タッチパネル及び表示装置
【課題】高解像度のタッチ式入力が可能なタッチパネル及び表示装置を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、複数の第1配線と、複数の第2配線と、複数のセンサ部と、制御部と、を含むタッチパネルが提供される。複数の第1配線は、第1方向に沿って並ぶ。複数の第2配線は、第1方向と交差する第3方向に沿って並ぶ。センサ部は、第1配線と第2配線との交差部に設けられる。センサ部は、第1強磁性層と、第2強磁性層と、第1強磁性層と第2強磁性層との間に設けられ非磁性の中間層と、を含む。センサ部の一端は、第1配線と接続される。センサ部の他端は、第2配線と接続される。センサ部の第1強磁性層と第2強磁性層との間の電気抵抗は、センサ部に加わる応力に応じて高抵抗値と高抵抗値よりも低い低抵抗値との間で変化する。制御部は、センサ部における電気抵抗の変化を検出する。
【解決手段】実施形態によれば、複数の第1配線と、複数の第2配線と、複数のセンサ部と、制御部と、を含むタッチパネルが提供される。複数の第1配線は、第1方向に沿って並ぶ。複数の第2配線は、第1方向と交差する第3方向に沿って並ぶ。センサ部は、第1配線と第2配線との交差部に設けられる。センサ部は、第1強磁性層と、第2強磁性層と、第1強磁性層と第2強磁性層との間に設けられ非磁性の中間層と、を含む。センサ部の一端は、第1配線と接続される。センサ部の他端は、第2配線と接続される。センサ部の第1強磁性層と第2強磁性層との間の電気抵抗は、センサ部に加わる応力に応じて高抵抗値と高抵抗値よりも低い低抵抗値との間で変化する。制御部は、センサ部における電気抵抗の変化を検出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、タッチパネル及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、人がタッチすることで入力するタッチパネルが実用化されている。例えば、液晶表示装置などにタッチ入力機能を設けることで、便利な入力・表示装置が実現できる。
【0003】
例えば、入力面をタッチしたときの電気容量の変化を検出する方式のタッチパネルがある。この方式では、時定数の問題により反応速度が遅い。このため、所定の時間内に検出できるようにするとセンサの配置密度が低くなり、結果として解像度が十分に向上できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−15505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、高解像度のタッチ式入力が可能なタッチパネル及び表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態によれば、複数の第1配線と、複数の第2配線と、複数のセンサ部と、制御部と、を含むタッチパネルが提供される。前記複数の第1配線は、第1方向に沿って並ぶ。前記複数の第1配線のそれぞれは、前記第1方向と交差する第2方向に沿って延びる。複数の第2配線は、前記第1方向と交差する第3方向に沿って並ぶ。前記複数の第2配線のそれぞれは、前記第3方向と交差する第4方向に沿って延びる。前記複数のセンサ部のそれぞれは、前記複数の第1配線と前記複数の第2配線とのそれぞれの交差部に設けられる。前記複数のセンサ部のそれぞれは、第1強磁性層と、第2強磁性層と、非磁性材料を含む中間層と、を含む。前記中間層を介して前記第1強磁性層と前記第2強磁性層との間に電流が通電可能である。前記複数のセンサ部のそれぞれの一端は、前記複数の第1配線のそれぞれと接続される。前記複数のセンサ部のそれぞれの他端は、前記複数の第2配線のそれぞれと接続される。前記制御部は、前記複数の第1配線と前記複数の第2配線とに接続される。前記センサ部の前記第1強磁性層と前記第2強磁性層との間の電気抵抗は、前記センサ部に加わる応力に応じて高抵抗値と前記高抵抗値よりも低い低抵抗値との間で変化する。前記制御部は、前記センサ部における前記電気抵抗の変化を検出する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施形態に係るタッチパネルを示す模式図である。
【図2】図2(a)〜図2(c)は、第1の実施形態に係るタッチパネルの一部を示す模式的断面図である。
【図3】図3(a)〜図3(c)は、第1の実施形態に係るタッチパネルの動作を示す模式的斜視部である。
【図4】第1の実施形態に係るタッチパネルの一部を示す等価回路図である。
【図5】図5(a)〜図5(d)は、第1の実施形態に係るタッチパネルの一部を示す模式的斜視図である。
【図6】図6(a)及び図6(b)は、第1の実施形態に係るタッチパネルを示す模式図である。
【図7】第2の実施形態に係る表示装置を示す模式図である。
【図8】第2の実施形態に係る表示装置の動作を示す模式図である。
【図9】第2の実施形態に係る表示装置の動作を示す模式図である。
【図10】図10(a)及び図10(b)は、第2の実施形態に係る表示装置の動作を示す模式図である。
【図11】図11(a)及び図11(b)は、第2の実施形態に係る表示装置の別の動作を示す模式図である。
【図12】第2の実施形態に係る表示装置を示す模式的平面図である。
【図13】図13(a)及び図13(b)は、第2の実施形態に係る表示装置を示す模式的断面図である。
【図14】第2の実施形態に係る別の表示装置を示す模式的断面図である。
【図15】第2の実施形態に係る別の表示装置を示す模式的断面図である。
【図16】図16(a)及び図16(b)は、第2の実施形態に係る別の表示装置のを示す模式的断面図である。
【図17】図17(a)及び図17(b)は、第2の実施形態に係る別の表示装置のを示す模式的断面図である。
【図18】第2の実施形態に係る別の表示装置を示す模式図である。
【図19】第2の実施形態に係る別の表示装置を示す模式的平面図である。
【図20】第2の実施形態に係る別の表示装置を示す模式的断面図である。
【図21】第3の実施形態に係る表示装置を示す模式図である。
【図22】第3の実施形態に係る別の表示装置を示す模式図である。
【図23】第3の実施形態に係る別の表示装置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るタッチパネルの構成を例示する模式図である。
図1に表したように、本実施形態に係るタッチパネル310は、複数の第1配線110と、複数の第2配線120と、複数のセンサ部50と、制御部101と、を含む。
【0010】
複数の第1配線110は、第1方向に沿って並ぶ。複数の第1配線110のそれぞれは、第1方向と交差する第2方向に沿って延びる。
【0011】
複数の第2配線120は、第1方向と交差する第3方向に沿って並ぶ。複数の第2配線120のそれぞれは、第3方向と交差する第4方向に沿って延びる。
【0012】
ここで、説明の便宜上、第1方向と第2方向とを含む平面をX−Y平面とする。X−Y平面に対して垂直な方向をZ軸方向とする。
【0013】
例えば、第1方向は、Y軸方向である。第2方向は、X軸方向である。第3方向は、X軸方向である。第4方向は、Y軸方向である。
【0014】
図1に示した例では、複数の第1配線110は、Y軸方向に沿って並ぶ。複数の第1配線110のそれぞれは、X軸方向に沿って延びる。複数の第2配線120は、X軸方向に沿って並ぶ。複数の第2配線120のそれぞれは、Y軸方向に沿って延びる。
【0015】
複数のセンサ部50のそれぞれは、複数の第1配線110と複数の第2配線120とのそれぞれの交差部に設けられる。センサ部50の1つは、検出のための検出要素50eの1つとなる。ここで、交差部は、第1配線110と第2配線120とが交差する位置の周辺の領域を含む。
【0016】
複数のセンサ部50のそれぞれの一端50aは、複数の第1配線110のそれぞれと接続される。複数のセンサ部50のそれぞれの他端50bは、複数の第2配線120のそれぞれと接続される。
【0017】
制御部101は、複数の第1配線110と複数の第2配線120とに接続される。
例えば、制御部101は、複数の第1配線110に接続された第1配線用回路110dと、複数の第2配線120に接続された第2配線用回路120dと、第1配線用回路110dと第2配線用回路120dとに接続された制御回路105と、を含む。
【0018】
図2(a)〜図2(c)は、第1の実施形態に係るタッチパネルの一部の構成を例示する模式的断面図である。
図2(a)に表したように、複数のセンサ部50のそれぞれは、第1強磁性層10と、第2強磁性層20と、中間層30と、を含む。中間層30は、非磁性材料を含む。中間層30を介して、第1強磁性層10と第2強磁性層20との間に電流が通電可能である。
【0019】
この例では、中間層30は、第1強磁性層10と第2強磁性層20との間に設けられる。センサ部50の一端50aは、例えば、センサ部50の第1強磁性層10の側の端である。センサ部50の他端50bは、例えば、センサ部50の第2強磁性層20の側の端である。
【0020】
センサ部50の第1強磁性層10と第2強磁性層20との間に電流が通電可能である。
【0021】
例えば、図2(b)に表したように、センサ部50は、第1電極51と第2電極52をさらに含んでも良い。第1電極51と第2電極52との間に第1強磁性層10が配置される。第1強磁性層10と第2電極52との間に中間層30が配置される。中間層30と第2電極52との間に第2強磁性層20が配置される。
【0022】
図2(a)及び図2(b)に示した例では、第1強磁性層10と第2強磁性層20とは、Z軸方向に沿って積層されている。ただし、実施形態はこれに限らない。
【0023】
例えば、図2(c)に表したように、第1強磁性層10が中間層30と積層され、第2強磁性層20が中間層30と積層され、第2強磁性層10は、第1強磁性層10と並置されても良い。このときも、中間層30を介して、第1強磁性層10と第2強磁性層20との間に電流が通電可能である。このように、センサ部50の構成は、種々の変形が可能である。以下では、第1強磁性層10、中間層30及び第2強磁性層20が積層される場合について説明する。
【0024】
本願明細書において、積層されている状態は、直接重ねられる状態に加え、間に別の要素が挿入された状態で重ねられる状態を含む。また、上に設けられている状態は、接して上に配置される状態に加え、間に別の要素が挿入されて上に配置される状態を含む。
【0025】
センサ部50の第1強磁性層10と第2強磁性層20との間の電気抵抗Rsは、センサ部50に加わる応力に応じて高抵抗値Rhと低抵抗値Rlとの間で変化する。低抵抗値Rlは、高抵抗値Rhよりも低い。
【0026】
制御部101は、センサ部50における電気抵抗Rsの変化を検出する。これにより、制御部101は、センサ部50に加わった応力を検出する。これにより、タッチパネル310への接触が検出される。そして、X−Y平面内に複数のセンサ部50が配置されていることから、X−Y平面内での接触の位置、及び、接触の位置の時間変化が検出される。この場合、各センサ素子で、応力が印加されたか否かという0か1かのデジタル判断をする場合もあれば、抵抗に応じて応力の値がわかるので応力値の強弱まで含めてアナログ値判断するという場合もある。
【0027】
タッチパネル310においては、センサ部50における、例えばMR効果に基づく電気抵抗Rsの変化が利用される。センサ部50のサイズが小さくでき、また、応答時間も短い。これにより、タッチパネル310によれば、高解像度のタッチ式入力が可能なタッチパネルを提供できる。
【0028】
説明を簡単にするために、第1強磁性層10、中間層30及び第2強磁性層20を、適宜、センサ部積層体と言うことにする。
【0029】
センサ部50において、例えば、第1強磁性層10及び第2強磁性層20のいずれか一方は、磁化自由層である。第1強磁性層10及び第2強磁性層20のいずれか他方は、例えば、磁化固定層である。ただし、後述するように、第1強磁性層10及び第2強磁性層20の両方が磁化自由層でも良い。
【0030】
以下では、センサ部50の動作の例について、第1強磁性層10が磁化固定層であり、第2強磁性層20が磁化自由層である場合について説明する。センサ部50においては、強磁性体が有する「逆磁歪効果」と、センサ部積層体で発現する「MR効果」と、が利用される。
【0031】
「MR効果」においては、センサ部積層体にバイアス電流を流す。この状態で、センサ部積層体に外部磁界が印加されるとセンサの磁化の向きが変化し、センサ内の第1強磁性層10と第2強磁性層20との相対的磁化角度の変化を電気抵抗変化として読み取ることで、センサ部積層体は磁界センサとして機能する。このようなMR効果は、HDDヘッドで使用される。
【0032】
本実施形態に係るタッチパネル310においては、MR効果に加えて逆磁歪効果を用いる。逆磁歪効果とは、外部歪が印加されたときに、磁性体の磁化方向が変化する現象である。例えば、センサ部50に加わる応力に基づいて、センサ部積層体に引っ張り応力が加わる。第2強磁性層20(磁化自由層)の磁化の向きと、第2強磁性層20に加わる引っ張り応力の方向と、が異なるときに、センサ部積層対の磁化方向が逆磁歪効果により変化し、その磁化変化に応じてMR効果が発現する。MR効果によって変化する電気抵抗の変化量は、「MR変化量」である。MR変化量を電気抵抗値で除した値を「MR変化率」という。
【0033】
図3(a)〜図3(c)は、第1の実施形態に係るタッチパネルの動作を例示する模式的斜視部である。
これらの図は、センサ部50の状態を例示している。これらの図は、センサ部積層体における磁化の方向と、引っ張り応力の方向と、の関係を例示している。
【0034】
図3(a)は、引っ張り応力が印加されていない状態を示す。このとき、この例では、第1強磁性層10(磁化固定層)の磁化の向きは、第2強磁性層20(磁化自由層)の磁化の向きと、同じである。
【0035】
図3(b)は、引っ張り応力が印加された状態を示している。この例では、X軸方向に沿って引っ張り応力が印加されている。例えば、センサ部積層体にZ軸方向に沿って応力が印加され、これに基づいて例えばX軸方向に沿った引っ張り応力が印加される。すなわち、引っ張り応力は、第1強磁性層10(磁化固定層)及び第2強磁性層20(磁化自由層)の磁化の向き(この例では、Y軸方向)に対して直交方向に印加される。このとき、引っ張り応力の方向と同じ方向になるように、第2強磁性層20(磁化自由層)の磁化が回転する。これを「逆磁歪効果」という。このとき、第1強磁性層10(磁化固定層)の磁化は固定されている。よって、第2強磁性層20(磁化自由層)の磁化が回転することで、第1強磁性層10(磁化固定層)の磁化の向きと、第2強磁性層20(磁化自由層)の磁化の向きと、の相対角度が変化する。
【0036】
この図には、第1強磁性層10(磁化固定層)の磁化の方向が一例として図示されており、磁化の方向は、この図に示した方向でなくても良い。
【0037】
逆磁歪効果においては、強磁性体の磁歪定数の符号によって磁化の容易軸が変化する。大きな逆磁歪効果を示す多くの材料は、磁歪定数が正の符号を持つ。磁歪定数が正の符号である場合には、上述のように引っ張り応力が加わる方向が磁化容易軸となる。このときには、上記のように、第2強磁性層20(磁化自由層)の磁化は、磁化容易軸の方向に回転する。
【0038】
例えば、第2強磁性層20(磁化自由層)の磁歪定数が正である場合には、第2強磁性層20(磁化自由層)の磁化の方向は、引っ張り応力が加わる方向とは異なる方向に設定する。
【0039】
一方、磁歪定数が負である場合には、引っ張り応力が加わる方向に垂直な方向が磁化容易軸となる。
図3(c)は、磁歪定数が負である場合の状態を例示している。この場合には、第2強磁性層20(磁化自由層)の磁化の方向は、引っ張り応力が加わる方向(この例ではX軸方向)に対して垂直な方向とは異なる方向に設定する。
この図には、第1強磁性層10(磁化固定層)の磁化の方向が一例として図示されており、磁化の方向は、この図に示した方向でなくても良い。
【0040】
第1強磁性層10の磁化と第2強磁性層20の磁化との間の角度に応じて、センサ部積層体の電気抵抗が、例えば、MR効果によって変化する。
【0041】
磁歪定数(λs)は、外部磁界を印加して強磁性層をある方向に飽和磁化させたときの形状変化の大きさを示す。外部磁界がない状態で長さLであるときに、外部磁界が印加されたときにΔLだけ変化したとすると、磁歪定数λsは、ΔL/Lで表される。この変化量は磁界の大きさによって変わるが、磁歪定数λsは十分な磁界が印加され、磁化が飽和された状態のΔL/Lとしてあらわす。
【0042】
図4は、第1の実施形態に係るタッチパネルの一部を例示する等価回路図である。
図4に表したように、センサ部50は可変抵抗として機能する。すなわち、センサ部50に一端50aと他端50bとの間の電気抵抗Rsは、高抵抗値Rhと低抵抗値Rlとの間で変化する。センサ部50に加わる応力に応じて、電気抵抗Rsが変化する。
【0043】
制御部101は、例えば、第1配線110を順次選択し、そのときのセンサ部50の電気抵抗Rsを、第2配線120を介して検出する。これにより、タッチ式の入力を高解像度で読み取ることができる。
【0044】
このように、ある位置にあるセンサで、応力が印加されたか否かだけをデジタルに判断する場合もあれば、各センサにおいて応力の大きさに応じて抵抗の値が連続的に変化するので、応力の大きさをアナログに判断する場合もある。回路的に簡単なのは応力の有無だけを判断するデジタルな使い方だが、用途に応じて、各センサで応力の大きさまでアナログに判断する回路まで付加することもありうる。
【0045】
なお、センサ部50は、センサ部積層体と積層された整流素子(例えばダイオード)をさらに含んでも良い。これにより、例えば、目的とするセンサ部50とは別のセンサ部50を介して流れる電流の影響が抑制でき、より高い精度での検出が可能になる。
【0046】
例えば、第1強磁性層10が磁化固定層である場合、第1強磁性層10には、例えば、CoFe合金、CoFeB合金及びNiFe合金等を用いることができる。第1強磁性層10の厚さは、例えば2ナノメートル(nm)以上6nm以下である。
【0047】
中間層30には、金属または絶縁体を用いることができる。金属としては、例えば、Cu、Au及びAg等を用いることができる。金属の場合、中間層30の厚さは、例えば1nm以上7nm以下である。絶縁体としては、例えば、マグネシウム酸化物(MgO等)、アルミ酸化物(Al2O3等)、チタン酸化物(TiO等)、及び、亜鉛酸化物(ZnO等)を用いることができる。絶縁体の場合、中間層30の厚さは、例えば0.6nm以上2.5nm以下である。
【0048】
また、中間層30として、上記のような絶縁体の層の一部に、その層を貫通する金属電流パスが多数設けられた、CCP(Current-Confined-Path)中間層を用いても良い。この金属電流パスの幅(層に対して平行な長さ)は例えば、0.5nm以上10nm以下である。より具体的には、1nm以上7nm以下である。例えば、アルミ酸化物(Al2O3等)の一部に、Cu,Au,Ag,Ni,Fe,Coなどを含む電流パス構造が形成された構成を中間層30に用いることができる。このときの中間層30の厚さは、例えば1nm以上3nm以下である。
【0049】
