説明

タバコ由来シトクロムP450遺伝子のクローニング

【課題】タバコ中のP450酵素およびP450酵素をコードする核酸配列、ならびに植物表現型を改変するためにそれらの酵素および核酸配列の使用する方法を提供する。
【解決手段】トランスジェニック植物を生成する方法であって、前記核酸分子を前記植物中で機能するプロモータに動作可能に結合して植物形質転換ベクターを生成するステップ、前記植物形質転換ベクターで前記植物を形質転換するステップ、前記形質転換ベクターで形質転換された植物細胞を選択するステップ、および前記植物細胞から植物を再生するステップを含むことを特徴とする方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タバコ(Nicotiana)植物中のシトクロムP450酵素(以後P450およびP450酵素と称する)をコードする核酸配列、およびこの核酸配列を使用して植物の表現型を改変する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シトクロムP450は、内在性基質および生体異物基質の酸化的、過酸化的、および還元的代謝を含む多様な範囲の化学的に異なる基質の酵素反応を触媒する。植物では、P450は、フェニルプロパノイド、アルカロイド、テルペノイド、脂質、シアン発生性配糖体、グルコシノラートのような、植物生成物の合成を含む生化学的経路に関与する(非特許文献1)。P450ヘム−チオラート蛋白質としても知られているシトクロムP450は、通常、P450−含有モノオキシゲナーゼ系と称される多成分電子移動連鎖において最終酸化酵素として作用する。触媒される特異的反応には、脱メチル化、水酸化、エポキシ化、N−酸化、スルホオキシデーション;N−、S−、およびO−脱アルキル化、脱硫酸化、脱アミノ化、ならびにアゾ、ニトロ、およびN−オキシド群の還元が含まれる。
【0003】
タバコ植物のP450酵素の多様な役割は、フェニルプロパノイド、アルカロイド、テルペノイド、脂質、シアン発生性配糖体、グルコシノラート、および他の化学的存在物の親物質(host)のような様々な植物の代謝産物を生じさせることに関与してきた。近年、一部のP450酵素が、植物中で植物の代謝産物組成に影響を及ぼしうることが明らかになりつつある。例えば、品種改良により選択した脂肪酸のプロファイルを改変することによってある種の植物の香味および芳香を改善することが長い間望まれてきた。しかし、こうした葉の成分のレベルの制御に関与する機構については、ほとんど明らかになっていない。脂肪酸の改変に関連するP450酵素の下方制御によって、より好ましい葉表現型特性を提供する所望の脂肪酸の蓄積を促進することができる。植物成分におけるP450酵素の機能および幅広いその役割は依然として発見されつつある。例えば、特定のクラスのP450酵素が、脂肪酸の、果物および野菜の「青葉の」香りの主因である揮発性C6−およびC9−のアルデヒドおよびアルコールへの分解を触媒することが判明した。他の新規な標的P450のレベルを変え、タバコ葉中の脂質の組成および関連分解代謝産物を修飾することにより葉成分の特性を強化することができる。葉中のいくつかのこうした成分は、葉の品質特性の成熟を刺激する老化による影響を受ける。さらに、P450酵素が、植物−病原体相互作用および耐病性に関与する脂肪酸の改変に機能的役割を果たすことが諸報告に示されてきた。
【0004】
例えば、P450酵素がアルカロイド生合成に関与することが示唆されてきた。ノルニコチンは、タバコ(Nicotiana tabaccum)中に見出される少量のアルカロイドである。N位置でのP450媒介ニコチン脱メチル化、それに続くアシル化反応およびニトロソ化、それにより一連のN−アシルノニコチン(acylnonicotine)およびN−ニトロソノルニコチンを生成することよってノルニコチンが産生されることが前提とされてきた。推定上のP450脱メチル化酵素により触媒されるN−脱メチル化は、タバコ中のノルニコチン生合成の主要な供給源であると考えられている。酵素はミクロソームであると考えられているが、今までのところ、ニコチン脱メチル化酵素は首尾よく単離されていないだけでなく、関与する遺伝子も単離されていない。
【0005】
さらに、P450酵素活性は遺伝的に制御され、環境因子にも強く影響を受けるとの仮説が立てられているが証明されていない。例えば、タバコ中のニコチンの脱メチル化は、植物が成熟期に達するときにかなり増加すると考えられる。さらに、脱メチル化酵素遺伝子は転移因子を含み、これは、存在するとRNAの翻訳を阻害し得ると考えられている。
【0006】
P450酵素形の多様性、その異なる構造および機能は、この出願に含まれる発明以前のタバコP450酵素についての研究を非常に困難なものにしてきた。さらに、P450酵素のクローニングは、少なくとも部分的に阻止されてきた。というのは、これらの膜局在化蛋白質は通常低量で存在し、精製するにはしばしば不安定であるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第4,945,050号明細書
【特許文献2】米国特許第5,141,131号明細書
【特許文献3】米国特許第5,177,010号明細書
【特許文献4】米国特許第5,104,310号明細書
【特許文献5】欧州特許出願第0131624B1号明細書
【特許文献6】欧州特許出願公開第120516号明細書
【特許文献7】欧州特許第159418B1号明細書
【特許文献8】欧州特許出願公開第120516号明細書
【特許文献9】欧州特許第159418B1号明細書
【特許文献10】欧州特許出願公開第176,112号明細書
【特許文献11】米国特許第5,149,645号明細書
【特許文献12】米国特許第5,469,976号明細書
【特許文献13】米国特許第5,464,763号明細書
【特許文献14】米国特許第4,940,838号明細書
【特許文献15】米国特許第4,693,976号明細書
【特許文献16】欧州特許出願公開第116718号明細書
【特許文献17】欧州特許出願公開第290799号明細書
【特許文献18】欧州特許出願公開第第320500号明細書
【特許文献19】欧州特許出願公開第604662号明細書
【特許文献20】欧州特許出願公開第627752号明細書
【特許文献21】欧州特許出願公開第0267159号明細書
【特許文献22】欧州特許出願公開第0292435号明細書
【特許文献23】米国特許第5,231,019号明細書
【特許文献24】米国特許第5,463,174号明細書
【特許文献25】米国特許第4,762,785号明細書
【特許文献26】米国特許第5,004,863号明細書
【特許文献27】米国特許第5,159,135号明細書
【特許文献28】米国特許第5,302,523号明細書
【特許文献29】米国特許第5,464,765号明細書
【特許文献30】国際公開第87/06614号パンフレット
【特許文献31】第5,472,869号明細書
【特許文献32】第5,384,253号明細書
【特許文献33】国際公開第9209696号パンフレット
【特許文献34】国際公開第9321335号パンフレット
【特許文献35】米国特許第5,583,021号明細書
【特許文献36】欧州特許出願公開88810309.0号明細書
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Chappel, Annu. Rev. Plant Physiol. Plant Mol. Biol. 198, 49:311-343
【非特許文献2】Singleton et al., (1994), Dictionary of Microbiology and Molecular Biology, second edition, John Wiley and Sons (New York)
【非特許文献3】Caruthers, Methodology of DNA and RNA Sequencing, (1983), Weissman (ed.), Praeger Publishers, New York Chapter 1)
【非特許文献4】Smith and Waterman, Adv. Appl. Math. 2:482 (1981)
【非特許文献5】Needleman and Wunsch, J. Mol. Biol. 48: 443 (1970)
【非特許文献6】Pearson and Lipman Proc. Natl. Acad. Sci. (U.S.A.) 85: 2444 (1988)
【非特許文献7】Darnell et al. (1990), Molecular Cell Biology, Second Edition Scientific American Books, W. H. Freeman and Company New York for an explanation of codon degeneracy and the genetic code
【非特許文献8】VIGS, Baulcombe, Current Opinions in Plant Biology, 1999, 2: 109-113頁
【非特許文献9】Smith et al., Nature, 2000, 407: 319-320
【非特許文献10】Fire et al., Nature, 1998, 391: 306-311
【非特許文献11】Waterhouse et al., PNAS, 1998, 95:13959-13964
【非特許文献12】Stalberg et al., Plant Molecular Biology, 1993, 23: 671-683
【非特許文献13】Baulcombe, Current Opinions in Plant Biology, 1999, 2:109-113
【非特許文献14】Brigneti et al., EMBO Journal, 1998, 17 (22):6739-6746
【非特許文献15】K. Weising et al., Ann. Rev. Genetics, 22, 421 (1988)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、植物中のP450酵素、およびこれらのP450酵素に関連する核酸配列を同定することが必要とされている。特に、タバコではほんの数種のシトクロムタバコP450蛋白質しか報告されていない。本明細書に記載の本発明は、その配列同一性に基づき数群のP450種に対応する、実質的な数のシトクロムP450断片の発見を伴っている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、植物のP450酵素を対象とする。さらに、本発明は、タバコ由来の植物P450酵素を対象とする。さらに、本発明は、その発現がエチレンおよび/または植物の老化によって誘発される、植物中のP450酵素も対象とする。さらに、本発明は、植物中で例えば酸素添加酵素や脱メチル化酵素などの酵素活性を有する核酸配列、およびこれらの酵素の発現を低減またはサイレンスするためにこれらの配列を使用することを対象とする。さらに、本発明は、低レベルのノルニコチンを示す植物よりも高いレベルのノルニコチンを含む植物中に見出されるP450酵素に関する。
