説明

タッチパネルの検査装置およびタッチパネルの検査方法

【課題】引回し配線の数を減らし、短時間の検査を可能とするタッチパネルの検査装置およびタッチパネルの検査方法を提供する。
【解決手段】タッチパネルの検査装置11−1を基板と、基板上にマトリクス状に配列されたA行B列の電極13−1〜13−16と、各電極とグラウンドとの間に配設され各電極を接地接続させるスイッチ素子14とを用いて構成する。スイッチ素子14は、直列接続された3個のトランジスタ(TR1、TR2、TR3)からなり、TR1は、A行ある電極の行の中でグラウンドに接続する行の選択に用いられ、TR2は、B列ある電極の列の中でグラウンドに接続する列の選択に用いられ、TR3は、A行B列の電極13−1〜13−16の中でグラウンドに接続する複数の電極からなるブロック領域の選択に用いられるようする。検査装置11−1を用いてタッチパネルの検査を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルの検査装置およびタッチパネルの検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話やスマートフォンやPDA(パーソナルデジタルアシスタント)などの電子機器では、画面の大型化への要求が大きく、スイッチやテンキーなどの入力装置を配置できる領域が少なくなっている。また、液晶ディスプレイ等の表示素子に表示された画像を参照しながら表示画像に触れ、分かりやすく情報の入力ができる情報入力方法の実現が求められている。そのため、最近タッチパネル付きの表示装置への要求が高まっている。
【0003】
タッチパネルは、上述した液晶ディスプレイなどの表示素子の上に配置され、操作者が指やペンなどで操作面に触れた場合、そのタッチ位置を検出する入力装置の総称である。接触位置検出の方式としては、抵抗膜方式や静電容量方式などがある。
抵抗膜方式は、表面に透明電極の配設された2枚の基板を、互いの透明電極が対向するように離間して配置する。すなわち2枚の基板を必要とするため、薄型化は難しい。そして、従来の抵抗膜方式タッチパネルでは、基板を押して対向する電極間をショートさせる構造であり、摩耗などを生じて耐久性に乏しい。
静電容量方式は、使用する基板を一枚として薄型化することも可能であり、特に携帯電子機器には好適な方式である。
【0004】
図9は、従来の静電容量方式のタッチパネルの概略構造を説明する平面図である。
図10は、図9に示すタッチパネルの交差部を拡大して示す平面図である。
【0005】
図9に示すタッチパネル200は、タッチ位置を位置座標として検出することができるよう構成された任意座標型のタッチパネルの一例である。タッチパネル200は、ガラス基板等の透明基板202の一方の面に、交差するX軸とY軸の2軸それぞれの方向に伸びるX電極205とY電極204とが設けられている。X電極205とY電極204は、それらが交差する交差部208において、絶縁性の層間絶縁膜(図示されない)を介して配置され、電気的に非接触(独立)な状態となっている。
【0006】
図10に示すように、交差部208でX電極205の電極パターンは接続しているが、Y電極204の電極パターンは途切れている。Y電極204は層間絶縁膜(図示されない)の上層に形成されたブリッジ電極206によって電気的に接続されている。ブリッジ電極206は、例えば、金属材料など導電性の材料からなり、Y電極204からブリッジ電極206に流れる電流に対し、平行な方向に長軸を有する短冊状などの形状を有する。
【0007】
静電容量方式のタッチパネル200は、人間が導体であり、操作者の指がグランドとして機能することを利用する。すなわち、操作者の指がタッチパネル200の電極に近づくとX電極205、Y電極204との間に新たな容量が発生する。こうした、指が近づいた時の容量変化を、図9に示した引回し配線209を介して接続する制御回路(図示されない)によって読み取る。その結果、タッチパネル200では、指が近づいた情報を感知して操作面上のタッチ位置を検出する。
【0008】
静電容量方式のタッチパネル200は、タッチパネル200の操作面内で、タッチ操作によって生じる容量変化に伴う電位変化の読み取りを行うため、X方向に伸びるX電極205およびY方向に伸びるY電極204のうち、例えば、Y電極204を定電圧の印加された読み取り配線(以下、センス線とも言う)とし、X電極205を線順次でパルス電圧を印加する駆動線(以下、ドライブ線とも言う)とする構造を備える。
【0009】
以上のような構造とタッチ位置の検出機能を備えた任意座標型の静電容量方式タッチパネルでは、タッチ位置の検出機能が発揮できるように、配線の断線や、層間絶縁膜を挟んだ電極間の短絡の有無などについて、製造後などに検査を行うことが非常に重要となる。
【0010】
タッチパネルの検査に関する技術として、特許文献1には、タッチパネルを載置するステージと、人間の指を代替するペン部材と、ペン部材を支持するアーム部材とを備えたタッチパネルの検査装置が記載されている。この特許文献1に記載のタッチパネルの検査装置では、ステージ上にタッチパネルを載置し、タッチパネル専用のペン部材をアーム部材の先端に固定し、タッチパネルの操作面にペン部材の先端が乗るようにアーム部材を軸支するレール部材の高さを調節し固定する。そして、ペン部材によりタッチパネルの所望の位置に荷重をかけて、タッチパネルの検査を行っている。
【0011】
しかしながら、特許文献1に記載されたタッチパネルの検査装置では、装置が大規模になってしまう問題や、ペン部材をタッチパネルに直接に当てるため、タッチパネル表面に傷が発生するなどの問題があった。また、その検査装置は、機械的にペン部材を動作させるため、検査に必要な時間が長時間となってしまうという問題も有していた。
【0012】
また配線の断線や、層間絶縁膜を挟んだ電極間の短絡の有無などの検査について、X電極やY電極のそれぞれの端部に検査用端子を設け、各端子間の抵抗を測定することにより検査を行う方法が可能である。しかしながら、この方法では、タッチパネルにおいて、電極から検査端子までの引回し配線が必要となる。そして、その本数が多くなった場合、タッチパネルの基板上でそれらのレイアウトに制約が生じ、タッチパネルの検査が必要な部分のすべてに対し、検査を行うことができない場合があった。
また、タッチパネルは、層間絶縁膜などの構成部材の膜厚の分布など、操作面内に容量の分布が形成されることがある。その場合、タッチパネルの感度が想定以上に変化してしまう不具合が生じ、ひいては、正確なタッチ位置の検出ができないことがあった。そして、上述した各端子間の抵抗を測定する検査方法では、こうした不具合を検出することができなかった。
【0013】
また、特許文献2には、タッチパネル上に配置される絶縁性の基板と、基板のタッチパネル側の面に形成されている複数の電極と、複数の電極それぞれを互いに独立に接地させるスイッチとを備えたタッチパネルの検査装置が記載されている。この特許文献2に記載のタッチパネルの検査装置は、容量の形成されるタッチパネルの電極の全ての交差点に対応するよう、基板上に上述の複数の電極が配置されている。この検査装置は、タッチパネル上に載置され、接地電位(以下、グラウンド電位とも言う)となる各電極により指のタッチ操作を模擬することができ、タッチパネルの検査を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2003−303051号公報
【特許文献2】特開2010−44730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
特許文献2に記載されたタッチパネルの検査装置を用いた検査方法では、実際のタッチ操作を模擬し、簡便にタッチパネルを検査することが可能となる。しかし、タッチパネルにおける電極の断線や構成部材間のショートを検査するためには、上述のように容量の形成されるタッチパネルの電極の全ての交差部に対応するよう、基板上に上述の電極を形成する必要がある。タッチパネルのタッチ位置の座標を検出する任意座標型のタッチパネルでは、こうした交差部の数は膨大なものとなる。全ての交差部に対応するように設けられた検査装置の電極の1個ずつに対し、それぞれ独立に接地操作を行っていくことは検査時間の増大を招いていた。
【0016】
また、そうした電極1個ずつに対し独立の接地操作を行うためには、その操作対応する検査装置の基板上での電極の引回しが必要となる。すなわち、検査装置の電極の接地操作を制御するために制御回路からの制御信号を各電極に対して入力する必要があるが、その場合、基板上に設けられた入力端子と電極との間を接続する引回し配線の配設が必要となる。そして、検査装置の基板上の電極数が増大し、引回し配線の数が多くなった場合、基板上で引回し配線のレイアウトに制約が生じる場合があった。
【0017】
そのため、大規模な装置を必要とせず、タッチパネルでの傷の発生を抑え、さらに、引回し配線のレイアウトに制約が生じる懸念が低減されて、高効率で短時間の検査を可能とするタッチパネルの検査装置およびそれを用いたタッチパネルの検査方法が求められている。
【0018】
本発明は、以上のタッチパネルの検査装置やタッチパネルの検査方法の問題に鑑みてなされたものである。
すなわち、本発明の目的は、大規模な装置を必要とせず、タッチパネルでの傷の発生を抑え、さらに、引回し配線のレイアウトに制約が生じる懸念が低減されて、高効率で短時間の検査を可能とするタッチパネルの検査装置およびそれを用いたタッチパネルの検査方法を提供することにある。
本発明の他の目的および利点は、以下の記載から明らかとなるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の第1の態様は、タッチパネル上に配置される絶縁性の基板と、
その基板の一方の面で、行数がA行で列数がB列となるよう、行方向と列方向のマトリクス状に配列されたA行B列の電極と、
電極それぞれとグラウンドとの間に配設されて、電極それぞれをグラウンドに接続させるように構成されたスイッチ素子と
を有するタッチパネルの検査装置であって、
スイッチ素子は、直列接続された第1のトランジスタと第2のトランジスタと第3のトランジスタの3個のトランジスタからなり、
第1のトランジスタは、A行ある電極の行の中のグラウンドに接続する行の選択に用いられ、
