タッチパネル装置、タッチパネル装置の操作支援方法、及びタッチパネル装置の操作支援プログラム
【課題】 タイムラグがなく迅速な操作を行うことができるタッチパネル装置であって、操作すべきポイントが視認しやすく操作性を向上することができるタッチパネル装置、タッチパネル装置の操作支援方法、タッチパネルの操作支援プログラムを提供する。
【解決手段】 表示部と、前記表示部に配置され、操作者がタッチにより入力操作を行うタッチパネルと、前記タッチパネルへのタッチ操作によるタッチ位置の座標を検出するタッチ座標検出手段と、表示部に1又は複数の入力項目を表示するとともに、その表示位置に対応するタッチ位置の座標が、前記タッチ座標検出手段によって検出されたときに、前記入力項目が入力されたと判断する制御部と、を有し、前記制御部は、前記タッチ座標検出手段によって検出されたタッチ位置の座標により、前記入力項目が確定できないときに、表示部の表示態様を変化させる制御部と、を備えることを特徴とするタッチパネル装置。
【解決手段】 表示部と、前記表示部に配置され、操作者がタッチにより入力操作を行うタッチパネルと、前記タッチパネルへのタッチ操作によるタッチ位置の座標を検出するタッチ座標検出手段と、表示部に1又は複数の入力項目を表示するとともに、その表示位置に対応するタッチ位置の座標が、前記タッチ座標検出手段によって検出されたときに、前記入力項目が入力されたと判断する制御部と、を有し、前記制御部は、前記タッチ座標検出手段によって検出されたタッチ位置の座標により、前記入力項目が確定できないときに、表示部の表示態様を変化させる制御部と、を備えることを特徴とするタッチパネル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指先等でタッチすることによりデータの入力操作を行うタッチパネル装置に関する技術である。
【背景技術】
【0002】
指等でタッチすることにより入力操作を行うタッチパネル装置は、各種情報端末装置、携帯端末等に種々用いられており、その種類及び操作方法は多様化している。このタッチパネル装置は、表示部の画面上に透明のタッチパネルを重ねて配設して、タッチパネル表面上に触れることによりデータの入力が行われる。
【0003】
タッチパネル上の座標と表示部の座標は整合性を有しており、表示部に表示されたボタン上のタッチパネルに触れるとボタンが操作されたものとして判断される。従って、タッチパネル装置の操作は、操作しようとするボタン上のタッチパネルに正確に触れる必要があった。
【0004】
この操作は、健常者にとっては何ら問題なく、操作しようとするボタン上の正確な位置のタッチパネルに触れることができる。しかし、例えば、障害者が高齢者等、特に手が不自由な人にとっては、正確な位置を操作することは困難であり、誤入力が発生することがあった。
【0005】
又、健常者であっても、ナビ等の操作においては、運転に集中するため、画面を注視して操作することができないため、誤って意図したボタン以外のボタンを押してしまうことがあった。
【0006】
このような問題を鑑みて、特開平11−45141に示すデータ入力装置が提案されていた。このデータ入力装置は、表示部と、該表示部に重ねて配設されるタッチパネルと、該タッチパネル装置に触れている部分が前記表示部のどの部分に対応するかを検出する座標検出手段と、前記タッチパネルに触れることを以て前記表示部に表示されるボタンを操作したかどうかを判断するボタン識別判断部と、を備えたデータ入力装置において、前記ボタンに割り当てられたボタン識別範囲内の座標を連続して触れている時間が予め定められている操作時間を超えたときに前記ボタンが操作されたとして前記ボタン識別部において判断するようにしたことを特徴としている。
【0007】
このデータ入力装置は前記構成により、操作しようとしたボタン以外のボタンに触れたとしても、ただちにボタンが操作されたと判断しないため、誤入力の発生を低減し、利用者は入力の煩わしさを感じることが少なくなった。
【0008】
また、前記データ入力装置は、前記タッチパネルの最初に触れた点の近傍を前記表示部に拡大表示する構成を備えている。この構成により、利用者がボタンの操作を行おうとするとき、表示部のボタンを自動的に拡大表示するため、利用者の誤入力を更に防止することが可能であった。
【0009】
しかし、前記データ入力装置は、一定の操作時間の経過によって操作したか否かを判断するため、操作に操作時間以上の時間を要し、迅速な操作を行えないという問題点があった。また、最初に触れた点の近傍を拡大表示することにより、利用者のタッチすべき箇所を見やすくすることができるものの、タッチ位置によっては操作しようとするボタン以外
の箇所が拡大表示されることもあり、操作性の向上に繋がらないこともあった。
【特許文献1】特開平11−45141号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前記種々の問題に鑑みて成されたものであり、タイムラグがなく迅速な操作を行うことができるタッチパネル装置であって、操作すべきポイントが視認しやすく操作性を向上することができるタッチパネル装置、タッチパネル装置の操作支援方法、及びタッチパネル装置の操作支援プログラムを提供することを技術的課題とする。
【0011】
又、ナビ等の車載機器においても、運転に集中しながらでも誤入力を行わずに済むタッチパネル装置、タッチパネル装置の操作支援方法、及びタッチパネル装置の操作支援プログラムを提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、前記問題に鑑みて以下のように構成されている。すなわち、本発明は、表示部と、前記表示部に配置され、操作者がタッチにより入力操作を行うタッチパネルと、前記タッチパネルへのタッチ操作によるタッチ位置の座標を検出するタッチ座標検出手段と、表示部に1又は複数の入力項目を表示するとともに、その表示位置に対応するタッチ位置の座標が、前記タッチ座標検出手段によって検出されたときに、前記入力項目が入力されたと判断する制御部と、を有し、前記制御部は、前記タッチ座標検出手段によって検出されたタッチ位置の座標により、前記入力項目が確定できないときに、表示部の表示態様を変化させる制御部と、を備えることを特徴とするタッチパネル装置。
【0013】
また、前記制御部は、前記タッチ位置の座標に応じて、前記表示部の表示態様を変化させる。さらに、前記制御部は、前記タッチパネルの接触圧に応じて、前記表示部の表示態様を変化させる。また、前記制御部は、前記タッチパネルの接触時間に応じて、前記表示部の表示態様を異ならせることを特徴としてもよい。
【0014】
また、本発明は、1又は複数の入力項目を表示する表示部と、前記表示部に配置され、操作者がタッチにより入力操作を行うタッチパネルと、を備えたタッチパネル装置における利用者の操作処理を支援するタッチパネル装置の操作支援方法であって、前記タッチパネルへのタッチ操作によるタッチ位置の座標を検出するステップと、前記で検出したタッチ位置の座標が入力項目の表示位置に対応するか否かを判別するステップと、前記表示位置とタッチ位置の座標が入力項目の表示位置に対応しないときに、表示部の表示態様を変化させるステップと、を備えることを特徴とするタッチパネル装置の操作支援方法である。
【0015】
また、本発明は、1又は複数の入力項目を表示する表示部と、前記表示部に配置されタッチパネルと、を備えたタッチパネル装置における利用者の操作処理を支援するタッチパネル装置の操作支援プログラムであって、前記タッチパネルへのタッチ操作によるタッチ位置の座標を検出するステップと、前記で検出したタッチ位置の座標が入力項目の表示位置に対応するか否かを判別するステップと、前記タッチ位置の座標が前記入力項目の表示位置に対応しないときに、表示部の表示態様を変化させるステップと、をコンピュータによって実行可能なタッチパネル装置の操作支援プログラムである。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明によれば、タイムラグがなく迅速な操作を行うことができる。また、操作すべきポイントを視認しやすくすることができ、操作性を向上することが可能となる。これにより、障害者にとっても操作が容易な方法を提供できる。又、運転中などの
ように、画面に集中できないシチュエーションでも、誤入力のない良好な操作性を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態1に係るタッチパネル装置のブロック図である。1はタッチパネルであり、液晶表示部2の画面上に重ねて配設されている。すなわち、利用者が液晶表示部2に表示されたキー等に触れようとすると、実際にはタッチパネル1に触れることになる。尚、以下では表示部として液晶表示部で説明するが、特に液晶表示部でなくても、CRTディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等どのような表示装置でも用いることができる。
【0018】
