説明

タッチ表示装置

【課題】本発明は、赤外線をタッチ認識手段として用いながら、表示品質が向上する音共に、スリム(slim)化が可能であり、且つ赤外線透過度が向上することによってタッチ認識率が向上されたタッチ表示装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るタッチ表示装置は、外部から照射される光が透過する透過部を含み、光を放出してイメージを表示する表示パネルと、表示パネルの表面に対して第1赤外線を照射する赤外線ソース部と、表示パネルの下に位置し、タッチによって表示パネル方向に照射された第1赤外線から変換されると共に透過部を透過する第2赤外線をセンシングする赤外線センシング部とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタッチ表示装置に関し、より詳細には、赤外線を用いたタッチ表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチ表示装置とは、タッチ(touch)を用いて表示装置を制御することができる装置であって、最近は赤外線を用いたタッチ表示装置が注目を浴びている。
【0003】
従来の赤外線を用いたタッチ表示装置は、イメージが表示される表示装置と、イメージが表示される部分に赤外線を照射する赤外線ソース部と、イメージが表示される部分から反射する赤外線をセンシングする赤外線センシング部とを含む。
【0004】
従来の赤外線を用いたタッチ表示装置に含まれている表示装置として、プロジェクタ(projector)を用いてスクリーン(screen)にイメージを表示するスクリーン表示装置、または液晶(liquid crystal)を用いてイメージを表示する液晶パネル、及び液晶パネルに光を照射するバックライトユニット(back light unit)を含む液晶表示装置が用いられていた。
【0005】
しかしながら、プロジェクタを用いてスクリーンにイメージを表示するスクリーン表示装置を含む従来の赤外線を用いたタッチ表示装置は、プロジェクタの限界により、プロジェクタから放出してスクリーンに表示されるイメージの表示品質が落ちると共に、プロジェクタとスクリーンとの間に所定の離隔空間が必須であったため、全体的なタッチ表示装置のサイズが大きくなるという問題があった。
【0006】
また、液晶表示装置を有する従来の赤外線タッチ表示装置は、赤外線ソース部から照射された赤外線が液晶パネルを透過しなければならず、且つ液晶パネルから反射する赤外線も液晶パネルを透過しなければならないが、液晶パネル内に含まれている液晶のシャッター機能により、液晶パネルに対する赤外線の透過度が低下するという問題があった。このように、液晶パネルに対する赤外線の透過度が低下する場合、タッチ表示装置に対するタッチの認識率が低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上述した問題を解決するためのものであって、本発明は、赤外線をタッチ認識手段として用いながら、表示品質が向上すると共に、スリム(slim)化が可能であり、且つ赤外線透過度が向上することによって、タッチ認識率が向上したタッチ表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した技術的課題を達成するための本発明の一側面は、外部から照射される光が透過する透過部を含み、光を放出してイメージを表示する表示パネルと、表示パネルの表面に対して第1赤外線を照射する赤外線ソース部と、表示パネルの下に位置し、タッチ(touch)によって表示パネル方向に照射された第1赤外線から変換されると共に透過部を透過する第2赤外線をセンシングする赤外線センシング部とを含むタッチ表示装置を提供する。
【0009】
表示パネルと赤外線センシング部との間に位置し、表示パネルが放出する光と第2赤外線のうちの第2赤外線を透過させる赤外線透過部をさらに含んでもよい。
【0010】
表示パネルは、透過部と隣接して光を放出してイメージを表示する表示部をさらに含んでもよい。
【0011】
表示パネルは、透過部と一部以上が重畳しており、光を放出してイメージを表示する表示部をさらに含んでもよい。
【0012】
表示部は、光を発光する有機発光層と、有機発光層を間に置いて相互に対向する第1電極及び第2電極とを含んでもよい。
【0013】
第1電極及び第2電極のうちの一方は光反射性を有し、第1電極及び第2電極のうちの他方は光透過性を有し、透過部に対向すると共に光反射性である第1電極の一部または第2電極の一部は開口されてもよい。
【0014】
第1電極及び第2電極は光透過性を有してもよい。
【0015】
