説明

タブを備えたシールディスク

全周にわたって延びる縁部(12)によって仕切られた開口(11)を備えた容器(10)のクロージャに用いられるシールディスク(20)は、縁部を備えた複数の層から成っている。下側の層(31,32,33,34,35)から成るグループ(30)は、容器(10)の最初の開放前にこの容器(10)の開口(11)を密に閉鎖している。グループ(30)は、開口(11)の全周にわたって延びる縁部(12)に封止層(31)によって封着可能である。グループ(30)は、上側の層(41,42,43,44)から成るグループ(40)に解離可能に結合されている。第2のグループ(40)によって、容器(10)の開口(11)は再度一時的に閉鎖可能である。シールディスク(20)は、少なくとも1つのつまみタブ(50)を有している。このつまみタブ(50)は、下側の層の第1のグループ(30)のうち、1つまたはそれ以上の層からのみ形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全周にわたって延びる縁部によって仕切られた開口を備えた容器に使用するための容器クロージャに用いられるシールディスクであって、該シールディスクが、縁部を備えた複数の層から成っており、該層のうち、下側の層から成るグループが、容器の最初の開放前に該容器の開口を密に閉鎖しており、前記下側の層のグループが、開口の全周にわたって延びる縁部に封止層によって封着可能であり、前記下側の層のグループが、シールディスクの上側の層から成るグループに解離可能に結合されており、前記上側の層から成るグループによって、容器の開口が、再度一時的に閉鎖可能であり、シールディスクが、少なくとも1つのつまみタブを有しており、該つまみタブが、前記下側の層のグループのうち、1つまたはそれ以上の層からのみ形成されるようになっており、つまみタブを形成する層が、つまみタブの面の分だけ両グループの別の層の前記縁部を越えて面状に突出している形式のものに関する。
【0002】
さらに、本発明は、全周にわたって延びる縁部によって仕切られた開口を備えた容器に使用するための容器クロージャに用いられるシールディスクであって、該シールディスクが、縁部を備えた複数の層から成っており、該層のうち、下側の層から成るグループが、容器の最初の開放前に該容器の開口を密に閉鎖しており、前記下側の層のグループが、開口の全周にわたって延びる縁部に封止層によって封着可能であり、前記下側の層のグループが、シールディスクの上側の層から成るグループに解離可能に結合されており、前記上側の層から成るグループによって、容器の開口が、再度一時的に閉鎖可能であり、シールディスクが、少なくとも1つのつまみタブを有しており、該つまみタブが、前記下側の層のグループのうち、1つまたはそれ以上の層からのみ形成されるようになっており、つまみタブを形成する層が、つまみタブの面の分だけ別の層の前記縁部を越えて面状に突出している形式のものに関する。
【0003】
容器は、内容物、たとえば液体、粉末状の食品または別の物質を収容するために使用される。容器は開口または口部を有している。しばしば、内容物を外的な影響に対して密に閉鎖するディスク状の封止部材によって容器口部を閉鎖することが所望されているかまたは必要である。
【0004】
この密な閉鎖の要求に対しては複数の理由が存在する。1つには、内容物が外部からの好ましくない影響、たとえば水蒸気または酸素の侵入に対して防護される必要があり、もう1つには、芳香密に保たれる必要がある。さらに別の理由が、可能な限り最適な漏れ防護が付与されていなければならない高危険度の充填物の場合に存在する。さらに、このような密な閉鎖によって、商業に対するタンパーエビデンスを付与することもできる。なぜならば、すでに前もって誰かが容器内容物を改竄したかどうかを使用者が即座に認知することができるからである。
【0005】
付加的には、さらに、容器開口が、スクリュキャップによって閉鎖されるかまたはディスク状の封止部材の外部での容器口部の機械的な安定した閉鎖のために働く類似のエレメントによって閉鎖される。ディスク状の封止部材自体はフレキシブルな薄いシートである。購入後の初めての使用時には、使用者がスクリュキャップをねじり外し、容器の内容物に達するために、シートを破壊する。その後、使用者は、もはや内容物を全て取り出さない限り、容器を再度閉鎖する。この再度の閉鎖は、スクリュキャップが、使用の間に破壊されて取り除かれたシートなしに、容器口部に設けられた対応ねじ山に再びねじり被せられることによって行われる。スクリュクロージャは、場合により、オリジナルクロージャ構成ほど長い期間ではないものの、消費者が今後自分で管理することができる十分な期間の間、開封された内容物を同じく閉鎖することができる。
【0006】
容器を密閉するシートは、たとえば欧州特許第0717710号明細書に基づき公知であるように、誘導封止によって被着される。このためには、完成したシールディスクが載置される。このシールディスクの一番下側の層は封止層を成している。この封止層の上側には、一般的にアルミニウムから成る金属製の第2の層が存在している。この第2の層は、誘導プロセス時の入熱および熱伝達のために働き、場合により、付加的な機械的な保護層を成している。第2の層は第1の層に固く結合されていて、特に熱伝達に対して良伝導結合されている。これらの層は、下側の層から成るグループを形成している。上述したアルミニウム層の上側には、シールディスクのさらに別の層状の構成部材が設けられている。この構成部材はスクリュクロージャまたはその他のねじりクロージャの開放時にキャップ内に残される。
【0007】
キャップ内に残されるシールディスクの別の層は、上側の層から成るグループを形成していて、下側の層から成るグループの最初の開放時に行われた破壊および取除き後のスクリュキャップの再度の閉鎖に際して、この再度の閉鎖後にタンパーエビデンスおよび当初のオリジナルシール性が欠落している場合でも、再び極めて良好な閉鎖のために働くエレメントを同時に成している。
【0008】
自体良好であると判った確実なこのような形式のクロージャにおける常時の問題は、使用者もしくは消費者による最初の開放にある。カッタまたは使用者の指による、最初の開放時に容器の口部に位置するシートの破壊もしくは下側の層から成るグループの破壊は、1つには、あらゆる容器内容物において可能でないかまたは衛生的でなく、もう1つには、容器の開口の縁部にシートの残部を残すことになる。この残部によって、容器内容物をのちに注ぎ出したり、空にすることが損なわれることがある。
【0009】
開放を使用者に対してより快適にすると共に更なる使用に対してより確実にするためには、使用者に対して、シートを引き剥がすためのつまみが提供される。このつまみは、たとえば欧州特許第1181211号明細書または国際公開第00/66453号に提案されているように、使用者がつまんでシールディスクを引き剥がす上向きに突出した襞であってよい。
【0010】
