線状配線と交差するように互いに所定間隔をおいて配置されることを特徴としている。
【0007】
請求項3に記載されたタッチスイッチは、請求項1に記載のタッチスイッチにおいて、前記絶縁部材と、前記絶縁部材の中に設けられるとともに前記マークに対応する形状を有する前記開口部によって、前記マークが形成されることを特徴としている。
【0008】
請求項4に記載されたタッチスイッチは、請求項1に記載のタッチスイッチにおいて、前記開口部と、前記開口部の中に設けられるとともに前記マークに対応する形状を有する前記絶縁部材によって、前記マークが形成されることを特徴としている。
【0009】
請求項5に記載されたタッチスイッチは、請求項1に記載のタッチスイッチにおいて、前記絶縁部材は、第1の絶縁部材と第2の絶縁部材からなり、前記マークに対応する形状を有する前記第1の絶縁部材と、前記開口部を間に挟んで該第1の絶縁部材の周囲に設けられた前記第2の絶縁部材によって、前記マークが形成されることを特徴としている。
【0010】
請求項6に記載されたタッチスイッチは、請求項2乃至5の何れか一項に記載のタッチスイッチにおいて、前記分離部は前記複数本の第1の線状配線に設けられており、分離された前記第1の線状配線の一方の端部と、分離された前記第1の線状配線の他方の端部又は前記第2の線状配線が、分離部を挟んで隣接していることを特徴としている。
【0011】
請求項7に記載されたタッチスイッチは、請求項2乃至5の何れか一項に記載のタッチスイッチにおいて、前記分離部は前記複数本の第2の線状配線に設けられており、分離された前記第2の線状配線の一方の端部と、分離された前記第2の線状配線の他方の端部又は前記第1の線状配線が、分離部を挟んで隣接していることを特徴としている。
【0012】
請求項8に記載されたタッチスイッチは、請求項2乃至5の何れか一項に記載のタッチスイッチにおいて、前記分離部は前記複数本の第1の線状配線又は前記複数本の第2の線状配線に設けられており、前記センサ部の引き出し配線は前記センサ部を構成する一方の前記線状配線に接続され、前記センサ部の引き出し配線は前記分離部を通って前記ダミーセンサ部の外に導出され、前記センサ部の引き出し配線は前記第1の線状配線の端部又は前記第2の線状配線の端部と、前記分離部を挟んで隣接していることを特徴としている。
【0013】
請求項9に記載されたタッチスイッチは、請求項1乃至5の何れか一項に記載のタッチスイッチにおいて、前記基板の前記センサ部を形成した面と反対側の面に塗膜が設けられており、前記塗膜はビーズを混入した樹脂からなり、少なくとも一部の前記ビーズが前記塗膜の表面に露出していることを特徴としている。
【0014】
請求項10に記載されたタッチスイッチは、請求項1乃至5の何れか一項に記載のタッチスイッチにおいて、外部の接続部材と前記スイッチ電極用配線及び前記ダミー電極を接続する複数の接続端子が設けられており、前記センサ部、前記ダミー電極、前記接続端子を含む前記基板上のすべての金属薄膜は、同じ金属材料から形成されていることを特徴としている。
【0015】
請求項11に記載されたタッチスイッチは、請求項1乃至5の何れか一項に記載のタッチスイッチにおいて、前記マークを透過照明する照明光源が設けられており、前記マークに対応して前記照明光源を配設することを特徴としている。
【0016】
請求項12に記載されたタッチスイッチは、請求項11に記載のタッチスイッチにおいて、前記照明光源は複数色で発光可能であり、タッチと判定した前記スイッチ電極の発光色を順次変化させることを特徴としている。
【0017】
請求項13に記載されたタッチスイッチは、請求項11に記載のタッチスイッチにおいて、すべての前記照明光源を所定の色で発光させておき、タッチと判定した前記スイッチ電極に対応した前記照明光源のみを他の色で発光させることを特徴としている。
【0018】
請求項14に記載されたタッチスイッチは、請求項10に記載のタッチスイッチにおいて、前記マークの裏面に前記金属薄膜と異なる色の非発光部材が設けられていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
請求項1又は請求項2に記載されたタッチスイッチによれば、非透光性の絶縁部材(遮光性の絶縁部材)とマークを一体化したため、部品点数を少なくすることが可能となる。次に、基板上のパターン(金属薄膜)を形成した面と反対側の面を操作者等がタッチするため、マークが磨耗せずに見栄えを良くすることが可能となる。また、電極と電極の境界が視認しにくいために見栄えを良くする事が可能となる。他にも、非透光性の絶縁部材は、線状配線の保護部材を兼用させることが可能となる。さらには、隣接する電極間の容量が低減できるため、電極へのタッチ判定の精度を向上させることが可能となる。最後に、マークを非透光性の絶縁部材で形成するため、いろいろな形状のマークを容易に形成することが可能となる。非透光性の絶縁部材を着色すれば、いろいろな色のマークを容易に形成することが可能となる。
【0020】