第2のトランジスタは、B列ある電極の列の中のグラウンドに接続する列の選択に用いられ、
第3のトランジスタは、A行B列の電極の中のグラウンドに接続する複数の電極からなる領域であって、同一行の複数の電極と同一列の複数の電極を含んで構成されたブロック領域の選択に用いられるよう構成されたことを特徴とするタッチパネルの検査装置に関する。
【0020】
本発明の第1の態様において、スイッチ素子の3個のトランジスタのそれぞれのゲートに、トランジスタをオン状態にするオン信号を送るように前記基板上に設けられた入力端子を有し、
A行ある電極の行をM行ずつの(A/M)個の行グループに分け、同一の行グループ内の電極それぞれの第1のトランジスタのゲートの間を第1の配線により相互に接続するとともに、行グループ毎に第1の配線を入力端子まで引き回すように設けられた引回し配線を(A/M)本有し、
B列ある電極の列をN列ずつの(B/N)個の列グループに分け、同一の列グループ内の電極それぞれの第2のトランジスタのゲートの間を第2の配線により相互に接続するとともに、列グループ毎に第2の配線を入力端子まで引き回すように設けられた引回し配線を(B/N)本有し、
A行の電極をM分割し、B列の電極をN分割し、マトリクス状に配列された(A/M)行(B/N)列の電極からなる領域としてM×N個のブロック領域を構成し、ブロック領域内の電極それぞれの第3のトランジスタのゲートの間を第3の配線により相互に接続するとともに、ブロック領域毎に第3の配線を入力端子まで引き回すように設けられた引回し配線をM×N本有することが好ましい。
【0021】
本発明の第1の態様において、行グループは、A行B列の電極のA行ある電極の行の中の、(A/M−1)本おきに配置されたM行の電極を選択して構成されたものであり、
列グループは、A行B列の電極のB列ある電極の列の中の、(B/N−1)本おきに配置されたN列の電極を選択して構成されたものであることが好ましい。
【0022】
本発明の第2の態様は、タッチパネル上に配置される絶縁性の基板と、
その基板の一方の面で、行数がA行で列数がB列となるよう、行方向と列方向のマトリクス状に配列されたA行B列の電極と、
直列接続された第1のトランジスタと第2のトランジスタと第3のトランジスタと第4のトランジスタの4個のトランジスタからなり、電極それぞれとグラウンドとの間に配設されて、電極それぞれをグラウンドに接続させるように構成されたスイッチ素子と
を有するタッチパネルの検査装置であって、
スイッチ素子の4個のトランジスタのそれぞれのゲートに、トランジスタをオンにするオン信号を送るように基板上に設けられた入力端子を有し、
A行ある電極の行をM行ずつの(A/M)個の行グループに分け、同一の行グループ内の電極それぞれの第1のトランジスタのゲートの間を第1の配線により相互に接続するとともに、行グループ毎に第1の配線を入力端子まで引き回すように設けられた引回し配線を(A/M)本有し、
B列ある電極の列をN列ずつの(B/N)個の列グループに分け、同一の列グループ内の電極それぞれの第2のトランジスタのゲートの間を第2の配線により相互に接続するとともに、列グループ毎に第2の配線を入力端子まで引き回すように設けられた引回し配線を(B/N)本有し、
A行ある電極の行を(A/M)行ずつのM個の行グループに分け、同一の行グループ内の電極それぞれの第3のトランジスタのゲートの間を第3の配線により相互に接続するとともに、行グループ毎に第3の配線を入力端子まで引き回すように設けられた引回し配線をM本有し、
B列ある電極の列を(B/N)列ずつのN個の列グループに分け、同一の列グループ内の電極それぞれの第4のトランジスタのゲートの間を第4の配線により相互に接続するとともに、列グループ毎に第2の配線を入力端子まで引き回すように設けられた引回し配線をN本有することを特徴とするタッチパネルの検査装置に関する。
【0023】
本発明の第3の態様は、本発明の第1の態様のタッチパネルの検査装置を用いたタッチパネルの検査方法であって、
検査装置のA行B列の電極から、所定の期間毎に、ブロック領域を1個ずつ選択し、所定の期間内に、選択されたブロック領域でそのブロック領域を構成する電極を順次1つずつグラウンドに接続し、タッチパネルの検査を行うことを特徴とするタッチパネルの検査方法に関する。
【0024】
本発明の第4の態様は、本発明の第1の態様のタッチパネルの検査装置を用いたタッチパネルの検査方法であって、
検査装置のA行B列の電極から、所定の期間毎に、ブロック領域を複数個ずつ選択するとともに、所定の期間内に、選択された複数個のブロック領域間で相互に同じタイミングとなるようにその各ブロック領域を構成する電極を順次1個ずつ選択し、該選択された電極を同時にグラウンドに接続してタッチパネルの検査を行うことを特徴とするタッチパネルの検査方法に関する。
【0025】
本発明の第5の態様は、行数がA行で列数がB列となるマトリクス状のA行B列の電極と、そのA行B列の電極を行方向および列方向にそれぞれ分割してなる複数のブロック領域とを有し、電極のそれぞれがグランドに接続されるタッチパネルの検査装置を用いたタッチパネルの検査方法であって、
所定の期間毎に、複数のブロック領域のうち、X方向およびY方向に重ならない少なくとも2個のブロック領域を選択し、
その所定の期間内に、その選択されたブロック領域の電極を順次1個ずつ選択し、その選択された電極を同時にグランドに接続してタッチパネルの検査を行うことを特徴とするタッチパネルの検査方法に関する。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、引回し配線のレイアウトに制約が生じる懸念を低減し、高効率で短時間の検査を可能とする、大規模とならない構造のタッチパネルの検査装置およびそれを用いたタッチパネルの検査方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1の実施形態のタッチパネルの検査装置を示す平面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態のタッチパネルの検査装置の構成を示す回路図である。
【図3】本発明の第2の実施形態の検査装置における接地接続する電極の選択方法の一例を説明する図であり、(a)は、マトリクス状の電極を複数の電極からなるブロック領域に分割する方法を説明する図であり、(b)は、複数のブロック領域に分割された電極から接地接続するN個の電極を選択する方法を説明する図である。
【図4】本発明の第2の実施形態のタッチパネルの検査装置の構成の一例を示す回路図である。
【図5】本発明の第2の実施形態の検査装置の動作方法を説明するタイミングチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態の検査装置の別の駆動方法を説明するタイミングチャートである。
【図7】本発明の第3の実施形態のタッチパネルの検査装置の構成の一例を示す回路図である。
【図8】本発明の第3の実施形態の検査装置の動作方法を説明するタイミングチャートである。
【図9】従来の静電容量方式のタッチパネルの概略構造を説明する平面図である。
【図10】図9に示すタッチパネルの交差部を拡大して示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、適宜図面を用い、本発明の実施形態であるタッチパネルの検査装置およびタッチパネルの検査方法について説明する。尚、各図面において、共通する構成要素については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0029】
[実施の形態1]
図1は、本発明の第1の実施形態のタッチパネルの検査装置を示す平面図である。
尚、図1では、第1の実施形態であるタッチパネルの検査装置(以下、検査装置を略称する)1の主要な構成要素である電極3の構造と配置を示しており、スイッチ素子や配線など、その他の構成要素については省略し、図示していない。それらについては、後述する図2を用いて説明する。
【0030】
図1に示す検査装置1は、基板2上に電極3を配置した構造を有する。検査装置1は、上述した図9に示すタッチパネル200など、静電容量方式のタッチパネルの検査に好適な検査装置である。検査装置1は、検査対象であるタッチパネル(図示されない)上に載置され使用される。したがって、基板2の、タッチパネルに対向する側の面には、容量の形成されるタッチパネルの電極の全ての交差点に対応するよう、行方向と列方向のマトリクス状に配列された電極3が配設されている。本実施の形態において、電極3の行数と列数については、検査対象であるタッチパネルの電極の交差点に対応するが、図1に示す例に限られるものではない。図1に例示する検査装置1では、タッチパネルの電極の交差部に対応するよう、基板2上に、行数が2行で列数が3列となるよう、行方向と列方向のマトリクス状に配列された2行3列の電極3を有している。そして検査装置1は、検査対象となるタッチパネル上に載置され、接地電位となる各電極3により指のタッチ操作を模擬することができ、タッチパネルの検査を行うことができる。
【0031】
このような構造の検査装置1を使用し、各電極3をそれぞれ互いに独立してグラウンドに接続し接地電位となるようにするためには、各電極3とグラウンドとの間にそれぞれスイッチ素子を設け、これらのスイッチ素子を互いに独立に制御する方法を用いることができる。その場合、スイッチ素子を、例えば、1個のトランジスタから構成することができる。そして、そのトランジスタの第1電極(ドレインまたはソース)を電極3に接続し、第2電極(ソースまたはドレイン)をグラウンドに接続し、トランジスタをオンにするオン信号をゲートに入力することによって電極3とグラウンドとの接続を実現し、電極3を他の電極と独立に接地電位にすることができる。
このような1個のトランジスタからなるスイッチ素子の構造を実現するためには、各電極3に接続するトランジスタのゲートそれぞれに対し、オン信号を入力するための引回し配線が必要となる。図1の例では、例えば、引回し配線の本数は2行3列の電極3の数である6(=2×3)本になることが考えられる。そのような構造の場合、タッチパネルの構造に従って電極3の数が増大すると、対応して引回し配線の本数も増大する。そして、検査装置の電極数が膨大になると、引回し配線の本数も膨大となり、基板2上での引回し配線のレイアウトに制約が生じる懸念がある。そこで本実施の形態では、電極3からの配線引回しの方法を検討し、引回し配線の本数をより少なくできるように構成することが好ましい。