シールディスクが、外向きに突出した1つのつまみタブを備えていることが慣用であり、たとえばドイツ連邦共和国特許出願公開第3920324号明細書および欧州特許出願公開第0408217号明細書に基づき公知である。すなわち、つまみタブが、使用者によって容器の口部の縁部の外側でつままれ、上向きに引っ張られ、これによって、シート全体が容器縁部から剥離される。
【0011】
しかし、かなり簡単で自体信頼性の高いこの思想は、つまみタブがスクリュキャップのねじり被せ時に邪魔になるという欠点を有している。なぜならば、つまみタブがねじ山およびスクリュキャップに適切な形で収納されなければならないからである。そこには、1つには、スペースがほとんど提供されておらず、もう1つには、つまみタブが螺合動作の機能に障害を与えることもある。逆に、螺合動作によって、つまみタブにも損害が与えられることがあるかまたは、最悪の場合には、シールディスク全体がその密封機能において損なわれることさえある。
【0012】
スクリュキャップのねじ山内に突入するつまみタブによる問題を減少させるために、たとえばドイツ連邦共和国特許出願公開第1482575号明細書、米国特許第4722447号明細書および欧州特許第0697345号明細書において、シールディスクが、ただ1つのつまみタブではなく、外向きに突出した複数のつまみタブを備えていることが提案されている。これによって、むしろ対称的なひいては減少させられた分配が達成される。しかし、問題は解決されず、分配が変更されたに過ぎない。
【0013】
別の解決策が、欧州特許第0668221号明細書、英国特許出願公開第2330134号明細書、特開2000−191021号公報およびドイツ連邦共和国特許第102007014084号明細書に基づく提案において選択されている。そこでは、シールディスクがつまみタブを備えている。このつまみタブでは、その厚さがシールディスクの別の面範囲の厚さよりも小さく設定されている。これは、シールディスクの複数の層のうち、ただ1つの層または数少ない層がつまみタブも形成していることによって達成される。
【0014】
シールディスクのタブが極めて薄く形成されることによって、このタブを、スクリュキャップおよびスクリュキャップねじ山の内部の残された空きスペースに極めてフレキシブルに収納することができる。これによって、被包装体の閉鎖時のまたは開放動作の間の個々のエレメントの相互の妨害の恐れが著しく減少させられている。
【0015】
少なくともドイツ連邦共和国特許第102007014084号明細書に提案された、このような形式のシールディスクに対する製造法によって、この思想の転換が実際に上手く実施されている。
【0016】
英国特許出願公開第2330134号明細書、特開2000−191021号公報ならびに欧州特許第2045194号明細書に基づき、厚さにおいて減少させられた極めて薄いつまみタブを、下側の層から成るグループの一番上側の層からのみ形成し、スクリュキャップの雌ねじ山の範囲に半径方向外向きに突出させず、特開2000−191021号公報に開示されているように、まず、90゜だけ上方に折り曲げ、その後、再び90゜だけシールディスクの中心点に向かって折り曲げ、これによって、スクリュキャップ蓋の内部に設けられた自由室に案内し、そこに収納するかまたは、英国特許出願公開第2330134号明細書および欧州特許第2045194号明細書の実施の形態のように、180゜だけ折り返し、それ自体に載置し、これによって、スクリュキャップのねじり外し動作後、つまみタブを消費者に対して露出して使用する思想もすでに公知である。
【0017】
特開2000−191021号公報に基づく思想は、確かに、つまみタブが、もはやスクリュキャップのねじ山または容器のねじ山に干渉していないものの、このために、層の上側のグループの上方の範囲ひいては、再閉鎖を可能にするために、螺合蓋のねじり被せ時に自体この螺合蓋内に残されるべき範囲に位置しているという欠点を有している。すなわち、つまみタブが、いわゆる「リシール部材」の上方で螺合蓋の下方の範囲において引っ掛かり、これによって、開放時に引き裂かれ、ひいては、まさに回避されるべき望ましくない欠点に確実に繋がるという極めて高い恐れがある。
【0018】
英国特許出願公開第2330134号明細書では、実際的な別の欠点が生じている。金属製の層を含めてつまみタブ複合体をそれ自体に折り返すことが、シールディスク複合体全体の誘導封止特性を妨害する恐れがある。なぜならば、こうして、円対称的なアッセンブリの一部範囲に二重のアルミニウム層が付与されるからである。このことは、誘導特性を著しく変化させる。
【0019】
同じ欠点が、欧州特許第2045194号明細書に基づく第2の実施の形態で生じている。この実施の形態では、まず、つまみタブが全ての層で180゜だけシールディスクの上面に載置され、その後、つまみタブが180゜だけ再度それ自体に折り重ねられる。このことは、1つには、シールディスクがつまみタブの範囲に三倍の厚さを有していて、これによって、機械的にかなり不均一になり、たとえばリシール部材との接着を極めて困難にし、もう1つには、つまみタブの範囲でアルミニウム層が三倍に重なり合っており、これによって、誘導特性の著しい非対称性が生じるという欠点を有している。
【0020】
英国特許出願公開第2330134号明細書の実施の形態では、誘導のために使用される金属製の層をリシール部材、すなわち、再閉鎖のために使用される部材に敷設することによって、この問題を回避することが試みられている。このことは、かなり非実用的である。なぜならば、アルミニウム層が、開閉動作を繰り返して常に容器口部を密閉する目的で使用するために適正でないからである。
【0021】
更なる欠点は、容器および容器クロージャの廃棄時に、プラスチック螺合蓋に設けられたアルミニウム層が異質構成部材を成していることにある。このことは、一般的に所望されていない。プラスチックとアルミニウムとは、可能な限り分離されて廃棄されることが望ましい。したがって、螺合蓋内へのアルミニウム層の残留は環境保護的に所望されていない。なぜならば、この残存がリサイクルを困難にし、したがって、携わっている消費者に忌避されるからである。
【0022】
別の問題は、英国特許出願公開第2330134号明細書に記載のシールディスク、特開2000−191021号公報に記載のシールディスク、欧州特許第2045194号明細書の第1の実施の形態に記載のシールディスクおよび90゜または180゜の折戻しによって作業する別のシールディスクでも生じることがあり、しかも、この問題は、折り畳まれた層と、この層に隣接した折り畳まれていない層との間で正確に縁範囲に著しい切欠き効果が生じることによって発生することがある。この切欠き効果は、シールディスクの種々異なる層を互いに剥離しようとする力を招く。
【0023】
すなわち、タブをつまむことは、このタブを備えた層が別の層から剥離され、容器を全く開放しないかまたは所望のように開放しないことに繋がる恐れがあるかまたは層複合体の一部が、予測されない形式で互いに剥離されるかまたは引き裂かれることに繋がる恐れがある。
【0024】
