説明

タング及びシートベルト装置

【課題】ショルダウェビング側からラップウェビング側へのウェビングの移動を防止又は抑制でき、しかも、ウェビングの幅方向端部側での荷重の集中を防止又は抑制できるタング及びシートベルト装置を得る。
【解決手段】スライダ82にはその軸方向端部にて開口した切欠部が形成されている。スライダ82が横壁54側へスライドして、スライダ側圧接部86とスライダ側圧接部86とによりウェビング16をクランプした状態で、スライダ側圧接部86がウェビング16に付与する力が大きいと、切欠部の開口幅を狭めるようにスライダ82の軸方向端部側が変形する。これにより、スライダ82のスライダ側圧接部86がウェビング16に付与する力は、ウェビング16の幅方向中央側に比べて幅方向端部側で低くなり、ウェビング16の幅方向端部に荷重が集中することを防止又は抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のシートベルト装置を構成するタング及びこのようなタングを備えたシートベルト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されたシートベルト装置用のタング(特許文献1では「安全ベルト用ベルトラッチ」と称している)は、車両が急減速することで車両前方へ慣性移動しようとする乗員の身体がウェビング(特許文献1では「ベルトウェッビング」と称している)を引っ張ると、ウェビングによってタングに設けられた曲げ及び締め付け要素が移動する。このように移動した曲げ及び締め付け要素がタングの締め付け顎部とでウェビングをクランプすることでウェビングにおいて乗員の肩部や胸部を拘束するショルダウェビングが、乗員の腰部を拘束するラップウェビング側へ移動することを抑制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2009−525909の公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示された曲げ及び締め付け要素のようなウェビング保持部材は、ウェビングの幅方向全域を一定の荷重でクランプすることが好ましい。但し、上記特許文献1に開示された締め付け顎部のようなタングの一部分とウェビング保持部材とでウェビングをクランプすると、クランプの荷重がウェビングの幅方向端部に集中する。
【0005】
本発明は上記事実を考慮して、ショルダウェビング側からラップウェビング側へのウェビングの移動を防止又は抑制でき、しかも、ウェビングの幅方向端部側での荷重の集中を防止又は抑制できるタング及びシートベルト装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の本発明に係るタングは、ウェビングの中間部が通過し、バックルに装着されることで前記バックルに保持されるタング本体と、掛け回し部に前記ウェビングが掛け回されて、圧接部と前記タング本体における所定部位との間を前記ウェビングが通過し、前記ウェビングが前記掛け回し部を引っ張ることで前記所定部位側へ移動して、前記ウェビングに前記圧接部が圧接し、前記所定部位と共に前記ウェビングを保持すると共に、前記圧接部の剛性及び前記圧接部の機械的強度の少なくとも一方を、前記ウェビングの幅方向中央部側よりも前記ウェビングの幅方向端部側で低く設定したウェビング保持部材と、を備えている。
【0007】
請求項1に記載のタングでは、車両用のシートに着座した乗員の身体に対してウェビングが掛け回された状態でバックルにタングを構成するタング本体が装着されると、タング本体がバックルに保持されて、乗員の身体に対するウェビングの装着状態になる。
【0008】
この状態では、ウェビング保持部材の掛け回し部にウェビングが掛け回され、ウェビングにおいて掛け回し部に掛け回された部分よりもウェビングの基端側又は先端側は、タング本体における所定部位とウェビング保持部材の圧接部との間を通過している。
【0009】
例えば、車両が急減速することで乗員の身体がウェビングを引っ張ると、この引っ張り力がウェビング保持部材の掛け回し部に付与されて、圧接部がタング本体における上記の所定部位へ接近するようにウェビング保持部材が移動する。これにより、圧接部がウェビングの厚さ方向一方の側からウェビングに圧接してタング本体の所定部位と共にウェビングを保持する。これにより、ウェビングが、タング本体における所定部位とウェビング保持部材の圧接部との間をウェビングの長手方向先端側へ移動することを防止又は抑制できる。
【0010】
ところで、本発明に係るタングでは、上記のウェビング保持部材における圧接部の剛性及び機械的強度の少なくとも一方は、ウェビングの幅方向中央側よりもウェビングの幅方向端部側で低く設定される。このため、ウェビング保持部材の圧接部がウェビングに圧接した際に、ウェビングから付与される押圧反力が所定の大きさを越えると、ウェビングの幅方向端部側で圧接部が変形又は除去される。このため、ウェビングの幅方向端部側ではウェビング保持部材の圧接部からの荷重が低減され、ウェビングの幅方向端部側にかかる負荷が軽減される。