請求項3乃至請求項5に記載されたタッチスイッチによれば、マークは、絶縁部材と開口部{絶縁部材、開口部、マーク(所定の意匠部分)に対応する形状を有する絶縁部材又はマーク(所定の意匠部分)に対応する形状を有する開口部の組み合わせ}により形成されているため、いろいろな形状のマークやいろいろな組み合わせのマークを、顧客の嗜好に合わせて、容易に形成することが可能となる。
【0021】
請求項6乃至請求項8に記載されたタッチスイッチによれば、各線状配線(第1の線状配線、第2の線状配線、センサ部の引き出し配線)の端部どうし又は一方の端部と他方の線状配線が分離部を挟んで隣接する構造となるため、各線状配線間の容量を低減することが可能となる。特に、分離部を目立たないようにして見栄えを良くするためには、分離部を可能な限り狭くする必要がある。この場合、各線状配線間の容量が増加するため、これらの電極構造を用いると好適である。
【0022】
請求項9に記載されたタッチスイッチによれば、基板のセンサ部を形成した面と反対側の面にビーズを混入した樹脂からなる塗膜が設けられ、擬似エッチング(ノングレア)された状態となるため、操作者のタッチによる指紋を見え難くし、基板表面の反射を防止し、見栄えを良くすることが可能となる。また、ビーズによる表面の微小な凹凸により、操作者のタッチ感を向上させることが可能となる。
【0023】
請求項10に記載されたタッチスイッチによれば、センサ部、ダミーセンサ部、センサ部の引き出し配線及び接続端子を含む基板上のすべての金属薄膜は同じ金属材料から形成されているため、材料の種類が増えず、コストを抑えることができる。また、一括形成(同一の製造工程で形成)することができるので、容易に形成することが可能となる。
【0024】
請求項11に記載されたタッチスイッチによれば、マークを透過照明する照明光源がマークに対応して設けられているので、マークを視認し易くすることが可能となる。また、マークを光が透過するか又は光が透過しないマークを浮かび上がらせるか、顧客の嗜好に合わせたマークの表示形態を選択することが可能となる。
【0025】
請求項12に記載されたタッチスイッチによれば、照明光源は複数色で発光可能であり、タッチと判定したセンサ部の発光色を順次変化させるため、マークを視認し易くするとともに、タッチと判定したセンサ部を容易に判別することが可能となる。
【0026】
請求項13に記載されたタッチスイッチによれば、すべての照明光源を所定の色で発光させておき、タッチと判定したセンサ部に対応した照明光源のみを他の色で発光させるため、マークを視認し易くするとともに、タッチと判定したセンサ部を容易に判別することが可能となる。
【0027】
請求項14に記載されたタッチスイッチによれば、マークの裏面に金属薄膜と異なる色の非発光部材が設けられているため、マークを視認し易くすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態に係るタッチスイッチの平面図である。
【図2】図1のX−X切断線におけるタッチスイッチの断面図である。
【図3】図1のY−Y切断線におけるタッチスイッチの断面図である。
【図4】図1のZ領域におけるタッチスイッチの部分拡大図である。
【図5】図1のタッチスイッチの部分拡大図である。
【図6】本発明の実施形態に係るタッチスイッチの断面図である。
【図7】本発明の実施形態に係るタッチスイッチの動作原理図である。
【図8】本発明の実施形態に係るタッチスイッチの回路図である。
【図9】従来のタッチスイッチの構成例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(一実施形態)
以下、本発明の一実施形態について、図1乃至図8を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態を示すタッチスイッチの平面図である。図2は、図1のX−X切断線におけるタッチスイッチの断面図である。図3は、図1のY−Y切断線におけるタッチスイッチの断面図である。図4は、図1のZ領域における部分拡大図である。なお、同じ図の中に同じ構成要素が複数ある場合、原則として、その中の1つのみに番号を付与している。
【0030】
図1乃至図3に示すタッチスイッチ1は、ガラス基板2の内面上(同一平面上)に、第1の線状配線3及び第2の線状配線4の格子パターンに分離部5を設けることによって形成された複数のセンサ部6及び複数のダミーセンサ部7と、各センサ部6に一端が接続されたセンサ部6の引き出し配線8a及び各ダミーセンサ部7に一端が接続されたダミーセンサ部7の引き出し配線8bからなる引き出し配線8と、引き出し配線8の他端が接続される複数の接続端子9が各々形成されている。また、これらの配線及び端子(センサ部6、ダミーセンサ部7、引き出し配線8、接続端子9)は、金属薄膜から形成されている。また、それらの上面(ガラス基板2の内面上を含む)には、非透光性の絶縁部材10が形成されている。
なお、基板は、ガラス基板に限られず、透光性(透明又は半透明を含む)基板でも良い。