タブによる容器の裂開時のこの特性は、使用者によって不快で不確実であると感じられ、忌避される。この場合、使用者がその際に不快になるだけでなく、使用者の忌避が一般的に容器のボトラの相応の製造ラインに波及し、使用者がこのような商品の購入を今後見合わせる恐れがあり、これによって、包装したい容器の内容物の製造者にイメージダウンが生まれることもあることが考慮されなければならない。
【0025】
したがって、本発明の課題は、上述した問題を可能な限り十分に回避することができるシールディスクを提案することである。
【0026】
この課題を解決するために本発明に係る第1のシールディスクによれば、前記下側の層のグループのうち、封止層に隣接した層が、つまみタブを形成しており、封止層に隣接した層の、前記別の層の前記縁部を越えて突出した面部分が、前記下側の層のグループの別の全ての層の外側の前記縁部を封止層を除いて取り囲むように折り返されて、前記下側の層のグループの一番上側の層に平らに載置されていて、前記上側の層のグループによって覆われており、これによって、つまみタブが、前記上側の層のグループの解離後に容器の初めての開放のためにつまみ可能である。
【0027】
さらに、前述した課題を解決するために本発明に係る第2のシールディスクによれば、前記下側の層のグループのうち、封止層に続く複数の層が、つまみタブを形成しており、封止層に続く複数の層の、前記別の層の前記縁部を越えて突出した面部分が、前記下側の層のグループの別の全ての層の外側の前記縁部を封止層を除いて取り囲むように折り返されて、前記下側の層のグループの一番上側の層に平らに載置されていて、前記上側の層のグループによって覆われており、これによって、つまみタブが、前記上側の層のグループの解離後に容器の初めての開放のためにつまみ可能である。
【0028】
本発明に係るシールディスクの有利な態様によれば、封止層に隣接した層が、プラスチックシートから成る層であり、該層に続く層が、誘導層としての金属製の層である。
【0029】
本発明に係るシールディスクの有利な態様によれば、封止層に隣接した層が、ポリエチレンテレフタレートから成っている。
【0030】
本発明に係るシールディスクの有利な態様によれば、封止層に隣接した層が、全体的にまたは部分的に着色されている。
【0031】
本発明に係るシールディスクの有利な態様によれば、前記別の層を越えて突出して、折り返されて、前記下側の層のグループの一番上側の層に平らに載置された前記面部分が、上側で保護塗膜または保護シートによって覆われている。
【0032】
前述した課題は、本発明によれば、冒頭に記載したシールディスクにおいて、下側の層のグループのうち、封止層に続く1つの層がつまみタブを形成しており、封止層に続く1つの層の、別の層の縁部を越えて突出した面部分が、下側の層のグループの別の全ての層の外側の縁部を封止層を除いて取り囲むように折り返されて、下側の層のグループの一番上側の層に平らに載置されていて、上側の層のグループによって覆われており、これによって、つまみタブが、上側の層のグループの解離後に容器の初めての開放のためにつまみ可能であることによって解決される。
【0033】
また、択一的には、封止層に隣接した1つの層を適宜な形に形成するだけでなく、封止層にすぐ続く重なり合って位置する複数の層を同様に処理することも可能である。
【0034】
本発明によって、驚くべきことに、前述した問題が全く簡単に解決される。個々の層の順序の異なる配置と、これらの層の特殊な構成とによって、1つには、シールディスク全体に比べて著しく減少させられた厚さを有していて、これによって、シールディスクの全複合体において、円形の外周への折戻し時でも、一部範囲における視覚的にかつ技術的に重要でない厚さ増加に関与するタブが形成され、もう1つには、もはや決して切欠き効果が生じることがなくなる。公知先行技術に関連して述べた別の欠点ももはや生じない。
【0035】
本発明によれば、封止層に続く、この封止層自体を除いたシールディスクの一番下側の層が、シールディスクの別の層の縁部を越えて外向きに突出するように形成される。この極めて薄い層は、まず90゜だけ上向きに折り曲げられ、別の全ての層を通過する。これらの層は、最初の開放までしか容器口部を閉鎖しない下側の層のグループに含まれている。これらの層の一番上側の層の上側では、つまみタブが再度90゜だけ容器中心に向かって折り曲げられ、一番上側の層に平らに載置される。ほんの一部分面しか占めないこの層には、まず、分離層が位置している。この分離層は、最初の開放時に層の上側のグループと下側のグループとを互いに分離し、その上方において、上側のグループの層全てを分離する。
【0036】
その結果、まず、シールディスクが、容器を充填する企業での使用前に従来の円形の扁平なシールディスクの形状を有しており、また、処理されてもよい。容器に対する特別な位置決めは不要となる。なぜならば、シールディスクが外部から見て対称的であるからである。
【0037】
ディスクは、従来のディスクより僅かに厚く形成されていてもよい。なぜならば、単に、別の層の間に設けられて、のちに、つまみタブを形成する層、場合により、さらに、同じく極めて薄い別の層が付加されるに過ぎないからである。これらの層をさらに以下の有利な態様において説明する。
【0038】
容器は、使用者による最初の開放またはのちの開放のために、従来と異なって取り扱われる必要もない。螺合蓋のねじり上げ後、分離層において、従来と同様にスクリュキャップのリシール部材として残されている上側の層のグループと、容器の開口、すなわち、容器口部に残されていて、この開口をこの瞬間に相変わらず封止していて、閉鎖している下側の層のグループとが分離される。
【0039】
しかし、従来の思想と異なり、下側のグループの一番上側の層上には、使用者が自由に手を近づけることができるように、つまみタブがシールディスクの残りの部分の中心に向かって載置されている。使用者はつまみタブを取って、このつまみタブを引っ張りさえすればよい。このためには、使用者に決して別の指示は要求されない。引張りによって、シールディスクの下側のグループの縁部に力が加えられ、しかも、下側の層のグループの、封止層に隣接した一番下側の層に直接的に加えられる。なぜならば、正確にこの層から、つまみタブが折返し前に形成されているからである。
【0040】
この引張りに対して、封止層が即座に降伏し、これと同時につまみタブの引張りが、封止層に隣接した下側の層の上側の全ての層を一緒に持ち上げ、ひいては、シールディスクの全体的な下側のグループを一気に持ち上げる。したがって、容器が開放されている。
【0041】
後続の動作は、従来の再閉鎖動作同様、変更されていない上側の層のグループ、すなわち、スクリュキャップに設けられたリシール部材によって可能となる。
【0042】
この記載に基づき、封止層に直接隣接した一番下側の層だけでなく、シールディスクの直接連続する2つまたはそれ以上の層も適宜な形に折り返されて、つまみタブを形成する場合にも、類似の動作が可能となることが明確になる。
【0043】