【0011】
請求項2に記載の本発明に係るタングは、請求項1に記載の本発明において、前記ウェビング保持部材における前記ウェビングの幅方向に沿った端部で且つ前記圧接部側と前記掛け回し部側との間で前記ウェビング保持部材を切り欠くことで前記ウェビング保持部材に切欠部を形成して前記圧接部の剛性を前記ウェビングの幅方向中央部側よりも前記ウェビングの幅方向端部側で低く設定している。
【0012】
請求項2に記載のタングによれば、ウェビング保持部には切欠部が形成される。この切欠部はウェビング保持部材におけるウェビングの幅方向に沿った端部において圧接部側と掛け回し部側との間に形成される。このため、圧接部はウェビング保持部材におけるウェビングの幅方向中央側に比べて幅方向端部側で剛性が低い。
【0013】
したがって、ウェビング保持部材の圧接部がウェビングに圧接した際に、ウェビングから付与される押圧反力が所定の大きさを越えると、ウェビング保持部材におけるウェビングの幅方向端部側では切欠部の間隔(開口幅)を狭めるように圧接部が変形する。これにより、ウェビング保持部材におけるウェビングの幅方向端部側ではウェビング保持部材の圧接部からの荷重が低減され、ウェビングの幅方向端部側にかかる負荷が軽減される。
【0014】
請求項3に記載の本発明に係るタングは、請求項1又は請求項2に記載の本発明において、前記ウェビング保持部材における前記ウェビングの幅方向中央側の機械的強度及び剛性の少なくとも何れか一方を、前記ウェビング保持部材における前記ウェビングの幅方向端部側よりも高くする補強手段を前記ウェビング保持部材の軸方向中央側に設けている。
【0015】
請求項3に記載のタングによれば、ウェビング保持部材におけるウェビングの幅方向中央側には補強手段が設けられ、これにより、ウェビング保持部材におけるウェビングの幅方向中央側では、ウェビング保持部材におけるウェビングの幅方向端部側よりも機械的強度及び剛性の少なくとも一方が高くなる。
【0016】
すなわち、ウェビング保持部材におけるウェビングの幅方向中央側に補強手段が設けられることにより、ウェビング保持部材におけるウェビングの幅方向端部側の機械的強度及び剛性の少なくとも一方は、ウェビング保持部材におけるウェビングの幅方向中央側よりも相対的に低くなる。したがって、ウェビング保持部材の圧接部がウェビングに圧接した際に、ウェビングから付与される押圧反力が所定の大きさを越えると、ウェビング保持部材におけるウェビングの幅方向端部側では圧接部が変形又は除去される。このため、ウェビング保持部材におけるウェビングの幅方向端部側ではウェビング保持部材の圧接部からの荷重が低減され、ウェビングの幅方向端部側にかかる負荷が軽減される。
【0017】
請求項4に記載の本発明に係るタングは、請求項1から請求項3の何れか1項に記載の本発明において、前記圧接部を構成する本体側圧接部を有し、前記ウェビングの幅方向中央側で前記ウェビングに前記本体側圧接部が圧接する保持部材本体と、前記本体側圧接部における前記ウェビングの幅方向端部側で前記保持部材本体に設けられて、前記本体側圧接部と共に前記圧接部を構成して前記ウェビングに圧接すると共に、前記保持部材本体よりも機械的強度が低く設定された低強度部と、を含めて前記ウェビング保持部材を構成している。
【0018】
請求項4に記載のタングによれば、ウェビング保持部材を構成する保持部材本体には圧接部を構成する本体側圧接部を有しており、この本体側圧接部がウェビングの幅方向中央側でウェビングに圧接する。この保持部材本体には本体側圧接部と共に圧接部を構成する低強度部が設けられる。この低強度部は本体側圧接部よりもウェビングの幅方向端部側に設けられ、本体側圧接部と共にウェビングに圧接する。
【0019】
ここで、低強度部は保持部材本体よりも機械的強度が低く設定される。このため、ウェビング保持部材の圧接部がウェビングに圧接した際に、ウェビングから付与される押圧反力が所定の大きさを越えると、低強度部の少なくとも一部が除去される。このため、ウェビング保持部材におけるウェビングの幅方向端部側では低強度部からの荷重が低減され、ウェビングの幅方向端部側にかかる負荷が軽減される。
【0020】
請求項5に記載の本発明に係るシートベルト装置は、先端側が車両用のシートにおける乗員の着座位置の側方で前記シート又は車両の車体に直接又は間接的に係止されたウェビングと、前記着座位置を介して前記ウェビングの先端側の係止位置とは反対側に設けられたバックルと、前記請求項1から前記請求項4の何れか1項に記載のタングと、を備えている。
【0021】
請求項5に記載のシートベルト装置では、車両用のシートにおける乗員の着座位置の側方でウェビングの先端側がシート又は車両の車体に直接又は間接的に係止される。このシートに着座した乗員の身体に対してウェビングが掛け回された状態でシートにおける乗員の着座位置を介してウェビングの先端側の係止位置とは反対側に設けられたバックルにタングを構成するタング本体が装着されると、タング本体がバックルに保持されて、乗員の身体に対するウェビングの装着状態になる。