3は座標検出手段であり、利用者がタッチパネルに触れたタッチ位置、及び操作画面によって適宜変更して表示される液晶表示部のキー等の座標を検出する。なお、タッチパネル1に展開される座標と、液晶表示部2上に展開される座標は一致している。
【0019】
4は圧力検出手段であり、前記座標検出手段からタッチ位置の座標を受け、利用者がタッチした位置の接触圧を検出する。圧力検出手段4は、タッチパネル1の背面に配置された圧力センサである。接触圧が所定値(P1)以上であれば、通常の操作(当該位置のキーを操作した)として、所定値(P1)未満であれば、当該位置の操作でないとして、液晶表示部の表示態様を変化させるように、タッチ位置とキーの座標及び前記接触圧を制御部に送る。
【0020】
5は制御部であり、前記圧力検出手段から座標と接触圧を受け、P1以上の接触圧であるときは、通常の操作であるため、当該タッチ位置がキーであるときには、そのキーが操作されたとして処理する。当該タッチ位置がキーでないときには、処理を進められないため、エラーメッセーを利用者に提示すべく、液晶表示部にエラー情報を送る。
【0021】
一方、前記圧力検出手段から受けた接触圧がP1未満のときは、通常の操作(キーの操作)として、液晶表示部の表示態様を変化させる。
【0022】
次いで、本実施の形態に係るタッチパネル装置の動作について、図2に示すフローチャートに基づいて説明する。本実施の形態に係るタッチパネル装置は、カーナビゲーションシステムとしての車載端末である。尚、本実施の形態では、種々の表示態様の変化の中で拡大表示を例に挙げて説明する。
【0023】
まず、利用者は、タッチパネル1を通して液晶表示部2に表示されるキーと地図を読み取る。タッチパネル装置の液晶表示部2には、図3に示すように、現在走行している道路状況を示す画面と、現在の位置を示す地図の画面とが表示され、その下部には、「詳細」、「OFF」、「情報」、「表示変更」、「再検索」、「地点登録」、「広域」の計七個のキーが表示されている(ステップ1)。
【0024】
利用者によって、タッチパネル1がタッチされると(ステップ2)、タッチパネル装置の座標検出手段3は、当該タッチ位置と、キーの座標を検出する(ステップ3)。次いで、前記タッチ位置の座標を受けた圧力検出手段は、当該タッチ位置の接触圧がP1以上であるかを検出する(ステップ4)。
【0025】
前記接触圧がP1以上のときは、タッチ位置の座標とキーの座標が一致しているか否かを判別する(ステップ5)。タッチ位置の座標とキーの座標が一致するときには、当該タッチ位置のキー操作されたとして、操作処理を行う(ステップ6)。
【0026】
一方、前記タッチ位置の座標とキーの座標が一致しないときには、キーでない箇所を操作しているため、操作処理を行うことができず、「キーを選択してください」等の表示、又はブザー音等操作処理が行えないことを利用者に知らせるエラー表示をする(ステップ7)。前記エラー表示により、利用者に再度の操作処理を促した後、通常の表示画面(図3参照)に戻る。
【0027】
一方、前記接触圧がP1未満のときには、利用者が操作処理をしてないと判断して、液晶表示部の表示態様を変化させる(ステップ8)。具体的には、例えば、タッチ位置の座標を中心にその周辺を四倍率で拡大表示する(図4参照)。以下、前記と同様にして、利用者に再度のタッチ操作を待って、処理が繰り返される。
【0028】
本実施の形態1に係るタッチパネル装置は、前記拡大表示をすることにより、タッチ位置の周辺を利用者に見えやすいように表示して、利用者に正確なキー操作を促すことができる。特に、キーが近接して配置されているときには、誤入力を低減することが可能となる。また、利用者が操作したか否かを接触圧によって判別するため、即時に操作したか否かを判別することができる。従って、タイムラグが少なくなり、迅速な処理を行うことが可能となる。
【0029】
実施の形態1では、タッチ位置を中心にその周辺を四倍率で拡大表示したが、拡大する倍率は適宜に変更することが望ましく、例えば、「倍率変更」キーを設けて、利用者が倍率を選択できるようにしてもよい。
【0030】
さらに、実施の形態1では、前記タッチ位置を中心に拡大表示したが、予め液晶表示部2を一定数の区画に分割して制御して、タッチ位置の座標を含む区画を拡大表示するように構成しても良し、前記タッチ位置の座標を含む区画にキーが表示されているときに、当該区画の表示態様を変化させることを特徴としてもよい。前記区画に基づいて制御することにより、操作の度にタッチ位置及びキーの正確な座標を検出する必要がなく、制御を簡易なものにすることができる。従って、正確且つ迅速な処理を行うことが可能となる。
【0031】
さらに、前記区画に分割した制御において、前記タッチ位置の座標を含む区画にキーが表示されていないときに、当該区画に隣接する区画の表示態様を変化させるように構成してもよい。
【0032】
利用者がタッチしたタッチ位置を含む区画にキーが配置されていないときは、利用者は、押下しようとするキーから離れた位置をタッチしたといえる。従って、タッチ位置を含む区画に隣接する区画の表示態様を変化させる。これにより、利用者は、改めて表示態様が異なった区画を視認して、押下すべきキーを選択して操作をすることができる。すなわち、利用者に対して正しいキーの選択を促すことができる。
【0033】
加えて、本発明に係るタッチパネル装置は、前記区画の分割数の設定を受け付ける区画設定受付手段を更に備えていることを特徴としてもよい。前記区画設定受付手段は、予め設定されている区画の分割数の変更を受け付ける手段である。この区画設定受付手段を備えることにより、予め表示部全体の四分の一、八分の一、十六分の一等適宜に設定されていた分割数を、個々の利用者によって変更することができ、利用者は自分に合う見やすい状態に液晶表示部を変化させることができる。
【0034】
<実施の形態2>
実施の形態2は、実施の形態1と表示画面の変化の態様を異ならせた実施例である。タッチパネル装置の概略構成は、同様であるため、同符号を用いて説明を省略する。以下、
本実施の形態2に係るタッチパネル装置の動作について、図5に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0035】
ステップ1からステップ7は、実施の形態1と同様である。利用者がタッチしたタッチ位置の接触圧が、P1未満のときには、利用者が操作処理をしてないと判断して、液晶表示部の表示態様を変化させる。具体的には、まず、タッチ位置の座標とキーの座標が一致するか否かを判別する(ステップ9)。
【0036】
タッチ位置の座標とキーの座標が一致するときには、当該キーのみを拡大表示する(ステップ10)。例えば、利用者が「詳細」キーをタッチしたときは、「詳細」キーを画面上に拡大表示する(図6参照)。利用者に対して、操作処理すべきキーが当該キーで良いのか否かを再確認させるためである。以下、再度のタッチ操作を待って、処理が繰り返される。
【0037】
一方、前記タッチ位置の座標とキーの座標が一致しないときには、前記タッチ位置の周辺に配置されたキーのみを拡大表示する(ステップ11)。この場合、周辺に配置されたキーのうち最も近いキーを選択して表示してもよいし、複数選択して表示しても良い。ただし、利用者がタッチ操作したタッチ位置との距離で選択することが望ましい。
【0038】
このようにキーのみを選択して拡大表示することにより、限られたスペースである画面上にキーを大きく表示することができ、利用者はキーを識別しやすくなり、更に誤入力を低減することができる。
【0039】
尚、前記変化後の画面において、利用者が選択しようと考えていたキーが表示されていない場合もあり、この場合には画面を元の通常表示に戻さなければならない。従って、前記実施の形態1及び本実施の形態2における拡大表示においては、前の画面に戻るための「戻る」又は「前画面」キーを変化後の併せて表示することが望ましい(図7参照)。
【0040】
さらに、本実施の形態2では、現在走行している道路状況を示す画面と現在の位置を示す地図の画面上にキーを拡大表示したが、拡大表示をするときに前記道路状況を示す画面と現在の位置を示す画面を表示せず、キーのみを表示してもよい。キーのみの表示とすることにより、更にキーが見やすくなり、利用者がキーを選択しやすくすることができる。
【0041】
加えて、通常の表示のときにおいてもキーのみの表示を選択できるように構成してもよい。例えば、「キーのみ表示」等のキーのみの表示を選択するキーを表示して、そのキーを選択することにより、前記道路状況を示す画面等と併せて表示する表示態様と、キーのみの表示態様とを選択できるように構成する。前記構成により、利用者はキーを操作したいときに、キーのみの表示として、キーを選択しやすくすることができる。
【0042】
<実施の形態3>
実施の形態3は、前記実施の形態と変化態様を異ならせた実施例である。タッチパネル装置の概略構成は、同様であるため、同符号を用いて説明を省略する。本実施の形態3に係るタッチパネル装置は、押下されたキーの利用回数をキー毎に蓄積して、キーの利用頻度を算出するキー利用頻度蓄積手段を備えており、前記キーの利用頻度と利用者のタッチ位置の座標とに基づいて表示態様を変化させる。
