説明

タンクローリ車

【課題】本発明は、より長いホースをホース箱に収納できるタンクローリ車を提供すること。
【解決手段】ホース箱10は、後輪2Rの前方に配設される前箱部11と、後輪2Rの後方に配設される後箱部12と、それら前箱部11及び後箱部12に連設される連設箱部13と、前箱部11から車体3の前方へ向けて突出形成される突出箱部14とを備え、突出箱部14、前箱部11、連設箱部13及び後箱部12が互いに連通しつつ車体3の前後方向に沿って並設されている。これにより、ホース箱10は、従来のホース箱と比べ、突出箱部14が形成される分、ホース箱10の車体3前後方向における寸法を長くできるので、より長いホース20をホース箱10に収納することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンクローリ車に関し、特に、より長いホースをホース箱に収納できるタンクローリ車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、液化ガス等の運搬物が貯留されるタンクを備えるタンクローリ車が知られている。このタンクローリ車は、供給基地(ガス製造工場など)においてタンク内に運搬物を供給し、その運搬物を配送先まで運搬し、配送先に設けられた外部タンクへ充填するために用いられ、タンク内の運搬物を外部へ送出するホースと、そのホースが収納されるホース箱とを備えている(特許文献1)。
【0003】
ここで、図4を参照して、従来のタンクローリ車に設置されるホース箱510について説明する。図4は、従来のタンクローリ車に設置されるホース箱510を正面から視た模式図である。なお、図4では、図面を簡略化して説明をわかりやすくするため、扉の図示を省略すると共に、ホース箱510の内部に収納されるホース520、支持部材530及び連通管540以外の図示を省略し、後輪502R及び後輪カバーを想像線で図示している。
【0004】
図4に示すように、ホース箱510は、タンク内の運搬物を送出するホース520を収納するケースであり、タンクの側方に設置されている。ホース箱510は、一面側(図4紙面手前方向)が開口する断面略コ字状に形成されると共に開口する一面側をタンクローリ車の外方へ向けて設置され、一面側の開口を開閉する扉を開放することでホース520を取り出すことができる。
【0005】
ホース箱510は、後輪502Rの前方に配設される前箱部511と、後輪502Rの後方に配設される後箱部512と、それら前箱部511及び後箱部512に連設されると共に後輪502Rの上方に配設される連設箱部513とを備え、前箱部511、後箱部512及び連設箱部513が互いに連通しつつ車体の前後方向に並設され、開口する一面側に対向する内壁面に突設される複数の支持部材530が、前箱部511、連設箱部513、後箱部512の上面側、後箱部512の後方側(図4右側)及び底面側の内壁面に沿って配設されている。なお、支持部材530は、前箱部511においては上面側の内壁面に対して、連設箱部513においては上面側および底面側の内壁面に対して、後箱部512においては上面側、後方側及び底面側の内壁面に対して、それぞれホース520の直径よりも大きな寸法を隔てて配置されている。
【0006】
連設箱部513の底面を形成する連設底板513aは、前箱部511側へ突出して形成されており、連設底板513aの突出先端は、前箱部511の前方側(図4左側)の内壁面に対し、ホース520の直径よりも大きな寸法を隔てて位置している。
【0007】
前箱部511の内部には、一端がタンクに連通される2つの連通管540の他端が配置され、それら2つの連通管540の他端は、連設底板513aよりも下方に位置している。また、図示しないが前箱部511の内部には、運搬物を送出入する際に使用されるバルブや管、メータ等の多数の機材が収納されている。
【0008】