【0011】
一態様では、本発明は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145および147で示される核酸配列を対象とする。
【0012】
関連する第2の態様では、核酸配列で75%を超える同一性を含むこれらの断片を、シトクロムP450のモチーフGXRXCX(G/A)に続く第1の核酸から終止コドンまでに対応する領域中の同一性に依って群分けした。その代表的な核酸群およびそれぞれの種を表Iに示す。
【0013】
第3の態様では、本発明は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146および148で示されるアミノ酸配列を対象とする。
【0014】
関連する第4の態様では、アミノ酸配列で71%を超える同一性を含むこれらの断片を、シトクロムP450のモチーフGXRXCX(G/A)に続く第1のアミノ酸から終止コドンまでに対応する領域中の互いの同一性に依って群分けした。その代表的なアミノ酸群およびそれぞれの種を表IIに示す。
【0015】
本発明の第5の態様は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145および147で示される核酸配列の使用である。
【0016】
関連する第6の態様では、タバコ植物中のP450酵素の低減または除去を、RNAウイルス系を使用して一過的に実現することができる。得られた形質転換植物または感染植物を、当業者に通常利用可能な技術を使用して内在性のP450RNA転写物、P450を発現したペプチド、および植物の代謝産物の濃度を分析すること(これらに限定されない)を含めて、表現型の変化について評価する。
【0017】
重要な第7の態様では、本発明は、P450酵素活性レベルを改変したトランスジェニックタバコ系統の生成も対象とする。本発明に従って、これらのトランスジェニック系統は、ある種の酵素の発現を低減またはサイレンシングし、それによってタバコ内で表現型に影響を与えるのに効果的な核酸配列を含む。このような核酸配列には、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145および147が含まれる。
【0018】
本発明の非常に重要な第8の態様では、下方制御能で本発明の核酸を含む植物栽培品種は、対照植物に比べて、改変された代謝産物プロファイルを有するであろう。
【0019】
第9の態様では、本発明は、教示されている核酸配列に実質的に核酸同一性を有する遺伝子を含む植物、より好ましくはタバコのスクリーニングを対象とする。本発明の使用は、完全なまたは実質的な同一性を有する核酸配列を含む植物の同定および選択に有利なはずであり、その場合、そのような植物は従来品種またはトランスジェニック品種の品種改良プログラム、突然変異誘発プログラム、または天然に存在する多様な植物集団の一部である。実質的な核酸同一性について植物をスクリーニングすることは、核酸のハイブリッド形成およびPCR分析(そらに限定されない)を含めた核酸検出プロトコールと併せて、核酸プローブを使用して植物核酸材料を評価することによって実現することができる。核酸プローブは、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145および147に対応する、教示されている核酸配列またはその断片から構成されうる。
【0020】
第10の態様では、本発明は、教示されている核酸配列に対応するアミノ酸に実質的な同一性を有する植物遺伝子、より好ましくはタバコの遺伝子の同定を対象とする。cDNAおよびそれらのcDNAゲノム群、ならびにゲノムクローンを含む植物遺伝子、好ましくはタバコ由来のもの、の同定は、核酸ハイブリッド形成およびPCR分析(これらに限定されない)を含めた核酸検出プロトコールと併せて、核酸プローブを使用し植物cDNAライブラリーをスクリーニングすることによって実現することができる。核酸プローブは、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145および147に対応する核酸配列またはその断片から構成されてよい。
【0021】
別の第11の態様では、ペプチドを発現するcDNA発現ライブラリーは、教示されているアミノ酸配列の一部またはすべてを対象とする抗体を使用してスクリーニングすることができる。このようなアミノ酸配列には配列番号2、4、8、9、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146および148が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】核酸配列番号1およびアミノ酸配列番号2を示す図である。
【図2】核酸配列番号3およびアミノ酸配列番号4を示す図である。
【図3】核酸配列番号5およびアミノ酸配列番号6を示す図である。
【図4】核酸配列番号7およびアミノ酸配列番号8を示す図である。
【図5】核酸配列番号9およびアミノ酸配列番号10を示す図である。
【図6】核酸配列番号11およびアミノ酸配列番号12を示す図である。
【図7】核酸配列番号13およびアミノ酸配列番号14を示す図である。
【図8】核酸配列番号15およびアミノ酸配列番号16を示す図である。
【図9】核酸配列番号17およびアミノ酸配列番号18を示す図である。
【図10】核酸配列番号19およびアミノ酸配列番号20を示す図である。
【図11】核酸配列番号21およびアミノ酸配列番号22を示す図である。
【図12】核酸配列番号23およびアミノ酸配列番号24を示す図である。
【図13】核酸配列番号25およびアミノ酸配列番号26を示す図である。
【図14】核酸配列番号27およびアミノ酸配列番号28を示す図である。
【図15】核酸配列番号29およびアミノ酸配列番号30を示す図である。
【図16】核酸配列番号31およびアミノ酸配列番号32を示す図である。
【図17】核酸配列番号33およびアミノ酸配列番号34を示す図である。
【図18】核酸配列番号35およびアミノ酸配列番号36を示す図である。
【図19】核酸配列番号37およびアミノ酸配列番号38を示す図である。
【図20】核酸配列番号39およびアミノ酸配列番号40を示す図である。
【図21】核酸配列番号41およびアミノ酸配列番号42を示す図である。
【図22】核酸配列番号43およびアミノ酸配列番号44を示す図である。
【図23】核酸配列番号45およびアミノ酸配列番号46を示す図である。
【図24】核酸配列番号47およびアミノ酸配列番号48を示す図である。
【図25】核酸配列番号49およびアミノ酸配列番号50を示す図である。
【図26】核酸配列番号51およびアミノ酸配列番号52を示す図である。
【図27】核酸配列番号53およびアミノ酸配列番号54を示す図である。
【図28】核酸配列番号55およびアミノ酸配列番号56を示す図である。
【図29】核酸配列番号57およびアミノ酸配列番号58を示す図である。
【図30】核酸配列番号59およびアミノ酸配列番号60を示す図である。
【図31】核酸配列番号61およびアミノ酸配列番号62を示す図である。
【図32】核酸配列番号63およびアミノ酸配列番号64を示す図である。
【図33】核酸配列番号65およびアミノ酸配列番号66を示す図である。
【図34】核酸配列番号67およびアミノ酸配列番号68を示す図である。
【図35】核酸配列番号69およびアミノ酸配列番号70を示す図である。
【図36】核酸配列番号71およびアミノ酸配列番号72を示す図である。
【図37】核酸配列番号73およびアミノ酸配列番号74を示す図である。
【図38】核酸配列番号75およびアミノ酸配列番号76を示す図である。
【図39】核酸配列番号77およびアミノ酸配列番号78を示す図である。
【図40】核酸配列番号79およびアミノ酸配列番号80を示す図である。
【図41】核酸配列番号81およびアミノ酸配列番号82を示す図である。
【図42】核酸配列番号83およびアミノ酸配列番号84を示す図である。
【図43】核酸配列番号85およびアミノ酸配列番号86を示す図である。
【図44】核酸配列番号87およびアミノ酸配列番号88を示す図である。
【図45】核酸配列番号89およびアミノ酸配列番号90を示す図である。
【図46】核酸配列番号91およびアミノ酸配列番号92を示す図である。
【図47】核酸配列番号95およびアミノ酸配列番号96を示す図である。
【図48】核酸配列番号97およびアミノ酸配列番号98を示す図である。
【図49】核酸配列番号99およびアミノ酸配列番号100を示す図である。
【図50】核酸配列番号101およびアミノ酸配列番号102を示す図であ。
【図51】核酸配列番号103およびアミノ酸配列番号104を示す図である。
【図52】核酸配列番号105およびアミノ酸配列番号106を示す図である。
【図53】核酸配列番号107およびアミノ酸配列番号108を示す図である。
【図54】核酸配列番号109およびアミノ酸配列番号110を示す図である。
【図55】核酸配列番号111およびアミノ酸配列番号112を示す図である。
【図56】核酸配列番号113およびアミノ酸配列番号114を示す図である。
【図57】核酸配列番号115およびアミノ酸配列番号116を示す図である。
【図58】核酸配列番号117およびアミノ酸配列番号118を示す図である。
【図59】核酸配列番号119およびアミノ酸配列番号120を示す図である。
【図60】核酸配列番号121およびアミノ酸配列番号122を示す図である。
【図61】核酸配列番号123およびアミノ酸配列番号124を示す図である。
【図62】核酸配列番号125およびアミノ酸配列番号126を示す図である。
【図63】核酸配列番号127およびアミノ酸配列番号128を示す図である。
【図64】核酸配列番号129およびアミノ酸配列番号130を示す図である。
【図65】核酸配列番号131およびアミノ酸配列番号132を示す図である。
【図66】核酸配列番号133およびアミノ酸配列番号134を示す図である。
【図67】核酸配列番号135およびアミノ酸配列番号136を示す図である。
【図68】核酸配列番号137およびアミノ酸配列番号138を示す図である。