赤外線ソース部は表示パネルの下に位置し、表示パネルの透過部を介して表示パネルの表面に第1赤外線を照射し、タッチは表示パネルに実行されてもよい。
【0016】
赤外線ソース部は表示パネルの上に位置し、赤外線ソース部と隣接して表示パネルの上に位置し、赤外線ソース部から照射する第1赤外線が内部で全反射する全反射板をさらに含み、タッチは全反射板に実行されてもよい。
【0017】
表示パネルの下に位置するセンシング板をさらに含み、赤外線センシング部はセンシング板に装着されてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、赤外線をタッチ認識手段として用いながら、表示品質が向上すると共に、スリム(slim)化が可能であり、且つ赤外線透過度が向上することによってタッチ認識率が向上するタッチ表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施形態に係るタッチ表示装置を示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るタッチ表示装置に含まれている表示パネルの画素の構造を示す配置図である。
【図3】図2のIII-IIIに沿った断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係るタッチ表示装置を示す断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るタッチ表示装置に含まれている表示パネルの画素の構造を示す配置図である。
【図6】図5のVI-VIに沿った断面図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係るタッチ表示装置を示す断面図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係るタッチ表示装置に含まれている表示パネルの画素の構造を示す配置図である。
【図9】図8のIX-IXに沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の多様な実施形態について、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。本発明は多様な形態で具現されることができ、ここで説明する実施形態に限定されることはない。
【0021】
本発明を明確に説明するために説明上不要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似する構成要素については同一参照符号を付与する。
【0022】
また、多様な実施形態において、同一構成を有する構成要素については同一符号を用いて代表的に第1実施形態で説明し、その他の実施形態では第1実施形態と異なった構成についてのみ説明する。
【0023】
また、図面に示した各構成の大きさ及び厚さは説明の便宜のために任意に示したため、本発明が必ずしも示された通りであるとは限らない。
【0024】
図面において、複数の層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。また、図面において、説明の便宜のために、一部の層及び領域の厚さを誇張して示した。層、膜、領域、板などの部分がある部分の「上」にまたは「下」にあるというとき、これは他の部分の「直上」または「直下」にある場合だけでなく、その中間にさらに他の部分がある場合も含む。
【0025】
さらに、明細書全体において、ある部分が他の構成要素を「含む」というとき、これは特に反対の記載がない限り他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。また、明細書全体において、「〜上に」または「〜下に」というのは対象の部分の上または下に位置することを意味し、必ずしも重力方向を基準として上側または下側に位置するのを意味するものではない。
【0026】
以下、図1〜3を参照しながら、本発明の第1実施形態に係るタッチ表示装置1001を説明する。下記では表示パネルとして、有機発光表示装置(organic light emitting diode)を例示して説明するが、本発明の他の実施形態に係るタッチ表示装置の表示パネルは、プラズマディスプレイパネル(plasma display panel)などの自発光表示装置を含んでもよい。
【0027】
図1は、本発明の第1実施形態に係るタッチ表示装置を示す断面図である。
【0028】
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係るタッチ表示装置1001は赤外線を用いてタッチ(touch)を認識し、表示パネル100と、赤外線ソース部200と、赤外線センシング部300と、赤外線透過部400とを含む。
