説明

タッチデバイス及びその製造方法

【課題】信号の干渉に対する遮蔽構造を有するタッチデバイスおよびその製造方法提供する。
【解決手段】タッチデバイス100が提供される。タッチデバイス100は、感知領域100Aと、周辺領域100Bと、を有する。さらに、タッチデバイス100は、タッチ感知層(106b、112)と、タッチ感知層(106b、112)から離されて周辺領域100Bに配置される遮蔽層(108、114)と、タッチ感知層(106b、112)と遮蔽層(108、114)の間に配置される絶縁層110と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタッチデバイスに関し、特に、信号の干渉に対する遮蔽構造を有するタッチデバイスおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タッチディスプレイパネルは、さまざまな電子製品(携帯電話、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、携帯用のパソコンなど)に一般的に応用され、容量性のタッチディスプレイパネルの製造技術が最も一般的に用いられている。タッチディスプレイパネルは、通常、カバーレンズ、タッチパネル、ディスプレイパネルを含む。カバーレンズは、タッチパネルのタッチ側面に取り付けられ、タッチパネルはディスプレイパネルに取り付けられる。ユーザは、タッチディスプレイパネル上に表示される画像を指またはタッチペンでタッチして、タッチディスプレイパネルに信号を入力する、または電子製品を操作する。
【0003】
一般的に、タッチディスプレイパネルの感知電極は、タッチパネルの感知領域に配置され、また、タッチ信号を伝送する信号線は感知領域の外側の周辺領域に配置されるとともに感知電極に電気的に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中国実用新案広告第201387599号明細書
【特許文献2】台湾特許広告第361675号明細書
【特許文献3】中国実用新案登録第201465086号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、タッチディスプレイパネルを含む電子製品が、ユーザの一つの手によって掴まれ、かつ、ユーザの他の手によって操作される時には、タッチディスプレイを掴んでいる手および周辺領域のタッチ信号線が誘導静電容量を作り出す。従って、その手が感知領域をタッチして信号線によって受信されることで作り出されるタッチ信号は、誘導静電容量によって影響される。従って、タッチディスプレイパネル上においてタッチ操作の失敗などの誤った反応が発生する。
【0006】
このため、上述した上述した従来のタッチディスプレイパネルの問題を克服することができ、周辺領域での誘導静電容量の影響からタッチデバイスの操作を回避することができるタッチデバイスの提供が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述した従来のタッチディスプレイパネルの問題を克服することができ、周辺領域での誘導静電容量の影響からタッチデバイスの操作を回避することができるタッチデバイスを提供する。
【0008】
一態様では、感知領域と、感知領域を取り囲む周辺領域と、を有するタッチデバイスが提供される。タッチデバイスは、タッチ感知層と、タッチ感知層から離されて周辺領域に配置される遮蔽層と、タッチ感知層および遮蔽層の間に配置される絶縁層と、を備える。
【0009】
他の態様では、さらに、感知領域と、感知領域を取り囲む周辺領域と、を有するタッチデバイスが提供される。タッチデバイスは、第1の面と、第1の面に対向する第2の面と、を有する基板を備え、第1の面がタッチ側面になる。感知電極は基板の第2の面上に配置され、感知電極の主要部分は感知領域に配置される。マスク層は、基板の第2の面上であって周辺領域に配置される。信号伝送線は感知電極に電気的に接続され、マスク層に覆われる。誘導層は、マスク層上に配置される。絶縁層は、誘導層および信号伝送線の間であって、誘導層および感知電極の間に配置される。導電層は、誘導層上に配置され、誘導層に電気的に接続される。
【0010】
