タッチスクリーン、タッチパネル及び表示装置
【課題】検出配線に付加される寄生容量を抑制するとともに、表示装置本体からのノイズを抑制することが可能な技術を提供することを目的とする。
【解決手段】タッチスクリーンは、表示装置本体200の表示パネル201上に配設されるタッチスクリーンであって、ベース基板7と、検出配線群16と、低誘電率膜13とを備える。ベース基板7は、表示パネル201に対向する第1主面7a及びその反対側の第2主面7bを有する。検出配線群16は、ベース基板7の第2主面7bの側に形成されている。低誘電率膜13は、ベース基板7よりも低い誘電率を有する絶縁膜であって、ベース基板7の検出配線群16下の第2主面7b上及び/または第1主面7a上に形成されている。
【解決手段】タッチスクリーンは、表示装置本体200の表示パネル201上に配設されるタッチスクリーンであって、ベース基板7と、検出配線群16と、低誘電率膜13とを備える。ベース基板7は、表示パネル201に対向する第1主面7a及びその反対側の第2主面7bを有する。検出配線群16は、ベース基板7の第2主面7bの側に形成されている。低誘電率膜13は、ベース基板7よりも低い誘電率を有する絶縁膜であって、ベース基板7の検出配線群16下の第2主面7b上及び/または第1主面7a上に形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチスクリーン、及び、それを備えるタッチパネル及び表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、指などの指示体によるタッチパネルへのタッチを検出し、そのタッチ位置の座標を算出することによりその入力操作を検出するタッチパネルが知られており、優れたインターフェース手段の一つとして注目されている。このようなタッチパネルでは、指などによるタッチの位置を検出する方法として、抵抗膜方式や静電容量方式などの様々な方式が提案されており、それらが適用されたものが製品化されている。
【0003】
特許文献1及び2に開示されているように、静電容量方式の一つとしてPCT(Projected Capacitive Touch screen)方式が知られている。このPCT方式では、タッチセンサを内蔵したタッチスクリーンの前面側が、数mm厚程度のガラス板等の保護板で覆われていても、保護板への指などによるタッチを検出することが可能となっている。このPCT方式を用いたタッチパネルは、保護板を前面に配置した構成を有しているため、堅牢性に優れる点、手袋装着時でもタッチ検出が可能である点、可動部が無いため長寿命である点などの利点を有している。
【0004】
特許文献1には、PCT方式を用いたタッチパネルにおけるタッチスクリーンとして、静電容量を検出するための検出導体であって、薄い導電膜で形成された第1導電材料パターン部(導体エレメント)と、それと絶縁膜を隔てて形成された第2導電材料パターン部とを備える構成が開示されている。複数の第1導電材料パターン部と、複数の第2導電材料パターン部とは、互いに電気的接触がない状態で互いに交差して複数の交点を形成されており、出力線、マルチプレクサを介して容量制御オシレータに接続される。その出力は除算器でカウントされて容量検出データとされる。
【0005】
さて、導体エレメントに相当する検出配線群として最適な材料は、誘導性の観点のみからいえば、例えば銀などの一般的に不透明な金属材料である。しかし、タッチパネルは主に表示パネルなどの表示部上に配設されるため、その表示特性として、検出配線群の可視性が問題となることがある。そこで、検出配線群としては、可視性の観点から、酸化インジウム(ITO)等の透明導電膜が用いられることもある。また、検出配線群としては、導電材料パターン部に変えて、数μm〜20μm程度の細い導線が使用されることもある。
【0006】
検出配線群に含まれる検出配線と接続される上述の容量制御オシレータとしては、弛張発振器やヒステリシス発振器を用いることができる。これらの発振器では、抵抗素子及び容量素子の充放電時定数により発振周期が概ね決まるものとなっており、タッチパネルは、当該容量素子の静電容量の一部に、検出配線と指との間に形成される静電容量(以降「タッチ容量」と記載することもある)を含めるように構成されている。このような構成によれば、タッチスクリーンが使用者の指によりタッチされると、検出配線と指との間のタッチ容量に応じて発振器の発振周期が変化することから、この変化を検出することによりタッチの有無やその位置を判定することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表平9−511086号公報
【特許文献2】特開平9−16330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上のようなタッチパネルにおいて検出されるタッチ容量は、概ねサブp〜数pFのオーダーと微小であることから、検出配線に付加されている寄生容量が大きい場合には、信号(シグナル)成分と雑音(ノイズ)成分との比率であるSN比が十分に確保できない。したがって、このような場合には、タッチパネルが正常に機能しない場合がある。ここで、検出配線に付加される寄生容量が検出値(SN比)に与える影響は、検出方式によって異なる。そこで、SN比を十分に確保すべく、各方式に応じて、検出配線パターン、タッチスクリーン厚など、タッチパネルの全体的な構成を最適化している。しかしながら、このようにしても、寄生容量の抑制は十分ではなく、寄生容量をより抑制することが望まれている。
【0009】
また、PCT方式を用いたタッチパネルが、液晶(LC)パネルなどを表示部として有する表示装置本体上に配設されている場合、一般的に表示装置本体がノイズ源となり、タッチパネルの動作に影響を与える。そのため、タッチスクリーンと表示装置本体とを含む表示装置全体が最適な構成となっていない場合には、誤動作を起こす可能性がある。
【0010】
これを解決するため、特許文献2には、ディスプレイ上にシールド層を設けた上でタッチセンサを設置する構成が開示されている。しかしながら、この構成では、検出配線とシールド層との間に寄生容量が生じ、検出速度の低下やSN比の悪化を招くと考えられる。
【0011】
そこで、本発明は、上記のような問題点を鑑みてなされたものであり、検出配線に付加される寄生容量を抑制するとともに、表示装置本体からのノイズを抑制することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るタッチスクリーンは、表示装置本体の表示部上に配設されるタッチスクリーンであって、前記表示部に対向する第1主面及びその反対側の第2主面を有する基板と、前記基板の前記第2主面の側に形成された検出配線群と、前記基板よりも低い誘電率を有し、前記基板の前記検出配線群下の前記第2主面上及び/または前記第1主面上に形成された絶縁膜とを備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、基板よりも低い誘電率を有する絶縁膜が、表示装置本体と検出配線群との間に形成されている。したがって、検出配線群に付加される寄生容量を抑制することができるとともに、表示装置本体から検出配線群へのノイズの影響も抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態に係るタッチスクリーンの構成を示す平面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るタッチスクリーンの構成を示す拡大図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る表示装置の構成を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るタッチパネルの回路構成を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るタッチスクリーンの構成を示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るタッチスクリーンにおける、検出配線に付加される寄生容量と低誘電率膜厚との関係を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るタッチスクリーンの構成を示す断面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係るタッチスクリーンの構成を示す断面図である。