【0022】
ここで、本発明に係るシートベルト装置を構成するタングは、上述した請求項1から請求項4の何れか1項に記載されたタングである。このため、ウェビング保持部材の圧接部がウェビングに圧接した際に、ウェビングから付与される押圧反力が所定の大きさを越えると、ウェビングの幅方向端部側で圧接部が変形又は除去される。このため、ウェビングの幅方向端部側ではウェビング保持部材の圧接部からの荷重が低減され、ウェビングの幅方向端部側にかかる負荷が軽減される。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、本発明はショルダウェビング側からラップウェビング側へのウェビングの移動を防止又は抑制でき、しかも、ウェビングの幅方向端部側での荷重の集中を防止又は抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施の形態に係るシートベルト装置の構成を概略的に示す正面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るタングの構成を概略的に示す側面断面図である。
【図3】ウェビング保持部材が移動した状態を示す図2に対応した側面断面図である。
【図4】タング本体からカバーを取り外した状態を示す図2に対応した側面断面図である。
【図5】ウェビング保持部材の斜視図で(A)は変形前を示し、(B)は変形後を示している。
【図6】カバーの斜視図である。
【図7】ウェビング保持部材の第1変形例を示す斜視図で(A)は変形前を示し、(B)は変形後を示している。
【図8】ウェビング保持部材の第2変形例を示す斜視図で(A)は変形前を示し、(B)は変形後を示している。
【図9】ウェビング保持部材の第3変形例を示す斜視図で(A)は変形前を示し、(B)は変形後を示している。
【図10】ウェビング保持部材の第4変形例を示す斜視図で(A)は変形前を示し、(B)は変形後を示している。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<本実施の形態の構成>
図1には本発明の一実施の形態に係るタング10を用いたシートベルト装置12の全体構成の概略が正面図により示されている。この図に示されるように、本タング10は、ウェビング格納手段としてのウェビング巻取装置14を備えている。ウェビング巻取装置14は、例えば、車両のセンターピラーの下端側で、車両を構成する車体に固定されている。このウェビング巻取装置14には図示しないスプールが、例えば、車両の前後方向を軸方向とする軸周りに回転可能に設けられており、このスプールに可撓性を有する長尺帯状に形成されたウェビング16の長手方向基端側が係止されている。
【0026】
ウェビング16の長手方向基端側は上記のスプールの外周部に巻取られた状態で格納されている。ウェビング16におけるスプールよりも先端側は、センターピラーに沿って車両の上方へ引出され、センターピラーの上端部近傍に設けられたショルダアンカ18を通過して、車両の下方へ折り返されている。車両下方へ折り返されたウェビング16の先端は、車両用のシート20の側方で車体に固定されたアンカ22に係止されている。
【0027】
なお、本実施の形態は、車体側にウェビング巻取装置14やアンカ22が固定された構成である。しかしながら、例えば、ウェビング巻取装置14はシート20を構成するシートバック22に内蔵される構成であってもよいし、シートバック22の後方にウェビング巻取装置14が設けられる構成であってもよい。また、アンカ22も車体ではなく、シート20の骨格等を構成する部材に取り付けられる構成であってもよい。
【0028】
本実施の形態に係るタング10は、ウェビング16の先端(アンカ22に係止される部分)とショルダアンカ18との間に設けられている。このタング10に対応してシート20を介してウェビング巻取装置14やアンカ22の配置位置とは反対側にはバックル26が車体又はシート20の骨格等を構成する部材に固定されている。
【0029】
詳細に関しては後述するが、タング10はバックル26に装着できるようになっており、シート20のシートクッション28に着座した乗員30が、ウェビング巻取装置14のスプールからウェビング16を引出して、ウェビング16を前方から身体に掛け回した状態でタング10をバックル26に装着すると、乗員30の身体に対するウェビング16の装着状態になる。この状態では、ウェビング16におけるタング10とアンカ22との間がラップウェビング32とされて、乗員30の腰部を前方から拘束し、ウェビング16におけるショルダアンカ18とタング10との間がショルダウェビング34とされて、乗員30の肩部や胸部等を前方から拘束する。
【0030】