また、パターンの形状は、格子パターンに限らず、例えばハニカム形状や多角形形状(三角形、六角形、八角形など)のパターンでも良い。言い換えると、複数の連続する同一又は異なる所定形状(多角形、円形状など)の抜き部分を内部に含んだ金属薄膜のパターンでも良い。これらを含めて、(互いに接続した)複数本の線状配線によって形成されたパターンと定義する。
【0031】
図4に示すように、タッチスイッチ1の電極構造は、所定間隔をおいて互いに平行に配置された複数本の第1の線状配線3(横方向に平行な配線)と、第1の線状配線3と直交するように、第1の線状配線3と同一の間隔をおいて互いに平行に配置された複数本の第2の線状配線4(縦方向に平行な配線)から構成される正方形の格子パターンを基本パターンとして備えている。この格子パターンはガラス基板2の内面上に金属薄膜(導体)で一体に形成されており、その線状配線の一部に断線した分離部5を設けることにより、電気的に独立した複数のセンサ部6及び複数のダミーセンサ部7が互いに隣接して形成されている。なお、複数本の第1の線状配線3及び複数本の第2の線状配線4は互いに平行であるとしたが、かかる表現は幾何学的に完全な平行な配置のみを意味して他を排除する意図ではなく、実施形態における線状配線の平行なパターン配置の中には、配線パターン作成上の誤差等や、その他の理由による平行からのある程度の逸脱が含まれてもよい。
【0032】
すなわち、隣接している複数本の第1の線状配線3の横方向の同一位置に分離部5を設け、また隣接している複数本の第2の線状配線4の縦方向の同一位置に分離部5を設けることにより、これら第1及び第2の線状配線3,4の分離部5を境として、格子パターンは、電気的に独立したセンサ部6の領域とダミーセンサ部7の領域に分離されている。
【0033】
図1では、センサ部6は、電気的に独立した状態でガラス基板2の中央部分に12個(縦6列×横2段)配設されている。また、ダミーセンサ部7は、センサ部6の周囲(全周)にそのセンサ部6を取り囲むように4個配設されている。
【0034】
4個のダミーセンサ部7の内、1個のダミーセンサ部7はC字形状であり、引き出し配線8bを介して左から1番目の接続端子9に接続されている。このダミーセンサ部7は、12個のセンサ部6の内、8個と対向している。すなわち、このダミーセンサ部7は、上段左端・上段右端・下段右端の3個のセンサ部6に対して、分離部5を介して、それらのセンサ部6の2つの側面で対向している。同様に、このダミーセンサ部7は、上段左端及び上段右端を除く上段の4個のセンサ部6及び下段左端のセンサ部6(合計5個)に対して、分離部5を介して、(一部ではセンサ部6の引き出し配線8aを間に挟んで)それらのセンサ部6の1つの側面で対向している。
【0035】
他の3個のダミーセンサ部7の内、1つ目のダミーセンサ部7は、引き出し配線8bを介して左から6番目の接続端子9に接続されている。このダミーセンサ部7は、12個のセンサ部6の内、3個と対向している。すなわち、下段の左から1乃至3番目の3個のセンサ部6に対して、分離部5を介して、それらのセンサ部6の1つの側面(下側面)で対向している。
【0036】
また、2つ目のダミーセンサ部7は、引き出し配線8bを介して左から11番目の接続端子9に接続されている。このダミーセンサ部7は、12個のスイッチ電極3の内、1個と対向している。すなわち、下段の左から4番目のセンサ部6に対して、分離部5を介して、そのセンサ部6の1つの側面(下側面)で対向している。同様に、3つ目のダミーセンサ部7は、引き出し配線8bを介して左から14番目の接続端子9に接続されている。このダミーセンサ部7は、下段の左から5番目のセンサ部6に対して、分離部5を介して、そのセンサ部6の1つの側面(下側面)で対向している。
【0037】
このように、各センサ部6の周囲は、分離部5を挟んで、他のセンサ部6及びダミーセンサ部7に隣接(対向)していることになる。また、12個のセンサ部6群の最外周は、4個のダミーセンサ部7に隣接していることになる。これによれば、センサ部6の周囲に電位が浮いている電極・配線などがなくなり、センサ部6の誤反応の防止に有効である。
【0038】
上記のダミーセンサ部7は、接地又は所定電位(例えば、センサ部6と同電位)に固定されている。これにより、ダミーセンサ部7自体に電荷が蓄積されるのを防止し、センサ部6の誤反応を防止することが可能となる。なお、ダミーセンサ部7がない場合、センサ部6に隣接した位置でガラス基板2が帯電すると、センサ部6が誤反応をおこしてしまう。
【0039】
センサ部6の引き出し配線8aは、12個のセンサ部6に対応して、12本配設されている。この引き出し配線8aは、センサ部6を構成する一方の線状配線3,4に接続される。また、引き出し配線8aは、2つのセンサ部6の間、2つのダミーセンサ部7の間、又は、センサ部6とダミーセンサ部7の間のそれぞれの分離部5を通って、前記ダミーセンサ部7の外に導出され、接続端子9に接続されている。
【0040】
引き出し配線8aは、容量を減らし、誤って触れたときにタッチ判定されないようにするため、一本のラインで形成するのが望ましい。この引き出し配線8aは、その幅(太さ)が線状配線3,4の幅よりも大きく設定されている。これにより、製造工程での断線確率を減少させることが可能となる。なお、センサ部6を構成する線状配線3,4の一部をそのまま引き出し配線8aとして用いても良い。