引裂強さを有しているものの、同時に軽量の材料から成る薄い層が、誘導のために働く金属製の層と、封止のために働く溶融する封止層との間に付加的に組み込まれると特に有利である。この付加的な層は、さらに有利には、つまみタブを形成している。
【0044】
引裂強さを有しているものの、同時に軽量の材料から成る付加的に組み込まれた薄い層が、ポリエチレンテレフタレート(PET)から成っていると特に有利である。この材料から成る層は引裂強さを向上させる。このことは、つまみタブに関連して有利であるだけでなく、特にアルミニウムから成る金属製の層との層複合体の引裂強さも著しく向上させる。アルミニウム層自体は、たいてい特に引裂強さを有しておらず、これによって、このような引裂強さを備えた薄いPET層との結合は、別の関係においても有利である。
【0045】
まさにポリエチレンテレフタレートから成る付加的に組み込まれた層は、金属製の層の上側への配置時に切欠き効果を招く恐れがある。つまみタブが形成された付加的なプラスチックシートがつまみタブ範囲で上方にかつ内方に折り返されると、付加的な層と、その下側に位置する金属製の層との間に強制的な分離運動が発生させられる。しかし、本発明によれば、この切欠き効果は回避される。
【0046】
金属製の層の上側には、固有の態様でそれぞれ所望されているような別の層列が形成されていてよい。一般的には、接着性の分離層が配置されることになる。この分離層は、シールディスクを静止状態に結合しておくために十分に固いものの、ねじり上げ動作時に丁度この箇所での結合が無くなる程度にしか固くない。
【0047】
この分離層の上側には、支持層または発泡層が設けられる。この支持層または発泡層はねじり上げ動作時にスクリュキャップ内に残され、再閉鎖時に規定の期間密封のために働く。
【0048】
付加的に組み込まれた層から成るつまみタブは、この態様では、金属製の層を取り囲むように折られ、その後初めて円形のシールディスクの軸線の方向に折り返される。すなわち、接着層はこのタブの上側に位置している。
【0049】
容器の閉鎖時の誘導封止工程は付加的な層によって損なわれない。確かに、たとえば有利にはアルミニウムから成る金属製の層は、誘導と、これにより発生させられる渦電流とによって著しく加熱され、この熱を、容器に向けられた側で金属製の層に直接隣接した付加的な層にも引き渡す。しかし、この熱によって、この層はその安定性において損なわれず、熱流を直接的に引き続き後続の封止層に引き渡す。この封止層はやはり予定通り、特に縁範囲で溶融し、容器の口部縁部との封止のために働く。
【0050】
したがって、冷却後、封止層が、その上方に位置する層複合体を容器口部に対して、すなわち、まず、付加的な層に対して封着する。
【0051】
最初の開放動作時には、消費者がスクリュキャップをねじり外し、これによって、分離層による結合を解離する。スクリュキャップ内には、この接着層の上側のシールディスクの上側の部分が残される。
【0052】
これは、消費者が、金属製の層を取り囲むように曲げられて金属製の層にすでに位置していて、つままれるタブをじかに目の当たりにすることを意味している。
【0053】
また、消費者および使用者がつまみタブを即座に認識するように、このつまみタブは着色されていてもよいし、別の態様では、その下側に位置する層から視覚的にまたは別の形で著しく際立つように形成されていてもよい。このことは、つまみタブが、目立ったシグナルカラー、たとえば容器内容物の製造元の会社カラーに着色され、かつ/またはつまみタブに会社ロゴまたはマークが印刷されることによって、特に簡単に行うことができる。
【0054】
つまみタブのサイズは従来の思想ほど臨界的ではない。なぜならば、つまみタブが螺合蓋のねじ山の機能を妨害する危険がもはや存在していないからである。
【0055】
すなわち、つまみタブはシールディスクの中心にまで突出していてもよいし、複雑な形状または人間工学的にかつ触覚的に好ましい形状を有していてもよい。
【0056】
つまみタブに、製品自体と有利な関係を有する形状を採択する、すなわち、たとえばコーヒーカップまたは焼菓子カットの定型的な形を有する形状を採択するかまたは自体会社ロゴの形を採用した形状を採択することすら可能であってもよい。
【0057】
特殊な使用目的のために、アルミニウム層の上側にさらに別の層、たとえば印刷のために使用される層またはこれに類するものを設けたい場合には、タブが、この層の上側にも位置していて、また、この層を取り囲むように曲げ返されている。
【0058】
使用者が、一番上側の層に接着されていないかまたは固定されていないタブをつまむと、このタブにおいて使用者はシールディスクのまだ既存の全ての層を容器口部から調整可能な適宜な力作用によって引き剥がすことができ、封止を裂開することができる。タブを引っ張ると、付加的な層の上側の全ての層が、付加的な操作なしに、また、タブの引張りによって全ての層が一つまみで一気に一緒に持ち上げられない危険なしに、一度に上方に引っ張られる。
【0059】
付加的な層の下側で容器縁部に隣接して位置しているただ1つの層は封止層である。ただし、正確にこの封止層は前述した力によっていずれにせよ裂開されるので、ここに、切欠き効果が考慮される必要はない。
【0060】
別の有利な特徴は従属請求項に記載してある。
【0061】
本発明に係るシールディスクの製造は、有利には、ドイツ連邦共和国特許第102007014084号明細書に提案された方法によって可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】容器口部を備えた容器とシールディスクとの斜視的な分解図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るシールディスクを備えた、スクリュキャップをねじり外した後の閉鎖された容器の平面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るシールディスクの断面図である。
【図4】幾つかのエレメントを省略した本発明の第2の実施の形態に係るシールディスクの断面図である。
【図5】幾つかのエレメントを省略した本発明の第3の実施の形態に係るシールディスクの断面図である。
【図6】幾つかのエレメントを省略した本発明の第4の実施の形態に係るシールディスクの断面図である。
【図7】図6に示した実施の形態に係るシールディスクを製造するためのシートウェブの断面図である。
【図8】幾つかのエレメントを省略した本発明の第5の実施の形態に係るシールディスクの断面図である。
【0063】
以下に、図面につき本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0064】
図1に示した容器口部は、容器10の開口11の範囲を示している。容器10は、瓶、農薬に対する容器、芳香密に閉鎖したい、たとえば粉末コーヒーに対する容器またはこれに類するものであってよい。開口11は、全周にわたって延びる縁部12によって取り囲まれる。この縁部12は一般的に円形である。
【0065】
開口11には、容器10の充填後で1回目の開放前に、複数の層から成るシールディスク20が位置している。このシールディスク20は蓋15、特にスクリュキャップ基体を備えた螺合蓋によって上方でかつ側方で密閉されている。