第2強磁性層20が磁化自由層である場合、第2強磁性層20には、例えば、FeCo合金、及び、NiFe合金等を用いることができる。この他、第2強磁性層20には、Fe−Co−Si−B合金、λs>100ppmを示すTb−M−Fe合金(Mは、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er)、Tb−M1−Fe−M2合金(M1は、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、M2は、Ti,Cr,Mn,Co,Cu,Nb,Mo,W,Ta)、Fe−M3−M4−B合金(M3は、Ti,Cr,Mn,Co,Cu,Nb,Mo,W,Ta、M4は、Ce,Pr,Nd,Sm,Tb,Dy,Er)、Ni、Al−Feやフェライト(Fe3O4、(FeCo)3O4)など)等を用いることができる。第2強磁性層20の厚さは、例えば2nm以上である。
【0050】
第2強磁性層20は、2層構造を有することができる。この場合、第2強磁性層20は、FeCo合金の層と、FeCo合金の層と積層された以下の層と、を含むことができる。FeCo合金の層と積層されるのは、Fe−Co−Si−B合金、λs>100ppmを示すTb−M−Fe合金(Mは、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er)、Tb−M1−Fe−M2合金(M1は、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、M2は、Ti,Cr,Mn,Co,Cu,Nb,Mo,W,Ta)、Fe−M3−M4−B合金(M3は、Ti,Cr,Mn,Co,Cu,Nb,Mo,W,Ta、M4は、Ce,Pr,Nd,Sm,Tb,Dy,Er)、Ni、Al−Feやフェライト(Fe3O4、(FeCo)3O4)など)等から選択される材料の層である。
【0051】
第1電極51及び第2電極52には、例えば、非磁性体であるAu、Cu、Ta、Al等を用いることができる。第1電極51及び第2電極52として、軟磁性体の材料を用いることで、センサ部積層体に影響を及ぼす外部からの磁気ノイズを低減することができる。軟磁性体の材料としては、例えば、パーマロイ(NiFe合金)や珪素鋼(FeSi合金)を用いることができる。センサ部50は、周囲との絶縁性を確保するために、アルミ酸化物(例えばAl2O3)やシリコン酸化物(例えばSiO2)等の絶縁体で覆われる。
【0052】
例えば、中間層30が金属の場合は、GMR(Giant Magnetoresistance)効果が発現する。中間層30が絶縁体の場合は、TMR(Tunneling Magnetoresistance)効果が発現する。例えば、センサ部50においては、例えば、センサ部積層体の積層方向に沿って電流を流すCPP(Current Perpendicular to Plane)−GMR効果が用いられる。CCP中間層の場合でも、現象としてはCPP−GMR効果が用いられる。
【0053】
このように、本実施形態においては、センサ部50におけるMR現象が用いられる。MR現象に加え、センサ部の磁化を変化させるために、逆磁歪現象を用いる。これら2つの現象の利用により、歪に対して極めて高感度な検出が可能になる。逆磁歪効果を用いる場合、例えば、外部から加えられる歪に対して、第1強磁性層10及び第2強磁性層20の少なくともいずれかの強磁性層の磁化方向が変化させられる。外部から加えられる歪の有無によって、2つの強磁性層の磁化の相対的な角度が変わる。外部から加えられる歪によって電気抵抗Rsが変わるため、センサ部50は、歪センサとして機能する。
【0054】
すなわち、第1強磁性層10及び第2強磁性層20の少なくともいずれかの強磁性層の磁化方向は、応力に応じて変化する。少なくともいずれかの強磁性層(応力に応じて磁化方向が変化する強磁性層)の磁歪定数の絶対値は、例えば、10−5以上に設定する。これにより、逆磁歪効果によって、外部から加えられる歪みに応じて磁化の方向が変化する。例えば、第1強磁性層10及び第2強磁性層20の少なくともいずれかには、Fe、Co及びNiなどのような金属または、それらを含む合金などが用いられる。用いる元素や添加元素などによって、磁歪定数は大きく設定される。
【0055】
例えば、中間層30としてMgOのような酸化物が用いられる。MgO層上の磁性層は、一般的にプラスの磁歪定数を有する。例えば、中間層30の上に第2強磁性層20を形成する場合、第2強磁性層20として、CoFeB/CoFe/NiFeの積層構成の磁化自由層を用いる。最上層のNiFe層をNiリッチにすると、NiFe層の磁歪定数はマイナスでその絶対値が大きくなる。酸化物層上のプラスの磁歪が打ち消されることを抑制するために、最上層のNiFe層のNi組成は、一般的なNiFe合金材料として知られるパーマロイの標準組成Ni81Fe19のNiの組成比(原子パーセント:atomic%)よりもNiリッチにしない。具体的には、最上層のNiFe層におけるNiの比率は、80atomic%未満とすることが好ましい。第2強磁性層20を磁化自由層とする場合には、第2強磁性層20の厚さは、例えば、1nm以上20nm以下が好ましい。
【0056】
第2強磁性層20が磁化自由層である場合において、第1強磁性層10は、磁化固定層でも磁化自由層でも良い。第1強磁性層10が磁化固定層である場合、外部から歪が加えられても第1強磁性層10の磁化の方向は実質的に変化しない。そして、第1強磁性層10と第2強磁性層20との間での相対的な磁化の角度によって電気抵抗Rsが変化する。電気抵抗Rsの違いによって歪の有無が検出される。
【0057】
第1強磁性層10及び第2強磁性層20の両方が磁化自由層である場合には、例えば、第1強磁性層10の磁歪定数は、第2強磁性層20の磁歪定数とは異なるように設定される。
【0058】
第1強磁性層10が磁化固定層である場合も磁化自由層である場合も、第1強磁性層10の厚さは、例えば1nm以上20nm以下が好ましい。
【0059】
例えば、第1強磁性層10が磁化固定層である場合、例えば、第1強磁性層10には、反強磁性層/磁性層/Ru層/磁性層の積層構造を用いたシンセティックAF構造などを用いることができる。反強磁性層には、例えばIrMnなどが用いられる。また、第1強磁性層10が磁化固定層である場合に、反強磁性層を用いる代わりに、第1強磁性層10に、ハード膜を用いる構成を適用しても良い。ハード膜には、例えば、CoPt及びFePtなどが用いられる。
【0060】
センサ部50は、磁性層のスピンが用いられる。センサ部50に必要な面積は、極めて小さいサイズで十分である。センサ部50の面積は、例えば、50nm×50nm〜50μm×50μm以下程度で十分である。
【0061】
図5(a)〜図5(d)は、第1の実施形態に係るタッチパネルの一部を例示する模式的斜視図である。
図5(a)に示した例では、センサ部50において、下地層41、反強磁性層42、第1強磁性層10(磁化固定層)、中間層30、第2強磁性層20(磁化自由層)及び保護層43が、この順で積層されている。この構成は、例えば、ボトム型スピンバルブ膜と呼ばれる。
【0062】
下地層41は、例えば、下地層41の上に積層される膜の結晶配向性を高める。下地層41には、例えば、アモルファスのTaなどのバッファ効果を有する材料を用いることができる。アモルファスのTaは、例えば、形成する基板との密着性が高い。下地層41には、これらバッファ効果を有する材料に積層して、結晶質のシード効果を有する、Ru、NiFe及びCu等を用いることができる。これらの材料の単層または積層膜を下地層41として用いることで、下地層41の上に形成される層の結晶配向性を向上させることができる。アモルファスTa膜と、結晶質の、Ru、NiFe及びCu等の膜と、の積層構造を採用することで、ぬれ性と結晶配向性とを両立できる。下地層41の厚さは、例えば0.5nm以上5nm以下である。
【0063】
保護層43は、センサ部積層体を製造する際のダメージからセンサ部積層体を保護する。保護層43には、例えば、Cu、Ta及びRu等の膜やそれらの積層膜を用いることができる。保護層43の厚さは、例えば1nm以上20nm以下である。
【0064】
図5(b)に示した例では、下地層41、反強磁性層42、磁化固定層44、反平行結合層45、第1強磁性層10(磁化固定層)、中間層30、第2強磁性層20(磁化自由層)及び保護層43が、この順で積層されている。この構成は、例えば、ボトム型シンセティックバルブ膜と呼ばれる。この構成により、第1強磁性層10(磁化固定層)の磁化の固定力を強めることができる。
【0065】
磁化固定層44の磁化は、反強磁性層42からの交換結合によって、一方向に固定される。磁化固定層44には、第1強磁性層10(磁化固定層)に用いられる材料と同じ材料を用いることができる。
【0066】
反平行結合層45は、第1強磁性層10(磁化固定層)の磁化と、磁化固定層44の磁化と、を反平行に結合させる。この構成により、反強磁性層42からの交換結合エネルギーが一定でも、第1強磁性層10(磁化固定層)の磁化の固定磁界を強めることができる。したがって、センサ部積層体に加わる磁気ノイズに対する影響を低減できる。反平行結合層45には、例えばRu及びIr等を用いることができる。反平行結合層45の厚さは、例えば0.8nm以上1nm以下である。
【0067】
図5(c)に示した例では、下地層41、第2強磁性層20(磁化自由層)、中間層30、第1強磁性層10(磁化固定層)、反強磁性層42及び保護層43が、この順で積層されている。この構成は、例えば、トップ型スピンバルブ膜と呼ばれる。
【0068】
図5(d)に示した例では、下地層41、第2強磁性層20(磁化自由層)、中間層30、第1強磁性層10(磁化固定層)、反平行結合層45、磁化固定層44、反強磁性層42及び保護層43が、この順で積層される。この構成は、例えば、トップ型シンセティックスピンバルブ膜と呼ばれる。
【0069】
トップ型スピンバルブ膜及びトップ型シンセティックスピンバルブ膜に含まれる層は、ボトム型スピンバルブ膜及びボトム型シンセティックスピンバルブ膜に含まれる層と同様であるので説明は省略する。
【0070】
第2強磁性層20の磁化を引っ張り応力と異なる方向に向けておく方法として、第1強磁性層10の磁化との層間結合を用いる方法がある。中間層50が金属の場合には3nm以下、絶縁体の場合は1.5nm以下で、第2強磁性層20の磁化を第1強磁性層10の磁化と平行に揃うように層間結合が働く。したがって、第1強磁性層10の磁化を引っ張り応力と異なる方向に固定することによって、第2強磁性層20の磁化を弱いエネルギーで同じ方向に向けることが出来る。
【0071】
第2強磁性層20(磁化自由層)をスパッタ装置で成膜する際に、磁界を印加することによっても第2強磁性層20の磁化を一方向に向けておくことが出来る。成膜時の磁界の方向に磁化が向きやすくなるので、引っ張り応力と異なる方向に磁界を印加しながらスパッタ法で成膜することが好ましい。
【0072】
図6(a)及び図6(b)は、第1の実施形態に係るタッチパネルの構成を例示する模式図である。
図6(a)は模式的平面図である。図6(b)は、図6(a)の一部PAの模式的断面図である。
【0073】
図6(a)に表したように、第1配線110がX軸方向に沿って延在し、第2配線120がY軸方向に沿って延在する。第1配線110と第2配線120との交差点にセンサ部50が設けられる。第1配線110及び第2配線120は、制御部101(IC)に接続される。
【0074】
図6(b)に表したように、基体54b(例えばガラス基板など)の上に、第1配線110が設けられる。第1配線110の上にセンサ部50が設けられる。センサ部50の上に第2配線120が設けられる。センサ部50の周囲に、絶縁層53が設けられる。絶縁層53には、例えば、アルミ酸化物(例えばAl2O3)やシリコン酸化物(例えばSiO2)等が用いられる。第2配線120の上及び絶縁層53の上にカバー層54bが設けられる。基体54b及びカバー層54bには、例えば可視光に対して透過性の材料が用いられる。
【0075】
このような構成により、高解像度のタッチ式入力が可能なタッチパネルが提供できる。ただし、実施形態は、図6(a)及び図6(b)に例示した構成に限らず、種々の変形が可能である。
【0076】
例えば、図6(a)においては、第1配線110と第2配線120とのうち、第1配線110ごとに第1配線110の電位が変更可能で、複数の第2配線120は共通電位に設定されるようにしてある。実施形態はこれに限らず、第2配線120に関しても、第2配線120ごとに電位を変えるように配線しても良い。
【0077】
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式図である。
図7に表したように、本実施形態に係る表示装置320は、第1の実施形態に関して説明したタッチパネル310と、複数の第1トランジスタ61と、複数の画素電極65と、光学層70と、を含む。
【0078】
複数の第1トランジスタ61のそれぞれは、複数の第1配線110と複数の第2配線120との交差部のそれぞれに設けられる。
【0079】
複数の画素電極65のそれぞれは、交差部のそれぞれに設けられる。複数の画素電極65のそれぞれは、複数の第1トランジスタ61の一端と直接または間接に接続される。第1トランジスタ61の一端は、第1トランジスタ61のソース及びドレインの一方である。第1トランジスタ61の他端は、第1トランジスタ61のソース及びドレインの他方である。以下では、第1トランジスタ61の一端が、第1トランジスタ61のドレインである場合として説明する。すなわち、画素電極65は、第1トランジスタ61のドレインと、直接または間接に接続される。
【0080】
本願明細書において、「直接に接続される」は、間に他の導電性の部材(例えばビア電極や配線など)が挿入されないで電気的に接続される状態を含む。「間接に接続される」は、間に他の導電性の部材(例えばビア電極や配線など)が挿入されて電気的に接続される状態、及び、間にスイッチ(例えばトランジスタなど)が挿入されて、導通と非導通とが可変の状態で接続される状態を含む。
【0081】
光学層70は、第1トランジスタ61を介して画素電極65に供給された電荷に基づいて、光を放出する、及び、複屈折性、旋光性、散乱性、回折性及び吸収性の少なくともいずれかを含む光学特性が変化する。
【0082】
この例では、光学層70は、液晶を含む。すなわち、光学層70として、液晶層71が用いられている。すなわち、表示装置320は、タッチパネル機能を有する液晶表示装置である。
【0083】
画素電極65の1つが、表示のための表示画素70eの1つとなる。
【0084】
この例では、複数の第1トランジスタ61のそれぞれのゲートは、複数の第1配線110のそれぞれに接続されている。複数の第1トランジスタ61のそれぞれの他端(この例ではソース)は、複数の第2配線120のそれぞれに接続されている。
【0085】
すなわち、表示装置320においては、タッチパネル310のタッチ式の接触を検出するための第1配線110が、表示のための走査線として利用される。また、タッチパネル310のタッチ式の接触を検出するための第2配線120が、表示のための信号線として利用される。
【0086】
制御部101は、第1配線110、第2配線120及び第1トランジスタ61を介して、所望の電荷を画素電極65に書き込む。光学層70(液晶層71)には、書き込まれた電荷に基づいて画素電極65と対向電極66との間に発生する電圧が印加される。この電圧に応じて、液晶層71の光学特性(複屈折性、旋光性、散乱性、回折性及び吸収性の少なくともいずれかを含む)が変化する。これにより、表示が行われる。
【0087】
図8は、第2の実施形態に係る表示装置の動作を例示する模式図である。
図8は、表示装置320における表示動作DOを例示している。
第1トランジスタ61の第1ゲート61Gが第1配線110に接続されており、第1トランジスタ61の第1ドレイン61Dが画素電極に接続され、第1トランジスタ61の第1ソース61Sが第2配線120に接続されている。第1ゲート61G及び第1ソース61Sと並列に、センサ部50が接続されている。
【0088】
表示動作DOにおいては、複数の第1配線110のうちの1つがハイ状態HL(選択状態)に設定される。そして、第1トランジスタ61がオン状態(導通状態)になる。第2配線120及び第1トランジスタ61を介して電荷(電流C61)が画素電極65に供給される。液晶層71(光学層70)には、電荷に基づいた電圧(画素電極65と対向電極66との間の電圧)が印加される。電荷の量により液晶層71に印加される電圧が変化し、光の強度の変調が行われる。複数の第1配線110を順次走査し、選択することで、画面全体の表示が行われる。
【0089】
このような表示動作DOにおいて、センサ部50の抵抗が過度に低いと、第2配線120から供給される電荷は、センサ部50を介して第1配線110に流れ(電流C50)、画素電極65に所望の電荷が供給されない。このため、所望の表示状態が得られない。このような現象を抑制するために、センサ部50の電気抵抗Rsは過度に低くないように設定される。
【0090】
すなわち、センサ部50の変化する電気抵抗Rsのうちの低抵抗値Rlは、第1トランジスタ61の一端(例えば第1ドレイン61D)と他端(例えば第1ソース61S)との間が導通状態(オン状態)のときの第1トランジスタ61の一端(例えば第1ドレイン61D)と他端(例えば第1ソース61S)との間の電気抵抗RTFTonよりも高く設定される。また、低抵抗値Rlは、第1トランジスタ61が導通状態のときの第1トランジスタ61の第1ゲート61Gと第1ソース61Sとの間の電気抵抗よりも高く設定される。これにより、所望の表示状態が得られる。
【0091】
図9は、第2の実施形態に係る表示装置の動作を例示する模式図である。
図9は、表示装置320における検出動作SOを例示している。
検出動作SOにおいては、複数の第1配線110のうちの1つがロウ状態LLに設定されており、このときに、センサ部50を介して第2配線120と第1配線110との間に流れる電流(電流C50)が検出される。これにより、センサ部50の電気抵抗Rsが検出される。複数の第1配線110を順次走査し、選択することで、入力面(画面)の全体における検出が行われる。
【0092】
このような検出動作SOにおいて、センサ部50の抵抗が過度に高いと、第2配線120を流れる電流は、第1トランジスタ61を介して画素電極65に流れ(電流C61)、画素電極65の電位に影響を与え、表示状態が変化し、また、電力損出に繋がる。そして、センサ部50に流れる電流が過度に少なくなると、センサ部50の抵抗の検出が困難になる。このような現象を抑制するために、センサ部50の電気抵抗Rsは過度に高くないように設定される。
【0093】
すなわち、センサ部50の変化する電気抵抗Rsのうちの高抵抗値Rhは、第1トランジスタ61の一端(例えば第1ドレイン61D)と他端(例えば第1ソース61S)との間が非導通状態のときの第1トランジスタ61の一端(例えば第1ドレイン61D)と他端(例えば第1ソース61S)と間の電気抵抗RTFToffよりも低く設定される。これにより、所望の表示状態が維持でき、また、所望の検出動作が実施できる。
【0094】
例えば、第1トランジスタ61の導通状態のときの電気抵抗RTFTonは、約1メガオーム(MΩ)である。従って、センサ部50の低抵抗値Rlは、1MΩよりも高いことが好ましい。また、電気抵抗RTFTonと低抵抗値Rlとの間に1桁以上の差があることがさらに好ましい。このため、センサ部50の低抵抗値Rlは、10MΩ以上であることがさらに好ましい。
【0095】
例えば、第1トランジスタ61の非導通状態のときの電気抵抗RTFToffは、約1テラオーム(TΩ)である。従って、センサ部50の高抵抗値Rhは、1TΩよりも低いことが好ましい。また、電気抵抗RTFToffと高抵抗値Rhとの間に1桁以上の差があることがさらに好ましい。このため、センサ部50の高抵抗値Rhは、100GΩ以下であることがさらに好ましい。
【0096】