【図69】核酸配列番号139およびアミノ酸配列番号140を示す図である。
【図70】核酸配列番号143およびアミノ酸配列番号144を示す図である。
【図71】核酸配列番号145およびアミノ酸配列番号146を示す図である。
【図72】核酸配列番号147およびアミノ酸配列番号148を示す図である。
【図73】PCRによるシトクロムP450cDNA断片のクローニングに使用され る手順を示す図である。配列番号149〜156を示す。
【図74−1】グループメンバーのアミノ酸同一性を示す図である。
【図74−2】グループメンバーのアミノ酸同一性を示す図である。
【図74−3】グループメンバーのアミノ酸同一性を示す図である。
【図74−4】グループメンバーのアミノ酸同一性を示す図である。
【図75−1】配列グループの比較を示す図である。
【図75−2】配列グループの比較を示す図である。
【図75−3】配列グループの比較を示す図である。
【図75−4】配列グループの比較を示す図である。
【図75−5】配列グループの比較を示す図である。
【図75−6】配列グループの比較を示す図である。
【図75−7】配列グループの比較を示す図である。
【図75−8】配列グループの比較を示す図である。
【図75−9】配列グループの比較を示す図である。
【図75−10】配列グループの比較を示す図である。
【図75−11】配列グループの比較を示す図である。
【図75−12】配列グループの比較を示す図である。
【図75−13】配列グループの比較を示す図である。
【図75−14】配列グループの比較を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
定義
定義されていない場合は、本明細書で使用される技術的および科学的用語はすべて、本発明が属する当技術分野の通常の技術者によって一般に理解されている意味と同じ意味を持つ。当業者に本発明で使用する多くの用語の一般的な辞書も提供されている(非特許文献2)。本明細書で言及した特許および刊行物はすべて、参照により本明細書に組み込む。本発明の目的のために以下の用語を以下のように定義する。
【0024】
「酵素活性」は、脱メチル化、水酸化、エポキシ化、N酸化、スルホオキシデーション;N−、S−、およびO−脱アルキル化、脱硫酸化、脱アミノ化、およびアゾ、ニトロ、およびN−オキシド基の還元を含むものとする。「核酸」の語は、1本鎖または2本鎖形の、あるいはセンスまたはアンチセンスのデオキシリボヌクレオチドポリマーまたはリボヌクレオチドポリマーをさし、特に限定しない場合は、天然に存在するヌクレオチドに類似する方式で核酸にハイブリッド形成される、既知の天然ヌクレオチド類似体を包含する。別段の指示がない限り、特定の核酸配列はその相補的配列を含む。「動作可能に結合」、「動作可能な組合せで」かつ「動作可能な順序で」の語は、核酸発現制御配列(プロモータ、シグナル配列、または転写因子結合部位のアレイなど)と第2核酸配列間の機能的な結合であって、発現制御配列が第2の配列に対応する核酸の転写および/または翻訳に作用するものをさす。
【0025】
「組換え」の語は、細胞に関して使用さる場合、細胞が異種核酸を複製し、前記核酸を発現し、あるいは異種核酸によってコードされているペプチド、異種ペプチド、または蛋白質を発現することを示唆する。組換え細胞は、天然(非組換え)形細胞では見いだされないセンス形またはアンチセンス形で遺伝子または遺伝子断片を発現することができる。組換え細胞は、天然形細胞で見出される遺伝子を発現することもできるが、その際遺伝子は人工的手段によって修飾され、細胞中に再導入される。
【0026】
「構造遺伝子」は、蛋白質、ポリペプチド、またはその部分をコードするDNAセグメントを含み、かつ転写を開始させる5’配列を除いた遺伝子部分である。構造遺伝子は、代わりに翻訳不能な生成物をコードすることができる。構造遺伝子は、細胞中に通常見出される遺伝子、または細胞中には通常見出されない遺伝子であってよく、あるいは遺伝子を導入した細胞位置でよく、その場合それを「異種遺伝子」と称する。異種遺伝子は、細菌ゲノムまたはエピソーム、真核生物、核またはプラスミドDNA、cDNA、ウイルスDNA、あるいは化学合成DNAを含む当技術分野で公知の任意の供給源から、全体的にまたは部分的に、誘導することができる。構造遺伝子には、生物活性またはその特徴、発現生成物の生体活性またはその化学構造、発現の割合、あるいは発現制御方式に作用できるはずの1つまたは複数の改変を含んでよい。そのような改変には、1つまたは複数のヌクレオチドの突然変異、挿入、欠失および置換が含まれるが、これらに限定されない。構造遺伝子は、連続したコード配列を構成することができ、または適したスプライス連結部によって結合された1つまたは複数のイントロン含むことができる。構造遺伝子は、アンチセンス方向(orientation)中を含め、翻訳可能または翻訳不能であってよい。構造遺伝子は、複数の供給源および複数の遺伝子配列(天然に存在するまたは合成したものであり、合成とは化学合成DNAをさす)に由来する断片の複合体でよい。
【0027】
「由来する」とは、(化学的および/または生物学的)供給源から取る、得る、受ける、たどる、複製する、または伝わることを意味するために使用される。誘導体は、本来の供給源の(置換、付加、挿入、欠失、抽出、単離、突然変異、および複製を含むがそれだけには限らない)化学的または生物学的操作によって生成することができる。
【0028】
DNA配列に関連して「化学合成」は、ヌクレオチド成分の一部をin vitroで組み立てたことをを意味する。手作業によるDNAの化学合成は、首尾よく確立した手順(非特許文献3)を使用して実現することができ、自動化学合成は、いくつかの市販の機器の1つを使用して実施することができる。
【0029】
比較のための最適な配列のアライメントは、局所的相同性アルゴリズム(非特許文献4)、相同性配列アルゴリズム(非特許文献5)、類似法のための調査(非特許文献6)、これらのアルゴリズムのコンピュータ化[Genetics Computer Group(米国ウィスコンシン州マディソンサイエンス通り575所在)社製米国ウィスコンシン州Geneticsソフトウェアパッケージ、GAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA]の実施、または精査によって実施することができる。
【0030】
NCBI Basic Local Alignment Search Tool(BLAST)(Altschulら、1990年)は、National Center for Biological Information(NCBI、米国メリーランド州ベセスダ)を含むいくつかの供給源、および配列分析プログラムblastp、blastn、blastx、tblastn、およびtblastxと併せて使用するためにインターネット上から入手することができる。NCBIには、htp://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/からアクセスすることができる。このプログラムを使用する配列同一性の決定の仕方についての説明は、http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/blast?help.htmlから利用することができる。
【0031】
アミノ酸配列に適用され、本明細書で使用される「実質的なアミノ酸同一性」または「実質的なアミノ酸配列同一性」の語は、ポリペプチドの特徴を示し、その際、翻訳されたペプチドのシトクロムP450のモチーフGXRXCX(G/A)に続く第1のアミノ酸から終止コドンまでに対応する領域にわたる参照グループと比較して、ペプチドが、少なくとも70パーセントの配列同一性を有する配列を含み、アミノ酸配列同一性は80パーセントが好ましく、アミノ酸配列同一性は90パーセントがより好ましく、配列同一性は少なくとも99から100パーセントが最も好ましい。
【0032】
核酸配列に適用され、本明細書で使用される「実質的な核酸同一性」または「実質的な核酸配列同一性」の語は、ポリヌクレオチド配列の特徴を示し、その際、翻訳されたペプチドのシトクロムP450のモチーフGXRXCX(G/A)に続く第1の核酸から終止コドンに対応する領域にわたる参照グループと比べて、ポリヌクレオチドは、少なくとも75パーセントの配列同一性を有する配列を含み、アミノ酸配列同一性は81パーセントが好ましく、配列同一性は少なくとも91から99パーセントがより好ましく、配列同一性は少なくとも99から100パーセントが最も好ましい。
【0033】
ヌクレオチド配列が実質的に同一であるという別の兆候は、ストリンジェントな条件下で互いに2個の分子がハイブリッド形成するかどうかである。ストリンジェントな条件とは配列に依存し、異なる状況では違いが生じる。一般に、ストリンジェントな条件は、特異的配列の所定のイオン強度およびpHでの融点温度(Tm)よりも約5℃から約20℃低い、通常約10℃から約15℃低いように選択される。Tmは、標的配列の50%が、適合するプローブとハイブリッド形成する(所定のイオン強度およびpH下での)温度である。通常、ストリンジェントな条件とは、pH7で塩濃度が約0.02モル、温度が少なくとも約60℃であるような条件であろう。例えば、標準的なサザンハイブリッド形成法の手順では、ストリンジェントな条件は、42℃での6倍のSSCによる最初の洗浄と、それに続く少なくとも約55℃、通常約60℃、しばしば約65℃の温度での0.2倍のSSCによる1回または複数回の追加の洗浄を含む。
【0034】
ヌクレオチド配列がコードするポリペプチドおよび/または蛋白質が実質的に同一である場合、本発明の目的のためのヌクレオチド配列も実質的に同一である。すなわち、1つの核酸配列が第2の核酸配列と本質的に同じポリペプチドをコードする場合、たとえこれらが遺伝暗号により許される縮退の結果としてストリンジェントな条件下でハイブリッドを形成しなくてもこの2つの核酸配列は実質的に同一である(非特許文献7参照)。蛋白質の純度または均一性は、蛋白質試料のポリアクリルアミドゲル電気泳動とそれに続く染色による可視化のような当技術分野で周知のいくつかの手段によって示すことができる。ある種の目的のためには高分解能が求められる可能性がありHPLCまたは同様の精製手段を使用することができる。
【0035】