【0029】
表示パネル100は有機発光表示装置であり、第1基板110と、第2基板120と、配線部130と、有機発光素子140とを含む。
【0030】
第1基板110及び第2基板120は、ガラスまたはポリマーなどを含む光透過性及び電気絶縁性基板である。第1基板110と第2基板120は相互に対向しており、シーラント(sealant)によって合着している。第1基板110と第2基板120との間には配線部130及び有機発光素子140が位置しており、第1基板110及び第2基板120は配線部130及び有機発光素子140を外部の干渉から保護する。
【0031】
配線部130はスイッチングトランジスタ10及び駆動薄膜トランジスタ20(図2に図示)を含み、有機発光素子140に信号を伝達して有機発光素子140を駆動する。有機発光素子140は配線部130から伝達された信号によって光を発光する。
【0032】
配線部130上には有機発光素子140が位置している。
【0033】
有機発光素子140は第1基板110上の表示領域に位置し、マスク(mask)を用いて真空蒸着方式で形成されるか、或いは印刷(Printing)方式を用いて形成される。有機発光素子140は配線部130から伝達された信号によってイメージ(image)を表示する。
【0034】
表示パネル100は、外部から照射される光が透過することによって赤外線ソース部200から照射される赤外線が透過する透過部(TA)(図2に図示)と、イメージを表示する表示部(DA)(図2に図示)とを含むが、下記で詳しく説明する。
【0035】
図2及び図3を参照しながら、本発明の第1実施形態に係るタッチ表示装置1001に含まれている表示パネル100の内部構造について詳しく説明する。
【0036】
図2は、本発明の第1実施形態に係るタッチ表示装置に含まれている表示パネルの画素の構造を示す配置図である。図3は、図2のIII-IIIに沿った断面図である。
【0037】
以下において、配線部130及び有機発光素子140の具体的な構造については図2及び図3に示したが、本発明の実施形態が図2及び図3に示された構造に限定されることはない。下記で説明する配線部130及び有機発光素子140は、当該技術分野の当業者が容易に変形して実施することができる範囲内で多様な構造で形成されることができる。例えば、添付の図面では、表示装置として1つの画素に2つの薄膜トランジスタ(TFT)と1つの蓄電素子(capacitor)を備えた2Tr-1Cap構造の能動駆動(active matrix、AM)型有機発光表示装置を示しているが、本発明はこれに限定されることはない。従って、表示装置は、薄膜トランジスタの数、蓄電素子の数、及び配線の数が限定されない。一方、画素はイメージを表示する最小単位を意味し、表示装置は複数の画素を介してイメージを表示する。
【0038】
図2及び図3に示すように、表示パネル100は、1つの画素ごとに形成されたスイッチング薄膜トランジスタ10と、駆動薄膜トランジスタ20と、蓄電素子80と、有機発光素子140とを含む。
【0039】
ここで、スイッチング薄膜トランジスタ10、駆動薄膜トランジスタ20、及び蓄電素子80を含む構成を配線部130という。そして、配線部130は、第1基板110の一方向に沿って配置されるゲートライン151と、ゲートライン151と絶縁交差するデータライン171と、共通電源ライン172とをさらに含む。ここで、1つの画素は、ゲートライン151、データライン171、及び共通電源ライン172を境界として定義されるが、必ずしもこれに限定されることはない。
【0040】
スイッチング薄膜トランジスタ10は、スイッチング半導体層131と、スイッチングゲート電極152と、スイッチングソース電極173と、スイッチングドレイン電極174とを含む。駆動薄膜トランジスタ20は、駆動半導体層132と、駆動ゲート電極155と、駆動ソース電極176と、駆動ドレイン電極177とを含む。
【0041】
スイッチング薄膜トランジスタ10は、光を放出させようとする画素を選択するスイッチング素子として用いられる。スイッチングゲート電極152はゲートライン151と連結する。スイッチングソース電極173はデータライン171と連結する。スイッチングドレイン電極174はスイッチングソース電極173から離隔して配置され、一方の蓄電板158と連結する。
【0042】
駆動薄膜トランジスタ20は、選択された画素内の有機発光素子140の有機発光層720を発光させるための駆動電力を第1電極710に印加する。駆動ゲート電極155はスイッチングドレイン電極174と連結した蓄電板158と連結する。駆動ソース電極176及び他方の蓄電板178はそれぞれ共通電源ライン172と連結する。駆動ドレイン電極177から延在して有機発光素子140の第1電極710が位置し、駆動ドレイン電極177と第1電極710は相互に連結する。