他の態様では、タッチデバイスを製造する方法が提供される。タッチデバイスは、感知領域と、感知領域を取り囲む周辺領域と、を有する。方法は、タッチ感知層を形成するステップと、タッチ感知層から離されており周辺領域に配置される遮蔽層を形成するステップと、タッチ感知層および遮蔽層の間に配置される絶縁層を形成するステップと、を備える。特に、方法は、タッチ側面になる第1の面と、第1の面に対向する第2の面と、を有する基板を提供すること、を更に備える。マスク層は、基板の第2の面上であって、かつ、周辺領域に形成される。感知電極は基板の第2の面上に形成され、感知電極の主要部分は感知領域に形成される。誘導層は、マスク層上に形成される。絶縁層は誘導層上に形成される。信号伝送線は、絶縁層上に形成され、感知電極に電気的に接続される。導電層は誘導層上に形成され、誘導層に電気的に接続される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、上述した従来のタッチディスプレイパネルの問題を克服することができ、周辺領域での誘導静電容量の影響からタッチデバイスの操作を回避することができるタッチデバを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態に係るタッチデバイスを説明する平面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る図1のドット付きの2―2'にわたってのタッチデバイスを説明する断面図である。
【図3A】本発明の実施の形態に係る図2のタッチパネルを製造する中間段階を説明する断面図である。
【図3B】本発明の実施の形態に係る図2のタッチパネルを製造する中間段階を説明する断面図である。
【図3C】本発明の実施の形態に係る図2のタッチパネルを製造する中間段階を説明する断面図である。
【図3D】本発明の実施の形態に係る図2のタッチパネルを製造する中間段階を説明する断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るタッチデバイスを説明する平面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る図4のドット付きの5―5'にわたってのタッチデバイスを説明する断面図である。
【図6A】本発明の実施の形態に係る図5のタッチパネルを製造する中間段階を説明する断面図である。
【図6B】本発明の実施の形態に係る図5のタッチパネルを製造する中間段階を説明する断面図である。
【図6C】本発明の実施の形態に係る図5のタッチパネルを製造する中間段階を説明する断面図である。
【図6D】本発明の実施の形態に係る図5のタッチパネルを製造する中間段階を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の説明は、本発明の実施の最良の検討形態である。説明は、発明の一般的な原理を説明する目的のためになされ、限定した意味に解されるものではない。発明のスコープは、添付した特許請求の範囲を参照することで最良に決定される。
【0014】
図1を参照して、本実施の形態に係るタッチデバイス100の平面図を説明する。タッチデバイス100は、例えば、容量性のタッチデバイスであり、感知領域100Aと、感知領域100Aを取り囲む周辺領域100Bと、を有する。複数の感知電極106aおよび106bが、感知領域100Aに配置される。感知電極106aは、図1の左から右に向けて徐々に幅が減少される第1の帯状パターンを有する。感知電極106bは、図1の右から左に向けて徐々に幅が増加される第2の帯状パターンを有する。感知電極106aおよび106bは、感知領域100Aに交互に配置される。信号伝送線112は、感知電極106aおよび106bの幅広側面に配置される。信号伝送線112は、感知電極106aおよび106bに電気的に接続される。感知電極106aおよび106bによって感知された電気的な変化が、タッチ信号を計算するために、タッチデバイス100の信号プロセッサ(不図示)に信号伝送線112を通って伝送される。その結果、タッチデバイス100のディスプレイパネル(不図示)にタッチ信号が伝送され、タッチ信号に従ってタッチディスプレイパネル上に画像が表示される。感知電極106aおよび106bと、信号伝送線112と、の組み合わせが、タッチ感知層として見なされる。
【0015】
本発明の実施の形態によれば、信号伝送線112は、タッチデバイス100の周辺領域100Bに配置される。さらに、図1に示すように、光を遮蔽するマスク層104と、誘導108と、導電層114と、についてもまた周辺領域100Bに配置される。平面図からは、マスク層104、誘導層108、導電層114は、感知領域100Aを取り囲むリング形状を有する。本発明の実施の形態では、誘導層108は、周辺領域100Bで信号伝送線112に対するユーザの指によって作り出される干渉を、効果的に遮蔽することができる。静電容量は、まず、ユーザの指および誘導層108の間で作り出される。その結果、静電容量は導電層114を通って接地端子に伝送され、遮蔽効果を達成する。さらに、導電層114が誘導層108の遮蔽効果を向上させることができるように、導電層114に導電材料が利用されることで、誘導層108のインピーダンスを減少することができる。誘導層108および導電層114の組み合わせが遮蔽層として見なされる。遮蔽層は、周辺領域100Bに配置され、上述したタッチ感知層から離されている。