本明細書では、「ベクター」の語は、DNAセグメントを細胞中に送り込む核酸分子に関して使用される。ベクターは、DNAを複製する働きをすることができ、独立して宿主細胞中で再生することができる。「ビヒクル」の語を「ベクター」と互いに取り替えて使用する場合もある。本明細書では、「発現ベクター」の語は、所望のコード配列、および動作可能に結合されたコード配列を特定の宿主生物中で発現するのに必要な適当な核酸配列を含む組換えDNA分子をさす。通常、原核生物中での発現に必要な核酸配列は、プロモータ、オペレータ(任意選択)、およびリボソーム結合部位を、しばしば他の配列と共に含む。真核生物細胞は、プロモータ、エンハンサ、ならびに停止シグナルおよびポリアデニル化シグナルを使用することが知られている。
【0036】
根を持った完全な遺伝子操作植物を再生する目的で、例えば、in vivo接種などのどんな技術によって、または周知のin vitro組織培養技術のいずれかによって核酸を植物細胞中に挿入して完全な植物に再生できる形質転換植物細胞を産生することができる。すなわち、例えば、植物細胞中への挿入は病原性または非病原性アグロバクテリウムチュメファシエンス(A.tumefaciens)でin vitro接種することによって行うことができる。他のこのような組織培養技術も利用することができる。
【0037】
「植物組織」は、根、新芽、葉、花粉、種子、腫瘍組織、および、培地中の様々な形の細胞、例えば単細胞、プロトプラスト、胚およびカルス組織を含む(但し、これらに限定されない)分化および未分化植物組織を含む。植物組織は、インプランタ(in planta)、あるいは器官、組織、または細胞培養物中に存在することができる。
【0038】
本明細書で使用する「植物細胞」は、植物体中の植物細胞、培地中の植物細胞、プロトプラストを含む。一般に、「cDNA」または「相補DNA」は、RNA分子に相補的なヌクレオチド配列を有する1本鎖DNA分子をさす。cDNAは、RNA鋳型に対して酵素、すなわち逆転写酵素の作用によって形成される。
【0039】
核酸配列を得るための戦略
本発明に従って、転化体(converter)および非転化体(non−converter)タバコ系統のタバコ組織からRNAを抽出した。次いで、抽出RNAを使用してcDNAを作り出した。次いで、2つの戦略を使用して本発明の核酸配列を生成した。
【0040】
第1の戦略では、ポリAが豊富なRNAを植物組織から抽出し、逆転写PCRによってcDNAを製造した。次いで、1本鎖cDNAを使用して、デジェネレートプライマー(degenerate primer)にオリゴd(T)リバースプライマー(reverse primer)を加えたものを使用しP450特異的PCR集団を作り出した。プライマーの設計は、P450の高度に保存的なモチーフに基づいた。特異的デジェネレートプライマーの例を図1に記載する。適当なサイズの挿入物を含むプラスミド由来の配列断片をさらに分析した。通常、これらのサイズの挿入物は、どのプライマーを使用したかに応じて約300から約800ヌクレオチドの範囲にあった。
【0041】
第2の戦略では、最初にcDNAライブラリーを構築した。プラスミド中のcDNAを使用して、プラスミド上のデジェネレートプライマーにT7プライマーを加えたものをリバースプライマーとして使用し、p450特異的PCR集団を作り出した。第1の戦略と同様に、適当なサイズの挿入物を含むプラスミド由来の配列断片をさらに分析した。
【0042】
高レベルのノルニコチン(転化体)、および検出不可能なレベルのノルニコチンを有する植物系統を産生することが知られているタバコ植物系統を出発物質として使用することができる。
【0043】
次いで、葉を植物から取って、エチレンで処理して本明細書で定義したP450酵素活性を活性化することができる。全RNAを当技術分野で知られている技術を使用し抽出する。次いで、図1に記載したオリゴd(T)プライマーと共にPCR(RT−PCR)を使用してcDNA断片を生成することができる。次いで、cDNAライブラリーを構築することができ、本明細書の実施例により完全に記載した。
【0044】
P450型酵素の保存領域をデジェネレートプライマー(図73)の鋳型として使用することができる。デジェネレートプライマーを使用し、P450特異的バンドをPCRによって増幅することができる。P450様酵素を示すバンドは、DNA配列決定によって同定することができる。適当な候補を同定するためにBLASTサーチ、アライメント、または他のツールを使用してPCR断片を特徴付けることができる。
【0045】
同定された断片からの配列情報を使用してPCRプライマーを開発することができる。これらのプライマーを使用して、エチレン処理された転化体および非転化体植物組織のRNA’sから定量的RT−PCRを実施する。転化体系統に由来する適当なサイズのDNAバンド(300〜800bp)、または転化体系統中でより高い発現を示すより高密度のバンドのみを、さらなる特等付けに使用した。得られたクローンすべてについて差分発現(differential expression)を検査するために大規模サザンリバース分析を行った。本発明のこの態様では、クローン化挿入物すべてをスクリーニングするために、異なる組織由来の標識全cDNA’sをプローブとして使用し、こうした大規模リバースサザン検定を実施してクローン化DNA断片とハイブリッド形成させることができる。
【0046】
非放射性ノーザンブロッティング検定も使用してクローンP450断片を特徴付けた。
【0047】
ウイルス誘発遺伝子サイレンシング技術を使用することによって上記のように同定された核酸配列を検査することができる(非特許文献8)。
【0048】
本発明の別の態様では、RNA干渉技術(RNAi)を使用して、さらに本発明のタバコ植物中のシトクロムP450酵素活性を特徴付ける。この技術を説明する以下の参照文献を参照により本明細書に組み込む。(非特許文献9、非特許文献10、非特許文献11、非特許文献12、非特許文献13、非特許文献14)。RNAi技術、アンチセンス技術、または記載した様々な他の方法を使用して植物を形質転換することができる。
【0049】
外来遺伝物質を植物細胞に導入し、導入遺伝子を安定的に維持し発現する植物を得るためのいくつかの技術がある。このような技術には、ミクロ粒子上にコートされた遺伝物質を直接細胞中に加速させることが含まれる(Cornellの特許文献1、DowElancoの特許文献2)。アグロバクテリウム技術を使用し、植物を形質転換することができる(トレド大学の特許文献3、Texas A&Mの特許文献4、Schilperootの特許文献5、Schilperootの特許文献6、Schilperootの特許文献7、Schilperootの特許文献8、Schilperootの特許文献9、Schilperootの特許文献10、Schilperootの特許文献11、Schilperootの特許文献12、Schilperootの特許文献13、Schilperootの特許文献14、Schilperootの特許文献15、MaxPlanckの特許文献16、MaxPlanckの特許文献17、MaxPlanckの特許文献18、Japan Nicotianaの特許文献19、Japan Nicotianaの特許文献20、Ciba Geigyの特許文献21、Ciba Geigyの特許文献22、Ciba Geigyの特許文献23、Calgeneの特許文献24、Calgeneの特許文献25、Agracetusの特許文献26、Agracetusの特許文献27参照)。他の形質転換技術にはウイスカ(whiskers)の技術が含まれる(Zenecaの特許文献28、Zenecaの特許文献29参照)。植物を形質転換するには電気穿孔法技術も使用されてきた(Boyce Thompson Instituteの特許文献30、Dekalbの特許文献31、Dekalbの特許文献32、PGSの特許文献33、PGSの特許文献34参照)。これらの形質転換特許および刊行物すべてを参照により組み込む。植物を形質転換するための多数の技術に加えて、外来遺伝子と接触する組織の型も変化してよい。このような組織には、胚発生組織、カルス組織I型およびII型、胚軸、分裂組織などが含まれるがそれだけには限らないはずである。植物組織はほぼすべて、当技術分野内の適する技術を使用し脱分化中に形質転換することができる。
【0050】
植物に導入される外来遺伝物質には選択マーカーを含めてよい。特定のマーカーについての選択は当業者の裁量によるが、選択マーカーとして機能し得るはずの本明細書に掲載していない他の遺伝子に加えて、以下の選択マーカーのいずれかを使用することができる。このような選択マーカーには、それだけには限らないが、抗生物質のカナマイシン、ネオマイシン、およびG418耐性をコードするトランスポゾンTn5のアミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ遺伝子(AphII)、並びに、グリホサート;ハイグロマイシン;メトトレキサート;フォスフィノスリシン(bar);クロロスルフロンのようなイミダゾリノン、スルホニルウレアおよびトリアゾロピリミジン除草剤;ブロモキシニル、ダラポンなどの耐性または耐容性(trelance)をコードする遺伝子が含まれる。
【0051】
選択マーカーの他にレポーター遺伝子の使用も所望され得る。時には選択マーカーを用いずにレポーター遺伝子を使用してもよい。通常、レポーター遺伝子は受容生物体または組織中で存在または発現されない遺伝子である。通常、レポーター遺伝子はいくつかの表現型の違いまたは酵素特性を提供する蛋白質をコードする。そのような遺伝子の例が非特許文献15に提供されている。これを参照により本明細書に組み込む。好ましいレポーター遺伝子には、それだけには限らないが、グルクロニダーゼ(GUS)遺伝子およびGFP遺伝子が含まれる。
【0052】
一度植物組織に導入されると当技術分野で周知のどんな手段によっても構造遺伝子の発現を検定することができ、転写されたmRNA、合成された蛋白質、または生じる遺伝子サイレンシングの量として発現を測定するとができる(特許文献35参照。これを参照により本明細書に組み込む)。植物組織のin vitro培養やいくつかの場合では完全な植物への再生についての技術が知られている(特許文献36参照)。導入された発現複合体を商業的に有用な栽培品種に変形させる手順は当業者に周知である。
【0053】
一度、所望のレベルのP450酵素を発現する植物細胞が得られたならば、当技術分野で公知の方法や技術を使用し、そこから植物組織および完全な植物を再生することができる。次いで、再生植物を従来の手段によって増殖し、導入遺伝子を従来の植物品種改良技術によって他の株や栽培品種に移すことができる。
【0054】
以下の実施例は、本発明を実施する方法を例示し、そして、以下の例は、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲の例示であるが、本発明の範囲を限定するものではない理解されるべきである。