【0043】
蓄電素子80は、層間絶縁膜161を間に置いて配置された一対の蓄電板158、178を含む。ここで、層間絶縁膜161は誘電体となり、蓄電素子80で蓄電された電荷と両蓄電板158、178との間の電圧によって蓄電素子80の蓄電容量が決定される。
【0044】
このような構造により、スイッチング薄膜トランジスタ10は、ゲートライン151に印加されるゲート電圧によって作動し、データライン171に印加されるデータ電圧を駆動薄膜トランジスタ20に伝達する役割を果たす。共通電源ライン172から駆動薄膜トランジスタ20に印加される共通電圧とスイッチング薄膜トランジスタ10から伝達されたデータ電圧との差に該当する電圧が蓄電素子80に保存され、蓄電素子80に保存された電圧に対応する電流が駆動薄膜トランジスタ20を介して有機発光素子140に流れて有機発光素子140が発光するようになる。
【0045】
有機発光素子140は、第1電極710と、第1電極710上に位置する有機発光層720と、有機発光層720上に位置する第2電極730とを含む。
【0046】
第1電極710は正孔注入電極である陽極(anode)となり、第2電極730は電子注入電極の陰極(cathode)となる。しかしながら、本発明の第1実施形態が必ずしもこれに限定されることはなく、表示パネル100の駆動方法によって第1電極710が陰極となり、第2電極730が陽極となってもよい。第1電極710及び第2電極730からそれぞれ正孔と電子が有機発光層720内部に注入され、有機発光層720の内部に注入された正孔と電子が結合した励起子(exciton)が励起状態から基底状態に落ちるときに有機発光層720の発光が起きる。また、第1電極710は、インジウムスズ酸化物(indium tin oxide、ITO)およびインジウム亜鉛酸化物(indium Zinc oxide、IZO)などのうちの1つ以上を含む単層または複層の光透過性導電物質を含み、第2電極730は、アルミニウム(Al)及び銀(Ag)などのうちの1つ以上を含む単層または複層の光反射性導電物質を含む。すなわち、第1電極710は光透過性を有し、第2電極730は光反射性を有する。有機発光層720は、電子注入層、電子輸送層、正孔注入層、及び正孔輸送層のうちの1つ以上をさらに含むことができる。
【0047】
このように、本発明の第1実施形態に係るタッチ表示装置1001に含まれている表示パネル100において、有機発光素子140は第1基板110の方向に光を放出する。すなわち、表示パネル100は、表示パネル100の上側方向に光を発光してイメージを表示する後面発光型である。
【0048】
また、表示パネル100は、透過部(TA)及び表示部(DA)をさらに含む。
【0049】
表示部(DA)は、第1電極710と、有機発光層720と、第2電極730とを含む。表示部(DA)は、有機発光層720で発光する光を用いてイメージを表示する部分である。表示部(DA)は、第1電極710、有機発光層720、及び第2電極730に対応する。表示部(DA)と隣接して透過部(TA)が位置している。
【0050】
透過部(TA)は外部から照射される光が透過する部分であり、赤外線ソース部200から照射された赤外線が透過する部分である。第2電極730は有機発光素子140全体にわたって位置しているが、透過部(TA)と対向する第2電極730の一部は開口(open)している。すなわち、透過部(TA)と対向する部分には光反射性物質が位置せず、赤外線ソース部200から照射された第1赤外線(IR1)は表示パネル100の透過部(TA)を介して第1基板110の表面(S)に照射される。
【0051】
図1及び図3を再び参照すれば、赤外線ソース部200は、表示パネル100の下に位置し、表示パネル100の方向に第1赤外線(IR1)を照射する。赤外線ソース部200から表示パネル100方向に照射された第1赤外線(IR1)は、表示パネル100の透過部(TA)を介して表示パネル100に含まれている第1基板110の表面(S)に照射される。すなわち、赤外線ソース部200から表示パネル100に照射された第1赤外線(IR1)は、表示パネル100の表面(S)に対応する。
【0052】
赤外線ソース部200から表示パネル100の表面(S)に向かうように透過部(TA)を介して第1基板110の表面に照射された第1赤外線(IR1)は、第1基板110の表面(S)にタッチが実行される場合、タッチによって第1赤外線(IR1)の光量が変化されることにより、再び表示パネル100方向に反射する第2赤外線(IR2)に変換する。この第2赤外線(IR2)は第1基板110の表面(S)から反射し、表示パネル100の透過部(TA)を介して表示パネル100の下側方向に照射される。