【0032】
図2は、本発明の第1の実施形態のタッチパネルの検査装置の構成を示す回路図である。
【0033】
図2に示す検査装置1では、図1に示されたように、基板(図示されない)上に行方向と列方向のマトリクス状に配列された2行3列の電極(3−1、3−2、3−3、3−4、3−5、3−6)を有している。電極(3−1〜3−6)とグラウンドとの間には、スイッチ素子4が配設されており、電極(3−1〜3−6)それぞれを互いに独立してグラウンドに接続させることができるよう構成されている。
第1の実施形態の検査装置1のスイッチ素子4は、直列接続された第1のトランジスタ(TR1)と第2のトランジスタ(TR2)の2個のトランジスタから構成されている。すなわち、第1のトランジスタ(TR1)の第1電極(ドレインまたはソース)を電極3に接続し、第2電極(ソースまたはドレイン)を第2のトランジスタ(TR2)の第1電極(ドレインまたはソース)に接続する。そして、第2のトランジスタ(TR2)では、第2電極(ソースまたはドレイン)をグラウンドに接続する。したがって、検査装置1では、スイッチ素子4を構成する各トランジスタ(TR1,TR2)のオン状態とオフ状態を制御し、2つのトランジスタ(TR1、TR2)を同時にオン状態にした時にスイッチ素子4をオン状態にし、電極(3−1〜3−6)がグラウンドに接続されるようにして、電極(3−1〜3−6)それぞれを互いに独立してグラウンドに接続させるようにすることができる。
【0034】
検査装置1では、2行3列のマトリクス状の電極(3−1〜3−6)の行毎に、行方向に配置された電極(3−1、3−2、3−3)および電極(3−4、3−5、3−6)のそれぞれの第1のトランジスタ(TR1)のゲートを相互に接続する配線(X1−1、X1−2)が設けられている。また、2行3列のマトリクス状の電極(3−1〜3−6)の列毎に、列方向に配置された電極(3−1、3−4)、電極(3−2、3−5)および電極(3−3、3−6)のそれぞれの第2のトランジスタ(TR2)のゲートを相互に接続する配線(Y1−1、Y1−2、Y1−3)が設けられている。
したがって、検査装置1では、各電極(3−1〜3−6)の第1のトランジスタ(TR1)のゲートにオン信号を入力するための配線(X1−1、X1−2)と、第2のトランジスタ(TR2)のゲートにオン信号を入力するための配線(Y1−1、Y1−2、Y1−3)をそれぞれ1本ずつ選択することにより、スイッチ素子4を制御して、電極(3−1〜3−6)それぞれを互いに独立してグラウンドに接続させることができる。
【0035】
以上のような構成の検査装置1のスイッチ素子4では、第1のトランジスタ(TR1)は、2行ある電極(3−1〜3−6)の行の中で、グラウンドに接続させる電極(3−1、3−2、3−3)の行または電極(3−4、3−5、3−6)の行の選択に用いられる。そして、第2のトランジスタ(TR2)は、3列ある電極(3−1〜3−6)の列の中で、グラウンドに接続させる電極(3−1、3−4)の列、電極(3−2、3−5)の列行または電極(3−3、3−6)の列の選択に用いられることになる。
【0036】
検査装置1においては、さらに、スイッチ素子4の2個のトランジスタ(TR1、TR2)のそれぞれのゲートに、トランジスタをオン状態にするオン信号を送ることができるよう基板上に入力端子(図示されない)が設けられている。この入力端子には、検査装置1の各電極(3−1〜3−6)にオン信号を送って検査装置1の動作を制御する制御回路(図示されない)が接続している。
したがって、検査装置1の場合、スイッチ素子4を制御して、電極(3−1〜3−6)それぞれを互いに独立してグラウンドに接続させるため、入力端子と配線(X1−1、X1−2、Y1−1、Y1−2、Y1−3)とを接続するための引回し配線は、配線(X1−1、X1−2、Y1−1、Y1−2、Y1−3)の本数と同じ5本となる。その結果、本実施の形態の検査装置1では、上述した電極毎に付設されるスイッチ素子を1個のトランジスタのみから構成する場合に比べ、引回し配線の本数を減らすことができる。そして、こうした引回し配線の本数を減らす効果は、電極数が大きくなるに従い大きなものとなる。
【0037】
以上の本発明の第1の実施形態の検査装置1では、図1に示す2行3列あるマトリクス状の電極3に対し、行毎の接地接続制御と列毎の接地接続制御を組合せることにより、電極3それぞれの独立したグラウンドへの接続を実現するとともに、引回し配線の本数の削減を実現している。その場合、接地接続する電極3は、2行3列あるマトリクス状の電極3の中で1個ずつとなる。例えば、図2に示すように、配線X−1に接続する電極3−1と電極3−2と電極3−3を、その順で選択して順次1個ずつの接地接続を行い、端部の電極3−3の接地接続が終了した後、次の配線X−2に接続する電極3−4と電極3−5と電極3−6を、その順で選択して同様に接地接続する操作を行う。そうして、2行3列あるマトリクス状の電極(3−1〜3−6)の中で、順次1個ずつ電極(3−1〜3−6)を接地接続し、タッチパネルの検査を可能としている。
【0038】
[実施の形態2]
本発明の第2の実施形態の検査装置は、上述した第1の実施形態の検査装置1と同様、図9に示したタッチパネル200など、静電容量方式のタッチパネルの検査に好適な検査装置である。第2の実施形態の検査装置は、基板上に電極を配置した構造を有する。第2の実施形態の検査装置は、第1の実施形態の検査装置1と同様、検査対象となるタッチパネル上に載置され、接地電位となる各電極により指のタッチ操作を模擬することができ、タッチパネルの検査を可能とする。そして、第2の実施形態の検査装置は、電極それぞれの独立したグラウンドへの接続を実現するとともに、引回し配線の本数の削減を実現し、さらに検査時間の短縮を可能とするよう構成される。
第2の実施形態の検査装置では、1個ずつ電極を選択して接地接続するのみではなく、N個(ここで、Nは2以上の整数)の電極を同時に選択して接地接続することが可能な構成を有する。電極をN個同時に接地接続することにより、タッチパネルの検査時間は1/Nとなり、検査時間の大幅な短縮を実現できる。電極をN個同時に選択する方法について、次に説明する。
【0039】
N個の電極を同時に選択して接地接続する場合、検査対象であるタッチパネルでは、選択されたN個の電極に対応する、N点のタッチパネルの交差部でグラウンドとの容量を有することになる。そのため、それらN点の交差部が同一のセンス線上または同一のドライブ線上にある場合、タッチパネルの検査の精度が、検査装置において1個ずつの電極を選択して接地接続する場合に比べ、低下する可能性がある。したがって、タッチパネルにおけるN点の交差部は同一のセンス線上にないことが望ましく、同時に、同一のドライブ線上にないことが望ましい。そして、N点の交差部は、タッチパネル中、互いになるべく離れたセンス線上およびドライブ線上に配置されることが望ましい。例えば、図2に例示された第1実施形態の検査装置1を参照して説明する。上記の電極の個数Nについて、N=2とし、2個の電極を同時に選択する場合、電極3−1と電極3−2の組み合わせや電極3−1と電極3−4の組合せの実現は好ましいものではない。図2の検査装置1の場合、電極3−1と電極3−5の組み合わせや電極3−1と電極3−6の組合せの選択を実現するようにすることが望ましいことになる。
【0040】
図3は、本発明の第2の実施形態の検査装置における接地接続する電極の選択方法の一例を説明する図であり、図3(a)は、マトリクス状の電極を複数の電極からなるブロック領域に分割する方法を説明する図であり、図3(b)は、複数のブロック領域に分割された電極から接地接続するN個の電極を選択する方法を説明する図である。
【0041】
検査対象であるタッチパネルにおける上述した交差部の配置に関する制約に対応しながら、本実施の形態の検査装置11においてマトリクス状に配置された電極の中から同時にN個の電極選択を行おうとする場合、多数の方法が可能である。その中で、例えば、次の方法の実施が好ましい。
図3の第2の実施形態の検査装置11は、図1に示した検査装置1と同様の電極の配置方法で、基板12上の検査対象となるタッチパネル(図示されない)に対向する側の面で、行数がA行で列数がB列となるよう、行方向と列方向のマトリクス状に配列されたA行B列の電極(図示されない)を有する。ここで、AとBはそれぞれ、2以上の整数である。そして、Nの倍数であることが好ましい。この検査装置11について、初めに、図3(a)に示すように、A行B列のマトリクス状の電極を1つの領域とし、この領域を同数の電極を含むようにN個のブロック領域に分割する。具体的には、A行B列の電極を行方向および列方向にそれぞれN分割し、マトリクス状に配列された(A/N)行(B/N)列の電極からなる、行方向にN行で列方向にN列の配列を有するN個のブロック領域15に分割する。なお、本実施の形態では、行方向と列方向で同じN個に分割しているが、行方向と列方向とが異なる数、すなわち、行方向をM分割(Mは2以上の整数)、列方向をN分割としても良い。ただし、検査装置の作成容易性から行方向と列方向で同じN分割とすることが好ましい。
【0042】
次に、N個のブロック領域15の中から互いにXY方向(X方向は図3(a)における左右方向(行方向)であり、Y方向は上下方向(列方向)である)に重なる組み合わせが生じないよう、同時にN個のブロック領域を選択する。選択されたN個のブロック領域は、相互に同じ行および同じ列にあることはない。例えば、図3(b)に示すように、XY方向に重ならないように対角線上のN個のブロック領域(15−1〜15−N)を同時に選択することが好ましい。次いで、同時選択されたN個のブロック領域(15−1〜15−N)それぞれについて、それぞれが同じタイミングで電極を1個ずつ選択し、接地接続していく。このとき、N個の各ブロック領域(15−1〜15−N)は、それぞれ同様のマトリクス状に配列された(A/N)行(B/N)列の電極から形成されている。したがって、図中に矢印で示すように、ブロック領域(15−1〜15−N)間で、それぞれ対応する位置にある1個の電極を、それぞれのブロック領域(15−1〜15−N)が同時に選択するようにする。そして、ブロック領域内での電極を選択していく順番も、N個のブロック領域(15−1〜15−N)間で同一とする。そうして、N個のブロック領域(15−1〜15−N)の合計として、N個の電極を同時にグラウンドに接続する。