【0041】
図1では、左から1番目の引き出し配線8aは、一端が上段左端のセンサ部6(センサ部6の一方の線状配線)とその左下の隅で接続されており、他端が左から2番目の接続端子9に接続されている。
同様にして、2番目の引き出し配線8aは、一端が上段左から2番目のセンサ部6とその左下の隅で接続されており、他端が左から3番目の接続端子9に接続されている。
3番目の引き出し配線8aは、一端が下段左から2番目のセンサ部6とその左上の隅で接続されており、他端が左から4番目の接続端子9に接続されている。
4番目の引き出し配線8aは、一端が下段左端のセンサ部6とその左下の隅で接続されており、他端が左から5番目の接続端子9に接続されている。
【0042】
5番目の引き出し配線8aは、一端が下段左から3番目のセンサ部6とその右下の隅で接続されており、他端が左から7番目の接続端子9に接続されている。
6番目の引き出し配線8aは、一端が上段左から3番目のセンサ部6とその右下の隅で接続されており、他端が左から8番目の接続端子9に接続されている。
7番目の引き出し配線8aは、一端が上段左から4番目のセンサ部6とその左下の隅で接続されており、他端が左から9番目の接続端子9に接続されている。
8番目の引き出し配線8aは、一端が下段左から4番目のセンサ部6とその左下の隅で接続されており、他端が左から10番目の接続端子9に接続されている。
【0043】
9番目の引き出し配線8aは、一端が上段左から5番目のセンサ部6とその左下の隅で接続されており、他端が左から12番目の接続端子9に接続されている。
10番目の引き出し配線8aは、一端が下段左から5番目のセンサ部6とその左下の隅で接続されており、他端が左から13番目の接続端子9に接続されている。
11番目の引き出し配線8aは、一端が上段右端のセンサ部6とその左下の隅で接続されており、他端が左から15番目の接続端子9に接続されている。
12番目の引き出し配線8aは、一端が下段右端のセンサ部6とその左下の隅で接続されており、他端が左から16番目の接続端子9に接続されている。
【0044】
ダミーセンサ部7は、引き出し配線8bを含んでいる。ダミーセンサ部7の引き出し配線8bは、4個のダミーセンサ部7に対応して、配設されている。引き出し配線8bは、一端がダミーセンサ部7(ダミーセンサ部7の一方の線状配線)と接続されており、他端が接続端子9に接続されている。この引き出し配線8bは、引き出し配線8aと同じ太さの複数本のラインで形成されている。なお、引き出し配線8bは、引き出し配線8aと同じ太さ又はそれよりも太い1本のラインで形成されていても良い。
【0045】
引き出し配線8aは、引き出し配線8bを間に挟んで、複数本ずつ分割(4本×2組、2本×2組)して接続端子9に接続されている。これにより、すべての引き出し配線8aを互いに隣接させて接続端子9に接続する場合と比較して、隣接する配線のノイズの影響を低減できる。
【0046】
以上のように構成されたセンサ部6と他のセンサ部6の境界、又は、センサ部6とダミーセンサ部7の境界では、以下のような電極構造となる。
(1)分離部5が複数本の第1の線状配線3に設けられている場合
・複数本の第1の線状配線3の一方の端部と、複数本の第1の線状配線3の他方の端部が、分離部5を挟んで隣接する。又は、
・複数本の第1の線状配線3の一方の端部と、他方の第2の線状配線4が、分離部5を挟んで隣接する。
(2)分離部5が複数本の第2の線状配線4に設けられている場合
・複数本の第2の線状配線4の一方の端部と、複数本の第2の線状配線4の他方の端部が、分離部5を挟んで隣接する。又は、
・複数本の第2の線状配線4の一方の端部と、他方の第1の線状配線3が、分離部5を挟んで隣接する。
【0047】
同様にして、このように構成されたセンサ部6と引き出し配線8aの境界、又は、ダミーセンサ部7と引き出し配線8aの境界では、以下のような電極構造となる。
(1)分離部5が複数本の第1の線状配線3に設けられている場合(分離部5を通る引き出し配線8aが複数本の第2の線状配線4と平行な場合)
・引き出し配線8aは、複数本の第1の線状配線3の端部と、分離部を挟んで隣接する。
(2)分離部5が複数本の第2の線状配線4に設けられている場合(分離部5を通る引き出し配線8aが複数本の第1の線状配線3と平行な場合)
・引き出し配線8aは、複数本の第2の線状配線4の端部と、分離部を挟んで隣接する。
【0048】
接続端子9は、引き出し配線8に対応して、16個配設されている。接続端子9は、一端が引き出し配線8と接続されており、他端が外部の接続部材と接続される。また、接続端子9は、ガラス基板2の周囲の一面側(下側面)で隣接して互いが平行になるように配設されている。なお、引き出し配線8が接続端子9を兼用しても良い。
【0049】
絶縁部材10は、接続端子9を除き、分離部5、センサ部6、ダミーセンサ部7及び引き出し配線8の全面に設けられている。これにより、絶縁部材10は、各配線を保護している。また、絶縁部材10は、マーク11の機能を兼用している。
【0050】