なお、本実施の形態のシートベルト装置12は、例えば、車両の運転席や助手席等の一人掛のシート20に対応した構成であるが、例えば、車両の後部座席等に用いられる複数人掛のベンチシートに本発明を適用することができる。このようなベンチシートに本発明を適用する場合、ベンチシートにおける乗員30の着座位置に対してシート幅方向一方の側にウェビング巻取装置14やシートバック22が設けられ、他方の側にバックル26が設けられる。
【0031】
<タング10の構成>
図2にはタング10の構成が側面断面図により示されている。
【0032】
この図に示されるように、タング10はタング本体40を構成する芯金42を備えている。芯金42は金属平板を打ち抜き、更に、曲げ成形することにより形成されている。この芯金42は挿込部44を備えており、タング10をバックル26に装着する際には、挿込部44がバックル26に形成された開口からバックル26に挿入される。挿込部44には透孔46が形成されている。挿込部44がバックル26に挿入されると、バックル26に設けられたラッチが透孔46に入り込む。挿込部44がバックル26から抜け出ようとすると、ラッチが透孔46の内周部に干渉してバックル26から抜け出る方向への挿込部44の移動が規制される。これにより、バックル26へのタング10の装着状態となる。
【0033】
また、芯金42における挿込部44よりも基端側(タング10をバックル26に挿し込む際の挿込方向とは反対側)は基部48とされている。図4に示されるように、基部48は横壁50を備えている。横壁50は挿込部44の基端側から芯金42を構成する板材を挿込部44の厚さ方向一方の側へ向けて屈曲させることで形成されている。また、基部48は底壁52を備えている。底壁52は横壁50の挿込部44とは反対側の端部から連続して形成されており、横壁50の挿込部44とは反対側の端部を軸に芯金42を構成する板材を横壁50の厚さ方向一方の側へ向けて屈曲させることで形成されている。
【0034】
さらに、図2に示されるように、基部48は横壁54を備えている。横壁54は底壁52の横壁50とは反対側の端部から連続して形成されており、底壁52の横壁50とは反対側の端部を軸に芯金42を構成する板材を底壁52の厚さ方向一方の側へ向けて屈曲させることで形成されている。このように、横壁50、底壁52、横壁54にて構成される基部48は、その断面形状が底壁52の厚さ方向一方へ向けて開口した凹形状となっている。
【0035】
また、この基部48には開口部62、64が形成されている。開口部62は横壁50から底壁52に亘って形成されており、基部48の内側と横壁50や底壁52よりも基部48の外側とを連通している。これに対して開口部64は底壁52から横壁54に亘って形成されており、基部48の内側と底壁52や横壁54よりも基部48の外側とを連通している。
【0036】
このような構成の基部48は合成樹脂材によって形成された被覆部68により被覆されている。この被覆部68において上述した基部48の横壁50と横壁54との間に対応する空間はスライダ収容部70とされている。また、被覆部68にはウェビング通過孔72が形成されている。ウェビング通過孔72は上述した開口部62の内周部が被覆部68を構成する合成樹脂材により被覆されることで形成されており、被覆部68の内側であるスライダ収容部70と被覆部68の外側とを連通している。
【0037】
また、被覆部68にはウェビング通過孔74が形成されている。ウェビング通過孔74は上述した開口部64の内周部が被覆部68を構成する合成樹脂材により被覆されることで形成されている。但し、ウェビング通過孔74はその貫通方向が横壁54の厚さ方向に沿っており、横壁54の厚さ方向に沿って被覆部68の内側であるスライダ収容部70と被覆部68の外側とを連通している。
【0038】
上述したウェビング16はショルダウェビング34が被覆部68の外側からウェビング通過孔72を通過してスライダ収容部70の内側に入り込み、更に、ウェビング通過孔74を通過して被覆部68の外側に延びた部分がラップウェビング32となっている。
【0039】
上記のスライダ収容部70の内側にはウェビング保持手段としてのスライダ82が設けられている。図5に示されるように、スライダ82は、例えば、金属平板をウェビング16の幅方向を軸方向とする軸周りに湾曲又は屈曲させることで形成されている。このスライダ82の横壁50側は掛け回し部84とされ、ウェビング通過孔72を通過してスライダ収容部70の内側に入り込んだウェビング16が掛け回し部84に掛け回される。これに対して、スライダ82の横壁54側は圧接部としてのスライダ側圧接部86とされている。
【0040】