【0043】
以下、本実施の形態3に係るタッチパネル装置の動作について、図8に示すフローチャートに基づいて説明する。ステップ1からステップ10は、前記実施形態2と同様である。
【0044】
利用者がタッチ操作したタッチ位置の接触圧がP1未満で、タッチ位置の座標とキーの座標が一致しないときには、前記キー利用頻度蓄積手段に蓄積された利用頻度に基づいて、任意数のキーを選択し、拡大表示する(ステップ12)。
【0045】
具体的には、予めキーを操作する毎に前記キー利用回数蓄積手段に該当するキーの利用をカウントして、それを蓄積しておく。そして、表示態様を変化させるときに、利用頻度の高いキーを優先的に拡大表示する。利用者毎に利用するキーは特徴があり、例えば、車載端末においては、カーナビゲーションシステムを多用する利用者、音楽等を多用する利用者等利用者毎に多用するキーは異なる。従って、利用者毎にその利用頻度を蓄積し、その蓄積データに基づいて表示態様を変化させることにより、その利用者が多用するキーを優先的に押下しやすいように表示することができる。
【0046】
尚、操作すべきキーが表示されていないこともあるので、前記と同様に、「戻る」、「通常表示」等、全てのキーが表示される画面を選択させるためのキーを併せて表示することが望ましい。また、ここで表示するキーの数は、予め設定しても良いし、利用者が手入力により設定するように構成してもよい。
【0047】
さらに、前記実施形態2と組み合わせて、タッチ位置の周辺のキーを表示するときに、タッチ位置の周辺にキーが多く、液晶表示部2上に表示できないときに、利用頻度によって表示するキーの数を絞り込むように構成してもよいし、液晶表示部2内に収まるようにキーのサイズを変更するように構成してもよい。
【0048】
尚、本実施の形態では、拡大表示を例として表示態様の変化を説明したが、本発明に係るタッチパネル装置の表示態様の変化は、前記拡大表示に限られず、色彩の変化、明度の変化、キーのみの表示及びキーの表示倍率等を含むことはもちろんである。
前記液晶表示部の表示態様の変化は、利用者の操作性を向上させるような表示態様の変化であれば良く、種々の構成とすることができる。前記拡大表示とは、タッチ位置を基準として、その周辺や周辺に位置するキーのみ等を拡大表示することであり、タッチ位置を含む四分の一、八分の一、十六分の一等利用者の視認性に応じて種々倍率を異ならせることができる。
【0049】
前記色彩の変化とは、タッチ位置の座標に基づき、その周辺や周辺に位置するキー等の色彩を変化させることである。例えば、タッチ位置の周辺のみを変化前の画面と対照的な色合いに変化させることより、タッチ位置周辺を目立たせることができ、利用者に押下すべきキーの位置を認識させやすくなる。
【0050】
前記明度の変化とは、タッチ位置の座標に基づき、その周辺や周辺に位置するキー等、部分的に明るさを変化させることである。例えば、タッチ位置の周辺に位置するキーのみの明度を高め、その他のキーの明度を低くすることにより、利用者はタッチ位置周辺のキーが見やすくなり、操作性が向上される。
【0051】
前記キーのみの表示とは、前記液晶表示部に操作を行うべきキーのみを表示して、その他の画像、文字等を表示しないことである。キーのみの表示にすることにより、利用者は押下すべきキーのみを視認するため、キーの選択を容易に行うことができる。尚、キーのみを表示するとき、全てのキーを表示しても良いし、任意に選択したキーのみを表示しても良く、使用態様に応じて種々設定することが望ましい。
【0052】
前記キーの表示倍率の変化は、例えば、前記タッチ位置の周辺のキーを拡大表示したり、前記タッチ位置の周辺以外のキーを縮小表示したりして、タッチ位置の周辺のキーのみを見やすくする構成である。
【0053】
尚、前記表示態様の変化は、前記で例示した各変化の態様のみであっても良いし、可能な限りこれらを組み合わせても良い。
【0054】
また、本発明に係るタッチパネル装置は、前記表示態様の変化の設定を受け付ける変化態様受付手段を更に備えていることを特徴としてもよい。前述のように、本発明における表示態様の変化は、拡大表示、色彩の変化、明度の変化、キーのみの表示、及びキーの表示倍率等種々の変化態様がある。
【0055】
前記種々の変化態様のうちいずれの表示態様の変化が認識しやすいかは、利用者によって異なる。利用者が自ら表示態様の変化の種類を選択することにより、より自分が認識しやすい表示態様に変化させることができる。前記表示態様受付手段を備えることにより、利用者にあったタッチパネル装置を提供することができる。また、この表示態様の変化を受け付けるためのキーを液晶表示部に表示して、キー操作と同様にタッチすることにより、表示態様の変化を受け付けるように構成してもよい。
【0056】
尚、前記表示態様受付手段は、拡大表示、色彩の変化、明度の変化、キーのみの表示、及びキーの表示倍率等の表示態様を選択を受け付けることができることはもちろんのこと、拡大する倍率、表示するキーのサイズ等の選択も含むものである。
【0057】
例えば、前記実施の形態において、予めキーの表示倍率を設定していたが、利用者が個々に設定できるように構成しても良い。例えば、「ボタン倍率」キーを表示し、利用者が自らキーの表示倍率を設定できるように構成してもよい。
【0058】
さらに、前記実施形態において、P1未満のタッチ操作が再度行われた場合には、更に拡大表示しても良いし、色彩の変化等他の表示態様の変化をするように構成してもよい。
【0059】
加えて、前記タッチパネル装置は、前記表示態様を変化させた画面と、表示態様を変化させる前の画面とを並べて表示することを特徴としてもよい。前記画面を並べて表示することにより、例えば、タッチした箇所が正確な位置であれば、変化後の画面にて、タッチした箇所が誤っていれば変化前の画面で、操作を行わせることができる。すなわち、両方の画面を並べて表示することにより、利用者に操作しやすい画面を選択させて操作することができ、利用者は自分が操作しやすい方の画面にて操作することが可能となる。
【0060】
<実施の形態4>
実施の形態4は、前記実施の形態と入力操作の判別態様を異ならせた実施形態である。タッチパネル装置の概略構成は、同様であるため、同符号を用いて説明を省略する。タッチパネル装置の動作について、図9に示す表示画面に基づいて説明する。
【0061】
図9は、表示態様の変化を示した図であり、(a)は、変化前であり、(b)は、図示する(2)をタッチ操作したときの変化後の画面である。同様に(c)は図示する(3)、(d)は図示する(4)をタッチ操作したときの変化後の画面である。
【0062】
実施の形態4に係るタッチパネル装置は、タッチ操作された位置に応じて表示を変えるように構成されている。ボタンの表示位置である、図示する(1)、(4)がタッチ操作された場合、確実に(1)、(4)の位置に表示されている「詳細」又は「OFF」ボタンが操作されたとみなして、拡大表示に切り換えず、直接入力を確定する。
【0063】
また、図示する(2)の位置がタッチ操作された場合、最寄りのボタンが「詳細」ボタンであることから、「詳細」ボタンを押そうとして誤って(2)の位置をタッチ操作したと判断す
る。この場合は、図9(b)に示すように「詳細」ボタンを拡大表示する。
【0064】
また、図示する(3)の位置がタッチ操作された場合、「詳細」ボタンと「OFF」ボタンまでの距離がほぼ等しいため、どちらを押そうとしたのか判断できない。そのため、図9(c)に示すように、「詳細」ボタンと「OFF」ボタンをほぼ同じ大きさで拡大表示する。
【0065】
図示する(5)の位置がタッチ操作された場合、どのボタンからも離れており、どのボタンを操作しようとしたか判断できない。従って単にタッチ操作した周辺を拡大表示する。
【0066】
また、タッチ操作の位置に最寄りのボタンのみ拡大表示するのではなく、次に近いボタンも重ねて表示するように構成してもよい。例えば、図10(c)に示すように、(2)の位置がタッチ操作された場合、最寄りのボタンは「詳細」であるが、「OFF」のボタンも近いため、「詳細」ボタンを拡大表示するとともに、「OFF」ボタンも少し小さく拡大表示するようにしてもよい。また、表示するボタンの大きさの比率をそれぞれのボタンからの距離に応じて変えてもよい。
【0067】
さらに、変形例として、図11に示すように、タッチ操作した位置がボタンの中であっても、ボタンの周辺に近い位置であった場合は、拡大表示するように構成してもよい。
【0068】
例えば、図11(a)に示す内側の点線に囲まれた範囲(1)をタッチ操作した場合は、確実に「詳細」ボタンが選択されたと判断して、拡大表示を行わず、直接入力を確定する。
【0069】
また、内側と外側の点線に挟まれた範囲(2)をタッチ操作した場合は、「詳細」ボタンが押された可能性が高いが、誤って押した可能性が高いため「詳細」ボタンを拡大表示する(図11(b))。
【0070】
さらに、外側の点線の外側(3)の領域がタッチ操作された場合は、ボタンを押した可能性もあるが、単にボタンの近くの地図をセンタリングするために触っただけの可能性があるので、ボタンの周辺を単純に拡大する(図11(c))。