【0043】
次に、N個のブロック領域(15−1〜15−N)それぞれの中で、全ての電極の接地接続が終了した後、続いて、N個の新たなブロック領域を選択する。新たに選択されるN個のブロック領域は、例えば、図3(b)のN個のブロック領域(15−1〜15−N)それぞれと同じ行で、それぞれの右隣の列上に位置するN個のブロック領域とすることができる。尚、N個のブロック領域(15−1〜15−N)のうち、右側にブロック領域が無い場合は、同じ行で検査装置11の左端の列に位置するブロック領域を選択するようにする。例えば、図3(b)に示すブロック領域15−Nにおいて、全ての電極の接地接続を終了した後、ブロック領域15−N−2を選択するようにする。こうして、N個のブロック領域の選択を繰り返し、N個のブロック領域について、含有する電極の接地接続を行っていく。すなわち、N個ずつの電極の接地接続を繰り返し、検査装置11のA行B列のマトリクス状の電極の全てについて接地接続を実施する。
【0044】
このようなブロック領域(15−1〜15−N)の選択と各ブロック領域(15−1〜15−N)中での電極選択を行うことにより、同時に接地接続されるN個の電極の中に、互いに同じ行または同じ列である電極が含まれないことになる。すなわち、検査装置11のA行B列の電極の中で、同じ行または同じ列にある複数の電極が、同時に選択されるN個の電極の中に含まれることは無くなる。その結果、検査装置11を用いたタッチパネルの検査では、同時に接地接続される検査装置11のN個の電極に対応する、タッチパネルのN点の交差部の中に、互いに同じセンス線または同じドライブ線である交差部は含まれないことになる。そして、タッチパネルのN点の交差部は、タッチパネル中、相互に最大限に離されるよう、センス線上およびドライブ線上で配置されることになる。尚、N個のブロック領域のうち必ずしもN個のブロック領域を選択する必要はなく、XY方向において選択するブロック領域が重ならないように複数選択すればよい。前述したように、重なる領域において同時に電極を検査すると検査精度が悪くなるおそれがあり、このような不具合を解消するためには、同時に複数選択するブロック領域のそれぞれがXY方向で重ならないようにすることが好ましい。また、分割領域の最小数は2×2の4個であり、この場合、XY方向に重ならない対角の2個のブロック領域を選択すればよい。
【0045】
次に、こうした接地接続する電極の選択方法を可能にする、第2の実施形態の検査装置11の構成について説明する。
検査装置11は、第1実施形態の検査装置1と同様、検査対象であるタッチパネル上に配置される絶縁性の基板と、その基板上のタッチパネルに対向する側の面で、行数がA行で列数がB列となるよう、行方向と列方向のマトリクス状に配列された、例えば、A行B列の電極と、その電極それぞれとグラウンドとの間に配設されて、電極それぞれを互いに独立してグラウンドに接続させるように構成されたスイッチ素子とを有する。第2の実施形態の検査装置11の電極の形状と配置については、上述した第1の実施形態の検査装置1と同様の形状と配置とし、電極の行数と列数のみを異なるようにすることが可能である。
【0046】
A行B列の各電極とグラウンドとの間に配設されるA×B個のスイッチ素子はそれぞれ、直列接続された第1のトランジスタ(TR1)と第2のトランジスタ(TR2)と第3のトランジスタ(TR3)の3個のトランジスタから構成されている。すなわち、第1のトランジスタ(TR1)の第1電極(ドレインまたはソース)を電極3に接続し、第2電極(ソースまたはドレイン)を第2のトランジスタ(TR2)の第1電極(ドレインまたはソース)に接続する。第2のトランジスタ(TR2)では、第2電極(ソースまたはドレイン)を第3のトランジスタ(TR3)の第1電極(ドレインまたはソース)に接続する。第3のトランジスタ(TR3)では、第2電極(ソースまたはドレイン)をグラウンドに接続する。したがって、検査装置11では、スイッチ素子を構成する各トランジスタ(TR1、TR2、TR3)のオン状態とオフ状態を制御する。そして、3つのトランジスタ(TR1、TR2、TR3)を同時にオン状態にした時にスイッチ素子をオン状態にし、A行B列の電極がグラウンドに接続されるようにする。その結果、A行B列の電極それぞれを互いに独立してグラウンドに接続させるようにすることができる。
【0047】
A行B列の各電極に設けられたスイッチ素子の3個のトランジスタ(TR1、TR2、TR3)の役割については、例えば、第1のトランジスタは、A行ある電極の行の中でグラウンドに接続する行の選択に用いられる。第2のトランジスタは、B列ある電極の列の中でグラウンドに接続する列の選択に用いられる。そして、第3のトランジスタが、A行B列の電極の中でグラウンドに接続する電極の領域であって、上述したような、同一行内の複数の電極の配列と同一列内の複数の電極の配列を含むよう構成されたブロック領域の選択に用いられる。
【0048】
すなわち、各電極に接続されたスイッチ素子の3個のトランジスタ(TR1、TR2、TR3)のうち、第3のトランジスタ(TR3)を用いて上述したブロック領域を選択し、選択されたブロック領域の中で、第1のトランジスタ(TR1)と第2のトランジスタ(TR2)とを用いて、電極の行と列を選択することで、1個の電極を選択し、その選択された電極を他の電極と独立してグラウンドに接続することができる。
このとき、各電極に第3のトランジスタ(TR3)を設けて上記ブロック領域の選択を可能としたことで、A行B列ある電極の中から1個の電極を選択するために、第1のトランジスタ(TR1)と第2のトランジスタ(TR2)を用い、A行ある電極の行およびB列ある電極の列の中からそれぞれ1個ずつを独立に選択する必要はなくなる。すなわち、A行ある電極の行のうち任意の個数の行を組み合わせて、ある個数の行グループを構成することができる。そして、第1のトランジスタ(TR1)を用いた電極の行の選択は、この行グループを選択することで行い、その結果、任意の個数の電極の行を同時に選択することが可能となる。同様に、B列ある電極の列のうち任意の個数の列を組み合わせて、ある個数の列グループを構成することができる。そして、第2のトランジスタ(TR2)を用いた電極の列の選択は、この列グループを選択することで行い、その結果、任意の個数の電極の列を同時に選択することが可能となる。
【0049】
次に、A行B列のマトリクス状の電極を分割して、行グループ、列グループおよびブロック領域に分ける方法について説明する。
A行B列のマトリクス状の電極を有する検査装置11の場合、A行ある電極の行は、n行ずつの(A/n)個の行グループに分けられる。このとき、行グループは、A行ある電極の行の中で、(A/n−1)本おきに配置されたn行の電極を選択して構成されたものであることが好ましい。そして、同一の行グループ内の電極それぞれの、例えば、第1のトランジスタ(TR1)のゲートの間を相互に接続する配線が設けられる。
また、B列ある電極の列は、n列ずつの(B/n)個の列グループに分けられる。このとき、B列ある電極の列の中で、(B/n−1)本おきに配置されたn列の電極を選択して構成されたものであることが好ましい。そして、同一の列グループ内の電極それぞれの、例えば、第2のトランジスタ(TR2)のゲートの間を相互に接続する配線が設けられる。
【0050】
そして、A行B列の電極を行方向および列方向にそれぞれN(=A/n)分割し、マトリクス状に配列された(A/N)行(B/N)列の電極からなる電極の領域として、N個のブロック領域に分けられる。尚、ブロック領域の(A/N)行(B/N)列の電極は、隣接して配置された(A/N)行の電極の行と隣接して配置された(B/N)列の電極の列から構成されることが好ましい。そして、このブロック領域内の電極それぞれの、例えば、第3のトランジスタ(TR3)のゲートの間を相互に接続する配線が設けられる。
そして、第2の実施形態の検査装置11では、ブロック領域の選択と行グループの選択と列グループの選択を組み合わせることで、A行B列ある電極の中から1個の電極を選択することが可能となり、1個ずつ電極を選択して接地接続することが可能となる。また、1個ずつの電極を選択するのみではなく、N個(ここで、Nは2以上の整数)の電極を同時に選択して接地接続することも可能となる。電極をN個同時に接地接続することにより、タッチパネルの検査時間は1/Nとなり、検査時間の大幅な短縮を実現できる。また、行グループと列グループを構成して、複数個の電極の行と電極の列を同時に選択するようにしたため、スイッチ素子の3個のトランジスタ(TR1、TR2、TR3)のそれぞれのゲートに、トランジスタをオン状態にするオン信号を送るための引回し配線の本数の削減を実現する。第2の実施形態の検査装置11では、上述した電極毎に付設されるスイッチ素子を1個のトランジスタのみから構成する場合に比べ、引回し配線の本数を減らすことができる。そして、こうした引回し配線の本数を減らす効果は、電極数が大きくなるに従い大きなものとなる。
以下で、図面を用い、本発明の第2の実施形態のタッチパネルの検査装置11について、より詳細に説明する。
【0051】
図4は、本発明の第2の実施形態のタッチパネルの検査装置の構成の一例を示す回路図である。
【0052】
第2の実施形態のタッチパネルの検査装置11の構造について、図4の検査装置11−1を一例として説明する。
本発明の第2の実施形態の検査装置11−1は、第1の実施形態の検査装置1と同様、図9に示したタッチパネル200など、静電容量方式のタッチパネルの検査に好適な検査装置であり、上述の方法によりN個の電極を同時にグラウンドに接続することを可能にする。第2の実施形態の検査装置11−1は、基板上に、独立してグラウンド接続できるよう構成された4行4列の電極を配置した構造を有する。第2の実施形態の検査装置11の電極の形状と配置については、電極の行数と列数が異なる以外、上述した第1の実施形態の検査装置1と同様の形状と配置を有する。
【0053】