図2に示されるように、スライダ側圧接部86はスライダ82がスライダ収容部70の底壁52側の面に接した状態でスライダ収容部70の開口側(すなわち、底壁52とは反対側)の端部がウェビング通過孔74よりもスライダ収容部70の開口側に位置している。被覆部68においてウェビング通過孔74よりもスライダ収容部70の開口側に位置して、ウェビング通過孔74の貫通方向にスライダ82のスライダ側圧接部86と対向する部分は本体側圧接部88とされ、このため、掛け回し部84に掛け回されたウェビング16は更にスライダ側圧接部86におけるスライダ収容部70の開口側の部分に掛け回されてウェビング通過孔74へ向かい、本体側圧接部88のウェビング通過孔74側の角部に掛け回されてウェビング通過孔74を通過する。
【0041】
また、このような構成のスライダ82は、スライダ収容部70の内部で横壁54へ接近する方向へスライド可能とされており、横壁54へスライダ82が接近すると、図3に示されるように、スライダ側圧接部86と本体側圧接部88とでウェビング16をクランプする。
【0042】
さらに、図2に示されるように、スライダ82には切欠部90が形成されている。切欠部90は、スライダ82の軸方向両端側(すなわち、スライダ82におけるウェビング16の幅方向に沿った両端側)へ向けて漸次開口幅寸法が大きくなる略V字形状とされている。また、切欠部90は、スライダ82の厚さ方向に貫通していると共に、スライダ82の軸方向両端部にて開口している。この切欠部90は上記の掛け回し部84とスライダ側圧接部86との間に形成されており、スライダ82において切欠部90が形成された部位よりもスライダ側圧接部86側は低剛性部92とされている。
【0043】
この低剛性部92は剛性がスライダ側圧接部86において切欠部90よりもスライダ82の軸方向中央側の部分よりも低くなる。このため、図5の(B)に示されるように、スライダ側圧接部86に対して掛け回し部84とは反対側から付与された所定の大きさ以上の荷重により、低剛性部92は切欠部90における開口幅を狭めるように弾性変形する。
【0044】
一方、図5の(A)に示されるように、このスライダ82が設けられたスライダ収容部70の内側にはウェビング保持部材付勢手段としてのスライダ付勢ばね102が設けられている。スライダ付勢ばね102は棒状又は細幅板状の基部104を備えている。基部104はその長手方向がスライダ82の軸方向に対して傾いた状態でスライダ82の内側に設けられ、基部104の長手方向一端部はスライダ82の軸方向端部からスライダ82の外側へ突出している。この基部104の長手方向一端部からは連続して本体側係止片106が形成されている。
【0045】
本体側係止片106はスライダ付勢ばね102を構成する棒材又は細幅板状の板材を基部104の長手方向一端部にて幅方向を軸方向とする軸周りに屈曲又は湾曲させることで形成されている。本体側係止片106はスライダ82の外側で基部104の長手方向一端部から横壁54側へ向けて延びており、スライダ収容部70の内側で被覆部68に形成された係止部に係止されている。これに対して、基部104の長手方向他端部からは連続して圧接片108が形成されている。
【0046】
圧接片108は本体側係止片106と同様にスライダ付勢ばね102を構成する棒材又は細幅板状の板材を基部104の長手方向他端部にて幅方向を軸方向とする軸周りに屈曲又は湾曲させることで形成されている。圧接片108の先端(基部104とは反対側の端部)はスライダ82における掛け回し部84側の内周部に圧接しており、スライダ付勢ばね102はスライダ82を横壁50側(すなわち、スライダ82のスライダ側圧接部86を被覆部68の本体側圧接部88から離間させる向き)へ付勢している。
【0047】
また、図2に示されるように、タング10は全体的に合成樹脂材により形成されたカバー122を備えている。カバー122は基部124を備えている。基部124は長手方向がウェビング16の幅方向に沿い、幅方向が横壁50と横壁54との対向方向に沿った平板状に形成されている。基部124の長手方向寸法は被覆部68におけるウェビング16の幅方向に沿った寸法に略等しく、幅方向寸法はスライダ収容部70の開口側における横壁50側から横壁54側までの長さに略等しい。
【0048】
図6に示されるように、カバー122の基部124は、スライダ収容部70に設けられてスライダ収容部70の開口側(底壁52とは反対側)を閉止する。この基部124の長手方向両端からは底壁52側へ向けて脚板126が延出されている。この脚板126は厚さ方向がウェビング16の幅方向に沿っており、スライダ収容部70におけるウェビング16の幅方向両端を閉止する。このような構成のカバー122は、被覆部68に形成された図示しない嵌合部等に嵌合することで被覆部68に一体的に固定され、スライダ収容部70内のスライダ82やスライダ付勢ばね102を覆い隠している。
【0049】
<本実施の形態の作用、効果>
次に、本実施の形態の作用並びに効果について説明する。
【0050】