【図9】本発明の実施の形態に係るタッチスクリーンの構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施の形態>
はじめに、本発明の実施の形態に係る表示装置及びタッチパネルが備えるタッチスクリーン1の構成について説明する。
【0016】
図1は、本実施の形態に係るタッチスクリーン1の概略の構成を示した平面図である。図2は、図1に示される領域Bを拡大した図である。タッチスクリーン1は、指などの指示体との間に静電容量を形成する検出配線群16と、外部部品とを電気的に接続するための複数の端子6とを備える。
【0017】
検出配線群16は、列方向(図1中、y方向)に伸在し、行方向(図1中、x方向)に所定の間隔を有して配列配置された複数の検出配線2と、行方向に伸在し、列方向に所定の間隔を有して配列配置された複数の検出配線3とを含んでいる。各検出配線2,3は、後述する層間絶縁膜により互いに絶縁されている。
【0018】
図2に示されるように、各検出配線2,3は、規則的に配列されたスリットが設けられてなる網目形状の導線4,5で構成されている。ただし、各検出配線2,3のパターンは、これに限られるわけではなく、スリットがないベタパターンや菱形パターンであっても、本発明の効果は同様に得られる。
【0019】
次に、本実施の形態に係る表示装置の構成について説明する。なお、以下の説明においては、本実施の形態に係る表示装置は、液晶表示装置であるものとして説明するが、これに限ったものではない。例えば、有機EL(Electro-Luminescence)表示装置や、PDP(Plasma Display Panel)等、他の方式の表示装置であってもタッチスクリーン1を有するものであれば、以下で説明する液晶表示装置と同様に構成することが可能である。
【0020】
図3は、本実施の形態に係る表示装置の構成を示した平面図である。この図に示されるように、本実施の形態に係る表示装置は、上述のタッチスクリーン1を備えるタッチパネル100と、表示装置本体200とを備える。そして、表示装置本体200の表示部(ここでは、液晶パネルなどの表示パネル)上にはタッチスクリーン1が配設されている。
【0021】
タッチパネル100は、上述したタッチスクリーン1を備えるほか、タッチパネルとして機能するための制御を行う複数の部品が実装されたコントローラ基板11と、タッチスクリーン1(ここでは上述の端子6)とコントローラ基板11とを電気的に接続するACF(Anisotropic Conductive Film)等からなるFPC(Flexible Printed Circuit)10とを備える。なお、コントローラ基板11には、タッチスクリーン1での指などの指示体によりタッチされた位置(タッチ位置)を検出し、そのタッチ位置の座標出力を外部のコンピュータ等に対して行う回路ブロック12が、上述の複数の部品の1つとして搭載されている。
【0022】
図4は、本実施の形態に係るタッチパネルの回路構成の一例を示す図である。回路ブロック12は、検出配線群16と選択的に順次接続するスイッチ回路20a,20bと、発振回路21と、第1計数回路22a及び第2計数回路22bからなる検出手段と、タッチ座標算出回路23と、検出制御回路24とを含んでいる。
【0023】
発振回路21は、検出配線群16のうち、スイッチ回路20a,20bにより接続された検出配線2,3に発振信号を付与する。この際に、指示体が当該検出配線2,3上に存在する場合には、指示体と当該検出配線2,3との間に静電容量が形成され、当該検出配線2,3及び発振回路21全体の静電容量が変化する。つまり、当該検出配線2,3上での指示体の有無に応じて、当該発振信号の発振周期が変化する。
【0024】
第1及び第2計数回路22a,22bからなるタッチ位置演算回路(検出回路)は、この発振周期、つまり検出配線2,3に付与された発振信号の発振周期に基づいて、指示体と当該検出配線2,3との間に形成される静電容量を検出し、当該静電容量に基づいてタッチ位置を算出する。タッチ位置演算回路(第1及び第2計数回路22a,22b)は、算出したタッチ位置をタッチ座標算出回路23に出力する。
【0025】
タッチ座標算出回路23は、当該タッチ位置を示す座標検出結果を、検出制御回路24に与える。検出制御回路24は、当該検出結果の受信に応じて、スイッチ回路20a,20b、発振回路21、タッチ位置演算回路(第1及び第2計数回路22a,22b)、及び、タッチ座標算出回路23を統括的に制御する。なお、タッチ位置の具体的な検出操作に関しては、例えば特許文献(特開2009−294815号公報)に記載されている。
【0026】
図5は、図1に示すタッチスクリーン1の破線A−A’における断面構造を簡略的に示した図である。以下、この図5を用いて、本実施の形態に係るタッチスクリーン1の断面構造について説明する。
【0027】
タッチスクリーン1は、透明なガラスや樹脂からなり、表示装置本体200の表示パネルに対向する第1主面7a及びその反対側の第2主面7bを有する透明基板(以下、「ベース基板7」と呼ぶこともある)と、ベース基板7よりも低い誘電率を有する絶縁膜である低誘電率膜13と、ベース基板7の第2主面7bの側に形成された検出配線群16(複数の検出配線2,3)と、層間絶縁膜8と、保護膜9と、シールド電極層14とを備える。なお、タッチスクリーン1背面をなすベース基板7の第1主面7aに対向して、表示装置本体200の表示パネル201(ここでは液晶パネル)が配設されている。
【0028】
この図5に示されるように、低誘電率膜13は、ベース基板7の検出配線群16下の第2主面7b上に形成されており、複数の検出配線2は、低誘電率膜13上に形成されている。層間絶縁膜8は、低誘電率膜13上において複数の検出配線2を覆うように形成されている。複数の検出配線3は、層間絶縁膜8上に形成されている。保護膜9は、層間絶縁膜8上において複数の検出配線3を覆うように形成されている。
【0029】
シールド電極層14は、表示装置本体200から検出配線群16へのノイズを抑制するシールド層であり、例えば、透明な導電性の膜からなる。このシールド電極層14は、ベース基板7の第1主面7a上に形成されている。
【0030】