【0053】
赤外線センシング部300は表示パネル100の下に位置し、タッチによって第1赤外線(IR1)から変換して表示パネル100の透過部(TA)を介して表示パネル100の下側方向に照射された第2赤外線(IR2)をセンシングする。赤外線センシング部300は第2赤外線(IR2)をセンシングして表示パネル100におけるタッチ地点を把握することができ、赤外線センシング部300が把握したタッチ地点に対するタッチ信号は表示パネル100を駆動する制御部に伝送され、タッチ信号によるイメージが表示パネル100に表示されることができる。赤外線センシング部300は、第1基板110の表面(S)にタッチが実行されなくても、赤外線センシング部300に照射される赤外線をセンシングして第1基板110の表面(S)をセンシングする状態であり、赤外線センシング部300に照射される赤外線のうち、タッチによって光量が変化した赤外線である第2赤外線(IR2)をセンシングして有機発光表示装置101におけるタッチ地点を把握する。赤外線センシング部300は、赤外線を感知するカメラ(camera)、赤外線を感知するセンサ(sensor)などを含んでもよい。
【0054】
赤外線透過部400は、表示パネル100と赤外線センシング部300との間に位置する。赤外線透過部400は、赤外線ソース部200が照射する第1赤外線(IR1)、表示パネル100が発光する光、及び表示パネル100によって反射した第2赤外線(IR2)のうちの第1赤外線(IR1)及び第2赤外線(IR2)を透過させる。より詳細に説明すれば、赤外線透過部400は、表示パネル100の有機発光素子140で発光する光のうちの可視光領域の波長を遮断するが、赤外線透過部400によって有機発光素子140で発光する光が遮断されることにより、第1赤外線(IR1)または第2赤外線(IR2)に対して有機発光素子140で発光する光による干渉が最小化される。
【0055】
また、赤外線透過部400が有機発光素子140から発光する光のうちで可視光領域の波長を遮断することにより、有機発光素子140から発光する光が表示パネル100の内部に位置した構成要素によって反射し、表示パネル100の内部が外部に視認されることが抑制される。すなわち、赤外線透過部400の可視光領域の光遮断により、表示パネル100の内部が外部に視認されることが抑制され、全体的なタッチ表示装置1001の表示品質が低下することが抑制される。
【0056】
また、赤外線透過部400が透過部(TA)を介して赤外線透過部400に照射される外部の光及び有機発光素子140から発光される光のうちで可視光領域の光を遮断することにより、外部から表示パネル100を介してタッチ表示装置1001の内部が視認されることが抑制される。
【0057】
このように、本発明の第1実施形態に係るタッチ表示装置1001は、イメージを表示する表示パネル100が自発光素子である有機発光素子140を含むことにより、バックライトユニット(back light unit)などの追加的な発光ユニットを必要とする液晶表示パネルまたはプロジェクタ(projector)を用いてスクリーン(screen)にイメージを表示するスクリーン表示装置を含む従来のタッチ表示装置に比べ、全体的な表示品質が向上する。
【0058】
また、本発明の第1実施形態に係るタッチ表示装置1001に含まれている表示パネル100は、プロジェクタ及びスクリーンを含む従来のタッチ表示装置に含まれているスクリーン表示装置に比べて薄く形成できるため、全体的なタッチ表示装置1001をスリム(slim)化することができる。
【0059】
また、本発明の第1実施形態に係るタッチ表示装置1001は、赤外線ソース部200から表示パネル100の表面(S)方向に照射された第1赤外線(IR1)とタッチによって表示パネル100の表面(S)によって反射した第2赤外線(IR2)とが、透過部(TA)を介して表示パネル100を容易に透過することができるため、全体的な表示パネル100に対する赤外線透過度が向上する。すなわち、透過部(TA)によって全体的な表示パネル100に対する赤外線透過度が向上することにより、タッチ表示装置1001に対するタッチの認識率が向上する。
【0060】
さらに、本発明の第1実施形態に係るタッチ表示装置1001は、実質的にすべての波長の光が透過する透過部(TA)を含んだとしても、赤外線透過部400によって可視光領域波長の光が遮断されるため、外部でタッチ表示装置1001の内部構造が視認されることが抑制され、これによってタッチ表示装置1001の表示品質が向上する。
【0061】