【実施例】
【0055】
(実施例1)
植物組織の発生およびエチレン処理
植物の生長
植物を鉢に播種し温室で4週間栽培した。4週経った実生を個々の鉢に移植し、温室で2カ月間生長させた。生長中、植物には1日に2度、150ppmのNPK肥料を含む水を与えた。育った青葉を植物から取って、以下に記載するエチレン処理を行った。
【0056】
細胞系78379
ケンタッキー大学が公表したバーレー系統のタバコ系統78379を植物材料源として使用した。タバコ育成の当技術分野における標準として100株の植物を栽培し、移植し、識別番号(1〜100)を付した。薦められた通りに施肥および農場管理を行った。
【0057】
100株の植物の4分の3が、ニコチンの20から100%をノルニコチンへ転化させた。100株の植物の4分の1が、ニコチンの5%未満をノルニコチンへ転化させた。植物番号87は最小(2%)の転化であったが、植物番号21は100%の転化であった.3%未満を転化する植物を非転化体として分類した。植物番号87および植物番号21の自家受粉種子、および交配種子(21×87および87×21)を作成して遺伝子や表現型の差異を研究した。自家受粉体21由来の植物は転化体であり、87由来自家受粉体の99%は非転化体であった。87由来植物のその他の1%は、低転化率(5〜15%)を示した。相互交配由来植物はすべて転化体であった。
【0058】
細胞系4407
バーレー系統のタバコ系統4407を植物材料源として使用した。均一で代表的な植物(100株)を選択しタグを付けた。100株の植物のうち97株は非転化体であり3株は転化体であった。植物番号56は最小量の転化率(1.2%)であり植物番号58は最高レベルの転化率(96%)であった。これら2つの植物を用いて自家受粉種子および交配種子を作成した。
【0059】
自家受粉58由来の植物を、転化体:非転化体比約3:1で分離した。58−33および58−25をそれぞれ、ホモ接合性転化体植物系統および非転化体植物系統として同定した。58−33の転化が安定していることは、その次世代の子孫を分析することによって裏付けられた。
【0060】
エチレン処理手順
2、3カ月間温室で生長させた植物から青葉を取って0.3%エチレン溶液[Prep銘柄のエテホン(ローヌプーランク社)]を噴霧した。噴霧した各葉を加湿器を備えた発酵棚(curing rack)中に吊るしプラスチックで被覆した。処理中、試料葉にエチレン溶液を定期的に噴霧した。エチレン処理から約24〜48時間後、RNAを抽出するために葉を採取した。代謝組成分析用に別の副試料を採取して葉の代謝産物濃度、および様々なアルカロイドなどのより特異的な注目成分の濃度を測定した。
【0061】
一例として、アルカロイド分析は以下のように実施できる。試料(0.1g)を、2NのNaOH0.5ml、ならびに内部標準としてキノリンおよびメチルt−ブチルエーテルを含む抽出溶液5mlと共に150rpmで振盪した。FID検出器を備えたHP6890GCで試料を分析した。検出器および注入器には温度250℃を利用した。5%フェノールおよび95%メチルシリコンで架橋した溶融シリカからなるHPカラム(30m−0.32nm−1・m)を温度勾配毎分10℃で110〜185℃にて使用した。キャリアガスとしてヘリウムを使用し100℃、流量1.7cmmin−1、分割比40:1、注入量2・1でカラムを運転した。
【0062】
(実施例2)
RNAの単離
RNA抽出のために温室栽培で2カ月経った植物から得た中くらいの葉を記載の通りエチレンで処理した。0時間目および24〜48時間目の試料をRNA抽出用に使用した。場合によっては、老化過程下の葉試料を、頭状花を除去した後10日目の植物から取った。これらの試料も抽出に使用した。Rneasy Plant Mini Kit(キアゲン、米国カリフォルニア州バレンシア)を使用し、メーカーのプロトコールに従って全RNAを単離した。
【0063】
DEPC処理乳鉢および乳棒を使用し、液体窒素下で組織試料を磨り潰して微粉末にした。約100mgの磨り潰した組織を1.5mlの滅菌エッペンドルフチューブに移した。全試料が採取されるまでこのサンプル試験管を液体窒素中に置いた。次いで、キットに装備されている緩衝液RLT450μlを(β−メルカプトエタノールの添加と共に)個々の試験管に加えた。試料を勢いよくボルテックスし、56℃で3分間培養した。次いで、溶解物を2mlの採取用試験管に嵌めたQIAshredderスピンカラムに塗布し最大速度で2分間遠心分離した。通過液を採取し、0.5容量のエタノールを透明な溶解物に加えた。試料を十分混合し、2mlの採取用試験管に置かれたRneasyミニスピンカラムに移した。試料を10,000rpmで1分間遠心分離した。次に、ピペットで緩衝液RW1 700μlをRneasyカラム上に量り取り、10,000rpmで1分間遠心分離した。ピペットで緩衝液RPEを新たな採取用試験管内のRneasyカラム上に取り、10,000rpmで1分間遠心分離した。再度、緩衝液RPEをRneasyスピンカラムに加え、最速で2分間遠心分離してメンブレンを乾燥した。残存していたエタノールも除去するために分離型採取用試験管中にメンブレンを置き最速でさらに1分間遠心分離した。Rneasyカラムを1.5mlの新たな採取用試験管中に移し、Rnase不含水40μlをピペットで直接Rneasyメンブレン上に取った。この最終溶離用試験管を10,000rpmで1分間遠心分離した。全RNAの質および量を変性ホルムアルデヒドゲルおよび分光光度計によって分析した。
【0064】
OligotexポリA RNA精製キット(キアゲン)を使用し、メーカーのプロトコールに従ってポリ(A)RNAを単離した。最大容量250μl中約200μgの全RNAを使用した。250μlの容量の緩衝液OBB、およびOligotex懸濁液15μlを全RNA250μlに加えた。内容物をピペッティングによって完全に混合し、加熱したブロック上70℃で3分間培養した。次いで、室温で約20分試料を置いた。oligotex:mRNA複合体を最速2分間の遠心分離によってペレット化した。上清50μlを残しすべてをマイクロ遠心管から除去した。さらに試料をOBB緩衝液によって処理した。ボルテックスによってoligotex:mRNAペレットを400μlの緩衝液OW2に再懸濁した。新たな試験管中に置いた小スピンカラム上にこの混合物を移し、最速で1分間遠心分離した。スピンカラムを新たな試験管に移し、400μlの追加の緩衝液OW2をカラムに加えた。次いで、試験管を最速で1分間遠心分離した。スピンカラムを最終の1.5mlマイクロ遠心管に移した。温めた(70℃)緩衝液OEB60μlで試料を溶出させた。ポリA生成物を変性ホルムアルデヒドゲルおよび分光分析によって分析した。
【0065】
(実施例3)
逆転写PCR
SuperScript逆転写酵素を使用し、メーカーのプロトコール(インビトロジェン、米国カリフォルニア州Carlsbad)に従って第1鎖cDNAを生成した。ポリAに富むRNA/オリゴdTプライマー混合物は、全RNA5μg未満、10mMのdNTP混合物1μl、オリゴd(T)12〜18(0.5μg/μl)1μl、および10μlまでのDEPC処理水から構成された。各試料を65℃で5分間培養し、次いで少なくとも1分間氷上に置いた。反応混合物は、以下の成分のそれぞれを次の順序で加えることによって調製した:10XRT緩衝液2μl、25mMのMgCl 4μl、0.1MのDTT2μl、およびRNaseOUT組換え型RNase阻害剤1μl。反応混合物9μlをピペットで取って各RNA/プライマー混合物に加え、穏やかに攪拌した。これを42℃で2分間培養し、Super Script II RT1μlを各試験管に加えた。試験管を42℃で50分間を培養した。反応を70℃で15分間停止させ、氷上で冷却した。遠心分離によって試料を採取し、RNaseH1μlを各試験管に加え、37℃で20分間培養した。200ピコモルのフォーワードプライマー(forward primer)(図73、配列番号149〜156と同様のデジェネレートプライマー)および100ピコモルのリバースプライマー(18ntオリゴd(T)とそれに続く1個の任意の塩基の混合物)を用いて2回目のPCRを実施した。
【0066】
反応条件は94℃で2分間であり、次いで94℃で1分間、60℃で2分間、72℃で3分間で40サイクルのPCRを実施し、さらに72℃で10分間延長した。
【0067】
増幅試料10マイクロリットルを1%アガロースゲルを使用し、電気泳動によって分析した。正確なサイズの断片をアガロースゲルから精製した。
【0068】
(実施例4)
PCR断片集団の生成
実施例3のPCR断片をメーカー使用説明書に従ってpGEM−Tイージーベクター(プロメガ、米国ウィスコンシン州マディソン)中に結合した。結合生成物をJM109コンピテント細胞に形質転換し、青/白選択するためにLB培地プレート上に播種した。コロニーを選択し、LB培地1.2mlを入れた96穴プレート中で終夜37℃で増殖した。選択したコロニーすべてについて凍結ストックを生成した。WizardSVミニプレップキット(プロメガ)と共にベックマン社製Biomeck2000ミニプレップロボティックスを使用し、プレートからプラスミドDNAを精製した。プラスミドDNAを水100μlで溶出し、96穴プレート中に保存した。プラスミドをEcoR1によって消化し、1%アガロースゲルを使用し分析してDNA量および挿入物のサイズを確認した。CEQ2000シーケンサ(ベックマン、米国カリフォルニア州Fullerton)を使用し400〜600bpの挿入物を含むプラスミドを配列決定した。BLASTサーチによってGenBankデータベースを用いて配列をアライメントした。P450関連断片を同定し、さらに分析した。
【0069】
(実施例5)
cDNAライブラリーの構築
以下のようにエチレン処理した葉から全RNAを調製することによりcDNAライブラリーを構築した。最初に、改変した酸フェノールおよびクロロホルム抽出プロトコールを使用しタバコ系統58−33のエチレン処理した葉から全RNAを抽出した。プロトコールは、磨り潰し続いて抽出緩衝液(100mMのトリス塩酸、pH8.5、200mMのNaCl、10mMのEDTA、0.5%SDS)5ml中でボルテックスし、これにフェノール(pH5.5)5mlおよびクロロホルム5mlを加えた組織1グラムを使用するように手直しした。抽出試料を遠心分離し上清を保存した。上清が透明に見えるまでこの抽出ステップをさらに2、3回繰り返した。クロロホルム約5mlを加えて微量のフェノールを除去した。3倍容量のETOHおよび1/10容量の3MのNaOAc(pH5.2)を加え、−20℃で1時間保存することによって合わせた上清画分からRNAを沈殿させた。RNAをCorexガラス容器に移した後、4℃、9,000RPMで45分間遠心分離した。ペレットを70%エタノールで洗浄し、4℃、9,000RPMで5分間遠心した。ペレットを乾燥した後、ペレット化したRNAをRNase不含水0.5mlに溶解した。ペレット化したRNAをRNase不含水0.5mlに溶解した。全RNAの質および量を、それぞれ、変性ホルムアルデヒドゲルおよび分光光度計によって分析した。