検出配線2,3は、図5に示すパネル領域の大部分に亘って形成されており、その一方で、同図5に示す端子領域において端子6a,6bとそれぞれ接続されている。端子6a上の層間絶縁膜8及び保護膜9には、上述のFPC10と端子6aとが互いにコンタクトをとるためのコンタクトホールCHaが形成されており、端子6b上の保護膜9には、上述のFPC10と端子6bとが互いにコンタクトをとるためのコンタクトホールCHbが形成されている。
【0031】
図6は、低誘電率膜13の膜厚が異なるタッチスクリーン1を複数形成し、そのそれぞれにおいて、検出配線群16に付加されている寄生容量を調べた実験結果を示す図である。なお、図6に係る実験で使用している低誘電率膜13として、比誘電率が約3である酸化珪素系の膜を塗布法により形成している。図6において、縦軸は、寄生容量を示しており、ここでは、低誘電率膜13が形成されていないタッチスクリーン1において検出配線群16に付加されている寄生容量を100%として示している。
【0032】
本実施の形態に係る低誘電率膜13が10μm程度設けられている場合には、検出配線群16に付加される寄生容量が、低誘電率膜13が設けられていない場合と比較して、10%程度減少している。
【0033】
ここで、当該寄生容量は、ノイズ源である表示装置本体200と検出配線2,3との間に電気的結合により生じる静電容量と、検出配線2,3とシールド電極層14との間に電気的結合により生じる静電容量とを含んでおり、両電極間内の領域に満たされている媒質の誘電率が低いほど寄生容量が小さくなっている。本実施の形態では、低誘電率膜13を上述のように設けることから、上述のように寄生容量が小さくなるという効果が得られる。
【0034】
なお、低誘電率膜13の膜厚を厚くするほど、寄生容量低減効果は大きくなる。そこで、寄生容量を小さくする効果を高める観点からみれば、ベース基板7と低誘電率膜13とを備える構成ではなく、ベース基板7の材質を低誘電率材料に変更して低誘電率膜13のみを備える構成とすれば最もよいと考えられる。しかしながら、低誘電率膜13を厚く形成することは困難であることから、単純にベース基板7をなくして低誘電率膜13のみを形成することは生産性などの点から困難である。そこで、本実施の形態では、少なくともベース基板7上に低誘電率膜13を設けている。これにより、検出配線2,3同士の間、または、検出配線2,3とシールド電極層14との間における誘電率を実効的に低減することが、生産性を考慮しつつ可能となっている。
【0035】
次に、本実施の形態に係るタッチパネル100の製造方法について図5を用いて説明する。
【0036】
はじめに、透明なガラスや樹脂からなる透明基板(ベース基板7)を準備する。ここでベース基板7として、その第1主面7a側にシールド電極層14として透明導電性膜が予め設けられたものを用いてもよい。
【0037】
次に、ベース基板7の第2主面7b上に、当該ベース基板7よりも低誘電率の膜、例えば酸化珪素膜や酸化珪素膜にフッ素が含まれたSiOF(FSG:Fluorinated Silicate Glass)膜などを、低誘電率膜13としてプラズマCVD法により形成する。あるいは、プロセスを簡略化するために、塗布法で形成可能なSi−H結合を含有する酸化珪素膜(HSQ:Hydrogen Silsesquioxane)膜などを、低誘電率膜13としてベース基板7の第2主面7b上に形成してもよい。
【0038】
次に、低誘電率膜13上に、検出配線2となる金属層を、スパッタリング法を用いて例えば150〜500nmの膜厚で形成する。この金属層の材料としては、アルミニウム、またはアルミニウムを主成分とする合金、例えば、Niを含むAl合金等が用いられる。本実施の形態では、この金属層の材料としてAlNiNdが用いられるものとする。ここでの金属層の成膜条件は、例えば、圧力が0.2〜0.5Pa、DCパワーが1.0〜2.5kW、パワー密度が0.17〜0.43W/cm2、成膜温度が室温〜180℃とする。
【0039】
なお、後工程で用いる現像液との反応を抑えるために、金属層(AlNiNd層)の上部を窒化してAlNiNdN層を形成してもよい。また、Al以外にも低抵抗金属材料、例えば、Cu(銅)またはCu合金、もしくはMoまたはMo合金を、上述の金属層の材料として用いることができる。なお、それらからなる金属層もAlの金属層と同様にスパッタリング法を用いて成膜することができる。
【0040】
次に、この金属層上にレジストを塗布し、レジストが検出配線2を形成するための形状を有するようにフォトリソグラフィ工程を行う。それから、燐酸・硝酸・酢酸の混酸を用いてウェットエッチング工程を行い、先の工程で形成した金属層をパターニングして複数の検出配線2を形成する。この際、各検出配線2の断面形状をテーパ形状にすると、後工程で膜を形成する際に断線などの不良を低減することができる。なお、エッチングには、燐酸・硝酸・酢酸の混酸以外のエッチング液を用いてもよく、あるいは、ドライエッチングを行ってもよい。
【0041】
次に、CVD法等を用いて、低誘電率膜13上において複数の検出配線2を覆うように層間絶縁膜8を形成する。本実施の形態では、層間絶縁膜8として、誘電率が低い酸化珪素(SiO2)膜を形成している。これにより、先の工程で形成した下層配線(検出配線2)と、後の工程で形成する上層配線(検出配線3)との間の寄生容量をより低減することができる。ここでの酸化珪素膜の成膜条件は、例えば、SiH4流量が10〜50sccm、N2O流量が200〜500sccm、成膜圧力が50Pa、RFパワーが50〜200W、パワー密度が0.015〜0.67W/cm2、成膜温度が200〜300℃とする。
【0042】
なお、下層配線(検出配線2)と上層配線(検出配線3)との間で形成される寄生容量をなるべく低減できるように、層間絶縁膜8の膜厚は、生産性等を考慮して可能な限り厚くすることが好ましい。また、層間絶縁膜8は、SiO2膜に限られるものではなく、SiN膜やSiON膜等を用いてもよい。これらの膜は、上述した酸化珪素膜を形成するガスに水素、窒素、アンモニア(NH3)を加えれば形成することができる。
【0043】
次に、層間絶縁膜8上に、検出配線3となる金属層を、スパッタリング法を用いて例えば200〜1000nmの膜厚で形成する。この金属層の材料としては、アルミニウム、またはアルミニウムを主成分とする合金、例えば、Niを含むAl合金等が用いられる。本実施の形態では、この金属層の材料としてAlNiNdが用いられるものとする。ここでの金属層の成膜条件は、例えば、圧力が0.2〜0.5Pa、DCパワーが1.0〜2.5kW、パワー密度が0.17〜0.43W/cm2、成膜温度が室温〜180℃とする。
【0044】
なお、後工程で用いる現像液との反応を抑えるために、金属層(AlNiNd層)の上部を窒化してAlNiNdN層を形成してもよい。また、Al以外にも低抵抗金属材料、例えば、Cu(銅)またはCu合金、もしくはMoまたはMo合金を、上述の金属層の材料として用いることができる。なお、それらからなる金属層もAlの金属層と同様にスパッタリング法を用いて成膜することができる。ここで、検出配線2となる金属層の材質、及び、検出配線3となる金属層の材質に同じ材料を用いれば、生産効率を向上させることができる。
【0045】
次に、この金属層上にレジストを塗布し、レジストが検出配線3を形成するための形状を有するようにフォトリソグラフィ工程を行う。それから、燐酸・硝酸・酢酸の混酸を用いてウェットエッチング工程を行い、先の工程で形成した金属層をパターニングして複数の検出配線3を形成する。なお、エッチングには、燐酸・硝酸・酢酸の混酸以外のエッチング液を用いてもよく、あるいは、ドライエッチングを行ってもよい。
【0046】