本タング10を適用したシートベルト装置12では、シート20のシートクッション28に着座した乗員30が身体にウェビング16を装着する際には、先ず、タング10を把持した状態でタング10と共にウェビング16を引っ張る。このウェビング16の引っ張りによりウェビング巻取装置14のスプールからウェビング16が引出される。このようにして引出されたウェビング16を乗員30が身体の前方でウェビング16を身体に掛け回し、この状態でタング10の挿込部44をバックル26に挿し込むと、バックル26によるタング10の保持状態となり、乗員30の身体に対するウェビング16の装着状態になる。
【0051】
この乗員30の身体に対するウェビング16の装着状態では、ウェビング16におけるタング10とアンカ22との間の部分がラップウェビング32とされ、乗員30の腰部がシート20の前方や上方からラップウェビング32によって拘束される。これに対して、ウェビング16におけるタング10とショルダアンカ18との間の部分はショルダウェビング34とされ、乗員30の肩部や胸部がシート20の前方からショルダウェビング34によって拘束される。
【0052】
このウェビング16の装着状態で、例えば、車両が急減速すると乗員30の身体によってウェビング16におけるラップウェビング32及びショルダウェビング34の双方がシート20の前方へ引っ張られる。このようにラップウェビング32及びショルダウェビング34が引っ張られると、タング10のスライダ収容部70の内側では、ウェビング16がスライダ82の掛け回し部84を横壁54側へ引っ張る。このようにウェビング16から掛け回し部84に付与された力がスライダ付勢ばね102の付勢力を上回ると、スライダ82が横壁54側へスライドする。
【0053】
このようにスライダ82が横壁54側へスライドすると、ウェビング16のスライダ側圧接部86と対向する面がスライダ側圧接部86に押圧され、ウェビング16の幅方向軸方向とする軸周りにウェビング16が屈曲しつつスライダ82のスライダ側圧接部86と被覆部68の本体側圧接部88との間に挟み込まれる。このようにして、スライダ82のスライダ側圧接部86と被覆部68の本体側圧接部88とでウェビング16をその厚さ方向両側から挟み込んでウェビング16をクランプすること(ウェビング16を保持すること)により、ウェビング16におけるショルダウェビング34側の部分がスライダ収容部70を通過してラップウェビング32側へ移動することを防止又は抑制できる。
【0054】
ここで、ウェビング16から掛け回し部84へ付与される力が所定の大きさを越え、このような大きな力に基づいた反力がウェビング16からスライダ側圧接部86に付与されると、上述したように、本体側圧接部88における低剛性部92の部分では、切欠部90の開口幅を狭めるように弾性変形が生じる。このような弾性変形が低剛性部92にて生じることで、スライダ82のスライダ側圧接部86がウェビング16に付与する力は、ウェビング16の幅方向中央側に比べて低剛性部92に対応したウェビング16の幅方向端部側で低くなる。これにより、ウェビング16の幅方向端部に荷重が集中することを防止又は抑制できる。
【0055】
また、このようにウェビング16の幅方向端部への荷重の集中を防止又は抑制する構成として、スライダ82に切欠部90を形成することで本体側圧接部88におけるスライダ82の軸方向端部側を低剛性部92とするだけでよく、安価なコストで実現が可能である。
【0056】
なお、本実施の形態では、図2や図3に示されるように、スライダ82の断面形状はスライダ収容部70の開口側へ向けて開口した略C字形状であった。しかしながら、スライダ82の断面形状がこのような形状に限定されるものではない。例えば、スライダ82を筒形状(すなわち、断面形状がその周方向に連続した環状)であってもよい。
【0057】
また、このようにウェビング16の幅方向端部への荷重の集中を防止又は抑制するためには以下に列記するような特徴を有していればよい。
【0058】
(1) 充分な剛性を有する材料でスライダ82を形成すると共に、スライダ82の軸方向端部側で軸方向中央側よりも剛性が低い低剛性部92をスライダ側圧接部86に形成する(既に説明したスライダ82の構成)。
【0059】
(2) 充分な機械的強度を有する材料でスライダ82を形成すると共に、スライダ82の軸方向端部側で軸方向中央側よりも機械的強度が低い低強度部をスライダ側圧接部86に形成する。
【0060】
(3) スライダ82を構成する板材の板厚を薄くするなどして、剛性が低い材料でスライダ82を形成すると共に、スライダ82の軸方向中央側に軸方向端部側よりも剛性を高めた高剛性部を形成する。
【0061】
(4) 機械的強度が低い材料でスライダ82を形成すると共に、スライダ82の軸方向中央側に軸方向端部側よりも機械的強度を高めた高強度部を形成する。
【0062】
なお、このような条件のうち、(1)と(3)とは併せ持っていてもよいし、(2)と(4)とは併せ持っていてもよい。以下、これらの条件の何れかを満たすようなスライダ82の変形例を以下に説明する。
【0063】
<第1変形例>