【0070】
オリゴ(dT)セルロースプロトコール(インビトロジェン)およびマイクロ遠心機スピンカラム(インビトロジェン)を以下のプロトコールによって使用し、得られた全RNAをポリA+RNAについて単離した。約20mgの全RNAを2度精製して高品質ポリA+RNAを得た。変性ホルムアルデヒドゲル、続いて既知の全長遺伝子のRT−PCRを実施することによってポリA+RNA生成物を分析し、mRNAが高品質であることを確実にした。さらに、エチレン処理した非転化体の葉、ゼロ時間エチレン処理した転化体の葉、およびエチレン処理した転化体の葉に由来するポリA+RNAについて、プローブとしてp450全長を使用しノーザン分析を実施した。試料ごとにポリA+RNA1.8μgを使用し、方法はメーカー使用説明書に提供されているプロトコール(KPL社製RNA検出ノーザンブロッティングキット、米国メリーランド州Gaithersburg)に基づいた。移動緩衝液として20倍SSCを使用し、RNAを含むゲルを終夜移動させた。
【0071】
次に、cDNA合成キット、ZAP−cDNA合成キット、およびZAP−cDNA GigapackIIIゴールドクローニングキット(ストラタジーン、米国カリフォルニア州La Jolla)を使用し、ポリA+RNAを鋳型として使用してcDNAライブラリーを作成した。この方法は、メーカーのプロトコールの指示通りに従うことを必要とする。ポリA+RNA約8μgを使用してcDNAライブラリーを構築した。一次ライブラリーの分析によって約2.5×10〜l×10pfuであることが明らかになった。IPTGおよびX−galを使用し、相補性検定によりライブラリーの品質背景試験(quality background test)を完了し、そこでは組換えプラークが背景反応の100倍を超えて発現した。
【0072】
ランダムPCRによるライブラリーの一層定量的な分析によって、挿入cDNAの平均サイズは約1.2kbであることが示された。方法は、以下のように2段階PCR法を使用した。第1段階では、P450断片から得られた予備配列情報に基づいてリバースプライマーを設計した。設計したリバースプライマーおよびT3(フォーワード)プライマーを使用してcDNAライブラリーから対応遺伝子を増幅した。PCR反応産物をアガロース電気泳動にかけ、対応する高分子量バンドを切り取り、精製し、クローン化し、配列決定した。第2段階では、リバースプライマー(P450の3’UTRから設計)と共に、フォーワードプライマーとしてP450の5’UTRまたは開始コード領域から設計した新規なプライマーを続くPCRに使用してP450クローン全長を得た。
【0073】
リバースプライマーを除いて実施例3に記載したように、構築したcDNAライブラリーからPCR増幅によってP450断片を生成した。cDNA挿入物の下流のプラスミドに位置するT7プライマー(図73を参照のこと)をリバースプライマーとして使用した。実施例4に記載したようにPCR断片を単離し、クローン化し、配列決定した。
【0074】
前述の発明の詳細な説明を考察するとき当業者には本発明の実施において多数の修正および変形が思い浮かぶと予想される。したがって、そのような修正および変形は添付の請求項の範囲内に含まれるものとする。
【0075】
(実施例6)
クローン化断片の特徴付け−逆(reverse)サザンブロッティング分析 上記実施例で同定したP450クローンすべてについて非放射性大規模逆サザンブロッティング検定を実施して差分発現を検出する。異なるP450クラスタのうちでは発現レベルは非常に異なることが観察された。さらに、高発現のものについてリアルタイム検出を行った。
【0076】
非放射性サザンブロッティング手順を以下のように行った。
【0077】
1)実施例2に記載したようにキアゲンRnaeasyキットを使用し、エチレン処理した転化体の葉(58−33)および非転化体の葉(58−25)から全RNAを抽出した。
【0078】
2)上記ステップで生成したポリA富化RNA由来の1本鎖cDNAをビオチンテール標識することによってプローブを生成した。プライマーとしてビオチン標識(biotinalyted)オリゴ(dT)(プロメガ)を使用したことを除き、実施例3に記載した通り転化体および非転化体の全RNA(インビトロジェン)のRT−PCRによってこの標識1本鎖cDNAを生成した。これらをプローブとして使用してクローン化DNAとハイブリッド形成した。
【0079】
3)プラスミドDNAを制限酵素EcoR1で消化しアガロースゲル上を走らせた。同時に、ゲルを乾燥し、2枚のナイロンメンブレン(BiodyneB)に移した。1枚のメンブレンを転化体プローブと、他方を非転化体プローブとハイブリッド形成した。ハイブリッド形成の前にメンブレンをUV架橋した(自動架橋セッティング、254nm、ストラタジーン、Stratalinker)。
【0080】
あるいは、プライマーとしてp−GEMプラスミドの両腕T3およびSP6に位置する配列を使用し、挿入物を各プラスミドからPCR増幅した。実施の準備が整った96穴アガロースゲル上で走らせることによってPCR生成物を分析した。確認した挿入物を2枚のナイロンメンブレン上にブロット(dotted)した。1枚のメンブレンを転化体プローブと、他方を非転化体プローブとハイブリッド形成した。
【0081】
4)メーカー使用説明書(Enzo Diagnostics、Inc、米国ニューヨーク州Farmingdale)であるが、厳格な洗浄をするように修正したものに従ってメンブレンをハイブリッド形成し、洗浄した。メンブレンをハイブリッド形成緩衝液(2倍SSC緩衝化ホルムアミド、洗浄剤、およびハイブリッド形成促進剤を含む)により42℃で30分間予備ハイブリッド形成し、変性プローブ10μlにより42℃で終夜ハイブリッド形成した。次いで、1倍のハイブリッド形成洗浄用緩衝液によってメンブレンの洗浄を室温で10分を1度、および68℃で15分を4度行った。メンブレンは検出の準備が整った。
【0082】
5)メーカー検出手順(Enzo Diagnostics、Inc.)に記載されている通り、アルカリフォスファターゼ標識とそれに続くNBT/BCIP比色検出によって、洗浄したメンブレンを検出した。メンブレンを1倍のブロッキング液により室温で1時間ブロックし、1倍の検出試薬により10分間3度洗浄し、1倍の予備発色反応緩衝液により5分間2度洗浄し、次いでドットが出現するまで発色液中で30〜45分間ブロットを発色させた。試薬はすべて業者から得た(Enzo Diagnostics、Inc)。
【0083】
場合によっては、非転化体系統(58−25)および転化体系統(58−33)由来の全RNAのものについて、P450断片に特異的プライマーを使用し、1段階RT−PCR(ギブコキット、米国カリフォルニア州Carlsbad)を実施した。比較RT−PCRを以下のように行った。
【0084】
1)実施例2に記載したようにエチレン処理した転化体の葉(58−33)および非転化体の葉(58−25)から全RNAを抽出した。
【0085】
2)実施例2に記載したようにキアゲンキットを使用し全RNAからポリ(A)RNAを抽出した。
【0086】
3)クローン化P450に特異的プライマーを使用しメーカー手順(Invitogen)に従って1段階RT−PCRを行った。ポリAに富むRNAを2倍の反応混合物25μl、10μMのセンスプライマーlμl、10μMのアンチセンスプライマー1μ1、RT/白金taqMix1μl、および水50μlまでと共に反応混合物に加えた。反応条件は、50℃で20分間、次いで94℃で2分間であり、94℃で30秒間、55℃で30秒間、70℃で1分間で40サイクルのPCRを実施し、さらに72℃で10分間延長した。増幅試料10マイクロリットルを1%アガロースゲルを使用し、電気泳動によって分析した。
【0087】
(実施例7)
クローン化断片の特徴付け−ノーザンブロット分析 サザンブロット分析の代わりに、一部のメンブレンをノーザンブロッティング検定の例で記載したようにハイブリッド形成し検出した。以下のように、ノーザンハイブリッド形成を使用し、タバコ中に差分的に発現したmRNAを検出した。
【0088】
第1ステップ、プローブの調製:クローン化p450DNA断片からプローブを調製するためにランダムプライミング法(ランダムプライマーDNAビオチン標識キット、KPL)を使用した。次の成分:DNA鋳型(使用前に水浴中で5〜10分間煮沸し、氷上で冷却)0.5μg、1倍のランダムプライマー液、1倍のdNTP混合物、クレノー10単位を混合し、水を加えて反応物を50μlにした。混合物を37℃で1から4時間培養した。反応を200mMのEDTA2μlで停止させた。使用前に95℃で5分間培養することによってプローブを変性した。
【0089】
第2ステップ、試料調製:エチレン処理および未処理の新鮮な葉、ならびに老化した葉からRNA試料を調製した。場合によってはポリA富化RNAを使用した。全RNA約15μgまたはmRNAl.8μg(RNAおよびmRNAの抽出方法は実施例5に記載)をDEPC HO(5〜10μl)と等容量にした。同容量のローディングバッファ(1倍のMOPS、18.5%ホルムアルデヒド、50%ホルムアミド、4%フィコール400、ブロモフェノール青)、および臭化エチジウム(0.5μg/μl)0.5μlを加えた。試料を90℃で5分間加熱し、氷上で冷却した。
【0090】
第3ステップ、電気泳動によるRNAの分離:ホルムアルデヒドゲル(1%アガロース、1倍のMOPS、0.6Mホルムアルデヒド)上を1倍のMOP緩衝液(0.4Mのモルホリノプロパンスルホン酸、0.1Mの酢酸Na−3倍HO、10mMのEDTA、pH7.2にNaOHで調整)により試料を電気泳動させた。10倍のSSC緩衝液(1.5MのNaCl、0.15Mのクエン酸Na)中、キャピラリ法によりHybond−N+メンブレン(ナイロン、アマシャムファルマシアバイオテック)にRNAsを24時間移した。ハイブリッド形成前にRNA試料付きメンブレンをUV架橋した(自動架橋セッティング、254nm、ストラタジーン、Stratalinker)。
【0091】