図5は、タッチスイッチの部分拡大図である。図5において、開口部OPと絶縁部材10からなるマーク11は、いずれもセンサ部6に対応した位置に設けられている。図5(a)は、図1のマーク11の部分拡大図である。図5(b)および図5(c)は、マーク11の変形例である。なお、図5では、図1で説明したタッチスイッチ1の内、マーク11のみを模式的に図示しており、他の電極等は図示を省略している。
【0051】
図5(a)において、マーク11は、絶縁部材10と、その絶縁部材10の中に設けられるとともにマーク11に対応する形状(所定の意匠部分に対応する形状)を有する開口部OPから形成されている。この開口部OPは、センサ部6に対応する位置(センサ部6の中央部)に形成された三角形の開口部OPと、その周りに形成された枠の開口部OPからなる。
【0052】
図5(b)において、マーク11は、開口部OPと、その開口部OPの中に設けられるとともに前記マーク11に対応する形状(所定の意匠部分に対応する形状)を有する絶縁部材10から形成されている。この絶縁部材10は、センサ部6に対応する位置(センサ部6の中央部)に形成された三角形状の絶縁部材10と、その周りに形成された枠状の絶縁部材10からなる。
【0053】
図5(c)において、マーク11は、中央部に形成された三角形状(所定の意匠部分に対応する形状)の絶縁部材10A(第1の絶縁部材)と、開口部OP1を間に挟んでその周囲に設けられた絶縁部材10B(第2の絶縁部材)と、その絶縁部材10Bの周囲に開口部OP2を間に挟んで設けられた枠状(所定の意匠部分に対応する形状)の絶縁部材10C(第1の絶縁部材)と、その周囲に開口部OP3を間に挟んで設けられた枠状の絶縁部材10D(第2の絶縁部材)からなる。
【0054】
なお、図1に示したタッチスイッチの構造例では、ガラス基板2の大きさは、縦35mm、横95mm、厚さ1.8mmである。また、金属薄膜の膜厚は1.1μmである。非透光性の絶縁部材10の膜厚は、10μmである。
【0055】
センサ部6の大きさは、縦15mm、横15mmである。また、引き出し配線8の幅は、30μmである。線状配線3,4の格子パターンは、線幅15μm、線ピッチ180μmである。さらに、接続端子9の大きさは、縦4mm、横0.5mmである。
【0056】
センサ部6とセンサ部6の間隔と、センサ部6とダミーセンサ部7の間隔は、通常0.2mmである。また、各電極と各配線の間隔は、最低60μmにしている。接続端子9と接続端子9の間隔は、0.5mmである。
【0057】
以上のようなタッチスイッチ1の金属薄膜は、ソーダライムガラス等からなるガラス基板2の内面上に、アルミニウム、アルミニウム合金(アルミニウム−タンタル等)、ニオビウム、モリブデン、金、銀、銅などの材料(非透光性導電膜)をスパッタリング法や蒸着法やCVD法で全面蒸着し、これをフォトリソグラフィー法によりパターニングすることで形成できる。又は、ガラス基板2の内面上に、正方形の格子パターン(線状配線よりも太い引き出し配線8を含む)を形成し、その後に線状配線の不要部分を削除して分離部5を設けることによって形成することもできる。
【0058】
また、非透光性の絶縁部材10(絶縁層)は、低軟化点ガラスフリットに黒色顔料や白色顔料などの着色用顔料を混合したペーストを印刷、焼成して形成する。
上記のガラス基板2は、透光性を有している。ガラス基板2は、着色されていないが、着色されていてもよい。このガラス基板2の厚さは、数mm以下(10mm未満)であり、センサ部の感度を考慮すると3mm以下が好ましい。
【0059】
なお、上記の金属薄膜は、膜厚2μm以下の金属膜である。また、ガラス基板2上の形成された金属薄膜には、図示していない位置合わせマーク、ガラス基板の切断位置を示すマーク、型名、製造ロット番号などが含まれる。
【0060】
また、上記の金属薄膜は、異なる金属材料から形成することも可能である。しかし、同じ金属材料から形成すれば、製造工程を単純化して、コストを削減できる。ここで、同じ金属材料には、製造工程中における同じタッチスイッチ内の金属組成バラツキ等が含まれてもよい。また、強化ガラス基板を用いる場合、同じ金属材料を使用して製造工程を簡略化すれば、加熱・冷却回数を少なくできるため、強化ガラスの強度を維持することが可能となる。
【0061】
以上のような構造のタッチセンサ1によれば、正方形の格子パターンの線状配線3,4(共通の格子パターンの一部)に分離部5を設けることにより、所定間隔をおいて隣接することにより電気的に独立したセンサ部6とダミーセンサ部7を形成したので、センサ部6とセンサ部6又はダミーセンサ部7のギャップが平行な2本の線状の導体で囲まれた帯形状となることはない。すなわち、センサ部6とセンサ部6又はダミーセンサ部7が対峙してコンデンサを構成する寸法が短くなるので、ベース容量が小さくなって検出感度を向上させることができる。
【0062】
また、引き出し配線8aとセンサ部6又はダミーセンサ部7の関係についても同様であり、平行な2本の線状の導体で囲まれた帯形状となることはない。
【0063】