【0071】
そして、ユーザが改めて図11(c)に示す(4)の位置をタッチ操作した場合は、前記拡大表示を解除して、(4)の位置がセンタリングされた通常の縮尺表示に戻る(図11(d))。
【0072】
なお、上述の説明において、タッチ位置とボタンの距離を判定するためには、図12(a)に示すように、表示されたオブジェクトの幾何学的な中止の位置を基準にして判定してもよいし、タッチ位置から、最も近い辺又は頂点までの距離で判定してもよい。
【0073】
また、不定的なオブジェクトのように幾何学的な中心がはっきり定義できない場合は、オブジェクトの重心位置との距離を求めて基準としてもよいし、図12(b)に示すように、オブジェクト毎に定義された基準点(図示する●。実際には視認されない)を基準として判別してもよい。この場合、前記基準点は必ずしもオブジェクトの中に含まれている必要はなく、オブジェクトの外側にあってもよいし、オブジェクトから離れていてもよい。例えば、図12(b)のようにオブジェクトが文字の際に好適に用いることができる。
【0074】
<実施の形態5>
実施の形態5は、前記入力操作の押圧力に基づいて、段階的にボタンの表示倍率を異ならせた実施形態である。タッチパネル装置の概略構成は、同様であるため、同符号を用いて説明を省略する。タッチパネル装置の動作について、図13に示す表示画面に基づいて
説明する。
【0075】
図13は、表示態様の変化を示した図であり、(a)は、変化前である。(b)は、図示する(1)を小さい押圧力でタッチ操作したときの変化後の画面であり、(c)は、(1)を更に小さい押圧力でタッチ操作したときの変化後の画面である。(d)は図示する(2)を大きい押圧力で、(e)は(2)を小さい押圧力でそれぞれタッチ操作したときの変化後の画面である。
【0076】
図13(a)に示す(1)の位置がタッチ操作された場合、押圧力が所定以上の場合は、確実に「詳細」ボタンが押されたと判断して、拡大表示を行わず直接入力を確定する(図示せず)。
【0077】
また、押圧力が所定の圧力値より小さい場合は、「詳細」ボタンが押された可能性はあるが断定できないため、「詳細」ボタンを拡大表示する(図13(b))。加えて、前記押圧力よりも更に小さい場合は、「OFF」ボタンを押そうとして誤って「詳細」ボタンを触ってしまった可能性もあるため、「詳細」ボタンと「OFF」ボタンの両方を拡大表示する(図13(c))。
【0078】
さらに、位置と押圧力を組み合わせて制御する場合は、例えば(2)の位置がタッチ操作された場合、押圧力が所定の圧力値より大きい場合は、「詳細」ボタンを押そうとして間違えた可能性が高いと判断して「詳細」ボタンを拡大表示する(図13(d))。一方、押圧力が所定の圧力値より小さい場合、「詳細」ボタンと「OFF」のどちらを押そうとして間違えたか判断できないため、「詳細」ボタンと「OFF」ボタンの両方を拡大表示する(図13(e))。
【0079】
なお、前記押圧力を検知する方法としては、例えば抵抗式のタッチパネルの場合、抵抗値の大きさで判断することができる。また、タッチ操作された際の接触面積から間接的に押圧力を判断することも可能である。
【0080】
<実施の形態6>
実施の形態6は、前記入力操作の押圧力に基づいて、段階的にボタンの表示倍率を異ならせた実施形態である。タッチパネル装置の概略構成は、同様であるため、同符号を用いて説明を省略する。タッチパネル装置の動作について、図14に示す表示画面に基づいて説明する。
【0081】
図14は、表示態様の変化を示した図であり、(a)は、変化前である。(b)は、図示する(1)を短い時間でタッチ操作したときの変化後の画面であり、(c)は、(1)を更に短い時間でタッチ操作したときの変化後の画面である。(d)は図示する(2)を長い押時間で、(e)は(2)を短い時間でそれぞれタッチ操作したときの変化後の画面である。
【0082】
図14(a)に示す(1)の位置を所定時間以上の押圧時間でタッチ操作された場合は、「詳細」ボタンが押されたとして直接入力を確定する(図示せず)。一方、(1)の位置を所定時間より短い時間でタッチ操作された場合は、「詳細」ボタンが押された可能性はあるが断定できないため、「詳細」ボタンを拡大表示する(図14(b))。加えて、前記押圧時間よりも更に小さい押圧時間の場合は、「OFF」ボタンを押そうとして誤って「詳細」ボタンを触ってしまった可能性もあるため、「詳細」ボタンと「OFF」ボタンの両方を拡大表示する(図14(c))。
【0083】
さらに、位置と押圧時間を組み合わせて制御する場合は、例えば(2)の位置がタッチ操作された場合、押圧時間が所定時間より長い場合は、「詳細」ボタンを押そうとして間違え
た可能性が高いと判断して「詳細」ボタンを拡大表示する(図14(d))。一方、押圧時間が所定時間より小さい場合、「詳細」ボタンと「OFF」のどちらを押そうとして間違えたか判断できないため、「詳細」ボタンと「OFF」ボタンの両方を拡大表示する(図14(e))。
【0084】
以上のように、実施の形態では、本発明の好適な実施形態を例示して説明したが、本発明に係るタッチパネル装置は、前記実施形態に限られず、可能な限りこれらの組み合わせも含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】実施の形態1に係るタッチパネル装置のブロック図である。
【図2】実施の形態1に係るタッチパネル装置の処理を示すフローチャートである。
【図3】実施の形態1に係るタッチパネル装置の表示画面を示す平面図である(通常表示)。
【図4】実施の形態1に係るタッチパネル装置の表示画面を示す平面図である(拡大表示)。
【図5】実施の形態2に係るタッチパネル装置の処理を示すフローチャートである。
【図6】本実施の形態2に係るタッチパネル装置の表示画面を示す平面図である(拡大表示)。
【図7】本実施の形態2に係るタッチパネル装置の表示画面を示す平面図である(戻るキー表示)。
【図8】実施の形態3に係るタッチパネル装置の処理を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態4に係るタッチパネル装置の表示画面を示した図である。
【図10】実施の形態4に係るタッチパネル装置の表示画面を示した図である。
【図11】実施の形態4に係るタッチパネル装置の表示画面を示した図である。
【図12】実施の形態4に係るタッチパネル装置の表示画面を示した図である。
【図13】実施の形態5に係るタッチパネル装置の表示画面を示した図である。
【図14】実施の形態6に係るタッチパネル装置の表示画面を示した図である。
【符号の説明】
【0086】
1 タッチパネル
2 液晶表示部
3 座標検出手段
4 圧力検出手段
5 制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、指先等でタッチすることによりデータの入力操作を行うタッチパネル装置に関する技術である。
【背景技術】
【0002】
指等でタッチすることにより入力操作を行うタッチパネル装置は、各種情報端末装置、携帯端末等に種々用いられており、その種類及び操作方法は多様化している。このタッチパネル装置は、表示部の画面上に透明のタッチパネルを重ねて配設して、タッチパネル表面上に触れることによりデータの入力が行われる。
【0003】
タッチパネル上の座標と表示部の座標は整合性を有しており、表示部に表示されたボタン上のタッチパネルに触れるとボタンが操作されたものとして判断される。従って、タッチパネル装置の操作は、操作しようとするボタン上のタッチパネルに正確に触れる必要があった。
【0004】
この操作は、健常者にとっては何ら問題なく、操作しようとするボタン上の正確な位置のタッチパネルに触れることができる。しかし、例えば、障害者が高齢者等、特に手が不自由な人にとっては、正確な位置を操作することは困難であり、誤入力が発生することがあった。
【0005】
又、健常者であっても、ナビ等の操作においては、運転に集中するため、画面を注視して操作することができないため、誤って意図したボタン以外のボタンを押してしまうことがあった。
【0006】
このような問題を鑑みて、特開平11−45141に示すデータ入力装置が提案されていた。このデータ入力装置は、表示部と、該表示部に重ねて配設されるタッチパネルと、該タッチパネル装置に触れている部分が前記表示部のどの部分に対応するかを検出する座標検出手段と、前記タッチパネルに触れることを以て前記表示部に表示されるボタンを操作したかどうかを判断するボタン識別判断部と、を備えたデータ入力装置において、前記ボタンに割り当てられたボタン識別範囲内の座標を連続して触れている時間が予め定められている操作時間を超えたときに前記ボタンが操作されたとして前記ボタン識別部において判断するようにしたことを特徴としている。
【0007】
このデータ入力装置は前記構成により、操作しようとしたボタン以外のボタンに触れたとしても、ただちにボタンが操作されたと判断しないため、誤入力の発生を低減し、利用者は入力の煩わしさを感じることが少なくなった。
【0008】