図7にはスライダ82の第1変形例であるウェビング保持部材としてのスライダ152がスライダ82を説明した図5に対応する斜視図により示されている。図7の(A)に示されるように、スライダ152はスライダ82と同様にウェビング16の幅方向を軸方向とする軸周りに湾曲又は屈曲している。しかしながら、スライダ152の周方向両端におけるスライダ152の軸方向中央側は連結部154にて繋がって一体となっている。このため、このスライダ152は、軸方向端部側よりも軸方向中央側で剛性が高くなる。
【0064】
すなわち、このスライダ152は上記の条件のうち、(2)を満たすものである。したがって、例えば、スライダ152を構成する板材やパイプ材の厚さを薄く設定することで、スライダ152の軸方向端部側での剛性を低く設定でき、図7の(B)に示されるように、上述したスライダ82と同様にスライダ152の軸方向両端側でスライダ側圧接部86に付与された所定の大きさ以上の力でスライダ側圧接部86を掛け回し部84側へ変形させることができ、これによって、上述したような作用、効果を得ることができる。
【0065】
<第2変形例>
図8にはスライダ82の第2変形例であるウェビング保持部材としてのスライダ162がスライダ82を説明した図5に対応する斜視図により示されている。図8の(A)に示されるように、スライダ162は保持部材本体としてのスライダ本体164を備えている。スライダ本体164は、スライダ82と同様に金属板材をウェビング16の幅方向を軸方向とする字句周りに湾曲又は屈曲させることにより形成されている。このスライダ本体164には圧接部を構成する本体側圧接部166が形成されている。このスライダ本体164はスライダ82におけるスライダ側圧接部86と同様にスライダ本体164における掛け回し部84よりも横壁54側に形成されている。
【0066】
さらに、スライダ本体164は本体側圧接部166よりも軸方向端部側が漸次掛け回し部84へ接近している(すなわち、被覆部68における本体側圧接部88から離間している)。このスライダ本体164における本体側圧接部166よりも軸方向端部側には本体側圧接部166と共に圧接部を構成する低強度部168が設けられている。低強度部168はスライダ本体164を構成する材料(例えば、金属平板)よりも機械的強度が低い材料(例えば、合成樹脂材等)により形成されている。
【0067】
すなわち、このスライダ162は上記の条件のうち、(4)を満たすものである。スライダ162が横壁54側へスライドして本体側圧接部166がウェビング16に圧接すると低強度部168もウェビング16に圧接する。但し、低強度部168の機械的強度は本体側圧接部166の機械的強度よりも低いため、低強度部168がウェビング16に圧接した際に低強度部168がウェビング16から受ける反力が所定の大きさを越えると、図8の(B)に示されるように、低強度部168は塑性変形したり、削れたりする。これにより、低強度部168がウェビング16に付与する力が減少し、上述したような作用、効果を得ることができる。
【0068】
<第3変形例>
図9にはスライダ82の第3変形例であるウェビング保持部材としてのスライダ182がスライダ82を説明した図5に対応する斜視図により示されている。図9の(A)に示されるように、スライダ182はスライダ82と同様に金属板材をウェビング16の幅方向を軸方向とする字句周りに湾曲又は屈曲させることにより形成されている。但し、スライダ182を構成する金属板材は厚さが均一ではなく、スライダ182の軸方向両端側よりも軸方向中央側が厚く設定されている。このため、スライダ182は、軸方向両端側よりも軸方向中央側で剛性が高い。
【0069】
すなわち、このスライダ182は上記の条件のうち、(3)を満たすものである。このため、スライダ182は薄肉とされた軸方向両端側で剛性が低くなり、スライダ182のスライダ側圧接部86がウェビング16に圧接した際にスライダ側圧接部86がウェビング16から受ける反力が所定の大きさを越えると、図9の(B)に示されるように、スライダ182の軸方向両端側でスライダ側圧接部86が掛け回し部84へ接近するように弾性変形する。これにより、スライダ182のスライダ側圧接部86からウェビング16に付与される力が減少し、上述したような作用、効果を得ることができる。
【0070】
<第4変形例>
図10にはスライダ82の第4変形例であるウェビング保持部材としてのスライダ192がスライダ82を説明した図5に対応する斜視図により示されている。図10の(A)に示されるように、スライダ192はスライダ82と同様に金属板材をウェビング16の幅方向を軸方向とする字句周りに湾曲又は屈曲させることにより形成されている。但し、スライダ192を構成する金属板材においてスライダ192の軸方向中央側に対応する部分にはリブ194が形成されている。リブ194はスライダ192の厚さ方向一方(内側)へ向けて張り出して厚さ方向他方(外側)へ向けて開口するようにスライダ192を構成する金属板材を屈曲又は湾曲させることで形成されている。このため、スライダ192は、軸方向両端側よりも軸方向中央側で剛性が高い。