例えば、センサ部50の中間層30に絶縁材料を用いたTMR素子構成を用いることで、電気抵抗Rsが上記のような範囲で変化する構成が容易に実現できる。中間層30としてMgO膜を用いると、高いMR変化率とこのような範囲の抵抗変化率と、を得ることができる。MgO膜の厚さは、1nm以上3nm以下が好ましい。
【0097】
図8及び図9に関して説明した動作は、制御部101により実施される。すなわち、制御部101は、検出動作SOにおいてセンサ部50における電気抵抗Rsの変化を検出することに加え、表示動作DOにおいて第1配線110に供給する電気信号により第1トランジスタの導通と非導通を制御しつつ第2配線120に供給する電気信号により画素電極に電荷を供給する。これにより、検出動作SOと表示動作DOとが効率的に実施できる。
【0098】
本実施形態においては、センサ部50は、スピンを用いた抵抗変化型の歪センサとして機能する。本実施形態に係るセンサ部50によれば、1000程度以上の歪感度αを容易に実現することができる。歪感度αは、α=(ΔR/Rmin)/εで表される。Rminは、センサにおける低い値の抵抗であり、ΔRは、外部歪が印加されたことによる抵抗の変化量である。εは歪であり、ε=ΔL/Lである。ここで、外部圧力が印加されていないときの長さをLとしたときに、外部圧力が印加されたことによる長さの変形量をΔLとする。つまり、εは、変形量の比である。歪感度αは、単位歪あたりの抵抗変化量比ということをあらわす。MEMSセンサなどで用いられているSiピエゾ抵抗型の場合には、歪感度αは、単結晶で130程度、多結晶では40以下である。これに対して、本実施形態においては、MR現象と逆磁歪現象と用いため、1000程度の値の歪感度αを得ることは比較的容易である。さらに、物性上限値はないので、本実施形態に係るセンサ部50において、10000以上の歪感度αが得られる可能性もある。
【0099】
例えば、Siを用いたピエゾ抵抗型センサにおいては、歪感度αは130程度である。これに対して、本実施形態に係るセンサ部50においては、非常に高い歪感度が得られる。そして、本実施形態に係るセンサ部50においては、数十nm幅の大きさで、センサとしての機能を十分な発揮することが可能である。つまり、第1トランジスタ61と比べるとはるかに小さいセンサ部50が実現できる。このため、表示装置320において、センサ部50を設けることによる光の利用率の低下は実質的に発生しない。
【0100】
一方、例えば、容量検出型のセンサを表示装置のセルのなかに組み込んだ、いわゆるインセル型のタッチパネルディスプレイがある。この場合には、センサ(キャパシタンス)及びそのため回路がセルの中に組み込まれるときに、画素サイズに対して無視できない程度の回路サイズになってしまう。つまり、光が透過する領域(光のスイッチング領域)が減少してしまい、光透過率を犠牲にしてしまう。このため、光の利用率が低下し、例えば、バックライトの消費電力が増大する。さらに別の問題点として、容量検出型の場合には、時定数の問題があるため、検出の反応速度は遅い。このため、所定の時間内に検出できるようにするとセンサの配置密度が低くなり、結果として解像度が十分に向上できない。逆に、例えば、全画素(青、緑、青のそれぞれ)にセンサを設けるような、高位置分解能のセンサを設けると、検出動作が遅く、実用的でない。そのため、配置できるセンサ数が限られ、高精細の全画素に配置するということができなくなる。
【0101】
これに対し、本実施形態に係るセンサ部50のサイズは、前述のように、一画素のサイズと比較すると非常に小さい。これにより、開口率が犠牲になることもなく、光の利用率の低下が発生せず、消費電力は低く保てる。また、容量型のような時定数の問題は抵抗変化型では発生しないため、センサ部50の応答時間は短く、多数のセンサ部50を設けても、検出に必要な時間は短い。これにより、高解像度のタッチ式入力が可能なタッチパネル及び表示装置が提供できる。すなわち、実施形態によれば、インセル型のタッチパネルを、ディスプレイとしての機能を損なうことなく実現できる。そして、輝度の低下がなく、消費電力の増大がなく、コストの大幅な上昇もない。光透過を妨げることなく、かつ画素数に制限なく、消費電力を増大させずに、歪センサをできるだけ多くの画素に設けることが可能になる。
【0102】
図10(a)及び図10(b)は、第2の実施形態に係る表示装置の動作を例示する模式図である。
図10(a)は、表示装置320における動作の例を示すタイムチャートである。図10(b)は、表示画面の駆動状態を例示する模式図である。
【0103】
図10(a)に表したように、1画面の駆動に対応するフレーム周期Tfにおいて、例えば、まず、1画面の表示動作DOを行い、その後、1画面(入力面)の検出動作SOを行う。すなわち、この例では、フレーム周期Tfの間に、1回の表示動作DOと、1回の検出動作SOと、が行われる。
【0104】
この場合、図10(b)に表したように、表示画面の上から下に向けて1画面の表示動作DOを行う。その後、表示画面(入力面)の上から下に向けて1画面(入力面)の検出動作SOを行う。このような動作は、例えば、「ライトワンス」の駆動法である。この方法では、全画素の表示を行なった後に、タッチパネルとしての検知を全画素分で行う。
【0105】
図11(a)及び図11(b)は、第2の実施形態に係る表示装置の別の動作を例示する模式図である。
図11(a)は、表示装置320における別の動作の例を示すタイムチャートである。図11(b)は、表示画面の駆動状態を例示する模式図である。
【0106】
図11(a)に表したように、1画面の駆動に対応するフレーム周期Tf内において、1ラインの表示動作DOを行い、その後、1ラインの検出動作SO動作を行い、それを繰り返す。すなわち、この動作方法では、ラインごとに、表示動作DOと検出動作SOとを行う。
【0107】
この場合、図11(b)に表したように、表示画面の1つのラインにおいて表示動作DOを行い、その後、1つのラインの検出動作SOを行う。このような動作を、画面(入力面)の上から下に向けて実施する。
【0108】
このように、本実施形態において、駆動方法は任意であり、また、種々の変形が可能である。
【0109】
本実施形態に係るセンサ部50において、検出に必要な時間が極めて短いため、表示動作への影響を実質的に与えないで、検出動作SOを実施することができる。
【0110】
図12は、第2の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式的平面図である。
図13(a)及び図13(b)は、第2の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
図13(a)は、図12のA1−A2線断面図である。図13(b)は、図12のB1−B2線断面図である。図12においては、図を見やすくするために、層間絶縁膜やパッシベーション膜などは省略されている。
【0111】
図12に表したように、第1配線110と第2配線120との交差部にセンサ部50と第1トランジスタ61とが設けられる。第1トランジスタ61の第1ゲート61Gが第1配線110に接続され、第1ドレイン61Dが画素電極65と接続され、第1ソース61Sが第2配線120に接続されている。
【0112】
図13(a)に表したように、センサ部50の第1強磁性層10は第1配線110に接続され、第2強磁性層20は第2配線120に接続される。
【0113】
図13(a)及び図13(b)に表したように、第1配線110、第2配線120、センサ部50、第1トランジスタ61及び画素電極65は、第1基板210の上に設けられている。第1トランジスタ61の第1ゲート61Gの上にゲート絶縁膜61Iが設けられ、その上に第1半導体層61Mが設けられている。第1半導体層61Mの一端の上に第1ドレイン61Dが設けられ、第1半導体層61Mの他端の上に第1ソース61Sが設けられている。
【0114】
第1基板210に対向して第2基板220(対向基板)が設けられている。第2基板220の主面には、例えばカラーフィルタ層(第1色層240a、第2色層240b及び第3色層240cなど)が設けられている。カラーフィルタ層は、例えば、第1波長帯(例えば青)の光を透過する第1色層240aと、X−Y平面内において第1色層240aと並置され第1波長帯とは異なる第2波長帯(例えば緑)の光を透過する第2色層240bと、X−Y平面内において第1色層240a及び第2色層240bと並置され第1波長帯とは異なり第2波長帯と異なる第3波長帯(例えば赤)の光を透過する第3色層240cと、を含む。カラーフィルタ層の表面に対向電極66が設けられている。
【0115】
第1基板210と第2基板220との間に液晶層71が配置される。なお、画素電極65の液晶層71の側の面、及び、対向電極66の液晶層71の側の面には、例えば、図示しない配向膜が設けられる。また、2枚の偏光層(図示しない)が設けられ、これらの偏光層の間に第1基板210及び第2基板が配置される。さらに、例えば、第1基板210に対向して、バックライト(図示しない)が設けられる。バックライトは必要に応じて設けられ、省略しても良い。
【0116】
第1トランジスタ61のサイズ(X−Y平面内における占有面積)は、例えば、5μm×5μm程度である。センサ部50のサイズは、第1トランジスタ61のサイズよりも小さくすることできる。センサ部50を設けることによる、開口率の減少は実質的に生じない。
【0117】
例えば、X軸方向(第1強磁性層10から第2強磁性層20に向かう積層方向に対して垂直な第1軸)に沿ったセンサ部50の長さ5μm以下である。Y軸方向(積層方向に対して垂直で第1軸に対して垂直な第2軸)に沿ったセンサ部50の長さは5μm以下である。X−Y平面(第1方向と第2方向とを含む平面)内における複数のセンサ部50それぞれの面積は、X−Y平面内における複数の画素電極65のそれぞれの面積の5%以下である。
【0118】
表示装置320において、例えば、第2基板220の上面(偏光層の上面など)に、使用者の指が接触する。その接触による応力が、液晶層71を介してセンサ部50に伝わる。これによりセンサ部50に応力が加わり、センサ部50の電気抵抗Rsが変化し、その変化を制御部101で検出する。
【0119】
なお、この例では、対向電極66は第2基板220に設けられているが、実施形態はこれに限らない。対向電極66は、第1基板210に設けられても良い。この場合には、液晶層71には、X−Y平面に対して平行な成分を有する電界が印加され、液晶層71の光学特性が変化する。
【0120】
図14は、第2の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。 図14は、本実施形態に係る別の表示装置321の構成を例示している。この図は、図12のA1−A2線断面に相当する断面図である。
【0121】
図14に表したように、表示装置321においては、第2基板220に突起部80が設けられている。この例では、突起部80は対向電極66の上に形成されている。突起部80は、Z軸方向(第1方向と第2方向とを含む平面に対して垂直な方向)から見たときに、センサ部50と重なる部分を有する。突起部80は、例えば、第2基板220に加わる応力をセンサ部50に伝達する。
【0122】
図15は、第2の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。 図15は、本実施形態に係る別の表示装置322の構成を例示している。この図は、図12のA1−A2線断面に相当する断面図である。
【0123】
図15に表したように、表示装置321においては、第1基板210に突起部80が設けられている。この例では、突起部80はセンサ部50の上に形成されている。このときも、突起部80は、Z軸方向から見たときに、センサ部50と重なる部分を有する。突起部80は、例えば、第2基板220に加わる応力をセンサ部50に伝達する。
【0124】
このように、表示装置321及び322は、第1基板210と、第2基板220と、突起部80と、をさらに含む。第2基板220は、第1基板210に対向する。複数の突起部80は、第1基板210の第2基板220に対向する面、及び、第2基板220の第1基板210に対向する面の少なくともいずれかに設けられる。
【0125】
タッチパネル(第1配線110、第2配線120及びセンサ部50)と、複数の第1トランジスタ61と、複数の画素電極65と、は、第1基板210の第2基板220に対向する上記の面上に設けられる。
【0126】
光学層70(例えば液晶層71)は、第1基板210と第2基板220との間に配置される。
【0127】
ここで、第1基板210と、第1基板210の上に設けられる上記の構成要素(例えば、第1配線110、第2配線120、センサ部50、複数の第1トランジスタ61及び複数の画素電極65など)と、は、第1基板部210aに含まれるものとする。第2基板220と、第2基板220の上に設けられる上記の構成要素(例えば、対向電極66など)と、は、第2基板部220aに含まれるものとする。
【0128】
複数の突起部80のそれぞれは、Z軸方向から見たときに、センサ部50と重なる部分を有する。突起部80は、第1基板210及び第2基板220へ加わる応力をセンサ部50に伝達する。
【0129】
これにより、タッチ式の入力による応力がセンサ部50に効率的に伝達され、検出精度がより向上する。
【0130】
突起部80には、例えば、樹脂材料を用いることができる。突起部80には、感光性または非感光性の樹脂が用いられる。具体的には、アクリル樹脂やポリイミド樹脂などが用いられる。突起部80の形成には、例えばフォトリソグラフィが用いられる。
【0131】
例えば、表示装置321及び322においては、突起部80は、第1基板部210aと、第2基板部220aと、に接触している。突起部80は、センサ部50に応力を伝達する機能に加え、例えば、第1基板210(第1基板部210a)と第2基板220(第2基板部220a)との間の間隔を規定するスペーサとしての機能を果たしている。
【0132】
図16(a)及び図16(b)は、第2の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
図16(a)は、図12のA1−A2線断面に相当する断面図である。図16(b)は、図12のB1−B2線断面に相当する断面図である。
【0133】
図16(a)に表したように、本実施形態に係る別の表示装置323においては、第2基板部220aに突起部80が設けられている。この突起部80は、第1基板部210aに設けられたセンサ部50には接触していない。
【0134】
図16(b)に表したように、第2基板部220aには、スペーサ80sが設けられている。スペーサ80sは、第1基板部210aに接触している。スペーサ80sは、第1基板210(第1基板部210a)と第2基板220(第2基板部220a)との間の間隔を規定する。
【0135】
このように、この例では、スペーサとして機能するスペーサ80sが、突起部80とは別に設けられる。突起部80は、例えば応力が加えられていないときにはセンサ部50と接触しておらす、一定以上の応力が加えられたときに、突起部80がセンサ部50と接触する。これにより、加えられる応力を効率良くセンサ部50に伝達でき、より精度の高い検出がより安定して可能になる。
【0136】
なお、突起部80のそれぞれは、センサ部50のそれぞれに対応して設けられている。すなわち、突起部80のそれぞれは、第1配線110と第2配線120との交差部のそれぞれ(すなわち、検出要素50eのそれぞれ)に設けられる。これに対し、スペーサ80sは、交差部のそれぞれに必ずしも設けられなくても良い。スペーサ80sは、例えば、複数の画素電極65に対して1つ設けても良く、スペーサ80sの個数の密度は任意である。
【0137】
図17(a)及び図17(b)は、第2の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
図17(a)は、図12のA1−A2線断面に相当する断面図である。図17(b)は、図12のB1−B2線断面に相当する断面図である。
【0138】
図17(a)に表したように、本実施形態に係る別の表示装置324においても、第2基板部220aに突起部80が設けられている。この突起部80は、第1基板部210aに設けられたセンサ部50には接触していない。
【0139】
図17(b)に表したように、第2基板部220aには、スペーサ80sが設けられている。スペーサ80sが設けられている箇所において、第1色層240aとなる層と、第2色層240bとなる層と、第3色層240cとなる層と、が積層されている。このため、この部分のカラーフィルタ層の厚さが厚い。この上に、スペーサ80sが設けられている。この構成により、突起部80と同じ材料を用い同じ工程でスペーサ80sを形成し、スペーサ80sの高さが突起部80の高さと同じ場合でも、第2基板220を基準にしたときのスペーサ80sの高さは、突起部80の高さよりも高くなる。
【0140】
このような構成により、スペーサ80sを突起部80と一括して形成したときにおいても、スペーサ80sは第1基板部210aと第2基板部220aとの間隔を規定するスペーサとして機能し、突起部80の高さは任意に設定できる。例えば、応力が加えられていないときに、突起部80はセンサ部50と接しておらず、一定以上の応力が加えられたときに突起部80はセンサ部50と接する。
これにより、簡単な構成により、より精度の高い検出がより安定して可能になる。
【0141】
なお、上記の表示装置323及び324では、突起部80(及びスペーサ80s)は第2基板部220aに設けられているが、実施形態はこれに限らない。突起部80(及びスペーサ80s)は、第1基板部210aに設けても良い。
【0142】
上記の例ではカラーフィルタ(第1〜第3色層240a〜240c)は、第2基板部220aに設けられているが、実施形態はこれに限らない。カラーフィルタは、第1基板部210aに設けても良い。
【0143】
また、カラーフィルタが第2基板部220aに設けられ、第1〜第3色層240a〜240cが重なる部分が設けられる場合において、突起部80(及びスペーサ80s)は、第1基板部210aに設けても良い。カラーフィルタが第1基板部210aに設けられ、第1〜第3色層240a〜240cが重なる部分が設けられる場合において、突起部80(及びスペーサ80s)は、第2基板部220aに設けても良い。
【0144】
さらに、突起部80として、第1〜第3色層240a〜240cを積層して形成した構造体を用いても良い。これにより、工程が省略できる。
このように、突起部80(及びスペーサ80s)の構成は任意であり、種々の変形が可能である。
【0145】
図18は、第2の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式図である。
すなわち、図18は、本実施形態に係る別の表示装置325の構成を例示している。この例では、光学層70として、例えば有機発光層72が用いられる。すなわち、表示装置325は、タッチパネル機能を有する有機EL表示装置である。
【0146】
表示装置325は、第1の実施形態に関して説明したタッチパネル310と、複数の第1トランジスタ61と、複数の画素電極65と、光学層70と、に加え、複数の第3配線130と、複数の第2トランジスタ62と、をさらに含む。
【0147】
複数の第3配線130は、例えば第3方向に沿って並ぶ。複数の第3配線130のそれぞれは、例えば第4方向に沿って延びる。例えば、第3配線130は、第1配線110と平行に配置される。複数の第3配線130のそれぞれは、複数の第1配線110どうしの間に配置される。この例では、複数の第3配線130は、Y軸方向に沿って並ぶ。複数の第3配線130のそれぞれは、X軸に沿って延びる。但し、実施形態はこれに限らず、複数の第3配線130がX軸方向に沿って並び、複数の第3配線130のそれぞれがY軸方向に沿って延びても良い。以下では、複数の第3配線130がY軸方向に沿って並び、複数の第3配線130のそれぞれがX軸に沿って延びる場合として説明する。