【0016】
本発明の実施の形態に係る図1のドット付きの2―2'にわたってのタッチデバイスを説明する断面図を説明する。タッチデバイス100は、タッチパネル150と、ディスプレイパネル140と、を含む。ディスプレイパネル140は、例えば、液晶ディスプレイパネルまたは他のディスプレイ要素である。ディスプレイパネル140は、接着剤層(不図示)を通ってタッチパネル150の下側に取り付けられてもよい。
【0017】
タッチパネル150は、基板102を含み、基板102は、タッチパネル150のカバーレンズのために利用されることができる。基板102は、透明または不透明基板であってもよい。基板102が透明基板である場合には、基板102は、画像表示効果を備えるタッチパネルに適用することができる。透明基板の材料は、例えば、ガラス基板である。基板102が不透明基板である場合には、基板102は、一般的なタッチパッドに適用することができる。基板102は、第1の面102Aと、第1の面102Aに対向する第2の面102Bと、を有し、第1の面102Aは、タッチパネル150のタッチ側面として利用される。マスク層104は、基板102の第2の面102B上の周辺領域100Bに配置される。マスク層104の材料は、カラーフォトレジスト(colored photo-resist)またはカラープリンティングインク(colored printing ink)であってもよい。感知電極106aおよび106bは、基板102の第2の面102B上の感知領域100Aに配置される。感知電極106aおよび106bの材料は、例えば、酸化インヂウム・スズ(ITO)のような、透明導電材料であってもよい。ユーザの指またはタッチペン130が第1の面102Aの感知領域100Aをタッチした場合、ユーザの指またはタッチペン130と、感知電極106aおよび106bと、の間に、誘導静電容量が作り出される。
【0018】
本発明の実施の形態によれば、誘導層108は、基板102の第2の面102B上において、周辺領域100Bに配置される。誘導層108の材料は、例えば、酸化インヂウム・スズ(ITO)のような、透明導電材料であってよい。誘導層108は、周辺領域100Bにリング構造として形成され、感知電極106aおよび106bから離されている。信号伝送線112は、感知電極106aおよび106bに電気的に接続され、マスク層104に覆われる。絶縁層110は、上述したタッチ感知層および遮蔽層の間に配置される。特に、絶縁層110は、感知電極106aおよび106bから誘導層108を電気的に絶縁する。さらに、上述した遮蔽層は、マスク層104および絶縁層110の間に配置される。
【0019】
さらに、本発明の実施の形態によれば、導電層114は、誘導層108上に配置され、電気的に誘導層108に接続される。導電層114はまた、周辺領域100Bにリング構造に形成される。導電層114の材料は、金属材料であってよい。透明導電材料は、誘導層108が高いインピーダンスを持つために利用されるため、導電層114を利用して誘導層108に電気的に接続することは、誘導層108のインピーダンスを減少させ、誘導層108の遮蔽効果を向上させることができる。さらに、保護層116は、基板102の第2の面102Bを覆うように形成され、感知電極106aおよび106b、信号伝送線112、誘導層108、導電層114、およびマスク層104を含む、基板102の第2の面102B上の全てのコンポーネントを覆う。保護層116の材料は、有機または無機材料であってよい。ディスプレイパネル140は、保護層116に貼りあわせるためにタッチパネル150の下側に提供され、タッチデバイス100を形成する。
【0020】
図2に示すように、ユーザの一つの手132がタッチデバイス100を掴んだ場合に、ユーザの手132および誘導層108が静電容量を作り出す。その結果、作り出された静電容量は、導電層114を通って接地端子に伝送される。その結果、誘導層108は、周辺領域100Bで信号伝送線112に対するユーザの手132によって作り出された干渉を、効果的に遮蔽する。
【0021】
次に、図3A−3Dを参照して、本発明の実施の形態に係る図2のタッチパネルを製造する中間段階を説明する断面図である。まず、図3Aに示すように、第1の面102Aおよび対向する第2の面102Bを備える、基板102が提供される。第1の面102Aは、タッチパネル150のタッチ側面として利用される。マスク層104は、基板102の第2の面102B上の周辺領域100Bに形成される。マスク層104の材料は、例えば、カラーフォトレジスト(colored photo-resist)またはカラープリンティングインク(colored printing ink)であり、フォトリソグラフィープロセス(photolithography process)またはプリンティングプロセス(printing process)によって形成され、マスク層104を形成する。