【0066】
シールディスク20は、容器10の縁部12を備えた開口11とほぼ同じ直径を有している。シールディスク20は、全周にわたって延びる縁部12に、さらに以下で詳しく述べる封止層31によって封着されている。このことは、図1に示した分解図では、まだ行われていない。
【0067】
シールディスク20は、層の2つのグループ30,40から成っている。第1のグループ30は、容器10がまだ開放されていない場合に、この容器10の縁部12に直接載着されていて、容器10の最初の開放時、特に容器10からの蓋15の1回目のねじり外し時または取外し時に、容器口部、すなわち、開口11に残されているシールディスク20の層を有している。すなわち、第1のグループ30は、蓋15の1回目のねじり上げ後に使用者が容器10の内容物に手を加えることを相変わらず阻止している。
【0068】
使用者は、最初の開放後にシールディスク20の層の下側のグループ30を容器10の開口11からの取り除き、その後、手を加える。
【0069】
シールディスク20の層の下側のグループ30が1回目の開放時にまだ容器10の開口11に位置しているという状況から、使用者は、自分より以前にまだ誰も容器10を使用しておらず、内容物を取り出していないことまたは容器10の内容物に許可なく物質を加えていないことを確実に認知することができる。したがって、下側のグループ30は一種のギャランティクロージャを成している。
【0070】
さらに、封着によって、外側に対する容器内容物の長期の封止も達成される。この封止は、たとえば容器内部に存在する芳香を保護し、酸素、水蒸気または微生物の侵入を確実に何年も阻止する。すなわち、さらに、シールディスク20の層の下側のグループ30は、容器内容物を長持ちさせて保護する役割を有している。
【0071】
シールディスク20の層の上側のグループ40は、容器10の最初の開放時に蓋15内に残される層を有している。すなわち、この層は、1回目のねじり上げ時に蓋15と一緒にねじり外されて、取り外され、したがって、使用者によって、もはや別個に容器10の開口11から取り外される必要はない。上側のグループ40は、いわゆる「リシール部材」を成している。つまり、使用者がシールディスク20の層の下側のグループ30の取除きによって容器10の内容物に初めて手を加え、たとえば、この内容物のうちの一部を取り出した後、使用者は、通常、容器10の残りの内容物を、のちの再度の使用のために保存しようとする。このためには、使用者が蓋15を、容器10の開放した開口11にねじり被せる。
【0072】
確かに、シールディスク20の層の下側のグループ30は存在していないが、しかし、層の上側のグループ40、すなわち、上述したように、リシール部材が、容器10の開口11の縁部12に載置され、この縁部12を再び閉鎖する。
【0073】
確かに、封止は行われないが、それにもかかわらず、グループ40の上側の層は、最初の開放前のように封止が保証されていない場合でも、外側に対する容器10の内容物の密閉を同じく長い期間にわたって保証することができるように形成されている。また、容器内容物の許可されていない改竄に対する防護ももはや与えられていないが、しかし、容器は、通常、所有されていて、末端使用者の家庭にあるので、手が付けられていないことを使用者に示す機能ももはや不要となる。
【0074】
グループ30,40を最初の開放の間に互いに分離することができるようにするためには、上側のグループ40の一番下側の層が分離層41として形成されている。この分離層41は以下のような材料から成っている。この材料は、確かに、シールディスク20の下側のグループ30の層と上側のグループ40の層とを、容器10のボトラでの容器10の製造工程および閉鎖の間に結合していて、通常、蓋15の最初の開放前の容器10の全ての取扱いの間にも引き続き結合しているが、しかし、蓋15の開放動作が行われた場合に上側のグループ40を下側のグループ30から持ち上げるために、付着作用は十分に少なく設定されている。
【0075】
このためには、通常、たとえばポリエチレンシートまたはポリプロピレンシートから成るポリマ分離層が使用されるかまたはワックス状の材料が使用される。
【0076】
さらに、図1には、シールディスク20の層の下側のグループ30の別の層34が示してある。この別の層34は金属製の層34である。この金属製の層34は誘導熱を導入するために働き、これによって、封止層31が溶融させられ、容器10の充填工程の間に容器10の開口11の縁部12で封止が行われる。
【0077】
さらに別の層および詳細を以下に説明する。
【0078】
まず、図2には、容器10の容器口部が認められる。容器10から、蓋15はねじり外されたばかりであるか、さもなければ、取り外されている。その結果、シールディスク20の層の上側のグループ40も蓋15と共に図2にもはや認めることができず、シールディスク20の層の下側のグループ30が認められる。この下側のグループ30は、まだ容器10の開口11の全周にわたって延びる縁部12に封着されている。すなわち、この縁部12からの下側のグループ30の取除きは、図2の時点では、まだ行われていない。
【0079】
すなわち、観察者はシールディスク20の層の下側のグループ30の一番上側の層35を斜めに見ている。この一番上側の層35の上側には、つまみタブ50がまだ平らに載置されている。このつまみタブ50は別の着色または別の特性を有している。これによって、つまみタブ50が下側のグループ30の一番上側の層35から明確に持ち上げられるかまたは使用者の目にとまる。
【0080】
従来のシールディスクにおけるつまみタブ50は、容器10の開口11の縁部12を越えて外方に突出していて、そこでつままれ、その後、引き剥がされていた。
【0081】
しかし、本発明の実施の形態に係る図示のつまみタブ50は、その下側に位置する下側のグループ30の一番上側の層35に平らに位置している。つまみタブ50は、そのすぐ下側に位置する層35に面状に結合されておらず、固定されていない状態で載置されている。シールディスク20の縁部にだけ、さらに以下で詳しく述べる結合が存在している。
【0082】
すなわち、使用者はつまみタブ50をその面状の部分で僅かに持ち上げ、つまんで、そして、つまみタブ50を引っ張ればよい。
【0083】
使用者がつまみタブ50を引っ張ると、シールディスク20の下側のグループ30の縁部に上向きに力が加えられ、容器10の開口11の縁部12に対する封止層31の封止力が上回られ、この箇所で下側のグループ30が容器口部から上向きに引き剥がされる。
【0084】
種々異なる層、たとえば封止層31の付着特性は、使用者が、より大きな労力なしに一気につまみタブ50でシールディスク20の下側のグループ30全体を容器10の開口11の縁部12から引き剥がすことができるように調整されている。ただし、封止力は、蓋15がシールディスク20の層の上側のグループ40と共に上述したようにしかねじり外されない場合に開放がまだ行われない程度に高く設定されている。