従って、センサ部6とセンサ部6又はダミーセンサ部7の境界、及び引き出し配線8aとセンサ部6又はダミーセンサ部7の境界は視認しにくくなるので見栄えがよい。
【0064】
また隣り合うセンサ部6とセンサ部6又はダミーセンサ部7の間の容量、及び引き出し配線8aとセンサ部6又はダミーセンサ部7の間の容量は十分に小さくなるので、タッチ時と非タッチ時の容量の変化からタッチの有無を判断する精度を感度調整によって大きく向上させることが可能となる。
【0065】
なお、静電容量型タッチスイッチにおいては、一般的には非タッチ判定時のカウント値(ベース容量)が低く、タッチ判定時(タッチしていないが非常に近接していてタッチと判定する状態を含む)の変化値(変化容量)が大きいものが理想的であるとされている。上記のように、容量を低減することは、ベース容量を低くすることにつながる。
【0066】
なお、格子パターンは正方形に限らず、第1及び第2の線状配線が直角以外の角度で交差する例えば菱形等の格子パターンでもよい。
【0067】
また、引き出し配線8aは、線状配線2及び/又は線状配線3に平行に引き出せば目立たない。
【0068】
また、以上説明した実施形態においては、分離部5の幅は、線状配線3,3相互の配置間隔及び線状配線4,4相互の配置間隔よりも狭くなっており、また線状配線3,4の各幅よりも広くなっている。これにより、センサ部6とセンサ部6又はダミーセンサ部7の境界(または引き出し配線8aとセンサ部6又はダミーセンサ部7の境界)では、必ず線状配線3,4の端部どうしが分離部5を挟んで隣接するか、または一方の線状配線の端部と他方の線状配線が分離部5を挟んで隣接する構造となるので好ましい。
【0069】
図6は、図1のタッチスイッチの内面にマークを透過照明する照明光源を配設した構成例を示す断面図である(図1のX−X切断線におけるタッチスイッチの断面図に対応する)。なお、図6では、図1で説明したタッチスイッチ1の内、ガラス基板2とその上に形成された(マーク11を含む)センサ部6のみを模式的に図示しており、他の電極等は図示を省略している。
【0070】
図6に示すように、ガラス基板2の内面側のセンサ部6に対応した位置に、筒状のケース12が絶縁層10に接触した状態で配設されている。このケース12は非透光性の材料(遮光性の材料)からなる。また、ケース12の中に、照明光源13が設けられている。ここでは、照明光源13としてLEDを用いている。このLEDと絶縁部材10の間に、LEDからの光のムラを取るための拡散板14が配設されている。筒状のケース12により、LEDの発光が、センサ部6以外の領域に漏れてガラス基板2の外面から視認されるのを防止している。
【0071】
この照明光源13への通電は、プリント基板15を介して行われる。照明光源13への通電(ON)、通電遮断(OFF)により、マーク11に対する透過照明の有無を制御する。この照明光源13(LED、拡散板14、筒状のケース12を含む)は、マーク11(絶縁部材10)に対応して複数個配設されている。図6では、マーク11に対して、12個(1対1の割合)配設されている。
【0072】
ここで、マーク11が絶縁部材10とその中に設けられたマーク11に対応する形状を有する開口部OPから形成される場合、開口部OPを光が透過すると、開口部OP(マーク11)が発光しているように見える。また、マーク11が開口部OPとその中に設けられたマーク11に対応する形状を有する絶縁部材10から形成される場合、絶縁部材10の輪郭の外側の開口部OPを光が透過すると、光が透過しない絶縁部材10(マーク11)が浮かび上がって見える。さらに、マーク11が第1の絶縁部材と開口部OPを間に挟んでその周囲に設けられた第2の絶縁部材から形成される場合、開口部OPを光が透過すると、光が透過しない第1の絶縁部材(マーク11)が浮かび上がって見えるとともに開口部OP(マーク11)が発光しているように見える。このようにして、マーク11を明瞭に視認することが可能となる。
【0073】
上記プリント基板15、筒状のケース12、タッチスイッチ1は、実際には図示しない本体ケースに覆われている。この本体ケースにより、タッチスイッチ1のセンサ部6の領域は外部から見えるが、それ以外の領域(ダミーセンサ部7や接続端子9など)は外部から見えないように覆われる。
【0074】
ここで、図6の照光式タッチスイッチにおいては、プリント基板15の上にLEDの駆動回路等の回路素子を実装し、その上に筒状のケース12を介して拡散板14やタッチスイッチ1を実装していく。このプリント基板15には、タッチスイッチ1のガラス基板2に実装されない各種回路が実装され、ガラス基板2の接続端子9とプリント基板15はフレキシブルケーブル16a及びコネクタ16b(外部との接続部材16)を介して接続されている。また、接続端子9とフレキシブルケーブル16aは、図示しない異方性導電フィルム等で接続されている。
【0075】
図7は、本発明の実施形態に係るタッチスイッチの動作原理図である。図7に示すように、タッチ検出部17はパルス発生器18と、比較回路19と、この比較回路19の一方の入力側とパルス発生器18との間に接続されるコンデンサCを有し、上記パルス発生器18と比較回路19の他方の入力側との間にセンサ部6が接続されている。