次に、CVD法等を用いて、層間絶縁膜8上において複数の検出配線3を覆うように保護膜9を形成する。保護膜9としては、視認性を良くするために層間絶縁膜8と同じ種類の膜がよく、本実施の形態では、酸化珪素(SiO2)膜を用いられるものとする。なお、保護膜9の膜厚は、カバレッジと生産性を考慮して決定すればよい。
【0047】
次に、保護膜9上にレジストを塗布し、レジストが上述のコンタクトホールCHa,CHbを形成するための形状を有するようにフォトリソグラフィ工程を行う。それから、CF4とO2との混合ガスのプラズマを用いてエッチング工程を行い、先の工程で形成した保護膜9及び層間絶縁膜8を一括してパターニングして、コンタクトホールCHa,CHbを形成する。
【0048】
次に、ベース基板7として、第1主面7a側にシールド電極層14としての透明導電膜が予め設けられたものを用いなかった場合には、その当該第1主面7a上にITO等の非結晶透明層を、シールド電極層14としてスパッタリング法により50〜100nm成膜する。その後、アニールによりITOを結晶化させる。
【0049】
ここで、シールド電極層14としてはITO膜を成膜して形成するのに限るわけではなく、例えばITOフィルムをベース基板7の裏面に貼り付けることで形成してもよい。また、表示装置本体200上に形成された基準電極をシールド電極層14とし、タッチスクリーン1を当該基準電極(シールド電極層14)上に粘着剤を用いて直接ボンディングを行う構成としてもよい。
【0050】
以上のプロセスを経ることで、上述した構成を有するタッチスクリーン1を製造することができる。そして、当該タッチスクリーン1にFPC10を介して、各回路を備えたコントローラ基板11を接続すれば、上述のタッチパネル100を製造することができる。それから、当該タッチパネル100のタッチスクリーン1を表示装置本体200の表示パネル上に配設すれば上述の表示装置を製造することができる。
【0051】
ここで、タッチスクリーン1を表示装置本体200の表示パネル面に直接貼り付けるようにすれば、従来必要であったタッチスクリーン1の保持機構をなくすことができ、表示装置全体を薄くすることができる。また、タッチスクリーン1と表示パネルとが一体化して構成されることから、タッチスクリーン1と表示パネルとの間隙に異物等が混入する可能性が低減され、表示への異物等による悪影響を低減することができる。
【0052】
以上のような本実施の形態に係るタッチスクリーン1、タッチパネル100及び表示装置によれば、ベース基板7よりも低い誘電率を有する低誘電率膜13が、表示装置本体200と検出配線群16との間に形成されている。したがって、検出配線群16に付加される寄生容量を抑制することができるとともに、表示装置本体200から検出配線群16へのノイズの影響も抑制することができる。これにより、検出配線2,3の1本ごとに付加される寄生容量は低減することになるため、SN比を改善することができる。また、検出速度の低下を抑制することも期待できる。
【0053】
なお、この効果は、低誘電率膜13を設けることによって得られるものである。つまり、図7に示されるように、シールド電極層14を設けない場合(隣接及び交差した検出配線2,3の間に生じる容量が支配的となる場合)であっても、低誘電率膜13を設ければ、ノイズ源である表示装置本体200と検出配線群16(検出配線2,3)との間の寄生容量を抑制することができるとともに、これらの間に生じるカップリングノイズを低減することができる。
【0054】
なお、以上の説明では、低誘電率膜13は、ベース基板7と検出配線群16下の第2主面7b上に形成した。しかしこれに限ったものではなく、その構成に加えて、図8に示されるように、低誘電率膜13と同等の低誘電率膜15が、第1主面7a上に形成されてもよい。そして、この場合には、第1主面7a上にある低誘電率膜15上に形成されたシールド電極層14をさらに加えてもよい。いずれの構成であっても、上述と同様に、検出配線群16に付加される寄生容量を抑制することができるとともに、表示装置本体200から検出配線群16へのノイズの影響も抑制することができる。
【0055】
また、図9に示されるように、低誘電率膜13を形成せずに、低誘電率膜15のみを形成してもよい。そして、この場合にも、第1主面7a上にある低誘電率膜15上に形成されたシールド電極層14をさらに加えてもよい。いずれの構成であっても、上述と同様の効果を得ることができる。なお、この図9に示される構成において、シールド電極層14をITOフィルムで形成する場合には、当該フィルムの粘着材をベース基板7より低い誘電率を有する材料とすることが望ましい。
【0056】
なお、タッチスクリーン1を、上述したようにシールド電極層14を備えた構成とした場合には、当該シールド電極層14のノイズ抑制効果により、表示装置本体200から検出配線群16へのノイズの影響をより抑制することができる。また、従来の構成においてシールド電極層14を形成した場合には、検出配線群16と当該シールド電極層14との間に大きな寄生容量が生じていたが、本実施の形態では、検出配線群16と当該シールド電極層14との間に低誘電率膜13(低誘電率膜15)が形成されているため、当該寄生容量を抑制することもできる。
【0057】
また、本実施の形態では、検出配線2と検出配線3とを同じ材質の金属層としたが、これに限られるものではなく、検出配線2と検出配線3とが層間絶縁膜8を隔てて配置されていれば、検出配線2,3は、異なる配線材料層から形成されてもよい。
【0058】
また、本実施の形態では、本発明に係る基板を、ベース基板7としており、表示装置本体200とは別の基板を用いた構成としているが、この構成に限られるものではない。例えば、本発明に係る基板を、表示装置(液晶表示装置)を構成するカラーフィルターとし、当該カラーフィルター上に、当該カラーフィルターよりも低誘電率の膜、及び、検出配線群16を順に積層して形成する構成であってもよい。
【0059】
また、ベース基板7の全面上に低誘電率膜13を設けるのではなく、少なくともタッチを検出する領域にのみ低誘電率膜13を設ける構成としてもよい。
【符号の説明】
【0060】
1 タッチスクリーン、7 ベース基板、13,15 低誘電率膜、14 シールド電極層、16 検出配線群、20a,20b スイッチ回路、21 発振回路、22a 第1計数回路、22b 第2計数回路、100 タッチパネル、200 表示装置本体、201 表示パネル。
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチスクリーン、及び、それを備えるタッチパネル及び表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、指などの指示体によるタッチパネルへのタッチを検出し、そのタッチ位置の座標を算出することによりその入力操作を検出するタッチパネルが知られており、優れたインターフェース手段の一つとして注目されている。このようなタッチパネルでは、指などによるタッチの位置を検出する方法として、抵抗膜方式や静電容量方式などの様々な方式が提案されており、それらが適用されたものが製品化されている。
【0003】
特許文献1及び2に開示されているように、静電容量方式の一つとしてPCT(Projected Capacitive Touch screen)方式が知られている。このPCT方式では、タッチセンサを内蔵したタッチスクリーンの前面側が、数mm厚程度のガラス板等の保護板で覆われていても、保護板への指などによるタッチを検出することが可能となっている。このPCT方式を用いたタッチパネルは、保護板を前面に配置した構成を有しているため、堅牢性に優れる点、手袋装着時でもタッチ検出が可能である点、可動部が無いため長寿命である点などの利点を有している。