【0085】
しかし、シールディスク20の下側のグループ30へのタブもしくはつまみタブ50の結合には、特に注意を払わなければならない。このつまみタブ50が、下側のグループ30の一番上側の層35に結合されることや、一番上側の層35それ自体が、シールディスク20の別の層の外周と、容器10の開口11の全周にわたって延びる縁部12とを越えて突出して、その後、この縁部12を越えて突出した一番上側の層35の面区分が1回だけ折り畳まれて、一番上側の層35それ自体に載置するように、この一番上側の層35が形成されることは望ましくなく。つまり、これは、下側のグループ30の一番上側の層35と、その下側に位置する層との間の著しい切欠き効果に繋がる。この場合には、一番上側の層35が、別の層から解離される傾向を有することになり、したがって、シールディスク20全体の完全性に疑問の余地を残すことになる。切欠き効果は、容器10への結合前のシールディスク20自体の取扱い時だけでなく、特にのちの時点でも生じる。
【0086】
詳細な構造に対する幾つかの可能な形態を以下の更なる図面において詳しく説明する。
【0087】
図3には、本発明に係るシールディスク20の第1の実施の形態の断面図が概略的に示してある。下方には、容器10が設けられていなければならず、上方には、蓋15が設けられていなければならないが、ここでは、理解しやすくするために、両部材10,15は省略してある。シールディスク20は、下側のグループ30と上側のグループ40とをより良好に識別することができるようにするために、部分的に互いに引き離して図示してある。
【0088】
容器10の側から見て、ディスク20は、まず、封止層31で始まっている。この封止層31には、この封止層31に隣接した層32が続いている。この層32は、図示の実施の形態では、同時に金属製の層34を成している。封止層31に隣接した層32は必ずしも必要ではなく、たいていの実施の形態では、まさに金属製の層34を成していない。両符号32,34は、図3の実施の形態でのみ同じ層に当てはまる。
【0089】
金属製の層34は、通常、アルミニウムから成る誘導層を同時に成している。この誘導層または金属製の層34によって、この層34での誘導により発生させられた熱が封止層31に伝達され、したがって、この封止層31が容器10の開口11の縁部12に容器10の製造プロセス時にもしくは包装プロセス時に固く封着されることが達成される。
【0090】
次いで、第1の実施の形態では、すでに誘導層もしくは金属製の層34に下側のグループ30の一番上側の層35とシールディスク20の層の上側のグループ40とが続いている。
【0091】
一番上側の層35の上側では、シールディスク20の上側の層から成る上側のグループ40が始まっている。まず、分離層41を認めることができる。この分離層41は最初の開放時に上側のグループ40を下側のグループ30から分離する。分離層41はポリマ分離層、たとえばポリプロピレンシートもしくはポリエチレンシートまたはワックス状の物質である。層41は、たとえば、下側の層31,32,34,35を、層35の上方に位置する別の層に結合するかもしくは開放動作時に分離を可能にする定着剤および/または分離層を有している。
【0092】
層41に対して、定着剤として、有利にはポリマ分離層が使用される。このポリマ分離層によって、極めて良好に予め計算することができる規定的な付着を得ることができる。ただし、この層41は一時的に接着性でなければならず、開放動作の際のねじり運動時には、上側に位置する、以下でさらに述べる層からの下側に位置する下側のグループ30の層の分離が可能となることが考慮されなければならない。
【0093】
層41の上側には、層42が位置している。この層42はポリプロピレンシートであるかまたは高密度ポリエチレン(HDPE)から成る層である。この層42の上側には、発泡層43が位置している。この発泡層43はポリエチレンフォームまたはポリプロピレンフォームから成っていてもよいし、幾つかの使用形態では、カートンから成っていてもよい。ある程度の範囲内でばね弾性的に可撓性のこの層43によって、容器10の最初の開放後の再閉鎖時に容器10の開口11の密な閉鎖が達成される。
【0094】
一番上側の層として、再度、たとえばポリプロピレンまたはポリエチレン(HDPE)から成る別のプラスチックシート44が設けられている。発泡層43がカートン材料から成っている場合には、層42,44、すなわち、特にHDPEから成る両プラスチックシートを省略することが可能となる。
【0095】
シールディスク20の上側の層の上側のグループ40はリシール部材とも呼ばれる。このリシール部材もしくは上側のグループ40は、当初閉鎖されている容器10において、層35上に直接位置している。
【0096】
シールディスク20の両グループ30,40の全ての層は互いに結合されており、下側のグループ30では、層32,34,35が互いに極めて固く結合されている。なぜならば、これらの層32,34,35はもはや互いに分離されるべきではなく、また、分離される必要もないからである。
【0097】
下側のグループ30の全ての層の総厚さは、その他の容器寸法および開口寸法、一般的には、リシール部材の厚さ、すなわち、上側のグループ40の層の厚さに比べて極めて小さく設定されている。
【0098】
さらに、層31,32;34,35が平らな層を形成しているだけでなく、シールディスク20の縁部で折り返されていて、再びシールディスク20の中心に向かって載置されていることを認めることができる。層の厚さおよび寸法ならびに相対関係は縮尺通りでなく、純粋に概略的に図示してあることに注意しなければならない。
【0099】
第1の実施の形態では、有利にはポリエチレンテレフタレートから成るプラスチックシートであってもよい一番上側の層35がそれ自体に向かって折り畳まれている。その他の層列において一番上側の層35の下側に位置する層は、折り返された小さな範囲において、一番上側の層35の上側に位置している。したがって、折り返された範囲の一番上側の層が封止層31の一部となっている。
【0100】
一番上側の層35のこの範囲は、下側のグループ30の一番上側の層35の上側の面の全面に面状に接着されておらず、固定されていない状態で載置されている。
【0101】
したがって、シールディスク20のこの面に厚みが付与されているので、分離層41が適合されていて、ここに、付加的な物質を収容するためのスペースを残している。分離層41はポリマ分離層またはワックス状の物質であるので、このことは、問題なく可能となる。
【0102】
図4には、第1の実施の形態に対して択一的な形態が示してある。有利にはアルミニウムから成っていて、誘導層として働く金属製の層34と、封止層31との間には、プラスチックシートから成る層33が付加的に組み込まれている。この層33は、有利にはポリエチレンテレフタレートから成っている。
【0103】
図3と異なり、図4では、この層33が、封止層31に隣接した層32を同時に成しているのに対して、金属製の層34は、シールディスク20の層の下側のグループ30の一番上側の層35を同時に成している。