【0148】
複数の第2トランジスタ62のそれぞれのゲート(第2ゲート62G)は、第1トランジスタ61のそれぞれの一端(例えば、第1ドレイン61D)と接続される。複数の第2トランジスタ62のそれぞれの一端(例えば第2ドレイン62D)は、複数の画素電極65のそれぞれと接続される。複数の第2トランジスタ62のそれぞれの他端(例えば、第2ソース62S)は、複数の第3配線130のそれぞれと接続される。そして、光学層70は、有機発光材料を含む。
【0149】
このような構成を有する表示装置325においても、高解像度のタッチ式入力が可能なタッチパネル及び表示装置が提供できる。
【0150】
なお、本具体例では、それぞれの表示画素70eに、キャパシタンス73が設けられる。キャパシタンス73の一端は、第1ドレイン61Dに接続される。キャパシタンス73の他端は、対向電極66に電気的に接続される。
【0151】
図19は、第2の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的平面図である。 図20は、第2の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
図19は、表示装置325の3つの表示画素70eを例示している。図20は、図19のA1−A2線断面を例示している。
【0152】
図19に表したように、例えば、第1画素70f(例えば赤色の画素)、第2画素70g(例えば緑色の画素)、及び、第3画素70h(例えば青色の画素)が、設けられる。第1画素70f、第2画素70g及び第3画素70hは、それぞれ異なる波長の光を放出する。
【0153】
図20に表したように、基体54aが設けられる。基体54aには、例えばガラス基板が用いられる。基体54aの主面上に第1絶縁層55aが設けられる。第1絶縁層55aの上に第1半導体層61Mと第2半導体層62Mが設けられる。第1半導体層61Mは、第1トランジスタ61の一部となる。第2半導体層62Mは、第2トランジスタ62の一部となる。
【0154】
第1半導体層61Mの上、第2半導体層62Mの上、及び、第1絶縁層55aの上に第2絶縁層55bが設けられる。第1半導体層61Mの上の第2絶縁層55bの上に、第1ゲート61Gが設けられる。第2半導体層62Mの上の第2絶縁層55bの上に、第2ゲート62Gが設けられる。第1ゲート61Gの上にセンサ部50が設けられる。第1ゲート61Gは、センサ部50の下面(一端)と電気的に接続される。
【0155】
第1半導体層61Mの一部の上に第1ソース61Sが設けられる。第1ソース61Sは、センサ部50の上面(他端)と電気的に接続される。第1半導体層61Mの別の一部の上に第1ドレイン61Dが設けられる。これにより、第1トランジスタ61が形成される。第2半導体層62Mの一部の上に第2ソース62Sが設けられる。第2半導体層62Mの別の一部の上に第2ドレイン62Dが設けられる。これにより、第2トランジスタ62が形成される。第1トランジスタ61及び第2トランジスタ62は、第3絶縁層55c、及び、第3絶縁層55cの上に形成された第4絶縁層55dにより覆われる。
【0156】
第4絶縁層55dの上に画素電極65が設けられる。第2ドレイン65dは、画素電極65と電気的に接続される。
【0157】
画素電極65の周囲の上に、隔壁65aが設けられる。隔壁65aは、画素電極65の一部を露出させている。画素電極65の上に導電層65bが設けられる。導電層65bの上に有機発光層72(光学層70)が設けられる。有機発光層72の上に対向電極66が設けられる。対向電極66の上に、樹脂層67が設けられる。樹脂層67の上にカバー層54bが設けられる。カバー層54bには、ガラスなどが用いられる。カバー層54bは、例えば、有機樹脂層72を封止する。
【0158】
(第3の実施形態)
図21は、第3の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式図である。
図21に表したように、本実施形態に係る表示装置330は、第1の実施形態に関して説明したタッチパネル310と、複数の第1トランジスタ61と、複数の画素電極65と、光学層70と、に加え、複数の表示用走査配線111をさらに含む。
【0159】
複数の表示用走査配線111は、第1方向に沿って並ぶ。複数の表示用走査配線111のそれぞれは第2方向に沿って延びる。すなわち、表示用走査配線111は、第1配線110と平行に設けられる。
【0160】
複数の第1トランジスタ61のそれぞれのゲート(第1ゲート61G)は、複数の表示用走査配線111のそれぞれに接続される。複数の第1トランジスタ61のそれぞれの他端(例えば第1ソース61S)は、複数の第2配線120のそれぞれに接続される。
【0161】
この例では、センサ部50の電気抵抗Rsを検出するための第2配線120が、表示動作DOの際にも用いられる。一方、表示用走査配線111は、第1配線110とは別に設けられる。
【0162】
図22は、第3の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式図である。
図22に表したように、本実施形態に係る別の表示装置331は、第1の実施形態に関して説明したタッチパネル310と、複数の第1トランジスタ61と、複数の画素電極65と、光学層70と、に加え、複数の表示用信号配線121をさらに含む。
【0163】
複数の表示用信号配線121は、第3方向に沿って並ぶ。複数の表示用信号配線121のそれぞれは第4方向に沿って延びる。すなわち、表示用信号配線121は、第2配線120と並行に設けられる。
【0164】
複数の第1トランジスタ61のそれぞれのゲート(第1ゲート61G)は、複数の第1配線110のそれぞれに接続される。複数の第1トランジスタ61のそれぞれの他端(例えば第1ソース61S)は、複数の表示用信号配線121のそれぞれに接続される。
【0165】
この例では、センサ部50の電気抵抗Rsを検出するための第1配線110が、表示動作DOの際にも用いられる。一方、表示用信号配線121は、第2配線120とは別に設けられる。
【0166】
図23は、第3の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式図である。
図23に表したように、本実施形態に係る別の表示装置332は、第1の実施形態に関して説明したタッチパネル310と、複数の第1トランジスタ61と、複数の画素電極65と、光学層70と、に加え、複数の表示用走査配線111と、複数の表示用信号配線121と、をさらに含む。
【0167】
複数の表示用走査配線111は、第1方向に沿って並ぶ。複数の表示用走査配線111のそれぞれは第2方向に沿って延びる。複数の表示用信号配線121は、第3方向に沿って並ぶ。複数の表示用信号配線121のそれぞれ第4方向に沿って延びる。
【0168】
複数の第1トランジスタ61のそれぞれのゲート(第1ゲート61G)は、複数の表示用走査配線111のそれぞれに接続される。複数の第1トランジスタ61のそれぞれの他端(例えば第1ソース61S)は、複数の表示用信号配線121のそれぞれに接続される。
【0169】
この例では、センサ部50の電気抵抗Rsを検出するための第1配線110及び第2配線120とは別に、表示用走査配線111及び表示用信号配線121が設けられる。
【0170】
表示装置330〜332においては、検出動作SOの電流経路は、表示動作DOの電流路とは異なる。このため、センサ部50における抵抗の望ましい範囲に関する条件が解除される。すなわち、センサ部50の低抵抗値Rl及び高抵抗値Rhは、第1トランジスタ61の電気抵抗RTFTon、及び、電気抵抗RTFToffと、独立して設定できる。すなわち、センサ部50の設計の自由度が広い。
【0171】
第1〜第3の実施形態に係るタッチセンサ及び表示装置においては、位置分解能が高いタッチ式の入力が可能になる。このため、従来のようなラフなタッチパネルの使用法とは異なり、従来では実現できなかった使用法が可能となる。
【0172】
例えば、ディスプレイ上で指紋認証が可能になる。指紋の凹凸に相当した検出位置分解能を有することで、指または手をディスプレイ上に直接押し当てることで、個人認証が可能となる。例えば、全画素に歪センサ(センサ部50)を設けることで、指の指紋の位置分解を行う。例えば、各画素から検知した歪情報を画像化することによって、指紋の個人認証を行うことも可能となる。これにより、特別な指照合用のセンサを用いる必要はなくなる。
【0173】
また、位置分解能が高くなることで、毛筆のような微妙な手書き文字の検知も可能となる。現在のペン入力の携帯端末では、デジタルな文字であるのに対し、一画素ごとに表示、非表示が可能となるため、このような手書き文字の感触まで含めて入力することが可能となる。
【0174】
また、ページめくりの仕方に強弱をつけることも可能となる。現在は、ページをめくる動作をするかしないかという、デジタルな検知となっている。しかしながら、実施形態によれば、ページをめくるときの指の押す面積の大小によって、ページを10ページ単位でめくったり、1ページごとにめくったりという、アナログ的なページめくりが可能となる。例えば、1ページごとにめくるときは、最初に指で押されている領域が小さく、その押された領域が動く。一方、最初に押されている領域が大きく、その押された領域が動くときには複数ページをめくる動作として認識させることが可能である。これにより、より実際の紙の本をめくるような感覚に近づけることが可能となる。これは、実施形態に係るタッチパネルでは、押された面積を正確に把握することが可能であり、これにより、このような詳細な制御を行うことが可能となる。押された領域の面積の大きさによって、めくるページの大小を変えることが可能となる。
【0175】
また、現在のディスプレイは十分に高精細なため、手書きの文字の細かい形状を表示することは容易である。しかしながら、入力に関しては、入力センシングの位置分解能が極めて粗いため、手書き毛筆のような感覚を電子端末上に入力することは困難である。しかしながら、実施形態によれば、歪センサ(センサ部50)を例えば全画素に細かく配置することが可能なので、高精細の位置分解能が得られる。これにより、毛筆のような書式も電子入力が可能になる。
【0176】
実施形態によれば、高解像度のタッチ式入力が可能なタッチパネル及び表示装置が提供される。
【0177】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明の実施形態は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、タッチパネルに含まれる第1配線、第2配線、センサ部、第1強磁性層、第2強磁性層、中間層及び制御部、並びに、表示装置に含まれる第1トランジスタ、第2トランジスタ、画素電極、光学層、液晶層及び第3配線などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0178】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0179】
その他、本発明の実施の形態として上述したタッチパネル及び表示装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全てのタッチパネル及び表示装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0180】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0181】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0182】
10…第1強磁性層、 20…第2強磁性層、 30…中間層、 41…下地層、 42…反強磁性層、 43…保護層、 44…磁化固定層、 45…反平行結合層、 50…センサ部、 50a…一端、 50b…他端、 50e…検出要素、 51…第1電極、 52…第2電極、 53…絶縁層、 54a…基体、 54b…カバー層、 55a〜55d…第1〜第4絶縁層、 61…第1トランジスタ、 61D…第1ドレイン、 61G…第1ゲート、 61I…ゲート絶縁膜、 61M…第1半導体層、 62…第2トランジスタ、 62D…第2ドレイン、 62G…第2ゲート、 62S…第2ソース、 65…画素電極、 65a…隔壁、 65b…導電層、 66…対向電極、 67…樹脂層、 70…光学層、 70e…表示画素、 70f〜70h…第1〜第3画素、 71…液晶層、 72…有機発光層、 73…キャパシタンス、 80…突起部、 80s…スペーサ、 101…制御部、 105…制御回路、 110…第1配線、 110d…第1配線用回路、 111…表示用走査配線、 120…第2配線、 120d…第2配線用回路、 121…表示用信号配線、 130…第3配線、 210…第1基板、 210a…第1基板部、 220…第2基板、 220a…第2基板部、 240a〜240c…第1〜第3色層、 310…タッチパネル、 320、321〜325、330、321、332…表示装置、 C50、C61…電流、 DO…表示動作、 HL…ハイ状態、 LL…ロウ状態、 SO…検出動作、 Tf…フレーム周期
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、タッチパネル及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、人がタッチすることで入力するタッチパネルが実用化されている。例えば、液晶表示装置などにタッチ入力機能を設けることで、便利な入力・表示装置が実現できる。
【0003】
例えば、入力面をタッチしたときの電気容量の変化を検出する方式のタッチパネルがある。この方式では、時定数の問題により反応速度が遅い。このため、所定の時間内に検出できるようにするとセンサの配置密度が低くなり、結果として解像度が十分に向上できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−15505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、高解像度のタッチ式入力が可能なタッチパネル及び表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態によれば、複数の第1配線と、複数の第2配線と、複数のセンサ部と、制御部と、を含むタッチパネルが提供される。前記複数の第1配線は、第1方向に沿って並ぶ。前記複数の第1配線のそれぞれは、前記第1方向と交差する第2方向に沿って延びる。複数の第2配線は、前記第1方向と交差する第3方向に沿って並ぶ。前記複数の第2配線のそれぞれは、前記第3方向と交差する第4方向に沿って延びる。前記複数のセンサ部のそれぞれは、前記複数の第1配線と前記複数の第2配線とのそれぞれの交差部に設けられる。前記複数のセンサ部のそれぞれは、第1強磁性層と、第2強磁性層と、非磁性材料を含む中間層と、を含む。前記中間層を介して前記第1強磁性層と前記第2強磁性層との間に電流が通電可能である。前記複数のセンサ部のそれぞれの一端は、前記複数の第1配線のそれぞれと接続される。前記複数のセンサ部のそれぞれの他端は、前記複数の第2配線のそれぞれと接続される。前記制御部は、前記複数の第1配線と前記複数の第2配線とに接続される。前記センサ部の前記第1強磁性層と前記第2強磁性層との間の電気抵抗は、前記センサ部に加わる応力に応じて高抵抗値と前記高抵抗値よりも低い低抵抗値との間で変化する。前記制御部は、前記センサ部における前記電気抵抗の変化を検出する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施形態に係るタッチパネルを示す模式図である。
【図2】図2(a)〜図2(c)は、第1の実施形態に係るタッチパネルの一部を示す模式的断面図である。
【図3】図3(a)〜図3(c)は、第1の実施形態に係るタッチパネルの動作を示す模式的斜視部である。
【図4】第1の実施形態に係るタッチパネルの一部を示す等価回路図である。
【図5】図5(a)〜図5(d)は、第1の実施形態に係るタッチパネルの一部を示す模式的斜視図である。
【図6】図6(a)及び図6(b)は、第1の実施形態に係るタッチパネルを示す模式図である。
【図7】第2の実施形態に係る表示装置を示す模式図である。
【図8】第2の実施形態に係る表示装置の動作を示す模式図である。
【図9】第2の実施形態に係る表示装置の動作を示す模式図である。
【図10】図10(a)及び図10(b)は、第2の実施形態に係る表示装置の動作を示す模式図である。
【図11】図11(a)及び図11(b)は、第2の実施形態に係る表示装置の別の動作を示す模式図である。
【図12】第2の実施形態に係る表示装置を示す模式的平面図である。
【図13】図13(a)及び図13(b)は、第2の実施形態に係る表示装置を示す模式的断面図である。
【図14】第2の実施形態に係る別の表示装置を示す模式的断面図である。
【図15】第2の実施形態に係る別の表示装置を示す模式的断面図である。
【図16】図16(a)及び図16(b)は、第2の実施形態に係る別の表示装置のを示す模式的断面図である。
【図17】図17(a)及び図17(b)は、第2の実施形態に係る別の表示装置のを示す模式的断面図である。
【図18】第2の実施形態に係る別の表示装置を示す模式図である。
【図19】第2の実施形態に係る別の表示装置を示す模式的平面図である。
【図20】第2の実施形態に係る別の表示装置を示す模式的断面図である。
【図21】第3の実施形態に係る表示装置を示す模式図である。
【図22】第3の実施形態に係る別の表示装置を示す模式図である。
【図23】第3の実施形態に係る別の表示装置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るタッチパネルの構成を例示する模式図である。
図1に表したように、本実施形態に係るタッチパネル310は、複数の第1配線110と、複数の第2配線120と、複数のセンサ部50と、制御部101と、を含む。
【0010】
複数の第1配線110は、第1方向に沿って並ぶ。複数の第1配線110のそれぞれは、第1方向と交差する第2方向に沿って延びる。
【0011】
複数の第2配線120は、第1方向と交差する第3方向に沿って並ぶ。複数の第2配線120のそれぞれは、第3方向と交差する第4方向に沿って延びる。
【0012】
ここで、説明の便宜上、第1方向と第2方向とを含む平面をX−Y平面とする。X−Y平面に対して垂直な方向をZ軸方向とする。
【0013】
例えば、第1方向は、Y軸方向である。第2方向は、X軸方向である。第3方向は、X軸方向である。第4方向は、Y軸方向である。
【0014】
図1に示した例では、複数の第1配線110は、Y軸方向に沿って並ぶ。複数の第1配線110のそれぞれは、X軸方向に沿って延びる。複数の第2配線120は、X軸方向に沿って並ぶ。複数の第2配線120のそれぞれは、Y軸方向に沿って延びる。
【0015】
複数のセンサ部50のそれぞれは、複数の第1配線110と複数の第2配線120とのそれぞれの交差部に設けられる。センサ部50の1つは、検出のための検出要素50eの1つとなる。ここで、交差部は、第1配線110と第2配線120とが交差する位置の周辺の領域を含む。
【0016】
複数のセンサ部50のそれぞれの一端50aは、複数の第1配線110のそれぞれと接続される。複数のセンサ部50のそれぞれの他端50bは、複数の第2配線120のそれぞれと接続される。
【0017】
制御部101は、複数の第1配線110と複数の第2配線120とに接続される。