【0022】
図3Bに示すように、透明導電材料層は、基板102の第2の面102B上を覆うように形成される。その結果、透明導電材料層は、フォトリソグラフィー(photolithography)およびエッチング(etching)プロセス、またはプリンティングプロセス(printing process)によって形成され、感知電極106aおよび106bを基板102の第2の面102B上の感知領域100Aに形成し、周辺領域100Bにおいてマスク層104上に誘導層108を形成する。感知電極106aおよび106bは、誘導層108から離されている。ある実施の形態では、同一のプロセスで、感知電極106aおよび106bと、誘導層108と、を同時に形成することができる。他の実施の形態では、感知電極106aおよび106bと、誘導層108と、を異なるプロセスで別々に形成することができる。
【0023】
図3Cに示すように、絶縁層110は、誘導層108上に形成され、感知電極106aおよび106bと、誘導層108と、の間の空間まで伸びる。絶縁層110の材料は、例えばポリイミドのような、有機または無機の絶縁材料であってよく、絶縁層110を形成するために、フォトリソグラフィープロセス(photolithography process)またはプリンティングプロセス(printing process)によって形成されることができる。
【0024】
次に、図3Dに示すように、信号伝送線112が、絶縁層110上に形成され、感知電極106aおよび106bに電気的に接続される。さらに、導電層114は、誘導層108上に形成され、誘導層108に電気的に接続される。信号伝送線112および導電層114の材料は、金属材料であってよく、信号伝送線112および導電層114を形成するために、フォトリソグラフィープロセス(photolithography process)またはプリンティングプロセス(printing process)によって形成されることができる。ある実施の形態では、信号伝送線112および導電層114は、同一のプロセスで同時に形成されることができる。他の実施の形態では、信号伝送線112および導電層114は、異なるプロセスで別々に形成されることができる。
【0025】
その結果、保護層116は、基板102の第2の面102B上で覆うように形成され、感知電極106aおよび106b、信号伝送線112、誘導層108、導電層114、およびマスク層104を含む、第2の面102B上の全てのコンポーネントを覆い、タッチパネル150の製造を完了する。
【0026】
図4を参照して、本発明の他の実施の形態に係るタッチデバイスを説明する平面図を説明する。タッチデバイス200は、例えば、感知領域200Aと、感知領域200Aを取り囲む周辺領域200Bを有する、容量性のタッチデバイスである。列に配置された複数の第1の感知電極120Yと、行に配置された複数の第2の感知電極120Xと、が感知領域200Aに配置される。同一列に配置された第1の感知電極120Yは、それぞれ互いに接続される。同一行に配置された第2の感知電極120Xは、それぞれ互いに離されている。同一行に配置された任意の2つの隣接する第2の感知電極120Xは、ブリッジ線124によって一緒に接続される。さらに、絶縁部122が第1の感知電極120Yおよびブリッジ線124の間に配置され、第2の感知電極120Xから第1の感知電極120Yを電気的に絶縁する。行に配置された第2の感知電極120Xによって感知された電気的な変化が、タッチ信号を計算するために、信号伝送線112を通ってタッチデバイス200の信号プロセッサ(不図示)に伝送される。その結果、タッチ信号は、タッチ信号に従ってディスプレイパネル上に画像を表示するため、信号伝送線を通ってタッチデバイス200のディスプレイパネル(不図示)に伝送される。図4には示されていないが、当業者であれば、列に配置された第1の感知電極120Yによって感知された電気的な変化についてもまた、他の信号伝送線(不図示)を通って伝送されることが理解される。第1の感知電極120Y、第2の感知電極120X、ブリッジ線124、および信号伝送線112の組み合わせが、タッチ感知層として見なされる。
【0027】