また、前記データ入力装置は、前記タッチパネルの最初に触れた点の近傍を前記表示部に拡大表示する構成を備えている。この構成により、利用者がボタンの操作を行おうとするとき、表示部のボタンを自動的に拡大表示するため、利用者の誤入力を更に防止することが可能であった。
【0009】
しかし、前記データ入力装置は、一定の操作時間の経過によって操作したか否かを判断するため、操作に操作時間以上の時間を要し、迅速な操作を行えないという問題点があった。また、最初に触れた点の近傍を拡大表示することにより、利用者のタッチすべき箇所を見やすくすることができるものの、タッチ位置によっては操作しようとするボタン以外
の箇所が拡大表示されることもあり、操作性の向上に繋がらないこともあった。
【特許文献1】特開平11−45141号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前記種々の問題に鑑みて成されたものであり、タイムラグがなく迅速な操作を行うことができるタッチパネル装置であって、操作すべきポイントが視認しやすく操作性を向上することができるタッチパネル装置、タッチパネル装置の操作支援方法、及びタッチパネル装置の操作支援プログラムを提供することを技術的課題とする。
【0011】
又、ナビ等の車載機器においても、運転に集中しながらでも誤入力を行わずに済むタッチパネル装置、タッチパネル装置の操作支援方法、及びタッチパネル装置の操作支援プログラムを提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、前記問題に鑑みて以下のように構成されている。すなわち、本発明は、表示部と、前記表示部に配置され、操作者がタッチにより入力操作を行うタッチパネルと、前記タッチパネルへのタッチ操作によるタッチ位置の座標を検出するタッチ座標検出手段と、表示部に1又は複数の入力項目を表示するとともに、その表示位置に対応するタッチ位置の座標が、前記タッチ座標検出手段によって検出されたときに、前記入力項目が入力されたと判断する制御部と、を有し、前記制御部は、前記タッチ座標検出手段によって検出されたタッチ位置の座標により、前記入力項目が確定できないときに、表示部の表示態様を変化させる制御部と、を備えることを特徴とするタッチパネル装置。
【0013】
また、前記制御部は、前記タッチ位置の座標に応じて、前記表示部の表示態様を変化させる。さらに、前記制御部は、前記タッチパネルの接触圧に応じて、前記表示部の表示態様を変化させる。また、前記制御部は、前記タッチパネルの接触時間に応じて、前記表示部の表示態様を異ならせることを特徴としてもよい。
【0014】
また、本発明は、1又は複数の入力項目を表示する表示部と、前記表示部に配置され、操作者がタッチにより入力操作を行うタッチパネルと、を備えたタッチパネル装置における利用者の操作処理を支援するタッチパネル装置の操作支援方法であって、前記タッチパネルへのタッチ操作によるタッチ位置の座標を検出するステップと、前記で検出したタッチ位置の座標が入力項目の表示位置に対応するか否かを判別するステップと、前記表示位置とタッチ位置の座標が入力項目の表示位置に対応しないときに、表示部の表示態様を変化させるステップと、を備えることを特徴とするタッチパネル装置の操作支援方法である。
【0015】
また、本発明は、1又は複数の入力項目を表示する表示部と、前記表示部に配置されタッチパネルと、を備えたタッチパネル装置における利用者の操作処理を支援するタッチパネル装置の操作支援プログラムであって、前記タッチパネルへのタッチ操作によるタッチ位置の座標を検出するステップと、前記で検出したタッチ位置の座標が入力項目の表示位置に対応するか否かを判別するステップと、前記タッチ位置の座標が前記入力項目の表示位置に対応しないときに、表示部の表示態様を変化させるステップと、をコンピュータによって実行可能なタッチパネル装置の操作支援プログラムである。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明によれば、タイムラグがなく迅速な操作を行うことができる。また、操作すべきポイントを視認しやすくすることができ、操作性を向上することが可能となる。これにより、障害者にとっても操作が容易な方法を提供できる。又、運転中などの
ように、画面に集中できないシチュエーションでも、誤入力のない良好な操作性を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態1に係るタッチパネル装置のブロック図である。1はタッチパネルであり、液晶表示部2の画面上に重ねて配設されている。すなわち、利用者が液晶表示部2に表示されたキー等に触れようとすると、実際にはタッチパネル1に触れることになる。尚、以下では表示部として液晶表示部で説明するが、特に液晶表示部でなくても、CRTディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等どのような表示装置でも用いることができる。
【0018】
3は座標検出手段であり、利用者がタッチパネルに触れたタッチ位置、及び操作画面によって適宜変更して表示される液晶表示部のキー等の座標を検出する。なお、タッチパネル1に展開される座標と、液晶表示部2上に展開される座標は一致している。
【0019】
4は圧力検出手段であり、前記座標検出手段からタッチ位置の座標を受け、利用者がタッチした位置の接触圧を検出する。圧力検出手段4は、タッチパネル1の背面に配置された圧力センサである。接触圧が所定値(P1)以上であれば、通常の操作(当該位置のキーを操作した)として、所定値(P1)未満であれば、当該位置の操作でないとして、液晶表示部の表示態様を変化させるように、タッチ位置とキーの座標及び前記接触圧を制御部に送る。
【0020】
5は制御部であり、前記圧力検出手段から座標と接触圧を受け、P1以上の接触圧であるときは、通常の操作であるため、当該タッチ位置がキーであるときには、そのキーが操作されたとして処理する。当該タッチ位置がキーでないときには、処理を進められないため、エラーメッセーを利用者に提示すべく、液晶表示部にエラー情報を送る。
【0021】
一方、前記圧力検出手段から受けた接触圧がP1未満のときは、通常の操作(キーの操作)として、液晶表示部の表示態様を変化させる。
【0022】
次いで、本実施の形態に係るタッチパネル装置の動作について、図2に示すフローチャートに基づいて説明する。本実施の形態に係るタッチパネル装置は、カーナビゲーションシステムとしての車載端末である。尚、本実施の形態では、種々の表示態様の変化の中で拡大表示を例に挙げて説明する。
【0023】
まず、利用者は、タッチパネル1を通して液晶表示部2に表示されるキーと地図を読み取る。タッチパネル装置の液晶表示部2には、図3に示すように、現在走行している道路状況を示す画面と、現在の位置を示す地図の画面とが表示され、その下部には、「詳細」、「OFF」、「情報」、「表示変更」、「再検索」、「地点登録」、「広域」の計七個のキーが表示されている(ステップ1)。
【0024】
利用者によって、タッチパネル1がタッチされると(ステップ2)、タッチパネル装置の座標検出手段3は、当該タッチ位置と、キーの座標を検出する(ステップ3)。次いで、前記タッチ位置の座標を受けた圧力検出手段は、当該タッチ位置の接触圧がP1以上であるかを検出する(ステップ4)。
【0025】
前記接触圧がP1以上のときは、タッチ位置の座標とキーの座標が一致しているか否かを判別する(ステップ5)。タッチ位置の座標とキーの座標が一致するときには、当該タッチ位置のキー操作されたとして、操作処理を行う(ステップ6)。
【0026】
一方、前記タッチ位置の座標とキーの座標が一致しないときには、キーでない箇所を操作しているため、操作処理を行うことができず、「キーを選択してください」等の表示、又はブザー音等操作処理が行えないことを利用者に知らせるエラー表示をする(ステップ7)。前記エラー表示により、利用者に再度の操作処理を促した後、通常の表示画面(図3参照)に戻る。
【0027】
一方、前記接触圧がP1未満のときには、利用者が操作処理をしてないと判断して、液晶表示部の表示態様を変化させる(ステップ8)。具体的には、例えば、タッチ位置の座標を中心にその周辺を四倍率で拡大表示する(図4参照)。以下、前記と同様にして、利用者に再度のタッチ操作を待って、処理が繰り返される。
【0028】
本実施の形態1に係るタッチパネル装置は、前記拡大表示をすることにより、タッチ位置の周辺を利用者に見えやすいように表示して、利用者に正確なキー操作を促すことができる。特に、キーが近接して配置されているときには、誤入力を低減することが可能となる。また、利用者が操作したか否かを接触圧によって判別するため、即時に操作したか否かを判別することができる。従って、タイムラグが少なくなり、迅速な処理を行うことが可能となる。
【0029】
実施の形態1では、タッチ位置を中心にその周辺を四倍率で拡大表示したが、拡大する倍率は適宜に変更することが望ましく、例えば、「倍率変更」キーを設けて、利用者が倍率を選択できるようにしてもよい。