例えば、制御部101は、複数の第1配線110に接続された第1配線用回路110dと、複数の第2配線120に接続された第2配線用回路120dと、第1配線用回路110dと第2配線用回路120dとに接続された制御回路105と、を含む。
【0018】
図2(a)〜図2(c)は、第1の実施形態に係るタッチパネルの一部の構成を例示する模式的断面図である。
図2(a)に表したように、複数のセンサ部50のそれぞれは、第1強磁性層10と、第2強磁性層20と、中間層30と、を含む。中間層30は、非磁性材料を含む。中間層30を介して、第1強磁性層10と第2強磁性層20との間に電流が通電可能である。
【0019】
この例では、中間層30は、第1強磁性層10と第2強磁性層20との間に設けられる。センサ部50の一端50aは、例えば、センサ部50の第1強磁性層10の側の端である。センサ部50の他端50bは、例えば、センサ部50の第2強磁性層20の側の端である。
【0020】
センサ部50の第1強磁性層10と第2強磁性層20との間に電流が通電可能である。
【0021】
例えば、図2(b)に表したように、センサ部50は、第1電極51と第2電極52をさらに含んでも良い。第1電極51と第2電極52との間に第1強磁性層10が配置される。第1強磁性層10と第2電極52との間に中間層30が配置される。中間層30と第2電極52との間に第2強磁性層20が配置される。
【0022】
図2(a)及び図2(b)に示した例では、第1強磁性層10と第2強磁性層20とは、Z軸方向に沿って積層されている。ただし、実施形態はこれに限らない。
【0023】
例えば、図2(c)に表したように、第1強磁性層10が中間層30と積層され、第2強磁性層20が中間層30と積層され、第2強磁性層10は、第1強磁性層10と並置されても良い。このときも、中間層30を介して、第1強磁性層10と第2強磁性層20との間に電流が通電可能である。このように、センサ部50の構成は、種々の変形が可能である。以下では、第1強磁性層10、中間層30及び第2強磁性層20が積層される場合について説明する。
【0024】
本願明細書において、積層されている状態は、直接重ねられる状態に加え、間に別の要素が挿入された状態で重ねられる状態を含む。また、上に設けられている状態は、接して上に配置される状態に加え、間に別の要素が挿入されて上に配置される状態を含む。
【0025】
センサ部50の第1強磁性層10と第2強磁性層20との間の電気抵抗Rsは、センサ部50に加わる応力に応じて高抵抗値Rhと低抵抗値Rlとの間で変化する。低抵抗値Rlは、高抵抗値Rhよりも低い。
【0026】
制御部101は、センサ部50における電気抵抗Rsの変化を検出する。これにより、制御部101は、センサ部50に加わった応力を検出する。これにより、タッチパネル310への接触が検出される。そして、X−Y平面内に複数のセンサ部50が配置されていることから、X−Y平面内での接触の位置、及び、接触の位置の時間変化が検出される。この場合、各センサ素子で、応力が印加されたか否かという0か1かのデジタル判断をする場合もあれば、抵抗に応じて応力の値がわかるので応力値の強弱まで含めてアナログ値判断するという場合もある。
【0027】
タッチパネル310においては、センサ部50における、例えばMR効果に基づく電気抵抗Rsの変化が利用される。センサ部50のサイズが小さくでき、また、応答時間も短い。これにより、タッチパネル310によれば、高解像度のタッチ式入力が可能なタッチパネルを提供できる。
【0028】
説明を簡単にするために、第1強磁性層10、中間層30及び第2強磁性層20を、適宜、センサ部積層体と言うことにする。
【0029】
センサ部50において、例えば、第1強磁性層10及び第2強磁性層20のいずれか一方は、磁化自由層である。第1強磁性層10及び第2強磁性層20のいずれか他方は、例えば、磁化固定層である。ただし、後述するように、第1強磁性層10及び第2強磁性層20の両方が磁化自由層でも良い。
【0030】
以下では、センサ部50の動作の例について、第1強磁性層10が磁化固定層であり、第2強磁性層20が磁化自由層である場合について説明する。センサ部50においては、強磁性体が有する「逆磁歪効果」と、センサ部積層体で発現する「MR効果」と、が利用される。
【0031】
「MR効果」においては、センサ部積層体にバイアス電流を流す。この状態で、センサ部積層体に外部磁界が印加されるとセンサの磁化の向きが変化し、センサ内の第1強磁性層10と第2強磁性層20との相対的磁化角度の変化を電気抵抗変化として読み取ることで、センサ部積層体は磁界センサとして機能する。このようなMR効果は、HDDヘッドで使用される。
【0032】
本実施形態に係るタッチパネル310においては、MR効果に加えて逆磁歪効果を用いる。逆磁歪効果とは、外部歪が印加されたときに、磁性体の磁化方向が変化する現象である。例えば、センサ部50に加わる応力に基づいて、センサ部積層体に引っ張り応力が加わる。第2強磁性層20(磁化自由層)の磁化の向きと、第2強磁性層20に加わる引っ張り応力の方向と、が異なるときに、センサ部積層対の磁化方向が逆磁歪効果により変化し、その磁化変化に応じてMR効果が発現する。MR効果によって変化する電気抵抗の変化量は、「MR変化量」である。MR変化量を電気抵抗値で除した値を「MR変化率」という。
【0033】
図3(a)〜図3(c)は、第1の実施形態に係るタッチパネルの動作を例示する模式的斜視部である。
これらの図は、センサ部50の状態を例示している。これらの図は、センサ部積層体における磁化の方向と、引っ張り応力の方向と、の関係を例示している。
【0034】
図3(a)は、引っ張り応力が印加されていない状態を示す。このとき、この例では、第1強磁性層10(磁化固定層)の磁化の向きは、第2強磁性層20(磁化自由層)の磁化の向きと、同じである。
【0035】
図3(b)は、引っ張り応力が印加された状態を示している。この例では、X軸方向に沿って引っ張り応力が印加されている。例えば、センサ部積層体にZ軸方向に沿って応力が印加され、これに基づいて例えばX軸方向に沿った引っ張り応力が印加される。すなわち、引っ張り応力は、第1強磁性層10(磁化固定層)及び第2強磁性層20(磁化自由層)の磁化の向き(この例では、Y軸方向)に対して直交方向に印加される。このとき、引っ張り応力の方向と同じ方向になるように、第2強磁性層20(磁化自由層)の磁化が回転する。これを「逆磁歪効果」という。このとき、第1強磁性層10(磁化固定層)の磁化は固定されている。よって、第2強磁性層20(磁化自由層)の磁化が回転することで、第1強磁性層10(磁化固定層)の磁化の向きと、第2強磁性層20(磁化自由層)の磁化の向きと、の相対角度が変化する。
【0036】
この図には、第1強磁性層10(磁化固定層)の磁化の方向が一例として図示されており、磁化の方向は、この図に示した方向でなくても良い。
【0037】
逆磁歪効果においては、強磁性体の磁歪定数の符号によって磁化の容易軸が変化する。大きな逆磁歪効果を示す多くの材料は、磁歪定数が正の符号を持つ。磁歪定数が正の符号である場合には、上述のように引っ張り応力が加わる方向が磁化容易軸となる。このときには、上記のように、第2強磁性層20(磁化自由層)の磁化は、磁化容易軸の方向に回転する。
【0038】
例えば、第2強磁性層20(磁化自由層)の磁歪定数が正である場合には、第2強磁性層20(磁化自由層)の磁化の方向は、引っ張り応力が加わる方向とは異なる方向に設定する。
【0039】
一方、磁歪定数が負である場合には、引っ張り応力が加わる方向に垂直な方向が磁化容易軸となる。
図3(c)は、磁歪定数が負である場合の状態を例示している。この場合には、第2強磁性層20(磁化自由層)の磁化の方向は、引っ張り応力が加わる方向(この例ではX軸方向)に対して垂直な方向とは異なる方向に設定する。
この図には、第1強磁性層10(磁化固定層)の磁化の方向が一例として図示されており、磁化の方向は、この図に示した方向でなくても良い。
【0040】
第1強磁性層10の磁化と第2強磁性層20の磁化との間の角度に応じて、センサ部積層体の電気抵抗が、例えば、MR効果によって変化する。
【0041】
磁歪定数(λs)は、外部磁界を印加して強磁性層をある方向に飽和磁化させたときの形状変化の大きさを示す。外部磁界がない状態で長さLであるときに、外部磁界が印加されたときにΔLだけ変化したとすると、磁歪定数λsは、ΔL/Lで表される。この変化量は磁界の大きさによって変わるが、磁歪定数λsは十分な磁界が印加され、磁化が飽和された状態のΔL/Lとしてあらわす。
【0042】
図4は、第1の実施形態に係るタッチパネルの一部を例示する等価回路図である。
図4に表したように、センサ部50は可変抵抗として機能する。すなわち、センサ部50に一端50aと他端50bとの間の電気抵抗Rsは、高抵抗値Rhと低抵抗値Rlとの間で変化する。センサ部50に加わる応力に応じて、電気抵抗Rsが変化する。
【0043】
制御部101は、例えば、第1配線110を順次選択し、そのときのセンサ部50の電気抵抗Rsを、第2配線120を介して検出する。これにより、タッチ式の入力を高解像度で読み取ることができる。
【0044】
このように、ある位置にあるセンサで、応力が印加されたか否かだけをデジタルに判断する場合もあれば、各センサにおいて応力の大きさに応じて抵抗の値が連続的に変化するので、応力の大きさをアナログに判断する場合もある。回路的に簡単なのは応力の有無だけを判断するデジタルな使い方だが、用途に応じて、各センサで応力の大きさまでアナログに判断する回路まで付加することもありうる。
【0045】
なお、センサ部50は、センサ部積層体と積層された整流素子(例えばダイオード)をさらに含んでも良い。これにより、例えば、目的とするセンサ部50とは別のセンサ部50を介して流れる電流の影響が抑制でき、より高い精度での検出が可能になる。
【0046】
例えば、第1強磁性層10が磁化固定層である場合、第1強磁性層10には、例えば、CoFe合金、CoFeB合金及びNiFe合金等を用いることができる。第1強磁性層10の厚さは、例えば2ナノメートル(nm)以上6nm以下である。
【0047】
中間層30には、金属または絶縁体を用いることができる。金属としては、例えば、Cu、Au及びAg等を用いることができる。金属の場合、中間層30の厚さは、例えば1nm以上7nm以下である。絶縁体としては、例えば、マグネシウム酸化物(MgO等)、アルミ酸化物(Al2O3等)、チタン酸化物(TiO等)、及び、亜鉛酸化物(ZnO等)を用いることができる。絶縁体の場合、中間層30の厚さは、例えば0.6nm以上2.5nm以下である。
【0048】
また、中間層30として、上記のような絶縁体の層の一部に、その層を貫通する金属電流パスが多数設けられた、CCP(Current-Confined-Path)中間層を用いても良い。この金属電流パスの幅(層に対して平行な長さ)は例えば、0.5nm以上10nm以下である。より具体的には、1nm以上7nm以下である。例えば、アルミ酸化物(Al2O3等)の一部に、Cu,Au,Ag,Ni,Fe,Coなどを含む電流パス構造が形成された構成を中間層30に用いることができる。このときの中間層30の厚さは、例えば1nm以上3nm以下である。
【0049】
第2強磁性層20が磁化自由層である場合、第2強磁性層20には、例えば、FeCo合金、及び、NiFe合金等を用いることができる。この他、第2強磁性層20には、Fe−Co−Si−B合金、λs>100ppmを示すTb−M−Fe合金(Mは、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er)、Tb−M1−Fe−M2合金(M1は、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、M2は、Ti,Cr,Mn,Co,Cu,Nb,Mo,W,Ta)、Fe−M3−M4−B合金(M3は、Ti,Cr,Mn,Co,Cu,Nb,Mo,W,Ta、M4は、Ce,Pr,Nd,Sm,Tb,Dy,Er)、Ni、Al−Feやフェライト(Fe3O4、(FeCo)3O4)など)等を用いることができる。第2強磁性層20の厚さは、例えば2nm以上である。
【0050】
第2強磁性層20は、2層構造を有することができる。この場合、第2強磁性層20は、FeCo合金の層と、FeCo合金の層と積層された以下の層と、を含むことができる。FeCo合金の層と積層されるのは、Fe−Co−Si−B合金、λs>100ppmを示すTb−M−Fe合金(Mは、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er)、Tb−M1−Fe−M2合金(M1は、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、M2は、Ti,Cr,Mn,Co,Cu,Nb,Mo,W,Ta)、Fe−M3−M4−B合金(M3は、Ti,Cr,Mn,Co,Cu,Nb,Mo,W,Ta、M4は、Ce,Pr,Nd,Sm,Tb,Dy,Er)、Ni、Al−Feやフェライト(Fe3O4、(FeCo)3O4)など)等から選択される材料の層である。
【0051】
第1電極51及び第2電極52には、例えば、非磁性体であるAu、Cu、Ta、Al等を用いることができる。第1電極51及び第2電極52として、軟磁性体の材料を用いることで、センサ部積層体に影響を及ぼす外部からの磁気ノイズを低減することができる。軟磁性体の材料としては、例えば、パーマロイ(NiFe合金)や珪素鋼(FeSi合金)を用いることができる。センサ部50は、周囲との絶縁性を確保するために、アルミ酸化物(例えばAl2O3)やシリコン酸化物(例えばSiO2)等の絶縁体で覆われる。
【0052】
例えば、中間層30が金属の場合は、GMR(Giant Magnetoresistance)効果が発現する。中間層30が絶縁体の場合は、TMR(Tunneling Magnetoresistance)効果が発現する。例えば、センサ部50においては、例えば、センサ部積層体の積層方向に沿って電流を流すCPP(Current Perpendicular to Plane)−GMR効果が用いられる。CCP中間層の場合でも、現象としてはCPP−GMR効果が用いられる。
【0053】
このように、本実施形態においては、センサ部50におけるMR現象が用いられる。MR現象に加え、センサ部の磁化を変化させるために、逆磁歪現象を用いる。これら2つの現象の利用により、歪に対して極めて高感度な検出が可能になる。逆磁歪効果を用いる場合、例えば、外部から加えられる歪に対して、第1強磁性層10及び第2強磁性層20の少なくともいずれかの強磁性層の磁化方向が変化させられる。外部から加えられる歪の有無によって、2つの強磁性層の磁化の相対的な角度が変わる。外部から加えられる歪によって電気抵抗Rsが変わるため、センサ部50は、歪センサとして機能する。
【0054】
すなわち、第1強磁性層10及び第2強磁性層20の少なくともいずれかの強磁性層の磁化方向は、応力に応じて変化する。少なくともいずれかの強磁性層(応力に応じて磁化方向が変化する強磁性層)の磁歪定数の絶対値は、例えば、10−5以上に設定する。これにより、逆磁歪効果によって、外部から加えられる歪みに応じて磁化の方向が変化する。例えば、第1強磁性層10及び第2強磁性層20の少なくともいずれかには、Fe、Co及びNiなどのような金属または、それらを含む合金などが用いられる。用いる元素や添加元素などによって、磁歪定数は大きく設定される。
【0055】
例えば、中間層30としてMgOのような酸化物が用いられる。MgO層上の磁性層は、一般的にプラスの磁歪定数を有する。例えば、中間層30の上に第2強磁性層20を形成する場合、第2強磁性層20として、CoFeB/CoFe/NiFeの積層構成の磁化自由層を用いる。最上層のNiFe層をNiリッチにすると、NiFe層の磁歪定数はマイナスでその絶対値が大きくなる。酸化物層上のプラスの磁歪が打ち消されることを抑制するために、最上層のNiFe層のNi組成は、一般的なNiFe合金材料として知られるパーマロイの標準組成Ni81Fe19のNiの組成比(原子パーセント:atomic%)よりもNiリッチにしない。具体的には、最上層のNiFe層におけるNiの比率は、80atomic%未満とすることが好ましい。第2強磁性層20を磁化自由層とする場合には、第2強磁性層20の厚さは、例えば、1nm以上20nm以下が好ましい。
【0056】
第2強磁性層20が磁化自由層である場合において、第1強磁性層10は、磁化固定層でも磁化自由層でも良い。第1強磁性層10が磁化固定層である場合、外部から歪が加えられても第1強磁性層10の磁化の方向は実質的に変化しない。そして、第1強磁性層10と第2強磁性層20との間での相対的な磁化の角度によって電気抵抗Rsが変化する。電気抵抗Rsの違いによって歪の有無が検出される。
【0057】
第1強磁性層10及び第2強磁性層20の両方が磁化自由層である場合には、例えば、第1強磁性層10の磁歪定数は、第2強磁性層20の磁歪定数とは異なるように設定される。
【0058】
第1強磁性層10が磁化固定層である場合も磁化自由層である場合も、第1強磁性層10の厚さは、例えば1nm以上20nm以下が好ましい。
【0059】
例えば、第1強磁性層10が磁化固定層である場合、例えば、第1強磁性層10には、反強磁性層/磁性層/Ru層/磁性層の積層構造を用いたシンセティックAF構造などを用いることができる。反強磁性層には、例えばIrMnなどが用いられる。また、第1強磁性層10が磁化固定層である場合に、反強磁性層を用いる代わりに、第1強磁性層10に、ハード膜を用いる構成を適用しても良い。ハード膜には、例えば、CoPt及びFePtなどが用いられる。
【0060】
センサ部50は、磁性層のスピンが用いられる。センサ部50に必要な面積は、極めて小さいサイズで十分である。センサ部50の面積は、例えば、50nm×50nm〜50μm×50μm以下程度で十分である。
【0061】
図5(a)〜図5(d)は、第1の実施形態に係るタッチパネルの一部を例示する模式的斜視図である。
図5(a)に示した例では、センサ部50において、下地層41、反強磁性層42、第1強磁性層10(磁化固定層)、中間層30、第2強磁性層20(磁化自由層)及び保護層43が、この順で積層されている。この構成は、例えば、ボトム型スピンバルブ膜と呼ばれる。
【0062】
下地層41は、例えば、下地層41の上に積層される膜の結晶配向性を高める。下地層41には、例えば、アモルファスのTaなどのバッファ効果を有する材料を用いることができる。アモルファスのTaは、例えば、形成する基板との密着性が高い。下地層41には、これらバッファ効果を有する材料に積層して、結晶質のシード効果を有する、Ru、NiFe及びCu等を用いることができる。これらの材料の単層または積層膜を下地層41として用いることで、下地層41の上に形成される層の結晶配向性を向上させることができる。アモルファスTa膜と、結晶質の、Ru、NiFe及びCu等の膜と、の積層構造を採用することで、ぬれ性と結晶配向性とを両立できる。下地層41の厚さは、例えば0.5nm以上5nm以下である。
【0063】
保護層43は、センサ部積層体を製造する際のダメージからセンサ部積層体を保護する。保護層43には、例えば、Cu、Ta及びRu等の膜やそれらの積層膜を用いることができる。保護層43の厚さは、例えば1nm以上20nm以下である。
【0064】
図5(b)に示した例では、下地層41、反強磁性層42、磁化固定層44、反平行結合層45、第1強磁性層10(磁化固定層)、中間層30、第2強磁性層20(磁化自由層)及び保護層43が、この順で積層されている。この構成は、例えば、ボトム型シンセティックバルブ膜と呼ばれる。この構成により、第1強磁性層10(磁化固定層)の磁化の固定力を強めることができる。