【0104】
図4において封止層31に続く層32を成すポリエチレンテレフタレートから成る層33は、付加的な有利な効果を有している。アルミニウムが一般的に引裂強さを有していないのに対して、引裂強さは、特にポリエチレンテレフタレート(PET)から成るプラスチックシートによって極めて実用的に達成することができる。これによって、アルミニウム層34と付加的な層32とを備えた下側の層から成る複合体が全体的に引裂強さを有することになる。このことは、層の下側のグループ30のこの複合体に対して極めて有利である。
【0105】
上側のグループ40は、図4では省略してある。なぜならば、この上側のグループ40は、図3に示した実施の形態の構成に正確に対応しているからである。
【0106】
右側において、この実施の形態では、折り返された層の順序が、図3と異なる順序であることが認められる。この実施の形態では、つまみタブ50が、封止層31、プラスチックシート33および金属製の層34をこの順序で上方から下方に有している。この金属製の層34は一番上側の層35の上面に載置されている。
【0107】
図5には、図4に示した実施の形態が僅かに変更されて示してある。封止層31は、容器10の開口11の縁部12に封着するために設けられているので、封止層31は比較的接着性である。このことは、事情により、つまみタブ50に対する範囲に所望されていない。このことは、使用者による取扱い時だけでなく、両グループ30,40の互いに直接隣接した分離層41の規定された分離作用時にも障害となる恐れがある。
【0108】
この場合には、このような実施の形態でも、別の実施の形態でも、相応して、封止層31の上方に向けられた面が、付加的な保護塗膜38または保護シート38を備えていてよい。
【0109】
封止層31は、つまみタブ50の範囲には自体必要でないかまたは所望されていない。なぜならば、封止層31は材料の引張強さに全く貢献していないかもしくはほとんど貢献していないからである。しかし、下側のグループ30の層列を全体的に折り畳んで、規定の範囲を空けておかないことは、しばしば製造技術的により簡単である。シールディスクが大面積のウェブから打抜き加工され、その際、1つのシールディスクの範囲周辺の小面積の部分が事情により複雑に実現されなければならないことが考慮されなければならない。したがって、シールディスク20の製造の間、ここに保護塗膜を付加的に被着するかまたはつまみタブ50の上方の封止層31のこの範囲を別の形で覆うことがより簡単となる。
【0110】
図6には、変化形態が示してある。この変化形態では、封止層31が、下側のグループ30の、つまみタブ50を形成する折り返された上面で実際に省略されている。
【0111】
また、この実施の形態では、金属製の層34をシールディスク20の縁部で終わらせ、ひいては、金属製の層34を折り返さず、つまみタブ50に含めないことも提案されている。
【0112】
この実施の形態は、シールディスク20に生じる誘導がより均一であるという大きな利点を有している。図3〜図5の実施の形態には、全体的に厚くされた金属範囲が形成されていることを認めることができる。これに相応して、この金属範囲はより多くの熱を受け取ってしまうこともある。このことは、誘導封止時に適宜補償されることが望ましい。このことは、図6の実施の形態では、最初から回避されている。
【0113】
この実施の形態でも、つまみタブ50を備えたプラスチックシート33(または封止層31に隣接した層32)と、別の層、すなわち、この実施の形態では、金属製の層34との間に切欠き効果が生じることはあり得ない。タブ50が金属製の層34の外側の縁部を取り囲んでおり、切欠き効果は、まさに望ましい、プラスチックシート33と封止層31との間にしか生じ得ない。
【0114】
図6には、まさに、特に有利な実施の形態が示してある。
【0115】
図6の実施の形態でも、特に薄く形成されたつまみタブ50が、シールディスク20の層の下側のグループ30の一番上側の層35の上面に固着されていないことが達成されている。
【0116】
図7には、たとえば、図6に示した実施の形態に対するシールディスク20を打抜き加工して、折り畳むためのシートウェブが横断面図でどのように見えるのかが示してある。
【0117】
図8には、図6に示した実施の形態を変更した変化形態が示してある。この変化形態では、確かに、封止層31がつまみタブ50に含まれているものの、金属製の層34は含まれていない。
【0118】
蓋15であるスクリュキャップをねじり外して容器10を初めて開放する場合には、両層35,42の間の分離層41における結合が解離される。このことは、種々異なる形式で行われてよい。上側のグループ40を自由に回動可能にクロージャ内に、すなわち、スクリュキャップ15内に、たとえば突出部または突起によって保持することが有利であり、これによって、スクリュキャップ15のねじり時にグループ40の層が鉛直方向上向きに引き上げられ、グループ30の層から分離される。
【0119】
それほど有利でないものの、基本的に可能な別の形態では、リシール部材、すなわち、グループ40と、スクリュキャップ15の下面との結合が予め行われており、これによって、スクリュキャップ15のねじり時にグループ30の層に対して相対的なグループ40の層の、分離に繋がるねじり運動も生じる。
【0120】
これによって、両形態、すなわち、グループ40の層が鉛直方向上向きに引き上げられる図8に示した実施の形態だけでなく、ねじり運動が層を分離する基本的に可能な形態でも、スクリュキャップ15の初めての開放後には、下側のグループ30の一番上側の層35が使用者の目前に位置することになる。その後、この使用者がつまみタブ50をつまんで、これによって、グループ30の全ての層を容器10の開口11の縁部12から一気に引っ張ることになる。
【0121】
これによって、図8の全ての実施の形態では、つまみタブ50を備えた層と別の層との間での切欠き効果の発生が同じく完全に回避されている。つまり、封止層31からの下側のグループ30の分離もしくは封止層31の内部での分離しか生じない。これによって、下側の層のグループ30が損傷されないままとなり、残分が容器10の開口11の一部分面に残されるかまたは切欠き効果に基づく平面的な剥離が生じることなく、全体的に引き剥がされる。
【0122】
キャップ50の再度の締付けによって、リシール部材の層42が容器10の開口11の縁部12に位置することになり、容器10を再度密封する。
【0123】
金属製の層34と封止層31との間に、従来では存在しない、封止層31に続く層32を成すプラスチックシート製の付加的な層33が組み込まれる実施の形態では、誘導熱を伝達する層34と封止層31自体との間に付加的な層が位置している。しかし、このことは、比較的容易に考慮することができる。なぜならば、金属製の層34と、加熱したい封止層31との間に、薄いプラスチックシートの厚さだけ僅かに増加させられた間隔しか存在していないからである。すなわち、僅かに多くの誘導熱が必要となる。しかし、発生させられた熱に対して僅かしか損失経路が存在しないので、差違は最小限に止められている。