【0004】
特許文献1には、PCT方式を用いたタッチパネルにおけるタッチスクリーンとして、静電容量を検出するための検出導体であって、薄い導電膜で形成された第1導電材料パターン部(導体エレメント)と、それと絶縁膜を隔てて形成された第2導電材料パターン部とを備える構成が開示されている。複数の第1導電材料パターン部と、複数の第2導電材料パターン部とは、互いに電気的接触がない状態で互いに交差して複数の交点を形成されており、出力線、マルチプレクサを介して容量制御オシレータに接続される。その出力は除算器でカウントされて容量検出データとされる。
【0005】
さて、導体エレメントに相当する検出配線群として最適な材料は、誘導性の観点のみからいえば、例えば銀などの一般的に不透明な金属材料である。しかし、タッチパネルは主に表示パネルなどの表示部上に配設されるため、その表示特性として、検出配線群の可視性が問題となることがある。そこで、検出配線群としては、可視性の観点から、酸化インジウム(ITO)等の透明導電膜が用いられることもある。また、検出配線群としては、導電材料パターン部に変えて、数μm〜20μm程度の細い導線が使用されることもある。
【0006】
検出配線群に含まれる検出配線と接続される上述の容量制御オシレータとしては、弛張発振器やヒステリシス発振器を用いることができる。これらの発振器では、抵抗素子及び容量素子の充放電時定数により発振周期が概ね決まるものとなっており、タッチパネルは、当該容量素子の静電容量の一部に、検出配線と指との間に形成される静電容量(以降「タッチ容量」と記載することもある)を含めるように構成されている。このような構成によれば、タッチスクリーンが使用者の指によりタッチされると、検出配線と指との間のタッチ容量に応じて発振器の発振周期が変化することから、この変化を検出することによりタッチの有無やその位置を判定することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表平9−511086号公報
【特許文献2】特開平9−16330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上のようなタッチパネルにおいて検出されるタッチ容量は、概ねサブp〜数pFのオーダーと微小であることから、検出配線に付加されている寄生容量が大きい場合には、信号(シグナル)成分と雑音(ノイズ)成分との比率であるSN比が十分に確保できない。したがって、このような場合には、タッチパネルが正常に機能しない場合がある。ここで、検出配線に付加される寄生容量が検出値(SN比)に与える影響は、検出方式によって異なる。そこで、SN比を十分に確保すべく、各方式に応じて、検出配線パターン、タッチスクリーン厚など、タッチパネルの全体的な構成を最適化している。しかしながら、このようにしても、寄生容量の抑制は十分ではなく、寄生容量をより抑制することが望まれている。
【0009】
また、PCT方式を用いたタッチパネルが、液晶(LC)パネルなどを表示部として有する表示装置本体上に配設されている場合、一般的に表示装置本体がノイズ源となり、タッチパネルの動作に影響を与える。そのため、タッチスクリーンと表示装置本体とを含む表示装置全体が最適な構成となっていない場合には、誤動作を起こす可能性がある。
【0010】
これを解決するため、特許文献2には、ディスプレイ上にシールド層を設けた上でタッチセンサを設置する構成が開示されている。しかしながら、この構成では、検出配線とシールド層との間に寄生容量が生じ、検出速度の低下やSN比の悪化を招くと考えられる。
【0011】
そこで、本発明は、上記のような問題点を鑑みてなされたものであり、検出配線に付加される寄生容量を抑制するとともに、表示装置本体からのノイズを抑制することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るタッチスクリーンは、表示装置本体の表示部上に配設されるタッチスクリーンであって、前記表示部に対向する第1主面及びその反対側の第2主面を有する基板と、前記基板の前記第2主面の側に形成された検出配線群と、前記基板よりも低い誘電率を有し、前記基板の前記検出配線群下の前記第2主面上及び/または前記第1主面上に形成された絶縁膜とを備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、基板よりも低い誘電率を有する絶縁膜が、表示装置本体と検出配線群との間に形成されている。したがって、検出配線群に付加される寄生容量を抑制することができるとともに、表示装置本体から検出配線群へのノイズの影響も抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態に係るタッチスクリーンの構成を示す平面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るタッチスクリーンの構成を示す拡大図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る表示装置の構成を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るタッチパネルの回路構成を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るタッチスクリーンの構成を示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るタッチスクリーンにおける、検出配線に付加される寄生容量と低誘電率膜厚との関係を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るタッチスクリーンの構成を示す断面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係るタッチスクリーンの構成を示す断面図である。
【図9】本発明の実施の形態に係るタッチスクリーンの構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施の形態>
はじめに、本発明の実施の形態に係る表示装置及びタッチパネルが備えるタッチスクリーン1の構成について説明する。
【0016】
図1は、本実施の形態に係るタッチスクリーン1の概略の構成を示した平面図である。図2は、図1に示される領域Bを拡大した図である。タッチスクリーン1は、指などの指示体との間に静電容量を形成する検出配線群16と、外部部品とを電気的に接続するための複数の端子6とを備える。
【0017】
検出配線群16は、列方向(図1中、y方向)に伸在し、行方向(図1中、x方向)に所定の間隔を有して配列配置された複数の検出配線2と、行方向に伸在し、列方向に所定の間隔を有して配列配置された複数の検出配線3とを含んでいる。各検出配線2,3は、後述する層間絶縁膜により互いに絶縁されている。
【0018】
図2に示されるように、各検出配線2,3は、規則的に配列されたスリットが設けられてなる網目形状の導線4,5で構成されている。ただし、各検出配線2,3のパターンは、これに限られるわけではなく、スリットがないベタパターンや菱形パターンであっても、本発明の効果は同様に得られる。