【0065】
磁化固定層44の磁化は、反強磁性層42からの交換結合によって、一方向に固定される。磁化固定層44には、第1強磁性層10(磁化固定層)に用いられる材料と同じ材料を用いることができる。
【0066】
反平行結合層45は、第1強磁性層10(磁化固定層)の磁化と、磁化固定層44の磁化と、を反平行に結合させる。この構成により、反強磁性層42からの交換結合エネルギーが一定でも、第1強磁性層10(磁化固定層)の磁化の固定磁界を強めることができる。したがって、センサ部積層体に加わる磁気ノイズに対する影響を低減できる。反平行結合層45には、例えばRu及びIr等を用いることができる。反平行結合層45の厚さは、例えば0.8nm以上1nm以下である。
【0067】
図5(c)に示した例では、下地層41、第2強磁性層20(磁化自由層)、中間層30、第1強磁性層10(磁化固定層)、反強磁性層42及び保護層43が、この順で積層されている。この構成は、例えば、トップ型スピンバルブ膜と呼ばれる。
【0068】
図5(d)に示した例では、下地層41、第2強磁性層20(磁化自由層)、中間層30、第1強磁性層10(磁化固定層)、反平行結合層45、磁化固定層44、反強磁性層42及び保護層43が、この順で積層される。この構成は、例えば、トップ型シンセティックスピンバルブ膜と呼ばれる。
【0069】
トップ型スピンバルブ膜及びトップ型シンセティックスピンバルブ膜に含まれる層は、ボトム型スピンバルブ膜及びボトム型シンセティックスピンバルブ膜に含まれる層と同様であるので説明は省略する。
【0070】
第2強磁性層20の磁化を引っ張り応力と異なる方向に向けておく方法として、第1強磁性層10の磁化との層間結合を用いる方法がある。中間層50が金属の場合には3nm以下、絶縁体の場合は1.5nm以下で、第2強磁性層20の磁化を第1強磁性層10の磁化と平行に揃うように層間結合が働く。したがって、第1強磁性層10の磁化を引っ張り応力と異なる方向に固定することによって、第2強磁性層20の磁化を弱いエネルギーで同じ方向に向けることが出来る。
【0071】
第2強磁性層20(磁化自由層)をスパッタ装置で成膜する際に、磁界を印加することによっても第2強磁性層20の磁化を一方向に向けておくことが出来る。成膜時の磁界の方向に磁化が向きやすくなるので、引っ張り応力と異なる方向に磁界を印加しながらスパッタ法で成膜することが好ましい。
【0072】
図6(a)及び図6(b)は、第1の実施形態に係るタッチパネルの構成を例示する模式図である。
図6(a)は模式的平面図である。図6(b)は、図6(a)の一部PAの模式的断面図である。
【0073】
図6(a)に表したように、第1配線110がX軸方向に沿って延在し、第2配線120がY軸方向に沿って延在する。第1配線110と第2配線120との交差点にセンサ部50が設けられる。第1配線110及び第2配線120は、制御部101(IC)に接続される。
【0074】
図6(b)に表したように、基体54b(例えばガラス基板など)の上に、第1配線110が設けられる。第1配線110の上にセンサ部50が設けられる。センサ部50の上に第2配線120が設けられる。センサ部50の周囲に、絶縁層53が設けられる。絶縁層53には、例えば、アルミ酸化物(例えばAl2O3)やシリコン酸化物(例えばSiO2)等が用いられる。第2配線120の上及び絶縁層53の上にカバー層54bが設けられる。基体54b及びカバー層54bには、例えば可視光に対して透過性の材料が用いられる。
【0075】
このような構成により、高解像度のタッチ式入力が可能なタッチパネルが提供できる。ただし、実施形態は、図6(a)及び図6(b)に例示した構成に限らず、種々の変形が可能である。
【0076】
例えば、図6(a)においては、第1配線110と第2配線120とのうち、第1配線110ごとに第1配線110の電位が変更可能で、複数の第2配線120は共通電位に設定されるようにしてある。実施形態はこれに限らず、第2配線120に関しても、第2配線120ごとに電位を変えるように配線しても良い。
【0077】
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式図である。
図7に表したように、本実施形態に係る表示装置320は、第1の実施形態に関して説明したタッチパネル310と、複数の第1トランジスタ61と、複数の画素電極65と、光学層70と、を含む。
【0078】
複数の第1トランジスタ61のそれぞれは、複数の第1配線110と複数の第2配線120との交差部のそれぞれに設けられる。
【0079】
複数の画素電極65のそれぞれは、交差部のそれぞれに設けられる。複数の画素電極65のそれぞれは、複数の第1トランジスタ61の一端と直接または間接に接続される。第1トランジスタ61の一端は、第1トランジスタ61のソース及びドレインの一方である。第1トランジスタ61の他端は、第1トランジスタ61のソース及びドレインの他方である。以下では、第1トランジスタ61の一端が、第1トランジスタ61のドレインである場合として説明する。すなわち、画素電極65は、第1トランジスタ61のドレインと、直接または間接に接続される。
【0080】
本願明細書において、「直接に接続される」は、間に他の導電性の部材(例えばビア電極や配線など)が挿入されないで電気的に接続される状態を含む。「間接に接続される」は、間に他の導電性の部材(例えばビア電極や配線など)が挿入されて電気的に接続される状態、及び、間にスイッチ(例えばトランジスタなど)が挿入されて、導通と非導通とが可変の状態で接続される状態を含む。
【0081】
光学層70は、第1トランジスタ61を介して画素電極65に供給された電荷に基づいて、光を放出する、及び、複屈折性、旋光性、散乱性、回折性及び吸収性の少なくともいずれかを含む光学特性が変化する。
【0082】
この例では、光学層70は、液晶を含む。すなわち、光学層70として、液晶層71が用いられている。すなわち、表示装置320は、タッチパネル機能を有する液晶表示装置である。
【0083】
画素電極65の1つが、表示のための表示画素70eの1つとなる。
【0084】
この例では、複数の第1トランジスタ61のそれぞれのゲートは、複数の第1配線110のそれぞれに接続されている。複数の第1トランジスタ61のそれぞれの他端(この例ではソース)は、複数の第2配線120のそれぞれに接続されている。
【0085】
すなわち、表示装置320においては、タッチパネル310のタッチ式の接触を検出するための第1配線110が、表示のための走査線として利用される。また、タッチパネル310のタッチ式の接触を検出するための第2配線120が、表示のための信号線として利用される。
【0086】
制御部101は、第1配線110、第2配線120及び第1トランジスタ61を介して、所望の電荷を画素電極65に書き込む。光学層70(液晶層71)には、書き込まれた電荷に基づいて画素電極65と対向電極66との間に発生する電圧が印加される。この電圧に応じて、液晶層71の光学特性(複屈折性、旋光性、散乱性、回折性及び吸収性の少なくともいずれかを含む)が変化する。これにより、表示が行われる。
【0087】
図8は、第2の実施形態に係る表示装置の動作を例示する模式図である。
図8は、表示装置320における表示動作DOを例示している。
第1トランジスタ61の第1ゲート61Gが第1配線110に接続されており、第1トランジスタ61の第1ドレイン61Dが画素電極に接続され、第1トランジスタ61の第1ソース61Sが第2配線120に接続されている。第1ゲート61G及び第1ソース61Sと並列に、センサ部50が接続されている。
【0088】
表示動作DOにおいては、複数の第1配線110のうちの1つがハイ状態HL(選択状態)に設定される。そして、第1トランジスタ61がオン状態(導通状態)になる。第2配線120及び第1トランジスタ61を介して電荷(電流C61)が画素電極65に供給される。液晶層71(光学層70)には、電荷に基づいた電圧(画素電極65と対向電極66との間の電圧)が印加される。電荷の量により液晶層71に印加される電圧が変化し、光の強度の変調が行われる。複数の第1配線110を順次走査し、選択することで、画面全体の表示が行われる。
【0089】
このような表示動作DOにおいて、センサ部50の抵抗が過度に低いと、第2配線120から供給される電荷は、センサ部50を介して第1配線110に流れ(電流C50)、画素電極65に所望の電荷が供給されない。このため、所望の表示状態が得られない。このような現象を抑制するために、センサ部50の電気抵抗Rsは過度に低くないように設定される。
【0090】
すなわち、センサ部50の変化する電気抵抗Rsのうちの低抵抗値Rlは、第1トランジスタ61の一端(例えば第1ドレイン61D)と他端(例えば第1ソース61S)との間が導通状態(オン状態)のときの第1トランジスタ61の一端(例えば第1ドレイン61D)と他端(例えば第1ソース61S)との間の電気抵抗RTFTonよりも高く設定される。また、低抵抗値Rlは、第1トランジスタ61が導通状態のときの第1トランジスタ61の第1ゲート61Gと第1ソース61Sとの間の電気抵抗よりも高く設定される。これにより、所望の表示状態が得られる。
【0091】
図9は、第2の実施形態に係る表示装置の動作を例示する模式図である。
図9は、表示装置320における検出動作SOを例示している。
検出動作SOにおいては、複数の第1配線110のうちの1つがロウ状態LLに設定されており、このときに、センサ部50を介して第2配線120と第1配線110との間に流れる電流(電流C50)が検出される。これにより、センサ部50の電気抵抗Rsが検出される。複数の第1配線110を順次走査し、選択することで、入力面(画面)の全体における検出が行われる。
【0092】
このような検出動作SOにおいて、センサ部50の抵抗が過度に高いと、第2配線120を流れる電流は、第1トランジスタ61を介して画素電極65に流れ(電流C61)、画素電極65の電位に影響を与え、表示状態が変化し、また、電力損出に繋がる。そして、センサ部50に流れる電流が過度に少なくなると、センサ部50の抵抗の検出が困難になる。このような現象を抑制するために、センサ部50の電気抵抗Rsは過度に高くないように設定される。
【0093】
すなわち、センサ部50の変化する電気抵抗Rsのうちの高抵抗値Rhは、第1トランジスタ61の一端(例えば第1ドレイン61D)と他端(例えば第1ソース61S)との間が非導通状態のときの第1トランジスタ61の一端(例えば第1ドレイン61D)と他端(例えば第1ソース61S)と間の電気抵抗RTFToffよりも低く設定される。これにより、所望の表示状態が維持でき、また、所望の検出動作が実施できる。
【0094】
例えば、第1トランジスタ61の導通状態のときの電気抵抗RTFTonは、約1メガオーム(MΩ)である。従って、センサ部50の低抵抗値Rlは、1MΩよりも高いことが好ましい。また、電気抵抗RTFTonと低抵抗値Rlとの間に1桁以上の差があることがさらに好ましい。このため、センサ部50の低抵抗値Rlは、10MΩ以上であることがさらに好ましい。
【0095】
例えば、第1トランジスタ61の非導通状態のときの電気抵抗RTFToffは、約1テラオーム(TΩ)である。従って、センサ部50の高抵抗値Rhは、1TΩよりも低いことが好ましい。また、電気抵抗RTFToffと高抵抗値Rhとの間に1桁以上の差があることがさらに好ましい。このため、センサ部50の高抵抗値Rhは、100GΩ以下であることがさらに好ましい。
【0096】
例えば、センサ部50の中間層30に絶縁材料を用いたTMR素子構成を用いることで、電気抵抗Rsが上記のような範囲で変化する構成が容易に実現できる。中間層30としてMgO膜を用いると、高いMR変化率とこのような範囲の抵抗変化率と、を得ることができる。MgO膜の厚さは、1nm以上3nm以下が好ましい。
【0097】
図8及び図9に関して説明した動作は、制御部101により実施される。すなわち、制御部101は、検出動作SOにおいてセンサ部50における電気抵抗Rsの変化を検出することに加え、表示動作DOにおいて第1配線110に供給する電気信号により第1トランジスタの導通と非導通を制御しつつ第2配線120に供給する電気信号により画素電極に電荷を供給する。これにより、検出動作SOと表示動作DOとが効率的に実施できる。
【0098】
本実施形態においては、センサ部50は、スピンを用いた抵抗変化型の歪センサとして機能する。本実施形態に係るセンサ部50によれば、1000程度以上の歪感度αを容易に実現することができる。歪感度αは、α=(ΔR/Rmin)/εで表される。Rminは、センサにおける低い値の抵抗であり、ΔRは、外部歪が印加されたことによる抵抗の変化量である。εは歪であり、ε=ΔL/Lである。ここで、外部圧力が印加されていないときの長さをLとしたときに、外部圧力が印加されたことによる長さの変形量をΔLとする。つまり、εは、変形量の比である。歪感度αは、単位歪あたりの抵抗変化量比ということをあらわす。MEMSセンサなどで用いられているSiピエゾ抵抗型の場合には、歪感度αは、単結晶で130程度、多結晶では40以下である。これに対して、本実施形態においては、MR現象と逆磁歪現象と用いため、1000程度の値の歪感度αを得ることは比較的容易である。さらに、物性上限値はないので、本実施形態に係るセンサ部50において、10000以上の歪感度αが得られる可能性もある。
【0099】
例えば、Siを用いたピエゾ抵抗型センサにおいては、歪感度αは130程度である。これに対して、本実施形態に係るセンサ部50においては、非常に高い歪感度が得られる。そして、本実施形態に係るセンサ部50においては、数十nm幅の大きさで、センサとしての機能を十分な発揮することが可能である。つまり、第1トランジスタ61と比べるとはるかに小さいセンサ部50が実現できる。このため、表示装置320において、センサ部50を設けることによる光の利用率の低下は実質的に発生しない。
【0100】
一方、例えば、容量検出型のセンサを表示装置のセルのなかに組み込んだ、いわゆるインセル型のタッチパネルディスプレイがある。この場合には、センサ(キャパシタンス)及びそのため回路がセルの中に組み込まれるときに、画素サイズに対して無視できない程度の回路サイズになってしまう。つまり、光が透過する領域(光のスイッチング領域)が減少してしまい、光透過率を犠牲にしてしまう。このため、光の利用率が低下し、例えば、バックライトの消費電力が増大する。さらに別の問題点として、容量検出型の場合には、時定数の問題があるため、検出の反応速度は遅い。このため、所定の時間内に検出できるようにするとセンサの配置密度が低くなり、結果として解像度が十分に向上できない。逆に、例えば、全画素(青、緑、青のそれぞれ)にセンサを設けるような、高位置分解能のセンサを設けると、検出動作が遅く、実用的でない。そのため、配置できるセンサ数が限られ、高精細の全画素に配置するということができなくなる。
【0101】
これに対し、本実施形態に係るセンサ部50のサイズは、前述のように、一画素のサイズと比較すると非常に小さい。これにより、開口率が犠牲になることもなく、光の利用率の低下が発生せず、消費電力は低く保てる。また、容量型のような時定数の問題は抵抗変化型では発生しないため、センサ部50の応答時間は短く、多数のセンサ部50を設けても、検出に必要な時間は短い。これにより、高解像度のタッチ式入力が可能なタッチパネル及び表示装置が提供できる。すなわち、実施形態によれば、インセル型のタッチパネルを、ディスプレイとしての機能を損なうことなく実現できる。そして、輝度の低下がなく、消費電力の増大がなく、コストの大幅な上昇もない。光透過を妨げることなく、かつ画素数に制限なく、消費電力を増大させずに、歪センサをできるだけ多くの画素に設けることが可能になる。
【0102】
図10(a)及び図10(b)は、第2の実施形態に係る表示装置の動作を例示する模式図である。
図10(a)は、表示装置320における動作の例を示すタイムチャートである。図10(b)は、表示画面の駆動状態を例示する模式図である。
【0103】
図10(a)に表したように、1画面の駆動に対応するフレーム周期Tfにおいて、例えば、まず、1画面の表示動作DOを行い、その後、1画面(入力面)の検出動作SOを行う。すなわち、この例では、フレーム周期Tfの間に、1回の表示動作DOと、1回の検出動作SOと、が行われる。
【0104】
この場合、図10(b)に表したように、表示画面の上から下に向けて1画面の表示動作DOを行う。その後、表示画面(入力面)の上から下に向けて1画面(入力面)の検出動作SOを行う。このような動作は、例えば、「ライトワンス」の駆動法である。この方法では、全画素の表示を行なった後に、タッチパネルとしての検知を全画素分で行う。
【0105】
図11(a)及び図11(b)は、第2の実施形態に係る表示装置の別の動作を例示する模式図である。
図11(a)は、表示装置320における別の動作の例を示すタイムチャートである。図11(b)は、表示画面の駆動状態を例示する模式図である。
【0106】
図11(a)に表したように、1画面の駆動に対応するフレーム周期Tf内において、1ラインの表示動作DOを行い、その後、1ラインの検出動作SO動作を行い、それを繰り返す。すなわち、この動作方法では、ラインごとに、表示動作DOと検出動作SOとを行う。
【0107】
この場合、図11(b)に表したように、表示画面の1つのラインにおいて表示動作DOを行い、その後、1つのラインの検出動作SOを行う。このような動作を、画面(入力面)の上から下に向けて実施する。
【0108】
このように、本実施形態において、駆動方法は任意であり、また、種々の変形が可能である。
【0109】
本実施形態に係るセンサ部50において、検出に必要な時間が極めて短いため、表示動作への影響を実質的に与えないで、検出動作SOを実施することができる。
【0110】
図12は、第2の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式的平面図である。
図13(a)及び図13(b)は、第2の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
図13(a)は、図12のA1−A2線断面図である。図13(b)は、図12のB1−B2線断面図である。図12においては、図を見やすくするために、層間絶縁膜やパッシベーション膜などは省略されている。
【0111】
図12に表したように、第1配線110と第2配線120との交差部にセンサ部50と第1トランジスタ61とが設けられる。第1トランジスタ61の第1ゲート61Gが第1配線110に接続され、第1ドレイン61Dが画素電極65と接続され、第1ソース61Sが第2配線120に接続されている。
【0112】
図13(a)に表したように、センサ部50の第1強磁性層10は第1配線110に接続され、第2強磁性層20は第2配線120に接続される。
【0113】
図13(a)及び図13(b)に表したように、第1配線110、第2配線120、センサ部50、第1トランジスタ61及び画素電極65は、第1基板210の上に設けられている。第1トランジスタ61の第1ゲート61Gの上にゲート絶縁膜61Iが設けられ、その上に第1半導体層61Mが設けられている。第1半導体層61Mの一端の上に第1ドレイン61Dが設けられ、第1半導体層61Mの他端の上に第1ソース61Sが設けられている。
【0114】
第1基板210に対向して第2基板220(対向基板)が設けられている。第2基板220の主面には、例えばカラーフィルタ層(第1色層240a、第2色層240b及び第3色層240cなど)が設けられている。カラーフィルタ層は、例えば、第1波長帯(例えば青)の光を透過する第1色層240aと、X−Y平面内において第1色層240aと並置され第1波長帯とは異なる第2波長帯(例えば緑)の光を透過する第2色層240bと、X−Y平面内において第1色層240a及び第2色層240bと並置され第1波長帯とは異なり第2波長帯と異なる第3波長帯(例えば赤)の光を透過する第3色層240cと、を含む。カラーフィルタ層の表面に対向電極66が設けられている。