以上のように、本発明の第1実施形態に係るタッチ表示装置1001は、赤外線をタッチ認識手段として用いながら、表示品質が向上すると共に、スリム(slim)化が可能であり、且つ赤外線透過度が向上することによってタッチ認識率が向上する。
【0062】
以下、図4〜6を参照しながら、本発明の第2実施形態に係るタッチ表示装置1002を説明する。
【0063】
図4は、本発明の第2実施形態に係るタッチ表示装置を示す断面図である。
【0064】
図4に示すように、本発明の第2実施形態に係るタッチ表示装置1002は、表示パネル102と、赤外線ソース部200と、赤外線センシング部300と、赤外線透過部400と、全反射板500とを含む。
【0065】
表示パネル102は有機発光表示装置であり、第1基板110と、第2基板120と、配線部130と、有機発光素子140とを含む。
【0066】
表示パネル102は、外部から照射される光が透過することによって赤外線ソース部200で照射される赤外線が透過する透過部(TA)(図5に図示)と、イメージを表示する表示部(DA)(図5に図示)とを含むが、下記で詳しく説明する。
【0067】
図5及び図6を参照しながら、本発明の第2実施形態に係るタッチ表示装置1002に含まれている表示パネル102の内部構造について詳しく説明する。
【0068】
図5は、本発明の第2実施形態に係るタッチ表示装置に含まれている表示パネルの画素の構造を示す配置図である。図6は、図5のVI-VIに沿った断面図である。
【0069】
図5及び図6に示すように、表示パネル102の有機発光素子140は、第1電極710と、第1電極710上に位置する有機発光層720と、有機発光層720上に位置する第2電極730とを含む。
【0070】
第1電極710は、インジウムスズ酸化物(ITO)及びインジウム亜鉛酸化物(IZO)などのうちの1つ以上を含む単層または複層の光透過性導電物質を含み、第2電極730もインジウムスズ酸化物(ITO)及びインジウム亜鉛酸化物(IZO)などのうちの1つ以上を含む単層または複層の光透過性導電物質を含む。すなわち、第1電極710及び第2電極730は光透過性を有する。
【0071】
このように、本発明の第2実施形態に係るタッチ表示装置1002に含まれている表示パネル102において、有機発光素子140は第1基板110及び第2基板120の両方向に光を放出する。すなわち、表示パネル102は、表示パネル102の上側及び下側方向に光を放出してイメージを表示する両面発光型である。
【0072】
また、表示パネル102は、透過部(TA)及び表示部(DA)をさらに含む。
【0073】
表示部(DA)及び透過部(TA)は、第1電極710と、有機発光層720と、第2電極730とを含む。表示部(DA)は有機発光層720で発光する光を用いてイメージを表示する部分であり、透過部(TA)は外部から照射される光が透過する部分であるが、第1電極710及び第2電極730が光透過性を有するため、透過部(TA)及び表示部(DA)は相互に重畳している。
【0074】
本発明の第2実施形態に係る表示パネル102において、透過部(TA)及び表示部(DA)は全体が重畳しているが、本発明の他の実施形態に係る表示パネルにおいて、透過部及び表示部はそれぞれの一部のみが重畳してもよい。
【0075】
図4及び図6を再び参照すれば、赤外線ソース部200は、表示パネル102の上に位置し、全反射板500の端部に位置して全反射板500内部に第1赤外線(IR1)を照射する。赤外線ソース部200から全反射板500の内部に照射された第1赤外線(IR1)は、表示パネル102に含まれている第1基板110の表面(S)に対向するように全反射板500内部で全反射板500の板面と平行する方向に全反射する。すなわち、赤外線ソース部200から全反射板500の内部に照射されて全反射板500の内部で全反射する第1赤外線(IR1)は、表示パネル102の表面(S)に対向する。
【0076】
全反射板500は赤外線ソース部200と隣接して表示パネル102の上に位置し、赤外線ソース部200で照射する第1赤外線(IR1)を内部で全反射する。全反射板500の内部で全反射する第1赤外線(IR1)は、全反射板500の表面にタッチが実行される場合、タッチによって第1赤外線(IR1)の全反射が崩れながら、第1赤外線(IR1)が表示パネル102の方向に照射される第2赤外線(IR2)に変換する。この第2赤外線(IR2)は全反射する第1赤外線(IR1)から変換して表示パネル102の透過部(TA)を介して表示パネル102の下側方向に照射され、赤外線センシング部300によってセンシングされる。
【0077】
以上のように、本発明の第2実施形態に係るタッチ表示装置1002は、赤外線をタッチ認識手段として用いながら、表示品質が向上すると共に、スリム化が可能であり、且つ赤外線透過度が向上することによってタッチ認識率が向上する。