本発明の実施の形態によれば、信号伝送線112は、タッチデバイス200の周辺領域200Bに配置される。さらに、図4に示すように、光を遮蔽するマスク層104、誘導層108、および導電層114はまた、周辺領域200Bに配置される。平面図から、マスク層104、誘導層108、および導電層114は、感知領域200Aを取り囲むリング形状を有する。本発明の実施の形態において、誘導層108は、周辺領域200Bで信号伝送線112に対するユーザの指によって作り出された干渉を、効果的に遮蔽することができる。その結果、静電容量は誘導層114を通って接地端子に伝送され、遮蔽効果を達成する。さらに、導電層114に利用される導電材料は、誘導層108の遮蔽効果を向上させるように、誘導層108のインピーダンスを減少させることができる。誘導層108および導電層114の組み合わせが、遮蔽層として見なされる。遮蔽層は、周辺領域200Bに配置され、上述したタッチ感知層から離されている。
【0028】
図5を参照して、本発明の実施の形態に係る図4のドット付きの5―5'にわたってのタッチデバイス200を説明する断面図を説明する。タッチデバイス200は、タッチパネル250およびディスプレイパネル140を含む。ディスプレイパネル140は、例えば、液晶ディスプレイパネルまたは他のディスプレイ要素であり、タッチパネル250の下側に取り付けられる。タッチパネル250は、基板102を含む。基板102は、透明または不透明基板であってよく、タッチパネル250のカバーレンズのために利用される。基板102が透明基板である場合には、基板102は、画像表示効果を備えるタッチパネルに適用することができる。透明基板の材料は、例えば、ガラス基板である。基板102が不透明基板である場合には、基板102は、一般的なタッチパッドに適用することができる。基板102は、第1の面102Aと、第1の面102Aに対向する第2の面102Bと、を有し、第1の面102Aは、タッチパネル250のタッチ側面として利用される。マスク層104は、基板102の第2の面102B上の周辺領域200Bに配置される。マスク層104の材料は、カラーフォトレジスト(colored photo-resist)またはカラープリンティングインク(colored printing ink)であってもよい。複数の第1の感知電極120Yおよび複数の第2の感知電極120Xは、基板102の第2の面102B上の感知領域200Aに配置される。第1の感知電極120Yおよび第2の感知電極120Xの材料は、例えば、酸化インヂウム・スズ(ITO)のような、透明導電材料であってもよい。ユーザの指またはタッチペン130が第1の面102Aの感知領域200Aをタッチした場合、ユーザの指またはタッチペン130と、第1の感知電極120Yおよび第2の感知電極120Xと、の間に、誘導静電容量が作り出される。
【0029】
本発明の実施の形態によれば、絶縁層110は、上述したタッチ感知層および遮蔽層の間に配置される。上述した遮蔽層は、マスク層104および絶縁層110の間に配置される。誘導層108は、マスク層104上に配置される。誘導層108の材料は、例えば、酸化インヂウム・スズ(ITO)のような、透明導電材料であってよい。誘導層108は、周辺領域200Bにリング構造として形成され、第1の感知電極120Yおよび第2の感知電極120Xから離されている。絶縁層110は、後に形成される信号伝送線112から誘導層108を電気的に絶縁するために、誘導層108上に配置される。絶縁層110は、誘導層108および第2の感知電極120Xの間の空間まで更に伸びる。さらに、絶縁部122は、第2の感知電極120Xに接続し後に形成されるブリッジ線124から、第1の感知電極120Yを電気的に絶縁するために、第1の感知電極120Yに配置される。その結果、信号伝送線112は、絶縁層110上に配置され、第2の感知電極120Xに電気的に接続する。ブリッジ線124は、絶縁部122上に配置され、任意の2つの隣接する同一行における第2の感知電極120Xを一緒に電気的に接続する。
【0030】
さらに、本発明の実施の形態によれば、導電層114は、誘導層108上に配置される。導電層114の材料は、金属材料であってよい。透明導電材料は、誘導層108が高いインピーダンスを持つために利用されるため、導電層114を利用して誘導層108に電気的に接続することは、誘導層108のインピーダンスを減少させ、誘導層108の遮蔽効果を向上させることができる。図5に示すように、ユーザの一つの手132がタッチデバイス200を掴んだ場合に、ユーザの手132および誘導層108が静電容量を作り出す。その結果、作り出された静電容量は、導電層114を通って接地端子に伝送される。その結果、誘導層108は、周辺領域200Bで信号伝送線112に対するユーザの手132によって作り出された干渉を、効果的に遮蔽する。
【0031】