すなわち、検査装置11−1は、上述したA行B列のマトリクス状の電極を有する第2の実施形態の検査装置11のA=4およびB=4である例にとなる。そして、4行4列のマトリクス状の電極(13−1〜13−16)は、行グループ、列グループおよびブロック領域のように複数の電極からなるグループに分割され、グループ毎に配線接続がなされる。
【0054】
図4に例示する検査装置11−1では、基板(図示されない)上、行方向と列方向のマトリクス状に配列された4行4列の電極(13−1、13−2、13−3、13−4、13−5、13−6、13−7、13−8、13−9、13−10、13−11、13−12、13−13、13−14、13−15、13−16)を有している。電極(13−1〜13−16)とグラウンドとの間には、それぞれスイッチ素子14が配設されており、電極(13−1〜13−16)それぞれを互いに独立してグラウンドに接続させることができるよう構成されている。
【0055】
スイッチ素子14は、直列接続された第1のトランジスタ(TR1)と第2のトランジスタ(TR2)と第3のトランジスタ(TR3)の3個のトランジスタから構成されている。すなわち、第1のトランジスタ(TR1)の第1電極(ドレインまたはソース)を電極3に接続し、第2電極(ソースまたはドレイン)を第2のトランジスタ(TR2)の第1電極(ドレインまたはソース)に接続する。第2のトランジスタ(TR2)では、第2電極(ソースまたはドレイン)を第3のトランジスタ(TR3)の第1電極(ドレインまたはソース)に接続する。第3のトランジスタ(TR3)では、第2電極(ソースまたはドレイン)をグラウンドに接続する。したがって、検査装置1では、スイッチ素子14を構成する各トランジスタ(TR1、TR2、TR3)のオン状態とオフ状態を制御し、3つのトランジスタ(TR1、TR2、TR3)を同時にオン状態にした時にスイッチ素子14をオン状態にし、電極(13−1〜13−16)がグラウンドに接続されるようにし、電極(13−1〜13−16)それぞれを互いに独立してグラウンドに接続させるようにすることができる。
【0056】
検査装置11−1について、4行4列のマトリクス状の電極を、行グループ、列グループおよびブロック領域のように複数の電極からなるグループに分割し、グループ毎に配線接続する方法について説明する。
【0057】
検査装置11−1は、上述のA行B列のマトリクス状の電極を有する検査装置11のA=4およびB=4である検査装置の例であり、4行4列のマトリクス状の電極(13−1〜13−16)を有する。そして、4行ある電極の行が、2行ずつの2個の行グループに分けられる。同一の行グループ内の電極(13−1、13−2、13−5、13−6、13−9、13−10、13−13、13−14)および電極(13−3、13−4、13−7、13−8、13−11、13−12、13−15、13−16)では、それぞれの第1のトランジスタ(TR1)のゲートの間を相互に接続する配線(X2−1)と配線(X2−2)とが設けられている。
また、4列ある電極の列が2列ずつの2個の列グループに分けられる。同一の列グループ内の電極(13−1、13−3、13−5、13−7、13−9、13−11、13−13、13−15)および電極(13−2、13−4、13−6、13−8、13−10、13−12、13−14、13−16)では、それぞれの第2のトランジスタ(TR2)のゲートの間を相互に接続する配線(Y2−1)と配線(Y2−2)が設けられている。
【0058】
そして、検査装置11−1では、4行4列の電極が、行方向および列方向にそれぞれ2分割されている。そして、マトリクス状に配列された2行2列の電極(13−1、13−2、13−3、13−4)、電極(13−5、13−6、13−7、13−8)、電極(13−9、13−10、13−11、13−12)および電極(13−13、13−14、13−15、13−16)からなる電極の領域として、4(=2×2)個のブロック領域に分割されている。尚、ブロック領域に含まれる2行2列の電極は、隣接して配置された2行の電極の行と隣接して配置された2列の電極の列から構成されることが好ましい。そして、この4個のブロック領域内では、4個の電極それぞれの第3のトランジスタ(TR3)のゲートの間を相互に接続する配線(B1、B2、B3、B4)が設けられている。
したがって、検査装置11−1では、各電極(13−1〜13−16)の第1のトランジスタ(TR1)のゲートにオン信号を入力するための2本の配線(X2−1、X2−2)のうちの1本と、第2のトランジスタ(TR2)のゲートにオン信号を入力するための2本の配線(Y2−2、Y2−2)のうちの1本とを選択する。そして、さらに、各電極(13−1〜13−16)の第3のトランジスタ(TR3)のゲートにオン信号を入力するための4本の配線(B1〜B4)のうちの1本を選択することにより、スイッチ素子14を制御して、電極(13−1〜13−16)それぞれを互いに独立してグラウンドに接続させることができる。
【0059】
検査装置11−1においては、さらに、スイッチ素子14の3個のトランジスタ(TR1、TR2、TR3)のそれぞれのゲートに、トランジスタをオン状態にするオン信号を送ることができるよう基板上に入力端子(図示されない)が設けられている。この入力端子には、検査装置11−1の各電極(13−1〜13−16)にオン信号を送って検査装置11−1の動作を制御する制御回路(図示されない)が接続している。
したがって、検査装置11−1の場合、スイッチ素子14を制御して、電極(13−1〜13−16)それぞれをグラウンドに接続させるため、入力端子と配線(X2−1、X2−2、Y2−1、Y2−2、B1〜B4)とを接続する引回し配線の本数は、配線(X2−1、X2−2、Y2−1、Y2−2、B1〜B4)の本数と同じ8本となる。その結果、本実施の形態の検査装置11−1では、上述した電極毎に付設されるスイッチ素子を1個のトランジスタのみから構成する場合に比べ、引回し配線の本数を減らすことができる。そして、こうした引回し配線の本数を減らす効果は、電極数が大きくなるに従い大きなものとなる。
【0060】
図5は、本発明の第2の実施形態の検査装置の動作方法を説明するタイミングチャートである。
【0061】
図5では、検査装置11の配線X2−1〜X2−2、配線Y2−1、Y2−2および配線B1〜B4のそれぞれに入力される信号の波形を示している。図5に示すように、検査装置11−1では、配線B1〜B4の4本の配線を走査する期間を1水平走査期間とする。すなわち、配線B1〜B4に対し、1/4水平走査期間毎に順次、電極(13−1、13−2、13−3、13−4)、電極(13−5、13−6、13−7、13−8)、電極(13−9、13−10、13−11、13−12)および電極(13−13−、13−14、13−15、13−16)の第3のトランジスタ(TR3)をオン状態にするためのゲートのオン信号が入力される。
配線X2−1およびX2−2に対しては、1/8水平走査期間毎に、交互に、電極(13−1、13−2、13−5、13−6、13−9、13−10、13−13、13−14)および電極(13−3、13−4、13−7、13−8、13−11、13−12、13−15、13−16)の第1のトランジスタ(TR1)をオン状態にするするためのゲートのオン信号が入力される。
【0062】
配線Y2−1およびY2−2に対しては、1/16水平走査期間毎に、交互に、電極(13−1、13−3、13−5、13−7、13−9、13−11、13−13、13−15)および電極(13−2、13−4、13−6、13−8、13−10、13−12、13−14、13−16)の第2のトランジスタ(TR2)をオン状態にするためのゲートのオン信号が入力される。
【0063】
以上より、例えば、電極13−1を1個にグラウンドに接続しようとする場合、配線B1に1/4水平走査期間の間、オン信号を入力し、配線B1に接続する電極(13−1、13−2、13−3、13−4)からなるブロック領域内では電極13−1、13−2、13−3、13−4)の第3のトランジスタ(TR3)をオン状態にする。次いで、その期間内の1/8水平走査期間の間、配線X2−1にオン信号を入力し、配線X2−1に接続する電極(13−1、13−2、13−5、13−6、13−9、13−10、13−13、13−14)の第1のトランジスタ(TR1)をオン状態にする。このとき、電極13−1と電極13−2のみが第1のトランジスタ(TR1)と第3のトランジスタ(TR3)の両方のトランジスタのオン状態を実現している。次いで、配線X2−1にオン信号を入力している期間内の1/16水平走査期間の間、配線Y2−1にオン信号を入力し、配線Y2−1に接続する電極(13−1、13−3、13−5、13−7、13−9、13−11、13−13、13−15)の第2のトランジスタ(TR2)をオン状態にする。その結果、電極13−1のみが第1のトランジスタ(TR1)と第2のトランジスタ(TR2)と第3のトランジスタ(TR3)の3個すべてのトランジスタのオン状態を実現することになり、グラウンドへの接続が実現される。
【0064】
こうした配線X2−1〜X2−2、配線Y2−1、Y2−2および配線B1〜B4へのオン信号の入力による1個ずつの電極を選択を繰り返すことで、全ての電極(13−1〜13−6)について、グラウンドへの接続を実現する。その結果、検査装置11−1では、1水平走査期間内で、電極13−1〜電極13−16の順番で、1個ずつ独立して電極(13−1〜13−16)をグラウンドに接続させることができる。
【0065】
図6は、本発明の第2の実施形態の検査装置の別の駆動方法を説明するタイミングチャートである。
【0066】
図6に示す駆動方法によれば、第2の実施形態の検査装置11−1は、1水平走査期間内で、電極(13−1〜13−16)を、2個ずつ選択してグラウンドに接続させることができる。
図6では、検査装置11の配線X2−1〜X2−2、配線Y2−1、Y2−2および配線B1〜B4のそれぞれに入力される信号の波形を示している。図6に示すように、検査装置11−1では、配線B1と配線B4および配線B2と配線B3の同じ波形の信号が入力されるようになっている。したがって、配線B1と配線B2の2本の配線を走査する期間を1水平走査期間としている。すなわち、配線B1〜B4に対し、1/2水平走査期間毎に、交互に、電極(13−1、13−2、13−3、13−4)と電極(13−13−、13−14、13−15、13−16)の第3のトランジスタ(TR3)をオン状態にするためのゲートのオン信号と、電極(13−5、13−6、13−7、13−8)と電極(13−9、13−10、13−11、13−12)の第3のトランジスタ(TR3)をオン状態にするためのゲートのオン信号とが入力される。