ホース520は、2本1組で構成され、2つの連通管540の他端に接続されている。ホース520は、連通管540の他端を始点として上方へ案内され、前箱部511、連設箱部513、後箱部512の上面側の内壁面と支持部材530との間を通過しつつ前箱部511から連設箱部513を介して後箱部512へ取り回され、支持部材530と後箱部512の後方側の内壁面との間を通過しつつ後箱部512の後方側の内壁面に沿って下方へ案内され、後箱部512の底面側および前方側の内壁面に沿って上方へ案内され、連設箱部513の連設底板513aと支持部材530との間を通過しつつ後箱部512から連設箱部513を介して前箱部511へ取り回され、ホース520の先端が前箱部511内に位置する連設底板513aに載置された状態で、ホース箱510の内部に収納されている。このようにホース520を配置することで、ホース520を交差させることなくホース箱510に収納できるので、ホース520同士の接触によるホース520の損傷を回避できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−125555(例えば、段落[0003]など)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述した従来のタンクローリ車、特に比較的小型のタンクローリ車に設置されるホース箱510は、比較的大型のタンクローリ車に設置されるホース箱510よりも車体の前後方向における寸法が短くなるため、小型のタンクローリ車では、大型のタンクローリ車よりもホース520を短くしてホース箱に収納可能な長さにする必要があった。そのため、小型のタンクローリ車に装備されるホース520は、先端を外部タンクに連結させるために十分な長さを確保できず、荷役作業時に不都合が生じるという問題点があった。
【0011】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、より長いホースをホース箱に収納できるタンクローリ車を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0012】
請求項1記載のタンクローリ車によれば、ホース箱は、後輪の前方に配設される前箱部と、後輪の後方に配設される後箱部と、それら前箱部および後箱部に連設される共に後輪の上方に配設される連設箱部と、前箱部から前方へ突出形成される突出箱部とを備え、それら前箱部、後箱部、連設箱部および突出箱部が互いに連通しつつ車体の前後方向に並設され、ホースは、前箱部から連設箱部を通過して後箱部へ取り回されると共に後箱部から連設箱部および前箱部を通過して突出箱部へ取り回される。よって、従来のホース箱と比べ、突出箱部が形成される分、ホース箱の車体前後方向における寸法を長くできるので、より長いホースをホース箱に収納することができるという効果がある。その結果、比較的小型のタンクローリ車であっても、より長いホースを装備できるので、荷役作業を効率的に行うことができる。
【0013】
また、ホースは、前箱部から連設箱部の底面と支持部材との間を通過させつつ後箱部へ取り回され、後箱部の前方側の内壁面に沿って後箱部の底面側へ案内され、後箱部の底面側及び後方側の内壁面に沿って上方へ案内され、後箱部、連設箱部、前箱部の上側の内壁面および支持部材の間を通過しつつ突出箱部へ案内されるので、ホース箱内においてホース同士が交差した状態で収納されることを回避できる。よって、ホース同士の接触によるホースの損傷を防止できるという効果がある。
【0014】
請求項2記載のタンクローリ車によれば、請求項1記載のタンクローリ車の奏する効果に加え、ホースが先端を車体の前方へ向けた状態で突出箱部に収納されるので、ホースの先端を固定するために突出箱部に取着される固定具に、ホースの先端を固定する作業を効率よく行うことができるという効果がある。
【0015】
即ち、連設箱部や前箱部の内部には、ホースが車体の前後方向へ往復して収納されると共に後箱部から前箱部へ案内される部分のホースを支持する支持部材が設置される。さらに、前箱部にはバルブや管、メータ等の機材が収納されている。よって、連設箱部や前箱部に固定具を設けると、連設箱部および前箱部の内部スペースが小さくなり、ホースの先端を固定具に固定する作業が非効率になる。
【0016】
これに対し、突出箱部には、支持部材が設置されず、バルブや管、メータ等の機材が収納されていないので、前箱部や連設箱部に比べて内部スペースが大きく確保される。従って、突出箱部の内部に固定具を設けても、突出箱部の内部スペースが大きく確保されるので、ホースの先端を固定具に固定する作業を効率よく行うことができる。
【0017】
請求項3記載のタンクローリ車によれば、請求項1又は2に記載のタンクローリ車の奏する効果に加え、ホース箱が断面円形状のタンクの左右方向端部よりも下方向側、かつ、下方向端部よりも左右方向外側に配設されると共に、運転室の左右方向端部より左右方向内側に配設され、突出箱部が車載機材の上方に配設されるので、タンクローリ車のデッドスペースに突出箱部を配設できる。よって、突出箱部が形成されることによるタンクローリ車全体の大型化を回避できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施の形態におけるタンクローリ車の側面図である。