【0030】
さらに、実施の形態1では、前記タッチ位置を中心に拡大表示したが、予め液晶表示部2を一定数の区画に分割して制御して、タッチ位置の座標を含む区画を拡大表示するように構成しても良し、前記タッチ位置の座標を含む区画にキーが表示されているときに、当該区画の表示態様を変化させることを特徴としてもよい。前記区画に基づいて制御することにより、操作の度にタッチ位置及びキーの正確な座標を検出する必要がなく、制御を簡易なものにすることができる。従って、正確且つ迅速な処理を行うことが可能となる。
【0031】
さらに、前記区画に分割した制御において、前記タッチ位置の座標を含む区画にキーが表示されていないときに、当該区画に隣接する区画の表示態様を変化させるように構成してもよい。
【0032】
利用者がタッチしたタッチ位置を含む区画にキーが配置されていないときは、利用者は、押下しようとするキーから離れた位置をタッチしたといえる。従って、タッチ位置を含む区画に隣接する区画の表示態様を変化させる。これにより、利用者は、改めて表示態様が異なった区画を視認して、押下すべきキーを選択して操作をすることができる。すなわち、利用者に対して正しいキーの選択を促すことができる。
【0033】
加えて、本発明に係るタッチパネル装置は、前記区画の分割数の設定を受け付ける区画設定受付手段を更に備えていることを特徴としてもよい。前記区画設定受付手段は、予め設定されている区画の分割数の変更を受け付ける手段である。この区画設定受付手段を備えることにより、予め表示部全体の四分の一、八分の一、十六分の一等適宜に設定されていた分割数を、個々の利用者によって変更することができ、利用者は自分に合う見やすい状態に液晶表示部を変化させることができる。
【0034】
<実施の形態2>
実施の形態2は、実施の形態1と表示画面の変化の態様を異ならせた実施例である。タッチパネル装置の概略構成は、同様であるため、同符号を用いて説明を省略する。以下、
本実施の形態2に係るタッチパネル装置の動作について、図5に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0035】
ステップ1からステップ7は、実施の形態1と同様である。利用者がタッチしたタッチ位置の接触圧が、P1未満のときには、利用者が操作処理をしてないと判断して、液晶表示部の表示態様を変化させる。具体的には、まず、タッチ位置の座標とキーの座標が一致するか否かを判別する(ステップ9)。
【0036】
タッチ位置の座標とキーの座標が一致するときには、当該キーのみを拡大表示する(ステップ10)。例えば、利用者が「詳細」キーをタッチしたときは、「詳細」キーを画面上に拡大表示する(図6参照)。利用者に対して、操作処理すべきキーが当該キーで良いのか否かを再確認させるためである。以下、再度のタッチ操作を待って、処理が繰り返される。
【0037】
一方、前記タッチ位置の座標とキーの座標が一致しないときには、前記タッチ位置の周辺に配置されたキーのみを拡大表示する(ステップ11)。この場合、周辺に配置されたキーのうち最も近いキーを選択して表示してもよいし、複数選択して表示しても良い。ただし、利用者がタッチ操作したタッチ位置との距離で選択することが望ましい。
【0038】
このようにキーのみを選択して拡大表示することにより、限られたスペースである画面上にキーを大きく表示することができ、利用者はキーを識別しやすくなり、更に誤入力を低減することができる。
【0039】
尚、前記変化後の画面において、利用者が選択しようと考えていたキーが表示されていない場合もあり、この場合には画面を元の通常表示に戻さなければならない。従って、前記実施の形態1及び本実施の形態2における拡大表示においては、前の画面に戻るための「戻る」又は「前画面」キーを変化後の併せて表示することが望ましい(図7参照)。
【0040】
さらに、本実施の形態2では、現在走行している道路状況を示す画面と現在の位置を示す地図の画面上にキーを拡大表示したが、拡大表示をするときに前記道路状況を示す画面と現在の位置を示す画面を表示せず、キーのみを表示してもよい。キーのみの表示とすることにより、更にキーが見やすくなり、利用者がキーを選択しやすくすることができる。
【0041】
加えて、通常の表示のときにおいてもキーのみの表示を選択できるように構成してもよい。例えば、「キーのみ表示」等のキーのみの表示を選択するキーを表示して、そのキーを選択することにより、前記道路状況を示す画面等と併せて表示する表示態様と、キーのみの表示態様とを選択できるように構成する。前記構成により、利用者はキーを操作したいときに、キーのみの表示として、キーを選択しやすくすることができる。
【0042】
<実施の形態3>
実施の形態3は、前記実施の形態と変化態様を異ならせた実施例である。タッチパネル装置の概略構成は、同様であるため、同符号を用いて説明を省略する。本実施の形態3に係るタッチパネル装置は、押下されたキーの利用回数をキー毎に蓄積して、キーの利用頻度を算出するキー利用頻度蓄積手段を備えており、前記キーの利用頻度と利用者のタッチ位置の座標とに基づいて表示態様を変化させる。
【0043】
以下、本実施の形態3に係るタッチパネル装置の動作について、図8に示すフローチャートに基づいて説明する。ステップ1からステップ10は、前記実施形態2と同様である。
【0044】
利用者がタッチ操作したタッチ位置の接触圧がP1未満で、タッチ位置の座標とキーの座標が一致しないときには、前記キー利用頻度蓄積手段に蓄積された利用頻度に基づいて、任意数のキーを選択し、拡大表示する(ステップ12)。
【0045】
具体的には、予めキーを操作する毎に前記キー利用回数蓄積手段に該当するキーの利用をカウントして、それを蓄積しておく。そして、表示態様を変化させるときに、利用頻度の高いキーを優先的に拡大表示する。利用者毎に利用するキーは特徴があり、例えば、車載端末においては、カーナビゲーションシステムを多用する利用者、音楽等を多用する利用者等利用者毎に多用するキーは異なる。従って、利用者毎にその利用頻度を蓄積し、その蓄積データに基づいて表示態様を変化させることにより、その利用者が多用するキーを優先的に押下しやすいように表示することができる。
【0046】
尚、操作すべきキーが表示されていないこともあるので、前記と同様に、「戻る」、「通常表示」等、全てのキーが表示される画面を選択させるためのキーを併せて表示することが望ましい。また、ここで表示するキーの数は、予め設定しても良いし、利用者が手入力により設定するように構成してもよい。
【0047】
さらに、前記実施形態2と組み合わせて、タッチ位置の周辺のキーを表示するときに、タッチ位置の周辺にキーが多く、液晶表示部2上に表示できないときに、利用頻度によって表示するキーの数を絞り込むように構成してもよいし、液晶表示部2内に収まるようにキーのサイズを変更するように構成してもよい。
【0048】
尚、本実施の形態では、拡大表示を例として表示態様の変化を説明したが、本発明に係るタッチパネル装置の表示態様の変化は、前記拡大表示に限られず、色彩の変化、明度の変化、キーのみの表示及びキーの表示倍率等を含むことはもちろんである。
前記液晶表示部の表示態様の変化は、利用者の操作性を向上させるような表示態様の変化であれば良く、種々の構成とすることができる。前記拡大表示とは、タッチ位置を基準として、その周辺や周辺に位置するキーのみ等を拡大表示することであり、タッチ位置を含む四分の一、八分の一、十六分の一等利用者の視認性に応じて種々倍率を異ならせることができる。
【0049】
前記色彩の変化とは、タッチ位置の座標に基づき、その周辺や周辺に位置するキー等の色彩を変化させることである。例えば、タッチ位置の周辺のみを変化前の画面と対照的な色合いに変化させることより、タッチ位置周辺を目立たせることができ、利用者に押下すべきキーの位置を認識させやすくなる。
【0050】
前記明度の変化とは、タッチ位置の座標に基づき、その周辺や周辺に位置するキー等、部分的に明るさを変化させることである。例えば、タッチ位置の周辺に位置するキーのみの明度を高め、その他のキーの明度を低くすることにより、利用者はタッチ位置周辺のキーが見やすくなり、操作性が向上される。
【0051】
前記キーのみの表示とは、前記液晶表示部に操作を行うべきキーのみを表示して、その他の画像、文字等を表示しないことである。キーのみの表示にすることにより、利用者は押下すべきキーのみを視認するため、キーの選択を容易に行うことができる。尚、キーのみを表示するとき、全てのキーを表示しても良いし、任意に選択したキーのみを表示しても良く、使用態様に応じて種々設定することが望ましい。
【0052】
前記キーの表示倍率の変化は、例えば、前記タッチ位置の周辺のキーを拡大表示したり、前記タッチ位置の周辺以外のキーを縮小表示したりして、タッチ位置の周辺のキーのみを見やすくする構成である。
【0053】
尚、前記表示態様の変化は、前記で例示した各変化の態様のみであっても良いし、可能な限りこれらを組み合わせても良い。
【0054】