【0076】
前記センサ部6に相当するガラス基板2の外面(タッチ部S)に操作者が指で触れる(指が触れずに近接する場合を含む)ことで、指とセンサ部6の間に静電容量が発生し、一種のコンデンサとなる。しかして、指が触れていない状態におけるセンサ部6の静電容量と同等の静電容量を有するコンデンサCを、上記比較回路19の一方の入力側とパルス発生器18との間に接続する構成としている。
【0077】
タッチ部Sに操作者の指が触れると、触れたガラス基板2の外面が誘電体として作用し、センサ部6の静電容量が変化する。このセンサ部6と前記コンデンサCとの容量バランスが崩れて、比較回路19の両入力端に加えられるパルス電圧に差が生じて比較回路19から出力が得られる。
【0078】
図8は、図7の照明光源を有するタッチスイッチの回路の構成例を示したブロック図である。図8に示すように、タッチスイッチ1の回路は、タッチ検出部17(上記図7参照)と、照明光源13及び負荷機器20を駆動制御する制御回路21からなる。
【0079】
上記の制御回路21は、タッチ検出部17の出力に応じて、タッチと判定されたセンサ部6に対応する照明光源13をON(点灯)にするとともに、タッチと判定されたセンサ部6に対応する負荷機器20をON(作動)にする。この制御回路21による制御は、これには限定されず、タッチ動作と、照明光源13のON/OFF、負荷機器20のON/OFFは、それぞれの負荷機器20に合わせて、自由に設定することが可能である。
【0080】
上記の照明光源13として、複数色(例えば、RGBの3色)で発光可能なものを用いた場合、タッチと判定したセンサ部6に対応する照明光源13の発光色を順次変化させる(R→G→B)ことが可能である。例えば、負荷機器20がエアコンやオーディオなどであって、設定温度や設定ボリュームなどに複数段階の設定量を有する場合、その設定段階に応じて、発光色を変化させることが可能である。
【0081】
また、最初からすべての照明光源13を所定の色(B)で発光させておき、タッチと判定したセンサ部6に対応した照明光源13のみを他の色(R)で発光させることも可能である。もちろん、上記2つの発光タイプを組み合わせることも可能である。
【0082】
なお、上記の実施形態では、タッチスイッチ1のマーク11の個数と照明光源13の個数を同じにしている。しかし、マーク11の個数と照明光源13の個数は異なっていてもよい。例えば、マーク11を常に照明する場合、複数のマーク11に対して1つの照明光源13を設ければよい。また、マーク11が2つの意匠部分からなる場合、2つの照明光源13を設け、それぞれを別々の色で駆動してもよい。
【0083】
上記の実施形態では、照明光源13をタッチスイッチ1のマーク11の裏面に配置して、透過照明を行っている。しかし、タッチスイッチ1の周辺が明るい場合や、どのマークが選択されているかを別の表示装置で表示させる場合、金属薄膜と異なる色に着色した非発光部材(着色フィルム等)を、ガラス基板2のマーク11(透光性の開口部OP)の裏面に密着又は近接配置して、マーク11を浮かび上がらせても良い。非発光部材は、各マーク11に対応した部分にそれぞれ配置しても良いし、マーク11を形成したガラス基板2の裏面全面に配置しても良い。
【0084】
この非発光部材として、絶縁部材10と異なる色を有する別の絶縁部材(非透光性又は透光性の絶縁部材)を用いることも可能である。別の絶縁部材は、ガラス基板2のマーク11(透光性の開口部OP)の上に印刷等で形成する。別の絶縁部材は、各マーク11に対応した部分にそれぞれ配設しても良いし、マーク11を形成したガラス基板2の裏面全面に配設しても良い。
【0085】
上記の実施形態では、ガラス基板2の外面は何も処理を施していなかった。しかし、ガラス基板2の外面(センサ部6等を形成した面と反対側の面)に、表面処理を施すとさらに好ましい。
【0086】
この表面処理には、各種樹脂(例えば、エポキシ系樹脂)の中に各種樹脂系ビーズ(例えば、ウレタン系ビーズやガラス系ビーズ)を混入させたインキを用いる。このインキを、図1乃至図8で説明したタッチスイッチ1のガラス基板2の外面に塗布し、100℃前後で加熱・乾燥させて、塗膜を形成する。
【0087】
この塗膜は、ビーズが樹脂の中に分散した状態であり、少なくとも一部のビーズが塗膜の表面に露出している。これにより、ガラス基板2の外面が、擬似エッチング(ノングレア)された状態となるため、操作者のタッチによる指紋を見え難くするとともに、金属薄膜の反射(うつりこみ)を防止して見栄えを良くすることが可能となる。また、ビーズによる表面の微小な凹凸により、操作者のタッチ感を向上させることが可能となる。
【符号の説明】
【0088】
1 タッチスイッチ
2 ガラス基板(基板)
3 第1の線状配線
4 第2の線状配線
5 分離部
6 センサ部
7 ダミーセンサ部
8、8a、8b 引き出し配線
9 接続端子
10、10A、10B、10C、10D 絶縁部材
11 マーク
12 筒状のケース
13 照明光源
14 拡散板
15 プリント基板
16、16a、16b 外部との接続部材
17 タッチ検出部