【図2】(a)は、図1のIIa−IIa線における扉が閉鎖された状態のホース箱の断面図であり、(b)は、図1のIIa−IIa線における扉が開放された状態のホース箱の断面図である。
【図3】ホース箱を正面から視た模式図である。
【図4】従来のタンクローリ車に設置されるホース箱を正面から視た模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1及び図2を参照して、タンクローリ車100の概略構成について説明する。図1は、本発明の一実施の形態におけるタンクローリ車100の側面図である。図2(a)は、図1のIIa−IIa線における扉10bが閉鎖された状態のホース箱10の断面図であり、図2(b)は、図1のIIa−IIa線における扉10bが開放された状態のホース箱10の断面図である。なお、図2(a)及び図2(b)では、施錠装置10dを模式的に図示している。
【0020】
図1に示すように、タンクローリ車100は、液化ガス等の運搬物を運搬するための車両であり、複数の車輪2と、その複数の車輪2に支持される車体3と、その車体3に載置されるタンク4と、そのタンク4の左方(図1紙面手前側)で車体3に支持されるホース箱10と、そのホース箱10に収納されるホース20(図2参照)とを主に備えて構成されている。
【0021】
車体3は、複数の車輪2のうちの前輪2Fの上方に位置する運転室3aと、その運転室3aの後方に配設される荷台3bとを備えている。運転室3aは、運転手が乗車してタンクローリ車100の走行操作をするための部位であり、荷台3bは、タンク4が載置されると共にタンクローリ車100の走行や荷役作業に使用する様々な車載機材が積載される部位である。なお、車載機材としては、消火器、複数の車輪2のうちの左の前輪2Fと左の後輪2Rとの間に配設されるタンクローリ車100走行用の燃料タンク5、荷役作業に使用されるバルブ、管、メータ等(図示せず)が例示される。タンク4は、運搬物を貯留するための容器であり、断面円形状に形成されている。
【0022】
ホース箱10は、ホース20を収納するための部位である。ホース箱10は、後輪2Rの前方(図1左方向)に配設される前箱部11と、後輪2Rの後方(図1右方向)に配設される後箱部12と、それら前箱部11及び後箱部12に連設される連設箱部13と、前箱部11から車体3の前方(図1左方向)へ向けて突出形成される突出箱部14とを備えている。また、前箱部11は燃料タンク5と後輪2Rとの間のスペースを利用して配置され、後箱部12は後輪2Rの後方から車体3の後端までのスペースを利用して配置され、連設箱部13は後輪2Rの上方のスペースを利用して配置され、突出箱部14は連設箱部13と同等の高さ位置に形成されると共に燃料タンク5の上方、かつ、前箱部11と運転室3aとの間のスペースを利用して配置されている。さらに、ホース箱10は、タンク4の左方向(図1紙面手前方向)端部の高さ位置よりも下方側、かつ、タンク4の下方向端部よりも左側に配設されると共に、運転室3aの左方向(図1紙面手前方向)端部よりも右側(図1紙面奥方向)に配設されている。このように、ホース箱10は、車輪2、車体3、タンク4及び燃料タンク5を配置した状態におけるデッドスペースを利用して配置されているので、従来のホース箱に対して突出箱部14を形成することでホース箱10の車体3前後方向における寸法を長くしつつ、車体3に支持された状態におけるホース箱10の幅方向寸法の大型化を防止してタンクローリ車100全体の大型化を回避できる。
【0023】
図2(a)及び図2(b)に示すように、ホース箱10は、一面側(図2右側)に開口を有する断面略コ字状の収納部10aと、その一面側の開口を開閉する扉10bと、扉10bを揺動可能に支持するヒンジ10cとを備え、ホース箱10の一面側を車体3の左方へ向けて設置されている。
【0024】
なお、図1に示すように、扉10bは、連設箱部13及び突出箱部14よりも下方に位置する前箱部11の扉10bは、ヒンジ10cが前箱部11の前方側および後方側の外壁面に取着されることで車体3の前後方向に開放可能な観音開き式に構成され、連設箱部13及び突出箱部14よりも下方に位置する後箱部12の扉10bは、ヒンジ10cが後箱部12の後方側の外壁面に取着されることで車体3の後方向に開放可能に構成され、連設箱部13及び突出箱部14の扉10b、連設箱部13及び突出箱部14と同等の高さに位置する前箱部11及び後箱部12の扉10bは、ヒンジ10cが連設箱部13、突出箱部14、前箱部11及び後箱部12の上方側の外壁面に取着されることで、車体3の上方向に開放可能に構成されている。