【0067】
配線X2−1およびX2−2に対しては、1/4水平走査期間毎に、交互に、電極(13−1、13−2、13−5、13−6、13−9、13−10、13−13、13−14)および電極(13−3、13−4、13−7、13−8、13−11、13−12、13−15、13−16)の第1のトランジスタ(TR1)をオン状態にするするためのゲートのオン信号が入力される。
配線Y2−1およびY2−2に対しては、1/8水平走査期間毎に、交互に、電極(13−1、13−3、13−5、13−7、13−9、13−11、13−13、13−15)および電極(13−2、13−4、13−6、13−8、13−10、13−12、13−14、13−16)の第2のトランジスタ(TR2)をオン状態にするためのゲートのオン信号が入力される。
【0068】
その結果、検査装置11−1では、1水平走査期間内で、2個ずつの電極を、順次、グラウンドに接続させることができる。このとき、同時にグラウンドに接続される2個の電極の組合せは、電極13−1と電極13−13の組合せ、電極13−2と電極13−14の組合せ、電極13−3と電極13−15の組合せ、電極13−4と電極13−16の組合せ、電極13−5と電極13−9の組合せ、電極13−6と電極13−10の組合せ、電極13−7と電極13−11の組合せ、および電極13−8と電極13−12の組合せとなり、グラウンドに接続される順番もこの順となる。
【0069】
図4に示す検査装置11−1を用い、図6に示す駆動方法に従うことにより、上述した、同時にグラウンドに接続される2個の電極の組合せの中には、4行4列のマトリクス状の電極(13−1〜13−16)の同じ行または同じ列である電極の組合せは形成されないことになる。すなわち、検査装置11−1の4行4列の電極の中で、同じ行または同じ列にある2個の電極が、同時に選択される2個の電極の中に含まれることは無くなる。
その結果、検査装置11−1を用いたタッチパネルの検査では、同時に接地接続される検査装置11−1の2個の電極に対応する、タッチパネルの2点の交差部の中に、互いに同じセンス線または同じドライブ線である交差部は含まれないことになる。すなわち、検査対象であるタッチパネルの複数のセンス線とドライブ線の中で、同一のセンス線上または同一のドライブ線上にある複数の交差部が、同時に選択される2個の交差部の中に含まれることは無くなる。そして、タッチパネルの2点の交差部は、タッチパネル中、相互に最大限に離されるよう、センス線上およびドライブ線上で配置されることになる。
【0070】
そして、検査装置11−1では、2個ずつの電極を、順次、グラウンドに接続させることより、1水平走査期間を短縮することができる。例えば、上記した検査装置11−1を用いて図5に示す駆動方法に従う場合に比べ、1/2の期間で全ての電極を接地接続することができる。したがって、この検査装置11−1を用いてタッチパネルの検査を行う場合、タッチパネルの検査時間を短縮することができる。
【0071】
[実施の形態3]
本発明の第3の実施形態の検査装置は、上述した第1の実施形態の検査装置1と同様、図9に示したタッチパネル200など、静電容量方式のタッチパネルの検査に好適な検査装置である。第3の実施形態の検査装置は、第1の実施形態の検査装置1と同様、検査対象であるタッチパネル上に配置される絶縁性の基板と、その基板上のタッチパネルに対向する側の面で、行数がA行で列数がB列となるよう、行方向と列方向のマトリクス状に配列された、例えば、A行B列の電極と、その電極それぞれとグラウンドとの間に配設されて、電極それぞれを互いに独立してグラウンドに接続させるように構成されたスイッチ素子とを有する。第3の実施形態の検査装置の電極の形状と配置については、電極の行数と列数が異なる以外、上述した第1の実施形態の検査装置1と同様である。そして、第3の実施形態の検査装置は、第1の実施形態の検査装置1と同様、検査対象となるタッチパネル上に載置され、接地電位となる各電極により指のタッチ操作を模擬することができ、タッチパネルの検査を可能とする。そして、第3の実施形態の検査装置は、電極それぞれの独立したグラウンドへの接続を実現するとともに、引回し配線の本数の削減を実現するよう構成される。
【0072】
A行B列の各電極とグラウンドとの間に配設されるA×B個のスイッチ素子はそれぞれ、直列接続された第1のトランジスタ(TR1)と第2のトランジスタ(TR2)と第3のトランジスタ(TR3)と第4のトランジスタの4個のトランジスタから構成されている。すなわち、第1のトランジスタ(TR1)の第1電極(ドレインまたはソース)を電極3に接続し、第2電極(ソースまたはドレイン)を第2のトランジスタ(TR2)の第1電極(ドレインまたはソース)に接続する。第2のトランジスタ(TR2)では、第2電極(ソースまたはドレイン)を第3のトランジスタ(TR3)の第1電極(ドレインまたはソース)に接続する。第3のトランジスタ(TR3)では、第2電極(ソースまたはドレイン)を第4のトランジスタ(TR4)の第1電極(ドレインまたはソース)に接続する。第4のトランジスタ(TR4)では、第2電極(ソースまたはドレイン)をグラウンドに接続する。したがって、第3の実施形態の検査装置では、スイッチ素子を構成する各トランジスタ(TR1、TR2、TR3、TR4)のオン状態とオフ状態を制御し、4つのトランジスタ(TR1、TR2、TR3、TR4)を同時にオン状態にした時にスイッチ素子をオン状態にし、A行B列の電極それぞれを互いに独立してグラウンドに接続させるようにすることができる。
【0073】
A行B列の各電極に設けられたスイッチ素子の3個のトランジスタ(TR1、TR2、TR3)の役割については、例えば、第1のトランジスタ(TR1)および第3のトランジスタ(TR3)は、A行ある電極の行の中でグラウンドに接続する行の選択に用いられる。第2のトランジスタ(TR2)および第4のトランジスタ(TR4)は、B列ある電極の列の中でグラウンドに接続する列の選択に用いられる。
すなわち、各電極に接続されたスイッチ素子の4個のトランジスタ(TR1、TR2、TR3、TR4)のうち、第3のトランジスタ(TR3)と第4のトランジスタを用いて複数の電極の行と複数の電極の列とを組み合わせて構成される電極の領域を選択する。この選択された領域は、上述した第2の実施形態の検査装置11の電極のブロック領域に相当する。このように電極の領域を選択し、選択された領域の中で、第1のトランジスタ(TR1)と第2のトランジスタ(TR2)とを用いて、電極の行と列を選択することで、1個の電極を選択し、その選択された電極を他の電極と独立してグラウンドに接続することができる。
【0074】
このとき、各電極に第3のトランジスタ(TR3)および第4のトランジスタ(TR4)を設けて、上記した電極の領域の選択を可能としたことで、A行B列ある電極の中から1個の電極を選択するために、第1のトランジスタ(TR1)と第2のトランジスタ(TR2)を用い、A行ある電極の行およびB列ある電極の列の中からそれぞれ1個ずつ独立に選択する必要はなくなる。すなわち、A行ある電極の行のうち任意の個数の行を組み合わせて所望数の行グループを構成することができる。そして、第1のトランジスタ(TR1)を用いた電極の行の選択は、この行グループを選択することで行い、その結果、任意の個数の電極の行を同時に選択することが可能となる。同様に、B列ある電極の列のうち任意の個数の列を組み合わせ所望数の列グループを構成することができる。そして、第2のトランジスタ(TR2)を用いた電極の列の選択は、この列グループを選択することで行い、その結果、任意の個数の電極の列を同時に選択することが可能となる。
【0075】
次に、A行B列のマトリクス状の電極を分割して、複数の行グループおよび列グループに分ける方法について説明する。
A行B列のマトリクス状の電極を有する第3の実施形態の検査装置の場合、A行ある電極の行は、N行ずつの(A/N)個の行グループに分けられる。このとき、行グループは、A行ある電極の行の中で、(A/N−1)本おきに配置されたN行の電極を選択して構成されたものであることが好ましい。そして、同一の行グループ内の電極それぞれの、例えば、第1のトランジスタ(TR1)のゲートの間を相互に接続する配線が設けられている。
【0076】
また、B列ある電極の列は、N列ずつの(B/N)個の列グループに分けられる。このとき、B列ある電極の列の中で、(B/N−1)本おきに配置されたN列の電極を選択して構成されたものであることが好ましい。そして、同一の列グループ内の電極それぞれの、例えば、第2のトランジスタ(TR2)のゲートの間を相互に接続する配線が設けられている。
また、A行ある電極の行は、(A/N)行ずつのN個の行グループに分けられる。このとき、このN個の行グループは、A行ある電極の行の中で、順次隣接するよう連続して配置された(A/N)行の電極を選択して構成されたものであることが好ましい。そして、同一の行グループ内の電極それぞれの、例えば、第3のトランジスタ(TR3)のゲートの間を相互に接続する配線が設けられている。
【0077】
さらに、B列ある電極の列は、(B/N)列ずつのN個の行グループに分けられる。このとき、このN個の列グループは、B列行ある電極の行の中で、順次隣接するよう連続して配置された(B/N)行の電極を選択して構成されたものであることが好ましい。そして、同一の行グループ内の電極それぞれの、例えば、第4のトランジスタ(TR4)のゲートの間を相互に接続する配線が設けられている。
ここで、第1のトランジスタ(TR1)と第3のトランジスタ(TR3)に接続するのはいずれも行グループであるが、互いに含まれる電極の行の組合せが異なっている。同様に、第2のトランジスタ(TR2)と第4のトランジスタ(TR4)に接続するのはいずれも列グループであるが、互いに含まれる電極の列の組合せが異なっている。
【0078】