【0115】
第1基板210と第2基板220との間に液晶層71が配置される。なお、画素電極65の液晶層71の側の面、及び、対向電極66の液晶層71の側の面には、例えば、図示しない配向膜が設けられる。また、2枚の偏光層(図示しない)が設けられ、これらの偏光層の間に第1基板210及び第2基板が配置される。さらに、例えば、第1基板210に対向して、バックライト(図示しない)が設けられる。バックライトは必要に応じて設けられ、省略しても良い。
【0116】
第1トランジスタ61のサイズ(X−Y平面内における占有面積)は、例えば、5μm×5μm程度である。センサ部50のサイズは、第1トランジスタ61のサイズよりも小さくすることできる。センサ部50を設けることによる、開口率の減少は実質的に生じない。
【0117】
例えば、X軸方向(第1強磁性層10から第2強磁性層20に向かう積層方向に対して垂直な第1軸)に沿ったセンサ部50の長さ5μm以下である。Y軸方向(積層方向に対して垂直で第1軸に対して垂直な第2軸)に沿ったセンサ部50の長さは5μm以下である。X−Y平面(第1方向と第2方向とを含む平面)内における複数のセンサ部50それぞれの面積は、X−Y平面内における複数の画素電極65のそれぞれの面積の5%以下である。
【0118】
表示装置320において、例えば、第2基板220の上面(偏光層の上面など)に、使用者の指が接触する。その接触による応力が、液晶層71を介してセンサ部50に伝わる。これによりセンサ部50に応力が加わり、センサ部50の電気抵抗Rsが変化し、その変化を制御部101で検出する。
【0119】
なお、この例では、対向電極66は第2基板220に設けられているが、実施形態はこれに限らない。対向電極66は、第1基板210に設けられても良い。この場合には、液晶層71には、X−Y平面に対して平行な成分を有する電界が印加され、液晶層71の光学特性が変化する。
【0120】
図14は、第2の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。 図14は、本実施形態に係る別の表示装置321の構成を例示している。この図は、図12のA1−A2線断面に相当する断面図である。
【0121】
図14に表したように、表示装置321においては、第2基板220に突起部80が設けられている。この例では、突起部80は対向電極66の上に形成されている。突起部80は、Z軸方向(第1方向と第2方向とを含む平面に対して垂直な方向)から見たときに、センサ部50と重なる部分を有する。突起部80は、例えば、第2基板220に加わる応力をセンサ部50に伝達する。
【0122】
図15は、第2の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。 図15は、本実施形態に係る別の表示装置322の構成を例示している。この図は、図12のA1−A2線断面に相当する断面図である。
【0123】
図15に表したように、表示装置321においては、第1基板210に突起部80が設けられている。この例では、突起部80はセンサ部50の上に形成されている。このときも、突起部80は、Z軸方向から見たときに、センサ部50と重なる部分を有する。突起部80は、例えば、第2基板220に加わる応力をセンサ部50に伝達する。
【0124】
このように、表示装置321及び322は、第1基板210と、第2基板220と、突起部80と、をさらに含む。第2基板220は、第1基板210に対向する。複数の突起部80は、第1基板210の第2基板220に対向する面、及び、第2基板220の第1基板210に対向する面の少なくともいずれかに設けられる。
【0125】
タッチパネル(第1配線110、第2配線120及びセンサ部50)と、複数の第1トランジスタ61と、複数の画素電極65と、は、第1基板210の第2基板220に対向する上記の面上に設けられる。
【0126】
光学層70(例えば液晶層71)は、第1基板210と第2基板220との間に配置される。
【0127】
ここで、第1基板210と、第1基板210の上に設けられる上記の構成要素(例えば、第1配線110、第2配線120、センサ部50、複数の第1トランジスタ61及び複数の画素電極65など)と、は、第1基板部210aに含まれるものとする。第2基板220と、第2基板220の上に設けられる上記の構成要素(例えば、対向電極66など)と、は、第2基板部220aに含まれるものとする。
【0128】
複数の突起部80のそれぞれは、Z軸方向から見たときに、センサ部50と重なる部分を有する。突起部80は、第1基板210及び第2基板220へ加わる応力をセンサ部50に伝達する。
【0129】
これにより、タッチ式の入力による応力がセンサ部50に効率的に伝達され、検出精度がより向上する。
【0130】
突起部80には、例えば、樹脂材料を用いることができる。突起部80には、感光性または非感光性の樹脂が用いられる。具体的には、アクリル樹脂やポリイミド樹脂などが用いられる。突起部80の形成には、例えばフォトリソグラフィが用いられる。
【0131】
例えば、表示装置321及び322においては、突起部80は、第1基板部210aと、第2基板部220aと、に接触している。突起部80は、センサ部50に応力を伝達する機能に加え、例えば、第1基板210(第1基板部210a)と第2基板220(第2基板部220a)との間の間隔を規定するスペーサとしての機能を果たしている。
【0132】
図16(a)及び図16(b)は、第2の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
図16(a)は、図12のA1−A2線断面に相当する断面図である。図16(b)は、図12のB1−B2線断面に相当する断面図である。
【0133】
図16(a)に表したように、本実施形態に係る別の表示装置323においては、第2基板部220aに突起部80が設けられている。この突起部80は、第1基板部210aに設けられたセンサ部50には接触していない。
【0134】
図16(b)に表したように、第2基板部220aには、スペーサ80sが設けられている。スペーサ80sは、第1基板部210aに接触している。スペーサ80sは、第1基板210(第1基板部210a)と第2基板220(第2基板部220a)との間の間隔を規定する。
【0135】
このように、この例では、スペーサとして機能するスペーサ80sが、突起部80とは別に設けられる。突起部80は、例えば応力が加えられていないときにはセンサ部50と接触しておらす、一定以上の応力が加えられたときに、突起部80がセンサ部50と接触する。これにより、加えられる応力を効率良くセンサ部50に伝達でき、より精度の高い検出がより安定して可能になる。
【0136】
なお、突起部80のそれぞれは、センサ部50のそれぞれに対応して設けられている。すなわち、突起部80のそれぞれは、第1配線110と第2配線120との交差部のそれぞれ(すなわち、検出要素50eのそれぞれ)に設けられる。これに対し、スペーサ80sは、交差部のそれぞれに必ずしも設けられなくても良い。スペーサ80sは、例えば、複数の画素電極65に対して1つ設けても良く、スペーサ80sの個数の密度は任意である。
【0137】
図17(a)及び図17(b)は、第2の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
図17(a)は、図12のA1−A2線断面に相当する断面図である。図17(b)は、図12のB1−B2線断面に相当する断面図である。
【0138】
図17(a)に表したように、本実施形態に係る別の表示装置324においても、第2基板部220aに突起部80が設けられている。この突起部80は、第1基板部210aに設けられたセンサ部50には接触していない。
【0139】
図17(b)に表したように、第2基板部220aには、スペーサ80sが設けられている。スペーサ80sが設けられている箇所において、第1色層240aとなる層と、第2色層240bとなる層と、第3色層240cとなる層と、が積層されている。このため、この部分のカラーフィルタ層の厚さが厚い。この上に、スペーサ80sが設けられている。この構成により、突起部80と同じ材料を用い同じ工程でスペーサ80sを形成し、スペーサ80sの高さが突起部80の高さと同じ場合でも、第2基板220を基準にしたときのスペーサ80sの高さは、突起部80の高さよりも高くなる。
【0140】
このような構成により、スペーサ80sを突起部80と一括して形成したときにおいても、スペーサ80sは第1基板部210aと第2基板部220aとの間隔を規定するスペーサとして機能し、突起部80の高さは任意に設定できる。例えば、応力が加えられていないときに、突起部80はセンサ部50と接しておらず、一定以上の応力が加えられたときに突起部80はセンサ部50と接する。
これにより、簡単な構成により、より精度の高い検出がより安定して可能になる。
【0141】
なお、上記の表示装置323及び324では、突起部80(及びスペーサ80s)は第2基板部220aに設けられているが、実施形態はこれに限らない。突起部80(及びスペーサ80s)は、第1基板部210aに設けても良い。
【0142】
上記の例ではカラーフィルタ(第1〜第3色層240a〜240c)は、第2基板部220aに設けられているが、実施形態はこれに限らない。カラーフィルタは、第1基板部210aに設けても良い。
【0143】
また、カラーフィルタが第2基板部220aに設けられ、第1〜第3色層240a〜240cが重なる部分が設けられる場合において、突起部80(及びスペーサ80s)は、第1基板部210aに設けても良い。カラーフィルタが第1基板部210aに設けられ、第1〜第3色層240a〜240cが重なる部分が設けられる場合において、突起部80(及びスペーサ80s)は、第2基板部220aに設けても良い。
【0144】
さらに、突起部80として、第1〜第3色層240a〜240cを積層して形成した構造体を用いても良い。これにより、工程が省略できる。
このように、突起部80(及びスペーサ80s)の構成は任意であり、種々の変形が可能である。
【0145】
図18は、第2の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式図である。
すなわち、図18は、本実施形態に係る別の表示装置325の構成を例示している。この例では、光学層70として、例えば有機発光層72が用いられる。すなわち、表示装置325は、タッチパネル機能を有する有機EL表示装置である。
【0146】
表示装置325は、第1の実施形態に関して説明したタッチパネル310と、複数の第1トランジスタ61と、複数の画素電極65と、光学層70と、に加え、複数の第3配線130と、複数の第2トランジスタ62と、をさらに含む。
【0147】
複数の第3配線130は、例えば第3方向に沿って並ぶ。複数の第3配線130のそれぞれは、例えば第4方向に沿って延びる。例えば、第3配線130は、第1配線110と平行に配置される。複数の第3配線130のそれぞれは、複数の第1配線110どうしの間に配置される。この例では、複数の第3配線130は、Y軸方向に沿って並ぶ。複数の第3配線130のそれぞれは、X軸に沿って延びる。但し、実施形態はこれに限らず、複数の第3配線130がX軸方向に沿って並び、複数の第3配線130のそれぞれがY軸方向に沿って延びても良い。以下では、複数の第3配線130がY軸方向に沿って並び、複数の第3配線130のそれぞれがX軸に沿って延びる場合として説明する。
【0148】
複数の第2トランジスタ62のそれぞれのゲート(第2ゲート62G)は、第1トランジスタ61のそれぞれの一端(例えば、第1ドレイン61D)と接続される。複数の第2トランジスタ62のそれぞれの一端(例えば第2ドレイン62D)は、複数の画素電極65のそれぞれと接続される。複数の第2トランジスタ62のそれぞれの他端(例えば、第2ソース62S)は、複数の第3配線130のそれぞれと接続される。そして、光学層70は、有機発光材料を含む。
【0149】
このような構成を有する表示装置325においても、高解像度のタッチ式入力が可能なタッチパネル及び表示装置が提供できる。
【0150】
なお、本具体例では、それぞれの表示画素70eに、キャパシタンス73が設けられる。キャパシタンス73の一端は、第1ドレイン61Dに接続される。キャパシタンス73の他端は、対向電極66に電気的に接続される。
【0151】
図19は、第2の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的平面図である。 図20は、第2の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
図19は、表示装置325の3つの表示画素70eを例示している。図20は、図19のA1−A2線断面を例示している。
【0152】
図19に表したように、例えば、第1画素70f(例えば赤色の画素)、第2画素70g(例えば緑色の画素)、及び、第3画素70h(例えば青色の画素)が、設けられる。第1画素70f、第2画素70g及び第3画素70hは、それぞれ異なる波長の光を放出する。
【0153】
図20に表したように、基体54aが設けられる。基体54aには、例えばガラス基板が用いられる。基体54aの主面上に第1絶縁層55aが設けられる。第1絶縁層55aの上に第1半導体層61Mと第2半導体層62Mが設けられる。第1半導体層61Mは、第1トランジスタ61の一部となる。第2半導体層62Mは、第2トランジスタ62の一部となる。
【0154】
第1半導体層61Mの上、第2半導体層62Mの上、及び、第1絶縁層55aの上に第2絶縁層55bが設けられる。第1半導体層61Mの上の第2絶縁層55bの上に、第1ゲート61Gが設けられる。第2半導体層62Mの上の第2絶縁層55bの上に、第2ゲート62Gが設けられる。第1ゲート61Gの上にセンサ部50が設けられる。第1ゲート61Gは、センサ部50の下面(一端)と電気的に接続される。
【0155】
第1半導体層61Mの一部の上に第1ソース61Sが設けられる。第1ソース61Sは、センサ部50の上面(他端)と電気的に接続される。第1半導体層61Mの別の一部の上に第1ドレイン61Dが設けられる。これにより、第1トランジスタ61が形成される。第2半導体層62Mの一部の上に第2ソース62Sが設けられる。第2半導体層62Mの別の一部の上に第2ドレイン62Dが設けられる。これにより、第2トランジスタ62が形成される。第1トランジスタ61及び第2トランジスタ62は、第3絶縁層55c、及び、第3絶縁層55cの上に形成された第4絶縁層55dにより覆われる。
【0156】
第4絶縁層55dの上に画素電極65が設けられる。第2ドレイン65dは、画素電極65と電気的に接続される。
【0157】
画素電極65の周囲の上に、隔壁65aが設けられる。隔壁65aは、画素電極65の一部を露出させている。画素電極65の上に導電層65bが設けられる。導電層65bの上に有機発光層72(光学層70)が設けられる。有機発光層72の上に対向電極66が設けられる。対向電極66の上に、樹脂層67が設けられる。樹脂層67の上にカバー層54bが設けられる。カバー層54bには、ガラスなどが用いられる。カバー層54bは、例えば、有機樹脂層72を封止する。
【0158】
(第3の実施形態)
図21は、第3の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式図である。
図21に表したように、本実施形態に係る表示装置330は、第1の実施形態に関して説明したタッチパネル310と、複数の第1トランジスタ61と、複数の画素電極65と、光学層70と、に加え、複数の表示用走査配線111をさらに含む。
【0159】
複数の表示用走査配線111は、第1方向に沿って並ぶ。複数の表示用走査配線111のそれぞれは第2方向に沿って延びる。すなわち、表示用走査配線111は、第1配線110と平行に設けられる。
【0160】
複数の第1トランジスタ61のそれぞれのゲート(第1ゲート61G)は、複数の表示用走査配線111のそれぞれに接続される。複数の第1トランジスタ61のそれぞれの他端(例えば第1ソース61S)は、複数の第2配線120のそれぞれに接続される。
【0161】
この例では、センサ部50の電気抵抗Rsを検出するための第2配線120が、表示動作DOの際にも用いられる。一方、表示用走査配線111は、第1配線110とは別に設けられる。
【0162】
図22は、第3の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式図である。
図22に表したように、本実施形態に係る別の表示装置331は、第1の実施形態に関して説明したタッチパネル310と、複数の第1トランジスタ61と、複数の画素電極65と、光学層70と、に加え、複数の表示用信号配線121をさらに含む。
【0163】
複数の表示用信号配線121は、第3方向に沿って並ぶ。複数の表示用信号配線121のそれぞれは第4方向に沿って延びる。すなわち、表示用信号配線121は、第2配線120と並行に設けられる。
【0164】
複数の第1トランジスタ61のそれぞれのゲート(第1ゲート61G)は、複数の第1配線110のそれぞれに接続される。複数の第1トランジスタ61のそれぞれの他端(例えば第1ソース61S)は、複数の表示用信号配線121のそれぞれに接続される。
【0165】
この例では、センサ部50の電気抵抗Rsを検出するための第1配線110が、表示動作DOの際にも用いられる。一方、表示用信号配線121は、第2配線120とは別に設けられる。
【0166】
図23は、第3の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式図である。
図23に表したように、本実施形態に係る別の表示装置332は、第1の実施形態に関して説明したタッチパネル310と、複数の第1トランジスタ61と、複数の画素電極65と、光学層70と、に加え、複数の表示用走査配線111と、複数の表示用信号配線121と、をさらに含む。
【0167】
複数の表示用走査配線111は、第1方向に沿って並ぶ。複数の表示用走査配線111のそれぞれは第2方向に沿って延びる。複数の表示用信号配線121は、第3方向に沿って並ぶ。複数の表示用信号配線121のそれぞれ第4方向に沿って延びる。
【0168】
複数の第1トランジスタ61のそれぞれのゲート(第1ゲート61G)は、複数の表示用走査配線111のそれぞれに接続される。複数の第1トランジスタ61のそれぞれの他端(例えば第1ソース61S)は、複数の表示用信号配線121のそれぞれに接続される。
【0169】
この例では、センサ部50の電気抵抗Rsを検出するための第1配線110及び第2配線120とは別に、表示用走査配線111及び表示用信号配線121が設けられる。
【0170】
表示装置330〜332においては、検出動作SOの電流経路は、表示動作DOの電流路とは異なる。このため、センサ部50における抵抗の望ましい範囲に関する条件が解除される。すなわち、センサ部50の低抵抗値Rl及び高抵抗値Rhは、第1トランジスタ61の電気抵抗RTFTon、及び、電気抵抗RTFToffと、独立して設定できる。すなわち、センサ部50の設計の自由度が広い。
【0171】
第1〜第3の実施形態に係るタッチセンサ及び表示装置においては、位置分解能が高いタッチ式の入力が可能になる。このため、従来のようなラフなタッチパネルの使用法とは異なり、従来では実現できなかった使用法が可能となる。