【0025】
また、図2(a)及び図2(b)に示すように、ホース箱10には、扉10bの閉鎖時に扉10bを収納部10aに施錠する施錠装置10dが取着されている。施錠装置10dとしては、磁石の磁力により施錠するものや、収納部10aに上面視略菱形状に凸設される凸設部が取着されると共に扉10bに2つのローラが軸方向に対して垂直方向に並設され、扉10bの閉鎖時に2つのローラの間に凸設部が挟入されることで扉10bを収納部10aに施錠するもの等が例示される。
【0026】
さらに、連設箱部13及び突出箱部14(図1参照)を構成する収納部10aは、上面側の外壁面よりも底面側の外壁面のほうが一面側(図2(a)右側)へ突出して形成されると共に上面側及び底面側の外壁面の一面側の端部が車体3の左上(図2(a)右上)を向くように形成され、扉10bが車体3の左上に向けられた底面側の外壁面に支持された状態で開口を閉塞している。これにより、扉10bの自体の自重を利用して開口を閉塞できるので、タンクローリ車100の走行時の振動により扉10bが開放されやすくなることを抑制できる。
【0027】
ホース20は、タンク4(図1参照)内の運搬物を外部へ送出するための部材であり、2本1組で構成されている。また、ホース箱10は、収納部10aの開口に対向する内壁面に突設される棒状の支持部材30を備え、ホース20の一部分が支持部材30により支持されている。
【0028】
次に、図3を参照して、ホース箱10の内部構成について説明する。図3は、ホース箱10を正面から視た模式図である。なお、図3では、図面を簡略化して説明をわかりやすくするため、扉10bの図示を省略すると共に、ホース箱10の内部に収納されるホース20、支持部材30及び連通管40以外の図示を省略し、後輪2R及び後輪カバーを想像線で図示している。また、本実施の形態におけるホース箱10の内部に収納される支持部材30、連通管40及び連設底板13aは、従来のホース箱510の内部に収納される支持部材530、連通管540及び連設底板513aと同一の構成であるため、その説明を省略する。
【0029】
図3に示すように、ホース箱10は、突出箱部14、前箱部11、連設箱部13及び後箱部12が互いに連通しつつ車体3の前後方向(図3左右方向)に沿って並設されている。また、ホース20の先端には運搬物が充填される外部タンクに連結可能なカプラ20aが装着されている。
【0030】
ここで、ホース箱10へのホース20の収納方法について説明する。ホース20は、連通管40の他端を始点として上方へ案内され、連設箱部13の連設底板13aと支持部材30との間を通過しつつ前箱部11から連設箱部13を介して後箱部12へ取り回され、後箱部12の前方側の内壁面に沿って後箱部12の底面側へ案内され、後箱部12の底面側及び後方側の内壁面に沿って上方へ案内され、後箱部12、連設箱部13、前箱部11の上側の内壁面および支持部材30の間を通過しつつ突出箱部14へ案内され,カプラ20aが突出箱部14の底面に載置された状態で、ホース箱10の内部に収納されている。このようにホース20がホース箱10に収納されることで、ホース20同士がホース箱10の内部で交差することを回避できるので、ホース20同士の接触によるホース20の損傷を防止できる。
【0031】
以上のように、ホース箱10は、従来のホース箱と比べ、突出箱部14が形成される分、ホース箱10の車体3前後方向における寸法を長くできるので、より長いホース20をホース箱10に収納することができる。その結果、比較的小型のタンクローリ車100(図1参照)であっても、より長いホース20を装備できるので、荷役作業を効率的に行うことができる。
【0032】
また、ホース20が先端を車体3の前方(図3左方向)へ向けた状態で突出箱部14に収納されているので、カプラ20aを固定する固定具14aに、カプラ20aを固定する作業を効率よく行うことができる。
【0033】
即ち、連設箱部13及び前箱部11の内部には、ホース20が車体3の前後方向へ往復して収納されると共に、後箱部12から前箱部11へ案内される部分のホース20を支持する支持部材30が設置される。さらに、前箱部11にはバルブや管、メータ等の機材(図示せず)が収納されている。よって、連設箱部13や前箱部11に固定具14aを設けると、連設箱部13や前箱部11の内部スペースが小さくなり、ホース20の先端を固定具14aに固定する作業が非効率になる。