そして、第2の実施形態の検査装置では、第3のトランジスタ(TR3)と第4のトランジスタを用いて複数の電極の行と複数の電極の列とを組み合わせて構成される電極の領域を選択し、この領域の選択と第1のトランジスタ(TR1)による行グループの選択と第2のトランジスタ(TR2)による列グループの選択を組み合わせることで、A行B列ある電極の中から1個の電極を選択することが可能となり、1個ずつ電極を選択して接地接続することが可能となる。また、行グループと列グループを構成して、複数個の電極の行と電極の列を同時に選択するようにしたため、スイッチ素子の4個のトランジスタ(TR1、TR2、TR3、TR4)のそれぞれのゲートに、トランジスタをオン状態にするオン信号を送るための引回し配線の本数の削減を実現する。第3の実施形態の検査装置では、上述した電極毎に付設されるスイッチ素子を1個のトランジスタのみから構成する場合に比べ、引回し配線の本数を減らすことができる。そして、こうした引回し配線の本数を減らす効果は、電極数が大きくなるに従い大きなものとなる。
以下で、図面を用い、本発明の第3の実施形態のタッチパネルの検査装置について、より詳細に説明する。
【0079】
図7は、本発明の第3の実施形態のタッチパネルの検査装置の構成の一例を示す回路図である。
【0080】
第3の実施形態のタッチパネルの検査装置の構造について、図7の検査装置21を一例として説明する。
本発明の第3の実施形態の検査装置21は、第1の実施形態の検査装置1と同様、図9に示したタッチパネル200など、静電容量方式のタッチパネルの検査に好適な検査装置である。第3の実施形態の検査装置21は、基板上に、独立してグラウンド接続できるよう構成された4行4列の電極を配置した構造を有する。第3の実施形態の検査装置21の電極の形状と配置については、電極の行数と列数が異なる以外、上述した第1の実施形態の検査装置1と同様の形状と配置を有する。
【0081】
すなわち、検査装置21は、上述したA行B列のマトリクス状の電極を有する第3の実施形態の検査装置のA=4およびB=4である例にとなる。そして、4行4列のマトリクス状の電極(23−1〜23−16)は、行グループおよび列グループのように複数の電極からなるグループに分割され、グループ毎に配線接続がなされる。
図7に例示する検査装置21では、基板(図示されない)上、行方向と列方向のマトリクス状に配列された4行4列の電極(23−1、23−2、23−3、23−4、23−5、23−6、23−7、23−8、23−9、23−10、23−11、23−12、23−13、23−14、23−15、23−16)を有している。電極(23−1〜23−16)とグラウンドとの間には、それぞれスイッチ素子24が配設されており、電極(23−1〜23−16)それぞれを互いに独立してグラウンドに接続させることができるよう構成されている。
【0082】
スイッチ素子24は、直列接続された第1のトランジスタ(TR1)と第2のトランジスタ(TR2)と第3のトランジスタ(TR3)と第4のトランジスタの4個のトランジスタから構成されている。すなわち、第1のトランジスタ(TR1)の第1電極(ドレインまたはソース)を電極3に接続し、第2電極(ソースまたはドレイン)を第2のトランジスタ(TR2)の第1電極(ドレインまたはソース)に接続する。第2のトランジスタ(TR2)では、第2電極(ソースまたはドレイン)を第3のトランジスタ(TR3)の第1電極(ドレインまたはソース)に接続する。第3のトランジスタ(TR3)では、第2電極(ソースまたはドレイン)を第4のトランジスタ(TR4)の第1電極(ドレインまたはソース)に接続する。第4のトランジスタ(TR4)では、第2電極(ソースまたはドレイン)をグラウンドに接続する。したがって、検査装置21では、スイッチ素子24を構成する各トランジスタ(TR1、TR2、TR3、TR4)のオン状態とオフ状態を制御し、4つのトランジスタ(TR1、TR2、TR3、TR4)を同時にオン状態にした時にスイッチ素子24をオン状態にし、電極(23−1〜23−16)がグラウンドに接続されるようにし、電極(23−1〜23−16)それぞれを互いに独立してグラウンドに接続させるようにすることができる。
【0083】
そして、第3の実施形態の検査装置21では、マトリクス状の電極(23−1〜23−16)を有するが、これらが2種類の行グループおよび2種類の列グループのように複数の電極からなるグループに分割され、グループ毎に配線接続がなされている。以下、分割と配線接続の方法について、より具体的に説明する。
【0084】
検査装置21は、上述のA行B列のマトリクス状の電極を有する検査装置のA=4およびB=4である検査装置の例であり、4行4列のマトリクス状の電極(23−1〜23−16)を有する。そして、4行ある電極の行が、2行ずつの2個の第1の行グループに分けられ、同一の行グループ内の電極(23−1、23−2、23−5、23−6、23−9、23−10、23−13、23−14)および電極(23−3、23−4、23−7、23−8、23−11、23−12、23−15、23−16)では、それぞれの第1のトランジスタ(TR1)のゲートの間を相互に接続する配線(X3−1)と配線(X3−2)とが設けられている。
また、4列ある電極の列が2列ずつの2個の第1の列グループに分けられ、同一の列グループ内の電極(23−1、23−3、23−5、23−7、23−9、23−11、23−13、23−15)および電極(23−2、23−4、23−6、23−8、23−10、23−12、23−14、23−16)では、それぞれの第2のトランジスタ(TR2)のゲートの間を相互に接続する配線(Y3−1)と配線(Y3−2)が設けられている。
【0085】
また、4行ある電極の行が、2行ずつの2個の第2の行グループに分けられ、同一の行グループ内の電極(23−1、23−2、23−3、23−4、23−5、23−6、23−7、23−8)および電極(23−9、23−10、23−11、23−12、23−13、23−14、23−15、23−16)では、それぞれの第3のトランジスタ(TR3)のゲートの間を相互に接続する配線(BX1)と配線(BX2)とが設けられている。
さらに、4列ある電極の列が、2列ずつの2個の第2の列グループに分けられ、同一の列グループ内の電極(23−1、23−2、23−3、23−4、23−9、23−10、23−11、23−12)および電極(23−5、23−6、23−7、23−8、23−13、23−14、23−15、23−16)では、それぞれの第4のトランジスタ(TR4)のゲートの間を相互に接続する配線(BY1)と配線(BY2)とが設けられている。
【0086】
したがって、検査装置21では、各電極(23−1〜23−16)の第1のトランジスタ(TR1)のゲートにオン信号を入力するための2本の配線(X3−1、X3−2)のうちの1本と、第2のトランジスタ(TR2)のゲートにオン信号を入力するための2本の配線(Y3−2、Y3−2)のうちの1本とを選択する。さらに、各電極(23−1〜23−16)の第3のトランジスタ(TR3)のゲートにオン信号を入力するための2本の配線(BX1、BX2)のうちの1本と、第4のトランジスタ(TR4)のゲートにオン信号を入力するための2本の配線(BY1、BY2)のうちの1本を選択することにより、スイッチ素子24を制御して、電極(23−1〜23−16)それぞれを互いに独立してグラウンドに接続させることができる。
【0087】
検査装置21においては、さらに、スイッチ素子24の4個のトランジスタ(TR1、TR2、TR3、TR4)のそれぞれのゲートに、トランジスタをオン状態にするオン信号を送ることができるよう基板上に入力端子(図示されない)が設けられている。この入力端子には、検査装置21の各電極(23−1〜23−16)にオン信号を送って検査装置21の動作を制御する制御回路(図示されない)が接続している。
したがって、検査装置21の場合、スイッチ素子24を制御して、電極(23−1〜23−16)それぞれをグラウンドに接続させるため、入力端子と配線(X3−1、X3−2、Y3−1、Y3−2、BX1、BX2、BY1、BY2)とを接続する引回し配線の本数は、配線(X3−1、X3−2、Y3−1、Y3−2、BX1、BX2、BY1、BY2)の本数と同じ8本となる。その結果、本実施の形態の検査装置21では、上述した電極毎に付設されるスイッチ素子を1個のトランジスタのみから構成する場合に比べ、引回し配線の本数を減らすことができる。そして、こうした引回し配線の本数を減らす効果は、電極数が大きくなるに従い大きなものとなる。
【0088】
図8は、本発明の第3の実施形態の検査装置の動作方法を説明するタイミングチャートである。
【0089】
図8では、検査装置21の配線X3−1、配線X3−2、配線Y3−1、配線Y3−2、配線BX1、配線BX2、配線BY1および配線BY2のそれぞれに入力される信号の波形を示している。図8に示すように、検査装置21では、配線BX1と配線BX2の2本の配線を走査する期間を1水平走査期間とする。すなわち、配線BX1と配線BX2に対し、1/2水平走査期間毎に順次、電極(23−1、23−2、23−3、23−4、23−5、23−6、23−7、23−8)および電極(23−9、23−10、23−11、23−12、23−13、23−14、23−15、23−16)の第3のトランジスタ(TR3)をオン状態にするためのゲートのオン信号が入力される。
そして、配線BY1および配線BY2に対しては、1/4水平走査期間毎に順次、電極(23−1、23−2、23−3、23−4、23−9、23−10、23−11、23−12)および電極(23−5、23−6、23−7、23−8、23−13、23−14、23−15、23−16)の第4のトランジスタ(TR4)をオン状態にするためのゲートのオン信号が入力される。
【0090】
配線X3−1および配線X3−2に対しては、1/8水平走査期間毎に、交互に、電極(23−1、23−2、23−5、23−6、23−9、23−10、23−13、23−14)および電極(23−3、23−4、23−7、23−8、23−11、23−12、23−15、23−16)の第1のトランジスタ(TR1)をオン状態にするするためのゲートのオン信号が入力される。
配線Y3−1および配線Y3−2に対しては、1/16水平走査期間毎に、交互に、電極(23−1、23−3、23−5、23−7、23−9、23−11、23−13、23−15)および電極(23−2、23−4、23−6、23−8、23−10、23−12、23−14、23−16)の第2のトランジスタ(TR2)をオン状態にするためのゲートのオン信号が入力される。
【0091】