また、本発明に係るタッチパネル装置は、前記表示態様の変化の設定を受け付ける変化態様受付手段を更に備えていることを特徴としてもよい。前述のように、本発明における表示態様の変化は、拡大表示、色彩の変化、明度の変化、キーのみの表示、及びキーの表示倍率等種々の変化態様がある。
【0055】
前記種々の変化態様のうちいずれの表示態様の変化が認識しやすいかは、利用者によって異なる。利用者が自ら表示態様の変化の種類を選択することにより、より自分が認識しやすい表示態様に変化させることができる。前記表示態様受付手段を備えることにより、利用者にあったタッチパネル装置を提供することができる。また、この表示態様の変化を受け付けるためのキーを液晶表示部に表示して、キー操作と同様にタッチすることにより、表示態様の変化を受け付けるように構成してもよい。
【0056】
尚、前記表示態様受付手段は、拡大表示、色彩の変化、明度の変化、キーのみの表示、及びキーの表示倍率等の表示態様を選択を受け付けることができることはもちろんのこと、拡大する倍率、表示するキーのサイズ等の選択も含むものである。
【0057】
例えば、前記実施の形態において、予めキーの表示倍率を設定していたが、利用者が個々に設定できるように構成しても良い。例えば、「ボタン倍率」キーを表示し、利用者が自らキーの表示倍率を設定できるように構成してもよい。
【0058】
さらに、前記実施形態において、P1未満のタッチ操作が再度行われた場合には、更に拡大表示しても良いし、色彩の変化等他の表示態様の変化をするように構成してもよい。
【0059】
加えて、前記タッチパネル装置は、前記表示態様を変化させた画面と、表示態様を変化させる前の画面とを並べて表示することを特徴としてもよい。前記画面を並べて表示することにより、例えば、タッチした箇所が正確な位置であれば、変化後の画面にて、タッチした箇所が誤っていれば変化前の画面で、操作を行わせることができる。すなわち、両方の画面を並べて表示することにより、利用者に操作しやすい画面を選択させて操作することができ、利用者は自分が操作しやすい方の画面にて操作することが可能となる。
【0060】
<実施の形態4>
実施の形態4は、前記実施の形態と入力操作の判別態様を異ならせた実施形態である。タッチパネル装置の概略構成は、同様であるため、同符号を用いて説明を省略する。タッチパネル装置の動作について、図9に示す表示画面に基づいて説明する。
【0061】
図9は、表示態様の変化を示した図であり、(a)は、変化前であり、(b)は、図示する(2)をタッチ操作したときの変化後の画面である。同様に(c)は図示する(3)、(d)は図示する(4)をタッチ操作したときの変化後の画面である。
【0062】
実施の形態4に係るタッチパネル装置は、タッチ操作された位置に応じて表示を変えるように構成されている。ボタンの表示位置である、図示する(1)、(4)がタッチ操作された場合、確実に(1)、(4)の位置に表示されている「詳細」又は「OFF」ボタンが操作されたとみなして、拡大表示に切り換えず、直接入力を確定する。
【0063】
また、図示する(2)の位置がタッチ操作された場合、最寄りのボタンが「詳細」ボタンであることから、「詳細」ボタンを押そうとして誤って(2)の位置をタッチ操作したと判断す
る。この場合は、図9(b)に示すように「詳細」ボタンを拡大表示する。
【0064】
また、図示する(3)の位置がタッチ操作された場合、「詳細」ボタンと「OFF」ボタンまでの距離がほぼ等しいため、どちらを押そうとしたのか判断できない。そのため、図9(c)に示すように、「詳細」ボタンと「OFF」ボタンをほぼ同じ大きさで拡大表示する。
【0065】
図示する(5)の位置がタッチ操作された場合、どのボタンからも離れており、どのボタンを操作しようとしたか判断できない。従って単にタッチ操作した周辺を拡大表示する。
【0066】
また、タッチ操作の位置に最寄りのボタンのみ拡大表示するのではなく、次に近いボタンも重ねて表示するように構成してもよい。例えば、図10(c)に示すように、(2)の位置がタッチ操作された場合、最寄りのボタンは「詳細」であるが、「OFF」のボタンも近いため、「詳細」ボタンを拡大表示するとともに、「OFF」ボタンも少し小さく拡大表示するようにしてもよい。また、表示するボタンの大きさの比率をそれぞれのボタンからの距離に応じて変えてもよい。
【0067】
さらに、変形例として、図11に示すように、タッチ操作した位置がボタンの中であっても、ボタンの周辺に近い位置であった場合は、拡大表示するように構成してもよい。
【0068】
例えば、図11(a)に示す内側の点線に囲まれた範囲(1)をタッチ操作した場合は、確実に「詳細」ボタンが選択されたと判断して、拡大表示を行わず、直接入力を確定する。
【0069】
また、内側と外側の点線に挟まれた範囲(2)をタッチ操作した場合は、「詳細」ボタンが押された可能性が高いが、誤って押した可能性が高いため「詳細」ボタンを拡大表示する(図11(b))。
【0070】
さらに、外側の点線の外側(3)の領域がタッチ操作された場合は、ボタンを押した可能性もあるが、単にボタンの近くの地図をセンタリングするために触っただけの可能性があるので、ボタンの周辺を単純に拡大する(図11(c))。
【0071】
そして、ユーザが改めて図11(c)に示す(4)の位置をタッチ操作した場合は、前記拡大表示を解除して、(4)の位置がセンタリングされた通常の縮尺表示に戻る(図11(d))。
【0072】
なお、上述の説明において、タッチ位置とボタンの距離を判定するためには、図12(a)に示すように、表示されたオブジェクトの幾何学的な中止の位置を基準にして判定してもよいし、タッチ位置から、最も近い辺又は頂点までの距離で判定してもよい。
【0073】
また、不定的なオブジェクトのように幾何学的な中心がはっきり定義できない場合は、オブジェクトの重心位置との距離を求めて基準としてもよいし、図12(b)に示すように、オブジェクト毎に定義された基準点(図示する●。実際には視認されない)を基準として判別してもよい。この場合、前記基準点は必ずしもオブジェクトの中に含まれている必要はなく、オブジェクトの外側にあってもよいし、オブジェクトから離れていてもよい。例えば、図12(b)のようにオブジェクトが文字の際に好適に用いることができる。
【0074】
<実施の形態5>
実施の形態5は、前記入力操作の押圧力に基づいて、段階的にボタンの表示倍率を異ならせた実施形態である。タッチパネル装置の概略構成は、同様であるため、同符号を用いて説明を省略する。タッチパネル装置の動作について、図13に示す表示画面に基づいて
説明する。
【0075】
図13は、表示態様の変化を示した図であり、(a)は、変化前である。(b)は、図示する(1)を小さい押圧力でタッチ操作したときの変化後の画面であり、(c)は、(1)を更に小さい押圧力でタッチ操作したときの変化後の画面である。(d)は図示する(2)を大きい押圧力で、(e)は(2)を小さい押圧力でそれぞれタッチ操作したときの変化後の画面である。
【0076】
図13(a)に示す(1)の位置がタッチ操作された場合、押圧力が所定以上の場合は、確実に「詳細」ボタンが押されたと判断して、拡大表示を行わず直接入力を確定する(図示せず)。
【0077】
また、押圧力が所定の圧力値より小さい場合は、「詳細」ボタンが押された可能性はあるが断定できないため、「詳細」ボタンを拡大表示する(図13(b))。加えて、前記押圧力よりも更に小さい場合は、「OFF」ボタンを押そうとして誤って「詳細」ボタンを触ってしまった可能性もあるため、「詳細」ボタンと「OFF」ボタンの両方を拡大表示する(図13(c))。
【0078】
さらに、位置と押圧力を組み合わせて制御する場合は、例えば(2)の位置がタッチ操作された場合、押圧力が所定の圧力値より大きい場合は、「詳細」ボタンを押そうとして間違えた可能性が高いと判断して「詳細」ボタンを拡大表示する(図13(d))。一方、押圧力が所定の圧力値より小さい場合、「詳細」ボタンと「OFF」のどちらを押そうとして間違えたか判断できないため、「詳細」ボタンと「OFF」ボタンの両方を拡大表示する(図13(e))。
【0079】
なお、前記押圧力を検知する方法としては、例えば抵抗式のタッチパネルの場合、抵抗値の大きさで判断することができる。また、タッチ操作された際の接触面積から間接的に押圧力を判断することも可能である。
【0080】
<実施の形態6>
実施の形態6は、前記入力操作の押圧力に基づいて、段階的にボタンの表示倍率を異ならせた実施形態である。タッチパネル装置の概略構成は、同様であるため、同符号を用いて説明を省略する。タッチパネル装置の動作について、図14に示す表示画面に基づいて説明する。
【0081】
図14は、表示態様の変化を示した図であり、(a)は、変化前である。(b)は、図示する(1)を短い時間でタッチ操作したときの変化後の画面であり、(c)は、(1)を更に短い時間でタッチ操作したときの変化後の画面である。(d)は図示する(2)を長い押時間で、(e)は(2)を短い時間でそれぞれタッチ操作したときの変化後の画面である。
【0082】