【0034】
これに対し、突出箱部14には、支持部材30が設置されず、バルブや管、メータ等の機材が収納されていないので、前箱部11や連設箱部13に比べて内部スペースが大きく確保される。従って、突出箱部14の内部に固定具14aを設けても、突出箱部14の内部スペースが大きく確保されるので、カプラ20aを固定具14aに固定する作業を効率よく行うことができる。
【0035】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0036】
例えば、上記実施の形態では、ホース20が2本1組で構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ホースが1本で構成されてもよく、3本以上が1組で構成されてもよい。
【0037】
また、上記実施の形態では、棒状の支持部材30が複数配置される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、板状の支持部材が開口に対向する内壁面に立設され、その板状の支持部材が前箱部11、連設箱部13、後箱部12の上面側の内壁面、後箱部12の後方側および底面側の内壁面に沿って配置されてもよい。これにより、ホース20を支持部材により確実に支持できると共に、支持部材に沿ってホース20を取り回しやすくすることができるので、ホース20のホース箱10への収納作業を効率よく行うことができる。
【符号の説明】
【0038】
100 タンクローリ車
2 車輪
2R 後輪
3 車体
31 運転室
4 タンク
5 燃料タンク(車載機材)
10 ホース箱
10b 扉
11 前箱部
12 後箱部
13 連設箱部
14 突出箱部
20 ホース
30 支持部材
40 連通管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車輪に支持される車体と、その車体に載置されると共に運搬物が貯留されるタンクと、そのタンクに一端が連通されると共に他端が前記複数の車輪のうちの後輪の前方側に配設される連通管と、その連通管の他端に接続されて前記タンク内の運搬物を外部へ送出するホースと、そのホースが収納されると共に前記後輪の前方から後方にかけて設置される中空のホース箱とを備えるタンクローリ車において、
前記ホース箱は、前記後輪の前方に配設されると共に前記連通管の他端が収納される前箱部と、前記後輪の後方に配設される後箱部と、それら前箱部および後箱部に連設されると共に前記後輪の上方に配設される連設箱部と、前記前箱部から前方へ突出形成される突出箱部とを備え、
それら前箱部、後箱部、連設箱部および突出箱部は、互いに連通しつつ前記車体の前後方向に並設され、前記車体の左右方向外側に位置する一面に開口を有する断面視略コ字状に形成されると共に前記開口を開閉する扉が揺動自在に取着され、
前記連設箱部は、前記開口に対向する内壁面に突設される支持部材を備え、
前記連通管の他端は、前記連設箱部よりも下方に位置し、
前記ホースは、前記前箱部から前記連設箱部の底面と前記支持部材との間を通過させつつ前記後箱部へ取り回され、前記後箱部の前方側の内壁面に沿って前記後箱部の底面側へ案内され、前記後箱部の底面側及び後方側の内壁面に沿って上方へ案内され、前記後箱部、前記連設箱部、前記前箱部の上側の内壁面および前記支持部材の間を通過して前記突出箱部へ案内された状態で、前記ホース箱に収納されていることを特徴とするタンクローリ車。
【請求項2】
前記ホースは、先端を前記車体の前方へ向けた状態で前記突出箱部に収納されていることを特徴とする請求項1記載のタンクローリ車。
【請求項3】
前記車体は、前記タンクの前方に配設される運転室と、その運転室および前記前箱部の間に配設される車載機材とを備え、
前記タンクは、断面円形状に形成され、
前記ホース箱は、前記タンクの左右方向端部よりも下方側、かつ、下方向端部よりも左右方向外側に配設されると共に、前記運転室の左右方向端部よりも左右方向内側に配設され、前記突出箱部が前記車載機材の上方に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載のタンクローリ車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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