【0078】
以下、図7〜9を参照しながら、本発明の第3実施形態に係るタッチ表示装置1003を説明する。
【0079】
図7は、本発明の第3実施形態に係るタッチ表示装置を示す断面図である。
【0080】
図7に示すように、本発明の第3実施形態に係るタッチ表示装置1003は、表示パネル103と、赤外線ソース部200と、赤外線センシング部300と、赤外線透過部400と、全反射板500と、センシング板600とを含む。
【0081】
表示パネル103は有機発光表示装置であり、第1基板110と、第2基板120と、配線部130と、有機発光素子140とを含む。
【0082】
表示パネル103は、外部から照射される光が透過することによって赤外線ソース部200で照射される赤外線が透過する透過部(TA)(図8に図示)と、イメージを表示する表示部(DA)(図8に図示)とを含むが、下記で詳しく説明する。
【0083】
図8及び図9を参照しながら、本発明の第3実施形態に係るタッチ表示装置1003に含まれている表示パネル103の内部構造について詳しく説明する。
【0084】
図8は、本発明の第3実施形態に係るタッチ表示装置に含まれている表示パネルの画素の構造を示す配置図である。図9は、図8のIX-IXに沿った断面図である。
【0085】
図8及び図9に示すように、表示パネル103の有機発光素子140は、第1電極710と、第1電極710上に位置する有機発光層720と、有機発光層720上に位置する第2電極730とを含む。
【0086】
第1電極710は光反射性を有し、第2電極730は光透過性を有する。
【0087】
このように、本発明の第3実施形態に係るタッチ表示装置1003に含まれている表示パネル103において、有機発光素子140は第2基板120方向に光を放出する。すなわち、表示パネル103は、表示パネル103の上側に光を発光してイメージを表示する前面発光型である。
【0088】
また、表示パネル103は、透過部(TA)及び表示部(DA)をさらに含む。
【0089】
表示部(DA)と隣接して透過部(TA)が位置している。
【0090】
透過部(TA)は外部から照射される光が透過する部分であり、特に、赤外線が透過する部分である。第2電極730は有機発光素子140全体にわたって位置しているが、透過部(TA)と対向する第2電極730が光透過性を有するため、透過部(TA)を介して赤外線が透過する。すなわち、透過部(TA)と対向する部分には光反射性物質が位置しない。
【0091】
図8及び図9を再び参照すれば、赤外線ソース部200は、表示パネル103の上に位置し、全反射板500の端部に位置して全反射板500の内部に第1赤外線(IR1)を照射する。赤外線ソース部200から全反射板500の内部に照射された第1赤外線(IR1)は、表示パネル103に含まれている第1基板110の表面(S)に対向するように全反射板500内部で全反射板500の板面と平行する方向に全反射する。すなわち、赤外線ソース部200から全反射板500の内部に照射されて全反射板500の内部で全反射する第1赤外線(IR1)は、表示パネル103の表面(S)に対向する。
【0092】
全反射板500は、赤外線ソース部200と隣接して表示パネル103の上に位置し、赤外線ソース部200で照射する第1赤外線(IR1)を内部で全反射する。全反射板500の内部で全反射する第1赤外線(IR1)は、全反射板500の表面にタッチが実行される場合、タッチによって第1赤外線(IR1)の全反射が崩れながら、第1赤外線(IR1)が表示パネル103の方向に照射される第2赤外線(IR2)に変換する。この第2赤外線(IR2)は全反射する第1赤外線(IR1)から変換して表示パネル103の透過部(TA)を介して表示パネル103の下側方向に照射され、赤外線センシング部300によってセンシングされる。
【0093】
赤外線センシング部300は複数であり、複数の赤外線センシング部300はセンシング板600に装着されている。
【0094】
センシング板600は表示パネル103の下に位置し、複数の赤外線センシング部300が装着される板である。センシング板600に装着された複数の赤外線センシング部300は、フォトリソグラフィなどのMEMS工程を用いてセンシング板600に同時に形成されることができる。
【0095】
以上のように、本発明の第3実施形態に係るタッチ表示装置1003は、赤外線をタッチ認識手段として用いながら、表示品質が向上すると共に、スリム化が可能であり、且つ赤外線透過度が向上することによってタッチ認識率が向上する。
【0096】
以上において、本発明を好ましい実施形態によって説明したが、本発明はこれに限定されず、特許請求の範囲の概念と範囲を逸脱しない限り、多様な修正及び変形が可能であることは本発明が属する技術分野における当業者は簡単に理解することができる。