18 パルス発生器
19 比較回路
20 負荷機器
21 制御回路
C コンデンサ
S タッチ部
OP、OP1、OP2、OP3 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
複数本の線状配線によって前記基板の上に形成されたパターンと、
前記線状配線の上に形成された非透光性の絶縁部材を有するタッチスイッチであって、
前記パターンの前記線状配線に分離部を設けることにより、電気的に独立したセンサ部及びダミーセンサ部を互いに隣接して形成し、
前記非透光性の絶縁部材と透光性の開口部によってマークが形成され、
前記マークは前記センサ部に対応した位置に配置されることを特徴とするタッチスイッチ。
【請求項2】
前記パターンは複数本の第1の線状配線及び複数本の第2の線状配線によって前記基板の上に形成された格子パターンであり、
前記複数本の第1の線状配線は互いに所定間隔をおいて配置され、
前記複数本の第2の線状配線は前記第1の線状配線と交差するように互いに所定間隔をおいて配置されることを特徴とする請求項1に記載のタッチスイッチ。
【請求項3】
前記絶縁部材と、前記絶縁部材の中に設けられるとともに前記マークに対応する形状を有する前記開口部によって、前記マークが形成されることを特徴とする請求項1に記載のタッチスイッチ。
【請求項4】
前記開口部と、前記開口部の中に設けられるとともに前記マークに対応する形状を有する前記絶縁部材によって、前記マークが形成されることを特徴とする請求項1に記載のタッチスイッチ。
【請求項5】
前記絶縁部材は、第1の絶縁部材と第2の絶縁部材からなり、
前記マークに対応する形状を有する前記第1の絶縁部材と、前記開口部を間に挟んで該第1の絶縁部材の周囲に設けられた前記第2の絶縁部材によって、前記マークが形成されることを特徴とする請求項1に記載のタッチスイッチ。
【請求項6】
前記分離部は前記複数本の第1の線状配線に設けられており、
分離された前記第1の線状配線の一方の端部と、分離された前記第1の線状配線の他方の端部又は前記第2の線状配線が、分離部を挟んで隣接していることを特徴とする請求項2乃至5の何れか一項に記載のタッチスイッチ。
【請求項7】
前記分離部は前記複数本の第2の線状配線に設けられており、
分離された前記第2の線状配線の一方の端部と、分離された前記第2の線状配線の他方の端部又は前記第1の線状配線が、分離部を挟んで隣接していることを特徴とする請求項2乃至5の何れか一項に記載のタッチスイッチ。
【請求項8】
前記分離部は前記複数本の第1の線状配線又は前記複数本の第2の線状配線に設けられており、
前記センサ部の引き出し配線は前記センサ部を構成する一方の前記線状配線に接続され、
前記センサ部の引き出し配線は前記分離部を通って前記ダミーセンサ部の外に導出され、
前記センサ部の引き出し配線は前記第1の線状配線の端部又は前記第2の線状配線の端部と、前記分離部を挟んで隣接していることを特徴とする請求項2乃至5の何れか一項に記載のタッチスイッチ。
【請求項9】
前記基板の前記センサ部を形成した面と反対側の面に塗膜が設けられており、前記塗膜はビーズを混入した樹脂からなり、少なくとも一部の前記ビーズが前記塗膜の表面に露出していることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のタッチスイッチ。
【請求項10】
外部の接続部材と前記センサ部の引き出し配線及び前記ダミーセンサ部を接続する複数の接続端子が設けられており、前記センサ部、前記ダミーセンサ部、前記センサ部の引き出し配線及び前記接続端子を含む前記基板上のすべての金属薄膜は、同じ金属材料から形成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のタッチスイッチ。
【請求項11】
前記マークを透過照明する照明光源が設けられており、前記マークに対応して前記照明光源を配設することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のタッチスイッチ。
【請求項12】
前記照明光源は複数色で発光可能であり、タッチと判定した前記スイッチ電極の発光色を順次変化させることを特徴とする請求項11に記載のタッチスイッチ。
【請求項13】
すべての前記照明光源を所定の色で発光させておき、タッチと判定した前記スイッチ電極に対応した前記照明光源のみを他の色で発光させることを特徴とする請求項11に記載のタッチスイッチ。
【請求項14】
前記マークの裏面に前記金属薄膜と異なる色の非発光部材が設けられていることを特徴とする請求項10に記載のタッチスイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−77556(P2013−77556A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−199981(P2012−199981)
【出願日】平成24年9月11日(2012.9.11)
【出願人】(000201814)双葉電子工業株式会社 (201)
【Fターム(参考)】