【0019】
次に、本実施の形態に係る表示装置の構成について説明する。なお、以下の説明においては、本実施の形態に係る表示装置は、液晶表示装置であるものとして説明するが、これに限ったものではない。例えば、有機EL(Electro-Luminescence)表示装置や、PDP(Plasma Display Panel)等、他の方式の表示装置であってもタッチスクリーン1を有するものであれば、以下で説明する液晶表示装置と同様に構成することが可能である。
【0020】
図3は、本実施の形態に係る表示装置の構成を示した平面図である。この図に示されるように、本実施の形態に係る表示装置は、上述のタッチスクリーン1を備えるタッチパネル100と、表示装置本体200とを備える。そして、表示装置本体200の表示部(ここでは、液晶パネルなどの表示パネル)上にはタッチスクリーン1が配設されている。
【0021】
タッチパネル100は、上述したタッチスクリーン1を備えるほか、タッチパネルとして機能するための制御を行う複数の部品が実装されたコントローラ基板11と、タッチスクリーン1(ここでは上述の端子6)とコントローラ基板11とを電気的に接続するACF(Anisotropic Conductive Film)等からなるFPC(Flexible Printed Circuit)10とを備える。なお、コントローラ基板11には、タッチスクリーン1での指などの指示体によりタッチされた位置(タッチ位置)を検出し、そのタッチ位置の座標出力を外部のコンピュータ等に対して行う回路ブロック12が、上述の複数の部品の1つとして搭載されている。
【0022】
図4は、本実施の形態に係るタッチパネルの回路構成の一例を示す図である。回路ブロック12は、検出配線群16と選択的に順次接続するスイッチ回路20a,20bと、発振回路21と、第1計数回路22a及び第2計数回路22bからなる検出手段と、タッチ座標算出回路23と、検出制御回路24とを含んでいる。
【0023】
発振回路21は、検出配線群16のうち、スイッチ回路20a,20bにより接続された検出配線2,3に発振信号を付与する。この際に、指示体が当該検出配線2,3上に存在する場合には、指示体と当該検出配線2,3との間に静電容量が形成され、当該検出配線2,3及び発振回路21全体の静電容量が変化する。つまり、当該検出配線2,3上での指示体の有無に応じて、当該発振信号の発振周期が変化する。
【0024】
第1及び第2計数回路22a,22bからなるタッチ位置演算回路(検出回路)は、この発振周期、つまり検出配線2,3に付与された発振信号の発振周期に基づいて、指示体と当該検出配線2,3との間に形成される静電容量を検出し、当該静電容量に基づいてタッチ位置を算出する。タッチ位置演算回路(第1及び第2計数回路22a,22b)は、算出したタッチ位置をタッチ座標算出回路23に出力する。
【0025】
タッチ座標算出回路23は、当該タッチ位置を示す座標検出結果を、検出制御回路24に与える。検出制御回路24は、当該検出結果の受信に応じて、スイッチ回路20a,20b、発振回路21、タッチ位置演算回路(第1及び第2計数回路22a,22b)、及び、タッチ座標算出回路23を統括的に制御する。なお、タッチ位置の具体的な検出操作に関しては、例えば特許文献(特開2009−294815号公報)に記載されている。
【0026】
図5は、図1に示すタッチスクリーン1の破線A−A’における断面構造を簡略的に示した図である。以下、この図5を用いて、本実施の形態に係るタッチスクリーン1の断面構造について説明する。
【0027】
タッチスクリーン1は、透明なガラスや樹脂からなり、表示装置本体200の表示パネルに対向する第1主面7a及びその反対側の第2主面7bを有する透明基板(以下、「ベース基板7」と呼ぶこともある)と、ベース基板7よりも低い誘電率を有する絶縁膜である低誘電率膜13と、ベース基板7の第2主面7bの側に形成された検出配線群16(複数の検出配線2,3)と、層間絶縁膜8と、保護膜9と、シールド電極層14とを備える。なお、タッチスクリーン1背面をなすベース基板7の第1主面7aに対向して、表示装置本体200の表示パネル201(ここでは液晶パネル)が配設されている。
【0028】
この図5に示されるように、低誘電率膜13は、ベース基板7の検出配線群16下の第2主面7b上に形成されており、複数の検出配線2は、低誘電率膜13上に形成されている。層間絶縁膜8は、低誘電率膜13上において複数の検出配線2を覆うように形成されている。複数の検出配線3は、層間絶縁膜8上に形成されている。保護膜9は、層間絶縁膜8上において複数の検出配線3を覆うように形成されている。
【0029】
シールド電極層14は、表示装置本体200から検出配線群16へのノイズを抑制するシールド層であり、例えば、透明な導電性の膜からなる。このシールド電極層14は、ベース基板7の第1主面7a上に形成されている。
【0030】
検出配線2,3は、図5に示すパネル領域の大部分に亘って形成されており、その一方で、同図5に示す端子領域において端子6a,6bとそれぞれ接続されている。端子6a上の層間絶縁膜8及び保護膜9には、上述のFPC10と端子6aとが互いにコンタクトをとるためのコンタクトホールCHaが形成されており、端子6b上の保護膜9には、上述のFPC10と端子6bとが互いにコンタクトをとるためのコンタクトホールCHbが形成されている。
【0031】
図6は、低誘電率膜13の膜厚が異なるタッチスクリーン1を複数形成し、そのそれぞれにおいて、検出配線群16に付加されている寄生容量を調べた実験結果を示す図である。なお、図6に係る実験で使用している低誘電率膜13として、比誘電率が約3である酸化珪素系の膜を塗布法により形成している。図6において、縦軸は、寄生容量を示しており、ここでは、低誘電率膜13が形成されていないタッチスクリーン1において検出配線群16に付加されている寄生容量を100%として示している。
【0032】
本実施の形態に係る低誘電率膜13が10μm程度設けられている場合には、検出配線群16に付加される寄生容量が、低誘電率膜13が設けられていない場合と比較して、10%程度減少している。
【0033】
ここで、当該寄生容量は、ノイズ源である表示装置本体200と検出配線2,3との間に電気的結合により生じる静電容量と、検出配線2,3とシールド電極層14との間に電気的結合により生じる静電容量とを含んでおり、両電極間内の領域に満たされている媒質の誘電率が低いほど寄生容量が小さくなっている。本実施の形態では、低誘電率膜13を上述のように設けることから、上述のように寄生容量が小さくなるという効果が得られる。
【0034】
なお、低誘電率膜13の膜厚を厚くするほど、寄生容量低減効果は大きくなる。そこで、寄生容量を小さくする効果を高める観点からみれば、ベース基板7と低誘電率膜13とを備える構成ではなく、ベース基板7の材質を低誘電率材料に変更して低誘電率膜13のみを備える構成とすれば最もよいと考えられる。しかしながら、低誘電率膜13を厚く形成することは困難であることから、単純にベース基板7をなくして低誘電率膜13のみを形成することは生産性などの点から困難である。そこで、本実施の形態では、少なくともベース基板7上に低誘電率膜13を設けている。これにより、検出配線2,3同士の間、または、検出配線2,3とシールド電極層14との間における誘電率を実効的に低減することが、生産性を考慮しつつ可能となっている。
【0035】
次に、本実施の形態に係るタッチパネル100の製造方法について図5を用いて説明する。