【0172】
例えば、ディスプレイ上で指紋認証が可能になる。指紋の凹凸に相当した検出位置分解能を有することで、指または手をディスプレイ上に直接押し当てることで、個人認証が可能となる。例えば、全画素に歪センサ(センサ部50)を設けることで、指の指紋の位置分解を行う。例えば、各画素から検知した歪情報を画像化することによって、指紋の個人認証を行うことも可能となる。これにより、特別な指照合用のセンサを用いる必要はなくなる。
【0173】
また、位置分解能が高くなることで、毛筆のような微妙な手書き文字の検知も可能となる。現在のペン入力の携帯端末では、デジタルな文字であるのに対し、一画素ごとに表示、非表示が可能となるため、このような手書き文字の感触まで含めて入力することが可能となる。
【0174】
また、ページめくりの仕方に強弱をつけることも可能となる。現在は、ページをめくる動作をするかしないかという、デジタルな検知となっている。しかしながら、実施形態によれば、ページをめくるときの指の押す面積の大小によって、ページを10ページ単位でめくったり、1ページごとにめくったりという、アナログ的なページめくりが可能となる。例えば、1ページごとにめくるときは、最初に指で押されている領域が小さく、その押された領域が動く。一方、最初に押されている領域が大きく、その押された領域が動くときには複数ページをめくる動作として認識させることが可能である。これにより、より実際の紙の本をめくるような感覚に近づけることが可能となる。これは、実施形態に係るタッチパネルでは、押された面積を正確に把握することが可能であり、これにより、このような詳細な制御を行うことが可能となる。押された領域の面積の大きさによって、めくるページの大小を変えることが可能となる。
【0175】
また、現在のディスプレイは十分に高精細なため、手書きの文字の細かい形状を表示することは容易である。しかしながら、入力に関しては、入力センシングの位置分解能が極めて粗いため、手書き毛筆のような感覚を電子端末上に入力することは困難である。しかしながら、実施形態によれば、歪センサ(センサ部50)を例えば全画素に細かく配置することが可能なので、高精細の位置分解能が得られる。これにより、毛筆のような書式も電子入力が可能になる。
【0176】
実施形態によれば、高解像度のタッチ式入力が可能なタッチパネル及び表示装置が提供される。
【0177】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明の実施形態は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、タッチパネルに含まれる第1配線、第2配線、センサ部、第1強磁性層、第2強磁性層、中間層及び制御部、並びに、表示装置に含まれる第1トランジスタ、第2トランジスタ、画素電極、光学層、液晶層及び第3配線などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0178】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0179】
その他、本発明の実施の形態として上述したタッチパネル及び表示装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全てのタッチパネル及び表示装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0180】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0181】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0182】
10…第1強磁性層、 20…第2強磁性層、 30…中間層、 41…下地層、 42…反強磁性層、 43…保護層、 44…磁化固定層、 45…反平行結合層、 50…センサ部、 50a…一端、 50b…他端、 50e…検出要素、 51…第1電極、 52…第2電極、 53…絶縁層、 54a…基体、 54b…カバー層、 55a〜55d…第1〜第4絶縁層、 61…第1トランジスタ、 61D…第1ドレイン、 61G…第1ゲート、 61I…ゲート絶縁膜、 61M…第1半導体層、 62…第2トランジスタ、 62D…第2ドレイン、 62G…第2ゲート、 62S…第2ソース、 65…画素電極、 65a…隔壁、 65b…導電層、 66…対向電極、 67…樹脂層、 70…光学層、 70e…表示画素、 70f〜70h…第1〜第3画素、 71…液晶層、 72…有機発光層、 73…キャパシタンス、 80…突起部、 80s…スペーサ、 101…制御部、 105…制御回路、 110…第1配線、 110d…第1配線用回路、 111…表示用走査配線、 120…第2配線、 120d…第2配線用回路、 121…表示用信号配線、 130…第3配線、 210…第1基板、 210a…第1基板部、 220…第2基板、 220a…第2基板部、 240a〜240c…第1〜第3色層、 310…タッチパネル、 320、321〜325、330、321、332…表示装置、 C50、C61…電流、 DO…表示動作、 HL…ハイ状態、 LL…ロウ状態、 SO…検出動作、 Tf…フレーム周期
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に沿って並ぶ複数の第1配線であって、前記複数の第1配線のそれぞれは前記第1方向と交差する第2方向に沿って延びる複数の第1配線と、
前記第1方向と交差する第3方向に沿って並ぶ複数の第2配線であって、前記複数の第2配線のそれぞれは前記第3方向と交差する第4方向に沿って延びる複数の第2配線と、
それぞれが前記複数の第1配線と前記複数の第2配線とのそれぞれの交差部に設けられた複数のセンサ部であって、複数のセンサ部のそれぞれは、第1強磁性層と、第2強磁性層と、非磁性材料を含むの中間層と、を含み、前記中間層を介して前記第1強磁性層と前記第2強磁性層との間に電流が通電可能であり、一端が前記複数の第1配線のそれぞれと接続され、他端が前記複数の第2配線のそれぞれと接続された複数のセンサ部と、
前記複数の第1配線と前記複数の第2配線とに接続された制御部と、
を備え、
前記センサ部の前記第1強磁性層と前記第2強磁性層との間の電気抵抗は、前記センサ部に加わる応力に応じて高抵抗値と前記高抵抗値よりも低い低抵抗値との間で変化し、
前記制御部は、前記センサ部における前記電気抵抗の変化を検出するタッチパネル。
【請求項2】
前記第1強磁性層及び前記第2強磁性層の少なくともいずれかは、Fe、Co及びNiの少なくともいずれかを含み、
前記中間層は、Mg、Al及びTiの少なくともいずれかの酸化物、並びに、Mg、Al及びTiの少なくともいずれかの窒化物の少なくともいずれかを含む請求項1記載のタッチパネル。
【請求項3】
前記中間層の厚さは、1ナノメートル以上3ナノメートル以下である請求項1または2に記載のタッチパネル。
【請求項4】
前記第1強磁性層及び前記第2強磁性層の少なくともいずれかの強磁性層の磁化方向は、前記応力に応じて変化し、前記少なくともいずれかの強磁性層の磁歪定数の絶対値は、10−5以上である請求項1記載のタッチパネル。
【請求項5】
前記請求項1〜4のいずれか1つに記載のタッチパネルと、
それぞれが前記交差部のそれぞれに設けられた複数の第1トランジスタと、
それぞれが前記交差部のそれぞれに設けられ、前記複数の第1トランジスタの一端と直接または間接に接続された複数の画素電極と、
前記第1トランジスタを介して前記画素電極に供給された電荷に基づいて、光を放出する、及び、複屈折性、旋光性、散乱性、回折性及び吸収性の少なくともいずれかを含む光学特性が変化する光学層と、
を備えた表示装置。
【請求項6】
前記複数の第1トランジスタのそれぞれのゲートは、前記複数の第1配線のそれぞれに接続され、
前記複数の第1トランジスタのそれぞれの他端は、前記複数の第2配線のそれぞれに接続されている請求項5記載の表示装置。
【請求項7】
前記低抵抗値は、前記第1トランジスタの前記一端と前記他端との間が導通状態のときの前記第1トランジスタの前記一端と前記他端との間の電気抵抗よりも高く、
前記高抵抗値は、前記第1トランジスタの前記一端と前記他端との間が非導通状態のときの前記第1トランジスタの前記一端と前記他端との間の電気抵抗よりも低い請求項6記載の表示装置。
【請求項8】
前記低抵抗値は、1メガオームよりも高く、
前記高抵抗値は、1テラオームよりも低い請求項6または7に記載の表示装置。
【請求項9】
第1基板と、
前記第1基板と対向する第2基板と、
前記第1基板の前記第2基板に対向する面、及び、前記第2基板の前記第1基板に対向する面の少なくともいずれかに設けられた複数の突起部と、
をさらに備え、
前記タッチパネルと、前記複数の第1トランジスタと、前記複数の画素電極と、は、前記第1基板の前記第2基板に対向する前記面上に設けられ、
前記光学層は、前記第1基板と前記第2基板との間に配置され、
前記複数の突起部のそれぞれは、前記第1方向と前記第2方向とを含む平面に対して垂直な方向から見たときに、前記センサ部と重なる部分を有し、
前記突起部は、前記第1基板及び前記第2基板へ加わる応力を前記センサ部に伝達する請求項5〜8のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項10】
複数の表示用走査配線をさらに備え、前記複数の表示用走査配線は、前記第1方向に沿って並び、前記複数の表示用走査配線のそれぞれは前記第2方向に沿って延び、
前記複数の第1トランジスタのそれぞれのゲートは、前記複数の表示用走査配線のそれぞれに接続され、
前記複数の第1トランジスタのそれぞれの他端は、前記複数の第2配線のそれぞれに接続されている請求項5記載の表示装置。
【請求項11】
複数の表示用信号配線をさらに備え、前記複数の表示用信号配線は、前記第3方向に沿って並び、前記複数の表示用信号配線のそれぞれ前記第4方向に沿って延び、
前記複数の第1トランジスタのそれぞれのゲートは、前記複数の第1配線のそれぞれに接続され、
前記複数の第1トランジスタのそれぞれの他端は、前記複数の表示用信号配線のそれぞれに接続されている請求項5記載の表示装置。
【請求項12】
複数の表示用走査配線と、
複数の表示用信号配線と、
をさらに備え、
前記複数の表示用走査配線は、前記第1方向に沿って並び、前記複数の表示用走査配線のそれぞれは前記第2方向に沿って延び、
前記複数の表示用信号配線は、前記第3方向に沿って並び、前記複数の表示用信号配線のそれぞれは前記第4方向に沿って延び、
前記複数の第1トランジスタのそれぞれのゲートは、前記複数の表示用走査配線のそれぞれに接続され、
前記複数の第1トランジスタのそれぞれの他端は、前記複数の表示用信号配線のそれぞれに接続されている請求項5記載の表示装置。
【請求項13】
前記第1強磁性層から前記第2強磁性層に向かう積層方向に対して垂直な第1軸に沿った前記センサ部の長さ5マイクロメートル以下であり、前記積層方向に対して垂直で前記第1軸に対して垂直な第2軸に沿った前記センサ部の長さは5マイクロメートル以下である請求項5〜12のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項14】
前記第1方向と前記第2方向とを含む平面内における前記複数のセンサ部それぞれの面積は、前記平面内における前記複数の画素電極のそれぞれの面積の5%以下である請求項5〜13のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項15】
前記光学層は、液晶を含む請求項5〜14のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項16】
複数の第3配線と、
複数の第2トランジスタと、
をさらに備え、
前記複数の第2トランジスタのそれぞれのゲートは、前記第1トランジスタのそれぞれの前記一端と接続され、
前記複数の第2トランジスタのそれぞれの一端は、前記複数の画素電極のそれぞれと接続され、
前記複数の第2トランジスタのそれぞれの他端は、前記複数の第3配線のそれぞれと接続され、
前記光学層は、有機発光材料を含む請求項6〜9のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項1】
第1方向に沿って並ぶ複数の第1配線であって、前記複数の第1配線のそれぞれは前記第1方向と交差する第2方向に沿って延びる複数の第1配線と、
前記第1方向と交差する第3方向に沿って並ぶ複数の第2配線であって、前記複数の第2配線のそれぞれは前記第3方向と交差する第4方向に沿って延びる複数の第2配線と、
それぞれが前記複数の第1配線と前記複数の第2配線とのそれぞれの交差部に設けられた複数のセンサ部であって、複数のセンサ部のそれぞれは、第1強磁性層と、第2強磁性層と、非磁性材料を含むの中間層と、を含み、前記中間層を介して前記第1強磁性層と前記第2強磁性層との間に電流が通電可能であり、一端が前記複数の第1配線のそれぞれと接続され、他端が前記複数の第2配線のそれぞれと接続された複数のセンサ部と、
前記複数の第1配線と前記複数の第2配線とに接続された制御部と、
を備え、
前記センサ部の前記第1強磁性層と前記第2強磁性層との間の電気抵抗は、前記センサ部に加わる応力に応じて高抵抗値と前記高抵抗値よりも低い低抵抗値との間で変化し、
前記制御部は、前記センサ部における前記電気抵抗の変化を検出するタッチパネル。
【請求項2】
前記第1強磁性層及び前記第2強磁性層の少なくともいずれかは、Fe、Co及びNiの少なくともいずれかを含み、
前記中間層は、Mg、Al及びTiの少なくともいずれかの酸化物、並びに、Mg、Al及びTiの少なくともいずれかの窒化物の少なくともいずれかを含む請求項1記載のタッチパネル。
【請求項3】
前記中間層の厚さは、1ナノメートル以上3ナノメートル以下である請求項1または2に記載のタッチパネル。
【請求項4】
前記第1強磁性層及び前記第2強磁性層の少なくともいずれかの強磁性層の磁化方向は、前記応力に応じて変化し、前記少なくともいずれかの強磁性層の磁歪定数の絶対値は、10−5以上である請求項1記載のタッチパネル。
【請求項5】
前記請求項1〜4のいずれか1つに記載のタッチパネルと、
それぞれが前記交差部のそれぞれに設けられた複数の第1トランジスタと、
それぞれが前記交差部のそれぞれに設けられ、前記複数の第1トランジスタの一端と直接または間接に接続された複数の画素電極と、
前記第1トランジスタを介して前記画素電極に供給された電荷に基づいて、光を放出する、及び、複屈折性、旋光性、散乱性、回折性及び吸収性の少なくともいずれかを含む光学特性が変化する光学層と、
を備えた表示装置。
【請求項6】
前記複数の第1トランジスタのそれぞれのゲートは、前記複数の第1配線のそれぞれに接続され、
前記複数の第1トランジスタのそれぞれの他端は、前記複数の第2配線のそれぞれに接続されている請求項5記載の表示装置。
【請求項7】
前記低抵抗値は、前記第1トランジスタの前記一端と前記他端との間が導通状態のときの前記第1トランジスタの前記一端と前記他端との間の電気抵抗よりも高く、
前記高抵抗値は、前記第1トランジスタの前記一端と前記他端との間が非導通状態のときの前記第1トランジスタの前記一端と前記他端との間の電気抵抗よりも低い請求項6記載の表示装置。
【請求項8】
前記低抵抗値は、1メガオームよりも高く、
前記高抵抗値は、1テラオームよりも低い請求項6または7に記載の表示装置。
【請求項9】
第1基板と、
前記第1基板と対向する第2基板と、
前記第1基板の前記第2基板に対向する面、及び、前記第2基板の前記第1基板に対向する面の少なくともいずれかに設けられた複数の突起部と、
をさらに備え、
前記タッチパネルと、前記複数の第1トランジスタと、前記複数の画素電極と、は、前記第1基板の前記第2基板に対向する前記面上に設けられ、
前記光学層は、前記第1基板と前記第2基板との間に配置され、
前記複数の突起部のそれぞれは、前記第1方向と前記第2方向とを含む平面に対して垂直な方向から見たときに、前記センサ部と重なる部分を有し、
前記突起部は、前記第1基板及び前記第2基板へ加わる応力を前記センサ部に伝達する請求項5〜8のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項10】
複数の表示用走査配線をさらに備え、前記複数の表示用走査配線は、前記第1方向に沿って並び、前記複数の表示用走査配線のそれぞれは前記第2方向に沿って延び、
前記複数の第1トランジスタのそれぞれのゲートは、前記複数の表示用走査配線のそれぞれに接続され、
前記複数の第1トランジスタのそれぞれの他端は、前記複数の第2配線のそれぞれに接続されている請求項5記載の表示装置。
【請求項11】
複数の表示用信号配線をさらに備え、前記複数の表示用信号配線は、前記第3方向に沿って並び、前記複数の表示用信号配線のそれぞれ前記第4方向に沿って延び、
前記複数の第1トランジスタのそれぞれのゲートは、前記複数の第1配線のそれぞれに接続され、
前記複数の第1トランジスタのそれぞれの他端は、前記複数の表示用信号配線のそれぞれに接続されている請求項5記載の表示装置。
【請求項12】
複数の表示用走査配線と、
複数の表示用信号配線と、
をさらに備え、
前記複数の表示用走査配線は、前記第1方向に沿って並び、前記複数の表示用走査配線のそれぞれは前記第2方向に沿って延び、
前記複数の表示用信号配線は、前記第3方向に沿って並び、前記複数の表示用信号配線のそれぞれは前記第4方向に沿って延び、
前記複数の第1トランジスタのそれぞれのゲートは、前記複数の表示用走査配線のそれぞれに接続され、
前記複数の第1トランジスタのそれぞれの他端は、前記複数の表示用信号配線のそれぞれに接続されている請求項5記載の表示装置。
【請求項13】
前記第1強磁性層から前記第2強磁性層に向かう積層方向に対して垂直な第1軸に沿った前記センサ部の長さ5マイクロメートル以下であり、前記積層方向に対して垂直で前記第1軸に対して垂直な第2軸に沿った前記センサ部の長さは5マイクロメートル以下である請求項5〜12のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項14】
前記第1方向と前記第2方向とを含む平面内における前記複数のセンサ部それぞれの面積は、前記平面内における前記複数の画素電極のそれぞれの面積の5%以下である請求項5〜13のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項15】
前記光学層は、液晶を含む請求項5〜14のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項16】
複数の第3配線と、
複数の第2トランジスタと、
をさらに備え、
前記複数の第2トランジスタのそれぞれのゲートは、前記第1トランジスタのそれぞれの前記一端と接続され、
前記複数の第2トランジスタのそれぞれの一端は、前記複数の画素電極のそれぞれと接続され、
前記複数の第2トランジスタのそれぞれの他端は、前記複数の第3配線のそれぞれと接続され、
前記光学層は、有機発光材料を含む請求項6〜9のいずれか1つに記載の表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2013−73374(P2013−73374A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−211211(P2011−211211)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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