【0071】
すなわち、このスライダ192は上記の条件のうち、(3)を満たすものである。このため、スライダ192はリブ194よりも軸方向両端側で剛性が低くなり、スライダ192のスライダ側圧接部86がウェビング16に圧接した際にスライダ側圧接部86がウェビング16から受ける反力が所定の大きさを越えると、図10の(B)に示されるように、スライダ192の軸方向両端側でスライダ側圧接部86が掛け回し部84へ接近するように弾性変形する。これにより、スライダ192のスライダ側圧接部86からウェビング16に付与される力が減少し、上述したような作用、効果を得ることができる。
【0072】
なお、本実施の形態では、スライダ側圧接部86と本体側圧接部88とでウェビング16をクランプする構成であったが、スライダ側圧接部86と本体側圧接部88との間隔がウェビング16の厚さ寸法と同じになるまでスライダ82が横壁54へ接近しないようにスライダ82のスライドを規制するスライド規制手段を設け、スライダ側圧接部86と本体側圧接部88とでウェビング16をクランプせずに、スライダ82が底壁52側へスライドすることで、スライダ側圧接部86がウェビング16の厚さ方向一方の面に圧接してスライダ収容部70内におけるウェビング16の通過経路を変更すると共に、ウェビング16の幅方向を軸方向とするウェビング16の屈曲角度を増加させることでウェビング16のショルダウェビング34側がラップウェビング32側へ移動することを規制する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0073】
10 タング
12 シートベルト装置
16 ウェビング
20 シート
26 バックル
30 乗員
32 ラップウェビング
34 ショルダウェビング
40 タング本体
82 スライダ(ウェビング保持部材)
84 掛け回し部
86 スライダ側圧接部(圧接部)
90 切欠部
92 低剛性部
152 スライダ(ウェビング保持部材)
162 スライダ(ウェビング保持部材)
164 スライダ本体
166 本体側圧接部
168 低強度部
182 スライダ(ウェビング保持部材)
192 スライダ(ウェビング保持部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェビングの中間部が通過し、バックルに装着されることで前記バックルに保持されるタング本体と、
掛け回し部に前記ウェビングが掛け回されて、圧接部と前記タング本体における所定部位との間を前記ウェビングが通過し、前記ウェビングが前記掛け回し部を引っ張ることで前記所定部位側へ移動して、前記ウェビングに前記圧接部が圧接し、前記所定部位と共に前記ウェビングを保持すると共に、前記圧接部の剛性及び前記圧接部の機械的強度の少なくとも一方を、前記ウェビングの幅方向中央部側よりも前記ウェビングの幅方向端部側で低く設定したウェビング保持部材と、
を備えるタング。
【請求項2】
前記ウェビング保持部材における前記ウェビングの幅方向に沿った端部で且つ前記圧接部側と前記掛け回し部側との間で前記ウェビング保持部材を切り欠くことで前記ウェビング保持部材に切欠部を形成して前記圧接部の剛性を前記ウェビングの幅方向中央部側よりも前記ウェビングの幅方向端部側で低く設定した請求項1に記載のタング。
【請求項3】
前記ウェビング保持部材における前記ウェビングの幅方向中央側の機械的強度及び剛性の少なくとも何れか一方を、前記ウェビング保持部材における前記ウェビングの幅方向端部側よりも高くする補強手段を前記ウェビング保持部材の軸方向中央側に設けた請求項1又は請求項2に記載のタング。
【請求項4】
前記圧接部を構成する本体側圧接部を有し、前記ウェビングの幅方向中央側で前記ウェビングに前記本体側圧接部が圧接する保持部材本体と、
前記本体側圧接部における前記ウェビングの幅方向端部側で前記保持部材本体に設けられて、前記本体側圧接部と共に前記圧接部を構成して前記ウェビングに圧接すると共に、前記保持部材本体よりも機械的強度が低く設定された低強度部と、
を含めて前記ウェビング保持部材を構成した請求項1から請求項3の何れか1項に記載のタング。
【請求項5】
先端側が車両用のシートにおける乗員の着座位置の側方で前記シート又は車両の車体に直接又は間接的に係止されたウェビングと、
前記着座位置を介して前記ウェビングの先端側の係止位置とは反対側に設けられたバックルと、
前記請求項1から前記請求項4の何れか1項に記載のタングと、
を備えるシートベルト装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−107422(P2013−107422A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251805(P2011−251805)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】