【0036】
はじめに、透明なガラスや樹脂からなる透明基板(ベース基板7)を準備する。ここでベース基板7として、その第1主面7a側にシールド電極層14として透明導電性膜が予め設けられたものを用いてもよい。
【0037】
次に、ベース基板7の第2主面7b上に、当該ベース基板7よりも低誘電率の膜、例えば酸化珪素膜や酸化珪素膜にフッ素が含まれたSiOF(FSG:Fluorinated Silicate Glass)膜などを、低誘電率膜13としてプラズマCVD法により形成する。あるいは、プロセスを簡略化するために、塗布法で形成可能なSi−H結合を含有する酸化珪素膜(HSQ:Hydrogen Silsesquioxane)膜などを、低誘電率膜13としてベース基板7の第2主面7b上に形成してもよい。
【0038】
次に、低誘電率膜13上に、検出配線2となる金属層を、スパッタリング法を用いて例えば150〜500nmの膜厚で形成する。この金属層の材料としては、アルミニウム、またはアルミニウムを主成分とする合金、例えば、Niを含むAl合金等が用いられる。本実施の形態では、この金属層の材料としてAlNiNdが用いられるものとする。ここでの金属層の成膜条件は、例えば、圧力が0.2〜0.5Pa、DCパワーが1.0〜2.5kW、パワー密度が0.17〜0.43W/cm2、成膜温度が室温〜180℃とする。
【0039】
なお、後工程で用いる現像液との反応を抑えるために、金属層(AlNiNd層)の上部を窒化してAlNiNdN層を形成してもよい。また、Al以外にも低抵抗金属材料、例えば、Cu(銅)またはCu合金、もしくはMoまたはMo合金を、上述の金属層の材料として用いることができる。なお、それらからなる金属層もAlの金属層と同様にスパッタリング法を用いて成膜することができる。
【0040】
次に、この金属層上にレジストを塗布し、レジストが検出配線2を形成するための形状を有するようにフォトリソグラフィ工程を行う。それから、燐酸・硝酸・酢酸の混酸を用いてウェットエッチング工程を行い、先の工程で形成した金属層をパターニングして複数の検出配線2を形成する。この際、各検出配線2の断面形状をテーパ形状にすると、後工程で膜を形成する際に断線などの不良を低減することができる。なお、エッチングには、燐酸・硝酸・酢酸の混酸以外のエッチング液を用いてもよく、あるいは、ドライエッチングを行ってもよい。
【0041】
次に、CVD法等を用いて、低誘電率膜13上において複数の検出配線2を覆うように層間絶縁膜8を形成する。本実施の形態では、層間絶縁膜8として、誘電率が低い酸化珪素(SiO2)膜を形成している。これにより、先の工程で形成した下層配線(検出配線2)と、後の工程で形成する上層配線(検出配線3)との間の寄生容量をより低減することができる。ここでの酸化珪素膜の成膜条件は、例えば、SiH4流量が10〜50sccm、N2O流量が200〜500sccm、成膜圧力が50Pa、RFパワーが50〜200W、パワー密度が0.015〜0.67W/cm2、成膜温度が200〜300℃とする。
【0042】
なお、下層配線(検出配線2)と上層配線(検出配線3)との間で形成される寄生容量をなるべく低減できるように、層間絶縁膜8の膜厚は、生産性等を考慮して可能な限り厚くすることが好ましい。また、層間絶縁膜8は、SiO2膜に限られるものではなく、SiN膜やSiON膜等を用いてもよい。これらの膜は、上述した酸化珪素膜を形成するガスに水素、窒素、アンモニア(NH3)を加えれば形成することができる。
【0043】
次に、層間絶縁膜8上に、検出配線3となる金属層を、スパッタリング法を用いて例えば200〜1000nmの膜厚で形成する。この金属層の材料としては、アルミニウム、またはアルミニウムを主成分とする合金、例えば、Niを含むAl合金等が用いられる。本実施の形態では、この金属層の材料としてAlNiNdが用いられるものとする。ここでの金属層の成膜条件は、例えば、圧力が0.2〜0.5Pa、DCパワーが1.0〜2.5kW、パワー密度が0.17〜0.43W/cm2、成膜温度が室温〜180℃とする。
【0044】
なお、後工程で用いる現像液との反応を抑えるために、金属層(AlNiNd層)の上部を窒化してAlNiNdN層を形成してもよい。また、Al以外にも低抵抗金属材料、例えば、Cu(銅)またはCu合金、もしくはMoまたはMo合金を、上述の金属層の材料として用いることができる。なお、それらからなる金属層もAlの金属層と同様にスパッタリング法を用いて成膜することができる。ここで、検出配線2となる金属層の材質、及び、検出配線3となる金属層の材質に同じ材料を用いれば、生産効率を向上させることができる。
【0045】
次に、この金属層上にレジストを塗布し、レジストが検出配線3を形成するための形状を有するようにフォトリソグラフィ工程を行う。それから、燐酸・硝酸・酢酸の混酸を用いてウェットエッチング工程を行い、先の工程で形成した金属層をパターニングして複数の検出配線3を形成する。なお、エッチングには、燐酸・硝酸・酢酸の混酸以外のエッチング液を用いてもよく、あるいは、ドライエッチングを行ってもよい。
【0046】
次に、CVD法等を用いて、層間絶縁膜8上において複数の検出配線3を覆うように保護膜9を形成する。保護膜9としては、視認性を良くするために層間絶縁膜8と同じ種類の膜がよく、本実施の形態では、酸化珪素(SiO2)膜を用いられるものとする。なお、保護膜9の膜厚は、カバレッジと生産性を考慮して決定すればよい。
【0047】
次に、保護膜9上にレジストを塗布し、レジストが上述のコンタクトホールCHa,CHbを形成するための形状を有するようにフォトリソグラフィ工程を行う。それから、CF4とO2との混合ガスのプラズマを用いてエッチング工程を行い、先の工程で形成した保護膜9及び層間絶縁膜8を一括してパターニングして、コンタクトホールCHa,CHbを形成する。
【0048】
次に、ベース基板7として、第1主面7a側にシールド電極層14としての透明導電膜が予め設けられたものを用いなかった場合には、その当該第1主面7a上にITO等の非結晶透明層を、シールド電極層14としてスパッタリング法により50〜100nm成膜する。その後、アニールによりITOを結晶化させる。
【0049】
ここで、シールド電極層14としてはITO膜を成膜して形成するのに限るわけではなく、例えばITOフィルムをベース基板7の裏面に貼り付けることで形成してもよい。また、表示装置本体200上に形成された基準電極をシールド電極層14とし、タッチスクリーン1を当該基準電極(シールド電極層14)上に粘着剤を用いて直接ボンディングを行う構成としてもよい。
【0050】
以上のプロセスを経ることで、上述した構成を有するタッチスクリーン1を製造することができる。そして、当該タッチスクリーン1にFPC10を介して、各回路を備えたコントローラ基板11を接続すれば、上述のタッチパネル100を製造することができる。それから、当該タッチパネル100のタッチスクリーン1を表示装置本体200の表示パネル上に配設すれば上述の表示装置を製造することができる。
【0051】
ここで、タッチスクリーン1を表示装置本体200の表示パネル面に直接貼り付けるようにすれば、従来必要であったタッチスクリーン1の保持機構をなくすことができ、表示装置全体を薄くすることができる。また、タッチスクリーン1と表示パネルとが一体化して構成されることから、タッチスクリーン1と表示パネルとの間隙に異物等が混入する可能性が低減され、表示への異物等による悪影響を低減することができる。