以上より、例えば、電極23−1を1個にグラウンドに接続しようとする場合、配線BX1に1/2水平走査期間の間、オン信号を入力し、配線BX1に接続する電極(23−1、23−2、23−3、23−4、23−5、23−6、23−7、23−8)の第3のトランジスタ(TR3)をオン状態にする。ついで、その期間内の1/4水平走査期間の間、配線BY1にオン信号を入力し、配線BY1に接続する電極(23−1、23−2、23−3、23−4、23−9、23−10、23−11、23−12)をオン状態にする。このとき、電極23−1、電極23−2、電極23−3および電極23−4のみが、第3のトランジスタ(TR3)と第4のトランジスタ(TR4)の両方のトランジスタのオン状態を実現している。
【0092】
次いで、配線BY1を選択している期間内の1/8水平走査期間の間、配線X3−1にオン信号を入力し、配線X3−1に接続する電極(23−1、23−2、23−5、23−6、23−9、23−10、23−13、23−14)の第1のトランジスタ(TR1)をオン状態にする。このとき、電極23−1と電極23−2のみが第1のトランジスタ(TR1)と第3のトランジスタ(TR3)と第4のトランジスタ(TR4)のオン状態を実現している。次いで、配線X3−1にオン信号を入力している期間内の1/16水平走査期間の間、配線Y3−1にオン信号を入力し、配線Y3−1に接続する電極(23−1、23−3、23−5、23−7、23−9、23−11、23−13、23−15)の第2のトランジスタ(TR2)をオン状態にする。その結果、電極23−1のみが第1のトランジスタ(TR1)と第2のトランジスタ(TR2)と第3のトランジスタ(TR3)と第4のトランジスタ(TR4)の4個すべてのトランジスタのオン状態を実現することになり、グラウンドへの接続が達成される。
【0093】
こうした配線X3−1、配線X3−2、配線Y3−1、配線Y3−2、配線BX1、配線BX2、配線BY1および配線BY2へのオン信号の入力による1個ずつの電極の選択を繰り返すことで、全ての電極(23−1〜23−6)について、グラウンドへの接続を実現する。その結果、検査装置21では、1水平走査期間内で、電極23−1〜電極23−16の順番で、1個ずつ独立して電極(23−1〜23−16)をグラウンドに接続させることができる。
【0094】
尚、本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0095】
1、11、11−1、21 検査装置
2、12 基板
3、3−1、3−2、3−3、3−4、3−5、3−6、13−1、13−2、13−3、13−4、13−5、13−6、13−7、13−8、13−9、13−10、13−11、13−12、13−13、13−14、13−15、13−16、23−1、23−2、23−3、23−4、23−5、23−6、23−7、23−8、23−9、23−10、23−11、23−12、23−13、23−14、23−15、23−16 電極
4、14、24 スイッチ素子
15、15−1、15−2、15−N、15−N−2 ブロック領域
200 タッチパネル
202 透明基板
204 Y電極
205 X電極
206 ブリッジ電極
208 交差部
209 引回し配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネル上に配置される絶縁性の基板と、
前記基板の一方の面で、行数がA行で列数がB列となるよう、行方向と列方向のマトリクス状に配列されたA行B列の電極と、
前記電極それぞれとグラウンドとの間に配設されて、前記電極それぞれをグラウンドに接続させるように構成されたスイッチ素子と
を有するタッチパネルの検査装置であって、
前記スイッチ素子は、直列接続された第1のトランジスタと第2のトランジスタと第3のトランジスタの3個のトランジスタからなり、
前記第1のトランジスタは、A行ある前記電極の行の中のグラウンドに接続する行の選択に用いられ、
前記第2のトランジスタは、B列ある前記電極の列の中のグラウンドに接続する列の選択に用いられ、
前記第3のトランジスタは、前記A行B列の電極の中のグラウンドに接続する複数の前記電極からなる領域であって、同一行の複数の前記電極と同一列の複数の前記電極を含んで構成されたブロック領域の選択に用いられるよう構成されたことを特徴とするタッチパネルの検査装置。
【請求項2】
前記スイッチ素子の前記3個のトランジスタのそれぞれのゲートに、前記トランジスタをオン状態にするオン信号を送るように前記基板上に設けられた入力端子を有し、
A行ある前記電極の行をM行ずつの(A/M)個の行グループに分け、同一の行グループ内の前記電極それぞれの前記第1のトランジスタのゲートの間を第1の配線により相互に接続するとともに、前記行グループ毎に前記第1の配線を前記入力端子まで引き回すように設けられた引回し配線を(A/M)本有し、
B列ある前記電極の列をN列ずつの(B/N)個の列グループに分け、同一の列グループ内の前記電極それぞれの前記第2のトランジスタのゲートの間を第2の配線により相互に接続するとともに、前記列グループ毎に前記第2の配線を前記入力端子まで引き回すように設けられた引回し配線を(B/N)本有し、
前記A行の電極をM分割し、前記B列の電極をN分割し、マトリクス状に配列された(A/M)行(B/N)列の電極からなる領域としてM×N個の前記ブロック領域を構成し、前記ブロック領域内の前記電極それぞれの前記第3のトランジスタのゲートの間を第3の配線により相互に接続するとともに、前記ブロック領域毎に前記第3の配線を前記入力端子まで引き回すように設けられた引回し配線をM×N本有することを特徴とする請求項1に記載のタッチパネルの検査装置。
【請求項3】
前記行グループは、前記A行B列の電極のA行ある前記電極の行の中の、(A/M−1)本おきに配置されたM行の電極を選択して構成されたものであり、
前記列グループは、前記A行B列の電極のB列ある前記電極の列の中の、(B/N−1)本おきに配置されたN列の電極を選択して構成されたものであることを特徴とする請求項2に記載のタッチパネルの検査装置。
【請求項4】
タッチパネル上に配置される絶縁性の基板と、
前記基板の一方の面で、行数がA行で列数がB列となるよう、行方向と列方向のマトリクス状に配列されたA行B列の電極と、
直列接続された第1のトランジスタと第2のトランジスタと第3のトランジスタと第4のトランジスタの4個のトランジスタからなり、前記電極それぞれとグラウンドとの間に配設されて、前記電極それぞれをグラウンドに接続させるように構成されたスイッチ素子と
を有するタッチパネルの検査装置であって、
前記スイッチ素子の前記4個のトランジスタのそれぞれのゲートに、前記トランジスタをオンにするオン信号を送るように前記基板上に設けられた入力端子を有し、
A行ある前記電極の行をM行ずつの(A/M)個の行グループに分け、同一の行グループ内の前記電極それぞれの前記第1のトランジスタのゲートの間を第1の配線により相互に接続するとともに、前記行グループ毎に前記第1の配線を前記入力端子まで引き回すように設けられた引回し配線を(A/M)本有し、
B列ある前記電極の列をN列ずつの(B/N)個の列グループに分け、同一の列グループ内の前記電極それぞれの前記第2のトランジスタのゲートの間を第2の配線により相互に接続するとともに、前記列グループ毎に前記第2の配線を前記入力端子まで引き回すように設けられた引回し配線を(B/N)本有し、
A行ある前記電極の行を(A/M)行ずつのM個の行グループに分け、同一の行グループ内の前記電極それぞれの前記第3のトランジスタのゲートの間を第3の配線により相互に接続するとともに、前記行グループ毎に前記第3の配線を前記入力端子まで引き回すように設けられた引回し配線をM本有し、
B列ある前記電極の列を(B/N)列ずつのN個の列グループに分け、同一の列グループ内の前記電極それぞれの前記第4のトランジスタのゲートの間を第4の配線により相互に接続するとともに、前記列グループ毎に前記第2の配線を前記入力端子まで引き回すように設けられた引回し配線をN本有することを特徴とするタッチパネルの検査装置。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のタッチパネルの検査装置を用いたタッチパネルの検査方法であって、
前記検査装置の前記A行B列の電極から、所定の期間毎に、前記ブロック領域を1個ずつ選択し、前記所定の期間内に、選択された前記ブロック領域で当該ブロック領域を構成する前記電極を順次1つずつグラウンドに接続し、タッチパネルの検査を行うことを特徴とするタッチパネルの検査方法。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のタッチパネルの検査装置を用いたタッチパネルの検査方法であって、
前記検査装置の前記A行B列の電極から、所定の期間毎に、前記ブロック領域を複数個ずつ選択するとともに、前記所定の期間内に、選択された複数個の前記ブロック領域間で相互に同じタイミングとなるように前記各ブロック領域を構成する前記電極を順次1個ずつ選択し、該選択された電極を同時にグラウンドに接続してタッチパネルの検査を行うことを特徴とするタッチパネルの検査方法。
【請求項7】
行数がA行で列数がB列となるマトリクス状のA行B列の電極と、前記A行B列の電極を行方向および列方向にそれぞれ分割してなる複数のブロック領域とを有し、前記電極のそれぞれがグランドに接続されるタッチパネルの検査装置を用いたタッチパネルの検査方法であって、
所定の期間毎に、前記複数のブロック領域のうち、X方向およびY方向に重ならない少なくとも2個のブロック領域を選択し、
前記所定の期間内に、前記選択されたブロック領域の電極を順次1個ずつ選択し、該選択された電極を同時にグランドに接続してタッチパネルの検査を行うことを特徴とするタッチパネルの検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−242915(P2012−242915A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−109930(P2011−109930)
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【出願人】(000103747)京セラディスプレイ株式会社 (843)
【Fターム(参考)】