最後に、保護層116は、基板102の第2の面102Bを覆うように形成され、第1の感知電極120Y、第2の感知電極120X、信号伝送線112、ブリッジ線124、誘導層108、導電層114、およびマスク層104を含む、基板102の第2の面102B上の全てのコンポーネントを覆う。ディスプレイパネル140は、保護層116に貼りあわせるために、例えばタッチパネル250の下側に接着剤層(不図示)を通して提供され、タッチデバイス200を完成する。
【0032】
次に、図6A−6Dを参照して、本発明の実施の形態に係る図5のタッチパネルを製造する中間段階を説明する断面図を説明する。まず、図6Aに示すように、基板102が提供される。基板102は、第1の面102Aおよび対向する第2の面102Bを有し、第1の面102Aは、タッチパネル150のタッチ側面として利用される。マスク層104は、基板102の第2の面102B上の周辺領域200Bに形成される。マスク層104の材料は、例えば、カラーフォトレジスト(colored photo-resist)またはカラープリンティングインク(colored printing ink)であり、フォトリソグラフィープロセス(photolithography process)またはプリンティングプロセス(printing process)によって形成され、マスク層104を形成する。
【0033】
図6Bに示すように、透明導電材料層は、基板102の第2の面102B上を覆うように形成される。その結果、透明導電材料層は、フォトリソグラフィー(photolithography)およびエッチング(etching)プロセス、またはプリンティングプロセス(printing process)によって形成され、第1の感知電極120Yおよび第2の感知電極120Xを基板102の第2の面102B上の感知領域200Aに形成し、周辺領域200Bにおいてマスク層104上に誘導層108を形成する。第1の感知電極120Yおよび第2の感知電極120Xは、誘導層108から離されている。ある実施の形態では、同一のプロセスで、第1の感知電極120Yおよび第2の感知電極120Xと、誘導層108と、を同時に形成することができる。他の実施の形態では、第1の感知電極120Yおよび第2の感知電極120Xと、誘導層108と、を異なるプロセスで別々に形成することができる。
【0034】
図6Cに示すように、絶縁層110は、誘導層108上に形成され、第2の感知電極120Xおよび誘導層108の間の空間まで伸びる。さらに、絶縁部122は、第1の感知電極120Y上に形成され、第1の感知電極120Yおよび第2の感知電極120Xの間の空間まで伸びる。絶縁層110および絶縁部122の材料は、例えばポリイミドのような、有機または無機の絶縁材料であってよく、絶縁層110および絶縁部122を形成するために、フォトリソグラフィープロセス(photolithography process)またはプリンティングプロセス(printing process)によって形成されることができる。ある実施の形態では、同一のプロセスで、絶縁層110および絶縁部122を同時に形成することができる。他の実施の形態では、絶縁層110および絶縁部122を、異なるプロセスで別々に形成することができる。
【0035】
次に、図6Dに示すように、信号伝送線112が、絶縁層110上に形成され、第2の感知電極120Xに電気的に接続される。ブリッジ線124が、絶縁部122上に形成される。各ブリッジ線124は、任意の2つの隣接する同一行における第2の感知電極120Xを一緒に電気的に接続する。さらに、導電層114は、誘導層108上に形成され、誘導層108に電気的に接続される。信号伝送線112、ブリッジ線124、および導電層114の材料は、金属材料であってよく、信号伝送線112、ブリッジ線124、および導電層114を形成するために、フォトリソグラフィープロセス(photolithography process)またはプリンティングプロセス(printing process)によって形成されることができる。ある実施の形態では、信号伝送線112、ブリッジ線124、および導電層114は、同一のプロセスで同時に形成されることができる。他の実施の形態では、信号伝送線112、ブリッジ線124、および導電層114は、異なるプロセスで別々に形成されることができる。
【0036】
最後に、保護層116は、基板102の第2の面102B上で覆うように形成され、第1の感知電極120Y、第2の感知電極120X、信号伝送線112、ブリッジ線124、誘導層108、導電層114、およびマスク層104を含む、第2の面102B上の全てのコンポーネントを覆い、タッチパネル250の製造を完了する。
【0037】