図14(a)に示す(1)の位置を所定時間以上の押圧時間でタッチ操作された場合は、「詳細」ボタンが押されたとして直接入力を確定する(図示せず)。一方、(1)の位置を所定時間より短い時間でタッチ操作された場合は、「詳細」ボタンが押された可能性はあるが断定できないため、「詳細」ボタンを拡大表示する(図14(b))。加えて、前記押圧時間よりも更に小さい押圧時間の場合は、「OFF」ボタンを押そうとして誤って「詳細」ボタンを触ってしまった可能性もあるため、「詳細」ボタンと「OFF」ボタンの両方を拡大表示する(図14(c))。
【0083】
さらに、位置と押圧時間を組み合わせて制御する場合は、例えば(2)の位置がタッチ操作された場合、押圧時間が所定時間より長い場合は、「詳細」ボタンを押そうとして間違え
た可能性が高いと判断して「詳細」ボタンを拡大表示する(図14(d))。一方、押圧時間が所定時間より小さい場合、「詳細」ボタンと「OFF」のどちらを押そうとして間違えたか判断できないため、「詳細」ボタンと「OFF」ボタンの両方を拡大表示する(図14(e))。
【0084】
以上のように、実施の形態では、本発明の好適な実施形態を例示して説明したが、本発明に係るタッチパネル装置は、前記実施形態に限られず、可能な限りこれらの組み合わせも含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】実施の形態1に係るタッチパネル装置のブロック図である。
【図2】実施の形態1に係るタッチパネル装置の処理を示すフローチャートである。
【図3】実施の形態1に係るタッチパネル装置の表示画面を示す平面図である(通常表示)。
【図4】実施の形態1に係るタッチパネル装置の表示画面を示す平面図である(拡大表示)。
【図5】実施の形態2に係るタッチパネル装置の処理を示すフローチャートである。
【図6】本実施の形態2に係るタッチパネル装置の表示画面を示す平面図である(拡大表示)。
【図7】本実施の形態2に係るタッチパネル装置の表示画面を示す平面図である(戻るキー表示)。
【図8】実施の形態3に係るタッチパネル装置の処理を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態4に係るタッチパネル装置の表示画面を示した図である。
【図10】実施の形態4に係るタッチパネル装置の表示画面を示した図である。
【図11】実施の形態4に係るタッチパネル装置の表示画面を示した図である。
【図12】実施の形態4に係るタッチパネル装置の表示画面を示した図である。
【図13】実施の形態5に係るタッチパネル装置の表示画面を示した図である。
【図14】実施の形態6に係るタッチパネル装置の表示画面を示した図である。
【符号の説明】
【0086】
1 タッチパネル
2 液晶表示部
3 座標検出手段
4 圧力検出手段
5 制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、前記表示部に配置され、操作者がタッチにより入力操作を行うタッチパネルと、前記タッチパネルへのタッチ操作によるタッチ位置の座標を検出するタッチ座標検出手段と、前記表示部に1又は複数の入力項目を表示するとともに、その表示位置に対応するタッチ位置の座標が、前記タッチ座標検出手段によって検出されたときに、前記入力項目が入力されたと判断する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記タッチ座標検出手段によって検出されたタッチ位置の座標により、前記入力項目が確定できないときに、表示部の表示態様を変化させる制御部と、を備えることを特徴とするタッチパネル装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記タッチ位置の座標に応じて、前記表示部の表示態様を変化させることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記タッチパネルの接触圧に応じて、前記表示部の表示態様を変化させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のタッチパネル装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記タッチパネルの接触時間に応じて、前記表示部の表示態様を異ならせることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のタッチパネル装置。
【請求項5】
1又は複数の入力項目を表示する表示部と、前記表示部に配置され、操作者がタッチにより入力操作を行うタッチパネルと、を備えたタッチパネル装置における利用者の操作処理を支援するタッチパネル装置の操作支援方法であって、
前記タッチパネルへのタッチ操作によるタッチ位置の座標を検出するステップと、
前記で検出したタッチ位置の座標が入力項目の表示位置に対応するか否かを判別するステップと、
前記表示位置とタッチ位置の座標が入力項目の表示位置に対応しないときに、表示部の表示態様を変化させるステップと、を備えることを特徴とするタッチパネル装置の操作支援方法。
【請求項6】
1又は複数の入力項目を表示する表示部と、前記表示部に配置されタッチパネルと、を備えたタッチパネル装置における利用者の操作処理を支援するタッチパネル装置の操作支援プログラムであって、
前記タッチパネルへのタッチ操作によるタッチ位置の座標を検出するステップと、
前記で検出したタッチ位置の座標が入力項目の表示位置に対応するか否かを判別するステップと、
前記タッチ位置の座標が前記入力項目の表示位置に対応しないときに、表示部の表示態様を変化させるステップと、をコンピュータによって実行可能なタッチパネル装置の操作支援プログラム。
【請求項1】
表示部と、前記表示部に配置され、操作者がタッチにより入力操作を行うタッチパネルと、前記タッチパネルへのタッチ操作によるタッチ位置の座標を検出するタッチ座標検出手段と、前記表示部に1又は複数の入力項目を表示するとともに、その表示位置に対応するタッチ位置の座標が、前記タッチ座標検出手段によって検出されたときに、前記入力項目が入力されたと判断する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記タッチ座標検出手段によって検出されたタッチ位置の座標により、前記入力項目が確定できないときに、表示部の表示態様を変化させる制御部と、を備えることを特徴とするタッチパネル装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記タッチ位置の座標に応じて、前記表示部の表示態様を変化させることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記タッチパネルの接触圧に応じて、前記表示部の表示態様を変化させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のタッチパネル装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記タッチパネルの接触時間に応じて、前記表示部の表示態様を異ならせることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のタッチパネル装置。
【請求項5】
1又は複数の入力項目を表示する表示部と、前記表示部に配置され、操作者がタッチにより入力操作を行うタッチパネルと、を備えたタッチパネル装置における利用者の操作処理を支援するタッチパネル装置の操作支援方法であって、
前記タッチパネルへのタッチ操作によるタッチ位置の座標を検出するステップと、
前記で検出したタッチ位置の座標が入力項目の表示位置に対応するか否かを判別するステップと、
前記表示位置とタッチ位置の座標が入力項目の表示位置に対応しないときに、表示部の表示態様を変化させるステップと、を備えることを特徴とするタッチパネル装置の操作支援方法。
【請求項6】
1又は複数の入力項目を表示する表示部と、前記表示部に配置されタッチパネルと、を備えたタッチパネル装置における利用者の操作処理を支援するタッチパネル装置の操作支援プログラムであって、
前記タッチパネルへのタッチ操作によるタッチ位置の座標を検出するステップと、
前記で検出したタッチ位置の座標が入力項目の表示位置に対応するか否かを判別するステップと、
前記タッチ位置の座標が前記入力項目の表示位置に対応しないときに、表示部の表示態様を変化させるステップと、をコンピュータによって実行可能なタッチパネル装置の操作支援プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−285598(P2006−285598A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−104177(P2005−104177)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
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