【符号の説明】
【0124】
10 容器
11 容器の開口
12 開口の全周にわたって延びる縁部
15 蓋、特に螺合蓋
20 シールディスク
30 シールディスクの下側の層のグループ
31 封止層
32 封止層に隣接した層
33 プラスチックシートから成る層、特にポリエチレンテレフタレート
34 金属製の層、特にアルミニウム
35 下側のグループの一番上側の層
38 保護塗膜または保護シート
40 上側の層から成るグループ
41 分離層
42 プラスチックシート、たとえばポリプロピレンまたはポリエチレン
43 発泡層
44 プラスチックシート、たとえばポリプロピレンまたはポリエチレン
50 つまみタブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
全周にわたって延びる縁部(12)によって仕切られた開口(11)を備えた容器(10)に使用するための容器クロージャに用いられるシールディスクであって、該シールディスク(20)が、縁部を備えた複数の層から成っており、該層のうち、下側の層(31,32,33,34,35)から成るグループ(30)が、容器(10)の最初の開放前に該容器(10)の開口(11)を密に閉鎖しており、前記下側の層のグループ(30)が、開口(11)の全周にわたって延びる縁部(12)に封止層(31)によって封着可能であり、前記下側の層のグループ(30)が、シールディスク(20)の上側の層(41,42,43,44)から成るグループ(40)に解離可能に結合されており、前記上側の層から成るグループ(40)によって、容器(10)の開口(11)が、再度一時的に閉鎖可能であり、シールディスク(20)が、少なくとも1つのつまみタブ(50)を有しており、該つまみタブ(50)が、前記下側の層のグループ(30)のうち、1つまたはそれ以上の層からのみ形成されるようになっており、つまみタブ(50)を形成する層(32)が、つまみタブ(50)の面の分だけ両グループ(30,40)の別の層(33,34,35,41,42,43,44)の前記縁部を越えて面状に突出している形式のものにおいて、前記下側の層のグループ(30)のうち、封止層(31)に隣接した層(32)が、つまみタブ(50)を形成しており、封止層(31)に隣接した層(32)の、前記別の層の前記縁部を越えて突出した面部分が、前記下側の層のグループ(30)の別の全ての層(33,34,35)の外側の前記縁部を封止層(31)を除いて取り囲むように折り返されて、前記下側の層のグループ(30)の一番上側の層(35)に平らに載置されていて、前記上側の層のグループ(40)によって覆われており、これによって、つまみタブ(50)が、前記上側の層のグループ(40)の解離後に容器(10)の初めての開放のためにつまみ可能であることを特徴とする、全周にわたって延びる縁部によって仕切られた開口を備えた容器に使用するための容器クロージャに用いられるシールディスク。
【請求項2】
全周にわたって延びる縁部(12)によって仕切られた開口(11)を備えた容器(10)に使用するための容器クロージャに用いられるシールディスクであって、該シールディスク(20)が、縁部を備えた複数の層から成っており、該層のうち、下側の層(31,32,33,34)から成るグループ(30)が、容器(10)の最初の開放前に該容器(10)の開口(11)を密に閉鎖しており、前記下側の層のグループ(30)が、開口(11)の全周にわたって延びる縁部(12)に封止層(31)によって封着可能であり、前記下側の層のグループ(30)が、シールディスク(20)の上側の層(41,42)から成るグループ(40)に解離可能に結合されており、前記上側の層から成るグループ(40)によって、容器(10)の開口(11)が、再度一時的に閉鎖可能であり、シールディスク(20)が、少なくとも1つのつまみタブ(50)を有しており、該つまみタブ(50)が、前記下側の層のグループ(30)のうち、1つまたはそれ以上の層からのみ形成されるようになっており、つまみタブ(50)を形成する層(32,33)が、つまみタブ(50)の面の分だけ別の層(34)の前記縁部を越えて面状に突出している形式のものにおいて、前記下側の層のグループ(30)のうち、封止層(31)に続く複数の層(32,33)が、つまみタブ(50)を形成しており、封止層(31)に続く複数の層(32,33)の、前記別の層の前記縁部を越えて突出した面部分が、前記下側の層のグループ(30)の別の全ての層(34)の外側の前記縁部を封止層(31)を除いて取り囲むように折り返されて、前記下側の層のグループ(30)の一番上側の層(34)に平らに載置されていて、前記上側の層のグループ(40)によって覆われており、これによって、つまみタブ(50)が、前記上側の層のグループ(40)の解離後に容器(10)の初めての開放のためにつまみ可能であることを特徴とする、全周にわたって延びる縁部によって仕切られた開口を備えた容器に使用するための容器クロージャに用いられるシールディスク。
【請求項3】
封止層(31)に隣接した層(32)が、プラスチックシートから成る層であり、該層に続く層が、誘導層としての金属製の層(34)である、請求項1または2記載のシールディスク。
【請求項4】
封止層(31)に隣接した層(32)が、ポリエチレンテレフタレート(PET)から成っている、請求項3記載のシールディスク。
【請求項5】
封止層(31)に隣接した層(32)が、全体的にまたは部分的に着色されている、請求項3または4記載のシールディスク。
【請求項6】
前記別の層を越えて突出して、折り返されて、前記下側の層のグループ(30)の一番上側の層(34)に平らに載置された前記面部分が、上側で保護塗膜または保護シート(38)によって覆われている、請求項1から5までのいずれか1項記載のシールディスク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−522694(P2012−522694A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−503979(P2012−503979)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【国際出願番号】PCT/EP2010/054320
【国際公開番号】WO2010/115811
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(300002182)アルフェルダー クンストシュトッフヴェルケ ヘルム.マイヤー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (2)
【氏名又は名称原語表記】Alfelder Kunststoffwerke Herm.Meyer GmbH
【住所又は居所原語表記】Hildesheimer Strasse 78 D−31061 Alfeld, Germany
【Fターム(参考)】