第4ステップ、ハイブリッド形成:予備ハイブリッド形成緩衝液(5倍のSSC、50%ホルムアミド、5倍のデンハート液、1%SDS、100μg/ml熱変性させ切断(sheared)した非相同のDNA)5〜10mlにより42℃で1〜4時間メンブレンを予備ハイブリッド形成した。古い予備ハイブリッド形成緩衝液を廃棄し新たな予備ハイブリッド形成緩衝液およびプローブを加えた。ハイブリッド形成を42℃で終夜実施した。メンブレンを室温で2倍のSSCにより15分間洗浄、続いて65℃で2倍のSSC、0.1%SDSにより2度洗浄、0.1倍のSSCにより最後の洗浄、またはさらに65℃で0.1倍のSDSにより洗浄(任意)を行った。
【0092】
第5ステップ、検出:AP−ストレプトアビジンおよびCDP−Starを使用してハイブリッド形成シグナル(KPL社製DNA検出ノーザンブロッティングキット)を検出した。メンブレンを室温で30分間1倍の検出ブロック液によりブロックした。ブロッキング緩衝液を廃棄し、AP−SA(1:10,000)を含む新たな1倍の検出ブロック液中室温で1時間メンブレンを培養した。メンブレンを1倍のホスファターゼ洗浄液で3度洗浄し、続いて1倍のホスファターゼ検定緩衝液で2度洗浄した。CDP−Star化学発光基質を用いてシグナルを検出した。湿潤メンブレンをサラン(商標)ラップ下X線フィルムに暴露した。結果を分析し記録した。
【0093】
本発明の主眼は、エチレン処理の結果誘発されるか、またはタバコ葉の品質および成分において重要な役割を果たすことができる新規な遺伝子の発見であった。下表に示すように、未誘発植物と比較してエチレン処理によってどの遺伝子が誘発されたかの決定にノーザンブロットは有用であった。興味深いことに、転化体および非転化体では断片のすべてが同様の作用を受けたのではない。当該シトクロムP450断片を部分的に配列決定してその構造関連性を決定した。この情報を使用し、続いて遺伝子クローン全長を単離配列決定した。断片遺伝子を含む全植物体において下方制御法を使用し、機能性分析を実施した。
【0094】
【表1】

【0095】
(実施例8)
核酸の種類(IDENTITY)および単離された核酸断片の構造関連性 ノーザンブロット分析に関連して100個超のクローン化p450断片を配列決定してその構造関連性を決定した。使用した手法は、P450遺伝子のカルボキシ末端付近に位置する2個のP450共通モチーフのいずれかに基づくフォーワードプライマーを利用した。フォーワードプライマーは、図1に示すシトクロムP450モチーフFXPERFまたはGRRXCP(A/G)に対応した。リバースプライマーにはpGEMプラスミドの両腕に位置するプラスミドSP6またはT7のいずれか、またはポリAテール(tail)に由来する標準プライマーを使用した。使用したプロトコールを以下に記述する。
【0096】
メーカーのプロトコール(ベックマンコールター)に従い分光光度法を使用して開始2本鎖DNA濃度を推定した。鋳型を水で希釈して適当な濃度にし、95℃で2分間の加熱によって変性し、続いて氷上に置いた。変性DNA鋳型0.5から10μl、1.6ピコモルのフォーワードプライマー2μl、Quick Start Master Mix 8μlを使用し配列決定反応を氷上で調製し、水で全容量を20μlにした。熱サイクリングプログラムは、30サイクルの次のサイクルから構成された:96℃で20秒間、50℃で20秒間、および60℃で4分間、続いて4℃で維持。
【0097】
停止緩衝液(等量の3MのNaOAc、100mMのEDTAおよび20mg/mlのグリコーゲン1μl)5μlを加えることによって配列を停止させた。試料を95%冷エタノール60μlで沈殿させ、6000gで6分間遠心分離した。エタノールを廃棄した。ペレットを70%冷エタノール200μlで2度洗浄した。ペレットが乾燥した後、SLS液40μlを加え、ペレットを再懸濁した。鉱油層を上乗せした。次いで、さらに分析するためにCEQ8000自動シーケンサ上に試料を置いた。
【0098】
核酸配列を確認するために、P450遺伝子のFXPERFまたはGRRXCP(A/G)領域に対するフォーワードプライマーを使用して、または、プラスミドまたはポリAテールのいずれかに対するリバースプライマーを使用して、両方向に核酸配列を再度配列決定した。配列決定はすべて、少なくとも2度両方向に実施した。
【0099】
GRRXCP(A/G)モチーフをコードする領域後の第1の核酸に対応するコード領域から終止コドンまでシトクロムP450断片の核酸配列を互いに比較した。P450蛋白質の中で遺伝子の多様性を示す指標としてこの領域を選択した。遺伝的に異なる多数のP450遺伝子、すなわち70を超える遺伝子で、他の植物種の遺伝子との類似性が観察された。核酸配列を比較すると、遺伝子はその配列同一性に基づき異なる配列グループ中に配置される恐れがあることが見出された。P450のメンバーの最良の特異的グループ化は、75%以上の核酸同一性を有する配列(表Iに示す)であると決定されることが見出された。同一性の割合を引き下げるとグループは著しく大きなった。81%以上の核酸同一性を有する配列のグループ化が好ましく、91%以上の核酸同一性のグループ化がより好ましい、99%以上の核酸同一性を有する配列のグループ化が最も好ましいことが観察された。大部分のグループは、少なくとも2個のメンバーを含み、しばしば3個の以上のメンバーを含む。他は繰り返しては発見されず、採用した手法が、使用した組織中で低発現および高発現するmRNAの両方を単離できたことを示唆した。
【0100】
75%以上の核酸同一性に基づき、2つのシトクロムP450グループが、グループ内のものとは遺伝的に異なるタバコシトクロム遺伝子に以前は相同した核酸配列を含むことが判明した。グループ23は、表Iで使用したパラメータ内で、それぞれ、CzernicらおよびRalstonらによる先のGenBank配列GI:1171579(CAA64635)およびGI:14423327(またはAAK62346)に核酸同一性を示した。GI:1171579はグループ23メンバーに対して96.9%から99.5%の範囲の核酸同一性を有するが、GI:14423327はこのグループに対して95.4%から96.9%の範囲の同一性を有する。グループ31メンバーの核酸同一性は、RalstonらによるGenBank報告済配列GI:14423319(AAK62342)に対して76.7%から97.8%の範囲の同一性である。Ralstonら、Czernicら、Wangら、あるいはLaRosaおよびSmigockiによって報告されたタバコP450遺伝子に対して表1の他のP450同一性グループのどれも表1に使用したパラメータ同一性は含まなかった。
【0101】
図74に示すように、適当な核酸デジェネレートプローブ(nucleic acid degenerate probe)を有するコンセンサス配列が、タバコ植物由来の各グループ別のメンバーを優先的に同定し単離するためのグループから派生する恐れがある。
【0102】
【表2】

【0103】
【表3】

【0104】
(実施例9)
単離核酸断片の関連アミノ酸配列同一性 シトクロムP450断片用に実施例8から得た核酸配列のアミノ酸配列を推定した。推定領域は、GXRXCP(A/G)配列モチーフ直後のアミノ酸からカルボキシ末端の末端、または終止コドンに対応した。断片の配列同一性を比較すると、特有のグループ化は、70%以上のアミノ酸同一性を有する配列で観察された。好ましいグループ化は、80%以上のアミノ酸同一性を有する配列で観察され、より好ましい90%以上のアミノ酸同一性を有する配列で、最も好ましいグループ化は99%以上のアミノ酸同一性を有する配列で観察された。グループ類および対応するグループメンバーのアミノ酸配列を図2に示す。いくつかの特有の核酸配列は、他の断片に対して完全なアミノ酸同一性を有することが判明し、したがって同一アミノ酸を有するメンバーは1つしかないことが報告された。
【0105】
表IIグループ19のアミノ酸同一性は、その核酸配列に基づき3つの異なるグループに対応した。各グループメンバーのアミノ酸配列およびその同一性を図75に示す。アミノ酸の差異には印を付けた。
【0106】
遺伝子クローニングおよび植物を使用する機能研究のために各アミノ酸同一性グループの少なくとも1個のメンバーを選択した。さらに、エチレン処理、またはノーザンおよびサザン分析によって評価した他の生物学的差異によって差分的な作用を受けるグループメンバーも遺伝子クローニングおよび機能研究用に選択した。遺伝子クローニング、発現研究、および全植物体評価に役立てるために、配列同一性および差分配列についてペプチド特異的抗体を調製する。
【0107】
【表4】

【0108】
(実施例10)
cDNAP450クローン全長のクローニング 以下のようにエチレン処理した葉から全RNAを調製することによりcDNAライブラリーを構築した。最初に、改変した酸フェノールおよびクロロホルム抽出プロトコールを使用しエチレン処理した葉から全RNAを抽出した。プロトコールを修正して、1グラムの組織に使用した。この組織は、粉砕され、続いて抽出緩衝液(100mMのトリス塩酸、pH8.5、200mMのNaCl、10mMのEDTA、0.5%SDS)5ml中ボルテックスされ、これにフェノール(pH5.5)5mlおよびクロロホルム5mlが加えられた。抽出試料を遠心分離し上清を保存した。上清が透明に見えるまでこの抽出ステップをさらに2、3回繰り返した。クロロホルム約5mlを加えて微量のフェノールを除去した。3倍容量のETOHおよび1/10容量の3MのNaOAc(pH5.2)を加え、−20℃で1時間保存することによって合わせた上清画分からRNAを沈殿させた。RNAをCorexガラス容器に移した後、4℃、9,000RPMで45分間遠心分離した。ペレットを70%エタノールで洗浄し、4℃、9,000RPMで5分間遠心した。ペレットを乾燥した後、ペレット化したRNAをRNase不含水0.5mlに溶解した。ペレット化したRNAをRNase不含水0.5mlに溶解した。全RNAの質および量を、それぞれ、変性ホルムアルデヒドゲルおよび分光光度計によって分析した。
【0109】
オリゴ(dT)セルロースプロトコール(インビトロジェン)およびマイクロ遠心機スピンカラム(インビトロジェン)を使用し、以下のプロトコールによって得られた全RNAをポリA+RNAに対して単離した。約20mgの全RNAを2度精製して高品質ポリA+RNAを得た。変性ホルムアルデヒドゲル、続いて既知の全長遺伝子のRT−PCRを実施することによってポリA+RNA生成物を分析し、mRNAが高品質であることを確実にした。さらに、エチレン処理した非転化体の葉、ゼロ時間エチレン処理した転化体の葉、およびエチレン処理した転化体の葉から得たポリA+RNAについてプローブとしてp450全長を使用してノーザン分析を実施した。試料ごとに1.8μgのポリA+RNAを使用し、方法はメーカー使用説明書に提供されているプロトコール(KPL社製RNA検出ノーザンブロッティングキット)に基づいた。移動緩衝液として20倍SSCを使用し、RNAを含むゲルを終夜移動させた。