【0052】
以上のような本実施の形態に係るタッチスクリーン1、タッチパネル100及び表示装置によれば、ベース基板7よりも低い誘電率を有する低誘電率膜13が、表示装置本体200と検出配線群16との間に形成されている。したがって、検出配線群16に付加される寄生容量を抑制することができるとともに、表示装置本体200から検出配線群16へのノイズの影響も抑制することができる。これにより、検出配線2,3の1本ごとに付加される寄生容量は低減することになるため、SN比を改善することができる。また、検出速度の低下を抑制することも期待できる。
【0053】
なお、この効果は、低誘電率膜13を設けることによって得られるものである。つまり、図7に示されるように、シールド電極層14を設けない場合(隣接及び交差した検出配線2,3の間に生じる容量が支配的となる場合)であっても、低誘電率膜13を設ければ、ノイズ源である表示装置本体200と検出配線群16(検出配線2,3)との間の寄生容量を抑制することができるとともに、これらの間に生じるカップリングノイズを低減することができる。
【0054】
なお、以上の説明では、低誘電率膜13は、ベース基板7と検出配線群16下の第2主面7b上に形成した。しかしこれに限ったものではなく、その構成に加えて、図8に示されるように、低誘電率膜13と同等の低誘電率膜15が、第1主面7a上に形成されてもよい。そして、この場合には、第1主面7a上にある低誘電率膜15上に形成されたシールド電極層14をさらに加えてもよい。いずれの構成であっても、上述と同様に、検出配線群16に付加される寄生容量を抑制することができるとともに、表示装置本体200から検出配線群16へのノイズの影響も抑制することができる。
【0055】
また、図9に示されるように、低誘電率膜13を形成せずに、低誘電率膜15のみを形成してもよい。そして、この場合にも、第1主面7a上にある低誘電率膜15上に形成されたシールド電極層14をさらに加えてもよい。いずれの構成であっても、上述と同様の効果を得ることができる。なお、この図9に示される構成において、シールド電極層14をITOフィルムで形成する場合には、当該フィルムの粘着材をベース基板7より低い誘電率を有する材料とすることが望ましい。
【0056】
なお、タッチスクリーン1を、上述したようにシールド電極層14を備えた構成とした場合には、当該シールド電極層14のノイズ抑制効果により、表示装置本体200から検出配線群16へのノイズの影響をより抑制することができる。また、従来の構成においてシールド電極層14を形成した場合には、検出配線群16と当該シールド電極層14との間に大きな寄生容量が生じていたが、本実施の形態では、検出配線群16と当該シールド電極層14との間に低誘電率膜13(低誘電率膜15)が形成されているため、当該寄生容量を抑制することもできる。
【0057】
また、本実施の形態では、検出配線2と検出配線3とを同じ材質の金属層としたが、これに限られるものではなく、検出配線2と検出配線3とが層間絶縁膜8を隔てて配置されていれば、検出配線2,3は、異なる配線材料層から形成されてもよい。
【0058】
また、本実施の形態では、本発明に係る基板を、ベース基板7としており、表示装置本体200とは別の基板を用いた構成としているが、この構成に限られるものではない。例えば、本発明に係る基板を、表示装置(液晶表示装置)を構成するカラーフィルターとし、当該カラーフィルター上に、当該カラーフィルターよりも低誘電率の膜、及び、検出配線群16を順に積層して形成する構成であってもよい。
【0059】
また、ベース基板7の全面上に低誘電率膜13を設けるのではなく、少なくともタッチを検出する領域にのみ低誘電率膜13を設ける構成としてもよい。
【符号の説明】
【0060】
1 タッチスクリーン、7 ベース基板、13,15 低誘電率膜、14 シールド電極層、16 検出配線群、20a,20b スイッチ回路、21 発振回路、22a 第1計数回路、22b 第2計数回路、100 タッチパネル、200 表示装置本体、201 表示パネル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置本体の表示部上に配設されるタッチスクリーンであって、
前記表示部に対向する第1主面及びその反対側の第2主面を有する基板と、
前記基板の前記第2主面の側に形成された検出配線群と、
前記基板よりも低い誘電率を有し、前記基板の前記検出配線群下の前記第2主面上及び/または前記第1主面上に形成された絶縁膜と
を備える、タッチスクリーン。
【請求項2】
請求項1に記載のタッチスクリーンであって、
前記基板の第1主面上または当該第1主面上にある前記絶縁膜上に形成されたシールド電極層をさらに備える、タッチスクリーン。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のタッチスクリーンと、
前記検出配線群と選択的に接続するスイッチ回路と、
前記検出配線群のうち、前記スイッチ回路により接続された検出配線に発振信号を付与する発振回路と、
前記検出配線に付与された前記発振信号の発振周期に基づいて、指示体と、当該検出配線との間に形成される静電容量を検出し、当該静電容量に基づいてタッチ位置を算出する検出手段と
を備える、タッチパネル。
【請求項4】
請求項3に記載のタッチパネルと、
前記表示部として表示パネルを有する前記表示装置本体とを備え、
前記タッチスクリーン背面をなす前記基板の前記第1主面に対向して、前記表示パネルが配設された表示装置。
【請求項1】
表示装置本体の表示部上に配設されるタッチスクリーンであって、
前記表示部に対向する第1主面及びその反対側の第2主面を有する基板と、
前記基板の前記第2主面の側に形成された検出配線群と、
前記基板よりも低い誘電率を有し、前記基板の前記検出配線群下の前記第2主面上及び/または前記第1主面上に形成された絶縁膜と
を備える、タッチスクリーン。
【請求項2】
請求項1に記載のタッチスクリーンであって、
前記基板の第1主面上または当該第1主面上にある前記絶縁膜上に形成されたシールド電極層をさらに備える、タッチスクリーン。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のタッチスクリーンと、
前記検出配線群と選択的に接続するスイッチ回路と、
前記検出配線群のうち、前記スイッチ回路により接続された検出配線に発振信号を付与する発振回路と、
前記検出配線に付与された前記発振信号の発振周期に基づいて、指示体と、当該検出配線との間に形成される静電容量を検出し、当該静電容量に基づいてタッチ位置を算出する検出手段と
を備える、タッチパネル。
【請求項4】
請求項3に記載のタッチパネルと、
前記表示部として表示パネルを有する前記表示装置本体とを備え、
前記タッチスクリーン背面をなす前記基板の前記第1主面に対向して、前記表示パネルが配設された表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2013−3758(P2013−3758A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133019(P2011−133019)
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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