本発明の実施の形態によれば、タッチパネル150および250の誘導層108はそれぞれ、周辺領域100Bおよび200Bにおいて信号伝送線112における干渉を効果的に遮蔽することができる。さらに、誘導層108に電気的に接続する導電層114は、誘導層108のインピーダンスを減少させることができ、誘導層108の遮蔽効果を向上させる。従って、誘導層108および導電層114の組み合わせを通して、周辺領域100Bおよび200Bにおいて信号伝送線112における干渉が、より効果的に遮蔽されることができる。
【0038】
さらに、本発明の実施の形態に係るタッチパネル150では、周辺領域100Bにおける誘導層108と、感知領域100Aにおける感知電極106aおよび106bと、を同一のプロセスで同時に形成することができる。また、導電層114および信号伝送線112を同一のプロセスで同時に形成することもできる。従って、従来のタッチパネルを製造するプロセスと比較して、本発明の実施の形態に係るタッチパネル150は、絶縁層110を形成する一つのプロセスステップのみの追加を必要としてタッチパネル150の製造を完了し、同時に、優れた遮蔽効果を達成する。
【0039】
さらに、本発明の実施の形態に係るタッチパネル250は、周辺領域200Bにおける誘導層108と、感知領域200Aにおける第1の感知電極120Yおよび第2の感知電極120Xと、が同一のプロセスで同時に形成されることができる。また、導電層114、信号伝送線112、およびブリッジ線124を、同一のプロセスで同時に形成することもできる。また、感知領域200Aにおける絶縁層110および絶縁部122が、が同一のプロセスで同時に形成されることができる。従って、従来のタッチパネルを製造するプロセスと比較して、本発明の実施の形態に係るタッチパネル250は、いかなる追加のプロセスも必要とせずにタッチパネル250の製造を完了し、同時に、優れた遮蔽効果を達成する。
【0040】
本発明が例示のためおよび好ましい実施の形態の観点で説明されたが、本発明は開示された実施の形態に限定されないことが理解される。それどころか、(当業者に理解されるように)種々の変更および類似構成を覆うことが意図される。従って、添付の特許請求の範囲のスコープは、全てのそのような変更および類似構成を包含するように、最も広い解釈が認められるべきである。
【符号の説明】
【0041】
100、200 タッチデバイス、
100A、200A 感知領域、
100B、200B 周辺領域、
102 基板、
102A 第1の面、
102B 第2の面、
104 マスク層、
106a、106b 感知電極、
108 誘導層、
110 絶縁層、
112 信号伝送線、
114 導電層、
116 保護層、
120Y 第1の感知電極、
120X 第2の感知電極、
122 絶縁部、
124 ブリッジ線、
132 ユーザの手、
140 ディスプレイパネル、
150、250 タッチパネル、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感知領域と、前記感知領域を取り囲む周辺領域と、を有するタッチデバイスであって、
タッチ感知層と、
前記周辺領域に配置され、前記タッチ感知層から離されている遮蔽層と、
前記タッチ感知層および前記遮蔽層の間に配置される絶縁層と、を備える、
タッチデバイス。
【請求項2】
前記タッチ感知層は、感知電極と、信号伝送線と、を備え、
前記感知電極の主要部分が前記感知領域に配置され、
前記信号伝送線が前記絶縁層上に配置され、
前記信号伝送線の主要部分が前記周辺領域に配置され、
前記信号伝送線が前記感知電極に電気的に接続される、
請求項1に記載のタッチデバイス。
【請求項3】
前記遮蔽層は、誘導層と、導電層と、を備え、
前記導電層が前記誘導層上に配置され、かつ、前記誘導層に電気的に接続される、
請求項1または2に記載のタッチデバイス。
【請求項4】
基板と、マスク層と、を更に備え、
前記マスク層が前記基板上であって、かつ、前記周辺領域に配置される、
請求項1〜3いずれか1項に記載のタッチデバイス。
【請求項5】
前記遮蔽層の一部分が前記マスク層および前記絶縁層の間に配置される、
請求項1に記載のタッチデバイス。
【請求項6】
感知領域と、前記感知領域を取り囲む周辺領域と、を有するタッチデバイスであって、
基板と、
前記基板上であって、かつ、前記感知領域に配置される感知電極と、
前記基板上であって、かつ、前記周辺領域に配置されるマスク層と、
前記感知電極に電気的に接続されて前記マスク層に覆われる信号伝送線と、
前記マスク層上に配置される誘導層と、
前記誘導層および前記信号伝送線の間であって、かつ、前記誘導層および前記感知電極の間に配置される絶縁層と、
前記誘導層上に配置され、かつ、前記誘導層に電気的に接続される導電層と、を備える、
タッチデバイス。
【請求項7】