【0110】
次に、ポリA+RNAを鋳型として使用して、cDNA合成キット、ZAP−cDNA合成キット、およびZAP−cDNA GigapackIIIゴールドクローニングキット(ストラタジーン)を使用し、cDNAライブラリーを作成した。この方法は、メーカーのプロトコールの指示通りに従うことを必要とする。ポリA+RNA約8μgを使用してcDNAライブラリーを構築した。一次ライブラリーの分析によって約2.5×10〜l×10pfuであることが明らかになった。IPTGおよびX−galを使用し相補性によりライブラリーの品質背景試験を完了し、そこでは組換えプラークが背景反応の100倍を超えて発現した。
【0111】
ランダムPCRによるライブラリーより一層定量的な分析によって挿入cDNAの平均サイズは約1.2kbであることが示された。方法は、以下のように2段階PCR法を使用した。第1段階では、P450断片から入手した予備配列情報に基づいてリバースプライマーを設計した。設計したリバースプライマーおよびT3(フォーワード)プライマーを使用してcDNAライブラリーから対応遺伝子を増幅した。PCR反応産物をアガロース電気泳動にかけ、対応する高分子量バンドを切り取り、精製し、クローン化し、配列決定した。第2段階では、(P450の3’UTRから設計した)リバースプライマーと共に、フォーワードプライマーとしてP450の5’UTRまたは開始コード領域から設計した新規なプライマーを続くPCRに使用してp450クローン全長を得た。
【0112】
PCR法によって構築したcDNAライブラリーからP450遺伝子全長を単離した。2段階のPCRを使用して遺伝子全長をクローン化した。第1段階PCRでは、非特異的リバースプライマー(T3)および(P450の下流配列から生成した)特異的フォーワードプライマーを使用してcDNAライブラリーからP450の5’末端をクローン化した。次の段階のPCRのフォーワードプライマーを設計するためにPCR断片を単離し、クローン化し、配列決定した。2つの特異的プライマーを使用して第2段階PCRで、p450クローン全長をクローン化した。続いてクローンを配列決定した。
【0113】
前述の発明の詳細な説明を考察するとき当業者には本発明の実施において多数の修正および変形が思い浮かぶと予想される。したがって、そのような修正および変形は添付の請求項の範囲内に含まれるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単離核酸分子であって、前記核酸分子が、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147または149からなる群から選択される核酸配列を含むことを特徴とする単離核酸分子。
【請求項2】
前記核酸分子がシトクロムP450遺伝子の断片を含むことを特徴とする請求項1に記載の単離核酸分子。
【請求項3】
前記核酸分子が請求項1に記載の核酸分子に少なくとも75%の同一性を有することを特徴とする単離核酸分子。
【請求項4】
前記核酸分子が請求項1に記載の核酸分子に少なくとも91%の同一性を有することを特徴とする単離核酸分子。
【請求項5】
前記核酸分子が請求項1に記載の核酸分子に少なくとも99%の同一性を有することを特徴とする単離核酸分子。
【請求項6】
トランスジェニック植物であって、前記トランスジェニック植物が請求項1、2、3、4、または5に記載の核酸分子を含むことを特徴とするもの。
【請求項7】
前記植物がタバコ植物であることを特徴とする請求項6に記載のトランスジェニック植物。
【請求項8】
トランスジェニック植物を生成する方法であって、前記方法が、
(i)請求項1、2、3、4、または5に記載の核酸分子を前記植物中で機能するプロモータに動作可能に結合して植物形質転換ベクターを生成するステップ、
(ii)ステップ(i)の前記植物形質転換ベクターで前記植物を形質転換するステップ、
(iii)前記形質転換ベクターで形質転換された植物細胞を選択するステップ、および
(iv)ステップ(iii)の前記植物細胞から植物を再生するステップ
を含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
前記核酸分子は、アンチセンス方向であることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記核酸分子は、センス方向であることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記核酸は、RNA干渉方向であることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記核酸分子は、2本鎖RNA分子として発現することを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記2本鎖RNA分子は、長さが約15から25ヌクレオチドであることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記植物は、タバコ植物であることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項15】
核酸分子を含有する植物を選択する方法であって、前記植物が核酸配列の存在について分析され、前記核酸配列が配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、50、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、92、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145または147からなる群から選択されることを特徴とする方法。
【請求項16】
前記植物がDNAハイブリッド形成によって分析されることを特徴とする請求項15に記載の植物を選択する方法。
【請求項17】
前記植物がPCR検出法によって分析されることを特徴とする請求項15に記載の植物を選択する方法。
【請求項18】
前記DNAハイブリッド形成は核酸プローブを含み、前記核酸プローブは配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145および147からなる群から選択されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記植物は、トランスジェニック植物であることを特徴とする請求項15に記載の植物を選択する方法。
【請求項20】
前記植物は、突然変異集団から選択されることを特徴とする請求項15に記載の植物を選択する方法。
【請求項21】
前記植物は、品種改良集団から選択されることを特徴とする請求項15に記載の植物を選択する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【図70】
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【図71】
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【図72】
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【図73】
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【図74−1】
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【図74−2】
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【図74−3】
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【図74−4】
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【図75−1】
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【図75−2】
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【図75−3】
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【図75−4】
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【図75−5】
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【図75−6】
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【図75−7】
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【図75−8】
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【図75−9】
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【図75−10】
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【図75−11】
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【図75−12】
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【図75−13】
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【図75−14】
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【公開番号】特開2010−131027(P2010−131027A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−19868(P2010−19868)
【出願日】平成22年2月1日(2010.2.1)
【分割の表示】特願2003−576572(P2003−576572)の分割
【原出願日】平成15年3月12日(2003.3.12)
【出願人】(398069229)ユーエス スモークレス タバコ カンパニー (20)
【Fターム(参考)】