【符号の説明】
【0097】
10 スイッチングトランジスタ
1001,1002,1003 タッチ表示装置
100 表示パネル
101 有機発光表示装置
110、120 基板
130 配線部
131 スイッチング半導体層
132 駆動半導体層
140 有機発光素子
151 ゲートライン
152 スイッチングゲート電極
155 駆動ゲート電極
158,178 蓄電板
161 層間絶縁膜
171 データライン
172 共通電源ライン
173 スイッチングソース電極
174 スイッチングドレイン電極
176 駆動ソース電極
177 駆動ドレイン電極
20 駆動薄膜トランジスタ
200 赤外線ソース部
300 赤外線センシング部
400 赤外線透過部
500 全反射板
600 センシング板
710,730 電極
720 有機発光層
80 蓄電素子
TA 透過部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から照射される光が透過する透過部を含み、光を放出してイメージを表示する表示パネルと、
前記表示パネルの表面に対して第1赤外線を照射する赤外線ソース部と、
前記表示パネルの下に位置し、タッチによって前記表示パネル方向に照射された前記第1赤外線から変換されると共に前記透過部を透過する第2赤外線をセンシングする赤外線センシング部と、
を含むことを特徴とする、タッチ表示装置。
【請求項2】
前記表示パネルと前記赤外線センシング部との間に位置し、前記表示パネルが放出する前記光及び前記第2赤外線のうちの前記第2赤外線を透過させる赤外線透過部をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のタッチ表示装置。
【請求項3】
前記表示パネルは、
前記透過部と隣接して前記光を放出して前記イメージを表示する表示部をさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載のタッチ表示装置。
【請求項4】
前記表示パネルは、
前記透過部と一部が重畳しており、前記光を放出して前記イメージを表示する表示部をさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載のタッチ表示装置。
【請求項5】
前記表示部は、前記光を発光する有機発光層と、前記有機発光層を間に置いて相互に対向する第1電極及び第2電極と、を含むことを特徴とする、請求項3または4に記載のタッチ表示装置。
【請求項6】
前記第1電極及び前記第2電極のうちの一方は光反射性を有し、前記第1電極及び前記第2電極のうちの他方は光透過性を有し、
前記透過部に対向すると共に光反射性である前記第1電極の一部または前記第2電極の一部は開口されたことを特徴とする、請求項5に記載のタッチ表示装置。
【請求項7】
前記第1電極及び前記第2電極は光透過性を有することを特徴とする、請求項5に記載のタッチ表示装置。
【請求項8】
前記赤外線ソース部は前記表示パネルの下に位置し、前記表示パネルの前記透過部を介して前記表示パネルの表面に前記第1赤外線を照射し、
前記タッチは前記表示パネルに実行されることを特徴とする、請求項5に記載のタッチ表示装置。
【請求項9】
前記赤外線ソース部は前記表示パネルの上に位置し、
前記赤外線ソース部と隣接して前記表示パネルの上に位置し、前記赤外線ソース部で照射する前記第1赤外線が内部で全反射される全反射板をさらに含み、
前記タッチは前記全反射板に実行されることを特徴とする、請求項5に記載のタッチ表示装置。
【請求項10】
前記表示パネルの下に位置するセンシング板をさらに含み、
前記赤外線センシング部は前記センシング板に装着されていることを特徴とする、請求項5に記載のタッチ表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−198340(P2011−198340A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−154696(P2010−154696)
【出願日】平成22年7月7日(2010.7.7)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Mobile Display Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】San #24 Nongseo−Dong,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do 446−711 Republic of KOREA
【Fターム(参考)】