前記感知電極は、徐々に幅が減少される複数の第1の帯状パターンと、徐々に幅が増加される複数の第2の帯状パターンと、を有し、前記第1の帯状パターンと前記第2の帯状パターンとが交互に配置される、
請求項6に記載のタッチデバイス。
【請求項8】
前記感知電極は、列に配置された複数の第1の感知電極と行に配置された複数の第2の感知電極と、を備え、前記複数の第1の感知電極はそれぞれ互いに接続され、前記複数の第2の感知電極はそれぞれ互いに離されている、
請求項6に記載のタッチデバイス。
【請求項9】
任意の2つの隣接する前記第2の感知電極を電気的に接続するブリッジ線と、
前記第1の感知電極および前記ブリッジ線の間に配置される絶縁部と、を更に備える、
請求項8に記載のタッチデバイス。
【請求項10】
前記マスク層、前記誘導層、および前記導電層の形状は、リング形状を用いる、
請求項6〜9いずれか1項に記載のタッチデバイス。
【請求項11】
前記基板上に全体的に配置されて、前記感知電極、前記マスク層、前記信号伝送線、前記誘導層、および前記導電層を覆う保護層と、
前記保護層に貼りあわされるディスプレイパネルと、を更に備える、
請求項6〜10いずれか1項に記載のタッチデバイス。
【請求項12】
前記誘導層は、前記信号線および前記マスク層の間に配置される、
請求項6〜11いずれか1項に記載のタッチデバイス。
【請求項13】
感知領域と、前記感知領域を取り囲む周辺領域と、を有するタッチデバイスの製造方法であって、
タッチ感知層を形成するステップと、
前記タッチ感知層から離されており、前記周辺領域に配置される遮蔽層を形成するステップと、
前記タッチ感知層および前記遮蔽層の間に配置される絶縁層を形成するステップと、を備える、
タッチデバイスの製造方法。
【請求項14】
前記タッチ感知層は、感知電極と、信号伝送線と、を備え、
前記感知電極の主要部分が前記感知領域に形成され、
前記信号伝送線が前記絶縁層上に形成され、
前記信号伝送線の主要部分が前記周辺領域に形成され、
前記信号伝送線が前記感知電極に電気的に接続される、
請求項13に記載のタッチデバイスの製造方法。
【請求項15】
前記遮蔽層は、誘導層と、導電層と、を備え、
前記導電層が前記誘導層上に形成され、かつ、前記誘導層に電気的に接続される、
請求項13または14に記載のタッチデバイスの製造方法。
【請求項16】
同一のプロセスが前記感知電極および前記誘導層を同時に形成する、
請求項15に記載のタッチデバイスの製造方法。
【請求項17】
同一のプロセスが前記信号伝送線および前記導電層を同時に形成する、
請求項15または16に記載のタッチデバイスの製造方法。
【請求項18】
前記絶縁層は、前記誘導層および前記感知電極の間であって、かつ、前記誘導層および前記信号伝送線の間に形成される、
請求項15〜17いずれか1項に記載のタッチデバイスの製造方法。
【請求項19】
前記感知電極は、徐々に幅が減少される複数の第1の帯状パターンと、徐々に幅が増加される複数の第2の帯状パターンと、を備え、前記第1の帯状パターンと前記第2の帯状パターンとが交互に配置される、
請求項14に記載のタッチデバイスの製造方法。
【請求項20】
前記感知電極を形成するステップは、
それぞれ互いに接続され、列に配置される複数の第1の感知電極を形成すること、
それぞれ互いに離され、行に配置される複数の第2の感知電極を形成すること、
同一行の任意の2つの隣接する前記第2の感知電極を電気的に接続するブリッジ線を形成すること、
前記第1の感知電極および前記ブリッジ線の間に絶縁部を形成すること、を備える、
請求項15〜18いずれか1項に記載のタッチデバイスの製造方法。
【請求項21】
前記ブリッジ線、前記信号伝送線、および前記導電層は、同一のプロセスによって同時に形成される、
請求項20に記載のタッチデバイスの製造方法。
【請求項22】
前記絶縁部および前記絶縁層は、同一のプロセスによって同時に形成される、
請求項20または21に記載のタッチデバイスの製造方法。
【請求項23】
基板を提供すること、
前記基板上であって、かつ、前記周辺領域にマスク層を形成すること、を更に備える、
請求項13〜22いずれか1項に記載のタッチデバイスの製造方法。
【請求項24】
前記遮蔽層は、前記マスク層および前記絶縁層の間に形成される、
請求項23に記載のタッチデバイスの製造方法。
【請求項25】
前記タッチ感知層および前記遮蔽層を覆う保護層を覆うように形成すること、
前記保護層と貼りあわせるディスプレイパネルを提供すること、を更に備える、
請求項13〜24いずれか1項に記載のタッチデバイスの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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